一実施形態のプリンタ10について説明する。図1は、プリンタ10の全体構成を示す概略図である。図1には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向と呼び、Z軸負方向を下方向と呼び、X軸正方向を前方向と呼び、X軸負方向を後ろ方向と呼び、Y軸正方向を右方向と呼び、Y軸負方向を左方向と呼ぶものとする。図2以降についても同様である。
プリンタ10は、1色(例えばブラック)のトナー(現像剤)を用いて、例えば記録用紙やOHPシート等のシートWに画像を形成する電子写真式のプリンタである。プリンタ10は、画像形成装置の一例である。
図1に示すように、プリンタ10は、筐体100と、シート供給部200と、シート搬送部300と、画像形成部400とを備える。筐体100は、シート供給部200とシート搬送部300と画像形成部400とを収容する。また、筐体100の上面には、排出口110と、排出トレイ120とが形成されており、筐体100内の排出口110付近に排出ローラ130が設けられている。
シート供給部200は、トレイ210と、ピックアップローラ220と、分離ローラ221と、分離パッド222とを備える。トレイ210は、シートWを収容する収容体である。ピックアップローラ220は、トレイ210に収容されたシートWをトレイ210から送り出し、分離ローラ221と分離パッド222とは、ピックアップローラ220によって送り出されたシートWを挟みつつ1枚ずつ取り出して、シート搬送部300に向けて供給する。
シート搬送部300は、搬送ローラ310と、レジストレーションローラ320とを備える。搬送ローラ310は、シート供給部200から供給されたシートWをレジストレーションローラ320に向けて搬送する。レジストレーションローラ320は、搬送ローラ310から送り出されたシートWの斜行補正を行い、シートWを画像形成部400に向けて搬送する。
画像形成部400は、露光部500と、プロセス部600と、定着器700とを備える。露光部500は、レーザ光L(光ビーム)を、プロセス部600に備えられた感光体610に照射する。具体的には、露光部500は、図示しない光源と、回転多面鏡511と、スキャナモータ510を備える。光源は、レーザ光Lを出射する。回転多面鏡511は、スキャナモータ510によって回転駆動され、光源から出射されたレーザ光Lを偏向して、感光体610に照射する。
プロセス部600は、感光体610と、帯電部620と、現像部630と、転写ローラ640とを備える。感光体610は、軸を中心に回転するドラム状の部材である。帯電部620は、感光体610の表面に対向するように配置され、感光体610の表面を一様に帯電させる。現像部630は、トナーを収容するトナーボックス631と、トナーボックス631内のトナーを感光体610の表面に供給する現像ローラ632とを有する。転写ローラ640は、感光体610に対向するように配置されており、電圧が印加されることにより、感光体610の表面に形成されたトナー像をシートWに転写する。
帯電部620により帯電された感光体610の表面に、露光部500からのレーザ光Lが照射されると、感光体610の表面に静電潜像が形成される。現像部630によって感光体610の表面にトナーが供給されると、感光体610の表面に形成された静電潜像が現像されてトナー像が形成される。感光体610の表面に形成されたトナー像は、転写ローラ640によって、感光体610と転写ローラ640とが対向する位置を通過するシートW上に転写される。以下、感光体610と転写ローラ640とが対向する位置を、転写位置X1と呼ぶ。
定着器700は、プロセス部600を通過したシートWを加熱し、シートWに転写されたトナー像をシートWに定着させる。これにより、シートWに画像が形成される。具体的には、定着器700は、定着ベルト710と、ハロゲンヒータ720と、ニップ部材730と、加圧ローラ750と、サーミスタ770とを備える。定着ベルト710は、筒状の帯体であり、回転可能に設けられている。ハロゲンヒータ720は、図示しない交流電源からの電力供給を受けることにより発熱する発熱体であり、定着ベルト710の周内に配置されている。ハロゲンヒータ720は、加熱部の一例である。加圧ローラ750は、定着ベルト710と接触するように配置されており、定着ベルト710に向けて押圧されている。ニップ部材730は、金属板であり、加圧ローラ750との間で定着ベルト710を挟む。定着ベルト710と加圧ローラ750との間には、ニップ部Pが形成されている。サーミスタ770は、ニップ部材730に接触する位置に配置されており、ニップ部材730の温度に応じた温度信号をコントローラ800に向けて出力する温度センサである。
ハロゲンヒータ720が発熱すると、ハロゲンヒータ720によってニップ部材730を介して定着ベルト710が加熱され、定着ベルト710の温度が上昇する。また、加圧ローラ750がプロセスモータ811からの駆動力により回転駆動されると、定着ベルト710が従動回転する。プロセス部600を通過したシートWは、定着ベルト710と加圧ローラ750との間(ニップ部P)に到達すると、定着ベルト710および加圧ローラ750によって搬送されつつ、定着ベルト710によって加熱される。これにより、シートWの表面に形成されたトナー像が熱定着される。排出ローラ130は、定着器700を通過したシートWを、排出口110を介して排出トレイ120へと排出する。以下、シート供給部200から、シート搬送部300、転写位置X1および定着器700のニップ部Pを経由して、排出ローラ130に至るまでのシートWの搬送経路を、搬送経路R1と呼び、その搬送経路R1によってシートWが搬送される方向を、搬送方向と呼ぶ。
筐体100は、さらに、搬送ガイド150を備える。搬送ガイド150は、定着器700よりも搬送方向の下流側に配置されている。搬送ガイド150は、定着器700を通過するシートWの両面の内、定着ベルト710に対向する面側に向かって曲がっている部分を有する。これにより、搬送ガイド150は、定着器700を通過するシートWの両面の内、定着ベルト710とは反対側を向く一方の面、すなわち、加圧ローラ750側を向く面に接触し、当該シートWを排出ローラ130に導く。なお、搬送ガイド150は、ガイド部の一例である。
筐体100は、さらに、再搬送部160を備える。再搬送部160は、定着器700を通過したシートWを、表裏を反転させてプロセス部600に搬送する再搬送動作を行う。具体的には、再搬送部160は、上述の排出ローラ130と、第1〜第4の再搬送ガイド161〜164と、複数のローラ165とを備えて構成されている。第1〜第4の再搬送ガイド161〜164は、排出ローラ130から、搬送ガイド150の後ろ側、画像形成部400の下側、および、シート搬送部300の後ろ側を通過する再搬送経路R2を形成している。以下、再搬送経路R2によってシートWが搬送される方向を、再搬送方向と呼ぶ。
第1再搬送ガイド161は、搬送ガイド150に対して定着器700とは反対側に配置されており、搬送ガイド150よりも排出ローラ130に近い位置から搬送ガイド150の後ろ側の位置に向けて延びている部分を有する。第1再搬送ガイド161は、第2ガイド部の一例である。第2再搬送ガイド162は、搬送ガイド150の後ろ側に配置されており、上下方向に延びている部分を有する。第3再搬送ガイド163は、プロセス部600および定着器700と、シート供給部200との間に配置されており、前後方向に延びている部分を有する。第4再搬送ガイド164は、第3再搬送ガイド163とレジストレーションローラ320との間に配置されており、第3再搬送ガイド163の近傍の位置から、U字状に曲がりつつレジストレーションローラ320に向けて延びている部分を有する。複数のローラ165は、第3再搬送ガイド163に沿って並んで配置されており、プロセスモータ811からの駆動力により回転駆動される。また、上述の排出ローラ130は、排出モータ812からの駆動力により正方向と逆方向との両方向に回転駆動される。以下、排出ローラ130同士の対向位置を、排出位置X2と呼び、再搬送経路R2上において、排出位置X2とローラ165との間の位置を、ローラ前位置X3と呼び、ローラ165とレジストレーションローラ320との間の位置を、ローラ後位置X4と呼ぶ。なお、排出ローラ130は、再搬送ローラおよび反転ローラの一例である。
また、筐体100には、ダクト105が形成されている。ダクト105の一端は、排気用のファン106に連通しており、ダクト105の他端は、第3再搬送ガイド163に形成された通気穴166、筐体100とトレイ210との間の隙間211を介して、筐体100の外部に連通している。ファン106を回転させると、外気が、隙間211および通気穴166を介してダクト105内に流れ込むことにより、筐体100内において、搬送経路R1と再搬送経路R2とを横切る気流Vが発生する。
プリンタ10は、さらに、温度センサ170を備える。温度センサ170は、通気穴166の近くに配置されており、外気温度に応じた信号を出力する。
図2は、プリンタ10の電気的構成を示すブロック図である。プリンタ10は、上述のシート供給部200、シート搬送部300、画像形成部400等に加え、コントローラ800と、表示部820と、操作部830と、通信インターフェース840とを備える。
コントローラ800は、CPU801と、ROM802と、RAM803と、不揮発性メモリ804と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)805と、モータ駆動部810とを有する。ROM802には、プリンタ10を制御するための制御プログラムや各種設定情報等が記憶されている。RAM803は、CPU801が各種のプログラムを実行する際の作業領域や、データの一時的な記憶領域として利用される。不揮発性メモリ804は、NVRAM、フラッシュメモリ、HDD、EEPROMなどの書き換え可能なメモリである。ASIC805は、画像処理等のためのハード回路である。CPU801は、ROM802から読み出した制御プログラムや各種センサから送られる信号に従って、プリンタ10の各構成要素を制御する。モータ駆動部810は、スキャナモータ510、プロセスモータ811、排出モータ812を駆動する。コントローラ800は、温度センサ170から出力される信号に基づき、外気温度を取得する。コントローラ800は、制御部の一例である。
プロセスモータ811は、上述のピックアップローラ220、レジストレーションローラ320、感光体610、現像ローラ632、定着器700の加圧ローラ750、および、再搬送部160のローラ165を回転駆動する。なお、プロセスモータ811はモータの一例である。排出ローラ130は正回転および逆回転が可能なモータであって、排出ローラ130を正方向および逆方向の両方向に回転駆動する。正回転は、シートWを筐体100の外部に排出する正方向に排出ローラ130を回転駆動する排出モータ812の回転動作であり、逆回転は、シートWを筐体100の内部に引き込む逆方向に排出ローラ130を回転駆動する排出モータ812の回転動作である。
表示部820は、例えば液晶ディスプレイ等で構成されており、コントローラ800からの指示に応じて、各種情報を表示する。操作部830は、ユーザによる操作を受け付ける各種のボタン等を有する。通信インターフェース840は、外部デバイスとの通信を可能にするハードウェアである。通信インターフェース840は、例えば、ネットワークインターフェース、シリアル通信インターフェース、パラレル通信インターフェース等である。
次に、コントローラ800による印刷制御処理について説明する。コントローラ800は、例えば、操作部830や通信インターフェース840を介して、シートWに画像を形成するための印刷指令を受け付けると、印刷制御処理を開始する。
図3は、印刷制御処理を示すフローチャートである。図4は、定着器700の温度制御と、各種モータ510,811,812の駆動と、シート供給部200によるシートWの供給との関係を示すタイムチャートである。排出モータ812の駆動以外については、点線のグラフは両面印刷処理における関係を示し、一点鎖線のグラフは片面印刷処理における関係を示し、実線のグラフは両面印刷処理と片面印刷処理との共通の関係を示す。排出モータ812の駆動については、点線のグラフは両面印刷処理の第2再搬送制御における関係を示し、一点鎖線のグラフは両面印刷処理の第1再搬送制御における関係を示し、実線のグラフは第1再搬送制御と第2再搬送制御との共通の関係を示す。また、図4には、両面印刷処理におけるシートWの温度変化を示すグラフG2と、片面印刷処理におけるシートWの温度変化を示すグラフG1とが示されている。なお、印刷指令を受け付ける前、各種モータ510,811,812の駆動と、シート供給部200によるシートWの供給とは停止しており、定着器700の温度制御は停止、または、定着目標温度よりも低い所定温度(スリープモードや待機モード時の温度)に維持されているものとする(図4のタイミングt0参照)。
まず、コントローラ800は、受け付けられた印刷指令が、シートWの片面だけに画像を形成する片面印刷指令であるか、シートWの両面に画像を形成する両面印刷指令であるかを判別する(S110)。コントローラ800は、片面印刷指令であると判別した場合には、片面印刷前処理を実行する(S120)。
図5は、片面印刷前処理を示すフローチャートである。コントローラ800は、モータ駆動部810により、スキャナモータ510の回転速度を、スキャナ速度VSにする回転制御を開始する(S310 図4のタイミングt1参照)。次に、コントローラ800は、定着目標温度を起動用温度THに設定して、サーミスタ770からの温度信号に基づき、定着ベルト710の温度を起動用温度THに近づける温度制御を開始する(S320 図4のタイミングt3参照)。起動用温度THは、定着に適した温度よりも高い温度であり、第3温度の一例である。また、コントローラ800は、プロセスモータ811の回転速度を、プロセス速度VNにする回転制御を開始する(S330 図4のタイミングt3参照)。プロセス速度VNは、プロセス部600がシートWに画像を形成するときのプロセスモータ811の回転速度である。これにより、上述のピックアップローラ220、レジストレーションローラ320、感光体610、現像ローラ632、および、定着器700の加圧ローラ750が、シートWを搬送経路R1に沿って搬送する方向にプロセス速度VNに対応した速度で回転駆動され、再搬送部160の各ローラ165が、シートWを再搬送経路R2に沿って搬送する方向にプロセス速度VNに対応した速度で回転駆動される。なお、コントローラ800は、S320の処理とS330の処理とを同時に実行してもよいし、互いに異なる時期に実行してもよい。
ここで、片面印刷前処理において、定着目標温度が起動用温度THに設定される理由は、次の通りである。片面印刷前処理では、プロセスモータ811の回転制御の開始タイミングを極力遅くすることにより、現像ローラ632の回転に起因してトナーボックス631内のトナーや現像ローラ632が劣化することが抑制される。但し、定着器700は、定着ベルト710とニップ部材730との間の潤滑剤を熱で溶融させた状態で回転させる必要があるため、定着器700の温度制御が開始されたことを条件に、定着ベルト710の回転が開始される。また、定着ベルト710と現像ローラ632とは、共通のプロセスモータ811により回転駆動される。従って、プロセスモータ811(現像ローラ632)の回転制御の開始タイミングを遅くすると、それに伴って、定着器700の温度制御の開始タイミングも遅くなる。定着器700の温度制御の開始タイミングが遅くなると、印刷指令を受け付けてから印刷完了までに要する印刷所要時間が長くなるおそれがある。そこで、印刷所要時間が長くなることを抑制するために、定着目標温度が、定着に適した温度よりも高い起動用温度THに設定されている。
コントローラ800は、片面印刷前処理を終了すると、図3のS130に進む。コントローラ800は、シート供給部200により、シートWを1枚、供給させ(S130 図4のタイミングt4参照)、プロセス部600により、転写位置X1を通過するシートWの片面へのトナー像の転写を開始させる(S140)。その後、トナー像が転写されたシートWは、定着器700のニップ部Pを通過している期間(図4のタイミングt5〜t7参照)に加熱される。このとき、定着目標温度は起動用温度THに設定されているため、図4のグラフG1に示すように、シートWの温度は、比較的に高くなる。
次に、コントローラ800は、シートWの搬送方向の先端が定着器700と排出ローラ130との間に位置するタイミング(図4のタイミングt6参照)が到来したと判断した場合、排出モータ812の正回転を開始させる(S150)。なお、コントローラ800は、シートWの搬送方向の後端が排出ローラ130の排出位置X2を通過するタイミング(図4のタイミングt8参照)が到来したと判断した場合、排出モータ812の回転を停止させる。これにより、片面印刷されたシートWが排出トレイ120上に排出される。なお、コントローラ800は、上記各タイミング(t6,t8)が到来したか否かの判断を、例えば、図示しないシートセンサからの信号やレジストレーションローラ320の送り出しタイミングからの経過時間等に基づき行う。
次に、コントローラ800は、印刷指令で指定された全ページについて印刷が完了したか否かを判断し(S160)、印刷が完了していないと判断した場合(S160:NO)、S130に戻り、次のシートWについて片面印刷が実行される。一方、コントローラ800は、印刷が完了したと判断した場合(S160:YES)、定着器700の温度制御や各種モータ510,811,812の駆動を停止する等の後処理を実行し(S170)、本印刷制御処理を終了する。
S110において、コントローラ800は、両面印刷指令であると判別した場合には、両面印刷前処理を実行する(S180)。図6は、両面印刷前処理を示すフローチャートである。コントローラ800は、温度センサ170からの温度信号に基づき、外気温度が温度閾値(例えば15℃)以下であるか否かを判断する(S410)。コントローラ800は、外気温度が温度閾値以下であると判断した場合(S410:YES)、定着目標温度を高温値TNHに設定し、第1逆転目標速度を低速度VR1Lに設定する(S420)。高温値TNHは、定着に適した温度以上であり、且つ、起動用温度THよりも低い。逆転目標速度は、逆回転時における排出モータ812の回転速度である。一方、コントローラ800は、外気温度が温度閾値より高いと判断した場合(S410:NO)、定着目標温度を低温値TNLに設定し、第1逆転目標速度を、低速度VR1Lより速い高速度VR1Hに設定する(S430)。低温値TNLは、定着に適した温度以上であり、且つ、高温値TNHより低い。すなわち、外気温度が低いほど、定着目標温度が高い温度に設定され、これに伴って、第1逆転目標速度が遅い速度に設定される。
コントローラ800は、S420またはS430の処理の実行後、サーミスタ770からの温度信号に基づき、定着ベルト710の温度を高温値TNHまたは低温値TNLに近づける温度制御を開始する(S450 図4のタイミングt1参照)。図4では、高温値TNHと低温値TNLとが同一の点線で示されている。次に、コントローラ800は、モータ駆動部810により、プロセスモータ811の回転速度を、上述のプロセス速度VNより遅いプロセス低速度VLにする回転制御を開始する(S440 図4のタイミングt1参照)。これにより、上述のピックアップローラ220、レジストレーションローラ320、感光体610、現像ローラ632、および、定着器700の加圧ローラ750が、シートWを搬送経路R1に沿って搬送する方向にプロセス低速度VLに対応した速度で回転駆動され、再搬送部160の各ローラ165が、シートWを再搬送経路R2に沿って搬送する方向にプロセス低速度VLに対応した速度で回転駆動される。次に、コントローラ800は、モータ駆動部810により、スキャナモータ510の回転速度を、スキャナ速度VSにする回転制御を開始し(S460 図4のタイミングt2参照)、その後、プロセスモータ811の回転速度を、プロセス速度VNにする回転制御を開始する(S470 図4のタイミングt3参照)。
ここで、両面印刷前処理において、定着目標温度が、起動用温度THよりも低い高温値TNHまたは低温値TNLに設定されてもシートWの供給タイミングの遅れが抑制できる理由は、次の通りである。図4に示すように、両面印刷前処理では、片面印刷前処理に比べて、定着器700の温度制御の開始タイミングが早いので、定着器700の温度制御の開始タイミングからシートWの供給タイミング(図4のタイミングt4参照)までの期間を長くすることができる。このため、定着目標温度を、起動用温度THよりも低い高温値TNHまたは低温値TNLに設定しても、シートWがニップ部Pに到達するまでに、定着ベルト710の温度を、定着に適した温度以上にすることができる。
また、両面印刷前処理において、片面印刷前処理に比べて、スキャナモータ510の回転制御の開始タイミングが遅い理由は、次の通りである。プロセスモータ811およびスキャナモータ510は、回転制御の開始時に大きな電力を必要とするため、回転制御の開始タイミングが近接するとモータ駆動部810に大きな負荷がかかる。そこで、両面印刷処理ではプロセスモータ811を、プロセス低速度VLで回転駆動を開始した後で、スキャナモータ510を回転させることで、モータ駆動部810の負荷を軽減することができる。
コントローラ800は、両面印刷前処理を終了すると、図3のS190に進む。コントローラ800は、シート供給部200により、シートWを1枚、供給させ(S190 図4のタイミングt4参照)、プロセス部600により、転写位置X1を通過するシートWの第1面へのトナー像の転写を開始させる(S200)。その後、トナー像が転写されたシートWは、定着器700のニップ部Pを通過している期間(図4のタイミングt5〜t7参照)に加熱される。このとき、定着目標温度は高温値TNHまたは低温値TNLに設定されているため、図4のグラフG2に示すように、シートWの温度は、片面印刷の実行時に比べて低くなる。
次に、コントローラ800は、シートWの搬送方向の先端が定着器700と排出ローラ130との間に位置するタイミング(図4のタイミングt6参照)が到来したと判断した場合、排出モータ812の正回転を開始させる(S210)。その後、コントローラ800は、シートWの搬送方向の後端が搬送ガイド150を通過したか否かを判断する(S220)。ここで、シートWの搬送方向の後端が搬送ガイド150を通過する直前、シートWは、搬送ガイド150および排出ローラ130によってU字状に曲げられた状態になっている。このため、シートWの搬送方向の後端が搬送ガイド150を通過すると、シートWの復元力によって、シートWの搬送方向の後端が搬送ガイド150から第1再搬送ガイド161へと移動する。そうすると、再搬送部160によるシートWの再搬送動作が実行可能になる。コントローラ800は、シートWの搬送方向の後端が搬送ガイド150を通過していないと判断した場合(S220:NO)、そのまま待機し、シートWの搬送方向の後端が搬送ガイド150を通過したと判断した場合(S220:YES)、再搬送処理を実行する(S230)。
図7は、再搬送処理を示すフローチャートである。再搬送処理は、再搬送部160に再搬送動作を実行させるための処理である。まず、コントローラ800は、排出モータ812の回転を停止させるための停止動作を開始する(S510 図4のタイミングt8参照)。このとき、シートWの搬送方向の先端側が排出口110を介して筐体100の外部に露出しており、シートWの搬送方向の後端側が排出ローラ130によって挟み込まれている。コントローラ800は、定着目標温度が基準温度以上であるか否かを判断する(S520)。本実施形態では、両面印刷前処理で設定した高温値TNHまたは低温値TNLが基準温度以上である場合、定着目標温度が基準温度以上であると判断し(S520:YES)、高温値TNHまたは低温値TNLが基準温度未満に下げられた場合(図3のS270参照)、定着目標温度が基準温度以上でないと判断する(S520:NO)。なお、基準温度未満の温度が第1温度の一例であり、基準温度以上の温度が第2温度の一例である。
コントローラ800は、定着目標温度が基準温度未満であると判断した場合(S520:NO)、第1再搬送制御を実行する。第1再搬送制御は、定着器700を通過したシートWを、再搬送部160によって第1時間ΔT1でプロセス部600に搬送させる制御である。
具体的には、コントローラ800は、排出モータ812の停止動作開始から第1停止時間Δts1が経過したか否かを判断し(S530)、第1停止時間Δts1が経過していないと判断した場合(S530:NO)、そのまま待機し、第1停止時間Δts1が経過したと判断した場合(S530:YES)、排出モータ812の回転速度を、第1逆転目標速度VR1よりも速い第3逆転目標速度VR3とする回転制御を開始する(S540 図4のタイミングt9参照)。これにより、排出ローラ130が第3逆転目標速度VR3に対応した速度で逆回転し、シートWの再搬送経路R2への搬送が開始される。
その後、コントローラ800は、シートWの再搬送方向の先端が、ローラ前位置X3に到達したか否かを判断する(S570)。なお、コントローラ800は、当該判断を、例えば、再搬送経路R2に設けられた図示しないシートセンサからの信号や排出ローラ130の逆回転開始タイミングからの経過時間等に基づき行う。コントローラ800は、シートWの再搬送方向の先端がローラ前位置X3に到達していないと判断した場合(S570:NO)、そのまま待機し、シートWの再搬送方向の先端がローラ前位置X3に到達したと判断した場合(S570:YES)、排出モータ812の回転速度を、第2逆転目標速度VR2にする回転制御を開始する(S580 図4のタイミングt11)。第2逆転目標速度VR2は、第3逆転目標速度VR3よりも遅い速度であり、排出ローラ130の第2逆転目標速度VR2に対応した速度は、ローラ165のプロセス速度VNに対応した速度と同じ速度である。すなわち、シートWの再搬送方向の先端がローラ165に到達する前までは、排出モータ812(排出ローラ130)の逆転速度が、プロセス速度VNよりも速いので、シートWの再搬送時間の短縮化を図ることができる。一方、シートWの再搬送方向の先端がローラ前位置X3を通過すると、シートWの再搬送方向の先端側がローラ165に接触し、且つ、再搬送方向の後端側が排出ローラ130に接触することになる。しかし、ローラ165の回転速度と排出ローラ130の逆転速度とが同じなので、しわ等を発生させることなくシートWを安定して再搬送することができる。
その後、シートWの再搬送方向の後端が排出位置X2を通過すると、シートWはローラ165だけで再搬送され、シートWは、第4再搬送ガイド164によって、レジストレーションローラ320へと案内される。コントローラ800は、シートWの再搬送方向の後端がローラ後位置X4を通過したか否かを判断する(S590)。なお、コントローラ800は、当該判断を、例えば、再搬送経路R2に設けられた図示しないシートセンサからの信号や排出ローラ130の逆回転開始タイミングからの経過時間等に基づき行う。コントローラ800は、シートWの再搬送方向の後端がローラ後位置X4を通過していないと判断した場合(S590:NO)、そのまま待機し、シートWの再搬送方向の後端がローラ後位置X4に通過したと判断した場合(S590:YES)、排出モータ812の停止動作を開始し(S600 図4のタイミングt13参照)、本再搬送処理を終了する。この第1再搬送制御の第1時間ΔT1は、図4のタイミングt7からタイミングt13までの時間である。
一方、S520において、コントローラ800は、定着目標温度が基準温度以上であると判断した場合(S520:YES)、第2再搬送制御を実行する。第2再搬送制御は、定着器700を通過したシートWを、再搬送部160によって、第1時間ΔT1よりも長い第2時間ΔT2でプロセス部600に搬送させる制御である。
具体的には、コントローラ800は、排出モータ812の停止動作開始から、第1停止時間Δts1より長い第2停止時間Δts2が経過したか否かを判断し(S550)、第2停止時間Δts2が経過していないと判断した場合(S550:NO)、そのまま待機し、第2停止時間Δts2が経過したと判断した場合(S550:YES)、排出モータ812の回転速度を、両面印刷前処理で設定した第1逆転目標速度VR1(VR1HまたはVR1L)とする回転制御を開始する(S560 図4のタイミングt10参照)。これにより、排出ローラ130が第1逆転目標速度VR1で逆回転し、シートWの再搬送経路R2への搬送が開始される。すなわち、第2再搬送制御では、第1再搬送制御に比べて、排出位置X2におけるシートWの停止時間が長くし、さらに、排出位置X2からローラ前位置X3までの再搬送経路R2上における再搬送速度が遅い。このため、第2再搬送制御では、第1再搬送制御に比べて、定着器700を通過したシートWがローラ前位置X3まで再搬送されるまでの所要時間が長くなる分だけ、シートWを冷却することができる。
その後、コントローラ800は、シートWの再搬送方向の先端がローラ前位置X3に到達していないと判断した場合(S570:NO)、そのまま待機し、シートWの再搬送方向の先端がローラ前位置X3に到達したと判断した場合(S570:YES)、排出モータ812の回転速度を、第2逆転目標速度VR2にする回転制御を開始する(S580 図4のタイミングt12)。その後、コントローラ800は、シートWの再搬送方向の後端がローラ後位置X4を通過していないと判断した場合(S590:NO)、そのまま待機し、シートWの再搬送方向の後端がローラ後位置X4に通過したと判断した場合(S590:YES)、排出モータ812の停止動作を開始し(S600 図4のタイミングt14参照)、本再搬送処理を終了する。この第2再搬送制御の第2時間ΔT2は、図4のタイミングt7からタイミングt14までの時間である。第2時間ΔT2は、第1時間ΔT1よりも長いので、第2再搬送制御では、第1再搬送制御よりも再搬送されるシートWを効果的に冷却することができる。
コントローラ800は、再搬送処理を終了すると、図3のS240に進み、プロセス部600により、転写位置X1を通過するシートWの第2面へのトナー像の転写を開始させる(S240)。その後、トナー像が転写されたシートWは、定着器700のニップ部Pを通過している期間に加熱される。次に、コントローラ800は、シートWの搬送方向の先端が定着器700と排出ローラ130との間に位置するタイミングが到来したと判断した場合、排出モータ812の正回転を開始させる(S250)。次に、コントローラ800は、印刷指令で指定された全ページについて印刷が完了したか否かを判断し(S260)、印刷が完了したと判断した場合(S260:YES)、上述の後処理を実行し(S170)、本印刷制御処理を終了する。コントローラ800は、印刷が完了していないと判断した場合(S260:NO)、定着目標温度を経過時間などに基づいて再設定し(S270)、S190に戻り、次のシートWについて両面印刷が実行される。ここで、定着器700の温度制御を開始してから所定の時間が経過し、定着器700が蓄熱した場合には、定着目標温度を、高温値TNHまたは低温値TNLからさらに低下させる。
本実施形態によれば、定着目標温度が基準温度以上である場合(図7のS520:YES)、定着目標温度が基準温度未満である場合(S520:NO)に比べて、定着器700を通過したシートWが再搬送部160によってプロセス部600に搬送されるまでの再搬送時間が長くなる(図4のΔT1,ΔT2参照)。このため、定着目標温度が基準温度以上である場合でも、定着目標温度が基準温度未満である場合と再搬送時間が同じである場合に比べて、再搬送部160によって搬送されるシートWを十分に冷却することができる。
ここで仮に、定着目標温度が基準温度以上でも第1再搬送制御を実行する場合、特に1枚目のシートWは、定着器700によって高温に暖められた状態で再搬送される。そして、第1再搬送制御では、再搬送時間が第1時間ΔT1であり相対的に短いため、1枚目のシートWは、十分に冷却されないまま、再度、定着器700を通過することになる。すると、1枚目のシートWは、高温のまま搬送ガイド150によって案内されることになり、第1面に付着したトナーが熱によって溶けて搬送ガイド150に付着し、搬送ガイド150によるガイドの精度が低下するおそれがある。これに対して、本実施形態では、定着目標温度が基準温度以上である場合、再搬送時間が長い第2再搬送制御が実行されるため、1枚目のシートWは、冷却された状態で、再度、定着器700を通過する。すると、図4のグラフG2に示すように、1枚目のシートWは、ある程度低い温度で搬送ガイド150によって案内されるため、第1面からのトナーの付着に起因して搬送ガイド150によるガイドの精度が低下することを抑制することができる。なお、本実施形態では、上述したように、筐体100内において、搬送経路R1と再搬送経路R2とを横切る気流Vが発生するため(図1参照)、この気流Vによって、再搬送されるシートWをさらに冷却することができる。
また、本実施形態では、定着目標温度が基準温度以上であるか否かによって、排出モータ812(排出ローラ130)の逆回転速度を変更することにより(図7のS540,S560参照)、第1再搬送制御と第2再搬送制御とで再搬送時間を異ならせることができる。これにより、排出モータ812の停止時間の相違のみで第1再搬送制御と第2再搬送制御との再搬送時間を異ならせる場合に比べて、シートWの一部が筐体100の外部に露出した状態が長く続くことに起因してユーザにシートWが排出されたと誤解されることを抑制することができる。
また、本実施形態では、定着目標温度が基準温度以上である場合、再搬送時間を長くすることによりシートWを冷却する一方で、定着目標温度が基準温度未満である場合、再搬送時間を短くすることにより両面印刷に要する時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、定着目標温度が基準温度以上であるか否かによって、排出モータ812の停止時間の相違(図7のS530,S550参照)ことにより、第1再搬送制御と第2再搬送制御とで再搬送時間を異ならせることができる。
また、本実施形態では、少なくとも最初にシートWが定着器700を通過するときの定着目標温度が基準温度以上の温度に設定されるので、基準温度未満に設定される場合に比べて、両面印刷指令を受け付けたときに定着器700の温度を定着可能な温度に早期に到達させつつ、シートWを冷却することができる。
また、定着目標温度が高いほど、定着器700に蓄積された熱量が大きいため、定着器700を通過するシートWに投入される熱量が多くなり、シートWが高温になるおそれがある。そこで、本実施形態では、定着目標温度が高いほど、第1逆転目標速度VR1が遅い速度に設定されることにより(図6のS420,S430参照)第2時間ΔT2が長くされる。これにより、第2時間ΔT2が常に一定である場合に比べて、定着器700を通過したシートWが高温のままプロセス部600に再搬送されることを抑制することができる。
また、本実施形態では、定着器700を通過するシートWの両面の内、定着ベルト710とは反対側を向く第1面に接触する搬送ガイド150を備えていても、再搬送部160によって搬送されるシートWが冷却されるので、第1面上のトナーが搬送ガイド150に付着することを抑制することができる。
また、本実施形態では、定着器700から排出ローラ130によって搬送されるシートWの搬送方向の後端は、搬送ガイド150を抜けると、第1再搬送ガイド161にガイドされる。そして、排出ローラ130の回転方向が変えられると、シートWは、第1再搬送ガイド161によって再搬送部160に導かれる。従って、定着器700から排出ローラ130までの搬送経路R1と、130から再搬送部160の再搬送経路R2との切り替えを行うための切替機構を別途設けることなく、シートWを、再搬送部160に導くことができる。
また、本実施形態では、片両面印刷を実行する場合、定着目標温度が高温値TNH等より高い起動用温度THに設定されるので(図5のS320)、片面印刷において、定着器700の温度を定着可能な温度に早期に到達させることができる。また、定着目標温度が起動用温度THに設定された場合、プロセスモータ811の回転制御の開始タイミングを、両面印刷時によりも遅くすることにより(図4のタイミングt1,t3参照)、プロセス部600もしくは定着器700の準備回転動作期間を短縮することができる。
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態では、定着器の温度として、定着器700の温度制御における定着目標温度(図520のS510参照)を例示したが、定着器の温度は、これに限定されず、770等の温度センサからの温度信号に基づき取得される定着器700の取得温度でもよい。
上記実施形態では、排出モータ812(排出ローラ130)の逆回転速度の相違(図7のS540,S560参照)と、排出モータ812の停止時間の相違(S530,S550参照)とによって、第1再搬送制御と第2再搬送制御とで再搬送時間を異ならせたが、これに限定されず、これらのいずれか一方だけの相違により、第1再搬送制御と第2再搬送制御とで再搬送時間を異ならせてもよい。また、プリンタ10が、再搬送部160のローラ165がプロセスモータ811とは異なるモータによって独立に回転制御可能な構成であれば、筐体100内の再搬送経路R2内において、シートWを停止させたり、より遅い速度で搬送させたりしてもよい。
上記実施形態では、コントローラ800は、図6のS410において外気温度が温度閾値(例えば15℃)以下であるか否かを判断したが、これに限らず、サーミスタ770からの温度信号に基づき、印刷指令を受ける前における定着ベルト710の温度が温度閾値(例えば152℃)以下であるか否かを判断してもよい。両面印刷指令を受け付ける前の定着器700の温度が高いほど、定着器700に蓄積された熱量が大きいため、定着器700を通過するシートWに投入される熱量が多くなり、シートWが高温になるおそれがある。そこで、両面印刷指令を受け付ける前の定着器700の温度が高いほど、第1逆転目標速度VR1を遅い速度に設定することにより、第2時間ΔT2を長くすることができる。これにより、第2時間ΔT2が常に一定である場合に比べて、定着器700を通過したシートWが高温のままプロセス部600に再搬送されることを抑制することができる。
また、上記実施形態の処理(図3、図5から図7)において、一部のステップの内容を変更したり、一部のステップを省略したり、他のステップと順番を入れ替えたりしてもよい。
上記実施形態のプリンタ10の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。上記実施形態では、プリンタ10は、1色(ブラック)のトナーを用いて印刷を行うとしているが、印刷に用いられるトナー色の種類や色数はこれに限られない。
また、画像形成装置は、プリンタ単体に限らず、複写機、ファクシミリ装置や複合機でもよい。これらの複写機等にも本発明を適用することができる。
上記実施形態では、感光体として、ローラ体の感光体610を例示したが、感光体は、これに限らず、例えば、感光体ベルト等のベルト体でもよい。
上記実施形態において、露光部500は、感光体610の回転軸方向に平行な主走査方向に並んだ複数のLED素子を備えるいわゆるLED露光タイプのものでもよい。
上記実施形態では、定着器700は、ベルト体の定着ベルト710を備えるものであったが、これに限定されず、ローラ体の定着ローラを備えるいわゆるローラタイプのものでもよい。
また、上記実施形態において1つのCPU801が実行する処理は、複数のCPUや1つまたは複数のASIC、1つまたは複数のCPUと1つまたは複数のASICとの組み合わせによって実行されるとしてもよい。コントローラ800は、CPU801といったプリンタ10の制御に利用されるハードウェアをまとめた総称であり、プリンタ10に存在する単一のハードウェアであるとは限らない。