JP2013223960A - 画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セルロースパルプを主成分とした支持体の少なくとも一方の面に顔料層を有する記録媒体上に、顔料、水、及び構造式(1)で表される水溶性の重合性化合物を含むインク組成物を、記録媒体上に着弾したときの式1の拡がり率Sを2.0〜2.4とし、少なくとも同一色相のインク組成物の打滴量を4.5〜6.7g/m2としてインクジェット法により付与し画像形成する工程と、インク組成物中の成分を凝集させる凝集成分を含む処理液を画像形成前に記録媒体に付与する工程と、画像を乾燥させる工程と、乾燥工程を経た画像に活性エネルギー線を照射し画像を硬化させる工程とを有する〔Q:n価の連結基、A:O、NH、n≧2、φ1:インク滴の記録媒体に着弾する前の直径μm、φ2:記録媒体上に着弾した時点のインク滴の直径μm〕。
【選択図】なし
Description
<1> セルロースパルプを主成分とした支持体の少なくとも一方の面に顔料層を有する記録媒体上に、顔料、水、及び下記構造式(1)で表される水溶性の重合性化合物を含むインク組成物を、記録媒体上に着弾したときの下記式1で表される拡がり率Sを2.0〜2.4の範囲とし、少なくとも同一色相のインク組成物の打滴量を4.5〜6.7g/m2の範囲としてインクジェット法により付与することで、画像を形成するインク付与工程と、前記インク付与工程の前に、前記インク組成物中の成分を凝集させる凝集成分を含む処理液を前記記録媒体に付与する処理液付与工程と、少なくとも前記画像を乾燥させる乾燥工程と、乾燥工程を経た前記画像に活性エネルギー線を照射し、記録媒体上の前記画像を硬化させる硬化工程と、を有する画像形成方法である。
前記式1において、φ1は吐出されたインク滴の記録媒体に着弾する前の1滴当りの直径[μm]を示し、φ2は記録媒体上に着弾した時点の1滴当りのインク滴の直径[μm]を示す。
<3> 前記顔料は、その表面の少なくとも一部がポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料である前記<1>又は前記<2>に記載の画像形成方法である。
<4> 前記凝集成分が、酸、及び多価金属塩から選ばれる少なくとも1種である前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
<5> 前記顔料は、その表面の少なくとも一部がカルボキシル基を有するポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料である前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
<6> 前記記録媒体は、セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に一層もしくは多層の顔料層を有し、動的走査吸液計で測定した純水の転移量が、接触時間100msにおいて1ml/m2以上15ml/m2以下であって、かつ接触時間400msにおいて2ml/m2以上20ml/m2以下である塗工紙である前記<1>〜前記<5>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
<7> 前記インク付与工程におけるインク組成物の着滴時点から5秒以内に前記乾燥工程での乾燥を開始する前記<1>〜前記<6>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
本発明の画像形成方法は、セルロースパルプを主成分とした支持体の少なくとも一方の面に顔料層を有する記録媒体上に、顔料、水、及び以下に示す一般式(1)で表される水溶性の重合性化合物を含むインク組成物を、記録媒体上に着弾したときの拡がり率S(S:以下に示す式1で表される)を2.0〜2.4の範囲とし、少なくとも同一色相のインク組成物の打滴量を4.5〜6.7g/m2の範囲としてインクジェット法により付与することで、画像を形成するインク付与工程と、インク付与工程の前に、インク組成物中の成分を凝集させる凝集成分を含む処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程と、少なくとも付与されたインク組成物を乾燥させる乾燥工程と、乾燥工程を経たインク組成物に活性エネルギー線を照射し、記録媒体上のインク組成物を硬化させる硬化工程とを設けて構成されている。
また、本発明の画像形成方法は、必要に応じて、更に熱定着する等の他の工程を設けて構成されてもよい。
従来から画像中の色混じりなどを改善する技術としてドット径や付与量を調整することが検討されてはいるものの、複数のインクを用いて画像形成するときに画像に粗れが生じやすいのが実情である。本来、画像の形成には適切なインク量とインク拡がりが存在しており、多官能の重合性化合物を用いて所定の硬化性を確保した上でインク量と着弾後の液滴挙動を考慮して画像を形成することが重要であり、この点で本発明は従来法と区別される。本発明は、画像中にスジ状の故障が現れないように画像面の粗れを防ぐという効果が奏されるというものである。
まず、本発明における記録媒体について詳述する。
本発明においては、画像が形成される記録媒体として、セルロースパルプを主成分とした支持体の少なくとも一方の面に顔料層を有する塗工紙が用いられる。例えば一般のオフセット印刷などに用いられる塗工紙は、セルロースを主体とした一般に表面処理されていない上質紙や中性紙等の表面に、顔料を含むコート材を塗布してコート層を設けたものである。一般的に塗工紙を記録媒体として用いる水性インクジェットによる画像形成においては、光沢ムラや耐擦過性など品質上の問題を生じやすいが、本発明の画像形成方法では、光沢ムラの発生が防止され、耐擦過性の良好な画像が得られる。
本発明におけるセルロースパルプを主成分とした支持体としては、化学パルプ、機械パルプ及び古紙回収パルプ等を任意の比率で混合して用いられ、必要に応じて内添サイズ剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤等を添加した原料を長網フォーマやギャップタイプのツインワイヤーフォーマ、長網部の後半部をツインワイヤーで構成するハイブリッドフォーマ等で抄紙されたものが使用される。ここでの「主成分」とは、支持体の質量に対して、50質量%以上含まれる成分をいう。
本発明における塗工紙は、前記支持体上の少なくとも一方の面に一層もしくは多層の顔料層を有している。
顔料層に用いられる顔料としては、その種類に特に制限はなく、従来公知の有機顔料及び無機顔料を用いることができる。顔料の具体例については、特開2011−42150号公報の段落番号[0029]の記載を参照することができ、記録媒体の透明性を保持して画像濃度を高める点で、白色無機顔料が好ましい。
なお、ビーディングとは、インクジェット記録時に、あるインク滴が、記録媒体上に打たれてから次のインク滴が打たれるまでの間に、記録媒体内部に吸収され切れずに記録媒体の表面に液体状態で残り、後から打たれたインク滴と混合することにより、インク中の着色剤が部分的に塊となって濃度ムラができる現象をいう。
本発明におけるインク付与工程は、上記のセルロースパルプを主成分とした支持体の少なくとも一方の面に顔料層を有する記録媒体に、顔料、水、及び以下に示す一般式(1)で表される水溶性の重合性化合物を含むインク組成物を、記録媒体上に着弾したときの下記式1で表される拡がり率Sを2.0〜2.4の範囲とし、少なくとも同一色相のインク組成物の打滴量を4.5〜6.7g/m2の範囲として、インクジェット法により付与することで、画像を形成する。
打滴量が4.5g/m2未満であると、着滴後のインク拡がりが少なすぎてスジ状の白抜けが発生しやすい。また、打滴量が6.7g/m2を超えると、局部的にインク量が多くなることによるスジ状のムラが発現し、画像面の粗れも悪化する。
インク組成物の前記打滴量としては、5〜6.5g/m2の範囲が好ましい。
また、画像を形成しているインクの量(打滴量)は、一定面積の機材表面に同一色相のインクを打滴duty100%で打滴した場合の重量増加を測定することにより求められる値である。
尚、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
本発明におけるインク組成物は、水を媒体として含む水性インク組成物であり、顔料と、水と、一般式(1)で表される水溶性の重合性化合物(好ましくは多価(メタ)アクリルアミド)とを用いて構成したものである。インク組成物は、必要に応じて、更に、ポリマー粒子、水溶性有機溶剤、及び界面活性剤や湿潤剤などの他の成分を用いて構成されてもよい。
本発明におけるインク組成物は、顔料の少なくとも1種を含有する。顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料、無機顔料のいずれであってもよい。顔料は、水に殆ど不溶であるか又は難溶である顔料であることが、インク着色性の点で好ましい。
本発明のインク組成物は、分散剤の少なくとも1種を含有することができる。前記顔料の分散剤としては、ポリマー分散剤、又は低分子の界面活性剤型分散剤のいずれでもよい。また、ポリマー分散剤は、水溶性の分散剤、又は非水溶性の分散剤のいずれでもよい。
また、疎水性基は、炭素数2〜24の炭化水素基が好ましく、炭素数4〜24の炭化水素基がより好ましく、炭素数6〜20の炭化水素基がさらに好ましい。
更に、合成系の親水性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。
なお、分散状態での顔料の平均粒子径、及びポリマー粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
顔料のインク組成物中における含有量としては、画像濃度の観点から、インク組成物に対して、1〜25質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましい。
本発明におけるインク組成物は、重合性化合物の少なくとも一種として、下記構造式(1)で表される水溶性の重合性化合物の一種又は二種以上を含有する。この重合性化合物は、多官能の重合性化合物であり、活性エネルギー線が照射されることで重合する化合物である。
なお、一般式(1)中のQ、R1及びnは、前記構造式(1)におけるQ、R及びnとそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
複素環基は、さらに置換基を有してもよく、置換基の例としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基等が挙げられる。
また、x、y、及びzは、各々独立に0〜6の整数を表し、0〜5の整数であることが好ましく、0〜3の整数であることがより好ましい。x+y+zは、0〜18を満たし、0〜15を満たすことが好ましく、0〜9を満たすことがより好ましい。
第二工程は、ポリシアノ化合物を触媒存在下で水素と反応させ、還元反応によりポリアミン化合物を得る工程である。この工程での反応は、20〜60℃で5〜16時間行なわれることが好ましい。
第三工程は、ポリアミン化合物とアクリル酸クロリド又はメタクリル酸クロリドとのアシル化反応により多官能アクリルアミド化合物を得る工程である。この工程での反応は、3〜25℃で1〜5時間行なわれることが好ましい。なお、アシル化剤は、酸クロリドに換えてジアクリル酸無水物又はジメタクリル酸無水物を用いてもよい。なお、アシル化工程で、アクリル酸クロリドとメタクリル酸クロリドの両方を用いることで、最終生成物として同一分子内にアクリルアミド基とメタクリルアミド基とを有する化合物を得ることができる。
第二工程は、窒素保護アミノアルコール化合物のOH基に、メタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等の脱離基を導入し、スルホニル化合物を得る工程である。この工程の反応では、3〜25℃で2〜5時間行なわれることが好ましい。
第三工程は、スルホニル化合物とトリスヒドロキシメチルニトロメタンとのSN2反応により、アミノアルコール付加化合物を得る工程である。この工程の反応では、3〜70℃で5〜10時間行なわれることが好ましい。
第四工程は、アミノアルコール付加化合物を触媒存在下で水素と反応させ、水素添加反応によりポリアミン化合物を得る工程である。この工程の反応では、20〜60℃で5〜16時間行なわれることが好ましい。
第五工程は、ポリアミン化合物とアクリル酸クロリド又はメタクリル酸クロリドとのアシル化反応により多官能アクリルアミド化合物を得る工程である。この工程の反応では、3〜25℃で1〜5時間行なわれることが好ましい。なお、アシル化剤は、酸クロリドに換えてジアクリル酸無水物又はジメタクリル酸無水物を用いてもよい。なお、アシル化工程で、アクリル酸クロリドとメタクリル酸クロリドの両方を用いることで、最終生成物として同一分子内にアクリルアミド基とメタクリルアミド基とを有する化合物を得ることができる。
エポキシモノマー類としては、例えば、多価アルコールのグリシジルエーテル、グリシジルエステル、脂肪族環状のエポキシドなどが挙げられる。
さらに、カチオン性の重合性化合物の例として、下記構造を有するものを挙げることができる。
以下、カチオン基を有する重合性化合物の具体例(カチオン性化合物1〜11)を例示する。
化合物群X:エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール,1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、チオグリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及びこれらの縮合体、低分子ポリビニルアルコール、又は糖類などのポリオール化合物、並びに、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンジアミンなどのポリアミン化合物
本発明におけるインク組成物は、後述する処理液に含有すると共にあるいは含有せずに、活性エネルギー線により重合性化合物の重合を開始する重合開始剤の少なくとも1種を含有することができる。重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を混合して、あるいは増感剤と併用して使用することができる。
増感剤は、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。
本発明におけるインク組成物は、水を含有するものであるが、水の量には特に制限はない。中でも、水の好ましい含有量は、10〜99質量%であり、より好ましくは30〜80質量%であり、更に好ましくは50〜70質量%である。
本発明におけるインク組成物は、水溶性有機溶剤を含有してもよい。水溶性有機溶剤を含有する場合、その含有量は少ないことが好ましく、本発明では水溶性有機溶剤の含有量を、インク組成物の全質量に対して3質量%未満とする。
グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類や、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等のアルカンジオールなどの多価アルコール類のほか、特開2011−42150号公報の段落番号[0116]に記載の、糖類や糖アルコール類、ヒアルロン酸類、炭素数1〜4のアルキルアルコール類、グリコールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、特開2011−42150号公報の段落番号[0121]〜[0125]に記載されているグリセリンのアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。これら溶剤は、1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。多価アルコール類は、乾燥防止剤や湿潤剤としても有用であり、例えば、特開2011−42150号公報の段落番号[0117]に記載の例も挙げられる。また、ポリオール化合物は、浸透剤として好ましく、脂肪族ジオールとしては、例えば、特開2011−42150号公報の段落番号[0117]に記載の例が挙げられる。
本発明におけるインク組成物は、ポリマー粒子の少なくとも1種を含有することができる。ポリマー粒子は、後述する処理液又はこれを乾燥させた領域と接触した際に、インク組成物中において分散不安定化して凝集し、増粘することによりインク組成物を固定化する機能を有し、インク組成物の記録媒体への密着性及び画像の耐傷性をより向上させることができる。
前記水性媒体は、水を含んで構成され、必要に応じて親水性有機溶媒を含んでいてもよい。本発明においては、水と水に対して0.2質量%以下の親水性有機溶媒とで構成されたものが好ましく、水から構成されたものがより好ましい。
本発明における自己分散性ポリマーの粒子は、自己分散性の観点から、親水性の構成単位と芳香族基含有モノマー由来の構成単位とを含む水不溶性ポリマーを含むことが好ましい。
なお、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)で測定される。GPCは、高速GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgeL Super HZM−H、TSKgeL Super HZ4000、TSKgeL Super HZ2000(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる。
また、水不溶性ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び/又はベンジル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは(メタ)アクリル酸の炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことがより好ましく、更には加えて、酸価が25〜95であって重量平均分子量が5000〜15万であることがより好ましい。
また、自己分散性ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、100℃以上がさらに好ましい。Tgが70℃以上であると、局所ブロッキング耐性が向上する。
本発明におけるインク組成物は、上記成分以外にその他の添加剤を用いて構成することができる。その他の添加剤としては、例えば、重合禁止剤、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、インク組成物の場合はインクに直接添加し、また、油性染料を分散物として用いる場合は染料分散物の調製後に分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
本発明における乾燥工程では、前記インク付与工程でのインク組成物の付与により記録媒体に形成された画像(インク組成物)中の水の少なくとも一部及び水溶性有機溶剤の少なくとも一部を乾燥除去する。乾燥工程を後述の硬化工程の前に設け、インク組成物中の水や水溶性有機溶剤の含有量を減らすことで、硬化工程での重合性化合物の硬化反応がより良好に進行する。特に、主走査方向にインクを吐出して1回の走査で1ラインを形成するシングルパス方式により画像形成する方法など、高速で画像形成する場合に、画像形成性が成り立つ感度を確保することができる。
乾燥工程を設けずにインクの最大付与量で形成した画像に含まれる水分量W0と、所定の乾燥条件による乾燥工程を設けてインクの最大付与量で形成した画像に含まれる水分量W1とをそれぞれ測定する。次いで、W0とW1との差の、W0に対する比率((W0−W1)/W0×100[質量%])を求めることで、乾燥工程によって除去される水分量としての乾燥量(質量%)が算出される。
なお、画像に含まれる水分量は、カールフィッシャー法により測定される。本発明における水分量としては、カールフィッシャー水分計MKA−520(京都電子工業(株)製)を用い、通常の測定条件で測定した水分量を適用する。
インク滴の着弾から乾燥開始までの時間は、3秒以内がより好ましい。
本発明における硬化工程では、前記乾燥工程の後、形成された画像に対して活性エネルギー線を照射して硬化する。活性エネルギー線を照射することで、インク組成物中の重合性化合物が重合して、顔料を含む硬化膜を形成する。これにより、形成される画像の耐擦性がより向上する。
本発明の画像形成方法は、上記に加え、インク組成物と接触したときにインク中の成分を凝集させる凝集成分を含む処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程を有していることが好ましい。インク組成物中の成分を凝集させる処理液を付与することで、高濃度で精細な画像が得られやすく、したがって光沢ムラも現れやすいが、本発明においては処理液を用いた系でも光沢ムラが抑えられる。また、上記の乾燥効果をより良好に発揮させることができる。
本発明のインク組成物は、該インク組成物と接触したときにインク組成物中の成分を凝集させて凝集体を形成する凝集成分を含む処理液と合わせて、インクセットとして好適に用いられる。
インク組成物のpHを低下させ得る化合物としては、酸性物質が挙げられる。酸性物質としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等が好適に挙げられる。酸性物質は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前述の因子により着弾時の拡がり率は影響されるので、拡がり率Sの調整手段は凝集成分の添加量のみに限られるものではないが、一般には使用条件において吐出されたインク組成物が着弾した際に、インク滴の拡がり率Sが2.0を下回る場合は凝集成分の添加量を減量し、拡がり率Sが2.4を上回る場合は凝集成分を増量することができる。
本発明においては、重合開始剤はインク組成物及び処理液のいずれに又は両方に含有されてもよいが、重合反応性や硬化性の点、ひいては画像の密着性及び耐傷性の向上効果の観点からは、重合開始剤が少なくともインク組成物に含有された態様が好ましい。
次に、本発明の画像形成方法の実施に好適なインクジェット記録装置の一例を図1を参照して具体的に説明する。図1は、インクジェット記録装置全体の構成例を示す概略構成図である。
また、溶媒除去ローラ等を用いて溶媒除去を行なってもよい。他の態様として、エアナイフで余剰な溶媒を記録媒体から取り除く方式も用いられる。
ここでは、処理液吐出用ヘッド12S、並びにインク吐出用ヘッド30K、30C、30M、30Y、30A、及び30Bは、全て同一構造になっている。
(ポリマー分散剤1溶液の調製)
反応容器に、スチレン6部、ステアリルメタクリレート11部、スチレンマクロマーAS−6(東亞合成(株)製)4部、ブレンマーPP−500(日本油脂(株)製)5部、メタクリル酸5部、2−メルカプトエタノール0.05部、及びメチルエチルケトン24部を加え、混合溶液を調液した。一方、滴下ロートに、スチレン14部、ステアリルメタクリレート24部、スチレンマクロマーAS−6(東亞合成(株)製)9部、ブレンマーPP−500(日本油脂(株)製)9部、メタクリル酸10部、2−メルカプトエタノール0.13部、メチルエチルケトン56部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部を加え、混合溶液を調液した。
その後、窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら75℃まで昇温し、滴下ロートの混合液を1時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後から2時間経過後これに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部をメチルエチルケトン12部に溶解した溶液を3時間かけて滴下し、更に75℃で2時間、80℃で2時間熟成させ、ポリマー分散剤1溶液を得た。
次に、得られたポリマー分散剤1溶液を固形分換算で5.0g、シアン顔料(Pigment Blue 15:3、大日精化(株)製)10.0g、メチルエチルケトン40g、1mol/L(リットル;以下同様)の水酸化ナトリウム8.0g、及びイオン交換水82.0gを、1mmジルコニアビーズ300gと共にベッセルに供給し、レディーミル分散機(アイメックス社製)で1000rpmで6時間分散した。得られた分散液をエバポレーターでメチルエチルケトンが充分に留去できるまで減圧濃縮し、さらに顔料濃度が10質量%になるまで濃縮して、樹脂被覆シアン顔料(水分散性シアン顔料)が分散したシアン分散液C1を調製した。シアン分散液C1中のポリマー分散剤の濃度は、5質量%である。
得られたシアン分散液C1の体積平均粒子径(2次粒子)を、Microtrac粒度分布装置(Version 10.1.2−211BH(商品名)、日機装(株)製)を用いて動的光散乱法により測定したところ、77nmであった。
前記シアン分散液C1の調製において、ポリマー分散剤1溶液の添加量を固形分換算で3.0gに、1mol/Lの水酸化ナトリウムの添加量を4.8gに変更したこと以外は、シアン分散液C1と同様にして、シアン分散液C2を調製した。シアン分散液C2における顔料濃度は10質量%であり、ポリマー分散剤の濃度は3質量%である。
前記シアン分散液C1の調製において、ポリマー分散剤1溶液の添加量を固形分換算で8.0gに、メチルエチルケトンの添加量を64gに、イオン交換水の添加量を130gに、1mol/Lの水酸化ナトリウムの添加量を12.8gにそれぞれ変更したこと以外は、シアン分散液C1と同様にして、シアン分散液C3を調製した。シアン分散液C3における顔料濃度は10質量%であり、ポリマー分散剤の濃度は8質量%である。
前記シアン分散液C1の調製において、ポリマー分散剤1溶液の添加量を固形分換算で10.0gに、メチルエチルケトンの添加量を80gに、イオン交換水の添加量を164gに、1mol/Lの水酸化ナトリウムの添加量を16.0gにそれぞれ変更したこと以外は、シアン分散液C1と同様にして、シアン分散液C4を調製した。シアン分散液C4の顔料濃度は10質量%であり、ポリマー分散剤の濃度は10質量%である。
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた2リットル三口フラスコに、メチルエチルケトン360.0gを仕込んで、75℃まで昇温した。その後、フラスコ内温度を75℃に保ちながら、フェノキシエチルメタクリレート172.8g、ベンジルアクリレート115.2g、メチルメタクリレート54.0g、アクリル酸18.0g、メチルエチルケトン72g、及び「V−601」(和光純薬工業(株)製)1.44gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、これに「V−601」0.72g及びメチルエチルケトン36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌後、さらに「V−601」0.72g及びイソプロパノール36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌した。その後、85℃に昇温して、さらに2時間攪拌を続け、フェノキシエチルアクリレート/ベンジルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸(=48/32/15/5[質量比])共重合体の樹脂溶液を得た。
得られた共重合体の上記同様に測定した重量平均分子量(Mw)は、58,000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で算出)であり、酸価は38.9mgKOH/gであり、ガラス転移温度は72℃であった。
重量平均分子量は、高速迅速GPC(ゲルパーミッションクロマトグラフィー)HLC−8220にて、TSKgel SuperHZM−H、SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ2000(東ソー(株)製)を3本直列につないで測定した。ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)DSC6100(セイコーインスツル(株)製)にて測定した。
得られた水分散物における自己分散性ポリマー微粒子B−1の体積平均粒子径を、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて動的光散乱法により測定したところ、55nmであった。
−インクC1の調製−
下記の組成になるように諸成分を混合し、シアンインクを調製した。調製後、得られたインクを5μmフィルターに通して粗大粒子を除去し、インクC1とした。
<組成>
・前記シアン分散液C1 ・・・25質量%
(顔料濃度:10質量%、ポリマー分散剤の濃度:5質量%)
・ヒドロキシエチルアクリルアミド ・・・10質量%
(HEAA;単官能アクリルアミド化合物)
・下記重合性化合物A−1(多価アクリルアミド化合物) ・・・10質量%
・サンニックスGP250 ・・・4質量%
(三洋化成工業(株)製;親水性有機溶剤)
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) ・・・1質量%
・イルガキュア2959 ・・・3質量%
(チバ・ジャパン(株)製;光重合開始剤)
・自己分散性ポリマー微粒子B−1 ・・・3.5質量%
(固形分濃度:28.0質量%)
・イオン交換水 ・・・43.5質量%
前記インクC1の調製において、各成分を下記表1〜表2に示す組成になるように変更したこと以外は、前記インクC1と同様にして、インクC2〜C16を調製した。
なお、下記表1〜表2中に示す数値は、インク中の含有比率[質量%]を示す。
以下のようにして、処理液1〜5を調製した。
(1)処理液1
下記組成中の諸成分を混合して、粘度:2.5mPa・s、表面張力:40mN/m、pH:1.0(25±1℃)の処理液1を調製した。
<処理液1の組成>
・マロン酸(和光純薬工業(株)製;凝集成分) ・・・25.0質量%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル ・・・20.0質量%
(和光純薬工業(株)製)
・エマルゲンP109(花王(株)製、ノニオン性界面活性剤)・・・1.0質量%
・イオン交換水 ・・・54.0質量%
下記組成中の諸成分を混合して、粘度:2.3mPa・s、表面張力:41mN/m、pH:1.1(25±1℃)の処理液2を調製した。
<処理液2の組成>
・マロン酸(和光純薬工業(株)製;凝集成分) ・・・17.5質量%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル ・・・20.0質量%
(和光純薬工業(株)製)
・エマルゲンP109(花王(株)製、ノニオン性界面活性剤)・・・1.0質量%
・イオン交換水 ・・・61.5質量%
下記組成中の諸成分を混合して、粘度:2.0mPa・s、表面張力:41.2mN/m、pH:1.1(25±1℃)の処理液3を調製した。
<処理液3の組成>
・マロン酸(和光純薬工業(株)製;凝集成分) ・・・15.0質量%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル ・・・20.0質量%
(和光純薬工業(株)製)
・エマルゲンP109(花王(株)製、ノニオン性界面活性剤)・・・1.0質量%
・イオン交換水 ・・・64.0質量%
下記組成中の諸成分を混合して、粘度:1.9mPa・s、表面張力:40mN/m、pH:1.15(25±1℃)の処理液4を調製した。
<処理液4の組成>
・マロン酸(和光純薬工業(株)製;凝集成分) ・・・12.5質量%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル ・・・20.0質量%
(和光純薬工業(株)製)
・エマルゲンP109(花王(株)製、ノニオン性界面活性剤)・・・1.0質量%
・イオン交換水 ・・・54.0質量%
下記組成中の諸成分を混合して、粘度:4.2mPa・s、表面張力:37mN/m、pH:6.5(25±1℃)の処理液5を調製した。
<処理液5の組成>
・硝酸マグネシウム・六水和物(凝集成分) ・・・25.0質量%
・イソブチルベンゾインエーテル ・・・10.0質量%
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル ・・・10.0質量%
・グリセリン ・・・10.0質量%
・イオン交換水 ・・・45.0質量%
まず、図1に示すように、記録媒体の搬送方向(図中の矢印方向)に向かって順次、処理液を吐出する処理液吐出用ヘッド12Sを備えた処理液付与部12と、付与された処理液を乾燥させる処理液乾燥ゾーン13と、各種インク組成物を吐出するインク吐出部14と、吐出されたインク組成物を乾燥させるインク乾燥ゾーン15と、紫外線(UV)を照射可能なUV照射ランプ16Sを備えたUV照射部16とが配設されたインクジェット装置を準備した。
処理液乾燥ゾーン13は、図示しないが、記録媒体の記録面側には乾燥風を送って乾燥を行なう送風器を備え、記録媒体の非記録面側には赤外線ヒータを備えており、処理液付与部で処理液の付与を開始した後900msecが経過するまでに、温度・風量を調節して処理液中の水の70質量%以上を蒸発(乾燥)できるように構成されている。また、インク吐出部14は、搬送方向(矢印方向)にブラックインク吐出用ヘッド30K、シアンインク吐出用ヘッド30C、マゼンタインク吐出用ヘッド30M、及びイエローインク吐出用ヘッド30Yが順次配置されており、各ヘッドは1200dpi/10inch幅フルラインヘッド(駆動周波数:25kHz、記録媒体の搬送速度:500mm/secであり、各色をシングルパスで主走査方向に吐出して記録できるようになっている。
処理液の記録媒体への付与量は、1.5ml/m2とした。
また、画像形成に際し、シアンインクは2つの吐出用ヘッドに繋がる貯留タンクに充填され、それぞれの吐出用ヘッドから解像度1200dpi×1200dpiで、最大打滴量(全ノズル吐出状態)のときの打滴量(インク滴量)を下記表3〜表4に示す値になるように調整した。
まず、記録媒体上に処理液吐出用ヘッド12Sから処理液をシングルパスで吐出した後、処理液の乾燥は処理液乾燥ゾーン13で行ない、処理液乾燥ゾーンを処理液の吐出開始から900msec迄に通過するようにした。処理液乾燥ゾーン13では、着滴した処理液を着滴面の裏側(背面)から赤外線ヒータで膜面温度が40〜45℃となるように加熱しながら、送風器により記録面に120℃、5m/secの温風を5秒間あてて乾燥した。続いて、シアンインクを充填した吐出用ヘッド30Cにより下記表3〜表4の打滴量になるように、シアンインクをシングルパスで吐出して画像を記録した。このとき、表3〜表4に示す拡がり率になるようにインク滴の着弾時の液滴速度を調節した。その後、インク乾燥ゾーン15で前記同様にインク着滴面の裏側(背面)から赤外線ヒータで加熱しながら、送風器により120℃の温風を、風量を変えて乾燥させた。シアンインクが記録媒体に着弾した時点からインク乾燥ゾーンに搬送され乾燥が開始されるまでの時間は、1secである。画像乾燥後、UV照射部16において、UV光(アイグラフィックス(株)製のメタルハライドランプ、最大照射波長:365nm)を、照射面に対して照度2W/cm2、積算照射量2J/cm2になるように照射し、画像を硬化した。
前記画像形成により得られた画像について、下記の測定、並びに面粗れ、耐スジ性、及び耐傷性の評価を行なった。
記録媒体の純水の転移量を、動的走査吸液計(K350シリーズD型、協和精工(株)製)を用いて23℃、50%RHの環境条件下で測定した。ここで、OKトップコート+(王子製紙(株)製、104.7g/m2)の接触時間100ms及び接触時間400msにおける転移量は、それぞれ3.0、3.4であった。
A4サイズの記録媒体に、10cm×10cmの打滴duty60%、70%、80%、100%のディザハーフトーン画像を配置して2枚出力し、25℃、50%RHの環境条件下で10分間放置した後、その画像の均一性を下記の評価基準にしたがって採点し、平均点をとって評価した。平均点が3.5以上であれば、出力パターンによる修正が可能なレベルであり、実使用上支障のないレベルである。評価の結果は、下記表3〜表4に示す。
<評価基準>
5:全てのdutyの画像において均一な画像が得られた。
4:全てのdutyの画像においてほぼ均質だが、微小な濃度ムラが特定duty画像に存在した。
3:特定のduty画像に全領域濃度ムラが生じたが、他のduty画像ではほぼ均一な画像が得られた。
2:60%duty以上の画像に、全領域濃度ムラが生じた。
1:全てのdutyの画像に全領域濃度ムラが生じた。
正常な打滴が行なわれるようにノズル面を充分に洗浄した後、シアン濃度0.7(ANSI−T)になるように調整したディザハーフトーンパターン10cm×70cmの画像を、10cmおきに繰り返して形成する操作を1500回繰り返す出力をして、それぞれの画像中における「白スジ」の発生頻度を観察した。この出力を10回繰り返し行なって「白スジ」の発生頻度の平均値を下記の評価基準にしたがって評価した。評価の結果は、下記表3〜表4に示す。下記評価基準のうち、「4」以上が許容範囲である。
<評価基準>
5:全ての画像が均一に出力された。
4:1500の画像のうち、白スジ状の画像故障が発生した画像の発生頻度は5%以内であった。
3:1500の画像のうち30%以上80%未満の画像において、白スジ状の画像故障が発生した。
2:1500の画像のうち80%以上95%未満の画像において、白スジ状の画像故障が発生した。
1:1500の画像のうち95%以上に白スジ状の画像故障が発生した。
全面にベタ画像が形成されたA5サイズのサンプルを25℃、50%RHの環境条件下で1時間放置し、放置後のサンプルのベタ画像の表面を、HEIDON表面性試験機(新東科学(株)製)で0.1mmのステンレス製引っ掻き針を使用して、0〜200gfまで荷重を変化させながら引っ掻いた。画像表面に傷が発生した荷重を下記基準にしたがって評価した。評価結果は下記表3〜表4に示す。下記評価基準のうち、「3」以上が許容範囲である。
<評価基準>
5:200gfでも傷は認められない。
4:100gf以上200gf未満で傷が発生した。
3:30gf以上100gf未満で傷が発生した。
2:30gf未満で傷が発生した。
1:30gf未満で傷が発生し、大部分の画像が脱落した。
構造式(1)で表される重合性化合物を含まず単環能のモノマーのみを用いたインクC16では、拡がり率が大きくなり、面粗れ及びスジ故障の点でも劣っていた。
実施例1において、インク打滴量及び拡がり率Sの吐出制御パターンを変更することにより下記表5に示すように調整し、実施例1と同様にして、面粗れ、耐スジ性、耐傷性の評価を行なった。評価結果は、下記表5に示す。
12S・・・処理液吐出用ヘッド
13・・・処理液乾燥ゾーン
14・・・インク吐出部
15・・・インク乾燥ゾーン
16・・・紫外線照射部
16S・・・紫外線照射ランプ
30K、30C、30M、30Y・・・インク吐出用ヘッド
Claims (7)
- セルロースパルプを主成分とした支持体の少なくとも一方の面に顔料層を有する記録媒体上に、顔料、水、及び下記構造式(1)で表される水溶性の重合性化合物を含むインク組成物を、記録媒体上に着弾したときの下記式1で表される拡がり率Sを2.0〜2.4の範囲とし、少なくとも同一色相のインク組成物の打滴量を4.5〜6.7g/m2の範囲としてインクジェット法により付与することで、画像を形成するインク付与工程と、
前記インク付与工程の前に、前記インク組成物中の成分を凝集させる凝集成分を含む処理液を前記記録媒体に付与する処理液付与工程と、
少なくとも前記画像を乾燥させる乾燥工程と、
乾燥工程を経た前記画像に活性エネルギー線を照射し、記録媒体上の前記画像を硬化させる硬化工程と、
を有する画像形成方法。
〔構造式(1)中、Qは、n価の連結基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表し、Aは、酸素原子又はNHを表す。nは、2以上の整数を表す。〕
〔式1中、φ1は吐出されたインク滴の記録媒体に着弾する前の1滴当りの直径[μm]を示し、φ2は記録媒体上に着弾した時点の1滴当りのインク滴の直径[μm]を示す。〕 - 前記インク組成物中におけるポリマー成分の含有量が、インク組成物全量に対して1質量%〜3質量%である請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記顔料は、その表面の少なくとも一部がポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料である請求項1又は請求項2に記載の画像形成方法。
- 前記凝集成分が、酸、及び多価金属塩から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記顔料は、その表面の少なくとも一部がカルボキシル基を有するポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記記録媒体は、セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に一層もしくは多層の顔料層を有し、動的走査吸液計で測定した純水の転移量が、接触時間100msにおいて1ml/m2以上15ml/m2以下であって、かつ接触時間400msにおいて2ml/m2以上20ml/m2以下である塗工紙である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記インク付与工程におけるインク組成物の着滴時点から5秒以内に前記乾燥工程での乾燥を開始する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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