JP2015203036A - ラジカル重合性放射線硬化型インクジェット組成物、組成物収容体、及びインクジェット方法 - Google Patents

ラジカル重合性放射線硬化型インクジェット組成物、組成物収容体、及びインクジェット方法 Download PDF

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哲也 青山
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浩明 木田
景多▲郎▼ 中野
Keitaro Nakano
景多▲郎▼ 中野
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Hitoshi Tsuchiya
斉 土屋
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Abstract

【課題】本発明は、長期放置後分散回復性に優れることにより、顔料の沈降に起因するノズル詰まりや画像の濃淡ムラが抑制されたラジカル重合光硬化型インクジェット組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】ラジカル重合性化合物と、顔料と、飽和脂肪族カルボン酸と、を含み、Li、Na、K、Ag、Mg、Ca、Ba、Zn、Fe、Sn、及びZrからなる群より選ばれる1種以上の金属元素の組成物の全量に対する含有量が0.01質量ppm以上であり、かつ、前記群に含まれる金属元素の含有量がそれぞれ1000質量ppm以下であり、水の組成物の全量に対する含有量が0.01〜2質量%である、ラジカル重合性放射性硬化型インクジェット組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ラジカル重合性光硬化型インクジェット組成物、組成物収容体、及びインクジェット方法に関する。
従来、白色顔料を含むインクジェット記録用インク組成物が知られている。例えば、特文献1には、インクの分散安定性を向上し、顔料の沈降を抑制することで、ノズル詰まりを解消する白色のインクジェット用インク組成物を提供することを目的として、白色顔料、高分子分散剤、光硬化性化合物、及び光開始剤を主成分とするインクジェット記録用インク組成物であって、前記高分子分散剤がスルホン酸基を有するインクジェット用インク組成物が開示されている。
特開2007−99833号公報
しかしながら、従来の白色顔料を含むインク組成物は、分散剤を含んでいたとしても、長期間保存した際に粘性を有する沈降成分が生じる。そして、一旦生じた沈降成分は、インク組成物を撹拌しても、十分に再分散することが困難となる。このように、従来の白色顔料を含むインク組成物は、長期間保存して生じた沈降成分が再分散して分散性が回復すること(以下、「長期放置後分散回復性」という。)に劣ることが問題である。このような課題は白色顔料に限らず顔料を含むインク組成物において発生する可能性がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、顔料を含んでも長期放置後の沈降回復性に優れ、さらに析出物抑制にも優れたラジカル重合性放射線硬化型インクジェット組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、ラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物であって、下記の構成とすることにより、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
ラジカル重合性化合物と、顔料と、飽和脂肪族カルボン酸と、を含み、Li、Na、K、Ag、Mg、Ca、Ba、Zn、Fe、Sn、及びZrからなる群より選ばれる1種以上の金属元素の組成物の全量に対する含有量が0.01質量ppm以上であり、かつ、前記群に含まれる金属元素の含有量がそれぞれ1000質量ppm以下であり、水の組成物の全量に対する含有量が0.01〜2質量%である、ラジカル重合性放射性硬化型インクジェット組成物。
[2]
前記飽和脂肪族カルボン酸の、組成物の全量に対する含有量が、0.05〜0.25質量%である、[1]に記載のラジカル重合性放射性硬化型インクジェット組成物。
[3]
下記一般式(1)を満たす、[1]又は[2]に記載のラジカル重合性放射性硬化型インクジェット組成物。
A+400×B≦500 (1)
(ここで、A(質量ppm)は前記群より選ばれる1種以上の金属元素の組成物の全量に対する含有量であり、B(質量%)は水の組成物の全量に対する含有量である。)
[4]
前記群より選ばれる1種以上の金属元素の組成物の全量に対する含有量が0.3〜400質量ppmであり、前記水の組成物の全量に対する含有量が0.01〜1.2質量%である、[1]〜[3]の何れか1項に記載のラジカル重合性放射性硬化型インクジェット組成物。
[5]
前記金属元素として2価以上の金属元素を含む、[1]〜[4]の何れか1項に記載のラジカル重合性放射性硬化型インクジェット組成物。
[6]
前記顔料として、白色顔料を含む、[1]〜[5]のいずれか1項に記載のラジカル重合性放射性硬化型インクジェット組成物。
[7]
[1]〜[6]の何れか一項に記載のラジカル重合性放射性硬化型インクジェット組成物を収容し、組成物の収容体積が0.1〜20Lである、組成物収容体。
[8]
[1]〜[6]の何れか一項に記載のラジカル重合性放射性硬化型インクジェット組成物をインクジェットヘッドから吐出するインクジェット方法。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔ラジカル重合性放射線硬化型インクジェット組成物〕
本実施形態のラジカル重合性放射線硬化型インクジェット組成物(以下、単にインクジェット組成物とか組成物ともいう。)は、インクジェット法によりインクジェットヘッドから吐出して用いる組成物である。以下、放射線硬化型インクジェット組成物の1実施形態として放射線硬化型インクジェットインク組成物(単にインク組成物とかインクともいう)を記載する場合があるが、組成物はインク組成物以外の組成物でも良くインク組成物を組成物と読み替えてみ良い。また、「放射線硬化型」の1実施形態として「紫外線硬化型」と記載する場合があるが、本実施形態において組成物は放射線を照射することにより硬化させて用いる放射線硬化型組成物であればよく、紫外線硬化型や紫外線硬化型組成物を放射線硬化型や放射線硬化型組成物と読み替えてもよい。放射線としては、紫外線、赤外線、可視光線、エックス線等があげられる。放射線として、放射線源が入手しやすく広く用いられている点、及び紫外線の放射による硬化に適した材料が入手しやすく広く用いられている点から、紫外線が好ましい。
本実施形態に係るラジカル重合性放射線硬化型インクジェット組成物(以下、単に組成物などともいう。)に含まれるか、又は含まれ得る添加剤(成分)を説明する。
〔ラジカル重合性化合物〕
本実施形態に係るインク組成物は、ラジカル重合性化合物を含む。ラジカル重合性化合物は、多種にわたる化合物が入手しやすく、ラジカル重合性化合物を含む組成物の硬化性に優れる傾向があり好ましい。インク組成物がラジカル重合性化合物を含む場合は、長期間保存した際に高い粘性を有する沈降成分が生じやすいため、本実施形態に係るインク組成物が特に有用となる。
ラジカル重合性化合物としては、例えば、単官能、二官能、三官能、四官能、五官能及び六官能の(メタ)アクリレートが挙げられる。以下、ラジカル重合性化合物について、より詳細に例示するが、本実施形態で用いるラジカル重合性化合物は下記に限定されない。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートの両方を意味する。
単官能の(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトシキメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2Hパーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
二官能の(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
三官能の(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
四官能の(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。
五官能の(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
六官能の(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、上記化合物以外のラジカル重合性化合物としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩;エステル、ウレタン、アミド、無水物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタンが挙げられる。このようなラジカル重合性化合物としては、特に限定されないが、具体的には、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアセトンアクリルアミド等のアクリル酸誘導体;2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体;その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体;「架橋剤ハンドブック」(山下晋三編、1981年大成社)、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(加藤清視編、高分子刊行会(1985年))、「UV・EB硬化技術の応用と市場」(ラドテック研究会編、79頁(1989年)、シーエムシー)、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(滝山栄一郎著、日刊工業新聞社(1988年))等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
上記の中でも、硬化性が良好となる観点からアクリレート類を用いることが好ましい。
上記ラジカル重合性化合物は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性化合物の含有量は、インク組成物の総量に対して40質量%以上、60質量%以上、65質量%以上の順で好ましく、98質量%以下、80質量%以下、75質量%以下の順で好ましい。含有量が上記範囲内であることにより、低粘度、溶解性、硬化性、保存安定性により優れる傾向にある。
ラジカル重合性化合物の中でもビニルエーテル基を有する重合性化合物を組成物が含む場合、硬化性、保存安定性の点で好ましく、なかでも、ビニルエーテル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、特に1価のビニルエーテル基を有する1価の(メタ)アクリレートがより好ましい。ビニルエーテル基を有する重合性化合物を組成物が含む場合、その組成物に対する含有量は、10〜80質量%が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましく、40質量%以下が特に好ましい。
〔顔料〕
本実施形態に係る組成物は、顔料を含む。顔料は組成物に着色機能を付与し、組成物が付着した被付着対象物に着色を可能とする。顔料の中でも白色顔料は他の顔料と比較して一般的に高い比重を有し、沈降成分を形成しやすいため、本実施形態に係るインク組成物が特に有用となる。白色顔料としては、特に限定されないが、例えば、一般に市販されている無機白色顔料、有機白色顔料、または中空粒子を用いることができる。本実施形態で用いる白色顔料の比重としては、限られるものではないが3.8以上4.1以下の物を用いることができ、本実施形態が特に有効である。
上記白色無機顔料としては、特に限定されないが、例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、微粉ケイ酸、シリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、酸化亜鉛、酸化セリウム、タルク、クレイが挙げられる。
このなかでも、白色顔料は、金属酸化物微粒子を含むことが好ましい。金属酸化物微粒子を含むことにより、より高い屈折率を有し、白色度がより高くなる傾向にある。金属酸化物微粒子としては、特に限定されないが、例えば、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、及び酸化セリウムが挙げられる。このなかでも、酸化チタンは他の無機白色顔料と比べると比重が低く、屈折率が高く化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きい傾向にある。さらに、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れる傾向にある。
上記有機白色顔料は、特に限定されないが、例えば、特開平11−129613号公報に示される有機化合物塩や特開平11−140365号公報、特開2001−234093号公報に示されるアルキレンビスメラミン誘導体が挙げられる。白色有機顔料の具体的な商品としては、ShigenoxOWP、ShigenoxOWPL、ShigenoxFWP、ShigenoxFWG、ShigenoxUL、ShigenoxU(以上、ハッコールケミカル社製、何れも商品名)などが挙げられる。
上記中空粒子としては、特に限定されないが、例えば、米国特許第4,089,800号明細書に開示されている、実質的に有機重合体で作られた熱可塑性を示す粒子などが挙げられる。
上記白色顔料は、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、ジルコニア、又は有機物を用いて処理されたものであることが好ましい。このような処理方法によって処理された白色顔料は、分散性、耐候性や親油水性により優れる傾向にある。
アルミナ、シリカ、ジルコニア等で表面処理を行った白色顔料は表面にOH基を有し、アルミナ処理をした白色顔料の表面はやや中性、また、シリカ処理した白色顔料の表面は酸性、ジルコニア処理した白色顔料の表面は塩基性を示すことが知られている。
白色顔料の粒子の平均粒径は、100nm以上であることが好ましく、200nm以上であることがより好ましい。平均粒径の上限は10μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、300nm以下がさらに好ましい。上記平均粒径は、顔料、分散剤、及び分散媒体の選定、並びに分散条件、ろ過条件を設定することで調整することができる。粒径が上記範囲以下であることにより、吐出安定性により優れる傾向にある。また、粒径が上記範囲以上であることにより、白色度がより高くなり、隠蔽性により優れる傾向にある。平均粒径は粒度分布計(日機装社製、製品名UPA−EX150)により測定される。
白色顔料は、インク組成物の作製の際、分散媒に分散させた顔料分散液の状態で他の材料と混合してもよい。顔料分散液を調製する際の白色顔料の分散には、特に限定されないが、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いることができる。
また、白色顔料の分散媒としては、特に限定されないが、例えば、ラジカル重合性化合物が挙げられる。このなかでも、粘度が低いラジカル重合性化合物を選択することが好ましい。このような分散媒を用いることにより、分散適性やインク組成物のハンドリング性がより向上する傾向にある。
本実施形態の組成物が含みうる上記白色顔料以外の顔料としては、例えば無機顔料及び有機顔料が挙げられる。無機顔料としては、特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、が挙げられる。金属顔料からなるメタリック顔料も使用可能である。
有機顔料としては、特に限定されないが、例えば、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料、及びアゾ系顔料が挙げられる。
顔料は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
顔料の含有量は、組成物の全量(100質量%)に対して、0.1〜25質量%が好ましく、0.5質量%以上、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、の順でより好ましく、20質量%以下がより好ましい。顔料の含有量が上記範囲内であることにより、発色性により優れる傾向にある。また、白色顔料を含む場合は、含有量が上記範囲内であることにより低粘度、溶解性、保存安定性、長期放置後分散回復性により優れる傾向にある。
〔高分子分散剤〕
本実施形態に係るインク組成物は、顔料の分散に用いる高分子分散剤を含んでもよい。高分子分散剤は、白色顔料などの顔料の表面の官能基と相互作用をして、顔料表面上に付着する。顔料は、付着した高分子分散剤の立体障害又は電気的反発により、インク組成物中に分散する。そのため、高分子分散剤は、上記顔料の表面電荷などの表面状態を考慮して適宜選択することができる。高分子分散剤は、酸価又はアミン価のいずれか一方を有することが好ましく、酸価とアミン価を同程度併せ持つものがより好ましい。このような高分子分散剤を用いることにより、アルミナ処理をした顔料、シリカ処理をした顔料、及びジルコニア処理をした顔料の分散性をより向上できる傾向にある。なお、ここで「高分子分散剤」とは、繰り返し単位を有する高分子、特に樹脂からなる分散剤をいう。高分子分散剤の分子量としては、限られるものではないが1,000〜50,000のものが好ましく用いることができる。
このような高分子分散剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリルコポリマー、アクリル酸カリウム−アクリルニトリルコポリマー、酢酸ビニル−アクリル酸エステルコポリマー、アクリル酸−アクリル酸エステルコポリマー等のアクリル系樹脂;スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−メタクリル酸コポリマー、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステルコポリマー、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステルコポリマー等のスチレン−アクリル樹脂;スチレン−マレイン酸コポリマー、スチレン−無水マレイン酸コポリマー、ビニルナフタレン−アクリル酸コポリマー、ビニルナフタレン−マレイン酸コポリマー、及び酢酸ビニル−エチレンコポリマー、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレンコポリマー、酢酸ビニル−マレイン酸エステルコポリマー、酢酸ビニル−クロトン酸コポリマー、酢酸ビニル−アクリル酸コポリマー等の酢酸ビニル系コポリマー及びそれらの塩が挙げられる。これらの中でも、特に疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとのコポリマー、及び疎水性基と親水性基を分子構造中に併せ持ったモノマーからなる重合体が好ましい。上記高分子分散剤は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本実施形態において使用する高分子分散剤の添加量は、白色顔料(100質量部)に対して1〜10質量部の範囲が好ましく、2〜7質量部の範囲が好ましい。添加量が上記範囲であることにより、白色顔料への吸着性及び白色顔料の分散性がより向上し、かつ、高分子化合物に由来するインク組成物の高粘度化も抑制でき、界面活性剤作用でインク組成物の表面張力が低下してインクジェットによる吐出不良が起こることも抑制できる傾向にある。
〔飽和脂肪族カルボン酸〕
本実施形態に係るインク組成物は、少なくとも一種の飽和脂肪族カルボン酸を含む。色顔料は、表面上に付着した高分子分散剤の立体障害又は電気的反発により、インク組成物中に分散している。しかし、従来の分散した顔料を含むインク組成物は、例えば1年以上の長期間放置すると、粘性沈殿物が生じ、再度撹拌をしても元の分散状態には戻らないという問題がある。
その機序としては下記のことが考えられる。すなわち、白色顔料表面に付着している高分子分散剤は、長期間放置すると経時的に遊離すると考えられる。高分子分散剤が遊離すると、それまで高分子分散剤の立体障害又は電気的反発により分散していた白色顔料は凝集する。このようにして凝集した白色顔料が、粘性沈殿物となり、再度撹拌をしても長期間放置前の分散状態には戻らない。ただし、機序はこれに限定されない。
ところが、本実施形態に係るインク組成物のように、白色顔料と共に飽和脂肪族カルボン酸が含まれていると、分極している飽和脂肪族カルボン酸が白色顔料表面に付着し、顔料同士の電気的反発により、あるいは、その飽和脂肪族カルボン酸に遊離した高分子分散剤が引き寄せられることにより、白色顔料の分散性が高い状態で安定化する。または、飽和脂肪族カルボン酸がインク組成物中に存在することにより、インク組成物中への高分子分散剤の遊離が妨げられ、結果として、白色顔料の分散性が高い状態で安定化するとも考えられる。
本実施形態で用いる飽和脂肪族カルボン酸は、炭素間不飽和結合を含まず、芳香環を含まないカルボン酸である。飽和脂肪族カルボン酸が有する脂肪族骨格は、種々の置換基で置換されていてもよい。このような飽和脂肪族カルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、クエン酸等が挙げられる。脂肪族骨格は直鎖状又は分枝状であり、このなかでも直鎖状が好ましい。直鎖状であることにより、長期放置後分散回復性により優れる傾向にある。
上記飽和脂肪族カルボン酸が、飽和脂肪族モノカルボン酸又は飽和脂肪族ジカルボン酸の少なくとも1種を含むことが好ましく、飽和脂肪族ジカルボン酸を含むことがより好ましい。このような飽和脂肪族カルボン酸を用いることにより、長期放置後分散回復性により優れる傾向にある。
上記飽和脂肪族カルボン酸が、カルボキシル基以外の部分に、炭素原子を2〜15個含むことが好ましく、3〜8個含むことがより好ましい。このような飽和脂肪族カルボン酸を用いることにより、長期放置後分散回復性により優れる傾向にある。
上記飽和脂肪族カルボン酸は、インク組成物(100質量%)中に、0.05〜0.25質量%含まれることが好ましく、0.09〜0.20質量%含まれることがより好ましく、0.09〜0.15質量%含まれることがさらに好ましい。飽和脂肪族カルボン酸をこの範囲の含有量で用いることにより、長期放置後分散回復性により優れる傾向にある。
上記飽和脂肪族カルボン酸が、下記一般式(A)又は下記一般式(B)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。このような飽和脂肪族カルボン酸を用いることにより、長期放置後分散回復性により優れる傾向にある。
COOH−(CH2n−COOH (A)
CH3−(CH2n-1−COOH (B)
(式中、nは2〜15の整数である。)
上記nは2〜15の整数であることが好ましく、3〜8の整数であることがより好ましい。このような飽和脂肪族カルボン酸を用いることにより、長期放置後分散回復性により優れる傾向にある。
また、飽和脂肪族カルボン酸はpKa1が4.0以上であることが好ましく、4.0以上4.5以下であることがより好ましく、4.1以上4.5以下であることがさらに好ましく、また、pKa2があるときは、pKa2は5.0以上であることが好ましい。ここで「pKa」は、滴定法や吸光度法、キャピラリー電気泳動法などにより測定することができる。
Figure 2015203036
(金属元素)
本実施形態の組成物は、Li、Na、K、Ag、Mg、Ca、Ba、Zn、Fe、Sn、及びZrからなる群より選ばれる1種以上の金属元素を含有する。これら特定の金属元素は、重合性化合物、特にラジカル重合性化合物の重合反応(硬化反応)の触媒として有効に作用し組成物の硬化性を向上させると考えられる。組成物は、特定の金属元素を、金属イオン及び金属塩の少なくとも一方の形態で含有することが好ましい。特定の金属元素が組成物中に存在すると、特に前述の飽和脂肪族カルボン酸の存在時に異物が析出しやすくなるものの、本発明によるとその異物の析出を抑制することができるので、本発明に基づく利益をより有効に享受することができる。これら特定の金属元素は、1つの種類の元素として組成物に含有するほうが多種の元素として含有するよりも、組成物の硬化性が優れる傾向があり、異物の析出もしやすい傾向があった。同種の金属元素として多く存在するほうがラジカル重合性化合物の重合反応(硬化反応)の触媒としての作用や、異物化する作用が起こりやすいと推測する。特定の金属元素は、金属イオン又は金属塩の形態で組成物中に存在すると、組成物の硬化性が一層優れる反面、異物となりやすく、本実施形態が特に有用である。
上記の群から選ばれる1種以上の金属元素の中でも、組成物の硬化性が一層優れる傾向がある反面、異物の発生となりやすく、本実施形態の組成物とすることが特に有用である点で、2価以上の金属元素であるMg、Ca、Ba、Zn、Fe、Sn、Zrの少なくとも何れかを含むことが好ましく、Mg、Ca、Baの少なくとも何れかを含むことがより好ましく、Caを少なくとも含むことがさらに好ましい。
組成物における前記群から選ばれる1種以上の金属元素の含有量は、組成物の硬化性を高める観点から、1種の金属元素の含有量(1種ごとの金属元素の含有量)として、組成物の全量(100質量%)に対して、0.01質量ppm以上であり、かつ、異物の析出を抑制する観点から、前記群に含まれる金属元素の含有量がそれぞれ1000質量ppm以下である。また、同様の観点から、上記群より選ばれる1種以上の金属元素の含有量は、0.03質量ppm以上、0.1質量ppm以上、0.3質量ppm以上、1質量ppm以上、50質量ppm以上、100質量ppm以上、150質量ppm以上、200質量ppm以上の順でより好ましく、それぞれの各金属元素の含有量が、750質量ppm以下、700質量ppm以下、500質量ppm以下、400質量ppm以下、300質量ppm以下の順でより好ましい。
また、前記群から選ばれる1種以上の金属元素であって、組成物の全量(100質量%)に対して0.01質量ppm以上であり、かつ、1000質量ppm以下である金属元素の種類は、上記の観点から、10種以下が好ましく、5種以下がより好ましく、3種以下がさらに好ましい。
組成物の各成分中の特定の金属元素の含有量を調整する方法としては、例えば、顔料を精製し、顔料に含まれる金属元素の含有量を調整する方法、顔料分散液の調製時に金属元素の含有量を調整する方法、組成物が接触する容器の材質を選択する方法が挙げられる。また、組成物における特定の金属元素の含有量は、下記実施例に記載の方法に準拠して測定される。
(水分)
本実施形態の組成物は水(水分)を含有し、その水分量は、組成物の全量(100質量%)に対して0.01質量%以上2質量%以下である。これにより、組成物の製造効率を高め、異物の析出を抑制することができる。本実施形態の組成物は、前述の飽和脂肪族カルボン酸と前述の群から選ばれる1種以上の金属元素とを含有する場合に、これらが塩を形成するなどの相互作用により異物となる傾向があったと推測される。この場合に、組成物が水を含む場合に異物がより発生しやすい傾向があったものの、水の含有量が上記の範囲である場合に、組成物の製造効率を高めながらも、異物の発生を抑制でき、さらに組成物の硬化性を優れたものにできる。
水分量は、組成物の製造効率を更に高める観点から、0.1質量%以上であると好ましい。一方、異物の析出を更に抑制する観点や、さらに組成物がビニルエーテル基を有する重合性化合物を含有する場合に組成物の保存安定性をより高める観点、及び、組成物がアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する場合にその光重合開始剤を組成物中に更に良好に溶解させる観点から、1.5質量%以下、1.2質量%以下、1質量%以下、0.5質量%以下の順に好ましい。
さらに、水の含有量が上記の範囲であって、組成物がビニルエーテル基を有する重合性化合物を含有する場合に、組成物の保存安定性を高めることができる。及びあるいは、組成物がアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する場合に、その光重合開始剤を組成物中に良好に溶解させることができる。
組成物における水分量を調整する方法としては、例えば、組成物の各成分、例えば重合性化合物、中の水分量を低減する方法、組成物から水分を除去する方法、組成物の調製時に混入する水分量を低減させる方法などが挙げられる。このうち、重合性化合物中の水分量を低減する方法として、より具体的には、重合性化合物を蒸留精製する方法、水を選択的に透過する半透過膜に重合性化合物を透過させる方法、及び水を吸着する水吸着剤に水を選択的に吸着させる方法が挙げられる。これらの中では、水分量をより効率的かつ確実に低減できる観点から、蒸留精製する方法が好ましい。水分量は、下記実施例に記載の方法に準拠して測定される。
水分としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加等によって滅菌した水を用いると、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる。これにより貯蔵安定性がより向上する傾向にある。
本実施形態の組成物は、下記一般式(1)を満たすことが、組成物の異物の抑制、硬化性の向上、組成物の製造効率、の点で、一層優れた組成物にでき好ましい。
A+400×B≦500 (1)
ここで、A(質量ppm)は前記群より選ばれる1種以上の金属元素の組成物の全量に対する含有量であり、B(質量%)は水の組成物の全量に対する含有量である。A+400×Bの値は、上記の点で、400以下がより好ましく、50以上、100以上、200以上の順でより好ましい。
〔光重合開始剤〕
本実施形態に係るインク組成物は光重合開始剤をさらに含むことが好ましい。該光重合開始剤は、ラジカル重合性化合物を硬化させることができるものであれば特に限定されず、従来公知の光ラジカル重合開始剤を用いることができる。
上記の光ラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、芳香族ケトン類、アシルホスフィンオキサイド化合物、チオキサントン化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオフェニル基含有化合物など)、α−アミノアルキルフェノン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物が挙げられる。
このなかでも、アシルホスフィンオキサイド化合物、又はチオキサントン化合物が好ましい。このような光ラジカル重合開始剤を用いることにより、UV−LEDによる硬化プロセスにより優れ、インク組成物の硬化性が一層優れる傾向にある。
アシルホスフィンオキサイ化合物としては、特に限定されないが、具体的には、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、及びビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。アシルホスフィンオキサイ化合物を含む場合、その組成物に対する含有量は、組成物の硬化性を一層優れたものにでき、組成物に対する溶解性を一層優れたものにできる点で、3質量%以上、5質量%以上、7質量%以上の順で好ましく、20質量%以下、15量%以下、13質量%以下の順で好ましい。
チオキサントン化合物としては、特に限定されないが、具体的には、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、及びクロロチオキサントンからなる群より選ばれた1種以上を含むことが好ましい。なお、特に限定されないが、ジエチルチオキサントンとしては2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントンとしては2−イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントンとしては2クロロチオキサントンが好ましい。このようなチオキサントン化合物を光重合開始剤として含むインク組成物であれば、硬化性、保存安定性、及び吐出安定性により優れる傾向にある。このなかでも、チオキサントン化合物がジエチルチオキサントンを含むと好ましい。ジエチルチオキサントンを含むことにより、幅広い領域の紫外光(UV光)により、一層効率良く、ラジカル重合を開始させる活性種を生成できる傾向にある。チオキサントン化合物を含む場合、その組成物に対する含有量は、組成物の硬化性を一層優れたものにでき、組成物に対する溶解性を一層優れたものにできる点で、0.5質量%以上、1質量%以上、1.5質量%以上の順で好ましく、5質量%以下、4量%以下、3質量%以下の順で好ましい。チオキサントン化合物を特に増感剤と呼ぶこともある。
その他の光ラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンが挙げられる。
〔その他の添加剤〕
インク組成物は、上記に挙げた添加剤以外の添加剤(成分)を含んでもよい。このような成分としては、特に制限されないが、例えば従来公知の、スリップ剤(界面活性剤)、重合促進剤、浸透促進剤、及び湿潤剤(保湿剤)、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤が挙げられる。
〔ラジカル重合性光硬化型インクジェット組成物の製造方法〕
組成物の製造方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、上記各成分を公知の方法で撹拌、分散させることによりインク組成物を製造することができる。また、白色顔料を含む顔料分散液を予め作製し、それを他の成分と混合することでインク組成物を製造することもできる。
〔組成物収容体〕
本実施形態は、上述の組成物を収容した組成物収容体(単に収容体とも呼ぶ)とすることができる。収容体は組成物を輸送に適するよう収容したものである。収容体の構成のうちの、組成物と接して組成物が直接的に充填される構成を特に容器と呼ぶ、容器は、容器の部材がフィルムであるパック(インクパックなど)が、収容体の軽量化、柔軟性などの点で好ましい。フィルムの材質は、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの樹脂を用いることができ、酸素透過性が低いこと、耐久性の点で、エチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましい。部材(フィルム)は樹脂からなる層にアルミなどの金属、金属酸化物などの無機層を積層して多層状にしたものでもよい。部材(フィルム)の膜厚は、部材の柔軟性、耐久性、気体のバリア性などの点で、0.05〜0.3mmが好ましく0.05〜0.2mmがより好ましい。
収容体は、容器を包含してこれを密封する包装体を備えていてもよい。包装体を備えることで、容器の保護、光線の遮断が可能な点、酸素や水分を遮断して容器内の組成物中に侵入することを防止する点で好ましい。包装体を構成する部材は上記の容器の部材と同様の物を用いることができ、フィルムが柔軟性や軽量化の点で好ましい。
収容体の容器の部材、あるいは容器が包装体を備える場合は包装体の部材、の少なくとも何れかは、部材の水蒸気透過率が、30g/m2・24hrs以下であることが好ましく、15g/m2・24hrs以下であることがより好ましく、10g/m2・24hrs以下であることが更に好ましく、5.0g/m2・24hrs以下であることが特に好ましい。水蒸気透過率が上記範囲のフィルムを用いることにより、パックを長期間保管しても、パック内に充填された組成物における水分量の上昇を抑制することができる。水蒸気透過率を上記範囲とするには、例えば、部材を構成する材料を選択したり、部材としてフィルムに、金属及び金属化合物の少なくとも一方から構成される層を設けたりすればよい。この中では、汎用性が高い観点から、金属及び金属化合物の少なくとも一方から構成される層を設けることが好ましい。金属としては、例えばAl及びTiが挙げられる。金属化合物としては金属酸化物が好ましく、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア及びジルコニアが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。なお、本明細書において、金属酸化物はシリカを包含するものとする。水蒸気透過率は、40℃、相対湿度90%の環境下で、測定した値であり、例えば、輸送・工業包装の技術(監修水口眞一、株式会社フジテクノシステムズ発行)に掲載されている材料の中から上記水蒸気透過率を満足するものを用いることもできる。収容体が収容する組成物の容量(体積)は、以下に制限されないが、0.1〜20Lが好ましく、下限は0.2L以上、0.5L以上、1L以上、2L以上の順でより好ましく、上限は15L以下、10L以下、5L以下の順でより好ましい。容量が上記範囲以上であると、収容体を交換することなく連続して組成物を使用可能である点で好ましく、容量が上記範囲以下であると、容器内の組成物の部材との接触面積を制限することで長期保管中の組成物の水分上昇を一層低減できる点で好ましい。
〔インクジェット方法〕
本実施形態は、前述の組成物を、インクジェット法によりインクジェットヘッドから吐出する吐出工程を備えるインクジェット方法とすることができる。吐出は、被吐出体へ対して行い、被吐出体へ組成物を付着させることとしてもよく、被吐出体としては被記録媒体などがあげられる。被吐出体へ付着させた組成物へ放射線を放射(照射)して組成物を硬化させる硬化工程を備えていてもよい。放射線としては前述のものを用いることができる。放射線源として、広く用いられており、小型化、省電力化などの点で、紫外線光源が好ましく、メタルハライドランプ、水銀ランプ、紫外線発光ダイオードなどがより好ましく、上記の点で紫外線発光ダイオードがさらに好ましい。紫外線光源としては、発光ピーク波長が、好ましくは360〜420nmの範囲に有するものが入手しやすい点で好ましい。硬化工程の照射エネルギーは、組成物を充分硬化させ、硬化工程の短時間化の点で、100〜1000mJ/cm2が好ましく、800mJ/cm2以下、mJ/cm2、600mJ/cm2以下の順、200mJ/cm2以上、300mJ/cm2以上の順でより好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。実施例では組成物の例としてインク組成物を用いた。
[組成物用の材料]
下記の実施例、及び比較例において使用したインク組成物用の主な材料は、以下の通りである。なお、実施例は表2に記載し、比較例は表3に記載している。重合性化合物はそれぞれ、後述の脱水工程効率評価のようにして組成物の水分量が表に示す各例の量になるように、各実施例及び比較例で用いた各重合性化合物を1回又は複数回蒸留精製してから用いたか、あるいは、イオン交換水を組成物に添加することで、水分量を表中の値となるように調整した。また、顔料は、1回又は複数回、純水で洗浄することで、組成物の金属元素の含有量が表の各例の値となるようにした。
〔ラジカル重合性化合物〕
(単官能モノマー)V#192(大阪有機化学工業社製、製品名)、フェノキシエチルアクリレート (表中ではPEAと記載)
(二官能モノマー)VEEA(日本触媒社製、製品名)、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル (表中ではVEEAと記載)
(二官能モノマー)SR508(Sartomer社製、製品名)、ジプロピレングリコールジアクリレート (表中ではDPGDAと記載)
〔光重合開始剤〕
Speedcure TPO(Lambson社製、製品名)
Speedcure DETX(Lambson社製、製品名)
〔重合禁止剤〕
LA−7RD(アデカスタブ LA−7RD(2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル、ADEKA社製商品名、表中ではLA−7RDと記載)
〔界面活性剤〕
BYK3500(ビックケミージャパン社製、製品名)
〔白色顔料〕
アルミナ表面処理を施した酸化チタン(石原産業社製、製品名「CR−50」)
〔高分子分散剤〕
BYK180(ビックケミージャパン社製、製品名)
〔飽和脂肪族カルボン酸〕
コハク酸
アジピン酸
ラウリン酸
パルミチン酸
2−ナフトエ酸
クエン酸
アジピン酸ジエチル
[実施例、比較例]
[インク組成物及びインクパックの調製]
各材料を表に示す組成(質量%)で混合し、十分に撹拌し、実施例及び比較例の各インク組成物を得た。ただし、比較例7のPEAについては、組成物の合計が100質量部となるように含有量を調整した。各インク組成物600mlを、空の状態で30×15cmの大きさの長方形のインク注入口以外の四辺をヒートシールしたパックに注入口から注入し、パック内に空気が残らないよう注入口をヒートシールして各インクパックを作製した。パックを構成するフィルムは、エチレン−ビニルアルコール共重合体製のフィルム(厚み0.1mm)にシリカ層(厚み50nm)を設けた積層フィルムとした。フィルムの前述の方法で測定した水蒸気透過率は、5g/m2・24hrsであった。下記の各測定と評価を行った。
(水分量の測定)
水分計(平沼産業社製:製品名「自動加熱気化水分測定システムAQS−22010」)を用い、カール・フィッシャー電量法により、組成物中の水分量を測定した。結果を表に示す。
(金属元素の含有量の測定)
ICP発光分光分析法(ICP発光分光分析装置、日立ハイテク社製)により、組成物の金属元素の含有量を測定した、Ca(カルシウム)についての値を表に記載する。なお、カルシウム以外の、Li、Na、K、Ag、Mg、Ba、Zn、Fe、Sn、Zrの金属元素についても同様にして測定を行ったところ、それぞれの金属元素の含有量は、同一の組成物についてのカルシウムの値以下であった。結果を表(質量ppm)に示す。前述の一般式(1)の値も示す。
[評価]
〔長期放置後分散回復性〕
上記のようにして作製したインクパックを、長方形の面を水平にして室温(25℃)で1年間静置した。静置後のインクパック中のインク組成物を、長方形の面を水平にした状態で、長方形の長辺の方向へ両側5cmの距離の振り幅で、速度50cm/秒で往復70回移動させ、長方形の面を裏返して同様に長方形の面を水平にして、同様にしてさらに往復50回移動させることで攪拌した後、パックのインク注入口を上にして、パックの上部のインクを採取し、インク組成物の吸光度(Abs)と、放置前のインク組成物の吸光度を吸光度計(日立製作所社製、製品名U−3300分光光度計)を用いて測定した。測定値より吸光度の変化率を算出して以下の評価基準により評価した。結果を表に示す。なお、沈降成分が多いほどインク組成物中の白色顔料が薄くなる傾向にあり、放置後の吸光度が低くなる。
(評価基準)
AA : 0%以上10%未満。
A : 10%以上20%未満。
B : 20%以上30%未満。
C : 30%以上。
(脱水工程効率(製造効率))
常法により得られた各重合性化合物を、ロータリーエバポレーターを用いて、1回蒸留精製した。蒸留精製後の各重合性化合物を用いて、表の各例に示す組成の組成物を調製して、その水分量を測定した。水分量が表の各例に示す数値になるまで、上記蒸留精製、組成物の調製及び水分量の測定を繰り返した。蒸留精製の回数に基づいて下記のように評価した。蒸留精製の回数が少ないほど、脱水工程効率(製造効率)が高いことを示す。結果を表に示す。
(評価基準)
A:1回以下。あるいは蒸留精製不要。
B:2〜3回。
C:4〜5回。
D:6回以上。
(硬化性)
バーコーターを用いて、組成物をPETフィルム(PET50A PLシン〔商品名〕、リンテック社製)上に塗り、厚さ12μmの塗膜を作製した。その後、照射強度が1100mW/cm2であり且つ波長が395nmである紫外線を紫外線発光ダイオードの光源から照射して上記塗膜を硬化させた。硬化した塗膜(硬化膜)を、綿棒を用いて100g加重で10回擦り、傷が付かなくなる時点の硬化エネルギー(照射エネルギー)を求めた。
なお、照射エネルギー[mJ/cm2]は、光源から照射される被照射表面における照射強度[mW/cm2]を測定し、これと照射継続時間[s]との積から求めた。照射強度の測定は、紫外線強度計UM−10、受光部UM−400(いずれもコニカミノルタセンシング社(KONICA MINOLTA SENSING, INC.)製)を用いて行った。照射強度の結果に基づいて下記の評価基準で評価した。結果を表に示す。
(評価基準)
AA:250mJ/cm2以下。
A:250mJ/cm2を超えて350mJ/cm2以下。
B:350mJ/cm2を超えて400mJ/cm2以下。
C:400mJ/cm2超。
(長期放置後析出物)
上記のようにして作製したインクパックを、25℃で12ヶ月保管した。保管後、パック内の組成物を取り出し、10μm系のフィルターに組成物10ccを通過させた。通過後、フィルターを100倍の光学顕微鏡で観察し、濾過されずに残った残留物のうち、IRで確認するなどして顔料を含まないものの数を数えた。なお、本実施例では飽和脂肪族カルボン酸と金属とに起因して異物が発生すると考えて、顔料を含まない残留物(異物)に着目した。残留物の数により下記評価基準で評価を行った。
(評価基準)
AA: 5個以下。
A : 6〜20個。
B : 21〜50個。
C : 51個以上。
Figure 2015203036
Figure 2015203036
実施例1〜17から、本発明の組成物は、特定の飽和脂肪族カルボン酸を含むことにより長期放置後の分散回復性に優れることが示され、また、特定の金属元素の含有量が特定の範囲であり、かつ、水分量の含有量が特定の範囲であることにより、硬化性、長期保管後の析出物の低減、脱水工程の効率化の点で何れも優れていることが示された。これに対し、本発明の組成物ではない比較例は、長期放置後の分散回復性、硬化性、長期保管後の析出物の低減、脱水工程の効率化の少なくとも何れかが劣っていた。
なお、表中には記載しなかったが、パックの組成物の収容体積を25Lとしたこと以外は実施例1と同様にして長期放置後析出物評価を行ったところ、実施例1よりも劣っていた。このことから、組成物収容体の組成物の収容体積が前述の範囲以下の場合に、長期保管後の析出物の低減の点で一層好ましいことが判った。

Claims (8)

  1. ラジカル重合性化合物と、顔料と、飽和脂肪族カルボン酸と、を含み、Li、Na、K、Ag、Mg、Ca、Ba、Zn、Fe、Sn、及びZrからなる群より選ばれる1種以上の金属元素の組成物の全量に対する含有量が0.01質量ppm以上であり、かつ、前記群に含まれる金属元素の含有量がそれぞれ1000質量ppm以下であり、水の組成物の全量に対する含有量が0.01〜2質量%である、ラジカル重合性放射性硬化型インクジェット組成物。
  2. 前記飽和脂肪族カルボン酸の、組成物の全量に対する含有量が、0.05〜0.25質量%である、請求項1に記載のラジカル重合性放射性硬化型インクジェット組成物。
  3. 下記一般式(1)を満たす、請求項1又は2に記載のラジカル重合性放射性硬化型インクジェット組成物。
    A+400×B≦500 (1)
    (ここで、A(質量ppm)は前記群より選ばれる1種以上の金属元素の組成物の全量に対する含有量であり、B(質量%)は水の組成物の全量に対する含有量である。)
  4. 前記群より選ばれる1種以上の金属元素の組成物の全量に対する含有量が0.3〜400質量ppmであり、前記水の組成物の全量に対する含有量が0.01〜1.2質量%である、請求項1〜3の何れか1項に記載のラジカル重合性放射性硬化型インクジェット組成物。
  5. 前記金属元素として2価以上の金属元素を含む、請求項1〜4の何れか1項に記載のラジカル重合性放射性硬化型インクジェット組成物。
  6. 前記顔料として、白色顔料を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のラジカル重合性放射性硬化型インクジェット組成物。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載のラジカル重合性放射性硬化型インクジェット組成物を収容し、組成物の収容体積が0.1〜20Lである、組成物収容体。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載のラジカル重合性放射性硬化型インクジェット組成物をインクジェットヘッドから吐出するインクジェット方法。
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