JP2013184452A - 画像記録方法、及び画像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像滲みが抑制され、且つ高画像濃度の画像が得られる画像記録方法を提供すること。
【解決手段】画像記録組成物を中間転写体上に供給し、被硬化層を形成した上で、水性インクの液滴を被硬化層に吐出した後、被硬化層を記録媒体に転写する画像記録方法において、硬化性物質と、吸水成分と、界面活性作用を持つ物質と、を含む画像記録用組成物を適用し、水系媒体と、着色剤と、前記画像記録用組成物に含まれる前記界面活性作用を持つ物質に対する親水基/疎水基バランス(HLB)の差(絶対値)が3以上10以下の界面活性剤と、を含む非硬化型の水性インクを適用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像記録方法、及び画像記録装置に関する。
インクを利用した記録方式では、浸透媒体や非浸透媒体などの多様な記録媒体に対し記録を行うために、中間転写体に記録した後、記録媒体に転写する方式が提案されている。
特許文献1には、「中間転写体と、前記中間転写体上に形成され、吸液成分、及び紫外線を照射することにより硬化する硬化材料を含み、更に親水基/疎水基バランスが8以上18以下の紫外線硬化樹脂、及び親水基/疎水基バランスが8以上18以下の界面活性剤から選択される少なくとも何れかを含む硬化性溶液層と、前記中間転写体上に形成された前記硬化性溶液層に、インク滴を付与するインク付与手段と、前記インク滴が付与された前記硬化性溶液層を記録媒体に接触させた後に、前記硬化性溶液層硬化性溶液層を前記中間転写体から剥離することにより、前記中間転写媒体から前記記録媒体に前記硬化性溶液層を転写する転写手段と、前記硬化性溶液層硬化性溶液層が転写された記録媒体に、紫外線を照射する紫外線照射手段と、を有することを特徴とする記録装置」について提案されている。
特開2010−228193号公報
本発明の課題は、画像滲みが抑制され、且つ高画像濃度の画像が得られる画像記録方法を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
非界面活性の硬化性物質と、吸水成分と、界面活性作用を持つ物質と、を含む画像記録用組成物を中間転写体上へ供給し、被硬化層を形成する供給工程と、
水系媒体と、着色剤と、前記画像記録用組成物に含まれる前記界面活性作用を持つ物質に対する親水基/疎水基バランス(HLB)の差(絶対値)が3以上10以下の界面活性作用を持つ物質と、を含む非硬化型の水性インクの液滴を、前記中間転写体上に形成された前記被硬化層に吐出する吐出工程と、
前記水性インクの液滴が吐出された前記被硬化層を前記中間転写体から記録媒体へ転写する転写工程と、
前記被硬化層に刺激を付与し、前記被硬化層を硬化する刺激付与工程と、
を有する画像記録方法。
請求項2に係る発明は、
前記画像記録用組成物に含まれる前記界面活性作用を持つ物質と、前記水性インクに含まれる前記界面活性作用を持つ物質と、の親水基/疎水基バランス(HLB)の差(絶対値)が、4以上7以下である請求項1に記載の画像記録方法。
請求項3に係る発明によれば、
前記画像記録用組成物に含まれる前記界面活性作用を持つ物質が、ポリエーテル変性シリコーンオイルである請求項1又は2に記載の画像記録方法。
請求項4に係る発明は、
前記画像記録用組成物に含まれる前記界面活性作用を持つ物質が、非反応性の物質である請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像記録方法。
請求項5に係る発明は、
中間転写体と
非界面活性の硬化性物質と、吸水成分と、界面活性作用を持つ物質と、を含む画像記録用組成物を収容し、前記画像記録用組成物を前記中間転写体上へ供給し、被硬化層を形成する供給装置と、
水系媒体と、着色剤と、前記画像記録用組成物に含まれる前記界面活性作用を持つ物質に対する親水基/疎水基バランス(HLB)の差(絶対値)が3以上10以下の界面活性作用を持つ物質と、を含む非硬化型の水性インクを収容し、前記水性インクの液滴を、前記中間転写体上に形成された前記被硬化層に吐出する吐出装置と、
前記水性インクの液滴が吐出された前記被硬化層を前記中間転写体から記録媒体へ転写する転写装置と、
前記被硬化層に刺激を付与し、前記被硬化層を硬化する刺激付与装置と、
を有する画像記録装置。
請求項6に係る発明は、
前記画像記録用組成物に含まれる前記界面活性作用を持つ物質と、前記水性インクに含まれる前記界面活性作用を持つ物質と、の親水基/疎水基バランス(HLB)の差(絶対値)が、4以上7以下である請求項5に記載の画像記録装置。
請求項7に係る発明は、
前記画像記録用組成物に含まれる前記界面活性作用を持つ物質が、ポリエーテル変性シリコーンオイルである請求項5又は6に記載の画像記録装置。
請求項8に係る発明は、
前記画像記録用組成物に含まれる前記界面活性作用を持つ物質が、非反応性の物質である請求項5〜7のいずれか1項に記載の画像記録装置。
請求項1、2に係る発明によれば、上記画像記録用組成物と上記水性インクとを組み合わせない場合に比べ、画像滲みが抑制され、且つ高画像濃度の画像が得られる画像記録方法を提供できる。
請求項3に係る発明によれば、界面活性作用を持つ物質がポリエーテル変性シリコーンオイル以外の物質である場合に比べ、画像滲みが抑制され、且つ高画像濃度の画像が得られる画像記録方法を提供できる。
請求項4に係る発明によれば、界面活性作用を持つ物質が、反応性の物質である場合に比べ、耐久性に優れた画像が得られる画像記録方法を提供できる。
請求項5、6に係る発明によれば、上記画像記録用組成物と上記水性インクとを組み合わせない場合に比べ、画像滲みが抑制され、且つ高画像濃度の画像が得られる画像記録装置を提供できる。
請求項7に係る発明によれば、界面活性作用を持つ物質がポリエーテル変性シリコーンオイル以外の物質である場合に比べ、画像滲みが抑制され、且つ高画像濃度の画像が得られる画像記録装置を提供できる。
請求項8に係る発明によれば、界面活性作用を持つ物質が、反応性の物質である場合に比べ、耐久性に優れた画像が得られる画像記録装置を提供できる。
本実施の形態に係る記録装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、画像記録用組成物を中間転写体上へ供給し、被硬化層を形成する供給工程と、水性インクの液滴を、中間転写体上に形成された被硬化層に吐出する吐出工程と、水性インクの液滴が吐出された被硬化層を中間転写体から記録媒体へ転写する転写工程と、被硬化層に刺激を付与し、被硬化層を硬化する刺激付与工程と、を有する画像記録方法である。
一方、本実施形態に係る画像形成方法を実現する画像記録装置は、中間転写体と、画像記録用組成物を中間転写体上へ供給し、被硬化層を形成する供給装置と、水性インクの液滴を、中間転写体上に形成された被硬化層に吐出する吐出装置と、水性インクの液滴が吐出された被硬化層を中間転写体から記録媒体へ転写する転写装置と、被硬化層に刺激を付与し、被硬化層を硬化する刺激付与装置と、を有する画像記録装置である。
画像記録用組成物としては、非界面活性の硬化性物質と、吸水成分と、界面活性作用を持つ物質と、を含む画像記録用組成物が適用される。
水性インクとしては、水系媒体と、着色剤と、界面活性作用を持つ物質と、を含む非硬化型の水性インクが適用される。
一方、画像記録用組成物に含まれる界面活性作用を持つ物質と、水性インクに含まれる界面活性作用を持つ物質と、の親水基/疎水基バランス(以下、「HLB」と略記する)の差(絶対値)を3以上10以下(望ましくは4以上7以下、より望ましくは4以上6以下)とする
なお、画像記録用組成物に含まれる界面活性作用を持つ物質のHLBは、例えば、2以上10以下がよく、望ましくは3以上8以下、より望ましくは3以上7以下である。
水性インクに含まれる界面活性作用を持つ物質のHLBは、例えば、7以上19以下がよく、望ましくは8以上16以下、より望ましくは9以上14以下である。
ここで、HLB(親水基/疎水基バランス「Hydrophile− Lipophile Barance」)は、以下の式(グリフィン法)により定義されるものである。
・HLB=20×(親水部の式量の総和/分子量)
なお、水性インク及び画像記録組成物の各々において、各界面活性作用を持つ物質を複数併用する場合、また、複数色の水性インクを使用する場合、その全ての界面活性剤のHLBが上記関係を満たす必要がある。つまり、互い含まれる複数の界面活性作用を持つ物質を組み合わせたHLBの差のうち最小値及び最大値が、上記範囲を満たす必要がある。
本実施形態では、画像記録組成物を中間転写体上に供給し、被硬化層を形成した上で、水性インクの液滴を被硬化層に吐出した後、被硬化層を記録媒体に転写する。なお、被硬化層の硬化は、転写と同時でもよいし、転写後であってもよい。
このような画像記録方式において、上記HLBの関係を満たす界面活性能を持つ物質が互いに含まれる画像記録組成物と水性インクとを組み合わせると、画像記録組成物で構成された被硬化層に水性インクの液滴が吐出され、付与されたとき、水性インクと被硬化層(画像記録組成物)との過剰な相溶化と共に、過剰な非相溶化が抑えられると考えられる。つまり、水性インクが被硬化層(画像記録組成物)に適度に相溶化すると考えられる。このため、過剰な相溶化による水性インクの滲みが抑えられる一方で、過剰な非相溶化によって、過度に水性インクの被硬化層での広がりが抑えられることによる画像濃度の低下(つまり、水性インクが被硬化層で広がらず、水性インクのドット間が離間して形成されてしまうことによる画像濃度の低下)が抑制されると考えられる。
以上から、本実施形態では、画像滲みが抑制され、且つ高画像濃度の画像が得られる。
以下、本実施形態における各構成要素について詳細に説明する。
[画像記録組成物]
画像記録用組成物は、非界面活性の硬化性物質と、吸水成分と、界面活性作用を持つ物質と、必要に応じて、その他成分と、を含んで構成される。
(非界面活性の硬化性物質)
非界面活性の硬化性物質(以下、単に「硬化性物質」と称することがある)としては、例えば、紫外線硬化性物質、電子線硬化性物質、熱硬化性物質等が挙げられる。なお、硬化性物質は、これらに限られず、例えば湿気、酸素等により硬化する硬化性物質を適用してもよい。なお、ここで言う硬化性物質は、硬化後は不可逆である。中でも、紫外線硬化性物質であってLED等の特定波長で反応するものが好ましく、画像部の形態保持、硬化速度の高速化に優れ、中間転写体上に形成された被硬化層が記録媒体に転写される際に中間転写体と記録媒体との接触でラミネートした状態で酸素阻害の影響が低減され、且つ反応速度の向上により高速転写記録を成し得る。
紫外線硬化性物質を硬化することにより得られる「紫外線硬化性樹脂」としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂などが挙げられる。紫外線硬化性物質は、紫外線硬化性のモノマー、紫外線硬化性のマクロマー、紫外線硬化性のオリゴマー、および紫外線硬化性のプレポリマーの少なくとも1種を含んでいる。また、紫外線硬化反応を進行させるための紫外線重合開始剤を含んでいることが望ましい。さらに、必要に応じて、重合反応をより進行させるための、反応助剤、重合促進剤、分散剤等を含んでいてもよい。
ここで、紫外線硬化性のモノマーとしては、例えば、1つ以上の反応性基を含むアルコール/多価アルコール/アミノアルコール類のアクリル酸エステル、アルコール/多価アルコール類のメタクリル酸エステル、アクリル脂肪族アミド、アクリル脂環アミド、アクリル芳香族アミド類等のラジカル硬化性物質;エポキシモノマー、オキセタンモノマー、ビニルエーテルモノマー等のカチオン硬化性物質;などが挙げられる。上記紫外線硬化性のマクロマー、紫外線硬化性のオリゴマー、紫外線硬化性のプレポリマーとしては、これらモノマーを重合させたものの他、エポキシ、ウレタン、ポリエステル、ポリエーテル骨格に、アクリロイル基やメタクリロイル基の付加した、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエステルメタクリレート等のラジカル硬化性物質が挙げられる。
硬化反応がラジカル反応により進行するタイプである場合、紫外線重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、チオキサントン系、ベンジルジメチルケタール、α-ヒドロキシケトン、α-ヒドロキシアルキルフェノン、α-アミノケトン、α-アミノアルキルフェノン、モノアシルフォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイド、ヒドロキシベンゾフェノン、アミノベンゾフェノン、チタノセン型、オキシムエステル型、オキシフェニル酢酸エステル型などが挙げられる。
硬化反応がカチオン反応により進行するタイプである場合、紫外線重合開始剤としては、例えば、アリールスルホニウム塩、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、アレン-イオン錯体誘導体、トリアジン系開始剤等が挙げられる。
電子線硬化性物質を硬化することにより得られる「電子線硬化性樹脂」としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。そして、電子線硬化性物質として、電子線硬化性のモノマー、電子線硬化性のマクロマー、電子線硬化性のオリゴマー、及び電子線硬化性のプレポリマーの少なくとも1種を含んでいる。
ここで、電子線硬化性のモノマー、電子線硬化性のマクロマー、電子線硬化性のオリゴマー、電子線硬化性のプレポリマーとしては、紫外線硬化性物質と同じものが挙げられる。
熱硬化性物質を硬化することにより得られる「熱硬化性樹脂」としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。そして、熱硬化性物質として、熱硬化性のモノマー、熱硬化性のマクロマー、熱硬化性のオリゴマー、及び熱硬化性のプレポリマーの少なくとも1種を含んでいる。また重合の際に硬化剤を添加してもよい。また、熱硬化反応を進行させるための熱重合開始剤を含んでもよい。
ここで、熱硬化性のモノマーとしては、例えば、フェノール、ホルムアルデヒド、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン、シアヌリル酸アミド、尿素、グリセリン等のポリアルコール、無水フタル酸、無水マレイン酸、アジピン酸等の酸などが挙げられる。熱硬化性のマクロマー、熱硬化性のオリゴマー、熱硬化性のプレポリマーとしては、これらのモノマーを重合させたものや、ウレタンプレポリマー、エポキシプレポリマー、ポリエステルプレポリマーなどが挙げられる。
熱重合開始剤としては、例えば、プロトン酸/ルイス酸等の酸、アルカリ触媒、金属触媒などが挙げられる。
以上のように、硬化性物質は、紫外線、電子線、熱等の外部エネルギーにより硬化(例えば、重合反応が進行することによる硬化)するものであれば何でもよい。
(吸水成分)
吸水成分は、水性インク中の着色剤を固定化する材料として、インクの液状成分を吸水する粒子である。吸水成分は、吸水性材料を主成分として含む。なお「主成分」とは、全体に対し50質量%以上含む成分をいう。また吸水性材料とは、吸水性材料とインクを重量比30:100で24時間混合した後、混合液中からフィルターにより吸水性材料を取り出した時、吸水性材料の重量がインク混合前に対して5%以上増加するものである。
吸水性材料としては、例えば樹脂(以下、吸水樹脂と称する場合がある)や、表面親インク性を持たせた無機粒子(例えば、シリカ、アルミナ、ゼオライトなど)等があげられ、用いるインクに応じて選択される。
吸水樹脂としては、具体的には、例えば、ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタクリル酸およびその塩、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸およびその塩構造を有する脂肪族または芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸およびその塩構造を有する脂肪族または芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸およびその塩構造を有する脂肪族または芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、ポリマレイン酸およびその塩、スチレン−マレイン酸およびその塩から構成される共重合体等、前記それぞれの樹脂のスルホン酸変性体、それぞれの樹脂のリン酸変性体等、等が挙げられ、望ましくは、ポリアクリル酸およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸およびその塩構造を有する脂肪族または芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、が挙げられる。これら樹脂は、複数の反応基を含むジビニルベンゼン等で架橋されていてもよい。
吸水成分は、固体の粒子状のものでもよく、エマルジョン等のように液体が被硬化層に分散した状態のものでもよく、半溶解した状態(例えばポリマーの架橋が切れて分子鎖が伸びた状態)や一部画像記録組成物(被硬化層)に相溶・膨潤したものでもよい。
吸水成分の径(体積平均粒径)は、体積平均粒径が0.05μm以上25μmの範囲であることが望ましく、0.2μm以上10μm以下がより望ましい。
吸水成分の比重は、画像記録用組成物に含まれる硬化性物質の比重よりも、相対的に小さいほうが好ましい。吸水成分の画像記録用組成物全体に対する比率は、質量比で、1%以上60%以下が望ましく、より望ましくは10%以上50%以下であり、さらに望ましくは20%以上40%以下である。
吸水成分が樹脂粒子である場合、樹脂粒子の調製方法としては、例えば、吸水性材料を含む樹脂をボールミルにより粉砕する方法やエマルジョン状態の樹脂液体を、微細な液滴状態で乾燥造粒する等が挙げられる。
(界面活性作用を持つ物質)
界面活性作用を持つ物質は、上記範囲のHLBの関係を満たす界面活性剤が適用される。
界面活性作用を持つ物質は、非反応性の物質(以下、「非反応性界面活性剤」と称する)であってもよいし、刺激(光や熱)の付与により反応する反応性の物質(以下、「反応性界面活性剤」と称する)であってもよいが、非反応性界面活性剤であることがよい。
非反応性界面活性剤を適用すると、反応性界面活性剤を適用した場合に比べ、被硬化層(これを硬化した層)の記録媒体に対する定着性が向上すると考えられ、得られる画像の耐久性(被硬化層の硬化後の硬化層の耐久性)が向上し易くなる。
反応性界面活性剤を適用すると、これが硬化性物質と共に硬化反応(重合反応)に寄与することから、添加量に制限がある一方で、非反応性の物質を適用すると、添加量の自由度が向上する。
非反応性界面活性剤としては、例えば、界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
これらの中でも、画像滲みが抑制され、且つ高画像濃度の画像が得られ易くなる観点から、非反応性界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、特に、ポリエーテル変性シリコーンオイルであることがよい。
ポリエーテル変性シリコーンオイル(ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル)としては、例えば、1)ジメチルシロキサン鎖の両末端に、ポリエーテルポリオキシアルキレン鎖(基)が連結したもの、2)ジメチルシロキサン鎖の側鎖として、ポリエーテルポリオキシアルキレン鎖(基)が複数連結したもの、3)ジメチルシロキサン鎖の両末端に及び側鎖として、ポリオキシアルキレン鎖(基)が複数連結したもの等が挙げられる。
つまり、ポリエーテル変性シリコーンオイルとしては、ポリオキシアルキレン基をジメチルシロキサン鎖の主鎖及び側鎖の双方又は一方に複数有するものが挙げられる。
これらのポリエーテル変性シリコーンオイルして具体的は、例えば、ポリエチレンオキサイド(ポリエチレングリコール)/ポリプロピレンオキサイド(ポリアルキレングリコール)からなるポリオキシアルキレンにより変性されたシリコーンオイルが挙げられる。
なお、ポリエーテル変性シリコーンオイルのHLBは、例えば、ポリエーテルポリオキシアルキレン鎖(基)とジメチルシロキサン鎖(基)との鎖長の選択、ポリエーテルポリオキシアルキレン鎖(基)のうち、親水性のポリエチレンオキサイドとこれよりも疎水性のポリプロピレンオキサイドとの鎖長を選択により制御される。つまり、これらの選択により、目的のHLBを満たすポリエーテル変性シリコーンオイルを適用する。
一方、反応性界面活性剤としては、例えば、反応性ポリエーテル変性シリコーンオイルが挙げられる。
反応性ポリエーテル変性シリコーンオイルとしては、例えば、複数の(メタ)アクリロイル基((メタ)アクリル残基)を有するポリエーテル変性シリコーンオイル(ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル)が挙げられ、具体的には、ポリオキシアルキレン基をジメチルシロキサン鎖の主鎖及び側鎖の双方又は一方に複数有し、主鎖末端や側鎖末端に(メタ)アクリロイル基を持つシリコーンオイルが挙げられる。
つまり、反応性ポリエーテル変性シリコーンオイルとしては、例えば、非反応性界面活性剤として説明したポリエーテル変性シリコーンオイルにおいて、その主鎖末端や側鎖末端に(メタ)アクリロイル基を有するシリコーンオイルが挙げられる。
なお、反応性ポリエーテル変性シリコーンオイルのHLBも、例えば、ポリエーテルポリオキシアルキレン鎖(基)とジメチルシロキサン鎖(基)との鎖長の選択、ポリエーテルポリオキシアルキレン鎖(基)のうち、親水性のポリエチレンオキサイドとこれよりも疎水性のポリプロピレンオキサイドとの鎖長を選択により制御される。つまり、これらの選択により、目的のHLBを満たす反応性ポリエーテル変性シリコーンオイルを適用する。
反応性シリコーン系界面活性剤と共に、他の非反応性界面活性剤(例えばアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等)を併用してもよいが、上記範囲のHLBを満たす界面活性剤を選択することがよい。
界面活性能を持つ物質の含有量は、画像記録組成物に対して0.1質量%以上30質量%以下が望ましく、0.5質量%以上10質量%以下がより望ましい。
(その他成分)
画像記録用組成物には、ワックスやゴム状物質類を混合しても良い。
画像記録用組成物には、インクの成分を被硬化層上や内部で固定化する成分(以下、「固定化成分」と称する場合がある)をさらに含んでいてもよい。
固定化成分としては、例えば、インクの成分(例えば色材)を吸着する成分、インクの成分(例えば色材)を凝集または増粘させる成分等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
画像記録用組成物には、上記硬化反応に寄与する成分を溶解または分散するための水や有機溶媒を含んでいてもよい。
画像記録用組成物は、硬化層を着色制御する目的で、各種色材を含んでいてもよい。
画像記録用組成物は、粘度を調製する等の目的から、熱可塑性樹脂を含有してもよい。該熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボーネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン、ポリエーテル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレンとそのアクリルモノマー共重合体およびそのブレンド物等が挙げられる。
(画像記録組成物の特性)
画像記録用組成物の表面張力は、例えば、20mN/m以上50mN/m以下の範囲が挙げられる。
画像記録用組成物は、常温(25℃)において低揮発性または不揮発性であることがよい。ここで、低揮発性とは大気圧下において沸点が200℃以上であることを意味する。また、不揮発性とは大気圧下において沸点が300℃以上であることを意味する。
[水性インク]
水性インクは、非硬化型の水性インクであり、水性インクとしては、水系媒体と、着色剤と、界面活性作用を持つ物質と、必要に応じて、その他成分と、を含んで構成される。
(水系媒体)
水系媒体としては、特に不純物が混入することを防止するという観点から、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水が好適に挙げられる。
(着色剤)
着色剤としては、顔料が挙げられる。顔料としては、有機顔料、無機顔料が挙げられる。
黒色顔料の具体例としては、Raven7000,Raven5750,Raven5250,Raven5000 ULTRAII,Raven 3500,Raven2000,Raven1500,Raven1250,Raven1200,Raven1190 ULTRAII,Raven1170,Raven1255,Raven1080,Raven1060(以上コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R,Regal330R,Regal660R,Mogul L,Black Pearls L,Monarch 700,Monarch 800,Monarch 880,Monarch 900,Monarch 1000,Monarch 1100,Monarch 1300,Monarch 1400(以上キャボット社製)、Color Black FW1,Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black 18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex35,Printex U,Printex V,Printex140U,Printex140V,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black4(以上デグッサ社製)、No.25,No.33,No.40,No.47,No.52,No.900,No.2300,MCF−88,MA600,MA7,MA8,MA100(以上三菱化学社製)等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シアン色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Blue−1,−2,−3,−15,−15:1,−15:2,−15:3,−15:4,−16,−22,−60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red−5,−7,−12,−48,−48:1,−57,−112,−122,−123,−146,−168,−177,−184,−202, C.I.Pigment Violet −19等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イエロー顔料の具体例としては、C.I.Pigment Yellow−1,−2,−3,−12,−13,−14,−16,−17,−73,−74,−75,−83,−93,−95,−97,−98,−114,−128,−129,−138,−151,−154,−180等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ここで、着色剤として顔料を使用した場合には、併せて顔料分散剤を用いることが望ましい。使用可能な顔料分散剤としては、高分子分散剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
高分子分散剤としては、親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体が好適に用いられる。親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体としては、縮合系重合体と付加重合体とが使用できる。縮合系重合体としては、公知のポリエステル系分散剤が挙げられる。付加重合体としては、α,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の付加重合体が挙げられる。親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体と疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体を組み合わせて共重合することにより目的の高分子分散剤が得られる。また、親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の単独重合体も用いることができる。
親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体としては、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、りん酸基等を有する単量体、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
高分子分散剤として用いられる、望ましい共重合体の例としては、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。また、これらの重合体に、ポリオキシエチレン基、水酸基を有する単量体を共重合させてもよい。
上記高分子分散剤としては、例えば、重量平均分子量で2000以上50000以下のものが挙げられる。
これら顔料分散剤は、単独で用いても、二種類以上を併用しても構わない。顔料分散剤の添加量は、顔料により大きく異なるため一概には言えないが、一般に顔料に対し、合計で0.1質量%以上100質量%以下が挙げられる。
顔料としては、水に自己分散可能な顔料(以下自己分散顔料と称する)も挙げられる。
自己分散顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を数多く有し、高分子分散剤が存在しなくとも水中で分散する顔料のことを指す。具体的には、通常のいわゆる顔料に対して酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理等を施すことにより、自己分散顔料が得られる。
また、水に自己分散可能な顔料としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−300、IJX−157、IJX−253、IJX−266、IJX−273、IJX−444、IJX−55、Cabot260、オリエント化学社製のMicrojet Black CW−1、CW−2等の市販の自己分散顔料等も使用できる。
自己分散顔料としては、その表面に官能基として少なくともスルホン酸、スルホン酸塩、カルボン酸、又はカルボン酸塩を有する顔料であることが望ましい。より望ましくは、表面に官能基として少なくともカルボン酸、又はカルボン酸塩を有する顔料である。
顔料としては、樹脂により被覆された顔料等も挙げられる。これは、マイクロカプセル顔料と呼ばれ、大日本インキ化学工業社製、東洋インキ社製などの市販のマイクロカプセル顔料だけでなく、本発明のために試作されたマイクロカプセル顔料等を使用することもできる。
また、顔料としては、高分子物質を上記顔料に物理的に吸着又は化学的に結合させた樹脂分散型顔料も挙げられる。
また、顔料としては、黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等も挙げられる。
また、顔料としては、シリカ、アルミナ、又は、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等も挙げられる。
着色剤としては、顔料の他、その他、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料、高分子染料等や油溶性染料等の染料類が挙げられ、水溶性の酸性染料、直接染料が、インクの保存安定性、発色性、ヘッドに対する目詰まりやサーマルインクジェット方式のヘッドの場合のコゲーションなどを考慮すると、望ましい。
水溶性染料の具体例としては、C.I.Direct Black−2,−4,−9,−11,−17,−19,−22,−32,−80,−151,−154,−168,−171,−194,−195、C.I.Direct Blue−1,−2,−6,−8,−22,−34,−70,−71,−76,−78,−86,−112,−142,−165,−199,−200,−201,−202,−203,−207,−218,−236,−287,−307,C.I.Direct Red−1,−2,−4,−8,−9,−11,−13,−15,−20,−28,−31,−33,−37,−39,−51,−59,−62,−63,−73,−75,−80,−81,−83,−87,−90,−94,−95,−99,−101,−110,−189,−227、C.I.Direct Yellow−1,−2,−4,−8,−11,−12,−26,−27,−28,−33,−34,−41,−44,−48,−58,−86,−87,−88,−132,−135,−142,−144,−173、C.I.Food Black−1,−2、C.I.Acid Black−1,−2,−7,−16,−24,−26,−28,−31,−48,−52,−63,−107,−112,−118,−119,−121,−156,−172,−194,−208、C.I.Acid Blue−1,−7,−9,−15,−22,−23,−27,−29,−40,−43,−55,−59,−62,−78,−80,−81,−83,−90,−102,−104,−111,−185,−249,−254、C.I.Acid Red−1,−4,−8,−13,−14,−15,−18,−21,−26,−35,−37,−52,−110,−144,−180,−249,−257,−289、C.I.Acid Yellow−1,−3,−4,−7,−11,−12,−13,−14,−18,−19,−23,−25,−34,−38,−41,−42,−44,−53,−55,−61,−71,−76,−78,−79,−122などが挙げられる。
また、着色剤としては、染料で着色したワックス粉・樹脂粉類やエマルション類、蛍光染料や蛍光顔料、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、フェライトやマグネタイトに代表される強磁性体等の磁性体類、酸化チタン、酸化亜鉛に代表される半導体や光触媒類、その他有機、無機の電子材料粒子類などを用いてもよい。
着色剤の体積平均粒径は、例えば10nm以上1000nm以下であることが挙げられる。
着色剤の体積平均粒径とは、着色剤そのものの粒径、又は着色剤に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒径をいう。体積平均粒径の測定装置には、マイクロトラックUPA粒度分析計 9340 (Leeds&Northrup社製 )を用いた。その測定は、インク4mlを測定セルに入れ、所定の測定法に従って行った。なお、測定時の入力値として、粘度にはインクの粘度を、分散粒子の密度は記録材の密度とした。
着色剤の含有量(濃度)は、例えばインクに対して5質量%以上30質量%以下が挙げられる。
(界面活性作用を持つ物質)
界面活性作用を持つ物質は、上記範囲のHLBの関係を満たす界面活性剤が適用される。そして、界面活性作用を持つ物質としては、非反応性の物質(以下、単に「界面活性剤」と称する)が適用される。
界面活性剤としては、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、望ましくは、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が用いられる。
以下、界面活性剤の具体例を列挙する。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が使用でき、望ましくは、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物等が挙げられ、望ましくは、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物がが挙げられる。
その他、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤や、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント等が挙げられる。。
これらの界面活性剤の含有量は、インクに対して0.001質量%以上5質量%以下(望ましくは0.01質量%以上3質量%以下)が挙げられる。
(その他成分)
水性インクには、その他添加剤として、水性有機溶媒を含んでもよい。
水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が使用される。
水溶性有機溶媒の具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2−へキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、キシリトールなどの糖アルコール類、キシロース、グルコース、ガラクトースなどの糖類等が挙げられる。
多価アルコール類誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が、アルコール類としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類が挙げられる。
含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
水溶性有機溶媒としては、その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等も挙げられる。
水溶性有機溶媒の含有量としては、例えばインクに対して1質量%以上70質量%以下が挙げられる。
その他添加剤としては、浸透性を調整する目的で浸透剤、インク吐出性改善等の特性制御を目的でポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等や、導電率、pHを調整するために水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属類の化合物等、その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、及びキレート化剤等も挙げられる。
(水性インクの特性)
水性インクのpHは、例えば6以上の範囲(望ましくは7以上11以下の範囲、より望ましくは8以上10以下の範囲)が挙げられる。
ここで、水性インクのpHは、温度23±0.5℃、湿度55±5%R.H.環境下において、セブンイージーpH計(メトラー・トレド社製)により測定した値を採用する。
水性インクの表面張力は、例えば20mN/m以上45mN/m以下の範囲(望ましくは25mN/m以上40mN/m以下の範囲)が挙げられる。
ここで、水性インクの表面張力としては、ウイルヘルミー型表面張力計(協和界面科学株式会社製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した値を採用する。
水性インクの導電率は、例えば0.01S/m以上0.5S/m以下の範囲(望ましくは0.01S/m以上0.25S/m以下の範囲、より望ましくは0.01S/m以上0.20S/m以下の範囲)が挙げられる。
ここで、水性インクの導電率の測定は、セブンイージー導電率計(メトラー・トレド社製)で行う。
水性インクの粘度は、例えば1.5mPa・s以上30mPa・s以下の範囲(望ましくは3mPa・s以上20mPa・s以下の範囲)が挙げられる。
ここで、水性インクの粘度は、TVE−25L(東機産業製)を測定装置として用い、測定温度は23℃、せん断速度は750s−1の条件で測定する。
[画像記録方法(装置)]
図1は、本実施形態に係る画像形成装置101の構成を示す概略図である。
本実施形態に係る画像形成装置101は、図1に示すように、画像記録用組成物の層(被硬化層)12Bが形成される中間転写ベルト10と、中間転写ベルト10(中間転写体)に形成された被硬化層12Bが転写される記録媒体Pを搬送する搬送手段(図示省略)と、を備えている。
搬送手段としては、記録媒体Pを静電力等により外周面に付着させて搬送する搬送ベルト・搬送ドラムや、記録媒体Pを挟んで搬送する搬送ロール対で構成される。なお、記録媒体Pは、図1において矢印A方向に搬送される。
被硬化層12Bが転写される記録媒体Pとしては、例えば、用紙(具体的には普通紙、インクジェットコート紙、アート紙、合成紙等)などが用いられる。なお、記録媒体Pとしては、用紙に限られず、例えば、樹脂等で形成されたフィルム(具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、TAC:酢酸セルロース)などであってもよく、被硬化層12Bが転写し得るものであればよい。
中間転写ベルト10の内周側には、中間転写ベルト10が巻き掛けられる被巻掛部材の一例としての複数の巻掛ロール16B、10C、10A、10Bが設けられている。巻掛ロール16Bは、後述の光照射装置18に対して、記録媒体Pの搬送方向における上流側(図1において左側)に配置され、巻掛ロール10Cは、巻掛ロール16Bおよび光照射装置18に対して、記録媒体Pの搬送方向における下流側(図1において右側)に配置されている。
巻掛ロール10Aは、巻掛ロール10Cに対して、記録媒体Pの搬送方向における下流側(図1において右側)であって、平板22の配置側とは反対側(図1において上側)に配置されている。巻掛ロール10Bは、巻掛ロール16Bに対して、記録媒体Pの搬送方向における上流側(図1において左側)であって、後述の平板22の配置側とは反対側(図1において上側)に配置されている。
中間転写ベルト10は、記録媒体Pの幅と同等またはそれ以上の幅(軸方向長さ)を有している。端部にはベルト蛇行防止のためリブを付与して、左右のベルトの蛇行を防止抑制してもよい。中間転写ベルト10は、ベルト状に限られず、ドラム状であってもよい。
中間転写ベルト10の外周側(図1において側方)には、中間転写ベルト10の表面に離型剤24Aを供給して、離型剤層24Bを中間転写ベルト10の表面に形成する離型剤層形成装置24が設けられている。具体的には、離型剤層形成装置24は、中間転写ベルト10において巻掛ロール10Aが巻き掛けられている部分に対して対向しており、中間転写ベルト10における上記部分に対し、離型剤24Aを供給して離型剤層24Bを形成するようになっている。
また、離型剤層形成装置24は、中間転写ベルト10の幅方向(中間転写ベルト10の回転方向と直交する方向)に沿って長さを有しており、その幅方向に沿った長さが、中間転写ベルト10における被吐出領域以上(被画像形成領域以上)とされている。
離型剤層形成装置24は、例えば、離型剤24Aを収容する筐体24Cと、筐体24C内に設けられ離型剤24Aを中間転写ベルト10へ供給する供給ローラ24Dと、供給ローラ24Dから中間転写ベルト10へ供給された離型剤24A(例えばシリコーン系、Fッソ系、ワックス系オイルなど)により形成された離型剤層24Bの層厚を規定するブレード24Eと、を含んで構成されている。離型剤層形成装置24は、離型剤24Aを加熱溶融させる加熱手段(図示せず)を含んでいてもよい。
離型剤層形成装置24は、供給ローラ24Dが中間転写ベルト10に連続的に接触するようにしてもよいし、中間転写ベルト10から離間する構成としてもよい。また離型剤層形成装置24としては、上記構成に限られず、公知の塗布法(例えば、バーコーター塗布、スプレー方式の塗布、インクジェット方式の塗布、エアーナイフ方式の塗布、スリットダイコーター塗布、ブレード方式の塗布、ロール方式の塗布、コンマコーターによる塗布、アニロックスロールによる塗布等)などを利用した装置を適用してもよい。
離型剤24Aとしては、具体的には、シリコーン系オイル、フッ素系オイル、炭化水素系・ポリアルキレングリコール、脂肪酸エステル、フェニルエーテル、リン酸エステルおよび疎水性界面活性剤等が挙げられ、これらの中でもシリコーン系オイル、フッ素系オイル、ポリアルキレングリコールおよび疎水性界面活性剤などが望ましい。
なお、本実施形態では、中間転写ベルト10の表面に離型剤層24Bを形成する構成について説明したが、表面離型性を有する場合には、離型剤層24Bを形成しなくてもよい。
離型剤層形成装置24に対する中間転写ベルト10の回転方向下流側には、画像記録用組成物を中間転写ベルト10の表面に供給して被硬化層12Bを形成する被硬化層形成装置(スリットダイコーターを用いた供給装置)12が設けられている。
具体的には、被硬化層形成装置12は、中間転写ベルト10において巻掛ロール10Aと巻掛ロール10Bとの間の部分に対向しており、中間転写ベルト10における上記部分に対し、画像記録用組成物を供給して被硬化層12Bを形成するようになっている。
また、被硬化層形成装置12は、中間転写ベルト10の幅方向(中間転写ベルト10の回転方向と直交する方向)に沿って長さを有しており、その幅方向に沿った長さが、中間転写ベルト10における被吐出領域以上(被画像形成領域以上)とされている。
なお、被硬化層形成装置12は、中間転写ベルト10の外周側(図1において上側)において巻掛ロール10Aの上方に配置され、中間転写ベルト10における巻掛ロール10Aに巻き掛けられている部分に対して被硬化層12Bを形成する構成であってもよい。
被硬化層形成装置12は、例えば、画像記録用組成物を収容する筐体12Cと、筐体12C内に設けられ画像記録用組成物を中間転写ベルト10へ供給する供給ローラ12Dと、供給ローラ12Dから中間転写ベルト10へ供給された画像記録用組成物により形成された被硬化層12Bの層厚を規定するブレード12Eと、を含んで構成されている。
被硬化層形成装置12は、その供給ローラ12Dが中間転写ベルト10に連続的に接触するようにしてもよいし、中間転写ベルト10から離間する構成としてもよい。また、被硬化層形成装置12は、独立した溶液供給システム(図示せず)より画像記録用組成物を筐体12Cへ供給させ、画像記録用組成物の供給がとぎれないようにしてもよい。
被硬化層形成装置12としては、上記構成に限られず、公知の供給法(塗布法:例えば、ダイコータ、バーコーター塗布、スプレー方式の塗布、インクジェット方式の塗布、エアーナイフ方式の塗布、ブレード方式の塗布、ロール方式の塗布等)などを利用した装置を適用してもよい。
被硬化層形成装置12に対する中間転写ベルト10の回転方向下流側には、被硬化層形成装置12によって形成された被硬化層12Bの表面にインク(インク滴)14A等の液滴を吐出して、画像を形成するインクジェット記録ヘッド(吐出装置)14が、中間転写ベルト10の外周側(図1において上側)に設けられている。具体的には、インクジェット記録ヘッド14は、中間転写ベルト10において巻掛ロール10Aと巻掛ロール10Bとの間の平坦部分(非屈曲部分)に対向しており、中間転写ベルト10における上記部分に対してインクを吐出して画像を形成するようになっている。
インクジェット記録ヘッド14は、例えば、中間転写ベルト10の回転方向上流側から順に、黒色のインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッド14Kと、シアン色のインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッド14Cと、マゼンタ色のインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッド14Mと、イエロー色のインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッド14Yと、を備えて構成されている。
具体的には、インクジェット記録ヘッド14は、インクジェット方式によってインク滴を複数のノズルから吐出する記録ヘッドであり、圧電式(ピエゾ)、サーマル式、ストリーム方式などにより駆動され、相対移動する被硬化層12Bの表面にインク滴を吐出するように構成されている。
また、インクジェット記録ヘッド14は、中間転写ベルト10の幅方向(中間転写ベルト10の回転方向と直交する方向)に沿って長さを有しており、その幅方向に沿った吐出幅が、中間転写ベルト10における被吐出領域以上(被画像形成領域以上)とされている。すなわち、インクジェット記録ヘッド14は、中間転写ベルト10に対してその幅方向に相対移動することなく、被吐出領域(被画像形成領域)の幅方向(主走査方向)の1ラインを形成し得るよう構成されている。
インクジェット記録ヘッド14では、制御手段の一例としてのメインコントローラ28によって、使用するノズルおよび吐出タイミングが画像情報に基づき決定され、インク滴を吐出することにより、画像情報に応じた画像を形成するようになっている。
なお、インクジェット記録ヘッド14としては、上記の構成に限られず、中間転写ベルト10の幅方向に移動しながらインクを吐出して、被吐出領域(被画像形成領域)の幅方向(主走査方向)の1ラインを形成し得るスキャン型のインクジェット記録ヘッドであってもよく、被硬化層12Bに対して画像が形成し得るものであればよい。
インクジェット記録ヘッド14に対する中間転写ベルト10の回転方向下流側には、インク滴14Aが吐出された被硬化層12Bを記録媒体Pへ加圧する加圧部材16と、記録媒体Pを平らに保つための平板(プラテン)22と、が設けられている。
平板22は、具体的には、中間転写ベルト10の下部(巻掛ロール16Bから離れて巻掛ロール10Cに接触する部分)に対して対向して配置されている。
加圧部材16は、具体的には、中間転写ベルト10が巻き掛けられた巻掛ロール16Bと、中間転写ベルト10を挟んで巻掛ロール16Bと対向して配置された加圧ロール16Aと、を備えて構成されている。加圧部材16では、加圧ロール16Aが巻掛ロール16B側へ圧力を加えた状態で、記録媒体Pが中間転写ベルト10と加圧ロール16Aとで挟まれて搬送される。さらに、記録媒体Pは、中間転写ベルト10の下部(巻掛ロール16Bから離れて巻掛ロール10Cに接触する部分)と、平板22とで挟まれて搬送される。
これにより、中間転写ベルト10および記録媒体Pが加圧ロール16Aおよび巻掛ロール16Bにより挟み込まれた位置(以下、「接触開始位置」と称する場合がある)から、巻掛ロール10Cおよび平板22により挟み込まれた位置(以下、「剥離位置」と称する場合がある)までの転写領域において、中間転写ベルト10の表面の被硬化層12Bが記録媒体Pに接触した状態となる。
加圧部材16に対する中間転写ベルト10の回転方向下流側には、インクジェット記録ヘッド14によって画像が形成された被硬化層12Bを記録媒体Pに転写し、且つ中間転写ベルト10上に形成された被硬化層12Bに対し中間転写ベルト10の内周面側から光を照射する光照射装置18が、中間転写ベルト10の内周側に設けられている。この光照射装置18では、転写領域において、記録媒体Pに接触した状態の被硬化層12Bに光を照射することにより被硬化層12Bを硬化させて、その被硬化層12Bを中間転写ベルト10から記録媒体Pへ転写するように構成されている。
光照射装置18の種類は、適用する画像記録用組成物に含まれる硬化性材料の種類に応じて選択される。具体的には、例えば、紫外線の照射により硬化する紫外線硬化性材料を適用する場合、光照射装置18としては画像記録用組成物(被硬化層12B)に紫外線を照射する紫外線照射装置を適用する。
また、電子線の照射により硬化する電子線硬化性材料を適用する場合、光照射装置18として画像記録用組成物(被硬化層12B)に電子線を照射する電子線照射装置を適用する。
ここで、紫外線照射装置としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、デイープ紫外線ランプ、マイクロ波を用い外部から無電極で水銀灯を励起するランプ、紫外線レーザー、キセノンランプ、UV−LEDなどが適用される。
また、電子線照射装置としては、例えば、走査型/カーテン型等があり、カーテン型はフィラメントで生じた熱電子を、真空チャンバー内のグリッドによって引き出し、さらに高電圧(例えば70乃至300kV)によって、一気に加速させ、電子流となり、窓箔を通過して、大気側に放出する装置である。光源としては、オゾンレスUVランプが、出力を抑えて消費電力の少ないLED−UVで紫外線(100nm以上250nm以下)、赤外線も含まないため温度上昇も少なく、ベルト材料の劣化も抑えられ本装置にも有効である。
光照射装置18に対する中間転写ベルト10の回転方向下流側には、中間転写ベルト10の表面に残留している画像記録用組成物や離型剤24Aを除去する除去装置20が、中間転写ベルト10の外周側に設けられている。具体的には、除去装置20は、中間転写ベルト10の側部(巻掛ロール10Cから離れて巻掛ロール10Aに接触するまでの部分)に対向している。
除去装置20は、中間転写ベルト10に接触して、中間転写ベルト10に残留した画像記録用組成物を掻き取る除去部材20Aを備えている。除去部材20Aは、例えば、ゴム材料で形成された板状のブレードで構成されている。また、除去装置20は、除去部材20Aが掻き取った画像記録用組成物や離型剤24Aを収容する収容部20Bを備えている。収容部20Bは、中間転写ベルト10への対向側が開放された箱体で構成され、除去部材20Aが掻き取って落下した画像記録用組成物や離型剤24Aを受ける受け部となっている。
次に、本実施形態に係る画像形成動作を説明する。
本実施形態に係る画像形成装置101では、中間転写ベルト10が回転駆動され、まず、離型剤層形成装置24により中間転写ベルト10の表面に離型剤層24Bが形成され、この離型剤層24Bの表面に、被硬化層形成装置12により画像記録用組成物が供給されて、被硬化層12Bが形成される。
次に、インクジェット記録ヘッド14により、後述するメインコントローラ28の制御によって該被硬化層12Bの表面へ、形成対象の画像データの画像の各画素に応じたドットを記録するためのインク滴14Aが吐出される。これによって、この被硬化層12Bには、吐出されたインク滴により記録されたドットにより画像領域が形成される。
なお、本実施形態では、この被硬化層12Bの表面にインク滴14Aが吐出されることで記録されたドットの形成された領域を、「画像領域」と称して説明する。
なお、このインクジェット記録ヘッド14によるインク滴14Aの吐出は、張力の掛けられた状態で回転支持された中間転写ベルト10における非屈曲領域の表面で行われる。つまり、ベルト表面がたわみのない状態で被硬化層12Bにインク滴14Aが吐出される。
次に、加圧ロール16Aおよび巻掛ロール16Bにより記録媒体Pと中間転写ベルト10とを挟み込んで圧力をかける。このとき、中間転写ベルト10の表面の被硬化層12Bが記録媒体Pに接触する(接触開始位置)。その後、巻掛ロール10Cおよび平板22によって挟まれた位置(剥離位置)までは、被硬化層12Bが中間転写ベルト10および記録媒体Pの両方に接触した状態が維持される。
次に、光照射装置18によって、中間転写ベルト10および記録媒体Pの両方に接触した状態の(接触中の)被硬化層12Bに、中間転写ベルト10を介して光が供給されることで、被硬化層12Bが硬化し、中間転写ベルト10の表面の被硬化層12Bが記録媒体Pに転写される。
光付与量としては、被硬化層12Bが、完全に硬化する量であることが望ましい。具体的には、例えば光が紫外線である場合、積算光量(継ぎ目部が通過しない際の積算光量)で10mJ/cm以上1000mJ/cm以下範囲が望ましい。但し、実際の印刷硬化速度に依存して最適光量は調整される。
なお、本実施形態では、光照射装置18によって、中間転写ベルト10および記録媒体Pの両方に接触した状態の被硬化層12Bに中間転写ベルト10を介して光を付与することで、被硬化層12Bを硬化させる場合を説明するが、さらに、記録媒体Pに転写された後の被硬化層12Bを完全に硬化させるための硬化装置(図示省略)を更に備えた構成としてもよい。
次に、剥離位置において被硬化層12Bが中間転写ベルト10から剥離されることにより、インク滴14Aによる画像領域Tの形成された硬化性樹脂層(画像層)が記録媒体Pに形成される。
そして、被硬化層12Bが記録媒体Pへ転写された後の中間転写ベルト10表面に残った画像記録用組成物や離型剤24Aの残留物や異物を除去装置20により除去する。以上のように、本実施形態に係る画像形成装置101における一連の画像形成動作が行われる。
なお、本実施形態に係る画像形成装置101では、被硬化層12Bに刺激を付与し、被硬化層12Bを硬化する刺激付与装置の一例として光照射装置18を適用した形態を説明したが、画像記録用組成物の硬化性物質として、熱硬化性物資を適用した場合、加熱装置を適用する。
以下、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例により特に制限されるものではない。
<実施例1>
(画像記録用組成物)
・ポリウレタンアクリレート(硬化性物質): 15質量部
・ポリエチレングリコールジアクリレート(硬化性物質): 25質量部
・イソシアヌレート環を有するウレタンプレポリマ−(硬化性物質): 20質量部
・ポリエーテル変性シリコーンオイル(非反応性界面活性剤「KF−945(信越化学工業(株)製)」、HLB=4): 5質量部
・イルガキュア819(光重合開始剤): 4質量部
・スチレン−メタクリル酸ブチル−フタル酸モノ−2−メタクリロイルオキシエチルNa塩ビニルベンゼン架橋物(吸水成分): 30質量部
上記組成の混合/攪拌を行い、画像記録用組成物を得た。
(水性インク)
・C.I.Direct Black 154: 4質量部
・ジエチレングリコール: 15質量部
・プロピレングリコール: 8質量部
・2−ピロリドン :6質量部
・ポリオキシエチレンオレイルエーテル(界面活性剤、HLB=10.2): 1質量部
・純水 65質量部
上記組成を混合し、0.45μmフィルターでろ過し、Bkインクを得た。
(画像記録)
得られた画像記録組成物と水性インクとを用いて、図1に示す構成のインクジェット画像記録装置により、次のようにして、画像記録を行った。
まず、中間転写ベルト表面に、画像記録用組成物1をダイコート法により連続塗布して膜厚33μmの被硬化層を形成した。さらに水性インク1を被硬化層に吐出して、2ドットのライン画像及び2cm×2cmのソリッド画像を印字した後、光照射装置としてのUV−LEDから紫外線を被硬化層に5秒間照射して被硬化層を硬化すると共に、記録媒体(PETタック紙、王子タック社製、商品名:PET−C50)上に加重1kGでロール加圧転写して、画像を固定した。このようにして画像記録を行った。
<実施例2>
(画像記録用組成物)
・ポリウレタンアクリレート(硬化性物質): 25質量部
・グリセリンプロポキシトリアクリレート(硬化性物質): 20質量部
・アクリロイルモルホリン(硬化性物質): 20質量部
・イルガキュア754(光重合開始剤): 3質量部
・ポリエーテル変性シリコーンオイル(非反応性界面活性剤「KF−6012(信越化学工業(株)製)」、HLB=7): 3質量部
・スチレン−メタクリル酸ブチル−フタル酸モノ−2−メタクリロイルオキシエチルNa塩(吸水成分): 30質量部
上記組成の混合/攪拌を行い、画像記録用組成物を得た。
(水性インク)
水性インクとして、実施例1の水性インクと同様な組成のものを作製した。
(画像記録)
得られた画像記録組成物と水性インクとを用いて、図1に示す構成のインクジェット画像記録装置により、実施例1と同様にして、画像記録を行った。
<比較例1>
(画像記録組成物)
ポリエーテル変性シリコーンオイル(HLB=4)に代えて、ポリエーテル変性シリコーンオイル(非反応性界面活性剤「KF−353(信越化学工業(株)製)」、HLB=10)を添加した以外は、実施例1の画像記録組成物1と同様にして、画像記録組成物を得た。
(水性インク)
水性インクとして、実施例1の水性インクと同様な組成のものを作製した。
(画像記録)
得られた画像記録組成物と水性インクとを用いて、図1に示す構成のインクジェット画像記録装置により、実施例1と同様にして、画像記録を行った。
<比較例2>
(画像記録組成物)
画像記録組成物として、実施例1の画像記録組成物と同様の組成のものを作製した。
(水性インク)
・C.I.Food Black 2: 4質量部
・グリセリン: 20質量部
・トリエチレングリコール: 6質量部
・モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(界面活性剤、HLB=14.9): 0.8質量部
・純水: 70質量部
上記組成を混合し、0.45μmフィルターでろ過し、Bkインクを得た。
(画像記録)
得られた画像記録組成物と水性インクとを用いて、図1に示す構成のインクジェット画像記録装置により、実施例1と同様にして、画像記録を行った。
<実施例3>
(画像記録用組成物)
・ポリウレタンアクリレート(硬化性物質): 20質量部
・ポリエステルアクリレート(硬化性物質): 5質量部
・トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(硬化性物質): 30質量部
・ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(非反応性界面活性剤「イオネット DL−200(三洋化成工業(株)製)」、HLB=6.6): 3質量部
・イルガキュア754 (光重合開始剤): 5質量部
・スチレン−メタクリル酸ブチル−フタル酸モノ−2−メタクリロイルオキシエチルNa塩(吸水成分): 35質量部
上記組成の混合/攪拌を行い、画像記録用組成物を得た。
(水性インクセット)
−Bkインク−
・C.I.Direct Black 168: 3.5質量部
・ポリエチレングリコール400: 20質量部
・ネオペンチルグリコール: 5質量部
・1,6−ヘキサンジオール: 4質量部
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤、HLB=13.6): 1質量部
・純水: 65質量部
上記組成を混合し、0.45μmフィルターでろ過し、Bkインクを得た。
−Cyanインク−
・C.I.Direct Blue 199: 3質量部
・ジエチレングリコール: 20質量部
・ジプロピレングリコール: 6質量部
・1,5−ペンタンジオール: 10質量部
・サーフィノール465(界面活性剤:2,4,8,10−テトラメチルデシンジオールオキシエチレン付加物、HLB=13): 1.5質量部
・純水: 60質量部
上記組成を混合し、0.45μmフィルターでろ過し、Cyanインクを得た。
−Magentaインク−
・C.I.Direct Red 227: 3質量部
・テトラエチレングリコール: 5質量部
・グリセリン: 10質量部
・1,2−ヘキサンジオール: 2質量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル: 3質量部
・サーフィノール465(界面活性剤:2,4,8,10−テトラメチルデシンジオールオキシエチレン付加物、HLB=13): 1.5質量部
純水: 75質量部
上記組成を混合し、0.45μmフィルターでろ過し、Magentaインクを得た。
−Yellowインク−
・C.I.ダイレクトイエロー132: 3質量部
・ポリエチレングリコール 200: 15質量部
・2−ピロリドン: 5質量部
・トリメチロールプロパン: 4質量部
・サーフィノール465(界面活性剤:2,4,8,10−テトラメチルデシンジオールオキシエチレン付加物、HLB=13): 1.5質量部
・純水: 70質量部
上記組成を混合し、0.45μmフィルターでろ過し、Yellowインクを得た。
(画像記録)
得られた画像記録組成物と水性インクセットとを用いて、図1に示す構成のインクジェット画像記録装置により、実施例1と同様にして、画像記録を行った。
但し、光照射装置としては、メタルハイドライドランプを適用した。
また、各色の水性インクの2ドットのライン画像及び2cm×2cmのソリッド画像を印字すると共に、Yellowインクからなる2cm×2cmのソリッド画像上にはBkインクによる2ドットのライン画像も印字した。
<実施例4>
(画像記録用組成物)
ポリオキシエチレン脂肪酸エステルに代えて、ソルビタンセスキオレエート(非反応性界面活性剤、HLB=3.7)を添加した以外は、実施例1の画像記録組成物1と同様にして、画像記録組成物を得た。
(水性インクセット)
水性インクセットとして、実施例3の水性インクセットと同様の組成のものを作製した。
(画像記録)
得られた画像記録組成物と水性インクセットとを用いて、図1に示す構成のインクジェット画像記録装置により、実施例1と同様にして、画像記録を行った。
但し、光照射装置としては、メタルハイドライドランプを適用した。
また、各色の水性インクの2ドットのライン画像及び2cm×2cmのソリッド画像を印字すると共に、Yellowインクからなる2cm×2cmのソリッド画像上にはBkインクによる2ドットのライン画像も印字した。
<実施例5>
(画像記録組成物)
・ウレタンオリゴマー(硬化性物質): 15質量部
・イソシアヌレート環を有するトリアクリレート(硬化性物質): 15質量部
・グリセリンプロポキシトリアクリレート(硬化性物質): 20質量部
・PEG400ジアクリレート(硬化性物質): 20質量部
・サーフィノール104E(非反応性界面活性剤:2,4,8,10−テトラメチルデシンジオール、HLB=4): 5質量部
・イルガキュア184 (光重合開始剤): 5質量部
・ポリアクリル酸Na塩(吸水成分): 20質量部
上記組成の混合/攪拌を行い、画像記録用組成物を得た。
(水性インク)
・C.I.Acid Blue 9: 4質量部
・グリセリン: 15質量部
・テトラエチレングリコール: 10質量部
・尿素: 6質量部
・ポリオキシエチレンモノステアリルエーテル(界面活性剤、HLB=11.6):1.5質量部
・サーフィノール440(界面活性剤:2,4,8,10−テトラメチルデシンジオールオキシエチレン付加物、HLB=8): 0.5質量部
・純水: 65質量部
上記組成を混合し、0.45μmフィルターでろ過し、Cyanインクを得た。
(画像記録)
得られた画像記録組成物と水性インクとを用いて、図1に示す構成のインクジェット画像記録装置により、実施例1と同様にして、画像記録を行った。
<実施例6>
(画像記録用組成物)
・ポリウレタンアクリレート(硬化性物質): 20質量部
・アクリロイルモルホリン(硬化性物質): 30質量部
・ポリエーテル変性シリコーンオイル(非反応性界面活性剤「KF−6020(信越化学工業(株)製)」、HLB=4): 5質量部
・ポリオキシエチレンラウリルアミン(非反応性界面活性剤、HLB=6.2): 3質量部
・イルガキュア754(光重合開始剤): 2.5質量部
・イルガキュア819(光重合開始剤): 1.5質量部
・スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸Na塩(吸水成分): 40質量部
上記組成の混合/攪拌を行い、画像記録用組成物を得た。
(水性インクセット)
−Bkインク−
・自己分散カーボンブラック: 4.5質量部
・グリセリン: 15質量部
・1,2,6−ヘキサントリオール: 5質量部
・アセチルエタノールアミン: 5質量部
・ポリオキシエチレンステアリルエーテル(界面活性剤、HLB=10.7): 1質量部
・純水: 70質量部
上記組成を混合し、5μmフィルターでろ過し、Bkインクを得た。
−Cyanインク−
・自己分散シアン顔料: 4質量部
・トリエチレングリコール: 15質量部
・プロピレングリコール: 6質量部
・イソプロピルアルコール: 3質量部
・ポリオキシエチレンステアリルエーテル(界面活性剤、HLB=10.7): 1質量部
・純水: 70質量部
上記組成を混合し、5μmフィルターでろ過し、Cyanインクを得た。
−Magentaインク−
・自己分散マゼンタ顔料: 4質量部
・ポリエチレングリコール400: 5質量部
・グリセリン: 10質量部
・プロピレングリコール: 3質量部
・プロピレングリコールモノエチルエーテル: 3質量部
・ポリオキシエチレンステアリルエーテル(界面活性剤、HLB=10.7): 1質量部
・純水: 75質量部
上記組成を混合し、5μmフィルターでろ過し、Magentaインクを得た。
−Yellowインク−
・自己分散イエロー顔料: 3質量部
・ジエチレングリコール: 17質量部
・2−ピロリドン: 5質量部
・シクロペンタンジオール: 5質量部
・ポリオキシエチレンステアリルエーテル(界面活性剤、HLB=10.7): 1質量部
・純水: 70質量部
上記組成を混合し、5μmフィルターでろ過し、Yellowインクを得た。
(画像記録)
得られた画像記録組成物と水性インクセットとを用いて、図1に示す構成のインクジェット画像記録装置により、実施例1と同様にして、画像記録を行った。
但し、光照射装置としては、メタルハイドライドランプを適用した。
また、各色の水性インクの2ドットのライン画像及び2cm×2cmのソリッド画像を印字すると共に、Yellowインクからなる2cm×2cmのソリッド画像上にはBkインクによる2ドットのライン画像も印字した。
<比較例3>
(画像記録組成物)
ポリエーテル変性シリコーンオイル(HLB=4)に代えて、ポリエーテル変性シリコーンオイル(非反応性界面活性剤「KF−351A(信越化学工業(株)製)」、HLB=12)を添加した以外は、実施例1の画像記録組成物1と同様にして、画像記録組成物を得た。
(水性インク)
水性インクとして、比較例2の水性インクと同様な組成のものを作製した。
(画像記録)
得られた画像記録組成物と水性インクとを用いて、図1に示す構成のインクジェット画像記録装置により、実施例1と同様にして、画像記録を行った。
<評価>
各例で得られた画像について、それぞれ、以下の評価方法で評価した。結果を表1に示す。
(ライン画像の評価)
得られたライン画像について、目視し、以下の評価基準で評価した。
G5:大きなにじみ、乱れが生じており、画像として成り立たないレベルであった。
G4:明らかなにじみとして検出され、ライン画像としては問題とされるレベルであった。
G3:若干のにじみはあるものの、ライン画像としてほぼ問題ないレベルであった。
G2:ほとんど気がつかないレベルのわずかなにじみが検出された。
G1:全くにじみ、乱れがない画像であった。
(ソリッド画像の評価)
得られたソリッド画像について、光学濃度計X−Rite Model404(X−Rite社製)を用いて、画像濃度を測定し、以下の評価基準で評価した。
G5:ベタ部が十分埋まらず、白スジ、白抜けが検出された。
G4:ベタ部のムラがかなり検知された。
G3:ベタ部にわずかにムラがあるものの、ソリッド画像として、ほぼ問題ない画像であった。
G2:輪郭にわずかににじみがあるものの、ベタ部のムラが全くない画像であった。
G1:輪郭のにじみ、乱れ、ベタ部のムラが全くない画像であった。
(Yellowインクのソリッド画像上に形成したBkインクのライン画像の評価)
Bkインクのライン画像を目視し、以下の評価基準で評価した。
G5:大きな乱れが生じ、ラインとして感じられないほどイエローインクと混色したレベルであった。
G4:明らかなにじみとして検出され、イエロー部がブラックで汚れていると感じるレベルであった。
G3:若干のにじみはあるものの、ラインとしてほぼ問題なく認識できるレベルであった。
G2:ほとんど気がつかないレベルのわずかなにじみが検出された。
G1:全くにじみ、乱れがない画像であった。
(画像の耐久性)
得られた各画像の耐久性について、印字された画像部を90度に折り曲げ、その際の画像の状態を観察し、以下の評価基準で評価した。
G5:ひび割れが大きく発生し、ひび割れた部分から画像の一部が記録媒体から剥がれ落ちた。
G4:G3とG5の中間レベル。
G3:記録媒体から若干の剥離、またはわずかなキズが発生した。
G2:記録媒体からわずかに剥離があるかどうかのレベルであった。
G1:まったくキズ、ひび割れ、記録媒体からの剥離等が発生しなかった。
以下、表1に、各例の詳細、及び評価結果について、一覧にして示す。
Figure 2013184452
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、各画像の評価結果について良好な結果が得られていることがわかる。
10 中間転写ベルト
10A〜10C 巻掛ロール
12 被硬化層形成装置
12B 被硬化層
12D 供給ローラ
12C 筐体
12E ブレード
14,14K,14C,14M,14Y インクジェット記録ヘッド(吐出装置の一例)
14A インク滴
16 加圧部材
16A 加圧ロール
16B 巻掛ロール
18 光照射装置
20 除去装置
20A 除去部材
20B 収容部
24 離型剤層形成装置
24A 離型剤
24B 離型剤層
24D 供給ローラ
24E ブレード
24C 筐体
28 メインコントローラ

Claims (8)

  1. 非界面活性の硬化性物質と、吸水成分と、界面活性作用を持つ物質と、を含む画像記録用組成物を中間転写体上へ供給し、被硬化層を形成する供給工程と、
    水系媒体と、着色剤と、前記画像記録用組成物に含まれる前記界面活性作用を持つ物質に対する親水基/疎水基バランス(HLB)の差(絶対値)が3以上10以下の界面活性作用を持つ物質と、を含む非硬化型の水性インクの液滴を、前記中間転写体上に形成された前記被硬化層に吐出する吐出工程と、
    前記水性インクの液滴が吐出された前記被硬化層を前記中間転写体から記録媒体へ転写する転写工程と、
    前記被硬化層に刺激を付与し、前記被硬化層を硬化する刺激付与工程と、
    を有する画像記録方法。
  2. 前記画像記録用組成物に含まれる前記界面活性作用を持つ物質と、前記水性インクに含まれる前記界面活性作用を持つ物質と、の親水基/疎水基バランス(HLB)の差(絶対値)が、4以上7以下である請求項1に記載の画像記録方法。
  3. 前記画像記録用組成物に含まれる前記界面活性作用を持つ物質が、ポリエーテル変性シリコーンオイルである請求項1又は2に記載の画像記録方法。
  4. 前記画像記録用組成物に含まれる前記界面活性作用を持つ物質が、非反応性の物質である請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  5. 中間転写体と
    非界面活性の硬化性物質と、吸水成分と、界面活性作用を持つ物質と、を含む画像記録用組成物を収容し、前記画像記録用組成物を前記中間転写体上へ供給し、被硬化層を形成する供給装置と、
    水系媒体と、着色剤と、前記画像記録用組成物に含まれる前記界面活性作用を持つ物質に対する親水基/疎水基バランス(HLB)の差(絶対値)が3以上10以下の界面活性作用を持つ物質と、を含む非硬化型の水性インクを収容し、前記水性インクの液滴を、前記中間転写体上に形成された前記被硬化層に吐出する吐出装置と、
    前記水性インクの液滴が吐出された前記被硬化層を前記中間転写体から記録媒体へ転写する転写装置と、
    前記被硬化層に刺激を付与し、前記被硬化層を硬化する刺激付与装置と、
    を有する画像記録装置。
  6. 前記画像記録用組成物に含まれる前記界面活性作用を持つ物質と、前記水性インクに含まれる前記界面活性作用を持つ物質と、の親水基/疎水基バランス(HLB)の差(絶対値)が、4以上7以下である請求項5に記載の画像記録装置。
  7. 前記画像記録用組成物に含まれる前記界面活性作用を持つ物質が、ポリエーテル変性シリコーンオイルである請求項5又は6に記載の画像記録装置。
  8. 前記画像記録用組成物に含まれる前記界面活性作用を持つ物質が、非反応性の物質である請求項5〜7のいずれか1項に記載の画像記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019014773A (ja) * 2017-07-04 2019-01-31 日信化学工業株式会社 活性光線硬化型組成物及びインク組成物
JP2019147346A (ja) * 2018-02-28 2019-09-05 三菱製紙株式会社 転写用紙
JP2020192702A (ja) * 2019-05-27 2020-12-03 コニカミノルタ株式会社 中間転写体、画像形成方法および画像形成装置

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