JP2017071701A - 光硬化型インクジェットインク及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出安定性を損なうことなく、液寄りを抑制し、良好な品質の画像を形成しうる光硬化型インクジェットインク及びそれを用いた画像形成方法を提供する。【解決手段】顔料、分散剤、光重合性化合物、光重合開始剤、及びゲル化剤を含む光硬化型インクジェットインクであって、前記顔料は、有機酸残基を有するハロゲン化銅フタロシアニン構造を有する顔料を含み、且つ前記有機酸残基は、炭素数16以上20以下の炭化水素基を有し、且つ前記光重合性化合物と親和性を有する有機酸残基であり、前記光重合性化合物は、前記光重合性化合物の全質量に対して30質量%以上の、エチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基を合計6個以上有する高極性光重合性化合物を含む、光硬化型インクジェットインク。【選択図】なし

Description

本発明は、光硬化型インクジェットインク及び画像形成方法に関する。
インクジェット記録方式は、簡易且つ安価に画像を形成できることから、各種印刷分野で用いられている。インクジェット記録方式の一つとして、活性光線硬化型インクの液滴を記録媒体に着弾させた後、活性光線を照射して硬化させて画像を形成する活性光線硬化型インクジェット方式がある。活性光線硬化型インクジェット方式では、インク吸収性のない記録媒体においても、高い耐擦過性と密着性を有する画像を形成できることから、近年注目されつつある。
活性光線硬化型インクジェット方式に用いられる活性光線硬化型インクジェットインクのピニング性を高める方法として、ゲル化剤を添加することが検討されている。即ち、高温で液体状態のインク液滴を吐出し、記録媒体に着弾させると同時にインク液滴を冷却してゲル化させることで、ドットの合一を抑制することが検討されている。
また、インクジェット記録方式では、通常、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクから、形成すべき色に応じて好適なインクの組み合わせを選択し、選択したインクを重ね打ちすることで、フルカラーの画像を形成する。このとき、形成される画像の色域をさらに広げるため、グリーンインクをさらに組み合わせることがある。
グリーンインクには、ハロゲン化銅フタロシアニン構造を有する顔料が用いられている。例えば、Panton(登録商標)色域のグリーンに適合する活性光線硬化型インクジェットインクとして、硬化性モノマーと、有機ゲル化剤と、光開始剤と、着色剤とを含む耐光性ゲルインクが提案されている(例えば特許文献1)。
また、ピニング性をより高めた活性光線硬化型インクジェットインクとして、顔料と、光重合性化合物と、光重合開始剤と、ゲル化剤と、親水性基を有する顔料誘導体とを含むインクが提案されている(例えば特許文献2)。
特開2014−118567号公報 特開2015−83647号公報
しかしながら、特許文献1のインクはゲル化剤を多く含むことから、粘度が高く、吐出安定性が低いという問題があった。また、ゲル化剤の種類によっては、画像形成時の液滴間の液寄りが生じるという問題もあった。「液寄り」とは、インク液滴を記録媒体に着弾させた後、インク液滴に含まれるゲル化剤の結晶化によるインク液滴の固化作用が阻害され、ゲル結晶が成長しないことによって生じる現象である。液寄りが生じる原因は明らかではないが、疎水性表面を有する顔料と疎水性基を有するゲル化剤とが相互作用して、ゲル化剤の結晶成長が阻害されるためであると考えられる。液寄りが生じると、得られる画像にスジ故障(画欠ともいう)が生じやすく、良好な品質の画像を形成しにくい。
特許文献2のインクは、親水性基を有する顔料誘導体が、顔料表面を被覆することで、顔料と疎水性基を有するゲル化剤との相互作用を低減しうるが、この相互作用を一層低減し、液寄りを一層抑制できることが望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、吐出安定性を損なうことなく、液寄りを抑制し、良好な品質の画像を形成しうる光硬化型インクジェットインク及びそれを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
[1] 顔料、分散剤、光重合性化合物、光重合開始剤、及びゲル化剤を含む光硬化型インクジェットインクであって、前記顔料は、有機酸残基を有するハロゲン化銅フタロシアニン構造を有する顔料を含み、且つ前記有機酸残基は、炭素数16以上20以下の炭化水素基を有し、且つ前記光重合性化合物と親和性を有する有機酸残基であり、前記光重合性化合物は、前記光重合性化合物の全質量に対して30質量%以上の、エチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基を合計6個以上有する高極性光重合性化合物を含む、光硬化型インクジェットインク。
[2] 前記有機酸は、アビエチン酸残基である、[1]に記載の光硬化型インクジェットインク。
[3] 前記分散剤は、塩基性基を有する高分子分散剤であり、且つ前記インクは、スルホン酸基又はカルボキシル基を有する銅フタロシアニン構造を有する顔料誘導体をさらに含む、[1]又は[2]に記載の光硬化型インクジェットインク。
[4] 前記顔料誘導体の含有量は、前記顔料の全質量に対して2質量%以上10質量%以下である、[3]に記載の光硬化型インクジェットインク。
[5] 前記ゲル化剤の含有量は、前記インクの全質量に対して1質量%以上5質量%以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載の光硬化型インクジェットインク。
[6] 前記光重合性化合物は、エチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基を合計3個以上5個以下有する低極性光重合性化合物をさらに含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の光硬化型インクジェットインク。
[7] 前記ゲル化剤は、炭素数9以上25以下の炭化水素基を有する、脂肪族ケトン、脂肪族エステル、高級脂肪酸及び高級アルコールからなる群より選ばれる一以上である、[1]〜[6]のいずれかに記載の光硬化型インクジェットインク。
[8] [1]〜[7]のいずれかに記載の光硬化型インクジェットインクをインクジェットヘッドのノズルから吐出して記録媒体に着弾させる工程と、着弾した前記インクに活性光線を照射して前記インクを硬化させる工程と、を含む、画像形成方法。
本発明によれば、吐出安定性を損なうことなく、液寄りを抑制し、良好な品質の画像を形成しうる光硬化型インクジェットインク及びそれを用いた画像形成方法を提供することができる。
液寄りが生じる原因は、前述の通り、「疎水性表面を有する顔料」と「疎水性基を有するゲル化剤」とが相互作用して、ゲル化剤の結晶成長が阻害されるためであると考えられる。具体的には、「疎水性表面を有する顔料」と「疎水性基を有するゲル化剤」とが相互作用すると、顔料が(光重合性化合物よりも)ゲル化剤と結びつきやすくなり、光重合性化合物中のゲル化剤の濃度が低くなる。その結果、光重合性化合物中で結晶化が十分に生じにくくなり、着弾時に液寄りが発生すると考えられる。また、光重合性化合物中での結晶成長が不十分であると、得られる画像の光沢が増加し過ぎて、他色インクで得た画像との光沢差が目立つ虞もある。
これに対して本発明者らは、「液寄り」は、「特定の有機酸で表面処理された顔料」と「高極性光重合性化合物」とを組み合わせることで抑制できることを見出した。即ち、「特定の有機酸で表面処理された顔料」の表面は親水化されている(疎水性が弱められている)ので、顔料表面に、疎水性基を有するゲル化剤が寄り付きにくい。また、「特定の有機酸で表面処理された顔料」が有する有機酸残基は、高極性光重合性化合物が有するエチレンオキサイド基(EO基)又はプロピレンオキサイド基(PO基)と高い親和性を有する。それらにより、顔料が(ゲル化剤よりも)光重合性化合物と結びつきやすくなるので、光重合性化合物中のゲル化剤の濃度を高めることができる。その結果、光重合性化合物中で結晶化が十分に生じやすくなるので、着弾時の液寄りを抑制でき、スジ故障を低減できる。また、液滴径が広がり過ぎずに記録媒体中に入り込むので、色域の低下も抑制できる。さらに、ゲル化剤の結晶化が促進されるため、他の顔料を含むインクで得た画像との光沢差も低減できると考えられる。
さらに、スルホン酸基又はカルボキシル基を有し、且つ銅フタロシアニン構造を有する顔料誘導体を添加することで、顔料誘導体が有する酸性基と分散剤が有する塩基性基とを相互作用(酸塩基結合)させ、且つ顔料誘導体が有する銅フタロシアニン構造と顔料が有するハロゲン化銅フタロシアニン構造とを相互作用(π−π結合)させることができる。それにより、顔料の表面に、顔料誘導体を介して分散剤を吸着させることができる。それにより、顔料同士の凝集を高度に抑制し、顔料の分散性を一層高めることができる。また、顔料とゲル化剤との相互作用を低減できるので、液寄りを一層抑制できる。
1.光硬化型インクジェットインク
本発明の光硬化型インクジェットインクは、顔料、分散剤、光重合性化合物、光重合開始剤、及びゲル化剤を含む。
1−1.顔料
顔料は、特定の有機酸残基を有するハロゲン化銅フタロシアニン構造を有する顔料を含む。この顔料は、原料となるハロゲン化銅フタロシアニン構造を有する顔料を、特定の有機酸で表面処理して得られるものであり、以下、「表面処理された顔料」ともいう。
原料となるハロゲン化銅フタロシアニン構造を有する顔料の例には、Pigment Green 7(PG7)及びPigment Green 36(PG36)が含まれる。PG7の市販品の例には、PV Fast Green GNX(Clariant社製)が含まれる。PG36の市販品の例には、FASTOGEN Green 2YK(DIC社製)が含まれる。
特定の有機酸は、16以上20以下の炭化水素基を含み、且つ光重合性化合物と親和性を有する酸である。特定の有機酸が有する炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基であり、特定の有機酸残基と高極性光重合性化合物が有するEO基やPO基との高い親和性を高める点から、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基であることが好ましい。そのような特定の有機酸の例には、ロジンに含まれる有機酸やそれ以外のカルボン酸が含まれ、好ましくはロジンに含まれる有機酸である。
ロジンは、天然の生松脂からテルペンなどの揮発性成分を取り除いた残留物であり、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ビマール酸、及びデヒドロアビエチン酸からなる群より選ばれる一以上を含む。ロジンに含まれる有機酸の中でも、共役二重結合をもつアビエチン酸、ネオビチエン酸、パラストリン酸が好ましく、アビエチン酸がより好ましく、アビエチン酸を80質量%以上含むものがさらに好ましい。ロジンの市販品として、ハリマ化成社製ハリマック、及び荒川化学工業社製AA−L等が挙げられる。
表面処理された顔料中の特定の有機酸残基の含有量は、表面処理された顔料1モルに対して0.05モル以上0.2モル以下でありうる。表面処理された顔料1モルに対して特定の有機酸残基の含有量が0.05モル以上であると、顔料の親水性が高まるので、疎水性基を有するゲル化剤との相互作用を少なくでき、且つ高極性光重合性化合物との親和性を高めうる。それにより、ゲル化剤の機能が阻害されにくい。一方、表面処理された顔料1モルに対して特定の有機酸残基の含有量が0.2モル以下であると、顔料分子中のハロゲン化銅フタロシアニン構造の割合が少なくなりすぎず、発色性が損なわれにくい。
表面処理された顔料中の特定の有機酸残基の含有量は、インクに含まれる特定の有機酸の含有量を測定し;顔料のモル数に対する特定の有機酸のモル数を算出して求めることができる。インクに含まれる特定の有機酸の含有量は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)により測定することができる。HPLCの測定条件は、以下の通りとしうる。
(測定条件)
測定装置:HPLC(日立ハイテクノロジー製 L2130、L2490)
カラム:ODSカラム(内径5mmid×長さ25cm、固定相:シリカゲル)
溶離液:アセトニトリル/水混合液(80/20質量比)
サンプル濃度:500ppm
流量:50μL/s
温度:40℃
検出器:UV
検出波長:210nm
特定の有機酸の定量は、予め作成した検量線と測定値とを照合して行うことができる。
特定の有機酸残基の含有量は、例えば後述の表面処理を行う際に、顔料を含む水性スラリーに添加する特定の有機酸のアルカリ塩溶液の量等によって調整することができる。
顔料粒子の平均粒子径は、インクジェットヘッドからの吐出性をより高める観点からは、0.08μm以上0.5μm以下であることが好ましく、顔料粒子の最大粒子径は、0.3μm以上10μm以下であることが好ましい。顔料粒子の平均粒子径とは、データサイザーナノZSP、Malvern社製を使用して動的光散乱法によって求めた値を意味する。なお、顔料を含むインクは濃度が高く、この測定機器では光が透過しないので、インクを200倍で希釈してから測定する。測定温度は常温(25℃)とする。
特定の有機酸による表面処理方法は、特に制限されないが、例えば原料である銅フタロシアニン構造を有する顔料を水に分散させた水性スラリーに、特定の有機酸のアルカリ塩溶液を加えた後、アルカリ土類塩や酸等で特定の有機酸を不溶化し、顔料表面に析出させる方法でありうる。
インク中の表面処理された顔料の含有量は、インクの全質量に対して1.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以上5.5質量%以下であることがより好ましい。
1−2.分散剤
分散剤は、顔料表面に直接的に吸着するか、又は後述する顔料誘導体を介して間接的に吸着することで、顔料の分散性を高める機能を有しうる。分散剤の例には、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、及びステアリルアミンアセテートが含まれる。
中でも、後述するスルホン酸基又はカルボキシル基を有する顔料誘導体との親和性がよく、顔料表面に顔料誘導体を介して間接的に吸着しやすい点から、塩基性基を有する高分子分散剤が好ましく、塩基性基を有するくし型ブロックコポリマーがより好ましい。
塩基性基を有するくし型ブロックコポリマーにおけるくし型ブロックコポリマーとは、主鎖を形成する直鎖状のポリマーと、直鎖状の主鎖を構成するモノマー由来のそれぞれの構成単位に対してグラフト重合した別の種類のポリマーとを含むコポリマーをいう。くし型ブロックコポリマーの例には、主鎖がアクリル酸エステルのポリマーであり、側鎖が長鎖ポリオキシアルキル基(EO-PO共重合基)であるものが含まれる。
塩基性基を有するくし型ブロックコポリマーにおける塩基性基は、2級又は1級のアミン基であることが好ましい。
塩基性基を有するくし型ブロックコポリマーの塩基性基は、顔料誘導体が有するスルホン酸基又はカルボキシル基と良好に親和しうる。そのため、インクが吐出される85℃近傍でも、塩基性基を有するくし型ブロックコポリマーは、顔料誘導体から解離しにくい。また、塩基性基を有するくし型ブロックコポリマーは、グラフト重合した側鎖が立体障害を生じるため、顔料誘導体同士や顔料同士の凝集を抑制することができる。顔料誘導体や顔料は、一次粒子径が50nm以下と小さいため、粒子間の相互作用が強く、凝集しやすい性質を有する。そのため、くし型ブロックコポリマーによる分散性の向上は、そのような小さい粒径を有する顔料誘導体や顔料を含むインクにおいて特に顕著となる。上記作用によって顔料の分散性が高まることにより、凝集した顔料粒子による吐出不良やインク吐出用記録ヘッドの穴詰まりが発生しにくくなる。
塩基性基を有するくし型ブロックコポリマータイプの市販品の例には、BYK社製のDISPERBYK−161、168、2155、Jet9150及びJet9151;BASF社製のefkaPX4701、FA4431;味の素ファインテクノ社製のPB−821、822、824;ルーブリゾール社製のソルスパース24000GR、32000、35000、39000、J−100、J-180、J-200及びX−300等が含まれる。「DISPERBYK」はBYK社の登録商標であり、「efka」はBASF社の登録商標であり、「ソルスパース」はルーブリゾール社の登録商標である。
分散剤の含有量は、顔料の全質量に対して20質量%以上70質量%以下とすることができる。上記合計した総含有量を、顔料の全質量に対して20質量%以上とすることで、分散剤が顔料表面を直接又は顔料誘導体を介して間接的に被覆することにより、インク保存中の顔料同士の凝集をより生じにくくすることができる。上記合計した総含有量を、顔料の全質量に対して70質量%以下とすることで、分散剤とゲル化剤との会合がより生じにくくなり、記録媒体に着弾したインクをより十分にゲル化させてピニングさせることができる。上記合計した総含有量は、顔料の全質量に対して30質量%以上60質量%以下であることが好ましく、35質量%以上50質量%以下であることがさらに好ましい。
1−3.光重合性化合物
光重合性化合物は、活性光線を照射されることにより架橋又は重合する化合物である。活性光線の例には、紫外線、電子線、α線、γ線及びX線が含まれる。安全性の観点及びより低いエネルギー量でも重合及び架橋を発生させることができるという観点から、紫外線又は電子線が好ましい。
光重合性化合物は、ラジカル重合性化合物又はカチオン重合性化合物でありうる。重合及び架橋を発生させやすく、且つ形成する画像に応じて多様な化合物から選択できるという観点からは、ラジカル重合性化合物が好ましい。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物である。ラジカル重合性化合物は、モノマー、重合性オリゴマー、プレポリマーあるいはこれらの混合物のいずれであってもよい。ラジカル重合性化合物は、インク中に一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例には、不飽和カルボン酸とその塩、不飽和カルボン酸エステル化合物、不飽和カルボン酸ウレタン化合物、不飽和カルボン酸アミド化合物及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等が挙げられる。不飽和カルボン酸の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等が含まれる。
中でも、ラジカル重合性化合物は、不飽和カルボン酸エステル化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレートであることがより好ましい。なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタアクリレートを意味し、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基又はメタアクリロイル基を意味し、「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。
1−3−1.高極性光重合性化合物
光重合性化合物は、高極性光重合性化合物を含む。高極性光重合性化合物は、エチレンオキサイド基(以下、単に「EO基」ともいう。)又はプロピレンオキサイド基(以下、単に「PO基」ともいう。)を合計で6個以上有する光重合性化合物である。高極性光重合性化合物は、インク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
合計で6個以上のEO基及びPO基は、連結した1つのセグメントとして存在してもよいし、2以上のセグメントに分かれて存在してもよい。但し、保存中及び出射時の顔料の分散安定性をより高める観点からは、EO基及びPO基が2以上のセグメントに分かれて存在するときは、3個以上のEO基又はPO基を有するセグメントが分子内に2個以上あることが好ましい。また、吐出性を高める観点から、EO基及びPO基の合計は、30個以下が好ましい。
高極性光重合性化合物は、光重合性化合物内での顔料の分散性を高めると共に、ゲル化剤を結晶化させやすくしうる。これは、以下の理由によると考えられる。つまり、高極性光重合性化合物が有するEO基及びPO基は、顔料が有する有機酸残基(好ましくはアビエチン酸残基)との親和性が高いので、高極性光重合性化合物は光重合性化合物内での顔料の分散性を高めうる。それにより、インクジェットヘッドからインクを出射する際の温度(60℃以上)でも、顔料を良好に分散させることができ、吐出中の顔料の析出によるノズル欠を生じにくくしうる。
さらに、顔料は、ゲル化剤よりも高極性光重合性化合物と強く引かれ合うため、顔料によるゲル化剤の捕捉も生じにくく、インクのピニング性が高まると考えられる。特に、吸水性の記録媒体に画像を形成したときに、インクが記録媒体の内部に入り込むことによる発色不足を生じにくくし、所望の色域の画像を形成しやすくなる。
高極性光重合性化合物の市販品の例には、表1に記載の商品が含まれる。表1において、「EO基又はPO基の数」は、その銘柄で表される商品の1分子中に含まれるEO基又はPO基の数を表す。なお、表1中、「ニューフロンティア」は第一工業製薬株式会社の登録商標であり、「ファンクリル」は日立化成株式会社の登録商標である。
Figure 2017071701
高極性光重合性化合物の含有量は、光重合性化合物の全質量に対して30質量%以上であることが好ましい。高極性光重合性化合物の含有量が、光重合性化合物の全質量に対して30質量%以上であると、光重合性化合物内での顔料の分散性を高めやすく、且つゲル化剤をより結晶化させやすい。一方で、光重合性化合物における高極性光重合性化合物の含有量が多すぎると、疎水性基を有するゲル化剤が光重合性化合物と相分離し(ゲル化剤が析出し)、光重合性化合物を内包する結晶構造を形成し難くなるため、画像表面の光沢が過剰に高まる虞がある。従って、画像形成中の光重合性化合物とゲル化剤の相分離を抑制し、画像表面の光沢を過剰に発生させにくくする観点からは、高極性光重合性化合物の含有量は、光重合性化合物の全質量に対して30質量%以上80質量%以下とすることが好ましく、30質量%以上60質量%以下とすることがより好ましい。
1−3−2.低極性光重合性化合物
光重合性化合物は、高極性光重合性化合物に比べて低い極性を示す光重合性化合物(低極性光重合性化合物)をさらに含んでもよい。低極性光重合性化合物は、エチレンオキサイド基(以下、単に「EO基」ともいう。)又はプロピレンオキサイド基(以下、単に「PO基」ともいう。)を合計で6個未満有する光重合性化合物である。低極性光重合性化合物は、インク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
(メタ)アクリレートである低極性光重合性化合物の例には、単官能の(メタ)アクリレート、2官能の(メタ)アクリレート及び3官能以上の(メタ)アクリレートが含まれる。
単官能の(メタ)アクリレートの例には、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸及びt−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートが含まれる。
2官能の(メタ)アクリレートの例には、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート及びトリプロピレングリコールジアクリレートが含まれる。
3官能以上の(メタ)アクリレートの例には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレートが含まれる。
低極性光重合性化合物は、疎水性基を有するゲル化剤と良好な親和性を有するので、ゲル化剤と光重合性化合物との相分離を抑制(ゲル化剤の析出を抑制)し、画像表面に過剰な光沢を生じにくくしうる。低極性光重合性化合物と高極性光重合性化合物との相溶性を高める観点から、低極性光重合性化合物は、EO基又はPO基を有することが好ましく、EO基又はPO基を合計で3個以上5個以下有することがより好ましい。
極性がある構造を有する低極性光重合性化合物の例には、表2に記載の商品が含まれる。表2において、「EO基又はPO基の数」は、その銘柄で表される商品の1分子中に含まれるEO基又はPO基の数を表す。なお、表2中、「アロニックス」は東亞合成株式会社の登録商標であり、「ミラマー」は美源スペシャリティケミカル株式会社の登録商標である。
Figure 2017071701
高極性光重合性化合物及び低極性光重合性化合物の合計含有量は、活性光線を照射されたインクが十分に硬化する範囲であればよく、例えばインクの全質量に対して1質量%以上97質量%以下とすることができる。光重合性化合物の含有量は、インクの全質量に対して30質量%以上95質量%以下であることが好ましい。
顔料の分散性とゲル化剤の結晶性をいずれもより高める観点からは、高極性光重合性化合物が「6個以上のエチレンオキサイド基を有するポリエチレングリコールジアクリレート」を含み、且つ低極性光重合性化合物が「オキシアルキレンで変性されたトリメチロールプロパントリアクリレート」を含むことが好ましい。
1−4.光重合開始剤
光重合開始剤は、光重合性化合物がラジカル重合性化合物であるときは光ラジカル開始剤であり、光重合性化合物がカチオン重合性化合物であるときは光酸発生剤である。光重合開始剤は、インク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。光重合開始剤は、光ラジカル開始剤と光酸発生剤の両方の組み合わせであってもよい。
光ラジカル開始剤は、開裂型ラジカル開始剤又は水素引き抜き型ラジカル開始剤でありうる。
開裂型ラジカル開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノンを含むアセトフェノン系の開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルを含むベンゾイン系の開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシドを含むアシルホスフィンオキシド系の開始剤、ベンジル並びにメチルフェニルグリオキシエステルが含まれる。
水素引き抜き型ラジカル開始剤の例には、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン及び3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンを含むベンゾフェノン系の開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン及び2,4−ジクロロチオキサントンを含むチオキサントン系の開始剤、ミヒラーケトン及び4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンを含むアミノベンゾフェノン系の開始剤、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン並びにカンファーキノンが含まれる。
光酸発生剤の例には、有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページに記載の化合物が含まれる。
光重合開始剤の含有量は、光重合性化合物を十分に硬化させうる範囲であればよく、例えばインクの全質量に対して0.01質量%以上10質量%以下とすることができる。
1−5.ゲル化剤
ゲル化剤は、記録媒体に着弾したインクの液滴をゲル状態にして仮固定(ピニング)する機能を有する。ゲル化剤を含むインクは、ゲル状態でピニングされると、インクの濡れ広がりが抑えられて隣り合うドットが同一しにくくなるため、より高精細な画像を形成することができる。
ゲル化剤は、インクのゲル化温度以下の温度で結晶化することが好ましい。ゲル化温度とは、加熱によりゾル化又は液体化したインクを冷却したときに、ゲル化剤がゾルからゲルに相転移し、インクの粘度が急変する温度をいう。具体的には、ゾル化又は液体化したインクを、粘弾性測定装置(例えば、MCR300、Physica社製)で粘度を測定しながら冷却していき、粘度が急激に上昇した温度を、そのインクのゲル化温度とすることができる。
ゲル化剤がインク中で結晶化すると、板状に結晶化したゲル化剤によって形成された三次元空間に光重合性化合物が内包される構造が形成されることがある(このような構造を、以下「カードハウス構造」という)。カードハウス構造が形成されると、液体の光重合性化合物が前記空間内に保持されるため、インク液滴がより濡れ広がりにくくなり、インクのピニング性がより高まる。インクのピニング性が高まると、記録媒体に着弾したインク液滴同士が合一しにくくなり、より高精細な画像を形成することができる。
カードハウス構造を形成するには、インク中で溶解している光重合性化合物とゲル化剤とが相溶していることが好ましい。
カードハウス構造の形成に適したゲル化剤の例には、脂肪族ケトン、脂肪族エステル、石油系ワックス、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、硬化ヒマシ油、変性ワックス、高級脂肪酸、高級アルコール、ヒドロキシステアリン酸、N−置換脂肪酸アミド及び特殊脂肪酸アミドを含む脂肪酸アミド、高級アミン、ショ糖脂肪酸のエステル、合成ワックス、ジベンジリデンソルビトール、ダイマー酸並びにダイマージオールが含まれる。中でも、ピニング性をより高める観点から、炭素数9以上25以下の炭化水素基を有する、脂肪族ケトン、脂肪族エステル、高級脂肪酸、及び高級アルコールが好ましい。ゲル化剤は、インク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
脂肪族ケトンの例には、ジリグノセリルケトン、ジベヘニルケトン、ジステアリルケトン、ジエイコシルケトン、ジパルミチルケトン、ジラウリルケトン、ジミリスチルケトン、ミリスチルパルミチルケトン及びパルミチルステアリルケトンが含まれる。
脂肪族エステルの例には、ベヘニン酸ベヘニル、イコサン酸イコシル、パルミチン酸オレイル等のモノアルコールの脂肪酸エステル;グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル及びポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の多価アルコールの脂肪酸エステルが含まれる。上記脂肪族エステルの市販品の例には、EMALEXシリーズ、日本エマルジョン社製(「EMALEX」は同社の登録商標)、リケマールシリーズ及びポエムシリーズ、理研ビタミン社製(「リケマール」及び「ポエム」はいずれも同社の登録商標)が含まれる。
高級脂肪酸の例には、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、及びエルカ酸が含まれる。
高級アルコールの例には、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコールが含まれる。
中でも、下記一般式(G1)で表される脂肪族ケトン及び下記一般式(G2)で表される脂肪族エステルが特に好ましい。
一般式(G1):R1−CO−R2
一般式(G1)において、R1及びR2は、いずれも炭素数が9以上25以下である直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基である。
一般式(G2):R3−COO−R4
一般式(G2)において、R3及びR4は、いずれも炭素数が9以上25以下である直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基である。
一般式(G1)及び(G2)において、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基の炭素数が9以上であるため、一般式(G1)で表される脂肪族ケトンや一般式(G2)で表される脂肪族エステルの結晶性がより高まり、且つ上記カードハウス構造においてより十分な空間が生じる。そのため、光重合性化合物が上記空間内に十分に内包されやすくなり、インクのピニング性がより高くなる。直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基の炭素原子数が25以下であるため、一般式(G1)で表される脂肪族ケトンや一般式(G2)で表される脂肪族エステルの融点が過度に高まらず、インクを出射するときにインクを過度に加熱する必要がない。
インクのゲル化温度を高くして、着弾後により急速にインクをゲル化させ、且つ特定の低分子量化合物との相溶性を高める観点からは、R1とR2の少なくとも一方又はR3とR4の少なくとも一方が、炭素原子数14以上23未満の飽和炭化水素基であることが好ましく;R1とR2の両方又はR3とR4の両方が、炭素原子数14以上23未満の飽和炭化水素基であることがより好ましい。
一般式(G1)で表される脂肪族ケトンの例には、ジリグノセリルケトン(炭素数:23−24)、ジベヘニルケトン(炭素数:21−22)、ジステアリルケトン(炭素数:17−18)、ジエイコシルケトン(炭素数:19−20)、ジパルミチルケトン(炭素数:15−16)、ジミリスチルケトン(炭素数:13−14)、ジラウリルケトン(炭素数:11−12)、ラウリルミリスチルケトン(炭素数:11−14)、ラウリルパルミチルケトン(11−16)、ミリスチルパルミチルケトン(13−16)、ミリスチルステアリルケトン(13−18)、ミリスチルベヘニルケトン(13−22)、パルミチルステアリルケトン(15−18)、バルミチルベヘニルケトン(15−22)及びステアリルベヘニルケトン(17−22)が含まれる。括弧内の炭素数は、カルボニル基で分断される2つの炭化水素基それぞれの炭素数を表す。一般式(G1)で表される脂肪族ケトンの市販品の例には、18−Pentatriacontanon、Alfa Aeser社製、Hentriacontan−16−on、Alfa Aeser社製及びカオーワックスT1、花王社製が含まれる。
一般式(G2)で表される脂肪族エステルの例には、ベヘニン酸ベヘニル(炭素数:21−22)、イコサン酸イコシル(炭素数:19−20)、ステアリン酸ステアリル(炭素数:17−18)、ステアリン酸パルミチル(炭素数:17−16)、ステアリン酸ラウリル(炭素数:17−12)、パルミチン酸セチル(炭素数:15−16)、パルミチン酸ステアリル(炭素数:15−18)、ミリスチン酸ミリスチル(炭素数:13−14)、ミリスチン酸セチル(炭素数:13−16)、ミリスチン酸オクチルドデシル(炭素数:13−20)、オレイン酸ステアリル(炭素数:17−18)、エルカ酸ステアリル(炭素数:21−18)、リノール酸ステアリル(炭素数:17−18)、オレイン酸ベヘニル(炭素数:18−22)及びリノール酸アラキジル(炭素数:17−20)が含まれる。括弧内の炭素数は、エステル基で分断される2つの炭化水素基それぞれの炭素数を表す。一般式(G2)で表される脂肪族エステルの市販品の例には、ユニスターM−2222SL及びスパームアセチ、日油社製(「ユニスター」は同社の登録商標)、エキセパールSS及びエキセパールMY−M、花王社製(「エキセパール」は同社の登録商標)、EMALEX CC−18及びEMALEX CC−10、日本エマルジョン社製(「EMALEX」は同社の登録商標)並びにアムレプスPC、高級アルコール工業社製(「アムレプス」は同社の登録商標)が含まれる。
ゲル化剤の含有量は、インクの全質量に対して1.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。ゲル化剤の含有量を1.0質量%以上とすることで、インクのピニング性を十分に高め、より高精細な画像を形成することができる。また、インクのピニング性を高めることで、特に吸水性の記録媒体に画像を形成したときに、インクが記録媒体の内部に入り込むことによる発色不足を抑制しうる。ゲル化剤の含有量を10.0質量%以下とすることで、形成した画像の表面からのゲル化剤の析出を抑制でき、且つインクジェットヘッドからのインクの吐出性を損ないにくい。ゲル化剤の含有量は、インクの全質量に対して1.0質量%以上5.0質量%以下であることがより好ましく、2.5質量%以上5.0質量%以下であることが更に好ましく、2.5質量%以上4.0質量%以下であることが最も好ましい。
1−6.その他の成分
本発明の光硬化型インクジェットインクは、本発明の効果が得られる範囲において、顔料誘導体、光重合開始剤助剤及び重合禁止剤等の他の成分をさらに含んでいてもよい。これらの成分は、インク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
1−6−1.顔料誘導体
スルホン酸基又はカルボキシル基を有する顔料誘導体は、顔料に、スルホン酸基又はカルボキシル基を導入したものである。
顔料誘導体が有する基本構造は、特に制限されないが、アゾ構造(不溶化アゾ構造を含む)、キナクリドン構造又は銅フタロシアニン構造であり、インクに含まれる顔料との高い親和性が得られやすい点から、銅フタロシアニン構造であることが好ましい。
スルホン酸基又はカルボキシル基を有する顔料誘導体は、公知の方法で合成できる。顔料を、濃硫酸等の薬剤で表面改質してスルホン酸基又はカルボキシル基を導入してもよいし、スルホン酸基又はカルボキシル基を有する原料を出発原料として合成してもよい。
顔料誘導体の含有量は、顔料の全質量に対して2質量%以上10質量%以下としうる。顔料誘導体の含有量が2質量%以上であると、顔料が十分に分散するため、吐出安定性が高まりやすい。顔料誘導体の含有量が10質量%以下であると、顔料誘導体の凝集が抑制され、吐出安定性が損なわれにくい。また、ゲル化剤の結晶化が阻害されにくく、ピニング効果が得られやすい。顔料誘導体の含有量は、顔料の全質量に対して2質量%以上4質量%以下であることが好ましい。
銅フタロシアニン構造を有する顔料誘導体は、その銅フタロシアニン構造が、顔料が有するハロゲン化銅フタロシアニン構造とπ−π結合を形成しやすく;スルホン酸基又はカルボキシル基が、分散剤が有する塩基性と酸塩基結合を形成しやすい。従って、顔料誘導体をさらに添加することで、顔料粒子の表面に、顔料誘導体を介して間接的に分散剤を吸着させることができるので、顔料粒子の分散性を一層高めることができる。
1−6−2.光重合開始剤助剤
光重合開始剤助剤の例には、芳香族第3級アミン化合物を含む第3級アミン化合物が含まれる。芳香族第3級アミン化合物の例には、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミン及びN,N−ジメチルヘキシルアミンが含まれる。
1−6−3.重合禁止剤
重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p−ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−t−ブチル−p−ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシムおよびシクロヘキサノンオキシムが含まれる。
1−7.光硬化型インクジェットインクの物性
インクジェットヘッドからの吐出性をより高める観点から、インクの80℃における粘度は、3mPa・s以上20mPa・s以下であることが好ましい。また、着弾して常温に降温した際に、インクを十分にゲル化させる観点からは、インクの25℃における粘度は、1000mPa・s以上であることが好ましい。
インクのゲル化温度は、40℃以上70℃以下であることが好ましい。インクのゲル化温度が40℃以上であると、記録媒体に着弾後、インクが速やかにゲル化するため、ピニング性がより高くなる。インクのゲル化温度が70℃以下であると、インク温度が通常80℃程度であるインクジェットヘッドからのインクの吐出時にインクがゲル化しにくいため、より安定してインクを吐出することができる。
インクの80℃における粘度、25℃における粘度及びゲル化温度は、レオメータにより、インクの動的粘弾性の温度変化を測定して求めることができる。具体的には、粘度及びゲル化温度は、以下の方法で測定されうる。インクを100℃に加熱し、ストレス制御型レオメータPhysica MCR301(コーンプレートの直径:75mm、コーン角:1.0°)、Anton Paar社製によって粘度を測定しながら、剪断速度11.7(1/s)、降温速度0.1℃/sの条件で20℃までインクを冷却して、粘度の温度変化曲線を得る。80℃における粘度及び25℃における粘度は、粘度の温度変化曲線において80℃、25℃における粘度をそれぞれ読み取ることにより求める。ゲル化温度は、粘度の温度変化曲線において、粘度が200mPa・sとなる温度として求める。
2.光硬化型インクジェットインクの調製
本発明の光硬化型インクジェットインクは、例えば前述の各成分を、加熱下で混合して得ることができる。得られた混合液を、所定のフィルターでさらに濾過することが好ましい。
インクの調製は、顔料を分散剤で分散させた顔料分散体を予め調製し、これに残りの成分を添加して加熱しながら行ってもよい。顔料及び分散剤の分散は、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、又はペイントシェーカーにより行うことができる。
3.画像形成方法
本発明の画像形成方法は、本発明の光硬化型インクジェットインクをインクジェットヘッドのノズルから吐出して記録媒体に着弾させる第1の工程と、記録媒体に着弾したインクに活性光線を照射してインクを硬化させる第2の工程とを含む。
3−1.第1の工程
第1の工程では、インクの液滴をインクジェットヘッドから吐出して、記録媒体の、形成すべき画像に応じた位置に着弾させる。
インクジェットヘッドからの吐出方式は、オンデマンド方式とコンティニュアス方式のいずれでもよい。オンデマンド方式のインクジェットヘッドは、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型及びシェアードウォール型等の電気−機械変換方式、並びにサーマルインクジェット型及びバブルジェット(バブルジェットはキヤノン社の登録商標)型等の電気−熱変換方式等のいずれでもよい。
インクの液滴を、加熱した状態でインクジェットヘッドから吐出することで、吐出安定性を高めることができる。吐出される際のインクの温度は、35℃以上100℃以下であることが好ましく、吐出安定性をより高めるためには、35℃以上80℃以下であることがより好ましい。特には、インクの粘度が7mPa・s以上15mPa・s以下、より好ましくは8mPa・s以上13mPa・s以下となるようなインク温度において出射を行うことが好ましい。
ゾルゲル相転移型のインクは、インクジェットヘッドからのインクの吐出性を高めるために、インクジェットヘッドに充填されたときのインクの温度が、当該インクの(ゲル化温度+10)℃〜(ゲル化温度+30)℃に設定されることが好ましい。インクジェットヘッド内のインクの温度が、(ゲル化温度+10)℃未満であると、インクジェットヘッド内もしくはノズル表面でインクがゲル化して、インクの吐出性が低下しやすい。一方、インクジェットヘッド内のインクの温度が(ゲル化温度+30)℃を超えると、インクが高温になりすぎるため、インク成分が劣化することがある。
インクの加熱方法は、特に制限されない。例えば、ヘッドキャリッジを構成するインクタンク、供給パイプ及びヘッド直前の前室インクタンク等のインク供給系、フィルター付き配管並びにピエゾヘッド等の少なくともいずれかをパネルヒーター、リボンヒーター又は保温水等によって加熱することができる。
吐出される際のインクの液滴量は、記録速度及び画質の面から、2pL以上20pL以下であることが好ましい。
記録媒体は、特に制限されないが、例えばポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート及びポリブタジエンテレフタレート等のプラスチックで構成される非吸収性の記録媒体(プラスチック基材)、金属類及びガラス等の非吸収性の無機記録媒体、並びに吸収性の紙類(例えば印刷用コート紙及び印刷用コート紙B)とすることができる。
3−2.第2の工程
第2の工程では、第1の工程で記録媒体に着弾させたインクに活性光線を照射して、該インクが硬化してなる画像を形成する。
活性光線は、例えば電子線、紫外線、α線、γ線、及びエックス線等から選択することができるが、好ましくは紫外線である。紫外線の照射は、例えばPhoseon Technology社製の水冷LEDを用いて、波長395nmの条件下で行うことができる。LEDを光源とすることで、光源の輻射熱によってインクが溶けることによるインクの硬化不良を抑制することができる。
紫外線の照射は、370nm以上410nm以下の波長を有する紫外線の画像表面におけるピーク照度が、好ましくは0.5W/cm以上10W/cm以下、より好ましくは1W/cm以上5W/cm以下となるように行う。輻射熱がインクに照射されることを抑制する観点からは、画像に照射される光量は350mJ/cm未満であることが好ましい。
活性光線の照射は、インク着弾後0.001秒以上1.0秒以下の間に行うことが好ましく、高精細な画像を形成するためには、0.001秒以上0.5秒以下の間に行うことがより好ましい。
活性光線の照射は、2段階に分けて行ってもよい。まず、インクが着弾した後0.001秒以上2.0秒以下の間に活性光線を照射してインクを仮硬化させ、全印字終了後、さらに活性光線を照射してインクを本硬化させてもよい。活性光線の照射を2段階に分けることで、インク硬化の際に起こる記録材料の収縮がより生じにくくなる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.インク材料
<表面処理された顔料>
(製造例1)
原料となるPigment Green 36(PG36、下記構造式参照)を、硫酸に分散させてスラリーを調製した。得られたスラリーに、アビエチン酸を80質量%含むロジンのアルカリ水溶液を加えた後、取り出し水でロジンを不溶化し、顔料表面に析出させた。それにより、ロジンで表面処理された顔料を得た。
この取り出し方法では、硫酸に分散していた有機顔料は、取り出し水と接触することにより溶解度が急激に低下し、不溶物として微粒子状に析出する。一方、樹脂酸塩(ロジン)は、硫酸と接触することにより、樹脂酸塩の状態から樹脂酸に戻されると共に、不溶物として析出した微粒子状の有機顔料の表面に選択的かつ優先的に堆積し、有機顔料微粒子表面を被覆すると考えられる。
Figure 2017071701
(製造例2)
原料としてPigment Green 7(PG7、下記構造式参照)を用いた以外は製造例1と同様にしてロジンで表面処理された顔料を得た。
Figure 2017071701
(アビエチン酸残基の含有量の測定)
(1)検量線の作成
濃度が既知のアビエチン酸の試薬を幾つか準備し、それらの試薬を秤量し、標準サンプルとした。得られた標準サンプル中のアビエチン酸の含有量を、下記測定条件にてHPLCにより測定し、検量線を作成した。
(測定条件)
測定装置:HPLC(日立ハイテクノロジー製 L2130、L2490)
カラム:ODSカラム(内径:5mmid×長さ25cm、固定相:シリカゲル)
溶離液:アセトニトリル/水混合液(80/20質量比)
サンプル濃度:500ppm
流量:50μL/s
温度:40℃
検出器:UV
検出波長:210nm
(2)アビエチン酸残基の含有量の測定
製造例1及び2で得られた、ロジンで表面処理された顔料を秤量し、硫酸に溶解して測定サンプルを得た。得られた測定サンプル中のアビエチン酸の含有量をHPLCにより測定した。
その結果、製造例1で得られた顔料のアビエチン酸残基の含有量は、表面処理された顔料1モルに対して0.05モルであり;製造例2で得られた顔料のアビエチン酸残基の含有量は、表面処理された顔料1モルに対して0.1モルであった。
<分散剤>
BYK社製 Jet-9151(くし形ブロックコポリマー、アミン価:17mgKOH/g、酸価:7mgKOH/g)
<光重合性化合物>
(1)高極性光重合性化合物
PEG600DA:ポリエチレングリコール600ジアクリレート(A−600、新中村化学工業株式会社製、エチレンオキサイド基の数:14個)
PEG400DA:ポリエチレングリコール400ジアクリレート(A−400、新中村化学工業株式会社製、エチレンオキサイド基の数:9個)
(2)低極性光重合性化合物
3PO変性TMPTA:3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(ミラマー M360、美源スペシャリティケミカル株式会社製、プロピレンオキサイド基の数:3個)
TPGDA:トリプロピレングリコールジアクリレート
<光重合開始剤>
ITX:2−及び4−イソプロピルチオキサントン(BASF社製)
Irgacure819:ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製)
<ゲル化剤>
カオーワックスT−1:ジステアリルケトン(花王社製)
<顔料誘導体>
1S−1:銅フタロシアニン誘導体−スルホン酸基(ルーブリゾール社製 ソルスパース5000)
1S−2:銅フタロシアニン誘導体−カルボン酸基(ルーブリゾール社製 ソルスパース12000)
2S−1:下記式で表されるキナクリドン誘導体−スルホン酸基
Figure 2017071701
3S−1:下記式で表される不溶性アゾ誘導体−スルホン酸基
Figure 2017071701
<重合禁止剤>
UV-10:ヒンダードアミン系重合禁止剤(BASF社製)
2.インクの調製と評価
<インク1A−1の調製>
(顔料分散体1の調製)
以下の成分及び直径0.5mmφのジルコニアビーズ120gを200mlのポリビンに入れて蓋を締め、振動ミル(レッドデビル4500L、西村製作所製)で4時間分散した。分散した後にビーズを分離して分散体を取出して、顔料分散体1を得た。
製造例2で調製したロジンで表面処理された顔料(顔料):15.0質量%
ポリエチレングリコール600ジアクリレート(高極性光重合性化合物):61.0質量%
3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(低極性光重合性化合物):16.0質量%
BYK Jet-9151(高分子分散剤):7.0質量%
BASF社製Irgastab UV−10(重合禁止剤):1.0質量%
(インクの調製)
得られた顔料分散体1を60℃に加熱しながら、以下の成分を以下の割合となるように加えて、インク1A−1を調製した。
顔料分散体1:16.0質量%
追加ポリエチレングリコール600ジアクリレート(高極性光重合性化合物):18.1質量%
追加3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(低極性光重合性化合物):62.5質量%
花王社製カオーワックスT−1(ゲル化剤):1.0質量%
BASF社製ITX(光重合開始剤):1.4質量%
BASF社製Irgacure819(光重合開始剤):1.0質量%
<インク1A−2〜1A−9>
光重合性化合物の組成及びゲル化剤の含有量の少なくとも一方を、表3に示されるように変更した以外はインク1A−1と同様にしてインク1A−2〜1A−9(実施例)を調製した。光重合性化合物中の高極性光重合性化合物の含有率やゲル化剤の含有量の調整は、追加する光重合性化合物の量を調整することによって行った。
<インク2A−1の調製>
(顔料分散体2の調製)
以下の成分を用いた以外は顔料分散体1と同様にして顔料分散体2を得た。
製造例1で調製したロジンで表面処理された顔料(顔料):15.0質量%
ポリエチレングリコール600ジアクリレート(高極性光重合性化合物):60.0質量%
3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(低極性光重合性化合物):15.0質量%
BYK Jet-9151(高分子分散剤):7.0質量%
1S−1(ソルスパース5000)(顔料誘導体):2.0質量%
BASF社製Irgastab UV−10(重合禁止剤):1.0質量%
(インクの調製)
得られた顔料分散体2を60℃に加熱しながら、以下の成分を以下の割合となるように加えて、インク2A−1を調製した。
顔料分散体2:16.0質量%
追加ポリエチレングリコール600ジアクリレート(高極性光重合性化合物):18.2質量%
追加3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(低極性光重合性化合物):62.4質量%
花王社製カオーワックスT−1(ゲル化剤):1.0質量%
BASF社製ITX(光重合開始剤):1.4質量%
BASF社製Irgacure819(光重合開始剤):1.0質量%
<インク2A−2〜7A−12、1B−1〜1B−12の調製>
顔料の種類、光重合性化合物の組成、ゲル化剤の含有量及び顔料誘導体の種類と含有量の少なくとも一以上を、表3〜5に示されるように変更した以外はインク1A−1と同様にしてインク1A−2〜5A−15(実施例)及びインク1B−1〜1B−9(比較例)を調製した。光重合性化合物中の高極性光重合性化合物の含有率やゲル化剤の含有量の調整は、追加する光重合性化合物の量を調整することによって行った。また、インク1B−10〜1B−12では、低極性光重合性化合物の組成比(3PO変性TMPTA/TPGDAの質量比)は、30/70(インク1B−10)、50/50(インク1B−11)、及び70/30(インク1B−12)とした。
得られたインクを用いて画像を形成したときの、液寄りの有無、ドット径、画像の色域差及び吐出安定性を、それぞれ以下の方法で評価した。
(液寄りの有無)
得られたインクを、インクジェットヘッドHA1024型、コニカミノルタ社製に導入した。解像度360×360dpi、電圧16Vの条件で、周囲温度25℃、周囲湿度55%の条件でインクを吐出して記録媒体に着弾させた後、着弾したインクに、LEDランプにて250mJ/cmのエネルギーの紫外線を照射してインクを硬化させて、印字幅30mmのベタ画像(30mm×100mm)を形成した。記録媒体としては、OKトップコート(印刷用紙)を使用した。
得られたベタ画像に含まれる画欠数を、拡大顕微鏡にて30倍に拡大し、ベタ画像の30mm幅手方向に観察してカウントした。画欠とは、液寄りした部分の、液滴が折り重なることによって形成された凹凸をいう。画欠数が5.0個以下であれば良好とした。
(ドット径)
液寄りの測定で形成したベタ画像を、顕微鏡にて×100倍の条件で観察して、10個の液滴の平均寸法値を求めた。ドット径が60μm以下であれば良好とした。
(色域差)
得られたインクを、インクジェットヘッドHA1024型、コニカミノルタ社製に導入した。解像度720×720dpi、電圧16Vの条件で、周囲温度25℃、周囲湿度55%の条件でインクを吐出して記録媒体に着弾させた後、該着弾したインク液滴に、LEDランプにて250mJ/cmのエネルギーの紫外線を照射してインク液滴を硬化させて、印字幅30mmのベタ画像(30mm×100mm)を形成した。記録媒体としては、OKトップコート(印刷用紙)を使用した。
標準サンプルであるPantone色域(明度50)のPanton greenの最大エリア部のa*0、b*0の値を、ポータブル積分球分光測色計Ci6X(エックスライト社製)で測定した。同様にして、上記形成したベタ画像のa*1、b*1の値を測定した。そして、これらの値を下記式に当てはめて、それぞれのインクによる画像と標準サンプルとの色域差ΔEとした。
色域差ΔE=[(a*0)2+(b*0)21/2−[(a*1)2+(b*1)21/2
色域差ΔEが10以下であれば良好とした。
(吐出安定性)
色域差の測定で形成した30mm幅のベタ画像中のドット欠の数を目視でカウントした。ドット欠は、得られたベタ画像において、目視で確認される白いスジ(印字できていない部分の基材の色がそのまま出た部分)である。ドット欠の数が10個以下であれば良好とした。
インク1A−1〜4A−9(実施例)の評価結果を表3に示し、インク5A−1〜7A−12(実施例)の評価結果を表4に示し、インク1B−1〜1B−12(比較例)の評価結果を表5に示す。
Figure 2017071701
Figure 2017071701
Figure 2017071701
表3及び4に示されるように、ロジンで表面処理された顔料と高極性光重合性化合物とを組み合わせた実施例のインク1A−1〜7A−12は、液寄りが抑制され、且つ吐出安定性も良好であることが示される。また、得られる画像の、標準サンプルとの色域差も小さく、良好な色味が得られることが示される。
これに対して、表5に示されるように、表面処理されていない顔料を用いた比較例のインク1B−1〜1B−6は、液寄りが顕著に生じることが示される。これは、表面処理されていない顔料とゲル化剤とが相互作用し、ゲル化剤の機能が阻害されたためであると考えられる。また、高極性光重合性化合物の含有率が30質量%未満である比較例のインク1B−7〜1B−9、及び高極性光重合性化合物を含まない比較例のインク1B−10〜1B−12も、液寄りが生じることが示される。表面処理された顔料と光重合性化合物との親和性が低いため、表面処理された顔料とゲル化剤との相互作用が十分には抑制できず、ゲル化剤の機能が十分には得られないためであると考えられる。また、高極性化合物の含有率が少ないか、高極性化合物を含まないと、表面処理された顔料の分散安定性が低く、吐出安定性も低いことがわかる。
ゲル化剤の含有量を5質量%以下とすることで、吐出安定性が高まることが示される(実施例のインク7A−1〜7A−3と実施例のインク2A−1〜2A−9との対比)。これは、ゲル化剤の含有量が一定以下であると、インクの粘度が上昇しすぎないからであると考えられる。ゲル化剤の含有量を1質量%以上とすることで、液寄りが抑制されやすく、ドット径も小さくなることが示される。これは、ゲル化剤の含有量が一定以上であると、ゲル化剤の機能が十分に得られやすいからであると考えられる。
銅フタロシアニン構造を有する顔料誘導体を用いることで、キナクリドン構造やアゾ構造を有する顔料誘導体を用いるよりも、吐出安定性を高めうることが示される(実施例のインク7A−4〜7A−6と実施例のインク3A−1〜3A−9との対比及び実施例のインク7A−7〜7A−9と実施例のインク2A−1〜2A−9との対比)。これは、銅フタロシアニン骨格を有する顔料誘導体は、それ以外の顔料誘導体よりも、ロジンで表面処理された顔料とπ−π結合を形成しやすく、顔料の分散性が高まるためであると考えられる。
顔料誘導体の含有量を顔料に対して2質量%以上10質量%以下とすることで、液寄りの抑制効果と吐出安定性が高まることが示される(実施例のインク7A−10〜7A−12と実施例のインク2A−1〜2A−9との対比)。これは、顔料誘導体の含有量が少なすぎると、顔料誘導体の含有量が多いときよりも顔料とゲル化剤との相互作用の抑制効果が少なく、液寄りが若干生じやすくなるためであると考えられる。一方、顔料誘導体の含有量が多すぎると、顔料誘導体同士が凝集しやすくなり、吐出安定性が低下するためであると考えられる。
本発明によれば、吐出安定性を損なうことなく、液寄りを抑制し、良好な品質の画像を形成しうる光硬化型インクジェットインク及びそれを用いた画像形成方法を提供することができる。

Claims (8)

  1. 顔料、分散剤、光重合性化合物、光重合開始剤、及びゲル化剤を含む光硬化型インクジェットインクであって、
    前記顔料は、有機酸残基を有するハロゲン化銅フタロシアニン構造を有する顔料を含み、且つ前記有機酸残基は、炭素数16以上20以下の炭化水素基を有し、且つ前記光重合性化合物と親和性を有する有機酸残基であり、
    前記光重合性化合物は、前記光重合性化合物の全質量に対して30質量%以上の、エチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基を合計6個以上有する高極性光重合性化合物を含む、光硬化型インクジェットインク。
  2. 前記有機酸残基は、アビエチン酸残基である、請求項1に記載の光硬化型インクジェットインク。
  3. 前記分散剤は、塩基性基を有する高分子分散剤であり、且つ
    前記インクは、スルホン酸基又はカルボキシル基を有する銅フタロシアニン構造を有する顔料誘導体をさらに含む、請求項1又は2に記載の光硬化型インクジェットインク。
  4. 前記顔料誘導体の含有量は、前記顔料の全質量に対して2質量%以上10質量%以下である、請求項3に記載の光硬化型インクジェットインク。
  5. 前記ゲル化剤の含有量は、前記インクの全質量に対して1質量%以上5質量%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光硬化型インクジェットインク。
  6. 前記光重合性化合物は、エチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基を合計3個以上5個以下有する低極性光重合性化合物をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光硬化型インクジェットインク。
  7. 前記ゲル化剤は、炭素数9以上25以下の炭化水素基を有する、脂肪族ケトン、脂肪族エステル、高級脂肪酸及び高級アルコールからなる群より選ばれる一以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光硬化型インクジェットインク。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の光硬化型インクジェットインクをインクジェットヘッドのノズルから吐出して記録媒体に着弾させる工程と、
    着弾した前記インクに活性光線を照射して前記インクを硬化させる工程と、
    を含む、画像形成方法。
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