JP2014087324A5 - - Google Patents

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根菜類収穫機
本発明は、作物を圃場から引き抜き搬送し、畝溝を埋めながら走行する根菜類収穫機に関するものである。
従来の根菜類収穫機としては、機体前部に作物の収穫を終えた畝を掘り崩し、この掘り崩した土を畝溝に寄せる溝埋め装置を設け、左右一方の走行クローラが畝溝を走行する際に機体が過度に傾斜し、引抜搬送装置が作物を引き抜けなくなることを防止する技術が存在する。(特許文献1、2)
特開2001−148918号公報 特開2002−272232号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載された根菜類収穫機は、溝埋め装置の昇降機構を引抜搬送装置の昇降機構から独立させた構成としているので、圃場端で非作業状態や収納状態とするときは、溝埋め装置と引抜搬送装置を別々に操作して圃場面から上方に離間させる必要があり、作業能率が低下するとともに、操作工数が多くなり、操作性が悪くなる問題がある。
また、溝埋め装置の作業高さが低過ぎると、溝埋め装置が土中に潜り込み、走行の抵抗となって走行速度を低下させてしまい、作業能率が低下する問題がある。
そして、土中に潜り込んだ溝埋め装置の抵抗が大きいと、機体の後部側が浮き上がることがあり、引抜搬送装置の引抜作用部が土中に潜り込んで作物が引き抜けず、作業者が手作業で抜き残された作物を引き抜く作業が必要となり、作業者の労力が増大する問題がある。
さらに、引抜搬送装置が土を噛み込むと、引抜搬送装置が破損してしまう問題がある。
また、畝を掘り崩して畝溝を埋める土を案内するディスクを左右一対設けているが、土の量が多いと、この溝埋めディスクの前後端部から土が溢れ出し、十分な量の土を畝溝に移動させられないので、畝溝が十分に埋まらず機体が畝溝側に傾斜してしまい、作物を引き抜き損なうことや作物の茎葉部を除去し損ない、作業者が人参の引き抜きや茎葉部の除去を行わねばならず、作業能率が低下する問題がある。
本発明は、これらの問題を解消しようとするものである。
請求項1記載の発明は、圃場を走行する左右の走行装置(6L,6R)を設け、機体の左右一側に機体前部の引抜作用部で作物を圃場から引き抜き搬送する引抜搬送装置(24)を設け、土を寄せて畝溝を埋める溝埋め装置(214)を設けた根菜類収穫機において、該溝埋め装置(214)は、機体後側ほど左右一側に向かう斜め姿勢の第1溝埋め部材(207a)と、機体後側ほど左右一側に向かう斜め部と機体の左右方向に延びる左右延設部を有する第2溝埋め部材(207b)を設け、該第1溝埋め部材(207a)を第2溝埋め部材(207b)よりも左右他側に突出させて配置し、機体正面視で前記第1溝埋め部材(207a)の端部と第2溝埋め部材(207b)の端部が重なり合う範囲内で第1溝埋め部材(207a)を左右方向に移動可能に構成したことを特徴とする根菜類収穫機とした。
請求項2記載の発明は、前記溝埋め装置(214)を上下動させる溝埋めアクチュエータ(211)を設け、該溝埋めアクチュエータ(211)で溝埋め装置(214)と引抜搬送装置(24)を連結し、前記溝埋め装置(214)は、前記引抜搬送装置(24)の上下動に連動して上下動すると共に、前記溝埋めアクチュエータ(211)の作動により引抜搬送装置(24)の上下動とは独立して上下動可能に成したことを特徴とする請求項1に記載の根菜類収穫機とした。
請求項3記載の発明は、前記溝埋め装置(214)が引抜搬送装置(24)に連動して上下動するとき、記溝埋め装置(214)の上下動量を引抜搬送装置(24)の上下動量よりも小さくしたことを特徴とする請求項に記載の根菜類収穫機とした。
請求項4記載の発明は、前記第2溝埋め部材(207b)の左右延設部に、左右他側から左右一側に向かうほど上下長が短くなる排土部を形成したことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の根菜類収穫機とした。
請求項5記載の発明は、前記溝埋めアクチュエータ(211)の伸張量を規制する伸張規制部材(229)を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の根菜類収穫機とした。
請求項6記載の発明は、前記伸張規制部材(229)を、長さ調節自在に構成したことを特徴とする請求項に記載の根菜類収穫機とした。
請求項1記載の発明の効果は、機体後側ほど左右一側に向かう斜め部と機体の左右方向に延びる左右延設部を有する第2溝埋め部材(207b)を設けたことにより、第1溝埋め部材(207a)及び第2溝埋め部材(207b)の斜め部に案内されてきた土を、左右延設部で左右方向に案内することができるので、土が機体後方に逃げず畝溝に送り込まれるため、走行装置(6L,6R)が畝溝に落ち込んで機体が畝溝側に傾斜し、引抜搬送装置(24)の引抜作業高さが高くなり過ぎることが防止される。
また、第1溝埋め部材(207a)と第2溝埋め部材(207b)の端部を重ね合わせたことにより、第1溝埋め部材(207a)から第2溝埋め部材(207b)に引き継がれる際に土が後方に逃げることを防止できるので、畝溝に送り込まれる土の量が不足し、走行装置(6L,6R)が畝溝に落ち込んで機体が畝溝側に傾斜し、引抜搬送装置(24)の引抜作業高さが高くなり過ぎることが防止される。
そして、第1溝埋め部材(207a)の端部と第2溝埋め部材(207b)の端部が重なり合う範囲内で第1溝埋め部材(207a)を左右方向に移動可能に構成したことにより、圃場の土質や畝溝の深さ等の作業条件に適した位置に第1溝埋め部材(207a)を配置することができるので、畝溝に十分な量の土が案内され、作物の引き抜きが確実に行われて作業能率が向上する。
また、第1溝埋め装置(207a)の位置を変更しても第2溝埋め部材(207b)との間に間隔が生じないので、後方に土が逃げることが防止され、畝溝に十分な量の土が供給される。
請求項2記載の発明の効果は、請求項1に記載の発明の効果に加えて、引抜搬送装置(24)と溝埋め装置(214)を溝埋めアクチュエータ(211)で連結したことにより、引抜搬送装置(24)の上下動に連動して溝埋め装置(214)を上下動させることができるので、非作業時や収納時等、引抜搬送装置(24)を上昇させる際に溝埋め装置(214)を個別に昇降操作しなくても、溝埋め装置(214)が圃場面から離間するため、作業能率や操作性が向上する。
また、溝埋め装置(214)を引抜搬送装置(24)に対して上下位置調節可能に構成したことにより、引抜搬送装置(24)の引抜作業高さを変更することなく溝埋め作業高さを調節することができるので、走行装置(6L,6R)が畝溝に落ち込んで機体が畝溝側に傾斜することが防止されるため、引抜搬送装置(24)の引抜作業位置が上方に移動することが無く、確実に作物の引き抜き収穫が行え、作業者が抜き残した人参を手作業で引き抜く作業が不要となる。
請求項3記載の発明の効果は、請求項2に記載の発明の効果に加えて、溝埋め装置(214)の上下動量を引抜搬送装置(24)の上下動量よりも小さくしたことにより、引抜搬送装置(24)の引抜作業高さを変更しても溝埋め装置(214)の作業高さは殆ど変化しないので、引抜作業高さを調節したときに溝埋め装置(214)が圃場面から上方に離間し、畝溝に土が案内されなくなることが防止される。これにより、走行装置(6L,6R)の畝溝への落ち込みが防止され、引抜搬送装置(24)の引抜作業高さが高くなり過ぎ、作物が抜き残されることが防止される。
そして、溝埋め装置(214)が土中に潜り込み、溝埋め装置(214)が走行の抵抗になることを防止できるので、安定した速度で走行することができ、作業能率が向上する。
また、溝埋め装置(214)が土中に深く潜り込み、機体の後部が浮き上がることを防止できるので、引抜搬送装置(24)の前部の引抜作用部が土中に入り込んで、引抜搬送装置(24)が破損することが防止されると共に、機体が走行できなくなることが防止され、作業能率が低下することが防止される。
請求項4記載の発明の効果は、請求項1から3の何れか1項に記載の発明の効果に加えて、第2溝埋め部材(207b)の左右延設部に排土部を形成したことにより、第2溝埋め部材(207b)の左右延設部に土が集まり過ぎ、走行の抵抗になることを防止できるので、走行速度が低下することが防止され、作業能率が向上する。
また、作物の引抜作業中の畝に土が案内されることを防止できるので、土が引抜搬送装置(24)に接触して作物の引抜作業を妨げることが防止され、作業能率が向上すると共に、引抜搬送装置(24)が破損することが防止され、耐久性が向上する。
請求項5記載の発明の効果は、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、溝埋めアクチュエータ(211)の伸張を規制する伸張規制部材(229)を設けたことにより、溝埋めアクチュエータ(211)が所定長さ以上に伸張できなくなるので、溝埋め装置(214)が土中に潜り込むことが防止され、走行速度が安定して作業能率が向上すると共に、引抜搬送装置(24)の前部の引抜作用部が土中に入り込んで破損することが防止され、耐久性が向上する
請求項6記載の発明の効果は、請求項に記載の発明の効果に加えて、伸張規制部材(229)を長さ調節自在に構成したことにより、畝の高さや圃場の土質等の作業条件に合わせて溝埋め装置(214)の作業高さの下限を変更することができるので、様々な作業条件への適応性が向上する
溝埋め装置を設けた根菜類収穫機の側面図 溝埋め装置を設けた根菜類収穫機の平面図 (a)隣接条の畝を崩して畝溝を埋めながら一条目の作物を引抜収穫する際の走行部と溝埋め部の葉部背面図、(b)溝埋め部を上昇させて二条目の作物を引抜収穫する際の走行部と溝埋め部の葉部背面図、(c)溝埋め部を上昇させて三条目の作物を引抜収穫する際の走行部と溝埋め部の葉部背面図、(d)埋められた畝溝を通過しながら四条目の作物を引抜収穫する際の走行部と溝埋め部の葉部背面図 (a)溝埋め部の要部平面図、(b)溝埋めディスクを移動させた溝埋め部の要部平面図 防護装置の要部斜視図 防護装置の要部側面図 (a)引下げウェイトの正面図、(b)引下げウェイトから一部の重りを外した状態を示す正面図 引抜搬送装置と位置揃え装置、茎葉搬送装置の要部側面図 葉部切断部の平面図 位置揃え装置の平面図 ガイドカバーの正面図 選別搬送部の要部側面図 選別搬送部と収容部の要部平面図 収容部の要部背面図 ゲージ輪を溝埋め部に設けた根菜類収穫機の側面図 ゲージ輪を溝埋め部に設けた根菜類収穫機の平面図 (a)ゲージ輪を設けた溝埋め部の要部側面図、(b)ゲージ輪を設けた溝埋め部の要部平面図 伸張規制部材と接地体を設けた根菜類収穫機の側面図 伸張規制部材と接地体を設けた根菜類収穫機の平面図 伸張規制部材を設けた溝埋め昇降シリンダの側面図 伸張規制部材と別構成の接地体を設けた根菜類収穫機の側面図 伸張規制部材と別構成の接地体を設けた根菜類収穫機の平面図 各伝動構成を示すブロック図 別構成の溝埋め装置を設けた根菜類収穫機の側面図 別構成の溝埋め装置を設けた根菜類収穫機の平面図
本発明の実施の形態について説明する。
図1から図14に示すとおり、実施例の一つとして示す根菜類収穫機の一種である人参収穫機は、機体を走行させる走行部Aと、操縦者が搭乗する操縦部Bと、機体左右一側で圃場から人参を引き抜いて機体後上側に搬送する収穫部Cと、該収穫部Cから人参を引き継いで機体後方に搬送しながら茎葉部を切断する茎葉切断部Dと、茎葉切断部Dから落下する人参を受けて人参に残った茎葉部を処理しながら機体左右他側へ搬送する引継搬送部Eと、該引継搬送部Eから人参を引き継いで人参を機体後側へ搬送し、搬送中の人参を補助作業者が選別する選別搬送部Fと、選別搬送部Eから排出される人参を収容する収容部Gから構成される。
本件ではさらに、上記走行部A及び収穫部Cの前側に、畝溝に畝上の土を寄せて埋め立てる土寄せ部Hを有する。
本件の実施例では、基本的に機体の進行方向に対して左側を「機体左右一側」、右側を「機体左右他側」と定義する。以下、各部の詳細を具体的に記載する。
まず、走行部Aの構成について説明する。
図1から図3で示すとおり、機体フレーム1の下方に機体前部側の左右の駆動スプロケット2,2と機体後部側の左右の従動輪3,3と、該左右の駆動スプロケット2,2と左右の従動輪3,3との間に取り付けた複数の転輪4,4・・・の周りに左右の走行ベルト5,5を巻き掛けて左右のクローラ6L,6Rを構成する。そして、該左右のクローラ6L,6Rの左右の駆動スプロケット2,2を、エンジン7の動力が伝動されるミッションケース8から左右両側に延出させた左右のドライブシャフト9,9に取り付け、一定の左右間隔を設けて左右のクローラ6L,6Rを該機体フレーム1に取り付ける。
該左右のクローラ6L,6Rのうち、左右どちらか一側は、後述する操縦パネル12に車体水平操作スイッチ(図示省略)を設け、該車体水平操作スイッチを作業者が操作して、機体が水平になるよう上下動操作可能に構成する。あるいは、機体フレーム1に左右方向の傾斜を検知する傾斜センサ(図示省略)を設け、該傾斜センサが所定角度以上の傾斜を検知すると、自動的に左右どちらか一側のクローラ6Lまたは6Rが上下動し、機体を自動的に水平に維持する構成としてもよい。
次に、操縦部Bの構成について説明する。
図1、図2で示すとおり、前記機体フレーム1の右側上部に操縦部フレーム10を取り付け、該操縦部フレーム10には操縦座席11を取り付けると共に、機体前側に操縦パネル12を取り付ける。そして、該操縦パネル12に機体の前後進及び走行速度を切り換える変速操作レバー13を取り付けると共に、機体の左右旋回操作及び収穫部Cの作業高さを操作する昇降操作レバー14を取り付ける。
上記構成により、変速操作レバー13や昇降操作レバー14のような、1本で複数の操作を行える操縦部材を設けることによって、機体の操縦が容易になるため操縦者の作業を軽減することができる。
次に、収穫部Cの構成について説明する。
図1、図2で示すとおり、左右の引抜フレーム15,15の機体前側に従動プーリ16をそれぞれ回転自在に装着し、機体後側に駆動プーリ17をそれぞれ装着し、該左右の従動プーリ16,16と左右の駆動プーリ17,17との間に人参を引き抜き機体後部へと搬送する挟持搬送ベルト18をそれぞれ無端状に巻回すると共に、複数のテンションローラ19…によって該左右の挟持搬送ベルト18,18を張圧し、左右挟持搬送ベルト18,18の機体内側面を互いに圧接させて人参の引抜搬送経路Rを構成する。
そして、前記機体フレーム1の上方に、一対の角パイプ20a,20aを左右方向に間隔を空けて配置して構成する回動フレーム20を、回動横軸21を回動支点として上下方向に設ける。また、該回動フレーム20の後端部に後部フレーム120を上下方向に設け、該後部フレーム120の上端部に前記左右駆動プーリ17,17に駆動力を伝動する伝動ケース22を、前記回動横軸21を中心として上下回動自在に取り付ける。
さらに、図5、図6で示す通り、前記回動フレーム20を構成する前記左右の角パイプ20a,20aの左右間に連結パイプ121を設け、該連結パイプ121の左右両側端部で且つ左右の角パイプ20a,20aの左右間に支持プレート122の基部をそれぞれ固定して設ける。そして、該左右の支持プレート122,122の上端部にシリンダ支持軸123を軸着し、該シリンダ支持軸123の左右両側部にカラー124をそれぞれ回転自在に装着する。また、該シリンダ支持軸123に昇降油圧シリンダ23の一側端部を装着し、該昇降油圧シリンダ23の他側端部を前記機体フレーム1に装着すると共に、昇降油圧シリンダ23を操作する操作装置(図示省略)を操縦部Bに設けることによって、引抜搬送装置24が構成される。
なお、前記シリンダ支持軸123の左右両端部に回転自在に装着する左右のカラー124,124は、シリンダ支持軸123の左右長さよりも短く構成すると共に、シリンダ支持軸123と昇降油圧シリンダ23の一側端部との連結部から離れた位置に配置するものとする。具体的には、左右のカラー124,124を左右方向に所定間隔を空けてシリンダ支持軸123に回転自在に軸着し、この所定間隔部に昇降油圧シリンダ23の一側端部を装着する構成である。このとき、左右のカラー124,124は、シリンダ支持軸123に沿って左右方向に摺動できない構成としておくと、左右のカラー124,124同士の左右方向の所定間隔が変わることが防止される。
そして、後述する引継搬送部Eを構成する前後の残葉処理フレーム72a,72bのうち、機体前側の残葉処理フレーム72aを前記左右の支持プレート122,122よりも機体後側に設け、該前側の残葉処理フレーム72aにゴムや合成樹脂等の弾性体で構成する保護マット125の後端側をピンやボルト等の固定部材125a…で取り付ける。該保護マット125を前側の残葉処理フレーム72aに固定部材125a…を介して取り付ける位置は、前側の残葉処理フレーム72aの上端部よりも下方位置とする。
該前側の残葉処理フレーム72aのうち、少なくとも保護マット125の左右幅と略同じ左右幅に亘って、上下高さが低くなる切欠部72zを形成すると、保護マット125から残葉処理部Eに移動する人参が接触する部材が無くなるため、移動中に人参が傷付くことが防止でき、人参の商品価値が向上する。
さらに、該保護マット125を左右のカラー124,124の上側を通過させて機体前側に延ばし、該左右のカラー124,124に接触する位置で下方に向けて屈曲させる。また、該保護マット125の前端部には、保護マット125の前端側を下方に向けて引き下げる引下げウェイト126を取り付けて、昇降油圧シリンダ23に搬送途中の人参から落下してくる泥土が接触することや、長さの長い人参が昇降油圧シリンダ23に接触して破損することを防止する防護装置127が構成される。該引下げウェイト126は、保護マット125が捲れ上がらない程度の質量を有していれば、どのような材質で構成してもよい。
なお、上記構成とした防護装置127において、保護マット125は前側の残葉処理フレーム72aから左右のカラー124,124の上側に向けて、円弧(U字形)を描く屈曲部Wを形成するものとする。この屈曲部Wは、引下げウェイト126の質量によって変更される。
このとき、図7(a)(b)で示すとおり、引下げウェイト126を重り支持軸126aと、該重り支持軸126aに着脱自在に設ける複数の重り126b…で構成すると、作業者は容易に引下げウェイト126の質量を変更して、保護マット125の張りの強弱を変更することができ、人参が保護マット125に衝突してもいっそう破損しにくくなるので、人参の商品価値が維持される。
また、該引抜搬送装置24の前方に人参の茎葉部を引き起こす縦引起し装置25と、該縦引起し装置25が引起した茎葉部を掬い上げる横引起し装置26と、該横引起し装置26の前部に設ける分草杆27と、前記エンジン7の駆動力で回転するシャフト32の回転によって振動する振動フレーム33に取り付けた人参の左右の土を振動によって解す左右振動ソイラ34,34とを設ける。
そして、前記引抜搬送通路Rの下方で且つ左右の角パイプ20a,20aの左右間に、左右方向に複数の尻尾通過溝35c…を形成したカバーケース35bを設け、該カバーケース35bの内部に駆動モータ(図示省略)から駆動力を受けて回転する尻尾切断刃35aを設けて引抜搬送装置24で搬送中の人参のひげ根を切断する尻尾切装置35を構成することによって、収穫部Cが構成される。
なお、該尻尾切装置35の後部には、前記防護装置127を構成する保護マット125のうち、引下げウェイト126によって略垂直に下方に垂れ下げられる前端部側を配置し、尻尾切装置35を通過した人参を受け止める構成とすると、尻尾切断刃35aの回転力により押し出された人参の姿勢が乱れることが防止され、搬送精度が向上する。
上記構成により、機体前側に分草杆27を備える横引起し装置26と、縦引起し装置25を設けることによって、圃場に倒伏した人参の茎葉を掻き上げながら収穫作業ができ、収穫する人参の視認性が向上するので引き抜き位置が合わせやすく、作物の抜き残しが減少するため作業能率が向上する。
また、人参に左右振動ソイラ34,34等が接触して傷つくことを防止できるので、人参の商品価値が向上する。
そして、ハンドル29を回すと上下伸縮する伸縮ロッド30の下端部にゲージ輪31を設けたことによって、ゲージ輪31を圃場面に接地させるとそれ以上引抜搬送装置24が下降しなくなるので、操縦者の操縦ミスや予期せぬ地面の凹凸によって引抜搬送装置24の下端部が圃場面に接触して破損することが防止される。
そして、機体フレーム9と左右横軸21を回動支点として上下方向に回動自在な回動フレーム20とを昇降油圧シリンダ23で連結し、昇降油圧シリンダ23を操縦部Bの昇降操作レバー14を操作することによって伸縮させる構成としたことによって、昇降操作レバー14の操作により収穫部C全体の上下高さを調節することができるので、収穫部Cの引抜搬送始端部の位置を上下方向に調節しするとともに圃場に植生する人参の適切な引き抜き高さに合わせて引抜搬送始端部の位置調節を行え、人参の抜き残しが防止されるので作業能率が向上する。
また、次の収穫条に移動するとき等、非作業時に収穫部Cを上昇させておくと、収穫部Cの下端部が圃場に接触しにくくなるため、移動がスムーズに行われて作業能率が向上する。
さらに、昇降油圧シリンダ23の前後及び上方を覆う軟質部材で構成する保護マット125を設けたことにより、引抜搬送装置24で搬送中の人参にから降って来る泥土や水等が昇降油圧シリンダ23に付着することを防止できるので、昇降油圧シリンダ23が破損することや、作動不良を起こすことが防止されるため、耐久性や操作性が向上する。
また、昇降油圧シリンダ23の前部を下方に向かって略垂直方向に垂らしていることにより、人参の上下長さが長いものであっても、その人参の下部側を保護マット125が受け止めることができるので、人参が昇降油圧シリンダ23や左右の支持プレート122,122に接触することが防止され、人参が傷付くことがなく、商品価値が向上する。
そして、保護マット125の前端部に引下げウェイト126を設けて下方に向けて引き下げ、後部側を残葉処理フレーム72aに固定したことにより、保護マット125の撓み幅を大きく取ることができるので、保護マット125が抵抗となって接触した人参を傷つけることが防止され、いっそう人参の商品価値が向上する。
さらに、シリンダ支持軸123に左右のカラー124,124を回転自在に装着し、この左右のカラー124,124の上部に保護マット125を接触させる構成としたことにより、保護マット125に人参が接触して撓むときや、引下げウェイト126の重量を変更して保護マット125の前端部の上下位置を変更するとき、保護マット125にかかる摩擦抵抗を減らすことができるので、保護マット125の耐久性が向上する。
これに加えて、保護マット125が摩擦抵抗でその位置に留まることや、保護マット125が伸びて意図した張りに合わなくなることが防止されるので、保護マット125に接触する人参の傷付きが防止されて、商品価値が向上する。
また、左右のカラー124,124を左右方向に所定間隔を空けて設けたことにより、人参が保護マット125に接触する頻度の高い左右方向中央部に撓みを抑える部材が配置されない構成とすることができるので、人参が保護マット125に接触する際の撓み代が十分に確保されるため、保護マット125が十分に撓めず抵抗が強くなって人参を傷つけることが無く、人参の商品価値がいっそう向上する。
そして、保護マット125の前端部を引下げウェイト126で下方に引き下げ、後部側を固定部材125a…で前側の残葉処理フレーム72aに固定したことにより、保護マット125の上部側が円弧形状の屈曲部Wとなるため、人参が保護マット125に接触する際の衝撃が吸収されやすく、さらに人参が傷付きにくくなる。
さらに、保護マット125を有する防護装置127を尻尾切装置35の後部の直後位置に設けたことにより、尻尾切装置35に弾き出される人参の下端部側を保護マット125で受け止めることができるので、人参が揺れて周囲の構成部材に接触して破損することが防止され、人参の商品価値が向上する。
これに加えて、人参が揺れることにより、茎葉部から根部がちぎれ、人参が残葉処理部Eよりも機体前側で落下することが防止されるため、人参に残った残葉を手作業で処理する必要がなくなると共に、機外や搬送経路外に落下した人参を拾い上げる作業が不要となるため、作業者の労力が軽減される。
また、保護マット125の後側垂下部を固定部材125aで前側の残葉処理フレーム72aに固定したことにより、保護マット125の後端部側が昇降油圧シリンダ23に接触し、昇降油圧シリンダ23の伸縮動作を妨げることを防止できるので、引抜搬送装置24の引抜作業高さの調節が正確に行われるため、作業能率が向上する。
さらに、保護マット125の後部側が昇降油圧シリンダ23の上方を上下方向に亘って覆う構成となるため、昇降油圧シリンダ23に夾雑物が落下することを確実に防止することができるので、昇降油圧シリンダ23が破損したり作動不良を起こすことが防止され、耐久性が向上すると共に、作業性が向上する。
次に、土寄せ部Hについて説明する。
図1から図3で示す通り、前記機体フレーム1の前部で且つ左右のクローラ6L,6Rの左右間に溝埋めフレーム201を設け、該溝埋めフレーム201の前端部は、前記左右のクローラ6L,6Rの前端部よりも機体前側に突出させる。また、該土寄せメインフレーム201と左側のドライブシャフト9とを後支持プレート202bで連結し、前記溝埋めフレーム201の前端部に前支持プレート202aを下方に配置し、該前支持プレート202aの下端部に支軸203の左端部を設けると共に、該支軸203の右端部と右側のドライブシャフト9とを連結プレート205で連結する。そして、前記支軸203の左右方向の中央位置付近に、直線状の回動フレーム204を機体前方に突出する姿勢で設ける。
さらに、該回動フレーム204の前端部の機体左右他側に、機体左右他側(機体左側)に向かって前方に突出する姿勢で溝埋め支持フレーム206を取り付け、該溝埋め支持フレーム206の前端部側に、既に人参を収穫し終えた畝を崩して畝溝側に寄せる溝埋めディスク207aを設ける。そして、該溝埋めディスク207aよりも機体左右一側(機体右側)に、溝埋めディスク207aが寄せてくる土をさらに畝溝側に寄せる溝埋めドーザ207bを設ける。
該溝埋めディスク207aは、溝埋め支持フレーム206に平行な姿勢で回転自在に設け、土を畝溝方向に運びやすく、地面との接地抵抗がかかっても回転して負荷を低減する構成とする。また、溝埋めディスク207aは皿形状とし、凹部の湾曲によって土を畝溝側に運び易くしている。
該溝埋めドーザ207bは、溝埋め支持フレーム206と回動フレーム204の連結部で屈曲させ、該溝埋め支持フレーム206と平行な姿勢となる斜め部では溝埋めディスク207aから送られる土をさらに畝溝に移動させ、該回動フレーム204の前部に対して左右方向姿勢となる左右延設部では、土の案内方向を変更して畝溝に落とし、右側のクローラ6R側、即ち人参の引抜作業中の畝に土が移動することを防止する構成としている。
また、該溝埋めドーザ207bの機体左右他側は、前記溝埋めディスク207aの機体左右一側とオーバーラップさせ、且つ溝埋めドーザ207bを溝埋めディスク207aよりも後方に位置させることにより、溝埋めディスク207aから土を引き継ぐときに、土を後方に逃がさない配置構成とする。即ち、該溝埋めドーザ207bは、平面視で「く」の字型となる形状である。
なお、前記溝埋めドーザ207bの上下長は、溝埋め支持フレーム206と平行な姿勢となる斜め部では溝埋めディスク207aと略同じ上下長とし、溝埋めディスク207aに運ばれてきた土が溝埋めドーザ207bの下方から後方に逃げない構成とする。一方、回動フレーム204と平行な姿勢となる左右延設部では、機体左右他側端部から機体左右一側に向かって溝埋めディスク207aと略同じ上下長さになる案内部と、機体左右一側に向かうほど上下長が短くなる排土部を形成し、土が人参の引き抜き作業中の畝に到達する前に機体後側に土を排出し、畝溝上に土を落とす構成とする。
前記溝埋めドーザ207bは、前記回動フレーム204と溝埋め支持フレーム206とにボルト等の固定部材で着脱自在に取り付ける。図4に示す一例においては、溝埋めドーザ207bの取付位置は決まっているが、固定部材の取付孔を長孔にして上下位置、左右位置または前後位置を変更可能に構成してもよい。
一方、前記溝埋めディスク207aは、前記溝埋めフレーム206の前端部側で且つ上面に一対の取付長孔208a,208aを形成し、該一対の取付長孔208a,208aにディスク支持アーム208の取付丸孔(図示省略)を合わせて、ボルト等の固定部材209…で連結固定する。該取付長孔208a,208aを、任意の位置で取付丸孔と合わせて連結固定することにより、ディスク支持アーム208の取付位置を調節することができる。前記ディスク支持アーム208の前端部に、土寄せディスク207aを回転自在に装着する。
なお、前記固定部材209は、図4で示す通り、前後二箇所を固定する構成としているが、前後のどちらかを高い負荷がかかると破断するトルクシャーボルトとすると、石等に溝埋めディスク207aに接触して過負荷がかかったときにこのトルクシャーボルトが破断し、もう一方の固定部材209を回動支点としてディスク支持アーム208が回動可能になるので、過負荷により溝埋めディスク207aが歪んで土の案内性能が低下することや、溝埋め支持フレーム206やディスク支持フレーム208が歪んで破損することを防止でき、溝埋め性能が維持されて人参の引き抜き損ないが防止され、作業能率が向上すると共に、各部材の耐久性が向上する。
さらに、図2で示す通り、機体左右他側の引抜フレーム15の引抜搬送始端側に支持ステー210を設け、該支持ステー210の機体左右他側端部で且つ前記回動アーム204の回動支点である支軸203よりも機体前側に溝埋め昇降シリンダ211の基部側を回動自在に設けると共に、該溝埋め昇降シリンダ211の摺動側に連結シャフト212の機体左右一側端部を装着する。該連結シャフト212と溝埋め昇降シリンダ211の摺動側の連結には、トルクシャーボルト等の所定値以上の過負荷がかかると破断する連結固定部材213を用いる。
そして、前記連結シャフト212の機体左右他側端部は、前記回動フレーム204の機体左右一側で且つ溝埋めドーザ207bに取り付け、前記溝埋め昇降シリンダ211の伸縮摺動動作に連動して上下動する構成とすることにより、溝埋め装置214が構成される。
図1から図4で示す通り、前記溝埋め昇降シリンダ211の摺動側の下端部は、前記溝埋めドーザ207bの上端部よりも下方とし、該溝埋めドーザ207bが溝埋め昇降シリンダ211の摺動側に土が移動することを防止するガード体となる構成とする。これにより、付着した土が溝埋め昇降シリンダ211の伸縮摺動を妨げることが防止され、溝埋め昇降シリンダ211の耐久性が向上すると共に、溝埋めディスク207a及び溝埋めドーザ207bの作業高さの調節が確実に行え、作業能率が向上する。
なお、前記連結プレート205を取り外すと共に、連結シャフト212を溝埋め昇降シリンダ211から取り外すと、回動フレーム204をスライドさせて取り外すことができる構成となるので、溝埋め装置214の着脱に要する時間を短縮することができ、作業能率が向上する。
さらに、前記溝埋め昇降シリンダ211は、引抜搬送装置24の昇降油圧シリンダ23とは独立して昇降操作することもできるものとすべく、電動シリンダとする。そして、該溝埋め昇降シリンダ211を伸縮させて溝埋め装置214の作業高さを上下調節する溝埋め調節スイッチ215を操縦パネル12に設けることにより、土寄せ部Hが形成される。
上記構成としたことにより、人参の引き抜き収穫作業を行いながら、溝埋めディスク207aと溝埋めドーザ207bで既に人参を収穫し終えた隣接する畝を崩して土を寄せ、この土で畝溝を埋めることができるので、右側のクローラ6Rが畝上を走行すると共に左側のクローラ6Lが畝溝を走行する際、機体が右方向に傾斜することが防止され、引抜搬送装置24が確実に人参の茎葉部を挟持して引き抜くため、抜き残した人参を手作業で回収する作業が不要となる。
特に、海岸に近い圃場では、塩害による人参の生育不良や枯れを避けるべく、畝の高さを標準的な圃場よりも高く(約30cm前後)とする必要がある。この畝上を右側のクローラ6Rが走行し、畝溝を左クローラ6Lが走行するとき、機体は左側に大幅に傾斜してしまうことになるので、作業者が不快感を覚えるだけでなく、引抜搬送装置24の引抜搬送始端部も傾斜に伴い上方にずれてしまい、人参の茎葉部が挟持できず、人参の抜き残しを生じさせることになる。
また、引き抜かれた人参も機体の傾斜と同じ方向に傾くので、後述する茎葉切断装置61が茎葉部を切り残すことや、茎葉部だけでなく根部まで切断してしまい、作業者が茎葉部を手作業で除去しなければならず、作業者の労力が増大する問題があると共に、人参の商品価値が低下する問題がある。
この問題を解決すべく、溝埋め装置214を設けると、機体が前進する際、畝溝に隣接する畝を崩して土を寄せていくので、左側のクローラ6Lが畝溝上を通過しても、機体の傾斜が生じない、もしくは、傾斜しても傾斜量が小幅となるので、引抜搬送装置24の引抜作業には支障が生じず、引抜収穫作業の能率の向上や、人参の抜き残しの発生が防止される。
なお、走行部Aで述べた、左右のクローラ6L,6Rの何れか一方を上下動可能に構成していれば、機体が傾斜していると作業者が判断すると、手作業で機体を水平姿勢に操作することができる、あるいは傾斜センサの検知によって自動的にクローラ6L,6Rのどちらかを上下動させ、機体を自動的に水平姿勢とすることができるので、いっそう引抜搬送装置24が人参を引き残しにくくなる。
そして、溝埋めディスク207aよりも機体左右一側に溝埋めドーザ207bを設け、この溝埋めドーザ207bを回動フレーム204と溝埋め支持フレーム206の配置位置に合わせて「く」の字型に屈曲する形状としたことにより、溝埋め装置214の左右幅が広くなることを防止しつつ土の案内距離を長く確保することができるので、畝を崩した土が確実に畝溝まで運ばれるため、畝溝の深さが深いままとなり、左側のクローラ6Lが畝溝に落ち込んで機体が傾斜することが防止される。
また、「く」の字型とした溝埋めドーザ207bのうち、溝埋め支持フレーム206と平行な姿勢、即ち機体左右他側から左右一側に向かって斜め姿勢となる斜め部の上下長を溝埋めディスク207aの上下長と略同じとしたことにより、溝埋めディスク207aから運ばれてきた土を溝埋めドーザ207bに確実に引き継がせることができるので、土が後方に逃げることが防止され、畝溝が十分に埋まらず機体が大きく傾斜することが防止されて、人参の引き抜き残しの発生や茎葉部の切断位置が乱れることが防止される。
さらに、「く」の字型とした溝埋めドーザ207bのうち、回動フレーム204と直交する姿勢、即ち機体左右方向にまっすぐな姿勢となる左右延設部には、機体左右他側端部から機体左右他側の一部を溝埋めディスク207aの上下長と同じ案内部を形成し、その他の部分には機体左右一側に向かうほど上下長が短くなる排土部を形成したことにより、土がこの排土部から抜け出ることができるので、溝埋めドーザ207bに案内される土が人参の収穫作業中の畝に到達する前に機体後方に排出されるため、引抜搬送装置24の引抜作用部に土が入り込むことが防止され、確実に人参が引き抜かれると共に、引抜搬送装置24が土を噛み込んで破損することが防止される。
そして、溝埋めディスク207aと溝埋めドーザ207bの一部とが共に機体の前進方向に対して斜め姿勢となることにより、溝埋めディスク207aと溝埋めドーザ207bとが土中に入り込み過ぎ、機体後部が抵抗で浮き上がることを防止できるので、機体の走行が妨げられず作業能率が向上すると共に、機体の各部に負荷がかかることが防止され、耐久性が向上する。
また、溝埋めディスク207aの機体左右一側と溝埋めドーザ207bの機体左右他側とがオーバーラップする配置としたことにより、前側の溝埋めディスク207aと後側の溝埋めドーザ207bとに間隔部が生じず、畝溝に向かって移動させている土が後方に洩れ出すことを防止できるので、畝溝に移動させる土の量が不足し、左側のクローラ6Lが畝溝を通過する際に機体が大きく傾斜することが防止されるため、引抜搬送装置24が人参を引き抜き残すことが防止される。
これに加えて、茎葉切断装置61が人参の茎葉部を切断する際、人参が傾いた姿勢になることを防止できるので、茎葉部の一部が根部に残され、後工程でこの茎葉部を除去する必要が無く作業者の労力が軽減されると共に、茎葉部の生え際よりも下方、即ち収穫対象である根部(可食部)を切断することを防止できるので、人参の商品価値の低下が防止される。
さらに、溝埋めディスク207aと溝埋めドーザ207bを着脱自在に構成したことにより、長期間の使用で溝埋めディスク207aと溝埋めドーザ207bが消耗した際に簡単に交換することができるので、作業能率が向上する。
そして、溝埋めディスク207aを溝埋め支持フレーム206に沿って移動させることにより、畝に接触する位置を変更することができるので、畝溝の幅や深さに合わせて土を移動させる量を変更することができ、確実に畝溝が埋められる。
なお、溝埋めディスク207aの位置を変更しても、溝埋めディスク207aの機体左右他側と溝埋めドーザ207bの機体左右一側とはオーバーラップする配置関係とし、土が後方に逃げない構成とする。
一方、溝埋めドーザ207bの取付位置は固定としたことにより、畝溝に土が送られる位置は変わらないので、左側のクローラ6Lの通過位置に確実に土を送り込むことができ、左側のクローラ6Lが落ち込んで機体が大きく傾斜することが防止され、人参の収穫作業能率や茎葉部の除去精度が向上する。
加えて、人参の引抜作業中の畝に土が案内されることを防止できるので、引抜搬送装置24の引抜作用部に土が入り込むことが防止され、人参の引抜収穫が確実に行えると共に、引抜搬送装置24が土を噛み込んで破損することが防止される。
また、回動フレーム204を溝埋め昇降シリンダ211で上下回動させることにより、引抜搬送装置24の茎葉部の挟持高さを変更することなく溝埋めディスク207a及び溝埋めドーザ207bの作業高さを調節することができるので、畝溝を確実に埋め立てることにより、機体の左右方向の傾斜が防止されて人参の抜き残しが防止されると共に、引抜搬送装置24は適切な作業高さで人参の茎葉部を挟持することができるので、作業能率が向上する。
さらに、溝埋め昇降シリンダ211の基部側を引抜フレーム15の機体左右他側に設け、摺動側を連結シャフト212を介して回動アーム204に取り付けたことにより、引抜搬送装置24を昇降操作すると溝埋め装置214が連動して昇降する構成となるので、非作業時や収納時等、引抜搬送装置24を上昇させる際に溝埋め装置214を個別に操作しなくても圃場面から離間させることができ、作業能率が向上する。
これに加えて、引抜搬送装置24を下降させると溝埋め装置214が溝埋め作業高さに復帰するので、引抜搬送装置24の引抜作業高さと溝埋め作業高さを別々に調節する必要がなく、作業能率が向上する。
そして、溝埋め昇降シリンダ211の基部側の取付位置を、回動フレーム204の支軸203よりも機体前側に設けたことにより、引抜搬送装置24を昇降させた際、溝埋め装置214が連動して昇降する距離を小さくすることができるので、人参の引抜高さを微調整する度に溝埋め装置214の溝埋め作業高さを微調整する必要がなく、作業能率が向上する。
また、溝埋めディスク207aと溝埋めドーザ207bよりも機体後側で溝埋め昇降シリンダ211の摺動側と連結シャフト212とを連結したことにより、溝埋めドーザ207bが壁となり、運ばれてくる土が土寄せ昇降シリンダ211の摺動側に接触することを防止できるので、溝埋め昇降シリンダ211に土が付着して動作不良を起こすことや、破損することが防止される
そして、連結シャフト212を、所定値以上の過負荷がかかると破断する固定部材213を用いて溝埋め昇降シリンダ211と連結したことにより、土中の石に接触したときなど、溝埋め装置214に過負荷がかかることがあると固定部材213が自壊して連結状態を解除するので、溝埋め昇降シリンダ211及び引抜搬送装置24には過負荷が伝わらず、破損が防止される。
加えて、連結が解除されることにより、溝埋め装置214側は回動アーム204が下方から加わる力に従って上方に回動することができるので、回動アーム204や溝埋めフレーム201の破損も防止される。
このとき、破損の可能性があるのは直接石等の抵抗体に接触する溝埋めディスク207aと溝埋めドーザ207bであるが、溝埋めフレーム201や回動フレーム204と比べると着脱が容易であると共に、溝埋め昇降シリンダ211や引抜搬送装置24と比べると比較的安価な部品であるので、破損が生じた際、交換作業に要する労力や部品のコストが軽減される。
図3(a)〜(d)に基づき、溝埋め装置214を用いた作業工程について説明する。図3(a)〜(d)に示すのは、一つの畝に四条分の人参が植生している状態であり、本件のような人参収穫機を用いた収穫作業においては一般的な状態である。畝と畝の間には畝溝が形成されているが、人参収穫機の左右のクローラ6L,6Rの左右間隔よりも狭いことが多く、一般的に左右のクローラ6L,6Rは、畝上を走行する。
図3(a)は、一条目の人参を引き抜く工程であり、左側のクローラ6Lは、隣接する既に人参の収穫を終えた畝上を走行し、右側のクローラ6Rは人参の引き抜き作業を行う畝上を走行する。このとき、溝埋めシリンダ211を伸張させて回動フレーム204を下方回動させ、溝埋め装置214を構成する溝埋めディスク207aと溝埋めドーザ207bを、畝を構成する土に接触させる。溝埋めディスク207aと溝埋めドーザ207bは、下部側を走行の抵抗にならない程度に土中に入り込ませるものとする。
これにより、畝は溝埋めディスク207aと溝埋めドーザ207bによって掘り崩され、溝埋めディスク207aと溝埋めドーザ207bの斜め部によって畝溝に案内される。そして、畝溝上まで案内されてきた土は、溝埋めドーザ207bの左右延設部のうち、機体左右一側に向かうほど上下長の短くなる排土部に到達すると、排土部から機体後方に排出され、人参の引抜収穫作業中の畝に到達することなく畝溝に落下し、畝溝を埋め立てていく。
このとき、畝溝は15〜20cm程度埋められるが、崩される畝は溝埋めディスク207aと溝埋めドーザ207bで左右方向に幅広く土を取ることにより、10cm程度削られる。なお、左側のクローラ6Lは土の掘り崩される箇所よりも機体左右他側を通過するので、左右のクローラ6L,6Rは略同じ高さに位置するため、引抜搬送装置24の引抜作業高さに変化は殆ど生じない。
図3(b)は、二条目の人参を引き抜く工程であり、左側のクローラ6Lは隣接する畝のうち、溝埋め装置214で掘り崩されて10cm程度低くなった箇所を走行すると共に、右側のクローラ6Rは一条目の人参が植生していた箇所を走行する。このとき、畝溝は既に埋められた状態であるので、作業者は溝埋めシリンダ211を収縮させて回動フレーム204を上方回動させ、溝埋め装置214を畝及び畝溝の上方に退避させておく。
左側のクローラ6Lが掘り崩されて10cm程度低くなった畝上を走行することにより、機体は正面または背面視で機体左右他側が機体左右一側よりも下方に位置する傾斜姿勢となるが、10cm程度であれば引抜搬送装置24を下降させ、適切な引抜作業高さとすることができるので、人参の引き抜き損ないは生じにくい。
また、左右のクローラ6L,6Rの上下高さを変更する、所謂スイング機構を有する人参収穫機であれば、左側のクローラ6Lを下降させることができるので、引抜搬送装置24の引抜作業高さを変更する必要が無くなり、操作性や作業能率が向上する。
但し、現状のスイング機構による左右のクローラ6L,6Rの上下動範囲は、機体の構造上10cm弱に留まっているので、20〜30cmの高さを有する高畝を形成した圃場で人参の引抜収穫作業を行うときは、本件のように畝を崩して畝溝を10〜20cm程度埋めておかないと、機体が大きく左右方向に傾斜し、引抜搬送装置24の引抜作業位置を限界まで下降させても人参の引抜作業ができないほどに引抜搬送装置24が人参から上方に離間してしまう。
図3(c)は、三条目の人参を引き抜く工程であり、左側のクローラ6Lは隣接する畝のうち、溝埋め装置214で掘り崩されて10cm程度低くなった箇所を走行すると共に、右側のクローラ6Rは二条目の人参が植生していた箇所を走行する。このとき、畝溝は既に埋められた状態であるので、作業者は溝埋めシリンダ211を収縮させて回動フレーム204を上方回動させ、溝埋め装置214を畝及び畝溝の上方に退避させておく。
図3(d)は、四条目の人参を引き抜く工程であり、左側のクローラ6Lは畝を崩した土で埋められた畝溝を走行し、右側のクローラ6Rは三条目の人参が植生していた箇所を走行する。このとき、畝溝は一条目の人参を引き抜く際に溝埋め装置214によって畝を崩した土により、深さが10cm程度になっているので、機体の左右方向の傾斜は小さく抑えられるため、引抜搬送装置24の引抜作業高さの調節、または左側のクローラ6Lを下降させれば、人参の引抜収穫を確実に行うことができ、抜き残された人参を作業者が手作業で引抜必要が無くなり、作業者の労力や作業時間が軽減される。
なお、高畝を形成する地域は海や河口の近くであり、比較的砂の多く柔らかい土質であることが多く、畝溝に落とされた土は柔らかいままであるが、人参収穫機の走行装置が左右のクローラ6L,6Rであることにより、畝溝に殆ど沈み込むことなく走行することができるので、畝溝に土を移動させた後踏み固める装置や部材は不要であり、部品点数が軽減される。
上記の溝埋め装置214は、溝埋め調節スイッチ215を操作して溝埋め昇降シリンダ211を伸縮させ、溝埋めディスク207a及び溝埋めドーザ207bの溝埋め作業高さを決定する構成としている。
しかしながら、溝埋め作業高さが畝に対して高過ぎると、畝溝に運ばれる土の量が不足し、畝溝が十分に埋まらず左側のクローラ6Lが畝溝に落ち込んでしまい、機体が傾斜して引抜搬送装置24が人参を引き抜けなくなると共に、茎葉切断装置61が不適切な位置で茎葉部を切断してしまう問題が生じる。
一方、溝埋め作業高さが畝に対して低過ぎると、溝埋めディスク207a及び溝埋めドーザ207bが土中に潜り込み、走行の抵抗となり、作業能率を低下させると共に燃費を悪くする問題が生じる。加えて、負荷が大きくなると機体後部が浮き上がり、引抜搬送装置24の始端部側が土中に入り込んで人参が収穫できなくなる問題や、引抜搬送装置24や溝埋め装置214等が負荷により破損する問題が生じる。
上記の問題の発生を防止するには、溝埋め装置214の作業高さを適切に設定する必要があるが、圃場の条件によっては作業者の目視だけでは上下位置調節が難しく、作業高さの設定に時間がかかり、作業能率が低下することがある。
図15から図17(a)(b)に示す通り、前記溝埋め支持フレーム206の機体左右他側端部に取付軸219を機体左右他側に向けて設け、該取付軸219に車軸220を備えるフランジ221を設け、該車軸220に畝上に接地するゲージ輪222を回転自在に設ける。該ゲージ輪222は、その前端部を溝埋めディスク207aの前端部よりも後方に配置する。
また、前記ゲージ輪222のフランジ221は、上下方向に複数の取付孔(図示省略)を形成し、圃場の土質や畝の高さ等の作業条件に合わせて上下位置を変更できる構成とする。
上記の構成により、ゲージ輪222を接地させて溝埋め装置214の作業高さを決めることができるので、溝埋め作業高さが適切な高さとなるため、畝溝が確実に埋められ、左側のクローラ6Lが落ち込んで機体が傾斜し、引抜搬送装置24が人参を収穫し損なうことが防止される。
また、茎葉切断装置61が茎葉部を不適切な位置で切断することを防止できるので、後工程で茎葉部を除去する作業が不要となり、作業者の労力が軽減されると共に、根部が切断されて人参の商品価値が低下することが防止される。
そして、フランジ221に上下方向に複数形成した取付孔の何れか一つと取付軸219を合わせることにより、ゲージ輪222の接地高さを変更することができるので、圃場の土質や畝の高さに合わせてゲージ輪222の接地高さを変更すると、溝埋め作業高さも変更されるため、畝溝を確実に埋めて機体の傾斜を防止し、人参の引き抜き損ないが防止されると共に、茎葉部の切断位置が適切になる。
上記の例では、ゲージ輪222は左右のクローラ6L,6Rと同じく、機体の進行方向に沿う姿勢で設けられているが、次の構成を加えてもよい。
図17(a)(b)で示す通り、溝埋め支持フレーム206の機体左右他側端部にボス223を設け、該ボス223に上下方向の調節支軸224を回転可能に差し込み、該調節支軸224の下部に前記フランジ221の取付孔に差し込む車軸220を設け、該車軸220にゲージ輪222を回転自在に装着する。
前記ボス223には孔を開け、この穴にスプリング226によって調節支軸224側に付勢されるロックピン225を差し込み、該ロックピン225の一側端部を調節支軸224に押し当てることによって調節支軸の回転を規制する構成とする。そして、前記ロックピン225の他側端部には、このロックピン225をスプリング226の付勢力に抗して引き操作する操作グリップ227を設ける。前記スプリング226は、ボス223に設けるロックステー228の内側に設ける。
前記操作グリップ227をスプリング226の付勢力に抗し得る力で引き操作し、ロックピン225を調節支軸224から離間させると、調節支軸224は回転可能となる。この状態で調節支軸224を回転させると、ゲージ輪222の姿勢を変更し、トー角を付けることが可能となる。そして、操作グリップ227から手を離すと、スプリング226の付勢力によってロックピン225は調節支軸224の外周面に押し当てられ、調節支軸224の回転を規制する。これにより、設定したゲージ輪222のトー角を保持することが可能となる。
なお、ゲージ輪222のトー角は、溝埋めディスク207aの傾斜姿勢とは反対の方向、機体前後方向において、左右他側から機体左右一側に向かう傾斜姿勢とする。
上記構成としたことにより、ゲージ輪222にトー角を付けることができるので、引抜搬送装置24の引抜作業の反力による、機体が機体左右他側に移動しようとする力に対抗することができるので、機体の進行方向の操作頻度が減少し、操作性が向上する。
また、人参を引き抜く条が乱れることを防止できるので、抜き残された人参を作業者が手作業で引き抜く必要が無く、作業者の労力が軽減されると共に、隣接条の人参も引き抜いてしまい、引抜搬送装置24に一条分以上の人参が引き抜かれることが防止され、茎葉部の詰まりによって収穫作業が中断されることが防止される。
そして、調節支軸224を回転させてゲージ輪222のトー角を調節可能に構成したことにより、圃場の土質や畝の高さ、人参の品種等の作業条件に合わせてトー角を適宜変更することができるので、様々な作業条件の適応性が向上する。
なお、上記の効果を得るためのトー角は、ゲージ輪222の前部が機体左右一側に位置し、後部が機体左右他側に位置する、平面視で斜め姿勢であり、例えばゲージ輪222が機体の進行方向に直交する姿勢や、ゲージ輪222の前部が機体左右他側に位置すると共に後部が機体左右他側に位置する斜め姿勢とすることは一般的にない。但し、引抜搬送装置24の反力が強く生じず、直進が妨げられないときには、左右のクローラ6L,6Rと平行と同じく機体の前後方向を向く状態とすることはある。
このため、図17(a)(b)に示す通り、前記ボス223の下部と、調節支軸224の外周部に、互いに接触し合う第1規制突起223a…と第2規制突起224a…を各々設け、該第1規制突起223a…と第2規制突起224a…が接触するとそれ以上調節支軸224が回転できない構成とすると、作業者はゲージ輪222のトー角を調節する際、調節支軸224が回り過ぎて角度調節に余分な時間を費やすことを防止できるので、作業能率が向上する。
前記第1規制突起223a…は、ボス223の円周上のうち少なくとも2ヶ所、約90度未満(実際は45度〜60度程度とす)の範囲に設け、前記第2規制突起224a…は第1規制突起223a…と接触する位置に設けるとよい。
また、図示を省略するが、前記ゲージ輪222は、下方に向かうほど機体内側に傾斜する、ポジティブキャンバ角をつけることができる構成とすると、支点位置が遠くなり、溝埋め装置214に対するモーメントが大きくなるので、溝埋め装置214の重量等によりゲージ輪222が畝に深く潜り込むことや、畝溝に移動する土の量が多くなり過ぎることが防止され、走行抵抗が減少して能率と燃費のよい走行が可能となる。
上記の構成により、ゲージ輪222を接地の基準とし、溝埋め装置214の作業高さが高くなり過ぎる、または低くなり過ぎることを防止し、適切な高さで人参を収穫し終えた畝の土を崩し、畝溝を土で埋めることができる。
しかしながら、粘性の低い砂地等の圃場では、ゲージ輪222及び溝埋め装置214の重量によって、ゲージ輪222が接地したときに土中に入り込むことがあり、溝埋め装置214の作業高さが低くなり過ぎ、土が畝溝に過度に送り込まれ、左側のクローラ6Lの走行抵抗になってしまうことがある。
この問題の発生を防止すべく、下記構成が考えられる。
図18から図20で示す通り、前記溝埋め昇降シリンダ211と機体左右他側の引抜フレーム15との間に、該溝埋め昇降シリンダ211の伸張を規制する伸張規制部材229を設けると共に、該伸張規制部材229の下端部は、溝埋め昇降シリンダ211の摺動部と同じく前記連結シャフト212に連結固定部材213で取り付ける。
一方、前記伸張規制部材229の上端部には上下方向の長孔229aを形成し、該長孔229aの内部には、前記溝埋め昇降シリンダ211の基部側に設ける摺動ピン230を設ける。伸張規制部材229はターンバックル等の伸縮調節が可能なもので構成し、伸張を規制する範囲を調節可能とする。
上記構成により、摺動ピン230が伸張規制部材229の長孔229aの上端部に接触すると、それ以上溝埋め昇降シリンダ211が伸張できなくなるので、溝埋め装置214の作業高さを下げ過ぎ、溝埋め装置214が土中に入り込んで走行抵抗になることが防止でき、走行速度が低下せず、作業能率が向上する。
これに加えて、溝埋め装置214が土中に潜り込む力により、機体の後部が浮き上がることを防止できるので、機体の前後バランスが安定し、走行や人参の収穫作業が能率的に行える。
さらに、伸張規制部材229を伸縮調節可能なものとしたことにより、摺動ピン230と長孔229aの上端部が接触する箇所を変更することができるので、圃場条件に合わせて溝埋め装置214の作業高さの下限が変更可能となり、確実に畝溝を埋められて機体の傾きが防止されるため、人参の抜き残しの発生が防止され、作業者の労力が軽減される。
なお、上記以外の方法として、図1及び図2、図15及び図16の構成において、プログラムまたはメカ構成により伸縮する範囲を任意に変更できる溝埋め昇降シリンダ211を用いてもよい。このときは、ターンバックル等の伸張規制部材229が不要となるので、簡潔な構成とすることができる。
また、前記溝埋め支持フレーム206の機体左右他側端部に、圃場面の凹凸を検知する、側面視で「へ」の字形状の橇体である、接地体231を設ける。該接地体231の後部は上方へと向け、機体を後進させる際に土中に潜り込み、破損することを防止する構成とする。また、該接地体231は、基部を溝埋め支持フレーム206に回動自在に装着し、端部側の屈曲部が圃場面に最も近接する配置構成とする。そして、前記接地体231が圃場面に接触すると「入」となる接地スイッチ232を前記溝埋め支持フレーム206に設ける。
なお、前記接地体231の回動軸(図示省略)には、該接地体231を接地方向、即ち圃場面に向けて付勢するトルク・スプリング等の付勢部材を設け、圃場面に接したときに上方に回動すると共に、圃場面から離間すると下方に回動する構成とする。
前記接地スイッチ232が圃場面に接触して「入」になると、前記溝埋め昇降シリンダ211が収縮し、前記回動フレーム204が上昇して溝埋め装置214の畝崩し作業高さが上方に変更される。そして、前記接地スイッチ232が圃場面から離間して「切」になると、前記溝埋め昇降シリンダ211の収縮が停止し、溝埋め装置214の畝崩し作業高さが固定される。
図23で示す通り、前記接地スイッチ232は、引抜搬送装置24に駆動力が伝動される引抜伝動クラッチ233の入切に連動して入切される構成とし、引抜搬送装置24への駆動力の供給を切ったときや、非作業時等に引抜搬送装置24を非作業位置まで上昇させたときに自動的に「切」になるものとすると、前記接地体231が動いた際に誤検知が生じることを防止できる。
上記に加えて、前記接地スイッチ232が「切」になると、前記溝埋め昇降シリンダ211が収縮して溝埋め装置214を上方回動させ、圃場面から離間する構成としてもよい。非作業時に溝埋め装置214が圃場面から離間することにより、溝埋め装置214が圃場面に接地して走行抵抗となることを防止できるので、走行速度が低下することが防止され、作業能率が向上する。
なお、上記構成において、畝と溝埋め装置214の距離が離れ過ぎたときは、作業者が昇降シリンダ211を伸張操作し、手動で溝埋め装置214を下降させるものとする。
また、図21、図22及び図23で示す通り前記接地体231は、上記の「へ」の字形状の橇体に変えて、圃場面との接地抵抗で回転する接地ローラ231aとしてもよい。そのときは、接地スイッチ232は、接地ローラ231aの回転を検知する回転センサ232aとし、該回転センサ232aが接地ローラ231aの回転を検知すると接地していると判断し、溝埋め昇降シリンダ211を収縮させる構成とする。
そして、前記接地体231または接地ローラ231aは、溝埋めディスク207a及び溝埋めドーザ207bの作用域よりも機体左右他側にオフセットさせて配置すると、崩されていない畝の表面に接地するので、凹凸を正確に検知することができ、溝埋め装置214の作業高さも適切な高さに合わせられ、畝溝が確実に埋められる。
上記構成により、接地体231が回動して接地スイッチ232が「入」になると溝埋め装置214の作業高さが上方に変更されるので、作業者が溝埋め装置214の上昇操作をすることなく溝埋め装置214が土中に入り込むことが防止されるため、操作性が向上すると共に、作業能率が向上する。
これに加えて、接地体231が圃場面から離間すると接地スイッチ231が「切」となり、溝埋め昇降シリンダ211の収縮が自動停止することにより、作業者が溝埋め昇降シリンダ211の停止操作を行なう必要が無く、いっそう操作性が向上する。
また、溝埋め装置214が土中に潜り込んで走行抵抗となることを防止できるので、走行速度が変速操作レバー13の操作に対応した速度となり、作業者の予定した作業が可能となる。
茎葉切断部Dについて説明する。
図1、図2及び図8から図10で示すように、前記伝動ケース22に駆動力を伝道する左右の伝動軸36,36を取り付け、該左右の伝動軸36,36の上部に左右伝動ケース37,37を取り付けると共に、該左右の伝動ケース37,37内に複数のギアを噛み合わせて構成する左右の第1ギアユニット38,38を機体前側に向かって取り付ける。また、前記伝動ケース22内部の左右の伝動軸36,36に左右の第2ギアユニット39,39を機体後側に向かって取り付け、該左右の第2ギアユニット39,39の後端部に左右の第1出力軸40,40を機体上方に向けて軸着する。
そして、前記の左右第1ギアユニット38,38の前端部に左右の第2出力軸41,41を機体下方に向けて軸着し、該左右の第2出力軸41,41に左右の位置揃え駆動スプロケット42,42を軸着する。さらに、前記左右伝動ケース37,37の前下部に側面視L字型の左右の位置揃えフレーム43,43を取り付け、該位置揃えフレーム43,43に機体左右方向の孔部44,44を形成し、該孔部44,44に左右の位置揃え従動スプロケット45,45を軸着した左右回転軸46,46を取り付ける。また、該位置揃え従動スプロケット45,45と位置揃え駆動スプロケット42,42との前後間で且つ位置揃え駆動スプロケット42,42よりも機体内側位置に左右の位置揃えテンションスプロケット47,47を回転自在に取り付ける。さらに、該位置揃えテンションスプロケット47,47と位置揃え駆動スプロケット42,42と位置揃え従動スプロケット45,45とに左右の位置揃えチェーン48,48を無端状に巻回する。
なお、前記位置揃え駆動スプロケット42,42は、位置揃え従動スプロケット45,45及び位置揃えテンションスプロケット47,47よりも小径のものを用いてもよい。
そして、前記伝動ケース37,37に左右の受け板49,49を前後方向に位置調節可能に取り付け、該受け板49,49と位置揃えフレーム43,43との間に、前記位置揃え従動スプロケット45,45を張圧して位置揃えチェーン48,48に生じる弛みを吸収させる左右の張圧バネ50,50を取り付ける。該張圧バネ50,50は、受け板49,49を前後に移動させることにより、位置揃え従動スプロケット47,47にかかる張圧力を変更することができ、人参の種類や生育状態、茎葉部の平均的な太さに応じて変更することで、様々な作業条件に対応することができる。
また、前記左右の位置揃えフレーム43,43に機体左右方向の孔部44,44を形成、該孔部44,44に位置揃え従動スプロケット45,45の回転軸46,46を貫通させて設けたことにより、位置揃え従動スプロケット45,45を左右方向に移動させて位置調節することができるので、非作業時及び茎葉部が通過中でない、あるいは径の小さい茎葉部が通過する際は、位置揃え従動スプロケット47,47は張圧バネ50,50に押圧されて前側で且つ機体内側方向に向かって押圧され、大径の茎葉部が通過する際には位置揃え従動スプロケット47,47は機体外側方向に向かって押圧される構成となり、大径の茎葉部が噛み込まれることを防止でき、噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く作業能率が向上する。
加えて、位置揃え装置54,54の搬送始端側から搬送終端側までの左右間隔が、大径の茎葉部が通過して負荷がかかったときのみ略直線状となるので、それ以外の場合には位置揃え装置の左右間隔を搬送始端側から搬送終端側に向かって広がる構成となり、位置揃え装置54,54の左右間隔を通過する人参が左右方向にふらつくことを防止でき、人参の茎葉部の切断位置揃えが適正に行なわれる。
さらに、大径の茎葉部が位置揃え装置54,54の左右間を通過できず、人参の茎葉部の切断位置が上がり過ぎ、根部に茎葉部が残ることを防止でき、後処理でこの茎葉部を取り除く作業が不要となり、作業能率が向上すると共に、人参が持ち上げられ過ぎ、根部を後述する茎葉切断装置61に切断されてしまうことを防止できるので、人参が傷付くことが無く、商品価値が向上する。
そして、前記位置揃えチェーン48,48を構成する複数のリンクピン48a…に、位置揃えチェーン48,48の上面と下面と茎葉部との接触面を覆う、断面形状コの字型のガイドカバー51…をそれぞれ取り付け、位置揃えガイド体52を構成する。
なお、図11で示すように、該ガイドカバー51…は、正面または背面視においてコの字形に形成し、リンクピン48aに2つ毎に1個取り付けることにより、ガイドカバー51同士は干渉し合うことが無く位置揃えチェーン48,48の移動に追従することができるので、位置揃え装置54,54の移動がスムーズになり、作業能率が向上する。
そして、前記位置揃えチェーン48,48の巻回域内で且つ位置揃え従動スプロケット45,45と位置揃えテンションスプロケット47,47との間に、位置揃えチェーン48,48を巻回域内から茎葉部接触面に向かって押圧する左右のテンションプレート53L,53Rを機体左右方向に位置調節自在に取り付けることにより、左右の位置揃え装置54,54が引抜搬送装置24の搬送方向後側の下方位置に構成される。
該テンションプレート53L,53Rは、前記伝動ケース37,37に長穴を形成して取付軸53a,53aをボルト等着脱可能な部材で位置調節に取り付け、該取付軸53a,53aの端部に板体53b,53bを溶着して構成する。
そして、前記左右第1ギアユニット38,38の位置揃え装置54,54の後方位置に左右の切断刃回転軸56,56を軸着し、該切断刃回転軸56,56に左右のベアリング57,57を回転自在に取り付ける。そして、前記左右のベアリング57,57に左右の支持プレート59,59を取り付け、該支持プレート59,59に左右の茎葉切断刃60,60を取り付けて、茎葉切断装置61が構成される。
また、前記左右第1出力軸40,40に左右茎葉搬送駆動プーリ62,62を軸着し、前記左右第1ギアユニット38,38よりも機体前側で且つ位置揃え装置54,54の上方に左右茎葉搬送従動プーリ63,63を回転自在に取り付ける。そして、該左右茎葉搬送駆動プーリ62,62と左右茎葉搬送従動プーリ63,63とに左右排葉搬送ベルト64,64を無端状に巻回することによって、前記引抜搬送装置24から人参の茎葉部を引き継いで機体後方に排出する排葉搬送装置65が、前記左右の伝動ケース37,37の上部外周で且つ引抜搬送装置24の搬送終端部側の下方に構成される。
さらに、前記左右第1出力軸40,40の上端部に左右残葉搬送駆動プーリ66,66を軸着し、前記伝動ケース37,37の上方に左右残葉搬送従動プーリ67,67を回転自在に取り付けるとともに、該左右残葉搬送駆動プーリ66,66と左右残葉搬送従動プーリ67,67との前後間に複数の左右の残葉搬送テンションプーリ68,68…を取り付ける。そして、前記左右残葉搬送駆動プーリ66,66と左右残葉搬送従動プーリ67,67と左右残葉搬送テンションプーリ68,68…とに左右残葉搬送ベルト69,69を無端状に巻回することによって、茎葉の上部を挟持して機体後方に搬送する残葉搬送装置70が、前記排葉搬送装置65の上方に構成される。
上記排葉搬送装置65と残葉搬送装置70の終端部から茎葉切断装置61によって切断された茎葉を圃場に排出する排葉プレート71を機体左右一側から左右他側に向かう傾斜姿勢で設けて、茎葉切断部Dを構成する。このとき、該排葉プレート71は、シュータの役割を果たす。
また、図8で示すとおり、前記左右の位置揃え装置54,54及び排葉搬送装置65の搬送始端側の上方で、且つ前記引抜搬送装置24を構成する左右の挟持搬送ベルト18,18の巻回域内に、人参の茎葉部を挟持搬送しつつ根部が位置揃え装置54,54に接触するように引き上げる搬送補助ローラ128…を前後方向に所定間隔毎に複数個、回転自在に配置する。該搬送補助ローラ128は、搬送補助回転軸128cの下部に人参の茎葉部を挟持する挟持回転体128aを軸着し、搬送補助回転軸128cの上部に人参之茎葉部を扱いて引き上げる扱き回転体128bを軸着して構成する。このとき、扱き回転体128bは挟持回転体128aよりも小径に構成する。
なお、搬送補助ローラ128は、上側の径が下側の径よりも小径となる、「凸」形状、あるいは「呂」形状の異型ローラとしてもよい。
上記構成により、左右の位置揃え駆動スプロケット42,42が、茎葉部が通過する位置揃え装置54,54の左右間隔部から離間する位置に配置されることにより、位置揃え駆動スプロケット42,42や第2出力軸41,41に茎葉部が絡み付いて位置揃え装置54,54を停止させてしまうことを防止できるので、収穫作業が中断されず、作業能率が向上する。
また、位置揃え駆動スプロケット42,42を位置揃え従動スプロケット45,45及び位置揃えテンションスプロケット47,47よりも小径としたことにより、位置揃え駆動スプロケット42,42がいっそう位置揃え装置54,54の左右間隔部から離間するので、位置揃え駆動スプロケット42,42や第2出力軸41,41に茎葉部が絡み付くことをいっそう防止でき、作業能率がさらに向上する。
そして、位置揃え従動スプロケット45,45を張圧する左右の張圧バネ50,50を設けたことにより、位置揃え装置54,54に茎葉部が接触する際に左右の位置揃えチェーン48,48に生じる弛みを吸収させることができ、位置揃えチェーン48,48がすぐに張り状態に戻るため、径の異なる茎葉部が連続して通過するときでも位置揃え装置54,54が確実に人参の茎葉部を受けることができ、人参の茎葉部の切断位置が適正に揃えられて茎葉部が適正に切断され、後工程で茎葉部を除去する必要が無く、作業能率が向上する。
また、左右の受け板49,49を前後方向に移動させることで張圧バネ50,50の張力が調節されることにより、人参の生育状況や品種による茎葉部の径の差異、あるいは天候や土質等、作業場所の作業条件に合わせて張力を適正に変更できるので、人参の茎葉切断位置の位置揃えを適正に行い茎葉部を確実に切断することにより、後工程で人参に残る茎葉部を取り除く必要がなくなり、作業能率が向上する。
さらに、左右の位置揃えフレーム43,43に機体左右方向の孔部44,44を形成し、この孔部44,44に位置揃え従動スプロケット45,45を軸着した回転軸46,46を移動自在に設けたことにより、負荷がかからない状態では、張圧バネ50,50に張圧された位置揃え従動スプロケット45,45は茎葉部の搬送経路寄りに移動するので、小径の茎葉部が通過する際に位置揃え装置54,54が茎葉部を受けて人参の茎葉部の切断位置を適正に揃えることができ、後工程で人参に残る茎葉部を取り除く必要がなくなり、作業能率が向上する。
また、大径の茎葉部が通過する際、左右の位置揃え装置54,54に大きな負荷がかかると、位置揃え従動スプロケット45,45は孔部44,44に沿って茎葉部の移動経路から離間する方向に移動するので、位置揃え装置54,54の前側の左右間隔が広くなり、茎葉部が位置揃え装置54,54の間隔部に噛み込まれることを防止でき、機体を止めて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
なお、人参の茎葉部が須らく大径であることが収穫作業前にわかっている場合には、位置揃え従動スプロケット45,45を左右の位置揃え装置54,54の左右間から離間する方向に移動させ、位置揃え装置54,54の搬送方向上手側の左右間隔を広くしておくと、位置揃え装置54,54が茎葉部を噛み込むことを防止でき、噛み込んだ茎葉部を取り除く作業が必要なく、作業能率が向上する。
そして、位置揃えチェーン48,48を構成する複数のリンクピン48a…毎にガイドカバー51…を取り付けて位置揃えガイド体52を構成したことにより、任意の箇所のガイドカバー51を自在に着脱できるので、一部のガイドカバー51が損傷しても、新しいガイドカバー51に取り替えるだけで適正な位置揃え性能が維持され、茎葉部が適正に切断されるので、作業能率が向上する。
また、位置揃えガイド体52全体を取り替える必要がないので、コストダウンを図ることができる。
さらに、ガイドカバー51の着脱は、工具を必要とせず手作業で行なえるので、交換作業を容易に行なうことができる。
そして、ガイドカバー51が位置揃えチェーン48の上面と下面と茎葉部との接触面を覆う正面視コの字形状としたことにより、ガイドカバー51と位置揃えチェーン48との間に空間部が生じないので、ガイドカバー51と位置揃えチェーン48との間で茎葉部を挟み込んでしまい、人参が適正な切断位置に揃えられず茎葉部が切り残されることを防止でき、後工程で茎葉部を除去する作業が必要なく、作業能率が向上するとともに、人参の根部が切断されることを防止でき、人参の商品価値が向上する。
そして、位置揃えチェーン48,48の巻回域内に左右のテンションプレート53L,53Rを設けたことにより、位置揃えチェーン48,48を巻回域内から押圧するため、大径の茎葉部が通過する際、テンションプレート53Lまたはテンションプレート53Rが押圧していない部分の位置揃えチェーン48,48は位置揃え駆動スプロケット42,42の方向へ退避できるので、茎葉部が位置揃え装置54,54の左右間に噛み込まれることが無く、機体を止めて噛み込まれた茎葉部を取り除く必要が無く、作業能率が向上する。
そして、茎葉切断装置61で人参から切断された排葉(切断された茎葉部)を圃場に排出する排葉プレート71が、既掘り側(人参を収穫し終えた側)に茎葉を排出するように下方傾斜姿勢に設けられていることによって、排出された茎葉が未掘り側(人参を収穫していない側)の人参の上に落下し、排葉が左右挟持搬送ベルト19,19や左右従動プーリ17,17等に絡み付いて収穫部Cを停止させて収穫作業を妨げることが防止できるので、作業能率が向上すると共に、人参の上に落下した排葉が収穫する人参の視認性を妨げることを防止できる。
また、左右の挟持搬送ベルト18,18の巻回域内に複数の搬送補助ローラ128…を設け、この搬送補助ローラ128を構成する上側の扱き回転体128bを下側の挟持回転体128aよりも小径に構成したことにより、左右の茎葉部が補助搬送ローラ128,128の間を通過する際、左右の挟持搬送ベルト18,18の下部側は閉じて茎葉部を挟持し、上部側は開いて根部が位置揃え装置54,54に接触するまでの茎葉部の扱き上げを妨げない構造となるので、位置揃え装置54,54に人参が移動する際、引抜搬送装置24に挟持搬送された茎葉部が上方にも下方にも動けず、千切れてしまうことが防止されるため、搬送途中で人参が落下することが無く、収穫作業後に手作業で残葉を処理する必要が無く、作業者の労力が軽減される。
加えて、人参が機外及び搬送経路外に落下し、作業者が落下した人参を拾い集める必要がなくなるため、作業者の労力が軽減される。
そして、従来のように、左右の搬送補助ローラ128,128の左右間隔を収穫する人参の品種や生育状態に合わせて調節する頻度が低下するため、作業者は左右の搬送補助ローラ128,128の左右間隔を調節するために作業を中断する必要が無く、作業能率が向上する。
本件構成では、茎葉部の径が大きくても左右の挟持搬送ベルト18,18は茎葉部が細い、あるいは標準的な径である場合と同じ挙動をするため、調節の頻度が低下する。例外として規格外に大きな人参(3L〜4L超級)の存在があるが、このような人参は加工用に回されるか、あるいは生産者が出荷前に選り分けるため、一般的に市場に流通するものではなく、また頻出するものでもないため、万一茎葉部が千切れて落下しても、作業能率や作業者の労力を損ねるものではない。
次に、引継搬送部Eについて説明する。
図1、図2で示すように、前記茎葉切断装置61の下方に前後の残葉処理フレーム72a,72bを設け、該前後の残葉処理フレーム72a,72bの左右両側の前後間に左右残葉処理ローラ73,73を回転自在に取り付ける。そして、該左右残葉処理ローラ73,73にゴムやウレタン等の弾性体で構成する残葉処理ベルト74を無端状に巻回し、該残葉処理ベルト74の上部に人参の根部に残った残葉を残葉処理ベルト74と共に挟み込んで回転して切除する残葉処理ローラ75を取り付けて、茎葉切断部Dから引き継いだ人参の残葉を処理しながら機体外側方向から左右内側方向に搬送する残葉処理コンベア76を構成する。
また、該残葉処理コンベア76の始端側で且つ機体前側に茎葉切断装置61よりも機体前側に落下した作物を受ける格子状の受け台77を下り傾斜姿勢で設け、機体左右一側部で且つ該受け台77よりも機体内側に汲上搬送駆動ローラ78を設けると共に、左右他側部側に汲上搬送従動ローラ79を設ける。そして、前記残葉処理コンベア76よりも機体前側で且つ残葉処理コンベア76に隣接させて、汲上搬送駆動ローラ78と汲上搬送従動ローラ79とに汲上搬送ベルト80を無端状に巻回して、前記残葉処理コンベア76と受け台77とから人参を引き継いで機体左右他側に汲上搬送する汲上搬送コンベア81が構成される。
前記残葉処理コンベア76と上り傾斜姿勢に設ける汲上搬送コンベア81とから、汲上搬送部Eが構成される。
上記構成により、残葉処理コンベア76を構成する残葉処理ローラ75が、茎葉切断装置61で切り残された人参の残葉を千切り取りながら汲上搬送コンベア81に人参を搬送するため、人参の商品価値が向上すると共に、収穫作業後に人手で残葉を切除する作業を省略することができ、作業能率が向上する。
また、残葉処理コンベア76を構成する残葉処理ベルト74をゴムやウレタン等の弾性体で構成したことによって、茎葉切断装置61で茎葉部を切除されて人参が落下しても残葉処理ベルト74が落下の衝撃を軽減するので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の品質が向上する。
そして、残葉処理コンベア76の始端側で且つ機体前側に格子状の受け台77を下り傾斜姿勢に設けたことによって、茎葉切断装置61よりも機体前側で茎葉部が千切れる等して落下した人参を、機外に落とすことなく受け止めることができると共に、受けた人参を汲上搬送コンベア81に向かって移動させることができるので、収穫作業後に機外に落ちた人参を拾い集める作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、茎葉切断装置61よりも機体前側で落下した人参を搬送経路に戻すことができるので、作業能率が向上する。
次に、選別搬送部Fについて説明する。
図2及び図12で示すように、操縦部Bの後部に左右の選別搬送フレーム82,82を取り付け、該左右の選別搬送フレーム82,82の機体後側の左右間に選別搬送駆動スプロケット83,83を回転自在に設け、該選別搬送駆動スプロケット83,83よりも機体前側に、選別搬送従動スプロケット84,84を取り付けた自動テンション機構84a,84aを設ける。
また、前記選別搬送駆動スプロケット83,83と選別搬送従動スプロケット84,84に亘って左右の伝動チェーン85,85を無端状に巻回し、該伝動チェーン85,85の左右間に複数の搬送バー86…を等間隔に配置する。さらに、前記選別搬送駆動スプロケット83,83の回転軸を回転させる選別搬送モータ87mを設けることにより、選別搬送コンベア87が構成される。
該選別搬送コンベア87は、搬送始端部よりも搬送終端部が僅かに上方に位置する後上り傾斜姿勢とし、搬送始端部を汲上搬送部Eの汲上搬送コンベア81の搬送終端部の下方に配置する。このとき、汲上搬送コンベア81の搬送終端部は、機体左右一側の自動テンション機構84aを跨いだ位置に配置する。
また、前記選別搬送駆動スプロケット83,83の回転軸にシュータ88を上下回動自在に取り付け、該シュータ88の機体左右外側にシュータ88を上下回動させる操作レバー89を取り付けることによって、選別搬送部Fが構成される。
上記構成のように、選別搬送従動スプロケット84,84を回転自在に取り付けた自動テンション機構84a,84aを設けたことにより、汲上搬送コンベア81から人参が落下してきたときなどに伝動チェーン85,85を撓ませることができるので、人参は落下の衝撃を吸収されて傷付くことを防止され、人参の商品価値が向上する。
また、選別搬送駆動スプロケット83,83を搬送終端部側に設けたことにより、自動テンション機構84a,84aがはたらいて伝動チェーン85,85が撓んでも、選別搬送コンベア87の搬送終端位置が変化しないので、選別搬送コンベア87と収容容器93との距離が変わることが防止され、人参の落下距離が一定に保たれ、落下の衝撃で傷付くことが防止される。
そして、汲上搬送コンベア81の搬送終端部を、機体左右一側の自動テンション装置84aを跨いだ位置に配置したことにより、汲上搬送コンベア81から排出される人参が自動テンション装置84aや伝動チェーン85の上に落下しないので、人参が落下してくると自動テンション装置84aが作用して伝動チェーン85がしっかりと撓むため、落下の衝撃が吸収されて人参が傷付くことが防止される。
さらに、選別搬送コンベア87を、複数の搬送バー86…を左右の伝動チェーン85,85の左右間に等間隔に設けて構成したことにより、搬送バー86同士の間から人参に付着していた泥土や葉屑等の夾雑物を下方に落下させることができるので、夾雑物が選別対象の人参の形状や傷を隠すことが防止され、人参の選別精度が向上する。
また、シュータ88を上下回動自在に設けたことによって、シュータ88を下方回動させると人参を後述する収容部Gに設置するコンテナやフレコンバッグ等の収容容器93に緩やかに落とすことができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の商品価値が向上する。
そして、シュータ88を上方に回動させると、選別搬送コンベア87の終端側を塞ぐストッパとなるため、人参が満杯になったコンテナを交換する際、選別搬送コンベア87を停止させなくても人参が終端部から落下することを防止することができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止されて人参の品質が向上すると共に、選別搬送コンベア87の動力の入切を頻繁に行う必要がなくなり、作業能率が向上する。
さらに、シュータ88を上方回動させてストッパとし、選別搬送コンベア87を停止させないことによって、人参は選別搬送コンベア87の終端側に溜まるので、従来のように汲上搬送コンベア81の搬送終端部から落下してきた人参が選別搬送コンベア87の搬送始端部に滞留している人参に接触して傷付くことが防止されるので、人参の商品価値が向上する。
また、シュータ88の機体左右外側にシュータ88を上下回動させる操作レバー89を取り付けたことによって、補助作業者は後述する補助作業座席117に座ったままシュータ88を上下回動させることができるので、補助作業者の労力が軽減される。
次に、収容部Gについて説明する。
図1、図2、図13及び図14で示すように、前記左右選別搬送フレーム82,82の下部に前後回動自在に枠形状の載置支持フレーム90を設け、該載置支持フレーム90の空間部に前後方向の回転軸91…を複数並べて配置する。本実施例では三本の回転軸91a,91b,91cを、左右方向に間隔を空けて配置している。
該回転軸91a,91b,91cのうち、機体左右一側、即ち選別搬送コンベア87の搬送終端部の下方に位置する載置支持フレーム90に回転軸91aを配置し、収容容器93の左右幅より短い間隔を空けて、機体左右他側、後述する収容容器載置台97側に回転軸91b,91cを回転軸91aよりも上方に配置する。
そして、前記回転軸91a,91b,91cにそれぞれ搬送ローラ92を、コンテナやフレコンバッグ、袋体等の収容容器93の搬送方向にのみ回転可能に装着する。回転方向を一方向に回転させるためには、搬送ローラ92にワンウェイクラッチ(図示省略)等の回転規制部材を用いるとよい。
なお、この搬送ローラ92は、図1、図2及び図13で示すように、前後方向に複数(本実施例では分割搬送ローラ92x,92y,92z)に分割し、該分割搬送ローラ92x,92y,92z同士の間隔、及び載置支持フレーム90との間隔ができるだけ生じないように配置する。
さらに、機体左右一側に設ける前記回転軸91aの後部で且つ回転軸91aと載置支持フレーム90との間に皿バネ等のブレーキ体94を軸着し、回転軸91aの後端部に該ブレーキ体94の抵抗力を調節する調節ノブ95を調節自在に取り付ける。該ブレーキ体94は、調節ノブ95の調節操作に応じて加圧力を回転軸91aに加え、回転軸91aの回転を規制するものである。
また、前記載置支持フレーム90に収容容器93の重量に応じて伸縮するダンパ96の一側端部を設け、該ダンパ96の他側端部を回動フレーム20に取り付ける。該ダンパ96は、収容容器93に投入された人参が少なく、重量が軽い場合は短く縮んで載置支持フレーム90を上方に回動させると共に、人参が投入されて重くなるにつれて長く伸び、載置支持フレーム90を下方に回動させる構成とする。
上記構成により、収容容器載置台97が構成される。
そして、該収容容器載置台97を構成する収容支持フレーム90の後部に空の収容容器93等を載置する予備収容容器載置台98を前後回動自在に、且つ収容容器載置台97が圃場面に対して略水平姿勢であるときには後上り傾斜姿勢となるように取り付ける。該予備収容容器載置台98は、収容容器載置台97から収容容器93を取り除くと、積載している空の収容容器93を収容容器載置台97に滑り降ろす角度で配置する。このとき、人参を収容中の収容容器93の上部が、空の収容容器93のストッパの役割を果たしている。
また、前記選別搬送コンベア87の機体左右他側方に補助作業者が足を置くステップ99を設け、該ステップ99の下部に前後一対の取付アーム100,100を設け、該取付アーム100,100の機体左右他側端部に平面視H字形状の回動ステー101,101を取り付ける。さらに、該回動ステー101,101に中空の支持フレーム102,102を上下回動自在に設け、該支持フレーム102,102の上部に人参を収容した収容容器93を複数載置する貯留台103を、機体前後方向に長辺を向けて配置する。この貯留台103は、非作業時等には機体フレーム1側に回動させることができる構成とし、倉庫等に収容する際のスペースを少なくできる構成としている。
なお、ステップ99の機体左右他側端部は載置支持フレーム90の機体左右他側端部と略同じ位相とし、貯留台103の後端部は載置支持フレーム90の後端部と略同じ位相とする。
また、ステップ99の取付アーム100,100を回動ステー101,101を回動支点として、貯留台103を機体フレーム1側に回動させるとステップ99がこの貯留台103側に回動する構成としてもよい。
上記構成によれば、貯留台103を上方回動させるとステップ99も上方回動して傾斜姿勢となることにより、選別搬送コンベア87や作業者の靴から落ちた泥土や葉屑等の夾雑物を下方に落とすことができるので、夾雑物の除去作業が容易となり、メンテナンス性が向上する。
このとき、ステップ99の表面を凹凸のない平坦な構成としたり、泥土の付着しにくい素材で覆ったりすると、ステップ99を傾斜させた際にいっそう泥土が残りにくく、メンテナンス性がさらに向上する。
そして、該貯留台103の前部に左右一対の駆動プーリ104,104を設け、貯留台103の後部に左右一対の従動プーリ105,105を設け、該駆動プーリ104,104と従動プーリ105,105の前後間に複数の搬送ローラ106,106…を回転自在に設ける。また、前記駆動プーリ104,104と従動プーリ105,105に2本の搬送ベルト107,107:107,107を左右間隔を空けて無端状に巻回する。該左右の搬送ベルト107,107:107,107の左右間には、前記搬送ローラ106,106…が搬送ベルト107,107:107,107と接触しない位置に設けられる。
なお、搬送ローラ106,106…と搬送ベルト107,107:107,107の上面は、貯留台103の上端面よりも上方に位置すると、収容容器93が貯留台103の上面に接触して搬送されなくなることが防止されるので、作業能率が向上する。
さらに、前記貯留台103の前端部に駆動プーリ104,104を駆動回転させる駆動モータ108を設けることにより、収容容器搬送装置109が構成される。
なお、図2で示すように、貯留台103の機体左右他側の壁面のうち、収容容器載置台97から収容容器93を受ける位置に収容容器93が接触すると駆動モータ108を所定時間駆動させる載置検出スイッチ110を設けると、自動的に人参を収容した収容容器93を移動させることができるので、作業者が収容容器93を移動させる作業が省略され、作業能率が向上する。
駆動モータ108の駆動時間は、収容容器93一つ分が機体前方に移動する時間とする。
また、操縦者は機体の操縦に集中することができ、補助作業者は選別作業に集中することができるので、人参の引き残しが防止されると共に、人参の選別精度が向上する。
そして、貯留台103の前端部の壁面に収容容器搬送装置109によって搬送されて来た収容容器93が接触すると駆動モータ108を停止させ、ブザーやランプなどの報知手段(図示せず)を検出する終端検出スイッチ111を設けることにより、貯留台103に収容容器93が満載されてこれ以上積めないことが自動的にわかるようになり、作業能率が向上する。
また、貯留台103の後端部の左右両端部に、平面視L字形状の取付ステー112,112を固着し、該取付ステー112,112の後方に突出させた端部に帯鋼で平面視コの字型に形成した支持フレーム113を固定ピン113aで固定する。そして、該支持フレーム113の左右間に複数の支持パイプ114…を設けて、商品として不適格な人参(生育不良、形状異常、傷物など)を回収する廃物回収用の廃物容器93tを配置する廃物容器支持台115を構成する。
上記の固定ピン113aは、最下段の廃物容器93tの下部に接触し、廃物容器93tが貯留台103に移動することを防止する。
該廃物容器支持台115の支持フレーム113は機体後方に向かう後上り傾斜姿勢とし、その傾斜角度は廃物容器93tを複数段、例えば二段積みまでは積載を許容するものに設定する。廃物容器支持台115を圃場面に対して略水平となる角度(≒0度)とすると、廃物容器93tを何個も上下方向に積み上げることが出来てしまい、重量で廃物容器支持台115が壊れてしまうおそれがある。また、機体後端に位置する廃物容器支持台115に多くの廃物容器93tを積載すると、重量バランスが機体後部に集中してしまい、機体の走行姿勢が乱されて、人参の引抜収穫位置がずれてしまうことがある。こうした問題を発生させないため、過剰に多くの廃物容器93tを積載できないよう、廃物容器支持台115を後上り傾斜姿勢としている。
なお、廃物容器支持台115には、空の、あるいは人参を収容し終えた収容容器93を載置してもよい。
そして、前記前後の回動ステー101,101の前後どちらか一方に背面視コの字型の座席支持フレーム116を挿し込んで設け、該座席支持フレーム116に選別搬送コンベア87上の人参を選別する作業者が座る補助作業座席117を取り付けることにより、収容部Gが構成される。
なお、補助作業座席117は、左右方向に回転自在に取り付けてもよい。
上記構成のように、収容容器載置台97に搬送ローラ92を取り付ける複数の回転軸91a,91b,91cを設け、左右一側端部の回転軸91aを他の回転軸91b,91cよりも下方に設けたことにより、収容容器載置台97に収容容器93を設けたとき、収容容器93の左右一側端部が左右他側端部よりも下方に位置した傾斜姿勢となるので、収容容器93が搬送ローラ92によって勝手に貯留台103に移動することが防止され、人参を可能な限り収容してから貯留台103に移動させられるため、作業効率が向上する。
また、選別搬送コンベア87から排出される人参を受ける収容容器93が勝手に移動し、人参が圃場や機体上に落下することを防止できるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止されて商品価値が維持されると共に、落下した人参を拾い集める作業が必要なく、作業者の労力が軽減される。
そして、回転軸91b,91cを略同じ高さに配置したことにより、収容容器93を貯留台103に引き出す際、回転軸91bに設けた搬送ローラ92に収容容器93が載ると、回転軸91cに設けた搬送ローラ92に高低差なく移動するので、収容容器93を作業者が引き出す際の荷重が軽減されて軽い力で人参の満載された収容容器93を移動させられる。
さらに、搬送ローラ92を分割した分割搬送ローラ92x,92y,92zを、回転軸91a,91b,91cにそれぞれ軸着したことにより、収容容器93の底部と接触する部分のみが回転するので、分割搬送ローラ92x,92y,92zの一つ当たりの慣性を小さくすることができ、作業者は少ない力で収容容器93を引き出せるため、作業者の労力が軽減される。
また、分割搬送ローラ92x,92y,92z同士の前後間隔、及び前後端部に位置する分割搬送ローラ92x,92zと載置支持フレーム90の前後間隔が殆ど生じない構成としたことにより、収容容器93の底部が間隔に入り込んで引っ掛かることを防止できるので、収容容器93の貯留台103への移動がスムーズになり、作業能率が向上する。
そして、回転軸91aに回転速度を調節するブレーキ体94と調節ノブ95を設けたことにより、圃場が安定しており収容容器載置台97から貯留台103に向かって収容容器93が勝手に移動することが殆どないときは、回転軸91aの規制力を弱めて回転しやすくすることができるので、作業者はより小さい力で収容容器93を引き出せるため、作業者の労力が軽減される。
一方、圃場に凹凸が多く、頻繁に機体が傾斜する場合等、収容容器載置台97から貯留台103に向かって収容容器93が勝手に移動しがちな場合は、回転軸91aの規制力を強めて回転しにくくすることができるので、機体が傾斜しても収容容器93は回転軸91aに軸着した搬送ローラ92に移動を規制され、勝手に貯留台103に移動することを防止されるため、人参が機体や圃場に落下して傷付くことが防止されて作物の商品価値が向上すると共に、落下した人参を拾い集める必要が無く、作業者の労力が軽減される。
なお、調節ノブ95を締めて回転軸91aが全く回転しなくなるようにしてもよい。また、調節ノブ95をモータで回転する構成とし、補助作業座席117の近くにこのモータを駆動させるスイッチを設け、作業者が移動することなく調節ノブ95を回せる構成としてもよい。
さらに、収容載置フレーム90に収容容器93の重量に応じて伸縮するダンパ96の一側端部を取り付けたことにより、人参の収容量がゼロ、あるいは少量の場合は収容容器93が傾斜姿勢で選別搬送コンベア87から排出される人参を受け、収容量が増えるにつれて水平に近い姿勢に変化していくので、選別搬送コンベア87から収容容器93までの人参の落下距離が短くなり、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、商品価値が維持される。
また、収容容器93の角度を自動で変更することができるので、作業能率が向上する。
そして、貯留台103に搬送ベルト107,107:107,107と複数の搬送ローラ106,106…を設けたことにより、引き出されてきた収容容器93を自動的に機体前方に送ることができるので、作業能率が向上すると共に、作業者が収容容器93を手作業で移動させる必要が無く、作業能率が向上する。
さらに、廃物収容支持台115を構成する平面視コの字形上の支持フレーム113を、貯留台103の後端部の左右両側に取り付ける取付ステー112,112に設けたことにより、取付ステー112,112の位相が略変化しないので捻れが生じることが防止され、支持フレーム113の強度が向上する。
以下、本件人参の収穫機の別実施例を説明する。
図24、図25で示す通り、ミッションケース8から機体前側に向かって駆動力を伝動する伝動シャフト235を設け、該伝動シャフト235の前端部で且つ前側に、伝動支持フレーム234の機体左右一側端部に設ける溝埋め駆動スプロケット236を取り付ける。また、該伝動支持フレーム234の機体左右他側端部で且つ前側に溝埋め従動スプロケット237を回転自在に設け、該溝埋め従動スプロケット237と溝埋め駆動スプロケット236に溝埋め伝動チェーン238を無端状に巻回する。
なお、前記伝動シャフト235は、前記溝埋めフレーム204内に設け、前記溝埋め昇降シリンダ211の伸縮による溝埋めフレーム204の上下回動と共に上下回動する構成とする。これを実現すべく、伝動シャフト235は、ユニバーサルジョイント等の屈曲しながら駆動力を伝動可能な部材で構成する。
また、前記伝動支持フレーム234は、前記溝埋め支持フレーム206の前側に、溝埋め支持フレーム206と同じく機体左右他側から機体左右一側に向かう傾斜姿勢で配置する。該伝動支持フレーム234の溝埋め支持フレーム206への固定部材は、前記溝埋め駆動スプロケット236及び溝埋め従動スプロケット237の回転軸を利用するものとする。
加えて、前記伝動支持フレーム234の機体左右一側端部は、前記溝埋め昇降シリンダ211の前方を覆う位置まで延設する。
そして、前記溝埋め伝動チェーン238を構成する各チェーンリンクに、畝に接触して畝を崩し、畝溝へと搬送する溝埋め羽根239…を各々取り付ける。該複数の溝埋め羽根239…は、互いの機体左右一側端部と機体左右他側端部が重なり合い、土が後方に逃げる隙間が生じない構成とする。
さらに、前記伝動シャフト235と溝埋め駆動スプロケット236との間に、過負荷が生じると伝動が切れる安全クラッチ240を設けることにより、駆動式溝埋め装置241が構成される。
なお、該駆動式溝埋め装置241の回転方向は反時計回りとし、作動時には駆動式溝埋め装置241の下部側で溝埋め伝動チェーン238が張り状態となる構成として、溝埋め羽根239…が畝を崩して土を畝溝に移動させる際、土の抵抗で回転できなくなることを防止する。
また、前記引抜搬送装置24を作業高さよりも上方に回動させると安全クラッチ240が切れた状態になる構成とすると、引抜搬送装置24を作業高さまで下降させたとき以外は前記伝動シャフト235から駆動式溝埋め装置241に駆動力が伝動されない構成となり、非作業時や収納時に駆動式溝埋め装置241が動くことを防止できるので、周辺への土の飛散が防止されると共に、機体の移動時の安全性が向上する。
上記構成としたことにより、回動フレーム204が伝動シャフト235の保護カバーを兼ねると共に、伝動シャフト235が回動フレーム204の上下回動に連動して上下回動するので、土や石との接触により伝動シャフト235が破損することが防止される。
また、駆動式溝埋め装置241の作業高さ調節を行うとき、伝動シャフト235が連動して回動するので、伝動が途切れることが無く、作業能率が向上する。
そして、溝埋め駆動スプロケット236と溝埋め従動スプロケット237を伝動支持フレーム234の前側に配置したことにより、伝動支持フレーム234が溝埋め羽根239…を乗り越える土が機体後方に逃げることを防止できるので、畝を崩した土が確実に畝溝に運ばれ、畝溝が埋められて機体が傾き、人参の引き抜き損ないが発生することが防止される。
なお、溝埋め駆動スプロケット236と溝埋め従動スプロケット237を大径の部材で構成し、溝埋め駆動スプロケット236と溝埋め従動スプロケット237の左右間隔を狭めると、溝埋め駆動スプロケット236と溝埋め従動スプロケット237も土が後方に逃げることを防止すると共にその回転によって土を畝溝側に運ぶ役割を果たす構成となるので、いっそう溝埋めが確実に行われ、抜き残される人参が減少し、人手で人参を引き抜く作業が不要となる。
さらに、伝動支持フレーム234の機体左右一側端部を溝埋め昇降シリンダ211の前側まで延設したことにより、伝動支持フレーム234と溝埋め駆動スプロケット236が土の機体後方への逃げを防止する壁となるので、溝埋め昇降シリンダ211に土が付着することが防止され、溝埋め昇降シリンダ211の破損が防止される。
また、溝埋め伝動チェーン238を構成する各チェーンリンクに、畝を崩して畝溝に案内する溝埋め羽根239…を各々取り付けたことにより、畝の崩し作用と搬送作用を両立させることができるので、駆動式溝埋め装置241の構成が簡潔になる。
そして、溝埋め羽根239…の機体左右他側端部と機体左右一側端部とが互いに重なり合う構成としたことにより、溝埋め羽根239…の間に間隔が生じず、土が機体後方に逃げることを防止できるので、畝溝に確実に土が送り込め、機体が大きく傾斜することが防止され、抜き残される人参が減少し、人手で人参を引き抜く作業が不要となる。
6L 左側のクローラ(走行装置)
6R 右側のクローラ(走行装置)
207a 溝埋めディスク(第1溝埋め部材)
207b 溝埋めドーザ(第2溝埋め部材)
211 土寄せ昇降シリンダ(土寄せアクチュエータ)
212 連結シャフト(連結部材)
214 溝埋め装置
229 伸張規制部材

Claims (6)

  1. 圃場を走行する左右の走行装置(6L,6R)を設け、機体の左右一側に機体前部の引抜作用部で作物を圃場から引き抜き搬送する引抜搬送装置(24)を設け、土を寄せて畝溝を埋める溝埋め装置(214)を設けた根菜類収穫機において、
    該溝埋め装置(214)は、機体後側ほど左右一側に向かう斜め姿勢の第1溝埋め部材(207a)と、機体後側ほど左右一側に向かう斜め部と機体の左右方向に延びる左右延設部を有する第2溝埋め部材(207b)を設け、
    該第1溝埋め部材(207a)を第2溝埋め部材(207b)よりも左右他側に突出させて配置し、機体正面視で前記第1溝埋め部材(207a)の端部と第2溝埋め部材(207b)の端部が重なり合う範囲内で第1溝埋め部材(207a)を左右方向に移動可能に構成したことを特徴とする根菜類収穫機。
  2. 前記溝埋め装置(214)を上下動させる溝埋めアクチュエータ(211)を設け、該溝埋めアクチュエータ(211)で溝埋め装置(214)と引抜搬送装置(24)を連結し、
    前記溝埋め装置(214)は、前記引抜搬送装置(24)の上下動に連動して上下動すると共に、前記溝埋めアクチュエータ(211)の作動により引抜搬送装置(24)の上下動とは独立して上下動可能に成したことを特徴とする請求項1に記載の根菜類収穫機。
  3. 記溝埋め装置(214)が引抜搬送装置(24)に連動して上下動するとき、記溝埋め装置(214)の上下動量を引抜搬送装置(24)の上下動量よりも小さくしたことを特徴とする請求項に記載の根菜類収穫機。
  4. 前記第2溝埋め部材(207b)の左右延設部に、左右他側から左右一側に向かうほど上下長が短くなる排土部を形成したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の根菜類収穫機。
  5. 前記溝埋めアクチュエータ(211)の伸張量を規制する伸張規制部材(229)を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の根菜類収穫機。
  6. 記伸張規制部材(229)を、長さ調節自在に構成したことを特徴とする請求項に記載の根菜類収穫機。
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