JP3287546B2 - 根茎収穫機 - Google Patents

根茎収穫機

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JP3287546B2
JP3287546B2 JP30667397A JP30667397A JP3287546B2 JP 3287546 B2 JP3287546 B2 JP 3287546B2 JP 30667397 A JP30667397 A JP 30667397A JP 30667397 A JP30667397 A JP 30667397A JP 3287546 B2 JP3287546 B2 JP 3287546B2
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義昭 山本
幹夫 松井
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セイレイ工業株式会社
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  • Harvesting Machines For Root Crops (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、畝面に列状に植立
した玉葱や人参等を連続的に引き抜くように作動する根
茎収穫機に関する。
【0002】
【従来の技術】畝面に植生する玉葱を走行中に抜き上
げ、その茎葉部の長さ途中を、エンジンで駆動される切
断装置で切り離すように作動する根茎収穫機は存在して
いる。この種の収穫機では、上記切断装置は機体フレー
ムの最適高さ位置に固定されており、従って、玉葱の茎
葉部は常にその玉部から一定長さ位置を切り離されるも
のとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、収穫後のお
ける玉葱の処理によってはその茎葉部の切り離し長さを
長短に変化させたい場合がある。
【0004】この要望に応えるため、本出願人は、切断
装置の高さ位置を変更調整自在となし、且つエンジンの
回転をフレキシブルシャフトを介して切断装置に伝達す
るようにした先行技術を案出した。
【0005】しかし、この先行技術では、特にフレキシ
ブルシャフトと切断装置の回転入力軸との結合箇所が捻
り剛性の不連続性に起因して疲労破壊し易く、また切断
装置の切り刃に石等が当たることによる衝撃的な加重を
受けて一挙に破壊することがある。またフレキシブルシ
ャフトとそのガイド筒との摩擦損失や屈曲作動による浪
費動力が大きいため、動力伝達効率も低い。本発明は、
上記のような問題点に対処し得るものとした茎葉収穫機
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、畝面に植生する根茎作物を機体の走行
中に抜き上げ、その茎葉部の長さ途中を、エンジンで駆
動される切断装置で切り離すように作動する根茎収穫機
において、切断装置を後上がり傾斜状の長孔を有する固
定状の案内板と前記長孔に切断装置を締結固定するため
のナット体とを介して高さ変更可能に装設すると共に、
エンジンの回転を伝達するための固定状の横向き駆動ケ
ースと切断装置とは、横向き駆動ケースに装着された後
側ケースと切断装置に装着された前側ケースとを長さ方
向の相対変位可能に結合させたものとなされ、且つ抜き
上げられた後の根茎作物の茎葉部の前後向き搬送軌跡の
横方へ外れるように配置されている切断装置用伝動ケー
スを介して、切断装置の高さ変更を許容する状態に結合
させてあり、またエンジンの回転が切断装置用伝動ケー
スの内方に設けられた剛性伝動系統を介して横向き駆動
ケース内から切断装置まで伝達される構成となし、この
際、剛性伝動系統は長さ変更可能となされた剛性回転
軸、及び、この剛性回転軸と横向き駆動ケース内の横向
き駆動軸及び、切断装置内の回転入力軸とを連動連結し
た歯車で形成されている構成となす。
【0007】上記切断装置がその固定位置を高く設定さ
れると、玉葱は茎葉部の高い位置を切り離され、逆にそ
の固定位置を低く設定されると、茎葉部の低い位置を切
り離される。
【0008】 また上記剛性伝動系統は剛性回転軸や歯車
により形成されるため、横向き駆動 ケース内から切断装
置までの動力伝達強度を従来のフレキシブルシャフトに
較べ十分に大きくでき、疲労破壊や衝撃的荷重による破
壊の生じ難いものとなるほか、摩擦損失等による浪費動
力が小さくなる。また切断装置用伝動ケースや剛性回転
軸が長さ変更可能となされていることが、横向き駆動ケ
ース内から切断装置までの剛性伝動系統の動力伝達強度
を大きく確保した上で切断装置の固定高さを変更させる
構造を実現させるものとなる
【0009】上記発明は、次のように具体化することが
できる。即ち、機体の走行中に、畝面に植生する根茎作
物を後向き斜め上方へ向けられた引抜き搬送装置で搬送
しつつ抜き上げ、その茎葉部の長さ途中を、機体後部上
方に設けられたエンジンにより駆動される切断装置で切
り離すように作動する根茎収穫機において、切断装置を
後上がり傾斜状の長孔を有する固定状の案内板と前記長
孔に切断装置を締結固定するためのナット体とを介して
高さ変更可能に装設すると共に、エンジンの回転を伝達
するための固定状の横向き駆動ケースと切断装置とは、
横向き駆動ケースに装着された後側ケースと切断装置に
装着された前側ケースとを長さ方向の相対変位可能に結
合させたものとなされ、且つ抜き上げられた後の根茎作
物の茎葉部の前後向き搬送軌跡の横方へ外れるようにし
かも引抜き搬送装置の下方近傍に沿うように配置されて
いる切断装置用伝動ケースを介して、切断装置の高さ変
更を許容する状態に結合させてあり、またエンジンの回
転が切断装置用伝動ケースの内方に設けられた剛性伝動
系統を介して横向き駆動ケース内から切断装置まで伝達
される構成となし、この際、剛性伝動系統は長さ変更可
能となされた剛性回転軸、及び、この剛性回転軸と横向
き駆動ケース内の横向き駆動軸及び、切断装置内の回転
入力軸とを連動連結した歯車で形成されている構成とな
す。このようにすると、上記剛性伝動系統がコンパクト
に配置され、また上記切断装置用伝動ケースが引抜き搬
送装置により上方を被われた状態となるため、この切断
装置用伝動ケースを被うための専用のカバーは不要とな
る。
【0010】上記切断装置用伝動ケースは具体的には次
のようになされるのであって、即ち 、横向き駆動ケース
に前下がり傾斜状に装着された後側ケースの前部に、切
断装置に後上がり傾斜状に装着された前側ケースの後部
を相対変位の可能なように内嵌した構成とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を説明す
る。図1は本発明に係る収穫機の平面図、図2は前記収
穫機の側面視作動説明図、図3は前記収穫機の動力伝達
系統説明図、図4は前記収穫機の正面図、図5は前記収
穫機の右側面図、図6は前記収穫機の一部を示す平面
図、図7は前記収穫機の要部を示す平面視説明図、図8
は前記収穫機の一部を示す側面図、図9は前記収穫機の
一部を示す後面図、図10は前記収穫機の一部の作動を
示す断面視説明図である。
【0012】図1において、1は機体の最前部に左右方
向の一定間隔毎に設けた縦回し形の分草引起こし装置で
ある。この引起こし装置1は、機体の進行中、図2に示
す斜め上方f1へ移動される係止突起1aにより玉葱な
どの作物wの茎葉部w1を掻き分けて引き起こすように
してある。
【0013】各分草引起こし装置1の先端からは分草棒
2が斜め前方下向きへ延出させてある。この分草棒2は
機体の進行中、作物wの茎葉部w1を機体最前方で掻き
分けるものである。
【0014】3は左右一対の掻込み要部4、4からなる
掻込み装置で、各掻込み要部4の係止突起4aを掻込み
装置3の先端部外方から中央個所へ向けて周回移動さ
せ、続いて斜め上方へ移動させることにより、引起こし
装置1の引き起こした茎葉部w1を掻込み装置3の下部
中央へ掻き込んで図2示す斜め上方f2へ押し上げるも
のとなしてある。
【0015】5は左右一対の引抜き搬送要部6、6から
なる引抜き搬送装置である。各引抜き搬送要部6は図3
に示す複数のプーリ6a、6bに引抜き搬送ベルト7を
掛け回して形成したものである。これら要部6、6の搬
送ベルト7、7は対向させ、ベルト7、7間を引き抜き
搬送経路kとなす。
【0016】この引抜き搬送装置5は、掻込み装置3の
掻き込んだ茎葉部w1の比較的上部を引抜き搬送経路k
の搬送始端に受け取り、続いて引抜き搬送装置5で挟持
して図2に示す斜め上方f3へ搬送し、この搬送過程
で、この引抜き搬送装置5の下方に位置した図4に示す
掘起こし刃8、8で掘り起こされた畝面Uの作物wを土
中から引き抜くようにしてある。
【0017】引抜き搬送ベルト7、7の下方には図5に
示すように下部搬送装置9が設けてある。この下部搬送
装置9は図6に示すように左右一対の下部搬送要部1
0、10からなり、これの前後傾斜は引抜き搬送装置5
のそれよりも緩やかにしてある。各下部搬送要部10は
前後一対の端部プーリ11、12に下部搬送ベルト13
を掛け回して形成する。このさい、一対の下部搬送ベル
ト13、13は対向させ、これらベルト13、13間を
茎葉部w1の下部の搬送経路k1となす。
【0018】図2等に示すように引抜き搬送装置5と下
部搬送装置9の間には切断装置14が設けてあり、この
切断装置14は図7に示すように水平部141aと先端
部141bからなる本体フレーム141を備え、水平部
141aの内方に回転入力軸142を装設し、また先端
部141bに回転入力軸142とベベルギヤ143を介
して連動連結された縦軸144を装設し、この縦軸14
4に円盤形の回転切り刃145を固定したものとなして
ある。
【0019】この切断装置14は機体に対し、固定高さ
位置の変更調整自在に装設するのであって、具体的には
次のように形成してある。
【0020】即ち、図7及び図8に示すように、機体と
同体に設けた支持板146に案内板147をボルト固定
し、この案内板147に後上がり傾斜状となされた長孔
sを形成し、一方では切断装置14の水平部141aに
部tを形成し、この鍔部tの近傍個所に操作ハンドル
148a付のナット体148が螺合される構成としてあ
る。そして、鍔部tは案内板147に当接させると共
に、水平部141aの基端は長孔sに挿通させ、ナット
体148の締結操作により、案内板147がナット体1
48と鍔部tとで挟圧され、この挟圧作用により、切断
装置14が固定されるように形成してある。
【0021】図2及び図6等に示すように引抜き搬送装
置5の下方で、しかも下部搬送装置9に後続する位置に
は整列装置15が設けてある。この整列装置15の要部
は、前後の高低個所に一対の第二プーリ16、17を概
ね縦面に沿わせるか若しくはプーリ16、17下部を左
側へ偏して傾斜させた状態での回転可能に設けると共
に、これらプーリ16、17に無端状の搬送ベルト18
を掛け回し、適宜な伝動ケース19を介してエンジン2
5の回転力を前部の第二プーリ16に伝達し、搬送ベル
ト18の下側張り部18aを後方の下向きf4へ駆動す
るように形成してある。
【0022】そして、この整列装置15と下部搬送装置
9との前後間には図6及び図9に示すような横倒し継送
装置Yが設けてある。この横倒し継送装置Yは、下部搬
送装置9の後部左側のプーリ12と一体の回転中心軸2
0にスターホイール21を固定すると共に、下部搬送装
置9の後部左側のプーリ12の下方に回転中心軸20廻
りへ自在に回転される案内ローラ22を設けた構成とな
してある。
【0023】上記整列装置15の一部をなす二本の案内
棒23a、23bは、下部搬送装置9の搬送経路k1に
関連させて配置すると共に搬送ベルト18の下方に左右
方向で対向するように設けるのであって、さらに具体的
には、下部搬送装置9の下面近傍で下部搬送装置9の後
部左側のプーリ12よりも前方個所に前端を固定し、後
方へ向かうに伴って漸次上昇させて下部搬送装置9と案
内ローラ22の間を通過させると共に下部搬送経路k1
に近接させ、さらに後方では搬送ベルト18の下側張り
部18aに沿って斜め後方に導くと共に、一方の案内棒
23bをこれの後端へ向かうに伴って搬送ベルト18か
ら漸次横方へ遠ざけるようになす。
【0024】しかして、上記整列装置15には作物wの
茎葉部w1に対しその根側重量部w2を上昇させ茎葉部
w1の折れ曲がりを緩和させるものとした姿勢変更手段
である案内板24を設けるのである。この案内板24は
一方の案内棒23bにのみ固着し、これの案内開始点か
ら案内終了点までの概ね全範囲に亘って存在させる。
【0025】図1及び図5において、26及び26は機
体に装着された走行車輪、27は引抜き搬送装置5にエ
ンジン25の回転を伝達するための駆動軸28を支持し
た軸受部、29は機体の前部を適当高さに保持するため
のゲイジ輪、30はゲイジ輪29を機体に対し上下変位
させるための回転操作ハンドル、31は操縦ハンドル、
32は左側の引抜き搬送要部6の上端内方から円弧方向
の外側へ移送可能とした茎葉排出装置、33は後述のク
ランク33aを介して前後移動されるもので掘起こし刃
8を支点34廻りへ振動させるための連結棒である。
【0026】上記エンジン25の動力伝達系統は次のよ
うに構成してある。即ち、図3に示すように、エンジン
25の回転を剛性伝動部材を介してミッションケース2
51内に伝達させ、次にミッションケース251から左
右へ張り出させた伝動ケース252及びファイナルケー
ス253を経て走行車輪26に伝達させる。ここに、剛
性伝動系統とはフレキシブルシャフトに較べ十分に剛性
の大きい回転軸、歯車、スプロケット、チェーン等の伝
動部材を構成要素とする機械的な伝動系統を言う。
【0027】ミッションケース251の前部には前後方
向の伝動ケース254を設け、この伝動ケース254内
の作業出力軸255とミッションケース251内の剛性
伝動系統とを作業クラッチ256を介して結合させる。
伝動ケース254には横向きの駆動ケース257を連設
し、この駆動ケース257内の横向き駆動軸258と作
業出力軸255とをベベルギヤ259を介して連動連結
させる。
【0028】横向き駆動軸258の左右各端部にはクラ
ンク33aを形成する。また横向き駆動軸258の中央
にはウオーム260を設け、これに噛み合わさせたウオ
ームホイール261を介して横向き駆動軸258と引抜
き搬送駆動軸262とを連動連結させる。
【0029】この駆動軸262は各引抜き搬送要部6、
6(図1)の後方のプーリ6aとチェーン伝動機構等を
介して結合させ、またプーリ6aの回転を搬送ベルト7
を介して伝達される前側のプーリ6bの回転中心軸26
3を、掻込み装置3及び、下部搬送装置9の前側のプー
リ11に連動連結させる。
【0030】横向き駆動ケース257の右端部からは前
向き伝動筒264を延出させ、この伝動筒264内の前
向き駆動軸265と横向き駆動軸258をベベルギヤ2
66を介して結合させ、また前向き駆動軸265と、引
起こし装置1を回転させるための上部スプロケット軸2
67とをベベルギヤ268を介して結合させる。
【0031】また横向き駆動ケース257のウオーム存
在位置と右側のクランク存在位置との間箇所から切断装
置用伝動ケース269を横向き駆動軸258廻りの回転
可能に延設し、この伝動ケース269の前端部の左側面
と切断装置14とを結合させ、また伝動ケース269内
の伝動構造を介して、横向き駆動軸258と切断装置1
4の回転入力軸142とを連動連結させる。このさい、
伝動ケース269は引抜き搬送装置5の下方近傍に沿わ
せると共に、前下がり傾斜状となされた後側ケース26
9aと後上がり傾斜状となされた前側ケース269bと
で形成し、後側ケース269aの前部に前側ケース26
9bの後部を内嵌させ、これら嵌合部の長手方向の摺動
変位により全長が伸縮変形するものとなす。また切断装
置14の水平部141aは伝動ケース269に対し回転
入力軸141廻りの揺動可能となす。
【0032】しかして伝動ケース269内の伝動構造は
次のようになしてある。即ち、図3及び図7に示すよう
に伝動ケース269内に、横向き駆動軸258にベベル
ギヤ270を介して結合される剛性回転軸271を設
け、この剛性回転軸271の前端をベベルギヤ272を
介して切断装置14の回転入力軸142と連動連結させ
る。上記剛性回転軸271は後側ケース269aと同体
に装着された後側回転軸271aと、前側ケース269
bと同体に装着された前側回転軸271bとからなり、
後側回転軸271aの前部スプライン孔に前側回転軸2
71bの後部スプライン軸部mを内嵌させ、これら嵌合
部の長手方向の摺動変位により全長が伸縮変形するもの
となす。
【0033】このさい、前側回転軸271bと回転入力
軸142との間にトルクリミッタを装設し、回転切り刃
145に衝撃的荷重が作用しても切断装置14の伝動系
統に過大応力が作用しないようになすのがよい。
【0034】次に、上記のように構成した収穫機で玉葱
wを収穫する際の作動を説明する。図1、図2及び図4
に示すように畝Uに沿わせて機体を走行させると、掘起
こし刃8、8は畝面Uを適当深さで掘り起こすと共に、
引抜き搬送装置5は茎葉部w1の比較的上部を挟持して
玉葱wを引き抜き、後方の斜め上方f3へ搬送する。
【0035】こうして搬送される玉葱wは茎葉部w1の
下部を下部搬送装置9の搬送始端に供給され、この後は
下部搬送ベルト13、13がこの茎葉部w1の下部を挟
持し、ほぼ水平向きの後方へ搬送する。
【0036】引抜き搬送装置5と下部搬送装置9による
搬送中、引抜き搬送装置5は茎葉部w1を上方へ引張
し、この一方では下部搬送装置9が下部搬送ベルト1
3、13を介して根側重量部である玉部w2を係止して
その上昇を阻止する。従って、下部搬送ベルト13、1
3は茎葉部w1の首部を挟持しつつ後方へ移動させ、ま
た引抜き搬送装置5は下部搬送装置9との間に位置した
茎葉部w1に引上げ力を付与してこれを緊張状態とな
す。
【0037】こうして下部搬送装置9等による茎葉部w
1の搬送が進行すると、この搬送過程で、切断装置14
の切り刃145が茎葉部w1を一定高さ位置を切り離す
のであり、このように処理された玉葱wはやがて横倒し
継送装置Yに達する。
【0038】この継送装置19に達した茎葉部w1は下
部搬送装置9の搬送終点に達する前に図6に示す左側の
下部搬送ベルト13若しくは案内棒23a、23bの前
端部と、整列装置15の搬送ベルト18とで挟持されて
後方へ搬送され、この搬送過程で茎葉部w1にスターホ
イール21による係止搬送作用が及ぶと共に玉部w2に
案内ローラ22(図9)による案内作用が及ぶものとな
る。このさい、茎葉部w1はスターホイール21の外周
の円弧に沿って左側後方へ移動され、一方、玉部w2は
案内ローラ22の周面に接して後方へ円滑に移動される
ため、玉葱wは確実に横倒し姿勢となされる。
【0039】こうして横倒しされた茎葉部w1が整列装
置15の搬送始端で搬送ベルト18と案内棒23a、2
3bとで挟持された後は、搬送ベルト18が茎葉部w1
を図10に示すように案内棒23a、23b上に上方か
ら押さえつつ後方の斜め下方へ搬送するのであり、この
搬送中、玉部w2は茎葉部w1で吊り下げられた状態と
なり、この状態の下で、その側部を案内板24に案内さ
れて少しづつ右側へ押されて漸次上昇されるようにな
る。
【0040】こうして玉部w2が整列装置15の搬送終
端に達したとき、茎葉部w1の倒れ姿勢は変化しなくて
もその首部の折れ曲がりは緩和された状態となり、玉葱
wは全体的な横倒し姿勢となって、この姿勢のまま解放
され、畝面U上に落下される。
【0041】このような作動は機体の進行中に引き抜か
れた各玉葱wについて連続的に行われるのであり、収穫
された玉葱wは機体の走行跡の畝面U上に一定の横倒し
姿勢となって整列される。
【0042】また切断装置14で切り離された茎葉部w
1の先部は、引抜き搬送装置5によりさらに上方へ搬送
された後、茎葉排出装置32により横方へ搬送され、機
体側方へ落下される。
【0043】上記作業中における切断装置14の使用例
及びその関連部分の作動を、図3、図7及び図8を参照
して説明する。茎葉部w1の切り離し位置を上方へ変更
したいときは操作ハンドル148aを持ってナット体1
48を緩め、本体フレーム141を長孔sに沿わせて上
方へ変位させ、再びナット体148を締結操作する。
【0044】このさい、剛性回転軸271は伸張し、伝
動ケース269は横向き駆動軸258廻りへ揺動し、本
体フレーム141は伝動ケース269に対し回転入力軸
142廻りへ揺動するため、上記操作は支障なく行わ
れ、またエンジン25の回転は切断装置14に円滑に伝
達される。従って、切り刃145は高い位置で円滑に回
転し、茎葉部w1の先部寄り位置を切り離すものとな
る。
【0045】一方、茎葉部w1の切り離し位置を下方へ
変更したいときはナット体148を同様に操作して本体
フレーム141を下方へ変位させるのであり、これによ
り、切り刃145は低い位置で円滑に回転し、茎葉部w
1の元部寄り位置を切り離すものとなる。。
【0046】
【発明の効果】上記した本発明によれば、畦面から抜き
上げられた後の玉葱などの根茎作物の茎葉部の切り離し
位置を必要に応じて適宜に変化させることができ、また
横向きの駆動ケースから切断装置に至る剛性伝動系統
フレキシブルシャフトに較べて動力伝達強度に優れ且つ
摩擦損失等による浪費動力も少なくなるため切断装置へ
の伝動系統を従来よりも破損し難く、動力伝達効率の良
好なものとなすことができ、また前記伝動系統がコンパ
クトに装設されるものとなるほか、前記伝動系統の剛性
が大きく動力伝達効率が良いことからエンジンの駆動力
が安定的且つ確実に切断装置へ伝達されるものとなる。
そして、これらのことから、畦面から抜き上げられた後
の玉葱などの根茎作物の茎葉部が希望する高さ位置を切
断装置で正確且つ能率的に切断されるものとなる。さら
には切断装置用伝動ケースが剛性回転軸の全体を包囲す
るため、畝面から抜き上げられた根茎作物の茎葉部が剛
性回転軸に絡み付かないものとなる。
【0047】 請求項2に記載したものによれば、切断装
置用伝動ケースが引抜き搬送装置により上方を被われる
ようになるため、この途中部分の格別なカバーが不要と
なる。
【0048】 請求項3に記載したものによれば、後側ケ
ースの前部に形成されて前側ケースの後部を内嵌される
孔が前下がり状となって前方に向かう開口を有するもの
となり、またこの孔に内嵌される前部ケースの後部が前
下がり状に傾斜されたものとなる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す収穫機の平面図であ
る。
【図2】前記収穫機の側面視作動説明図である。
【図3】前記収穫機の動力伝達系統説明図である。
【図4】前記収穫機の正面図である。
【図5】前記収穫機の右側面図である。
【図6】前記収穫機の一部を示す平面図である。
【図7】前記収穫機の要部を示す平面視説明図である。
【図8】前記収穫機の一部を示す側面図である。
【図9】前記収穫機の一部を示す後面図である。
【図10】前記収穫機の一部の作動を示す断面視説明図
である。
【符号の説明】
U 畝面 w 玉葱(根茎作物) w1 茎葉部 5 引抜き搬送装置 14 切断装置 25 エンジン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01D 13/00 - 33/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 畝面に植生する根茎作物を機体の走行中
    に抜き上げ、その茎葉部の長さ途中を、エンジンで駆動
    される切断装置で切り離すように作動する根茎収穫機に
    おいて、切断装置を後上がり傾斜状の長孔を有する固定
    状の案内板と前記長孔に切断装置を締結固定するための
    ナット体とを介して高さ変更可能に装設すると共に、エ
    ンジンの回転を伝達するための固定状の横向き駆動ケー
    スと切断装置とは、横向き駆動ケースに装着された後側
    ケースと切断装置に装着された前側ケースとを長さ方向
    の相対変位可能に結合させたものとなされ、且つ抜き上
    げられた後の根茎作物の茎葉部の前後向き搬送軌跡の横
    方へ外れるように配置されている切断装置用伝動ケース
    を介して、切断装置の高さ変更を許容する状態に結合さ
    せてあり、またエンジンの回転が切断装置用伝動ケース
    の内方に設けられた剛性伝動系統を介して横向き駆動ケ
    ース内から切断装置まで伝達される構成となし、この
    際、剛性伝動系統は長さ変更可能となされた剛性回転
    軸、及び、この剛性回転軸と横向き駆動ケース内の横向
    き駆動軸及び、切断装置内の回転入力軸とを連動連結し
    た歯車で形成されていることを特徴とする根茎収穫機。
  2. 【請求項2】 機体の走行中に、畝面に植生する根茎作
    物を後向き斜め上方へ向けられた引抜き搬送装置で搬送
    しつつ抜き上げ、その茎葉部の長さ途中を、機体後部上
    方に設けられたエンジンにより駆動される切断装置で切
    り離すように作動する根茎収穫機において、切断装置を
    後上がり傾斜状の長孔を有する固定状の案内板と前記長
    孔に切断装置を締結固定するためのナット体とを介して
    高さ変更可能に装設すると共に、エンジンの回転を伝達
    するための固定状の横向き駆動ケースと切断装置とは、
    横向き駆動ケースに装着された後側ケースと切断装置に
    装着された前側ケースとを長さ方向の相対変位可能に結
    合させたものとなされ、且つ抜き上げられた後の根茎作
    物の茎葉部の前後向き搬送軌跡の横方へ外れるようにし
    かも引抜き搬送装置の下方近傍に沿うように配置されて
    いる切断装置用伝動ケースを介して、切断装置の高さ変
    更を許容する状態に結合させてあり、またエンジンの回
    転が切断装置用伝動ケースの内方に設けられた剛性伝動
    系統を介し て横向き駆動ケース内から切断装置まで伝達
    される構成となし、この際、剛性伝動系統は長さ変更可
    能となされた剛性回転軸、及び、この剛性回転軸と横向
    き駆動ケース内の横向き駆動軸及び、切断装置内の回転
    入力軸とを連動連結した歯車で形成されていることを特
    徴とする根茎収穫機。
  3. 【請求項3】 切断装置用伝動ケースが、横向き駆動ケ
    ースに前下がり傾斜状に装着された後側ケースの前部
    に、切断装置に後上がり傾斜状に装着された前側ケース
    の後部を相対変位の可能なように内嵌した構成であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の根茎収穫機。
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