JP5501311B2 - インク組成物、インクセット、及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
開始剤の溶解性については考慮されておらず、充分な溶解性が得られないときには、インク安定性に劣るほか、充分な画像の耐擦過性を得ることは難しい。また、画像面同士が接触して経時した際に局部的に画像が貼り付いて剥がれない場合がある。これは、特に低温環境下でインクを経時させた場合に顕著に現れる。また、このようなインクは、高速記録にも適さない。
また、特許文献1に記載の方法は、反応液とインクを反応させてインクを固定化する方法であるが、画像の固定化の点でも不充分である。
<1> (1)顔料と、(2)組成物全量に対する含有比率が2質量%以上であって、純水(25℃)に対する溶解度が5g/l以上8g/l以下である重合開始剤と、(3)ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアセトアミド、N−エチルピロリドン、及び1−シクロヘキシル−2−ピロリドンからなる化合物群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、(4)2つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物と、(5)組成物全量に対する含有比率が50質量%以上の水とを含むインク組成物である。
<3> 前記重合性化合物が、下記一般式(1)で表される前記<1>又は前記<2>に記載のインク組成物である。下記一般式(1)において、Qは、n価の連結基を表し、R1は、水素原子又はメチル基を表す。nは、2以上の整数を表す。
<5> 前記顔料は、その表面の少なくとも一部がポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料である前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載のインク組成物である。
<6> 前記顔料は、その表面の少なくとも一部がカルボキシル基を有するポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料である前記<1>〜前記<5>のいずれか1つに記載のインク組成物である。
<7> 前記<1>〜前記<6>のいずれか1つに記載のインク組成物と、前記インク組成物と接触したときに凝集体を形成する凝集成分を含む処理液と、を有するインクセットである。
<8> 前記<1>〜前記<6>のいずれか1つに記載のインク組成物をインクジェット法により記録媒体に付与し、画像を形成するインク付与工程を有する画像形成方法である。
<9> 更に、前記インク組成物と接触したときに凝集体を形成する凝集成分を含む処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程を有する前記<8>に記載の画像形成方法である。
本発明によれば、耐擦過性に優れた画像を形成する画像形成方法が提供される。
本発明のインク組成物は、(1)顔料と、(2)組成物全量に対する含有比率が2質量%以上4質量%以下であって、純水(25℃)に対する溶解度が5g/l以上8g/l以下である重合開始剤と、(3)ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアセトアミド、N−エチルピロリドン、1−シクロヘキシル−2−ピロリドン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、テトラメチル尿素、及びγバレロラクトンからなる化合物群より選ばれる化合物(以下、「特定化合物」ともいう。)と、(4)2つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物と、(5)組成物全量に対する含有比率が50質量%以上の水とを用いて構成されたものである。
なお、本発明においては、(3)特定化合物として、ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアセトアミド、N−エチルピロリドン、及び1−シクロヘキシル−2−ピロリドンからなる化合物群より選ばれる少なくとも1種の化合物が用いられることを要する。
本発明のインク組成物は、必要に応じて、更に、ポリマー粒子や界面活性剤、水溶性有機溶剤、湿潤剤などの他の成分を用いて構成することができる。
上記に対して本発明においては、水に対する溶解性が比較的低い(25℃の純水に対する溶解度=5〜8g/l)重合開始剤を用いてインク組成物を硬化性に調製する場合において、重合開始剤とともに特定の化合物を併用することで、保存ないし使用時の温度環境に関わらず、水中での重合開始剤の溶解度が保たれ、更に2官能の重合性化合物を含むので、従来に比べて、インク組成物の経時安定性がより向上し、画像形成したときには耐擦過性により優れた画像が得られる。
(1)顔料
本発明のインク組成物は、着色剤として、顔料の少なくとも1種を含有する。顔料は、水や有機溶媒等に分子分散状態で溶解させて使用する染料とは異なり、溶媒中に分子集合体等の固体粒子として微細に分散させて用いられる。
本発明のインク組成物は、顔料を分散させる分散剤の少なくとも1種を含有することができる。前記顔料の分散剤としては、ポリマー分散剤、又は低分子の界面活性剤型分散剤のいずれでもよい。また、ポリマー分散剤は、水溶性の分散剤、又は非水溶性の分散剤のいずれでもよい。
また、疎水性基は、炭素数2〜24の炭化水素基が好ましく、炭素数4〜24の炭化水素基がより好ましく、炭素数6〜20の炭化水素基がさらに好ましい。
染料を保持した担体(水不溶性着色粒子)は、分散剤を用いて水系分散物として用いることができる。分散剤としては上述した分散剤を好適に用いることができる。
ここで、分散状態での顔料の平均粒子径は、インク化した状態での平均粒子径を示すが、インク化する前段階のいわゆる濃縮インク分散物についても同様である。
顔料のインク組成物中における含有量としては、画像濃度の観点から、インク組成物に対して、1〜25質量%であることが好ましく、2〜20質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。
本発明のインク組成物は、純水(25℃)に対する溶解度が5g/l以上8g/l以下である重合開始剤の少なくとも1種(以下、「本発明における重合開始剤」ともいう。)を含有する。該溶解度の重合開始剤は、後述する特定化合物を用いることにより水への溶解性が保たれるので、水性インク中において析出等し難く、インク組成物としたときの経時安定性(特に低温領域での安定性)が向上する。また、画像の耐擦過性も向上する。
上記のうち、重合開始剤の含有比率は、2質量%以上4質量%以下の範囲が好ましく、2質量%以上3.5質量%以下がより好ましく、2質量%以上3質量%以下が更に好ましい。本発明における重合開始剤の含有比率が4質量%以下に抑えることで、後述の特定化合物を含めることによる向上効果がより期待できる。
例えば、前記ヒドロキシアルキルフェノン系開始剤の例としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等が挙げられる。また、上市されている市販品として、例えばイルガキュア2959(BASFジャパン社製)等を挙げることができる。
前記アセトフェノン系開始剤の例としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェン等が挙げられる。
前記ベンゾフェノン系開始剤の例としては、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ジクロロベンゾフェン、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン等が挙げられる。
前記ベンゾインもしくはベンゾインエーテル系開始剤の例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル等が挙げられる。
重合開始剤のインク組成物中における総量としては、重合性を有する化合物(後述するジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、及びジエチルアクリルアミドを含む)の量に対して、1〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。重合開始剤の含有量は、1質量%以上であると、画像の耐擦過性がより向上し、高速記録に有利であり、40質量%以下であると、吐出安定性の点で有利である。
増感剤は、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。
本発明のインク組成物は、前記本発明における重合開始剤と共に、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアセトアミド、N−エチルピロリドン、1−シクロヘキシル−2−ピロリドン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、テトラメチル尿素、及びγバレロラクトンからなる化合物群(以下、化合物群Aともいう。)より選ばれる化合物(本明細書中において「特定化合物」ともいう。)を含有する。該化合物は、化合物群Aから選ばれる1種のみで用いられるほか、2種以上を併用してもよい。
特定化合物の含有量が0.5質量%以上であることで、本発明における重合開始剤の析出が抑えられ、インク組成物の経時安定性が高まると共に、画像強度を高めることができる。また、特定化合物の含有量が40質量%以下であることで、インク粘度を低く抑えて吐出性が保たれ、より良好な画像品質が得られる。
本発明のインク組成物は、2つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物(本明細書中において、単に「重合性化合物」ともいう。)の少なくとも一種を含有する。単官能の重合性化合物のみでは硬化性が得られ難く、高速記録する等の場合に支障を来たしやすいが、本発明においては、特に2官能以上の重合性化合物を含有することで、硬化させて得られる画像の耐擦過性により優れる。
前記多価アルコールは、エチレンオキシドの付加により内部にエチレンオキシド鎖で鎖延長されたものでもよい。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール,1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、チオグリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及びこれらの縮合体、低分子ポリビニルアルコール、又は糖類などのポリオール類。
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンジアミンなどのポリアミン類。
以下に、分子内にアクリルアミド構造を有する水溶性の重合性化合物の具体例を示す。但し、本発明は、これらに制限されるものではない。
前記カチオン性の重合性化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノメタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタアクリルアミド、及びこれらの4級化化合物などが挙げられる。
エポキシモノマー類としては、例えば、多価アルコールのグリシジルエーテル、グリシジルエステル、脂肪族環状のエポキシドなどが挙げられる。
さらに、カチオン性の重合性化合物の例として、下記構造を有するものを挙げることができる。
以下、カチオン基を有する重合性化合物の具体例(カチオン性化合物1〜11)を例示する。
重合性化合物のインク組成物中における含有量としては、インク組成物の総質量に対して、2.5質量%以上40質量%以下の範囲が好ましく、5質量%以上35質量%以下の範囲がより好ましく、5質量%以上30質量%以下の範囲がさらに好ましく、5質量%以上25質量%以下の範囲が特に好ましく、5質量%以上20質量%以下の範囲が最も好ましい。
重合性化合物の含有量が2.5質量%以上であると、記録媒体との密着性が向上すると共に、画像強度がより高まって画像の耐擦過性に優れる。重合性化合物の含有量が40質量%以下であると、画像の段差(パイルハイト)の点で有利である。
本発明のインク組成物は、水を含有する水系に構成されるが、水のインク組成物の全量に対する含有比率は、50質量%以上である。水の含有比率が50質量%以上であると、重合開始剤の析出等によるインク組成物の経時安定性の低下が小さい。
中でも、水の好ましい含有量は、50〜80質量%であり、より好ましくは、50〜75質量%であり、更に好ましくは50〜70質量%である。
本発明におけるインク組成物は、ポリマー粒子の少なくとも1種を含有することができる。ポリマー粒子は、後述する処理液又はこれを乾燥させた領域と接触した際に、インク組成物中において分散不安定化して凝集し、増粘することによりインク組成物を固定化する機能を有し、インク組成物の記録媒体への密着性及び画像の耐擦過性をより向上させることができる。
自己分散性ポリマーの粒子は、界面活性剤の不存在下、分散状態(特に転相乳化法による分散状態)としたとき、ポリマー自身が有する官能基(特に酸性基又はその塩)によって、水性媒体中で分散状態となり得る水不溶性ポリマーであって、遊離の乳化剤を含有しない水不溶性ポリマーの粒子を意味する。
自己分散性ポリマーの粒子は、吐出安定性及び前記顔料を含む系の液安定性(特に分散安定性)の観点で好ましい。
本発明における水不溶性ポリマーにおいては、液体組成物としたときの凝集速度と定着性の観点から、水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態となりうる水不溶性ポリマーであることが好ましい。
また、縮合系ポリマーと縮合系ポリマーを構成するモノマーの好適な例としては、特開2001−247787号公報に記載されているものを挙げることができる。
前記親水性基は、自己分散促進の観点、形成された乳化又は分散状態の安定性の観点から、解離性基であることが好ましく、アニオン性の解離基であることがより好ましい。前記解離性基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基などが挙げられ、中でも、インク組成物を構成した場合の定着性の観点から、カルボキシル基が好ましい。
前記不飽和スルホン酸モノマーの具体例としては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。
前記不飽和リン酸モノマーの具体例としては、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
前記解離性基含有モノマーの中では、分散安定性、吐出安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル系モノマーがより好ましく、特にはアクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。
また、前記重合性基は、縮重合性の重合性基であっても、付加重合性の重合性基であってもよい。重合性基は、水性媒体中での粒子形状安定性の観点から、付加重合性の重合性基が好ましく、エチレン性不飽和結合を含む基であることがより好ましい。
前記芳香族基含有モノマーの例としては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、スチレン系モノマー等が挙げられる。中でも、ポリマー鎖の親水性と疎水性のバランスとインク定着性の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及びフェニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートが更に好ましい。
なお、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
前記アルキル基含有モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、並びにヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー、並びにジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル(好ましくは、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜4のアルキルエステル);
N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、Nーヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、並びにN−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−,イソ)ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−,イソ)ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド等、等の(メタ)アクリルアミド系モノマー、等が挙げられる。
また、水不溶性ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び/又はベンジル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことがより好ましく、更には加えて、酸価が25〜100であって重量平均分子量が3000〜20万であることが好ましく、酸価が25〜95であって重量平均分子量が5000〜15万であることがより好ましい。
B−02:フェノキシエチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(30/35/29/6)
B−03:フェノキシエチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(50/44/6)
B−04:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸共重合体(30/55/10/5)
B−05:ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(35/59/6)
B−06:スチレン/フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(10/50/35/5)
B−07:ベンジルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(55/40/5)
B−08:フェノキシエチルメタクリレート/ベンジルアクリレート/メタクリル酸共重合体(45/47/8)
B−09:スチレン/フェノキシエチルアクリレート/ブチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(5/48/40/7)
B−10:ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(35/30/30/5)
B−11:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸共重合体(12/50/30/8)
B−12:ベンジルアクリレート/イソブチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(93/2/5)
B−13:スチレン/フェノキシエチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸 共重合体(50/5/20/25)
B−14:スチレン/ブチルアクリレート/アクリル酸 共重合体(62/35/3)
B−15:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/51/4)
B−16:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/49/6)
B−17:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/48/7)
B−18:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/47/8)
B−19:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/45/10)
工程(1):ポリマー(水不溶性ポリマー)、有機溶媒、中和剤、及び水性媒体を含有する混合物を攪拌する工程
工程(2):前記混合物から前記有機溶媒を除去する工程
これら塩基性化合物は、解離性基100モル%に対して、5〜120モル%使用することが好ましい。ここでの比率の詳細については、特開2011−42150号公報の段落番号[0111]に記載されている。
また、自己分散性ポリマー粒子の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布を持つもの又は単分散の粒径分布を持つもののいずれでもよい。また、水不溶性粒子を2種以上混合して使用してもよい。
なお、自己分散性ポリマーの粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
ポリマー粒子のインク組成物中における含有量としては、凝集速度や画像の光沢性などの観点から、インク組成物に対して、固形分濃度で1〜30質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。
また、ポリマー粒子に対する顔料の比率(例えば水不溶性顔料粒子/自己分散性ポリマー粒子)としては、画像の耐擦過性などの観点から、1/0.5〜1/10が好ましく、1/1〜1/4がより好ましい。
本発明におけるインク組成物は、水溶性有機溶剤を含有してもよい。水溶性有機溶剤は、インク組成物の乾燥防止、湿潤あるいは紙への浸透促進の効果が得られる。
前記構造式(1)で表される化合物の詳細については、特開2011−42150号公報の段落番号[0121]〜[0125]に記載されている。グリセリンのアルキレンオキシド付加物は、上市されている市販品を用いてもよく、例えば、ポリオキシプロピル化グリセリン(ポリプロピレングリコールとグリセリンとのエーテル)として、サンニックスGP−250(平均分子量250)、同GP−400(平均分子量400)、同GP−600(平均分子量600)〔以上、三洋化成工業(株)製〕、及び同公報の段落番号[0126]に記載の例が挙げられる。
本発明におけるインク組成物は、上記成分以外にその他の添加剤を用いて構成することができる。その他の添加剤としては、例えば、重合禁止剤、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、インク組成物の場合はインクに直接添加し、また、油性染料を分散物として用いる場合は染料分散物の調製後に分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
本発明のインクセットは、既述の本発明のインク組成物と、インク組成物と接触したときに凝集体を形成する凝集成分を含む処理液とを設けて構成されている。本発明のインクセットは、本発明のインク組成物が用いられるので、耐擦過性が良好で精細な画像が形成される。
なお、インク組成物の詳細については、既述した通りである。
以下、インクセットを構成する処理液について詳述する。
記録媒体に付与された処理液は、インク組成物と接触したときに、インク組成物中の顔料及びポリマー粒子などの分散粒子を凝集させ、記録媒体上に画像を固定化する。処理液は、インク組成物中の成分を凝集させる凝集成分を少なくとも含有し、更に重合開始剤を含んでもよく、必要に応じて、更に他の成分を用いて構成することができる。また、インク組成物と共に処理液を用いることで、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い描画性(例えば細線や微細部分の再現性)に優れた画像が得られる。
酸性物質としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等が好適に挙げられる。
酸性物質は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、画像濃度、解像度、及びインクジェット記録の高速化の観点から、インク組成物のpH(25℃)が8.0以上であって、処理液のpH(25℃)が0.5〜4である場合が好ましい。
インク組成物を凝集させる凝集成分の処理液中における含有量としては、1〜50質量%が好ましく、より好ましくは3〜45質量%であり、更に好ましくは5〜40質量%の範囲である。
処理液に用いられる重合開始剤は、インク組成物と同様に、活性エネルギー線により重合性化合物の重合反応を開始し得る化合物から適宜選択することができる。重合開始剤の例としては、放射線もしくは光、又は電子線により活性種(ラジカル、酸、塩基など)を発生する重合開始剤(例えば光重合開始剤等)が挙げられる。光重合開始剤等の詳細については、前記インク組成物の項で説明した通りである。
本発明の画像形成方法は、既述の本発明のインク組成物をインクジェット法により記録媒体に付与し、画像を形成するインク付与工程を少なくとも設けて構成されている。本発明のインクセットは、本発明のインク組成物が用いられるので、低温環境をはじめ種々の温度環境下において、耐擦過性が良好で精細な画像が形成される。
インク付与工程は、既述の本発明のインク組成物を記録媒体にインクジェット法で付与する。本工程では、記録媒体上に選択的にインク組成物を付与でき、所望の可視画像を形成できる。なお、インク組成物の詳細及び好ましい態様などインク組成物の詳細については、インク組成物に関する説明で既述した通りである。
尚、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
本発明の画像形成方法では、更に、前記インク組成物と接触したときに凝集体を形成する凝集成分を含む処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程を設けて構成されていることが好ましい。
本発明の画像形成方法は、記録媒体に上に画像を記録するものである。記録媒体には、特に制限はないが、一般のオフセット印刷などに用いられる、いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする一般印刷用紙を用いることができる。セルロースを主体とする一般印刷用紙は、水性インクを用いた一般のインクジェット法による画像記録においては比較的インクの吸収、乾燥が遅く、打滴後に色材移動が起こりやすく、画像品質が低下しやすいが、本発明の画像形成方法によると、色材移動を抑制して色濃度、色相に優れた高品位の画像の記録が可能である。
次に、本発明の画像形成方法を実施するのに好適なインクジェット記録装置の一例を図1を参照して具体的に説明する。図1は、インクジェット記録装置全体の構成例を示す概略構成図である。
また、溶媒除去ローラ等を用いて溶媒除去を行なってもよい。他の態様として、エアナイフで余剰な溶媒を記録媒体から取り除く方式も用いられる。
紫外線照射部16は、インク乾燥ゾーン15の前後のいずれに設置されていてもよく、インク乾燥ゾーン15の前後両方に設置してもよい。
なお、イエローインク6〜10はいずれも本発明外のものであり、参考例に該当する。
[水性インクの調製]
−イエローインク1の調製−
(1)ポリマー分散剤溶液1の調製
反応容器に、スチレン6部、ステアリルメタクリレート11部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成(株)製)4部、ブレンマーPP−500(日本油脂(株)製)5部、メタクリル酸5部、2−メルカプトエタノール0.05部、及びメチルエチルケトン24部を加え、混合溶液を調液した。
また、JIS規格(JIS K 0070:1992)記載の方法により酸価を求めたところ、99mgKOH/gであった。
次に、前記ポリマー分散剤溶液1を固形分換算で5.0g、イエロー顔料としてPigment Yellow 74を10.0g、メチルエチルケトン40.0g、1mol/L(リットル;以下同様)の水酸化ナトリウム8.0g、及びイオン交換水82.0gを、0.1mmジルコニアビーズ300gと共にベッセルに供給し、レディーミル分散機(アイメックス社製)を用いて1000rpmにて6時間分散した。得られた分散液を、エバポレーターによりメチルエチルケトンが充分に留去できるまで減圧濃縮し、さらに顔料濃度が10質量%になるまで濃縮して、水分散性顔料が分散されたイエロー分散液Y1を調製した。
得られたイエロー分散液Y1の体積平均粒子径(二次粒子)を、Micorotrac粒度分布測定装置(Version 10.1.2−211BH(製品名)、日機装(株)製)にて動的光散乱法により測定したところ、77nmであった。
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた2リットル三口フラスコに、メチルエチルケトン360.0gを仕込んで、75℃まで昇温した。その後、フラスコ内温度を75℃に保ちながら、フェノキシエチルアクリレート180.0g、メチルメタクリレート162.0g、アクリル酸18.0g、メチルエチルケトン72g、及び「V−601」(和光純薬工業(株)製)1.44gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、これに「V−601」0.72g及びメチルエチルケトン36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌後、さらに「V−601」0.72g及びイソプロパノール36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌した。その後、85℃に昇温して、さらに2時間攪拌を続け、フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸(=50/45/5[質量比])共重合体の樹脂溶液を得た。
得られた共重合体の上記ポリマー分散剤1と同様に測定した重量平均分子量(Mw)は、64,000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で算出)であり、酸価は38.9mgKOH/gであった。
攪拌機を備えた1Lの三口フラスコに4,7,10−トリオキサ−1,13−トリデカンジアミン40.0g(182mmol)、炭酸水素ナトリウム37.8g(450mmol)、水100g、テトラヒドロフラン300gを加えて、氷浴下、アクリル酸クロリド35.2g(389mmol)を20分かけて滴下した。滴下後、室温で5時間攪拌した後、得られた反応混合物から減圧下でテトラヒドロフランを留去した。次に水相を酢酸エチル200mlで4回抽出した。得られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過を行い、減圧下、溶媒留去した。このようにして、目的とする下記の重合性化合物1の固体35.0g(107mmol、収率59%)を得た。
上記のようイエロー分散液Y1を調製した後、これに上記の自己分散性ポリマー粒子の水分散物、上記の重合性化合物1、有機溶剤、界面活性剤、及びイオン交換水を用いることにより、下記組成のインクを調製した。調製後、得られたインクを5μmフィルタを通して粗大粒子を除去し、イエローインク1とした。
・前記イエロー分散液Y1 ・・・40質量%(インク中における固形分濃度:4質量%)
・前記自己分散性ポリマー粒子の水分散物 ・・・14.3質量%(インク中における固形分濃度:4質量%)
・前記重合性化合物1 ・・・11質量%
・下記表1に示す化合物 ・・・下記表1に示す量
(前記化合物群Aより選ばれる特定化合物)
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製)・・・1質量%
・重合開始剤 ・・・下記表1に示す量
(イルガキュア 2959〔純水(25℃)に対する溶解度:7.6g/l〕、BASFジャパン社製)
・イオン交換水 ・・・残量(全量で100質量%となる量)
前記イエローインク1において、特定化合物(ジメチルアクリルアミド)を下記表1に示す各化合物に代えたこと以外、イエローインク1と同様にして、イエローインク2〜17を調製した。
下記組成の成分を混合して、処理液を調製した。処理液の粘度、表面張力、及びpH(25℃)は、粘度2.5mPa・s、表面張力40mN/m、pH1.0であった。
<処理液の組成>
・マロン酸(和光純薬工業(株)製) ・・・25質量%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル ・・・20.0質量%
(和光純薬工業(株)製)
・エマルゲンP109(花王(株)製、ノニオン性界面活性剤)・・・1.0質量%
・イオン交換水 ・・・54質量%
上記で得られたイエローインク1〜17、及び処理液を用い、下記のようにして画像を形成し、形成した画像に対して下記の評価を行なった。
まず、図1に示すように、記録媒体の搬送方向(図中の矢印方向)に向かって順次、水性処理液を吐出する処理液吐出用ヘッド12Sを備えた処理液付与部12と、付与された水性処理液を乾燥させる処理液乾燥ゾーン13と、各種水性インクを吐出するインク吐出部14と、吐出された水性インクを乾燥させるインク乾燥ゾーン15と、紫外線(UV)を照射可能なUV照射ランプ16Sを備えたUV照射部16とが配設されたインクジェット装置を準備した。
以上のようにして、17種類のイエロー画像を形成した。
上記で得られたイエロー画像に対して、下記の評価を行なった。評価結果は、下記表2に示す。
−A.冷温経時安定性−
イエローインク1〜17を、それぞれ5℃下で14日間保管し、インク中における重合開始剤の析出の有無を目視で確認し、下記の評価基準にしたがって冷温でのインクの経時安定性を評価した。
<評価基準>
A:析出物はみられなかった。
B:析出物と推定される微量の浮遊物が認められた。
C:析出物が発生した。
上記したように記録媒体の全面にベタ画像が形成されたA5サイズのサンプルを25℃、50%RHの環境下に72時間放置した。放置後のサンプルのベタ画像表面に、記録していないユーライト(以下、本評価において未使用サンプルという。)を重ねて荷重200kg/m2をかけ、このベタ画像の表面を10往復擦った。その後、未使用サンプルとベタ画像を目視で観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
A:未使用サンプルへの色の付着がなく、擦られたベタ画像の劣化も認められなかった。
B:未使用サンプルには色が付着したが、擦られたベタ画像の劣化は認められなかった。
C:未使用サンプルには色が付着し、擦られたベタ画像の劣化も認められた。
D:擦られたベタ画像が脱落し、紙面(ユーライト)が露出した。
これに対し、特定化合物を用いない比較の系では、低温環境でのインクの安定性が悪く、形成された画像の耐擦過性にも劣っていた。
12S・・・処理液吐出用ヘッド
13・・・処理液乾燥ゾーン
14・・・インク吐出部
15・・・インク乾燥ゾーン
16・・・紫外線照射部
16S・・・紫外線照射ランプ
30K、30C、30M、30Y・・・インク吐出用ヘッド
Claims (9)
- 顔料と、
組成物全量に対する含有比率が2質量%以上であって、純水(25℃)に対する溶解度が5g/l以上8g/l以下である重合開始剤と、
ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアセトアミド、N−エチルピロリドン、及び1−シクロヘキシル−2−ピロリドンからなる化合物群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、
2つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物と、
組成物全量に対する含有比率が50質量%以上の水と、
を含むインク組成物。 - 前記重合性化合物が、2つ以上の(メタ)アクリルアミド基を有する化合物である請求項1に記載のインク組成物。
- 前記重合性化合物が、下記一般式(1)で表される請求項1又は請求項2に記載のインク組成物。
〔一般式(1)中、Qは、n価の連結基を表し、R1は、水素原子又はメチル基を表す。nは、2以上の整数を表す。〕 - 前記化合物群より選ばれる化合物の含有量が、組成物全量に対して、0.5質量%以上40質量%以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記顔料は、その表面の少なくとも一部がポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記顔料は、その表面の少なくとも一部がカルボキシル基を有するポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインク組成物と、
前記インク組成物と接触したときに凝集体を形成する凝集成分を含む処理液と、
を有するインクセット。 - 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインク組成物をインクジェット法により記録媒体に付与し、画像を形成するインク付与工程を有する画像形成方法。
- 更に、前記インク組成物と接触したときに凝集体を形成する凝集成分を含む処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程を有する請求項8に記載の画像形成方法。
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