JP3822730B2 - 走行式茎処理機の茎処理機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高畝栽培や平畝栽培された甘薯の蔓、即ち、芋蔓を根元から引き千切って、搬送装置により掻上げ、該畝から離れた畝の側に集めることができる走行式芋蔓処理機等である走行式茎処理機の茎処理機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、甘薯の芋蔓を、掻込装置により掻き込むとともに挟持搬送装置により引き上げて、畝内の芋と該芋蔓との間を引き千切る走行式芋蔓処理機は、同一出願人より先願がなされている。この走行式芋蔓処理機の芋蔓処理機構においては、機体前部に芋蔓を掻込む掻込装置が配置され、掻込んだ芋蔓を後方へ搬送して排出する挟持搬送装置が機体前部から後部に渡って配設されていた。
【0003】
そして、挟持搬送装置はプーリやテンションローラに巻回された左右一対の挟持搬送ベルト等から構成され、該挟持搬送装置の上部は左右方向に回動可能とされて、芋蔓の排出方向を左右に切換えられるよう構成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、プーリやテンションローラに巻回された挟持搬送装置の後部を左右に回動させると、挟持搬送ベルトの前後方向中央付近における屈曲部の一側方において、挟持搬送ベルトがプーリやテンションローラに当接しなくなる部分が生じ、この状態で挟持搬送ベルトを駆動させると該挟持搬送ベルトが外れてしまう場合があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
機体前部に掻込装置3を構成する左右一対の掻込ベルト27を配設し、走行しながら該掻込ベルト27により掻き込んだ茎を、次に、挟持搬送装置Fを構成する挟持搬送ベルト24で挟持し、該挟持搬送ベルト24で搬送しながら上後方へ引っ張ることにより、茎を基部から引き千切って移動処理する走行式茎処理機の茎処理機構において、該挟持搬送装置Fを構成する挟持搬送ベルト24の後方上部を、茎の排出方向を左右に切換えるために、左右に回動自在に構成し、前記挟持搬送ベルト24が巻回されたプーリ58を回動軸34に支持し、該回動軸34のプーリ58の下側に支持軸78を外嵌し、該支持軸78から挟持搬送ベルト24が外れるのを防止するベルト外れ防止部材82を、該挟持搬送ベルト24の下面近傍で、該挟持搬送ベルト24の外側まで突出し配置したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の茎処理機構を備えた走行式芋蔓処理機を示す全体側面図、図2は同じく全体平面図、図3は芋蔓処理機構を枢支する枢支点部を示す断面図、図4は掻込装置及び挟持搬送装置前部を示す平面図である。
【0008】
図5は挟持搬送装置後部を示す平面図、図6は同じく側面図、図7は挟持搬送ベルト下面近傍に配設した挟持搬送ベルトのベルト外れ防止部材を示す正面断面図、図8は掻込装置を示す平面図、図9は掻込ベルトのガイド体を示す正面断面図である。
【0009】
まず、本発明の走行式茎処理機の実施例としての走行式芋蔓処理機の全体構成について説明する。
図1、図2において、走行機構Bは左右の走行車輪11・11とエンジンEと操向ハンドルHを主体として構成されている。該エンジンEの進行方向の左側面にミッションケースMが固設されており、エンジンEのクランクシャフトが該ミッションケースMの内部に動力を伝達する。該ミッションケースMの内部で変速した後に、走行駆動ケース13を介して走行車輪11・11に動力が伝達されている。エンジンE及びミッションケースMの部分から機体の前端に渡って、走行機構Bを支持する走行フレーム19が配設されており、左右に設けた分草板16・16とガイド輪G・Gは、該走行フレーム19に支持されている。該走行フレーム19の前後方向の途中部に枢支点Pが設けられ、掻込装置3と畝押さえローラ機構Tと挟持搬送装置Fなどとにより構成された芋蔓処理機構Aが、該枢支点Pを中心に上下回動可能に構成されている。
【0010】
該走行駆動ケース13の前端は、走行フレーム19から下方に突出した車輪高さフレーム17にボルト等により取付けられており、該走行駆動ケース13前端の取付け位置は、該車輪高さフレーム17に複数形成された取付孔17a・17a・・・により上下位置調節可能に構成されている。走行駆動ケース13の後端は、ミッションケースMに対して上下回動可能に枢支部18で枢支されている。故に、該走行駆動ケース13と車輪高さフレーム17との取付け位置を調節することにより、走行機構Bの地面に対する高さを調節可能とし、これにより、畝の高さに対する芋蔓処理機構Aの高さが調節可能になっている。
【0011】
走行機構Bを構成するエンジンEとミッションケースMとは一体的に固定されており、該エンジンE及びミッションケースMの部分から前方に、前記走行フレーム19が突出している。該走行フレーム19より上方後方に向かって、操向ハンドルHが突出され、該操向ハンドルHはエンジンEの上方まで延設されている。ミッションケースMの前部からはPTO軸が突出されており、該PTO軸にPTOジョイント軸15が連結されている。該PTOジョイント軸15の前端は、走行フレーム19に回動可能に配設された回動中心ギアケースKへ動力を伝達しており、該回動中心ギアケースKに前記枢支点Pが設けられている。
【0012】
前記芋蔓処理機構Aは、掻込装置3と、畝押さえローラ機構Tと、挟持搬送装置Fなどとから一体的に構成されており、該芋蔓処理機構Aの駆動軸31が回動中心ギアケースK内の水平駆動軸25により枢支されており、該水平駆動軸25の軸心を枢支点Pとしている。畝押さえローラ機構Tを支持している支持フレーム46は、前記ギアケースKの部分で機体に固設され、該畝押さえローラ機構Tの左右ローラユニット2L・2Rは上下回動可能に、また、上下位置調節可能に構成されている。
【0013】
また、水平駆動軸25には、回動用フレーム40を固設して下方に突出させ、エンジンEの下方には伸縮可能に構成した伸縮パイプ41を配設して、該伸縮パイプ41の先端と回動用フレーム40の下端とを回動可能に連結している。伸縮パイプ41は、該パイプ41の後端に回転自在に取付けた調節レバー42を回転することで、伸縮するよう構成している。そして、調節レバー42を回転すると、伸縮パイプ41が伸縮するとともに回動用フレーム40が前記枢支点Pを中心に回動して、該回動用フレーム40と一体的に芋蔓処理機構Aが上下回動する。これにより、畝高さに合わせて、芋蔓処理機構Aの先端位置を上下方向に調節することができる。また、芋蔓処理機構Aと走行機構Bとの間にはガススプリング機構などからなる弾性体Sが介装されている。
【0014】
機体先端部に配設された掘起板16・16及びガイド輪G・Gは、前記走行機構Bを構成する走行フレーム19に支持されている。該掘起板16・16は、フレーム19の先端に配置されており、側面視略三角形状に形成された板状部材により構成されている。そして、該掘起板16・16は、畝と畝との間の溝内部を通過して、該溝内に根をはった状態の芋蔓を掘り起こして、芋蔓処理機構Aを構成する掻込装置3へ搬送するのである。
【0015】
堀起板16・16により埋設状態の芋蔓を引き上げ、該芋蔓を掻込装置3の掻込ベルト27・27により掻込んで、挟持搬送装置Fの挟持搬送ベルト24により挟持しながら上後方へ搬送するとともに、畝押さえローラ機構Tにより畝内の芋を浮き上がらないように押さえ付けることにより、芋蔓の元部分を引きちぎるのである。この芋蔓の元部分をカッターなどにより切断することもできるが、芋を傷める恐れがあるので、畝押さえローラ機構Tで押さえて挟持搬送ベルト24で引っ張るという作用で、芋蔓を引きちぎるように構成している。
【0016】
また、掘起板16・16で分草して掻込装置3で掻込む場合において、芋蔓が隣の畝にまで繁茂したり、隣の畝の芋蔓が作業を行っている畝へ進入してきたりして、芋蔓同士が縺れている場合がある。このような状態にある芋蔓をそのまま引っ張ると、押さえられていない隣の畝の芋を掘り上げてしまう恐れがあるので、これを阻止するための芋蔓切断装置Cを、フレーム19の先端に配設している。芋蔓切断装置Cは上下方向に配置された往復運動刃により構成されており、芋蔓処理機構Aの駆動を切り換える作業クラッチレバー81のON操作と連動して、又は、別に芋蔓切断装置クラッチ機構を設けて、駆動を開始するよう構成されている。そして、該芋蔓切断装置Cの上方には分草ガイド43を配設し、該分草ガイド43により畝上方の芋蔓を芋蔓切断装置Cへガイドして、掻込装置3により芋蔓を掻込むようにしている。また、回動中心ギアケースKの側方には、クランクケース23などで構成されるクランク部が配設されており、該クランク部により、クランク連動リンク12を介して芋蔓切断装置Cが駆動され、回動中心ギアケースKには、該芋蔓切断装置Cの駆動クラッチ機構が配設されている。
【0017】
掻込装置3の掻込ベルト27・27により掻込まれて引きちぎられた芋蔓は、挟持搬送ベルト24により後方へ搬送されながら、掻込装置3から、該掻込装置3の上方後方に配設した挟持搬送装置Fの搬送タイン26・26に受け継がれる。そして、該搬送タイン26と挟持搬送ベルト24とによってさらに後方に搬送されて、機体後方へ排出される。このように、芋蔓処理機構Aは、機体前部から後部へかけて配設した挟持搬送ベルト24・24と、該挟持搬送ベルト24・24の上方に、前後で2分割して配設したタインベルトの前部ベルトである掻込ベルト27・27及び、後部ベルトである搬送タイン26などとで構成して、畝上の芋蔓を引きちぎり、搬送して排出するのである。
【0018】
図2に示す如く、挟持搬送装置Fは、その上部を左右に回動することで芋蔓の排出方向を左右に切換えられるように構成している。挟持搬送装置Fを左右に屈曲させずに直線状にすれば、当該芋蔓切りを行なっている畝の後方に芋蔓を落下させることができ、左右に屈曲させれば隣の条の畝上へ排出したり、さらには2条隣や3条隣の条の畝上に芋蔓を排出することができる。このように、本実施例においては左右各3段階に回動可能にし、中央の位置を加えて7段階の位置に排出位置切換え調整が可能なように構成している。この調整段数は本実施例の段数に限るものではなく、適切な段数に適宜構成すればよい。
【0019】
次に、図3においては、回動中心ギアケースKの動力伝達構成を示している。該回動中心ギアケースKの内部の駆動軸部分にラックギア20が配設されており、該ラックギア20と、前記PTOジョイント軸15の先端に固定されたピニオンギアとが噛合して、該ピニオンギアがラックギア20を回転している。該ラックギア20の回転を、ベベルギア22・21により水平方向の駆動軸25へ伝達し、該駆動軸25によりクランク連動リンク12を駆動するクランクケース23が駆動されている。また、ラックギア20の回転により搬送ベルト駆動軸31が回転して、挟持搬送ベルト24が駆動されている。
【0020】
次に、芋蔓処理機構Aについて説明する。
図4乃至図6において、芋蔓処理機構Aの前部には掻込装置3が配設され、該掻込装置3は、主に掻込ベルト27・27及びプーリ50・51・52により構成されている。該プーリ50・50は、芋蔓処理機構Aを駆動する駆動軸31に軸支され、該駆動軸31と一体的にプーリ50・50が回転して、左右一対の掻込ベルト27・27を駆動する。機体前部から後部にかけて挟持搬送ベルト24・24が配設され、該挟持搬送ベルト24・24の前部は前記掻込装置3の下方に位置し、該挟持搬送ベルト24・24の後部上方には、左右一対の搬送タイン26・26が配設されている。これらの搬送タイン26・26及び挟持搬送ベルト24・24などで挟持搬送装置Fが構成されている。
【0021】
前記挟持搬送ベルト24の前部は駆動プーリ70・53に巻回されており、駆動プーリ70は駆動軸31に軸支され、該駆動軸31により駆動される。駆動軸31及び駆動プーリ53を軸支する軸32にはスプロケットを嵌装し、両スプロケットにチェン36を巻回して、駆動プーリ70に連動して駆動プーリ53が駆動されるように構成している。駆動プーリ70と駆動プーリ53との間にはテンションローラ54・54を配設し、挟持搬送ベルト24の内側を押圧するように付勢して、該挟持搬送ベルト24を緊張している。該左右テンションローラ54・54は、互い違いに位置をずらして配置され、それぞれ挟持搬送ベルト24・24が、芋蔓を挟持できる方向に付勢している。 また、駆動プーリ53の後方には、挟持搬送ベルト24を外側から緊張する外側テンションローラ55が配設されている。
【0022】
駆動プーリ70の後方には、プーリ58・60が配設され、挟持搬送ベルト24が巻回されている。駆動プーリ70とプーリ58とが、回動アーム71により回動可能に連結され、プーリ58とプーリ60とが支持杆65及び付勢杆80などににより連結されている。プーリ58とプーリ60との間には3連テンションローラ59・59・59が配設され、該3連テンションローラ59・59・59は連結杆66により連結されている。連結杆66は、2本の付勢アーム67・67によって支持杆65と連結され、内側方向へ付勢されている。左右の3連テンションローラ59・59・59は、それぞれのテンションローラ59が互い違いになるよう配置され、挟持搬送ベルト24の内側を万遍なく押圧して芋蔓を確実に挟持できるよう構成している。
【0023】
挟持搬送装置Fの後端を左右に回動すると、回動アーム71及び駆動軸31を支持する支持軸87が回動し、挟持搬送ベルト24の駆動プーリ70の部分の部分が折れ曲がることで該挟持搬送ベルト24後部が左右回動するが、前記駆動プーリ70・70の外方には2連外側テンションローラ56・57が配設され、挟持搬送ベルト24後部の回動度合によって、該ローラ56・57の一方若しくは両方が挟持搬送ベルト24を外側から緊張するように構成している。
【0024】
また、左右のプーリ58・58を支持する回動軸34・34の間、及び、左右の支持杆65・65の間には縮小バネ75・75が介装され、左右の挟持搬送ベルト24・24を、芋蔓を挟持する方向へ付勢している。例えば、図7に示すように、該縮小バネ75は、回動軸34・34の下端部から下方へ延設された支持杆79・79間に介装されて左右の挟持搬送ベルト24・24を、内側に付勢している。そして、該縮小バネ75は保護カバー77に覆われて、搬送される芋蔓等が絡まないようにしている。尚、図6において、前記付勢杆80は、付勢バネ76により前後突出方向に付勢され、挟持搬送ベルト24を緊張させている。
【0025】
挟持搬送ベルト24・24の後部上方には搬送タイン26・26が配設され、該搬送タイン26はプーリ68・69に巻回されている。プーリ69は、プーリ60を支持する軸33に支持され、挟持搬送ベルト24の回転によって駆動される軸33と一体的に回転する。プーリ68は、前記駆動軸31の略上方に位置している。また、前記掻込ベルト27・27は、その上方を掻込フレーム14・14によって覆われ、搬送タイン26・26は、その上方を搬送タインカバー73・73により覆われている。そして、掻込フレーム14・14の後端部には、搬送タイン26・26の前端及び前端部内側を覆う回動カバー74・74を配設し、特に挟持搬送ベルト24・24の後部が回動した際に、挟持搬送される芋蔓が、プーリ68と搬送タイン26・26との間に挟み込まれないように保護している。
【0026】
前記プーリ53・58・60・70にはスクレイパ61を、プーリ51・52にはスクレイパ63・64を、テンションローラ54・59にはスクレイパ62を、外側テンションローラ56・57にはスクレイパ91を設け、これらのプーリ及びテンションローラの外周面に近接させて、該外周面に絡まった芋蔓や付着した土・泥などを掻き落とすように構成している。また、プーリ50・68・69にも同様にスクレイパを設けている。そして、スクレイパ61・62・63・64・91などは、配設されるプーリやテンションローラの外周面に応じた形状に形成されて、確実に芋蔓や土・泥などを掻き落とせるように構成している。
【0027】
図7において、前記挟持搬送ベルト24は、挟持面である外側面を平ベルト状に形成され、その内側面には、ベルト外れ防止部材として機能する凸部24aを形成している。該凸部24aは、前記プーリ53・58・60・70及びテンションローラ54・59の外周面に形成した略V字状の凹部(例えばプーリ58における凹部58a)と合わせた形状に形成して、該凹部と凸部24aとがお互いに噛み合うように構成して、これらプーリ及びテンションローラに巻回した挟持搬送ベルト24が容易に外れないようにしている。尚、このようなベルト外れ防止部材は、前記掻込ベルト27及び搬送タイン26においても同様に形成されている。このようにして、また、前記外側テンションローラ56・57によって挟持搬送ベルト24を緊張することで、プーリ53・58・60・70及びテンションローラ54・59に巻回された挟持搬送ベルト24が、外れて脱落することを防止しているのである。
【0028】
しかし、前述のように、挟持搬送ベルト24後部が左右に回動すると、回動度合いによっては該挟持搬送ベルト24の外方に配設した2連外側テンションローラ56・57の一方が、挟持搬送ベルト24に当接しなくなる場合がある。例えば、図5に示すように、挟持搬送ベルト24後部が回動した際に、回動方向側に配設された外側テンションローラ57は、挟持搬送ベルト24に当接しなくなるのである。これにより、挟持搬送ベルト24のテンション調整が、例えば、適正になされていなかった場合には、回動方向外側の挟持搬送ベルト24が弛んで、下方に垂れ下がってしまうことがある。そして、このような状態において挟持搬送ベルト24を駆動させると、時として該挟持搬送ベルト24が外れてしまうのである。
【0029】
そこで、本発明の芋蔓処理機構Aの挟持搬送装置Fにおいては、このような状態においても挟持搬送ベルト24が外れることを防止できるベルト外れ防止部材を設けている。図5、図7において、前記回動軸34に外嵌され、該回動軸34を回動自在に支持する支持軸78・78には、該支持軸78・78から外方へ突出するベルト外れ防止部材82・82を固設している。該ベルト外れ防止部材82は、例えば、棒状部材を平面視略U字状に屈曲して形成されており、挟持搬送ベルト24の下面より若干下方に配置されている。即ち、挟持搬送ベルト24の下面近傍に配置されている。そして、該ベルト外れ防止部材82の先端は挟持搬送ベルト24よりも外側へ達している。
【0030】
このように、ベルト外れ防止部材82を挟持搬送ベルト24の下面近傍に配設したので、挟持搬送ベルト24後部が回動した際等に、回動方向外側の挟持搬送ベルト24が弛んでしまったとしても、挟持搬送ベルト24はベルト外れ防止部材82に係止して、下方に垂れ下がってしまうことがないので、このような状態において該挟持搬送ベルト24を駆動させても外れることがなく、正常に駆動させることができるのである。
【0031】
図8においては、前記掻込装置3を示しており、該掻込装置3は、プーリ50・51・52に巻回されプーリ50によって駆動される掻込ベルト27を、左右に対向させて配置し、該掻込ベルト27・27の間に芋蔓を挟み込んで、該芋蔓を掻込むように構成している。掻込ベルト27は、プーリ50・51・52に巻回される基部27aと、該基部27aから外側方向に突出する多数の突起部27b・27b・・・とで構成され、対向して配設された左右一対の掻込ベルト27・27の掻込部92においては、両者の突起部27b・27b・・・は、お互いに噛み合うよう互い違いに配置されている。このお互いに噛み合った突起部27b・27b・・・により芋蔓を挟み込んで、該芋蔓を上方に引き上げながら掻込むのである。
【0032】
掻込ベルト27は、その上方を掻込フレーム14によって覆われており、該掻込フレーム14の掻込部92には、掻込ベルト27の上下面及び内側面を覆うガイド体85が形成されている。図9に示すように、該ガイド体85は掻込フレーム14の掻込部92側端部に形成され、正面視略コ字状に形成された凹部86を有している。この凹部86に、掻込ベルト27が内面側から摺動自在に嵌入されている。そして、凹部86に嵌入した掻込ベルト27は、その基部27a及び突起部27bの基部側部分が、該凹部86内に収納されることとなる。
【0033】
これにより、掻込ベルト27の突起部27bに上下方向の力が加わった場合には、突起部27bの凹部86内に収納されている部分の上下面が、凹部86の上下面に当接して、該突起部27bの上下方向への移動が規制される。即ち、掻込ベルト27の基部27a及び突起部27bの基部27a側部分がガイド体85の凹部86にガイドされることで、該掻込ベルト27が上下に引っ張られることを防止しているのである。
【0034】
以上のように、掻込ベルト27を掻込部92においてガイドするガイド体85を掻込フレーム14に形成し、該掻込ベルト27の基部27a及び突起部27bの基部27a側部分が、該ガイド体85に収納されるように構成することで、掻込装置3によって芋蔓を上方へ引き上げながら掻込む場合に、掻込ベルト27へ下向きの力がかかったとしても、該掻込ベルト27が下方に引っ張られることがないので、掻込ベルト27が外れて脱落することを防止できる。尚、凹部86に収納される突起部27bの基部側部分の長さは、掻込ベルト27が外れることを防止でき、且つ、掻込ベルト27により芋蔓を掻込むことができる長さに、適宜調節すればよい。
【0035】
図8において、掻込ベルト27・27等を駆動する駆動軸31・31に外嵌された支持軸87・87間には、該支持軸87・87に固設したアーム84・84を介してガススプリング83が介装されている。そして、前述のように、挟持搬送装置Fの後端を左右に回動すると、回動アーム71及び駆動軸31を支持する支持軸87が回動し、挟持搬送ベルト24の駆動プーリ70の部分が折れ曲がることで該挟持搬送ベルト24後部が左右回動するが、このガススプリング83によって、駆動プーリ70とプーリ58とを連結する回動アーム71の回動動作が規制されるように構成している。即ち、挟持搬送装置Fの後端を左右に回動させる場合に、該挟持搬送装置F後端部が自重等によって急激に回動しないよう、ガススプリング83によって回動アーム71の回動動作を規制し、緩やかに回動できるように構成しているのである。
【0036】
これにより、例えば、挟持搬送装置F後端部が、作業者の意に反して急激に回動するようなことを防止することができ、該挟持搬送装置Fの回動作業の確実性及び安全性を向上させることができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
機体前部に掻込装置3を構成する左右一対の掻込ベルト27を配設し、走行しながら該掻込ベルト27により掻き込んだ茎を、次に、挟持搬送装置Fを構成する挟持搬送ベルト24で挟持し、該挟持搬送ベルト24で搬送しながら上後方へ引っ張ることにより、茎を基部から引き千切って移動処理する走行式茎処理機の茎処理機構において、該挟持搬送装置Fを構成する挟持搬送ベルト24の後方上部を、茎の排出方向を左右に切換えるために、左右に回動自在に構成し、前記挟持搬送ベルト24が巻回されたプーリ58を回動軸34に支持し、該回動軸34のプーリ58の下側に支持軸78を外嵌し、該支持軸78から挟持搬送ベルト24が外れるのを防止するベルト外れ防止部材82を、該挟持搬送ベルト24の下面近傍で、該挟持搬送ベルト24の外側まで突出し配置したことにより、挟持搬送ベルト後部が回動した際等に、挟持搬送ベルトが弛んでしまったとしても、挟持搬送ベルトはベルト外れ防止部材に係止して下方に垂れ下がってしまうことがないので、このような状態において該挟持搬送ベルトを駆動させた場合に、挟持搬送ベルトが外れることを防止することができて、正常に駆動させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の茎処理機構を備えた走行式芋蔓処理機を示す全体側面図である。
【図2】 同じく全体平面図である。
【図3】 芋蔓処理機構を枢支する枢支点部を示す断面図である。
【図4】 掻込装置及び挟持搬送装置前部を示す平面図である。
【図5】 挟持搬送装置後部を示す平面図である。
【図6】 同じく側面図である。
【図7】 挟持搬送ベルト下面近傍に配設した挟持搬送ベルトのベルト外れ防止部材を示す正面断面図である。
【図8】 掻込装置を示す平面図である。
【図9】 掻込ベルトのガイド体を示す正面断面図である。
【符号の説明】
A 芋蔓処理機構
B 走行機構
C 芋蔓切断装置
E エンジン
F 挟持搬送装置
K 回動中心ギアケース
M ミッションケース
T 畝押さえローラ機構
3 掻込装置
14 掻込フレーム
24 挟持搬送ベルト
26 搬送タイン
27 掻込ベルト
27a 基部
27b 突起部
61・62 スクレイパ
74 回動カバー
82 ベルト外れ防止部材
85 ガイド体
86 凹部
92 掻込部
Claims (1)
- 機体前部に掻込装置3を構成する左右一対の掻込ベルト27を配設し、走行しながら該掻込ベルト27により掻き込んだ茎を、次に、挟持搬送装置Fを構成する挟持搬送ベルト24で挟持し、該挟持搬送ベルト24で搬送しながら上後方へ引っ張ることにより、茎を基部から引き千切って移動処理する走行式茎処理機の茎処理機構において、該挟持搬送装置Fを構成する挟持搬送ベルト24の後方上部を、茎の排出方向を左右に切換えるために、左右に回動自在に構成し、前記挟持搬送ベルト24が巻回されたプーリ58を回動軸34に支持し、該回動軸34のプーリ58の下側に支持軸78を外嵌し、該支持軸78から挟持搬送ベルト24が外れるのを防止するベルト外れ防止部材82を、該挟持搬送ベルト24の下面近傍で、該挟持搬送ベルト24の外側まで突出し配置したことを特徴とする走行式茎処理機の茎処理機構。
Priority Applications (1)
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JP24896797A JP3822730B2 (ja) | 1997-09-12 | 1997-09-12 | 走行式茎処理機の茎処理機構 |
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- 1997-09-12 JP JP24896797A patent/JP3822730B2/ja not_active Expired - Fee Related
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