JP2013129123A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】色再現域が広く、光沢度が高く、ざらつきが抑制された多次色の画像を形成できる画像形成方法を提供する。
【解決手段】記録媒体上に、顔料、重合性化合物、及び重合開始剤を含む第1のインク組成物をインクジェット法により付与する第1のインク付与工程と、前記記録媒体上に付与された第1のインク組成物にプラズマを照射して該第1のインク組成物の表面を硬化させるプラズマ照射工程と、前記プラズマの照射により表面が硬化された第1のインク組成物上に、顔料、重合性化合物、及び重合開始剤を含み前記第1のインク組成物とは色相が異なる第2のインク組成物をインクジェット法により付与する第2のインク付与工程と、前記記録媒体上に付与された、少なくとも前記第1のインク組成物及び前記第2のインク組成物を含む複数色のインク組成物に紫外線を照射して該複数色のインク組成物を硬化させる紫外線照射工程と、を有する画像形成方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、画像形成方法に関する。
インクジェット技術は、オフィスプリンタ、ホームプリンタ等の分野においてカラー画像を記録する画像記録技術に適用されている。
画像記録の際にインクを硬化させる方法に関し、これまでに種々の検討がなされている。
例えば、印刷用インク等の組成物の硬化方法として、(a)少なくとも1個のフリーラジカル重合性化合物、(b)酸の作用下で、重合反応、重縮合反応、または重付加反応を開始することができる少なくとも1個の化合物、(c)塩基の作用下で、重合反応、重縮合反応、または重付加反応を開始することができる少なくとも1個の化合物、成分(a)および成分(b)の混合物、または、成分(a)および成分(c)の混合物、ならびに(d)プラズマ放電により活性化可能な少なくとも1個の光潜在性化合物、を含む組成物を三次元基材へ付与し、付与された組成物をプラズマ放電室で硬化する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、インクの付与量およびスジむらを抑制できる着色物の製造方法として、インク付与面に、プラズマ処理、コロナ処理、フレーム処理よりなる群から選択される濡れ性向上化処理を行う工程、該処理面にインクジェット方式により紫外線硬化型インクを付与する工程、および、付与された紫外線硬化型インクに紫外線を照射する工程を、繰り返して行う着色物の製造方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、高速かつ高精彩な印字を行うことができるインクジェット記録方法として、少なくとも、水と、光によってラジカル重合する重合性物質と、光の作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤と、色材を含有するインクと、該インク中の色材のみを凝集させる反応液をもつインクジェット記録方法において、被記録材上で、反応液と色材との凝集反応を経た後に、UV(紫外線)を照射し、被記録材との密着性を向上させるインクジェット記録方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
特表2005−52803号公報 特開2008−207528号公報 特開2010−274476号公報
しかしながら、顔料、重合性化合物、及び重合開始剤を含む硬化型インクを少なくとも2色重ねて多次色の画像を形成すると、形成された画像の色再現域が狭くなる場合や、画像の光沢度が低下する場合、画像のざらつきが発生する場合がある。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、色再現域が広く、光沢度が高く、ざらつきが抑制された多次色の画像を形成できる画像形成方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 記録媒体上に、顔料、重合性化合物、及び重合開始剤を含む第1のインク組成物をインクジェット法により付与する第1のインク付与工程と、前記記録媒体上に付与された第1のインク組成物にプラズマを照射して該第1のインク組成物の表面を硬化させるプラズマ照射工程と、前記プラズマの照射により表面が硬化された第1のインク組成物上に、顔料、重合性化合物、及び重合開始剤を含み前記第1のインク組成物とは色相が異なる第2のインク組成物をインクジェット法により付与する第2のインク付与工程と、前記記録媒体上に付与された、少なくとも前記第1のインク組成物及び前記第2のインク組成物を含む複数色のインク組成物に紫外線を照射して該複数色のインク組成物を硬化させる紫外線照射工程と、を有する画像形成方法。
<2> 前記第1のインク組成物及び前記第2のインク組成物が、更に、水を含む<1>に記載の画像形成方法。
<3> 前記第1のインク付与工程の前に、前記記録媒体上に、少なくとも前記第1のインク組成物及び前記第2のインク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含む処理液を付与する処理液付与工程を有する<1>又は<2>に記載の画像形成方法。
<4> 前記第1のインク組成物及び前記第2のインク組成物が、前記重合性化合物として、下記一般式(1)で表される化合物を含む<1>〜<3>のいずれか1つに記載の画像形成方法。
〔一般式(1)中、Qはn価の基を表し、Rは水素原子またはメチル基を表す。また、nは1以上の整数を表す。〕
<5> 前記記録媒体が、原紙と無機顔料を含むコート層とを有する塗工紙である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の画像形成方法。
本発明によれば、色再現域が広く、光沢度が高く、ざらつきが抑制された多次色の画像を形成できる画像形成方法を提供することができる。
本発明の画像形成方法に好適なインクジェット記録装置の一例を示す概略構成図である。
本発明の画像形成方法は、記録媒体上に、顔料、重合性化合物、及び重合開始剤を含む第1のインク組成物をインクジェット法により付与する第1のインク付与工程と、前記記録媒体上に付与された第1のインク組成物にプラズマを照射して該第1のインク組成物の表面を硬化させるプラズマ照射工程と、前記プラズマの照射により表面が硬化された第1のインク組成物上に、顔料、重合性化合物、及び重合開始剤を含み前記第1のインク組成物とは色相が異なる第2のインク組成物をインクジェット法により付与する第2のインク付与工程と、前記記録媒体上に付与された、少なくとも前記第1のインク組成物及び前記第2のインク組成物を含む複数色のインク組成物に紫外線を照射して該複数色のインク組成物を硬化させる紫外線照射工程と、を有する。本発明の画像形成方法は、必要に応じ、その他の工程を有していてもよい。
本発明では「インク組成物」を単に「インク」ということがある。
本発明の画像形成方法は、上述のとおり、記録媒体上に、少なくとも前記第1のインク組成物と前記第2のインク組成物と(必要に応じ、その他のインク組成物の少なくとも1種と)を重ねて付与し、多次色(例えば2〜4次色)の画像を形成する方法である。
本発明者の検討により、顔料、重合性化合物、及び重合開始剤を含む硬化型インクを少なくとも2色重ねて記録媒体上に付与して多次色の画像を形成すると、形成された画像の色再現域が狭くなる場合や、画像の光沢度が低下する場合、画像のざらつきが発生する場合があることが明らかとなった。
これに対し、本発明では、前記第1のインク組成物にプラズマを照射して該第1のインク組成物の表面を硬化させ、硬化した表面上に前記第2のインク組成物を付与する構成により、多次色の画像の色再現域が狭くなる現象が抑制されて光沢度が向上するとともに、画像のざらつきが抑制される。
ここで、多次色の画像の色再現域が狭くなる現象が抑制されて光沢度が向上する理由は明らかではないが、上記構成により、第1のインク組成物上に付与された第2のインク組成物の発色を好適に維持できるため、と推測される。また、画像のざらつきが抑制される理由は明らかではないが、上記構成により、第1のインク組成物上に付与された第2のインク組成物の着弾干渉(液滴の合一など)を抑制できるため、と推測される。
上記構成において、第1のインク組成物に対するプラズマの照射を行わない場合、形成された多次色の画像の色再現域が狭くなり、光沢度が低下する。また、上記構成において、第1のインク組成物に対し、プラズマに代えて紫外線を照射した場合、多次色の画像のざらつきが発生する。
更に、本発明では、記録媒体上に付与された、少なくとも前記第1のインク組成物及び前記第2のインク組成物を含む複数色のインク組成物に紫外線を照射して該複数色のインク組成物を硬化させる構成により、画像のざらつきが更に抑制される。
以上により、本発明の画像形成方法によれば、色再現域が広く、光沢度が高く、ざらつきが抑制された多次色の画像を形成できる。更に、紫外線照射工程を有することにより、画像の耐擦過性をも向上させることができる。
以下、本発明の画像形成方法の各工程について説明する。
<第1のインク付与工程>
本発明における第1のインク付与工程は、記録媒体上に、顔料、重合性化合物、及び重合開始剤を含む第1のインク組成物をインクジェット法により付与する工程である。
前記第1のインク組成物は、顔料、重合性化合物、及び重合開始剤を含む硬化性のインク組成物である。第1のインク組成物は更に水を含むこと、即ち、水性の硬化性のインク組成物であることが好ましい。第1のインク組成物に含まれる各成分の詳細については後述する。
前記インクジェット法については、特に制限はなく、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等のいずれであってもよい。前記インクジェット法としては、特に、特開昭54−59936号公報に記載の方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させるインクジェット法を有効に利用することができる。
尚、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
また、インクジェット法で用いるインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを具体的な例として挙げることができるが、いずれの吐出方式を用いても構わない。
尚、前記インクジェット法により記録を行う際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
インクジェット記録方法の具体例を以下に示す。
インクジェット記録方法として、(1)静電吸引方式とよばれる方法がある。静電吸引方式は、ノズルとノズルの前方に配置された加速電極との間に強電界を印加し、ノズルから液滴状のインクを連続的に噴射させ、そのインク滴が偏向電極間を通過する間に印刷情報信号を偏向電極に与えることによって、インク滴を記録媒体上に向けて飛ばしてインクを記録媒体上に定着させて画像を記録する方法、又はインク滴を偏向させずに、印刷情報信号に従ってインク滴をノズルから記録媒体上にむけて噴射させることにより画像を記録媒体上に定着させて記録する方法である。また、(2)小型ポンプによってインク液に圧力を加えるとともに、インクジェットノズルを水晶振動子等によって機械的に振動させることによって、強制的にノズルからインク滴を噴射させる方法がある。ノズルから噴射されたインク滴は、噴射されると同時に帯電され、このインク滴が偏向電極間を通過する間に印刷情報信号を偏向電極に与えてインク滴を記録媒体に向かって飛ばすことにより、記録媒体上に画像を記録する方法である。次に、(3)インク液に圧電素子によって圧力と印刷情報信号を同時に加え、ノズルからインク滴を記録媒体に向けて噴射させ、記録媒体上に画像を記録する方法(ピエゾ)、(4)印刷信号情報にしたがって微小電極を用いてインク液を加熱して発泡させ、この泡を膨張させることによってインク液をノズルから記録媒体に向けて噴射し、記録媒体上に画像を記録する方法(バブルジェット(登録商標))がある。
インクジェットヘッドとしては、短尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを記録媒体の幅方向に走査させながら記録を行なうシャトル方式と、記録媒体の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いたライン方式とがある。ライン方式では、記録素子の配列方向と直交する方向に記録媒体を走査させることで記録媒体の全面に画像記録を行なうことができ、短尺ヘッドを走査するキャリッジ等の搬送系が不要となる。また、キャリッジの移動と記録媒体との複雑な走査制御が不要になり、記録媒体だけが移動するので、シャトル方式に比べて記録速度の高速化が実現できる。
本発明の画像形成方法は、これらのいずれにも適用可能であるが、一般にダミージェットを行なわないライン方式に適用した場合に、本発明による色再現性拡大等の効果が大きい。
インクジェットヘッドから吐出されるインクの液滴量としては、高精細な画像を得る観点で、1〜10pl(ピコリットル)が好ましく、1.5〜6plがより好ましい。また、画像のムラ、連続諧調のつながりを改良する観点で、異なる液適量を組み合わせて吐出することも有効であり、このような場合でも本発明は好適に使用できる。
(記録媒体)
前記記録媒体としては特に制限はないが、一般のオフセット印刷などに用いられる、いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする一般印刷用紙を用いることができる。セルロースを主体とする一般印刷用紙は、水性インクを用いた一般のインクジェット法による画像記録においては比較的インクの吸収、乾燥が遅く、打滴後に色材移動が起こりやすく、画像品質が低下しやすいが、本発明の画像形成方法によると、色材移動を抑制して色濃度、色相に優れた高品位の画像の記録が可能である。
前記記録媒体としては、一般に市販されているものを使用することができ、例えば、王子製紙(株)製の「OKプリンス上質」、日本製紙(株)製の「しらおい」、及び日本製紙(株)製の「ニューNPI上質」等の上質紙(A)、王子製紙(株)製の「OKエバーライトコート」及び日本製紙(株)製の「オーロラS」等の微塗工紙、王子製紙(株)製の「OKコートL」及び日本製紙(株)製の「オーロラL」等の軽量コート紙(A3)、王子製紙(株)製の「OKトップコート+」及び日本製紙(株)製の「オーロラコート」等のコート紙(A2、B2)、王子製紙(株)製の「OK金藤+」及び三菱製紙(株)製の「特菱アート」等のアート紙(A1)等が挙げられる。また、インクジェット記録用の各種写真専用紙を用いることも可能である。
前記記録媒体の中でも、一般のオフセット印刷などに用いられるいわゆる塗工紙が好ましい。塗工紙は、セルロースを主体とした一般に表面処理されていない上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗布してコート層を設けたものである。塗工紙は、通常のインクジェットによる画像形成においては、画像の光沢や擦過耐性など、品質上の問題を生じやすいが、本発明の画像形成方法では、光沢性、耐擦過性の良好な画像を得ることができる。
また、前述のとおり、従来の画像形成方法において、硬化型インクを少なくとも2色重ねて記録媒体上に付与して多次色の画像を形成すると、形成された画像の色再現域が狭くなる場合や、画像の光沢度が低下する場合、画像のざらつきが発生する場合がある。この傾向は、記録媒体として塗工紙を用いた場合に特に顕著である。
従って、前記記録媒体が塗工紙である場合には、本発明による効果(色再現域の拡大、光沢度の向上、及びざらつきの抑制)がより効果的に奏される。
前記塗工紙の中でも、特に、原紙と無機顔料を含むコート層とを有する塗工紙が好ましく、原紙とカオリン及び/又は重炭酸カルシウムを含むコート層とを有する塗工紙がより好ましい。具体的には、アート紙、コート紙、軽量コート紙、又は微塗工紙が特に好ましい。
<プラズマ照射工程>
本発明におけるプラズマ照射工程は、第1のインク付与工程で記録媒体上に付与された第1のインク組成物にプラズマを照射して該第1のインク組成物の表面を硬化させる工程である。
本工程では、プラズマの照射により、第1のインク組成物の表面における重合性化合物が重合し、該表面が硬化する。
本工程において、プラズマによる重合では、プラズマに含まれる活性種(例えばラジカル)が前記第1のインク組成物表面に付着し、該表面から重合(例えばラジカル重合)が開始される。このため、本工程におけるプラズマの照射により、記録媒体上に付与された第1のインク組成物の少なくとも表面を硬化させることができる。
本工程では、本発明の効果をより効果的に奏する観点より、プラズマの照射により、第1のインク組成物の表面から少なくとも深さ10〜100nmまでの領域(好ましくは、表面から少なくとも深さ20〜50nmまでの領域)を硬化させることが好ましい。
また、本工程では、本発明の効果をより効果的に奏する観点より、第1のインク組成物の表面から深さ100nmよりも深い領域(第1のインク組成物の内部)は、硬化させないことが好ましい。
なお、本工程におけるプラズマの重合では表面での重合度が高いため、通常の大気下での重合(例えば紫外線照射による重合)において酸素による重合阻害により発生することがある、表面のタック性(粘着性)が抑制される。
本工程におけるプラズマとしては特に限定はないが、大気圧近傍の圧力下で生成された大気圧プラズマが好ましい。
前記大気圧プラズマとは、積極的な排気(減圧)を行わない環境下で生じるプラズマを指す。
前記「大気圧近傍の圧力」とは、70kPa以上130kPa以下の範囲を指し、好ましくは90kPa以上110kPa以下の範囲である。
前記大気圧プラズマとしては、例えば非平衡プラズマジェット、交流パルス放電による低温プラズマなどを用いることができる。
本工程において、プラズマ(例えば大気圧プラズマ)の生成に用いられる放電ガスとしては、大気等の混合ガスを用いることもできるが、不活性ガス(例えば、He、Ar等の希ガス、窒素ガス(N)等)を用いることが好ましく、HeまたはNがより好ましく、Nが特に好ましい。
放電ガスとして不活性ガスを用いた場合には、第1のインク組成物の表面における重合性化合物の重合がより効率よく開始され、より効率よく進行する。このため、酸素による重合阻害をより受け難く、第1のインク組成物の表面の硬化性がより向上する。
本工程におけるプラズマ照射の時間には特に限定はないが、本発明の効果をより効果的に奏する観点より、0.1秒〜30秒が好ましく、0.2秒〜20秒がより好ましく、0.5秒〜10秒が特に好ましい。
プラズマ照射の時間が0.1秒以上であると、第1のインク組成物の表面をより効率よく硬化させることができる。
プラズマ照射の時間が30秒以下であると、画像、紙面に対するダメージを少なくすることができ、ステインの発生、表面性質の変化を抑えることができる。
本工程におけるプラズマの照射は、公知のプラズマ装置を用いることができる。
プラズマ装置としては、例えば、公知の大気圧プラズマ装置を用いることができ、使用目的に応じ種々の変型例を用いることもできる。
大気圧プラズマ装置としては、例えば、誘電体で覆われた電極間に大気圧近傍の圧力の不活性気体を通じつつ間欠放電を行うことにより低温プラズマを発生させることができる装置等が好ましい。
より具体的には、特開2008−60115号公報において、基盤プラズマ処理に用いられる装置、特開2004−228136号公報に記載の常圧プラズマ装置、特開2006−21972号公報、特開2007−188690号公報、及び国際公開第2005/062338号パンフレット、国際公開第2007/024134号パンフレット、国際公開第2007/145513号パンフレットなどの明細書に記載のプラズマ装置などが挙げられる。
また、大気圧プラズマ装置は市販品としても入手可能であり、例えば、アリオス(株)のATMP−1000、株式会社ハイデン研究所の大気圧プラズマ装置、(株)魁半導体のS5000型大気圧低温プラズマジェット装置、(株)ウェルのMyPL100、ILP−1500、積水化学工業(株)のRD550など、現在上市されている大気圧プラズマ装置もまた好適に使用しうる。
中でも、プラズマの不均一な集中(ストリーマ)を避けてインク組成物へのダメージを軽減するために、例えば、国際公開第2005/062338号パンフレットおよび国際公開第2007/024134号パンフレットに記載された、放電部への通電をパルス制御素子経由で行なうなどの電気回路の工夫をした装置を用いることが好ましい。
また、本工程におけるプラズマの照射は、バッチ方式で行ってもよいし、他の工程(例えば、後述の図1におけるインク吐出部30やインク乾燥ゾーン15)とつなげてインライン方式で行ってもよい。
インライン方式の例としては、例えば国際公開第2009/096785号パンフレットに記載された例も好適である。
本工程におけるプラズマ照射の形態としては、第1のインク組成物表面へのダメージをより抑制するという観点から、プラズマ作用部位と放電部位とを離す形態や、放電回路の工夫によりプラズマの局所的集中(ストリーマ)の発生を抑制して均一なプラズマを発生させる形態が好ましい。
前者としては、放電により生じたプラズマを不活性ガスの気流により第1のインク組成物表面まで搬送して接触させる方式が好ましく、特にいわゆるプラズマジェット方式が好ましい。この場合、プラズマを含む不活性ガスを搬送する経路(導通管)は、ガラス、磁器、有機高分子などの誘電体であることが好ましい。
後者としては、国際公開第2005/062338号パンフレットおよび国際公開第2007/024134号パンフレットに記載の、パルス制御素子経由で誘電体により覆われた電極に通電することによりストリーマが抑制された均一なグロープラズマを発生させる方式が好ましい。
本工程におけるプラズマの照射は、例えば、ノズルから、プラズマを含む不活性ガスを第1のインク組成物に向けて放出することにより行うことができる。
この際、ノズルから第1のインク組成物表面までの距離は、0.01mm〜100mmであることが好ましく、1mm〜20mmであることがより好ましい。
また、本工程においては、プラズマの照射を行う領域(例えば、後述の図1におけるプラズマ照射部14)に、不活性ガスを十分に供給し、該領域を不活性ガスで充満させておくことも好ましい。具体的には、該領域に、プラズマ点灯以前から不活性ガスを流しておき、プラズマ消灯後にも不活性ガスを流し続けることが好ましい。これにより、重合反応時における酸素由来の化学種の取り込みをより減少させることができる。
プラズマ照射後の不活性ガスについては、プラズマの寿命が短時間であることから、特段の処理を行わず排気してもよいが、吸気口等により処理済みの不活性ガスを回収してもよい。
プラズマ照射時の温度には特に限定はないが、大気圧プラズマを照射することによってもたらされる温度上昇が小さい方が、第1のインク組成物のダメージを軽減できるので好ましい。前記プラズマの照射を行う領域をプラズマ発生装置から離間させることで、その効果がより向上する。
例えば、大気圧プラズマとして大気圧低温プラズマを選択して用いることで、プラズマからの熱エネルギーの供給を軽減でき、第1のインク組成物の温度上昇を抑制することができる。プラズマ照射されることによる第1のインク組成物の温度上昇は、50℃以下が好ましく、40℃以下がより好ましく、20℃以下が特に好ましい。
プラズマ照射時の温度は、プラズマ照射される第1のインク組成物中の材料の耐え得る温度以下であることが好ましく、一般的には、−196℃以上150℃未満が好ましく、−21℃以上100℃以下がより好ましい。特に好ましくは、環境温度雰囲気下である室温(25℃)近傍である。
本工程におけるプラズマ照射では、光重合(例えば紫外線による重合)や熱重合と異なり、大気中の酸素による重合阻害が抑制される。
従って、本工程でプラズマ照射された第1のインク組成物の表面には、高密度の架橋構造が形成され、かつ、表面の重合度が高くなっているので、後述する第2のインク組成物との界面において、第1のインク組成物−第2のインク組成物間の拡散/混合が抑制される。このため、本工程により、特に第2のインク組成物による発色が好適に維持されるので、多次色の画像の色再現域が広くなる。
また、プラズマ照射により、重合と同時に第1のインク組成物表面に、親水性基(カルボン酸、水酸基、ニトリル基、アミド基等(これらは、酸素分子、水分子、窒素分子、アンモニア分子に由来する)が導入される場合がある。このような親水性基が第1のインク組成物表面に導入された場合には、第2のインク組成物に対する濡れ性や、第2のインク組成物との密着性を向上させることができる。
<第2のインク付与工程>
本発明における第2のインク付与工程は、前記プラズマ照射工程において表面が硬化された第1のインク組成物の該表面上に(該第1のインク組成物の少なくとも一部と重なるようにして)、顔料、重合性化合物、及び重合開始剤を含み前記第1のインク組成物とは色相が異なる第2のインク組成物をインクジェット法により付与する工程である。
第2のインク組成物も、第1のインク組成物と同様に、顔料、重合性化合物、及び重合開始剤を含む硬化性のインク組成物である。
第2のインク組成物としては、第1のインク組成物とは色相が異なるインク組成物(例えば、第1のインク組成物に含まれる顔料とは色相が異なる顔料を含むインク組成物)を用いる。これにより、2次色の画像が形成される。
第2のインク組成物に含まれる重合性化合物及び重合開始剤は、それぞれ、第1のインク組成物に含まれる重合性化合物及び重合開始剤と同種であってもよいし、異種であってもよい。
第2のインク組成物は更に水を含むこと、即ち、水性の硬化性のインク組成物であることが好ましい。第2のインク組成物に含まれる各成分の詳細については後述する。
第2のインク付与工程におけるインクジェット法については、第1のインク付与工程で説明したインクジェット法と同様の方法を用いることができ、好ましい形態も同様である。
本発明の画像形成方法においては、前記第2のインク組成物が付与される前には、記録媒体上の第1のインク組成物に対し、実質的に紫外線を照射しないことが好ましい。
ここで「実質的に紫外線を照射しない」とは、積極的には紫外線を照射しないことを意味する。従って、「実質的に紫外線を照射しない」ことには、本発明の効果に影響を与えない程度の微量の紫外線(例えば、0.1J/cm以下)が照射されることは含まれる。
具体的には「実質的に紫外線を照射しない」とは、照射量0.1J/cmを超える紫外線を照射しないこと、即ち、紫外線の照射量が0.1J/cm以下であること指す。
前記第2のインク組成物は、1種(1色)のインク組成物に限られず、互いに色相が異なる2種以上(2色以上)のインク組成物であってもよい。
例えば、第2のインク組成物が1種(1色)のインク組成物である場合には、色再現域が広く、光沢度が高く、ざらつきが抑制された2次色の画像を形成できる。
また、第2のインク組成物が互いに色相が異なる2種(2色)のインク組成物である場合には、色再現域が広く、光沢度が高く、ざらつきが抑制された3次色の画像を形成できる。
また、第2のインク組成物が互いに色相が異なる3種(3色)のインク組成物である場合には、色再現域が広く、光沢度が高く、ざらつきが抑制された4次色の画像を形成できる。
このように、第2のインク組成物が互いに色相が異なるn種(n色)のインク組成物である場合には、色再現域が広く、光沢度が高く、ざらつきが抑制されたn+1次色の画像を形成できる(ここで、nは1以上の整数である)。
<紫外線照射工程>
本発明における紫外線照射工程は、記録媒体上に付与された、少なくとも前記第1のインク組成物及び前記第2のインク組成物を含む複数色のインク組成物に紫外線を照射して該複数色のインク組成物を硬化させる工程である。
本工程では、紫外線を照射することで前記複数色のインク組成物中の重合性化合物が重合して、顔料を含む硬化膜が形成される。これにより形成される画像のざらつきが抑制される。更に、画像の耐擦過性が向上する。
−紫外線照射ランプ−
紫外線を照射する手段としては、通常用いられる手段を用いることができ、特に紫外線照射ランプが好適に使用される。
紫外線照射ランプは、水銀の蒸気圧が点灯中で1〜10Paであるような、いわゆる、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、蛍光体が塗布された水銀灯、UV−LED光源等が好ましい。これらの水銀ランプ、UV−LED光源の紫外線領域の発光スペクトルは、450nm以下、特には184nm〜450nmの範囲であり、黒色或いは、着色されたインク組成物中の重合性化合物を効率的に反応させるのに適している。また、電源をプリンタに搭載する上でも、小型の電源を使用できるので、適している。水銀ランプには、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンフラッシュランプ、ディープUVランプ、マイクロ波を用い外部から無電極で水銀灯を励起するランプ、UVレーザー等が実用されており、発光波長領域としては上記範囲を含むので、電源サイズ、入力強度、ランプ形状等が許されれば、基本的には適用可能である。光源は、用いる重合開始剤の感度にも合わせて選択されることが好ましい。
必要な紫外線強度は、硬化に有効な波長領域において500〜5000mW/cmであることが好ましい。
紫外線強度が上記範囲であると、画像のざらつき抑制及び画像の耐擦過性がより向上し、かつ、記録媒体の損傷や顔料の退色をより抑制できる。
<インク乾燥工程>
本発明のインクジェット画像形成方法は、インク組成物を乾燥させるインク乾燥工程をさらに有することが好ましい。インク乾燥工程は各インク付与工程の後に任意に設けることができるが、特に、紫外線照射工程の直前(例えば第2のインク付与工程と紫外線照射工程との間や、後述するその他のインク付与工程を有する場合には、その他のインク付与工程と紫外線照射工程との間、等)に設けることが好ましい。
インク乾燥工程では、インク組成物に含まれる液媒体(好ましくは、少なくとも水)が除去される。乾燥工程を有することにより、インク組成物に含まれる重合性化合物の重合効率が向上し、より高精細で耐擦過性に優れた画像を形成することができる。
インク組成物に含まれる液媒体(好ましくは、少なくとも水)の除去方法としては、特に制限はなく通常用いられる液媒体の除去方法を適用することができる。中でも、媒体の除去効率の観点から、加熱処理による液媒体の除去であることが好ましい。
前記加熱処理による液媒体の除去(乾燥)は、ヒータ等の公知の加熱手段やドライヤ等の送風を利用した送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段により行なえる。加熱方法としては、例えば、記録媒体の処理液の付与面と反対側からヒータ等で熱を与える方法や、記録媒体の処理液の付与面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒータを用いた加熱法などが挙げられ、これらの複数を組み合わせて加熱してもよい。
<その他のインク付与工程>
本発明の画像形成方法は、第2のインク付与工程と紫外線照射工程との間に、必要に応じ、第1のインク組成物及び第2のインク組成物とは色相が異なるその他のインク組成物(例えば、第1のインク組成物に含まれる顔料及び第2のインク組成物に含まれる顔料とは色相が異なる顔料を含むインク組成物)であって、顔料、重合性化合物、及び重合開始剤を含むインク組成物を記録媒体上に付与するその他のインク付与工程を少なくとも1工程有していてもよい。
その他のインク付与工程を有する場合の具体的形態としては、第2のインク付与工程の後であってその他のインク付与工程の前に、第2のインク組成物にプラズマを照射して第2のインク組成物の表面を硬化させるプラズマ照射工程を設け、表面が硬化された第2のインク組成物上にその他のインク組成物を付与する形態が挙げられる。ここで第2のインク組成物に対するプラズマ照射の好ましい条件については、既述のプラズマ照射工程(第1のインク付与工程と第2のインク付与工程との間のプラズマ照射工程)と同様である。
その他のインク付与工程を2工程以上設ける場合には、少なくとも最後のインク付与工程以外のインク付与工程の後に、前記と同様のプラズマ照射工程を設けることが好ましい。
以上のようにして、その他のインク付与工程を少なくとも1工程設け、プラズマ照射及びインク付与を繰り返し行うことで、色再現域が広く、光沢度が高く、ざらつきが抑制された3次色以上(例えば、3次色、4次色等)の画像を形成できる。
<処理液付与工程>
本発明の画像形成方法は、前記第1のインク付与工程の前に、前記記録媒体上に、少なくとも前記第1のインク組成物及び前記第2のインク組成物(及び必要に応じ用いられるその他のインク組成物)中の成分を凝集させる凝集剤を含む処理液を付与する処理液付与工程を有することが好ましい。本発明の画像形成方法が処理液付与工程を有する場合、前記第1のインク付与工程では、記録媒体上に付与された前記処理液上に前記第1のインク組成物を付与することが好ましい。前記処理液は凝集剤を少なくとも含有してなり、各成分の詳細及び好ましい態様については後述する。
前述のとおり、従来の画像形成方法において、硬化型インク(特に水性の硬化型インク)を少なくとも2色重ねて記録媒体上に付与して多次色の画像を形成すると、形成された画像の色再現域が狭くなる場合や、画像の光沢度が低下する場合、画像のざらつきが発生する場合がある。この傾向は、硬化型インクと、硬化型インク中の成分を凝集させる凝集剤を含む処理液と、を用い、該処理液上に硬化型インクを付与して画像を形成する系において特に顕著である。
従って、本発明の画像形成方法が前記処理液付与工程を有する場合には、本発明による効果(色再現域の拡大、光沢度の向上、及びざらつきの抑制)がより効果的に奏される。
処理液の付与は、塗布法、インクジェット法、浸漬法などの公知の方法を適用して行なうことができる。塗布法としては、バーコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等を用いた公知の塗布方法によって行なうことができる。インクジェット法の詳細については、後述のインク付与工程の説明で詳述する。
処理液の付与量としては、インク組成物を凝集可能であれば特に制限はないが、好ましくは、凝集剤の付与量が0.1g/m以上となる量とすることができる。中でも、凝集剤の付与量が0.2〜0.7g/mとなる量が好ましい。凝集剤は、付与量が0.1g/m以上であるとインク組成物の種々の使用形態に応じ良好な高速凝集性が保てる。また、凝集剤の付与量が0.7g/m以下であることは、付与した記録媒体の表面性に悪影響(光沢の変化等)を与えない点で好ましい。
また、本発明においては、処理液付与工程と第1のインク付与工程との間、即ち、処理液を記録媒体上に付与した後、第1のインク組成物が付与されるまでの間に、記録媒体上の処理液を乾燥する処理液乾燥工程を更に設けることが好ましい。第1のインク付与工程前に予め処理液を乾燥させることにより、滲み防止などのインク着色性が良好になり、色濃度及び色相の良好な可視画像を記録できる。
前記乾燥の形態としては、加熱乾燥が好ましい。
前記加熱乾燥は、ヒータ等の公知の加熱手段やドライヤ等の送風を利用した送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段により行なえる。加熱方法としては、例えば、記録媒体の処理液の付与面と反対側からヒータ等で熱を与える方法や、記録媒体の処理液の付与面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒータを用いた加熱法などが挙げられ、これらの複数を組み合わせて加熱してもよい。
以上で説明した本発明の画像形成方法は、必要に応じ、その他の工程を有していてもよい。例えば、紫外線照射工程の直前(例えば、第2のインク付与工程の後であって紫外線照射工程の前や、前述のその他のインク付与工程を有する場合には、その他のインク付与工程と紫外線照射工程との間、等)に、紫外線照射の前に予め複数色のインク組成物に対しプラズマを照射する工程が設けられていてもよい。
また、以上で説明した本発明の画像形成方法は、少なくとも前記第1のインク組成物及び前記第2のインク組成物を含むインクセットを用いて好適に実施できる。該インクセットは、必要に応じ、前記処理液や、前記その他のインク組成物の少なくとも1種を含むことができる。
<インクジェット記録装置>
次に、本発明の画像形成方法を実施するのに好適なインクジェット記録装置の一例を図1を参照して具体的に説明する。
図1は、前記一例に係るインクジェット記録装置100全体の構成例を示す概略構成図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置100は、記録媒体を保持して所定の搬送方向(図1中の一点鎖線の矢印方向)に所定の搬送速度で移動できる搬送ステージ10を備え、かつ、この搬送ステージ10の搬送方向に沿って、順次、記録媒体上に処理液を吐出する処理液吐出用ヘッド12Sを備えた処理液付与部12と、付与された処理液を乾燥させる処理液乾燥ゾーン13と、記録媒体上に各種インク組成物(各種インク)を吐出するヘッドがならんだインク吐出ゾーン30と、記録媒体上に付与されたインクにプラズマを照射するプラズマ照射ヘッド14Sを備えたプラズマ照射部14と、吐出されたインクを乾燥させるインク乾燥ゾーン15と、記録媒体上に紫外線(UV)を照射可能な紫外線照射ランプ16Sを備えた紫外線照射部16と、を備えている。
ここで、搬送ステージ10は、搬送方向(図1中の一点鎖線の矢印方向)に対し反対向きにも搬送できるように構成され、また、搬送距離及び搬送速度を独立して制御できるように構成されている。インクジェット記録装置100では、これらの構成により、各ゾーンによる処理の順序、及び、各色のインクの打滴の順序を任意に設定できるようになっている。
処理液付与部12には、処理液を貯留する貯留タンク(不図示)に繋がる処理液吐出用ヘッド12Sが設けられている。処理液吐出用ヘッド12Sは、記録媒体の記録面と対向配置された吐出ノズルから処理液を吐出し、記録媒体の上に処理液を液滴付与できるようになっている。なお、処理液付与部12は、ノズル状のヘッドから吐出する方式に限らず、塗布ローラを用いた塗布方式を採用することもできる。この塗布方式は、下流側に配置されたインク吐出部30で記録媒体上にインク滴が着弾する画像領域を含むほぼ全面に処理液を容易に付与することができる。記録媒体上の処理液の厚みを一定にするために、例えば、エアナイフを用いたり、あるいは尖鋭な角を有する部材を、処理液の規定量に対応するギャップを記録媒体との間に設けて設置する等の方法を設けてもよい。
処理液付与部12の記録媒体搬送方向の下流側には、処理液乾燥ゾーン13が配置されている。処理液乾燥ゾーン13は、ヒータ等の公知の加熱手段やドライヤ等の送風を利用した送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段を用いて構成することができる。加熱手段は、記録媒体の画像形成面と反対側(詳しくは、記録媒体を保持する搬送ステージ10の下方)にヒータ等の発熱体を設置する方法や、記録媒体の画像形成面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒータを用いた加熱法などが挙げられ、これらの複数を組み合わせて加熱してもよい。
また、記録媒体の種類(材質、厚み等)や環境温度等によって、記録媒体の表面温度は変化するため、記録媒体の表面温度を計測する計測部と該計測部で計測された記録媒体の表面温度の値を加熱制御部にフィードバックする制御機構を設けて温度制御しながら処理液を乾燥させることが好ましい。記録媒体の表面温度を計測する計測部としては、接触又は非接触の温度計が好ましい。
また、溶媒除去ローラー等を用いて溶媒除去を行なってもよい。他の態様として、エアナイフで余剰な溶媒を記録媒体から取り除く方式も用いられる。
インク吐出部30は、処理液乾燥ゾーン13の記録媒体搬送方向下流側に配置されている。インク吐出部30には、ブラック(K)、マゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の各色インクを貯留するインク貯留部の各々と繋がる記録用ヘッド(インク吐出用ヘッド)30K、30M、30C、30Yが順次配置されている。不図示の各インク貯留部には、各色相に対応するインク組成物が貯留されており、画像の記録に際して必要に応じて各インク吐出用ヘッド30K、30M、30C、30Yに供給されるようになっている。
ここで、記録用ヘッド(インク吐出用ヘッド)30K、30M、30C、30Yの配置順は、図1に示す配置順に限定されることはなく、適宜変更することもできる。
また、図示しないが、インク吐出部30には、インク吐出用ヘッド30K、30M、30C、及び30Y以外にも、必要に応じて特色インクを吐出可能なように、特色インク吐出用の他の記録ヘッドを1つ以上配設することもできる。
インク吐出用ヘッド30K、30M、30C、30Yは、記録媒体の記録面と対向配置された吐出ノズルから、それぞれ画像に対応するインクを吐出する。これにより、記録媒体の記録面上に各色インクが付与され、カラー画像が記録される。
処理液吐出用ヘッド12S、並びにインク吐出用ヘッド30K、30M、30C、及び30Yはいずれも、記録媒体上に記録される画像の最大記録幅(最大記録幅)にわたって多数の吐出口(ノズル)が配列されたフルラインヘッドとなっている。これにより、記録媒体の幅方向(記録媒体搬送面において搬送方向と直交する方向)に短尺のシャトルヘッドを往復走査しながら記録を行なうシリアル型のものに比べて、記録媒体に高速に画像記録を行なうことができる。本発明においては、シリアル型での記録、又は比較的高速記録が可能な方式、例えば1回の走査で1ラインを形成するシングルパスで主走査方向に吐出して記録できる方式での記録のいずれを採用してもよいが、本発明の画像記録方法によればシングルパスによる方式でも再現性の高い高品位の画像が得られる。
ここでは、処理液吐出用ヘッド12S、並びにインク吐出用ヘッド30K、30M、30C、及び30Yは、全て同一構造になっている。
処理液の付与量とインク組成物の付与量とは、必要に応じて調節することが好ましい。例えば、記録媒体に応じて、処理液とインク組成物とが混合してできる凝集物の粘弾性等の物性を調節する等のために、処理液の付与量を変えてもよい。
プラズマ照射部14には、記録媒体上に付与されたインクにプラズマを照射するプラズマ照射ヘッド14Sが備えられている。
プラズマ照射ヘッド14Sは、記録媒体の記録面と対向配置されたプラズマ照射ノズルを備え、これにより記録面(インク組成物)に対しプラズマを照射して、インク組成物の少なくとも表面に存在する重合性化合物(モノマー成分)を重合硬化させるようになっている。
プラズマ照射ヘッド14Sとしては、前述した公知のプラズマ装置(例えば、プラズマジェット装置等)を用いることができる。
プラズマ照射部14におけるプラズマ照射時間の調整は、例えば、プラズマ照射部14を通過する搬送ステージ10の搬送速度の調整により行うことができる。
また、プラズマ照射ヘッド14Sとして、プラズマ照射(点灯)及びプラズマ非照射(消灯)を選択できるスイッチを備えたプラズマ照射ヘッドを用い、自動又は手動でスイッチを操作することによりプラズマ照射時間を調整することもできる。
また、プラズマ照射部14では、プラズマ照射ヘッド14Sとしてプラズマ照射及びプラズマ非照射を選択できるスイッチを備えたプラズマ照射ヘッドを用いることで、プラズマ照射部14を通過する記録媒体に対する、プラズマ照射及びプラズマ非照射を選択できるようになっていてもよい。
インク乾燥ゾーン15は、プラズマ照射部14の記録媒体搬送方向下流側に配置されている。インク乾燥ゾーン15は、処理液乾燥ゾーン13と同様に構成することができる。
紫外線照射部16は、インク乾燥ゾーン15の記録媒体搬送方向のさらに下流側に配置されており、紫外線照射部16に設けられた紫外線照射ランプ16Sにより紫外線を照射し、インク組成物中の重合性化合物(モノマー成分)を重合硬化させるようになっている。
紫外線照射ランプ16Sは、記録媒体の記録面と対向配置されたランプにより記録面の全体を照射し、画像全体の硬化が行なえるようになっている。
紫外線照射部16における紫外線照射時間の調整は、例えば、紫外線照射部16を通過する搬送ステージ10の搬送速度の調整により行うことができる。
紫外線照射部16は、インク乾燥ゾーン15の前後のいずれに設置されていてもよく、インク乾燥ゾーン15の前後両方に設置してもよい。
また、インクジェット記録装置100には、搬送ステージの搬送路に、記録媒体に加熱処理を施す加熱手段を配置することもできる。例えば、処理液乾燥ゾーン13の上流側や、インク吐出部30とインク乾燥ゾーン15との間、などの所望の位置に加熱手段を配置することで、記録媒体を所望の温度に昇温させることにより、乾燥、定着を効果的に行なうようにすることが可能である。
<インク組成物>
次に、本発明の画像形成方法に用いられるインク組成物について説明する。
本発明におけるインク組成物(第1のインク組成物、第2のインク組成物、及び必要に応じ用いられるその他のインク組成物。以下同じ。)は、顔料、重合性化合物、及び重合開始剤を含む。
(顔料)
本発明におけるインク組成物は、顔料を含有する。
顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料、無機顔料のいずれであってもよい。顔料は、水に殆ど不溶であるか又は難溶である顔料であることが、インク着色性の点で好ましい。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。
また、無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。
前記顔料として、オレンジ又はイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・オレンジ31、C.I.ピグメント・オレンジ43、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー13、C.I.ピグメント・イエロー14、C.I.ピグメント・イエロー15、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ピグメント・イエロー94、C.I.ピグメント・イエロー128、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー151、C.I.ピグメント・イエロー155、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185等が挙げられる。
前記顔料として、マゼンタ又はレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・レッド2、C.I.ピグメント・レッド3、C.I.ピグメント・レッド5、C.I.ピグメント・レッド6、C.I.ピグメント・レッド7、C.I.ピグメント・レッド15、C.I.ピグメント・レッド16、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド53:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド123、C.I.ピグメント・レッド139、C.I.ピグメント・レッド144、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド166、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド178、C.I.ピグメント・レッド222、C.I.ピグメント・バイオレット19等が挙げられる。
前記顔料として、グリーン又はシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・ブルー15、C.I.ピグメント・ブルー15:2、C.I.ピグメント・ブルー15:3、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー16、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・グリーン7、及び米国特許4311775号明細書に記載のシロキサン架橋アルミニウムフタロシアニン、等が挙げられる。
前記顔料として、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・ブラック1、C.I.ピグメント・ブラック6、C.I.ピグメント・ブラック7等が挙げられる。
また、前記アゾ顔料としては、特開2011−52140号公報の段落0015〜0069に記載の式(1)で表されるアゾ顔料を用いることもできる。
また、顔料の平均粒子径は、透明性・色再現性の観点からは小さい方が好ましいが、耐光性の観点からは大きい方が好ましい。これらの両立には、前記平均粒子径は10〜200nmが好ましく、10〜150nmがより好ましく、10〜120nmがさらに好ましい。また、顔料の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布を持つもの又は単分散の粒径分布を持つもののいずれでもよい。また、単分散の粒径分布を持つ顔料を2種以上混合して使用してもよい。
本発明におけるインク組成物において、顔料は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
顔料の含有量(2種以上の場合には総含有量)としては、インク組成物の全質量に対して、1〜25質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましく、1〜15質量%が特に好ましい。
(分散剤)
本発明におけるインク組成物は、分散剤の少なくとも1種を含有することができる。
前記顔料の分散剤としては、ポリマー分散剤、又は低分子の界面活性剤型分散剤のいずれでもよい。また、ポリマー分散剤は、水溶性の分散剤、又は非水溶性の分散剤のいずれでもよい。
前記低分子の界面活性剤型分散剤としては、例えば、特開2010−188661号公報の段落0016〜0020に記載の低分子の界面活性剤型分散剤を用いることができる。
前記ポリマー分散剤のうち、水溶性分散剤としては、親水性高分子化合物が挙げられる。例えば、天然の親水性高分子化合物では、アラビアガム、トラガンガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子等が挙げられる。
また、天然物を原料に修飾した親水性高分子化合物では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子等が挙げられる。
更に、合成系の親水性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。
これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンアクリル酸のホモポリマーや、他の親水基を有するモノマーとの共重合体などのように、カルボキシル基が導入された水溶性分散剤が親水性高分子化合物として好ましい。
ポリマー分散剤のうち、非水溶性分散剤としては、疎水性部と親水性部の両方を有するポリマーを用いることができる。例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
ポリマー分散剤の重量平均分子量は、3,000〜100,000が好ましく、より好ましくは5,000〜50,000であり、更に好ましくは5,000〜40,000であり、特に好ましくは10,000〜40,000である。
ポリマー分散剤は、自己分散性、及び処理液が接触したときの凝集速度の観点から、カルボキシル基を有するポリマーを含むことが好ましく、カルボキシル基を有し、酸価が100mgKOH/g以下のポリマーであることが好ましく、25〜100mgKOH/gのポリマーを含むことがより好ましい。特に本発明におけるインク組成物をインク組成物中の成分を凝集させる処理液(詳細は後述)と組み合わせて用いる場合には、カルボキシル基を有し、かつ酸価が25〜100mgKOH/gのポリマー分散剤が有効である。
顔料(p)と分散剤(s)との混合質量比(p:s)としては、1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、1:0.125〜1:2の範囲がより好ましく、更に好ましくは1:0.125〜1:1.5である。
本発明において顔料に代えて染料を用いる場合には、染料を水不溶性の担体に保持したものを用いることができる。染料としては公知の染料を特に制限なく用いることができ、例えば、特開2001−115066号公報、特開2001−335714号公報、特開2002−249677号公報等に記載の染料を本発明においても好適に用いることができる。また、担体としては、水に不溶または水に難溶であれば特に制限なく、無機材料、有機材料及びこれらの複合材料を用いることができる。具体的には、特開2001−181549号公報、特開2007−169418号公報等に記載の担体を本発明においても好適に用いることができる。
染料を保持した担体(水不溶性着色粒子)は、分散剤を用いて水系分散物として用いることができる。分散剤としては上述した分散剤を好適に用いることができる。
本発明においては、画像の耐光性や品質などの観点から、顔料と分散剤と含むことが好ましく、有機顔料とポリマー分散剤とを含むことがより好ましく、有機顔料とカルボキシル基を含むポリマー分散剤とを含むことが特に好ましい。また、顔料は、凝集性の観点から、カルボキシル基を有するポリマー分散剤に被覆され、水不溶性であることが好ましい。
分散状態での顔料の平均粒子径としては、10〜200nmが好ましく、10〜150nmがより好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。平均粒子径は、200nm以下であると色再現性が良好になり、インクジェット法で打滴する際の打滴特性が良好になり、10nm以上であると耐光性が良好になる。また、色材の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布又は単分散性の粒径分布のいずれであってもよい。また、単分散性の粒径分布を持つ色材を2種以上混合して使用してもよい。
ここで、分散状態での顔料の平均粒子径は、インク化した状態での平均粒子径を示すが、インク化する前段階のいわゆる濃縮インク分散物についても同様である。
なお、分散状態での顔料の平均粒子径及び、ポリマー粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
(重合性化合物)
本発明におけるインク組成物は、重合性化合物を含有する。
本発明におけるインク組成物は、該重合性化合物が重合することにより硬化する。この重合性化合物の重合により画像が強化される。
前記重合性化合物は、水溶性の重合性化合物であることが好ましい。
ここで、「水溶性」とは、水に一定濃度以上溶解できることをいう。具体的には25℃の水に対する溶解度が5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また水溶性の重合性化合物は、水性のインク組成物中に(望ましくは均一に)溶解し得るものであることが好ましい。また後述する水溶性有機溶剤を添加することにより溶解度が上昇してインク組成物中に(望ましくは均一に)溶解するものであってもよい。
本発明における重合性化合物としては、特に限定はなく、単官能の重合性化合物であっても多官能の重合性化合物であってもよい。
前記重合性化合物としては、分子内に(メタ)アクリルエステル構造を有する化合物及び分子内に(メタ)アクリルアミド構造を有する化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。中でも、硬化性及び保存安定性の観点から、分子内に(メタ)アクリルアミド構造を有する化合物を少なくとも1種含むことがより好ましい。ここで、(メタ)アクリルエステル構造とは、メタクリルエステル構造及びアクリルエステル構造の少なくとも一方を意味し、(メタ)アクリルアミド構造とは、メタクリルアミド構造及びアクリルアミド構造の少なくとも一方を意味する。
−分子内に(メタ)アクリルアミド構造を有する化合物−
分子内に(メタ)アクリルアミド構造を有する化合物は特に限定されず、単官能の重合性化合物であっても、多官能の重合性化合物であってもよい。
分子内に(メタ)アクリルアミド構造を有する化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
一般式(1)中、Qはn価の基を表し、Rは水素原子またはメチル基を表す。また、nは1以上の整数を表す。
一般式(1)で表される化合物は、不飽和ビニル単量体がアミド結合によりQに結合したものである。Rは、水素原子又はメチル基を表し、好ましくは水素原子である。基Qの価数nは、重合効率、吐出安定性を向上させる観点から1以上の整数であり、中でも1以上6以下の整数が好ましく、1以上4以下の整数がより好ましい。
また、前記一般式(1)におけるnとしては、重合効率の観点からは2以上の整数が好ましい。
また、本発明における重合性化合物としては、浸透性に優れる一般式(1)においてnが1である化合物(単官能の(メタ)アクリルアミド)と、重合効率に優れる一般式(1)においてnが2以上の整数である化合物(多官能の(メタ)アクリルアミド)と、を併用することも好適である。
また、前記一般式(1)においてnが2以上の整数である場合、前記基Qは、(メタ)アクリルアミド構造と連結可能な基であれば特に制限はないが、一般式(1)で表される化合物が前述の水溶性を満たすような基から選択されることが好ましい。具体的には以下の化合物群Xから選ばれる化合物から、1以上の水素原子又はヒドロキシル基が除去された残基を挙げることができる。
−化合物群X−
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、チオグリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及びこれらの縮合体、低分子ポリビニルアルコール、または糖類などのポリオール類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンジアミン、などのポリアミン類。
さらに、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン基等の炭素数4以下の置換又は無置換のアルキレン鎖、更にはピリジン環、イミダゾール環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環などの飽和もしくは不飽和のヘテロ環を有する官能基などを例示することができる。
前記一般式(1)においてnが2以上の整数である場合、前記基Qとしては、これらの中でも、オキシアルキレン基(好ましくはオキシエチレン基)を含む連結基であることが好ましい。この中でも、オキシアルキレン基(好ましくはオキシエチレン基)を2つ以上含む連結基であることがより好ましく、オキシアルキレン基(好ましくはオキシエチレン基)を3つ以上含む連結基であることが更に好ましい。
前記一般式(1)においてnが2以上の整数である場合、前記基Qの特に好ましい形態は、該連結基Qがオキシアルキレン基(好ましくはオキシエチレン基)を(好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上)含むポリオール類の残基である形態である。
また、前記nが1のとき、前記基Qとしては、アルキル基又は置換アルキル基が好適であり、アルキル基の炭素数は1〜5が好ましく、該炭素数は1〜3がより好ましい。前記置換アルキル基においてアルキル基を置換する置換基としては、例えば、水酸基、アミノ基等が挙げられる。
以下、分子内に(メタ)アクリルアミド構造を有する化合物の具体例を示す。但し、本発明は、これらに制限されるものではない。
分子内に(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能の重合性化合物(例えば、前記一般式(1)においてnが1である化合物)としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。このうち、特に好ましくはヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドであり、最も好ましくはヒドロキシエチルアクリルアミドである。
分子内に(メタ)アクリルアミド構造を有する多官能の重合性化合物(例えば、前記一般式(1)においてnが2以上の整数である化合物)としては、以下に例示する化合物が挙げられる。


本発明におけるインク組成物は、前記重合性化合物を、1種単独又は2種以上を組み合わせて含有することができる。
重合性化合物のインク組成物中における総含有量としては、インク組成物全質量に対して、3〜50質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。
(重合開始剤)
本発明におけるインク組成物は重合開始剤を含有する。
前記重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を混合して、あるいは増感剤と併用して使用することができる。
前記重合開始剤は、活性エネルギー線により重合反応を開始し得る化合物を適宜選択して含有することができ、例えば、放射線もしくは光、又は電子線により活性種(ラジカル、酸、塩基など)を発生する重合開始剤を用いることができる。中でも、放射線もしくは光、又は電子線によりラジカルを発生するラジカル重合開始剤が好ましい。
前記重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ジクロロベンゾフェン、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾインパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメートが挙げられる。更に、例えばトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等の、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物等が挙げられる。
前記重合開始剤は、水溶性の重合開始剤であることが好ましい。ここで重合開始剤における水溶性とは、25℃において蒸留水に0.5質量%以上溶解することを意味する。前記水溶性の重合開始剤は、25℃において蒸留水に1質量%以上溶解することが好ましく、3質量%以上溶解することがより好ましい。
前記水溶性の重合開始剤としては、例えば、下記一般式(B)で表される化合物や、特開2005―307198号公報に記載の化合物等を挙げることができる。中でも、密着性と耐擦過性の観点から、下記一般式(B)で表される水溶性の重合開始剤であることが好ましい。
一般式(B)中、mおよびnはそれぞれ独立に0以上の整数を表し、m+nは0〜3の整数を表す。
一般式(B)において、mが0〜3であってnが0または1であることが好ましく、mが0または1であってnが0であることがより好ましい。
一般式(B)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
一般式(B)で表される化合物は、特開2005−307198号公報等の記載に準じて合成した化合物であっても、市販の化合物であってもよい。一般式(B)で表される市販販の化合物としては例えば、イルガキュア2959(m=0、n=0)を挙げることができる。
本発明におけるインク組成物中における前記重合開始剤の含有量には特に限定はないが、重合性化合物の合計量に対して、1〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。重合開始剤の含有量は、1質量%以上であると画像の耐擦過性がより向上し、高速記録に有利であり、40質量%以下であると吐出安定性の点で有利である。また、重合開始剤の含有量が1質量%以上であると、画像の色再現域がより拡大する。
(水)
本発明におけるインク組成物は水を含有することが好ましい。
即ち、本発明におけるインク組成物は水性のインク組成物であることが好ましい。
前述のとおり、従来の画像形成方法において、硬化型インクを少なくとも2色重ねて記録媒体上に付与して多次色の画像を形成すると、形成された画像の色再現域が狭くなる場合や、画像の光沢度が低下する場合、画像のざらつきが発生する場合がある。この傾向は、硬化型インクとして水性の硬化型インクを用いた場合に特に顕著である。
従って、本発明におけるインク組成物が水を含有する場合には、本発明による効果(色再現域の拡大、光沢度の向上、及びざらつきの抑制)がより効果的に奏される。
本発明におけるインク組成物中の水の含有量には特に制限はないが、インク組成物の全量に対し、10質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましく、60質量%以上が特に好ましい。
従来の水性の硬化性インク組成物では、水の含有量が多い程、色再現域が狭くなる現象がより生じやすい。従って、本発明におけるインク組成物における水の含有量が10質量%以上(より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、特に好ましくは60質量%以上)である場合には、本発明による色再現域拡大の効果がより効果的に奏される。
水の含有量の上限には特に限定はないが、90質量%が好ましく、80質量%がより好ましい。
(樹脂粒子)
本発明におけるインク組成物は、必要に応じ樹脂粒子を含有することができる。
この樹脂粒子は、後述の処理液又はこれを乾燥させた領域と接触した際に分散不安定化して凝集しインクを増粘させることによりインク組成物を固定化する機能を有することが好ましい。このような樹脂粒子は、水および有機溶剤の少なくとも1種に分散されているものが好ましい。
樹脂粒子としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン系樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、パラフィン系樹脂、フッ素系樹脂等あるいはそのラテックスを用いることができる。アクリル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン系樹脂を好ましい例として挙げることができる。
また樹脂粒子はラテックスの形態で用いることもできる。
樹脂粒子の重量平均分子量は1万以上、20万以下が好ましく、より好ましくは2万以上、20万以下である。
また樹脂粒子の平均粒径は、1nm〜1μmの範囲が好ましく、1nm〜200nmの範囲がより好ましく、1nm〜100nmの範囲が更に好ましく、1nm〜50nmの範囲が特に好ましい。
樹脂粒子のガラス転移温度Tgは30℃以上であることが好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。
前記樹脂粒子としては、自己分散性樹脂の粒子(自己分散性樹脂粒子)を用いることが好ましい。
ここで、自己分散性樹脂とは、界面活性剤の不存在下、転相乳化法により分散状態としたとき、ポリマー自身が有する官能基(特に酸性基又はその塩)によって、水性媒体中で分散状態となり得る水不溶性ポリマーをいう。
ここで、分散状態とは、水性媒体中に水不溶性ポリマーが液体状態で分散された乳化状態(エマルション)、及び、水性媒体中に水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態(サスペンジョン)の両方の状態を含むものである。
前記自己分散性樹脂粒子としては、特開2010−64480号公報の段落0090〜0121や、特開2011−068085号公報の段落0130〜0167に記載されている自己分散性樹脂粒子を用いることができる。
自己分散性樹脂の粒子を構成する水不溶性ポリマーの分子量としては、重量平均分子量で3000〜20万であることが好ましく、5000〜15万であることがより好ましく、10000〜10万であることが更に好ましい。重量平均分子量を3000以上とすることで水溶性成分量を効果的に抑制することができる。また、重量平均分子量を20万以下とすることで、自己分散安定性を高めることができる。
なお、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)で測定される。GPCは、HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgeL SuperHZM−H、TSKgeL SuperHZ4000、TSKgeL SuperHZ2000(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる。また、条件としては、試料濃度を0.35質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて行なう。また、検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製する。
自己分散性樹脂粒子を構成する水不溶性ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構造単位(好ましくは、フェノキシエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び/又はベンジル(メタ)アクリレートに由来する構造単位)を共重合比率として自己分散性ポリマー粒子の全質量の15〜80質量%を含むことが好ましい。
また、前記水不溶性ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び/又はベンジル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことがより好ましく、更には加えて、酸価が25〜100であって重量平均分子量が3000〜20万であることが好ましく、酸価が25〜95であって重量平均分子量が5000〜15万であることがより好ましい。
前記樹脂粒子(例えば自己分散性樹脂粒子)の含有量は、インク組成物の全質量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
また、樹脂微子の粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもの、いずれでもよい。また、単分散の粒径分布を持つ樹脂粒子を、2種以上混合して使用してもよい。
(界面活性剤)
本発明におけるインク組成物は、界面活性剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。界面活性剤は、表面張力調整剤として用いることができる。
表面張力調整剤として、分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物等を有効に使用することができ、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、ベタイン系界面活性剤のいずれも使用することができる。
前記界面活性剤の具体例としては、炭化水素系では、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン性界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&ChemicaLs社製)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシド等のアミンオキシド型の両性界面活性剤も好ましい。
更に、特開昭59−157636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)に界面活性剤として挙げられたものも用いることができる。
また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載のフッ素(フッ化アルキル系)系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等を用いることにより、耐擦過性を良化することもできる。
また、これら界面活性剤は、消泡剤としても使用することができ、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、及びEDTAに代表されるキレート剤等も使用可能である。
前記界面活性剤としては、本発明の効果をより効果的に奏する観点から、ノニオン性界面活性剤が好ましく、中でもアセチレングリコール系界面活性剤がより好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキシド付加物等を挙げることができ、これから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらの化合物の市販品としては例えば、日信化学工業社のオルフィンE1010などのEシリーズを挙げることができる。
界面活性剤(表面張力調整剤)をインク組成物に含有する場合、界面活性剤はインクジェット方式によりインク組成物の吐出を良好に行う観点から、インク組成物の表面張力を20〜60mN/mに調整できる範囲の量を含有することが好ましい。該表面張力はより好ましくは20〜45mN/mであり、更に好ましくは25〜40mN/mである。
インク組成物の全質量に対する界面活性剤の具体的な量には特に制限はないが、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%であり、更に好ましくは0.2〜3質量%である。
(その他の成分)
本発明におけるインク組成物は、必要に応じ、その他の成分を含有していてもよい。
その他の成分としては、例えば、重合禁止剤、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
これらの各種添加剤は、インク組成物の場合はインクに直接添加し、また、油性染料を分散物として用いる場合は染料分散物の調製後に分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
前記紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させることができる。紫外線吸収剤としては、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載のベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号明細書等に記載のベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載の桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載のトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載の化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される、紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
前記褪色防止剤は、画像の保存性を向上させることができる。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤が挙げられる。有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類等が挙げられ、金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体等が挙げられる。より具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載の化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載の代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を用いることができる。
前記防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。防黴剤の含有量は、インク組成物に対して0.02〜1.00質量%の範囲が好ましい。
前記pH調整剤としては、中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。pH調整剤は、インク組成物の保存安定性を向上させることができる。pH調整剤は、インク組成物のpHが6〜10となるように添加するのが好ましく、pHが7〜10となるように添加するのがより好ましい。
また、本発明におけるインク組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、水に加え、水溶性溶剤を含んでいてもよい。水溶性溶剤としては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、1,2−ヘキサンジオールなどを用いることができる。また、水溶性溶剤としては、例えば、特開2011−074150号公報の段落0124〜0135や、特開2011−079901号公報の段落0104〜0119等に記載の公知の水溶性有機溶剤を用いることもできる。
<処理液>
前述のとおり、本発明の画像形成方法は、前記第1のインク付与工程の前に、前記記録媒体上に、少なくとも既述の第1のインク組成物及び第2のインク組成物(及び必要に応じ用いられるその他のインク組成物)中の成分を凝集させる凝集剤を含む処理液を付与する処理液付与工程を有することが好ましい。
前記処理液は、既述のインク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を少なくとも含むが、必要に応じて、さらに他の成分を用いて構成することができる。インク組成物と共に処理液を用いることで、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い描画性(例えば細線や微細部分の再現性)に優れた画像が得られる。
凝集剤としては、インク組成物のpHを変化させることができる化合物であっても、多価金属塩であっても、ポリアリルアミン類などの4級もしくは3級アミンを有するポリマーであってもよい。本発明においては、インク組成物の凝集性の観点から、インク組成物のpHを変化させることができる化合物が好ましく、インク組成物のpHを低下させ得る化合物がより好ましい。
インク組成物のpHを低下させ得る化合物としては、酸性物質を挙げることができる。
酸性物質としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等が好適に挙げられる。
酸性物質は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明における処理液が酸性物質を含む場合、処理液のpH(25℃)は、6以下が好ましく、より好ましくはpHは4以下である。中でも、pH(25℃)は0.5〜4の範囲が好ましく、1〜4の範囲がより好ましく、特に好ましくは、pHは1〜3である。このとき、前記インク組成物のpH(25℃)は、7.5以上(より好ましくは8.0以上)であることが好ましい。
中でも、画像濃度、解像度、及びインクジェット記録の高速化の観点から、インク組成物のpH(25℃)が8.0以上であって、処理液のpH(25℃)が0.5〜4である場合が好ましい。
中でも、本発明における凝集剤としては、水溶性の高い酸性物質が好ましく、凝集性を高め、インク全体を固定化させる点で、有機酸が好ましく、2価以上の有機酸がより好ましく、2価以上3価以下の酸性物質が特に好ましい。前記2価以上の有機酸としては、その第1pKaが3.5以下の有機酸が好ましく、より好ましくは3.0以下の有機酸である。具体的には、例えば、リン酸、シュウ酸、マロン酸、クエン酸などが好適に挙げられる。
前記多価金属塩としては、周期表の第2属のアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム)、周期表の第3属の遷移金属(例えば、ランタン)、周期表の第13属からのカチオン(例えば、アルミニウム)、ランタニド類(例えば、ネオジム)の塩を挙げることができる。これら金属の塩としては、カルボン酸塩(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)、硝酸塩、塩化物、及びチオシアン酸塩が好適である。中でも、好ましくは、カルボン酸(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)のカルシウム塩又はマグネシウム塩、硝酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、及びチオシアン酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩である。
凝集剤は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
インク組成物を凝集させる凝集剤の処理液中における含有量としては、1〜50質量%が好ましく、より好ましくは3〜45質量%であり、更に好ましくは5〜40質量%の範囲である。
処理液は、本発明の効果を損なわない範囲内で、更にその他の成分として他の添加剤を含有することができる。他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、界面活性剤(表面張力調整剤)、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
≪水性インクの調製≫
水性インクとして、シアンインクC1、マゼンタインクM1、イエローインクY1、及びブラックインクK1をそれぞれ調製した。詳細を以下に説明する。
<シアンインクC1の調製>
(ポリマー分散剤1溶液の調製)
反応容器に、スチレン6部、ステアリルメタクリレート11部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成(株)製)4部、プレンマーPP−500(日本油脂(株)製)5部、メタクリル酸5部、2−メルカプトエタノール0.05部、及びメチルエチルケトン24部を加え、混合溶液を調液した。
一方、滴下ロートに、スチレン14部、ステアリルメタクリレート24部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成(株)製)9部、プレンマーPP−500(日本油脂(株)製)9部、メタクリル酸10部、2−メルカプトエタノール0.13部、メチルエチルケトン56部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部を加え、混合溶液を調液した。
そして、窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら75℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を1時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から2時間経過後これに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部をメチルエチルケトン12部に溶解した溶液を3時間かけて滴下し、更に75℃で2時間、80℃で2時間熟成させ、ポリマー分散剤1溶液を得た。
得られたポリマー分散剤1溶液の一部について、溶媒を除去することによって単離し、得られた固形分をテトラヒドロフランにて0.1質量%に希釈し、高速GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)HLC−8220GPCにて、TSKgeL SuperHZM−H、TSKgeL SuperHZ4000、TSKgeL SuperHZ2000(東ソー(株)製)を3本直列につなぎ、重量平均分子量を測定した。その結果、重量平均分子量は、ポリスチレン換算で25,000であった。また、JIS規格(JIS K 0070:1992)記載の方法により、このポリマーの酸価を求めたところ酸価は99mgKOH/gであった。
(シアン分散液C1の調製)
次に、上記のポリマー分散剤1溶液を固形分換算で5.0g、シアン顔料Pigment Blue 15:3(大日精化(株)製)10.0g、メチルエチルケトン40.0g、1mol/L(リットル;以下同様)の水酸化ナトリウム8.0g、及びイオン交換水82.0gを、0.1mmジルコニアビーズ300gと共にベッセルに供給し、レディーミル分散機(アイメックス社製)で1000rpmで6時間分散した。得られた分散液をエバポレーターでメチルエチルケトンが充分に留去できるまで減圧濃縮し、さらに顔料濃度が10質量%、かつ、水の含有量が85質量%になるまで濃縮して、シアン分散液C1を調製した。
得られたシアン分散液C1の体積平均粒子径(二次粒子)を、Micorotrac粒度分布測定装置(Version 10.1.2−211BH(商品名)、日機装(株)製)で動的光散乱法により測定したところ、77nmであった。
(自己分散性樹脂粒子1の合成)
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた2リットル三口フラスコに、メチルエチルケトン360.0gを仕込んで、75℃まで昇温した。その後、フラスコ内温度を75℃に保ちながら、フェノキシエチルアクリレート180.0g、メチルメタクリレート162.0g、アクリル酸18.0g、メチルエチルケトン72g、及び「V−601」(和光純薬(株)製)1.44gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、これに「V−601」0.72g及びメチルエチルケトン36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌後、さらに「V−601」0.72g及びイソプロパノール36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌した。その後、85℃に昇温して、さらに2時間攪拌を続け、フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸(=50/45/5[質量比])共重合体の樹脂溶液を得た。
得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は、64,000であり、酸価は38.9mgKOH/gであった。ここで重量平均分子量及び酸価は、上記ポリマー分散剤1の重量平均分子量及び酸価と同様の方法により測定した。
次に、得られた樹脂溶液668.3gを秤量し、これにイソプロパノール388.3g及び1mol/L NaOH水溶液145.7mlを加え、反応容器内温度を80℃に昇温した。次に、蒸留水720.1gを20ml/minの速度で滴下し、水分散化した後、大気圧下にて反応容器内温度80℃で2時間、85℃で2時間、90℃で2時間保った後、反応容器内を減圧にし、イソプロパノール、メチルエチルケトン、蒸留水を合計で913.7g留去し、固形分濃度28.0質量%、かつ、水の含有量が72.0質量%の自己分散性樹脂粒子1の水分散物を得た。
(シアンインクC1の調製)
下記組成の成分を混合し、得られた混合物を孔径5μmのフィルタでろ過して該混合物から粗大粒子を除去し、シアンインクC1を得た。
シアンインクC1の全量に対する水の含有量は、64.5質量%である。
−シアンインクC1の組成−
・上記で得られたシアン分散液C1 … 30質量%
・上記で得られた自己分散性樹脂粒子1の水分散物 … 7.1質量%
・前述の重合性化合物2 … 25質量%
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) … 1質量%
・イルガキュア2959(BASFジャパン(株)製) … 3質量%
・イオン交換水 …33.9質量%
前記重合性化合物2は以下のようにして合成した。
まず、攪拌機を備えた1Lの三口フラスコに4,7,10−トリオキサ−1,13−トリデカンジアミン40.0g(182mmol)、炭酸水素ナトリウム37.8g(450mmol)、水100g、テトラヒドロフラン300gを加えて、氷浴下、アクリル酸クロリド35.2g(389mmol)を20分かけて滴下した。滴下後、室温で5時間攪拌した後、得られた反応混合物から減圧下でテトラヒドロフランを留去した。次に水層を酢酸エチル200mlで4回抽出し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過を行い、減圧下溶媒留去することにより目的の重合性化合物2の固体を35.0g(107mmol、収率59%)得た。
<マゼンタインクM1の調製>
上記シアンインクC1の調製において、シアン顔料Pigment Blue 15:3を、同質量のマゼンタ顔料Pigment Red122(大日精化(株)製)に変更したこと以外はシアンインクC1の調製と同様にして、マゼンタインクM1を調製した。
<イエローインクY1の調製>
上記シアンインクC1の調製において、シアン顔料Pigment Blue 15:3を、同質量のイエロー顔料Pigment Yellow74(大日精化(株)製)に変更したこと以外はシアンインクC1の調製と同様にして、イエローインクY1を調製した。
<ブラックインクK1の調製>
上記シアンインクC1の調製において、シアン顔料Pigment Blue 15:3を、同質量のカーボンブラック(MA−1、三菱化成製)に変更したこと以外はシアンインクC1の調製と同様にして、ブラックインクK1を調製した。
≪水性処理液の調製≫
<処理液1の調製>
下記組成の成分を混合して、処理液1を調製した。
処理液1の粘度、表面張力、及びpH(25℃)は、粘度2.5mPa・s、表面張力40mN/m、pH1.0であった。表面張力は協和界面科学(株)製 全自動表面張力計CBVP−Zを用いて測定し、粘度はブルックフィールドエンジニアリング社製、DV-III Ultra CPを用いて測定した。pHは、東亜ディーケーケー(株)製PHメーター HM−30Rを用いて測定した。
−処理液1の組成−
・マロン酸(和光純薬(株)製) … 25質量%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬(株)製)… 20.0質量%
・エマルゲンP109(花王(株)製、ノニオン性界面活性剤) … 1.0質量%
・イオン交換水 … 54質量%
<処理液2の調製>
下記組成の成分を混合して、処理液2を調製した。処理液2の粘度、表面張力、及びpH(25℃)は、粘度2.5mPa・s、表面張力40mN/m、pH1.0であった。ここで、粘度、表面張力、及びpH(25℃)は、処理液1の粘度、表面張力、及びpH(25℃)と同様の方法により測定した。
−処理液2の組成−
・硝酸マグネシウム(和光純薬(株)製) … 5.0質量%
・ジエチレングリコール(和光純薬(株)製) … 10.0質量%
・メチルアルコール(和光純薬(株)製) … 5.0質量%
・エマルゲンP109(花王(株)製、ノニオン性界面活性剤) … 0.6質量%
・イルガキュア2959(BASFジャパン(株)製) … 2.0質量%
・イオン交換水 … 77.4質量%
〔実施例1〕
≪画像記録及び評価≫
上記の水性インク及び水性処理液を用い、下記のようにして画像を記録し、記録された画像に対して、下記の評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
<画像記録>
まず、図1に示すインクジェット記録装置100と同様の構成のインクジェット記録装置を準備した。
ここで、処理液乾燥ゾーン13の構成は、記録媒体の記録面側には乾燥風を送って乾燥を行なう送風器を備え、記録媒体の非記録面側には赤外線ヒータを備え、処理液付与部で処理液の付与を開始した後900msecが経過するまでに、温度・風量を調節して処理液中の水の70質量%以上を蒸発(乾燥)できる構成とした。
また、インク吐出部30には、搬送ステージ10の搬送方向(図1中、一点鎖線の矢印方向)に沿って、ブラックインク吐出用ヘッド30K、マゼンタインク吐出用ヘッド30M、シアンインク吐出用ヘッド30C、及びイエローインク吐出用ヘッド30Yと、を順次配置した。各ヘッドは1200dpi/10inch幅フルラインヘッド(駆動周波数:25kHz、記録媒体の描画時の搬送速度530mm/sec)とし、各色をシングルパスで主走査方向に吐出して記録できるようにした。
プラズマ照射部14には、プラズマ照射ヘッド14Sとして株式会社魁半導体製S5000型大気圧低温プラズマジェット装置(放電ガス:窒素ガス)を改造したプラズマ照射ヘッドを設置した。このプラズマ照射ヘッドは、プラズマ照射(点灯)及びプラズマ非照射(消灯)を選択できるスイッチを備えている。
プラズマ照射部14では、プラズマ照射時には、搬送ステージ10の搬送速度の調整により、搬送ステージ10上の記録媒体に対し上記プラズマ照射ヘッドにより低温Nプラズマを5秒間照射できるようにした。
また、プラズマ照射部14では、プラズマ非照射時にはプラズマを消灯させ、記録媒体に対しプラズマが照射されない状態で搬送ステージ10がプラズマ照射部14を通過するようにした。
紫外線照射部16の構成は、紫外線照射ランプ16Sとしての、アイグラフィックス株式会社製 メタルハライドランプM008−L41により、画像面での積算照射量が1.0J/cmになる条件で、画像に対しUV(紫外線)が照射される構成とした。
画像の記録にあたり、上記処理液吐出用ヘッド12S、並びに、各色インク吐出用ヘッド30K、30M、30C、及び30Yにそれぞれ繋がる貯留タンク(不図示)に、それぞれ、処理液1、並びに、ブラックインクK1、マゼンタインクM1、シアンインクC1、及びイエローインクY1を装填した。
画像の記録に際し、各色のインクの打滴量は2.5plとなるように調整した。
また、記録媒体への処理液の付与量は、5ml/mとなるように調整した。
また、記録媒体としては、王子製紙(株)製の「OKトップコート+」(坪量104.7g/m)を用いた。
画像の記録は、この記録媒体を搬送ステージ10上に保持させ、該記録媒体を保持した搬送ステージ10を、各ゾーンを通過させることにより行った。以下では、記録媒体を保持した搬送ステージ10の移動(搬送)を、便宜上、「記録媒体の移動(搬送)」などと表現する。
以上のように調整されたインクジェット記録装置を用い、以下のようにして画像記録を行った。
まず、記録媒体上に処理液吐出用ヘッド12Sから処理液1をシングルパスで吐出した後(吐出量5ml/m)、記録媒体上に吐出された処理液1を処理液乾燥ゾーン13で乾燥させた。このとき、記録媒体が処理液乾燥ゾーン13を、処理液1の吐出開始から900msec迄に通過するようにした。処理液乾燥ゾーン13では、処理液1の着滴面の裏側(背面)から赤外線ヒータで膜面温度が40〜45℃となるように加熱しながら、送風器により処理液1の着滴面に120℃の温風をあて、風量を変えて所定の乾燥量になるように調整し、処理液1を乾燥させた。
次に、上記で乾燥された処理液1上に、シアンインク吐出用ヘッド30CによりシアンインクC1(1色目のインク)を網点率100%で吐出した。
次に、シアンインクC1が吐出された記録媒体をプラズマ照射部14に搬送し、記録媒体上のシアンインクC1に対し、低温Nプラズマを5秒間照射した(プラズマ照射)。
続いて、記録媒体をインク吐出部30に戻し、プラズマ照射が施されたシアンインクC1上に、イエローインク吐出用ヘッド30YによりイエローインクY1(2色目のインク)を網点率4%で吐出した。
次に、イエローインクY1が付与された記録媒体をインク乾燥ゾーン15に搬送し(プラズマ照射部14はプラズマ非照射の状態で通過させた)、インク乾燥ゾーン15において、インク着滴面の裏側(背面)から赤外線ヒータで加熱しながら、送風器により120℃、5m/secの温風を記録面に15秒間あて、シアンインクC1及びイエローインクY1を乾燥させた。
次に、記録媒体を紫外線照射部16まで搬送し、乾燥後のシアンインクC1及びイエローインクY1に対し、UV光(アイグラフィックス(株)製メタルハライドランプM008−L41)を積算照射量1.0J/cmとなるように照射し(UV照射)、シアンインクC1及びイエローインクY1を硬化させて二次色画像(緑色ベタ画像)を得た。
≪画像評価≫
上記で得られた二次色画像(緑色ベタ画像)に対し、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<色再現性>
上記で得られた二次色画像(緑色ベタ画像)の色度(a、b)を、グレタグマクベス社製のスペクトロスキャンを用いて測定した。a及びbは、いずれも絶対値が大きいほど色再現域が広いことを示す。
評価結果を下記表1に示す。
<光沢度>
上記で二次色画像(緑色ベタ画像)が形成された記録媒体を、25℃、50%RHの環境下に24時間放置した。該放置後の二次色画像(緑色ベタ画像)の60°光沢度(°)を、HORIBA GLOSS CHECKER IG−331(堀場製作所社製)を用いて測定した。評価結果を下記表1に示す。
<ざらつき>
上記で得られた二次色画像(緑色ベタ画像)を目視で観察し、下記評価基準に従ってざらつきを評価した。
−ざらつきの評価基準−
1.均一な、ざらつきの無い画像であった。
2.画像のごく一部に軽度なざらつきが存在する画像であった。
3.一面にざらつきが存在する画像であった(但し、下記「4.」に該当する場合を除く)。
4.一面にざらつきが存在し、不均一な濃度ムラが視認される画像であった。
<耐擦過性>
上記で二次色画像(緑色ベタ画像)が形成された記録媒体(以下、本評価において「印画サンプル」ともいう)を、25℃、50%RHの環境下に15分間放置した。
放置後の印画サンプルのベタ画像表面上に、画像形成していないOKトップコート+(以下、本評価において「未使用サンプル」という。)を重ねて荷重200kg/mをかけて10往復擦った。その後、未使用サンプルとベタ画像を目視で観察し、下記の評価基準に従って評価した。
−耐擦過性の評価基準−
1:未使用サンプルへの色の付着が認められず、かつ、擦られたベタ画像の劣化も認められなかった。
2:未使用サンプルへの色の付着が認められたが、擦られたベタ画像の劣化は認められなかった。
3:未使用サンプルへの色の付着が認められ、かつ、擦られたベタ画像の劣化も認められた(但し、下記「4.」に該当する場合を除く)。
4:擦られたベタ画像が脱落し、紙面が露出した。
〔実施例2〕
実施例1において、処理液1を処理液2に変更したこと以外は実施例1と同様にして二次色画像を形成し、得られた二次色画像について実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
〔比較例1〕
実施例1において、シアンインクC1に対するプラズマ照射を上述の紫外線照射部16におけるUV照射に変更したこと以外は実施例1と同様にして二次色画像を形成し、得られた二次色画像について実施例1と同様の評価を行った。
評価結果を表1に示す。
〔比較例2〕
実施例1において、UV照射を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして二次色画像を形成し、得られた二次色画像について実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
〔比較例3〕
実施例1において、シアンインクC1に対するプラズマ照射を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして二次色画像を形成し、得られた二次色画像について実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
表1に示すように、1色目のインクを打滴し、打滴された1色目のインクに対しプラズマ照射を施し、プラズマ照射後の1色目のインク上に2色目のインクを打滴し、その後、乾燥及びUV硬化を順次行って形成された実施例1及び2の二次色画像は、色再現域が広く、光沢度が高く、ざらつきが抑制されており、更に耐擦過性にも優れていた。
これに対し、比較例1で形成された二次色画像は、色再現域が広く光沢度も高いものの、ざらつきが極めて悪く低品位な画像であった。
また、比較例2で形成された二次色画像は、色再現域は広いものの、光沢度が低く、かつ、ざらつきが悪かった。更に、硬化が不十分であるため、耐擦過性に劣っていた。
また、比較例3で形成された二次色画像は、色再現域が狭く光沢度が低かった。
また、上記実施例1及び2では、1色目のインクとしてシアンインクC1を用い2色目のインクとしてイエローインクY1を用いて緑色画像を形成した場合を示したが、1色目のインクとしてマゼンタインクM1を用い2色目のインクとしてイエローインクY1を用いて赤色画像を形成する場合や、1色目のインクとしてシアンインクC1を用い2色目のインクとしてマゼンタインクM1を用いて青色画像を形成する場合等、実施例1及び2以外の他のインクの組合せで画像を形成した場合においても、実施例1及び2と同様に、1色目のインクを打滴し、打滴された1色目のインクに対しプラズマ照射を施し、プラズマ照射後の1色目のインク上に2色目のインクを打滴し、その後、乾燥及びUV硬化を順次行うことにより、色再現域が広く、光沢度が高く、ざらつきが抑制され、耐擦過性に優れた画像が得られた。
12・・・処理液付与部
12S・・・処理液吐出用ヘッド
13・・・処理液乾燥ゾーン
14・・・プラズマ照射部
14S・・・プラズマ照射ヘッド
15・・・インク乾燥ゾーン
16・・・紫外線照射部
16S・・・紫外線照射ランプ
30・・・インク吐出部
30K,30C,30M,30Y・・・インク吐出用ヘッド
100・・・インクジェット記録装置

Claims (5)

  1. 記録媒体上に、顔料、重合性化合物、及び重合開始剤を含む第1のインク組成物をインクジェット法により付与する第1のインク付与工程と、
    前記記録媒体上に付与された第1のインク組成物にプラズマを照射して該第1のインク組成物の表面を硬化させるプラズマ照射工程と、
    前記プラズマの照射により表面が硬化された第1のインク組成物上に、顔料、重合性化合物、及び重合開始剤を含み前記第1のインク組成物とは色相が異なる第2のインク組成物をインクジェット法により付与する第2のインク付与工程と、
    前記記録媒体上に付与された、少なくとも前記第1のインク組成物及び前記第2のインク組成物を含む複数色のインク組成物に紫外線を照射して該複数色のインク組成物を硬化させる紫外線照射工程と、
    を有する画像形成方法。
  2. 前記第1のインク組成物及び前記第2のインク組成物が、更に、水を含む請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記第1のインク付与工程の前に、前記記録媒体上に、少なくとも前記第1のインク組成物及び前記第2のインク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含む処理液を付与する処理液付与工程を有する請求項1又は請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記第1のインク組成物及び前記第2のインク組成物が、前記重合性化合物として、下記一般式(1)で表される化合物を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成方法。

    〔一般式(1)中、Qはn価の基を表し、Rは水素原子またはメチル基を表す。また、nは1以上の整数を表す。〕
  5. 前記記録媒体が、原紙と無機顔料を含むコート層とを有する塗工紙である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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