JP3667438B2 - 走行式芋蔓処理機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高畝栽培や平畝栽培された甘薯の芋蔓を根元から引きちぎって搬送装置により掻上げ、該畝から離れた畝の側に集めることの出来る走行式芋蔓処理機の、芋畝に密着して掻上げする機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、走行式芋蔓処理機に関する技術は、同一出願人より先願が成されている。
しかし、従来の走行式芋蔓処理機においては、芋蔓処理機構は走行機構と一体的に固定されていたので、走行機構の上下回動に従って、芋蔓処理機構が上下左右に回動し、逆に、芋蔓処理機構の上下回動に従って、走行機構が上下回動する構成であったので、芋畝への芋蔓処理機構の密着状態が悪くなることがあり、芋蔓の引上げが出来ない場合が発生していたのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような不具合を解消する為の発明である。即ち、芋蔓処理機構Aは自由に、枢支点Oを中心に上下回動可能とし、走行機構Bに対して、芋畝押えローラー機構Tや芋蔓挟持搬送ベルトFの揺動を伝えることの無いように構成し、芋畝の状況において、芋蔓処理機構Aが上下しても、自由に芋畝の追随すべく構成したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、甘薯の蔓を走行しながら引き抜いて排出する走行式芋蔓処理機を、走行機構Bと芋蔓処理機構Aにより構成し、該走行機構Bは、走行フレーム19と左右の走行車輪11・11とエンジンEと操向ハンドルHより構成され、該芋蔓処理機構Aは、芋蔓挟持搬送ベルトFと芋畝押えローラー機構Tと掻込装置14・14より構成され、該走行機構Bから芋蔓処理機構Aへ動力伝達する駆動軸25上に枢支点Oを構成し、前記芋蔓処理機構Aは走行機構Bに対して、枢支点Oを中心に回動自在に支持したものである。
【0005】
請求項2においては、請求項1記載の走行式芋蔓処理機において、走行フレーム19の枢支点Oの部分に、回動中心ギヤケースKを設け、該回動中心ギヤケースKにより、枢支点Oを構成する駆動軸25を枢支したものである。
【0006】
請求項3においては、請求項1記載の走行式芋蔓処理機において、芋蔓処理機構Aの上下回動は、芋蔓処理機構Aの先端に設けた芋畝押えローラー機構Tの上下動に従動して、枢支点Oを中心に上下回動すべく構成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の走行式芋蔓処理機の全体側面図、図2は同じく本発明の走行式芋蔓処理機の全体平面図、図3は芋蔓処理機構Aを走行機構Bに対して枢支する枢支点Oの部分の断面図、図4はエンジンEの側面に配置したミッションケースMの部分の側面図である。
【0008】
図1において説明する。
走行機構Bは左右の走行車輪11・11とエンジンEと操向ハンドルHを主体として構成されている。該エンジンEの進行方向の左側面にミッションケースMが固設されており、エンジンEのクランクシャフトが該ミッションケースMの内部に動力を伝達する。該ミッションケースMの内部で変速の後に、走行駆動ケース13を介して、走行車輪11に動力が伝達されている。エンジンEとミッションケースMの部分から、枢支点Oの部分を通過して、ガイド輪Gと分草板16・16まで至る走行フレーム19が設けられている。該走行フレーム19の枢支点Oの部分に回動中心ギヤケースKが設けられており、該回動中心ギヤケースKを中心に芋畝押えローラー機構Tと芋蔓挟持搬送ベルトFの部分が回動自由に、枢支点Oを中止に枢支されている。
【0009】
該走行駆動ケース13の前端は、走行フレーム19から下方に突出した車輪高さ調整フレーム17に対して、ボルトにより上下取付位置を調整可能としており、走行駆動ケース13の後端は、ミッションケースMに対して上下回動可能に枢支部18で枢支されている。故に、該走行駆動ケース13と車輪高さ調整フレーム17の取付位置を上下に調整することにより、走行機構Bの地面に対する高さを調整可能としている。これにより、芋畝の高さに対して、芋蔓処理機構Aと走行機構Bの高さを調整することが可能となっている。芋蔓処理機構Aは芋蔓挟持搬送ベルトFと芋畝押えローラー機構Tと掻込装置14・14により構成されている。
【0010】
また、エンジンE及びミッションケースMは一体的に固定されており、該エンジンEとミッションケースMの部分から前方に、前述の走行フレーム19が突出されている。該走行フレーム19より上方後方に向かって操向ハンドルHが突出されている。該操向ハンドルHはエンジンEの上方まで延出されている。ミッションケースMの前部から、PTO軸が突出されており、該PTO軸にPTOジョイント軸15が連結されている。該PTOジョイント軸15の前端は、走行フレーム19に固定された回動中心ギヤケースKの部分に動力伝達している。該回動中心ギヤケースKの部分に枢支点Oが設けられている。
【0011】
次に図1と図2において、芋蔓処理機構Aの構成を説明する。
該芋蔓処理機構Aの主たる部分は、芋蔓挟持搬送ベルトFと芋畝押えローラー機構Tと掻込装置14・14の部分である。該芋蔓処理機構Aと共に回動しない走行フレーム19の部分の先端に、縦方向の板により構成された分草板16・16が配置されている。該分草板16・16は芋畝と芋畝の間の溝の内部を通過し、溝内で土中に埋まったような状態の芋蔓を掘り起こす。分草板16・16により持ち上げた芋蔓は、枢支点Oを中心に芋畝に沿って上下に回動する掻込装置14・14に掻き込まれる。
【0012】
該分草板16・16により埋設状態から引上げ、掻込装置14・14により掻き込んで、芋蔓挟持搬送ベルトFにより後方へ挟持しながら搬送し、芋畝押えローラー機構Tにより、芋畝の芋を押し付けることにより、芋蔓の元の部分を引きちぎるのである。該芋蔓の元の部分をカッターで切断することも出来るが、芋を傷める可能性があるので、芋畝押えローラー機構Tで押さえて芋蔓挟持搬送ベルトFが引っ張るという作用で引きちぎるべく構成したものである。
【0013】
該分草板16・16で分草し、掻込装置14・14で掻き込む場合において、隣の芋畝にまで繁茂したり、隣の芋畝から芋蔓が出てきて、もつれている場合があり、これをそのまま引っ張ると、隣の芋畝の芋を掘りあげる可能性があるので、これを阻止すべく、芋蔓切断装置Cが配置されている。該芋蔓切断装置Cは、上下に配置された往復動刃により構成されており、芋蔓処理機構Aの駆動クラッチレバーのON操作と連動して、クラッチが入りとなり、駆動を開始すべく構成している。回動中心ギヤケースKの部分の側方に芋蔓切断装置Cを駆動するクランク部が構成されており、クランク連動リンク12を介して、芋蔓切断装置Cが駆動される。該回動中心ギヤケースKの部分に、芋蔓切断装置Cの駆動クラッチ機構が配置されている。
【0014】
芋畝押えローラー機構Tは左右それぞれ3本のローラーにより構成されており、芋畝の左右を3本ずつのローラーにより押圧して、芋蔓の引上げに際して、芋が引きずられて出てくることの無いように押圧しているのである。掻込装置14・14と芋畝押えローラー機構Tから芋蔓挟持搬送ベルトFまでの部分を芋蔓処理機構Aとして一体化しており、これらを回動中心ギヤケースKの中心の軸の部分で枢支点Oとして枢支している。故に、芋畝押えローラー機構Tにより、芋畝の高さを検出して、芋蔓処理機構Aの先端が上下すると、芋蔓処理機構Aが枢支点Oを中心に上下に回動する。そして、図4に示す如く、該芋蔓処理機構Aと走行機構Bとの間にガススプリング機構Sが介装されている。該ガススプリング機構Sにより、芋蔓処理機構Aと走行機構Bが構成する通常の高さ位置に戻るように構成している。
【0015】
図2に示す如く、芋蔓挟持搬送ベルトFは、左右にその排出方向を切換可能としており、当該芋蔓切りをしている芋畝の後方に落下させることも出来るし、次の条の溝の中に排出することも出来るし、更に2条隣の条の溝に排出すべく、大きく芋蔓挟持搬送ベルトFの後端を回動させることも出来るのである。図2においては、進行方向の右側にのみ、2段階に回動した状態が図示されているが、これを左右対称とした位置にも2段に回動可能である、中央の位置と入れると、5段の位置に排出切換調整が可能としている。
【0016】
図3においては、回動中心ギヤケースKの部分の動力伝達構成と、芋蔓処理機構Aと走行機構Bの間に介装されたガススプリング機構Sの前端部分が開示されている。該回動中心ギヤケースKの内部の駆動軸の部分にラックギヤ20が配置されており、該ラックギヤ20と、PTOジョイント軸15の先端に固定されたピニオンギヤが噛合しており、該ラックギヤ20が回転する。該ラックギヤ20の回転を、ベベルギア22と21により、水平方向の駆動軸25に伝達し、該駆動軸25によりクランク連動リンク12を駆動するクランクケース23を駆動している。軸24は芋蔓挟持搬送ベルトFを駆動する為の軸である。図4はエンジンEとミッションケースMと走行駆動ケース13とPTOジョイント軸15の部分を拡大図示した図面である。
【0017】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
請求項1の如く、甘薯の蔓を走行しながら引き抜いて排出する走行式芋蔓処理機を、走行機構Bと芋蔓処理機構Aにより構成し、該走行機構Bは、走行フレーム19と左右の走行車輪11・11とエンジンEと操向ハンドルHより構成され、該芋蔓処理機構Aは、芋 蔓挟持搬送ベルトFと芋畝押えローラー機構Tと掻込装置14・14より構成され、該走行機構Bから芋蔓処理機構Aへ動力伝達する駆動軸25上に枢支点Oを構成し、前記芋蔓処理機構Aは走行機構Bに対して、枢支点Oを中心に回動自在に支持したので、芋蔓処理機構Aが走行機構Bに対して、上下した場合では、エンジンEから芋蔓処理機構Aを駆動する動力は、枢支点Oとケースの部分に、PTOジョイント軸15を介して入力することにより、ユニバーサルジョイント軸が一本だけで、上下回動する芋蔓処理機構Aに対して動力伝達が可能となったのである。
これにより、動力伝達系統を簡易的に構成することが出来たのである。
芋畝の高低に従動して芋蔓処理機構Aのみを上下させることができ、芋蔓処理機構Aの部分は芋畝の常時沿っているので、芋畝の這うように植生している芋蔓を、掻込装置14・14により確実に把握しることが出来るのである。
【0018】
請求項2の如く、請求項1記載の走行式芋蔓処理機において、走行フレーム19の枢支点Oの部分に、回動中心ギヤケースKを設け、該回動中心ギヤケースKにより、枢支点Oを構成する駆動軸25を枢支したので、該回動中心ギヤケースKの駆動軸25により、クランク連動リンク12を駆動するクランクケース23を駆動して、前部に配置した芋蔓切断装置の駆動部に兼用することが可能となったのである。
【0019】
請求項3の如く、請求項1記載の走行式芋蔓処理機において、芋蔓処理機構Aの上下回動は、芋蔓処理機構Aの先端に設けた芋畝押えローラー機構Tの上下動に従動して上下回動すべく構成したので、芋畝押えローラー機構Tが芋畝の高さを検出するセンサの役目をして、常時、芋蔓処理機構Aを芋畝に沿った位置に案内することが出来るのである。
また、芋蔓処理機構Aと走行機構Bの間に、ガススプリング機構Sを介装すれば、芋畝による芋蔓処理機構Aの揺動を直ぐに、平常の位置に戻すことも出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の走行式芋蔓処理機の全体側面図。
【図2】 同じく本発明の走行式芋蔓処理機の全体平面図。
【図3】 芋蔓処理機構Aを走行機構Bに対して枢支する枢支点Oの部分の断面図。
【図4】 エンジンEの側面に配置したミッションケースMの部分の側面図。
【符号の説明】
A 芋蔓処理機構
B 走行機構
C 芋蔓切断装置
E エンジン
F 芋蔓挟持搬送ベルト
G ガイド輪
H 操向ハンドル
K 回動中心ギヤケース
M ミッションケース
O 枢支点
T 芋畝押えローラー機構
19 走行フレーム
Claims (3)
- 甘薯の蔓を走行しながら引き抜いて排出する走行式芋蔓処理機を、走行機構Bと芋蔓処理機構Aにより構成し、
該走行機構Bは、走行フレーム19と左右の走行車輪11・11とエンジンEと操向ハンドルHより構成され、
芋蔓処理機構Aは、芋蔓挟持搬送ベルトFと芋畝押えローラー機構Tと掻込装置14・14より構成され、
該走行機構Bから芋蔓処理機構Aへ動力伝達する駆動軸25上に枢支点Oを構成し、前記芋蔓処理機構Aは走行機構Bに対して、枢支点Oを中心に回動自在に支持したことを特徴とする走行式芋蔓処理機。 - 請求項1記載の走行式芋蔓処理機において、走行フレーム19の枢支点Oの部分に、回動中心ギヤケースKを設け、該回動中心ギヤケースKにより、枢支点Oを構成する駆動軸25を枢支したことを特徴とする走行式芋蔓処理機。
- 請求項1記載の走行式芋蔓処理機において、芋蔓処理機構Aの上下回動は、芋蔓処理機構Aの先端に設けた芋畝押えローラー機構Tの上下動に従動して、枢支点Oを中心に上下回動すべく構成したことを特徴とする走行式芋蔓処理機。
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- 1996-05-27 JP JP13181796A patent/JP3667438B2/ja not_active Expired - Fee Related
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