JP4963813B2 - 帯電防止性ハードコート樹脂組成物とその用途 - Google Patents

帯電防止性ハードコート樹脂組成物とその用途 Download PDF

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Description

本発明は、ポリエステル、アクリル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリエーテルスルフォン、ポリスチレン等のプラスチックフィルムまたはシートの表面上を被覆するのに適した、透明で耐擦傷性、耐光性および帯電防止性に優れたハードコート樹脂組成物とその用途に関する。
現在、プラスチックは自動車業界、家電業界を始めとして種々の産業界で大量に使われている。プラスチックが大量に使われている理由は、その加工性、透明性等に加えて、軽量、安価、光学特性等の理由による。
しかし、プラスチックはガラス等に比較して柔軟であり、表面に傷がつき易く、さらに、プラスチックは高い体積抵抗率を持つために摩擦などにより接触面で容易に静電気を帯び、しかもそれが漏洩し難いという欠点を有している。
特にディスプレイ分野においてはCRT、LCD、プロジェクター、PDP、ELパネル、さらにはFEDなどの次世代フラットディスプレイパネルへと移行するにつれ、パネル前面保護の為のハードコート性、塵埃吸着防止のための持続的帯電防止性、更には高画質を得るための高透明性を兼ね備えた透明プラスチック用のコーティング剤が望まれている。
更にその他の分野、例えば半導体ウエハー保存容器、光ディスク、磁気テープ、その他電子・電気部材、印刷部材、半導体生産現場用クリーンルーム部材等においても、静電気の発生による塵埃の吸着が問題となり、それら欠点を改善するため、プラスチック表面には帯電防止処理およびハードコート処理が施される。
上記のような透明性を兼ね備えた帯電防止性ハードコーティング剤として、導電性金属酸化物の微粉末を用いたコーティング剤が知られている。
導電性金属酸化物の中で、安価で環境負荷の少ない物質として酸化亜鉛、酸化錫などが挙げられ、特に酸化亜鉛の微粉末を用いた樹脂組成物としては、特許文献1、特許文献2、特許文献3に半透明および白色コーティング剤が開示されている。
特公平7−84570号公報 特公平8−6055号公報 特開昭61−211374号公報
しかしながら、近年のディスプレイ用途等で要求される、優れた透明性、耐擦傷性、帯電防止性を兼ね備えたコーティング剤は開示されていない。
さらに、実用に至らない理由として、下記のような課題が挙げられる。
(a)酸化亜鉛には光触媒作用があることが知られており、蛍光灯や窓からの光や紫外線に長期的に曝されると耐擦傷性が低下する等の不具合を起こす懸念がある。
(b)十分な帯電防止性を得るべく、酸化亜鉛を高充填した場合、耐擦傷性の低下、および基材への塗れ性の低下を生じる。また、充填量が少ないと安定的な帯電防止性が得られない。
(c)導電性酸化亜鉛微粒子は、それ自体、黄色味を帯びているため、酸化亜鉛を含有する皮膜においても若干の黄色味を生じ、ディスプレイ等での用途においては、この黄色味が不具合となることがある。
本発明の解決しようとする課題は、前記導電性酸化亜鉛超微粒子を用いたコーティング剤に関し、持続的な帯電防止性、優れた透明性、耐擦傷性を兼ね備え、さらに耐光性に優れた、安価で環境負荷の少ない導電性酸化亜鉛を用いたコーティング剤を提供することである。
本発明は、 (A)成分:一次粒子の平均粒子径が0.05μm以下の酸化亜鉛、(B)成分:含フッ素樹脂、(C)成分:分子内に少なくとも一個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化型(メタ)アクリレート、(D)成分:アルコールとを含有し、さらに、下記(E)、(F)、(G)からなる群から選ばれる1種以上を含有し、さらに、色調剤として、下記(L)成分、(M)成分、(N)成分の1種または2種以上を、前記(A)成分、(B)成分、および(C)成分の合計を100質量部に対して、0.00001質量部以上0.005質量部以下含有することを特徴とする帯電防止性ハードコーティング樹脂組成物であり、
(E)アシルフォスフィンオキサイド化合物
一般式
Figure 0004963813
〔式中のRは、フェニル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキル基により置換されたフェニル基、フェノキシカルボニル基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子により置換されたフェノキシカルボニル基、Rは、フェニル基、低級アルコキシ基、又は低級アルキル基により置換されたフェニル基、Rは、アルキル基、アセチルオキシ基により置換された炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜18のシクロアルキル基、アリール基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子により置換されたアリール基、又は、次式(R及びRは前記と同じ、Wはp−フェニレン基を意味する)の原子団である。]
Figure 0004963813
(F)α−アミノアセトフェノン化合物
一般式
Figure 0004963813
〔式中R、Rは、水素原子、メチル基、炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、フェニル基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、若しくはハロゲン原子により置換されたフェニル基である。さらに、式中Xは、CH−O−、CH−S−、NH−、(CHN−、または下記(a)で表される基を含む原子団である。さらに、式中Xは、−NH、−N(CHまたは下記(a)で表される基を含む原子団である。〕
一般式(a)
Figure 0004963813
〔式中Yは、酸素原子、>NH、または>N−CHである。〕
(G)オキシムエステル化合物
一般式
Figure 0004963813
〔式中R、Rは、水素原子、メチル基、炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、フェニル基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子により置換されたフェニル基である。さらに、Zは下記(b)または下記(c)で表される基である。〕
一般式(b)
Figure 0004963813
一般式(c)
Figure 0004963813
〔式中R、R、R10は、水素原子、メチル基、炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、フェニル基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子により置換されたフェニル基、又は、フェノキシカルボニル基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子により置換されたフェノキシカルボニル基である。〕
(L)成分:アントラキノン化合物、アゾ化合物、フタロシアニン化合物のいずれかから選ばれる青色を呈する有機系染料
(M)成分;一次粒子の平均粒子径が0.3μm以下のコバルトブルー
(N)成分:オキサゾリン化合物
(A)成分:一次粒子の平均粒子径が0.05μm以下の酸化亜鉛、(B)成分:含フッ素樹脂、(C)成分:分子内に少なくとも一個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化型(メタ)アクリレート、(D)成分:アルコール、下記一般式で表される(E)成分:アシルフォスフィンオキサイド化合物とを含有し、さらに、色調剤として、下記(L)成分、(M)成分、(N)成分の1種または2種以上を、前記(A)成分、(B)成分、および(C)成分の合計を100質量部に対して、0.00001質量部以上0.005質量部以下含有することを特徴とする帯電防止性ハードコーティング樹脂組成物であり、
(E)アシルフォスフィンオキサイド化合物
一般式
Figure 0004963813
〔式中のR は、フェニル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキル基により置換されたフェニル基、フェノキシカルボニル基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子により置換されたフェノキシカルボニル基、R は、フェニル基、低級アルコキシ基、又は低級アルキル基により置換されたフェニル基、R は、アルキル基、アセチルオキシ基により置換された炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜18のシクロアルキル基、アリール基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子により置換されたアリール基、又は、次式(R 及びR は前記と同じ、Wはp−フェニレン基を意味する)の原子団である。]
Figure 0004963813
(L)成分:アントラキノン化合物、アゾ化合物、フタロシアニン化合物のいずれかから選ばれる青色を呈する有機系染料
(M)成分;一次粒子の平均粒子径が0.3μm以下のコバルトブルー
(N)成分:オキサゾリン化合物
(E)成分が、ビスアシルフォスフィンオキサイド化合物であることを特徴とする該帯電防止性ハードコーティング樹脂組成物であり、
(E)成分が、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドであることを特徴とする該帯電防止性ハードコーティング樹脂組成物であり、
該帯電防止性ハードコーティング樹脂組成物からなることを特徴とする帯電防止性ハードコートフィルムであり、
該帯電防止性ハードコートフィルム上に、該帯電防止性ハードコートフィルムよりも屈折率が低い樹脂組成物層を備えていることを特徴とする反射防止性の帯電防止性ハードコートフィルムであり、
該帯電防止性ハードコートフィルムの少なくとも片面に接着剤または粘着剤を備えたことを特徴とする帯電防止性ハードコートフィルムであり、
該帯電防止性ハードコートフィルムを備えたことを特徴とするディスプレイである。
本発明の帯電防止性ハードコーティング樹脂組成物は、前記特定物質から配合されているので、持続的な帯電防止性、優れた透明性、耐擦傷性を兼ね備え、さらに耐光性に優れた、安価で環境負荷の少ない導電性酸化亜鉛を用いたコーティング剤を提供できる特徴を有している。
本発明の帯電防止性ハードコートフィルムは、前記帯電防止性ハードコーティング樹脂組成物からなるので、持続的な帯電防止性、優れた透明性、耐擦傷性を兼ね備え、さらに耐光性に優れた、安価で環境負荷の少ない導電性酸化亜鉛を用いたコーティング剤を提供できる特徴を有している。また、本発明の帯電防止性ハードコートフィルムは、その好ましい実施態様に於いて、前記特徴に加えて反射防止性、接着性或いは粘着性に優れるという特徴を有する。
本発明のディスプレイは、本発明の帯電防止性ハードコートフィルムを有しているので、その特徴を反映して、ディスプレイ表面のパネルに傷を発生しがたく、塵埃吸着も防止され、高画質が長く維持できる特徴を有している。
本発明に於いて、(A)成分として、一次粒子の平均粒径が0.05μm以下の導電性酸化亜鉛を選択する。一次粒子の平均粒径の測定方法としては、透過型電子顕微鏡(TEM)や走査型電子顕微鏡(SEM)等を用いる手法があるが、本発明に於いては、走査型電子顕微鏡(TEM)の方法で観察されたものである。
また、酸化亜鉛の導電性については、酸化亜鉛にアルミニウム、錫、ガリウム、インジウムなどの異原子がドーピングされたものが好ましく選択され、特に体積抵抗率が1kΩcm以下が好ましく、0.5kΩcm以下が特に好ましい。尚、本発明における体積抵抗率の測定方法については、酸化亜鉛粉末に300kgf荷重を加え圧粉体とし、抵抗測定器(アドバンテスト社製)を使用し、JIS K6911に準拠して測定したものである。
上記の特性を有する導電性酸化亜鉛の例としては、「導電性酸化亜鉛 SC−18」(堺化学工業(株)製)等が挙げられる。
尚、一次粒子の平均粒径が0.05μm以下の場合には、粒子間の凝集力が大きく二次凝集体を形成してしまいがちである。そのため透明な樹脂組成物を得るためには、この二次凝集体を分散させることが好ましい。
上記の分散法としては、湿式粉砕法が好適である。湿式粉砕法としては、ボールミル、ビーズミル、アトライター等のメディア型、ホモジナイザー、ディスパー、ジェットミル、コロイドミル、ロールミル、超音波等の非メディア型が知られているが、本発明ではこれらのいずれを用いても構わないし、前記の分散方法の二種類以上を組み合わせても良い。
帯電防止性ハードコート樹脂組成物中のA成分の酸化亜鉛の配合割合は、(A)成分と、後述する(B)成分および(C)成分との合計100質量部に対して、50質量部以上95質量部以下であることが好ましく、70質量部以上90質量部以下がより好ましい。50質量部以上であれば充分な帯電防止性が得られるし、逆に95重量部以下で耐擦傷性も十分であるし、基材との密着性も十分であるし、更には透明性も確保できる。
(B)成分である含フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどの含フッ素単重合体、フルオロオレフィン単量体〔X〕と分子内に炭素−炭素二重結合を持つ単量体〔Y〕との共重合体、さらには、重合可能な官能基を持つフルオロ単量体などが挙げられる。
特に、フルオロオレフィン単量体〔X〕と分子内に炭素−炭素二重結合を持つ単量体〔Y〕との共重合体が剛性を持ち、且つ種々の溶媒に溶解しやすいので好ましい。また、当該共重合体中における単量体〔Y〕の重合単位に対する単量体〔X〕の重合単位との比率は、モル比率で、好ましくは40/60〜60/40、特に45/55〜55/45が好適である。
フルオロオレフィン単量体〔X〕としては、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、クロロトリフルオロエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ヘキサフルオロイソブテンなどが例示できるが、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンが特に好ましい。
前記の炭素−炭素二重結合を持つ単量体〔Y〕としては、カルボン酸ビニルエステル類、ビニルエーテル類、アリルエーテル類、不飽和カルボン酸エステル類、また、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、イソブテンなどのオレフィン類、スチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物類、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロオレフィン類、ビニルアルコール、アリルアルコールなどの不飽和アルコール類、ビニル酢酸、ウンデシレン酸、クロトン酸、(メタ)アクリル酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸類などが挙げられるが、特にカルボン酸ビニルエステル類、ビニルエーテル類、アリルエーテル類、不飽和カルボン酸エステル類が好ましい。
カルボン酸ビニルエステル類の具体例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、バーサチック9酸ビニル、バーサチック10酸ビニル、シクロヘキサン酸ビニル、安息香酸ビニル、t−ブチル安息香酸ビニル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、ビニルエーテルの具体例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシメチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシペンチルビニルエーテル、ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ビニルグリシジルエーテルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、アリルエーテルの具体例としては、エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、ベンジルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ヒドロキシブチルアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル、アリルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
不飽和カルボン酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリルなどの(メタ)アクリル酸エステルやクロトン酸ヒドロキシエチルなどが例示できるが、これらに限定されるものではない。
また、前記炭素−炭素二重結合を有する単量体〔Y〕として、フッ素化、ε−カプロラクトン変性、βケトエステル変性、シリコーン変性、アルコキシシリル化したカルボン酸ビニルエステル、ビニルエーテル、アリルエーテル、不飽和カルボン酸エステルを必要に応じて使用することができる。
以上の様なフルオロオレフィン単量体〔X〕と分子内に炭素−炭素二重結合を持つ単量体〔Y〕との共重合体である含フッ素樹脂は、例えば、特許文献4や特許文献5等に開示されており、また、市販品として旭硝子社製ルミフロン、セントラル硝子社製セフラルコート、大日本インキ化学工業社製フルオロネートなどが相当する。
特開昭60−21686号公報 特開平5−21727号公報
さらに、前記の含フッ素樹脂として、フルオロオレフィン単量体〔X〕と炭素−炭素二重結合を有する単量体〔Y〕との共重合体を幹とし、かつ(メタ)アクリル酸エステル単量体〔Z〕の重合体を枝とするグラフトコポリマーである含フッ素樹脂を用いると、塗膜の強靱性を維持しつつ耐光性を向上することができる。グラフトコポリマー中の(メタ)アクリル酸エステル単量体〔Z〕の重合体の含有比率は、[X]、[Y]、[Z]の合計100モル%に対して、1〜99モル%が好ましく、10〜90モル%が一層好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル単量体〔Z〕の具体例としては、前記炭素−炭素二重結合を有する単量体〔Y〕の不飽和カルボン酸エステルとして例示した(メタ)アクリル酸エステルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以上の様なフルオロオレフィン単量体〔X〕と炭素−炭素二重結合を有する単量体〔Y〕との共重合体を幹とし、かつ(メタ)アクリル酸エステル単量体〔Z〕の重合体を枝とするグラフトコポリマーである含フッ素樹脂は、例えば、特許文献6等に開示されており、また市販品としてセントラル硝子社製のアクリルグラフト型フッ素樹脂セフラルコートFGシリーズなどが相当する。
特許第3521054号公報
含フッ素樹脂の配合割合は、B成分と後述するC成分の合計100質量部に対して、0.01〜99.99質量部が好ましく、5〜95質量部が一層好ましい。0.01質量部以上であれば良好な耐光性が得られるし、99.99質量部以下で基材との密着が十分確保できる。
本発明に於いては、(C)成分として、分子内に少なくとも一個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化型(メタ)アクリレートを選択する。
前記の(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロベンジルアクリレート、ジシクロペンテニルエチレングリコール付加物(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテルエポキシアクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ(ポリ)エチレングリコールアクリレート、ノニルフェノールエトキシ化アクリレート、アクリロイルオキシエチルフタル酸、トリブロモフェニルアクリレート、トリブロモフェノールエトキシ化(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルメタクリレート、メタクリロイルオキシエチル酸、メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、メタクリロイルオキシエチルフタル酸、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、N−メチロールアクリルアマイド、N−メトキシメチルアクリルアマイド、N−エトキシメチルアクリルアマイド、N−n−ブトキシメチルアクリルアマイド、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸、N−メチルアクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、グリシジル(メタ)アクリレート、メタクリル酸アリル、セチルメタクリレート、ペンタデシルメタアクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メタクリロイルオキシエチル琥珀酸、イミド(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチル、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、グリコールジアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリロイルフォスフェート、ビスフェノールAエチレングリコール付加物アクリレート、ビスフェノールFエチレングリコール付加物アクリレート、トリシクロデカンメタノールジアクリレート、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートジアクリレート、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレングリコール付加物トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレングリコール付加物トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリアクリレート、変性ε−カプロラクトントリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、グリセリンプロピレングリコール付加物トリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエチレングリコール付加物テトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(ペンタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、フッ素化(メタ)アクリレート、シリコーン変性(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記の(メタ)アクリレートは、単独もしくは任意に混合して使用することができるが、分子内に(メタ)アクリロイル基を2個以上含有する多官能(メタ)アクリレートモノマーもしくはオリゴマーが重合後の皮膜が硬く、耐擦傷性が良好で好適であることから好ましく選択される。
本発明の帯電防止性ハードコート樹脂組成物は、溶媒中に分散させることにより、プラスチックフィルム表面に皮膜を形成する際のレベリング性が向上し、帯電防止性ハードコートの皮膜を平滑および平坦に形成することが可能となる。その結果として、皮膜表面の凹凸に起因する耐擦傷性および透明性の低下を抑制することができるという効果が得られる。
さらに、溶媒中に分散させることにより、酸化亜鉛の分散性が向上し、その結果として皮膜の透明性を一層向上させることができるという効果も得られる。
本発明において分散性の点で最も好ましい溶媒成分(D)としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール類が好適であり、これらを単独または混合して用いることができる。
更に、水、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトンなどのケトン類、トルエンやキシレン等の芳香族類、酢酸エチルや酢酸ブチルなどエステル類、nヘキサンやシクロヘキサンなどの脂肪族類など、他の有機溶媒を必要に応じて選択し、前記アルコール類と組み合わせることもできる。本発明の樹脂組成物における溶媒の含有量は、前記(A)、(B)、(C)成分の合計を100としたときに対して、好ましくは30〜99.9質量部、特に好ましくは50〜99質量部である。
さらに、本発明に於いては、酸化亜鉛を極めて好ましい状態でアルコールやケトン溶媒中に分散させるために、分散剤を効果的に添加することができる。分散剤としてはアミン化合物またはシランカップリング剤が好ましい例として挙げられる。
さらに、良好な帯電防止性を得るためには、前記酸化亜鉛を高充填することが望ましいが、高充填に伴い、耐擦傷性が低下する。そこで、本発明に於いては、耐擦傷性を向上すべく下記(E)成分、または(F)成分、(G)成分の群から選ばれる1種以上を含有する。
(E)アシルフォスフィンオキサイド化合物
一般式
Figure 0004963813
〔式中のRは、フェニル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキル基により置換されたフェニル基、フェノキシカルボニル基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子により置換されたフェノキシカルボニル基、Rは、フェニル基、低級アルコキシ基、又は低級アルキル基により置換されたフェニル基、Rは、アルキル基、アセチルオキシ基により置換された炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜18のシクロアルキル基、アリール基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子により置換されたアリール基、又は、次式(R及びRは前記と同じ、Wはp−フェニレン基を意味する)の原子団である。]
Figure 0004963813
(F)α−アミノアセトフェノン化合物
一般式
Figure 0004963813
〔式中R、Rは、水素原子、メチル基、炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、フェニル基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、若しくはハロゲン原子により置換されたフェニル基である。さらに、式中Xは、CH−O−、CH−S−、NH−、(CHN−、または下記(a)で表される基を含む原子団である。さらに、式中Xは、−NH、−N(CHまたは下記(a)で表される基を含む原子団である。〕
一般式(a)
Figure 0004963813
〔式中Yは、酸素原子、>NH、または>N−CHである。〕
(G)オキシムエステル化合物
一般式
Figure 0004963813
〔式中R、Rは、水素原子、メチル基、炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、フェニル基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子により置換されたフェニル基である。さらに、Zは下記(b)または下記(c)で表される基である。〕
一般式(b)
Figure 0004963813
一般式(c)
Figure 0004963813
〔式中R、R、R10は、水素原子、メチル基、炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、フェニル基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子により置換されたフェニル基、又は、フェノキシカルボニル基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子により置換されたフェノキシカルボニル基である。〕
アシルフォスフィンオキサイド化合物の具体例としては、イソブチリル−メチルフォスフィン酸メチルエステル、イソブチリル−フェニルフォスフィン酸メチルエステル、ピバロイル−フェニルフォスフィン酸メチルエステル、2−エチルヘキサノイル−フェニルフォスフィン酸メチルエステル、ピバロイル−フェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル、p−トルイル−フェニルフォスフィン酸メチルエステル、o−トルイル−フェニルフォスフィン酸メチルエステル、2,4−ジメチルベンゾイル−フェニルフォスフィン酸メチルエステル、p−3級ブチルベンゾイル−フェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル、ビバロイル−(4−メチルフェニル)−フォスフィン酸メチルエステル、ピバロイル−フェニルフォスフィン酸ビニルエステル、アクリロイル−フェニルフォスフィン酸メチルエステル、イソブチリル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ピバロイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、1−メチル−1−シクロヘキサノイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2−エチルヘキサノイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、p−トルイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、o−トルイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、p−3級ブチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、アクリロイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,2−ジメチル−ヘプタノイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、テレフタロイル−ビス−ジフェニルフォスフィンオキサイド、アジポイル−ビス−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイル−フェニルフォスフィン酸メチルエステル、2,6−ジメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイル−ジフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルフォスフィン酸メチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,3,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−トリフォスフィン酸メチルエステル、2,4,6−トリメトキシベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジクロルベンゾイル−フェニルフォスフィン酸エステル、2,6−ジクロルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,3,4,6−テトラメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジブロムベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルフォスフィン酸メチルエステル、2,6−ジクロルベンゾイル−若しくは2,6−ジメトキシベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられ、このうち後述するビスアシルフォスフィンオキサイド化合物が本発明の目的を達成しやすく好ましい。
ビスアシルフォスフィンオキサイド化合物の具体例としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドなどが例示できるがこれに限定されない。
α−アミノアセトフェノン化合物の具体例としては、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1などが例示できるがこれに限定されない。
オキシムエステル化合物の具体例としては、1,2−オクタンジオン,1−〔−4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕などが例示できるがこれに限定されない。
(E)〜(G)成分の配合割合は、前記(A)成分、(B)成分、および(C)成分の合計を100質量部としたときに対して、(E)〜(G)成分の合計量が1〜20質量部が好ましく、5〜15質量部が一層好ましい。1質量部以上であれば十分な耐擦傷性が得られるし、20質量部以下であれば透明性、密着性など他の物性に不具合を生じることがない。
更に、本発明に於いては、光重合開始剤または光増感剤を併用することができる。光重合開始剤は、紫外線等の活性光線により増感させて、当該樹脂組成物の光硬化を促進するために配合するものであり、公知の各種の光重合開始剤、例えば、ベンゾイン化合物、フェニルケトン化合物、ベンゾインエーテル化合物、チオキサンソン化合物、または光増感剤、例えばアミン化合物などが併用可能である。
さらに、十分且つ安定的な帯電防止性を得るためには、前述した通りに、酸化亜鉛を高充填することが望まれるが、充填量が多すぎれば透明性や耐擦傷性を低下させてしまう。そこで、本発明に於いては、帯電防止性安定化剤として、下記(H)成分、(I)成分、(J)成分の群から選ばれる1種以上を添加することが好ましい。
(H)不飽和カルボン酸、その金属塩、又は、それらを含有する重合体
(I)ベタイン構造を有する重合体
(J)有機リチウム塩
前記(H)成分の不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく例示される。
また、金属塩を形成する金属としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛等の遷移金属であることが好ましく、さらに前記遷移金属のうち亜鉛がより好ましく選択される。
前記(I)成分のベタイン構造を有する重合体としては、カルボキシベタイン(メタ)アクリレートとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体が好ましく例示される。
前記(J)成分の有機リチウム塩としては、リチウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、過塩素酸リチウムが好ましく例示できる。
前記(H)成分、(I)成分、(J)成分の含有割合は、前記(A)成分、(B)成分、および(C)成分の合計を100質量部としたときに、0.001〜50質量部が好ましく、0.01〜20質量部が一層好ましい。0.001質量部以上ならば帯電防止性の安定化効果が確実に得られるし、20質量部以下で透明性や耐擦傷性が低下することがないためである。
さらに、酸化亜鉛を高充填した場合に発生しやすくなる、コーティング樹脂組成物のプラスチック基材への塗れ性が低下して塗工時の外観不良に繋がることを防止するために、(K)成分として、レベリング剤を添加して塗れ性を向上することが好ましい。
前記(K)成分のレベリング剤は、シリコーン系のレベリング剤が好ましく選択される。さらに、分子構造内にポリエチレングリコール基および/またはポリプロピレングリコール基を有するポリエーテル変性シリコーン化合物が一層好ましく選択される。
前記ポリエーテル変性シリコーンの重量平均分子量(Mw)は、1000〜100000が好ましく、さらに5000〜50000が一層好ましい。Mwが1000以上ならば十分な塗れ性が得られるし、また100000以下ならば十分な塗れ性が得られるばかりでなく、溶媒となるアルコール類に溶解せず分離してしまうことが防げる。
(K)成分の配合割合は、(A)成分、(B)成分、および(C)成分の合計の100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、さらに0.1〜5質量部が一層好ましい。0.01質量部以上ならば十分な塗れ性が得られるし、また10質量部以下ならば透明性や耐擦傷性が低下することがない。
ポリエーテル変性シリコーン化合物のレベリング剤の具体例としては、ビックケミー社のBYK−300、BYK−306、BYK−330、BYK−333などが挙げられるがこれらに限定されない。
さらに、酸化亜鉛はそれ自体黄色味を帯びているため、酸化亜鉛を高充填した場合に、皮膜が若干の黄色味を生じ、ディスプレイ等での用途においては、この黄色味が不具合となることがある。そこで、塗膜の色調整のために、色調剤を添加することが好ましい。
前記色調剤としては、下記(L)成分、(M)成分、(N)成分からなる群から選ばれる1種以上を前記(A)成分、(B)成分、および(C)成分の合計量100質量部に対して、0.00001質量部以上0.005質量部以下が好ましく、さらに0.0001質量部以上0.001質量部以下が一層好ましい。
(L)成分:アントラキノン化合物、アゾ化合物、フタロシアニン化合物のいずれかから選ばれる、青色を呈する有機系染料
(M)成分;一次粒子の平均粒子径が0.3μm以下のコバルトブルー
(N)成分:オキサゾリン化合物
前記(L)成分である、アントラキノン化合物、アゾ化合物、フタロシアニン化合物のいずれかから選ばれる青色を呈する有機系染料の具体例としては、バイエル社製のマクロレックスブルーや三菱化学社製のブルーJなどが挙げられるが特に限定されない。
前記コバルトブルーは、一次粒子の平均粒子径については0.001μm〜0.3μmが好ましく、さらに0.01〜0.1μmであることが一層好ましい。一次粒子径が0.3μm以下であれば透明性が低下することもない。前記コバルトブルーの具体例としては、シーアイ化成社製の「ナノテック(コバルトブルーナノ分散体)」などが例示できるがこれに限定されない。
前記オキサゾリン化合物の具体例としては、日本化薬社製「カヤライト OS」やチバスペシャリティーケミカル社の「Uvitex OB」、住友精化社の「TBO」が挙げられるが特に限定されない。
また、本発明の帯電防止性ハードコート樹脂組成物中には、ヒンダートアミン系の光安定剤や有機系および無機系の光吸収剤を添加することもできる。
本発明の帯電防止性ハードコート樹脂組成物は、紫外線照射により硬化可能であるので、プラスチックフィルム表面に帯電防止性ハードコート樹脂組成物からなる重合体の層を形成するに際して、前記ハードコート層を形成させるための帯電防止性ハードコート樹脂組成物として使用することができる。
また、本発明の帯電防止性ハードコート樹脂組成物中には、必要に応じて、スリップ性付与剤、酸化防止剤、硬化促進剤、チキソトロピー付与剤、消泡剤、pH調整剤などの添加剤を加えることができ、またテープやフィルムやシートなどの基材との密着性を向上する目的で、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂などのポリマーも添加することができる。
本発明における帯電防止性ハードコート樹脂組成物の製造方法およびこれをフィルム表面にコーティングする方法については、例えば次の方法が挙げられる。
予め酸化亜鉛をアルコール溶媒中に分散した分散液に、(B)成分の含フッ素樹脂および(C)成分の紫外線硬化可能な(メタ)アクリレートモノマーを添加し、更に諸成分を溶解させて所望組成のコーティング液組成物を得る。但し、これらの各成分の混合方法はこの順序に特に限定されない。
前記のコーティング液組成物を、後述する基材の表面にコーティングし、乾燥して溶媒を揮発させた後、紫外線を照射して硬化させることによって、本発明の帯電防止性ハードコート樹脂組成物からなる重合体、即ち帯電防止性ハードコート層(以下、「皮膜」という)を備えた透明で擦傷性に優れた帯電防止性ハードコートフィルムを得ることができる。
本発明に於いて、基材としては、例えば、プラスチックフィルムが挙げられるが、本発明において前記プラスチックフィルムの厚みは0.0001〜10mmが好ましく選択され、0.0005〜5mmがより好ましい。また前記プラスチックフィルムには、いわゆるプラスチックシートをも含有している。
前記プラスチックフィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアクリル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリエーテルスルフォン等のプラスチックが好ましいものとして挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。これらの基材は透明度の高いものが好ましいが、所望に応じて着色したフィルムを用いることもできる。
前記のコーティング液組成物を基材表面にコーティングする方法としては、例えば、浸漬法、グラビアコート法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、噴霧法、スピンコート法などの従来公知の方法を適用できる。
基材表面上に形成される皮膜の厚さとしては、一般的に0.01μm〜50μmが選択され、0.1μm〜10μmの厚さが好ましく選択される。0.01μm以上であれば、帯電防止性、耐擦傷性を十分に確保できるし、50μm以下であれば、透明性の不足や基材がカールしてしまうことが防ぐことができる。
本発明の帯電防止性ハードコートフィルムは、前記した本発明の帯電防止性ハードコーティング樹脂組成物の重合体からなるので、前記樹脂組成物重合体の特徴である、耐擦傷性、帯電防止性、透明性に優れるという特徴を有しており、ポリエステル、アクリル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリエーテルスルフォン等のプラスチックフィルム表面を被覆して、これらのフィルムに前記特性を付与することができるという顕著な効果を示す。
また、本発明に於いて、前記の帯電防止性ハードコートフィルム上に、該帯電防止性ハードコートフィルムよりも屈折率が0.1〜0.4程度低い樹脂組成物層を具える時には、前記特性に加えて反射防止性にも優れるフィルムが得られるので、このような構造を有する帯電防止性ハードコートフィルムは、CRT、LCD、プロジェクター、PDP、ELパネル、さらにはFEDなどを初めとする各種のディスプレイに一層好適である。
また、本発明のディスプレイは、前記帯電防止性ハードコートフィルを有しているので、前記帯電防止性ハードコートフィルの特徴である、耐擦傷性、帯電防止性、透明性に優れる、更には反射防止性にも優れるという特性を生かして、長期間に渡り明るくて見やすい画像を提供出来るという特徴を有する。
次に本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(分散液製造方法:実施例、比較例共通)分散溶媒として、イソプロピルアルコール(以下、「IPA」という)を1400質量部、n−ブタノールを1400質量部、分散剤として、トリエタノールアミンを36質量部、一次粒子平均径が0.02μmで体積抵抗率が500Ωcmである導電性酸化亜鉛(堺化学工業製「SC−18」)を1200質量部配合し、直径0.1mmのジルコニアビーズを使用した循環式ビーズミルにより30分間の分散処理を行った。得られた分散液からジルコニアビーズを除去し、濃度調整のためにIPA:n−ブタノール=50:50(質量比)の希釈溶剤を更に添加することで導電性酸化亜鉛濃度が20質量%の「導電性酸化亜鉛分散液(1)」を得た。
(コーティング剤製造方法:実施例1−(1))前記の導電性酸化亜鉛分散液(1)381質量部を用意し、樹脂成分として、3フッ化エチレン−ビニルエーテル共重合体の40質量%キシレン溶液(旭硝子製「ルミフロンLF200」)を5質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート/ペンタエリスリトールテトラアクリレート混合物(日本化薬製「KAYARAD PET−30」)を18質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバスペシャリティーケミカル製「イルガキュアー819」)を1質量部添加し、撹拌することで、所望のコーティング液組成物を得た。このとき固形成分中に占める導電性酸化亜鉛の含有量は79質量%であった。
(フィルム製造方法:実施例比較例共通)得られたコーティング液組成物を、乾燥後の膜厚が3μmとなる様に、バーコーターにてポリエステルフィルム(東洋紡績社製「コスモシャインA4300」)に塗布し、60〜100℃の熱風乾燥機で1〜2分間乾燥の後、高圧水銀ランプを用い、積算照射光量750mJ/cmの紫外線(365nm)を照射することにより皮膜を形成した。
(実施例1−(2)〜1−(5)、比較例1−(1))
実施例1−(1)と同様にして、表1に示した組成の皮膜を形成した。フィルム上に形成された皮膜の組成および得られた各フィルムの物性値を表1に一括して示す。
Figure 0004963813
性能試験方法は下記の通りである。
(表面抵抗率)抵抗測定器(アドバンテスト社製)を使用し、JIS K6911に準拠して、印加電圧1000Vで測定した。
(全光線透過率およびヘーズ)ヘーズメーター(スガ試験機社製)を使用し、JIS K7361およびJIS K7136に準拠して測定した。
(耐擦傷性)#0000のスチールウールを使用し、塗膜上を荷重300gfで10往復させた後、皮膜サンプルのヘーズを測定した。試験後のヘーズ値が2%未満であるものを2点、10%未満であるものを1点、10%以上のものを0点の配点を付し評価した。
(コーティング剤製造方法:実施例2−(1))前記の導電性酸化亜鉛分散液(1)381質量部を用意し、樹脂成分として、3フッ化エチレン−ビニルエーテル共重合体の40質量%キシレン溶液(旭硝子製「ルミフロンLF200」)を5質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート/ペンタエリスリトールテトラアクリレート混合物(日本化薬製「KAYARAD PET−30」)を18質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバスペシャリティーケミカル製「イルガキュアー819」)を2.7質量部添加し、さらにジアクリル酸亜鉛(浅田化学工業製)を5質量部添加し、撹拌することで、所望のコーティング液組成物を得た。このとき固形成分中に占める導電性酸化亜鉛の含有量は74質量%であった。得られたコーティング液組成物の皮膜を前記実施例1と同様にして形成した。
(実施例2−(2)〜2−(5))
実施例2−(1)と同様にして、表2に示した組成の皮膜を形成した。フィルム上に形成された皮膜の組成および得られた各フィルムの物性値を表2に一括して示す。
Figure 0004963813
(コーティング剤製造方法:実施例3−(1))前記の導電性酸化亜鉛分散液(1)381質量部を用意し、樹脂成分として、3フッ化エチレン−ビニルエーテル共重合体の40質量%キシレン溶液(旭硝子製「ルミフロンLF200」)を5質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート/ペンタエリスリトールテトラアクリレート混合物(日本化薬製「KAYARAD PET−30」)を18質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバスペシャリティーケミカル製「イルガキュアー819」)を1.8質量部添加し、さらにレベリング剤としてポリエチレングリコール変性シリコーン(Mw5300)を0.27質量部添加し、撹拌することで、所望のコーティング液組成物を得た。このとき固形成分中に占める導電性酸化亜鉛の含有量は78質量%であった。得られたコーティング液組成物の皮膜を前記実施例1と同様にして形成した。
(実施例3−(2)〜3−(3))
実施例3−(1)と同様にして、表3に示した組成の皮膜を形成した。フィルム上に形成された皮膜の組成および得られた各フィルムの物性値を表3に一括して示す。
Figure 0004963813
なお、外観評価については、得られた塗膜サンプルに右45°の入射角で光(可視光光源)を当て、その光を左45°の角度から観察したときに、塗膜に映し出された光(光源)の輪郭がはっきりしているものを1点、そうでないもの(曇る、ぼやける等)を0点と配点し評価した。
(コーティング剤製造方法:実施例4−(1))前記の導電性酸化亜鉛分散液(1)381質量部を用意し、樹脂成分として、3フッ化エチレン−ビニルエーテル共重合体の40質量%キシレン溶液(旭硝子製「ルミフロンLF200」)を5質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート/ペンタエリスリトールテトラアクリレート混合物(日本化薬製「KAYARAD PET−30」)を18質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバスペシャリティーケミカル製「イルガキュアー819」)を2.7質量部添加し、さらに青色染料(バイエル社製「マクロレックスブルー」)を0.0005質量部添加し、撹拌することで、所望のコーティング液組成物を得た。このとき固形成分中に占める導電性酸化亜鉛の含有量は79質量%であった。得られたコーティング液組成物の皮膜を前記実施例1と同様にして形成した。
(実施例4−(2)〜4−(6))
実施例4−(1)と同様にして、表4に示した組成の皮膜を形成した。フィルム上に形成された皮膜の組成および得られた各フィルムの物性値を表4に一括して示す。
尚、色差計(スガ試験機社製)を使用し、JIS Z8722に準拠して、b値を測定した(以下、色差評価という)。前記b値に関しては、+に大きな値程、黄色味が強いことを意味している。
そして、比較例1−(1)比較して、全光線透過率が同等以上であって、しかもb値が1.0以下であるものを1点、全光線透過率が低下しているもの、又はb値が1.0より大きい値のものは0点を配し評価した。
Figure 0004963813
本発明の帯電防止性ハードコーティング樹脂組成物は、持続的な帯電防止性、優れた透明性、耐擦傷性を兼ね備え、さらに耐光性に優れた、安価で環境負荷の少ない導電性酸化亜鉛を用いたコーティング剤を提供できるので、産業上非常に有用である。
本発明の帯電防止性ハードコートフィルムは、前記帯電防止性ハードコーティング樹脂組成物の特徴を反映して、持続的な帯電防止性、優れた透明性、耐擦傷性を兼ね備え、さらに耐光性に優れた、安価で環境負荷の少ない導電性酸化亜鉛を用いたコーティング剤を提供できる特徴を有しているし、その好ましい実施態様に於いては、前記特徴に加えて反射防止性、接着性或いは粘着性に優れるという特徴を有するので、産業上極めて有用である。
本発明のディスプレイは、前記の帯電防止性ハードコートフィルムを有しているので、その特徴を反映して、ディスプレイ表面のパネルに傷を発生しがたく、塵埃吸着も防止され、高画質が長く維持できる特徴を有しているので、ディスプレイ分野のパネル前面保護を始め、透明プラスチックフィルムおよびシート、更にその他の分野、例えば半導体ウエハー保存容器、光ディスク、磁気テープ、その他電子・電気部材、印刷部材、半導体生産現場用クリーンルーム部材等においても適用できるものであり、産業上極めて有用である。

Claims (8)

  1. (A)成分:一次粒子の平均粒子径が0.05μm以下の酸化亜鉛、(B)成分:含フッ素樹脂、(C)成分:分子内に少なくとも一個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化型(メタ)アクリレート、(D)成分:アルコールとを含有し、さらに、下記(E)、(F)、(G)からなる群から選ばれる1種以上を含有し、さらに、色調剤として、下記(L)成分、(M)成分、(N)成分の1種または2種以上を、前記(A)成分、(B)成分、および(C)成分の合計を100質量部に対して、0.00001質量部以上0.005質量部以下含有することを特徴とする帯電防止性ハードコーティング樹脂組成物。
    (E)アシルフォスフィンオキサイド化合物
    一般式
    Figure 0004963813
    〔式中のRは、フェニル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキル基により置換されたフェニル基、フェノキシカルボニル基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子により置換されたフェノキシカルボニル基、Rは、フェニル基、低級アルコキシ基、又は低級アルキル基により置換されたフェニル基、Rは、アルキル基、アセチルオキシ基により置換された炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜18のシクロアルキル基、アリール基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子により置換されたアリール基、又は、次式(R及びRは前記と同じ、Wはp−フェニレン基を意味する)の原子団である。]
    Figure 0004963813
    (F)α−アミノアセトフェノン化合物
    一般式
    Figure 0004963813
    〔式中R、Rは、水素原子、メチル基、炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、フェニル基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、若しくはハロゲン原子により置換されたフェニル基である。さらに、式中Xは、CH−O−、CH−S−、NH−、(CHN−、または下記(a)で表される基を含む原子団である。さらに、式中Xは、−NH、−N(CHまたは下記(a)で表される基を含む原子団である。〕
    一般式(a)
    Figure 0004963813
    〔式中Yは、酸素原子、>NH、または>N−CHである。〕
    (G)オキシムエステル化合物
    一般式
    Figure 0004963813
    〔式中R、Rは、水素原子、メチル基、炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、フェニル基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子により置換されたフェニル基である。さらに、Zは下記(b)または下記(c)で表される基である。〕
    一般式(b)
    Figure 0004963813
    一般式(c)
    Figure 0004963813
    〔式中R、R、R10は、水素原子、メチル基、炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、フェニル基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子により置換されたフェニル基、又は、フェノキシカルボニル基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子により置換されたフェノキシカルボニル基である。〕
    (L)成分:アントラキノン化合物、アゾ化合物、フタロシアニン化合物のいずれかから選ばれる青色を呈する有機系染料
    (M)成分;一次粒子の平均粒子径が0.3μm以下のコバルトブルー
    (N)成分:オキサゾリン化合物
  2. (A)成分:一次粒子の平均粒子径が0.05μm以下の酸化亜鉛、(B)成分:含フッ素樹脂、(C)成分:分子内に少なくとも一個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化型(メタ)アクリレート、(D)成分:アルコール、下記一般式で表される(E)成分:アシルフォスフィンオキサイド化合物とを含有し、さらに、色調剤として、下記(L)成分、(M)成分、(N)成分の1種または2種以上を、前記(A)成分、(B)成分、および(C)成分の合計を100質量部に対して、0.00001質量部以上0.005質量部以下含有することを特徴とする帯電防止性ハードコーティング樹脂組成物。
    (E)アシルフォスフィンオキサイド化合物
    一般式
    Figure 0004963813
    〔式中のR は、フェニル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキル基により置換されたフェニル基、フェノキシカルボニル基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子により置換されたフェノキシカルボニル基、R は、フェニル基、低級アルコキシ基、又は低級アルキル基により置換されたフェニル基、R は、アルキル基、アセチルオキシ基により置換された炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜18のシクロアルキル基、アリール基、又は、低級アルキル基、低級アルコキシ基若しくはハロゲン原子により置換されたアリール基、又は、次式(R 及びR は前記と同じ、Wはp−フェニレン基を意味する)の原子団である。]
    Figure 0004963813
    (L)成分:アントラキノン化合物、アゾ化合物、フタロシアニン化合物のいずれかから選ばれる青色を呈する有機系染料
    (M)成分;一次粒子の平均粒子径が0.3μm以下のコバルトブルー
    (N)成分:オキサゾリン化合物
  3. (E)成分が、ビスアシルフォスフィンオキサイド化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の帯電防止性ハードコーティング樹脂組成物。
  4. (E)成分が、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の帯電防止性ハードコーティング樹脂組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか1項記載の帯電防止性ハードコーティング樹脂組成物からなることを特徴とする帯電防止性ハードコートフィルム。
  6. 請求項記載の帯電防止性ハードコートフィルム上に、該帯電防止性ハードコートフィルムよりも屈折率が低い樹脂組成物層を備えていることを特徴とする反射防止性の帯電防止性ハードコートフィルム。
  7. 請求項又は請求項に記載の帯電防止性ハードコートフィルムの少なくとも片面に接着剤または粘着剤を備えたことを特徴とする帯電防止性ハードコートフィルム。
  8. 請求項のいずれか1項記載の帯電防止性ハードコートフィルムを備えたことを特徴とするディスプレイ。
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