JP3833797B2 - インクジェット記録用水性インキ組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録用水性インキ組成物に関し、特に着色剤として有機白色顔料を含有するインクジェット記録用水性インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、筆記具やインクジェット記録用の記録液として、水性染料インキが主に用いられてきた。近年に至り、記録画像に耐光性や耐水性を持たせるために、顔料を用いた水性顔料インキが注目されている。
【0003】
インクジェット記録用インキにおいて、白色系顔料は殆どが無機顔料である。例えば、特開平6−287492号公報及び特開平6−322306号公報には、水、水溶性有機溶剤、二酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子を含有する水性顔料インキが記載されている。特開平9−40895号公報には染料が染着した自己水分散性樹脂によってチタンホワイト、シリカ、酸化亜鉛、アルミナから選ばれる白色顔料が包含された着色樹脂粒子が水性液媒体に分散されているインクジェット記録用マイクロカプセルインク組成物が記載されている。特開平6−220375号公報には酸化チタン等の顔料、水性液媒体及びモノ又はセスキテルペン系化合物を含有するインクジェット記録用水性インク組成物が記載されている。特開平6−145570号公報には酸化チタン等の顔料、高分子分散剤、水、水に不溶な樹脂エマルジョンとを含み、顔料と樹脂エマルジョンの固形分の合計量と高分子分散剤の比が3:1〜200:1であるインクジェット記録用インク組成物が記載されている。
【0004】
しかしながら、酸化チタン、微細シリカ粉、炭酸カルシウム、ホワイトカーボン及びタルククレー等の無機白色顔料を用いたインク組成物ではこれらの白色無機顔料の比重が極めて大きい為、低粘度の液中では沈降し易く、容器底部で固形物を生じ易く、インク吐出ノズルで目詰まりを起こし易い。
【0005】
例外として、特開昭57−96066号公報には、水、水可溶性溶剤、水溶性樹脂及び着色剤からなり、着色剤がプラスチックピグメントであるジェット印刷用白色インキ組成物が記載されているが、このインキ組成物は隠蔽性が不十分であり、インクジェット記録用としては実用的でない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術に存した上記のような問題点に鑑み行われたものであって、その目的とするところは、インク吐出ノズルで目詰まりを起さず印字が行え、良好な吐出安定性及び吐出応答性を示し、印字濃度が高く、印字ムラが発生しないにじみの無い高品位な印字品質が得られ、長期保存時の経時安定性に優れる白色顔料含有インクジェット記録用水性インキ組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、式
【0008】
【化2】
Figure 0003833797
【0009】
[式中、R1、R2、R3、R4、R7、R8、R9及びR10は、それぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、但し、R1とR2、R3とR4、R7とR8、及びR9とR10は窒素原子と共に複素環を形成しても良く、R5及びR6は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は脂環式基を示し、Aは炭素数2〜3のアルキレン基を示す。]
で示す構造を有するアルキレンビスメラミン誘導体を有機白色顔料及び蛍光性有機白色顔料として含有するインクジェット記録用水性インキ組成物を提供するものであり、そのことによって上記目的が達成される。
【0010】
本発明の発明者は、有機白色顔料を含有するインクジェット記録用水性インキ組成物を調製することにより、白色顔料の分散性が良く、インクの粘度が適度調整され、吐出安定性及び吐出応答性に優れ、長期保存時の経時安定性が良好で、目詰まりが生じないことを見い出し、本発明の水性インキ組成物を完成した。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の水性インキ組成物には少なくとも1種の有機白色顔料が必須成分として使用される。前記有機白色顔料は、酸化チタン系白色顔料と同程度の隠蔽性を有し、顔料自体が有機物であるため、顔料粒子の比重は、無機白色顔料(例えば酸化チタン約3.8)に比較し著しく小さく、インクジェット記録用水性インキ中に長期間安定に分散する。すなわち、一般に白色の着色剤として使用される酸化チタン系白色顔料は、水性インキ中の他の成分に比べ比重が大きいため、最初は分散していても、次第に沈降してハードケーキ等を形成し易い。本発明の用いる有機白色顔料はインキ中の他の成分に比し、比重差が小さく、長期間安定の初期の分散状態が保存される。前記の有機白色顔料の比重が2以下であることが好ましい、1.2〜1.8が更に好ましい。
【0012】
また、本発明の用いる有機白色顔料は酸化チタン系白色顔料に比べて、その他の有彩色有機顔料と混合して、分散した水性インキを調製した場合、有彩色有機顔料と均一に分散混合できる。また、インクジェット装置で印字した場合に、白色顔料とその他の有彩色有機顔料の分離による色別れが生じにくく、より高画質の印字が得られる。
【0013】
更に、本発明の有機白色顔料を用いたインキ組成物は分散安定性に優れるため、従来の酸化チタン系白色顔料を用いたインキ組成物に比べ、従来に用いられてきた分散剤や分散安定剤の種類又は量を少なくてすみ、添加剤を多く加えることが困難なインクジェット記録用インキに最適である。
【0014】
例えば、分散剤がオリフィス等に付着した後、再溶解又は再分散されないで、目詰まり及び液滴の不吐出等が生じ易いことや分散剤を多く含む水性インキは粘調なので、長時間にわたる連続吐出及び高速印字を行う際にノズル先端までの経路で抵抗をおこし、吐出が不安定になりスムーズな記録が困難となることを防止できる。また、インクジェット装置における分散安定化装置とインクジェットヘッドの吐出安定化装置に対する負担を軽減できる。
【0015】
本発明に係る有機白色顔料は白色インキとして用いる場合、一般にはインキ全量に対して、10〜40重量%、好ましくは15〜35重量%、更に好ましくは20〜35重量%の範囲で含有される。有機白色顔料の含有量が10重量%未満では印字又は筆記濃度が不十分となり、40重量%を越えると有機白色顔料が凝集、沈降し易くなり、インクジェットプリンターの記録ヘッドのオリフィスで充分な安定的な吐出が得られないからである。
【0016】
また、その他の着色剤と併用して、視認性を高める目的に用いる場合は一般にはインキ全量に対して、1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%の範囲で含有されることが望ましい。1重量%未満では十分な効果を発揮し得ないことが多く、30重量%以上ではインキ特性に悪影響が生じるおそれがあるからである。
【0017】
アルキレンビスメラミン誘導体からなる有機白色顔料及び蛍光性有機白色顔料は酸化チタン系白色顔料に比べて、同等の隠蔽性を示し、白色度が高く(酸化チタンには黄色部分に吸収が少しある。)、耐水性も良好である。また、無機顔料と違い、硬度が低いため、インクジェット記録用インキを長期間繰り返し吐出した場合でも、インクジェット装置のヘッド等の部品に摩耗が少なく、インクジェット記録用インキに好適である。
【0018】
上記の式(I)で表されるアルキレンビスメラミン誘導体はAMES試験が陰性で、安全性が要求されるインクジェット記録用水性インキ組成物に用いるのに特に好ましい。
【0019】
上記有機白色顔料の具体的な商品名としては、ShigenoxOWP、ShigenoxOWPL、ShigenoxFWP、ShigenoxFWG、ShigenoxUL、ShigenoxU(以上、ハッコールケミカル社製、何れも商品名)等が挙げられる。
【0020】
このような水性顔料インキに用いられる顔料は、一般に親水性を示さないため、単独では水又は水性液媒体に分散し難い。媒体中への顔料の分散が不十分であると、顔料が沈降、凝集して保存安定性に欠けたり、微細なノズルを目詰まりさせたりする。このことを防止するため、水溶性の各種合成高分子及び界面活性剤のようないわゆる顔料分散剤の存在下で分散機を使用して顔料を水性液媒体中に分散、安定化させる必要がある。
【0021】
本発明に用いる顔料分散剤として、例えばスチレンアクリル酸樹脂、スチレンアクリル酸アクリル酸エステル樹脂、マレイン酸変性スチレンアクリル酸樹脂、スチレンメタクリル酸樹脂、スチレンメタクリル酸アクリル酸エステル樹脂等のアクリル酸系樹脂;スチレンマレイン酸樹脂、アクリル酸エステルマレイン酸樹脂、スチレンアクリル酸エステルマレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂等のマレイン酸系樹脂;マレイン化アルキッド樹脂等の樹脂をアンモニア(水)、アミン類(例えば、脂肪族アミン、脂肪族アルカノールアミン等)等の塩基化合物により造塩し、水可溶化したものが挙げられる。上記の樹脂の中で、水性液媒体に対する溶解性と顔料の分散安定性を考慮すると、スチレンアクリル酸樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、マレイン酸変性スチレンアクリル酸樹脂、及びマレイン化アルキッド樹脂が好ましい。
【0022】
上記樹脂のアンモニウム塩が顔料分散剤として特に好ましい。インクジェット記録に用いる場合、上記の樹脂は水又は水性液媒体に対する溶解性が良好で、オリフィス等に付着して固化することがなく、目詰まり及び液滴の不吐出が生じない。インキ全体のpHが弱アルカリ性に調整されるため、ヘッドの腐蝕も生じない。また、アンモニウム塩化した顔料分散剤を用いることにより印字画像の耐水性が向上する。ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等のような水溶性樹脂も一部含みうる。
【0023】
本発明で用いるのに特に好ましい顔料分散剤は、重量平均分子量1000〜50000、好ましくは3000〜15000、及び酸価50〜500、好ましくは100〜250の上記樹脂をアンモニウム塩で中和して得られる水溶性樹脂である。
【0024】
顔料分散剤は、1種又は2種以上を混合して使用し得る。その使用量は、インキ全体量に対して一般に1〜30重量%、好ましくは5〜20重量%、さらに好ましくは5〜15重量%である。
【0025】
更に記録濃度が高く、にじみがなく、堅牢性の良い高画質の記録物を得るためには水性インキ組成物中の前記有機白色顔料(a)と前記顔料分散剤(b)の重量比(a:b)が100:25〜100:50、好ましくは100:30〜100:45である。
【0026】
本発明の水性インキ組成物で用いる水性液媒体は水を主成分とするが、水と相溶性のある有機溶媒も含みうる。(水、水混和性有機溶媒又はこれらの混合物を本明細書では、水性液媒体と称する。)好適に用いうる水と相溶性を有する有機溶剤としては、アルコール類、多価アルコール類、セロソルブ類、カルビトール類等が挙げられる。
【0027】
水混和性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール及びイソブチルアルコールのような炭素数1〜4のアルキルアルコール;アセトン及びジアセトンアルコールのようなケトン又はケトンアルコール;テトラヒドロフラン(THF)及びジオキサンのようなエーテル;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールのようなアルキレングリコール;ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールのようなポリアルキレングリコール;エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル及びトリエチレングリコールモノエチルエーテルのような多価アルコールの低級アルキルエーテル;ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのような低級アルキルエーテルアセテート;グリセリン;及び2−ピロリドン、2−メチルピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンのようなピロリドン等が挙げられる。
【0028】
本発明に使用される水溶性液媒体は、着色剤の分散及び相溶、樹脂の溶解、インキの粘度調整等の目的で添加される。この水溶性液媒体は、前記の水又は水溶性有機溶剤を1種又は2種以上の混合物であってもよいが、水溶性液媒体の含有量は、インキ全体に対して30〜80重量%程度が好ましい。
【0029】
本発明のインキ組成物には、前記有機白色顔料以外に、着色剤としては、本発明の目的を阻害しない範囲で、従来の無機顔料、有機顔料又は有機染料を適宜選択して、必要な量を含むことができる。
【0030】
無機顔料の例としては、カーボンブラック、コバルトブルー等が挙げられる。
【0031】
有機顔料の例としては、シアニンブラック及びフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;
インダンスレンブルー及びインダンスレンブリリアンオレンジ等のペリノン系顔料;
ビクトリアブルーレーキ、メチルバイオレットレーキ、マラカイトグリーン、アリザリンレーキ、パーマネントレッド F5R及びレーキレッド C等のレーキ顔料;
ナフトールレッド、パーマネントカーミン FBB、パーマネントレッド FGR、ピラゾロンレッド、縮合アゾエロー、縮合アゾブラウン及びニッケルアゾエロー等のアゾ顔料;
キナクリドン系顔料;ジケトピロロピロール系顔料;アントラキノンレッド及びアントラキノンマルーン等のアントラキノン系顔料;並びにイソインドリノン系顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料等が挙げられる。
【0032】
有機染料の例としては、アゾ系染料;アゾ含金系染料;アゾメチン系染料;トリフェニルメタン系染料;オキサジン系染料;インジゴ系染料;アントラキノン系染料;フタロシアニン系染料等の水溶性染料が挙げられる。
【0033】
更に、本発明のインク組成物には、本発明の所期の目的を達成し、その効果を奏し得る範囲内において、添加剤として水性インキに用いられる公知の素材を必要に応じて、適宜選択して適量使用することもできる。このような添加剤としては、例えば分散剤(界面活性剤)、沈降防止助剤、表面張力調整剤、湿潤剤、粘度調整剤、pH調整剤、遅乾燥性付与剤、防腐剤、防黴剤、消泡剤等を挙げることができる。
【0034】
上記分散剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系及び両性系の何れの分散剤も使用し得る。アニオン系分散剤としては、オレイン酸ナトリウム、カルボン酸塩、硫酸エステル、スルホン酸塩、燐酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等を、カチオン系分散剤としては、酢酸オレイルアミン、アミノプロピルアミンジオレエート、テトラアルキルアンモニウム塩等を、ノニオン系分散剤としては、ポリエチレングリコール誘導体、多価アルコール誘導体、ポリエチレンイミン誘導体等を、それぞれ例示することができる。
【0035】
本発明の水性インク組成物を製造するに際しては、着色剤の分散する工程において、ミル媒体及び分散(粉砕)装置を用いて種々の方法が採用できる、例えば分散(粉砕)装置にはボールミル、アトライター、インペラーミル、コロイダルミル、サンドミル、ロールミル、ビーズミル、ホモミキサー等が挙げられる。また、ミル媒体としては、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、磁性ビーズ、ステンレス製ビーズ等を用いる。上記の工程で得られる本発明の有機白色顔料の平均粒径は1μm以下が好ましい、更に好ましくは0.2〜0.4μmである。
【0036】
本発明の水性インク組成物は水性液媒体、着色剤、顔料分散剤及び適正な添加剤を適宜配合し、これを分散機により混合分散すれば容易に得られる。又最初着色剤の濃厚分散液を製造し、更にその濃厚分散液を水性液媒体等で希釈することによっても調製できる。使用されるインクジェットプリンターに合わせて、前記水性インク組成物をノズル径に対して1/10以下のポアサイズを有するフィルターにて濾過、精製することによって、粗大粒子、凝集物等を除去することはノズルの目詰まり防止に好ましい。
【0037】
水性インク組成物の表面張力は好ましくは20〜70dyn/cm、更に好ましくは20〜50dyn/cmである。並びに前記インク組成物の粘度は好ましくは1〜15cps、更に好ましくは2〜7cpsである。また、水性インク組成物の無機塩、不純物を取り除くため、各種の精製、脱塩方法を選択できる。
【0038】
【発明の効果】
本発明の有機白色顔料を用いた水性インキ組成物は、顔料の分散性が向上してるため、白色インキとして用いた場合、隠蔽性に優れ、初期分散時及び長時間経過後においても、良好な長期保存時の経時安定性を示し、凝集や沈降等の不都合を防止する効果に優れている。また、その他の有機顔料と併用した場合にも、従来の酸化チタン系白色顔料に比べて、本発明に用いる有機白色顔料とその他の有機顔料とが均一に混合し、白色顔料だけが分離沈降することがない。
【0039】
本発明の水性インキ組成物は、インクジェットプリンターの吐出安定性及び吐出応答性を損なうことがなく、記録特性が良好で、印字ムラのない高速度印字ができ、長期保存時の経時安定性が優れるとともに、明度の低い素材に対して視認性の高い印字が可能である。更に、記録された文字や図形は堅牢性(耐光性や耐水性)に優れ、再度水に浸漬しても着色剤は流れ出すことはなく耐水性が良好であり、日光に暴露しても染料インキのように変退色するこがなく耐光性に優れる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は勿論これらに限定されるものではない。なお、以下の記述においては、「重量部」を「部」と略す。
【0041】
実施例1〜5及び比較例1〜3では本発明のインクジェット記録用白色インク組成物を説明する。
【0042】
実施例1
【表1】
Figure 0003833797
【0043】
上記配合物を混合し、ビーズミルを使用して8時間分散処理後、ポアサイズ5μmのフィルターにて濾過、精製し、インクジェット記録用白色インク組成物を得た。
【0044】
実施例2
【表2】
Figure 0003833797
【0045】
上記配合物を混合し、ビーズミルを使用して8時間分散処理後、ポアサイズ5μmのフィルターにて濾過、精製し、インクジェット記録用白色インク組成物を得た。
【0046】
実施例3
【表3】
Figure 0003833797
【0047】
上記配合物を混合し、ビーズミルを使用して8時間分散処理後、ポアサイズ5μmのフィルターにて濾過、精製し、インクジェット記録用白色インク組成物を得た。
【0048】
実施例4
【表4】
Figure 0003833797
【0049】
上記配合物を混合し、ビーズミルを使用して8時間分散処理後、ポアサイズ5μmのフィルターにて濾過、精製し、インクジェット記録用白色インク組成物を得た。
【0050】
実施例5
【表5】
Figure 0003833797
【0051】
上記配合物を混合し、ビーズミルを使用して8時間分散処理後、ポアサイズ5μmのフィルターにて濾過、精製し、インクジェット記録用白色インク組成物を得た。
【0052】
比較例1
実施例1における有機白色顔料を代えて、同量の酸化チタン(デュポン社製 商品名:R−900)を混合し、実施例1と同様に処理して白色インキ組成物を調製した。
【0053】
比較例2
実施例2における有機白色顔料を代えて、同量の酸化チタン(デュポン社製 商品名:R−900)を混合し、実施例2と同様に処理して白色インキ組成物を調製した。
【0054】
比較例3
実施例3における有機白色顔料を代えて、同量の酸化チタン(デュポン社製 商品名:R−900)を混合し、実施例3と同様に処理して白色インキ組成物を調製した。
【0055】
上記の実施例1〜5及び比較例1〜3で得られたインクジェット記録用インキ組成物を荷電変調型インクジェットプリンターを用いて、各インキの噴射状態、インキ液滴粒子生成状態、インキ液滴粒子の帯電状態、偏向状態等の印字テストを実施し、噴射特性を調べた結果を表6及び表7に示した。
【0056】
また、前記各インキを室温で三ヶ月静置保存し、インキの経時安定性を調べるとともに、保存後のインキの噴射特性も調べた。更に明度の低い素材として黒色コート紙を用い白色視認性及び該素材に対する非吸収面接着性を調べた。これらの結果をあわせて以下の表に示した。
【0057】
【表6】
Figure 0003833797
【0058】
【表7】
Figure 0003833797
【0059】
試験結果の検討
上記の試験結果より明らかに、本発明のインクジェット記録用白色インキ組成物は、製造直後の噴射特性、室温三ヶ月の経時安定性、室温三ヶ月保存後のインキの噴射特性、白色視認性及び黒色コート紙への接着性のいずれも極めて良好であった。
【0060】
これに対し、酸化チタンを用いた比較例のインキ組成物は室温で三ヶ月保存するとインキ上層部が透明となり、顔料は容器底部で再分散不能の固い沈降物となった。該インキ組成物は噴射時にノズル手前に設置されたフィルターに目詰まりが生じ実用に耐えないものであった。
【0061】
実施例6及び7では本発明の有機白色顔料と共にその他の有機顔料を使用したインクジェット記録用着色インク組成物を説明する。
【0062】
実施例6
【表8】
Figure 0003833797
【0063】
上記配合物を混合し、ビーズミルを使用して8時間分散処理後、ポアサイズ5μmのフィルターにて濾過、精製し、インクジェット記録用桃色インク組成物を得た。
【0064】
実施例7
【表9】
Figure 0003833797
【0065】
上記配合物を混合し、ビーズミルを使用して8時間分散処理後、ポアサイズ5μmのフィルターにて濾過、精製し、インクジェット記録用黄色インク組成物を得た。
【0066】
実施例6及び7で得られたインクジェット記録用インキ組成物を荷電変調型インクジェットプリンターを用いて、各インキの噴射状態、インキ液滴粒子生成状態、インキ液滴粒子の帯電状態、偏向状態等噴射特性の印字テストの結果、両インキとも製造直後の噴射特性、室温三ヶ月の経時安定性、室温三ヶ月保存後のインキの噴射特性は良好で、インキの吐出は安定しており、スムーズに印字できた。また印字画像は、有機顔料の分離による色別れがなく、高画質の画像が得られた。

Claims (8)


  1. Figure 0003833797
    [式中、R、R、R、R、R、R、R及びR10は、それぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、但し、RとR、RとR、RとR、及びRとR10は窒素原子と共に複素環を形成しても良く、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は脂環式基を示し、Aは炭素数2〜3のアルキレン基を示す。]
    で示す構造を有するアルキレンビスメラミン誘導体を有機白色顔料として含有し、
    該アルキレンビスメラミン誘導体の平均粒径が0.2〜0.4μmである、
    インクジェット記録用水性インキ組成物。
  2. 前記アルキレンビスメラミン誘導体の含有量が水性インキ組成物全量を基準にして15〜35重量%である請求項1記載のインクジェット記録用水性インキ組成物。
  3. 表面張力が20〜50dyn/cmである請求項1記載のインクジェット記録用水性インキ組成物。
  4. 粘度が2〜7cpsである請求項1記載のインクジェット記録用水性インキ組成物。
  5. 顔料分散用樹脂として水溶性樹脂のアンモニウム塩を更に含有する請求項1記載のインクジェット記録用水性インキ組成物。
  6. 前記顔料分散用樹脂がスチレンアクリル酸樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、マレイン酸変性スチレンアクリル酸樹脂、マレイン化アルキッド樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂から選ばれる少なくとも1つ以上の樹脂のアンモニウム塩である請求項記載のインクジェット記録用水性インキ組成物。
  7. 前記有機白色顔料(a)と前記顔料分散用樹脂(b)との重量比(a:b)が100:25〜100:50である請求項記載のインクジェット記録用水性インキ組成物。
  8. 前記有機白色顔料の使用量が、前記有機白色顔料と前記有機白色顔料以外の着色剤とを併用する場合には、水性インキ組成物全量を基準にして2〜20重量%である請求項1記載のインクジェット記録用水性インキ組成物。
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