JP5389120B2 - 画像形成方法 - Google Patents
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Description
<1> セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、一層もしくは多層の顔料層を有し、動的走査吸液計で測定した純水の転移量が、接触時間100msにおいて1ml/m2以上15ml/m2以下であって、かつ接触時間400msにおいて2ml/m2以上20ml/m2以下である記録媒体上に、顔料、水、及び組成物総量に対する含有比率が15質量%以上40質量%未満である水溶性の重合性化合物を含み、水溶性有機溶剤の含有量が3質量%未満であるインク組成物を、インクジェット法により付与して画像を形成するインク付与工程と、前記記録媒体に形成された画像を加熱及び送風の少なくとも一方により乾燥させる乾燥工程と、乾燥工程後の前記画像に対して活性エネルギー線を照射して前記画像を硬化する硬化工程と、を有し、前記重合性化合物は、下記一般式(1)で表され、nが2以上の整数である多官能アクリルアミドと、下記一般式(1)で表され、n=1である単官能アクリルアミドと、を含み、前記単官能アクリルアミドの含有量が、前記インク組成物の総質量に対して10質量%以上である画像形成方法である。
一般式(1)において、Qはn価の基を表し、R 1 は水素原子又はメチル基を表す。また、nは1以上の整数を表す。
<3> 前記インク付与工程の前に、更に、前記インク組成物と接触したときに凝集体を形成する凝集成分を含む処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程を有し、前記凝集成分として、酸、多価金属塩、及びカチオン性ポリマーから選ばれる少なくとも1種を含む前記<1>又は前記<2>に記載の画像形成方法である。
<4> 前記顔料は、その表面の少なくとも一部がポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料である前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
<5> 前記顔料は、その表面の少なくとも一部がカルボキシル基を有するポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料である前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
<6> 前記記録媒体は、コート紙、軽量コート紙、又は微塗工紙である前記<1>〜前記<5>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
<8> 前記記録媒体にインク組成物の液滴が着弾した時点から5秒以内に乾燥を開始する前記<1>〜前記<7>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
<9> 前記インク付与工程におけるインク組成物の最大付与量が15ml/m2以下である請求項前記<1>〜請求項前記<8>いずれか1つに記載の画像形成方法である。
<10> 前記乾燥工程は、最大付与量を15ml/m2以下として記録媒体上に付与されたインク組成物を用いて形成された画像中の水分量の60〜80質量%が除去される乾燥条件にて、記録媒体上の画像を形成するインク組成物中の水の少なくとも一部を除去する前記<1>〜前記<9>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
本発明の画像形成方法は、顔料、水、及び組成物総量に対する含有比率が15質量%以上40質量%未満である水溶性の重合性化合物を含み、水溶性有機溶剤の含有量が3質量%未満であるインク組成物を、インクジェット法により記録媒体に付与して画像を形成するインク付与工程と、記録媒体に形成された画像を加熱及び送風の少なくとも一方により乾燥させる乾燥工程と、乾燥工程後の前記画像に対して活性エネルギー線を照射して硬化する硬化工程とを設け、前記重合性化合物は、後記の一般式(1)で表され、nが2以上の整数である多官能アクリルアミドと、後記の一般式(1)で表され、n=1である単官能アクリルアミドと、を含み、前記単官能アクリルアミドの含有量を、前記インク組成物の総質量に対して10質量%以上として構成されている。このとき、画像の被記録媒体として、セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、一層もしくは多層の顔料層を有し、動的走査吸液計で測定した純水の転移量が下記のa)及びb)を満たす記録媒体を用いる。
a)接触時間100msのときの転移量:1ml/m2以上15ml/m2以下
b)接触時間400msのときの転移量:2ml/m2以上20ml/m2以下
また、本発明の画像形成方法は、必要に応じて、更に、インク組成物と接触して凝集体を形成する処理液を付与する処理液付与工程などの他の工程を設けて構成されてもよい。
例えばセルロースパルプを主成分とする支持体上に顔料層としてコート層を有するコート紙では、インク組成物が着弾するとコート層にインク中の水及び水溶性有機溶剤が浸透する一方で、コート層はセルロースパルプへの水等の浸透を抑える。このコート層による水等の浸透遅延効果により、記録媒体の変形(例えばカール)が防止される。コート層表面の画像及びコート層中には重合性化合物が存在し、上記のように乾燥を経た後にUV照射することで、画像がコート層と共に硬化し、形成された画像は密着性及び耐傷性に優れる。
まず、本発明における記録媒体について詳述する。
本発明においては、画像が形成される被記録媒体として、セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、一層もしくは多層の顔料層を有し、動的走査吸液計で測定した純水の転移量が、接触時間100msにおいて1ml/m2以上15ml/m2以下であって、かつ接触時間400msにおいて2ml/m2以上20ml/m2以下である記録媒体を用いる。
本発明におけるセルロースパルプを主成分とした支持体としては、化学パルプ、機械パルプ及び古紙回収パルプ等を任意の比率で混合して用いられ、必要に応じて内添サイズ剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤等を添加した原料を長網フォーマやギャップタイプのツインワイヤーフォーマ、長網部の後半部をツインワイヤーで構成するハイブリッドフォーマ等で抄紙されたものが使用される。
ここで、前記「主成分」とは、支持体の質量に対して、50質量%以上含まれる成分をいう。
本発明における記録媒体は、前記支持体上の少なくとも一方の面に、一層もしくは多層の顔料層を有する。
例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。記録媒体の透明性を保持して印画濃度を向上させる観点からは、白色無機顔料が好ましい。
前記水性バインダーとしては、例えば、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、澱粉、カチオン化澱粉、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。
本発明における記録媒体は、動的走査吸液計で測定した純水の該記録媒体への転移量が、接触時間100msにおいて1ml/m2以上15ml/m2以下、かつ、接触時間400msにおいて2ml/m2以上20ml/m2以下であることを特徴とする。
本発明の画像形成方法では、前記転移量の範囲にある比較的インク吸収量の少ない記録媒体を用いて、解像度が高く、耐水性及び耐擦性に優れた記録画像を得ることができる。換言すれば、本発明の画像形成方法によれば、前記転移量の範囲を超えた転移量を示す、多量のインクを吸収し得る記録媒体(例えば、インクジェット専用紙など)を用いなくても、インクジェット法により、解像度が高く、耐水性及び耐擦性に優れた記録画像を得ることができる。
すなわち、「動的走査吸液計で測定した純水の記録媒体への転移量」が上記の範囲内にあることは、記録媒体が顔料層を有してインクの浸透量が少ないことを意味する。
なお、ビーディングとは、インクジェット記録時に、あるインク滴が、記録媒体上に打たれてから次のインク滴が打たれるまでの間に、記録媒体内部に吸収され切れずに記録媒体の表面に液体状態で残り、後から打たれたインク滴と混合することにより、インク中の着色剤が部分的に塊となって濃度ムラができる現象をいう。
前記塗工紙は、一般に上市されているものを入手して使用できる。例えば、一般印刷用塗工紙を用いることができ、具体的には、A2グロス紙では「OKトップコート+」(王子製紙製)、「オーロラコート」(日本製紙製)、「パールコート」(三菱製紙製)、「Sユトリロコート」(大王製紙)、「ミューコートネオス」(北越製紙)、「雷鳥コート」(中越パルプ製)、A2マット紙では「ニューエイジ」(王子製紙製)、「OKトップコートマット」(王子製紙製)、「ユーライト」(日本製紙製)、「ニューVマット」(三菱製紙製)、「雷鳥マットコートN」(中越パルプ製)、A1グロスアート紙では「OK金藤+」(王子製紙製)、「特菱アート」(三菱製紙製)、「雷鳥特アート」(中越パルプ製)、A1ダルアート紙では、「サテン金藤+」(王子製紙製)、「スーパーマットアート」(三菱製紙製)、「雷鳥ダルアート」(中越パルプ製)、A0アート紙では「SA金藤+」(王子製紙製)、「高級アート」(三菱製紙製)、「雷鳥スーパーアートN」(中越パルプ製)、「ウルトラサテン金藤+」(王子製紙製)、「ダイヤプレミアダルアート」(三菱製紙製)などを挙げることができる。
本発明におけるインク付与工程では、顔料、水、及び組成物総量に対する含有比率が15質量%以上40質量%未満である水溶性の重合性化合物を含み、水溶性有機溶剤の含有量が3質量%未満であるインク組成物を、インクジェット法により前記記録媒体に付与して画像を形成する。
尚、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
本発明におけるインク組成物は、水を媒体として含む水性インク組成物であり、色材として少なくとも1種の顔料、水、及び組成物総量に対する含有比率が15質量%以上40質量%未満である少なくとも1種の水溶性の重合性化合物を含み、水溶性有機溶剤の含有量を3質量%未満として構成したものである。インク組成物は、必要に応じて、更に、少なくとも1種の樹脂粒子、少なくとも1種の水溶性有機溶剤、及び界面活性剤や湿潤剤などの他の成分を用いて構成されてもよい。
本発明におけるインク組成物は、顔料の少なくとも1種を含有する。顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料、無機顔料のいずれであってもよい。顔料は、水に殆ど不溶であるか又は難溶である顔料であることが、インク着色性の点で好ましい。
また、無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。
本発明のインク組成物は、分散剤の少なくとも1種を含有することができる。前記顔料の分散剤としては、ポリマー分散剤、又は低分子の界面活性剤型分散剤のいずれでもよい。また、ポリマー分散剤は、水溶性の分散剤、又は非水溶性の分散剤のいずれでもよい。
また、疎水性基は、炭素数2〜24の炭化水素基が好ましく、炭素数4〜24の炭化水素基がより好ましく、炭素数6〜20の炭化水素基がさらに好ましい。
更に、合成系の親水性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。
染料を保持した担体(水不溶性着色粒子)は、分散剤を用いて水系分散物として用いることができる。分散剤としては上述した分散剤を好適に用いることができる。
ここで、分散状態での顔料の平均粒子径は、インク化した状態での平均粒子径を示すが、インク化する前段階のいわゆる濃縮インク分散物についても同様である。
顔料のインク組成物中における含有量としては、画像濃度の観点から、インク組成物に対して、1〜25質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましい。
本発明におけるインク組成物は、重合性基を有する水溶性の重合性化合物の少なくとも1種を含有し、活性エネルギー線が照射されることにより重合する。この重合性化合物は、前記顔料及び樹脂粒子と共に併用し、処理液と接触して凝集するときには粒子間に取り込まれて、その後の重合硬化により画像を強化する。
中でも、重合性化合物の含有量は、20質量%以上35質量%以下の範囲が好ましい。
重合性化合物は、2種以上を組み合わせて含有する。
前記多価アルコールは、エチレンオキシドの付加により内部にエチレンオキシド鎖で鎖延長されたものでもよい。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール,1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、チオグリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及びこれらの縮合体、低分子ポリビニルアルコール、又は糖類などのポリオール類。
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンジアミンなどのポリアミン類。
以下に、分子内にアクリルアミド構造を有する水溶性の重合性化合物の具体例を示す。但し、本発明は、これらに制限されるものではない。
前記カチオン性の重合性化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノメタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタアクリルアミド、及びこれらの4級化化合物などが挙げられる。
エポキシモノマー類としては、例えば、多価アルコールのグリシジルエーテル、グリシジルエステル、脂肪族環状のエポキシドなどが挙げられる。
さらに、カチオン性の重合性化合物の例として、下記構造を有するものを挙げることができる。
以下、カチオン基を有する重合性化合物の具体例(カチオン性化合物1〜11)を例示する。
本発明におけるインク組成物は、ポリマー粒子の少なくとも1種を含有することができる。ポリマー粒子は、後述する処理液又はこれを乾燥させた領域と接触した際に、インク組成物中において分散不安定化して凝集し、増粘することによりインク組成物を固定化する機能を有し、インク組成物の記録媒体への密着性及び画像の耐傷性をより向上させることができる。
自己分散性ポリマーの粒子は、界面活性剤の不存在下、分散状態(特に転相乳化法による分散状態)としたとき、ポリマー自身が有する官能基(特に酸性基又はその塩)によって、水性媒体中で分散状態となり得る水不溶性ポリマーであって、遊離の乳化剤を含有しない水不溶性ポリマーの粒子を意味する。
自己分散性ポリマーの粒子は、吐出安定性及び前記顔料を含む系の液安定性(特に分散安定性)の観点で好ましい。
本発明における水不溶性ポリマーにおいては、液体組成物としたときの凝集速度と定着性の観点から、水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態となりうる水不溶性ポリマーであることが好ましい。
また、縮合系ポリマーと縮合系ポリマーを構成するモノマーの好適な例としては、特開2001−247787号公報に記載されているものを挙げることができる。
前記親水性基は、自己分散促進の観点、形成された乳化又は分散状態の安定性の観点から、解離性基であることが好ましく、アニオン性の解離基であることがより好ましい。前記解離性基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基などが挙げられ、中でも、インク組成物を構成した場合の定着性の観点から、カルボキシル基が好ましい。
前記不飽和スルホン酸モノマーの具体例としては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。
前記不飽和リン酸モノマーの具体例としては、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
前記解離性基含有モノマーの中では、分散安定性、吐出安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル系モノマーがより好ましく、特にはアクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。
また、前記重合性基は、縮重合性の重合性基であっても、付加重合性の重合性基であってもよい。重合性基は、水性媒体中での粒子形状安定性の観点から、付加重合性の重合性基が好ましく、エチレン性不飽和結合を含む基であることがより好ましい。
前記芳香族基含有モノマーの例としては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、スチレン系モノマー等が挙げられる。中でも、ポリマー鎖の親水性と疎水性のバランスとインク定着性の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及びフェニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートが更に好ましい。
なお、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
前記アルキル基含有モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、並びにヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー、並びにジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル(好ましくは、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜4のアルキルエステル);
N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、Nーヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、並びにN−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−,イソ)ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−,イソ)ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド等、等の(メタ)アクリルアミド系モノマー、等が挙げられる。
また、水不溶性ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び/又はベンジル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことがより好ましく、更には加えて、酸価が25〜100であって重量平均分子量が3000〜20万であることが好ましく、酸価が25〜95であって重量平均分子量が5000〜15万であることがより好ましい。
B−02:フェノキシエチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(30/35/29/6)
B−03:フェノキシエチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(50/44/6)
B−04:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸共重合体(30/55/10/5)
B−05:ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(35/59/6)
B−06:スチレン/フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(10/50/35/5)
B−07:ベンジルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(55/40/5)
B−08:フェノキシエチルメタクリレート/ベンジルアクリレート/メタクリル酸共重合体(45/47/8)
B−09:スチレン/フェノキシエチルアクリレート/ブチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(5/48/40/7)
B−10:ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(35/30/30/5)
B−11:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸共重合体(12/50/30/8)
B−12:ベンジルアクリレート/イソブチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(93/2/5)
B−13:スチレン/フェノキシエチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸 共重合体(50/5/20/25)
B−14:スチレン/ブチルアクリレート/アクリル酸 共重合体(62/35/3)
B−15:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/51/4)
B−16:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/49/6)
B−17:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/48/7)
B−18:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/47/8)
B−19:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/45/10)
工程(1):ポリマー(水不溶性ポリマー)、有機溶媒、中和剤、及び水性媒体を含有する混合物を攪拌する工程
工程(2):前記混合物から前記有機溶媒を除去する工程
これら塩基性化合物は、解離性基100モル%に対して、5〜120モル%使用することが好ましい。ここでの比率の詳細については、特開2011−42150号公報の段落番号[0111]に記載されている。
また、自己分散性ポリマー粒子の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布を持つもの又は単分散の粒径分布を持つもののいずれでもよい。また、水不溶性粒子を2種以上混合して使用してもよい。
なお、自己分散性ポリマーの粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
ポリマー粒子のインク組成物中における含有量としては、凝集速度や画像の光沢性などの観点から、インク組成物に対して、固形分濃度で1〜30質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。
また、ポリマー粒子に対する顔料の比率(例えば水不溶性顔料粒子/自己分散性ポリマー粒子)としては、画像の耐擦過性などの観点から、1/0.5〜1/10が好ましく、1/1〜1/4がより好ましい。
本発明におけるインク組成物は、後述する処理液に含有すると共にあるいは含有せずに、活性エネルギー線により前記重合性化合物の重合を開始する重合開始剤の少なくとも1種を含有することができる。重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を混合して、あるいは増感剤と併用して使用することができる。
増感剤は、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。
本発明におけるインク組成物は、水を含有するものであるが、水の量には特に制限はない。中でも、水の好ましい含有量は、10〜99質量%であり、より好ましくは30〜80質量%であり、更に好ましくは50〜70質量%である。
本発明におけるインク組成物は、水溶性有機溶剤を含有してもよい。水溶性有機溶剤を含有する場合、その含有量は少ないことが好ましく、本発明では水溶性有機溶剤の含有量を、インク組成物の全質量に対して3質量%未満とする。
グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類や、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等のアルカンジオールなどの多価アルコール類のほか、特開2011−42150号公報の段落番号[0116]に記載の、糖類や糖アルコール類、ヒアルロン酸類、炭素数1〜4のアルキルアルコール類、グリコールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これら溶剤は、1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。多価アルコール類は、乾燥防止剤や湿潤剤としても有用であり、例えば、特開2011−42150号公報の段落番号[0117]に記載の例も挙げられる。また、ポリオール化合物は、浸透剤として好ましく、脂肪族ジオールとしては、例えば、特開2011−42150号公報の段落番号[0117]に記載の例が挙げられる。
前記構造式(1)で表される化合物の詳細については、特開2011−42150号公報の段落番号[0121]〜[0125]に記載されている。グリセリンのアルキレンオキシド付加物は、上市されている市販品を用いてもよく、例えば、ポリオキシプロピル化グリセリン(ポリプロピレングリコールとグリセリンとのエーテル)として、サンニックスGP−250(平均分子量250)、同GP−400(平均分子量400)、同GP−600(平均分子量600)〔以上、三洋化成工業(株)製〕、及び同公報の段落番号[0126]に記載の例が挙げられる。
本発明におけるインク組成物は、上記成分以外にその他の添加剤を用いて構成することができる。その他の添加剤としては、例えば、重合禁止剤、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、インク組成物の場合はインクに直接添加し、また、油性染料を分散物として用いる場合は染料分散物の調製後に分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
本発明における乾燥工程では、前記インク付与工程でのインク組成物の付与により記録媒体に形成された画像(インク組成物)中の水の少なくとも一部及び水溶性有機溶剤の少なくとも一部を加熱及び送風の少なくとも一方により乾燥除去する。乾燥工程を後述の硬化工程の前に設け、インク組成物中の水や水溶性有機溶剤の含有量を減らすことで、硬化工程での重合性化合物の硬化反応がより良好に進行する。特に、主走査方向にインクを吐出して1回の走査で1ラインを形成するシングルパス方式により画像形成する方法など、高速で画像形成する場合に、画像形成性が成り立つ感度を確保することができる。
乾燥工程を設けずにインクの最大付与量で形成した画像に含まれる水分量W0と、所定の乾燥条件による乾燥工程を設けてインクの最大付与量で形成した画像に含まれる水分量W1とをそれぞれ測定する。次いで、W0とW1との差の、W0に対する比率((W0−W1)/W0×100[質量%])を求めることで、乾燥工程によって除去される水分量としての乾燥量(質量%)が算出される。
なお、画像に含まれる水分量は、カールフィッシャー法により測定される。本発明における水分量としては、カールフィッシャー水分計MKA−520(京都電子工業(株)製)を用い、通常の測定条件で測定した水分量を適用する。
インク滴の着弾から乾燥開始までの時間は、3秒以内がより好ましい。
本発明における硬化工程では、前記乾燥工程の後、形成された画像に対して活性エネルギー線を照射して硬化する。活性エネルギー線を照射することで、インク組成物中の重合性化合物が重合して、顔料を含む硬化膜を形成する。これにより、形成される画像の耐擦性がより向上する。
本発明の画像形成方法は、上記に加え、前記インク付与工程の前に、更に、インク組成物と接触したときに凝集体を形成する凝集成分を含む処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程を有していることが好ましい。インク組成物中の成分を凝集させる処理液を付与しておくことで、上記の乾燥効果をより良好に発揮させることができる。
本発明のインク組成物は、該インク組成物と接触したときにインク組成物中の成分を凝集させて凝集体を形成する凝集成分を含む処理液と合わせてインクセットとして好適に用いられる。
酸性物質としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等が好適に挙げられる。
酸性物質は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、画像濃度、解像度、及びインクジェット記録の高速化の観点から、インク組成物のpH(25℃)が8.0以上であって、処理液のpH(25℃)が0.5〜4である場合が好ましい。
前記カチオン性ポリマーとしては、ポリ(ビニルピリジン)塩、ポリアルキルアミノエチルアクリレート、ポリアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリエチレンイミン、ポリビグアニド、及びポリグアニドから選ばれるポリマーが好ましい。カチオン性ポリマーは、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。カチオン性ポリマーの中でも、凝集速度の観点で有利なポリグアニド(好ましくは、ポリ(ヘキサメチレングアニジン)アセテート、ポリモノグアニド、ポリメリックビグアニド)、ポリエチレンイミン、ポリ(ビニルピリジン)が好ましい。
また、前記カチオン性ポリマーの重量平均分子量としては、処理液の粘度の観点では小さい方が好ましい。処理液をインクジェット方式で記録媒体に付与する場合、重量平均分子量は500〜500,000が好ましく、700〜200,000がより好ましく、更に好ましくは1,000〜100,000である。重量平均分子量は、500以上であると凝集速度の観点で有利であり、500,000以下であると吐出信頼性の点で有利である。但し、処理液をインクジェット以外の方法で記録媒体に付与する場合には、この限りではない。
インク組成物を凝集させる凝集成分の処理液中における含有量としては、1〜50質量%が好ましく、より好ましくは3〜45質量%であり、更に好ましくは5〜40質量%の範囲である。
本発明においては、重合開始剤はインク組成物及び処理液のいずれに又は両方に含有されてもよいが、重合反応性や硬化性の点、ひいては画像の密着性及び耐傷性の向上効果の観点からは、重合開始剤が少なくともインク組成物に含有された態様が好ましい。
次に、本発明の画像形成方法の実施に好適なインクジェット記録装置の一例を図1を参照して具体的に説明する。図1は、インクジェット記録装置全体の構成例を示す概略構成図である。
また、溶媒除去ローラー等を用いて溶媒除去を行なってもよい。他の態様として、エアナイフで余剰な溶媒を記録媒体から取り除く方式も用いられる。
紫外線照射部16は、インク乾燥ゾーン15の前後のいずれに設置されていてもよく、インク乾燥ゾーン15の前後両方に設置してもよい。
《1.シアンインクC1の調製》
−シアン分散液の調製−
反応容器に、スチレン6部、ステアリルメタクリレート11部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成(株)製)4部、プレンマーPP−500(日本油脂(株)製)5部、メタクリル酸5部、2−メルカプトエタノール0.05部、及びメチルエチルケトン24部を加え、混合溶液を調液した。
得られたシアン分散液C1の体積平均粒子径(二次粒子)を、Micorotrac粒度分布測定装置(Version 10.1.2−211BH(商品名)、日機装(株)製)で動的光散乱法により測定したところ、77nmであった。
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた2リットル三口フラスコに、メチルエチルケトン360.0gを仕込んで、75℃まで昇温した。その後、フラスコ内温度を75℃に保ちながら、フェノキシエチルアクリレート180.0g、メチルメタクリレート162.0g、アクリル酸18.0g、メチルエチルケトン72g、及び「V−601」(和光純薬工業(株)製)1.44gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、これに「V−601」0.72g及びメチルエチルケトン36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌後、さらに「V−601」0.72g及びイソプロパノール36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌した。その後、85℃に昇温して、さらに2時間攪拌を続け、フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸(=50/45/5[質量比])共重合体の樹脂溶液を得た。
得られた共重合体の、上記同様に測定した重量平均分子量(Mw)は、64,000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で算出)であり、酸価は38.9mgKOH/gであった。
・シアン分散物C1(水分散性顔料の濃度:10質量%) ・・・20質量%
・ヒドロキシエチルアクリルアミド ・・・5質量%
(下記の単官能重合性化合物A−1)
・ノニオン性の重合性化合物(下記の2官能重合性化合物B−1)・・・5質量%
・サンニックス GP250 ・・・2質量%
(三洋化成工業(株)製;親水性有機溶剤)
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) ・・・1質量%
・イルガキュア 2959(チバ・ジャパン社製;光重合開始剤) ・・・3質量%
・自己分散性ポリマー微粒子P−1の水分散物 ・・・18質量%
(固形分濃度:28.0質量%)
・イオン交換水 ・・・46質量%
前記シアンインクC1の調製において、インク組成を下記の表1に示すように変更したこと以外は、前記シアンインクC1の調製と同様にして、C2〜C10を調製した。
・FS−300(DuPont社製(有効成分40質量%);フッ素系界面活性剤)
(処理液1)
下記組成の成分を混合して、処理液1を調製した。
<処理液1の組成>
・マロン酸(和光純薬工業(株)製) ・・・ 25質量%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル ・・・ 20質量%
(和光純薬工業(株)製)
・エマルゲンP109 ・・・ 1質量%
(花王(株)製、ノニオン性界面活性剤)
・イオン交換水 ・・・ 54質量%
下記組成の成分を混合して、処理液2を調製した。
<処理液2の組成>
・マロン酸(和光純薬工業(株)製) ・・・ 25質量%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル ・・・ 20質量%
(和光純薬工業(株)製)
・エマルゲンP109 ・・・ 1質量%
(花王(株)製、ノニオン性界面活性剤)
・イルガキュア2959 ・・・ 1質量%
(チバ・ジャパン社製;光重合開始剤)
・イオン交換水 ・・・ 53質量%
下記組成の成分を混合して、処理液3を調製した。
<処理液3の組成>
・硝酸マグネシウム・六水和物(多価金属塩) ・・・25質量%
・イソブチルベンゾインエーテル ・・・10質量%
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル ・・・10質量%
・グリセリン ・・・10質量%
・イオン交換水 ・・・全体が100質量%となる残量
<カチオン性ポリマー水溶液の調製>
酢酸グアニジン(65g)と1,6−ヘキサメチレンジアミン(66.7g)を250mlの丸底フラスコ中に仕込み混合後、窒素ガスの雰囲気下で攪拌しながら混合物を120℃に加熱し、攪拌を4時間続けた。次いで、温度を150℃に上げ、反応混合物をこの温度で更に20時間攪拌した。反応混合物を室温に自然冷却し、次いで同じ体積の蒸留水と混合し、80℃に加熱し、均一溶液になるまでこの温度で保持した。溶液を冷却し、酢酸を使用してpHを7に調節し、イオン交換水を混合して固形分量が25質量%になるよう希釈し、カチオン性ポリマー水溶液を得た。
得られたカチオン性ポリマー水溶液は、ゲル透過クロマトグラフィーにより測定したところ、平均分子量(Mw)が1120であった。
<処理液4の組成>
・前記カチオン性ポリマー水溶液(固形分量:25質量%)・・・20質量%
・2−ピロリドン ・・・9質量%
・チオジエチレングリコール ・・・9質量%
・シクロヘキサノール ・・・2質量%
・イオン交換水 ・・・全体が100質量%となる残量
画像形成にあたり、下記の記録媒体を準備した。
まず、図1に示すように、記録媒体の搬送方向(図中の矢印方向)に向かって順次、処理液を吐出する処理液吐出用ヘッド12Sを備えた処理液付与部12と、付与された処理液を乾燥させる処理液乾燥ゾーン13と、各種インク組成物を吐出するインク吐出部14と、吐出されたインク組成物を乾燥させるインク乾燥ゾーン15と、紫外線(UV)を照射可能なUV照射ランプ16Sを備えたUV照射部16とが配設されたインクジェット装置を準備した。
処理液乾燥ゾーン13は、図示しないが、記録媒体の記録面側には乾燥風を送って乾燥を行なう送風器を備え、記録媒体の非記録面側には赤外線ヒータを備えており、処理液付与部で処理液の付与を開始した後900msecが経過するまでに、温度・風量を調節して処理液中の水の70質量%以上を蒸発(乾燥)できるように構成されている。また、インク吐出部14は、搬送方向(矢印方向)にブラックインク吐出用ヘッド30K、シアンインク吐出用ヘッド30C、マゼンタインク吐出用ヘッド30M、及びイエローインク吐出用ヘッド30Yが順次配置されており、各ヘッドは1200dpi/10inch幅フルラインヘッド(駆動周波数:25kHz、記録媒体の搬送速度:500mm/s)であり、各色をシングルパスで主走査方向に吐出して記録できるようになっている。
処理液の記録媒体への付与量は、1.5ml/m2とした。なお、記録媒体には、前記表2に記載の8種を順次変更して用いた。
画像の記録に際し、シアンインクは、ふたつの記録ヘッドに充填し、それぞれのヘット゛から解像度1200dpi×1200dpi、インク滴量2.5〜3.6plで調整し、インクの最大付与量11ml/m2又は16ml/m2にて吐出した。ベタ画像は、記録媒体をA5サイズにカットしたサンプルの全面にインクを吐出してベタ画像とした。
まず、記録媒体上に処理液吐出用ヘッド12Sから処理液をシングルパスで吐出した後、処理液の乾燥は処理液乾燥ゾーン13で行ない、処理液乾燥ゾーンを処理液の吐出開始から900msec迄に通過するようにした。処理液乾燥ゾーン13では、着滴した処理液を着滴面の裏側(背面)から赤外線ヒータで膜面温度が40〜45℃となるように加熱しながら、送風器により記録面に120℃、5m/secの温風を5秒間あてて乾燥した。続いて、シアンインクを充填した吐出用ヘッド30Cと30Mにより、シアンインクをシングルパスで吐出して画像を記録した後、インク乾燥ゾーン15で前記同様にインク着滴面の裏側(背面)から赤外線ヒータで加熱しながら、送風器により120℃の温風を、風量を変えて下記表3に示す所定の乾燥量となるように乾燥させた。このとき、シアンインクの液滴が記録媒体に着弾した時点からインク乾燥ゾーン15に搬送され乾燥が開始されるまでの時間が所望の時間になるように搬送速度を調整した。なお、乾燥量の測定方法については、後述する。画像乾燥後、UV照射部16において、UV光(アイグラフィックス(株)製 メタルハライドランプ 最大照射波長 365nm)を積算照射量2J/cm2になるように照射して、画像を硬化した。
上記の画像形成において、記録媒体上に、処理液(付与量5ml/m2)を付与した後、下記表3に示すようにインクの最大付与量11ml/m2又は16ml/m2でベタ画像をそれぞれ出力した。尚、インク乾燥ゾーン15での加熱・送風、及びUV照射部16におけるUV光の照射を行なわずに出力した。得られた画像についてカールフィッシャー水分計MKA−520(京都電子工業株式会社製)を用い、カールフィッシャー法により、画像内に含まれる水分量W0を測定した。
さらに、インク乾燥ゾーン15における加熱・送風を所定の乾燥条件としたこと以外は上記と同様にして、UV光の照射を行なわずに得られた画像について、同様にカールフィッシャー法にて画像内に含まれる水分量W1を測定し、乾燥量(%)を下記式1にて算出した。
(W0−W1)/W0×100 ・・・(式1)
前記画像形成により得られた画像について、下記の評価を行なった。評価結果は、下記の表4に示す。
全面にベタ画像が形成されたA5サイズサンプルを用いて、25℃50%RHの環境下で10分放置した後に、セロハンテープ(ニチバン社製)を画像に貼り付けてから剥がし、画像の破壊状況を下記評価基準に従って評価した。
A:画像がテープに転写しなかった。
B:画像表面の一部がテープに転写したが、殆どの画像は転写せず残った。
C:画像の一部がテープに転写して、画像のない記録媒体表面が一部露出した。
D:全面的に画像が転写し、記録媒体表面が露出した。
全面に100%網点ベタ画像と20%網点ベタ画像が形成されたA5サイズのサンプルを、それぞれ25℃、50%RHの環境下に1時間放置し、放置後のサンプルのベタ画像の表面を、記録していない記録媒体を重ねて荷重200kg/m2をかけて10往復擦った。その後、画像を目視で観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
A:いずれのサンプルも、擦られたベタ画像の劣化も認められなかった。
B:いずれか一方のサンプルにおいて、擦られたベタ画像の劣化が認められた。
C:両方のサンプルにおいて、擦られたベタ画像の劣化が認められた。
D:いずれか一方もしくは両方のサンプルにおいて、ベタ画像が脱落し紙面が露出した。
全面に100%網点ベタ画像が形成されたA5サイズのサンプルを25℃、50%RHの環境下で1時間放置し、放置後のサンプルのベタ画像の表面を、HEIDON表面性試験機(新東科学株式会社製)で0.1mmのステンレス製引っ掻き針を使用して、0〜200gfまで荷重を変化させながら引っ掻いた。画像表面に傷が発生した荷重を下記基準に従って評価した。
<評価基準>
A:200gfでも傷は認められない。
B:100gf以上200gf未満で傷が発生した。
C:30gf以上100gf未満で傷が発生した。
D:30gf未満で傷が発生した。
100%ベタ画像を形成した後の記録媒体を、カール方向が50mm長の方向となるようにサイズ5×50mmに裁断し、サンプル片を作成した。このサンプル片を温度35℃、相対湿度80%の条件下に放置し、下記方法でサンプルの曲率Cを測定し、下記の評価基準にしたがってカール性を評価した。
〜曲率の測定方法〜
インク塗設後のサンプル片の曲率Cを、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定した。曲率Cは、生じたカールを半径Rの円弧とみなして下記式2で表され、この曲率Cを、カール性を評価する指標とした。
C=1/R(m) ・・・(式2)
<評価基準>
A:曲率Cが10未満であった。
B:曲率Cが10以上15未満であった。
C:曲率Cが15以上20未満であった。
D:曲率Cが20以上であった。
網点を10〜100%まで10%間隔で変化させた画像が形成された記録媒体を温度25℃、相対湿度50%の環境下に1時間放置した後、各網点の画像について画像表面の60°光沢度をグロスチェッカIG−331(HORIBA社製)にて測定した。光沢度の最大値(Gmax)と最小値(Gmin)の差(光沢度差)を計算し、下記の評価基準にしたがって評価した。
光沢度差 = Gmax−Gmin
<評価基準>
A:光沢度差が10未満であった。
B:光沢度差が10以上20未満であった。
C:光沢度差が20以上30未満であった。
D:光沢度差が30以上であった。
これに対し、本発明との対比のために行なった比較例において、純水の転移量が少ないミラーコートプラチナを記録媒体に用いた例(No.21)では、画像の光沢性及びカール性は損なわれないものの、コート層への重合性モノマーの浸透量が少なく、重合硬化による改良効果が少ないため、形成された画像は記録媒体との密着性及び耐傷性に劣っていた。また、重合性化合物を含まないシアンインクを用いて処理液を付与せずに画像形成した例(No.22〜28)では、水や水溶性有機溶剤のコート層への浸透量が多く、コート層がその性状を維持できず、これに伴なって画像も良好な密着及び耐傷性を保持できなかった。また、コート層を抜けて原紙層まで水や水溶性有機溶剤が浸透することでカールも悪化が顕著であった。また、インクとして水溶性有機溶剤の含有量が3質量%を超えるシアンインクC10を用いた例(No.29)では、コート層中に浸透した水溶性有機溶剤が多いために、シアンインクC1〜C8を用いた場合に比べ、形成された画像の密着性及び耐傷性が低下した。一方、乾燥工程を設けずに、インク吐出後直ぐにUV照射を行なった例(No.30)では、やはりコート層中に残存する水分量が多くなり、コート層の劣化が進むとともに、乾燥が不十分であるために重合硬化が進まず、シアンインクC1〜C8を用いた場合に比べ、形成された画像の密着性及び耐傷性が低下した。
12S・・・処理液吐出用ヘッド
13・・・処理液乾燥ゾーン
14・・・インク吐出部
15・・・インク乾燥ゾーン
16・・・紫外線照射部
16S・・・紫外線照射ランプ
30K、30C、30M、30Y・・・インク吐出用ヘッド
Claims (10)
- セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、一層もしくは多層の顔料層を有し、動的走査吸液計で測定した純水の転移量が、接触時間100msにおいて1ml/m2以上15ml/m2以下であって、かつ接触時間400msにおいて2ml/m2以上20ml/m2以下である記録媒体上に、顔料、水、及び組成物総量に対する含有比率が15質量%以上40質量%未満である水溶性の重合性化合物を含み、水溶性有機溶剤の含有量が3質量%未満であるインク組成物を、インクジェット法により付与して画像を形成するインク付与工程と、
前記記録媒体に形成された画像を加熱及び送風の少なくとも一方により乾燥させる乾燥工程と、
乾燥工程後の前記画像に対して活性エネルギー線を照射して前記画像を硬化する硬化工程と、
を有し、
前記重合性化合物は、下記一般式(1)で表され、nが2以上の整数である多官能アクリルアミドと、下記一般式(1)で表され、n=1である単官能アクリルアミドと、を含み、前記単官能アクリルアミドの含有量が、前記インク組成物の総質量に対して10質量%以上である画像形成方法。
〔一般式(1)中、Qはn価の基を表し、R 1 は水素原子又はメチル基を表す。また、nは1以上の整数を表す。〕 - 前記インク付与工程の前に、更に、前記インク組成物と接触したときに凝集体を形成する凝集成分を含む処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程を有する請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記インク付与工程の前に、更に、前記インク組成物と接触したときに凝集体を形成する凝集成分を含む処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程を有し、前記凝集成分として、酸、多価金属塩、及びカチオン性ポリマーから選ばれる少なくとも1種を含む請求項1又は請求項2に記載の画像形成方法。
- 前記顔料は、その表面の少なくとも一部がポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記顔料は、その表面の少なくとも一部がカルボキシル基を有するポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記記録媒体は、コート紙、軽量コート紙、又は微塗工紙である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記インク付与工程の前に、更に、前記インク組成物と接触したときに凝集体を形成する凝集成分を含む処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程を有し、前記インク組成物及び前記処理液の少なくとも一方が、更に重合開始剤を含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記記録媒体にインク組成物の液滴が着弾した時点から5秒以内に乾燥を開始する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記インク付与工程におけるインク組成物の最大付与量が15ml/m2以下である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記乾燥工程は、最大付与量を15ml/m2以下として記録媒体上に付与されたインク組成物を用いて形成された画像中の水分量の60〜80質量%が除去される乾燥条件にて、記録媒体上の画像を形成するインク組成物中の水の少なくとも一部を除去する請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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