JP7095406B2 - インクジェット記録方法及び基材とインクのセット - Google Patents

インクジェット記録方法及び基材とインクのセット Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット記録方法及び基材とインクのセットに関し、より詳しくは、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンあるいはアルミニウムによって構成された最表層を有する基材上に画像記録を行う場合において、ブルーミングの抑制と、耐スクラッチ性とを両立するインクジェット記録方法及び基材とインクのセットに関する。
本出願人は活性光線硬化型インクジェットインクにゲル化剤を含有させる技術を開示している(特許文献1~3)。
ゲル化剤を含有する活性光線硬化型インクジェットインクは、ゲル化剤による相転移が可能であるため、液体状態でインクジェットヘッドから射出し、基材着弾後にゲル化させてインク滴同士の合一を防止することができる。
特開2013-221048号公報 特開2013-121992号公報 特開2014-166756号公報
かかる活性光線硬化型インクジェットインクを硬化させた後の画像表面におけるワックスの析出(以下、「ブルーミング」ともいう。)を防止することについても検討がなされている(特許文献1、2)。
しかしながら、従来の技術には、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンあるいはアルミニウムによって構成された最表層を有する基材上に画像記録を行う場合において、ブルーミングの抑制と、耐スクラッチ性とを両立する観点で、更なる改善の余地が見出された。
そこで本発明の課題は、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンあるいはアルミニウムによって構成された最表層を有する基材上に画像記録を行う場合において、ブルーミングの抑制と、耐スクラッチ性とを両立するインクジェット記録方法及び基材とインクのセットを提供することにある。
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.
基材上に設けられたコート層上にインクジェット法により活性光線硬化型インクジェットインクを付与してインク層を形成し、
次いで、前記インク層に活性光線を照射して前記インク層を硬化させるインクジェット記録方法であって、
前記基材は、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種により構成された最表層を有し、
前記コート層は、前記基材の前記最表層上に設けられ、ESCAによる表面元素分析による塩素/炭素比(Cl/C)が0.025≦(Cl/C)≦0.43の条件を満たし、
前記活性光線硬化型インクジェットインクは、光重合性化合物、光重合開始剤、顔料及びゲル化剤を少なくとも含有することを特徴とするインクジェット記録方法。
2.
前記コート層は、塩化ビニル重合体又は共重合体を少なくとも含有することを特徴とする前記1記載のインクジェット記録方法。
3.
前記顔料として、酸化チタンを少なくとも含有することを特徴とする前記1又は2記載のインクジェット記録方法。
4.
前記活性光線硬化型インクジェットインクの総量に対して前記ゲル化剤の含有量が0.5質量%以上10質量%以下であることを特徴とする前記1~3の何れかに記載のインクジェット記録方法。
5.
前記ゲル化剤として、下記一般式(G1)で表される化合物及び下記一般式(G2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする前記1~4の何れかに記載のインクジェット記録方法。
一般式(G1):R-CO-R
一般式(G2):R-COO-R
〔式中、R~Rは、それぞれ独立に、炭素数が9~25の範囲である直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を表す。〕
6.
ポリエチレンテレフタレート、ナイロン及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種により構成された最表層を有する基材と、該基材上に設けられたコート層とによって構成され、前記コート層は、ESCAによる表面元素分析による塩素/炭素比(Cl/C)が0.025≦(Cl/C)≦0.43の条件を満たすコート層付き基材と、
光重合性化合物、光重合開始剤、顔料及びゲル化剤を少なくとも含有し、前記コート層付き基材の前記コート層上にインクジェット記録するための活性光線硬化型インクジェットインクと、
によって構成されたことを特徴とする基材とインクのセット。
7.
前記コート層は、塩化ビニル重合体又は共重合体を少なくとも含有することを特徴とする前記6記載の基材とインクのセット。
8.
前記活性光線硬化型インクジェットインクは、前記顔料として、酸化チタンを少なくとも含有することを特徴とする前記6又は7記載の基材とインクのセット。
9.
前記活性光線硬化型インクジェットインクの総量に対して前記ゲル化剤の含有量が0.5質量%以上10質量%以下であることを特徴とする前記6~8の何れかに記載の基材とインクのセット。
10.
前記活性光線硬化型インクジェットインクは、前記ゲル化剤として、下記一般式(G1)で表される化合物及び下記一般式(G2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする前記6~9の何れかに記載の基材とインクのセット。
一般式(G1):R-CO-R
一般式(G2):R-COO-R
〔式中、R~Rは、それぞれ独立に、炭素数が9~25の範囲である直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を表す。〕
本発明によれば、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンあるいはアルミニウムによって構成された最表層を有する基材上に画像記録を行う場合において、ブルーミングの抑制と、耐スクラッチ性とを両立するインクジェット記録方法及び基材とインクのセットを提供することができる。
以下に、本発明を実施するための形態について詳しく説明する。
1.インクジェット記録方法
本発明に係るインクジェット記録方法は、基材上に設けられたコート層上にインクジェット法により活性光線硬化型インクジェットインクを付与してインク層を形成し、次いで、前記インク層に活性光線を照射して前記インク層を硬化させる。ここで、前記基材は、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種により構成された最表層を有し、前記コート層は、前記基材の前記最表層上に設けられ、ESCAによる表面元素分析による塩素/炭素比(Cl/C)が0.025≦(Cl/C)≦0.43の条件を満たす。また、前記活性光線硬化型インクジェットインクは、光重合性化合物、光重合開始剤、顔料及びゲル化剤を少なくとも含有する。
かかるインクジェット記録方法によれば、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンあるいはアルミニウムによって構成された最表層を有する基材上に画像記録を行う場合において、ブルーミングの抑制と、耐スクラッチ性とを両立することができる。この理由については、以下のように推定される。
従来の技術では、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンあるいはアルミニウムによって構成された最表層を有する基材上に画像記録を行う場合、ブルーミングの抑制が困難になることがわかった。このような最表層は、極性が高く、親水性が高いため、疎水性であるゲル化剤との親和性が低く、ゲル化剤が画像表面(硬化後のインク層表面)に配向し、ブルーミングし易い状態になることが原因と考えられる。
これに対して、基材の最表層上に、ESCAによる表面元素分析による塩素/炭素比(Cl/C)が0.025≦(Cl/C)≦0.43の条件を満たすコート層を設けた場合、ゲル化剤がインク層表面に配向することが抑制されるだけでなく、ゲル化剤がコート層表面に配向することも抑制され、ブルーミングの抑制と、耐スクラッチ性とを両立することができる。
塩素/炭素比(Cl/C)が0.43を超えると、コート層表面の親水性が高くなり、ゲル化剤がインク層表面に配向するため、ブルーミングを抑制できない。
一方、塩素/炭素比(Cl/C)が0.025未満であると、コート層表面の親水性が過剰に低下し、ゲル化剤がコート層表面に配向する。その結果、インク層におけるコート層側の領域がゲル化剤によって強度低下し、スクラッチによって凝集破壊を生じ易くなる。
以下に、インクジェット記録方法について詳しく説明する。
(1)基材
基材は、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種により構成された最表層を有する。
ポリエチレンテレフタレートにより構成された最表層を有する基材は格別限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンテレフタレート貼合紙等が挙げられる。
ナイロンにより構成された最表層を有する基材は格別限定されないが、例えば、ナイロンフィルム、ナイロン貼合紙等が挙げられる。
アルミニウムにより構成された最表層を有する基材は格別限定されないが、例えば、アルミ蒸着紙、アルミ貼合紙、アルミペースト塗工紙、アルミ蒸着フィルム等が挙げられる。
(2)コート層
コート層は、上述した基材の最表層上に設けられる。かかる、コート層は、ESCAによる表面元素分析による塩素/炭素比(Cl/C)が、0.025≦(Cl/C)≦0.43の条件、好ましくは0.05≦(Cl/C)≦0.20の条件を満たす。
ESCAによる表面元素分析の分析条件としては、例えば、コート層が形成された基材を、1辺がおよそ10mmとなるように切り出し、下記の条件でESCAを用いて表面組成分析を行うことが挙げられる。
・測定装置:サーモサイエンティフィック社製「K-Alpha」
・測定光源:Al(モノクロメータ)
・ビーム径:400μm
・中和銃:ON
・スペクトル:Narrowモード
・測定元素:C、Cl
・パスエネルギー:50eV
・ステップサイズ:0.1eV
塩素/炭素比(Cl/C)におけるCl及びCは、コート層の表面に存在する塩素原子比率及び炭素原子比率(質量%)に対応し、これらの原子比率は面積強度から算出する。
コート層は、ポリマーによって構成されることが好ましく、上述した塩素/炭素比(Cl/C)の条件を満たすために、少なくとも塩素含有ポリマーを含むことが好ましい。
塩素/炭素比(Cl/C)の調整は、例えば、(a)塩素含有ポリマーにおける塩素含有率を調整する方法、(b)塩素含有率の異なる複数種の塩素含有ポリマーを併用し、これらの配合割合を調整する方法、(c)塩素含有ポリマーと塩素を含有しないポリマーとを併用し、これらの配合割合を調整する方法から選ばれる1以上の方法によって適宜行うことができる。
コート層は、塩素含有ポリマーとして、塩化ビニル重合体又は共重合体を少なくとも含有することが好ましい。
塩化ビニル重合体としては、塩化ビニルのホモポリマーを用いることができる。
コート層に塩化ビニル重合体を用いる場合は、上述した塩素/炭素比(Cl/C)の条件を好適に満たすように、他のポリマーを併用することが好ましい。
塩化ビニル重合体と併用される他のポリマーは、塩化ビニル重合体を単独使用した場合との対比で塩素/炭素比(Cl/C)を低下できるものであることが好ましい。かかる他のポリマーとして、例えば、塩化ビニル重合体よりも塩素含有率が低い塩素含有ポリマー、塩素を含有しないポリマー等から選ばれる1種以上を用いることができる。このような他のポリマーとして、例えば、酢酸ビニル重合体等が挙げられる。
塩化ビニル共重合体は、塩化ビニルと、該塩化ビニルと共重合が可能な他のモノマーとを共重合したものであればよい。かかる他のモノマーとして、例えば、酢酸ビニル、アクリル化合物、スチレン化合物等が挙げられる。
アクリル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸-2-(ジエチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸-2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられる。
スチレン化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン等が挙げられる。
塩化ビニルと酢酸ビニルとを共重合してなる塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体は、例えば、信越化学工業社製「ビニブラン603」(ビニブランは登録商標。以下、同じ。)等として市販されている。
塩化ビニルとアクリル化合物とを共重合してなる塩化ビニル-アクリル化合物共重合体は、例えば、信越化学工業社製「ビニブラン271」、「ビニブラン278」、「ビニブラン690」、「ビニブラン902」、「ビニブラン900」等として市販されている。
塩素含有ポリマーは、以上に例示したような、塩化ビニルをモノマーとして用いた塩化ビニル系ポリマーに限定されず、分子中に炭素と塩素とを少なくとも含むポリマーを用いることができる。このような塩素含有ポリマーとして、例えば、塩素化ポリオレフィン、塩素化(エチレン-酢酸ビニル共重合体)等を用いてもよい。塩素化ポリオレフィン、塩素化(エチレン-酢酸ビニル共重合体)は、例えば、日本製紙社製「スーパークロン」(登録商標)シリーズとして市販されている。
塩素含有ポリマーは、例えば塩化ビニル重合体又は共重合体等のように、炭素によって構成された主鎖(C-C)に、塩素からなる側鎖(C-Cl)を有することが好ましい。コート層において、側鎖(C-Cl)は極性が高いため、極性が高い基材の最表層側に配向して密着することができる。これにより、インク層の下地となるコート層が安定化され、インク層が堅牢に保持されるため、耐スクラッチ性が向上する。このとき、コート層は、極性が低い主鎖(C-C)がゲル化剤に対して親和性を示すため、極性が高い側鎖(C-Cl)を有しているにもかかわらず、ゲル化剤がインク層表面に配向することを抑制でき、ブルーミング抑制効果も良好に発揮される。
塩素含有ポリマーに塩素を含有しないポリマーを併用する場合、塩素を含有しないポリマーは格別限定されず、例えば、酢酸ビニル重合体、上述したアクリル化合物の重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン等から選ばれる1種以上を用いることができる。
(3)活性光線硬化型インクジェットインク
ア.光重合性化合物、光重合開始剤
インクとしては、活性光線により硬化可能なインク(インク組成物)を用いることができ、具体的には光重合性化合物を含有するインクを用いることができる。このようなインクとして、例えば、ラジカル重合性化合物を含有するラジカル硬化型のインクや、カチオン重合性化合物を含有するカチオン硬化型のインク等が挙げられる。
「活性光線」とは、その照射によりインク組成物中に開始種を発生させるエネルギーを付与できる光線であり、α線、γ線、X線、紫外線、電子線等を包含する。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。
光重合性化合物は、上記活性光線を照射されることにより重合し、インクを硬化させる作用を有する。光重合性化合物は、モノマー、重合性オリゴマー、プレポリマー又はこれらの混合物の何れであってもよい。光重合性化合物は、インク中に、1種のみが含まれていてもよく、2種類以上が含まれていてもよい。
光重合性化合物の含有量は、例えば、インクの全質量に対して1~97質量%の範囲とすることが硬化性や柔軟性などの膜物性の観点で好ましく、30~95質量%の範囲であることがより好ましい。
ラジカル重合性化合物は格別限定されず、例えば、N-ビニル化合物(N-C=C構造を有する化合物)、不飽和カルボン酸エステル等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。例えば、1種以上のN-ビニル化合物と、1種以上の不飽和カルボン酸エステルとを併用してもよい。
N-ビニル化合物としては、例えば、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド等が挙げられる。N-ビニルカプロラクタムとしては、例えば、N-ビニル-2-カプロラクタム等が挙げられる。N-ビニルピロリドンとしては、例えば、N-ビニル-2-ピロリドン等が挙げられる。
不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタアクリレートを意味し、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基又はメタアクリロイル基を意味し、「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。
(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル-ジグリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチル-フタル酸及びt-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを含む単官能のアクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA構造を有するジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート及びトリプロピレングリコールジアクリレートを含む2官能の(メタ)アクリレート、並びに、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレートを含む3官能以上の(メタ)アクリレート、ポリエステルアクリレートオリゴマーを含む(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマー、並びにこれらの変性物等が挙げられる。
上記変性物の例には、エチレンオキサイド基を挿入したエチレンオキサイド変性(EO変性)アクリレート、プロピレンオキサイドを挿入したプロピレンオキサイド変性(PO変性)アクリレート、及びカプロラクトン変性アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリレートとして、分子量が280~1500の範囲であり、かつ、ClogP値が4.0~7.0の範囲の(メタ)アクリレート化合物(以下、単に「(メタ)アクリレート化合物A」ともいう)を1種以上含んでもよい。
インクに(メタ)アクリレート化合物Aを含有することで、着弾後のインク粘度を適度に高めて、画質を更に向上することができる。特に、インクに(メタ)アクリレート化合物Aとゲル化剤とを含有させることで、このような効果が顕著になる。
(メタ)アクリレート化合物Aは、(メタ)アクリレート基を2以上有することがより好ましい。
(メタ)アクリレート化合物Aの分子量は、上記のように280~1500の範囲であり、300~800の範囲であることがより好ましい。
ここで、(メタ)アクリレート化合物Aの分子量は、下記市販のソフトウェアパッケージ1又は2を用いて測定することができる。
ソフトウェアパッケージ1:MedChem Software (Release 3.54,1991年8月、Medicinal Chemistry Project, Pomona College,Claremont,CA)
ソフトウェアパッケージ2:Chem Draw Ultra ver.8.0.(2003年4月、CambridgeSoft Corporation,USA)
また、「logP値」とは、水と1-オクタノールに対する有機化合物の親和性を示す係数である。1-オクタノール/水分配係数Pは、1-オクタノールと水の二液相の溶媒に微量の化合物が溶質として溶け込んだときの分配平衡で、それぞれの溶媒中における化合物の平衡濃度の比であり、底10に対するそれらの対数logPで示す。すなわち、「logP値」とは、1-オクタノール/水の分配係数の対数値であり、分子の親疎水性を表す重要なパラメータとして知られている。
「ClogP値」とは、計算により算出したlogP値である。ClogP値は、フラグメント法や、原子アプローチ法等により算出されうる。より具体的に、ClogP値を算出するには、文献(C.Hansch及びA.Leo、“Substituent Constants for Correlation Analysis in Chemistry and Biology”(John Wiley & Sons, New York, 1969))に記載のフラグメント法又は下記市販のソフトウェアパッケージ1又は2を用いればよい。
ソフトウェアパッケージ1:MedChem Software (Release 3.54,1991年8月、Medicinal Chemistry Project, Pomona College,Claremont,CA)
ソフトウェアパッケージ2:Chem Draw Ultra ver.8.0.(2003年4月、CambridgeSoft Corporation,USA)
本願明細書に記載するClogP値の数値は、ソフトウェアパッケージ2を用いて計算した「ClogP値」である。
インクに含まれる(メタ)アクリレート化合物Aの量は格別限定されないが、インク全質量中、1~40質量%の範囲であることが好ましく、5~30質量%の範囲であることがより好ましい。(メタ)アクリレート化合物Aの量を1質量%以上とすることで、インクが親水的になりすぎず、ゲル化剤がインクに十分に溶解するため、インクがゾル・ゲル相転移しやすくなる。一方、(メタ)アクリレート化合物Aの量を40質量%以下とすることで、光重合開始剤をインクに十分に溶解させることができる。
(メタ)アクリレート化合物Aのより好ましい例には、(1)分子内に(-C(CH)H-CH-O-)で表される構造を3~14個有する、三官能以上のメタクリレート又はアクリレート化合物、及び(2)分子内に環状構造を持つ二官能以上のメタクリレート又はアクリレート化合物が含まれる。これらの(メタ)アクリレート化合物は、光硬化性が高く、かつ硬化したときの収縮が少ない。さらに、ゾル-ゲル相転移の繰り返し再現性が高い。
分子内に(-C(CH)H-CH-O-)で表される構造を3~14個有する、三官能以上のメタクリレート又はアクリレート化合物とは、例えば、3個以上のヒドロキシ基を有する化合物のヒドロキシ基をプロピレンオキシド変性し、得られた変性物を(メタ)アクリル酸でエステル化したものである。この化合物の具体例としては、3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(分子量:471、ClogP:4.90、Cognis社製「Photomer 4072」)、3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(分子量:471、ClogP:4.90、Miwon社製「Miramer M360」)等が挙げられる。
分子内に環状構造を持つ二官能以上のメタクリレート又はアクリレート化合物とは、例えば、2以上のヒドロキシ基とトリシクロアルカンとを有する化合物のヒドロキシ基を、(メタ)アクリル酸でエステル化したものである。この化合物の具体例としては、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(分子量:304、ClogP:4.69、新中村化学社製「NKエステルA-DCP」)、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(分子量:332、ClogP:5.12、新中村化学社製「NKエステルDCP」)等が挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物Aの別の具体例としては、1,10-デカンジオールジメタクリレート(分子量:310、ClogP:5.75、新中村化学社製「NKエステルDOD-N」等も挙げられる。
(メタ)アクリレートとして、上述した(メタ)アクリレート化合物A以外の(メタ)アクリレートを1種以上含んでもよい。1種以上の(メタ)アクリレート化合物Aと、1種以上の(メタ)アクリレート化合物A以外の(メタ)アクリレートとを併用してもよい。
(メタ)アクリレート化合物A以外の(メタ)アクリレートとして、例えば、ClogP値が4.0未満である(メタ)アクリレートモノマー、又はオリゴマー、ClogP値が7.0を超える(メタ)アクリレートモノマー、又はオリゴマー、その他の重合性オリゴマー等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリレートモノマー、又はオリゴマーの例には、4EO変性ヘキサンジオールジアクリレート(Sartomer社製「CD561」、分子量358);3EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(Sartomer社製「SR454」、分子量429);4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(Sartomer社製「SR494」、分子量528);6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(Sartomer社製「SR499」、分子量560);カプロラクトンアクリレート(Sartomer社製「SR495B」、分子量344);ポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学社製「NKエステルA-400」、分子量508)、(新中村化学社製「NKエステルA-600」、分子量708);ポリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学社製「NKエステル9G」、分子量536)、(新中村化学社製「NKエステル14G」);テトラエチレングリコールジアクリレート(大阪有機化学社製「V#335HP」、分子量302);ステアリルアクリレート(大阪有機化学社製「STA」);フェノールEO変性アクリレート(Miwon社製「M144」);ノニルフェノールEO変性アクリレート(Miwon社製「M166」)等が含まれる。
また、(メタ)アクリレートとして、例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、直鎖アクリルオリゴマー等を用いてもよい。ウレタンアクリレートとしては、例えば、脂肪族ウレタンアクリレート、芳香族ウレタンアクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性化合物としては、例えば、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。
エポキシ化合物としては、例えば、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド又は脂肪族エポキシド等が挙げられる。
芳香族エポキシドは、多価フェノール又はそのアルキレンオキサイド付加体と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるジ又はポリグリシジルエーテルでありうる。反応させる多価フェノール又はそのアルキレンオキサイド付加体の例には、ビスフェノールA又はそのアルキレンオキサイド付加体等が含まれる。アルキレンオキサイド付加体におけるアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等でありうる。
脂環式エポキシドは、シクロアルカン含有化合物を、過酸化水素や過酸等の酸化剤でエポキシ化して得られるシクロアルカンオキサイド含有化合物でありうる。シクロアルカンオキサイド含有化合物におけるシクロアルカンは、シクロヘキセン又はシクロペンテンでありうる。
脂肪族エポキシドは、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加体と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるジ又はポリグリシジルエーテルでありうる。脂肪族多価アルコールの例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6-ヘキサンジオール等のアルキレングリコール等が含まれる。アルキレンオキサイド付加体におけるアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等でありうる。
ビニルエーテル化合物としては、例えば、エチルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル-o-プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物;エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物等が挙げられる。
オキセタン化合物としては、例えば、ジ(1-エチル-3-オキセタニル)メチルエーテル、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタン等が挙げられる。
オキセタン化合物は、分子内に1以上のオキセタン環を有する化合物であればよく、その例には、特開2001-220526号公報、特開2001-310937号公報、特開2005-255821号公報に記載のオキセタン化合物等も含まれる。中でも、特開2005-255821号公報に記載された下記一般式(1)、(2)、(7)、(8)及び(9)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007095406000001
上記一般式(1)、(2)、(7)、(8)及び(9)において、Rは、例えば、水素原子や炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基である。Rは、例えば、炭素数1~6個のアルキル基、炭素数2~6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、芳香環を有する基、炭素数2~6個のアルキルカルボニル基、炭素数2~6個のアルコキシカルボニル基、または炭素数2~6個のN-アルキルカルバモイル基等である。Rは、例えば、線状または分枝状アルキレン基、線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、線状または分枝状不飽和炭化水素基、またはカルボニル基またはカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基等である。Rは、例えば、炭素数1~4個のアルキル基、またはアリール基である。Rは、例えば、炭素数1~12の分枝状アルキレン基、分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基又は分枝状ポリシロキシ基等である。R11は、例えば、炭素数1~4のアルキル基又はトリアルキルシリル基である。また、jは、例えば3又は4であり、rは例えば1~4である。
光重合開始剤としては、上述した光重合性化合物がラジカル重合性の官能基を有する化合物(ラジカル重合性化合物)である場合は、光ラジカル開始剤を用いることができ、前記光重合性化合物がカチオン重合性の官能基を有する化合物(カチオン重合性化合物)である場合は、光酸発生剤を用いることができる。
光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。光重合開始剤として、1種以上の光ラジカル開始剤と、1種以上の光酸発生剤とを併用してもよい。
光ラジカル開始剤としては、例えば、開裂型ラジカル開始剤及び水素引き抜き型ラジカル開始剤等が挙げられる。
開裂型ラジカル開始剤としては、例えば、アセトフェノン系開始剤、ベンゾイン系開始剤、アシルホスフィンオキシド系開始剤、ベンジル及びメチルフェニルグリオキシエステル等が挙げられる。
アセトフェノン系開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン及び2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン等が挙げられる。
ベンゾイン系開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。
アシルホスフィンオキシド系開始剤としては、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。
水素引き抜き型ラジカル開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系開始剤、チオキサントン系開始剤、アミノベンゾフェノン系開始剤、10-ブチル-2-クロロアクリドン、2-エチルアンスラキノン、9,10-フェナンスレンキノン及びカンファーキノン等が挙げられる。
ベンゾフェノン系開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル-4-フェニルベンゾフェノン、4,4′-ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4′-メチル-ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3′,4,4′-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン及び3,3′-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
チオキサントン系開始剤としては、例えば、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン及び2,4-ジクロロチオキサントン等が挙げられる。
アミノベンゾフェノン系開始剤としては、例えば、ミヒラーケトン及び4,4′-ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
光酸発生剤としては、例えば、トリアリルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のトリアリルスルホニウム塩;ジアリールヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ヨードニウム[4-(4-メチルフェニル-2-メチルプロピル)フェニル]ヘキサフルオロホスフェート等のヨードニウム塩;テトラフルオロホスホニウムヘキサフルオロホスフェート等のホスホニウム塩;ピリジウム塩等を挙げることができる。光酸発生剤として、例えば、サンアプロ社製「CPI-100P」(トリアリルスルホニウム塩のプロピレンカーボネート)等の市販品を用いてもよい。
また、光酸発生剤の例には、有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187~192ページに記載の化合物も含まれる。
光重合開始剤の含有量は、インクが十分に硬化できる範囲であればよく、例えば、インクの全質量に対して0.01~10質量%の範囲とすることができる。
イ.顔料
顔料は格別限定されないが、コート層によるブルーミング抑制効果を顕著に発揮させ、且つ耐スクラッチ性を更に向上する観点で、酸化チタンを少なくとも含有することが好ましい。
酸化チタンは、他色の顔料に比べて親水性が高く、疎水性であるゲル化剤との親和性が低いため、本来的に、インク層表面へのゲル化剤の配向を促進してブルーミングを生じ易かった。そのため、コート層を設けることによって、コート層を設けない場合に比べて、ブルーミング抑制効果が顕著に発揮される。
また、親水性が高い酸化チタンは、適度に親水性であるコート層に対して馴染み易いため、ゲル化剤のコート層側への配向を抑制することにも寄与する。これにより、耐スクラッチ性を更に向上することができる。従って、酸化チタンは、ブルーミング抑制効果と耐スクラッチ性を好適に両立するように、インク層中におけるゲル化剤の分布バランスをとることに寄与する。
酸化チタンは白顔料として用いることができる。
顔料は酸化チタンに限定されず、例えば、カラーインデックスに記載される下記番号の有機顔料又は無機顔料も用いることができる。これらは、酸化チタンと併用されてもよい。
赤又はマゼンタ顔料としては、例えば、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36から選ばれる顔料又はその混合物等が挙げられる。
青又はシアン顔料としては、例えば、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17-1、22、27、28、29、36、60から選ばれる顔料又はその混合物等が挙げられる。
緑顔料としては、例えば、Pigment Green 7、26、36、50から選ばれる顔料又はその混合物等が挙げられる。
黄顔料としては、例えば、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193から選ばれる顔料又はその混合物等が挙げられる。
黒顔料としては、例えば、Pigment Black 7、28、26から選ばれる顔料又はその混合物等が挙げられる。
顔料の分散は、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、及びペイントシェーカー等により行うことができる。
インクジェットヘッドからの吐出性をより高める観点からは、顔料粒子の平均分散粒子径は、50~150nmの範囲であり、最大粒子径は300~1000nmの範囲であることが好ましい。さらに好ましい平均分散粒子径は80~130nmの範囲である。
顔料粒子の平均分散粒子径とは、データサイザーナノZSP、Malvern社製を使用して動的光散乱法によって求めた値を意味する。なお、顔料を含むインクは濃度が高く、この測定機器では光が透過しないので、インクを200倍で希釈してから測定する。測定温度は常温(25℃)とする。
顔料の分散は、顔料、分散剤、及び分散媒体の選定、分散条件、及び濾過条件等によって、調整される。
インクは、顔料の分散性を高めるために、分散剤を含有してもよい。
分散剤としては、例えば、ヒドロキシ基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、及びステアリルアミンアセテート等が挙げられる。分散剤の市販品として、例えば、Avecia社製「Solsperse」シリーズや、味の素ファインテクノ社製「PB」シリーズ等が挙げられる。
インクは、必要に応じて分散助剤をさらに含んでもよい。分散助剤は、顔料に応じて選択されればよい。
分散剤及び分散助剤の合計量は、顔料に対して1~50質量%の範囲であることが好ましい。
インクは、必要に応じて顔料を分散させるための分散媒体をさらに含んでもよい。分散媒体として溶剤をインクに含ませてもよいが、形成された画像における溶剤の残留を抑制するためには、上述した光重合性化合物を分散媒体として用いることが好ましい。
顔料の含有量は、インク全量に対して0.1~20質量%の範囲であることが好ましく、0.4~10質量%の範囲であることがより好ましい。
ウ.ゲル化剤
ゲル化剤としては、例えばワックスゲル等が挙げられる。ゲル化剤は、インク中に、1種のみが含まれていてもよく、2種類以上が含まれていてもよい。
ワックスゲルは、ゲル化剤そのものが板状結晶となり、これがカードハウス構造を取り、ゲル構造を形成する。
画質の向上及びラミネート密着性の向上の観点から、ゲル化剤の含有量は、インクの全質量に対して0.5~10.0質量%の範囲であることが好ましく、1.0~5.0質量%の範囲であることがより好ましい。
また、以下の観点から、ゲル化剤は、インクのゲル化温度以下の温度で、インク中で結晶化することが好ましい。ゲル化温度とは、加熱によりゾル化又は液体化したインクを冷却していったときに、ゲル化剤がゾルからゲルに相転移し、インクの粘度が急変する温度をいう。具体的には、ゾル化又は液体化したインクを、粘弾性測定装置(例えば、Physica社製「MCR300」)で粘度を測定しながら冷却していき、粘度が急激に上昇した温度を、そのインクのゲル化温度とすることができる。
ゲル化剤がインク中で結晶化すると、板状に結晶化したゲル化剤によって形成された三次元空間に溶媒、光重合性化合物等のインク媒体が内包される構造が形成されることがある(このような構造を、以下「カードハウス構造」という。)。
カードハウス構造が形成されると、液体のインク媒体が前記空間内に保持されるため、インク液滴がより濡れ広がりにくくなり、インクのピニング性がより高まる。インクのピニング性が高まると、記録媒体に着弾したインク液滴同士が合一しにくくなり、より高精細な画像を形成することができる。
カードハウス構造を形成するには、インク中の溶媒、光重合性化合物等のインク媒体とゲル化剤とが相溶していることが好ましい。
結晶化によるカードハウス構造の形成に好適なゲル化剤としては、例えば、脂肪酸ケトン(ケトンワックス)、脂肪酸エステル(エステルワックス)、石油系ワックス、脂肪酸アミド、高級脂肪酸、高級アルコール等が挙げられる。
ケトンワックスとしては、例えば、ジリグノセリルケトン、ジベヘニルケトン、ジステアリルケトン、ジエイコシルケトン、ジパルミチルケトン、ジラウリルケトン、ジミリスチルケトン、ミリスチルパルミチルケトン及びパルミチルステアリルケトン等が挙げられる。
エステルワックスとしては、例えば、ベヘニン酸ベヘニル、イコサン酸イコシル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸パルミチル、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、セロチン酸ミリシル、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸オレイル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル及びポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が挙げられる。エステルワックスの市販品として、例えば、日本エマルジョン社製「EMALEX」シリーズ(「EMALEX」は同社の登録商標)、理研ビタミン社製「リケマール」シリーズ及び「ポエム」シリーズ(「リケマール」及び「ポエム」はいずれも同社の登録商標)等が挙げられる。
石油系ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス及びペトロラクタム等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸及びエルカ酸等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコール等が挙げられる。
ヒドロキシステアリン酸としては、例えば、12-ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
脂肪酸アミドとしては、例えば、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド及び12-ヒドロキシステアリン酸アミド等が挙げられる。脂肪酸アミドの市販品として、例えば、日本化成社製「ダイヤミッドY」、「ニッカアマイド」シリーズ(「ダイヤミッド」、「ニッカアマイド」は同社の登録商標)、伊藤製油社製「ITOWAX」シリーズ、及び花王社製「FATTYAMID」シリーズ等が挙げられる。
ゲル化剤のうち、ピニング効果の観点からは、ケトンワックス、エステルワックス、高級脂肪酸、高級アルコール及び脂肪酸アミドが好ましく、下記一般式(G1)で表される化合物(ケトンワックス)及び下記一般式(G2)で表される化合物(エステルワックス)が特に好ましい。
一般式(G1):R-CO-R
一般式(G2):R-COO-R
〔式中、R~Rは、それぞれ独立に、炭素数が9~25の範囲である直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を表す。〕
上記一般式(G1)で表されるケトンワックス及び上記一般式(G2)で表されるエステルワックスは、インク中に、1種のみが含まれていてもよく、2種類以上が含まれていてもよい。また、下記一般式(G1)で表されるケトンワックス及び下記一般式(G2)で表されるエステルワックスは、インク中に、いずれか一方のみが含まれていてもよいし、双方が含まれていてもよい。
上記一般式(G1)で表されるケトンワックス又は上記一般式(G2)で表されるエステルワックスは、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基の炭素数が9以上であるため、ゲル化剤の結晶性がより高まり、かつ、上記カードハウス構造においてより十分な空間が生る。そのため、溶媒、光重合性化合物等のインク媒体が上記空間内に十分に内包されやすくなり、インクのピニング性がより高くなる。また、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基の炭素数が25以下であるため、ゲル化剤の融点が過度に高まらないため、インクを出射するときにインクを過度に加熱する必要がない。これらの観点から、R及びR、又は、R及びRは炭素原子数13以上23未満の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基であることが特に好ましい。
また、インクのゲル化温度を高くして、着弾後により急速にインクをゲル化させる観点からは、R若しくはRのいずれか、又はR若しくはRのいずれかが飽和している炭素原子数11以上23未満の炭化水素基であることが好ましい。これらの観点からは、R及びRの双方、又は、R及びRの双方が飽和している炭素原子数11以上23未満の炭化水素基であることがより好ましい。
上記一般式(G1)で表されるケトンワックスとしては、例えば、ジリグノセリルケトン(炭素数:23~24)、ジベヘニルケトン(炭素数:21~22)、ジステアリルケトン(炭素数:17~18)、ジエイコシルケトン(炭素数:19~20)、ジパルミチルケトン(炭素数:15~16)、ジミリスチルケトン(炭素数:13~14)、ジラウリルケトン(炭素数:11~12)、ラウリルミリスチルケトン(炭素数:11~14)、ラウリルパルミチルケトン(炭素数:11~16)、ミリスチルパルミチルケトン(炭素数:13~16)、ミリスチルステアリルケトン(炭素数:13~18)、ミリスチルベヘニルケトン(炭素数:13~22)、パルミチルステアリルケトン(炭素数:15~18)、バルミチルベヘニルケトン(炭素数:15~22)及びステアリルベヘニルケトン(炭素数:17~22)等が挙げられる。なお、上記括弧内の炭素数は、カルボニル基で分断される二つの炭化水素基それぞれの炭素数を表す。一般式(G1)で表されるケトンワックスの市販品として、例えば、Alfa Aeser社製「18-Pentatriacontanon」、Alfa Aeser社製「Hentriacontan-16-on」、花王社製「カオーワックスT-1」等が挙げられる。
一般式(G2)で表される脂肪酸又はエステルワックスの例には、ベヘニン酸ベヘニル(炭素数:21~22)、イコサン酸イコシル(炭素数:19~20)、ステアリン酸ステアリル(炭素数:17~18)、ステアリン酸パルミチル(炭素数:17~16)、ステアリン酸ラウリル(炭素数:17~12)、パルミチン酸セチル(炭素数:15~16)、パルミチン酸ステアリル(炭素数:15~18)、ミリスチン酸ミリスチル(炭素数:13~14)、ミリスチン酸セチル(炭素数:13~16)、ミリスチン酸オクチルドデシル(炭素数:13~20)、オレイン酸ステアリル(炭素数:17~18)、エルカ酸ステアリル(炭素数:21~18)、リノール酸ステアリル(炭素数:17~18)、オレイン酸ベヘニル(炭素数:18~22)及びリノール酸アラキジル(炭素数:17~20)が含まれる。なお、上記括弧内の炭素数は、エステル基で分断される二つの炭化水素基それぞれの炭素数を表す。一般式(G2)で表されるエステルワックスの市販品として、例えば、日油社製「ユニスターM-2222SL」及び「スパームアセチ」(「ユニスター」は同社の登録商標)、花王社製「エキセパールSS」及び「エキセパールMY-M」(「エキセパール」は同社の登録商標)、日本エマルジョン社製「EMALEX CC-18」及び「EMALEX CC-10」(「EMALEX」は同社の登録商標)並びに高級アルコール工業社製「アムレプスPC」(「アムレプス」は同社の登録商標)等が挙げられる。
市販品が2種類以上の混合物である場合、必要に応じて分離・精製してインクに含有させることができる。
インクの総量に対してゲル化剤の含有量は0.5質量%以上5質量%以下であることが好ましく、1質量%以上3質量%以下であることが更に好ましい。ゲル化剤の含有量が0.5質量%以上であることによって、インクの混じり合い(液寄りともいう。)が好適に防止され、色の境界が鮮明になる効果が得られる。また、ゲル化剤の含有量が5質量%以下であることによって、耐スクラッチ性が更に向上する効果が得られる。
エ.その他
インクは、本発明の効果が得られる範囲において、以上に説明した成分以外の他の成分を含んでもよい。他の成分としては、例えば、重合禁止剤や界面活性剤等が挙げられる。これらの成分は、インク中に、1種のみが含まれていてもよく、複数種が含まれていてもよい。
重合禁止剤としては、例えば、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p-メトキシフェノール、t-ブチルカテコール、t-ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1-ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p-ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5-ジ-t-ブチル-p-ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシアミン、トリ-p-ニトロフェニルメチル、N-(3-オキシアニリノ-1,3-ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o-イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム及びシクロヘキサノンオキシム等が挙げられる。
重合禁止剤の量は、本発明の効果が得られる範囲において、任意に設定することができ、例えば、インクの全質量に対して、例えば0.001質量%以上1.0質量%未満とすることができる。
界面活性剤としては、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類及び脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類及びポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、及び第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤、並びにシリコーン系やフッ素系の界面活性剤等が挙げられる。
シリコーン系の界面活性剤としては、例えば、ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物等が挙げられる。また、フッ素系の界面活性剤としては、例えば、通常の界面活性剤の疎水性基の炭素に結合した水素の代わりに、その一部又は全部をフッ素で置換した構造を有するもの等が挙げられる。
界面活性剤の量は、本発明の効果が得られる範囲において、任意に設定することができる。界面活性剤の量は、インクの全質量に対して、例えば0.001質量%以上1.0質量%未満とすることができる。
インクの吐出性をより高める観点からは、インクの80℃における粘度は、3~20mPa・sの範囲であることが好ましく、7~12mPa・sの範囲であることがより好ましい。また、着弾して常温に降温した際にインクを十分にゲル化させる観点からは、本発明のインクの25℃における粘度は1000mPa・s以上であることが好ましい。
インクのゲル化温度は、30~70℃の範囲であることが好ましい。インクのゲル化温度が30℃以上、更には40℃以上であると、記録媒体に着弾後、インクが速やかにゲル化するため、ピニング性がより高くなる。インクのゲル化温度が70℃以下、更には60℃以下であると、インク温度が通常80℃程度であるインクジェットヘッドからのインクの射出時にインクがゲル化しにくいため、より安定してインクを射出することができる。
インクの80℃における粘度、25℃における粘度及びゲル化温度は、レオメータにより、インクの動的粘弾性の温度変化を測定することにより求めることができる。具体的には、インクを100℃に加熱し、ストレス制御型レオメータPhysica MCR301(コーンプレートの直径:75mm、コーン角:1.0°)、Anton Paar社製によって粘度を測定しながら、剪断速度11.7(1/s)、降温速度0.1℃/sの条件で20℃までインクを冷却して、粘度の温度変化曲線を得る。80℃における粘度及び25℃における粘度は、粘度の温度変化曲線において80℃、25℃における粘度をそれぞれ読み取ることにより求めることができる。ゲル化温度は、粘度の温度変化曲線において、粘度が200mPa・sとなる温度として求めることができる。
(4)インクジェット法
基材上に設けられたコート層上に活性光線硬化型インクジェットインクを付与してインク層を形成することができる。インクの付与に際してはインクジェット法を用いることができる。
インクジェット法は格別限定されず、インクを用いてコート層上にインク層を形成できればよい。活性光線硬化型インクジェット方式のインクジェット記録装置として、ライン記録方式(シングルパス記録方式)のものと、シリアル記録方式のものとがあり、求められる画像の解像度や記録速度に応じて適宜選択できる。
インクジェットヘッドからのインク吐出方式は、オンデマンド方式とコンティニュアス方式のいずれでもよい。オンデマンド方式のインクジェットヘッドは、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シアーモード型及びシアードウォール型等の電気-機械変換(ピエゾ)方式、並びにサーマルインクジェット型及びバブルジェット(登録商標)(バブルジェットはキヤノン社の登録商標)型等の電気-熱変換方式等のいずれでもよい。
インクの液滴を、加熱した状態でインクジェットヘッドから吐出することで、吐出安定性を高めることができる。吐出される際のインクの温度は、40~100℃の範囲であることが好ましく、吐出安定性をより高めるためには、40~90℃の範囲であることがより好ましい。インクの粘度としては7~15mPa・sの範囲、より好ましくは8~13mPa・sの範囲となるようなインク温度において出射を行うことが好ましい。
ゾル-ゲル相転移型のインクは、インクジェットヘッドからのインクの吐出性を高めるために、インクジェットヘッドに充填されたときのインクの温度が、当該インクの(ゲル化温度+10)℃~(ゲル化温度+30)℃に設定されることが好ましい。インクジェットヘッド内のインクの温度が、(ゲル化温度+10)℃未満であると、インクジェットヘッド内若しくはノズル表面でインクがゲル化して、インクの吐出性が低下しやすい。一方、インクジェットヘッド内のインクの温度が(ゲル化温度+30)℃を超えると、インクが高温になりすぎるため、インク成分が劣化することがある。
インクの加熱方法は、特に制限されない。例えば、ヘッドキャリッジを構成するインクタンク、供給パイプ及びヘッド直前の前室インクタンク等のインク供給系、フィルター付き配管並びにピエゾヘッド等の少なくともいずれかをパネルヒーター、リボンヒーター又は保温水等によって加熱することができる。
インクジェットヘッドから吐出される際のインクの液滴量は、記録速度及び画質の面から、2~20pLの範囲であることが好ましい。
(5)活性光線照射
以上のようにして形成されたインク層に活性光線を照射してインク層を硬化させることができる。
活性光線は、例えば電子線、紫外線、α線、γ線、及びエックス線等から選択することができ、紫外線であることが好ましい。
紫外線を照射する場合、光源としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、LED等を用いることができる。紫外線を照射は、例えばPhoseon Technology社製の水冷LEDを用いて、波長395nmの条件下で行うことができる。LEDを光源とすることで、光源の輻射熱によってインクが溶けることが防止され、インクの硬化不良を抑制することができる。
紫外線の照射は、370~410nmの範囲の波長を有する紫外線の画像表面におけるピーク照度が、好ましくは0.5~10W/cmの範囲、より好ましくは1~5W/cmの範囲となるように行う。輻射熱がインクに照射されることを抑制する観点からは、画像に照射される光量は350mJ/cm未満であることが好ましい。
活性光線の照射は、インク着弾後0.001~1.0秒の間に行うことが好ましく、高精細な画像を形成するためには、0.001~0.5秒の間に行うことがより好ましい。
活性光線の照射は、2段階に分けて行ってもよい。この場合、まず、インクが着弾した後0.001~2.0秒の間に活性光線を照射し、全印字終了後、さらに活性光線を照射することができる。活性光線の照射を2段階に分けることで、重合の進行に伴う基材の収縮が生じにくくなる。
2.基材とインクのセット
本発明に係る基材とインクのセットは、以上に説明したコート層付き基材と、以上に説明した活性光線硬化型インクジェットインクと、によって構成されるため、上記「1.インクジェット記録方法」において詳述したように、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンあるいはアルミニウムによって構成された最表層を有する基材上に画像記録を行う場合において、ブルーミングの抑制と、耐スクラッチ性とを両立することができる。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はかかる実施例により限定されない。
(試験1~11)
1.コート層付き基材1~6の形成
モノマーとして塩化ビニル、酢酸ビニル及びメタクリル酸メチルを表1に示す含有量(モノマー比)[質量%]で共重合して、共重合体を得た。得られた共重合体の水溶液(塗布液)をアルミ蒸着フィルム(PET)からなる基材の最表層(蒸着アルミ層)上に塗布し、乾燥させ、コート層1~6を形成した。
形成されたコート層1~6について、ESCAによる表面元素分析による塩素/炭素比(Cl/C)を下記の分析条件で分析した。結果を表1に示す。
〔ESCAによる表面元素分析の分析条件〕
コート層が形成された基材を、1辺がおよそ10mmとなるように切り出し、下記の条件でESCAを用いて表面組成分析を行った。
・測定装置:サーモサイエンティフィック社製「K-Alpha」
・測定光源:Al(モノクロメータ)
・ビーム径:400μm
・中和銃:ON
・スペクトル:Narrowモード
・測定元素:C、Cl
・パスエネルギー:50eV
・ステップサイズ:0.1eV
塩素/炭素比(Cl/C)におけるCl及びCは、コート層の表面に存在する塩素原子比率及び炭素原子比率(質量%)に対応し、これらの原子比率は面積強度から算出する。
2.インク1~5の調製
(1)顔料分散液の調製
〔マゼンタ顔料分散液の調製〕
トリプロピレングリコールジアクリレート71質量部及び分散剤として味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB824」9質量部をステンレス鋼製のビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間撹拌して前記分散剤を溶解させた。次いで、得られた分散剤溶液を室温まで冷却した後、マゼンタ顔料としてDIC社製「FASTOGEN SUPER MAGENTA RTS」の20質量部を加えて混合液を調製した。次いで、当該混合液を直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーにて5時間分散処理した。分散液からジルコニアビーズを除去して、マゼンタ顔料分散液を調製した。
〔白顔料分散液の調製〕
上述したマゼンタ顔料分散液の調製において、マゼンタ顔料に代えて、白色顔料として酸化チタン(石原産業社製「CR-80」)を用い、その添加量を60質量部に変更した以外は同様にして、白顔料分散液を調製した。
(2)インクの調製
以上により調製されたマゼンタ顔料分散液、白顔料分散液、及び、以下に示す光重合性化合物1~3、光重合開始剤1、2、界面活性剤1、重合禁止剤1、ゲル化剤1、2を表1に示す配合で混合し、80℃に加熱した状態で撹拌した。次いで、加熱した状態で、混合液をテフロン(登録商標)製の3μmメンブレンフィルター(アドバンテック東洋社製)を用いて濾過して、インク1~5を調製した。濾過前後でインク組成の実質的な変化はなかった。
・光重合性化合物1:N-ビニルカプロラクタム(BASF社製)
・光重合性化合物2:ポリエチレングリコール#600ジアクリレート(SARTOMER社製「SR610」)
・光重合性化合物3:3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(MIWON社製「M360」)
・光重合開始剤1:BASF社製「DUROCUR TPO」
・光重合開始剤2:BASF社製「IRGACURE 819」
・界面活性剤1:ビックケミー・ジャパン社製「BYK UV3500」
・重合禁止剤1:BASF社製「Irgatab UV10」
・ゲル化剤G1:高級アルコール工業社製「アムレプスPC」
・ゲル化剤G2:日本エマルジョン社製「EMALEX EG-di-S」
3.インクジェット記録方法
調製したインク1~5を、ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録ヘッド(6~42plのマルチドロップ、360dpiの解像度)を有するライン方式のインクジェット記録装置に装填した。
インク供給系は、インクタンク、インク流路、インクジェット記録ヘッド直前のサブインクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、インクタンクからヘッド部分までは100℃、記録媒体(ここでは、コート層付き基材)の搬送台は40℃になるように加温した。
コート層付き基材1~6のコート層上に、インク1~5を用いて画像を形成した後、5秒以内に、下記の紫外線照射ユニットを用いて硬化させて、画像11を形成した。
各インクは、紫外線照射ユニット(Phoseon Technology社製LEDランプ)から光を照射して(395nm、4W/cm、water cooled unit)硬化させた。積算光量は、500mJ/cmとなるように記録媒体の搬送速度を可変することで適宜調整し、浜松ホトニクス社製 紫外線積算光量計C9536、H9958を用いて測定した。
4.評価方法
(1)密着性(Al基材とコート層の密着性;テープ剥離試験)
画像を形成する前のコート層(3×3cm)にセロハン密着テープを2cm貼り付け、上面から消しゴムでこすり、セロハン密着テープの塗工面への密着を充分に行った後、90°で剥離させることで行い、その後のコート層の表面状態を観察し、下記評価基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:まったく変化がない
○:わずかに跡が残る
△:コート層の一部がわずかにはがれて、基材のAl面(蒸着アルミ層)がわずかに見える
×:コート層の大部分がはがれて、基材のAl面が見える
上記評価ランクにおいて、△以上が実用上好ましいランクと判断した。
(2)耐スクラッチ性試験
形成した画像(3×3cm)の上辺から下辺までを爪で3回こすり、画像表面への傷の発生の有無および白抜けの大きさをもとに、以下の基準で画像を評価した。
〔評価基準〕
◎:傷または白抜けは生じなかった
○:画像表面にわずかに傷がついたが、白抜けはまったく生じなかった
△:長さ0.5cm未満の白ぬけが画像に生じた
×:長さ0.5cm以上の白ぬけが画像に生じた
上記評価ランクにおいて、△以上が実用上好ましいランクと判断した。
(3)ブルーミングの評価
上記方法によって、記録媒体であるAl蒸着PETに、コート層を塗布し、形成した5cm×5cmのベタ画像を、40℃の環境下で1ヶ月間保管した。保管後の画像を目視観察し、下記の基準に従ってブルーミングを評価した。
〔評価基準〕
○:画像表面に析出物が認められない。
△:画像表面に薄らとした析出物が存在しており、目視で確認できる。
×:画像表面が粉上の物質で覆われており、目視で明らかに確認できる。
上記評価ランクにおいて、△以上が実用上好ましいランクと判断した。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0007095406000002
(試験12~22)
試験1~11において、基材として、アルミ蒸着フィルムに代えてPETフィルム(最表層がPETによって構成される)を用いたこと以外は同様にして、試験12~22を行った。結果は、試験1~11(表1)と同様であった。
(試験23~33)
試験1~11において、基材として、アルミ蒸着フィルムに代えてナイロンフィルム(最表層がナイロンによって構成される)を用いたこと以外は同様にして、試験23~33を行った。結果は、試験1~11(表1)と同様であった。
5.評価
表1より、本発明(試験1~9)によれば、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンあるいはアルミニウムによって構成された最表層を有する基材上に画像記録を行う場合において、ブルーミングの抑制と、耐スクラッチ性とを両立できることがわかる。
これに対して、コート層のCl/C比が0.43を超える試験11では、コート層の親水性が高すぎて、ゲル化剤がインク層表面に配向し、ブルーミングを抑制できない。
また、コート層のCl/C比が0.025に満たない試験10では、基材の最表層(ポリエチレンテレフタレート、ナイロン又はアルミニウム)とコート層との接着(密着性)はまだ耐えられたが、ゲル化剤がコート層側に配向するため、スクラッチした際、ゲル化剤が配向した部分が一番弱くなり、凝集破壊が起こった。
酸化チタンを配合した白インクを用いた試験5は、他の色(マゼンタ顔料)のインクを用いた試験(例えば試験1)との対比で、耐スクラッチ性が更に向上することがわかる。酸化チタンを用いることによって、ゲル化剤がコート層側に配向することがより確実に防止され、ゲル化剤がインク層中に丁度良いバランスで分布したことによるものと考えられる。

Claims (10)

  1. 基材上に設けられたコート層上にインクジェット法により活性光線硬化型インクジェットインクを付与してインク層を形成し、
    次いで、前記インク層に活性光線を照射して前記インク層を硬化させるインクジェット記録方法であって、
    前記基材は、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種により構成された最表層を有し、
    前記コート層は、前記基材の前記最表層上に設けられ、ESCAによる表面元素分析による塩素/炭素比(Cl/C)(質量比)が0.025≦(Cl/C)≦0.43の条件を満たし、
    前記活性光線硬化型インクジェットインクは、光重合性化合物、光重合開始剤、顔料及びゲル化剤を少なくとも含有することを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記コート層は、塩化ビニル重合体又は共重合体を少なくとも含有することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記顔料として、酸化チタンを少なくとも含有することを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記活性光線硬化型インクジェットインクの総量に対して前記ゲル化剤の含有量が0.5質量%以上5質量%以下であることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記ゲル化剤として、下記一般式(G1)で表される化合物及び下記一般式(G2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1~4の何れかに記載のインクジェット記録方法。
    一般式(G1):R-CO-R
    一般式(G2):R-COO-R
    〔式中、R~Rは、それぞれ独立に、炭素数が9~25の範囲である直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を表す。〕
  6. ポリエチレンテレフタレート、ナイロン及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種により構成された最表層を有する基材と、該基材上に設けられたコート層とによって構成され、前記コート層は、ESCAによる表面元素分析による塩素/炭素比(Cl/C)(質量比)が0.025≦(Cl/C)≦0.43の条件を満たすコート層付き基材と、
    光重合性化合物、光重合開始剤、顔料及びゲル化剤を少なくとも含有し、前記コート層付き基材の前記コート層上にインクジェット記録するための活性光線硬化型インクジェットインクと、
    によって構成されたことを特徴とする基材とインクのセット。
  7. 前記コート層は、塩化ビニル重合体又は共重合体を少なくとも含有することを特徴とする請求項6記載の基材とインクのセット。
  8. 前記活性光線硬化型インクジェットインクは、前記顔料として、酸化チタンを少なくとも含有することを特徴とする請求項6又は7記載の基材とインクのセット。
  9. 前記活性光線硬化型インクジェットインクの総量に対して前記ゲル化剤の含有量が0.5質量%以上10質量%以下であることを特徴とする請求項6~8の何れかに記載の基材とインクのセット。
  10. 前記活性光線硬化型インクジェットインクは、前記ゲル化剤として、下記一般式(G1)で表される化合物及び下記一般式(G2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項6~9の何れかに記載の基材とインクのセット。
    一般式(G1):R-CO-R
    一般式(G2):R-COO-R
    〔式中、R~Rは、それぞれ独立に、炭素数が9~25の範囲である直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を表す。〕
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