JP2014237760A - 紫外線硬化型水性インク、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法 - Google Patents
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Abstract
Description
請求項1に係る発明は、
水を含む連続相と、
前記連続相中に分散された分散相であって、非水溶性の紫外線重合性化合物、及び375nm以上450nm以下の波長領域に吸収を持つ非水溶性の紫外線重合開始剤を含む分散相と、
を有する紫外線硬化型水性インク。
前記連続相に、水溶性の紫外線重合性化合物を含む請求項1に記載の紫外線硬化型水性インク。
前記連続相中に前記分散相を形成する分散剤を含み、且つ前記分散剤がラジカル反応性基を持つ分散剤である請求項1又は2に記載の紫外線硬化型水性インク。
請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線硬化型水性インクを収容したインクカートリッジ。
請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線硬化型水性インクを吐出する吐出装置と、
吐出された前記紫外線硬化型水性インクに対して、375nm以上450nm以下の波長領域の紫外線を照射する紫外線照射装置と、
を備える記録装置。
請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線硬化型水性インクを吐出する工程と、
吐出された前記紫外線硬化型水性インクに対して、375nm以上450nm以下の波長領域の紫外線を照射する工程と、
を有する記録方法。
請求項2に係る発明によれば、水相からなる連続相に水溶性の紫外線重合性化合物を含まない場合に比べ、強度が高い画像が得られる外線硬化型水性インクが提供される。
請求項3に係る発明によれば、水相からなる連続相中に分散相を形成する分散剤がラジカル反応性基を持たない分散剤である場合に比べ、強度が高い画像が得られる外線硬化型水性インクが提供される。
本実施形態に係る紫外線硬化型水性インク(以下「インク」と称する)は、水を含む連続相と、連続相中に分散された分散相であって、非水溶性の紫外線重合性化合物、及び375nm以上450nm以下の波長領域(つまり光吸収分解波長)に吸収を持つ非水溶性の紫外線重合開始剤を含む分散相と、を有する。
つまり、本実施形態に係るインクは、連続相となる水相中に、非水溶性の紫外線重合性化合物及び非水溶性の紫外線重合開始剤を分散させ、これらを含む油相からなる分散相を形成したインクである。
水相(連続相)には、水を含む。水相には、必要に応じて、着色剤、水溶性有機溶媒、水溶性の光重合性化合物、及びその他の添加剤を含んでもよい。
油相(分散相)には、非水溶性の紫外線重合性化合物、及び非水溶性の紫外線重合開始剤を含む。油相には、必要に応じて、水素供与剤(紫外線重合開始助剤)、及びその他の添加剤を含んでいてもよい。
そして、本実施形態に係るインクは、油相からなる分散相を形成するための分散剤を含むことがよい。つまり、本実施形態に係るインクは、分散剤により、油相からなる分散相が形成されていることがよい。
(水)
水としては、特に不純物の混入、又は微生物の発生を防止するという観点から、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水が好適に挙げられる。
着色剤としては、顔料が挙げられる。顔料としては、有機顔料、無機顔料が挙げられる。
マゼンタ色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red−5,−7,−12,−48,−48:1,−57,−112,−122,−123,−146,−168,−177,−184,−202, C.I.Pigment Violet −19等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イエロー顔料の具体例としては、C.I.Pigment Yellow−1,−2,−3,−12,−13,−14,−16,−17,−73,−74,−75,−83,−93,−95,−97,−98,−114,−128,−129,−138,−151,−154,−180等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
自己分散型顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を有し、高分子分散剤が存在しなくとも水中で分散する顔料のことを指す。自己分散型顔料は、例えば、顔料に対して酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理を施すことにより得られる。
また、顔料としては、高分子化合物を顔料に物理的に吸着又は化学的に結合させた樹脂分散型顔料も挙げられる。
また、顔料としては、黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等も挙げられる。
また、顔料としては、シリカ、アルミナ、又は、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等も挙げられる。
着色剤の体積平均粒径とは、着色剤そのものの粒径、又は着色剤に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒径をいう。体積平均粒径の測定装置には、マイクロトラックUPA粒度分析計 9340 (Leeds&Northrup社製)により行う。その測定は、インク4mlを測定セルに入れて行った。なお、測定時の入力値として、粘度にはインクの粘度を、分散粒子の密度は着色剤の密度とした。
水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等も挙げられる。なお、水溶性有機溶媒において、水溶性とは、25℃の水100質量部に対する対象物質の溶解量が1質量部以上であることを意味する。
アルコール類としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
水溶性有機溶媒は、1種類で使用しても2種類以上を併用してもよい。
水溶性の紫外線重合性化合物としては、周知の光重合性化合物が挙げられ、具体的には、アクリロイルモロフォリン(ACMO)、ヒドロキシエチルアクリルアマイド(HEAA)、ダイアセトンアクリルアマイド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−ホルムアミド、ビニルナフタレンスルホン酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、無水琥珀酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとのエステル、オルソ無水フタル酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとのエステル等のラジカル重合性モノマーが挙げられる。
水溶性の紫外線重合性モノマーとしては、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、多価アルコールから誘導されるグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸エステル等のラジカル重合性モノマーも挙げられる。
水溶性の紫外線重合性化合物としては、水溶性の光重合性モノマーが目的とする重合度で重合したオリゴマーも挙げられる。
水相に含んでもよいその他添加剤としては、インク吐出性改善剤(ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等)、導電率/pH調整剤(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物等)、反応性の希釈溶媒、浸透剤、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調製剤、導電剤、キレート化剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤等の周知の添加剤が挙げられる。
(非水溶性の紫外線重合性化合物)
紫外線重合性化合物としては、非水溶性の紫外線重合性化合物が適用される。なお、紫外線重合性化合物において、水溶性とは、25℃の水100質量部に対する対象物質の溶解量が5質量部以上(好ましくは10質量部以上)であることを意味する。一方、非水溶性とは、25℃の水100質量部に対する対象物質の溶解量が5質量部未満であることを意味する。
非水溶性の紫外線重合性化合物としては、非水溶性の紫外線重合性モノマーが目的とする重合度で重合したオリゴマー;エポキシ骨格、ウレタン骨格、ポリエステル骨格又はポリエーテル骨格にアクリロイル基又はメタクリロイル基の付加したアクリレート(エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエステルメタクリレート等)のオリゴマー;も挙げられる。
紫外線重合開始剤としては、非水溶性の紫外線重合開始剤が適用される。なお、紫外線重合性開始剤において、水溶性とは、25℃の水100質量部に対する対象物質の溶解量が0.1質量部以上であることを意味する。一方、非水溶性とは、25℃の水100質量部に対する対象物質の溶解量が0.1質量部未満であることを意味する。
なお、mtが各々2以上の整数を示す場合、複数のRt1は互いに同じ基を示してよいし、異なる基を示してよい。同様に、ntが各々2以上の整数を示す場合、複数のRt2は互いに同じ基を示してよいし、異なる基を示してよい。
Rt1及びRt2が示すアルキル基としては、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよく、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上5以下、より好ましくは1以上3以下)のアルキル基が挙げられる。直鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基等が挙げられる。分岐状のアルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
Rt1及びRt2が示すアルキルエーテル基としては、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよく、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上5以下、より好ましくは1以上3以下)のアルコキシ基が挙げられる。直鎖状のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等が挙げられる。分岐状のアルコキシ基としては、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等が挙げられる。
Rt1及びRt2が示すアルキル基、又はアルキルエーテル基に置換し得る置換基としては、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アミド基、カルボニル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
Rap1、Rap3、及びRap3が示すアルコキシ基に置換し得る置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アミド基、カルボニル基等が挙げられる。
Rap1、Rap3、及びRap3が示すフェニル基に置換し得る置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アミド基、カルボニル基等が挙げられる。
Rap1、Rap3、及びRap3が示すベンゾイル基に置換し得る置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アミド基、カルボニル基等が挙げられる。
水素供与剤(紫外線重合開始助剤)は、非水溶性の水素供与剤が適用される。なお、水素供与剤において、水溶性とは、25℃の水100質量部に対する対象物質の溶解量が0.01質量部以上であることを意味する。一方、非水溶性とは、25℃の水100質量部に対する対象物質の溶解量が0.01質量部未満であることを意味する。
Ra1とRa2が連結した脂環構造又はヘテロ原子を含む多員環構造としては、一般式(AM)に記載されているN原子も含んだ形で、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリノ基等が挙げられる。
Ra1及びRa2が示すアルキル基、又は多員環構造に置換し得る置換基としては、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アミド基、カルボニル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
Ra3が示すアルキル基に置換し得る置換基としては、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アミド基、カルボニル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
油相に含んでもよいその他添加剤としては、増感剤、連鎖移動剤の周知の添加剤が挙げられる。
水相からなる連続相中に油相からなる分散相を形成するための分散剤としては、周知の分散剤が挙げられる。
具体的には、分散剤としては、各種の界面活性剤(アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等)、顔料分散剤として説明した高分子分散剤が挙げられる。分散剤としては、その他、ラジカル反応性基を持つ分散剤(以下「反応性分散剤」と称する)も挙げられる。
なお、分散剤としては、立体的効果(具体的には油相の周囲の層厚の増加)を考慮すると、高分子分散剤が好ましい。
これらの中でも、アニオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等がよい。
これらの中でも、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物がよい。
ここで、HLB(親水基/疎水基バランス「Hydrophile− Lipophile Barance」)は、以下の式(グリフィン法)により定義されるものである。
・HLB=20×(親水部の式量の総和/分子量)
具体的には、反応性分散剤としては、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステルのエステル末端基にビニルエーテルを有する化合物、シリコーン鎖とオキシエチレン基を含有する(メタ)アクリレート(例えば、「TEGO2200N(テグサ社製)」:3個のアクリロイル基を持つポリエチレンオキサイド/ポリプロピレンオキサイドからなるポリオキシアルキレンにより変性されたシリコーン系界面活性剤:HLB=10)等の周知の反応性分散剤が挙げられる。
本実施形態に係るインクの表面張力は、例えば20mN/m以上45mN/m以下の範囲が挙げられる。
ここで、表面張力としては、ウイルヘルミー型表面張力計(協和界面科学株式会社製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した値を採用した。
本実施形態に係る記録装置は、本実施形態に係るインク(紫外線硬化型水性インク)を吐出する吐出装置と、吐出されたインクに対して、375nm以上450nm以下の波長領域の紫外線を照射する紫外線照射装置と、を備える。
図1は、本実施形態に係るインクジェット記録装置を示す概略構成図である。図2は、本実施形態に係るインクジェット記録装置における記録ヘッド周辺を示す部分平面図である。
なお、記録ヘッド30は、これに限られず、用紙Pの幅よりも短尺状の記録ヘッドであって、用紙Pの幅方向に移動してインクを吐出する方式(所謂キャリッジ方式)の記録ヘッドであってもよい。
なお、紫外線照射装置50は、これに限られず、記録ヘッド30による記録可能領域の幅よりも短尺状の紫外線照射装置であって、記録ヘッド30による記録領域の幅方向に移動して紫外線を照射する方式(所謂キャリッジ方式)の紫外線照射装置であってもよい。
これらの中でも、紫外線照射装置50の光源としては、紫外線発光ダイオード(Ultraviolet Light Emitting Diode;「UV−LED」)がよい。
本実施形態に係る記録装置12では、用紙Pは、給紙容器16から取り出しロール18で1枚ずつ取り出され、搬入経路22を経由して搬送ベルト28へ搬送される。
次に、用紙Pは、帯電ロール32により搬送ベルト28に静電吸着され、搬送ベルト28の回転により記録ヘッド30の下方へ搬送される。
次に、用紙Pは、記録ヘッド30により、インクが吐出され、目的とする画像が記録される。
具体的には、紫外線照射条件としては、例えば、波長領域(中心波長)が375nm以上450nm以下、照射強度が10mW/cm2以上5000mW/cm2以下(望ましくは50mW/cm2以上500mW/cm2以下)、照射時間が0.1ミリ秒以上10秒以下(望ましくは10ミリ秒以上100ミリ秒以下)であることがよい。
・グリセリンプロポキシトリアクリレート: 40質量部
(非水溶性の紫外線重合性化合物:ダイセルサイテック社製)
・シアン顔料水性分散液: 30質量部
(CABOT社製:顔料濃度10質量%)
・グリセリン: 5質量部
・ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート: 4質量部
(分散剤:花王社製)
・Kayacure DETX−S: 1.5質量部
(非水溶性の紫外線重合開始剤:チオキサントン化合物:2,4−ジエチルチオキサントン:日本化薬社製)
・Kayacure EPA: 1質量部
(非水溶性の3級アミン化合物:4−ジメチルアミノ安息香酸エチル:日本化薬社製)
・純水: 20質量部
得られた分散液に、その他の材料を加え、混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、シアン色の紫外線硬化型水性インクを得た。
なお、Kayacure DETX−S(2,4−ジエチルチオキサントン:紫外線重合開始剤)は、385nmに吸収ピークを有する。
・ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート :25質量部
(非水溶性の紫外線重合開始剤:新中村化学工業社製)
・マゼンタ顔料水性分散液: 20質量部
(CABOT社製:顔料濃度10質量部)
・ジエチレングリコール: 5質量部
・アクリル酸ブチル−アクリル酸Na共重合体(分散剤): 3質量部
・2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルリン酸エチル: 1.5質量部
(非水溶性の紫外線重合開始剤:アシルホスフィンオキサイド化合物:2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド: コンストウルーケミカル社製)
・純水:40質量部
得られた分散液に、その他の材料を加え、混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、マゼンタ色の紫外線硬化型水性インクを得た。
なお、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルリン酸エチル(紫外線重合開始剤)は375nm近傍に吸収ピークを有する。
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート: 25質量部
(非水溶性の紫外線重合性化合物:新中村化学工業社製)
・ポリエチレングリコール#400ジアクリレート: 15質量部
(水溶性の紫外線重合性化合物:共栄社化学社製)
・イエロー顔料水性分散液: 20質量部
(CABOT社製:顔料濃度10質量%)
・グリセリン: 5質量部
・ポリオキシエチレンステアリルエーテル(分散剤): 4質量部
・2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルリン酸エチル: 1.5質量部
(非水溶性の紫外線重合開始剤:アシルホスフィンオキサイド化合物:2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド:コンストウルーケミカル社製)
・純水: 40質量部
得られた分散液に、その他の材料を加え、混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、イエロー色の紫外線硬化型水性インクを得た。
なお、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルリン酸エチル(紫外線重合開始剤)は375nm近傍に吸収を有する。
・イソシアヌル環を有するウレタンアクリレート: 30質量部
(非水溶性の紫外線重合性化合物:「アロニックスM−313(東亜合成社製)」)
・ブラック顔料水性分散液: 20質量部
(CABOT社製:顔料濃度10質量%)
・トリエチレングリコール: 5質量部
・2−エチルヘキシルオキシアクリレート−アクリル酸Na共重合体: 3質量部
(エステルの末端にアクリレート基を付与した反応性分散剤)
・Kayacure DETX−S: 1.0質量部
(非水溶性の紫外線重合開始剤:チオキサントン化合物:2,4−ジエチルチオキサントン:日本化薬社製)
・Kayacure EPA: 0.6質量部
(非水溶性の3級アミン化合物:4−ジメチルアミノ安息香酸エチル:日本化薬社製)
・純水: 40質量部
得られた分散液に、その他の材料を加え、混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、ブラック色の紫外線硬化型水性インクを得た。
なお、Kayacure DETX−Sは385nm近傍に吸収ピークを有する。
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート: 30質量部
(非水溶性の紫外線重合性化合物:新中村化学工業社製)
・シアン顔料水性分散液: 20質量部
(CABOT社製:顔料濃度10質量%)
・グリセリン: 7質量部
・TEGO2200N: 4質量部
(シリコーン含有ポリオキシエチレンアクリレート:反応性分散剤:テグサ社製)
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド: 2.0質量部
(非水溶性の紫外線重合開始剤:アシルホスフィンオキサイド化合物:BASF社製)
・純水: 30質量部
上記組成のうち、ペンタエリスリトールテトラアクリレートとビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドを混合して、混合液を得た後、TEGO2200Nを溶解した水溶液中に、上記混合液を投入し、超音波ホモジナイザー照射により、分散液を得た。
得られた分散液に、その他の材料を加え、混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、シアン色の紫外線硬化型水性インクを得た。
なお、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(紫外線重合開始剤)は370nm近傍に吸収を有する。
・トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート: 25質量部
(非水溶性の紫外線重合性化合物:新中村化学工業社製)
・ポリエチレングリコール#600ジアクリレート: 15質量部
(水溶性の紫外線重合性化合物:共栄社化学社製)
・ブラック顔料水性分散液: 20質量部
(CABOT社製:顔料濃度10質量%)
・グリセリン: 4質量部
・ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート: 4質量部
(分散剤:花王社製)
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド: 1.5質量部
(非水溶性の紫外線重合開始剤:アシルホスフィンオキサイド化合物:BASF社製)
・水溶性アシルホスフィンオキシド: 1.5質量部
(水溶性の紫外線重合開始剤:アシルフォスフィンオキシド構造中の芳香環にカルボン酸で置換されたアルキル基を導入したもの
・純水: 30質量部
上記組成のうち、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレートとビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドを混合して、混合液を得た後、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートを溶解した水溶液中に、上記混合液を投入し、超音波ホモジナイザー照射により、分散液を得た。
得られた分散液に、その他の材料を加え、混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、シアン色の紫外線硬化型水性インクを得た。
なお、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(紫外線重合開始剤)は370nm近傍に吸収を有する。
水溶性アシルホスフィンオキシド(紫外線重合開始剤)は375nm近傍に吸収ピークを有する。
・ウレタンアクリレートオリゴマー水性エマルション: 50質量部
(非水溶性の紫外線重合性化合物成分40質量%:荒川化学工業社製)
・シアン顔料水性分散液: 25質量部
(CABOT社製:顔料濃度10質量%)
・グリセリン: 10質量部
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル: 4質量部
・サーフィノール 465(日信化学社製): 1質量部
・IRGACURE 2959: 2質量部
(水溶性の紫外線重合開始剤:BASF社製)
・純水: 10質量部
なお、IRGACURE 2959(紫外線重合開始剤)は、水溶性で、320nm近傍に吸収ピークを有する。
・ポリエチレングリコール#600ジアクリレート: 35質量部
(水溶性の紫外線重合性化合物:共栄社化学社製)
・マゼンタ顔料水性分散液: 20質量部
(CABOT社製:顔料濃度10質量%)
・グリセリン: 10質量部
・水溶性アシルホスフィンオキシド: 1.5質量部
(水溶性の紫外線重合開始剤:アシルフォスフィンオキシド構造中の芳香環にカルボン酸で置換されたアルキル基を導入したもの)
・純水: 10質量部
上記組成の材料を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、マゼンタ色の紫外線硬化型水性インクを得た。
なお、水溶性アシルホスフィンオキシド(紫外線重合開始剤)は375nm近傍に吸収ピークを有する。
各例で得られた紫外線硬化型水溶性インクについて、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
各例で得られた紫外線硬化型水性インクをスリットコーターによりOHP(overhead projector)シート上に厚さ約18μmの膜厚で塗布した後、UVオーブン(光源:395nmの発光波長を有するUV−LEDランプ)にて塗膜を十分に硬化させ、硬化後の硬化膜に水を滴下し、滴下後水滴を拭き取った後の硬化膜を評価した。評価基準は以下の通りである。
G1: 硬化膜の乱れなし
G2: ふき取った布にインクが付着し、硬化膜の乱れあり
各例で得られた紫外線硬化型水溶性インクを、連帳機により搬送速度 20mm/s で搬送するロール紙上にライン上の画像を連続印字した後、395nmの発光波長を有するUV−LEDランプにより積算光量10J/cm2条件で紫外線を照射した後、ロール紙を巻き取った。そして、ロール巻き取り状態で放置後、印字裏面側のオフセットレベルを評価した。評価基準は以下の通りである。
G1:オフセットなし
G2:僅かにオフセットあり
G3:明らかなオフセットあり
各例で得られた紫外線硬化型水溶性インクを40℃で1か月間保管した後、上記オフセット評価を行った。評価基準は以下の通りである。
G1:インクの作製直後と保管後とで、オフセット評価結果に変化なし
G2:インクの作製直後よりも保管後が、オフセット評価結果が劣る
各例で得られた紫外線硬化型水溶性インクを、スリットコーターによりOHPシート上に厚さ約18μmの膜厚で塗布した後、395nmの発光波長を有するUV−LEDランプにより積算光量10J/cm2条件で紫外線を照射した後、荷重約100kg/m2で未印字のアート紙により画像部をこすり、画像のはがれ具合を評価した。評価基準は以下の通りである。
G1:画像はがれが確認できなかった。
G2:アート紙側に僅かに画像の付着は見られたが、画像の乱れは確認できなかった。
G3:画像の乱れを確認。
14 筐体
16 給紙容器
18 取り出しロール
20 搬入ローラ対
22 搬入経路
24 駆動ロール
26 従動ロール
28 搬送ベルト
30 記録ヘッド
30A インクカートリッジ
32 帯電ロール
34 剥離板
36 排出経路
38 排出ローラ対
40 排紙容器
50紫外線照射装置
P 用紙
Claims (6)
- 水を含む連続相と、
前記連続相中に分散された分散相であって、非水溶性の紫外線重合性化合物、及び375nm以上450nm以下の波長領域に吸収を持つ非水溶性の紫外線重合開始剤を含む分散相と、
を有する紫外線硬化型水性インク。 - 前記連続相に、水溶性の紫外線重合性化合物を含む請求項1に記載の紫外線硬化型水性インク。
- 前記連続相中に前記分散相を形成する分散剤を含み、且つ前記分散剤がラジカル反応性基を持つ分散剤である請求項1又は2に記載の紫外線硬化型水性インク。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線硬化型水性インクを収容したインクカートリッジ。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線硬化型水性インクを吐出する吐出装置と、
吐出された前記紫外線硬化型水性インクに対して、375nm以上450nm以下の波長領域の紫外線を照射する紫外線照射装置と、
を備える記録装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線硬化型水性インクを吐出する工程と、
吐出された前記紫外線硬化型水性インクに対して、375nm以上450nm以下の波長領域の紫外線を照射する工程と、
を有する記録方法。
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