JP5247251B2 - インクジェット記録用インク組成物、インクジェット記録方法および印刷物 - Google Patents

インクジェット記録用インク組成物、インクジェット記録方法および印刷物 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット記録用として好適に用いられるインク組成物、インクジェット記録方法、及びこれを用いた印刷物に関するものである。
画像データ信号に基づき、紙などの被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。電子写真方式は、感光体ドラム上に帯電及び露光により静電潜像を形成するプロセスを必要とし、システムが複雑となり、結果的に製造コストが高価になるなどの問題がある。また熱転写方式は、装置は安価であるが、インクリボンを用いるため、ランニングコストが高くかつ廃材が出るなどの問題がある。一方インクジェット方式は、安価な装置で、且つ必要とされる画像部のみにインクを吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安い。さらに、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インク(放射線硬化型インクジェット記録用インク)は、十分に高い感度および高画質の提供が求められている。高感度化を達成することにより、放射線に対し高い硬化性が付与され、消費電力低減、放射線発生器への負荷軽減による高寿命化、不十分硬化に基づく低分子物質の発生の防止等、多くの利益が生じる。
紫外線光による硬化型インクジェット方式は、比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い被記録媒体への記録が出来る点で、近年注目されつつある。特に、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ミヒラーケトン、アントラキノン、アクリジン、フェナジン、ベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン等が光重合光開始剤として一般的に用いられてきた(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、これらの光重合光開始剤を用いた場合、光重合性組成物の硬化の感応度が低いので画像形成における像露光に長時間を要した。このため細密な画像の場合には、操作にわずかな振動があると良好な画質の画像が再現されず、さらに露光の光源のエネルギー放射量を増大しなければならないためにそれに伴なう多大な発熱の放射を考慮する必要があった。
下記特許文献1には、硬化感度が高く、良好な画質の画像を与えるインクジェット記録用インクを提供することを目的として、重合性化合物、色材、フッ素基含有ポリマー等の疎水性ポリマーを含むインクジェット記録用インク組成物が提案されている。しかし、特許文献1に記載のインクジェット記録用インク組成物では、インクがポリマー成分を含むため粘度が高くなるという問題があった。
特開2006−182970号公報 特開2006−28280号公報 ブルース M.モンロー(Bruce M.Monroe)ら著,ケミカル レビュー(Chemical Reviews),第93巻,(1993年),pp.435−448.
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、耐擦過性、ブロッキング性および柔軟性に優れた画像を形成することができ、粘度の低いインクジェット記録用インク組成物、及び該インク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記インク組成物を用いて得られた印刷物を提供することにある。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、
<1> (a)下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるモノマー、(b)光開始剤、及び、(c)(a)モノマーとは構造が異なる重合性モノマー、を含有することを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。

一般式(1)〜(3)中、L 、L 、及びL は炭素数4〜20のフッ素化アルキレン基を表す。Xは重合性基を表し、Bは結合手を3つ以上有する分岐基を表し、Aは2価の直鎖状連結基を表す。また、n1は3以上の整数を表し、n2は2以上の整数を表す。
<2> 前記(a)一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるモノマーが、前記一般式(2)又は(3)で表されるモノマーであることを特徴とする<1>に記載のインクジェット記録用インク組成物。
<3> 前記(a)一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるモノマーが、3以上のラジカル重合性基を有するモノマーであることを特徴とする<1>または<2>に記載のインクジェット記録用インク組成物。
<4> 前記(a)一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるモノマーが、下記一般式A−1〜A−10のいずれかで表されるモノマーであることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。


但し、一般式A−1〜A−10中、R は、CH =CH−(C=O)−、CH −CH=CH−(C=O)−、又はCH =CH−O−を表す。
<5> 前記(c)重合性モノマーが、ラジカル重合性モノマーであり、インクジェット記録用インク組成物の全固形分に対する前記ラジカル重合性モノマーの含有量が、60質量%以上であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
<6> 活性放射線の照射により硬化することを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
<7> 被記録媒体上に、<1>〜<6>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物をインクジェット記録装置により吐出する工程と、
吐出されたインクジェット記録用インク組成物に活性放射線を照射してインクジェット記録用インク組成物を硬化する工程と、
を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
<8> <7>に記載のインクジェット記録方法によって記録されたことを特徴とする印刷物。
本発明によれば、耐擦過性、ブロッキング性および柔軟性に優れた画像を形成することができ、粘度の低いインクジェット記録用インク組成物、及び該インク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することができる。
また、上記インク組成物を用いて得られた印刷物を提供することができる。
[インクジェット記録用インク組成物〕
本発明のインクジェット記録用インク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)は、(a)前記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるモノマー(以下、「フッ素含有多官能モノマー」と称す場合がある)、(b)光開始剤、及び、(c)(a)モノマーとは構造が異なる重合性モノマー(以下、「重合性モノマー」と称す場合がある)、を含有することを特徴とする
本発明のインク組成物を用いることにより、耐擦過性、ブロッキング性および柔軟性に優れた画像を形成することができる。また、インク組成物の粘度を低くすることができるため、インクジェット記録装置による吐出性が良好である。
本発明のインク組成物は、活性放射線の照射により硬化させることができる。
本発明で言う前記「活性放射線」とは、その照射によりインク組成物中において開始種を発生させうるエネルギーを付与することができるものであれば、特に制限はなく、広く、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含するものである。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点からは、紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。従って、本発明のインク組成物としては、活性放射線(以下、単に「放射線」という。)として、紫外線を照射することにより硬化可能なインク組成物であることが好ましい。
以下、本発明のインク組成物に用いられる各構成成分について順次説明する。
<(a)フッ素含有多官能モノマー>
フッ素含有多官能モノマーは、2つ以上の重合性基とフッ素化アルキレン基とを分子内に含むモノマーであり、具体的には、(a1)フッ素化アルキレン基を含む鎖状構造と、該鎖状構造の末端に設けられた2つ以上の重合性基と、を分子内に含むモノマー、および、(a2)2つ以上の鎖状置換基を有し且つフッ素化アルキレン基を含む環状構造と、前記鎖状置換基の末端に設けられた2つ以上の重合性基と、を分子内に含むモノマー、からなる群より選択される少なくとも1種のモノマーであることが特に好ましい。
フッ素含有多官能モノマーは、フッ素を含み疎水性を有するために、被記録媒体表面にインク組成物が着弾した際にインク滴の表面近傍に存在し硬化する。そして、重合性基を複数含むために、画像表面をより強固に硬化させることができる。また、相対的に重合性モノマーは、被記録媒体表面にインク組成物が着弾した際にインク滴の内部に位置するため、重合性モノマーとして、分子内に重合性基を複数含む多官能モノマーを多く用いる必要が無い。それゆえ、画像全体としては柔軟性を維持することが容易である。また、フッ素含有多官能モノマーは低分子であるため、フッ素含有ポリマーを用いた場合と比べて、インク組成物の増粘を防ぐことが容易である。
−主鎖骨格−
ここで、主鎖骨格が鎖状構造である場合、鎖状構造は直鎖状でも分岐状でもよい。鎖状構造が直鎖状の場合は、両末端に重合性基が設けられる。また、鎖状構造が分岐状の場合は、分子内に末端部が3つ以上存在するため、分子内に含まれる重合性基の数は2つ以上末端部の数以下の範囲で選択することができる。
一方、主鎖骨格が環状構造である場合は、単環構造、2つ以上の環が各々の環の骨格を構成する原子を1つ以上共有するように結合した縮環構造、または、2つ以上の環が単結合若しくは2価の連結基を介して結合された多環構造のいずれであってもよい。
なお、2価の連結基としては、−O−、−O−C=O−、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜12のアルキレンオキシ基が挙げられる。
また、環状構造に結合する鎖状置換基は、単環構造の場合は1つの環に2つ以上設けられ、縮環構造や多環構造の場合は、少なくともいずれか1つの環に1つ以上、且つ、分子全体で2つ以上設けられる。そして、重合性基は、分子内に含まれる2つ以上の鎖状置換基のうち、少なくともいずれか2つ以上の鎖状置換基の末端に設けられる。なお、環構造は、3員環〜10員環構造が好ましく、5員環〜8員環構造がより好ましい。
主鎖骨格を構成するフッ素化アルキレン基は、アルキレン基を構成する水素原子の少なくとも一部をフッ素原子で置換した構造を有するものである。ここで、アルキレン基を構成する水素原子のフッ素原子への置換率は、分子内全体で、30%〜100%であることが好ましく、50%〜100%の範囲内であることがより好ましい。置換率が30%以上であることにより、分子全体として疎水性を確保することが容易となる点で好ましい。また、フッ素化アルキレン基は、この基を構成する炭素原子の一部を、ヘテロ原子(−O−、−N−、−S−)に置換したものでもよい。この場合、これらへテロ原子のうちでも−O−が好ましい。
さらに、フッ素化アルキレン基を構成する水素原子および/またはフッ素原子は、鎖状置換基で置換されてもよい。
この鎖状置換基としては、主鎖骨格が鎖状構造である場合、鎖状置換基の炭素数は1〜8が好ましく、1〜4がより好ましく、好適な具体例としては、−CF、−C、−CCFを挙げることができる。
また、主鎖骨格が環状構造である場合、鎖状置換基の炭素数は1〜8が好ましく、1〜4がより好ましく、鎖状置換基の末端には重合性基が含まれていてもよい。好適な具体例としては、−CHO−X、−CHOC=O−X−(但し、Xは重合性基を意味する)等を挙げることができる。
分子内に含まれる重合性基の数は2つ以上であることが必要であり、3以上含まれることがより好ましい。また、分子内に含まれる重合性基の数の上限は特に限定されるものではないが、8つ以下であることが好ましく、6つ以下であることがより好ましい。また、重合性基はラジカル重合性、カチオン重合性のいずれでもよい。
分子内に含まれる重合性基の数を2以上とすることにより、画像表面の耐擦過性を確保することができる。また、分子内に含まれる重合性基の数を8以下とすることは、入手の容易さ、柔軟性付与と、保存安定性の観点から好ましい。
カチオン重合性の重合性基としてはビニルエーテル基、または環状エーテル重合であることが好ましい。また、ラジカル重合性の重合性基としてはラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性基であることが好ましい。以下に、カチオン重合性およびラジカル重合性の重合性基について詳述する。
−カチオン重合性の重合性基−
カチオン重合性の重合性基としては、エポキシ基、オキセタン基、オキソラン基などの環状エーテル基を有する置換基が挙げられる。
重合性基が環状エーテル基である場合、炭素原子数2〜6の環状エーテル基であることが好ましく、炭素原子数2〜3の環状エーテル基であることがより好ましい。また、単環であってもよいし、多環であってもよい。これらの中でも、エポキシ基が特に好ましい。
環状エーテル基として具体的には、カチオン重合性の観点から、下記に示す環状エーテル基であることが特に好ましい。
環状エーテル基を構成する炭素原子には、置換基が導入されていてもよい。導入しうる置換基としては、例えば、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数1〜18のアルキルアミノ基、炭素数6〜10のアリールアミノ基等が挙げられる。
−ラジカル重合性の重合性基−
ラジカル重合性の重合性基としては、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性基が挙げられ、ポリマー中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する置換基であればどのようなものでもよい。ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性基の例としては、アクリル酸エステル基、メタクリル酸エステル基、イタコン酸エステル基、クロトン酸エステル基、イソクロトン酸エステル基、マレイン酸エステル基等の不飽和カルボン酸エステル基、およびスチレン基等のラジカル重合性基が挙げられる。中でも、メタクリル酸エステル基、アクリル酸エステル基が好ましい。
フッ素含有多官能モノマーの分子量としては、特に限定されないが300〜2000の範囲内が好ましく、300〜1500の範囲内がより好ましい。分子量が300以上であると、インク中の揮発を抑えられ、分子量が2000以下であると、フッ素含有ポリマーを用いた場合と比べて、インク組成物の粘度をより低く維持することができる。
フッ素含有多官能モノマーの好適な態様としては、下記一般式(1)〜(3)が挙げられる。ここで、一般式(1)〜(3)中、L、L、Lはフッ素化アルキレン基、Xは重合性基、Bは結合手を3つ以上有する分岐基、−A−Xは重合性基を含む鎖状置換基(但し、Xが重合性基を表し、Aが2価の直鎖状連結基を表す)を表す。また、n1は3以上の整数、n2は基本的に2以上の整数を意味する。
ここで、一般式(1)は、フッ素化アルキレン基からなる直鎖状の主鎖骨格と、直鎖状主鎖の両端に設けられた2つの重合性基とを含むフッ素含有多官能モノマーについて示したものである。
なお、フッ素化アルキレン基Lの鎖長は、炭素数(但し、当該炭素数とは、炭素原子をヘテロ原子で置き換えた場合において、ヘテロ原子も炭素数としてカウントした値を意味する)換算で4〜20が好ましく、6〜15が好ましい。
また、一般式(2)は、結合手を3つ以上有する分岐基に対して、末端に重合性基が設けられたフッ素化アルキレン基が3つ以上結合したフッ素含有多官能モノマーについて示したものである。
結合手を3つ以上有する分岐基の構造としては特に限定されないが、例えば、(1)3つの結合手を有するものとして、窒素原子、≡C−R等が挙げられ、(2)4つの結合手を有するものとして、炭素原子(4級炭素)、=CR21−R−CR22=等が挙げられ、(3)6つの結合を有するものとして、≡C−R−C≡等が挙げられる。
ここで、Rは水素原子、フッ素原子、または、炭素数1〜6の1価の置換基(但し、末端に重合性基を含まない置換基を意味し、例えば、−CF、−CH等があげられる)、R21、R22は水素原子、フッ素原子、または、炭素数1〜6の1価の置換基(但し、末端に重合性基を含まない置換基を意味し、例えば、−CH、−CF等があげられる)、R、Rは、−O−、炭素数1〜6の2価の連結基(例えば、−CF−O−CF−、−COO−等が挙げられる)を意味する。
なお、上記に例示した分岐基としては、結合手が3,4,6の場合のみを示したが、置換基や連結基を構成する水素原子やフッ素原子を取り除いて1つ以上の結合手をさらに設けることも可能である。
また、フッ素化アルキレン基Lの鎖長は、炭素数(但し、当該炭素数とは、炭素原子をヘテロ原子で置き換えた場合において、ヘテロ原子も炭素数としてカウントした値を意味する)換算で4〜20が好ましく、6〜15が好ましい。
さらに、一般式(3)は、環状骨格を形成するフッ素化アルキレン基と、この環の置換基として末端に重合性基を有する鎖状置換基とを含むフッ素含有多官能モノマーについて示したものである。ここで、Aは2価の炭素数1〜20の直鎖状連結基を意味し、例えば、−CHO−、−CFO−等が挙げられる。
なお、一般式(3)は単環構造について示したものであり、一般式(3)の変形例としては、縮環構造や多環構造が挙げられる。この場合、n2は、分子全体で2以上であればよく、いずれか1つの環にのみ着目した場合は0又は1であってもよい。
フッ素含有多官能モノマーの具体例としては、下記一般式A−1〜A−10で表されるモノマーが挙げられるが、本発明はこれらのより具体的な一般式A−1〜A−10で表されるモノマーのみに限定されるものではない。
なお、一般式(1)の具体例に相当するものとしては、一般式A−5、A−6が挙げられ、一般式(2)の具体例に相当するものとしては、一般式A−1、A−2、A−3、A−8、A−9が挙げられ、一般式(3)の具体例に相当するものとしては、一般式A−4、A−10が挙げられ、一般式(3)の変形例(縮環構造)に相当するものとしては、一般式A−7が挙げられる。
なお、一般式A−1〜A−10中のRは、CH=CH−(C=O)−、CH−CH=CH−(C=O)−、CH=CH−O−、グリシジル基、オキセタニル基、ビニル基、を表す。
本発明のインク組成物には、(a)フッ素含有多官能モノマーを1種のみ添加してもよく、2種以上を併用してもよい。
(a)フッ素含有多官能モノマーの含有量は、インク組成物の全固形分に対し、0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜20質量%、更に好ましくは0.5〜15質量%である。
前記含有量が0.1質量%以上であると、優れた耐擦過性やブロッキング性を有する画像がより容易に形成できる点で好ましく、30質量%以下であると、優れた柔軟性を有する画像がより容易に形成できる点で好ましい。
また、(a)フッ素含有多官能モノマーと(b)光開始剤との割合は、高感度維持と安定性付与の観点から(a)/(b)のモル比で0.001〜0.5、好ましくは0.005〜0.2の範囲で使用される。
前記フッ素含有多官能モノマーの合成方法としては、特に限定されず、公知の一般的な合成方法により合成できる。
<()重合性モノマー>
本発明のインク組成物は、カチオン重合性化合物やラジカル重合性化合物等の、(a)フッ素含有多官能モノマーとは構造が異なる重合性モノマーを含有することを必須とする。
−カチオン重合性化合物−
本発明に用いうるカチオン重合性化合物としては、後述する、放射線の照射により酸を発生する化合物から発生する酸により重合反応を開始し、硬化する化合物が好ましく、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号などの各公報に記載されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
エポキシ化合物としては、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドなどが挙げられる。
芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく挙げられる。
脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルに代表されるポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
本発明に用いることのできる単官能および多官能のエポキシ化合物を詳しく例示する。
単官能エポキシ化合物の例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
また、多官能エポキシ化合物の例としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物のなかでも、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
ビニルエーテル化合物としては、例えばエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジまたはトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
以下に、単官能ビニルエーテルと多官能ビニルエーテルを詳しく例示する。
単官能ビニルエーテルの例としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
また、多官能ビニルエーテルの例としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、ジまたはトリビニルエーテル化合物が、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点から好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
本発明に使用できるオキセタン化合物としては、特開2001−220526号、同2001−310937号、同2003−341217号の各公報に記載される如き、公知のオキセタン化合物を任意に選択して使用できる。本発明のインク組成物に使用しうるオキセタン環を有する化合物としては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。このような化合物を使用することで、組成物の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、インク組成物等に適用した場合において、硬化後の組成物と被記録媒体との高い密着性を得ることができる。
本発明のインク組成物に使用される分子内に1〜2個のオキセタン環を有する化合物としては、下記式(1)〜(3)で示される化合物等が挙げられる。
a1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基を表す。分子内に2つのRa1が存在する場合、それらは同じであっても異なるものであってもよい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、フルオロアルキル基としては、これらアルキル基の水素のいずれかがフッ素原子で置換されたものが好ましく挙げられる。
a2は、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数2〜6個のアルケニル基、芳香環を有する基、炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、アルケニル基としては、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等が挙げられ、芳香環を有する基としては、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基としては、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等が、アルキコキシカルボニル基としては、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が、N−アルキルカルバモイル基としては、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等が挙げられる。また、Ra2は置換基を有していてもよく、置換基としては、炭素数1〜6個のアルキル基、フッ素原子が挙げられる。
a3は、線状または分枝状アルキレン基、線状または分枝状不飽和炭化水素基、カルボニル基またはカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基、または、下記の〔化10〕に示す基を表す。アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられ、ポリ(アルキレンオキシ)基としては、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等が挙げられる。不飽和炭化水素基としては、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等が挙げられる。
a3が上記多価基である場合、Ra4は、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、またはカルバモイル基を表す。
a5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO、C(CF、または、C(CHを表す。
a6は、炭素数1〜4個のアルキル基、または、アリール基を表し、nは0〜2,000の整数である。Ra7は炭素数1〜4個のアルキル基、アリール基、または、下記構造を有する1価の基を表す。下記式中、Ra8は炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基であり、mは0〜100の整数である。
式(1)で表される化合物としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(OXT−101:東亞合成(株)製)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(OXT−212:東亞合成(株)製)、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン(OXT−211:東亞合成(株)製)が挙げられる。式(2)で表される化合物としては、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン(OXT−121:東亞合成(株))が挙げられる。また、式(3)で表される化合物としては、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(OXT−221:東亞合成(株))が挙げられる。
3〜4個のオキセタン環を有する化合物としては、下記式(4)で示される化合物が挙げられる。
式(4)において、Ra1は、前記式(1)におけるのと同義である。また、多価連結基であるRa9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12個の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基または下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは、3または4である。
上記Aにおいて、Ra10はメチル基、エチル基またはプロピル基を表す。また、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
また、本発明に好適に使用しうるオキセタン化合物の別の態様として、側鎖にオキセタン環を有する下記式(5)で示される化合物が挙げられる。
式(5)において、Ra1は、前記式(1)におけるのと同義であり、Ra8は前記式におけるのと同義である。Ra11はメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基またはトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
このようなオキセタン環を有する化合物については、前記特開2003−341217号公報、段落番号[0021]乃至[0084]に詳細に記載され、ここに記載の化合物は本発明にも好適に使用しうる。
特開2004−91556号公報に記載されたオキセタン化合物も本発明に併用することができる。当該化合物は、同公報の段落番号[0022]乃至[0058]に詳細に記載されている。
本発明のインク組成物にカチオン重合性化合物が用いられる場合、インク組成物の全固形分に対して60質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上含有することがより好ましい。尚、カチオン重合性化合物の添加量の上限としては、95質量%以下であることが好ましい。
また更に、カチオン重合性化合物の中でもカチオン重合性単官能モノマーを50質量%以上含有することが好ましく、60質量%以上含有することがより好ましい。カチオン重合性単官能モノマーを上記範囲含有することにより、硬化膜の柔軟性をより向上させる効果が得られる。
−ラジカル重合性化合物−
また、本発明のインク組成物に用いうるラジカル重合性化合物としては、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。好ましくは2種以上併用して用いることが、反応性、物性などの性能を制御する上で好ましい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸およびそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。
具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品若しくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマー、オリゴマー、およびポリマーを用いることができる。
また、ラジカル重合性化合物としては、例えば、特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号、特開平9−134011号等の各公報に記載されている光重合性組成物に用いられる光硬化型の重合性化合物材料が知られており、これらも本発明のインク組成物に適用することができる。
更に、ラジカル重合性化合物として、ビニルエーテル化合物を用いることも好ましい。好適に用いられるビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジまたはトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度の観点から、ジビニルエーテル化合物、トリビニルエーテル化合物が好ましく、特に、ジビニルエーテル化合物が好ましい。ビニルエーテル化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明のインク組成物にラジカル重合性化合物が用いられる場合、60質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上含有することがより好ましい。尚、ラジカル重合性化合物の添加量の上限としては、95質量%以下であることが好ましい。また更に、ラジカル重合性化合物の中でもラジカル重合性単官能モノマーを50質量%以上含有することが好ましく、60質量%以上含有することがより好ましい。ラジカル重合性単官能モノマーを上記範囲含有することにより、硬化膜の柔軟性をより向上させる効果が得られる。
<()光開始剤>
本発明のインク組成物は光開始剤を含有することを必須とし、該光開始剤としては放射線の照射により酸を発生する化合物を含有することが好ましい。本発明においては、放射線の照射により発生した酸により、前記した重合性化合物の重合反応が生起し、硬化する。
本発明のインク組成物に用いることのできる光開始剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている光(400nm〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線またはイオンビームなどの照射により酸を発生する化合物を適宜選択して使用することができる。
このような光開始剤としては、放射線の照射により分解して酸を発生する、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩などのオニウム塩化合物、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネート等のスルホネート化合物などを挙げることができる。
また、その他の本発明に用いられる活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物(光開始剤)としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal etal,Polymer,21,423(1980)等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、同 Re 27,992号、特開平3−140140号等に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker etal,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055 号、同4,069,056号等に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello etal,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、同第339,049号、同第410,201号、特開平2−150848号、特開平2−296514号等に記載のヨードニウム塩、
J.V.Crivello etal,Polymer J.17,73 (1985)、J.V.Crivello etal.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt etal,J.PolymerSci.,PolymerChem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello etal,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivelloetal,Macromorecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivelloetal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第3,902,114号、同4,933,377号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号、特開平7−28237号、同8−27102号等に記載のスルホニウム塩、
J.V.Crivello etal,Macromorecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)等に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815号、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号等に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier et al,J.Rad.Curing,13(4),26(1986)、T.P.Gill et al,Inorg.Chem.,19,3007(1980)、D.Astruc,Acc.Chem.Res.,19(12),377(1986)、特開平2−161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、
S.Hayase etal,J.Polymer Sci.,25,753(1987)、E.Reichmanis etal,J.Pholymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,23,1(1985)、Q.Q.Zhu etal,J.Photochem.,36,85,39,317(1987)、B.Amit etal,Tetrahedron Lett.,(24)2205(1973)、D.H.R.Barton etal,J.Chem.Soc.,3571(1965)、P.M.Collins et al,J.Chem.Soc.,Perkin I,1695(1975)、M.Rudinstein etal,Tetrahedron Lett.,(17),1445(1975)、J.W.Walker etal,J.Am.Chem.Soc.,110,7170(1988)、S.C.Busman etal,J.Imaging Technol.,11(4),191(1985)、H.M.Houlihan etal,Macormolecules,21,2001(1988)、P.M.Collins etal,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,532(1972)、S.Hayase etal,Macromolecules,18,1799(1985)、E.Reichmanis etal,J.Electrochem.Soc.,Solid State Sci.Technol.,130(6)、F.M.Houlihan etal,Macromolcules,21,2001(1988)、 欧州特許第0290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343号、米国特許第3,901,710号、同4,181,531号、特開昭60−198538号、特開昭53−133022号等に記載のO−ニトロベンジル型保護基を有する光開始剤、
M.TUNOOKA etal,Polymer Preprints Japan,35(8)、G.Berner etal,J.Rad.Curing,13(4)、W.J.Mijs etal,Coating Technol.,55(697),45(1983),Akzo、H.Adachi etal,Polymer Preprints,Japan,37(3)、欧州特許第0199,672号、同84515号、同044,115号、同第618,564号、同0101,122号、米国特許第4,371,605号、同4,431,774号、特開昭64−18143号、特開平2−245756号、特開平3−140109号等に記載のイミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61−166544号、特開平2−71270号等に記載のジスルホン化合物、特開平3−103854号、同3−103856号、同4−210960号等に記載のジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物を挙げることができる。
また、これらの光により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖または側鎖に導入した化合物、たとえば、M.E.Woodhouse et al,J.Am.Chem.Soc.,104,5586(1982)、S.P.Pappas et al,J.Imaging Sci.,30(5),218(1986)、S.Kondo etal,Makromol.Chem.,Rapid Commun.,9,625(1988)、Y.Yamada etal,Makromol.Chem.,152,153,163(1972)、J.V.Crivello et al,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed.,17,3845(1979)、米国特許第3,849,137号、独国特許第3,914,407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。たとえば、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光開始剤、イミノスルフォネート等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化合物、ジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物を挙げることができる。
さらにV.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad etal,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton et al,J.Chem.Soc.,(C),329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
本発明に用いることができる光開始剤として好ましい化合物として、下記式(b1)、(b2)、(b3)で表される化合物を挙げることができる。
式(b1)において、R201、R202およびR203は、各々独立に有機基を表す。
-は、非求核性アニオンを表し、好ましくはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF -、PF -、SbF -や以下に示す基などが挙げられ、好ましくは炭素原子を有する有機アニオンである。
好ましい有機アニオンとしては、下式に示す有機アニオンが挙げられる。
Rcは、有機基を表す。
Rcにおける有機基として炭素数1〜30個のものが挙げられ、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはこれらの複数が、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SON(Rd)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。
Rdは、水素原子、アルキル基を表す。
Rc、Rc、Rcは、各々独立に、有機基を表す。
Rc、Rc、Rcの有機基として、好ましくはRcにおける好ましい有機基と同じものを挙げることができ、最も好ましくは炭素数1〜4個のパーフロロアルキル基である。
RcとRcが結合して環を形成していてもよい。
RcとRcが結合して形成される基としてはアルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2〜4個のパーフロロアルキレン基である。
Rc、Rc〜Rcの有機基として、最も好ましくは1位がフッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子またはフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。
201、R202およびR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
201、R202およびR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(b1−1)、(b1−2)、(b1−3)における対応する基を挙げることができる。
なお、式(b1)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、式(b1)で表される化合物のR201〜R203のうち少なくともひとつが、式(b1)で表される他の化合物におけるR201〜R203の少なくともひとつと直接、または、連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。
更に好ましい(b1)成分として、以下に説明する化合物(b1−1)、(b1−2)、および(b1−3)を挙げることができる。
化合物(b1−1)は、上記式(b1)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基、シクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基などのアリール基、インドール残基、ピロール残基、などのヘテロアリール基が好ましく、更に好ましくはフェニル基、インドール残基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基としては、炭素数1〜15の直鎖または分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているシクロアルキル基としては、炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては、炭素数1〜12の直鎖または分岐状アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうち、いずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、化合物(b1−2)について説明する。
化合物(b1−2)は、式(b1)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、より好ましくは直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖、分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖または分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができ、直鎖、分岐2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
201〜R203としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができ、環状2−オキソアルキル基がより好ましい。
201〜R203の直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基としては、好ましくは、上記のアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
201〜R203としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
化合物(b1−3)とは、以下の式(b1−3)で表される化合物であり、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
式(b1−3)に於いて、R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、またはハロゲン原子を表す。
6cおよびR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基を表す。
およびRは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、またはビニル基を表す。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、およびRとRは、それぞれ結合して環構造を形成してもよい。
Zc-は、非求核性アニオンを表し、式(b1)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
1c〜R7cとしてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖および分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖または分岐プロピル基、直鎖または分岐ブチル基、直鎖または分岐ペンチル基)を挙げることができる。
1c〜R7cのシクロアルキル基として、好ましくは、炭素数3〜8個のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖および分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖または分岐プロポキシ基、直鎖または分岐ブトキシ基、直鎖または分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、およびRとRが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖状若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基または直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1cからR5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、溶剤溶解性がより向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制されるので好ましい。
およびRとしてのアルキル基、シクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基、シクロアルキル基と同様のものを挙げることができる。
およびRは、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基であることが好ましい。
2−オキソアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
、Rは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基、シクロアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基、シクロアルキル基である。
式(b2)、(b3)中、R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基またはシクロアルキル基を表す。X-は、非求核性アニオンを表し、式(b1)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
204〜R207としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖または分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。R204〜R207としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
使用してもよい活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物として、更に、下記式(b4)、(b5)、(b6)で表される化合物を挙げることができる。
式(b4)〜(b6)中、ArおよびArは、各々独立に、アリール基を表す。
206、R207およびR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基またはアリーレン基を表す。
光開始剤のなかでも好ましいものとしては、式(b1)〜(b3)で表される化合物を挙げることができる。これらの光開始剤の中でも、スルホニウム塩構造を有するものが好ましく、トリアリールスルホニウム塩構造を有するものがより好ましく、トリ(クロロフェニル)スルホニウム塩構造を有するものが特に好ましい。トリ(クロロフェニル)スルホニウム塩構造を有する光開始剤としては、例えば、光開始剤の好ましい化合物例として以下に列挙される、化合物例(b−37)〜(b−40)が挙げられる。
本発明に用いることのできる光開始剤の好ましい化合物例〔(b−1)〜(b−96)〕を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、特開2002−122994号公報、段落番号〔0029〕乃至〔0030〕に記載のオキサゾール誘導体、s−トリアジン誘導体なども好適に用いられる。
特開2002−122994号公報、段落番号〔0037〕乃至〔0063〕に例示されるオニウム塩化合物、スルホネート系化合物も本発明に好適に使用しうる。
光開始剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
インク組成物中の光開始剤の含有量は、インク組成物の全固形分換算で、0.1質量%〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5質量%〜10質量%、更に好ましくは1質量%〜7質量%である。
<着色剤>
本発明のインク組成物には、着色剤が含有されてもよい。
本発明に用いることのできる着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料および油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の任意の公知の着色剤から選択して使用することができる。本発明のインク組成物に好適に使用し得る着色剤は、硬化反応である重合反応において重合禁止剤として機能しないことが好ましい。これは、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないためである。
−顔料−
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料および無機顔料、または顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、或いは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
本発明において使用できる有機顔料および無機顔料の具体例としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等),C.I.ピグメントイエロー74の如きモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエローAAA等)、C.I.ピグメントイエロー17の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180の如き非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)の如きアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)の如きイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)の如きキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)の如きイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)の如きニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)の如き金属錯塩アゾメチン顔料等が挙げられる。
赤或いはマゼンタ色を呈するものとして、C.I.ピグメントレッド3(トルイジンレッド等)の如きモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド38(ピラゾロンレッドB等)の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッドBR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド174(フロキシンBレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド81(ローダミン6G’レーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド88(チオインジゴボルドー等)の如きチオインジゴ顔料、C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド等)の如きペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)の如きペリレン顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン)、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)の如きキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)の如きイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ等)の如きアリザリンレーキ顔料等が挙げられる。
青或いはシアン色を呈する顔料として、C.I.ピグメントブルー25(ジアニシジンブルー等)の如きジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー等)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー1(ビクロチアピュアブルーBOレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー60(インダントロンブルー等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントブルー18(アルカリブルーV−5:1)の如きアルカリブルー顔料等が挙げられる。
緑色を呈する顔料として、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニングリーン)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントグリーン8(ニトロソグリーン)等の如きアゾ金属錯体顔料等が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料として、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)の如きイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)の如きアントラキノン系顔料が挙げられる。
黒色を呈する顔料として、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック等が挙げられる。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCOPb(OH)、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、更に、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、必要に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いることができる。
顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体等を挙げることができる。また、Zeneca社のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
本発明のインク組成物において、顔料などの諸成分の分散媒としては、溶剤を添加してもよく、また、無溶媒で、低分子量成分であるカチオン重合性化合物を分散媒として用いてもよいが、本発明が適用されるインク組成物は、放射線硬化型のインクであり、インクを被記録媒体上に適用後、硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。これは、硬化されたインク画像中に、溶剤が残留すると、耐溶剤性が劣化したり、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じるためである。このような観点から、分散媒としては、カチオン重合性化合物を用い、中でも、最も粘度が低いカチオン重合性モノマーを選択することが分散適性やインク組成物のハンドリング性向上の観点から好ましい。
顔料の平均粒径は、0.02μm〜0.4μmにするのが好ましく、0.02μm〜0.1μmとするのが更に好ましく、より好ましくは、0.02μm〜0.07μmの範囲である。
顔料粒子の平均粒径を上記好ましい範囲となるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
−染料−
本発明に用いることのできる染料は、油溶性のものが好ましい。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解する色素の質量)が1g以下であるものを意味し、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下である。従って、所謂、水に不溶性の油溶性染料が好ましく用いられる。
本発明に用いることのできる染料は、インク組成物に必要量溶解させるために上記記載の染料母核に対して油溶化基を導入することも好ましい。
油溶化基としては、長鎖、分岐アルキル基、長鎖、分岐アルコキシ基、長鎖、分岐アルキルチオ基、長鎖、分岐アルキルスルホニル基、長鎖、分岐アシルオキシ基、長鎖、分岐アルコキシカルボニル基、長鎖、分岐アシル基、長鎖、分岐アシルアミノ基、長鎖、分岐アルキルスルホニルアミノ基、長鎖、分岐アルキルアミノスルホニル基およびこれら長鎖、分岐置換基を含むアリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリールアミノカルボニル基、アリールアミノスルホニル基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げられる。
また、カルボン酸、スルホン酸を有する水溶性染料に対して、長鎖、分岐アルコール、アミン、フェノール、アニリン誘導体を用いて油溶化基であるアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノスルホニル基、アリールアミノスルホニル基に変換することにより染料を得てもよい。
前記油溶性染料としては、融点が200℃以下のものが好ましく、融点が150℃以下であるものがより好ましく、融点が100℃以下であるものが更に好ましい。融点が低い油溶性染料を用いることにより、インク組成物中での色素の結晶析出が抑制され、インク組成物の保存安定性が良くなる。
また、退色、特にオゾンなどの酸化性物質に対する耐性や硬化特性を向上させるために、酸化電位が貴である(高い)ことが望ましい。このため、本発明で用いる油溶性染料として、酸化電位が1.0V(vs SCE)以上であるものが好ましく用いられる。酸化電位は高いほうが好ましく、酸化電位が1.1V(vs SCE)以上のものがより好ましく、1.15V(vs SCE)以上のものが特に好ましい。
イエロー色の染料としては、特開2004−250483号公報の記載の一般式(Y−I)で表される構造の化合物が好ましい。
特に好ましい染料は、特開2004−250483号公報の段落番号[0034]に記載されている一般式(Y−II)〜(Y−IV)で表される染料であり、具体例として特開2004−250483号公報の段落番号[0060]から[0071]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(Y−I)の油溶性染料はイエローのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
マゼンタ色の染料としては、特開2002−114930号公報に記載の一般式(3)、(4)で表される構造の化合物が好ましく、具体例としては、特開2002−114930号公報の段落[0054]〜[0073]に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0084]から[0122]に記載されている一般式(M−1)〜(M−2)で表されるアゾ染料であり、具体例として特開2002−121414号公報の段落番号[0123]から[0132]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(3)、(4)、(M−1)〜(M−2)の油溶性染料はマゼンタのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
シアン色の染料としては、特開2001−181547号公報に記載の式(I)〜(IV)で表される染料、特開2002−121414号公報の段落番号[0063]から[0078]に記載されている一般式(IV−1)〜(IV−4)で表される染料が好ましいものとして挙げられ、具体例として特開2001−181547号公報の段落番号[0052]から[0066]、特開2002−121414号公報の段落番号[0079]から[0081]に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0133]から[0196]に記載されている一般式(C−I)、(C−II)で表されるフタロシアニン染料であり、更に一般式(C−II)で表されるフタロシアニン染料が好ましい。この具体例としては、特開2002−121414号公報の段落番号[0198]から[0201]に記載の化合物が挙げられる。尚、前記式(I)〜(IV)、(IV−1)〜(IV−4)、(C−I)、(C−II)の油溶性染料はシアンのみでなく、ブラックインクやグリーンインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
これらの着色剤は、インク組成物中、固形分換算で、1質量%〜20質量%添加されることが好ましく、2質量%〜10質量%がより好ましい。
<その他の成分>
以下に、必要に応じて本発明のインク組成物に用いることのできる種々の添加剤について述べる。
−紫外線吸収剤−
本発明においては、得られる画像の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤、などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.5質量%〜15質量%であることが好ましい。
−増感剤−
本発明には、光開始剤の酸発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、必要に応じ、増感剤を添加してもよい。増感剤としては、光開始剤に対し、電子移動機構またはエネルギー移動機構で増感させるものであれば、何れでもよい。好ましくは、アントラセン、9,10−ジアルコキシアントラセン、ピレン、ペリレンなどの芳香族多縮環化合物、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーケトンなどの芳香族ケトン化合物、フェノチアジン、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物が挙げられる。添加量は目的に応じて適宜選択されるが、光開始剤に対し0.01モル%〜1モル%で用いることが好ましく、0.1モル%〜0.5モル%がより好ましい。
−酸化防止剤−
組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.1質量%〜8質量%であることが好ましい。
−褪色防止剤−
本発明には、各種の有機系および金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式および化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.1質量%〜8質量%であることが好ましい。
−導電性塩類−
本発明には、吐出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
−溶剤−
本発明には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1質量%〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1質量%〜3質量%の範囲である。
−高分子化合物−
本発明には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。更に、高分子結合材の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、または「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
−界面活性剤−
本発明には、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)および固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
<インク組成物の好ましい態様>
本発明のインク組成物は、インクジェット記録時の吐出性を考慮し、吐出時の温度(例えば、25℃〜80℃、好ましくは25℃〜50℃)において、粘度が、好ましくは7mPa・s〜30mPa・sであり、より好ましくは7mPa・s〜20mPa・sである。例えば、本発明のインク組成物の室温(25℃〜30℃)における粘度は、好ましくは35〜500mPa・s、より好ましくは35mPa・s〜200mPa・sである。本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を回避し、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となる。更にインク液滴着弾時のインクの滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
本発明のインク組成物の表面張力は、好ましくは20mN/m〜30mN/m、より好ましくは23mN/m〜28mN/mである。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲みおよび浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点はで30mN/m以下が好ましい。
本発明のインク組成物を用いた画像の形成は、インク組成物をインクジェットプリンターにより被記録媒体に射出し、その後、射出されたインク組成物に放射線を照射して硬化して記録を行う。
このインクにより得られた印刷物は、画像部が紫外線などの放射線照射により硬化しており、画像部の強度に優れるため、インクによる画像形成以外にも、種々の用途に使用しうる。
<インクジェット記録方法、および印刷物>
本発明のインク組成物が好適に適用されるインクジェット記録方法(本発明のインクジェット記録方法)について、以下説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、上記した本発明のインク組成物を、被記録媒体(支持体、記録材料等)上にインクジェット記録装置により吐出する工程、および、吐出されたインク組成物に活性放射線を照射してインク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とする。硬化したインク組成物は、被記録媒体上に画像を形成する。
本発明のインクジェット記録方法に適用しる被記録媒体としては、特に制限はなく、通常の非コート紙、コート紙などの紙類、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性樹脂材料あるいは、それをフィルム状に成形した樹脂フィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム等を挙げることができる。その他、被記録媒体材料として使用しうるプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが挙げられる。また、金属類や、ガラス類も被記録媒体として使用可能である。
上記の他、本発明のインクジェット記録方法に適用される諸条件およびインクジェット記録装置等の詳細事項については、後述する。
本発明のインクジェット記録方法においては、前述の本発明のインク組成物を用いているため、耐擦過性、ブロッキング性および柔軟性に優れた画像を形成することができる。尚、活性放射線の照射は、全色を吐出した後まとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
また、本発明の印刷物は、上記のインクジェット記録方法(本発明のインクジェット記録方法)によって、本発明のインク組成物により画像が形成されたものである。
そのため、耐擦過性、ブロッキング性および柔軟性に優れた画像を有する印刷物となる。
(インクジェット記録装置)
本発明に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、市販のインクジェット記録装置が使用できる。即ち、本発明においては、市販のインクジェット記録装置を用いて被記録媒体へ記録することができる。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含むものが挙げられる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなるものが挙げられる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、1pl〜100pl、好ましくは、8pl〜30plのマルチサイズドットを例えば、320dpi×320dpi〜4000dpi×4000dpi、好ましくは、400dpi×400dpi〜1600dpi×1600dpi、より好ましくは、720dpi×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上述したように、放射線硬化型インクは、吐出されるインクを一定温度にすることが望ましいことから、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱および加温を行うことができることが好ましい。温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンクおよびインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、あるいは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
吐出されたインク組成物は、活性放射線を照射することによって硬化する。このとき、インク組成物中に、光開始剤とともに、増感色素が存在すると、系中の増感色素が活性放射線を吸収して励起状態となり、光開始剤と接触することによって光開始剤の分解を促進させ、より高感度な硬化反応を達成できる。
ここで、使用される活性放射線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光または赤外光などが使用され得る。活性放射線のピーク波長は、増感色素の吸収特性にもよるが、例えば、200nm〜600nm、好ましくは、300nm〜450nm、より好ましくは、350nm〜420nmであることが適当である。また、本発明では、重合開始系は、低出力の活性放射線であっても充分な感度を有するものである。従って、活性放射線の出力は、例えば、2,000mJ/cm以下、好ましくは、10mJ/cm〜2,000mJ/cm、より好ましくは、20mJ/cm〜1,000mJ/cm、さらに好ましくは、50mJ/cm〜800mJ/cmの照射エネルギーであることが適当である。また、活性放射線は、露光面照度が、例えば、10mW/cm〜2,000mW/cm、好ましくは、20mW/cm〜1,000mW/cmで照射されることが適当である。
活性放射線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェットには、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更にLED(UV−LED),LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
本発明においては、発光ダイオード(LED)およびレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LEDおよび紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性放射線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性放射線源は、UV−LEDであり、特に好ましくは、350nm〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
LEDの被記録媒体上での最高照度は10mW/cm〜2,000mW/cmであることが好ましく、20mW/cm〜1,000mW/cmであることがより好ましく、特に好ましくは50mW/cm〜800mW/cmである。
本発明においては、インク組成物は、このような活性放射線に、例えば、0.01秒〜120秒、好ましくは、0.1秒〜90秒照射されることが適当である。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法としては、特開昭60−132767号公報に開示される内容が適用できる。具体的には、インクの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク着弾後、一定時間(例えば、0.01秒〜0.5秒、好ましくは、0.01秒〜0.3秒、より好ましくは、0.01秒〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインクが硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができる為、未反応モノマーの残留を抑えられ、その結果として臭気を低減することができる。
更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。WO99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[重合による画像形成]
<<インク組成物の調整>>
(実施例1)
−インクA1−
下記成分を混合したものを目開き2μmのフィルターで濾過することによりインク組成物を得た。なお、このインク組成物のインクの吐出温度(45℃)での粘度は、10mPa・sの範囲内であった。
・フェノキシエチルアクリレート 36.0質量部
・Actilane 421
(Akcros社製、アクリレートモノマー) 16.0質量部
・n−ビニルカプロラクタム 18.0質量部
・Solsperse 32000(Noveon社製分散剤)0.4質量部
・Cinquasia Mazenta RT−355D 3.6質量部
(Ciba Specialty Chemicals社製顔料)
・Genorad 16(Rahn社製安定剤) 0.05質量部
・Rapi−Cure DVE−3
(ISP Europe社製、ビニルエーテル) 8.0質量部
・Lucirin TPO(BASF社製光重合開始剤分) 8.5質量部
・ベンゾフェノン(光重合開始剤) 4.0質量部
・Irgacure 184 4.0質量部
(Ciba Specialty Chemicals社製光重合開始剤)
・Byk 307(BYK Chemie社製消泡剤) 0.05質量部
・フッ素含有多官能モノマー(化合物a−1:
一般式A−1で、Rがメタクリロイル基の化合物) 0.9質量部
(実施例2)
−インクA2−
フッ素含有多官能モノマーとして化合物a−1の代わりに化合物a−2(一般式A−2で、Rがメタクリロイル基の化合物)を用いた以外は実施例1と同様にしてインク組成物を調整した。なお、このインク組成物のインクの吐出温度(45℃)での粘度は、10mPa・sの範囲内であった。
(実施例3)
−インクA3−
フッ素含有多官能モノマーとして化合物a−1の代わりに化合物a−3(一般式A−3で、Rがアクリロイル基の化合物)を用いた以外は実施例1と同様にしてインク組成物を調整した。なお、このインク組成物のインクの吐出温度(45℃)での粘度は、10mPa・sの範囲内であった。
(実施例4)
−インクA4−
フッ素含有多官能モノマーとして化合物a−1の代わりに化合物a−4(一般式A−4で、Rがアクリロイル基の化合物)を用いた以外は実施例1と同様にしてインク組成物を調整した。なお、このインク組成物のインクの吐出温度(45℃)での粘度は、10mPa・sの範囲内であった。
(実施例5)
−インクA5−
フッ素含有多官能モノマーとして化合物a−1の代わりに化合物a−5(一般式A−5で、Rがアクリロイル基の化合物)を用いた以外は実施例1と同様にしてインク組成物を調整した。なお、このインク組成物のインクの吐出温度(45℃)での粘度は、10mPa・sの範囲内であった。
(実施例6)
−インクA6−
フッ素含有多官能モノマーとして化合物a−1の代わりに化合物a−6(一般式A−6で、Rがメタクリロイル基の化合物)を用いた以外は実施例1と同様にしてインク組成物を調整した。なお、このインク組成物のインクの吐出温度(45℃)での粘度は、10mPa・sの範囲内であった。
(実施例7)
−インクA7−
フッ素含有多官能モノマーとして化合物a−1の代わりに化合物a−7(一般式A−7で、Rがメタクリロイル基の化合物)を用いた以外は実施例1と同様にしてインク組成物を調整した。なお、このインク組成物のインクの吐出温度(45℃)での粘度は、10mPa・sの範囲内であった。
(実施例8)
−インクA8−
フッ素含有多官能モノマーとして化合物a−1の代わりに化合物a−8(一般式A−8で、Rがアクリロイル基の化合物)を用いた以外は実施例1と同様にしてインク組成物を調整した。なお、このインク組成物のインクの吐出温度(45℃)での粘度は、10mPa・sの範囲内であった。
(実施例9)
−インクA9−
フッ素含有多官能モノマーとして化合物a−1の代わりに化合物a−9(一般式A−9で、Rがアクリロイル基の化合物。以下に具体的構造を示す。共栄社化学(株)製 商品名:LINC−3A)を用いた以外は実施例1と同様にしてインク組成物を調整した。このインク組成物のインクの吐出温度(45℃)での粘度は、10mPa・sの範囲内であった。
(実施例10)
−インクA10−
フッ素含有多官能モノマーとして化合物a−1の代わりに化合物a−10(一般式A−10で、Rがアクリロイル基の化合物。以下に具体的構造を示す。共栄社化学(株)製 商品名:LINC−102A)を用いた以外は実施例1と同様にしてインク組成物を調整した。このインク組成物のインクの吐出温度(45℃)での粘度は、10mPa・sの範囲内であった。
(比較例1)
−インクB1−
フッ素含有多官能モノマーを用いなかった以外は実施例1と同様にしてインク組成物を調整した。なお、このインク組成物のインクの吐出温度(45℃)での粘度は、10mPa・sの範囲内であった。
(比較例2)
−インクB2−
フッ素含有多官能モノマーの代わりに、下記に示す多官能モノマー(化合物B−1)を用いた以外は実施例1と同様にしてインク組成物を調整した。なお、下記化合物B−1においてRはメタクリロイル基からなる。なお、このインク組成物のインクの吐出温度(45℃)での粘度は、10mPa・sの範囲内であった。
《インクジェット画像記録》(画像の評価)
次に、ピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置を用いて、被記録媒体への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱および加温を行った。温度センサーは、インク供給タンクおよびインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に70℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、8〜30plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で射出できるよう駆動した。着弾後はUV光を露光面照度100mW/cmに集光し、被記録媒体上にインク着弾した0.1秒後に照射が始まるよう露光系、主走査速度および射出周波数を調整した。また、露光時間を可変とし、露光エネルギーを照射した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上記調製した各インク組成物を用い、環境温度25℃にて射出し、UV−LEDとして、日亜化学製NCCU033を用いて、紫外線を各インク毎に照射した。前記UV−LEDは1チップから波長365nmの紫外光を出力するものであって、約500mAの電流を通電することにより、チップから約100mWの光が発光される。これを7mm間隔に複数個配列し、被記録媒体(以下、メディアとも言う。)表面で0.3W/cmのパワーが得られる。 打滴後露光されるまでの時間、及び露光時間はメディアの搬送速度及びヘッドとLEDの搬送方向の距離により変更可能である。本実施例では着弾後、約0.5秒後に露光される。
メディアとの距離及び搬送速度の設定に応じて、メディア上の露光エネルギーを0.01〜15J/cmの間で調整することができる。なお、照射時間は、紫外線照射後の画像面において、粘着感の無くなるまでとした。また、被記録媒体としては、軟質塩化ビニルシートを用いた。
この条件で、硬化感度、ブロッキング性、擦過性を評価した。結果を表1に示す。
なお、表1中の各評価項目の測定・評価方法は以下の通りである。
(硬化感度の測定)
紫外線照射後の画像面において、粘着感の無くなる露光エネルギー量(mJ/cm)を硬化感度と定義した。数値が小さいものほど高感度であることを表す。
(ブロッキング性評価)
紫外線照射後の形成した画像上に、PET(サイズ:縦横共に画像形成した軟質塩化ビニルシートと同サイズ、重さ:2g/枚)を500枚重ね載せ、一日放置し、PETへの転写を目視評価した。転写が無い場合を○、転写がある場合を×で評価。
(擦過性評価)
軟質塩化ビニルシートを消しゴム(ホシヤ製K−50 Plastic Eraser Keep)で擦り、消しゴムへの転写を評価した。転写が無い場合を○、転写がある場合を×で評価。
[エンボス加工するインクへの適用]
《インクジェット画像記録》
評価には、実施例1で調整したインクA1と、比較例2で調整したインクB1とを用い、それぞれ実施例11、および比較例3とし、評価結果は表2にまとめた。
以下、評価方法を説明する。
ピエゾ型インクジェットノズルを有するインクジェット記録実験装置を用いて、被記録媒体への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱および加温を行った。温度センサーは、インク供給タンクおよびインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に45℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、8〜30plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で射出できるよう駆動した。着弾後はUV光を露光面照度2,100mW/cmに集光し、被記録媒体上にインク着弾した0.1秒後に照射が始まるよう露光系、主走査速度および射出周波数を調整した。また、画像に照射される積算光量を6,000mJ/cmとなるようにした。紫外線ランプには、HAN250NL ハイキュア水銀ランプ(ジーエス・ユアサ コーポレーション社製)を使用した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
また、被記録媒体として、下記エンボス加工テスト用にはHK31−WF(膜厚120μm、PET、東山フイルム社製)を用い、真空成形テスト用には、テフレックスFT−3(膜厚50μm、PET、帝人デュポン社製)を使用した。各サンプルともインク硬化膜の平均膜厚が12μmになるよう描画を行った。
《加工プロセス評価方法》
(エンボス加工テスト)
25℃条件下、作成した印刷物を図1(A)に示すステンレス製凸金型と、図1(B)に示すステンレス製凹金型との間に挟み、プレス機MIZUHOA型ハンドパワー(松下電動工具社製)をもちいて、加重150kgを5秒間加え、エンボス加工を行った。画像のエンボスされた部分にひび割れ、白抜けが生じていないか、目視で観察を行った。ひび割れ、白抜けが生じていない場合を○、ひび割れ、白抜けが生じている場合を×で評価した。
(真空成形テスト)
真空成形装置フォーミング300X(成光産業社製)を用い、支持体の温度が90℃になるようにヒーターの温度を設定し、真空テーブルの中心に図2に示す木製型を設置し真空成形を行った。成形された印刷物にひび割れ、白抜けが生じていないか、目視で観察を行った。ひび割れ、白抜けが生じていない場合を○、ひび割れ、白抜けが生じている場合を×で評価した。結果を表2に示す。
表1および表2から、本発明に係るフッ素化アルキレン基と2つ以上の重合性基とを分子内に含むモノマーを含むインク組成物は、ブロッキング性、擦過性がともに良好である。また、エンボス加工をしても、真空成形をしても、ひび割れ、白抜けが生じないものであることがわかる。これに対し、フッ素含有多官能モノマーを含有しないか、これに代えて他のモノマーを用いた比較例のインク組成物では、いずれの評価も劣るものであった。
(A)および(B)は、実施例においてエンボス加工テストに用いた金型を示す側面図および上面図である。 実施例において真空成形テストに用いた木製型を示す斜視図である。

Claims (7)

  1. (a)下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるモノマー、(b)光開始剤、及び、(c)(a)モノマーとは構造が異なる重合性モノマー、を含有することを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。

    一般式(1)〜(3)中、L 、L 、及びL は炭素数4〜20のフッ素化アルキレン基を表す。Xは重合性基を表し、Bは結合手を3つ以上有する分岐基を表し、Aは2価の直鎖状連結基を表す。また、n1は3以上の整数を表し、n2は2以上の整数を表す。
  2. 前記(a)一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるモノマーが、前記一般式(2)又は(3)で表されるモノマーであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  3. 前記(a)一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるモノマーが、3以上のラジカル重合性基を有するモノマーであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  4. 前記(a)一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるモノマーが、下記一般式A−1〜A−10のいずれかで表されるモノマーであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。


    但し、一般式A−1〜A−10中、R は、CH =CH−(C=O)−、CH −CH=CH−(C=O)−、又はCH =CH−O−を表す。
  5. 前記(c)重合性モノマーが、ラジカル重合性モノマーであり、インクジェット記録用インク組成物の全固形分に対する前記ラジカル重合性モノマーの含有量が、60質量%以上であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物
  6. 被記録媒体上に、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物をインクジェット記録装置により吐出する工程と、
    吐出されたインクジェット記録用インク組成物に活性放射線を照射してインクジェット記録用インク組成物を硬化する工程と、
    を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
  7. 請求項6に記載のインクジェット記録方法によって記録されたことを特徴とする印刷物。
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