JP2014185254A - ラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ラジカル重合性化合物と、白色顔料と、高分子分散剤と、少なくとも一種の飽和脂肪族カルボン酸と、を含む、ラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
【選択図】なし
Description
〔1〕
ラジカル重合性化合物と、白色顔料と、高分子分散剤と、少なくとも一種の飽和脂肪族カルボン酸と、を含む、
ラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
〔2〕
前記飽和脂肪族カルボン酸が、飽和脂肪族モノカルボン酸及び飽和脂肪族ジカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、前項〔1〕に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
〔3〕
前記飽和脂肪族カルボン酸が、カルボキシル基以外の部分に、炭素原子を2〜15個含む、前項〔1〕又は〔2〕に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
〔4〕
前記飽和脂肪族カルボン酸を、インク組成物の総量に対して、0.05〜0.2質量%含む、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
〔5〕
光重合開始剤をさらに含む、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
〔6〕
前記白色顔料が、金属酸化物微粒子を含む、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
〔7〕
前記飽和脂肪族カルボン酸が、下記一般式(1)又は下記一般式(2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
COOH−(CH2)n−COOH (1)
CH3−(CH2)n-1−COOH (2)
(式中、nは2〜15の整数である。)
〔8〕
前記nが3〜8の整数である、前項〔7〕に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
本実施形態に係るラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物(以下、「インク組成物」ともいう。)は、ラジカル重合性化合物と、白色顔料と、高分子分散剤と、少なくとも一種の飽和脂肪族カルボン酸とを含む。
本実施形態に係るインク組成物は、ラジカル重合性化合物を含む。インク組成物がラジカル重合性化合物を含む場合は、長期間保存した際に高い粘性を有する沈降成分が生じやすいため、本実施形態に係るインク組成物が特に有用となる。
本実施形態に係るインク組成物は、白色顔料を含む。白色顔料は他の顔料と比較して一般的に高い比重を有し、沈降成分を形成しやすいため、本実施形態に係るインク組成物が特に有用となる。白色顔料としては、特に限定されないが、例えば、一般に市販されている無機白色顔料、有機白色顔料、または中空粒子を用いることができる。本実施形態で用いる白色顔料の比重としては、限られるものではないが3.8以上4.1以下の物を用いることができ、本実施形態が特に有効である。
本実施形態に係るインク組成物は、高分子分散剤を含む。高分子分散剤は、白色顔料表面の官能基と相互作用をして、白色顔料表面上に付着する。白色顔料は、付着した高分子分散剤の立体障害又は電気的反発により、インク組成物中に分散する。そのため、高分子分散剤は、上記白色顔料の表面電荷などの表面状態を考慮して適宜選択することができる。高分子分散剤は、酸価又はアミン価のいずれか一方を有することが好ましく、酸価とアミン価を同程度併せ持つものがより好ましい。このような高分子分散剤を用いることにより、アルミナ処理をした白色顔料、シリカ処理をした白色顔料、及びジルコニア処理をした白色顔料の分散性をより向上できる傾向にある。なお、ここで「高分子分散剤」とは、繰り返し単位を有する高分子、特に樹脂からなる分散剤をいう。高分子分散剤の分子量としては、限られるものではないが1,000〜50,000のものが好ましく用いることができる。
本実施形態に係るインク組成物は、少なくとも一種の飽和脂肪族カルボン酸を含む。白色顔料は、表面上に付着した高分子分散剤の立体障害又は電気的反発により、インク組成物中に分散している。しかし、従来の高分子分散剤を白色顔料と共に含むインク組成物は、例えば1年以上の長期間放置すると、粘性沈殿物が生じ、再度撹拌をしても元の分散状態には戻らないという問題がある。
COOH−(CH2)n−COOH (1)
CH3−(CH2)n-1−COOH (2)
(式中、nは2〜15の整数である。)
本実施形態に係るインク組成物は光重合開始剤をさらに含むことが好ましい。該光重合開始剤は、ラジカル重合性化合物を硬化させることができるものであれば特に限定されず、従来公知の光ラジカル重合開始剤を用いることができる。
インク組成物は、上記に挙げた添加剤以外の添加剤(成分)を含んでもよい。このような成分としては、特に制限されないが、例えば従来公知の、スリップ剤(界面活性剤)、重合促進剤、浸透促進剤、及び湿潤剤(保湿剤)、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤が挙げられる。
インク組成物の製造方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、上記各成分を公知の方法で撹拌、分散させることによりインク組成物を製造することができる。また、白色顔料を含む顔料分散液を予め作製し、それを他の成分と混合することでインク組成物を製造することもできる。
本実施形態は、上述のインク組成物を収容したインク収容体とすることができる。インク収容体はインクを輸送に適するよう収容したものである。インク収容体は、インクと接してインクが充填された部材がフィルムであるパック(インクパック)がインク収容体の軽量化などの点で好ましい。フィルムの材質は、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの樹脂を用いることができ、酸素透過性が低いこと、耐久性の点で、エチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましい。フィルムは樹脂からなる層にアルミなどの無機層を多層状にしたものでもよい。フィルムの膜厚は0.05〜0.3mmが好ましい。
下記の実施例、及び比較例において使用したインク組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔ラジカル重合性化合物〕
(単官能モノマー)V#192(大阪有機化学工業社製、製品名)、フェノキシエチルアクリレート
(二官能モノマー)VEEA(日本触媒社製、製品名)、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル
(三官能モノマー)SR444(Sartomer社製、製品名)、ペンタエリスリトールトリアクリレート
〔光重合開始剤〕
Irgacure 819(BASF社製、製品名)
Speedcure TPO(Lambson社製、製品名)
〔増感剤〕
Speedcure DETX(Lambson社製、製品名)
Hostalux KCB(Clariant社製、製品名)
〔重合禁止剤〕
MEHQ(p-メトキシフェノール)
〔界面活性剤〕
BYK3500(ビックケミージャパン社製、製品名)
〔白色顔料〕
アルミナ表面処理を施した酸化チタン(石原産業社製、製品名「CR−50」)
〔高分子分散剤〕
BYK180(ビックケミージャパン社製、製品名)
〔飽和脂肪族カルボン酸〕
コハク酸
アジピン酸
ラウリン酸
パルミチン酸
2−ナフトエ酸
クエン酸
アジピン酸ジエチル
[インク組成物及びインクパックの調製]
各材料を表2に示す組成(質量%)で混合し、十分に撹拌し、実施例及び比較例の各インク組成物を得た。各インク組成物600mlを、空の状態で30×15cmの大きさの長方形のインク注入口以外の四辺をヒートシールしたパックに注入口から注入し、パック内に空気が残らないよう注入口をヒートシールして各インクパックを作製した。パックは、エチレン−ビニルアルコール共重合体製のフィルム(厚み0.1mm)を用いた。
〔長期放置後分散回復性〕
上記のようにして作製したインクパックを、長方形の面を水平にして室温(25℃)で1年間静置した。静置後のインクパック中のインク組成物を、長方形の面を水平にした状態で、長方形の長辺の方向へ両側5cmの距離の振り幅で、速度50cm/秒で往復50回移動させ、長方形の面を裏返して同様に長方形の面を水平にして、同様にしてさらに往復50回移動させることで攪拌した後、パックのインク注入口を上にして、パックの上部のインクを採取し、インク組成物の吸光度(Abs)と、放置前のインク組成物の吸光度を吸光度計(日立製作所社製、製品名U−3300分光光度計)を用いて測定した。測定値より吸光度の変化率を算出して以下の評価基準により評価した。結果を表2に示す。なお、沈降成分が多いほどインク組成物中の白色顔料が薄くなる傾向にあり、放置後の吸光度が低くなる。
(評価基準)
AA : 0%以上10%未満
A : 10%以上20%未満
B : 20%以上30%未満
C : 30%以上
上記のようにしてインク組成物を調製した。調製後のインク組成物中の溶け残りの有無を目視にて観察し、以下の評価基準で評価した。結果を表2に示す。
(評価基準)
A : なし
B : あり
上記のようにして調製したインク組成物を上記のパックに収容し70℃で8日放置した。放置後のインク組成物の粘度と、放置前のインク組成物の粘度を、粘度計(Physica社製、製品名MCR−300)を用いて測定した。測定温度は20℃とした。測定値より、放置前の粘度を基準にした放置前後の粘度変化率を算出して以下の評価基準により評価した。結果を表2に示す。
(評価基準)
A : 10%未満
B : 10%以上
Claims (8)
- ラジカル重合性化合物と、白色顔料と、高分子分散剤と、少なくとも一種の飽和脂肪族カルボン酸と、を含む、
ラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。 - 前記飽和脂肪族カルボン酸が、飽和脂肪族モノカルボン酸及び飽和脂肪族ジカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、請求項1に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
- 前記飽和脂肪族カルボン酸が、カルボキシル基以外の部分に、炭素原子を2〜15個含む、請求項1又は2に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
- 前記飽和脂肪族カルボン酸を、インク組成物の総量に対して、0.05〜0.2質量%含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
- 光重合開始剤をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
- 前記白色顔料が、金属酸化物微粒子を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
- 前記飽和脂肪族カルボン酸が、下記一般式(1)又は下記一般式(2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
COOH−(CH2)n−COOH (1)
CH3−(CH2)n-1−COOH (2)
(式中、nは2〜15の整数である。) - 前記nが3〜8の整数である、請求項7に記載のラジカル重合性光硬化型インクジェット用インク組成物。
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