JP2009084440A - インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射線の照射に対する硬化感度を維持しながら、形成された画像表面のべとつき発生が効果的に抑制され、画像形成後の印刷物を積層した場合でもブロッキングが発生ぜず、インクジェット装置に適用した際における吐出性の良好な、インク組成物を提供する。
【解決手段】(a)カチオン重合性基を有する3級アミン化合物、(b)光酸発生剤、(c)カチオン重合性化合物、を含有するインク組成物である。ここで、(a)カチオン重合性基を有する3級アミン化合物における3級アミン構造としては、ヒンダードアミン構造を有し、且つ、ビニルエーテル基、エポキシ基、または、オキセタン基を有する化合物であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、インク組成物に関するものである。詳しくは、放射線の照射に対して、高感度で硬化し、表面にべとつきがない画像を形成することができ、インクジェット記録用に好適なインク組成物に関するものである。
画像データ信号に基づき、紙などの被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。なかでも、インクジェット方式は、安価な装置で実施可能であり、且つ、必要とされる画像部のみにインクを吐出して被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安い。さらに、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
インクジェット方式によれば、普通紙のみならずプラスチックシート、金属板など非吸水性の被記録媒体にも印字可能であるが、印字する際の高速化及び高画質化が重要な課題となっており、印字後の液滴の乾燥、硬化に要する時間が、印刷物の生産性や印字画像の鮮鋭度に大きく影響する性質を有している。
インクジェット方式の一つとして、放射線の照射により、硬化可能なインクジェット記録用インクを用いた記録方式がある。この方法によれば、印字後直ちに又は一定の時間後に放射線照射し、インク液滴を硬化させることで、印字の生産性が向上し、鮮鋭な画像を形成することができる。
紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インクの高感度化を達成することにより、放射線に対し高い硬化性が付与され、インクジェット記録の生産性向上、消費電力低減、放射線発生器への負荷軽減による高寿命化、不十分硬化に基づく低分子物質の揮発発生の防止など、多くの利益が生じる。また、高感度化は、とくにインクジェット記録用インクにより形成された画像の強度を向上させ、特に、平版印刷版の形成に応用した場合、画像部の硬化強度が高まることになり、高耐刷性が得られることになる。
このような放射線、例えば、紫外線による硬化型インクジェット方式は、比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い被記録媒体への記録が出来る点で、近年注目されつつあり、ラジカル重合を利用したインクジェット用紫外線硬化型インク組成物が開示されている。これらのラジカル重合型インクは硬化速度に優れ、滲みのない画像を形成しうるものの、硬化時の体積収縮により、被記録媒体との密着性が低下するという問題を有していた。
このため、被記録媒体への密着性を向上させる目的で、紫外線硬化時の収縮率が小さいカチオン重合型インク組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。但し、これらカチオン重合型インクは、経時で発生した酸に基づく反応により、保存時の安定性が十分ではなく、実用化には大きな障害となっていた。このため、保存安定性を改良する試みとして、塩基性化合物や熱塩基発生剤を添加する技術が提案されている(例えば、特許文献2〜4、参照。)が、塩基性化合物が露光により発生した酸の機能を阻害するためにインクの硬化感度が低下するという新たな問題が発生することがわかった。
また、カチオン重合型インクの場合、安定化剤としての低分子量塩基性化合物が画像形成後にも未反応のまま残存すると、画像表面に浸出して画像表面のべとつきを引き起こすため、タック感度を改善することが切望されている。
特開平9−183928号公報 特開2003−312121号公報 特開2003−341217号公報 特開2004−91558号公報
前記課題を考慮してなされた本発明の目的は、放射線の照射に対する硬化感度を維持しながら、形成された画像表面のべとつき発生が効果的に抑制され、画像形成後の印刷物を積層した場合でもブロッキングが発生ぜず、インクジェット装置に適用した際における吐出性の良好な、インク組成物を提供することにある。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
<1> (a)カチオン重合性基を有する3級アミン化合物、(b)光酸発生剤、(c)カチオン重合性化合物、を含有するインク組成物。
<2> 前記(a)カチオン重合性基を有する3級アミン化合物における3級アミン構造が、ヒンダードアミン構造である<1>に記載のインク組成物。
<3> 前記(a)カチオン重合性基有する3級アミン化合物が、ビニルエーテル基を有することを特徴とする<1>又は<2>に記載のインク組成物
<4> 前記(a)カチオン重合性基有する3級アミン化合物が、エポキシ基、または、オキセタン基を有することを特徴とする<1>又は<2>に記載のインク組成物。
<5> さらに、(D)着色剤を含有する<1>〜<4>のいずれか1項に記載のインク組成物。
<6> インクジェット用である<1>〜<5>のいずれか1項に記載のインク組成物。
本発明のインク組成物は、通常の印刷に使用して高画質で強度に優れた画像を形成し、高品位な印刷物が得られるのみならず、レジスト、カラーフィルター、光ディスクの製造にも好適に使用することができ、光造形材料としても有用である。
また、インクジェット記録方法を適用することで、非吸収性の被記録媒体上にも、高感度で硬化し、表面にべとつきのない画像部領域をデジタルデータに基づき直接形成しうることから、本発明のインク組成物を用いて形成した印刷物は、印刷後、積層した場合においても、インク画像のべたつきに起因するブロッキングが抑制される。
本発明によれば、放射線の照射に対する硬化感度を維持しながら、形成された画像表面のべとつき発生が効果的に抑制され、画像形成後の印刷物を積層した場合でもブロッキングが発生ぜず、インクジェット装置に適用した際における吐出性の良好な、インク組成物を提供することができる。
[インク組成物]
本発明のインク組成物は、(a)カチオン重合性基を有する3級アミン化合物、(b)光酸発生剤、(c)カチオン重合性化合物、を含有することを特徴とするものであり、所望により、さらに(d)着色剤を含有してもよい。
本発明で言う「放射線」とは、その照射によりインク組成物中において開始種を発生させうるエネルギーを付与することができる活性放射線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含する活性放射線である。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線および電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい、したがって、本発明のインク組成物としては、放射線として、紫外線を照射することにより硬化可能なインク組成物であることが好ましい。
紫外線等の放射線硬化型のカチオン重合型インク組成物は、ラジカル重合型のインク組成物と比べ膜物性、感度などの点で優位であるが、酸素による重合阻害を受けないため、熱や光に対する安定性が問題となる。
本発明のインク組成物は、安定化剤としての塩基性化合物が重合性基を有することで、感度を損なうことなく、速やかに硬化するとともに、塩基性化合物がその重合性基に起因して画像中に固定化されることから、低分子量の塩基性化合物が画像表面に浸出することがなく、表面のべとつきが効果的に抑制され、タック感度が改善するとともに、本発明のインク組成物により画像形成された印刷物を積層してもインク画像のべとつきに起因するブロッキングの発生を抑制することができる。
かかる効果を発揮する作用機構は詳細には判明していないが、(a)カチオン重合性基を有する3級アミン化合物におけるアミン構造に起因して、露光が行われていない場合には、該アミン構造が、(b)光酸発生剤から発生した所望されないわずかな酸を効果的にトラップして硬化反応を抑制するとともに、また、充分な露光が行われた場合には、該3級アミン化合物におけるカチオン重合性基に起因して、隣接する(c)カチオン重合性化合物とともに、酸により硬化し、インクが硬化して形成された画像部中に固定化され、表面へのブリードが生じることなく、低分子量3級アミン化合物の浸出に起因して生じる表面のべとつき発生が効果的に抑制されるものと考えられる。
以下、本発明のインク組成物に用いられる各構成成分について順次説明する。
〔(a)カチオン重合性基を有する3級アミン化合物〕
次に、本発明に用いられる特徴的な成分である(a)カチオン重合性基を有する3級アミン化合物(以下、適宜「重合性アミン化合物」と称する)について説明する。
本発明における(a)重合性アミン化合物は、分子内にカチオン重合性基を少なくとも1つ有する3級アミン化合物であれば特に制限はなく、3級アミン構造は、分子内に1つのみであってもよく、複数存在してもよい。一分子内における3級アミン構造の数は、初期粘度の増加抑制、および黄色着色抑制の観点から好ましくは、1つから4つであり、より好ましくは1つから3つである。
3級アミン構造の形態は任意であるが、立体障害の大きい塩基性窒素原子を有する、いわゆるヒンダードアミン化合物を使用することが、カチオン重合の生長反応を阻害することなく、微量に発生した酸をトラップすることができ、高感度の維持及び経時安定性向上の観点から好ましい。
このようなヒンダードアミン構造としては、塩基性窒素が、カチオン末端との反応性を下げるために十分な立体障害をもつものが挙げられる。塩基性窒素原子の周りに分子が多く存在する、例えば、嵩高い置換基を有することにより立体障害が起こり、塩基性化合物としてのカチオン重合反応を阻害する要因が軽減されるため、立体障害の大きい三級アミンが特に好ましい。また、一般に、十分な立体障害を得られない場合には、系内の連鎖移動により硬化膜内で生成するポリマーの重合度が低下するため、感度低下に繋がると考えられるが、本発明においては、このようなアミン化合物自体がカチオン重合性を有するため、連鎖移動などの懸念がなく、エネルギー付与により、隣接するカチオン重合性化合物とともに硬化反応に寄与するため、感度の観点からも好ましい態様ということができる。
このようなヒンダードアミン構造をとることによって、熱または光によって発生した、所望されない微量の酸をトラップ機能を維持しながらも、通常露光により硬化する際には、従来用いられている塩基性化合物と異なり、立体障害により、塩基性部位によるカチオン重合反応時のカチオン末端の生長反応を阻害することがないため、重合の進行を抑制することがなく、感度の低下を引き起こさないと考えられる。
(a)重合性アミン化合物における3級アミン構造の好ましい例としては、下記一般式Iから下記一般式VIIのいずれかにより表される構造が挙げられる。
Figure 2009084440
は、炭素数3から8の分岐アルキル基(例えば、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、イソペンチル等)、炭素数3から10の環状アルキル基(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、等)、または炭素数7から20のアラルキル基を表す。Rは炭素数1から4の直鎖アルキル基、炭素数3から6の分岐アルキル基、または炭素数6から12のアリール基を表す。Rは、水素原子、炭素数1から20の直鎖アルキル基、炭素数3から6の分岐アルキル基、炭素数3から10の環状アルキル基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から20のアラルキル基、または炭素数2から20のアルケニル基を表す。
ここで1分子中に複数存在するRおよびRは、同じでも互いに異なっていてもよく、それぞれが互いに結合して環構造を形成してもよい。Zは炭化水素からなる二価の有機基を表す。nおよびmは1から3の整数を表す。
より好ましくは、前記一般式I及び一般式IVで表されるアルキル置換構造をもつヒンダードアミン構造である。
また、(a)重合性アミン化合物におけるカチオン重合性基は、一分子内に少なくとも一つ以上あればよく、2つ以上存在してもよい。複数存在するカチオン重合性基は、同じ種類であってもよく、互いに異なる重合性基が混在してもよい。一分子内におけるカチオン重合性基の数は、初期粘度の増加を抑えるという観点からは、1つから4つであることが好ましく、1つから3つであることがより好ましい。
カチオン重合性基の種類には、特に制限はなく、酸により硬化しうるカチオン重合性であれば、いずれも用いることができるが、例えば、共役二重結合を有する置換基、オキセタン環あるいはエポキシ環を有する置換基が挙げられる。
なかでも、特に、インク中のカチオン重合性モノマーとの共重合反応性と合成適性の観点から、ビニルエーテル基、脂環式エポキシド、オキセタン基から選ばれる置換基が好ましい。
3級アミン構造とカチオン重合性基との結合態様も任意であり、例えば、環状のアミン構造における環を構成する窒素原子にカチオン重合性が結合している態様、環状のアミン構造における環を構成する炭素原子の任意の位置にカチオン重合性が結合している態様など、アミン構造に1つ以上のカチオン重合性基が結合していてもよく、エポキシ環、オキセタン環を構成する炭素原子に1つ以上の3級アミン構造が存在する態様など、一つのカチオン重合性基に対して、1つ又は複数の3級アミン構造が結合していてもよい。
また、3級アミン構造とカチオン重合性基とは、直接結合していてもよく、適切な連結基を介して結合していてもよい。適切な連結基としては、置換基としてヘテロ原子を持ってもよい、炭素数1〜10の直鎖アルキレン基、分岐アルキレン基、炭素数1〜8のアルキレンオキシ基、炭素数1〜12のアラルキル基、などが挙げられる。より好ましくは、炭素数1〜6のアルキレン基が挙げられる。
以下に、(a)重合性アミン化合物の具体例として、例示化合物(A−1)〜例示化合物(A−33)を挙げるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
Figure 2009084440
Figure 2009084440
Figure 2009084440
これらのなかでも、性能と合成適性の観点から、A−1、A−3、A−4、A−6、A−11、A−24、及び、A−26が好ましい。
本発明のインク組成物には、(a)重合性アミン化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のインク組成物における(a)重合性アミン化合物の含有量は、硬化感度維持と保存安定性の両立、インクジェット装置に適用した際における吐出安定性、及び、形成された画像の表面のべとつきや黄変抑制の観点から、インク組成物中の固形分換算で、0.01質量%〜25質量%であることが好ましく、0.1質量%〜20質量%がより好ましく、1質量%〜15質量%が特に好ましい。
〔(b)光酸発生剤〕
本発明のインク組成物には、インク組成物の重合開始種を発生しうる、放射線の照射により酸を発生する化合物、即ち、光酸発生剤を用いる。
本発明に用いうる光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている光(400〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなどの照射により酸を発生する化合物を適宜選択して使用することができる。
このような光酸発生剤としては、放射線の照射により分解して酸を発生する、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩などのオニウム塩化合物、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネート等のスルホネート化合物などを挙げることができる。
また、その他の本発明に用いられる活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物としては、たとえばS.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal etal,Polymer,21,423(1980)等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、同 Re 27,992号、特開平3−140140号等に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker etal,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号等に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello etal,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、同第339,049号、同第410,201号、特開平2−150848号、特開平2−296514号等に記載のヨードニウム塩、
J.V.Crivello etal,Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivello etal.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello etal,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello etal,Macromorecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivelloetal,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第3,902,114号、同4,933,377号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号、特開平7−28237号、同8−27102号等に記載のスルホニウム塩、
J.V.Crivello etal,Macromorecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello etal,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)等に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815号、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号等に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier et al,J.Rad.Curing,13(4),26(1986)、T.P.Gill et al,Inorg.Chem.,19,3007(1980)、D.Astruc,Acc.Chem.Res.,19(12),377(1986)、特開平2−161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、
S.Hayase etal,J.Polymer Sci.,25,753(1987)、E.Reichmanis etal,J.Pholymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,23,1(1985)、Q.Q.Zhu etal,J.Photochem.,36,85,39,317(1987)、B.Amit etal,Tetrahedron Lett.,(24)2205(1973)、D.H.R.Barton etal,J.Chem.Soc.,3571(1965)、P.M.Collins et al,J.Chem.Soc.,Perkin I,1695(1975)、M.Rudinstein etal,Tetrahedron Lett.,(17),1445(1975)、J.W.Walker etal,J.Am.Chem.Soc.,110,7170(1988)、S.C.Busman etal,J.Imaging Technol.,11(4),191(1985)、H.M.Houlihan etal,Macormolecules,21,2001(1988)、P.M.Collins etal,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,532(1972)、S.Hayase etal,Macromolecules,18,1799(1985)、E.Reichmanis etal,J.Electrochem.Soc.,Solid State Sci.Technol.,130(6)、F.M.Houlihan etal,Macromolcules,21,2001(1988)、欧州特許第0290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343号、米国特許第3,901,710号、同4,181,531号、特開昭60−198538号、特開昭53−133022号等に記載のo−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、
M.TUNOOKA etal,Polymer Preprints Japan,35(8)、G.Berner etal,J.Rad.Curing,13(4)、W.J.Mijs etal,Coating Technol.,55(697),45(1983),Akzo、H.Adachi etal,Polymer Preprints,Japan,37(3)、欧州特許第0199,672号、同84515号、同044,115号、同第618,564号、同0101,122号、米国特許第4,371,605号、同4,431,774号、特開昭64−18143号、特開平2−245756号、特開平3−140109号等に記載のイミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61−166544号、特開平2−71270号等に記載のジスルホン化合物、特開平3−103854号、同3−103856号、同4−210960号等に記載のジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物を挙げることができる。
また、これらの光により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、M.E.Woodhouse et al,J.Am.Chem.Soc.,104,5586(1982)、S.P.Pappas et al,J.Imaging Sci.,30(5),218(1986)、S.Kondo etal,Makromol.Chem.,Rapid Commun.,9,625(1988)、Y.Yamada etal,Makromol.Chem.,152,153,163(1972)、J.V.Crivello et al,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed.,17,3845(1979)、米国特許第3,849,137号、独国特許第3,914,407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。たとえば、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、イミノスルフォネート等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化合物、ジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物を挙げることができる。
さらにV.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad etal,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton et al,J.Chem.Soc.,(C),329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
本発明に使用しうる光酸発生剤として好ましい化合物として、下記式(b1)、(b2)、(b3)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2009084440
式(b1)において、R201、R202及びR203は、各々独立に有機基を表す。
は、非求核性アニオンを表し、好ましくはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF 、PF 、SbF や以下に示す基などが挙げられ、好ましくは炭素原子を有する有機アニオンである。
Figure 2009084440
好ましい有機アニオンとしては下式に示す有機アニオンが挙げられる。
Figure 2009084440
Rcは、有機基を表す。
Rcにおける有機基として炭素数1〜30のものが挙げられ、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはこれらの複数が、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SON(Rd)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。
Rdは、水素原子、アルキル基を表す。
Rc、Rc、Rcは、各々独立に、有機基を表す。
Rc、Rc、Rcの有機基として、好ましくはRcにおける好ましい有機基と同じものを挙げることができ、最も好ましくは炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。
RcとRcが結合して環を形成していてもよい。
RcとRcが結合して形成される基としてはアルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2〜4のパーフロロアルキレン基である。
Rc、Rc〜Rcの有機基として、最も好ましくは1位がフッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子またはフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
201、R202及びR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(b1−1)、(b1−2)、(b1−3)における対応する基を挙げることができる。
なお、式(b1)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(b1)で表される化合物のR201〜R203のうち少なくともひとつが、式(b1)で表される他の化合物におけるR201〜R203の少なくともひとつと直接、又は、連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。
更に好ましい(b1)成分として、以下に説明する化合物(b1−1)、(b1−2)、及び(b1−3)を挙げることができる。
化合物(b1−1)は、上記式(b1)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基、シクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基などのアリール基、インドール残基、ピロール残基、などのヘテロアリール基が好ましく、更に好ましくはフェニル基、インドール残基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基としては、炭素数1〜15の直鎖又は分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているシクロアルキル基としては、炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては、炭素数1〜12の直鎖又は分岐状アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうち、いずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、化合物(b1−2)について説明する。
化合物(b1−2)は、式(b1)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、より好ましくは直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖、分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができ、直鎖、分岐2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
201〜R203としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができ、環状2−オキソアルキル基がより好ましい。
201〜R203の直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基としては、好ましくは、上記のアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
201〜R203としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
化合物(b1−3)とは、以下の式(b1−3)で表される化合物であり、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
Figure 2009084440
式(b1−3)に於いて、R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
及びRは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又はビニル基を表す。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRとRは、それぞれ結合して環構造を形成してもよい。
Zcは、非求核性アニオンを表し、式(b1)に於けるXの非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
1c〜R7cとしてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができる。
1c〜R7cのシクロアルキル基として、好ましくは、炭素数3〜8個のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRとRが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖状若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1cからR5cの炭素数の和が2〜15である。溶剤溶解性がより向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制されるので好ましい。
及びRとしてのアルキル基、シクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基、シクロアルキル基と同様のものを挙げることができる。
及びRは、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基であることが好ましい。
2−オキソアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
、Rは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基、シクロアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基、シクロアルキル基である。
式(b2)、(b3)中、R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。Xは、非求核性アニオンを表し、式(b1)に於けるXの非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
204〜R207としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。R204〜R207としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
使用してもよい活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物として、更に、下記式(b4)、(b5)、(b6)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2009084440
式(b4)〜(b6)中、Ar及びArは、各々独立に、アリール基を表す。
206、R207及びR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
前記光酸発生剤のなかでも好ましくものとしては、式(b1)〜(b3)で表される化合物を挙げることができる。
本発明に用いうる(B)カチオン重合開始剤の好ましい化合物例〔(b−1)〜(b−96)〕を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2009084440
Figure 2009084440
Figure 2009084440
Figure 2009084440
Figure 2009084440
Figure 2009084440
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Figure 2009084440
Figure 2009084440
また、本発明においてカチオン重合開始剤として用いうる、光酸発生剤としては、前記した化合物群の他、特開2002−122994号公報、段落番号〔0029〕乃至〔0030〕に記載のオキサゾール誘導体、s−トリアジン誘導体なども好適に用いられる。
特開2002−122994号公報、段落番号〔0037〕乃至〔0063〕に例示されるオニウム塩化合物、スルホネート系化合物も光酸発生剤として好適に使用しうる。
本発明のインク組成物において、(b)カチオン重合開始剤剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
インク組成物中の(b)カチオン重合開始剤剤の含有量は、インク組成物の全固形分換算で、0.1質量%〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5質量%〜10質量%、更に好ましくは1質量%〜7質量%である。
ここで、本発明でインク組成物中の固形分とは、インク組成物から後述の溶剤等の揮発性成分を除いた成分とする。
〔(c)カチオン重合性化合物〕
本発明に用いられる(c)カチオン重合性化合物は、前記(b)カチオン重合開始剤(光酸発生剤)から発生する酸により重合反応を生起し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号などの各公報に記載されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
エポキシ化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド、芳香族エポキシドなどが挙げられ、芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく挙げられる。
脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルに代表されるポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
本発明に用いうる単官能エポキシ化合物の例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
また、多官能エポキシ化合物の例としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物のなかでも、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
ビニルエーテル化合物としては、例えばエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
具体的には、単官能ビニルエーテルの例としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
また、多官能ビニルエーテルの例としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、ジ又はトリビニルエーテル化合物が、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点から好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
本発明におけるオキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物を指し、特開2001−220526号、同2001−310937号、同2003−341217号の各公報に記載される如き、公知オキセタン化合物を任意に選択して使用できる。
本発明のインク組成物に使用しうるオキセタン環を有する化合物としては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。このような化合物を使用することで、インク組成物の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、硬化後のインクの被記録媒体との高い密着性を得ることができる。
分子内に1〜2個のオキセタン環を有する化合物としては、下記式(1)〜(3)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2009084440
a1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基を表す。分子内に2つのRa1が存在する場合、それらは同じであっても異なるものであってもよい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、フルオロアルキル基としては、これらアルキル基の水素のいずれかがフッ素原子で置換されたものが好ましく挙げられる。
a2は、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数2〜6個のアルケニル基、芳香環を有する基、炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、アルケニル基としては、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等が挙げられ、芳香環を有する基としては、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基としては、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等が、アルキコキシカルボニル基としては、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が、N−アルキルカルバモイル基としては、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等が挙げられる。
a3は、線状または分枝状アルキレン基、線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、線状または分枝状不飽和炭化水素基、カルボニル基またはカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基、又は、以下に示す基を表す。アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられ、ポリ(アルキレンオキシ)基としては、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等が挙げられる。不飽和炭化水素基としては、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等が挙げられる。
Figure 2009084440
a3が上記多価基である場合、Ra4は、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、またはカルバモイル基を表す。
a5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO、C(CF、又は、C(CHを表す。
a6は、炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基を表し、nは0〜2,000の整数である。Ra7は炭素数1〜4個のアルキル基、アリール基、又は、下記構造を有する1価の基を表す。下記式中、Ra8は炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基であり、mは0〜100の整数である。
Figure 2009084440
3〜4個のオキセタン環を有する化合物としては、下記式(4)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2009084440
式(4)において、Ra1は、前記式(1)におけるのと同義である。また、多価連結基であるRa9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基又は下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは、3又は4である。
Figure 2009084440
上記Aにおいて、Ra10はメチル基、エチル基又はプロピル基を表す。また、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
また、本発明に好適に使用しうるオキセタン化合物の別の態様として、側鎖にオキセタン環を有する下記式(5)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2009084440
式(5)において、Ra1、Ra8は前記式におけるのと同義である。Ra11はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基又はトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
このようなオキセタン環を有する化合物については、前記特開2003−341217号公報、段落番号〔0021〕乃至〔0084〕に詳細に記載され、ここに記載の化合物は本発明にも好適に使用しうる。
本発明で使用するオキセタン化合物のなかでも、インク組成物の粘度と粘着性の観点から、オキセタン環を1個有する化合物を使用することが好ましい。
本発明のインク組成物には、これらのカチオン重合性化合物は、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよいが、インク硬化時の収縮を効果的に抑制するといった観点からは、オキセタン化合物とエポキシ化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物と、ビニルエーテル化合物とを併用することが好ましい。
インク組成物中における(c)カチオン重合性化合物の含有量は、インク組成物の全固形分に対し、10質量%〜95質量%が適当であり、好ましくは30質量%〜90質量%、更に好ましくは50質量%〜85質量%の範囲である。
本発明のインク組成物には、前記の必須成分に加え、目的に応じて種々の添加剤を併用することができる。これらの任意成分について説明する。
〔(d)着色剤〕
本発明のインク組成物に着色剤を添加することで、可視画像を形成することができる。例えば、平版印刷版の画像部領域を形成する場合などには、必ずしも添加する必要はないが、得られた平版印刷版の検版性の観点からは着色剤を用いることも好ましい。
ここで用いることのできる着色剤には、特に制限はなく、用途に応じて公知の種々の色材、(顔料、染料)を適宜選択して用いることができる。例えば、耐候性に優れた画像を形成する場合には、顔料が好ましい。染料としては、水溶性染料及び油溶性染料のいずれも使用できるが、油溶性染料が好ましい。
本発明に好ましく使用される顔料について述べる。
(顔料)
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、または顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、あるいは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
本発明において使用できる有機顔料及び無機顔料の具体例としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等),C.I.ピグメントイエロー74の如きモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエローAAA等)、C.I.ピグメントイエロー17の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180の如き非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)の如きアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)の如きイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)の如きキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)の如きイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)の如きニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)の如き金属錯塩アゾメチン顔料等が挙げられる。
赤あるいはマゼンタ色を呈するものとして、C.I.ピグメントレッド3(トルイジンレッド等)の如きモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド38(ピラゾロンレッドB等)の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッドBR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド174(フロキシンBレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド81(ローダミン6G’レーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド88(チオインジゴボルドー等)の如きチオインジゴ顔料、C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド等)の如きペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)の如きペリレン顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン)、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)の如きキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)の如きイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ等)の如きアリザリンレーキ顔料等が挙げられる。
青あるいはシアン色を呈する顔料として、C.I.ピグメントブルー25(ジアニシジンブルー等)の如きジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー等)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー1(ビクロチアピュアブルーBOレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー60(インダントロンブルー等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントブルー18(アルカリブルーV−5:1)の如きアルカリブルー顔料等が挙げられる。
緑色を呈する顔料として、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニングリーン)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントグリーン8(ニトロソグリーン)等の如きアゾ金属錯体顔料等が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料として、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)の如きイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)の如きアントラキノン系顔料が挙げられる。
黒色を呈する顔料として、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック等が挙げられる。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCOPb(OH)、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、さらに、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、必要に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
顔料の分散には、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いることができる。
顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体等を挙げることができる。また、Zeneca社のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
インク組成物において顔料などの諸成分の分散媒としては、溶剤を添加してもよく、また、無溶媒で、低分子量成分である前記(c)カチオン重合性化合物を分散媒として用いてもよいが、本発明のインク組成物は、放射線硬化型のインクであり、インクを被記録媒体上に適用後、硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。これは、硬化されたインク画像中に、溶剤が残留すると、耐溶剤性が劣化したり、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じるためである。このような観点から、分散媒としては、(c)カチオン重合性化合物を用い、なかでも、最も粘度が低いカチオン重合性モノマーを選択することが分散適性やインク組成物のハンドリング性向上の観点から好ましい。
顔料の平均粒径は0.02〜0.4μmにするのが好ましく、0.02〜0.1μmとするのがさらに好ましく、より好ましくは、0.02〜0.07μmの範囲である。
顔料粒子の平均粒径を上記好ましい範囲となるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
(d)着色剤を用いる場合の含有量は、インク組成物中、固形分換算で1〜20質量%添加されることが好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
(染料)
本発明に用いる染料は、油溶性のものが好ましい。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解する色素の質量)が1g以下であるものを意味し、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下である。従って、所謂、水に不溶性の油溶性染料が好ましく用いられる。
前記油溶性染料としては、融点が200℃以下のものが好ましく、融点が150℃以下であるものがより好ましく、融点が100℃以下であるものが更に好ましい。融点が低い油溶性染料を用いることにより、インク組成物中での色素の結晶析出が抑制され、インク組成物の保存安定性が良くなる。
また、退色、特にオゾンなどの酸化性物質に対する耐性や硬化特性を向上させるために、酸化電位が貴である(高い)ことが望ましい。このため、本発明で用いる油溶性染料として、酸化電位が1.0V(vsSCE)以上であるものが好ましく用いられる。酸化電位は高いほうが好ましく、酸化電位が1.1V(vsSCE)以上のものがより好ましく、1.15V(vs SCE)以上のものが特に好ましい。
イエロー色の染料としては、特開2004−250483号公報の記載の一般式(Y−I)で表される構造の化合物が好ましい。
特に好ましい染料は、特開2004−250483号公報の段落番号[0034]に記載されている一般式(Y−II)〜(Y−IV)で表される染料であり、具体例として特開2004−250483号公報の段落番号[0060]から[0071]に記載の化合物が挙げられる。なお、該公報記載の一般式(Y−I)の油溶性染料はイエローのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
マゼンタ色の染料としては、特開2002−114930号公報に記載の一般式(3)、(4)で表される構造の化合物が好ましく、具体例としては、特開2002−114930号公報の段落[0054]〜[0073]に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0084]から[0122]に記載されている一般式(M−1)〜(M−2)で表されるアゾ染料であり、具体例として特開2002−121414号公報の段落番号[0123]から[0132]に記載の化合物が挙げられる。なお、該公報記載の一般式(3)、(4)、(M−1)〜(M−2)の油溶性染料はマゼンタのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
シアン色の染料としては、特開2001−181547号公報に記載の式(I)〜(IV)で表される染料、特開2002−121414号公報の段落番号[0063]から[0078]に記載されている一般式(IV−1)〜(IV−4)で表される染料が好ましいものとして挙げられ、具体例として特開2001−181547号公報の段落番号[0052]から[0066]、特開2002−121414号公報の段落番号[0079]から[0081]に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0133]から[0196]に記載されている一般式(C−I)、(C−II)で表されるフタロシアニン染料であり、更に一般式(C−II)で表されるフタロシアニン染料が好ましい。この具体例としては、特開2002−121414号公報の段落番号[0198]から[0201]に記載の化合物が挙げられる。なお、前記式(I)〜(IV)、(IV−1)〜(IV−4)、(C−I)、(C−II)の油溶性染料はシアンのみでなく、ブラックインクやグリーンインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
本発明に用いる染料は、インク組成物に必要量溶解させるために先に挙げた種々の染料における染料母核に対して油溶化基を導入することも好ましい。
油溶化基としては、長鎖、分岐アルキル基、長鎖、分岐アルコキシ基、長鎖、分岐アルキルチオ基、長鎖、分岐アルキルスルホニル基、長鎖、分岐アシルオキシ基、長鎖、分岐アルコキシカルボニル基、長鎖、分岐アシル基、長鎖、分岐アシルアミノ基長鎖、分岐アルキルスルホニルアミノ基、長鎖、分岐アルキルアミノスルホニル基及びこれら長鎖、分岐置換基を含むアリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリールアミノカルボニル基、アリールアミノスルホニル基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げられる。
また、カルボン酸、スルホン酸を有する水溶性染料に対して、長鎖、分岐アルコール、アミン、フェノール、アニリン誘導体を用いて油溶化基であるアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノスルホニル基、アリールアミノスルホニル基に変換することにより染料を得てもよい。
−酸化電位−
本発明における染料の酸化電位の値(Eox)は、当業者が容易に測定することができる。この方法に関しては、例えばP.Delahay著”New Instrumental Methods in Electrochemistry”(1954年, Interscience Publishers社刊)や、A.J.Bard他著”Electrochemical Methods”(1980年、John Wiley & Sons社刊)、藤嶋昭他著”電気化学測定法”(1984年 技報堂出版社刊)に記載されている。
具体的に酸化電位は、過塩素酸ナトリウムや過塩素酸テトラプロピルアンモニウムといった支持電解質を含むジメチルホルムアミドやアセトニトリルのような溶媒中に、被験試料を1×10−2〜1×10−6モル/リットル溶解して、サイクリックボルタンメトリーや直流ポーラログラフィー装置により、作用極として炭素(GC)を、対極として回転白金電極を用いて酸化側(貴側)に掃引したときの酸化波を直線で近似して、この直線と残余電流・電位直線との交点と、直線と飽和電流直線との交点(又はピーク電位値を通る縦軸に平行な直線との交点)と、で作られる線分の中間電位値をSCE(飽和カロメル電極)に対する値として測定する。この値は、液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10ミルボルト程度偏位することがあるが、標準試料(例えばハイドロキノン)を入れて電位の再現性を保証することができる。また、用いる支持電解質や溶媒は、被験試料の酸化電位や溶解性により適当なものを選ぶことができる。用いることができる支持電解質や溶媒については藤嶋昭他著”電気化学測定法”(1984年 技報堂出版社刊)101〜118ページに記載がある。
(d)着色剤として染料を用いる場合の含有量も、顔料の場合と同様に、インク組成物中、固形分換算で1〜20質量%添加されることが好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
〔その他の成分〕
本発明のインク組成物には、前記必須成分である(a)〜(c)成分、さらに所望により添加される(d)着色料に加えて、インク組成物に使用される種々の公知の添加剤を、本発明の効果を損なわない限りにおいて、目的に応じて併用することができる。
以下に、必要に応じて用いられる種々の添加剤について述べる。
(pKaが2〜6の値を示す有機酸性化合物)
本発明には、さらに必要に応じ、pKaが2〜6の値を示す有機酸性化合物が使用される。pKaが2〜6の値を示す有機酸性化合物(以下、単に「有機酸性成分」とも言う。)は、定性的には弱酸性の有機化合物が相当する。pKaが上記範囲であると、本発明のインク組成物は感度および経時安定性に優れることから好ましい。
具体的な化合物としては、特にカルボン酸類が挙げられる。例えば、酢酸、フェニル酢酸、フェノキシ酢酸、メトキシプロピオン酸、乳酸、へキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレイン酸、シクロプロピルカルボン酸、シクロブタンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロへキサンカルボン酸、1−アダマンタンカルボン酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、アビエチン酸、トランス−レチン酸、シクロヘキシル酢酸、ジシクロヘキシル酢酸、アダマンタン酢酸、マロン酸、マロン酸モノメチルエステル、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチルエステル、イタコン酸、クロトン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グリコール酸、ジグリコール酸、マンデリン酸、酒石酸、リンゴ酸、アルギニン酸、ケイ皮酸、メトキシケイ皮酸、3,5−ジメトキシケイ皮酸、安息香酸、サリチル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、ガリック酸、3−ニトロ安息香酸、3−クロロ安息香酸、4−ビニル安息香酸、t−ブチル安息香酸、1−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、フルオレノン−2−カルボン酸、9−アントラセンカルボン酸、2−アントラキノンカルボン酸、フタル酸、フタル酸モノメチルエステル、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメリット酸モノメチルエステルなどの炭素数1〜20の脂肪族または芳香族モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸が挙げられるが、本発明がこれに限定されるものではない。
本発明のインク組成物に有機酸性成分を使用する場合、その含有量はインク組成物の全固形分に対し、好ましくは0.001〜10質量%であり、より好ましくは0.01〜7質量%、更に好ましくは0.05〜5質量%である。また、特定塩基成分を用いた場合、特定塩基成分と有機酸性成分との割合は、(特定塩基成分)/(有機酸性成分)のモル比で好ましくは0.1〜4、より好ましくは0.3〜2の範囲で使用される。
(紫外線吸収剤)
本発明のインク組成物には、得られる画像の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤、などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物中の固形分換算で0.5〜15質量%程度である。
(増感剤)
本発明のインク組成物には、光酸発生剤の酸発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、必要に応じ、増感剤を添加してもよい。増感剤としては、光酸発生剤に対し、電子移動機構またはエネルギー移動機構で増感させるものであれば、何れでもよい。好ましくは、アントラセン、9,10−ジアルコキシアントラセン、ピレン、ペリレンなどの芳香族多縮環化合物、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーケトンなどの芳香族ケトン化合物、フェノチアジン、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物が挙げられる。添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、(B)カチオン重合開始剤(光酸発生剤)に対し0.01〜1モル%、好ましくは0.1〜0.5モル%で使用される。
(酸化防止剤)
インク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物中の固形分換算で0.1〜8質量%程度である。
(褪色防止剤)
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物中の固形分換算で0.1〜8質量%程度である。
(導電性塩類)
本発明のインク組成物には、射出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
(溶剤)
本発明のインク組成物には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
(高分子化合物)
インク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。さらに、高分子結合材の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、または「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などが挙げられる。
本発明のインク組成物は、吐出性を考慮し、吐出時の温度において、インク粘度が7〜30mPa・sであることが好ましく、更に好ましくは7〜20mPa・sであり、上記範囲になるように適宜組成比を調整し決定することが好ましい。なお、25〜30℃でのインク粘度は、好ましくは35〜500mPa・s、より好ましくは35〜200mPa・sである。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を防ぎ、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となり、更にインク液滴着弾時のドット滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善される。25〜30℃におけるインク粘度が上記範囲であると、滲み防止効果が十分発揮でき、インク液のデリバリーが良好であり好ましい。
本発明のインク組成物の表面張力は、好ましくは20〜30mN/m、更に好ましくは23〜28mN/mである。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点はで30mN/m以下が好ましい。
このようにして調整された本発明のインク組成物は、一般的な印刷用インクのみならず、インクジェット記録用インクとして好適に用いられる。インク組成物をインクジェットプリンターにより被記録媒体に印字し、その後、印字されたインク組成物に放射線を照射して硬化して記録を行う。
このインクにより得られた印刷物は、画像部が紫外線などの放射線照射により硬化しており、画像部の強度に優れるため、インクによる画像形成以外にも、例えば、平版印刷版のインク受容層(画像部)の形成など、種々の用途に使用しうる。
〔インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置〕
次に、本発明のインク組成物を好適に使用することができるインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置について、以下説明する。
本発明のインク組成物を適用するためのインクジェット記録方法としては、(i)被記録媒体上に本発明のインク組成物を吐出する工程、及び、(ii)吐出されたインク組成物に放射線を照射してインク組成物を硬化する工程を含むインクジェット記録方法である。
前記インクジェット記録方法によって、本発明のインク組成物により画像形成することで印刷物が得られる。
インクジェット記録方法においては、上記インク組成物を40〜80℃に加熱して、インク組成物の粘度を7〜30mPa・sの範囲に調整した後、吐出することが好ましく、この方法を用いることにより高い吐出安定性を実現することができる。一般に、放射線硬化型インク組成物では、概して水性インクより粘度が高いため、印字時の温度変動による粘度変動幅が大きい。このインク組成物の粘度変動は、そのまま液滴サイズ、液滴吐出速度に対して大きな影響を与え、これにより画質劣化を引き起こすため、印字時のインク組成物温度はできるだけ一定に保つことが必要である。インク組成物温度の制御幅は設定温度±5℃とすることが好ましく、より好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
インクジェット記録装置には、インク組成物温度の安定化手段を備えることが一つの特徴であり、一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル吐出面までの配管系、部材の全てが対象となる。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク組成物流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、あるいは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
次に放射線の照射条件について述べる。基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間をおいて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。WO99/54415号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明においては、これらの照射方法を用いることが可能である。
照射する放射線としては、前記(b)光酸発生剤を分解させうるエネルギーを付与することができるものであれば、特に制限なく、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含する活性放射線であるが、特に波長230nm〜420nmの紫外線が好ましい。光源としては、有極または無極の水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯の他、同波長領域の発光ダイオード(UV−LED)を用いることができる。UV−LEDを使用する場合、発光チップのエネルギーパワーにより、複数個を直線状または3次元状に並べ、マルチ・アレーとして使用される。
また本発明では、インク組成物を一定温度に加温するとともに、着弾から照射までの時間を0.01〜0.5秒とすることが望ましく、好ましくは0.01〜0.3秒、更に好ましくは0.01〜0.15秒後に放射線を照射することである。このように着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、着弾インクが硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができる為、未反応モノマーの残留を抑えられ、その結果として臭気を低減することができる。
上記説明したインクジェット記録方法と本発明のインク組成物とを併せて用いることにより、大きな相乗効果をもたらすことになる。特に、25℃におけるインク粘度が35〜500mP・sのインク組成物を用いると大きな効果を得ることが出来る。このような記録方法を取ることで、表面の濡れ性が異なる様々な被記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。
なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクを重ねると、下部のインクまで照射線が到達しにくく、硬化感度の阻害、残留モノマーの増加および臭気の発生、密着性の劣化が生じやすい。また、照射は、全色を射出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
本発明に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、市販のインクジェット記録装置が使用できる。即ち、本発明においては、本発明のインク組成物をインクジェット記録装置により被記録媒体へ適用することで、記録する、即ち印刷物を得ることができる。
本発明のインク組成物を用いて形成されたインク画像を有する印刷物においては、画像表面のべとつきが抑制されているため、印刷物を積層して保存しても、ブロッキングを生じる懸念がないという利点を有する。
〔被記録媒体〕
本発明のインク組成物を適用しうる被記録媒体としては、特に制限はなく、通常の非コート紙、コート紙などの紙類、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性樹脂材料あるいは、それをフィルム状に成形した樹脂フィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム等を挙げることができる。その他、被記録媒体材料として使用しうるプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが挙げられる。また、金属類や、ガラス類も被記録媒体として使用可能である。
本発明のインク組成物は、硬化時の熱収縮が少なく、基材(被記録媒体)との密着性に優れるため、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱などにより、フィルムのカール、変形が生じやすいフィルム、例えば、熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムなどにおいても、高精細な画像を形成しうるという利点を有する。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例における形態に限定されるものではない。
〔実施例1〕
《顔料分散物の調製》
下記に記載の方法に従って、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各顔料分散物1を調製した。なお、分散条件は、各顔料粒子の平均粒径が0.2〜0.3μmの範囲となるように、公知の分散装置を用いて、分散条件を適宜調整して行、次いで加熱下でフィルター濾過を行って調製した。
(イエロー顔料分散物1)
C.I.ピグメントイエロー12 10質量部
高分子分散剤(Zeneca社製 Solsperseシリーズ) 5質量部
トリエチレングリコールジビニルエーテル 85質量部
(マゼンタ顔料分散物1)
C.I.ピグメントレッド57:1 15質量部
高分子分散剤(Zeneca社製 Solsperseシリーズ) 5質量部
トリエチレングリコールジビニルエーテル 80質量部
(シアン顔料分散物1)
C.I.ピグメントブルー15:3 20質量部
高分子分散剤(Zeneca社製 Solsperseシリーズ) 5質量部
トリエチレングリコールジビニルエーテル 75質量部
(ブラック顔料分散物1)
C.I.ピグメントブラック7 20質量部
高分子分散剤(Zeneca社製 Solsperseシリーズ) 5質量部
トリエチレングリコールジビニルエーテル 75質量部
《インクの調製》
下記の成分を混合し、フィルターによって濾過し、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色インクを調製した。
(イエローインク1)
・(a)カチオン重合性基を有する3級アミン化合物(A−1) 5g
・(b)光酸発生剤:
化合物例(b−24)/(b−29)=1/2 5g
・(c)カチオン重合性化合物:
セロキサイド2021(エポキシ化合物:ダイセルUCB(株)製) 35g
OXT−221(オキセタン化合物:東亜合成(株)製) 55g
・着色剤(前記顔料分散物):イエロー顔料分散物1 5g
(マゼンタインク1)
・(a)カチオン重合性基を有する3級アミン化合物(A−1) 5g
・(b)光酸発生剤:
化合物例(b−24)/(b−29)=1/2 5g
・(c)カチオン重合性化合物:
セロキサイド2021(エポキシ化合物:ダイセルUCB(株)製) 35g
OXT−221(オキセタン化合物:東亜合成(株)製) 55g
・着色剤(前記顔料分散物):マゼンタ顔料分散物1 5g
(シアンインク1)
・(a)カチオン重合性基を有する3級アミン化合物(A−1) 5g
・(b)光酸発生剤:
化合物例(b−24)/(b−29)=1/2 5g
・(c)カチオン重合性化合物:
セロキサイド2021(エポキシ化合物:ダイセルUCB(株)製) 35g
OXT−221(オキセタン化合物:東亜合成(株)製) 55g
・着色剤(前記顔料分散物):シアン顔料分散物1 5g
(ブラックインク1)
・(a)カチオン重合性基を有する3級アミン化合物(A−1) 5g
・(b)光酸発生剤:
化合物例(b−24)/(b−29)=1/2 5g
・(c)カチオン重合性化合物:
セロキサイド2021(エポキシ化合物:ダイセルUCB(株)製) 35g
OXT−221(オキセタン化合物:東亜合成(株)製) 55g
・着色剤(前記顔料分散物):ブラック顔料分散物1 5g
・増感剤:9,10−ジブトキシアントラセン 0.5g
《インクジェット画像記録》(多色画像の評価)
次に、ピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置を用いて、被記録媒体への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱および加温を行った。温度センサーは、インク供給タンクおよびインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に70℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、8〜30plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で射出できるよう駆動した。着弾後はUV−A光を露光面照度100mW/cm、に集光し、被記録媒体上にインク着弾した0.1秒後に照射が始まるよう露光系、主走査速度及び射出周波数を調整した。また、露光時間を可変とし、露光エネルギーを照射した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上記調製した各色インク(イエローインク1、マゼンタインク1、シアンインク1、ブラックインク1)を用い、環境温度25℃にて、ブラック→シアン→マゼンタ→イエローの順に射出、1色毎に紫外線を照射した。触診で粘着性が無くなる様、完全に硬化するエネルギーとして、1色あたりのトータル露光エネルギーが一律300mJ/cmで露光した。被記録媒体としては、砂目立てしたアルミニウム支持体、印刷適性を持たせた表面処理済みの透明二軸延伸ポリプロピレンフィルム、軟質塩化ビニルシート、キャストコート紙、市販の再生紙に各カラー画像を記録したところ、いずれもドットの滲みの無い高解像度の画像が得られた。更に、上質紙においてもインクが裏周りすることなく、十分にインクが硬化し、未反応モノマーによる臭気が殆どしなかった。また、フィルムに記録したインクには十分な可とう性があり、折り曲げてもインクにクラックが入ることは無く、指触による表面のべとつきも観察されなかった。画像の密着性に関しても、セロハンテープ剥離による密着性テストにおいて問題が無かった。
〔実施例2〜10、比較例1〜2〕
《インクの調製》
実施例1においてマゼンタインク1に用いた各成分を以下の各成分に変更した以外は、実施例1におけるマゼンタインク1と同様にして、実施例2〜10のマゼンタインク組成物(マゼンタインク2〜10)を調製した。
また、実施例10のインク組成物において、(a)カチオン重合性基を有する3級アミン化合物を含有しない他は、実施例10と同様にして比較例1のインク組成物(マゼンタインク11)を得た。(a)重合性アミン化合物に代えて、3級アミン化合物として比較化合物1(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン)を添加した他は、実施例10と同様にして比較例2のインク組成物(マゼンタインク12)を得た。
(マゼンタインク2〜10)
・(a)カチオン重合性基を有する3級アミン化合物(表1に記載の化合物) 5g
・(b)光酸発生剤(表1に記載の化合物) 8g
・(c)カチオン重合性化合物 87g
・(d)着色剤(前記マゼンタ顔料分散物1) 5g
なお、表1に記載のカチオン重合性モノマーの詳細は以下の通りである。
カチオン重合性化合物1:
セロキサイド2021(エポキシ:ダイセルUCB(株)製)/OXT−221(オキセタン:東亜合成(株)製)=35/55混合物
カチオン重合性化合物2:
セロキサイド3000(エポキシ:ダイセルUCB(株)製)/OXT−211(オキセタン:東亜合成(株)製)=50/40混合物
上記実施例および比較例で作成したインク組成物において、射出温度でのインク粘度は、7〜20mPa・sの範囲内であった。
〔インクジェット画像記録〕(単色画像評価)
以上のようにして調製したマゼンタインク2〜12(実施例2〜10、比較例1、2)及び実施例1で調製したマゼンタインク1を用いて、実施例1に記載の方法と同様にして、マゼンタ画像印字を行った。
1.硬化感度の測定
紫外線照射後の画像面において、粘着感の無くなる露光エネルギー量(mJ/cm
を硬化感度と定義した。数値が小さいものほど高感度であることを表す。
2.保存安定性の評価
作成したインク組成物を75%RH、60℃で3日保存した後、射出温度でのインク粘度を測定し、インク粘度の増加分を、保存後/保存前の粘度比で表した。粘度が変化せず1.0に近いほうが保存安定性が良好であり、1.5を超えると射出時に目詰まりを起こす場合があり好ましくない。
3.市販の再生紙に対する浸透性評価
市販の再生紙に対し印字した画像について、下記の基準に従い浸透性の評価を行った。
○:殆ど浸透せず、残留モノマー臭は認められない。
△:僅かに浸透し、残留モノマー臭も僅かに認められる
×:明らかにインクが裏面側に浸透し、残留モノマー臭も強い
4.PVC基板におけるインク滲み評価
表面処理されたPVC基板上に印字した画像について、下記の基準に従いインク滲みの評価を行った。
○:隣接するドット間の滲みが無い
△:僅かにドットが滲む
×:ドットが滲み、明らかに画像がぼやける
5.PVC基板における密着性の評価
上記作成した印字画像について、全く印字面に傷をつけない試料と、JISK 5400に準拠して、印字面上に1mm間隔で縦、横に11本の切れ目をいれ、1mm角の碁盤目を100個作った試料を作製し、各印字面上にセロハンテープを貼り付け、90度の角度で素早く剥がし、剥がれずに残った印字画像あるいは碁盤目の状況について、下記の基準に則り評価した。
○:碁盤目テストによる、印字画像の剥がれが全く認められない
△:碁盤目テストでは若干のインク剥がれが認められるが、インク面に傷をつけなければ剥がれは殆ど認められない
×:両条件共に、簡単にセロハンテープでの剥がれが認められる
6.ブロッキング性の測定
重ねて保存した場合の基材裏面とのブロッキング性を評価するために、A4サイズの印刷済み基材を50枚重ね、上から6kgの重りを乗せ、室温24時間後に、印刷済み基材を剥離し、インク画像と隣接する基材との接着性を以下の基準により評価した。
○:インク画像が十分に硬化しており、隣接する基材との接着認められない。
△:インク画像表面にわずかなべとつきがあり、はがすときに音がする。
×:インク画像表面が隣接する基材と接着し、はがれない。
これらの性能評価の結果を下記表1に示す。
Figure 2009084440
表1の結果より、本発明の、(a)カチオン重合性基を有する3級アミン化合物を含有したインク組成物は、保存安定性、感度が両立でき、PVC基材にも密着性良好で滲みのない高画質の画像が形成できた。また、インク画像表面のべとつきが抑制され、ブロッキングに対する感度が大きく向上していることが明らかとなった。
他方、(a)重合性アミン化合物を添加しなかった比較例1のインク組成物は、インクの粘度が大幅に上昇してしまい、保存安定性に問題があった。(a)重合性アミン化合物に代えて、重合性基を持たないアミン化合物であ比較化合物1(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン)を加えた比較例2では、感度と保存安定性は改善されるものの、インク画像表面がべとつき、ブロッキング性が悪化した。

Claims (6)

  1. (a)カチオン重合性基を有する3級アミン化合物、(b)光酸発生剤、(c)カチオン重合性化合物、を含有するインク組成物。
  2. 前記(a)カチオン重合性基を有する3級アミン化合物における3級アミン構造が、ヒンダードアミン構造である請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記(a)カチオン重合性基有する3級アミン化合物が、ビニルエーテル基を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインク組成物
  4. 前記(a)カチオン重合性基有する3級アミン化合物が、エポキシ基、または、オキセタン基を有することを特徴とする請求項1又は請求項2にインク組成物。
  5. さらに、(d)着色剤を含有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のインク組成物。
  6. インクジェット用である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のインク組成物。
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