JP5518588B2 - インクセット、並びに画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクセット、並びに画像形成方法に関する。
インクジェット記録方法は、インクジェットヘッドに形成された多数のノズルから液滴状のインクを記録媒体に向けて吐出し、インクを記録媒体に定着させることによって記録を行う方法である。通常、インクジェット記録方法に使用されるインクは、水を主成分とし、これに着色成分及び有機溶剤を含有させたものが一般的であり、高品位な画像を得るために、更に様々な成分を含有させることが提案されている。
例えば、アニオン性基とカチオン性基とを有する両性高分子を含むインクが提案されており、ブリーディングが抑制され、画像濃度が高く、耐水性に優れた高画質画像が得られるとされている(例えば、特許文献1参照)。
また、水溶性の重合性オリゴマーを含む光硬化性インクが提案されており、耐擦過性等に優れた高品質な画像を形成することができるとされている(例えば、特許文献2参照)。
ほかに、インクの凝集の高速化を目的として、2種類の水不溶性微粒子を含むインク組成物と処理液とから構成されるインクセットが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平8−333538号公報 特許第3576862号公報 特開2009−13394号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載のインクを用いたインクジェット記録では、発色濃度、インクの定着性(凝集性)、画像解像度などにおいて十分な性能が得られない場合があり、画像形成を高速化した場合にこれらの欠陥が顕著である。中でも、インクの定着性(凝集性)が不十分であることは、記録速度をさらに高速化するためにシャトルスキャン方式にかわってシングルパス方式が主流になりつつある当技術分野において、大きな問題である。加えて、特許文献1や特許文献2に記載のインクは、吐出安定性も十分ではない。
また、特許文献3に記載のインクセットを用いたインクジェット記録では、インクの定着性(凝集性)がインク組成物中に含まれる水不溶性微粒子の熱特性に左右される傾向にあり、該水不溶性微粒子の軟化温度未満で加熱定着処理すると、画像の耐擦過性が十分でない場合がある。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、インクジェット法により記録媒体上に画像を形成した場合に、高速で画像を形成したときでも、描画性及び耐擦過性に優れた画像を形成でき、吐出信頼性にも優れたインクセット並びに画像形成方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 水不溶性ポリマーで被覆された顔料、(A)疎水性構造単位と(B)アニオン性基を含有する構造単位と(C)塩基性脂肪族基または塩基性芳香族基を含有する構造単位とを有し、前記(A)の含有割合が20質量%超80質量%以下で前記(B)の含有割合が10質量%超30質量%以下で前記(C)の含有割合が3質量%超60質量%以下である水溶性ポリマー、水溶性の重合性化合物、および水を含むインク組成物と、前記インク組成物の成分と接触して凝集体を形成し得る凝集剤を含む処理液と、を有するインクセット。
<2> 前記重合性化合物が、解離性の官能基を有しない化合物である<1>に記載のインクセット。
<3> 前記重合性化合物は、(メタ)アクリルアミド基、マレイミド基、ビニルスルホン基、およびN−ビニルアミド基から選択される少なくとも1種の重合性官能基を2つ以上有し、1分子中の重合性官能基数に対する分子量の比(分子量/重合性官能基数)が175以下である<1>または<2>に記載のインクセット。
<4> 前記重合性化合物が、少なくとも1つの(メタ)アクリルアミド基を有する化合物である<1>から<3>のいずれか1つに記載のインクセット。
<5> 前記水溶性ポリマーは、前記(B)アニオン性基を含有する構造単位がカルボン酸基、リン酸基、またはスルホン酸基を含有する構造単位である<1>から<4>のいずれか1つに記載のインクセット。
<6> 前記水溶性ポリマーは、前記(B)アニオン性基を含有する構造単位がカルボン酸基を含有する構造単位であり、酸価が80mgKOH/g以上200mgKOH/g以下である<1>から<5>のいずれか1つに記載のインクセット。
<7> 前記水溶性ポリマーは、前記(C)塩基性脂肪族基または塩基性芳香族基を含有する構造単位が脂肪族3級アミノ基を含有する構造単位である<1>から<6>のいずれか1つに記載のインクセット。
<8> 前記凝集剤が有機酸である<1>から<7>のいずれか1つに記載のインクセット。
<9> 前記凝集剤が2価以上の有機酸である<1>から<8>のいずれか1つに記載のインクセット。
<10> 前記インク組成物および前記処理液の少なくとも一方が、活性エネルギー線の照射により前記重合性化合物の重合を開始させる開始剤を含む<1>から<9>のいずれか1つに記載のインクセット。
<11> <1>から<10>のいずれか1つに記載のインクセットを用いるとともに、前記インクセットにおけるインク組成物を記録媒体上にインクジェット法で付与するインク付与工程と、前記インクセットにおける処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程と、を有するインクジェット記録方法。
<12> 更に、記録媒体上に付与されたインク組成物に活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射工程を有する<11>に記載のインクジェット記録方法。
<13> 前記記録媒体が、原紙と、無機顔料を含むコート層とを有する塗工紙である<11>または<12>に記載のインクジェット記録方法。
本発明によれば、インクジェット法により記録媒体上に画像を形成した場合に、高速で画像を形成したときでも、描画性及び耐擦過性に優れた画像を形成でき、吐出信頼性にも優れたインクセット並びに画像形成方法を提供することができる。
本発明の画像形成方法に用いるインクジェット記録装置の構成例を示す概略図である。
≪インクセット≫
本発明のインクセットは、水不溶性ポリマーで被覆された顔料、(A)疎水性構造単位と(B)アニオン性基を含有する構造単位と(C)塩基性脂肪族基または塩基性芳香族基を含有する構造単位とを有する水溶性ポリマー、水溶性の重合性化合物、及び水を含むインク組成物と、前記インク組成物の成分と接触して凝集体を形成し得る凝集剤を含む処理液と、を有する。
かかる構成とすることにより、本発明のインクセットは、インクジェット法により記録媒体上に画像を形成した場合に、高速で画像を形成したときでも、描画性(例えば、画像中の細線や微細部分の再現性)及び耐擦過性に優れた画像を形成でき、吐出信頼性にも優れる。
本発明のインクセットは、インク組成物及び処理液を一体的に若しくは独立に収容したインクカートリッジとして用いることができ、取り扱いが便利である点等からも、インクカートリッジとして用いることが好ましい。インクセットを含んで構成されるインクカートリッジは当技術分野において公知であり、公知の方法を適宜用いてインクカートリッジにすることができる。
以下、本発明のインクセットに用いられるインク組成物と処理液について、詳しく説明する。
<インク組成物>
本発明のインクセットにおけるインク組成物(以下、「インク」とも称する。)は、水不溶性ポリマーで被覆された顔料、(A)疎水性構造単位と(B)アニオン性基を含有する構造単位と(C)塩基性脂肪族基または塩基性芳香族基を含有する構造単位とを有する水溶性ポリマー、水溶性の重合性化合物、及び水を含み、必要に応じて更に他の成分を含んでよい。
(水不溶性ポリマーで被覆された顔料)
本発明におけるインク組成物は、水不溶性ポリマーで被覆された顔料(以下、「樹脂被覆顔料」、及び「着色粒子」とも称する。)の少なくとも1種を含有する。水不溶性ポリマーで被覆された顔料は、水系媒体に安定に分散することができ、また、インク組成物としたときの吐出性が良好である。
[顔料]
本発明において用いられる顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、有機顔料、無機顔料のいずれであってもよい。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、等が挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、等が挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、等が挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、等が挙げられる。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、等が挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。なお、カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
黒色インク、イエローインク、マゼンタインク、及びシアンインクのそれぞれを構成する顔料としては、特に限定するわけではないが、特開2007−100071号公報の段落0142〜0145、特開2007−261206号公報の段落0075〜0079に記載の顔料を例示することができる。
本発明における顔料は、単独種を使用してもよく、また上記した各群内もしくは各群間から複数種を選択してこれらを組み合わせて使用してもよい。
本発明における顔料の含有量は、発色性、粒状性、インク安定性、吐出信頼性の観点から、全インク組成物中、0.1〜15質量%が好ましく、0.5〜12質量%がより好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。
[水不溶性ポリマー]
本発明において顔料の被覆に用いる水不溶性ポリマー(以下、「水不溶性ポリマー分散剤」、及び「ポリマー分散剤」とも称する。)としては、水不溶性のポリマーであって顔料を分散可能であれば特に制限はなく、従来公知の水不溶性のポリマー分散剤を用いることができる。
なお、水不溶性ポリマーとは、ポリマーを105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100g中に溶解させたときに、その溶解量が2.0g未満であるポリマーをいい、その溶解量が好ましくは1.5g以下、更に好ましくは1.0g以下である。前記溶解量は、ポリマーが有することがある塩生成基の種類に応じて、水酸化ナトリウム又は酢酸で100%中和した時の溶解量である。
前記水不溶性ポリマー分散剤は、例えば、疎水性の構成単位と親水性の構成単位の両方を含んで構成することができる。
前記疎水性の構成単位を構成するモノマーとしては、特に制限はないが、例えば、スチレン系モノマー、アルキル(メタ)アクリレート、芳香族基含有(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」及び「メタクリレート」の少なくとも一方を意味する。
前記親水性の構成単位を構成するモノマーとしては、親水性基を含むモノマーであれば特に制限はない。前記親水性基としては、ノニオン性基、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基等を挙げることができる。なお、ノニオン性基としては、水酸基、(窒素原子が無置換の)アミド基、アルキレンオキシド重合体(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等)に由来する基、糖アルコールに由来する基等が挙げられる。
本発明における親水性構成単位は、顔料の分散安定性の観点から、少なくともカルボン酸基を含有することが好ましく、ノニオン性基とカルボン酸基を共に含有する形態であることも好ましい。
前記水不溶性ポリマー分散剤として、具体的には、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−アルキル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸−アルキル(メタ)アクリレート共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」及び「メタクリル」の少なくとも一方を意味する。
前記水不溶性ポリマー分散剤は、顔料の分散安定性の観点から、カルボン酸基を含有するビニルポリマーであることが好ましく、疎水性の構成単位として芳香族基含有モノマーに由来する構成単位を有し、親水性の構成単位としてカルボン酸基を含有する構成単位を有するビニルポリマーであることがより好ましい。
前記水不溶性ポリマー分散剤の酸価(mgKOH/g)は、顔料の分散性、分散安定性の観点から、25〜100であることが好ましく、25〜90であることがより好ましく、40〜80であることが更に好ましい。
なお、前記水不溶性ポリマー分散剤の酸価は、JIS規格(JISK0070:1992)に記載の方法により求めた値である。
前記水不溶性ポリマー分散剤の重量平均分子量としては、顔料の分散安定性の観点から、3,000〜200,000が好ましく、より好ましくは5,000〜100,000、更に好ましくは5,000〜80,000、特に好ましくは10,000〜60,000である。
ここで、ポリマーの重量平均分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(いずれも東ソー(株)製の商品名)のカラムを備えたGPC分析装置を用いて、溶媒としてTHFを使用し、示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用い換算して表した分子量である。
前記着色粒子における前記水不溶性ポリマー分散剤の含有量は、顔料の分散安定性、インク着色性の観点から、顔料に対しポリマー分散剤が10〜100質量%であることが好ましく、20〜70質量%がより好ましく、30〜50質量%が更に好ましい。着色粒子中のポリマー分散剤の含有量が上記範囲であることにより、顔料が適切な量のポリマー分散剤で被覆され、粒径が小さく経時安定に優れた着色粒子を得やすく好ましい。
前記着色粒子は、前記水不溶性ポリマー分散剤に加えて、その他の分散剤を含んでいてもよい。例えば、従来公知の水溶性低分子分散剤や、水溶性ポリマー等を用いることができる。その他の分散剤の含有量は、前記水不溶性ポリマー分散剤の着色粒子における含有量の範囲内で用いることが好ましい。
前記着色粒子の体積平均粒径としては、10〜200nmが好ましく、10〜150nmがより好ましく、10〜100nmが更に好ましい。体積平均粒径が200nm以下であることで色再現性が良好になり、インクジェット記録の打滴特性が良好になる。また、体積平均粒径が10nm以上であることで、耐光性が良好になる。
前記着色粒子の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布又は単分散性の粒径分布のいずれであってもよい。また、単分散性の粒径分布を持つ着色粒子を、2種以上混合して使用してもよい。
なお、着色粒子の体積平均粒径及び粒径分布は、例えば、光散乱法を用いて測定することができる。
本発明において、前記着色粒子は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[着色粒子の作製方法]
前記着色粒子は、顔料の表面の少なくとも一部が前記水不溶性ポリマー分散剤で被覆されていればよい。前記着色粒子は、例えば、顔料、水不溶性ポリマー分散剤、必要に応じて溶媒(好ましくは有機溶剤)等を含む混合物を、分散機により分散処理することで着色粒子の分散物として得ることができる。
前記着色粒子の分散物は、例えば、顔料と前記水不溶性ポリマー分散剤と該分散剤を溶解または分散する有機溶剤との混合物に、塩基性物質を含む水溶液を加える工程(混合・水和工程)の後、前記有機溶剤の少なくとも一部を除く工程(溶剤除去工程)を設けて作製することができる。更に詳細には、下記の工程(1)と工程(2)とを含む製造方法により分散物として製造することができるが、これに限定されるものではない。
工程(1):前記水不溶性ポリマー分散剤を、該分散剤を溶解または分散する有機溶剤に溶解または分散させて混合物を得る(混合工程)。次に、顔料、塩基性物質を含み水を主成分とする溶液、水、及び必要に応じて界面活性剤等を、前記混合物に加え、分散処理し、水中油型の分散物を得る(分散工程)。
工程(2):分散処理後の混合物から、前記有機溶剤の少なくとも一部を除去する。
上記の工程(1)及び工程(2)を含む製造方法により得られた着色粒子の分散物は、顔料が微細に分散され、良好な分散状態を保ち、経時安定性に優れる。
前記塩基性物質は、前記水不溶性ポリマーが有することがあるアニオン性基(好ましくは、カルボン酸基)の中和に用いられる。前記アニオン性基の中和度に、特に制限はない。通常、最終的に得られる着色粒子の分散物の液性が、例えばpHが7.5〜10であることが好ましい。前記水不溶性ポリマーの望まれる中和度により、pHを決めることもできる。
前記有機溶剤は、前記水不溶性ポリマー分散剤を溶解または分散できることが必要であるが、これに加えて水に対してある程度の親和性を有することが好ましい。具体的には、20℃下で水に対する溶解度が10質量%以上50質量%以下であるものが好ましい。前記有機溶剤の好ましい例としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤が挙げられる。これらのうちアルコール系溶剤としては、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル系溶剤としては、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。これらの有機溶剤の中では、イソプロパノール、アセトン及びメチルエチルケトンが好ましく、特に、メチルエチルケトンが好ましい。有機溶剤は、1種単独で用いても複数併用してもよい。
前記着色粒子の分散物の製造においては、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸若しくは2軸の押出機等を用いて、強い剪断力を与えながら混練分散処理を行うことができる。なお、混練、分散についての詳細は、T.C.Patton著「Paint Flow and Pigment Dispersion」(John Wiley and Sons社刊、1964年)等に記載されている。
また、必要に応じて、縦型もしくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機等を用い、0.01〜1mmの粒径のガラス、ジルコニア等でできたビーズを用いた微分散処理を行うことができる。
前記溶剤除去工程における有機溶剤の除去方法は、特に制限されるものではなく、減圧蒸留等の公知の方法を採用してよい。
((A)疎水性構造単位と(B)アニオン性基を含有する構造単位と(C)塩基性脂肪族基または塩基性芳香族基を含有する構造単位とを含む水溶性ポリマー)
本発明におけるインク組成物は、(A)疎水性構造単位、(B)アニオン性基を含有する構造単位、及び(C)塩基性脂肪族基または塩基性芳香族基を含有する構造単位を有する水溶性ポリマー(以下、「両性水溶性ポリマー」とも称する。)の少なくとも1種を含有する。
インク組成物に積極的に添加するポリマーが水不溶性であると、インク組成物の安定性が悪化する場合がある。また、該ポリマーが(B)アニオン性基を含有する構造単位と、(C)塩基性脂肪族基または塩基性芳香族基を含有する構造単位とを共に有していないと、処理液と接触したときの凝集が不十分な場合がある。
本発明において、前記両性水溶性ポリマーの「水溶性」とは、ポリマーを105℃で2時間減圧乾燥させた後、25℃の水100g中に溶解させたときに、その溶解量が5.0g以上であることをいい、その溶解量が好ましくは10.0g以上、更に好ましくは15.0g以上である。前記溶解量は、ポリマーが有する塩生成基を、水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量である。
[(A)疎水性構造単位]
前記両性水溶性ポリマーは、1種又は2種以上の(A)疎水性構造単位を含む。
前記両性水溶性ポリマー中における前記(A)の含有比率としては、インクの吐出安定性の観点から、ポリマーの全質量の20質量%を超える範囲が好ましく、20質量%を超え80質量%以下の範囲がより好ましく、30質量%を超え80質量%以下の範囲が更に好ましく、50質量%以上80質量%以下の範囲が特に好ましい。
前記(A)は、これに対応する疎水性モノマーを重合することにより、前記両性水溶性ポリマー中に導入することができる。前記疎水性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、及びビニルエステル類などのビニルモノマー類、主鎖をなす原子に連結基を介して芳香環を有する化合物、等を挙げることができる。これらの疎水性モノマーは、1種単独で又は2種以上を併用することができる。
前記(メタ)アクリレート類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でも、ベンジル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレートが好ましい。
前記(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N−アリル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。
前記スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、n−ブチルスチレン、tert−ブチルスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられ、中でも、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
前記ビニルエステル類としては、例えば、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどのビニルエステル類が挙げられる。中でも、ビニルアセテートが好ましい。
[(B)アニオン性基を含有する構造単位]
前記両性水溶性ポリマーは、1種又は2種以上の(B)アニオン性基を含有する構造単位を含む。
前記両性水溶性ポリマー中における前記(B)の含有比率としては、描画性の観点から、ポリマーの全質量の10質量%を超える範囲が好ましく、10質量%を超え30質量%以下の範囲がより好ましく、10質量%を超え25質量%以下の範囲が更に好ましく、15質量%以上25質量%以下の範囲が特に好ましい。
前記(B)は、これに対応するアニオン性基を含有するモノマー(以下「アニオン性モノマー」ともいう。)を重合することにより、前記両性水溶性ポリマー中に導入することができる。前記アニオン性モノマーとは、インク中でマイナスの電荷を持ち得るアニオン性基を有するモノマー化合物である。アニオン性基は、特に制限されないが、カルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、及びスルフィン酸基のいずれかであることが好ましく、カルボン酸基、リン酸基、及びスルホン酸基のいずれかであることがより好ましく、カルボン酸基が最も好ましい。カルボン酸基を含有するモノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンアクリル酸などが挙げられる。
前記アニオン性モノマーは、1種単独で又は2種以上を併用することができる。
[(C)塩基性脂肪族基または塩基性芳香族基を含有する構造単位]
前記両性水溶性ポリマーは、1種又は2種以上の(C)塩基性脂肪族基または塩基性芳香族基を含有する構造単位を含む。
前記両性水溶性ポリマー中における前記(C)の含有比率としては、描画性の観点から、ポリマーの全質量の1質量%を超える範囲が好ましく、3質量%を超え80質量%以下の範囲がより好ましく、3質量%を超え60質量%以下の範囲が更に好ましく、3質量%以上50質量%以下の範囲が特に好ましい。
前記(C)は、塩基性脂肪族基または塩基性芳香族基を有するモノマーを重合することにより、前記両性水溶性ポリマー中に導入することができる。また、ポリマーの重合後にポリマー鎖に塩基性脂肪族基または塩基性芳香族基を導入してもよい。塩基性脂肪族基としては、例えば、脂肪族アミノ基が挙げられ、塩基性芳香族基としては、例えば、芳香族アミノ基や含窒素芳香族複素環基が挙げられる。
前記(C)を前記両性水溶性ポリマー中に導入するためのモノマーとしては、重合可能な官能基と塩基性脂肪族基または塩基性芳香族基とを有していれば特に制限はなく、公知のいかなるモノマー類をも用いることができる。
前記モノマーの具体例としては、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジメチルアミノフェニル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジエチルアミノフェニル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジプロピルアミノフェニル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジブチルアミノフェニル(メタ)アクリレート、p−N−ラウリルアミノフェニル(メタ)アクリレート、p−N−ステアリルアミノフェニル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジメチルアミノベンジル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジエチルアミノベンジル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジプロピルアミノベンジル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジブチルアミノベンジル(メタ)アクリレート、p−N−ラウリルアミノベンジル(メタ)アクリレート、p−N−ステアリルアミノベンジル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノ基含有(メタ)アクリレートが例示される。
さらに、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジメチルアミノフェニル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジエチルアミノフェニル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジプロピルアミノフェニル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジブチルアミノフェニル(メタ)アクリルアミド、p−N−ラウリルアミノフェニル(メタ)アクリルアミド、p−N−ステアリルアミノフェニル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジメチルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジエチルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジプロピルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジブチルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド、p−N−ラウリルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド、p−N−ステアリルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノ基含有(メタ)アクリルアミドが例示される。
また、ビニルピリジン、ビニルピロール、ビニルインドール、ビニルテトラヒドロインドール、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、ビニルテトラゾール、(メタ)アシルオキシエチルピリジン、(メタ)アシルオキシエチルピロール、(メタ)アシルオキシエチルインドール、(メタ)アシルオキシエチルテトラヒドロインドール、(メタ)アシルオキシエチルイミダゾール、(メタ)アシルオキシエチルトリアゾール、(メタ)アシルオキシエチルテトラゾール等の含窒素芳香族複素環基または芳香族アミノ基を有するモノマーも例示される。
これらモノマーのうち、画像滲みの点から、脂肪族アミノ基を有するモノマー、特にジアルキルアミノ基(アルキル部位の炭素数1〜12)を有するモノマーが好ましく、脂肪族3級アミノ基を有するモノマーがより好ましく、更にはジアルキルアミノ基(アルキル部位の炭素数1〜4)含有(メタ)アクリレートがより好ましい。
前記(C)を前記両性水溶性ポリマー中に導入するためのモノマーとして、例示化合物M−1〜M−14を以下に示す。但し、本発明においては、以下に示す例示化合物に限定されるものではない。
前記両性水溶性ポリマーは、各構造単位に対応するモノマーを用いて、種々の重合方法、例えば溶液重合、沈澱重合、懸濁重合、沈殿重合、塊状重合、乳化重合により合成することができる。重合反応は、回分式、半連続式、連続式等の公知の操作で行なうことができる。
重合の開始方法は、ラジカル開始剤を用いる方法、光又は放射線を照射する方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば鶴田禎二「高分子合成方法」改定版(日刊工業新聞社、1971年刊)や大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年刊、124〜154頁に記載されている。
前記重合方法のうち、特にラジカル開始剤を用いた溶液重合法が好ましい。溶液重合法で用いられる溶剤は、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、ジプロピレングリコール等の有機溶剤の単独あるいは2種以上の混合物でもよいし、水との混合溶媒としてもよい。
重合温度は、生成するポリマーの分子量、開始剤の種類などと関連して設定する必要があり、通常は0℃〜100℃程度であるが、50〜100℃の範囲で重合を行なうことが好ましい。反応圧力は、適宜選定可能であるが、通常は1〜100kg/cm、特に1〜30kg/cm程度が好ましい。反応時間は、5〜30時間程度である。得られたポリマーは再沈殿などの精製を行なってもよい。
前記両性水溶性ポリマーは、各構造単位が不規則的に導入されたランダム共重合体であっても、規則的に導入されたブロック共重合体であってもよく、ブロック共重合体である場合の各構造単位は、いかなる導入順序で合成されたものであってもよく、同一の構成成分を2度以上用いてもよいが、ランダム共重合体であることが汎用性、製造性の点で好ましい。
前記両性水溶性ポリマーの分子量の範囲は、重量平均分子量(Mw)で、好ましくは1000〜5万であり、より好ましくは2000〜3万であり、さらに好ましくは3000〜2万である。
前記両性水溶性ポリマーの分子量分布(重量平均分子量値/数平均分子量値で表される)は、1〜6であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。分子量分布を上記範囲とすることにより、顔料の分散時間の短縮、及び分散物の経時安定性の観点から好ましい。
なお、数平均分子量及び重量平均分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(いずれも東ソー(株)製の商品名)のカラムを備えたGPC分析装置を用いて、溶媒としてNMPを使用し、示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用い換算して表した分子量である。
前記両性水溶性ポリマーは、インク中での安定性と処理液と接触したときの凝集速度の観点から、カルボン酸基を含有する構造単位を有するポリマーであることが好ましく、カルボン酸基を含有する構造単位を有し、酸価(mgKOH/g)が80〜200であることがより好ましい。更に、前記酸価は、インク中での安定性と処理液が接触したときの凝集速度の観点から、85〜160であることがより好ましく、90〜150であることが特に好ましい。
酸価は、80以上であるとインク中での安定性が良好になり、200以下であると処理液と接触したときの凝集性が向上する。
なお、前記両性水溶性ポリマーの酸価(mgKOH/g)は、JIS規格(JISK0070:1992)記載の方法により求めた値である。
以下に、前記両性水溶性ポリマーの具体例(例示化合物SP−1〜6)を挙げる。ただし、本発明においては、これらに限定されるものではない。なお、括弧内は、共重合成分の質量比を表す。
SP−1:M−7/メタクリル酸メチル/メタクリル酸/メタクリル酸ドデシル(11.8/34.5/15.5/38.2)(酸価101)
SP−2:M−7/メタクリル酸メチル/メタクリル酸/メタクリル酸ドデシル(17/29.3/15.5/38.2)(酸価101)
SP−3:M−7/メタクリル酸メチル/メタクリル酸/メタクリル酸ドデシル(11.8/30/20/38.2)(酸価130)
SP-4:M−7/メタクリル酸メチル/メタクリル酸/メタクリル酸ドデシル(11.8/25/25/38.2)(酸価163)
SP−5:M−4/メタクリル酸メチル/メタクリル酸/メタクリル酸ドデシル(11.8/34.5/15.5/38.2)(酸価101)
SP-6:M−9/メタクリル酸メチル/メタクリル酸/メタクリル酸ドデシル(11.8/34.5/15.5/38.2)(酸価101)
前記両性水溶性ポリマーは、
前記(A)として(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、またはビニルエステル類に由来する構造単位、
前記(B)としてカルボン酸基、リン酸基、またはスルホン酸基を含有するモノマーに由来する構造単位、
並びに、前記(C)として脂肪族アミノ基を含有するモノマーに由来する構造単位、を有するものが好ましい。
更には、前記(A)として(メタ)アクリレート類に由来する構造単位、
前記(B)としてカルボン酸基を含有するモノマーに由来する構造単位、
並びに、前記(C)として脂肪族3級アミノ基を含有するモノマーに由来する構造単位、を有するものがより好ましい。
本発明においてインク中の前記両性水溶性ポリマーの含有量は、インク中での安定性と処理液が接触したときの凝集速度の観点から、インク組成物の全質量に対し、0.1〜6質量%であることが好ましく、0.1〜3.5質量%がより好ましく、0.5〜2質量%が更に好ましい。
前記両性水溶性ポリマーは、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
(水溶性の重合性化合物)
本発明におけるインク組成物は、水溶性の重合性化合物の少なくとも1種を含有する。該重合性化合物は、少なくとも1つの重合性官能基(以下、「重合性基」とも称する。)を有し、活性エネルギー線の照射により重合する。該重合性化合物は、処理液と接触したときには、凝集状態にある前記着色粒子や前記両性水溶性ポリマーの粒子間に取り込まれて、その後の重合硬化により画像を強化する。
なお、重合性化合物についての「水溶性」とは、重合性化合物が25℃において水に2質量%以上溶解することを意味し、5質量%以上溶解することが好ましく、10質量%以上溶解することがより好ましく、20質量%以上溶解することが更に好ましく、任意の割合で水と均一に混合することが特に好ましい。
本発明における水溶性重合性化合物は、顔料、ポリマー分散剤、及び両性水溶性ポリマーと、凝集剤との反応を妨げない点で、解離性の官能基を有しない水溶性重合性化合物であることが好ましい。
解離性の官能基を有しない水溶性重合性化合物としては、例えば、重合性モノマーとして、(メタ)アクリルモノマー類などの重合性化合物を挙げることができる。前記(メタ)アクリルモノマー類としては、例えば、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、多価アルコールのグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル、多価アルコールのエチレンオキシド付加化合物の(メタ)アクリル酸エステル、多塩基酸無水物と水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとの反応物などの紫外線硬化型モノマー、オリゴマーが挙げられる。
前記多価アルコールは、エチレンオキシドの付加により内部にエチレンオキシド鎖で鎖延長されたものでもよい。
また、解離性の官能基を有しない水溶性重合性化合物としては、多水酸基化合物から誘導される1分子中に2以上のアクリロイル基を有するアクリル酸エステルも用いることができる。前記多水酸基化合物としては、例えば、グリコール類の縮合物、オリゴエーテル、オリゴエステル類等が挙げられる。
更に、単糖類、2糖類などの2以上の水酸基を有するポリオールの(メタ)アクリル酸エステルも好適である。
本発明の水溶性重合性化合物としては、2官能以上が好ましいが、耐擦過性を高め得る観点から、2官能〜6官能のモノマーが好ましく、溶解性と耐擦過性の両立の観点から、2官能〜4官能のモノマーが好ましい。
以下、解離性の官能基を有しない水溶性重合性化合物の具体例(a)〜(f)を示す。但し、本発明においては、これらに限定されるものではない。
本発明で用い得る解離性の官能基を有しない水溶性重合性化合物としては、重合性基として、(メタ)アクリルアミド基、マレイミド基、ビニルスルホン基、及びN−ビニルアミド基からなる群から選択される少なくとも1種を含む化合物も好ましい。これらの重合性基を含む重合性化合物を用いると、画像の耐擦過性と耐ブロッキング性が良好である。
該重合性化合物1分子中の上記重合性基の数には特に制限はないが、画像の耐擦過性と耐ブロッキング性の観点から、2以上であることが好ましく、2以上6以下であることがより好ましく、2以上3以下であることが更に好ましい。重合性化合物が2以上の重合性基を有する場合、前記2以上の重合性基は同一であっても、互いに異なっていてもよい。
前記水溶性重合性化合物は、硬化感度と形成される画像の耐擦過性及び耐ブロッキング性の観点から、(メタ)アクリルアミド基、マレイミド基、ビニルスルホン基、及びN−ビニルアミド基からなる群から選択される少なくとも1種の重合性基を2以上有することが好ましく、その内の少なくとも1つが(メタ)アクリルアミド基であることがより好ましく、(メタ)アクリルアミド基を2以上有することが更に好ましい。水溶性重合性化合物は、(メタ)アクリルアミド基を少なくとも1つ(好ましくは2以上)有することで、硬化感度と耐擦過性及び耐ブロッキング性の向上に加え、インク組成物としたときの吐出信頼性にも優れる。
前記水溶性重合性化合物は、重合性基に加えて親水性基としてノニオン性基の少なくとも1つを更に有することが好ましい。
前記親水性基として具体的には、オキシアルキレン基及びそのオリゴマー、ヒドロキシル基、アミド基、糖アルコール残基、ウレア基、イミノ基、アミノ基、等を挙げることができる。
本発明において前記親水性基は、硬化感度、耐擦過性及び耐ブロッキング性の観点から、オキシアルキレン基及びそのオリゴマー、ヒドロキシル基、アミド基、糖アルコール残基、ウレア基、イミノ基、アミノ基から選ばれることが好ましく、オキシアルキレン基及びそのオリゴマー、並びにヒドロキシル基から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、オキシエチレン基及びそのオリゴマー(好ましくはn=1〜2)、オキシプロピレン基及びそのオリゴマー(好ましくはn=1〜2)、並びにヒドロキシル基から選ばれる少なくとも1種であることが更に好ましい。
前記水溶性重合性化合物が2以上の重合性基を有し、さらに親水性基を含む場合、重合性基および親水性基の結合態様には特に制限はないが、硬化感度と耐ブロッキング性の観点から、2価以上の親水性基を介して2以上の重合性基が連結した態様であることが好ましい。
前記2価以上の親水性基としては、以下の化合物群から選ばれる化合物から、1以上の水素原子またはヒドロキシル基が除去された残基を挙げることができる。
−化合物群−
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール,1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、チオグリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及びこれらの縮合体、低分子ポリビニルアルコール、または糖類などのポリオール類。
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンジアミンなどのポリアミン類。
ピリジン、イミダゾール、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリンなどの飽和もしくは不飽和のヘテロ環類。
前記水溶性重合性化合物は、硬化感度と画像の耐擦過性及び耐ブロッキング性の観点、更にはインク組成物としたときの吐出信頼性の観点から、1分子に含まれる重合性官能基数に対する分子量の比、すなわち、水溶性重合性化合物の分子量を、その化合物が有する重合性官能基数で除した値(重合性化合物の分子量/重合性官能基数、以下、「A値」と称する。)が175以下であることが好ましく、165以下であることがより好ましい。前記A値は、構造上の観点からは、84以上であることが好ましい。
前記水溶性重合性化合物は、硬化感度と耐ブロッキング性の観点、更にはインク組成物としたときの吐出信頼性の観点から、(メタ)アクリルアミド基、マレイミド基、ビニルスルホン基、及びN−ビニルアミド基からなる群から選択される少なくとも1種の重合性官能基を2以上有し、前記A値が84以上175以下であることが好ましい。より好ましくは、(メタ)アクリルアミド基、マレイミド基、ビニルスルホン基、及びN−ビニルアミド基からなる群から選択される少なくとも1種の重合性官能基を2以上有し、前記A値が84以上165以下であり、更に好ましくは、(メタ)アクリルアミド基を少なくとも2以上有し、前記A値が84以上165以下である。
さらに前記水溶性重合性化合物は、(メタ)アクリルアミド基、マレイミド基、ビニルスルホン基、及びN−ビニルアミド基からなる群から選択される少なくとも1種の重合性官能基を2以上有し、更に少なくとも1つのノニオン性親水性基を有し、前記A値が84以上175以下であることが好ましい。より好ましくは、(メタ)アクリルアミド基、マレイミド基、ビニルスルホン基、及びN−ビニルアミド基からなる群から選択される少なくとも1種の重合性官能基を2以上有し、更に、オキシアルキレン基及びそのオリゴマー、並びにヒドロキシル基から選ばれる少なくとも1種のノニオン性親水性基を少なくとも1つ有し、前記A値が84以上165以下であり、特に好ましくは、(メタ)アクリルアミド基を少なくとも2以上有し、オキシアルキレン基及びそのオリゴマー並びにヒドロキシル基から選ばれる少なくとも1種のノニオン性親水性基を少なくとも1つ有し、前記A値が84以上165以下である。
以下に、前記水溶性重合性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。

本発明における水溶性重合性化合物は、1種単独又は2種以上を組み合わせて含有することができる。
水溶性重合性化合物のインク組成物中における含有率としては、4〜30質量%であることが好ましく、10〜22質量%であることがより好ましい。
また、水溶性重合性化合物の顔料の固形分に対する含有率としては、顔料:水溶性重合性化合物=1:1〜1:30が好ましく、1:3〜1:15がより好ましい。水溶性重合性化合物の含有率は、顔料の1倍以上であると画像強度がより向上して画像の耐擦過性に優れ、30倍以下であるとパイルハイトの点で有利である。
(開始剤)
本発明のインクセットにおいては、インク組成物および処理液の少なくとも一方が、活性エネルギー線により水溶性重合性化合物の重合を開始させる開始剤(以下、「重合開始剤」とも称する。)の少なくとも1種を含有することが好ましい。本発明においては、インク組成物に含まれる重合性化合物をより効率的に重合させる観点から、インク組成物が重合開始剤を含有することが好ましい。
前記重合開始剤としては、公知の重合開始剤を特に制限なく使用することができる。本発明で使用され得る好ましい重合開始剤としては、芳香族ケトン類、アシルホスフィン化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機化酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物、等が挙げられる。更に、加藤清視著「紫外線硬化システム」(株式会社総合技術センター発行:平成元年)の第65〜148頁に記載されている重合開始剤を挙げることができる。
本発明における重合開始剤としては、水不溶性の開始剤を水分散させたもの、水溶性の開始剤のいずれであっても使用可能であるが、水溶性の重合開始剤であることが好ましい。なお、重合開始剤における水溶性とは、25℃において蒸留水に0.5質量%以上溶解することを意味する。前記水溶性の重合開始剤は、25℃において蒸留水に1質量%以上溶解することが好ましく、3質量%以上溶解することがより好ましい。
本発明における重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を混合して、あるいは増感剤と併用して使用することができる。
インク組成物が重合開始剤を含有する場合、その含有量としては、重合性化合物に対して、1〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。重合開始剤の含有量は、重合性化合物に対して、1質量%以上であると画像の耐擦過性がより向上し、高速記録に有利であり、40質量%以下であると吐出安定性の点で有利である。
前記増感剤としては、アミン系化合物(脂肪族アミン、芳香族基を含むアミン、ピペリジン等)、尿素系化合物(アリル系、o−トリルチオ尿素等)、イオウ化合物(ナトリウムジエチルジチオホスフェート、芳香族スルフィン酸の可溶性塩等)、ニトリル系化合物(N,N,ジ置換p−アミノベンゾニトリル等)、リン化合物(トリn−ブチルホスフィン、ナトリウムジエチルジチオホスフィード等)、窒素化合物(ミヒラーケトン、N−ニトロソヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリジン化合物、テトラヒドロ1,3オキサジン化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドとジアミンの縮合物等)、塩素化合物(四塩化炭素、ヘキサクロロエタン等)、エポキシ樹脂とアミンの反応生成物の高分子化アミン、トリエタノールアミントリアクリレート、等が挙げられる。
増感剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、含有することができる。
(水)
本発明におけるインク組成物は、水を含有するものであるが、水の量に特に制限はない。中でも、水の好ましい含有量は、10〜99質量%であり、より好ましくは30〜80質量%であり、更に好ましくは50〜80質量%である。
(水溶性有機溶媒)
本発明におけるインク組成物は、水溶性有機溶剤の少なくとも1種を含有してもよい。水溶性有機溶剤を含有することで、インク組成物の乾燥防止、湿潤、あるいは記録媒体への浸透促進の効果を得ることができる。具体的には、例えば、水溶性有機溶剤は、噴射ノズルのインク吐出口においてインクが付着乾燥して凝集体ができ、目詰まりするのを防止する乾燥防止剤として用いられる。また、水溶性有機溶剤は、紙へのインク浸透性を高める浸透促進剤として用いることができる。
乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤であることが好ましい。このような水溶性有機溶剤の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。
このうち、乾燥防止剤としては、グリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールが好ましい。
乾燥防止剤は、1種単独で用いても2種以上併用してもよい。乾燥防止剤の含有量は、インク組成物の10〜50質量%が好ましい。
浸透促進剤の具体例としては、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を好適に用いることができる。
浸透促進剤は、1種単独で用いても2種以上併用してもよい。浸透促進剤の含有量は、インク組成物の5〜30質量%が好ましい。また、浸透促進剤は、画像の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない量の範囲内で使用することが好ましい。
水溶性有機溶剤は、上記以外にも粘度の調整のために用いられる。粘度の調整に用いることができる水溶性有機溶剤の具体例としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が挙げられる。この場合も、水溶性有機溶剤は1種単独で用いるほか、2種以上を併用してもよい。
(その他の添加剤)
本発明におけるインク組成物は、上記成分以外にその他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
前記紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させることができる。紫外線吸収剤としては、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載のベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号明細書等に記載のベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載の桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載のトリアジン系化合物を用いてよく、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載の化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される、紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
前記褪色防止剤は、画像の保存性を向上させることができる。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤が挙げられる。有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類等が挙げられ、金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体等が挙げられる。より具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載の化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載の代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を用いることができる。
前記防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。防黴剤の含有量は、インク組成物に対して0.02〜1.00質量%の範囲が好ましい。
前記pH調整剤としては、中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。pH調整剤は、インク組成物の保存安定性を向上させることができる。pH調整剤は、インク組成物のpHが6〜10となるように添加するのが好ましく、pHが7〜10となるように添加するのがより好ましい。
前記表面張力調整剤としては、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ベタイン系界面活性剤等が挙げられる。
表面張力調整剤の添加量は、インク組成物の表面張力を20〜60mN/mに調整できる範囲が好ましく、20〜45mN/mに調整できる範囲がより好ましく、25〜40mN/mに調整できる範囲が更に好ましい。添加量が前記範囲内であると、インクジェット法で良好に打滴することができる。
前記界面活性剤の具体例としては、炭化水素系では、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるオルフィン(日信化学工業社製)、SURFYNOLS(AirProducts&ChemicaLs社製)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシド等のアミンオキシド型の両性界面活性剤も好ましい。
更に、特開昭59−157636号の第37〜38頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)に界面活性剤として挙げられたものも用いることができる。
また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載のフッ素(フッ化アルキル系)系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等を用いることにより、耐擦過性を良化することもできる。
また、これら表面張力調整剤は、消泡剤としても使用することができ、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、及びEDTAに代表されるキレート剤等も使用可能である。
<インク組成物の製造方法>
本発明におけるインク組成物の製造方法は、特に制限されないが、例えば、水不溶性ポリマーを用いて顔料を被覆することにより着色粒子の分散物を作製する工程と、少なくとも、着色粒子の分散物、アニオン性基とカチオン性基とを有する水溶性ポリマー(両性水溶性ポリマー)、水溶性の重合性化合物、及び水を混合してインク組成物を調製する工程と、を有し、必要に応じて、その他の工程を有する。
上記の製造方法で製造したインク組成物は、長期に亘り優れた吐出信頼性を有するので好ましい。また、当該インク組成物を用いると、インクジェット法により高速で画像を形成したときでも、描画性及び耐擦過性に優れた画像を形成できる。
前記着色粒子の分散物を作製する工程は、既述の[着色粒子の作製方法]と同義であり、好ましい態様も同様である。また、当該工程において用いる顔料、水不溶性ポリマー等の詳細も、前記[着色粒子の作製方法]におけるものと同義であり、好ましい例も同様である。
前記インク組成物を調製する工程は、前記着色粒子の分散物と、両性水溶性ポリマーと、水溶性の重合性化合物と、水とを混合する。前記各成分に加え、必要に応じて、重合開始剤などのその他の成分を添加してもよい。混合は公知の分散機等を用いて行うことができる。
本発明におけるインクとしては、
芳香族基含有モノマーに由来する疎水性構成単位とカルボン酸基を含有する親水性構成単位とを有する水不溶性ビニルポリマーで被覆された顔料、
カルボン酸基を含有する構造単位を有し酸価(mgKOH/g)が80〜200の両性水溶性ポリマー、
並びに、(メタ)アクリルアミド基、マレイミド基、ビニルスルホン基、及びN−ビニルアミド基から選択される少なくとも1種の重合性官能基を2つ以上有し、A値が175以下である水溶性重合性化合物、を含むインク組成物が好ましい。
更には、本発明におけるインクとしては、
芳香族基含有モノマーに由来する疎水性構成単位とカルボン酸基を含有する親水性構成単位とを有する水不溶性ビニルポリマーで被覆された顔料、
カルボン酸基を含有する構造単位と脂肪族3級アミノ基を含有する構造単位とを有し酸価(mgKOH/g)が80〜200の両性水溶性ポリマー、
並びに、(メタ)アクリルアミド基を2つ以上有し、A値が84以上165以下である水溶性重合性化合物、を含むインク組成物がより好ましい。
<処理液>
本発明における処理液は、既述のインク組成物中の成分と接触することで凝集体を形成し得る凝集剤を少なくとも1種含み、必要に応じて、さらに他の成分を用いて構成することができる。
前記凝集剤としては、インク組成物のpHを変化させることができる化合物、多価金属塩、及びポリアリルアミン類などの4級もしくは3級アミンを有するポリマーを挙げることができ、中でも、酸性化合物、多価金属塩、及びポリアリルアミン類などの4級もしくは3級アミンを有するポリマーから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、酸性化合物がより好ましい。
前記酸性化合物としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等が好適に挙げられる。
酸性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明における処理液が酸性化合物を含む場合、処理液のpH(25℃)は、6以下が好ましく、より好ましくは4以下である。中でも、処理液のpH(25℃)は、0.5〜4が好ましく、特に好ましくは1〜3である。このとき、前記インク組成物のpH(25℃)は、7.5以上(より好ましくは8.0以上)であることが好ましい。
中でも、画像濃度、解像度、及び画像形成の高速化の観点から、インク組成物のpH(25℃)が8.0以上であって、処理液のpH(25℃)が0.5〜4であることが好ましい。
上記の酸性化合物の中でも、水溶性の高い酸性化合物が好ましく、凝集性を高め、インク全体を固定化させる点で、リン酸又は有機酸が好ましく、有機酸がより好ましく、2価以上の有機酸が更に好ましく、2価以上3価以下の有機酸が特に好ましい。前記2価以上の有機酸の中でも、その第1pKaが3.5以下の有機酸が好ましく、より好ましくは第1pKaが3.0以下の有機酸である。具体的には、例えば、シュウ酸、マロン酸、クエン酸などが好適に挙げられる。
前記多価金属塩としては、周期表の第2属のアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム)、周期表の第3属の遷移金属(例えば、ランタン)、周期表の第13属からのカチオン(例えば、アルミニウム)、ランタニド類(例えば、ネオジム)の塩を挙げることができる。これら金属の塩としては、カルボン酸塩(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)、硝酸塩、塩化物、及びチオシアン酸塩が好適である。中でも、好ましくは、カルボン酸(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)のカルシウム塩又はマグネシウム塩、硝酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、及びチオシアン酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩である。
前記凝集剤は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
前記凝集剤の処理液中における含有量としては、1〜50質量%が好ましく、より好ましくは3〜45質量%であり、更に好ましくは5〜40質量%である。
本発明のインクセットにおいては、インク組成物および処理液の少なくとも一方が、重合開始剤の少なくとも1種を含有することが好ましい。
処理液に含有し得る重合開始剤は、既述のインク組成物の項に記載されたものと同義であり、具体例および好ましい態様も同様である。
本発明における処理液は、本発明の効果を損なわない範囲内で、更にその他の成分を含有することができる。その他の成分としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
本発明のインクセットとしては、既述の好ましいインク組成物と、凝集剤として有機酸を含む処理液との組み合わせが好ましい。更には、既述の好ましいインク組成物と、凝集剤として2価以上の有機酸を含む処理液との組み合わせがより好ましい。
≪画像形成方法≫
本発明の画像形成方法は、本発明のインクセットを用いるとともに、前記インクセットにおけるインク組成物を記録媒体上にインクジェット法で付与するインク付与工程と、前記インクセットにおける処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程とを有する。本発明の画像形成方法は、必要に応じて、更に他の工程を有してよい。本発明の画像形成方法は、記録媒体上に付与されたインク組成物に活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射工程を有することが好ましく、活性エネルギー線として紫外線を照射する紫外線照射工程を有することがより好ましい。
本発明の画像形成方法においては、インク組成物中の顔料及び/又はポリマーと処理液中の凝集剤とが、記録媒体上で接触することで凝集体を形成し、画像が固定化されると共に、インク組成物中の水溶性重合性化合物が、顔料及び/又はポリマーの粒子間に取り込まれた状態で重合硬化し、画像の強度を高めることができる。
即ち、処理液を用いることでインク組成物中の成分を高速凝集させ、高速記録したときの画像品質(色相及び描画性など)を向上させつつ、凝集状態を形成している顔料及び/又はポリマーの粒子の隙間に重合性化合物が適度に入り込んで存在する状態を作り、この状態で重合性化合物が重合硬化するので、画像強度の向上が可能になり、画像の耐擦過性も向上させることができる。
<インク付与工程>
インク付与工程は、水不溶性ポリマーで被覆された顔料、アニオン性基とカチオン性基とを有する水溶性ポリマー、水溶性の重合性化合物、及び水を含むインク組成物を、記録媒体上にインクジェット法で付与する。本工程で用いるインク組成物の詳細及び好ましい態様は、本発明のインクセットについて既述した通りである。
インクジェット法は、特に制限はなく、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等のいずれであってもよい。インクジェット法としては、特に、特開昭54−59936号公報に記載の方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させるインクジェット法を有効に利用することができる。
なお、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式、無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
インクジェット法で用いるインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを具体的な例として挙げることができるが、いずれの吐出方式を用いても構わない。
また、インクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
インクジェット法としては、短尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを記録媒体の幅方向に走査させながら記録を行なうシャトル方式と、記録媒体の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いたライン方式とがある。ライン方式では、記録素子の配列方向と直交する方向に記録媒体を走査させることで記録媒体の全面に画像記録を行なうことができ、短尺ヘッドを走査するキャリッジ等の搬送系が不要となる。また、キャリッジの移動と記録媒体との複雑な走査制御が不要になり、記録媒体だけが移動するので、シャトル方式に比べて記録速度の高速化が実現できる。本発明の画像形成方法は、これらのいずれにも適用可能であるが、一般にダミージェットを行なわないライン方式に適用した場合に、吐出精度及び画像の耐擦過性の向上効果が大きい。
インクジェットヘッドから吐出されるインクの液滴量としては、高精細な画像を得る観点で、1〜10pl(ピコリットル)が好ましく、1.5〜6plがより好ましい。また、画像のムラ、連続諧調のつながりを改良する観点で、異なる液適量を組み合わせて吐出することも有効であり、このような場合でも本発明は好適に使用できる。
本発明においては、インク付与工程で付与されたインク組成物の溶媒の少なくとも一部を、乾燥により除去する加熱乾燥工程を設けてもよい。
加熱乾燥は、ヒータ等の公知の加熱手段やドライヤ等の送風を利用した送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段により行なえる。加熱方法としては、例えば、記録媒体のインク付与面と反対側からヒータ等で熱を与える方法や、記録媒体のインク付与面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒータを用いた加熱法などが挙げられ、これらの複数を組み合わせて加熱してもよい。
<処理液付与工程>
処理液付与工程は、インク組成物の成分と接触して凝集体を形成し得る凝集剤を含む処理液を、記録媒体上に付与する。本工程で用いる処理液の詳細及び好ましい態様は、本発明のインクセットについて既述した通りである。
処理液の付与は、塗布法、インクジェット法、浸漬法などの公知の方法を適用して行なうことができる。塗布法としては、バーコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、等を用いた公知の塗布方法によって行なうことができる。インクジェット法の詳細については、既述の通りである。
処理液付与工程は、インク付与工程の前又は後のいずれに設けてもよい。本発明においては、処理液付与工程の後にインク付与工程を設けた態様が好ましい。具体的には、インク組成物を付与する前に、記録媒体上に予め、インク組成物中の顔料及び/又はポリマーの粒子を凝集させるための処理液を付与しておき、記録媒体上に付与された処理液に接触するようにインク組成物を付与する態様が好ましい。これにより、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い画像が得られる。
処理液の付与量としては、インク組成物を凝集可能であれば特に制限はないが、好ましくは、凝集剤の付与量が0.1g/m以上となる量とすることができる。中でも、凝集剤の付与量が0.2〜0.7g/mとなる量が好ましい。凝集剤は、付与量が0.1g/m以上であるとインク組成物の種々の使用形態に応じ良好な高速凝集性が保てる。また、凝集剤の付与量が0.7g/m以下であることは、付与した記録媒体の表面性に悪影響(光沢の変化等)を与えない点で好ましい。
本発明においては、処理液付与工程後にインク付与工程を設け、処理液を記録媒体上に付与した後、インク組成物が付与されるまでの間に、記録媒体上の処理液を加熱乾燥する加熱乾燥工程を更に設けることが好ましい。インク付与工程前に予め処理液を加熱乾燥させることにより、滲み防止などのインク着色性が良好になり、色濃度及び色相の良好な可視画像を記録できる。
加熱乾燥は、ヒータ等の公知の加熱手段やドライヤ等の送風を利用した送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段により行なえる。加熱方法としては、例えば、記録媒体の処理液の付与面と反対側からヒータ等で熱を与える方法や、記録媒体の処理液の付与面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒータを用いた加熱法などが挙げられ、これらの複数を組み合わせて加熱してもよい。
<活性エネルギー線照射工程>
本発明の画像形成方法は、記録媒体上に付与されたインク組成物に活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射工程を有することが好ましい。活性エネルギー線照射工程により、画像の耐擦過性、耐ブロッキング性がより効果的に向上する。活性エネルギー線照射工程は、活性エネルギー線として紫外線を照射する紫外線照射工程とすることが好ましい。
活性エネルギー線照射工程においては、活性エネルギー線を照射することで、インク組成物に含まれる重合性化合物が重合し、顔料を含む硬化膜が形成される。インク組成物および処理液の少なくとも一方が重合開始剤を含む場合、重合開始剤が活性エネルギー線の照射により分解して、ラジカル、酸、塩基などの開始種を発生し、その開始種により重合性化合物の重合反応が開始・促進されるため、より効果的に硬化膜が形成される。
活性エネルギー線照射工程で使用される活性エネルギー線としては、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光、赤外光などが使用される。活性エネルギー線の波長としては、例えば、200〜600nmであることが好ましく、300〜450nmであることがより好ましく、350〜420nmであることがさらに好ましい。
活性放射線の出力としては、5000mJ/cm以下であることが好ましく、10〜4000mJ/cmであることがより好ましく、20〜3000mJ/cmであることがさらに好ましい。
活性エネルギー線源としては、水銀ランプやガスレーザー、固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクの硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。現在、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。
また、発光ダイオード(LED)、レーザーダイオード(LD)は、小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インク用光源として期待されている。紫外線源を要する場合は、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。本発明で特に好ましい活性エネルギー線源は、紫外LEDであり、特に好ましくは、350〜420nmにピーク波長を有する紫外LEDである。
(記録媒体)
本発明の画像形成方法で用いる記録媒体には、特に制限はなく、一般のオフセット印刷に用いられるセルロースを主体とする一般印刷用紙、インクジェット専用紙、写真専用紙、電子写真共用紙、フィルム、布帛、ガラス、金属、陶磁器等を用いることができる。
記録媒体としては、中でも、一般のオフセット印刷などに用いられる、いわゆる塗工紙が好ましい。塗工紙は、セルロースを主体とした一般に表面処理されていない上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗布してコート層を設けたものである。塗工紙は、通常の水性インクを用いたインクジェット記録においては、比較的インクの吸収と乾燥が遅く、色濃度、画像の光沢、擦過耐性など、品質上の問題を生じやすいが、本発明の画像形成方法によれば、色濃度、光沢性、耐擦過性の良好な画像を得ることができる。特に、原紙と無機顔料を含むコート層とを有する塗工紙を用いるのが好ましく、原紙とカオリン及び/又は重炭酸カルシウムを含むコート層とを有する塗工紙を用いるのがより好ましい。具体的には、アート紙、コート紙、軽量コート紙、又は微塗工紙がより好ましい。
前記塗工紙としては、市販されているものを使用することができ、例えば、王子製紙(株)製「OK金藤+」及び三菱製紙(株)製「特菱アート」等のアート紙(A1)、王子製紙(株)製「OKトップコート+」及び日本製紙(株)製「オーロラコート」等のコート紙(A2、B2)、日本製紙(株)製「ユーライト」等のマットコート紙、王子製紙(株)製「OKコートL」及び日本製紙(株)製「オーロラL」等の軽量コート紙(A3)、王子製紙(株)製「OKエバーライトコート」及び日本製紙(株)製「オーロラS」等の微塗工紙、等が挙げられる。
(インクジェット記録装置)
本発明の画像形成方法におけるインクジェット法を実施するのに好適なインクジェット記録装置の一例について、図1を参照して具体的に説明する。図1は、インクジェット記録装置全体の構成例を示す概略構成図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置は、記録媒体の搬送方向(図中の矢印方向)に向かって順次、処理液を吐出する処理液吐出用ヘッド12Sを備えた処理液付与部12と、付与された処理液を乾燥させる加熱手段(不図示)を備えた処理液乾燥ゾーン13と、各種インク組成物を吐出するインク吐出部14と、吐出されたインク組成物を乾燥させるインク乾燥ゾーン15とが配設されている。また、記録媒体の搬送方向におけるインク乾燥ゾーン15の下流側には、紫外線照射ランプ16Sを備えた紫外線照射部16が配設されている。
このインクジェット記録装置に供給された記録媒体は、記録媒体を給紙する給紙部から、搬送ローラによって、処理液付与部12、処理液乾燥ゾーン13、インク吐出部14、インク乾燥ゾーン15、紫外線照射部16と順に送られて集積部に集積される。搬送は、搬送ローラによる方法のほか、ドラム状部材を用いたドラム搬送方式やベルト搬送方式、ステージを用いたステージ搬送方式などを採用してもよい。
複数配置された搬送ローラのうち、少なくとも1つのローラはモータ(不図示)の動力が伝達された駆動ローラとすることができる。モータで回転する駆動ローラを定速回転することにより、記録媒体は所定の方向に所定の搬送量で搬送されるようになっている。
処理液付与部12には、処理液を貯留する貯留タンクに繋がる処理液吐出用ヘッド12Sが設けられている。処理液吐出用ヘッド12Sは、記録媒体の記録面と対向配置された吐出ノズルから処理液を吐出し、記録媒体の上に処理液を液滴付与できるようになっている。なお、処理液付与部12は、ノズル状のヘッドから吐出する方式に限らず、塗布ローラを用いた塗布方式を採用することもできる。この塗布方式は、下流側に配置されたインク吐出部14で記録媒体上にインク滴が着弾する画像領域を含むほぼ全面に処理液を容易に付与することができる。記録媒体上の処理液の厚みを一定にするために、例えば、エアナイフを用いたり、あるいは尖鋭な角を有する部材を、処理液の規定量に対応するギャップを記録媒体との間に設けて設置する等の方法を採用してもよい。
処理液付与部12の記録媒体搬送方向の下流側には、処理液乾燥ゾーン13が配置されている。処理液乾燥ゾーン13は、ヒータ等の公知の加熱手段やドライヤ等の送風を利用した送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段を用いて構成することができる。加熱手段は、記録媒体の処理液付与面と反対側(例えば、記録媒体を自動搬送する場合は記録媒体を載せて搬送する搬送機構の下方)にヒータ等の発熱体を設置する方法や、記録媒体の遮断層形成面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒータを用いた加熱法などが挙げられ、これらの複数を組み合わせて加熱してもよい。
また、記録媒体の種類(材質、厚み等)や環境温度等によって、記録媒体の表面温度は変化するため、記録媒体の表面温度を計測する計測部と該計測部で計測された記録媒体の表面温度の値を加熱制御部にフィードバックする制御機構を設けて温度制御しながら処理液付与層を形成することが好ましい。記録媒体の表面温度を計測する計測部としては、接触又は非接触の温度計が好ましい。
また、溶媒除去ローラー等を用いて溶媒除去を行なってもよい。他の態様として、エアナイフで余剰な溶媒を記録媒体から取り除く方式も用いられる。
インク吐出部14は、処理液乾燥ゾーン13の記録媒体搬送方向下流側に配置されている。インク吐出部14には、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各色インクを貯留するインク貯留部の各々と繋がる記録用ヘッド(インク吐出用ヘッド)30K、30C、30M、30Yが配置されている。不図示の各インク貯留部には、各色相に対応する顔料を含有するインク組成物が貯留されており、画像の記録に際して必要に応じて各インク吐出用ヘッド30K、30C、30M、30Yに供給されるようになっている。また、インク吐出用ヘッド30K、30C、30M、及び30Yの搬送方向下流側には、図1に示すように、必要に応じて特色インクを吐出可能なように、特色インク吐出用の記録ヘッド30A、30Bを更に配設することもできる。
インク吐出用ヘッド30K、30C、30M、30Yは、記録媒体の記録面と対向配置された吐出ノズルから、それぞれ画像に対応するインクを吐出する。これにより、記録媒体の記録面上に各色インクが付与され、カラー画像が記録される。
処理液吐出用ヘッド12S、並びにインク吐出用ヘッド30K、30C、30M、30Y、30A、及び30Bはいずれも、記録媒体上に記録される画像の最大記録幅(最大記録幅)にわたって多数の吐出口(ノズル)が配列されたフルラインヘッドとなっている。記録媒体の幅方向(記録媒体搬送面において搬送方向と直交する方向)に短尺のシャトルヘッドを往復走査しながら記録を行なうシリアル型のものに比べて、記録媒体に高速に画像記録を行なうことができる。本発明においては、シリアル型での記録、又は比較的高速記録が可能な方式、例えば1回の走査で1ラインを形成するシングルパスで主走査方向に吐出して記録できる方式での記録のいずれを採用してもよいが、本発明の画像記録方法によればシングルパスによる方式でも再現性の高い高品位の画像が得られる。
ここでは、処理液吐出用ヘッド12S、並びにインク吐出用ヘッド30K、30C、30M、30Y、30A、及び30Bは、全て同一構造になっている。
処理液の付与量とインク組成物の付与量とは、必要に応じて調節することが好ましい。例えば、記録媒体に応じて、処理液とインク組成物とが接触してできる凝集体の粘弾性等の物性を調節する等のために、処理液の付与量を変えてもよい。
インク乾燥ゾーン15は、インク吐出部14の記録媒体搬送方向下流側に配置されている。インク乾燥ゾーン15は、処理液乾燥ゾーン13と同様に構成することができる。
紫外線照射部16は、インク乾燥ゾーン15の記録媒体搬送方向のさらに下流側に配置されており、紫外線照射部16に設けられた紫外線照射ランプ16Sにより紫外線を照射し、画像乾燥後の画像中の重合性化合物を重合硬化させるようになっている。紫外線照射ランプ16Sは、記録媒体の記録面と対向配置されたランプにより記録面の全体を照射し、画像全体の硬化が行なえるようになっている。なお、紫外線照射部16は、紫外線照射ランプ16Sに限らず、ハロゲンランプ、高圧水銀灯、レーザー、LED、電子線照射装置などを採用することもできる。
紫外線照射部16はインク乾燥ゾーン15の前後のどちらでも設置してもよい。
また、インクジェット記録装置には、給紙部から集積部までの搬送路に、記録媒体に加熱処理を施す加熱手段を配置することもできる。例えば、処理液乾燥ゾーン13の上流側や、インク吐出部14とインク乾燥ゾーン15との間、などの所望の位置に加熱手段を配置することで、記録媒体を所望の温度に昇温させることにより、乾燥、定着を効果的に行なうようにすることが可能である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」及び「部」は質量基準である。
<シアン顔料分散物Aの作製>
(ポリマー分散剤P−1の合成)
攪拌機、冷却管を備えた1000mlの三口フラスコにメチルエチルケトン88gを加えて窒素雰囲気下で72℃に加熱し、ここにメチルエチルケトン50gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.85g、ベンジルメタクリレート60g、メタクリル酸10g、及びメチルメタクリレート30gを溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応させた後、メチルエチルケトン2gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.42gを溶解した溶液を加え、78℃に昇温して4時間加熱した。得られた反応溶液は大過剰量のヘキサンに2回再沈殿し、析出した樹脂を乾燥し、ポリマー分散剤P−1(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=60/10/30[質量比])を96g得た。
得られた樹脂の組成はH−NMRで確認し、GPCにより求めた重量平均分子量(Mw)は44,600であった。JIS規格(JISK0070:1992)に記載の方法により求めた酸価は65.2mgKOH/gであった。
(樹脂被覆顔料の分散物の調製)
ピグメント・ブルー15:3(フタロシアニンブルーA220、大日精化工業(株)製)12部、前記ポリマー分散剤P−1を6部、メチルエチルケトン42部、1mol/L NaOH水溶液6.3部、及びイオン交換水83.7部を混合し、ビーズミルにより0.1mmφジルコニアビーズを用いて2〜6時間分散した。
得られた分散物から、減圧下55℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去することにより、前記ポリマー分散剤P−1で被覆されたシアン顔料(着色粒子)の分散物A(顔料濃度12%)を得た。
<シアン顔料分散物Bの作製>
ピグメント・ブルー15:3(フタロシアニンブルーA220、大日精化工業(株)製)12部、ポリビニルピロリドン(K30、和光純薬工業(株)製)6部、及びイオン交換水85部を混合し、ビーズミルにより0.1mmφジルコニアビーズを用いて2〜6時間分散し、ポリビニルピロリドンで被覆されたシアン顔料(着色粒子)の分散物B(顔料濃度12%)を得た。なお、ポリビニルピロリドンは、本発明における水不溶性ポリマーには該当しないポリマーである。
<両性水溶性ポリマーの作製>
(ポリマーAの合成)
攪拌機、冷却管を備えた500mlの三口フラスコにジプロピレングリコール59.11gを加えて窒素雰囲気下で84℃に加熱し、ここにジプロピレングリコール59.11gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート2.63g、メタクリル酸(N,N−ジメチルアミノ)エチル5.97g、メタクリル酸7.85g、メタクリル酸ドデシル19.34g、及びメタクリル酸メチル17.50gを溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応させた後、更に、ジプロピレングリコール2gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.5gを溶解した溶液を加え、3時間加熱した。その後、溶液を放冷し、50%水酸化カリウム水溶液を7.42g加えてポリマーを中和した。得られた反応溶液は大過剰量のヘキサンに2回再沈殿し、析出したポリマーを乾燥させてポリマーAを49.5g得た。
得られたポリマーAの組成は、H−NMRで確認した。また、GPCにより重量平均分子量(Mw)を求め、JIS規格(JISK0070:1992)記載の方法により酸価(mgKOH/g)を求めた。ポリマーAの詳細は以下のとおりである。
「ポリマーA」
メタクリル酸(N,N−ジメチルアミノ)エチル/メタクリル酸/メタクリル酸ドデシル/メタクリル酸メチル=11.8/15.5/38.2/34.5[質量比]
重量平均分子量(Mw)=16000
酸価(mgKOH/g)=101
(ポリマーB、C及びDの合成)
本発明における他の両性水溶性ポリマーについても、モノマー及びその比率を変更することによりポリマーAと同様に合成することができる。分子量の調整は、重合開始剤であるジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートの添加量を調整することで行える。
ポリマーAの合成方法に準じて、以下のポリマーB、C及びDを合成した。
「ポリマーB」
メタクリル酸(N,N−ジメチルアミノ)エチル/メタクリル酸/メタクリル酸ドデシル/メタクリル酸メチル=17/15.5/38.2/29.3[質量比]
重量平均分子量(Mw)=12000
酸価=101
「ポリマーC」
メタクリル酸(N,N−ジメチルアミノ)エチル/メタクリル酸/メタクリル酸ドデシル/メタクリル酸メチル=11.8/20/38.2/30[質量比]
重量平均分子量(Mw)=10000
酸価=130
「ポリマーD」
M−1/メタクリル酸/メタクリル酸ドデシル/メタクリル酸メチル=11.8/15.5/38.2/34.5[質量比]
重量平均分子量(Mw)=12000
酸価(mgKOH/g)=101
なお、M−1は、両性水溶性ポリマーの項に記載した例示化合物である。
<インク組成物1〜15の作製>
下記表1に示す成分を混合し、メンブレンフィルタ(孔径5μm)でろ過して、インク組成物1〜15を調製した。
上記表1中の重合性化合物A、及び重合性化合物1〜6は、下記の構造式で表される化合物で、いずれも水溶性である。また、重合開始剤は、イルガキュア2959(チバ・ジャパン(株)製;光重合開始剤)である。
<処理液1の作製>
下記の「処理液1の組成」に示す成分を混合して、処理液1を調製した。pHメーター(東亜DKK(株)製WM−50EG)にて、処理液1のpH(25℃)を測定したところ、1.0であった。
「処理液1の組成」
・マロン酸(有機酸) 25.0%
・トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(水溶性有機溶媒) 5.0%
・イオン交換水 70.0%
[実施例1]
<インクセット1の作製>
前記インク組成物1と前記処理液1とを組み合せて、インクセット1とした。
<画像形成>
図1に示すように、記録媒体の搬送方向(図中の矢印方向)に向かって順次、処理液吐出用ヘッド12Sを備えた処理液付与部12と、処理液乾燥ゾーン13と、インク吐出部14と、インク乾燥ゾーン15と、紫外線照射ランプ16Sを備えた紫外線照射部16とが配設されたインクジェット装置を準備した。
処理液乾燥ゾーン13は、図示しないが、記録媒体の記録面側には乾燥風を送って乾燥を行なう送風器を備え、記録媒体の非記録面側には赤外線ヒータを備えており、処理液付与部12で処理液の付与を開始した後900ミリ秒が経過するまでに、温度と風量を調節して処理液中の水の70質量%以上を蒸発(乾燥)できるように構成されている。
インク吐出部14は、搬送方向(矢印方向)にブラックインク吐出用ヘッド30K、シアンインク吐出用ヘッド30C、マゼンタインク吐出用ヘッド30M、及びイエローインク吐出用ヘッド30Yが順次配置されており、各ヘッドは1200dpi/10inch幅フルラインヘッド(駆動周波数:25kHz、記録媒体の搬送速度530mm/sec)であり、各色をシングルパスで主走査方向に吐出して記録するように構成されている。
前記インクジェット記録装置の処理液吐出用ヘッド12S、シアンインク吐出用ヘッド30Cにそれぞれ繋がる貯留タンク(不図示)に、インクセット1の処理液1及びインク組成物1(シアンインク)を装填した。記録媒体には、日本製紙(株)製の「ユーライト」(坪量84.9g/m)を用いた。
画像の記録は、処理液及びシアンインクを、解像度1200dpi×600dpi、インク滴量3.5plにて吐出し、ライン画像またはベタ画像を記録した。このとき、ライン画像は、1200dpiの幅1ドットのライン、幅2ドットのライン、及び幅4ドットのラインをシングルパスで主走査方向に吐出して記録した。ベタ画像は、A5サイズにカットした記録媒体の全面に処理液及びシアンインクを吐出して記録した。処理液の記録媒体への付与量は、2ml/mとした。
画像の記録はまず、記録媒体上に処理液吐出用ヘッド12Sから処理液をシングルパスで吐出した後、処理液の乾燥を処理液乾燥ゾーン13で行ない、処理液乾燥ゾーン13を処理液の吐出開始から900ミリ秒迄に通過するようにした。処理液乾燥ゾーン13では、着滴した処理液を着滴面の裏側(背面)から赤外線ヒータで膜面温度が40〜45℃となるように加熱しながら、送風器により記録面に120℃の温風をあて、風量を変えて所定の乾燥量になるように調整した。続いて、シアンインク吐出用ヘッド30Cにより、シアンインクをシングルパスで吐出して画像を記録した後、インク乾燥ゾーン15で前記同様にインク着滴面の裏側(背面)から赤外線ヒータで加熱しながら、送風器により120℃、5m/secの温風を記録面に15秒間あてて乾燥させた。画像乾燥後、紫外線照射部16において、紫外線を照射して画像を硬化した。
<評価>
上記によりライン画像またはベタ画像を形成したユーライトをサンプルとして、下記の評価項目について評価した。評価結果を下記表2に示す。
(描画性)
ライン画像のサンプルについて、下記の評価基準にしたがって描画性を評価した。
−評価基準−
1:各幅のラインすべてが、全般にわたって均質なラインであった。
2:幅1ドットのラインは均質であったが、幅2ドット及び幅4ドットのラインの一部にライン幅の不均一やラインの切れ、液溜まりが認められた。
3:幅1ドットのラインは均質であったが、幅2ドット及び幅4ドットのラインの全般にライン幅の不均一やラインの切れ、液溜まりが認められた。
4:各幅のラインすべてに、ライン幅の不均一やラインの切れ、液溜まりが顕著に認められた。
(耐擦過性)
ベタ画像のサンプルを25℃、50%RHの環境下に72時間放置し、放置後のサンプルのベタ画像の上に、記録していないユーライト(以下、本評価において未使用サンプルという。)を重ねて荷重200kg/mをかけて10往復擦った。その後、未使用サンプルとベタ画像を目視で観察し、下記の評価基準にしたがって耐擦過性を評価した。
−評価基準−
1:未使用サンプルへの色の付着がなく、擦られたベタ画像の劣化も認められなかった。
2:未使用サンプルには色が付着したが、擦られたベタ画像の劣化は認められなかった。
3:未使用サンプルには色が付着し、擦られたベタ画像の劣化も認められた。
4:未使用サンプルには色が付着し、擦られたベタ画像は脱落し紙面(ユーライト)が露出した。
(吐出信頼性)
A5サイズのユーライト上に、幅1ドットのラインを1ノズルおきに出力し、出力後のヘッドをそのままの状態にして所定時間放置した後、再度A5サイズのユーラート上に、幅1ドットのラインを1ノズルおきに出力した。放置時間を変えて画像出力を繰り返し、放置前後の出力ラインの印画状況を比較し、放置後に放置前の出力本数の30%以上が出力しなくなる放置時間により、下記の評価基準にしたがって吐出信頼性を評価した。評価基準1〜3が、実用に問題のないレベルである。
−評価基準−
1:前記放置時間が60分以上。
2:前記放置時間が30分以上60分未満。
3:前記放置時間が20分以上30分未満。
4:前記放置時間が10分以上20分未満。
5:前記放置時間が10分未満。
[実施例2〜10、比較例1〜5]
前記インク組成物2〜15のいずれか1つと前記処理液1とを組み合せて、インクセット2〜15とした。得られたインクセット2〜15を用いて、実施例1と同様にして画像を形成し、描画性、耐擦過性、及び吐出信頼性を評価した。評価結果を下記表2に示す。
[比較例6]
前記インク組成物3のみでインクセット16とした。即ち、インクセット16は処理液を含まない。このインクセット16を用いて、実施例1と同様にして、ただし処理液の付与を行わずに、画像を形成し、描画性、耐擦過性、及び吐出信頼性を評価した。評価結果を下記表2に示す。
表2に示すとおり、本発明のインクセットは、描画性、耐擦過性、及び吐出信頼性に優れる。
12 ・・・処理液付与部
12S・・・処理液吐出用ヘッド
13 ・・・処理液乾燥ゾーン
14 ・・・インク吐出部
15 ・・・インク乾燥ゾーン
16 ・・・紫外線照射部
16S・・・紫外線照射ランプ
30K,30C,30M,30Y・・・インク吐出用ヘッド

Claims (13)

  1. 水不溶性ポリマーで被覆された顔料、(A)疎水性構造単位と(B)アニオン性基を含有する構造単位と(C)塩基性脂肪族基または塩基性芳香族基を含有する構造単位とを有し、前記(A)の含有割合が20質量%超80質量%以下で前記(B)の含有割合が10質量%超30質量%以下で前記(C)の含有割合が3質量%超60質量%以下である水溶性ポリマー、水溶性の重合性化合物、および水を含むインク組成物と、
    前記インク組成物の成分と接触して凝集体を形成し得る凝集剤を含む処理液と、
    を有するインクセット。
  2. 前記重合性化合物が、解離性の官能基を有しない化合物である請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記重合性化合物は、(メタ)アクリルアミド基、マレイミド基、ビニルスルホン基、およびN−ビニルアミド基から選択される少なくとも1種の重合性官能基を2つ以上有し、1分子中の重合性官能基数に対する分子量の比(分子量/重合性官能基数)が175以下である請求項1または請求項2に記載のインクセット。
  4. 前記重合性化合物が、少なくとも1つの(メタ)アクリルアミド基を有する化合物である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のインクセット。
  5. 前記水溶性ポリマーは、前記(B)アニオン性基を含有する構造単位がカルボン酸基、リン酸基、またはスルホン酸基を含有する構造単位である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のインクセット。
  6. 前記水溶性ポリマーは、前記(B)アニオン性基を含有する構造単位がカルボン酸基を含有する構造単位であり、酸価が80mgKOH/g以上200mgKOH/g以下である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のインクセット。
  7. 前記水溶性ポリマーは、前記(C)塩基性脂肪族基または塩基性芳香族基を含有する構造単位が脂肪族3級アミノ基を含有する構造単位である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のインクセット。
  8. 前記凝集剤が有機酸である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のインクセット。
  9. 前記凝集剤が2価以上の有機酸である請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のインクセット。
  10. 前記インク組成物および前記処理液の少なくとも一方が、活性エネルギー線の照射により前記重合性化合物の重合を開始させる開始剤を含む請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のインクセット。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のインクセットを用いるとともに、
    前記インクセットにおけるインク組成物を記録媒体上にインクジェット法で付与するインク付与工程と、
    前記インクセットにおける処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程と、
    を有するインクジェット記録方法。
  12. 更に、記録媒体上に付与されたインク組成物に活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射工程を有する請求項11に記載のインクジェット記録方法。
  13. 前記記録媒体が、原紙と、無機顔料を含むコート層とを有する塗工紙である請求項11または請求項12に記載のインクジェット記録方法。
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