JP6163810B2 - ラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物に関する。
従来、白色顔料を含むインクジェット記録用インク組成物が知られている。例えば、特許文献1には、インクの分散安定性を向上し、顔料の沈降を抑制することで、ノズルづまりを解消する白色のインクジェット用インク組成物を提供することを目的として、白色顔料、高分子分散剤、光硬化性化合物、及び光開始剤を主成分とするインクジェット記録用インク組成物であって、前記高分子分散剤がスルホン酸基を有するインクジェット用インク組成物が開示されている。
特開2007−99833号公報
しかしながら、従来の白色顔料を含むインク組成物は、分散剤を含んでいたとしても、長期間保存した際に粘性を有する沈降成分が生じる。そして、一旦生じた沈降成分は、インク組成物を撹拌しても、十分に再分散することが困難となる。このように、従来の白色顔料を含むインク組成物は、長期間保存して生じた沈降成分が再分散して分散性が回復すること(以下、「長期放置後分散回復性」という。)に劣ることが問題である。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、白色顔料を含んでも長期放置後分散回復性に優れたラジカル重合光硬化型インクジェット用インク組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、白色顔料を含むラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物が、飽和脂肪族カルボン酸を更に含むことにより上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
ラジカル重合性化合物と、白色顔料と、高分子分散剤と、少なくとも一種の飽和脂肪族カルボン酸と、を含む、
ラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
〔2〕
前記飽和脂肪族カルボン酸が、飽和脂肪族モノカルボン酸及び飽和脂肪族ジカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、前項〔1〕に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
〔3〕
前記飽和脂肪族カルボン酸が、カルボキシル基以外の部分に、炭素原子を2〜15個含む、前項〔1〕又は〔2〕に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
〔4〕
前記飽和脂肪族カルボン酸を、インク組成物の総量に対して、0.05〜0.2質量%含む、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
〔5〕
光重合開始剤をさらに含む、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
〔6〕
前記白色顔料が、金属酸化物微粒子を含む、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
〔7〕
前記飽和脂肪族カルボン酸が、下記一般式(1)又は下記一般式(2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
COOH−(CH2n−COOH (1)
CH3−(CH2n-1−COOH (2)
(式中、nは2〜15の整数である。)
〔8〕
前記nが3〜8の整数である、前項〔7〕に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔ラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物〕
本実施形態に係るラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物(以下、「インク組成物」ともいう。)は、ラジカル重合性化合物と、白色顔料と、高分子分散剤と、少なくとも一種の飽和脂肪族カルボン酸とを含む。
〔ラジカル重合性化合物〕
本実施形態に係るインク組成物は、ラジカル重合性化合物を含む。インク組成物がラジカル重合性化合物を含む場合は、長期間保存した際に高い粘性を有する沈降成分が生じやすいため、本実施形態に係るインク組成物が特に有用となる。
ラジカル重合性化合物としては、例えば、単官能、二官能、三官能、四官能、五官能及び六官能の(メタ)アクリレートが挙げられる。以下、ラジカル重合性化合物について、より詳細に例示するが、本実施形態で用いるラジカル重合性化合物は下記に限定されない。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートの両方を意味する。
単官能の(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトシキメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2Hパーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
二官能の(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
三官能の(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
四官能の(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。
五官能の(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
六官能の(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、上記化合物以外のラジカル重合性化合物としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩;エステル、ウレタン、アミド、無水物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタンが挙げられる。このようなラジカル重合性化合物としては、特に限定されないが、具体的には、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアセトンアクリルアミド等のアクリル酸誘導体;2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体;その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体;「架橋剤ハンドブック」(山下晋三編、1981年大成社)、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(加藤清視編、高分子刊行会(1985年))、「UV・EB硬化技術の応用と市場」(ラドテック研究会編、79頁(1989年)、シーエムシー)、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(滝山栄一郎著、日刊工業新聞社(1988年))等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
上記の中でも、硬化性が良好となる観点からアクリレート類を用いることが好ましい。
上記ラジカル重合性化合物は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性化合物の含有量は、インク組成物の総量に対して40〜80質量%が好ましく、60〜80質量%がより好ましく、65〜75質量%がさらに好ましい。含有量が上記範囲内であることにより、低粘度、溶解性、硬化性、保存安定性により優れる傾向にある。
〔白色顔料〕
本実施形態に係るインク組成物は、白色顔料を含む。白色顔料は他の顔料と比較して一般的に高い比重を有し、沈降成分を形成しやすいため、本実施形態に係るインク組成物が特に有用となる。白色顔料としては、特に限定されないが、例えば、一般に市販されている無機白色顔料、有機白色顔料、または中空粒子を用いることができる。本実施形態で用いる白色顔料の比重としては、限られるものではないが3.8以上4.1以下の物を用いることができ、本実施形態が特に有効である。
上記白色無機顔料としては、特に限定されないが、例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、微粉ケイ酸、シリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、酸化亜鉛、酸化セリウム、タルク、クレイが挙げられる。
このなかでも、白色顔料は、金属酸化物微粒子を含むことが好ましい。金属酸化物微粒子を含むことにより、より高い屈折率を有し、白色度がより高くなる傾向にある。金属酸化物微粒子としては、特に限定されないが、例えば、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、及び酸化セリウムが挙げられる。このなかでも、酸化チタンは他の無機白色顔料と比べると比重が低く、屈折率が高く化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きい傾向にある。さらに、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れる傾向にある。
上記有機白色顔料は、特に限定されないが、例えば、特開平11−129613号公報に示される有機化合物塩や特開平11−140365号公報、特開2001−234093号公報に示されるアルキレンビスメラミン誘導体が挙げられる。白色有機顔料の具体的な商品としては、ShigenoxOWP、ShigenoxOWPL、ShigenoxFWP、ShigenoxFWG、ShigenoxUL、ShigenoxU(以上、ハッコールケミカル社製、何れも商品名)などが挙げられる。
上記中空粒子としては、特に限定されないが、例えば、米国特許第4,089,800号明細書に開示されている、実質的に有機重合体で作られた熱可塑性を示す粒子などが挙げられる。
上記白色顔料は、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、ジルコニア、又は有機物を用いて処理されたものであることが好ましい。このような処理方法によって処理された白色顔料は、分散性、耐候性や親油水性により優れる傾向にある。
アルミナ、シリカ、ジルコニア等で表面処理を行った白色顔料は表面にOH基を有し、アルミナ処理をした白色顔料の表面はやや中性、また、シリカ処理した白色顔料の表面は酸性、ジルコニア処理した白色顔料の表面は塩基性を示すことが知られている。
白色顔料の粒子の平均粒径は、100nm以上であることが好ましく、200nm以上であることがより好ましい。平均粒径の上限は10μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、300nm以下がさらに好ましい。上記平均粒径は、顔料、分散剤、及び分散媒体の選定、並びに分散条件、ろ過条件を設定することで調整することができる。粒径が上記範囲以下であることにより、吐出安定性により優れる傾向にある。また、粒径が上記範囲以上であることにより、白色度がより高くなり、隠蔽性により優れる傾向にある。平均粒径は粒度分布計(日機装社製、製品名UPA−EX150)により測定される。
また、白色顔料のインク組成物中での含有量は、インク組成物の総量に対して、5〜50質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることがさらに好ましい。含有量が上記範囲内であることにより低粘度、溶解性、保存安定性、長期放置後分散回復性により優れる傾向にある。
白色顔料は、インク組成物の作製の際、分散媒に分散させた顔料分散液の状態で他の材料と混合してもよい。顔料分散液を調製する際の白色顔料の分散には、特に限定されないが、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いることができる。
また、白色顔料の分散媒としては、特に限定されないが、例えば、ラジカル重合性化合物が挙げられる。このなかでも、粘度が低いラジカル重合性化合物を選択することが好ましい。このような分散媒を用いることにより、分散適性やインク組成物のハンドリング性がより向上する傾向にある。
〔高分子分散剤〕
本実施形態に係るインク組成物は、高分子分散剤を含む。高分子分散剤は、白色顔料表面の官能基と相互作用をして、白色顔料表面上に付着する。白色顔料は、付着した高分子分散剤の立体障害又は電気的反発により、インク組成物中に分散する。そのため、高分子分散剤は、上記白色顔料の表面電荷などの表面状態を考慮して適宜選択することができる。高分子分散剤は、酸価又はアミン価のいずれか一方を有することが好ましく、酸価とアミン価を同程度併せ持つものがより好ましい。このような高分子分散剤を用いることにより、アルミナ処理をした白色顔料、シリカ処理をした白色顔料、及びジルコニア処理をした白色顔料の分散性をより向上できる傾向にある。なお、ここで「高分子分散剤」とは、繰り返し単位を有する高分子、特に樹脂からなる分散剤をいう。高分子分散剤の分子量としては、限られるものではないが1,000〜50,000のものが好ましく用いることができる。
このような高分子分散剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリルコポリマー、アクリル酸カリウム−アクリルニトリルコポリマー、酢酸ビニル−アクリル酸エステルコポリマー、アクリル酸−アクリル酸エステルコポリマー等のアクリル系樹脂;スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−メタクリル酸コポリマー、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステルコポリマー、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステルコポリマー等のスチレン−アクリル樹脂;スチレン−マレイン酸コポリマー、スチレン−無水マレイン酸コポリマー、ビニルナフタレン−アクリル酸コポリマー、ビニルナフタレン−マレイン酸コポリマー、及び酢酸ビニル−エチレンコポリマー、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレンコポリマー、酢酸ビニル−マレイン酸エステルコポリマー、酢酸ビニル−クロトン酸コポリマー、酢酸ビニル−アクリル酸コポリマー等の酢酸ビニル系コポリマー及びそれらの塩が挙げられる。これらの中でも、特に疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとのコポリマー、及び疎水性基と親水性基を分子構造中に併せ持ったモノマーからなる重合体が好ましい。上記高分子分散剤は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本実施形態において使用する高分子分散剤の添加量は、白色顔料(100質量部)に対して1〜10質量部の範囲が好ましく、2〜7質量部の範囲が好ましい。添加量が上記範囲であることにより、白色顔料への吸着性及び白色顔料の分散性がより向上し、かつ、高分子化合物に由来するインク組成物の高粘度化も抑制でき、界面活性剤作用でインク組成物の表面張力が低下してインクジェットによる吐出不良が起こることも抑制できる傾向にある。
〔飽和脂肪族カルボン酸〕
本実施形態に係るインク組成物は、少なくとも一種の飽和脂肪族カルボン酸を含む。白色顔料は、表面上に付着した高分子分散剤の立体障害又は電気的反発により、インク組成物中に分散している。しかし、従来の高分子分散剤を白色顔料と共に含むインク組成物は、例えば1年以上の長期間放置すると、粘性沈殿物が生じ、再度撹拌をしても元の分散状態には戻らないという問題がある。
その機序としては下記のことが考えられる。すなわち、白色顔料表面に付着している高分子分散剤は、長期間放置すると経時的に遊離すると考えられる。高分子分散剤が遊離すると、それまで高分子分散剤の立体障害又は電気的反発により分散していた白色顔料は凝集する。このようにして凝集した白色顔料が、粘性沈殿物となり、再度撹拌をしても長期間放置前の分散状態には戻らない。ただし、機序はこれに限定されない。
ところが、本実施形態に係るインク組成物のように、白色顔料と共に飽和脂肪族カルボン酸が含まれていると、分極している飽和脂肪族カルボン酸が白色顔料表面に付着し、顔料同士の電気的反発により、あるいは、その飽和脂肪族カルボン酸に遊離した高分子分散剤が引き寄せられることにより、白色顔料の分散性が高い状態で安定化する。または、飽和脂肪族カルボン酸がインク組成物中に存在することにより、インク組成物中への高分子分散剤の遊離が妨げられ、結果として、白色顔料の分散性が高い状態で安定化するとも考えられる。
本実施形態で用いる飽和脂肪族カルボン酸は、炭素間不飽和結合を含まず、芳香環を含まないカルボン酸である。飽和脂肪族カルボン酸が有する脂肪族骨格は、種々の置換基で置換されていてもよい。このような飽和脂肪族カルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、クエン酸等が挙げられる。脂肪族骨格は直鎖状又は分枝状であり、このなかでも直鎖状が好ましい。直鎖状であることにより、長期放置後分散回復性により優れる傾向にある。
上記飽和脂肪族カルボン酸が、飽和脂肪族モノカルボン酸又は飽和脂肪族ジカルボン酸の少なくとも1種を含むことが好ましく、飽和脂肪族ジカルボン酸を含むことがより好ましい。このような飽和脂肪族カルボン酸を用いることにより、長期放置後分散回復性により優れる傾向にある。
上記飽和脂肪族カルボン酸が、カルボキシル基以外の部分に、炭素原子を2〜15個含むことが好ましく、3〜8個含むことがより好ましい。このような飽和脂肪族カルボン酸を用いることにより、長期放置後分散回復性により優れる傾向にある。
上記飽和脂肪族カルボン酸は、インク組成物(100質量%)中に、0.05〜0.25質量%含まれることが好ましく、0.09〜0.20質量%含まれることがより好ましく、0.09〜0.15質量%含まれることがさらに好ましい。飽和脂肪族カルボン酸をこの範囲の含有量で用いることにより、長期放置後分散回復性により優れる傾向にある。
上記飽和脂肪族カルボン酸が、下記一般式(1)又は下記一般式(2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。このような飽和脂肪族カルボン酸を用いることにより、長期放置後分散回復性により優れる傾向にある。
COOH−(CH2n−COOH (1)
CH3−(CH2n-1−COOH (2)
(式中、nは2〜15の整数である。)
上記nは2〜15の整数であることが好ましく、3〜8の整数であることがより好ましい。このような飽和脂肪族カルボン酸を用いることにより、長期放置後分散回復性により優れる傾向にある。
また、飽和脂肪族カルボン酸はpKa1が4.0以上であることが好ましく、4.0以上4.5以下であることがより好ましく、4.1以上4.5以下であることがさらに好ましく、また、pKa2があるときは、pKa2は5.0以上であることが好ましい。ここで「pKa」は、滴定法や吸光度法、キャピラリー電気泳動法などにより測定することができる。
Figure 0006163810
〔光重合開始剤〕
本実施形態に係るインク組成物は光重合開始剤をさらに含むことが好ましい。該光重合開始剤は、ラジカル重合性化合物を硬化させることができるものであれば特に限定されず、従来公知の光ラジカル重合開始剤を用いることができる。
上記の光ラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、芳香族ケトン類、アシルホスフィンオキサイド化合物、チオキサントン化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオフェニル基含有化合物など)、α−アミノアルキルフェノン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物が挙げられる。
このなかでも、アシルホスフィンオキサイド化合物、又はチオキサントン化合物が好ましい。このような光ラジカル重合開始剤を用いることにより、UV−LEDによる硬化プロセスにより優れ、インク組成物の硬化性が一層優れる傾向にある。
アシルホスフィンオキサイ化合物としては、特に限定されないが、具体的には、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、及びビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
チオキサントン化合物としては、特に限定されないが、具体的には、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、及びクロロチオキサントンからなる群より選ばれた1種以上を含むことが好ましい。なお、特に限定されないが、ジエチルチオキサントンとしては2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントンとしては2−イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントンとしては2クロロチオキサントンが好ましい。このようなチオキサントン化合物を光重合開始剤として含むインク組成物であれば、硬化性、保存安定性、及び吐出安定性により優れる傾向にある。このなかでも、チオキサントン化合物がジエチルチオキサントンを含むと好ましい。ジエチルチオキサントンを含むことにより、幅広い領域の紫外光(UV光)により、一層効率良く、ラジカル重合を開始させる活性種を生成できる傾向にある。
その他の光ラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンが挙げられる。
〔その他の添加剤〕
インク組成物は、上記に挙げた添加剤以外の添加剤(成分)を含んでもよい。このような成分としては、特に制限されないが、例えば従来公知の、スリップ剤(界面活性剤)、重合促進剤、浸透促進剤、及び湿潤剤(保湿剤)、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤が挙げられる。
〔ラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物の製造方法〕
インク組成物の製造方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、上記各成分を公知の方法で撹拌、分散させることによりインク組成物を製造することができる。また、白色顔料を含む顔料分散液を予め作製し、それを他の成分と混合することでインク組成物を製造することもできる。
〔インク収容体〕
本実施形態は、上述のインク組成物を収容したインク収容体とすることができる。インク収容体はインクを輸送に適するよう収容したものである。インク収容体は、インクと接してインクが充填された部材がフィルムであるパック(インクパック)がインク収容体の軽量化などの点で好ましい。フィルムの材質は、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの樹脂を用いることができ、酸素透過性が低いこと、耐久性の点で、エチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましい。フィルムは樹脂からなる層にアルミなどの無機層を多層状にしたものでもよい。フィルムの膜厚は0.05〜0.3mmが好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[インク組成物用の材料]
下記の実施例、及び比較例において使用したインク組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔ラジカル重合性化合物〕
(単官能モノマー)V#192(大阪有機化学工業社製、製品名)、フェノキシエチルアクリレート
(二官能モノマー)VEEA(日本触媒社製、製品名)、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル
(三官能モノマー)SR444(Sartomer社製、製品名)、ペンタエリスリトールトリアクリレート
〔光重合開始剤〕
Irgacure 819(BASF社製、製品名)
Speedcure TPO(Lambson社製、製品名)
〔増感剤〕
Speedcure DETX(Lambson社製、製品名)
Hostalux KCB(Clariant社製、製品名)
〔重合禁止剤〕
MEHQ(p-メトキシフェノール)
〔界面活性剤〕
BYK3500(ビックケミージャパン社製、製品名)
〔白色顔料〕
アルミナ表面処理を施した酸化チタン(石原産業社製、製品名「CR−50」)
〔高分子分散剤〕
BYK180(ビックケミージャパン社製、製品名)
〔飽和脂肪族カルボン酸〕
コハク酸
アジピン酸
ラウリン酸
パルミチン酸
2−ナフトエ酸
クエン酸
アジピン酸ジエチル
[実施例1〜9、比較例1〜3]
[インク組成物及びインクパックの調製]
各材料を表2に示す組成(質量%)で混合し、十分に撹拌し、実施例及び比較例の各インク組成物を得た。各インク組成物600mlを、空の状態で30×15cmの大きさの長方形のインク注入口以外の四辺をヒートシールしたパックに注入口から注入し、パック内に空気が残らないよう注入口をヒートシールして各インクパックを作製した。パックは、エチレン−ビニルアルコール共重合体製のフィルム(厚み0.1mm)を用いた。
[評価]
〔長期放置後分散回復性〕
上記のようにして作製したインクパックを、長方形の面を水平にして室温(25℃)で1年間静置した。静置後のインクパック中のインク組成物を、長方形の面を水平にした状態で、長方形の長辺の方向へ両側5cmの距離の振り幅で、速度50cm/秒で往復50回移動させ、長方形の面を裏返して同様に長方形の面を水平にして、同様にしてさらに往復50回移動させることで攪拌した後、パックのインク注入口を上にして、パックの上部のインクを採取し、インク組成物の吸光度(Abs)と、放置前のインク組成物の吸光度を吸光度計(日立製作所社製、製品名U−3300分光光度計)を用いて測定した。測定値より吸光度の変化率を算出して以下の評価基準により評価した。結果を表2に示す。なお、沈降成分が多いほどインク組成物中の白色顔料が薄くなる傾向にあり、放置後の吸光度が低くなる。
(評価基準)
AA : 0%以上10%未満
A : 10%以上20%未満
B : 20%以上30%未満
C : 30%以上
〔溶解性〕
上記のようにしてインク組成物を調製した。調製後のインク組成物中の溶け残りの有無を目視にて観察し、以下の評価基準で評価した。結果を表2に示す。
(評価基準)
A : なし
B : あり
〔保存安定性〕
上記のようにして調製したインク組成物を上記のパックに収容し70℃で8日放置した。放置後のインク組成物の粘度と、放置前のインク組成物の粘度を、粘度計(Physica社製、製品名MCR−300)を用いて測定した。測定温度は20℃とした。測定値より、放置前の粘度を基準にした放置前後の粘度変化率を算出して以下の評価基準により評価した。結果を表2に示す。
(評価基準)
A : 10%未満
B : 10%以上
Figure 0006163810
以上のように、本発明のインク組成物は、特定の飽和脂肪族カルボン酸を含むことにより長期放置後の分散回復性に優れることが示された。また、分散回復性に優れ、粘性沈殿物が生じても、攪拌等により容易に沈殿物が再分散されることにより、白色顔料の沈降に起因するノズル詰まりや画像の濃淡ムラが抑制されたインクジェット用インク組成物を提供することができることが分かる。また、実施例で用いたパックは撹拌の際にもパックに亀裂などが発生せず、沈降回復のために撹拌を行う場合でも耐久性が良好であった。

Claims (13)

  1. ラジカル重合性化合物と、白色顔料と、高分子分散剤と、少なくとも一種の飽和脂肪族カルボン酸と、を含
    前記ラジカル重合性化合物の含有量は、インク組成物の総量に対して65質量%以上である、
    ラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
  2. 前記飽和脂肪族カルボン酸が、飽和脂肪族モノカルボン酸及び飽和脂肪族ジカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、請求項1に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
  3. 前記飽和脂肪族カルボン酸が、カルボキシル基以外の部分に、炭素原子を2〜15個含む、請求項1又は2に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
  4. 前記飽和脂肪族カルボン酸を、インク組成物の総量に対して、0.05〜0.2質量%含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
  5. 光重合開始剤をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
  6. 前記白色顔料が、金属酸化物微粒子を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
  7. 前記飽和脂肪族カルボン酸が、下記一般式(1)又は下記一般式(2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
    COOH−(CH2n−COOH (1)
    CH3−(CH2n-1−COOH (2)
    (式中、nは2〜15の整数である。)
  8. 前記nが3〜8の整数である、請求項7に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
  9. 前記ラジカル重合性化合物を、インク組成物の総量に対して、75質量%以下含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
  10. 前記白色顔料を、インク組成物の総量に対して、5〜50質量%含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
  11. 前記飽和脂肪族カルボン酸が、カルボキシル基以外の部分に、炭素原子を2〜4個含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
  12. 前記ラジカル重合性化合物が、単官能の(メタ)アクリレートを含有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
  13. 前記光重合開始剤が、アシルホスフィンオキサイド化合物、又はチオキサントン化合物を含有する、請求項5に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
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