JP2014058623A - 活性光線硬化型インクジェットインク、および画像形成方法 - Google Patents

活性光線硬化型インクジェットインク、および画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ゲル化剤を含む活性光線硬化型インクジェットインクを高温射出する際に、液滴曲がりやノズル欠などの吐出不良が生にくい活性光線硬化型インクジェットインクを提供する。
【解決手段】光重合性化合物、顔料、顔料分散剤、ゲル化剤、光重合開始剤、および極性基を有する化合物を含有し、25℃におけるインクの粘度が1000mPa・sである活性光線硬化型インクジェットインクであって、前記極性基を有する化合物は、25℃における水100gに対する溶解量が1.0g以上であり;25℃におけるトリプロピレングリコールジアクリレート100gに対する溶解量が0.1g以下であり;その水溶液の吸収スペクトルピークの最大値λMAXが250〜550nmの範囲内である、化合物Aであり、前記化合物Aが、インク全量に対して0.01以上2.4質量%未満含まれることを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインク。
【選択図】なし

Description

本発明は、活性光線硬化型インクジェットインク、およびそれを用いた画像形成方法に関する。
インクジェット記録方式は、簡易かつ安価に画像を形成できることから、各種印刷分野で用いられている。インクジェット記録方式の一つとして、紫外線硬化型インクの液滴を記録媒体に着弾させた後、紫外線を照射して硬化させて画像を形成する紫外線硬化型インクジェット方式がある。紫外線硬化型インクジェット方式は、インク吸収性のない記録媒体においても、高い耐擦過性と密着性を有する画像を形成できることから、近年注目されつつある。
また、紫外線硬化型インクジェット方式には、高速記録を行うこと;例えば、シングルパス記録方式や少数パスの高速シリアル方式等により高速記録を行うことが検討されている。しかしながら、高速記録を行う場合、隣り合うインク液滴(ドット)同士の間隔が小さくなるため、隣り合うドットが合一しやすく、画質が低下しやすいという問題があった。そのような、隣り合うドットの合一を抑制するため、紫外線硬化型インクジェット用インクのピニング性を高めることが検討されている。
紫外線硬化型インクジェット用インクのピニング性を高める方法として、例えば、インクにゲル化剤を添加して、温度によりゾルゲル相転移させることが検討されている。即ち、高温で液体状態のインク液滴を吐出し、記録媒体に着弾させると同時に、インク液滴を冷却してゲル化させることで、ドットの合一を抑制することが検討されている。これにより、高速記録を行ったとしても、高精細な画像を形成できる。インクに添加されるゲル化剤には、ステアロン等が開示されている(特許文献1および2)。
一方、活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる顔料の分散性を高めるために、インクジェットインクに顔料分散剤を含有させることが開示されている(特許文献3)。また、水系のインクジェットインクに含まれる顔料の分散性を高めるために、顔料に染料を吸着させることや、顔料に顔料誘導体を吸着させることが開示されている(特許文献4および5)。これらの化合物が顔料の表面に吸着することで、顔料同士の凝集を抑制できる。それにより、インクの保存安定性や射出安定性が高まる。
米国特許出願公開第2007/0058020号明細書 国際公開第2007/025893号 特開2010−242037号公報 特開平9−151344号公報 特開2000−273383号公報
前記の通り、ゲル化剤を含むインクジェットインクはインクジェット記録ヘッド内で加熱されて、インク液滴として吐出される。加熱されたインクジェットインクにおいて、分散されていた顔料が析出することがあった。その結果、インク液滴の曲がりやノズル欠などの吐出不良が生じやすくなった。この顔料の析出の原因の一つとして、顔料分散剤が顔料から解離することによって、顔料の分散性が低下するためであることが見出された。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高温射出されるゲル化剤を含む非水系の活性光線硬化型インクジェットインクにおいて顔料の分散性を維持し、インクの吐出性を高めることを目的とする。
本発明者らは、ゲル化剤、顔料、および顔料分散剤などを含む非水系の活性光線硬化型インクジェットインクに、極性基を有する特定の化合物(化合物A)をさらに含ませることで、インクを高温加熱しても顔料分散剤が顔料から解離することを抑制でき、吐出不良が生じないことを見出した。
すなわち本発明は、以下に示すインクジェットインクに関する。
[1] 光重合性化合物、顔料、顔料分散剤、ゲル化剤、光重合開始剤、および極性基を有する化合物Aを含有し、25℃におけるインクの粘度が1000mPa・sである活性光線硬化型インクジェットインクであって、
前記化合物Aは、25℃における水100gに対する溶解量が1.0g以上であり;25℃におけるトリプロピレングリコールジアクリレート100gに対する溶解量が0.1g以下であり;その水溶液の吸収スペクトルピークの最大値λMAXが250〜550nmの範囲内であり、
前記化合物Aの含有量は、インク全量に対して0.01以上2.4質量%未満である、活性光線硬化型インクジェットインク。
[2] 前記化合物Aが、カルボキシル基、スルホニル基、ニトロ基、リン酸基、アミノ基、およびアミド基から選ばれる1以上の極性基を有する、[1]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[3] 前記活性光線硬化型インクジェットインクが、温度により可逆的にゾルゲル相転移する活性光線硬化型インクジェットインクであって、
前記活性光線硬化型インクジェットインクのゲル化温度が30℃以上100℃未満である、[1]または[2]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
また本発明は、以下に示す画像形成方法に関する。
[4] [1]〜[3]のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクのインク液滴を、インクジェット記録ヘッドから吐出して記録媒体上に着弾させる工程と、
前記記録媒体上に着弾した前記インク液滴に、活性光線光源からの光を照射し、前記インク液滴を硬化させる工程と、を含み、
前記活性光線硬化型インクジェットインクは、前記インクジェット記録ヘッドから吐出されるときに60〜100℃に加熱される、画像形成方法。
本発明のインクジェットインクは、高速記録を行っても高精細な画像を形成できる。さらには、本発明のインクジェットインクは、高温射出時においても高い射出安定性を有する。
ライン記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す図である。 シリアル記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す図である。
1.活性光線硬化型インクジェットインク
本発明のインクジェットインクには、光重合性化合物と、顔料と、顔料分散剤と、ゲル化剤と、光重合開始剤と、化合物Aとが含まれる非水系のインクジェットインクであり、必要に応じて、その他の添加剤が含まれてもよい。
<化合物Aについて>
本発明のインクジェットインクには化合物Aが含まれる。化合物Aは極性基を有する。インクジェットインク中で化合物Aは、顔料と顔料分散剤との親和性を高めることができ、顔料と顔料分散剤とが解離することを抑制する。そのため、インク中での顔料の分散性が維持される。そのメカニズムは特に限定されないが、化合物Aを介して顔料と顔料分散剤とを結合させると化合物Aが顔料に吸着しやすくなり、かつ顔料分散剤が化合物Aの極性基と親和して顔料から解離しにくくなる。
化合物Aの第1の態様は、極性基を有する染料である。極性基を有する染料とは、酸性染料や塩基性染料を含む。また、化合物Aの第2の態様は、極性基を有する顔料誘導体である。極性基を有する顔料誘導体とは、顔料に極性基を導入した化合物である。
化合物Aは、25℃における水100gに対する溶解量が1.0g以上である。一方、化合物Aは、25℃におけるトリプロピレングリコールジアクリレート100gに対する溶解量が0.1g以下である。化合物Aの水およびトリプロピレングリコールジアクリレートへの溶解量を調整することで、インクジェットインクに化合物Aが溶解しにくくなる。化合物Aがインクジェットインクに溶解しにくくなると、顔料に吸着する化合物Aの量が多くなり、顔料に吸着しない化合物Aの量が少なくなる。これにより、画像の耐溶剤性を高めることができる。
化合物Aは、その水溶液の吸収スペクトルピークの最大値λMAX(以下、化合物AのλMAXともいう)が250〜550nmの範囲内であることが好ましい。化合物AのλMAXが250〜550nmの範囲内であることが好ましい理由は、特に限定されないが以下の理由が推測される。化合物AのλMAXが低すぎる場合、化合物Aの分子構造に含まれる芳香環の数は少なくなる傾向がある。そのため、化合物Aと顔料との芳香環の間に働くπ―π相互作用が弱くなり、分子間力が弱くなりやすい。よって、化合物Aの顔料への吸着力が弱くなると推測される。
一方、化合物AのλMAXが高すぎる場合、化合物Aの芳香環の数は多くなる傾向がある。そのため、化合物Aと顔料との芳香環の間に働くπ―π相互作用が強くなりやすい。しかしながら、化合物Aの芳香環の数が多いため、化合物Aの分子量は大きくなりやすく、化合物Aの分子平面の面積が大きくなりやすい。そのため、化合物Aの分子構造の柔軟性が低下して、顔料表面構造に追随しにくくなり、化合物Aの顔料への吸着力が弱くなると推測される。また、化合物Aの分子量に対して、化合物Aの極性基の数が少ないため、化合物Aは疎水性になりやすい。そのため、化合物Aのモノマーへの溶解性が高まり、顔料に吸着できる化合物Aが少なくなってしてしまうと推測される。
化合物Aの含有量は、インク全量に対して0.01質量%以上2.4質量%未満であり、0.075質量%超、1.5質量%未満であることが好ましい。化合物Aの含有量が0.01質量%未満であると、顔料に十分な量の化合物Aが吸着できずに顔料の分散性が低下し、特に高温条件でインクを保存したときに顔料の分散性が低下しやすい。一方、化合物Aの含有量が2.4質量%以上であると、インクの粘度が高くなり、射出性が低下しやすい。
化合物Aの第1の態様
化合物Aである染料とは、より具体的には、酸性基を有する染料または塩基性基を有する染料である。直接染料、酸性染料、塩基性染料および反応性染料などの水溶性染料であってもよい。化合物Aである染料は、インクジェットインクに含まれる顔料分散剤の構造に応じて使い分ければよい。例えば、インクジェットインクに含まれる顔料分散剤が酸性基を有する場合に、塩基性基を有する染料を用いればよく;顔料分散剤が塩基性基を有する場合、酸性基を有する染料を用いればよい。これにより、顔料分散剤が有する官能基と染料が有する官能基とが反応することができる。また、極性基を有する染料の顔料への吸着は、二つの荷電粒子間(例えば、酸性顔料と塩基性基を有する染料、または塩基性顔料と酸性基を有する染料)に働くクーロン力や、顔料と極性基を有する染料とが有する芳香環同士のπ―π相互作用などの分子間力の総合的な力が影響していると推測される。
酸性基を有する染料は、カルボキシル基、スルホニル基、およびリン酸基から選ばれる1以上の極性基を有し;塩基性基を有する染料は、アミノ基、およびイミノ基から選ばれる1以上の極性基を有する。特に、酸性基を有する染料は、強い酸性を示すスルホニル基を有することが好ましい。
酸性基を有する染料または塩基性基を有する染料を顔料に吸着させることで、インク中において顔料分散剤と顔料とが解離しにくくなり、顔料の分散性が高まる。また、染料が吸着した顔料の色スペクトルは、染料が吸着していない顔料の色スペクトルよりも広いため、顔料単独で用いるよりも、画像の色再現範囲が広くなる。さらに、顔料は染料よりも耐久性が高いため、染料単独で用いるよりも、画像の耐久性が高くなる。
化合物Aとしての染料の例には、Acid Yellow 3、Acid Yellow 11、Direct Red 28などの染料が含まれるが、これらに限定されない。
化合物Aの第2の態様
化合物Aである顔料誘導体とは、顔料を母核とし、この母核を変性して酸性基や塩基性基などの極性基を付加した化合物でありうる。顔料誘導体の母核とは、インクジェットインクに含まれる顔料と同一の母核であることが好ましい。例えば、インクジェットインクにフタロシアニン顔料が含まれる場合、顔料誘導体はフタロシアニンの変性物であることが好ましく;キナクリドン顔料が含まれる場合、顔料誘導体はキナクリドンの変性物であることが好ましい。顔料誘導体の有する母核と顔料の有する母核とを同一にすることで、顔料誘導体が顔料に吸着しやすくなる。これは、顔料と顔料誘導体とに含まれる芳香環同士が重なり合いやすいため(π−πスタッキングしやすいため)と推測される。
顔料誘導体が有する極性基には、塩素基、スルホニル基、スルホニルアミド基、カルボキシル基、カルボキシルアミド基、アミノ基、アミド基、アミノメチル基、イミド基、イミドメチル基、フタルイミド基、フタルイミドメチル基、ニトロ基、シアノ基、リン酸基などが含まれる。これらの中でも、カルボキシル基、スルホニル基、ニトロ基、リン酸基、アミノ基、およびアミド基から選ばれる1以上の極性基であることが好ましい。
化合物Aである顔料誘導体の例には、キナクリドン誘導体、ベンズイミダゾロン誘導体、イソインドリン誘導体などが含まれる。
顔料誘導体は、顔料誘導体の母核が顔料に吸着し、顔料誘導体の極性基は吸着した顔料に対して外側に配向する。その極性基に顔料分散剤が結合することで、顔料誘導体から顔料分散剤からなる鎖が延びる。その鎖の立体障害により、顔料の分散性を高めることができる。
化合物Aである顔料誘導体の合成方法は特に限定されない。例えば、化合物Aがスルホニル基を有する顔料誘導体は、発煙硫酸、濃硫酸、クロロ硫酸などで顔料をスルホン化すればよい。スルホン化物(顔料誘導体)は、水に分散させて得られたスラリーをろ過及び洗浄し、硫酸などの残留酸を十分に除去し、ペーストの状態で回収する。このペーストをそのまま使用してもよく、必要に応じて乾燥及び粉砕を行ってもよい。乾燥及び粉砕を行う場合は、一度塩酸で洗浄することが一般的である。また、顔料を直接スルホン化することが困難な場合は、スルホニル基を含有する出発原料を用いて顔料誘導体を合成してもよい。
<顔料分散剤について>
本発明のインクジェットインクには、顔料の分散性およびインクジェットインクの保存安定性を高めるために、顔料分散剤が含まれる。顔料分散剤は、化合物Aに結合可能な部位と、光重合性化合物に親和性の高い部位とを有する。
顔料分散剤の例には、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート等が含まれる。
好ましい顔料分散剤は、化合物Aに応じて選択されうる。特に限定されないが、化合物Aが極性基を有する染料(第1の態様)である場合に、酸性基を有する染料に塩基性分散剤を用いることができ;塩基性基を有する染料に酸性分散剤を用いることができる。また、化合物Aが極性基を有する顔料誘導体(第2の態様)である場合に、顔料誘導体の有する極性基に親和性の高い顔料分散剤を用いることができる。
塩基性分散剤とは、例えば1級アミンおよび2級アミンを1つ以上含む高分子分散剤である。塩基性分散剤の例には、ルーブリゾール社製のソルスパーズ11200、ソルスパーズ13240、ソルスパーズ13650、ソルスパーズ13940、ソルスパーズ16000、ソルスパーズ17000、ソルスパーズ18000、ソルスパーズ20000、ソルスパーズ24000SG、ソルスパーズ24000GR,ソルスパーズ28000、ソルスパーズ31845、ソルスパーズ32000、ソルスパーズ32500、ソルスパーズ32550、ソルスパーズ32600、ソルスパーズ33000、ソルスパーズ34750、ソルスパーズ35100、ソルスパーズ35200、ソルスパーズ37500、ソルスパーズ38500、ソルスパーズ39000、ソルスパーズ56000、ソルスパーズ71000、ソルスパーズ76500、ソルスパーズX300、ソルスパーズ9000;ビックケミー社製のDISPERBYK−108、DISPERBYK−109、DISPERBYK−112、DISPERBYK−116、DISPERBYK−130、DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、DISPERBYK−168、DISPERBYK−182、DISPERBYK−183、DISPERBYK−184、DISPERBYK−185、DISPERBYK−2000、DISPERBYK−2008、DISPERBYK−2009、DISPERBYK−2022、DISPERBYK−2050、DISPERBYK−2150、DISPERBYK−2155、DISPERBYK−2163、DISPERBYK−2164、BYK−9077;味の素ファインテクノ社製のアジスパーPB821、PB822、PB823、PB824、PB827等が含まれる。
塩基性分散剤の中でも、ポリエステル系塩基性分散剤が、インクの保存安定性の観点から特に好ましい。ポリエステル系塩基性分散剤の例には、ルーブリゾール社製のソルスパーズ13940、17000、24000、32000;味の素ファインテクノ社製のアジスパーPB821、PB822、PB823、PB824、PB827等が含まれる。
一方、酸性分散剤の例には、ルーブリゾール社製のソルスパーズ3000、ソルスパーズ21000、ソルスパーズ26000、ソルスパーズ36600、ソルスパーズ41000、ソルスパーズ41090、ソルスパーズ43000、ソルスパーズ44000、ソルスパーズ46000、ソルスパーズ47000、ソルスパーズ55000;ビックケミー社製のDISPERBYK−102、DISPERBYK−111、DISPERBYK−170、DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、DISPERBYK−2096、BYK−P104、BYK−P104S、BYK−P105、BYK−220Sが含まれる。
これらの顔料分散剤は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。顔料分散剤はインク全量に対して0.1〜10質量%含まれることが好ましい。
また、本発明のインクジェットインクには、必要に応じて顔料を分散させるための分散媒体がさらに含まれていてもよい。溶剤が分散媒体としてインクジェットインクに含まれてもよいが、形成された画像における溶剤の残留を抑制するためには、前述の光重合性化合物(特に粘度の低いモノマーであり、例えばトリプロピレングリコールジアクリレートなど)が分散媒体であることが好ましい。
<顔料について>
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクには、顔料が含まれる。化合物Aが極性基を有する染料(第1の態様)である場合、以下の酸性顔料または塩基性顔料を用いることができるが、用いることができる顔料はこれらに限定されない。
酸性顔料は、例えばカラーインデックスに記載される下記番号の有機顔料または無機顔料でありうる。
Pigment Red 1、3、12、16、17、18、19、22、23、31、32、40、42、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、50:1、57、57:1、60:1、63:1、63:2、64:1、114、122、146、150、151、170、171、175、176、185、193、209、243、245;
Pigment Blue 17:1、25;
Pigment Yellow 61/61:1、100、168、169等が含まれる。
塩基性顔料は、例えばカラーインデックスに記載される下記番号の有機顔料または無機顔料でありうる。
Pigment Red 122、177;
Pigment Yellow 11、24、108、109、110、138、139、150、151、154、167、180、185;
Pigment Blue 16、22、66;
Pigment Violet 19、32;
Pigment Orange 36等が含まれる。
一方、化合物Aが極性基を有する顔料誘導体(第2の態様)である場合、前述の通り、顔料誘導体の有する母核と顔料の有する母核とを同一にすることで、顔料誘導体が顔料に吸着しやすくなる。
化合物Aがキナクリドン誘導体である場合には、特に限定されないが、キナクリドンを母核に有する顔料として、Pigment Violet 19、42、Pigment Red 122、192、202、207、209等を用いればよく;
化合物Aがベンズイミダゾロン誘導体である場合には、特に限定されないが、ベンズイミダゾロンを母核に有する顔料として、Pigment Yellow 120、151、154、156、175、180、181、194、Pigment Orange 36、60、62、72、Pigment Red 171、175、176、185、208、Pigment Violet 32、Pigment Brown 25等を用いればよく;
化合物Aがイソインドリン誘導体である場合には、特に限定されないが、イソインドリンを母核に有する顔料として、Pigment Yellow 109、110、139、173、185、Pigment Orange 66等を用いればよい。
顔料の平均粒径は0.08〜0.5μmであることが好ましく、顔料の最大粒径は0.3〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜3μmである。顔料の粒径を調整することによって、インクジェット記録ヘッドのノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができる。
顔料の含有量は、インク全量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.4〜10質量%であることがより好ましい。顔料の含有量が少なすぎると、得られる画像の発色が低くなりやすい。一方、顔料の含有量が多すぎると、インクの粘度が高くなり、射出性が低下しやすい。
顔料の分散は、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、およびペイントシェーカー等により行うことができる。顔料の分散は、顔料粒子の平均粒子径が、好ましくは0.08〜0.5μm、最大粒子径が好ましくは0.3〜10μm、より好ましくは0.3〜3μmとなるように行われることが好ましい。顔料の分散は、顔料、顔料分散剤、および分散媒体の選定、分散条件、およびろ過条件等によって、調整される。
<光重合性化合物について>
本発明の活性光線硬化型インクジェットには、光重合性化合物が含まれる。光重合性化合物は、活性光線の照射により架橋又は重合する化合物である。活性光線は、例えば電子線、紫外線、α線、γ線、およびエックス線等であり、好ましくは紫外線である。光重合性化合物には、ラジカル重合性化合物が用いられるが、カチオン重合性化合物をさらに用いてもよい。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの混合物)である。ラジカル重合性化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例には、不飽和カルボン酸とその塩、不飽和カルボン酸エステル化合物、不飽和カルボン酸ウレタン化合物、不飽和カルボン酸アミド化合物およびその無水物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等が挙げられる。不飽和カルボン酸の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等が含まれる。
なかでも、ラジカル重合性化合物は、不飽和カルボン酸エステル化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。(メタ)アクリレート化合物は、後述するモノマーだけでなく、オリゴマー、モノマーとオリゴマーの混合物、変性物、重合性官能基を有するオリゴマーなどであってよい。ここで、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方又はいずれかをいい、「(メタ)アクリル」は「アクリル」、「メタクリル」の双方又はいずれかをいう。
(メタ)アクリレート化合物の例には、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の単官能モノマー;
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の二官能モノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能モノマー等が含まれる。
(メタ)アクリレート化合物は、変性物であってもよく、その例には、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物;カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性(メタ)アクリレート化合物;およびカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のカプロラクタム変性(メタ)アクリレート化合物等が含まれる。なかでも、感光性が高く、低温下でゲル化する際に、後述のカードハウス構造が形成しやすい等の観点から、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物が好ましい。また、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物は、高温下で他のインク成分に対して溶解しやすく、硬化収縮も少ないことから、印刷物のカールも起こりにくい。
エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物の例には、Sartomer社製の4EO変性ヘキサンジオールジアクリレート CD561(分子量358)、3EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート SR454(分子量429)、6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート SR499(分子量560)、4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート SR494(分子量528);新中村化学社製のポリエチレングリコールジアクリレート NKエステルA−400(分子量508)、ポリエチレングリコールジアクリレート NKエステルA−600(分子量742)、ポリエチレングリコールジメタクリレート NKエステル9G(分子量536)、ポリエチレングリコールジメタクリレート NKエステル14G(分子量770);大阪有機化学社製のテトラエチレングリコールジアクリレート V#335HP(分子量302);Cognis社製の3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート Photomer 4072(分子量471、ClogP4.90);新中村化学社製の1,10−デカンジオールジメタクリレート NKエステルDOD−N(分子量310、ClogP5.75)、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート NKエステルA−DCP(分子量304、ClogP4.69)およびトリシクロデカンジメタノールジメタクリレート NKエステルDCP(分子量332、ClogP5.12);
Miwon社製のトリメチロールプロパンPO変性トリアクリレートMiramer M360(分子量471、ClogP4.90)等が含まれる。
(メタ)アクリレート化合物は、重合性オリゴマーであってもよく、そのような重合性オリゴマーの例には、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、および直鎖(メタ)アクリルオリゴマー等が含まれる。
ラジカル重合性化合物に加えて、カチオン重合性化合物をさらに用いる場合、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、およびオキセタン化合物等を用いることができる。カチオン重合性化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ化合物は、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド、または脂肪族エポキシド等であり、硬化性を高めるためには、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが好ましい。
芳香族エポキシドは、多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるジまたはポリグリシジルエーテルでありうる。反応させる多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体の例には、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体等が含まれる。アルキレンオキサイド付加体におけるアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等でありうる。
脂環式エポキシドは、シクロアルカン含有化合物を、過酸化水素や過酸等の酸化剤でエポキシ化して得られるシクロアルカンオキサイド含有化合物でありうる。シクロアルカンオキサイド含有化合物におけるシクロアルカンは、シクロヘキセンまたはシクロペンテンでありうる。
脂肪族エポキシドは、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるジまたはポリグリシジルエーテルでありうる。脂肪族多価アルコールの例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキレングリコール等が含まれる。アルキレンオキサイド付加体におけるアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等でありうる。
ビニルエーテル化合物の例には、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物;
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジまたはトリビニルエーテル化合物等が含まれる。これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性や密着性などを考慮すると、ジまたはトリビニルエーテル化合物が好ましい。
オキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物であり、その例には、特開2001−220526号公報、特開2001−310937号公報、特開2005−255821号公報に記載のオキセタン化合物等が含まれる。なかでも、特開2005−255821号公報の段落番号0089に記載の一般式(1)で表される化合物、同号公報の段落番号0092に記載の一般式(2)で表される化合物、段落番号0107の一般式(7)で表される化合物、段落番号0109の一般式(8)で表される化合物、段落番号0116の一般式(9)で表される化合物等が挙げられる。特開2005−255821号公報に記載された一般式(1)、(2)、(7)〜(9)を以下に示す。
Figure 2014058623
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本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる光重合性化合物の含有量は、インク全質量に対して1〜97質量%であることが好ましく、30〜95質量%であることがより好ましい。
<ゲル化剤について>
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれるゲル化剤は、インクを温度により可逆的にゾルゲル相転移させる機能を有する。そのようなゲル化剤は、少なくとも1)ゲル化温度よりも高い温度で、光重合性化合物に溶解すること、2)ゲル化温度以下の温度で、インク中で結晶化すること、が必要である。
ゲル化剤がインク中で結晶化するときに、ゲル化剤の結晶化物である板状結晶が三次元的に囲む空間を形成し、前記空間に光重合性化合物を内包することが好ましい。このように、板状結晶が三次元的に囲む空間に光重合性化合物が内包された構造を「カードハウス構造」ということがある。カードハウス構造が形成されると、液体の光重合性化合物を保持することができ、インク液滴をピニングすることができる。それにより、液滴同士の合一を抑制することができる。カードハウス構造を形成するには、インク中で溶解している光重合性化合物とゲル化剤とが相溶していることが好ましい。これに対して、インク中で溶解している光重合性化合物とゲル化剤とが相分離していると、カードハウス構造を形成しにくい場合がある。
インク液滴をインクジェット記録装置から安定に吐出するためには、ゾル状のインク(高温時)において、光重合性化合物とゲル化剤との相溶性が良好であることが必要である。さらに、高速印刷時においても安定に液滴同士の合一を抑制するには、インク液滴が記録媒体に着弾後、速やかにゲル化剤が結晶化し、強固なカードハウス構造を形成することが必要である。
このようなゲル化剤の例には、
脂肪族ケトン化合物;
脂肪族エステル化合物;
パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス;
キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウ、およびホホバエステル等の植物系ワックス;
ミツロウ、ラノリンおよび鯨ロウ等の動物系ワックス;
モンタンワックス、および水素化ワックス等の鉱物系ワックス;
硬化ヒマシ油または硬化ヒマシ油誘導体;
モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体またはポリエチレンワックス誘導体等の変性ワックス;
ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、およびエルカ酸等の高級脂肪酸;
ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;
12-ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシステアリン酸;
12-ヒドロキシステアリン酸誘導体;ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド(例えば日本化成社製 ニッカアマイドシリーズ、伊藤製油社製 ITOWAXシリーズ、花王社製 FATTYAMIDシリーズ等);
N-ステアリルステアリン酸アミド、N-オレイルパルミチン酸アミド等のN-置換脂肪酸アミド;
N,N'-エチレンビスステアリルアミド、N,N'-エチレンビス-12-ヒドロキシステアリルアミド、およびN,N'-キシリレンビスステアリルアミド等の特殊脂肪酸アミド;
ドデシルアミン、テトラデシルアミンまたはオクタデシルアミンなどの高級アミン;
ステアリルステアリン酸、オレイルパルミチン酸、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル化合物(例えば日本エマルジョン社製 EMALLEXシリーズ、理研ビタミン社製 リケマールシリーズ、理研ビタミン社製 ポエムシリーズ等);
ショ糖ステアリン酸、ショ糖パルミチン酸等のショ糖脂肪酸のエステル(例えばリョートーシュガーエステルシリーズ 三菱化学フーズ社製);
ポリエチレンワックス、α−オレフィン無水マレイン酸共重合体ワックス等の合成ワックス(Baker−Petrolite社製 UNILINシリーズ等);
ダイマー酸;
ダイマージオール(CRODA社製 PRIPORシリーズ等);
ステアリン酸イヌリン等の脂肪酸イヌリン;
パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン等の脂肪酸デキストリン(千葉製粉社製 レオパールシリーズ等);
ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル;
ベヘン酸エイコサンポリグリセリル(日清オイリオ社製 ノムコートシリーズ等);
N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド、N-(2-エチルヘキサノイル)-L-グルタミン酸ジブチルアミド等のアミド化合物(味の素ファインテクノより入手可能);
1,3:2,4-ビス-O-ベンジリデン-D-グルシトール(ゲルオールD 新日本理化より入手可能)等のジベンジリデンソルビトール類;
特開2005−126507号公報、特開2005−255821号公報および特開2010−111790号公報に記載の低分子オイルゲル化剤;
等が含まれる。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれるゲル化剤は、炭素数が12以上のアルキル基を有する化合物であることが好ましい。なお、前記アルキル基は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、および環状アルキル基のいずれかであればよいが、直鎖アルキル基、分岐アルキル基であることが好ましく、前述の「カードハウス構造」を形成しやすい観点から、直鎖アルキル基であることがより好ましい。
炭素数が12以上の直鎖アルキル基を有するゲル化剤の例には、炭素数が12以上の直鎖アルキル基を有する、脂肪族ケトン化合物、脂肪族エステル化合物、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸アミド等が含まれる。
しかしながら、脂肪酸アミド等、アルキル鎖の末端に−OH、−COOH等の極性基を有するゲル化剤は、ゾル状のインク中での安定性が悪く、析出したり、層分離したりすることがある。また、インクの硬化膜から、ゲル化剤が時間の経過とともに徐々に溶出することがある。そこで、ゲル化剤は、脂肪族ケトン化合物もしくは脂肪族エステル化合物であることが好ましい。つまり、下記一般式(G1)及び(G2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(G1):R−CO−R
一般式(G2):R−COO−R
一般式(G1)において、R及びRで表される炭化水素基は、それぞれ独立に、炭素原子数が12以上25以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基であることが好ましい。R及びRで表される脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が12未満であると、十分な結晶性を有しないためゲル化剤として機能しにくい。さらに、前述のカードハウス構造において、光重合性化合物を内包するための十分な空間を形成できないおそれがある。一方、脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が25を超えると、融点が高くなりすぎる。そのため、インクの射出温度を高くしなければ、インク中に溶解しなくなるおそれがある。
上記一般式(G1)で表される脂肪族ケトン化合物の例には、ジリグノセリルケトン(C24−C24)、ジベヘニルケトン(C22−C22、融点88℃)、ジステアリルケトン(C18−C18、融点84℃)、ジエイコシルケトン(C20−C20)、ジパルミチルケトン(C16−C16、融点80℃)、ジミリスチルケトン(C14−C14)、ジラウリルケトン(C12−C12、融点68℃)、ラウリルミリスチルケトン(C12−C14)、ラウリルパルミチルケトン(C12−C16)、ミリスチルパルミチルケトン(C14−C16)、ミリスチルステアリルケトン(C14−C18)、ミリスチルベヘニルケトン(C14−C22)、パルミチルステアリルケトン(C16−C18)、バルミチルベヘニルケトン(C16−C22)、ステアリルベヘニルケトン(C18−C22)等が含まれる。
一般式(G1)で表される化合物の市販品の例には、18−Pentatriacontanon(AlfaAeser社製)、Hentriacontan−16−on(Alfa Aeser社製)、カオーワックスT1(花王株式会社製)等が含まれる。
活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる脂肪族ケトン化合物は、一種類のみであってもよく、二種類以上の混合物であってもよい。
一般式(G2)おいて、R及びRで表される炭化水素基は、特に制限されないが、炭素原子数12以上26以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基であることが好ましい。R及びRで表される脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が12以上26以下であると、一般式(G1)で表される化合物と同様に、ゲル化剤に必要な結晶性を有しつつ、前述のカードハウス構造を形成でき、融点も高くなりすぎない。
式(G2)で表される脂肪族エステル化合物の例には、ベヘニン酸ベヘニル(C21−C22、融点70℃)、イコサン酸イコシル(C19−C20)、ステアリン酸ステアリル(C17−C18、融点60℃)、ステアリン酸パルミチル(C17−C16)、ステアリン酸ラウリル(C17−C12)、パルミチン酸セチル(C15−C16、融点54℃)、パルミチン酸ステアリル(C15−C18)、ミリスチン酸ミリスチル(C13−C14、融点43℃)、ミリスチン酸セチル(C13−C16、融点50℃)、ミリスチン酸オクチルドデシル(C13−C20)、オレイン酸ステアリル(C17−C18)、エルカ酸ステアリル(C21−C18)、リノール酸ステアリル(C17−C18)、オレイン酸ベヘニル(C18−C22)、セロチン酸ミリシル(C25−C16)、モンタン酸ステアリル(C27−C18)、モンタン酸ベヘニル(C27−C22)、リノール酸アラキジル(C17−C20)、トリアコンタン酸パルミチル(C29−C16)等が含まれる。
式(G2)で表される脂肪族エステル化合物の市販品の例には、ユニスターM−2222SL(日油株式会社製)、エキセパールSS(花王株式会社製、融点60℃)、EMALEXCC−18(日本エマルジョン株式会社製)、アムレプスPC(高級アルコール工業株式会社製)、エキセパールMY−M(花王株式会社製)、スパームアセチ(日油株式会社製)、EMALEX CC−10(日本エマルジョン株式会社製)等が含まれる。これらの市販品は、二種類以上の混合物であることが多いため、必要に応じて分離・精製してもよい。
活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる脂肪族エステル化合物は、一種類のみであってもよく、二種類以上の混合物であってもよい。
活性光線硬化型インクジェットインクに含まれるゲル化剤の量は、インク全量に対して0.5〜10.0質量%が好ましく、更に好ましくは1〜7質量%である。0.5質量%未満であると、インク液滴をゲル化(温度によるゾルゲル相転移)させることができず、10質量%を超えると、インク中に十分に溶解できず、インク液滴の射出性が低下するからである。
<光重合開始剤について>
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクには、光重合開始剤が含まれる。光重合開始剤には、分子内結合開裂型と分子内水素引き抜き型とがある。分子内結合開裂型の光重合開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6-トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系;ベンジルおよびメチルフェニルグリオキシエステル等が含まれる。
分子内水素引き抜き型の光重合開始剤の例には、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル-4-フェニルベンゾフェノン、4,4'-ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4'-メチル-ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3',4,4'-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3'-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;ミヒラーケトン、4,4'-ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;10-ブチル-2-クロロアクリドン、2-エチルアンスラキノン、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が含まれる。
光重合開始剤が、アシルホスフィンオキシドやアシルホスフォナートであると、感度が良好となる。具体的には、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキサイド等が好ましい。
活性光線硬化型インクジェットインクにおける光重合開始剤の含有量は、インク硬化時に照射する光や光重合性化合物の種類などにもよるが、0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量%である。
活性光線硬化型インクジェットインクにおける光重合開始剤に、光酸発生剤が含まれていてもよい。光酸発生剤の例には、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が含まれる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。
活性光線硬化型インクジェットインクには、必要に応じて光重合開始剤助剤や重合禁止剤などがさらに含まれていてもよい。光重合開始剤助剤は、第3級アミン化合物であってよく、芳香族第3級アミン化合物が好ましい。芳香族第3級アミン化合物の例には、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N-ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミンおよびN,N-ジメチルヘキシルアミン等が含まれる。なかでも、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸イソアミルエチルエステルが好ましい。活性光線硬化型インクジェットインクに、これらの化合物が、一種のみ含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p-メトキシフェノール、t-ブチルカテコール、t-ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1-ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p-ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5-ジ-t-ブチル-p-ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ-p-ニトロフェニルメチル、N-(3-オキシアニリノ-1,3-ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o-イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が含まれる。
<その他の成分について>
活性光線硬化型インクジェットインクには、必要に応じて他の成分がさらに含まれていてもよい。他の成分は、各種添加剤や他の樹脂等であってよい。添加剤の例には、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、インクの保存安定性を高めるための塩基性化合物等も含まれる。塩基性化合物の例には、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが含まれる。他の樹脂の例には、硬化膜の物性を調整するための樹脂などが含まれ、例えばポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、およびワックス類等が含まれる。
<インクジェットインクの物性について>
本発明のインクジェットインクは、前述のようにゲル化剤を含むため、温度により可逆的にゾルゲル相転移する。ゾルゲル相転移する活性光線硬化型インクは、高温(例えば80℃程度)では液体(ゾル)であるため、インクジェット記録ヘッドからゾル状態で吐出することができる。高温下で活性光線硬化型インクジェットインクを吐出すると、インク液滴(ドット)が記録媒体に着弾した後、自然冷却されてゲル化する。これにより、隣り合うドット同士の合一を抑制し、画質を高めることができる。
本発明のインクジェットインクは、インク液滴の射出性を高めるために、高温下におけるインクの粘度が一定以下であることが好ましい。具体的には、活性光線硬化型インクジェットインクの、80℃における粘度が3〜20mPa・sであることが好ましい。一方、本発明のインクジェットインクは、隣り合うドットの合一を抑制するために、着弾後の常温下におけるインクの粘度が一定以上であることが好ましい。具体的には、25℃におけるインクの粘度は1000mPa・s以上である。
インクのゲル化温度は、30℃以上100℃未満であることが好ましく、50℃以上65℃以下であることがより好ましい。インクのゲル化温度が高すぎると、射出時にゲル化が生じやすいため射出性が低くなりやすい。一方、インクのゲル化温度が低すぎると、記録媒体に着弾後、速やかにゲル化しないからである。なお、ゲル化温度とは、ゾル状態にあるインクを冷却する過程において、ゲル化して流動性が低下するときの温度である。
インクジェットインクの80℃における粘度、25℃における粘度、及びゲル化温度は、レオメータにより、インクの動的粘弾性の温度変化を測定することにより求めることができる。具体的には、インクを100℃に加熱し、剪断速度11.7(/s)、降温速度0.1℃/sの条件で20℃まで冷却したときの、粘度の温度変化曲線を得る。そして、80℃における粘度と25℃における粘度は、粘度の温度変化曲線において80℃、25℃における粘度をそれぞれ読み取ることにより求めることができる。ゲル化温度は、粘度の温度変化曲線において、粘度が200mPa・sとなる温度として求めることができる。
レオメータは、Anton Paar社製 ストレス制御型レオメータ PhysicaMCRシリーズを用いることができる。コーンプレートの直径は75mm、コーン角は1.0°とすることができる。
上記のゾルゲル相転移する活性光線硬化型インクジェットインクは高温で液体状態のインク液滴を吐出し、記録媒体に着弾させると同時に、インク液滴を冷却してゲル化させることで、ドットの合一を抑制できる。これにより、高速記録を行ったとしても、高精細な画像を形成できる。
<インクジェットインクの調製方法について>
活性光線硬化型インクジェットインクは、前述の光重合性化合物、顔料、顔料分散剤、ゲル化剤、光重合開始剤、及び化合物Aを、加熱下、混合して得られる。好ましくは、一部の光重合性化合物に顔料を分散させた顔料分散剤を用意し、顔料分散剤と、他のインク成分と混合する。得られたインクは、所定のフィルターで濾過することが好ましい。
2.画像形成方法
本発明の画像形成方法は、少なくとも以下の2工程を含む。
(1)活性光線硬化型インクジェットインクのインク液滴を、インクジェット記録ヘッドから吐出して記録媒体上に着弾させる工程
(2)前記記録媒体上に着弾したインク液滴に活性光線光源からの光を照射し、前記インク液滴を硬化させる工程
<(1)工程について>
活性光線硬化型インクジェットインクは、上述したインクジェットインクであればよく、このインクジェットインクのインク液滴をインクジェット記録ヘッドから吐出する。インクジェットインクは、インクジェット記録ヘッドから吐出されるときに60〜100℃に加熱され、60〜80℃に加熱されることがインク液滴の射出性を高める観点から好ましい。インクジェット記録ヘッド内のインク温度が低すぎると、インクジェット記録ヘッド内もしくはノズル表面でインクがゲル化して、インク液滴の射出性が低下しやすくなる。一方、インクジェット記録ヘッド内のインク温度が高すぎると、インクが高温になりすぎるため、インク成分が劣化しやすくなる。
活性光線硬化型インクジェットインクは、インクジェット記録装置のインクジェット記録ヘッド、インクジェット記録ヘッドに接続したインク流路、またはインク流路に接続したインクタンク等で加熱される。
インクジェット記録ヘッドの各ノズルから吐出される1滴あたりの液滴量は、画像の解像度にもよるが、0.5〜10plであることが好ましく、高精細の画像を形成するためには、0.5〜2.5plであることがより好ましい。このような液滴量で高精細な画像を形成するには、着弾後のインクが合一しない;つまり、インクが十分にゾルゲル相転移する必要がある。前述の活性光線硬化型インクジェットインクでは、ゾルゲル転移が速やかに行われる。したがって、このような液滴量でも高精細な画像を安定して形成できる。
記録媒体に着弾したインク液滴は冷却されてゾルゲル相転移により速やかにゲル化する。これにより、インク液滴は拡散せずに、ピニングできる。さらには、インク液滴中に酸素が入り込みにくいため、光重合性化合物の硬化が酸素によって阻害されにくい。
記録媒体は、紙であってもよく、樹脂フィルムであってもよい。紙の例には、印刷用コート紙、印刷用コート紙Bなどが含まれる。また、樹脂フィルムの例には、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリプロピレンフィルム、塩化ビニルフィルムなどが含まれる。
ここで、インクジェット記録ヘッドからインク液滴を吐出することによって、記録媒体上にインク液滴が着弾する。インク液滴が着弾する際の記録媒体の温度は、当該インクのゲル化温度よりも10〜20℃低い温度に設定されていることが好ましい。記録媒体の温度が低すぎると、インク液滴が過剰に迅速にゲル化してピニングしてしまうため、インク液滴のレベリングが十分に生じず、画像の光沢が低下することがある。一方で、記録媒体の温度が高すぎると、インク液滴がゲル化しにくくなり、インク液滴の隣り合うドット同士が混じりあうことがある。記録媒体の温度を適切に調整することで、インク液滴の隣り合うドット同士が混じり合わない程度の適度なレベリングと、適切なピニングとが実現される。
記録媒体の搬送速度は、100〜1500mm/sであることが好ましい。搬送速度が速いほど画像形成速度が速まるので好ましいが、搬送速度が速すぎると、画像品質が低下したり、インクの光硬化(後述)が不十分になったりする。
<(2)工程について>
記録媒体に着弾したインク液滴に活性光線光源からの光を照射することで、インク液滴に含まれる光重合性化合物を架橋又は重合させてインク液滴を硬化させる。
記録媒体に付着したインク液滴に照射する光は、LED光源からの紫外線であることが好ましい。具体例には、Phoseon Technology社製 395nm、水冷LED等が含まれる。一般的な紫外線の光源として、メタルハライドランプが挙げられるが、LEDを光源とすることで、光源の輻射熱によってインク液滴が溶ける;すなわち、インク液滴の硬化膜表面に硬化不良が生じることを抑制できる。
LED光源は、370〜410nmの紫外線を画像表面におけるピーク照度が0.5〜10W/cmとなるように設置され、1〜5W/cmとなるように設置することがより好ましい。画像に照射される光量としては、350mJ/cm未満となるようにすることが好ましい。輻射熱がインク液滴に照射されることを抑制するためである。
インク液滴への光照射は、隣り合うインク液滴同士が合一するのを抑制するために、インク液滴が記録媒体上に付着した後10秒以内、好ましくは0.001秒〜5秒以内、より好ましくは0.01秒〜2秒以内に行うことが好ましい。光照射は、ヘッドキャリッジに収容された全てのインクジェット記録ヘッドからインク液滴を吐出した後に行われることが好ましい。
本発明の画像形成方法は、射出時のインク粘度を下げるためにインクジェットインクを高温加熱(60〜100℃)する。従来のインクジェットインクでは、インクジェットインクを高温加熱すると顔料に吸着した顔料分散剤が解離することがあった。そのため、顔料の分散性が低下して、インクの射出安定性も低下しやすい。一方、本発明の画像形成方法では、インクジェットインクに化合物Aを所望量含有しているため、インクジェットインクが高温加熱されたとしても射出安定性が低下しにくい。そのため、インクジェットインクの高い射出安定性と高精細な画像形成とを両立できる。
3.インクジェット記録装置
本発明の画像形成方法は、活性光線硬化型インクジェット方式のインクジェット記録装置を用いて行うことができる。活性光線硬化型インクジェット方式のインクジェット記録装置には、ライン記録方式(シングルパス記録方式)のものと、シリアル記録方式のものと、がある。求められる画像の解像度や記録速度に応じて選択されればよいが、高速記録の観点では、ライン記録方式(シングルパス記録方式)が好ましい。
図1は、ライン記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す図である。このうち、図1(a)は側面図であり、図1(b)は上面図である。
図1に示されるように、インクジェット記録装置10は、複数のインクジェット記録ヘッド14を収容するヘッドキャリッジ16と、ヘッドキャリッジ16に接続したインク流路30と、インク流路30を通じて供給するインクを貯留するインクタンク31と、記録媒体12の全幅を覆い、かつヘッドキャリッジ16の(記録媒体の搬送方向)下流側に配置された光照射部18と、記録媒体12の下面に配置された温度制御部19と、を有する。
ヘッドキャリッジ16は、記録媒体12の全幅を覆うように固定配置されており、各色毎に設けられた複数のインクジェット記録ヘッド14を収容する。インクジェット記録ヘッド14にはインクが供給されるようになっている。たとえば、インクジェット記録装置10に着脱自在に装着された不図示のインクカートリッジ等から、直接又は不図示のインク供給手段によりインクが供給されるようになっていてもよい。
インクジェット記録ヘッド14は、各色ごとに、記録媒体12の搬送方向に複数配置される。記録媒体12の搬送方向に配置されるインクジェット記録ヘッド14の数は、インクジェット記録ヘッド14のノズル密度と、印刷画像の解像度によって設定される。例えば、液滴量2pl、ノズル密度360dpiのインクジェット記録ヘッド14を用いて1440dpiの解像度の画像を形成する場合には、記録媒体12の搬送方向に対して4つのインクジェット記録ヘッド14をずらして配置すればよい。また、液滴量6pl、ノズル密度360dpiのインクジェット記録ヘッド14を用いて720×720dpiの解像度の画像を形成する場合には、2つのインクジェット記録ヘッド14をずらして配置すればよい。dpiとは、2.54cm当たりのインク液滴(ドット)の数を表す。
インクタンク31は、ヘッドキャリッジ16に、インク流路30を介して接続されている。インク流路30は、インクタンク31中のインクをヘッドキャリッジ16に供給する経路である。インク液滴を安定して吐出するため、インクタンク31、インク流路30、ヘッドキャリッジ16及びインクジェット記録ヘッド14のインクを所定の温度に加熱して、ゲル状態を維持する。
光照射部18は、記録媒体12の全幅を覆い、かつ記録媒体の搬送方向についてヘッドキャリッジ16の下流側に配置されている。光照射部18は、インクジェット記録ヘッド14により吐出されて、記録媒体に着弾した液滴に光を照射し、液滴を硬化させる。
温度制御部19は、記録媒体12の下面に配置されており、記録媒体12を所定の温度に維持する。温度制御部19は、例えば各種ヒータ等でありうる。
以下、ライン記録方式のインクジェット記録装置10を用いた画像形成方法を説明する。記録媒体12を、インクジェット記録装置10のヘッドキャリッジ16と温度制御部19との間に搬送する。一方で、記録媒体12を、温度制御部19により所定の温度に調整する。次いで、ヘッドキャリッジ16のインクジェット記録ヘッド14から高温のインク液滴を吐出して、記録媒体12上に付着(着弾)させる。そして、光照射部18により、記録媒体12上に付着したインク液滴に光を照射して硬化させる。
硬化後の総インク液滴膜厚は、2〜25μmであることが好ましい。「総インク液滴膜厚」とは、記録媒体に描画されたインク液滴膜厚の最大値である。
図2は、シリアル記録方式のインクジェット記録装置20の要部の構成の一例を示す図である。図2に示されるように、インクジェット記録装置20は、記録媒体の全幅を覆うように固定配置されたヘッドキャリッジ16の代わりに、記録媒体の全幅よりも狭い幅であり、かつ複数のインクジェット記録ヘッド24を収容するヘッドキャリッジ26と、ヘッドキャリッジ26を記録媒体12の幅方向に可動させるためのガイド部27と、を有する以外は図1と同様に構成されうる。
シリアル記録方式のインクジェット記録装置20では、ヘッドキャリッジ26がガイド部27に沿って記録媒体12の幅方向に移動しながら、ヘッドキャリッジ26に収容されたインクジェット記録ヘッド24からインク液滴を吐出する。ヘッドキャリッジ26が記録媒体12の幅方向に移動しきった後(パス毎に)、記録媒体12を搬送方向に送り、光照射部28で光を照射する。これらの操作以外は、前述のライン記録方式のインクジェット記録装置10とほぼ同様にして画像を記録する。
以下に本発明を、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるものではない。
<顔料分散液の調製>以下の成分を用いて、顔料分散液1〜12を調製した。
顔料分散剤1:アジスパーPB824(味の素ファインテクノ社製、ポリアリルアミン誘導体、酸価40mgKOH/g)
顔料分散剤2:ソルスパーズ39000(ルーブリゾール製、酸価:100mgKOH/g)
染料1:アシッドイエロー3(東京化成工業製)
Figure 2014058623
染料2:アシッドイエロー11(和光純薬工業製)
Figure 2014058623
染料3:ダイレクトレッド28(東京化成工業製)
Figure 2014058623
染料4:ソルベントイエロー33(中外化成製)
Figure 2014058623
染料5:アシッドイエロー23(東京化成工業製)
Figure 2014058623
染料6:アリザリンアストロール(東京化成工業製)
Figure 2014058623
顔料1:Pigment Yellow 180(大日精化製、クロモファインイエロー313−2)
顔料2:Pigment Yellow 185(BASF製、Paliotol Gelb D1150)
顔料3:Pigment Red 122(大日精化製、クロモファインレッド321)
顔料4:Pigment Violet 19(DIC製、Fastgen Super Red 7066B)
光重合性化合物:APG−200(新中村化学社製、トリプロピレングリコールジアクリレート)
顔料分散液1の調製
顔料分散剤として、アジスパーPB824を9.0質量部と;光重合性化合物として、APG−200を69.0質量部と;染料として、アシッドイエロー3を2.0質量部とをステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌して溶解させた。得られた溶液を室温まで冷却後、顔料としてPigment Yellow 180を20.0質量部加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gとともにガラス瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーにて8時間分散処理した。その後、ジルコニアビーズを除去して、顔料分散液1を調製した。
顔料分散液2〜12の調製
顔料分散剤と光重合性化合物と顔料と染料との種類および添加量を表1に示されるように変更し、ペイントシェーカーによる分散処理時間を表1に示されるように変更したこと以外は、顔料分散液1と同様にして顔料分散液2〜12を調製した。
Figure 2014058623
<インクの調製>
以下の成分により、各実施例および比較例の活性光線硬化型インクジェットインクを調製した。
(実施例1)
光重合性化合物として、APG−200(新中村化学社製、トリプロピレングリコールジアクリレート)を25質量部、A−400(新中村化学社製、ポリエチレングリコール#400ジアクリレートを50質量部と;ゲル化剤として、18−ペンタトリアコンタノン(酸価:3mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g)を3質量部と;光重合開始剤として、DAROCURE TPO(Chiba社製)を5質量部、ITX(DKSH社製)を2質量部と;顔料分散液として、顔料分散液1を15質量部とを混合して、80℃で攪拌した。得られた溶液をADVATEC社製テフロン(登録商標)3μmメンブランフィルターで濾過して、実施例1のインクを調製した。
(実施例2〜7及び比較例1〜5)
顔料分散液の種類を表2に示されるように変更したこと以外は、実施例1のインクと同様にして実施例2〜7のインク及び比較例1〜5のインクを調製した。
<画像形成方法>
図1に示されるライン記録方式のインクジェット記録装置を用いて、単色画像を形成した。インクジェット記録装置のインク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前のサブインクタンク、フィルター付き配管、およびピエゾヘッド(インクジェット記録ヘッド)がこの順に連通して構成されている。そして、得られたインクを、インクジェット記録装置のインク供給系に供給し、インクタンクからインクジェット記録ヘッド部分までのインク供給系の全体を100℃に加温した。
用いたインクジェット記録ヘッドは、512個のノズルを有し、解像度が360dpiである。1滴の液滴量が2.0plとなるように印加電圧を調整し、1440dpi×1440dpiの解像度の画像を記録した。dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。画像の形成は、23℃、55%RHの環境下で行った。
記録媒体として、印刷用コート紙A(OKトップコート 米坪量128g/m 王子製紙社製)を準備した。温度制御部により印刷用コート紙Aを25℃に調温した。印刷用コート紙Aの搬送速度は、200mm/sとした。そして、インクジェット記録ヘッドから印刷用コート紙A上にインク滴を吐出して、下記の抜き文字と、5cm×5cmのベタ画像を形成した。
画像形成後、インクジェット記録装置の下流部に配置したLEDランプ(Phoseon Technology社製、8W/cm、395nm、water cooled unit)により、印刷用コート紙Aに紫外線を照射した。そして、印刷用コート紙Aに着弾したインクを硬化させた。LEDランプから印刷用コート紙Aの表面までを5mm離して、紫外線の照射を行った。
<画像評価1:抜き文字画質>
前述の画像形成方法で、印刷用コート紙A上に、漢字「口、四、日、回、因、困、固、国、目、図、國」の抜き文字を印字した。抜き文字は、解像度1440dpi×1440dpi、3ポイント、4ポイントおよび5ポイントのMS明朝体とした。印字した文字画像を目視観察して、以下の基準に基づいて評価した。評価結果を表2に示す。
◎:3ポイントの抜き文字全てが、細部まで明瞭に記録されている
○:3ポイントの抜き文字は一部しか判読できないが、4ポイントの抜き文字全てが判読可能である
△:4ポイントの抜き文字は一部しか判読できないが、5ポイントの抜き文字全てが判読可能である
×:5ポイントの抜き文字の中にも判読できないものがある
<画像評価2:ベタ画像の均一性>
前述の画像形成方法で、印刷用コート紙A上に解像度1440dpi×1440dpiの単色ベタ画像を形成した。1m印刷後に得られるベタ画像と、500m印刷後に得られるベタ画像とのそれぞれに、白ヌケ(ドットの合一による未印字部分)がないかを目視観察して、以下の基準に基づいて評価した。評価結果を表2に示す。なお、△以上が実用上良好な評価である。
○:白ヌケ無し
△:1箇所または2箇所で白ヌケが認められるが、実用上問題ないレベル
×:白ヌケが多数発生
<インクの出射安定性1:常温保存後の出射安定性>
各実施例または比較例で調製した各インクを用いて特定の画像を印画した後にインクジェット記録ヘッドのノズル欠を目視観察した(画像形成後評価)。また、各インクを用いて24時間連続出射させた後にインクジェット記録ヘッドのノズル欠を目視観察した(24時間連続出射後評価)。それぞれの目視観察結果を、以下の基準に基づいて評価した。評価結果を表2に示す。
○:ノズル欠の発生が全く認められなかった
△:512個の全ノズルのうち、1〜4個のノズルでノズル欠が認められた
×:512個の全ノズルのうち、5個以上のノズルでノズル欠が認められた
<インクの出射安定性2:サーモ保存後の出射安定性>
インクの出射安定性2の評価に用いるインクを100℃で2週間サーモ保存した。そのインクを用いて、インクの出射安定性1の評価と同様に「画像形成後評価」と「24時間連続出射後評価」とを行った。それぞれの目視観察結果を、以下の基準に基づいて評価した。評価結果を表2に示す。
○:ノズル欠の発生が全く認められなかった
△:512個の全ノズルのうち、1〜4個のノズルでノズル欠が認められた
×:512個の全ノズルのうち、5個以上のノズルでノズル欠が認められた
Figure 2014058623
実施例1〜7と比較例1〜5から、化合物Aである染料を所望量含有する実施例1〜7は「抜き文字画質」、「ベタ画像の均一性」、「常温保存後の出射安定性」、および「サーモ保存後の出射安定性」の全ての評価結果が良好であった。特に、化合物Aの含有量がインク全量に対して0.075質量%超、1.5質量%未満であり、化合物AのλMAXが390nm超、490nm以下であり、顔料分散剤にアジスパーPB824を用いている実施例1、2、4、および5の評価結果は優れていた。
比較例1は化合物Aの含有量が過剰であるため、インクの粘度が高くなりすぎた。高粘度のインクを長時間にかけて出射すると、インクジェット記録ヘッドのノズル欠を発生させやすい。そのため、常温保存後の出射安定性の「24時間連続出射後評価」およびサーモ保存後の出射安定性の「24時間連続出射後評価」が不良であった。
比較例2は化合物Aの含有量が過小であるため、顔料に十分な量の化合物Aが吸着できずに顔料の分散性が低下してしまう。すなわち、比較例2のインクにおいて顔料の析出が生じやすい。そのため、ベタ画像に白ヌケが生じやすくなるため、「ベタ画像の均一性」が不良となった。また、高温条件でインクを保存することで顔料が析出しやすくなるため、「サーモ保存後の出射安定性」の評価結果が不良であった。
比較例3のインクに含まれる染料(ソルベントイエロー33)は極性基を有していない。すなわち、ソルベントイエロー33は顔料分散剤に結合しにくく、顔料と顔料分散剤との親和性を高めにくい。そのため、顔料の分散性が低下してしまい、顔料が析出しやすい。そのため、全ての評価項目が悪化した。特に、長時間にかけてインクを射出する500m印字後の「ベタ画像の均一性」、常温保存後の出射安定性の「24時間連続出射後評価」およびサーモ保存後の出射安定性の「24時間連続出射後評価」の評価結果が悪化した。
アシッドイエロー23を含む比較例4のインクは、アシッドイエロー23が水にほとんど溶解しないため、特にサーモ保存後の出射安定性の「24時間連続出射後評価」が不良である。
比較例5のインクに含まれる染料(アリザリンアストロール)のλMAXは604nmと高く、アリザリンアストロールは芳香環の数が多く、分子量が大きい。そのため、アリザリンアストロールは剛直となり、顔料表面構造に追随しにくくなることで、顔料への吸着力が弱くなると推測される。また、アリザリンアストロールの分子量に対して、アリザリンアストロールの極性基の数が1つと少ないため、アリザリンアストロールのモノマーへの溶解性が高まり、アリザリンアストロールの顔料への吸着量が低下したと推測される。そのため、比較例5のインクに含まれる顔料は析出しやすくなり「500m印刷後のベタ画像の均一性」が不良であった。また、高温条件でインクを保存することで顔料が析出しやすくなるため、そのインクを長時間にかけて出射する、サーモ保存後の出射安定性の「24時間連続出射後評価」の結果が不良であった。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインク、およびインクジェット記録方法によれば、高速記録を行っても高精細な画像を形成できる。さらには、高温射出時においても高い射出安定性を有する。
10、20 インクジェット記録装置
12 記録媒体
14、24 インクジェット記録ヘッド
16、26 ヘッドキャリッジ
18、28 光照射部
19 温度制御部
27 ガイド部
30 インク流路
31 インクタンク

Claims (4)

  1. 光重合性化合物、顔料、顔料分散剤、ゲル化剤、光重合開始剤、および極性基を有する化合物Aを含有し、25℃におけるインクの粘度が1000mPa・sである活性光線硬化型インクジェットインクであって、
    前記化合物Aは、25℃における水100gに対する溶解量が1.0g以上であり;25℃におけるトリプロピレングリコールジアクリレート100gに対する溶解量が0.1g以下であり;その水溶液の吸収スペクトルピークの最大値λMAXが250〜550nmの範囲内であり、
    前記化合物Aの含有量は、インク全量に対して0.01以上2.4質量%未満である、活性光線硬化型インクジェットインク。
  2. 前記化合物Aが、カルボキシル基、スルホニル基、ニトロ基、リン酸基、アミノ基、およびアミド基から選ばれる1以上の極性基を有する、請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  3. 前記活性光線硬化型インクジェットインクが、温度により可逆的にゾルゲル相転移する活性光線硬化型インクジェットインクであって、
    前記活性光線硬化型インクジェットインクのゲル化温度が30℃以上100℃未満である、請求項1または2に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクのインク液滴を、インクジェット記録ヘッドから吐出して記録媒体上に着弾させる工程と、
    前記記録媒体上に着弾した前記インク液滴に、活性光線光源からの光を照射し、前記インク液滴を硬化させる工程と、を含み、
    前記活性光線硬化型インクジェットインクは、前記インクジェット記録ヘッドから吐出されるときに60〜100℃に加熱される、画像形成方法。

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