JP2008001072A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】紫外線硬化型の白色インクの硬化性や隠蔽性に優れたインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】少なくとも白色有機顔料及び輻射線重合性化合物を含有する白色インクをノズルから吐出する記録ヘッドを備え、前記ノズルは、インク吐出側の開口からインク流入側に向かって0度以上10度以下の範囲の広がり角度をもつ円柱部と、前記円柱部の広がり角度より大きい広がり角度をもつ円錐部とから成る漏斗形状であることを特徴とするインクジェット記録装置を提供することにより、前記課題を解決する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、インクジェット記録装置に係り、特に、白色有機顔料及び輻射線重合性化合物を含有する白色インクをノズルから吐出する記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置は、多数のノズル(吐出口)を有する記録ヘッドを備え、各ノズルからインク滴を吐出することによって、記録媒体上に所望の画像を形成するものである。この記録装置は、多種態様の記録媒体に対して高品位な画像を記録できることから、幅広い応用分野で利用されている。
インクジェット記録装置には、例えば、特許文献1〜3に開示されるような、白色インクを用いるものがある。白色インクは、透明な記録媒体に記録する場合に十分な光学濃度を得るための下地として利用されたり、着色された記録媒体に記録する場合に媒体色が透けるのを防止するために利用されたりする。白色インクの着色剤としては、白色無機顔料が一般的であり、安全性や隠蔽性の高さから、酸化チタンや酸化亜鉛などの白色無機顔料がよく用いられる。
一方、記録ヘッドのノズルに関して、特許文献4には、図7に示すような単純な先細りのラッパ形状のノズル260に比べて、図8に示すような円柱部360Aと円錐部360Bから成る漏斗形状のノズル360の方がメニスカス位置を安定化させることができ、吐出安定性を向上させることができることが開示されている。
特開2004−59627号公報 特開2004−18546号公報 特開2001−18546号公報 特開平5−229127号公報
しかしながら、特許文献1〜3に開示された白色インクは紫外線硬化型インクであり、インク吸収性の低い記録媒体などに対して吐出される場合でも定着性を良くすることができるものの、次のような問題がある。即ち、白色インクの着色剤として、白色無機顔料が含有される場合には、その比重が高いため、顔料が沈降、凝集しやすく、インク流路中につまったりして吐出特性を損ないやすい。また、白色無機顔料は紫外線を反射するので、インク塗膜内部の硬化性が悪い。これに対し、白色有機顔料が含有される場合には、比較的比重が低いため、白色無機顔料と比べてインク中の分散性が良く、紫外線も透過するため、白色無機顔料と比べて硬化性は優れているものの、白色無機顔料に比べると高価であり、顔料使用量あたりの隠蔽率(隠蔽性)を高める必要がある。
一方、特許文献4、5には、ノズル形状と白色インクとの関係において、白色インクの硬化性や隠蔽性を高めることは考慮されていない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、紫外線硬化型の白色インクの硬化性や隠蔽性に優れたインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、少なくとも白色有機顔料及び輻射線重合性化合物を含有する白色インクをノズルから吐出する記録ヘッドを備え、前記ノズルは、インク吐出側の開口からインク流入側に向かって0度以上10度以下の範囲の広がり角度をもつ円柱部と、前記円柱部の広がり角度より大きい広がり角度をもつ円錐部とから成る漏斗形状であることを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
本発明によれば、白色有機顔料及び輻射線重合性化合物を含有する白色インクと、0度以上10度以下の範囲の広がり角度をもつ円柱部とそれよりも大きな広がり角度をもつ円錐部とから成る漏斗形状のノズルとの組み合わせにより、白色インクの隠蔽性や硬化性に優れたインクジェット記録装置を実現することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置であって、前記白色有機顔料は、下記一般式(I)
Figure 2008001072
(ただし、Rは水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基又は脂環式基を示す。また、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基を示し、窒素原子と共に複素環式基を形成してもよい。また、Xは炭素数2から3の低級アルキレン基を示す。)で表される白色有機顔料であることを特徴とする。
請求項2の態様は、白色インクの隠蔽性や硬化性を高めるのに好適な態様である。
本発明によれば、白色有機顔料及び輻射線重合性化合物を含有する白色インクと、0度以上10度以下の範囲の広がり角度をもつ円柱部とそれよりも大きな広がり角度をもつ円錐部とから成る漏斗形状のノズルとの組み合わせにより、白色インクの隠蔽性や硬化性に優れたインクジェット記録装置を実現することができる。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は、本発明の一実施形態としてのインクジェット記録装置の全体構成図である。図2は、本実施形態のインクジェット記録装置の印字部周辺を示す要部平面図である。
本実施形態のインクジェット記録装置10は、紫外線硬化型(UV硬化型)インクを用いた装置であり、特に、着色剤として白色有機顔料を含有する白色インクを用いることを特徴としている。
図1に示すように、インクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数の記録ヘッド(以下、単に「ヘッド」という。)12W、12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各ヘッド12W、12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、紫外線照射部42と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラー31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラー31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー34が設けられており、この吸着チャンバー34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラー31、32の少なくとも一方にモータ(不図示)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図1の左から右へと搬送される。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラー・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラーが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。従って、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
図2に示すように、印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている。印字部12を構成する各ヘッド12W、12K、12C、12M、12Yは、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の搬送方向(紙搬送方向)に沿って上流側(図1の左側)から白(W)、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応したヘッド12W、12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各ヘッド12W、12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部12によれば、紙搬送方向(副走査方向)について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の副走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、ヘッドが紙搬送方向と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
尚、ここで主走査方向及び副走査方向とは、次に言うような意味で用いている。即ち、記録紙の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時、(1)全ノズルを同時に駆動するか、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動するか、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロック毎に片方から他方に向かって順次駆動するか、等のいずれかのノズルの駆動が行われ、用紙の幅方向(紙搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字をするようなノズルの駆動を主走査と定義する。そして、この主走査によって記録される1ライン(帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向という。
一方、上述したフルラインヘッドと記録紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。そして、副走査を行う方向を副走査方向という。結局、記録紙の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
また本例では、WKCMYの5色の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出するヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各ヘッド12W、12K、12C、12M、12Yに対応する各色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各ヘッド12W、12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字部12の後段には、紫外線照射部42が設けられている。紫外線照射部42は、各ヘッド12W、12K、12C、12M、12Yから吐出された記録紙16上のインクに紫外線を照射してインクを定着させる。
紫外線照射部42には、各ヘッド12W、12K、12C、12M、12Yと同様に記録紙16の最大紙幅に対応する長さを有し、紙搬送方向(副走査方向)と略直交する方向(主走査方向)に延在するように固定されている。例えば、紫外線光源(UV光源)として、紫外線LED素子、紫外線LD素子等の発光素子をライン状に配列させた構成から成る。かかる構成によれば、発光素子別に選択的に発光制御が可能であるため、点灯させる発光素子や発光光量を容易に調整でき、紫外線の照射エリアについて所望の照射範囲及び光量(強度)分布を実現できる。
各発光素子から発光される紫外線の漏れ光や反射光が各ヘッド12W、12K、12C、12M、12Yのノズル面に照射されないような配置構成となっていることが好ましい。紫外線照射によるノズル目詰まり等の吐出不良を防止することができる。例えば、各ヘッド12W、12K、12C、12M、12Y、又は、紫外線照射部42に遮光部材を設けて、紫外線の漏れ光や反射光がノズル面に照射されないようにしてもよい。
紫外線照射部42の後段には、印字検出部24が設けられている。印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各ヘッド12W、12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色のヘッド12W、12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(不図示)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられている。
〔記録ヘッドの構成〕
次に、ヘッド12W、12K、12C、12M、12Yの構成について説明する。尚、各ヘッド12W、12K、12C、12M、12Yの構造は共通しているので、以下では、これらを代表して符号50によってヘッドを示すものとする。
図3はヘッド50の外観斜視図(一部分解図)である。図示するように、ヘッド50は、ノズルプレート52、アクチュエータ基板54、及びインクプール基板56から主に構成される。
ノズルプレート52には、インク滴の吐出口となるノズル(貫通孔)60が穿孔形成されている。便宜上、図3では一例として5つのノズル60が1列に配列された構成を示したが、実際にはこれより多くのノズル60が配列される。また、1つのノズル列に限らず、複数のノズル列が設けられていてもよい。
ノズルプレート52の材質として、紫外レーザによるアブレーションにより高精度で自由なノズル形状を実現でき、且つ、機械的な強度が高い材質として、高分子材料が使用できるが、耐熱性と高い機械的強度を有するものが好ましく、例えば、ポリイミド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホンがあり、特に、ポリイミドが好ましい。
図4はノズルプレート52の部分断面図であり、1つのノズル60に対応する部分を表している。図示するように、ノズル60は、インク吐出側の開口(最小径部分)からインク流入側(圧力室側)に向かって所定の広がり角度(テーパ角度)θを有する円柱部60Aと、円柱部60Aの広がり角度θより大きい広がり角度θを有する円錐部60Bとから構成される漏斗形状となっている。以下では、このような漏斗形状のノズルを「漏斗状ノズル」と称する。
本発明において、円柱部60Aの広がり角度θは0度以上10度以下の範囲である。円柱部60Aの広がり角度θが10度より大きいと、インク滴の飛翔方向(吐出方向)にばらつきが発生しやすくなる。一方、円錐部60Bの広がり角度θは、円柱部60Aの広がり角度θより大きく、好ましくは、広がり角度θは40度以上60度以下の範囲である。即ち、漏斗状ノズル60の2つの広がり角度θ、θは、次式 0度≦θ≦10度、且つ、θ<θを満足するような関係にある。このような漏斗状ノズル60は、単一の広がり角度から構成される円柱状、或いは、円錐状のノズルに比べて、インクの広がり率が高く、インク使用効率が良くなる。このため、後述する紫外線硬化型の白色インクとの組み合わせにおいて、白色インクの隠蔽性や硬化性を高めることができる。
尚、本発明の効果が達成できる理由は必ずしも明確ではないが、本発明のノズル形状により高い吐出速度が達成され、記録メディアへの着弾後に、インク滴が大きく広がるためであると推定される。
尚、厳密に言えば、広がり角度θ(θ≠0度)を有する円柱部60Aは円錐状となるが、これより大きな広がり角度θを有する円錐部60Bとの区別を図るため、本明細書においては、広がり角度θを有する部分を「円柱部60A」と称することにする。
図3に戻り、ヘッド50の構成について引き続き説明する。アクチュエータ基板54には、各ノズル60に対応する圧力室62が形成されており、圧力室62に相当する溝部62aが形成される下部板54Aと、下部板54Aの溝部62aの開口面に接着される平板状の上部板54Bとから構成される。このようなアクチュエータ基板54の前端面には、ノズルプレート52が接着される。
アクチュエータ基板54(54A、54B)は圧電材料で構成される。圧電材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸バリウム、チタン酸鉛等を採用することができる。この中でも、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)は、圧電定数や高周波応答性等の圧電特性に優れているので好ましい。
下部板54Aの溝部62aの内壁面(底面及び側面)には、薄膜状の電極層(不図示)が形成されている。電極材料としては、例えば、金、銀、アルミニウム、パラジウム、ニッケル、チタン等を採用することができ、メッキ、真空蒸着、スパッタリング等の各種方法を利用して電極層を形成することができる。尚、電極表面には耐インク性の絶縁保護膜(例えば、樹脂等)が形成されている。
インクプール基板56は、アクチュエータ基板54の後端面に接着され、その内部には、各圧力室62に連通する共通流路(インクプール)が形成されている。インクプール基板56の側端面にはインク供給口64が設けられている。図1のインク貯蔵/装填部14からヘッド50に対して供給されるインクは、このインク供給口64を介して共通流路内に貯留される。そして、共通流路内に貯留されたインクは、連通する各圧力室62に対して分配供給される。尚、図3では1つのインク供給口64が設けられた構成を例示しているが、複数のインク供給口64が設けられていてもよい。この場合、共通流路内のインクを定期的に循環させることができ、インク粘度上昇に起因する吐出不良を未然に防ぐことができ、特に、高粘度インクが用いられる場合に好適である。
このような構成において、アクチュエータ基板54は、圧力室62の側壁をせん断変形させることにより圧力室62内の容積を変化させ、そのとき発生する圧力によって圧力室62内のインクをインク滴としてノズル60から吐出する。
尚、ヘッド50の構成としては、本実施形態のような、圧電材料の厚み滑り変位によるせん断変形モードを利用するウォールベンド型のものに限定されず、ノズル60からインク滴を吐出可能であればいかなる構造でもよい。
〔制御系の構成〕
次に、インクジェット記録装置10の制御系について説明する。
図5は、インクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84、光源ドライバ85等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70には、シリアルインターフェースやパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。
ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示に従ってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示に従って各部のヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(ドットデータ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介してヘッド50のインク滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
また、プリント制御部80は、光源ドライバ85を介して紫外線照射部42の紫外線光源(UV光源)のオン・オフや照射量、照射時間等の制御を実行する。ヘッド50の制御や記録紙16の搬送制御と連動してもよい。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図5において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84は、プリント制御部80から与えられるドットデータに基づいて各色のヘッド50を吐出駆動させるための駆動信号を生成し、ヘッド50に生成した駆動信号を供給する。ヘッドドライバ84にはヘッド50の駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
光源ドライバ85は、プリント制御部80から光源ドライバ85へ送り出される制御信号に基づいて、紫外線照射部42の紫外線光源を駆動するための駆動信号を生成し、紫外線光源に対して駆動信号を供給する。ヘッドドライバ84と同様に、光源ドライバ85には紫外線光源の駆動条件を一定に保つたものフィードバック制御系を含んでもよい。
印字検出部24は、図1で説明したように、ラインセンサを含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供する。プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいてヘッド50に対する各種補正を行う。
〔インクの説明〕
次に、本実施形態に用いられるインクについて説明する。
本実施形態で用いられる各色(WKCMY)のインクは、紫外線が照射されると硬化する紫外線硬化型インクであり、主成分として、重合性化合物、光重合開始剤、着色剤を含有する。紫外線硬化型インクは、重合性化合物として、ラジカル重合性化合物を含有するラジカル重合系の紫外線硬化型インク(ラジカル重合型インク)と、カチオン重合性化合物を含むカチオン重合系の紫外線硬化型インク(カチオン重合型インク)とに大別される。以下、これらのインクを構成する各々の材料について説明する。
<重合性化合物(輻射線硬化型モノマー及びオリゴマー)>
ラジカル重合型インクに用いられる重合性化合物は、分子内に、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、ビニル基、内部二重結合性基(マレイン酸など)などの重合性基を有することが好ましく、なかでも、アクリロイル基、メタクリロイル基を有する化合物が、低エネルギーで硬化反応を生起させることができるので好ましい。
カチオン重合型インクに用いられる重合性化合物としては、脂環式エポキシ化合物、脂肪族系エポキシ化合物、オキセタン誘導体、ビニルエーテル類等の化合物が挙げられる。
重合性化合物は1つの液体中において、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
着色剤を含む液体に含有させる重合性化合物の含有率としては、液体中に50〜99質量%の範囲が好ましく、70〜99質量%の範囲がより好ましく、80〜99質量%の範囲がさらに好ましい。
<光重合開始剤(硬化開始剤、反応開始剤)>
ラジカル重合型インクに用いられる光重合開始剤としては、アセトフェノン誘導体、ベンゾインエーテル誘導体、ベンジルジアルキルケタール誘導体、アシルフォスフィンオキサイド誘導体等の化合物が挙げられる。
カチオン重合型インクに用いられる光重合開始剤としては、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨウドニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、フェナシルスルホニウム塩等のオニウム塩系の光重合開始剤、または鉄アレーン錯体、スルホン酸エステル、シラノール/アルミニウム錯体等の非イオン系の光重合開始剤が挙げられる。
インク内の光重合開始剤の含有率は、経時安定性と硬化性、硬化速度との観点から、0.5〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、3〜10質量%が更に好ましい。
光重合開始剤は、1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、本発明の効果を損なわない限りにおいて、感度向上の目的で公知の増感剤と併用することもできる。
<着色剤(色材)>
本発明において、白色インクの着色剤には白色有機顔料が用いられる。白色有機顔料として、特開平11−129613号公報に示される有機
化合物塩や、特開平11−140365号公報や特開2001−234093号公報に示されるアルキレンビスメラミン誘導体が挙げられる。
上記の白色有機顔料の市販品としては、ShigenoxOWP、ShigenoxOWPL(以上、ハッコールケミカル社製)などが挙げられる。
本発明においては、白色有機顔料として、下記一般式(I)
Figure 2008001072
(ただし、Rは水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基又は脂環式基を示す。また、R、R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基を示し、窒素原子と共に複素環式基を形成してもよい。また、Xは炭素数2〜3の低級アルキレン基を示す。)で表される白色有機顔料であることが好ましい。
上記の顔料の粒径は、隠蔽性が最大となる400nm近辺が好ましい。
また、他の白色有機顔料として、架橋スチレン−アクリルから成る中空粒子があり、例えば、SX866、SX8782(以上、JSR社製)などが挙げられる。
本発明において、白色有機顔料を単独で用いてもよいし、或いは、2種以上組み合わせてもよい。
一方、本発明に用いられる白色以外の有色インク(本実施形態の場合、黒、シアン、マゼンダ、イエローの各色インク)の着色剤には特に制限はなく、インクの使用目的に適合する色相、色濃度を達成できるものであれば、公知の水溶性染料、油溶性染料及び顔料から適宜選択して用いることができる。なかでも、本発明のインクジェット記録用インクを構成する液体は、非水溶性の液体であって水性溶媒を含有しないことがインク打滴安定性及び速乾性の観点から好ましく、そのような観点からは、非水溶性の液体に均一に分散、溶解しやすい油溶性染料や顔料を用いることが好ましい。
有色インクに使用可能な油溶性染料には特に制限はなく、任意のものを使用することができる。着色剤として油溶性染料を用いる場合の染料の含有量は、固形分換算で0.05〜20質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜15質量%が更に好ましく、0.2〜6質量%が特に好ましい。着色剤として顔料を用いる態様もまた、複数種の液体の混合時に凝集が生じやすいという観点から好ましい。
また有色インクに使用される顔料としては、有機顔料、無機顔料のいずれも使用できるが、黒色顔料としては、カーボンブラック顔料等が好ましく挙げられる。また、一般には黒色、及び、シアン、マゼンタ、イエローの3原色の顔料が用いられるが、その他の色相、例えば、赤、緑、青、茶、白等の色相を有する顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料なども目的に応じて用いることができる。
また、シリカ、アルミナ、樹脂などの粒子を芯材とし、表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等も顔料として使用することができる。
さらに、樹脂被覆された顔料を使用することもできる。これは、マイクロカプセル顔料と呼ばれ、大日本インキ化学工業社製、東洋インキ社製などから市販品としても入手可能である。
本発明における液体中に含まれる顔料粒子の体積平均粒子径は、光学濃度と保存安定性とのバランスといった観点からは、30〜250nmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは50〜200nmである。ここで、顔料粒子の体積平均粒子径は、例えば、LB−500(HORIBA(株)製)などの測定装置により測定することができる。
着色剤として顔料を用いる場合の含有量は、光学濃度と噴射安定性の観点から、インク中において、固形分換算で0.1質量%〜20質量%の範囲であることが好ましく、1質量%〜10質量%の範囲であることがより好ましい。
着色剤は1種のみならず、2種以上を混合して使用してもよい。また、液体毎に異なった着色剤を用いても、同じであってもよい。
ラジカル重合型インク、カチオン重合型インクともに、着色剤に用いられる材料には特に制限はなく、インクの使用目的に適合する色相、色濃度を達成できるものであれば、上記記載の油溶性染料及び顔料から適宜選択して用いることができる。
<その他の添加剤>
ラジカル重合型インク、カチオン重合型インクともに、その他の添加剤としては、分散剤、溶剤やポリマー、表面張力調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、pH調整剤等の公知の添加剤を併用することができる。
<エネルギー付与工程>
本発明において重合性化合物の重合を進行させるための露光光源としては、輻射線であり、紫外線、可視光線などを使用することができ、特に、紫外線を用いることが好ましい。硬化反応に必要なエネルギー量は、光重合開始剤の種類や含有量などによって異なるが、一般的には、1〜500mJ/cm程度である。
ラジカル重合型インクは、光(UV)照射により光重合開始剤がラジカルを発生することで重合を開始するものであり、安価であり、現在インクジェットのインクとして一般に用いられている。
カチオン重合型インクは、光(UV)照射により光重合開始剤が酸を発生することで重合を開始するものであり、硬化時の体積収縮が少なく、臭気や皮膚刺激性が少ないが、高価であるといった特徴を有している。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔評価用ヘッドの製作〕
評価用ヘッドとして、表1に示すとおり、ノズル形状が異なる9種類のノズルプレートA〜Kをそれぞれ備えるヘッドA〜Kを製作した。
Figure 2008001072
表1中の円柱状ノズルとは、図6に示すような、インク吐出側の開口からインク流入側(圧力室側)に向かって所定の広がり角度θで構成される円柱状のノズル160をいう。尚、円柱状ノズルは、図4の漏斗状ノズル60における円柱部60Aの場合と同様、厳密に言えば、円錐状(但し、θ≠0度)ということになるが、本明細書においては、図6に示すようなノズル形状のものを「円柱状ノズル」と称することにする。
各ノズルプレートA〜Kの具体的な製作方法は次のとおりである。
ノズルプレートAについては、厚さ75μmのポリイミド板(宇部興産ユーピレックス)の片面に、特開平11−263020号公報に記載の方法で、シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物で形成したシリコンレジン層上にフッ素樹脂とフルオロアルキルシラン化合物を用いてフッ素樹脂層からなる撥インク膜を形成した。そして、この撥インク膜上に保護用にポリエチレンテレフタレート製の粘着テープを貼り付けた。次に、ポリイミド板の粘着テープ側とは反対側から、エキシマレーザーにより吐出側の直径が30μmのノズルを150dpiの間隔(170μm間隔)で256個穿孔した。このとき、エキシマレーザーによる加工時にビーム径を一定に保つことにより、広がり角度θが7度の円柱状ノズルを形成した。
ノズルプレートBについては、エキシマレーザーによる穿孔時に、特開2005−153260号公報に記載の方法で、広がり角度θ0が50度の円柱状ノズルを形成した点以外はノズルプレートAと同様にして製作した。
ノズルプレートCについては、エキシマレーザーによる穿孔加工時に、まず、ノズルプレートBと同様の方法で、広がり角度が30度の円錐孔を深さ50μmまで穿孔した後に、ノズルプレートAと同様の方法で、ビーム径を一定に保って広がり角度7度でその円錐孔を貫通させることにより、広がり角度θが7度の円柱部と広がり角度θが30度の円錐部から成る漏斗状ノズルを形成した。他については、ノズルプレートA、Bと同様である。
ノズルプレートD〜Gについては、ノズルプレートCの製作時において最初に穿孔した円錐孔の広がり角度が異なる以外はノズルプレートCと同様にして製作した。
ノズルプレートH、I、J、Kについては、ノズルプレートの製作時において最初に穿孔した円錐孔を貫通させる際、エキシマレーザーの出力を変更して、広がり角度θをそれぞれ2度、10度、11度、12度とした以外は、ノズルプレートEと同様にして製作した。尚、上記方法で形成する場合、エキシマレーザーの出力を最大限として、ショット回数を減らしても、円柱部の広がり角度θを2度未満にすることはできなかった。
このようにして製作された各ノズルプレートA〜Kを、図3に示すように、アクチュエータ基板54の前端面に接着することによって、表1記載の各評価用ヘッド(ヘッドA〜I)を製作した。尚、各ヘッドA〜Kはノズルプレートを除いて同一構成である。
〔評価用インクの調製〕
以下の組成のものをペイントシェーカーで混合し、0.5mm径のジルコニアビーズを使用したビーズミルにて分散し、白色分散物A、B、Cを得た。
[白色分散物A]
酸化チタン(平均粒子径0.15μm 石原産業(株)製) 25.0重量%
高分子分散剤(アビシア社製 ソルスパース 36000) 1.25重量%
オキセタン化合物 (アロンオキセタンOXT−221:東亞合成化学製)
73.75重量%
[白色分散物B]
白色有機顔料(中空ポリマー粒子SX866A JSR社製) 25.0重量%
高分子分散剤(アビシア社製 ソルスパース 32000) 3.25重量%
オキセタン化合物 (アロンオキセタンOXT−221:東亞合成化学製)
71.75重量%
[白色分散物C]
白色有機顔料(ShegenoxOWP ハッコールケミカル製) 25.0重量%
高分子分散剤(アビシア社製 ソルスパース 32000) 3.25重量%
オキセタン化合物 (アロンオキセタンOXT−221:東亞合成化学製)
71.75重量%
次に、上記の白色分散物A、B、Cを用いて、以下の白色インク1、2、3を調整した。
[インク1]
白色分散物A 20.0重量%
オキセタン化合物(アロンオキセタンOXT−221:東亞合成社製)
30.0重量%
オキセタン化合物(アロンオキセタンOXT−211:東亞合成社製)
25.0重量%
エポキシ化合物(セロキサイド2021P:ダイセル化学工業製)
20.0重量%
光酸発生剤(イルガキュア250:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)
5.0重量%
[インク2]
白色分散物B 20.0重量%
オキセタン化合物(アロンオキセタンOXT−221:東亞合成社製)
30.0重量%
オキセタン化合物(アロンオキセタンOXT−211:東亞合成社製)
25.0重量%
エポキシ化合物(セロキサイド2021P:ダイセル化学工業製)
20.0重量%
光酸発生剤(イルガキュア250:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)
5.0重量%
[インク3]
白色分散物C 20.0重量%
オキセタン化合物(アロンオキセタンOXT−221:東亞合成社製)
30.0重量%
オキセタン化合物(アロンオキセタンOXT−211:東亞合成社製)
25.0重量%
エポキシ化合物(セロキサイド2021P:ダイセル化学工業製)
20.0重量%
光酸発生剤(イルガキュア250:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)
5.0重量%
〔評価方法〕
各評価用ヘッド(ヘッドA〜K)と各評価用インク(インク1〜3)をそれぞれ組み合わせて、ヘッドを取り替え可能なインクジェット吐出実験機(吐出量6pl/滴)を利用して、白色ベタ画像を透明PETフィルム上に打滴して、UV照射したサンプルをそれぞれ作成した。
各サンプルに対する評価としては、隠蔽率と硬化速度の観点から行った。隠蔽率については、各サンプルの白色ベタ部を黒紙と白紙のそれぞれの上に置いた場合の反射濃度を測定し、これらの差を隠蔽率とすることで評価した。一方、硬化速度については、UV照射後のサンプルを指で触れて硬化性をみるタッキング評価を行った。硬化速度の判定基準としては、完全に硬化してべとつきがないものを○、ややべとつきがあるものを△、硬化していないものを×とした。各サンプルに対する評価結果を表2に示す。尚、同表において、各実施例の隠蔽率は、ヘッドAとインク1を組み合わせた実施例111の隠蔽率を100とした場合の相対値となっており、この値が小さいほど隠蔽率が高いことを表している。
Figure 2008001072
〔評価結果〕
インク1を用いた各実施例111〜121においては、ヘッド種別(即ち、ノズル形状)に関わらずに、いずれも隠蔽率は100前後となり、基準とした実施例111と同等の隠蔽率であった。また、これらの実施例111〜121の硬化速度の評価はいずれも×(硬化していない)であった。
また、インク2を用いた実施例121〜132のうち、ヘッドA、B、J、Kを用いた実施例122、123、131、132の隠蔽率は、基準とした実施例111の隠蔽率と同等か、それより悪い結果(即ち、隠蔽率100以上)となった。特に、円柱状ノズルを有するヘッドA、Bを用いた実施例122、123の隠蔽率は130以上と悪い結果であった。また、実施例122、123の硬化速度の評価は×であり、実施例131、132の硬化速度の評価は△(ややべとつきがある)であった。
また、インク3を用いた実施例133〜143のうち、ヘッドA、B、J、Kを用いた実施例133、134、142、143の隠蔽率は、インク2の場合と同様に、基準とした実施例111の隠蔽率と同等か、それより悪い結果(隠蔽率100以上)となった。また、実施例133、134の硬化速度の評価は×であり、実施例142、143の硬化速度の評価は△であった。
一方、インク2と各ヘッドC〜Iを組み合わせた実施例124〜130においては、いずれも隠蔽率は90未満であり、基準とした実施例111に比べると隠蔽率が高いことを確認した。また、これらの実施例124〜130の硬化速度の評価はいずれも○(硬化している)であった。また、インク3と各ヘッドC〜Iを組み合わせた実施例135〜141においても、実施例124〜130と同様の結果を得られることを確認した。
また、記録媒体(メディア)として透明OPPフィルムを用いた場合についても、同様の結果を得られることを確認した。
以上の評価結果より、本発明の実施例によれば、白色有機顔料を含有する白色インクと所定の範囲の広がり角度(θ、θ)を有する漏斗状ノズルとの組み合わせにより、白色インクの隠蔽性と硬化性を高めることができることを確認した。
以上、本発明のインクジェット記録装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
本実施形態のインクジェット記録装置の全体構成図 インクジェット記録装置の印字部周辺を示した要部平面図 記録ヘッドの外観斜視図 ノズルプレートの部分断面図 インクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 円柱状ノズルの断面図 ラッパ状ノズルの断面図 漏斗状ノズルの断面図
符号の説明
10…インクジェット記録装置、42…紫外線照射部、50…ヘッド、52…ノズルプレート、54…アクチュエータ基板、60…ノズル、62…圧力室、60A…円柱部、60B…円錐部、80…プリント制御部

Claims (2)

  1. 少なくとも白色有機顔料及び輻射線重合性化合物を含有する白色インクをノズルから吐出する記録ヘッドを備え、
    前記ノズルは、インク吐出側の開口からインク流入側に向かって0度以上10度以下の範囲の広がり角度をもつ円柱部と、前記円柱部の広がり角度より大きい広がり角度をもつ円錐部とから成る漏斗形状であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記白色有機顔料は、下記一般式(I)
    Figure 2008001072
    (ただし、Rは水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基又は脂環式基を示す。また、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基を示し、窒素原子と共に複素環式基を形成してもよい。また、Xは炭素数2から3の低級アルキレン基を示す。)で表される白色有機顔料であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
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