JP2017025311A - 水性インク、インクカートリッジ、インク乾燥装置、インク乾燥方法、記録装置、及び記録方法 - Google Patents

水性インク、インクカートリッジ、インク乾燥装置、インク乾燥方法、記録装置、及び記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長期間保管後でも赤外線吸収性能の低下が抑制された水性インクを提供すること。
【解決手段】着色剤と、赤外線吸収剤として、下記一般式(I)で表される化合物と、水系溶媒と、を含む水性インク。ただし、一般式(I)中、Rは一般式(I−R)で表される基を、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基を表す。一般式(I−R)中、Rは水素又はメチル基を、eは0以上3以下の整数を表す。


【選択図】なし

Description

本発明は、水性インク、インクカートリッジ、インク乾燥装置、インク乾燥方法、記録装置、及び記録方法に関する。
特許文献1には、「水と、有機顔料と、近赤外線吸収色素を分散させる高分子分散剤と、700nm以上1500nm以下に吸収極大波長を有する水不溶性の近赤外線吸収色素とを含有するインク組成物」について提案されている。
特許文献2には、「水と、有機顔料と、特定構造の近赤外線吸収色素とを含有するインク組成物」について提案されている。
特許文献3には、「連続相としての水並びに色素及び安定剤の両者が連合している分散相としての疎水性ポリマー粒子を含んでなるラテックス組成物」について提案されている。
特許文献4には、「近赤外吸収色素と水溶性高分子とを共通の可溶性の溶媒に溶解させた溶解液から前記溶媒を除去することにより得ることを特徴とする近赤外吸収色素と前記水溶性高分子との複合体」について提案されている。
特許文献5には、「特定の式で表される油溶性染料を含有することを特徴とする着色組成物」について提案されている。上記油溶性染料は、ベンゼン環とアリール基とがアゾ結合(−N=N−)を介して結合する構造をなし、ベンゼン環は、ハロゲン原子、マイナス酸素原子(O)及びカチオンとなり得る原子(例えばNa)からなる基(例えば−ONa)等の置換基を有する。
特開2014−047302号公報 特開2014−047303号公報 特開2001−234000号公報 特開2002−187955号公報 特開2002−080746号公報
本発明の課題は、赤外吸収剤として、下記一般式(I)においてR乃至Rがn−ブチル基またはn−ヘキシル基である化合物のみを含む場合に比べ、長期間保管後でも赤外線吸収性能の低下が抑制された水性インクを提供することである。
上記課題は、以下の手段により改善される。即ち、
請求項1に係る発明は、
着色剤と、
赤外線吸収剤として、下記一般式(I)で表される化合物と、
水系溶媒と、
を含む水性インクである。


(一般式(I)中、Rは一般式(I−R)で表される基を、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基を表す。
一般式(I−R)中、Rは水素又はメチル基を、eは0以上3以下の整数を表す。)
請求項2に係る発明は、
前記一般式(I)におけるR、R及びRの少なくとも1つが前記一般式(I−R)で表される基である請求項1に記載の水性インクである。
請求項3に係る発明は、
前記一般式(I)におけるR、R及びRの全てが前記一般式(I−R)で表される基である請求項2に記載の水性インクである。
請求項4に係る発明は、
前記一般式(I−R)におけるRがメチル基である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の水性インクである。
請求項5に係る発明は、
前記一般式(I−R)におけるeが0である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の水性インクである。
請求項6に係る発明は、
780nm以上980nm以下の波長において、1nm刻みに測定した各波長での水性インク1gあたりの吸光係数のうち、少なくとも1波長での吸光係数が10L/(g・cm)以上30,000L/(g・cm)以下の範囲である請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の水性インクである。
請求項7に係る発明は、
前記1波長での吸光係数が、100L/(g・cm)以上3,000L/(g・cm)以下の範囲である請求項6に記載の水性インクである。
請求項8に係る発明は、
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の水性インクを収容したインクカートリッジである。
請求項9に係る発明は、
記録媒体に付与された、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の水性インクに対して、780nm以上980nm以下の波長の赤外線を照射する工程を有するインク乾燥方法である。
請求項10に係る発明は、
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の水性インクを記録媒体に付与する工程と、
前記記録媒体に付与された前記水性インクに対して、780nm以上980nm以下の波長の赤外線を照射する工程と、
を有する記録方法である。
請求項11に係る発明は、
着色剤と、赤外線吸収剤として、下記一般式(I)で表される化合物と、水系溶媒と、を含む水性インクであって、記録媒体に付与された前記水性インクに対して、780nm以上980nm以下の波長の赤外線を照射する手段を有するインク乾燥装置である。


(一般式(I)中、Rは一般式(I−R)で表される基を、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基を表す。
一般式(I−R)中、Rは水素又はメチル基を、eは0以上3以下の整数を表す。)
請求項12に係る発明は、
前記水性インクは、780nm以上980nm以下の赤外線領域において、1nm刻みに測定した各波長での水性インク1gあたりの吸光係数のうち、吸光係数が最大となる波長が780nm以上980nm以下である請求項11に記載のインク乾燥装置である。
請求項13に係る発明は、
前記水性インクを記録媒体に付与する付与手段と、
前記付与手段の前記記録媒体の搬送方向の下流側に、請求項11又は請求項12に記載のインク乾燥装置を有する記録装置である。
請求項1又は2に係る発明によれば、赤外吸収剤として、一般式(I)においてR乃至Rがn−ブチル基またはn−ヘキシル基である化合物のみを含む場合に比べ、長期間保管後でも赤外線吸収性能の低下が抑制された水性インクが提供される。
請求項3に係る発明によれば、赤外吸収剤として、一般式(I)におけるR乃至Rの2つが前記一般式(1−R)で表される基である化合物のみを含む場合に比べ、長期間保管後でも赤外線吸収性能の低下が抑制された水性インクが提供される。
請求項4に係る発明によれば、赤外吸収剤として、一般式(I−R)におけるRが水素である化合物のみを含む場合に比べ、長期間保管後でも赤外線吸収性能の低下が抑制された水性インクが提供される。
請求項5に係る発明によれば、赤外吸収剤として、一般式(I−R)におけるeが1又は2である化合物のみを含む場合に比べ、長期間保管後でも赤外線吸収性能の低下が抑制された水性インクが提供される。
請求項6又は7に係る発明によれば、赤外吸収剤として、一般式(I)においてR乃至Rがn−ブチル基またはn−ヘキシル基である化合物のみを含む場合に比べ、長期間保管後でも赤外線吸収性能の低下が抑制された水性インクが提供される。
請求項8に係る発明によれば、赤外吸収剤として、一般式(I)においてR乃至Rがn−ブチル基またはn−ヘキシル基である化合物のみを含む水性インクを適用した場合に比べ、長期間保管後でも水性インクの赤外線吸収性能の低下が抑制されたインクカートリッジが提供される。
請求項9に係る発明によれば、赤外吸収剤として、一般式(I)においてR乃至Rがn−ブチル基またはn−ヘキシル基である化合物のみを含む水性インクを適用した場合に比べ、長期間保管後でも赤外線吸収性能の低下が抑制された水性インクを用いたインク乾燥方法が提供される。
請求項10に係る発明によれば、赤外吸収剤として、一般式(I)においてR乃至Rがn−ブチル基またはn−ヘキシル基である化合物のみを含む水性インクを適用した場合に比べ、長期間保管後でも赤外線吸収性能の低下が抑制された水性インクを用いた記録方法が提供される。
請求項11に係る発明によれば、赤外線吸収剤として、一般式(I)で表される化合物を含む水性インクに対して、780nm以上980nm以下の波長の赤外線を照射する手段を適用しない場合に比べ、明度の低下及び色相の変化が抑制された画像が得られるインク乾燥装置が提供される。
請求項12に係る発明によれば、780nm以上980nm以下の赤外線領域において、吸光係数が最大となる波長が、780nm以上980nm以下の範囲にない水性インクを適用した場合に比べ、明度の低下及び色相の変化が抑制された画像が得られるインク乾燥装置が提供される。
請求項13に係る発明によれば、赤外線吸収剤として、一般式(I)で表される化合物を含む水性インクに対して、780nm以上980nm以下の波長の赤外線を照射する手段を適用しない場合に比べ、明度の低下及び色相の変化が抑制された画像が得られるインク乾燥装置を有する記録装置が提供される。
本実施形態に係るインクジェット記録装置を示す概略構成図である。 本実施形態に係るインクジェット記録装置における記録ヘッド周辺を示す部分平面図である。 他の実施形態に係るインクジェット記録装置を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
<水性インク>
本実施形態に係る水性インクは、着色剤と、赤外線吸収剤と、水系溶媒と、を含む。
そして、赤外線吸収剤として、上記一般式(I)で表される化合物を適用する。これにより、長期間保管後でも赤外線吸収性能の低下が抑制された水性インクが得られる。
この理由は、定かではないが、以下に示す理由によるものと考えられる。
記録媒体(例えば用紙)に記録された水性インク(以下、単に「インク」とも称する)を乾燥させる手段として、インクに赤外線を照射して乾燥させる手段が知られている。
この乾燥手段でインクを乾燥させる場合、乾燥対象となるインクが赤外線を吸収する必要がある。しかし、通常のカラーインクは、赤外線を吸収する材料を含まないため、赤外線の吸収が小さい。この赤外線の吸収を増加させるため、カラーインクには、赤外線を吸収する材料、つまり、赤外線吸収剤を添加する必要がある。赤外線吸収剤は水に難溶のものが多いため、通常は分散剤を用いて赤外線吸収剤をカラーインク中に分散させている。
ここで、赤外線吸収剤を含有するカラーインクは、通常のカラーインクと同様に、アルカリ性の状態にある。このような赤外線吸収剤を含有するカラーインクに水に難溶の赤外線吸収剤を添加して長期間保管すると、赤外線吸収剤は、カラーインク中に含まれる溶媒(アルカリ性の溶媒(水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等)、オキシエチレンアルキルエーテル系溶媒、エタノールアミン類、2−ピロリドン、水等)、及び機能性材料(分散剤、界面活性剤等)の影響により分解しやすくなり、赤外線吸収性能が低下する傾向がある。
特に、赤外線吸収剤として、スクアリリウム骨格を有する化合物を適用した場合、構造解析の結果から、特定の結合が侵襲されやすいことがわかってきた。具体的に、スクアリリウム骨格を有する化合物が、中央にスクアリン酸由来の4員環を有し、更に、この4員環の一方に、二重結合を介して結合するチオピリリウムと、他方に、二重結合を介して結合するチオピリリウムイオンと、を有する化合物である場合、長期間保管により上記4員環とチオピリリウムイオンとの間の結合(以下、「特定の結合」とも称する)が切れやすいことがわかってきた。これは、特定の結合が、カラーインク中に含まれる溶媒及び機能性材料による分子の侵襲を受けやすいためと推察される。そして、特定の結合が切れることで、スクアリリウム系化合物が分解しやすくなるためであると推察される。
そこで、本実施形態に係る水性インクでは、赤外線吸収剤として、一般式(I)で表される化合物(スクアリリウム系化合物)を適用する。
一般式(I)で表される化合物は、中央にスクアリン酸由来の4員環を有し、この4員環の両側に、それぞれ2位と6位にアルキル基を持つチオピリリウム(チオピリリウムイオン)を有する化合物である。そして、これらのアルキル基のうち、少なくとも1つを炭素数3以上の分岐アルキル基とし、前記チオピリリウムの少なくとも一方を嵩高い構造とする。
一般式(I)で表される化合物を上記構造とすることで、一般式(I)で表される化合物に対し、前記特定の結合を侵襲すると考えられる材料(溶媒、機能性材料等)の分子が近づきにくくなると考えられる。つまり、一般式(I)で表される化合物は、前記特定の結合が侵襲を受けにくくなり、水性インク中で分解されにくくなる。
以上のことから、本実施形態に係る水性インクでは、長期間保管後でも赤外線吸収性能の低下が抑制されることとなる。
以下、本実施形態に係る水性インクの各成分について詳細に説明する。
(着色剤)
着色剤としては、顔料が挙げられる。顔料としては、有機顔料、無機顔料が挙げられる。
黒色顔料の具体例としては、Raven7000,Raven5750,Raven5250,Raven5000 ULTRAII,Raven 3500,Raven2000,Raven1500,Raven1250,Raven1200,Raven1190 ULTRAII,Raven1170,Raven1255,Raven1080,Raven1060(以上コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R,Regal330R,Regal660R,Mogul L,Black Pearls L,Monarch 700,Monarch 800,Monarch 880,Monarch 900,Monarch 1000,Monarch 1100,Monarch 1300,Monarch 1400(以上キャボット社製)、Color Black FW1,Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black 18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex35,Printex U,Printex V,Printex140U,Printex140V,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black4(以上エボニックジャパン社製)、No.25,No.33,No.40,No.47,No.52,No.900,No.2300,MCF−88,MA600,MA7,MA8,MA100(以上三菱化学社製)等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シアン色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Blue−1,−2,−3,−15,−15:1,−15:2,−15:3,−15:4,−16,−22,−60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red−5,−7,−12,−48,−48:1,−57,−112,−122,−123,−146,−168,−177,−184,−202, C.I.Pigment Violet −19等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イエロー顔料の具体例としては、C.I.Pigment Yellow−1,−2,−3,−12,−13,−14,−16,−17,−73,−74,−75,−83,−93,−95,−97,−98,−114,−128,−129,−138,−151,−154,−180等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ここで、着色剤として顔料を使用した場合には、併せて顔料分散剤を用いることが望ましい。使用可能な顔料分散剤としては、高分子分散剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
高分子分散剤としては、親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体が好適に用いられる。親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体としては、縮合系重合体と付加重合体とが使用できる。縮合系重合体としては、公知のポリエステル系分散剤が挙げられる。付加重合体としては、α,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の付加重合体が挙げられる。親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体と疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体を組み合わせて共重合することにより目的の高分子分散剤が得られる。また、親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の単独重合体も用いることができる。
親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体としては、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、りん酸基等を有する単量体、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
高分子分散剤として用いられる、望ましい共重合体の例としては、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。また、これらの重合体に、ポリオキシエチレン基、水酸基を有する単量体を共重合させてもよい。
上記高分子分散剤としては、例えば、重量平均分子量で2000以上50000以下のものが挙げられる。
アニオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤の具体例は後述する。
これら顔料分散剤は、単独で用いても、二種類以上を併用しても構わない。顔料分散剤の添加量は、顔料により大きく異なるため一概には言えないが、一般に顔料に対し、合計で0.1質量%以上100質量%以下が挙げられる。
顔料としては、水に自己分散可能な顔料(以下自己分散顔料と称する)も挙げられる。
自己分散顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を数多く有し、高分子分散剤が存在しなくとも水中で分散する顔料のことを指す。具体的には、通常のいわゆる顔料に対して酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理等を施すことにより、自己分散顔料が得られる。
また、水に自己分散可能な顔料としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−300、IJX−157、IJX−253、IJX−266、IJX−273、IJX−444、IJX−55、Cabot260、オリエント化学社製のMicrojet Black CW−1、CW−2等の市販の自己分散顔料等も使用できる。
自己分散顔料としては、その表面に官能基として少なくともスルホン酸、スルホン酸塩、カルボン酸、又はカルボン酸塩を有する顔料であることが望ましい。より望ましくは、表面に官能基として少なくともカルボン酸、又はカルボン酸塩を有する顔料である。
顔料としては、樹脂により被覆された顔料等も挙げられる。これは、マイクロカプセル顔料と呼ばれ、DIC社製、東洋インキ社製などの市販のマイクロカプセル顔料等を使用することができる。
また、顔料としては、高分子物質を上記顔料に物理的に吸着又は化学的に結合させた樹脂分散型顔料も挙げられる。
また、顔料としては、黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等も挙げられる。
また、顔料としては、シリカ、アルミナ、又は、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等も挙げられる。
着色剤としては、顔料の他、その他、親水性のアニオン染料、直接染料、カチオン染料、反応性染料、高分子染料等や油溶性染料等の染料類、染料で着色したワックス粉・樹脂粉類やエマルション類、蛍光染料や蛍光顔料、赤外線吸収剤(一般式(I)で表される化合物以外の赤外線吸収剤)、紫外線吸収剤、フェライトやマグネタイトに代表される強磁性体等の磁性体類、酸化チタン、酸化亜鉛に代表される半導体や光触媒類、その他有機、無機の電子材料粒子類などが挙げられる。
着色剤の体積平均粒径は、例えば10nm以上1000nm以下であることが挙げられる。
着色剤の体積平均粒径とは、着色剤そのものの粒径、又は着色剤に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒径をいう。体積平均粒径の測定装置には、マイクロトラックUPA粒度分析計 9340 (Leeds&Northrup社製 )を用いた。その測定は、インク4mlを測定セルに入れ、所定の測定法に従って行った。なお、測定時の入力値として、粘度はインクの粘度とし、分散粒子の密度は着色剤の密度とした。
着色剤の含有量(濃度)は、例えばインクに対して5質量%以上30質量%以下が挙げられる。
(赤外線吸収剤)
本実施形態に係る水性インクは、赤外線吸収剤として前記一般式(I)で表される化合物を含む。
一般式(I)中、Rは前記一般式(I−R)で表される基を表す。
一般式(I−R)で表される基の総炭素数は6以下が好ましく、5以下がより好ましく、4以下がさらに好ましく、さらには3が好ましい。なお、総炭素数の下限は3である。
一般式(I−R)中、Rは水素又はメチル基を表し、メチル基であることが好ましい。一般式(I−R)におけるRがメチル基である場合、末端が三つ又に分岐した構造(ターシャリー)であり、Rが水素である場合に比べて、より赤外線吸収性能の低下が抑制される。これは、Rがメチル基である場合の方がRが水素である場合に比べてより嵩高い構造であり、一般式(I)で表される化合物の分解がより抑えられるためと考えられる。
一般式(I−R)中、eは0以上3以下の整数を表し、eは0以上2以下が好ましく、eは0以上1以下がより好ましく、0であることが更に好ましい。一般式(I−R)におけるeの値は、小さいほど赤外線吸収性能の低下がより抑制される。これは、eの値が小さいほど、一般式(I−R)で表される基における分岐状の構造部分と一般式(I)で表される化合物におけるスクアリリウム構造との距離が近くなり、分解に寄与する因子(アルカリ性の溶媒、水、分散剤、界面活性剤等)が一般式(I)で表される化合物の分子に作用する機会を抑制し、分解がより抑えられるためと考えられる。
一般式(I−R)で表される基の具体例としては、i−プロピル基、t−ブチル基、i−ブチル基(2−メチルプロパン−1−イル基)、i−ペンチル基(3−メチルブタン−1−イル基)、t−ペンチル基(2,2−ジメチルプロパン−1−イル基)、i−ヘキシル基(4−メチルペンタン−1−イル基)、t−ヘキシル基(3,3−ジメチルブタン−1−イル基)、t−ヘプチル基(4,4−ジメチルペンタン−1−イル基)が挙げられる。これらの中でもi−プロピル基、t−ブチル基、i−ブチル基(2−メチルプロパン−1−イル基)がより好ましく、t−ブチル基が更に好ましい。
一般式(I)中、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基を表す。R、R及びRは少なくとも1つが前記一般式(I−R)で表される基であることが好ましく、R、R及びRの全てが前記一般式(I−R)で表される基であることがより好ましい。一般式(I)中における一般式(I−R)で表される基の数は多いほど、赤外線吸収性能の低下がより抑制される。これは、一般式(I−R)で表される基が多いほど嵩高い構造となり、分解に寄与する因子(アルカリ性の溶媒、水、分散剤、界面活性剤等)が一般式(I)で表される化合物の分子に作用する機会を抑制し、分解がより抑えられるためと考えられる。
、R及びRのうち1つが一般式(I−R)で表される基である場合、つまり一般式(I)で表される化合物が一般式(I−R)で表される基を2つ有する場合には、RとRとが一般式(I−R)で表される基であってもよく、RとR又はRとが一般式(I−R)で表される基であってもよい。
なお、R乃至Rのうち2つ以上が前記一般式(I−R)で表される基である場合、複数ある一般式(I−R)で表される基の構造はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。また、R、R及びRの少なくとも1つが一般式(I−R)で表される基である場合における好ましい構造は、前記において説明したものと同じである。
一般式(I)中、R、R及びRの少なくとも1つが前記一般式(I−R)で表される基以外である場合におけるアルキル基は、直鎖状、分岐状、および環状の何れの構造であってもよい。この場合のアルキル基は分岐数が多い方が好ましく、炭素鎖は短い方がより好ましい。炭素数としては、1以上20以下が好ましく、1以上8以下がより好ましく、1以上6以下がさらに好ましい。
具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、s−ブチル基(2−ブチル基)、2−メチルブタン−2−イル基、3−メチルブタン−2−イル基、3,3−ジメチルブタン−2−イル基、3−ペンチル基、2−メチルペンタン−3−イル基、3−メチルペンタン−3−イル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。R、R及びRの少なくとも1つが前記一般式(I−R)で表される基以外である場合、上記の具体例の中でも2−メチルブタン−2−イル基、3−メチルペンタン−3−イル基が好ましい。
以下に、一般式(I)で表される化合物の具体例(例示化合物)を示す。なお、一般式(I)で示される化合物はこれらにより何ら限定されるものではない。
まず、一般式(I−R)で表される基を4つ有する具体例を示す。

次いで、一般式(I−R)で表される基を2つ有する具体例を示す。
上記に列挙した一般式(I)で表される化合物の具体例の中でも、例示化合物(I−a−1)乃至(I−a−7)、(I−b−1)乃至(I−b−6)、(I−c−1)乃至(I−c−6)が好ましい。更には、(I−a−1)、(I−b−3)、(I−c−3)がより好ましく、例示化合物(I−a−1)が最も好ましい。
一般式(I)で表される化合物の合成法の一例について説明する。
・R乃至Rが全て同じ構造の化合物の場合
一般式(I)で表される化合物は、例えば、以下のスキーム1に従って合成される。ただし、スキーム1は、一般式(I)におけるR乃至Rが全て一般式(I−R)で表される基であって同じ構造の基である化合物(I)−Aの合成経路について示す。
まず、不活性雰囲気下かつ冷却化、有機マグネシウムハロゲン化物(グリニャール試薬、例えば塩化エチルマグネシウムなど)の有機溶媒(例えばテトラヒドロフランなど)溶液に前記出発物質1を滴下して作用させる。その後、反応を完結させるため室温(例えば23℃乃至25℃)またはそれ以上の温度に戻してもよい。次いで冷却下、ギ酸誘導体(例えばギ酸エチルなど)を滴下して作用させる。その後、反応を完結させるため室温(例えば23℃乃至25℃)またはそれ以上の温度に戻してもよい。反応の終わった混合物から有機物を抽出し、分離した有機層から中間体Aを得る。
次いで、溶媒(例えばシクロヘキサンなど)に中間体Aと酸化試薬(例えば酸化マンガンなど)とを加え、加熱還流して反応させる。反応中に生じる水を除去してもよい。反応混合物の有機層から中間体Bを得る。なお、中間体Bを得る際に精製を行ってもよい。
次いで、中間体Bに対し付加環化反応を行う。例えば、溶媒(例えばエタノール等)に一硫化水素ナトリウムn水和物を加え、冷却下中間体Bを滴下する。その後、室温(例えば23℃乃至25℃)で反応させ、反応液から溶媒を除去した後、飽和するまで食塩を加え、分液して有機相を回収し、有機相から中間体Cを得る。なお、中間体Cを得る際に精製を行ってもよい。
次いで、不活性雰囲気下、溶媒(例えば無水テトラヒドロフラン等)と中間体Cとを混合し、グリニャール試薬(例えば臭化メチルマグネシウム)を滴下する。滴下終了後、この反応液を加熱して還流させ、次いで冷却下、臭化アンモニウムを滴下する。分離した有機層を乾燥し濃縮して、中間体Dを得る。
次いで、不活性雰囲気下、中間体D及びスクアリン酸を溶媒(例えばシクロヘキサンとイソブタノールとの混合溶媒等)に分散し、塩基性化合物(例えばピリジン等)を加えて加熱還流させ、化合物(I)−Aが得られる。反応中に生じる水を除去してもよい。また、精製や単離、濃縮等を実施してもよい。
・R及びRが同じ構造かつR及びRが同じ構造の化合物の場合
次に、一般式(I)におけるRとRとが同じ構造の基であり、かつRとRとが同じ構造の基であってR及びRとは異なる基である化合物の合成経路について示す。
この化合物は、前記化合物(I)−Aにおける中間体Aの合成を、下記のスキーム2に示す方法に変更することで合成される。
スキーム2では、まずグリニヤール試薬((例えば臭化エチルマグネシウム等)を添加した有機溶液(例えばTHF溶液等))中に出発物質2及び添加物質2を添加し反応させる。反応後の溶液に、冷却下で強酸(例えば塩酸等)を加え、次いで室温(例えば23℃乃至25℃)でエーテルを加え、有機層から中間体A’を得る。なお、中間体A’を得る際に精製を行ってもよい。
その後、前述のスキーム1に示す中間体Aを中間体A’に変更すること以外は同様にして、合成される。
・R及びRが同じ構造かつR及びRが同じ構造の化合物の場合
また、一般式(I)におけるRとRとが同じ構造の基であり、かつRとRとが同じ構造の基であってR及びRとは異なる基である化合物の合成は、前記化合物(I)−Aにおける中間体DにおいてRの構造が異なるものを2種類準備し、この2種の中間体Dを用いてスキーム1と同様にして合成を行い、得られた化合物を精製することで得られる。
また、R乃至Rの内3つが同じ構造の化合物や、2つが同じ構造で残りの2つがそれぞれ異なる構造の化合物、4つともが異なる構造の化合物も、前記スキーム1及びスキーム2に示す製法に準じて合成し得る。
一般式(I)で表される化合物のテトラヒドロフラン(THF)溶液中での極大吸収波長は、760nm以上1200nm以下の範囲であることがよく、780nm以上1100nm以下の範囲が望ましく、800nm以上1000nm以下の範囲がより望ましい。
一般式(I)で表される化合物のTHF溶液中での最大吸収波長(極大吸収波長)における吸光係数は、10L/(g・cm)以上30,000L/(g・cm)以下がよく、50L/(g・cm)以上3,000L/(g・cm)以下が好ましく(50L/(g・cm)以上2,000L/(g・cm)以下(モル吸光係数の場合10万Lmol−1cm−1以上60万Lmol−1cm−1以下)、又は、100L/(g・cm)以上3,000L/(g・cm)以下が好ましく)、100L/(g・cm)以上2,000L/(g・cm)以下(モル吸光係数の場合20万Lmol−1cm−1以上60万Lmol−1cm−1以下)がより好ましく、125L/(g・cm)以上2,000L/(g・cm)以下(モル吸光係数の場合25万Lmol−1cm−1以上60万Lmol−1cm−1以下)がさらに好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、インク中に固体分散状態で存在することがよい。一般式(I)で表される化合物がインク中に存在する場合、その質量平均粒径は、10nm以上1000nm以下がよく、10nm以上500nmが望ましく、20nm以上300nm以下がより望ましい。一般式(I)で表される化合物は、分子レベルで分散する分子分散状態でインク中に存在してもよい。
なお、一般式(I)で表される化合物は、後述する分散剤を用いてインク中に存在(分散)させることがよい。
本実施形態に係るインクには、一般式(I)で表される化合物に加えて、例えば、インクの定着性、発色性、乾燥性等に影響を与えない範囲で、さらに公知の赤外光吸収剤を含んでもよい。
公知の赤外線吸収剤としては、例えば、シアニン化合物、メロシアニン化合物、ベンゼンチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、芳香族ジアミン系金属錯体、ジイモニウム化合物、アミニウム化合物、ニッケル錯体化合物、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クロコニウム化合物等を用い得る。
具体的な公知の赤外光吸収剤としては、ニッケル金属錯体系赤外光吸収剤(三井化学社製:SIR−130、SIR−132)、ビス(ジチオベンジル)ニッケル(みどり化学社製:MIR−101)、ビス[1,2−ビス(p−メトキシフェニル)−1,2−エチレンジチオレート]ニッケル(みどり化学社製:MIR−102)、テトラ−n−ブチルアンモニウムビス(シス−1,2−ジフェニル−1,2−エチレンジチオレート)ニッケル(みどり化学社製:MIR−1011)、テトラ−n−ブチルアンモニウムビス[1,2−ビス(p−メトキシフェニル)−1,2−エチレンジチオレート]ニッケル(みどり化学社製:MIR−1021)、ビス(4−tert−1,2−ブチル−1,2−ジチオフェノレート)ニッケル−テトラ−n−ブチルアンモニウム(住友精化社製:BBDT−NI)、シアニン系赤外光吸収剤(富士フイルム社製:IRF−106、IRF−107)、シアニン系赤外光吸収剤(山本化成社製、YKR2900)、アミニウム、ジイモニウム系赤外光吸収剤(長瀬ケムテック社製:NIR−AM1、IM1)、イモニウム化合物(日本カーリット社製:CIR−1080、CIR−1081)、アミニウム化合物(日本カーリット社製:CIR−960、CIR−961)、アントラキノン系化合物(日本化薬社製:IR−750)、アミニウム系化合物(日本化薬社製:IRG−002、IRG−003、IRG−003K)、ポリメチン系化合物(日本化薬社製:IR−820B)、ジイモニウム系化合物(日本化薬社製:IRG−022、IRG−023)、ジアニン化合物(日本化薬社製:CY−2、CY−4、CY−9)、可溶性フタロシアニン(日本触媒社製:TX−305A)、ナフタロシアニン(山本化成社製:YKR5010、山陽色素社製:サンプル1)、無機材料系(信越化学工業社製:イッテルビウムUU−HP、住友金属社製:インジュームチンオキサイド)等が挙げられる。
これらの中では、ジイモニウム化合物又はクロコニウム化合物が好適である。
以上に説明した赤外線吸収剤(一般式(I)で表される化合物)は、分散剤によりインク中に分散させることが好ましい。分散剤としては、既述の顔料分散剤が挙げられる。
赤外線吸収剤をインク中に分散させる方法としては、例えば、分散剤により赤外線吸収剤が分散した分散液を別途作製し、得られた分散液と、他の成分とを混合する方法が挙げられる。
また、赤外線吸収剤が分散した分散液を作製する方法としては、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、メチルエチルケトン(MEK)、イロプロピルアルコール(IPA))に、赤外線吸収剤と、分散剤とを溶解させ、その溶液を水系溶媒へ滴下する方法;赤外線吸収剤を樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル樹脂)と混合した後、ボールミル等の分散機を用いて粉砕し、界面活性剤と共に水系溶媒に分散する方法;が挙げられる。
(水系溶媒)
水系溶媒としては、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水等が挙げられる。
また、これら水系溶媒としては、水と共に、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコールを併用してもよい。
(その他添加剤)
本実施形態に係る水性インクには、その他添加剤として、水性有機溶媒を含んでもよい。
水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が使用される。
水溶性有機溶媒の具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2−へキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、キシリトールなどの糖アルコール類、キシロース、グルコース、ガラクトースなどの糖類等が挙げられる。
多価アルコール類誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
アルコール類としては、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
水溶性有機溶媒としては、その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等も挙げられる。
水溶性有機溶媒の含有量としては、例えばインクに対して1質量%以上70質量%以下が挙げられる。
その他添加剤としては、界面活性剤も挙げられる。
界面活性剤の種類としては、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、望ましくは、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が用いられる。
以下、界面活性剤の具体例を列挙する。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が使用でき、望ましくは、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等が用いられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物等が挙げられ、望ましくは、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物が用いられる。
その他、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤や、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント等も使用できる。
これらの界面活性剤は単独で使用しても混合して使用してもよい。また界面活性剤の親水性/疎水性バランス(HLB)は、溶解性等を考慮すると3以上20以下の範囲であることがよい。
これらの界面活性剤の添加量は、0.001質量%以上5質量%以下(望ましくは0.01質量%以上3質量%以下)が挙げられる。
その他添加剤としては、浸透性を調整する目的で浸透剤、インク付与性改善等の特性制御を目的でポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等や、導電率、pHを調整するために水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属類の化合物等、その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、及びキレート化剤等も挙げられる。
(インクの特性)
本実施形態に係る水性インクは、780nm以上980nm以下の波長において、1nm刻みに測定した各波長での水性インク1gあたりの吸光係数のうち、少なくとも1波長での吸光係数が10L/(g・cm)以上30,000L/(g・cm)以下の範囲であることが好ましく、50L/(g・cm)以上3,000L/(g・cm)以下の範囲であることがより好ましく、100L/(g・cm)以上3,000L/(g・cm)以下の範囲であることがさらに好ましい。
少なくとも1波長での吸光係数が10L/(g・cm)以上であると、赤外線の照射強度を過度に高めることなく、インクの乾燥に必要な温度に到達させやすくなる。これにより、インクが良好に定着されやすくなる。
一方、少なくとも1波長での吸光係数が30,000L/(g・cm)以下(より好ましくは3,000L/(g・cm)以下)であると、赤外線吸収剤がわずかに持つ可視光領域での吸収が抑制される。これにより、明度の低下及び色相の変化が抑制された画像が得られやすくなる。
本実施形態に係る水性インクのpHは、例えば7以上の範囲(望ましくは7以上11以下の範囲、より望ましくは8以上10以下の範囲)が挙げられる。
ここで、インクのpHは、温度23±0.5℃、湿度55±5%R.H.環境下において、pH/導電率計(メトラー・トレド社製MPC227)により測定した値を採用する。
本実施形態に係る水性インクの表面張力は、例えば20mN/m以上40mN/m以下の範囲(望ましくは25mN/m以上35mN/m以下の範囲)が挙げられる。
ここで、表面張力としては、ウイルヘルミー型表面張力計(協和界面科学株式会社製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した値を採用する。
本実施形態に係る水性インクの導電率は、例えば0.01S/m以上0.5S/m以下の範囲(望ましくは0.01S/m以上0.25S/m以下の範囲、より望ましくは0.01S/m以上0.20S/m以下の範囲)が挙げられる。
導電率の測定は、MPC227(pH/Conductivity Meter、メトラー・トレド社製)で行う。
本実施形態に係る水性インクの粘度は、例えば1.5mPa・s以上30mPa・s以下の範囲(望ましくは3mPa・s以上20mPa・s以下の範囲)が挙げられる。
粘度は、レオマット115(Contraves製)を測定装置として用い、測定温度は23℃、せん断速度は1400s−1の条件で測定する。
(インクの製造方法)
本実施形態に係る水性インクは、赤外線吸収剤(一般式(I)で表される化合物)と、他の成分とを混合することにより得ることができる。
本実施形態に係る水性インクは、上述したように、例えば、分散剤により赤外線吸収剤が分散した分散液を別途作製し、得られた分散液と、他の成分とを混合することにより得ることができる。
混合に際しては、分散機を用いればよい。分散機の具体例としては、超音波分散機;ガラスやジルコンなどのビーズメディアを用いるボールミル、サンドミル、横型メディアミル分散機、コロイドミル;等が挙げられる。これらの分散機は単独で用いても、2種以上組み合せて用いてもよい。混合方法は特に限定されない。
なお、本実施形態に係る水性インクは、例えば、光硬化性物質(例えば紫外線硬化性物質)を添加し、光硬化型インク(例えば紫外線硬化型インク)としても用いることができる。本実施形態に係る水性インクを光硬化型インクとして適用した場合でも、長期間保管後に赤外線吸収性能の低下が抑制された水性インクとなる。
<インク乾燥装置/インク乾燥方法>
本実施形態に係るインク乾燥装置は、着色剤と、赤外線吸収剤として、前記一般式(I)で表される化合物と、水系溶媒と、を含む水性インク(つまり、上記実施形態に係る水性インク)であって、記録媒体に付与された上記水性インクに対して、780nm以上980nm以下の波長の赤外線を照射する手段(以下、赤外線照射手段とも称する)を有する。
上記水性インクに含まれる赤外線吸収剤(一般式(I)で表される化合物)は、赤外領域での最大吸光係数が得られる波長が817nmである。このため、本実施形態に係るインク乾燥装置では、この最大吸光係数が得られる波長(817nm)に対して、780nm以上980nm以下、好ましくは802nm以上832nm以下で発光するように調整された赤外線照射手段を用いる。
上記範囲の波長の赤外線を照射することで、赤外線吸収剤がわずかに持つ可視光領域での吸収が抑制される。この結果、明度の低下及び色相の変化が抑制された画像が得られる。
さらに、上記範囲の波長の赤外線を照射することで、赤外線の照射強度を過度に高めることなく、インクの乾燥に必要な温度に到達させやすくなる。これにより、インクの定着も良好に行われると考えられる。
赤外線照射手段としては、水性インクに対して、780nm以上980nm以下の波長の赤外線を照射できるものであれば特に制限はないが、例えば、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、ハロゲンランプ、キセノンランプが挙げられる。中でも、半導体レーザーが好ましい。
通常半導体レーザーでは、電子とホールが再結合する発光層が固有のエネルギーギャップを有するため特定の発振波長で発光する。固有のエネルギーギャップは用いる半導体材料の組成および量子井戸構造などの微細構造によって規定される。
半導体レーザーは、通常の端面発光型半導体レーザーでもよいし垂直共振器型半導体レーザー(面発光レーザー:Vertical Cavity Surface Emitting Laser VCSEL)でも良い。また、1組の電極で発光点が単独で発光する端面発光型半導体レーザーでもよいし垂直共振器型半導体レーザーでも良いし、1組の電極で複数の発光点で発光するアレイ型の端面発光型半導体レーザーでもよいし垂直共振器型半導体レーザーでも良い。
本実施形態に係るインク乾燥装置において、水性インクは、780nm以上980nm以下の赤外線領域において、1nm刻みに測定した各波長での水性インク1gあたりの吸光係数のうち、吸光係数が最大となる波長が780nm以上980nm以下であることが好ましく、802nm以上832nm以下であることがより好ましい。
上述のように、水性インクに含まれる赤外線吸収剤(一般式(I)で表される化合物)は、赤外領域での最大吸光係数が得られる波長が817nmである。
このため、780nm以上980nm以下の赤外線領域において、吸光係数が最大となる波長を上記範囲とすることで、赤外線吸収剤がわずかに持つ可視光領域での吸収がより抑制されやすくなる。この結果、明度の低下及び色相の変化がより抑制された画像が得られやすくなる。
さらに、吸光係数が最大となる波長を上記範囲とすることで、赤外線の照射強度を過度に高めることなく、インクの乾燥に必要な温度により到達させやすくなる。これにより、インクの定着もより良好に行われると考えられる。
記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、紙、プラスチックフィルム、金属、セラミックが挙げられる。
記録媒体への水性インクの付与手段については後述する。
また、本実施形態に係るインク乾燥装置では、記録媒体に付与された上記実施形態に係る水性インクに対して、780nm以上980nm以下の波長の赤外線を照射する工程を有するインク乾燥方法が実施される。
<記録装置/記録方法>
本実施形態に係る記録装置は、上記実施形態に係る水性インクを記録媒体に付与する付与手段と、記録媒体に付与された水性インクに対して、赤外線を照射する照射手段(赤外線照射手段)と、を有する。赤外照射手段は、記録媒体に付与された水性インクに対して780nm以上980nm以下の波長の赤外線を照射する手段である。つまり、本実施形態に係る記録装置は、上記実施形態に係るインク乾燥装置を備える記録装置である。
また、本実施形態に係る記録装置は、上記実施形態に係る水性インクを記録媒体に付与する付与手段と、付与手段の記録媒体の搬送方向の下流側に、上記実施形態に係るインク乾燥装置を有することが好ましい。
ここで、付与手段とは、水性インクを記録媒体に付与できる手段であれば、特に限定されない。付与手段としては、例えば、インクジェット方式による吐出手段(記録ヘッド等);ローラ、スプレー、スポンジ等による塗布手段;グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等による印刷手段;が挙げられる。
本実施形態に係る記録装置では、赤外線照射手段が、記録媒体に付与された水性インクを乾燥する乾燥手段に該当する。具体的に、本実施形態に係る記録装置では、記録媒体に付与された水性インクに対し、赤外線照射手段により赤外線を照射すると、水性インク中に含まれる赤外線吸収剤は赤外線の一部を吸収して発熱する。この発熱により、水性インクは加熱され温度が上昇し、この結果、インクは乾燥する。
なお、記録装置は、赤外線照射手段以外の他の乾燥手段を備えていてもよい。他の乾燥手段としては、公知の乾燥装置(ヒーター、ファン、加熱ドラム等)が挙げられる。
また、本実施形態に係る記録装置では、上記実施形態に係る水性インクを記録媒体に付与する工程と、記録媒体に付与された水性インクに対して、780nm以上980nm以下の波長の赤外線を照射する工程と、を有する記録方法が実施される。
また、本実施形態に係る記録装置には、上記実施形態に係る水性インクを収容し、当該記録装置に着脱されるようカートリッジ化されたインクカートリッジを備えていてもよい。
以下、本実施形態に係る記録装置について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係るインクジェット記録装置(記録装置の一例)を示す概略構成図である。図2は、本実施形態に係るインクジェット記録装置における記録ヘッド(付与手段の一例)周辺を示す部分平面図である。
本実施形態に係るインクジェット記録装置12(以下、単に「記録装置12」とも称する)は、例えば、図1に示すように、筐体14内の下部に、給紙容器16が備えられており、給紙容器16内に積層された用紙P(記録媒体の一例)を取り出しロール18で1枚ずつ取り出す機構を有している。取り出された用紙Pは、搬入経路22を構成する複数の搬入ローラ対20で搬送される。
給紙容器16の上方には、駆動ロール24及び従動ロール26に張力を付与されつつ支持された無端状の搬送ベルト28が配置されている。搬送ベルト28の上方には、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の4色それぞれに対応した4つの記録ヘッド(記録ヘッド30Y、記録ヘッド30M、記録ヘッド30C、及び記録ヘッド30K。以下、総称するときは記録ヘッド30とする)が配置されており、搬送ベルト28における平坦部分に対向している。この対向した領域が、記録ヘッド30からインクの液滴が吐出(付与)される吐出領域となっている。搬入ローラ対20により搬送された用紙Pは、搬送ベルト28で保持されてこの吐出領域に至り、記録ヘッド30に対向した状態で、記録ヘッド30から画像情報に応じて吐出されたインクの液滴が付着する。
ここで、各色の記録ヘッド30は、それぞれインクジェット記録装置12に着脱される、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の4色に対応した4つのインクカートリッジ31(インクカートリッジ31Y、インクカートリッジ31M、インクカートリッジ31C、及びインクカートリッジ31K。以下、総称するときはインクカートリッジ31とする)と供給管(不図示)を通じて連結され、インクカートリッジ31により、各色のインクがそれぞれ記録ヘッド30へ供給される。
記録ヘッド30の上流側(用紙Pの搬送方向上流側)には、帯電ロール32が配置されている。帯電ロール32は、従動ロール26との間で搬送ベルト28及び用紙Pを挟みつつ従動し、接地された従動ロール26との間に電位差を生じさせ、用紙Pに電荷を与えて搬送ベルト28に静電吸着させる。
記録ヘッド30の用紙Pの搬送方向の下流側には、搬送ベルト28の上方に、インク乾燥装置60が配置されている。
インク乾燥装置60は、4つの記録ヘッド30により用紙Pに付与された4色のインクに対して、赤外線を照射する赤外線照射装置50(赤外線照射手段の一例)を有する。
本実施形態に係るインク乾燥装置60では、赤外線照射装置50が用紙Pに付与された4色のインクを乾燥する乾燥手段に該当する。このため、赤外線照射装置50は、搬送ベルト28の上の用紙Pに付与されたインクに対して、赤外線を照射することにより、インクの乾燥を行う。なお、赤外線照射装置50の詳細は後述する。
記録ヘッド30の下流側(用紙Pの搬送方向下流側)には、剥離板34が配置されており、用紙Pを搬送ベルト28から剥離させる。剥離された用紙Pは、剥離板34の下流側(用紙Pの搬送方向下流側)で排出経路36を構成する複数の排出ローラ対38で搬送され、筐体14の上部に設けられた排紙容器40に排出される。
記録ヘッド30について説明する。
記録ヘッド30は、例えば、図2に示すように、有効な記録領域(インクを吐出するノズルの配置領域)が用紙Pの幅(用紙Pの搬送方向と交差(例えば直交)する方向の長さ)以上とされた長尺状の記録ヘッドである。
なお、記録ヘッド30は、これに限られず、用紙Pの幅よりも短尺状の記録ヘッドであって、用紙Pの幅方向に移動してインクを吐出する方式(所謂キャリッジ方式)の記録ヘッドであってもよい。
記録ヘッド30は、インクの液滴を熱により吐出する、所謂サーマル方式であってもよいし、インクの液滴を圧力により吐出する、所謂圧電方式等、公知のものが適用される。
記録ヘッド30としては、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の4色それぞれに対応した4つの記録ヘッド30(記録ヘッド30Y、記録ヘッド30M、記録ヘッド30C、及び記録ヘッド30K)が搬送方向に沿ってアレイ状に配置されている。無論、記録ヘッド30は、上記4色のそれぞれに対応した4つの記録ヘッド30を配置する形態に限られず、目的に応じて、ブラック(K)に対応した一つの記録ヘッド30を配置した形態であってよいし、他の中間色を加えた4色以上のそれぞれに対応した4つ以上の記録ヘッド30を配置した形態であってもよい。
赤外線照射装置(赤外線照射手段の一例)50について説明する。
赤外線照射装置50は、例えば、図2に示すように、有効な赤外線照射領域(赤外線を照射する光源の配置領域)が記録ヘッド30による記録可能領域の幅(用紙Pの搬送方向と交差(例えば直交)する方向)以上とされた長尺状の赤外線照射装置である。
なお、赤外線照射装置50は、これに限られず、記録ヘッド30による記録可能領域の幅よりも短尺状の赤外線照射装置であって、記録ヘッド30による記録可能領域の幅方向に移動して赤外線を照射する方式(所謂キャリッジ方式)の赤外線照射装置であってもよい。
赤外線照射装置50の光源としては、例えば、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、ハロゲンランプ、キセノンランプが挙げられる。中でも、半導体レーザー(例えば、端面発光型半導体レーザー、垂直共振器型半導体レーザー)が好ましい。
赤外線照射装置50の赤外線照射条件としては、インク中に含まれる赤外線吸収剤の赤外線吸収性能やインク中の水分量等により変わるが、例えば、用紙P上に吐出されたインク中の水分量を10質量%以下とする共に、温度(80℃以上200℃以下)とする条件であることがよい。
具体的には、赤外線照射条件としては、例えば、中心波長が780nm以上980nm以下(望ましくは802nm以上832nm以下)、照射強度が0.1J/cm以上10J/cm以下(望ましくは1J/cm以上3J/cm以下)、照射時間が0.1ミリ秒以上10秒以下(望ましくは10ミリ秒以上100ミリ秒以下)であることがよい。
次に、本実施形態に係る記録装置12の動作について説明する。
本実施形態に係る記録装置12では、用紙Pは、給紙容器16から取り出しロール18で1枚ずつ取り出され、搬入経路22を経由して搬送ベルト28へ搬送される。
次に、用紙Pは、帯電ロール32により搬送ベルト28に静電吸着され、搬送ベルト28の回転により記録ヘッド30の下方へ搬送される。
次に、用紙Pは、記録ヘッド30により、インクが吐出(付与)され、目的とする画像が記録される。
次に、用紙Pに付与されたインクに対して、赤外線照射装置50により赤外線が照射されると、インク中の赤外線吸収剤が赤外線の一部を吸収して発熱し、インクの温度を上昇させる。この結果、インク中の水分量が蒸発により低減し、インク乾燥する。
次に、インク(インクによる画像)が固定化(形成)された用紙Pは、排出経路36を経由し、排紙容器40に排出される。
このようにして、本実施形態に係る記録装置12では、インク(インクによる画像)が固定化(形成)された用紙Pが得られる。
上記実施形態に係る記録装置12では、各色のインクに対して、一括して赤外線照射装置50による赤外線を照射して用紙P上のインクを乾燥するため、設備コストが低減され易くなる利点がある。
以下に、他の実施形態に係る記録装置について説明する。
図3は、他の実施形態に係るインクジェット記録装置12A(記録装置の一例)を示す概略構成図である。以下の説明では、上記実施形態に係る記録装置12と同一のものには同一符号を付し、重複する説明は省略する。
インクジェット記録装置12A(以下、単に「記録装置12A」とも称する)では、例えば、図3に示すように、各色の記録ヘッド30Y,30M,30C,30K毎に、その下流側に赤外線照射装置50Y,50M,50C,50K(赤外線照射手段の一例)が配置され、4つの赤外線照射装置50Y,50M,50C,50Kでインク乾燥装置60Aを構成している。
記録装置12Aの動作について説明する。
記録装置12Aでは、記録ヘッド30の下方へ搬送された用紙Pに対し、各色の記録ヘッド30Y,30M,30C,30K毎にインクを吐出した後、吐出されたインク毎に赤外線照射装置50Y,50M,50C,50Kにより赤外線を照射してインクの乾燥を行う。
上記実施形態に係る記録装置12Aでは、用紙P上に吐出されたインク毎に赤外線を照射してインクの乾燥を行うため、インク滲みや他色のインクとの混色が抑制され易い利点がある。
なお、赤外線を照射する形態は、上述の形態に限定されない。例えば、少なくとも2以上の記録ヘッドのまとまり毎に、その下流側に赤外線照射装置(照射手段の一例)を配置し、吐出されたインクのまとまり毎に赤外線照射装置により赤外線を照射してもよい。赤外線を照射する形態は、上述の形態を組み合わせたものであってもよい。
また、各記録ヘッドと各赤外線照射装置とを、例えば筐体に組み込んで記録・乾燥複合ヘッドとし、各記録・乾燥複合ヘッド毎にインクの吐出、赤外線の照射及びインクの乾燥を行ってもよい。
また、上記実施形態に係る記録装置12,12Aでは、例えば、赤外線照射装置50,50Kの下流側に、別途インクを乾燥する乾燥手段(ヒーター、熱風、加熱ドラム等)を配置し、赤外線照射装置50,50Kと共に、前記乾燥手段により、用紙P上に吐出されたインクを乾燥してもよい。
また、インクとして光硬化型のインクを用いた場合、例えば赤外線照射装置50,50Kの下流側に、光照射装置(例えば紫外線照射装置)を配置してもよい。
また、上記実施形態は、限定的に解釈されるものではなく、本発明の要件を満足する範囲内で実現可能であることは、言うまでもない。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
<赤外線吸収剤の合成>
・化合物(A6)の合成
下記のスキームに従って化合物(A6):(一般式(I)におけるR乃至Rがt−ブチル基である化合物)を合成した。
3口フラスコにDean−Starkトラップ、還流冷却管、攪拌シール及び攪拌棒を設置し、反応容器とした。反応容器に2,2,8,8−テトラメチル−3,6−ノナジイン−5−オールとシクロヘキサンを入れた。酸化マンガン(IV)の粉末を加え、スリーワンモータで攪拌し、加熱還流させた。反応中にできた水を共沸蒸留により除去した。薄層クロマトグラフィーで2,2,8,8−テトラメチル−3,6−ノナジイン−5−オールの残存がないことを確認した。反応混合物を放冷後、減圧濾過し、黄色の濾液(F1)を得た。濾過で得られた固体を別の容器に移して酢酸エチルを添加し、超音波分散して濾過する作業を4回繰り返し、酢酸エチル抽出液(F2)を得た。酢酸エチル抽出液(F2)と濾液(F1)とを混合し、ロータリーエバポレータ次いで真空ポンプで濃縮し、オレンジ色に着色した液体を得た。オレンジ色に着色した液体を減圧蒸留し、淡黄色液体(中間体1)を得た。
3口フラスコに温度計、滴下ロートを設置し、反応容器とした。エタノールに一硫化水素ナトリウムn水和物を加え、室温(20℃)で溶解するまで攪拌した後、氷水で冷却した。内温が5℃になったところで、中間体1とエタノールの混合液を少しずつ滴下した。滴下により液が黄色からオレンジ色に変化した。発熱により内温が上昇するため、滴下量を調整しながら、内温5℃以上7℃以下の範囲で滴下した。その後、氷水バスを外し、室温(20℃)で自然昇温させながら攪拌した。反応液に水を投入し、ロータリーエバポレータでエタノールを除去した。その後、飽和するまで食塩を加え、酢酸エチルで分液して有機相を回収した。有機相を飽和塩化アンモニウムで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥後、減圧濃縮し、茶色の液体を回収した。この茶色の液体を減圧蒸留した。200℃から留分が出始めるが、初留成分は含まれないため、蒸気量が増えたところで本留とした。黄色液体(中間体2)が蒸留された。
3口フラスコに攪拌棒と中間体2とを入れ、窒素導入管および還流冷却器を付け、窒素置換した。窒素雰囲気下、無水テトラヒドロフランを注射器で加え、室温下(20℃)で攪拌しながら臭化メチルマグネシウムの1Mテトラヒドロフラン(THF)溶液を注射器で滴下した。滴下終了後、この反応液を加熱攪拌し、還流させた。窒素雰囲気下、反応液を放冷後、氷水浴にて冷却しながら、臭化アンモニウムを水に溶かした溶液を滴下した。反応混合物をさらに室温(20℃)にて攪拌した後、n−ヘキサンを加え、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、n−ヘキサン/THF溶液を注射筒で取出し、無機層を酢酸エチルで洗浄し抽出液を得た。n−ヘキサン/THF溶液と無機層からの抽出液とを混合し、減圧濃縮後真空乾燥し、中間体3を得た。
窒素雰囲気下、中間体3及びスクアリン酸を、シクロヘキサンとイソブタノールとの混合溶媒に分散し、ピリジンを加えて加熱還流させた。その後、イソブタノールを追加し、反応混合物をさらに加熱還流させた。反応中に生じた水を共沸蒸留により除去した。反応混合物を放冷後、減圧濾過し、難溶物を除去した。濾液をロータリーエバポレータで濃縮した。残渣にメタノールを添加し、40℃に加熱後、−10℃に冷却した。濾過にて結晶を得て、これを真空乾燥し、化合物(A6)を得た。なお、化合物(A6)は、一般式(I)で表される化合物(スクアリリウム化合物)の例示化合物(I−a−1)と同じ化合物である。
・化合物(A1)の合成
前記化合物(A6)の合成において、中間体1の代わりに、中間体1の2つのt−ブチル基の一方をn−プロピル基とした中間体(以下、中間体1−2と称す)を使用したこと以外は同様の手順で、化合物(A1):(一般式(I)におけるR乃至Rがn−プロピル基である化合物)を合成した。
なお、中間体1−2は、既述の「R及びRが同じ構造かつR及びRが同じ構造の化合物」の合成方法(スキーム2)における中間体A’に相当する。中間体1−2の合成は、前記スキーム2に従い、Rがt−ブチル基である出発物質2と、Rがn−プロピル基である添加物質2とを用いて合成した。なお、化合物(A1)は、一般式(I)で表される化合物(スクアリリウム化合物)の例示化合物(I−d−1)と同じ化合物である。
・化合物(A2)の合成
前記化合物(A1)の合成において、n−プロピル基の代わりに、n−ペンチル基を使用したこと以外は同様の手順で、化合物(A2):(一般式(I)におけるR乃至Rがn−ペンチル基である化合物)を合成した。なお、化合物(A2)は、一般式(I)で表される化合物(スクアリリウム化合物)の例示化合物(I−d−2)と同じ化合物である。
・化合物(A3)の合成
前記化合物(A6)の合成において、2,2,8,8−テトラメチル−3,6−ノナジイン−5−オールの代わりに2,10−ジメチル−4,7−ウンデカジイン−6−オールを使用したこと以外は同様の手順で、化合物(A3):(一般式(I)におけるR乃至Rがi−ブチル基である化合物)を合成した。なお、化合物(A3)は、一般式(I)で表される化合物(スクアリリウム化合物)の例示化合物(I−a−5)と同じ化合物である。
(同定データ)
H−NMRスペクトル(CDCl):
9.1(2H)、6.8(2H)、6.1(2H)、2.4〜2.6(8H)、1.8〜2.0(4H)、0.8〜1.0(24H)
・質量スペクトル(FD):m/z=523
・化合物(A4)の合成
前記化合物(A6)の合成において、2,2,8,8−テトラメチル−3,6−ノナジイン−5−オールの代わりに2,12−ジメチル−5,8−トリデカジイン−7−オールを使用したこと以外は同様の手順で、化合物(A4):(一般式(I)におけるR乃至Rがi−ペンチル基である化合物)を合成した。なお、化合物(A4)は、一般式(I)で表される化合物(スクアリリウム化合物)の例示化合物(I−a−6)と同じ化合物である。
(同定データ)
H−NMRスペクトル(CDCl):
9.1(2H)、6.8(2H)、6.1(2H)、2.5〜2.7(8H)、1.4〜1.7(12H)、0.7〜1.1(24H)
・質量スペクトル(FD):m/z=579
・化合物(A5)の合成
前記化合物(A6)の合成において、2,2,8,8−テトラメチル−3,6−ノナジイン−5−オールの代わりに2,2,10,10−テトラメチル−4,7−ウンデカジイン−6−オールを使用したこと以外は同様の手順で、化合物(A5):(一般式(I)におけるR乃至Rがt−ペンチル基である化合物)を合成した。なお、化合物(A5)は、一般式(I)で表される化合物(スクアリリウム化合物)の例示化合物(I−a−2)と同じ化合物である。
・比較化合物(B1)の合成
前記化合物(A6)の合成において、2,2,8,8−テトラメチル−3,6−ノナジイン−5−オールの代わりにヘプタデカ−7,10−ジイン−9−オールを使用したこと以外は同様の手順で、化合物(B1):(一般式(I)におけるR乃至Rがn−ヘキシル基である化合物)を合成した。
・比較化合物(B2)の合成
前記化合物(A6)の合成において、2,2,8,8−テトラメチル−3,6−ノナジイン−5−オールの代わりにトリデカ−5,8−ジイン−7−オールを使用したこと以外は同様の手順で、化合物(B2):(一般式(I)におけるR乃至Rがn−ブチル基である化合物)を合成した。
[実施例1]
<赤外線吸収剤分散液(1)の作製>
赤外線吸収剤として、前記化合物(A1)のスクアリリウム化合物20mgを秤量し、フラスコに入れた。その後、テトラヒドロフラン(THF)2mlを加え、撹拌子を入れて撹拌した。
次いで、末端にカルボン酸を有するアクリルポリマー混合体(D1樹脂)のメチルエチルケトン(MEK)50質量%溶液4gを加え、MEK4mlを更に加えて撹拌し、混合した。その後、水酸化ナトリウムの10質量%水溶液を、アクリルポリマー混合体(D1樹脂)に含まれるカルボン酸の総量の0.7当量を中和するように、撹拌しながら加えた。
中和が終了したら、撹拌を続けながら水6mlを添加した。
水を加えた後に溶液が均一に近い状態になったら、フラスコに蒸留管と減圧ポンプを付け、30℃以上35℃以下となるように溶液を加熱して撹拌しながら減圧し、有機溶媒を揮発させ留去した。
添加してあるTHFとMEKの総量にあたる6gの有機溶媒が揮発したら、留去を停止した。これにより、赤外線吸収剤として、化合物(A1)を0.25質量%含有する赤外線吸収剤分散液(以下、「IR分散液」と称する)(1)を得た。
<インクの作製>
−イエローインクの作製−
IR分散液(1)と、表1に示す組成を有する顔料インク(イエロー)(2800 Inkjet Color Continuous Feed Printing System:富士ゼロックス社製)とを、質量比1:4で混合撹拌し、超音波分散機で更に分散させ、実施例1のイエローインクを作製した。
−マゼンタインクの作製−
顔料インクとして、表2に示す組成を有する顔料インク(マゼンタ)(2800 Inkjet Color Continuous Feed Printing System:富士ゼロックス社製)を使用した以外はイエローインクと同様にして、実施例1のマゼンタインクを作製した。
−シアンインクの作製−
顔料インクとして、表3に示す組成を有する顔料インク(シアン)(2800 Inkjet Color Continuous Feed Printing System:富士ゼロックス社製)を使用した以外はイエローインクと同様にして、実施例1のシアンインクを作製した。
[実施例2〜6、比較例1、2]
表4に従って、赤外線吸収剤(スクアリリウム化合物)の種類を変更した以外は、実施例1と同様にして、各例のIR分散液を得た。その後、実施例1と同様にして、各例のイエローインク、マゼンタインク、シアンインクを作製した。
[評価1]
<赤外線吸収量の低下率>
各例で得られたイエローインク、マゼンタインク、シアンインクを用いて、以下のようにして、赤外線吸収量の低下率を評価した。
−保管前の赤外線吸収率−
各例で得られたイエローインク、マゼンタインク、シアンインクについて、赤外線分光光度計(型番U−4100:日立製作所社製)を用い、波長818nmにおける保管前の赤外線吸収率を測定した。
−保管後の赤外線吸収率−
次に、各例で得られたイエローインク、マゼンタインク、シアンインクを長期間(60℃で1カ月)保管した後、保管前の赤外線吸収率の測定方法と同様にして、保管後の赤外線吸収率を測定した。
−赤外線吸収率の低下率−
保管前及び保管後に得られた赤外線吸収率から、以下の式により赤外線吸収量の低下率を算出した。
赤外線吸収量の低下率(%)=((保管前の赤外線吸収率−保管後の赤外線吸収率)/保管前の赤外線吸収率)×100
算出した値から、以下の評価基準により赤外線吸収量の低下率を評価した。なお、G3までが許容できるものである。結果を表4に示す。
−評価基準−
G1(◎):15%未満
G2(○):50%未満
G3(△):70%未満
G4(×):90%以上
上記表4中の略記号は、以下の意味を示す。
・n−Pr:n−プロプル基
・n−Bu:n−ブチル基
・i−Bu:イソブチル基
・t−Bu:ターシャリーブチル基
・n−Pen:n−ペンチル基
・i−Pen:イソペンチル基
・t−Pen:ターシャリーペンチル基
・n−Hex:n−ヘキシル基
表4に示すように、本実施例は、比較例に比べ、赤外線吸収量の低下率が低いことがわかる。
スクアリリウム化合物が有する4つのアルキル基のうち、4つ共、末端が分岐アルキル基である実施例3〜実施例6(化合物A3〜A6)は、2つが分岐アルキル基である実施例1(化合物A1)及び実施例2(化合物A2)に比べ、赤外線吸収量の低下率がより低いことがわかる。
スクアリリウム化合物が有する4つのアルキル基のうち、4つ共、末端がターシャリーの分岐アルキル基である実施例5(化合物A5)及び実施例6(化合物A6)は、4つ共、末端がイソブチル基である実施例3(化合物A3)及びイソペンチル基である実施例4(化合物A4)に比べ、赤外線吸収量の低下率がより低いことがわかる。
また、スクアリリウム化合物が有する4つのアルキル基のうち、4つ共、末端がターシャリーブチル基である実施例6(化合物A6)は、4つ共、末端がターシャリーペンチル基である実施例5(化合物A5)に比べ、赤外線吸収量の低下率がさらに低いことがわかる。
なお、比較例1、2のイエローインク、マゼンタインク、シアンインクについては、長期間(60℃で1カ月)保管した後、各色インク中に含まれる赤外線吸収剤の構造解析を行った。赤外線吸収剤の構造解析は、質量分析器を検出器としたガスクロマトグラフィー装置(島津製作所社製GCMS QP2010/フロンティアラボ社製Py2020id)を用いて行った。
この結果、比較例1、2のイエローインク、マゼンタインク、シアンインク中に含まれる化合物(B1)及び化合物(B2)のいずれも、中央に位置するスクアリン酸由来の4員環と、この4員環の一方に二重結合を介して結合するチオピリリウムイオンとの間の結合が切れており、2種類の分解生成物に分解されていることが確認された。
[実施例7、8]
実施例6で作製したIR分散液と、表1〜表3で作製した顔料インク(イエロー、マゼンタ、シアン)とを、表5に示した質量比で混合撹拌し、超音波分散機で更に分散させ、実施例7、8の各色インクを作製した。
[実施例9、10]
実施例6で作製したIR分散液と、実施例6で作製したIR分散液の赤外線吸収剤A6の濃度が各色インク中で表6に示したようになるように水及び有機溶剤量を調整した顔料インクとを混合撹拌し、超音波分散機で更に分散させ、実施例9、10の各色インクを作製した。
[評価2]
<吸収スペクトルの評価>
実施例6及び実施例7〜10で得られた各色インク(水性インク:イエローインク、マゼンタインク、及びシアンインク)について、日本分光株式会社製の分光光度計V−560を使用して、以下の方法でインクの吸収スペクトルを評価した。
各色インクに対し、そのインクの作製で使用した水(蒸留水)を希釈液として加えたものを評価サンプルとした。
光路長1cmの石英ガラスセルを用い、評価サンプルをサンプル側にセットし、そのインクの作製で使用した水(蒸留水)をリファレンス側にセットした。希釈倍率は、装置で測定される吸光度が0.5以上4以下になるように調整した。
各色インクを用いて、赤外領域(780nm以上980nm以下)の波長において、1nm刻みで各波長での吸光度を測定した。そして、以下の計算式によりインク1gあたりの吸光係数を波長ごとに算出し、吸光係数が最大となったときの波長及び最大吸光係数を求めた。結果を表5及び表6に示す。
式:インク1gあたりの吸光係数 = 測定吸光度 × 希釈倍率
<定着性の評価>
図1に示した記録装置で、記録紙(OKトップコート+紙、王子製紙(株)社製)上に記録を行った。単色ソリッドパッチの光学濃度が、シアン、マゼンタ、イエローについてそれぞれ1.5、1.5、1.2となるようにした。上記記録を行った面の上に記録していない別の記録紙(OKトップコート+紙、王子製紙(株)社製)を重ね、100g/cmの重りをのせ、60℃で保管し一日(24時間)経過後に、重ねた記録紙上に色移りがあるか確認した。評価基準は以下の通りである。結果を表5及び表6に示す。
−評価基準−
G1(○) : 色移りが分からない。
G2(△) : よく見ると色移りしている。
G3(×) : すぐに色移りが確認できる。
<色むらの評価>
上記記録紙(OKトップコート+紙、王子製紙(株)社製)上に記録されたインクを観察して、IR吸収剤分散液を混ぜない通常のインクに対する色むらを評価した。評価基準は以下の通りである。結果を表5及び表6に示す。
−評価基準−
G1(○) : 目視上差がない。
G2(△) : よく見ると差がある。
G3(×) : 明らかな差がある。
表5、表6に示すように、実施例6、8、9の水性インク(イエローインク、マゼンタインク、シアンインク)は赤外領域の波長において、いずれも最大吸光係数が10L/(g・cm)以上30,000L/(g・cm)以下となり、そのときの波長が780nm以上980nm以下となった。
そして、実施例6、8、9の水性インク(好ましくは実施例6の水性インク)を用いることで定着性に優れ、色むらが抑制された画像、すなわち、明度の低下及び色相の変化が抑制された画像が得られる傾向があることがわかる。
これは、実施例6、8、9の水性インク(好ましくは実施例6の水性インク)に含まれる赤外線吸収剤がわずかに持つ可視光領域での吸収が抑制されたためと考えられる。
12,12A インクジェット記録装置 14 筐体 16 給紙容器 18 取り出しロール 20 搬入ローラ対 22 搬入経路 24 駆動ロール 26 従動ロール 28 搬送ベルト 30,30Y,30M,30C,30K 記録ヘッド 31,31Y,31M,31C,31K インクカートリッジ 32 帯電ロール 34 剥離板 36 排出経路 38 排出ローラ対 40 排紙容器 50,50Y,50M,50C,50K 赤外線照射装置 60,60A インク乾燥装置 P 用紙

Claims (13)

  1. 着色剤と、
    赤外線吸収剤として、下記一般式(I)で表される化合物と、
    水系溶媒と、
    を含む水性インク。


    (一般式(I)中、Rは一般式(I−R)で表される基を、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基を表す。
    一般式(I−R)中、Rは水素又はメチル基を、eは0以上3以下の整数を表す。)
  2. 前記一般式(I)におけるR、R及びRの少なくとも1つが前記一般式(I−R)で表される基である請求項1に記載の水性インク。
  3. 前記一般式(I)におけるR、R及びRの全てが前記一般式(I−R)で表される基である請求項2に記載の水性インク。
  4. 前記一般式(I−R)におけるRがメチル基である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の水性インク。
  5. 前記一般式(I−R)におけるeが0である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の水性インク。
  6. 780nm以上980nm以下の波長において、1nm刻みに測定した各波長での水性インク1gあたりの吸光係数のうち、少なくとも1波長での吸光係数が10L/(g・cm)以上30,000L/(g・cm)以下の範囲である請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の水性インク。
  7. 前記1波長での吸光係数が、100L/(g・cm)以上3,000L/(g・cm)以下の範囲である請求項6に記載の水性インク。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の水性インクを収容したインクカートリッジ。
  9. 記録媒体に付与された、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の水性インクに対して、780nm以上980nm以下の波長の赤外線を照射する工程を有するインク乾燥方法。
  10. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の水性インクを記録媒体に付与する工程と、
    前記記録媒体に付与された前記水性インクに対して、780nm以上980nm以下の波長の赤外線を照射する工程と、
    を有する記録方法。
  11. 着色剤と、赤外線吸収剤として、下記一般式(I)で表される化合物と、水系溶媒と、を含む水性インクであって、記録媒体に付与された前記水性インクに対して、780nm以上980nm以下の波長の赤外線を照射する手段を有するインク乾燥装置。


    (一般式(I)中、Rは一般式(I−R)で表される基を、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基を表す。
    一般式(I−R)中、Rは水素又はメチル基を、eは0以上3以下の整数を表す。)
  12. 前記水性インクは、780nm以上980nm以下の赤外線領域において、1nm刻みに測定した各波長での水性インク1gあたりの吸光係数のうち、吸光係数が最大となる波長が780nm以上980nm以下である請求項11に記載のインク乾燥装置。
  13. 前記水性インクを記録媒体に付与する付与手段と、
    前記付与手段の前記記録媒体の搬送方向の下流側に、請求項11又は請求項12に記載のインク乾燥装置を有する記録装置。
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