JP6187324B2 - 紫外線硬化型水性インク、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法 - Google Patents

紫外線硬化型水性インク、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法 Download PDF

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本発明は、紫外線硬化型水性インク、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法に関する。
特許文献1及び2には、「ウレタン(メタ)アクリレートのエマルションに、光ラジカル重合開始剤と、ラジカル重合性基を有する化合物とが内包されているインクジェット用インク組成物」が開示されている。
特許文献3には、「水と、活性エネルギー線によってラジカル重合する重合性物質と、アシルホスフィン光重合開始剤と、を含有する活性エネルギー線硬化型水性インク」が開示されている。
特開2013−6924号公報 特開2012−149228号公報 特開2005−307198号公報
本発明の課題は、長波長側の波長領域の紫外線の照射によっても、記録媒体が重ねられたときに重ねた記録媒体にインクが転写又は記録媒体を巻き取る部材にインクが転写する現象(以下「オフセット」を称する)の発生を抑制して高速記録を実現すると共に、保存安定性に優れた紫外線硬化型水性インクを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
請求項1に係る発明は、
自己分散型の紫外線重合性化合物としてウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、
前記紫外線重合性化合物に対して2質量%以上45質量%で含まれ、非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤と、
前記紫外線重合性化合物に対して1質量%以上20質量%で含まれ、375nm以上450nm以下の波長領域の紫外線に吸収を持つ非水溶性の増感剤と、
水と、
を含む紫外線硬化型水性インク。
請求項2に係る発明は、
更に、非水溶性のアシルホスフィン紫外線重合開始剤を前記紫外線重合性化合物に対して2質量%以上50質量%含む請求項1に記載の紫外線硬化型水性インク。
請求項3に係る発明は、
更に、水溶性の紫外線重合性化合物を含む請求項1又は2に記載の紫外線硬化型水性インク。
請求項4に係る発明は、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線硬化型水性インクを収容したインクカートリッジ。
請求項5に係る発明は、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線硬化型水性インクを吐出する吐出装置と、
吐出された前記紫外線硬化型水性インクに対して、375nm以上450nm以下の波長領域の紫外線を照射する紫外線照射装置と、
を備える記録装置。
請求項6に係る発明は、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線硬化型水性インクを吐出する工程と、
吐出された前記紫外線硬化型水性インクに対して、375nm以上450nm以下の波長領域の紫外線を照射する工程と、
を有する記録方法。
請求項1に係る発明によれば、自己分散型の紫外線重合性化合物を含む系に対して、非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤及び非水溶性の増感剤を上記範囲の含有量で含まない場合に比べ、長波長側の波長領域の紫外線の照射によっても、オフセットの発生を抑制して高速記録を実現すると共に、保存安定性に優れた紫外線硬化型水性インクが提供される。
請求項2に係る発明によれば、自己分散型の紫外線重合性化合物を含む系に対して、非水溶性のアシルホスフィン紫外線重合開始剤を上記範囲の含有量で含まない場合に比べ、長波長側の波長領域の紫外線の照射によっても、オフセットの発生を抑制して高速記録を実現すると共に、保存安定性に優れた紫外線硬化型水性インクが提供される。
請求項3に係る発明によれば、強度が高い画像が得られる外線硬化型水性インクが提供される。
請求項4に係る発明によれば、自己分散型の紫外線重合性化合物を含む系に対して、非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤及び非水溶性の増感剤を上記範囲の含有量で含まないインクを適用した場合に比べ、長波長側の波長領域の紫外線の照射によっても、オフセットの発生を抑制して高速記録を実現すると共に、保存安定性に優れた紫外線硬化型水性インクを収容したインクカートリッジが提供される。
請求項5、又は6に係る発明によれば、自己分散型の紫外線重合性化合物を含む系に対して、非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤及び非水溶性の増感剤を上記範囲の含有量で含まないインクを適用した場合に比べ、長波長側の波長領域の紫外線の照射によっても、オフセットの発生を抑制して高速記録を実現する記録装置、又は記録方法が提供される。
図1は、本実施形態に係るインクジェット記録装置を示す概略構成図である。 図2は、本実施形態に係るインクジェット記録装置における記録ヘッド周辺を示す部分平面図である。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
[紫外線硬化型水性インク]
本実施形態に係る紫外線硬化型水性インク(以下「インク」と称する)は、自己分散型の紫外線重合性化合物、非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤、375nm以上450nm以下の波長領域(以下「長波長側の波長領域」とも称する)の紫外線に吸収を持つ非水溶性の増感剤、及び、水を含む。
そして、非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤の含有量を紫外線重合性化合物に対して2質量%以上45質量%とし、非水溶性の増感剤の含有量を紫外線重合性化合物に対して1質量%以上20質量%とする。但し、インクの保存安定性の点から、α−アミノケトン紫外線重合開始剤及び増感剤の合計の含有量は、紫外線重合性化合物に対して50質量%以下とすることがよい。つまり、インクの保存安定性の点から、全ての非水溶性の紫外線重合開始剤及び非水溶性の増感剤の合計の含有量は、紫外線重合性化合物に対して50質量%以下とすることがよい。
ここで、近年、紫外線硬化型インクを利用する記録装置では、水銀ランプ又はメタルハライドランプといった短波長側の紫外線を照射する従来のランプに比べて、エネルギー効率の良い可視域に近い長波長側の波長領域(375nm以上450nm以下の波長領域)の紫外線を照射する光源[例えば紫外線発光ダイオード(Ultraviolet Light Emitting Diode;以下「UV−LED」)]の搭載が検討されている。
一方、紫外線硬化型インクのうち、油性インクは、その揮発性の低さ又は記録媒体への浸透性の低さから、インクによる記録面(印字面)の平滑性が劣ることが知られている。このため、揮発性及び記録媒体への浸透性に富む水性インクを利用する要求が高まっている。
しかしながら、紫外線硬化型水性インクにおいて、記録媒体として枚葉紙、ロール紙に関わらず、オフセットが発生して、高速記録の実現が困難になる場合がある。また、インク中に紫外線重合開始剤等の成分が経時的に析出して、インクの保存安定性が悪化する場合がある。
これに対して、本実施形態に係るインクは、上記組成により、長波長側の波長領域(375nm以上450nm以下の波長領域)の紫外線の照射によっても、オフセット(記録媒体が重ねられたときに重ねた記録媒体にインクが転写又は記録媒体を巻き取る部材にインクが転写する現象)の発生を抑制して高速記録を実現すると共に、保存安定性に優れたものとなる。
この理由は定かではないが、次に示す理由によるものと推察される。
まず、非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤は、紫外線重合性化合物の重合速度(硬化速度)を高め、硬化するときの酸素阻害性が低いという性質を有する。一方で、α−アミノケトン紫外線重合開始剤は、長波長側の波長領域の紫外線の吸収性が低く、当該波長領域での光重合開始能力(ラジカル発生能力)が低い。
この性質を持つα−アミノケトン紫外線重合開始剤と共に、長波長側の波長領域の紫外線に吸収を持つ非水溶性の増感剤を併用すると、当該波長領域の紫外線の光吸収により増感剤が活性化され、α−アミノケトン紫外線重合開始剤にエネルギー遷移が起こる。これにより、α−アミノケトン紫外線重合開始剤の光重合開始能力が高まる。つまり、α−アミノケトン紫外線重合開始剤が、長波長側の波長領域の紫外線によって、ラジカルを発生し易くなる。このため、長波長側の波長領域の紫外線の照射による紫外線重合性化合物の重合速度(硬化速度)が高まる。
一方、自己分散型の紫外線重合性化合物は、親水部を外側、疎水部を内側としたミセル状態(エマルション)で水中に自己分散している。このミセル状態の系に、非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤及び非水溶性の増感剤を上記範囲の含有量で含有すると、エマルション内に内包された状態になると考えられる。これは、非水溶性の紫外線重合開始剤及び増感剤と紫外線重合性化合物の疎水部との親和性が高く、紫外線重合開始剤及び増感剤を一定量以上で水中に含めると紫外線重合性化合物のエマルション内部に移行し易くなると考えられるためである。この状態で、各成分が水中に分散されていると、紫外線重合開始剤及び増感剤と紫外線重合性化合物との物理的距離が小さくなり、紫外線の照射による重合速度(硬化速度)が更に高まるものと考えられる。
また、紫外線重合開始剤及び増感剤が紫外線重合性化合物のエマルション内に内包されることで、水中での紫外線重合開始剤及び増感剤の経時的な析出も抑制されると考えられる。
加えて、α−アミノケトン紫外線重合開始剤は、硬化するときの酸素阻害性が低いという性質を有することから、インク層に紫外線を照射したとき、表層部において迅速な重合反応が進行し易くなる。つまり、インク層の表層部が迅速に硬化した状態となる。このため、高速記録を行っても、オフセットが発生し難くなる。
以上から、本実施形態に係るインクは、上記組成により、長波長側の波長領域(375nm以上450nm以下の波長領域)の紫外線の照射によっても、オフセットの発生を抑制して高速記録を実現すると共に、保存安定性に優れたものとなると推察される。
以下、本実施形態に係るインクについて詳細に説明する。
本実施形態に係るインクは、自己分散型の紫外線重合性化合物、紫外線重合開始剤、増感剤、及び、水を含む。水性インクは、必要に応じて、水溶性有機溶媒、水溶性の紫外線重合性化合物、着色剤、界面活性剤、及びその他の添加剤を含んでもよい。
(自己分散型の紫外線重合性化合物)
自己分散型の紫外線重合性化合物は、紫外線重合性化合物の親水部を外側、疎水部を内側としたミセル状態で水中に自己分散するものである。つまり、インクには、自己分散型の紫外線重合性化合物のエマルションが含まれる。
自己分散型の紫外線重合性化合物としては、紫外線によってラジカル重合する重合性基を有する疎水部となる化合物に親水部を導入した化合物が挙げられる。重合性基としては、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する基が挙げられ、具体的には、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、ビニルエーテル基、無水マレイン酸基、N−置換マレイミド基等が挙げられる。
自己分散型の紫外線重合性化合物としては、例えば、ラジカル重合性モノマー(例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル脂肪族アミド、アクリル脂環アミド、アクリル芳香族アミド類等)、ラジカル重合性モノマーを目的とする重合度で重合したオリゴマーに、ポリオキシアルキル基等の親水性基を有する親水部を導入した化合物が挙げられる。
自己分散型の紫外線重合性化合物としては、例えば、エポキシ骨格、ウレタン骨格、ポリエステル骨格又はポリエーテル骨格にアクリロイル基又はメタクリロイル基を付加したアクリレート(エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエステルメタクリレート等)のオリゴマーに、ポリオキシアルキル基等の親水性基を有する親水部を導入した化合物も挙げられる。
特に、自己分散型の紫外線重合性化合物として好適には、下記一般式(UA)で表されるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(以下、単に「ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー」とも称する)が挙げられる。
一般式(UA): A−O−(CONH−B−NHCOO−C−O)−CONH−B−NH−COO−D
一般式(UA)中、nは1以上30以下の自然数を表し、Aは水酸基を有する(メタ)アクリレート(以下「水酸基含有(メタ)アクリレート」と称する)の残基を表す。Bは、ジイソシアネートの残基を表し、Cは、ジオールの残基を表し、Dはポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテルの残基を表す。
水酸基含有(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイル基を1個以上有し、且つ水酸基を1個有する化合物が挙げられる。
ジイソシアネートとしては、一分子内に反応性のイソシアネート基を2個有する化合物が挙げられる。
ジオールとしては、例えば、炭素数6以上20以下の直鎖、分岐状若しくは環状の脂肪族又は芳香族ジオールが挙げられる。
ポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテルは、ポリオキシアルキレングリコールの1つの水酸基をアルキル基で封鎖した化合物(HO−(CHCHO)−R:但し、Rはアルキル基であり、mは9以上90以下の自然数を表す。)が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、水酸基含有(メタ)アクリレートと、ジイソシアネートと、ジオールと、ポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテルと、を反応させることで得られる。
具体的には、例えば、ジイソシアネートとジオールとを反応させ、ウレタン結合を持つ第1反応生成物を得る。次に、第1反応生成物とポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテルとを反応させ、第2反応生成物を得る。次に、第2反応生成物と水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応させ、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを得る。
ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、分散性の点から、1,000以上10,000以下であることが好ましく、2,000以上8,000以下がより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による分子量分布を測定することによって算出する。本明細書における重量平均分子量とは、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量のことであり、GPC(HLC−8220〔商品名〕、東ソー社(TOSOH CORPORATION)製)に、カラム:TSK−gel SuperHZM−M(排除限界分子量:4×10、分子量分画範囲:266以上4×10以下、理論段数:16,000段/本、充填剤材質:スチレン系共重合体、充填剤粒径:3μm)を3本直列として用いることにより測定される。
自己分散型の紫外線重合性化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
自己分散型の紫外線重合性化合物の含有量(濃度)は、例えば、インクに対して5質量%以上70質量%以下が好ましく、10質量%以上60質量%以下がより好ましく、15質量%以上50質量%以下がさらに好ましい。
(紫外線重合開始剤)
紫外線重合開始剤としては、非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤が適用される。紫外線重合開始剤において、水溶性とは、25℃の水100質量部に対する対象物質の溶解量が0.1質量部以上であることを意味する。一方、非水溶性とは、25℃の水100質量部に対する対象物質の溶解量が0.1質量部未満であることを意味する。
α−アミノケトン紫外線重合開始剤は、α−アミノケトン構造を持つ化合物である。具体的には、α−アミノケトン紫外線重合開始剤としては、例えば、下記一般式(AK)で示されるα−アミノケトン化合物が挙げられる。
一般式(AK)中、Rak、及びRakは、各々独立に、水素原子、炭素数1以上12以下の無置換のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基で置換された炭素数2以上4以下のアルキル基、又は、炭素数3以上5以下の無置換のアルケニル基を表す。Rak、及びRakは、互いに結合して炭素数3以上7以下のアルキレン基を表してもよい。アルキレン基は、アルキレン鎖中に、−O−又はN(Rak10)が介在してもよい。Rak10は、例えば、炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。
一般式(AK)中、Rak、及びRakは、各々独立に、炭素数1以上8以下の無置換のアルキル基を表す。Rak、及びRakは、互いに結合して炭素数2以上9以下のアルキレン基を表してもよい。
一般式(AK)中、Arakは、−S−Rak11又は−N(Rak12)(Rak13)で置換されたフェニル基を表す。
Rak11は水素原子、又は炭素数1以上4以下の無置換のアルキル基を表す。
Rak12、及びRak13は、各々独立に、水素原子、炭素数1以上12以下の無置換のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基で置換された炭素数2以上4以下のアルキル基、又は、炭素数3以上5以下の無置換のアルケニル基を表す。Rak12、及びRak13は、互いに結合して炭素数3以上7以下のアルキレン基を表してもよい。アルキレン基は、アルキレン鎖中に、−O−又はN(Rak10)が介在してもよい。Rak10は、例えば、炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。
一般式(AK)で示されるα−アミノケトン化合物としては、Rak及びRakがメチル基を表し(又は、Rak及びRakが結合しモルフォリノ基を表し)、Rakがメチル基若しくはエチル基を表し、Rakがメチル基、ベンジル基、又は4−メチルベンジル基を表し、Arakが4−メチルチオフェニル基、若しくは4−モルフォリノフェニル基を表す化合物が好適である。
α−アミノケトン紫外線重合開始剤(一般式(AK)で示されるα−アミノケトン化合物)の具体例としては、例えば、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(ヘキシル)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−エチル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。
α−アミノケトン紫外線重合開始剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
α−アミノケトン紫外線重合開始剤の含有量は、紫外線重合性化合物に対して2質量%以上45質量%であり、オフセット抑制の点から、2.5質量%以上40質量%以下が好ましく、3質量%以上30質量%以下がより好ましい。
α−アミノケトン紫外線重合開始剤の含有量を紫外線重合性化合物に対して2質量%以上とすると、紫外線重合性化合物のエマルション内に内包され易くなり、ホットオフセットが抑制される。α−アミノケトン紫外線重合開始剤の含有量を紫外線重合性化合物に対して45質量%以下とすると、紫外線重合開始剤の析出が抑えられ易くなり、インクの保存安定性が高まる。
ここで、必要に応じて、α−アミノケトン紫外線重合開始剤以外の他の紫外線重合開始剤を併用してもよい。
他の紫外線重合開始剤としては、非水溶性のアシルホスフィン紫外線重合開始剤が好適に挙げられる。特に、インクは、非水溶性のアシルホスフィン紫外線重合開始剤を紫外線重合性化合物に対して2質量%以上50質量%含むことがよい。但し、インクの保存安定性の点から、α−アミノケトン紫外線重合開始剤、増感剤、及びアシルホスフィン紫外線重合開始剤の合計の含有量は、紫外線重合性化合物に対して50質量%以下であることがよい。
非水溶性のアシルホスフィン紫外線重合開始剤を紫外線重合性化合物に対して2質量%以上50質量%含ませると、アシルホスフィン紫外線重合開始剤も自己分散型の紫外線重合性化合物のエマルション内に内容され易くなると考えられる。そして、アシルホスフィン紫外線重合開始剤は、375nm以上450nm以下の波長領域の紫外線に吸収を持つ紫外線重合開始剤である。つまり、アシルホスフィン紫外線重合開始剤は、375nm以上450nm以下の波長領域の紫外線の照射によりラジカルを発生する紫外線重合開始剤である。このため、インク層内部においても、紫外線重合性化合物の重合速度(硬化速度)が効率よく高められ、オフセットが抑制され易くなる。
アシルホスフィン紫外線重合開始剤としては、例えば、下記一般式(AP)で示されるアシルホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。
一般式(AP)中、Rap、Rap、及びRapは、各々独立に、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のベンゾイル基、又はこれら基とエステル基とが結合した基を示す。
一般式(AP)中、Rap、Rap、及びRapが示すアルコキシ基は、アルキル部位が直鎖状又は分岐状のいずれであってもよく、アルキル部位の炭素数が1以上10以下(好ましくは1以上8以下、より好ましくは1以上5以下)のアルコキシ基が挙げられる。直鎖状のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−オクチルオキシ基等が挙げられる。分岐状のアルコキシ基としては、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
Rap、Rap、及びRapが示すアルコキシ基に置換し得る置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アミド基、カルボニル基等が挙げられる。
Rap、Rap、及びRapが示すフェニル基に置換し得る置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アミド基、カルボニル基等が挙げられる。
Rap、Rap、及びRapが示すベンゾイル基に置換し得る置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アミド基、カルボニル基等が挙げられる。
アシルホスフィン紫外線重合開始剤(一般式(AP)で示されるアシルホスフィンオキサイド化合物)の具体例としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、エチルフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイルフォスフィネート等が挙げられる。
アシルホスフィン紫外線重合開始剤の含有量は、紫外線重合性化合物に対して2質量%以上50質量%であり、オフセット抑制の点から、2.5質量%以上40質量%以下が好ましく、3質量%以上30質量%以下がより好ましい。
アシルホスフィン紫外線重合開始剤の含有量を紫外線重合性化合物に対して2質量%以上とすると、紫外線重合性化合物のエマルション内に内包され易くなり、ホットオフセットが抑制され易くなる。アシルホスフィン紫外線重合開始剤の含有量を紫外線重合性化合物に対して50質量%以下とすると、紫外線重合開始剤の析出が抑えられ易くなり、インクの保存安定性が高まり易くなる。
(増感剤)
増感剤は、375nm以上450nm以下の波長領域の紫外線に吸収を持つ非水溶性の増感剤が適用される。なお、増感剤において、非水溶性とは、25℃の水100質量部に対する対象物質の溶解量が0.1質量部未満であることを意味する。
この性質を持つ増感剤としては、例えば、チオキサントン化合物、キノン化合物、アンスロン化合物、ペリレン化合物、フェナントレン化合物等が挙げられる。
増感剤としては、オフセット抑制の点から、例えば、下記一般式(TK)で示されるチオキサントン化合物が好適に挙げられる。なお、一般式(TK)で示されるチオキサントン化合物は、紫外線重合開始剤としても機能する化合物である。
一般式(TK)中、Rt及びRtは、各々独立に、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルキルエーテル基、又はこれら基とエステル基が結合した基を示す。mt及びntは、各々独立に、0、又は1以上3以下の整数を示す。
なお、mtが各々2以上の整数を示す場合、複数のRtは互いに同じ基を示してよいし、異なる基を示してよい。同様に、ntが各々2以上の整数を示す場合、複数のRtは互いに同じ基を示してよいし、異なる基を示してよい。
一般式(TK)中、Rt及びRtが示すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
Rt及びRtが示すアルキル基としては、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよく、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上5以下、より好ましくは1以上3以下)のアルキル基が挙げられる。直鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基等が挙げられる。分岐状のアルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
Rt及びRtが示すアルキルエーテル基としては、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよく、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上5以下、より好ましくは1以上3以下)のアルコキシ基が挙げられる。直鎖状のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等が挙げられる。分岐状のアルコキシ基としては、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等が挙げられる。
Rt及びRtが示すアルキル基、又はアルキルエーテル基に置換し得る置換基としては、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アミド基、カルボニル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
一般式(TK)で示されるチオキサントン化合物としては、Rtがアルキル基を示し、mtが0、又は1以上2以下の整数を示し、ntが0を示す化合物が好適である。
チオキサントン化合物の具体例としては、例えば、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、クロロチオキサントン、ジメチルチオキサントン、メチルエチルキサントン、メチルイソプロピルキサントン等が挙げられる。
増感剤の含有量は、紫外線重合性化合物に対して1質量%以上20質量%であり、オフセット抑制の点から、1.5質量%以上18質量%以下が好ましく、2質量%以上15質量%以下がより好ましい。
増感剤の含有量を紫外線重合性化合物に対して2質量%以上とすると、紫外線重合性化合物のエマルション内に内包され易くなり、ホットオフセットが抑制される。増感剤の含有量を紫外線重合性化合物に対して45質量%以下とすると、紫外線重合開始剤の析出が抑えられ易くなり、インクの保存安定性が高まる。
(水)
水としては、特に不純物の混入、又は微生物の発生を防止するという観点から、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水が好適に挙げられる。
水の含有量は、例えば、インクに対して10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上80質量%以下がより好ましい。
(水溶性有機溶媒)
水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等も挙げられる。なお、水溶性有機溶媒において、水溶性とは、25℃の水100質量部に対する対象物質の溶解量が1質量部以上であることを意味する。
多価アルコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2−へキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、キシリトールなどの糖アルコール類;キシロース、グルコース、ガラクトースなどの糖類;等が挙げられる。
多価アルコール類誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
アルコール類としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
水溶性有機溶媒は、1種類で使用しても2種類以上を併用してもよい。
水溶性有機溶媒の含有量は、水に対して1質量%以上60質量%以下が好ましく、1質量%以上40質量%以下がより好ましい。
(水溶性の紫外線重合性化合物)
水溶性の紫外線重合性化合物としては、周知の光重合性化合物が挙げられる。水溶性の紫外線重合性化合物をインクに含ませると、画像の強度が高まり易くなる。紫外線重合性化合物において、水溶性とは、25℃の水100質量部に対する対象物質の溶解量が5質量部以上(好ましくは10質量部以上)であることを意味する。
水溶性の紫外線重合性化合物として、具体的には、ヒドロキシエチルアクリルアミド、アクリロイルモロフォリン(ACMO)、ヒドロキシエチルアクリルアマイド(HEAA)、ダイアセトンアクリルアマイド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−ホルムアミド、ビニルナフタレンスルホン酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、無水琥珀酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとのエステル、オルソ無水フタル酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとのエステル等のラジカル重合性モノマーが挙げられる。
水溶性の紫外線重合性モノマーとしては、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、多価アルコールから誘導されるグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸エステル等のラジカル重合性モノマーも挙げられる。
水溶性の紫外線重合性化合物としては、水溶性の光重合性モノマーが目的とする重合度で重合したオリゴマーも挙げられる。
水溶性の紫外線重合性化合物の含有量は、画像の耐水性の低下を抑制する観点から、全紫外線重合性化合物に対して80質量%以下が好ましく、画像の強度及び耐水性の観点から全紫外線重合性化合物に対して20質量%以上70質量%以下がより好ましく、30質量%以上70質量%以下がさらに好ましい。
(着色剤)
着色剤としては、顔料が挙げられる。顔料としては、有機顔料、無機顔料が挙げられる。
黒色顔料の具体例としては、Raven7000,Raven5750,Raven5250,Raven5000 ULTRAII,Raven 3500,Raven2000,Raven1500,Raven1250,Raven1200,Raven1190 ULTRAII,Raven1170,Raven1255,Raven1080,Raven1060(以上コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R,Regal330R,Regal660R,Mogul L,Black Pearls L,Monarch 700,Monarch 800,Monarch 880,Monarch 900,Monarch 1000,Monarch 1100,Monarch 1300,Monarch 1400(以上キャボット社製)、Color Black FW1,Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black 18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex35,Printex U,Printex V,Printex140U,Printex140V,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black4(以上デグッサ社製)、No.25,No.33,No.40,No.47,No.52,No.900,No.2300,MCF−88,MA600,MA7,MA8,MA100(以上三菱化学社製)等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シアン色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Blue−1,−2,−3,−15,−15:1,−15:2,−15:3,−15:4,−16,−22,−60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red−5,−7,−12,−48,−48:1,−57,−112,−122,−123,−146,−168,−177,−184,−202, C.I.Pigment Violet −19等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イエロー顔料の具体例としては、C.I.Pigment Yellow−1,−2,−3,−12,−13,−14,−16,−17,−73,−74,−75,−83,−93,−95,−97,−98,−114,−128,−129,−138,−151,−154,−180等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ここで、着色剤として顔料を使用した場合には、併せて顔料分散剤を用いることが好ましい。使用可能な顔料分散剤としては、高分子分散剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
高分子分散剤としては、親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体が好適に用いられる。親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体としては、縮合系重合体と付加重合体とが使用できる。縮合系重合体としては、公知のポリエステル系分散剤が挙げられる。付加重合体としては、α,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の付加重合体が挙げられる。親水性基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体と疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体を組み合わせて共重合することにより目的の高分子分散剤が得られる。また、親水性基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の単独重合体も用いることができる。
親水性基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体としては、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、りん酸基等を有する単量体、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
高分子分散剤として好ましい共重合体の例としては、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。また、これらの重合体に、ポリオキシエチレン基、水酸基を有する単量体を共重合させてもよい。
高分子分散剤の重量平均分子量としては、例えば、2000以上50000以下がよい。
これら高分子分散剤は、単独で用いても、二種類以上を併用しても構わない。高分子分散剤の含有量は、顔料により大きく異なるため一概には言えないが、顔料に対し、0.1質量%以上100質量%以下であることがよい。
顔料としては、水に自己分散可能な顔料(以下自己分散型顔料と称する)も挙げられる。
自己分散型顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を有し、高分子分散剤が存在しなくとも水中で分散する顔料のことを指す。自己分散型顔料は、例えば、顔料に対して酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理を施すことにより得られる。
自己分散型顔料としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−300、Cab−o−jet−400、IJX−157、IJX−253、IJX−266、IJX−273、IJX−444、IJX−55、Cab−o−jet−250C、Cab−o−jet−260M,Cab−o−jet−270Y,Cab−o−jet−450C,Cab−o−jet−465M,Cab−o−jet−470Y,Cab−o−jet−480M,オリエント化学社製のMicrojet Black CW−1、CW−2等の市販の自己分散顔料等も挙げられる。
自己分散型顔料としては、その表面に官能基として少なくともスルホン酸、スルホン酸塩、カルボン酸、又はカルボン酸塩を有する顔料であることが好ましい。より好ましくは、表面に官能基として少なくともカルボン酸、又はカルボン酸塩を有する顔料である。
ここで、顔料としては、樹脂により被覆された顔料等も挙げられる。これは、マイクロカプセル顔料と呼ばれ、DIC社製、東洋インキ社製などの市販のマイクロカプセル顔料がある。なお、市販のマイクロカプセル顔料に限られず、目的に応じて作製したマイクロカプセル顔料を使用してもよい。
また、顔料としては、高分子化合物を顔料に物理的に吸着又は化学的に結合させた樹脂分散型顔料も挙げられる。
また、顔料としては、黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等も挙げられる。
また、顔料としては、シリカ、アルミナ、又は、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等も挙げられる。
着色剤としては、顔料の他、その他、親水性のアニオン染料、直接染料、カチオン染料、反応性染料、高分子染料等や油溶性染料等の染料類、染料で着色したワックス粉・樹脂粉類やエマルション類、蛍光染料や蛍光顔料等も挙げられる。
着色剤の体積平均粒径は、例えば10nm以上1000nm以下であることが挙げられる。
着色剤の体積平均粒径とは、着色剤そのものの粒径、又は着色剤に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒径をいう。体積平均粒径の測定装置には、マイクロトラックUPA粒度分析計 9340 (Leeds&Northrup社製)により行う。その測定は、インク4mlを測定セルに入れて行った。なお、測定時の入力値として、粘度にはインクの粘度を、分散粒子の密度は着色剤の密度とした。
着色剤の含有量(濃度)は、例えば、インクに対して0.5質量%以上15質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、好ましくは、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤である。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられる。
これらの中でも、アニオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等がよい。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物等が挙げられる。
これらの中でも、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物がよい。
ノニオン性界面活性剤としては、その他、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等のシリコーン界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素界面活性剤;スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント;等も挙げられる。
界面活性剤の親水性/疎水性バランス(HLB)は、溶解性等を考慮すると例えば3以上20以下の範囲がよい。
界面活性剤は、1種類で使用しても2種類以上を併用してもよい。
界面活性剤の含有量は、インクに対して0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.2質量%以上3質量%以下がさらに好ましい。
(その他添加剤)
その他添加剤としては、インク吐出性改善剤(ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等)、導電率/pH調整剤(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物等)、反応性の希釈溶媒、浸透剤、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、キレート化剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤等の周知の添加剤が挙げられる。
(インクの物性)
本実施形態に係るインクの表面張力は、例えば20mN/m以上45mN/m以下の範囲が挙げられる。
ここで、表面張力としては、ウイルヘルミー型表面張力計(協和界面科学株式会社製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した値を採用した。
(インクの製造方法)
本実施形態に係るインクは、次に示す製造方法により作製する。例えば、まず、自己分散型の紫外線重合性化合物のエマルション水溶液と、非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤、及び増感剤とを混合し、撹拌して乳化を行う。得られた乳化液と、着色剤等のその他添加剤とを混合して、インクを得る。
また、インクにアシルホスフィン紫外線重合開始剤を含ませる場合、例えば、別途、自己分散型の紫外線重合性化合物のエマルション水溶液と、アシルホスフィン紫外線重合開始剤とを混合し、撹拌して乳化する。この乳化液と、非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤、及び増感剤を含む上記乳化液と、色剤等のその他添加剤とを混合して、インクを得る。
なお、非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤、及び増感剤と共に、アシルホスフィン紫外線重合開始剤を自己分散型の紫外線重合性化合物のエマルション水溶液に混合し、撹拌した乳化液を用いて、インクを作製してもよい。
本実施形態に係るインクの粘度は、例えば1.5mPa・s以上30mPa・s以下の範囲が挙げられる。ここで、粘度としては、TV−20(東機産業製)を測定装置として用いて、測定温度は23℃、せん断速度は750s−1の条件で測定した値を採用した。
[記録装置/記録方法]
本実施形態に係る記録装置は、本実施形態に係るインク(紫外線硬化型水性インク)を吐出する吐出装置と、吐出されたインクに対して、375nm以上450nm以下の波長領域の紫外線を照射する紫外線照射装置と、を備える。
本実施形態に係る記録装置では、本実施形態に係るインク(紫外線硬化型水性インク)を吐出する工程と、吐出されたインクに対して、375nm以上450nm以下の波長領域の紫外線を照射する工程と、を有する記録方法が実施される。
本実施形態に係る記録装置には、本実施形態に係るインク(紫外線硬化型水性インク)を収容し、当該記録装置に着脱されるようカートリッジ化されたインクカートリッジを備えていてもよい。
以下、本実施形態に係る記録装置について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係るインクジェット記録装置を示す概略構成図である。図2は、本実施形態に係るインクジェット記録装置における記録ヘッド周辺を示す部分平面図である。
本実施形態に係るインクジェット記録装置12は、例えば、図1〜2に示すように、筐体14内の下部に、給紙容器16が備えられており、給紙容器16内に積層された用紙P(記録媒体の一例)を取り出しロール18で1枚ずつ取り出す機構を有している。取り出された用紙Pは、搬入経路22を構成する複数の搬入ローラ対20で搬送される。
給紙容器16の上方には、駆動ロール24及び従動ロール26に張力を付与されつつ支持された無端状の搬送ベルト28が配置されている。搬送ベルト28の上方には記録ヘッド30(吐出装置の一例)が配置されており、搬送ベルト28における平坦部分に対向している。この記録ヘッド30が搬送ベルト28の平坦部分に対向した領域が、記録ヘッド30から用紙Pにインクの液滴が吐出される吐出領域となっている。搬入ローラ対20を搬送された用紙Pは、搬送ベルト28で保持されてこの吐出領域に至り、記録ヘッド30に対向した状態となり、記録ヘッド30から画像情報に応じて吐出されたインクの液滴が用紙Pの表面に付着する。
ここで、各色の記録ヘッド30は、それぞれ、インクジェット記録装置12に着脱される各色のインクカートリッジ30Aと供給管(不図示)を通じて連結され、インクカートリッジ30Aにより、各色のインクがそれぞれ記録ヘッド30へ供給される。
記録ヘッド30は、例えば、図2に示すように、有効な記録領域(インクを吐出するノズルの配置領域)が用紙Pの幅(用紙Pの搬送方向と交差(例えば直交)する方向の長さ)以上とされた長尺状の記録ヘッドである。
なお、記録ヘッド30は、これに限られず、用紙Pの幅よりも短尺状の記録ヘッドであって、用紙Pの幅方向に移動してインクを吐出する方式(所謂キャリッジ方式)の記録ヘッドであってもよい。
記録ヘッド30は、インクの液滴を熱により吐出する、所謂サーマル方式であってもよいし、インクの液滴を圧力により吐出する、所謂圧電方式等、公知のものが適用される。
記録ヘッド30としては、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の4色それぞれに対応した4つの記録ヘッドが搬送方向に沿ってアレイ状に配置されている。無論、記録ヘッド30は、上記4色のそれぞれに対応した4つの記録ヘッド30を配置する形態に限られず、目的に応じて、ブラック(K)に対応した一つの記録ヘッド30を配置した形態であってよいし、他の中間色を加えた4色以上のそれぞれに対応した4つ以上の記録ヘッド30を配置した形態であってもよい。
記録ヘッド30の上流側(用紙Pの搬送方向上流側)には、帯電ロール32が配置されている。帯電ロール32は、従動ロール26との間で搬送ベルト28及び用紙Pを挟みつつ従動し、接地された従動ロール26との間に電位差を生じさせ、用紙Pに電荷を与えて搬送ベルト28に静電吸着させる。
記録ヘッド30の下流側(用紙Pの搬送方向下流側)には、搬送ベルト28の上方に、紫外線照射装置50が配置されている。
紫外線照射装置50は、搬送ベルト28の上の用紙Pに付着したインクに対して、紫外線を照射する。
紫外線照射装置50は、例えば、図2に示すように、有効な紫外線照射領域(紫外線する光源の配置領域)が記録ヘッド30による記録可能領域の幅(用紙Pの搬送方向と交差(例えば直交)する方向)以上とされた長尺状の紫外線照射装置である。
なお、紫外線照射装置50は、これに限られず、記録ヘッド30による記録可能領域の幅よりも短尺状の紫外線照射装置であって、記録ヘッド30による記録領域の幅方向に移動して紫外線を照射する方式(所謂キャリッジ方式)の紫外線照射装置であってもよい。
紫外線照射装置50の光源としては、エネルギー効率の良い可視域に近い長波長側の波長領域(375nm以上450nm以下の波長領域)の紫外線を照射する光源が適用される。具体的には、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD、VCSEL)、レーザ波長変換光源等が挙げられる。
これらの中でも、紫外線照射装置50の光源としては、紫外線発光ダイオード(Ultraviolet Light Emitting Diode;「UV−LED」)がよい。
紫外線照射装置50の下流側(用紙Pの搬送方向下流側)には、剥離板34が配置されており、用紙Pを搬送ベルト28から剥離させる。剥離された用紙Pは、剥離板34の下流側(用紙Pの搬送方向下流側)で排出経路36を構成する複数の排出ローラ対38で搬送され、筐体14の上部に設けられた排紙容器40に排出される。
次に、本実施形態に係る記録装置12の動作について説明する。
本実施形態に係る記録装置12では、用紙Pは、給紙容器16から取り出しロール18で1枚ずつ取り出され、搬入経路22を経由して搬送ベルト28へ搬送される。
次に、用紙Pは、帯電ロール32により搬送ベルト28に静電吸着され、搬送ベルト28の回転により記録ヘッド30の下方へ搬送される。
次に、用紙Pは、記録ヘッド30により、インクが吐出され、目的とする画像が記録される。
次に、用紙Pに付着したインクに対して、紫外線照射装置50により紫外線が照射され、インク中の紫外線重合性化合物の硬化反応(重合反応)が進行し、インク(インクによる画像)が硬化して用紙Pに固定化する。
ここで、紫外線照射装置50の紫外線照射条件としては、インク中に含まれる紫外線重合性化合物の種類等により変わるが、例えば、用紙P上に吐出されたインク中の紫外線重合性化合物の硬化反応(重合反応)が進行して硬化する条件であることがよい。
具体的には、紫外線照射条件としては、例えば、波長領域(中心波長)が375nm以上450nm以下、照射強度が10mW/cm以上5000mW/cm以下(好ましくは50mW/cm以上500mW/cm以下)、照射時間が0.1ミリ秒以上10秒以下(好ましくは10ミリ秒以上100ミリ秒以下)であることがよい。
次に、インク(インクによる画像)が固定化(形成)された用紙Pは、排出経路36を経由し、排紙容器40に排出される。
このようにして、本実施形態に係る記録装置12では、インク(インクによる画像)が固定化(形成)された用紙Pが得られる。
なお、本実施形態に係る記録装置12では、記録ヘッド30によってインクの液滴を用紙Pの表面に直接吐出する方式について説明したが、これに限られず、例えば中間転写体にインクの液滴を吐出した後に、中間転写体上のインクの液滴を用紙Pに転写する方式であってもよい。
また、本実施形態に係る記録装置12では、用紙Pとして枚葉紙にインク(インクによる画像)を固定化(形成)する方式について説明したが、連帳機を用いて、用紙Pとしてロール紙にインク(インクによる画像)を固定化(形成)する方式であってもよい。
また、本実施形態は、限定的に解釈されるものではなく、本発明の要件を満足する範囲内で実現可能であることは、言うまでもない。
以下、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例により特に制限されるものではない。
[実施例1]
−成分内包オリゴマー水性エマルションAの調製−
ウレタンアクリレートオリゴマー水性エマルション(紫外線重合性化合物成分25質量%): 100質量部に、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン(波長305nmに吸収ピークを有する非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤): 3質量部、及び2−イソプロピルチオキサントン(波長385nmに吸収ピークを有する非水溶性の増感剤): 2質量部を加えた後、撹拌して、エマルジョン液を得た。得られたエマルジョン液に対して、超音波ホモジナイザーにより、機械乳化を行い、紫外線重合開始剤及び増感剤を内包した成分内包オリゴマー水性エマルションAを得た。
ここで、エマルジョン液は、超音波ホモジナイザーによる超音波照射前は、紫外線重合開始剤及び増感剤が沈降していたが、超音波照射後は沈降物の存在が確認されなかった。超音波照射前のエマルションの粒径は39.5nmであり、超音波照射後のエマルションの粒径は44.2nmであった。
−インクの調製−
・成分内包オリゴマー水性エマルションA: 60質量部
・シアン顔料水性分散液(Cabot社製:顔料濃度10質量%): 25質量部
・グリセリン: 3質量部
・オルフィンE1010(日信化学社製): 1.5質量部
・純水: 10.5質量部
上記組成の材料を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、シアン色の紫外線硬化型水性インクを得た。
[実施例2]
−成分内包オリゴマー水性エマルションBの調製−
ウレタンアクリレートオリゴマー水性エマルション(紫外線重合性化合物成分25質量%): 100質量部に、エチルフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィネート(波長375nmに吸収ピークを有する非水溶性のアシルフォスフィン紫外線重合開始剤) 7.5質量部を加えて後、撹拌して、エマルジョン液を得た。得られたエマルジョン液に対して、超音波ホモジナイザーにより、機械乳化を行い、紫外線重合開始剤を内包した成分内包オリゴマー水性エマルションBを得た。
ここで、エマルジョン液は、超音波ホモジナイザーによる超音波照射前は、紫外線重合開始剤が沈降していたが、超音波照射後は沈降物の存在が確認されなかった。なお、超音波照射前のエマルションの粒径は38.7nm、超音波照射後のエマルションの粒径は47.4nmであった。
−インクの調製−
・成分内包オリゴマーエマルションA: 30質量部
・成分内包オリゴマーエマルションB: 30質量部
・シアン顔料水性分散液(Cabot社製:顔料濃度10質量%): 25質量部
・グリセリン: 3質量部
・オルフィンE1010(日信化学社製): 1.5質量部
・純水: 10.5質量部
上記組成の材料を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、シアン色の紫外線硬化型水性インクを得た。
[実施例3]
−インクの調製−
・成分内包オリゴマーエマルションA: 50質量部
・ポリエチレングリコール#600ジアクリレート: 5質量部
(水溶性の紫外線重合性化合物:共栄社化学社製)
・ヒドロキシエチルアクリルアミド: 5質量部
(水溶性の紫外線重合性化合物:興人社製)
・エチルフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィネート: 0.05質量部
(波長375nmに吸収ピークを有する非水溶性のアシルフォスフィン紫外線重合開始剤)
・シアン顔料水性分散液(Cabot社製:顔料濃度10質量%): 25質量部
・グリセリン: 3質量部
・オルフィンE1010(日信化学社製): 1.5質量部
・純水: 10.45質量部
上記組成の材料を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、シアン色の紫外線硬化型水性インクを得た。
[比較例1]
−インクの調製−
・ウレタンアクリレートオリゴマー水性エマルション: 50質量部
(紫外線重合性化合物成分25質量%)
・シアン顔料水性分散液(Cabot社製:顔料濃度10質量%): 25質量部
・グリセリン: 3質量部
オルフィンE1010(日信化学社製): 1.5質量部
・IRGACURE 2959(BASF社製): 3質量部
(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン:水溶性の紫外線重合開始剤)
・純水: 17.5質量部
上記組成の材料を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、シアン色の紫外線硬化型水性インクを得た。
[比較例2]
−インク調製−
・ウレタンアクリレートオリゴマー水性エマルション: 50質量部
(紫外線重合性化合物成分25質量%)
・2−イソプロピルチオキサントン(増感剤): 0.1質量部
(波長385nmに吸収ピークを有する非水溶性の増感剤)
・2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン: 0.2質量部
(波長305nmに吸収ピークを有する非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤)
・シアン顔料水性分散液(Cabot社製:顔料濃度10質量%): 25質量部
・グリセリン: 3質量部
・オルフィンE1010(日信化学社製): 1.5質量部
・純水: 20.2質量部
上記組成の材料を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、シアン色の紫外線硬化型水性インクを得た。
[比較例3]
−成分内包オリゴマーエマルションCの調製−
2−イソプロピルチオキサントン(非水溶性の増感剤)を使用しなかった以外は、実施例1の成分内包オリゴマーエマルションAと同様にして、紫外線開始剤が内包した成分内包オリゴマーエマルションCを得た。
ここで、エマルジョン液は、超音波ホモジナイザーによる超音波照射前は、紫外線重合開始剤が沈降していたが、超音波照射後は沈降物の存在が確認されなかった。超音波照射前のエマルションの粒径は39.5nm、超音波照射後の粒径は44.2nmであった。
−インクの調製−
成分内包オリゴマーエマルションAの代わりに、成分内包オリゴマーエマルションCを用いた以外は、実施例1と同様にして、シアン色の紫外線硬化型水性インクを得た。
[比較例4]
−成分内包オリゴマーエマルションDの調製−
ウレタンアクリレートオリゴマー水性エマルション(紫外線重合性化合物成分25質量%): 100質量部に、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン(波長305nmに吸収ピークを有する非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤): 13質量部、及び2−イソプロピルチオキサントン(波長385nmに吸収ピークを有する非水溶性の増感剤): 7質量部を加えた後、撹拌して、エマルジョン液を得た。得られたエマルジョン液に対して、超音波ホモジナイザーにより、機械乳化を行い、紫外線重合開始剤及び増感剤を内包した成分内包オリゴマー水性エマルションDを得た。
ここで、エマルジョン液は、超音波ホモジナイザーによる超音波照射前は、紫外線重合開始剤及び増感剤が沈降していたが、超音波照射後は沈降物の存在が確認されなかった。超音波照射前のエマルションの粒径は39.6nm、超音波照射後のエマルションの粒径は50.8nmであった。
−インクの調製−
・成分内包オリゴマーエマルションD: 60質量部
・シアン顔料水性分散液(Cabot社製:顔料濃度10質量%): 25質量部
・グリセリン: 3質量部
・オルフィンE1010(日信化学社製): 1.5質量部
・純水: 10.5質量部
上記組成の材料を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、シアン色の紫外線硬化型水性インクを得た。
[比較例5]
−成分内包オリゴマー水性エマルションEの調製−
ウレタンアクリレートオリゴマー水性エマルション(紫外線重合性化合物成分30質量%): 100質量部に、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(波長380nmに吸収ピークを有する非水溶性のアシルフォスフィン紫外線重合開始剤): 2.5質量部、及び、ポリプロピレングリコール#400ジアクリレート(水溶性の紫外線重合性化合物:共栄社化学社製): 20質量部を加えた後、撹拌して、エマルジョン液を得た。得られたエマルジョン液に対して、超音波ホモジナイザーにより、機械乳化を行い、紫外線重合開始剤を内包した成分内包オリゴマー水性エマルションEを得た。
ここで、エマルジョン液は、超音波ホモジナイザーによる超音波照射前は、紫外線重合開始剤及び水溶性の紫外線重合性化合物が分離していたが、超音波照射後は分離物の存在が確認されなかった。超音波照射前のエマルションの粒径は37.5nm、超音波照射後のエマルションの粒径は45.7nmであった。
−インク調製−
・成分内包オリゴマーエマルションE: 68.5質量部
・シアン顔料水性分散液(Cabot社製:顔料濃度10質量%): 20質量部
・グリセリン: 5質量部
・2−ピロリドン: 2.5質量部
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル: 4質量部
上記組成の材料を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、シアン色の紫外線硬化型水性インクを得た。
[実施例4]
−成分内包オリゴマー水性エマルションFの調製−
ウレタンアクリレートオリゴマー水性エマルション(紫外線重合性化合物成分40質量%:荒川化学工業社製): 100質量部に、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン(波長305nmに吸収ピークを有する非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤): 10質量部、及び2−イソプロピルチオキサントン(波長385nmに吸収ピークを有する非水溶性の増感剤): 6質量部を加え、純水60質量部を加えた後、撹拌し、エマルジョン液を得た。得られたエマルジョン液に対して、超音波ホモジナイザーにより、機械乳化を行い、紫外線重合開始剤及び増感剤を内包した成分内包オリゴマー水性エマルションFを得た。
ここで、エマルジョン液は、超音波ホモジナイザーによる超音波照射前は、紫外線重合開始剤及び増感剤が沈降していたが、超音波照射後は沈降物の存在が確認されなかった。超音波照射前のエマルションの粒径は38.7nmであり、超音波照射後のエマルションの粒径は46.4nmであった。
−インクの調製−
・成分内包オリゴマー水性エマルションF: 50質量部
・マゼンタ顔料水性分散液(Cabot社製:顔料濃度10質量%): 20質量部
・グリセリン: 5質量部
・オルフィンE1010(日信化学社製): 1.5質量部
・純水: 23.5質量部
上記組成の材料を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、マゼンタ色の紫外線硬化型水性インクを得た。
[実施例5]
−成分内包オリゴマー水性エマルションGの調製−
ウレタンアクリレートオリゴマー水性エマルション(紫外線重合性化合物成分40質量%:荒川化学工業社製): 100質量部に、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン(波長305nmに吸収ピークを有する非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤):16質量部、及び2−イソプロピルチオキサントン(波長385nmに吸収ピークを有する非水溶性の増感剤): 8質量部を加え、純水60質量部を加えた後、撹拌して、エマルジョン液を得た。得られたエマルジョン液に対して、超音波ホモジナイザーにより、機械乳化を行い、紫外線重合開始剤及び増感剤を内包した成分内包オリゴマー水性エマルションGを得た。
ここで、エマルジョン液は、超音波ホモジナイザーによる超音波照射前は、紫外線重合開始剤及び増感剤が沈降していたが、超音波照射後は沈降物の存在が確認されなかった。超音波照射前のエマルションの粒径は37.7nmであり、超音波照射後のエマルションの粒径は47.2nmであった。
−インクの調製−
・成分内包オリゴマー水性エマルションG: 60質量部
・イエロー顔料水性分散液(Cabot社製:顔料濃度10質量%): 20質量部
・グリセリン: 3質量部
・オルフィンE1010(日信化学社製): 1.2質量部
・純水: 15.8質量部
上記組成の材料を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、イエロー色の紫外線硬化型水性インクを得た。
[実施例6]
−成分内包オリゴマー水性エマルションHの調製−
ウレタンアクリレートオリゴマー水性エマルション(紫外線重合性化合物成分25質量%): 100質量部に、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン(波長305nmに吸収ピークを有する非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤):0.75 質量部、及び2−イソプロピルチオキサントン(波長385nmに吸収ピークを有する非水溶性の増感剤): 0.4質量部を加えた後、撹拌して、エマルジョン液を得た。得られたエマルジョン液に対して、超音波ホモジナイザーにより、機械乳化を行い、紫外線重合開始剤及び増感剤を内包した成分内包オリゴマー水性エマルションHを得た。
ここで、エマルジョン液は、超音波ホモジナイザーによる超音波照射前は、紫外線重合開始剤及び増感剤が沈降していたが、超音波照射後は沈降物の存在が確認されなかった。超音波照射前のエマルションの粒径は38.7nmであり、超音波照射後のエマルションの粒径は46.4nmであった。
−インクの調製−
・成分内包オリゴマー水性エマルションH: 50質量部
・マゼンタ顔料水性分散液(Cabot社製:顔料濃度10質量%): 20質量部
・グリセリン: 5質量部
・オルフィンE1010(日信化学社製): 1.5質量部
・純水: 23.5質量部
上記組成の材料を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、マゼンタ色の紫外線硬化型水性インクを得た。
[実施例7]
−成分内包オリゴマー水性エマルションIの調製−
ウレタンアクリレートオリゴマー水性エマルション(紫外線重合性化合物成分25質量%): 100質量部に、エチルフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィネート(波長375nmに吸収ピークを有する非水溶性のアシルフォスフィン紫外線重合開始剤) 10質量部を加えて後、撹拌して、エマルジョン液を得た。得られたエマルジョン液に対して、超音波ホモジナイザーにより、機械乳化を行い、紫外線重合開始剤を内包した成分内包オリゴマー水性エマルションIを得た。
ここで、エマルジョン液は、超音波ホモジナイザーによる超音波照射前は、紫外線重合開始剤が沈降していたが、超音波照射後は沈降物の存在が確認されなかった。なお、超音波照射前のエマルションの粒径は38.3nm、超音波照射後のエマルションの粒径は47.4nmであった。
−インクの調製−
・成分内包オリゴマーエマルションA: 10質量部
・成分内包オリゴマーエマルションI: 50質量部
・シアン顔料水性分散液(Cabot社製:顔料濃度10質量%): 25質量部
・グリセリン: 3質量部
・オルフィンE1010(日信化学社製): 1.5質量部
・純水: 10.5質量部
上記組成の材料を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、シアン色の紫外線硬化型水性インクを得た。
[実施例8]
−インクの調製−
・成分内包オリゴマーエマルションA: 40質量部
・成分内包オリゴマーエマルションB: 20質量部
・ポリエチレングリコール#1000ジアクリレート: 2.5質量部
(水溶性の紫外線重合性化合物:共栄社化学社製)
・ヒドロキシエチルアクリルアミド: 4質量部
(水溶性の紫外線重合性化合物:興人社製)
・エチルフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィネート: 0.05質量部
(波長375nmに吸収ピークを有する非水溶性のアシルフォスフィン紫外線重合開始剤)
・マゼンタ顔料水性分散液(Cabot社製:顔料濃度10質量%):25質量部
・グリセリン: 5質量部
・オルフィンE1010(日信化学社製): 1.0質量部
・純水: 2.45質量部
上記組成の材料を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、マゼンタ色の紫外線硬化型水性インクを得た。
[実施例9]
−インクの調製−
・成分内包オリゴマーエマルションA: 47.5質量部
・成分内包オリゴマーエマルションB: 2.5質量部
・シアン顔料水性分散液(Cabot社製:顔料濃度10質量%): 25質量部
・グリセリン: 7質量部
・オルフィンE1004(日信化学社製): 1.0質量部
・純水: 17質量部
上記組成の材料を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、シアン色の紫外線硬化型水性インクを得た。
[実施例10]
−インクの調製−
・成分内包オリゴマーエマルションA: 45質量部
・成分内包オリゴマーエマルションB: 5質量部
・シアン顔料水性分散液(Cabot社製:顔料濃度10質量%): 25質量部
・グリセリン: 3質量部
・オルフィンE1010(日信化学社製): 2.0質量部
・純水: 20質量部
上記組成の材料を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、シアン色の紫外線硬化型水性インクを得た。
[比較例6]
−成分内包オリゴマーエマルションJの調製−
ウレタンアクリレートオリゴマー水性エマルション(紫外線重合性化合物成分25質量%): 100質量部に、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン(波長305nmに吸収ピークを有する非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤): 0.3質量部、及び2−イソプロピルチオキサントン(波長385nmに吸収ピークを有する非水溶性の増感剤): 6質量部を加えた後、撹拌して、エマルジョン液を得た。得られたエマルジョン液に対して、超音波ホモジナイザーにより、機械乳化を行い、紫外線重合開始剤及び増感剤を内包した成分内包オリゴマー水性エマルションJを得た。
ここで、エマルジョン液は、超音波ホモジナイザーによる超音波照射前は、紫外線重合開始剤及び増感剤が沈降していたが、超音波照射後は沈降物の存在が確認されなかった。超音波照射前のエマルションの粒径は38.7nm、超音波照射後のエマルションの粒径は45.8nmであった。
−インクの調製−
・成分内包オリゴマーエマルションJ: 60質量部
・シアン顔料水性分散液(Cabot社製:顔料濃度10質量%): 25質量部
・グリセリン: 3質量部
・オルフィンE1010(日信化学社製): 1.5質量部
・純水: 10.5質量部
上記組成の材料を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、シアン色の紫外線硬化型水性インクを得た。
[実施例11]
−成分内包オリゴマー水性エマルションKの調製−
ウレタンアクリレートオリゴマー水性エマルション(紫外線重合性化合物成分35質量%:ダイセルサイテック社製): 100質量部に、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、(波長320nmに吸収ピークを有する非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤): 3.5質量部、及び2,4−ジエチルチオキサントン(波長380nmに吸収ピークを有する非水溶性の増感剤):2.8質量部を加え、さらに純水25質量部を加えた後、撹拌して、エマルジョン液を得た。得られたエマルジョン液に対して、超音波ホモジナイザーにより、機械乳化を行い、紫外線重合開始剤及び増感剤を内包した成分内包オリゴマー水性エマルションKを得た。
ここで、エマルジョン液は、超音波ホモジナイザーによる超音波照射前は、紫外線重合開始剤及び増感剤が沈降していたが、超音波照射後は沈降物の存在が確認されなかった。超音波照射前のエマルションの粒径は38.7nmであり、超音波照射後のエマルションの粒径は45.7nmであった。
−インクの調製−
・成分内包オリゴマー水性エマルションK: 60質量部
・シアン顔料水性分散液(Cabot社製:顔料濃度10質量%): 25質量部
・グリセリン: 3質量部
・サーフィノール 485(日信化学社製): 1.5質量部
・純水: 10.5質量部
上記組成の材料を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、シアン色の紫外線硬化型水性インクを得た。
[実施例12]
−成分内包オリゴマー水性エマルションLの調製−
ウレタンアクリレートオリゴマー水性エマルション(紫外線重合性化合物成分35質量%:ダイセルサイテック社製): 100質量部に、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン (波長320nmに吸収ピークを有する非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤): 7.0質量部、及び2,4−ジエチルチオキサントン(波長380nmに吸収ピークを有する非水溶性の増感剤):4.2質量部を加え、さらに純水25質量部を加えた後、撹拌して、エマルジョン液を得た。得られたエマルジョン液に対して、超音波ホモジナイザーにより、機械乳化を行い、紫外線重合開始剤及び増感剤を内包した成分内包オリゴマー水性エマルションLを得た。
ここで、エマルジョン液は、超音波ホモジナイザーによる超音波照射前は、紫外線重合開始剤及び増感剤が沈降していたが、超音波照射後は沈降物の存在が確認されなかった。超音波照射前のエマルションの粒径は37.5nmであり、超音波照射後のエマルションの粒径は48.9nmであった。
−インクの調製−
・成分内包オリゴマー水性エマルションL: 60質量部
・マゼンタ顔料水性分散液(Cabot社製:顔料濃度10質量%): 20質量部
・ジエチレングリコール: 7質量部
・オルフィンE1004(日信化学社製): 1.0質量部
・純水: 12質量部
上記組成の材料を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、シアン色の紫外線硬化型水性インクを得た。
[評価]
各例で得られた紫外線硬化型水溶性インクについて、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
−オフセット評価−
各例で得られた紫外線硬化型水溶性インクを、連帳機により搬送速度20mm/sで搬送するロール紙上にライン上の画像を連続印字した後、395nmの発光波長を有するUV−LEDランプにより積算光量10J/cm条件で紫外線を照射した後、ロール紙を巻き取った。そして、ロール巻き取り状態で放置後、印字裏面側のオフセットレベルを評価した。評価基準は以下の通りである。
G1(◎):オフセットなし
G2(○):僅かにオフセットあり
G3(△):多少のオフセットあり
G4(×):明らかなオフセットあり、裏写りにより表画像の画質が劣化。
−インク保存安定性評価−
各例で得られた紫外線硬化型水溶性インクを40℃で1か月間保管した後、インクの状態及び物性について調べた。
G1(○):インクの作製直後と保管後とで、インクの状態及び物性に変化なし
G2(×):保管後のインクに、沈降物の発生及び物性変化が見られた。
−耐水性評価−
各例で得られた紫外線硬化型水性インクをスリットコーターによりOHP(overhead projector)シート上に厚さ約18μmの膜厚で塗布した後、UVオーブン(光源:395nmの発光波長を有するUV−LEDランプ)にて塗膜を十分に硬化させ、硬化後の硬化膜に水を滴下し、滴下後水滴を拭き取った後の硬化膜を評価した。評価基準は以下の通りである。
G1(○): 硬化膜の乱れなし
G2(×): ふき取った布にインクが付着し、硬化膜の乱れあり
−画像強度評価−
各例で得られた紫外線硬化型水溶性インクを、スリットコーターによりOHPシート上に厚さ約18μmの膜厚で塗布した後、395nmの発光波長を有するUV−LEDランプにより積算光量10J/cm条件で紫外線を照射した後、荷重約100kg/m2で未印字のアート紙により画像部をこすり、画像のはがれ具合を評価した。評価基準は以下の通りである。
G1(○):画像はがれが確認できなかった。
G2(△):アート紙側に僅かに画像の付着は見られたが、画像の乱れは確認できなかった。
G3(×):画像の乱れを確認。
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、オフセット評価、インク保存安定性評価について共に優れた結果が得られたことがわかる。
また、本実施例は、耐水性評価についても優れた結果が得られたことがわかる。
また、実施例3は、実施例1に比べ、画像強度評価も優れた結果が得られたことがわかる。
12 インクジェット記録装置
14 筐体
16 給紙容器
18 取り出しロール
20 搬入ローラ対
22 搬入経路
24 駆動ロール
26 従動ロール
28 搬送ベルト
30 記録ヘッド
30A インクカートリッジ
32 帯電ロール
34 剥離板
36 排出経路
38 排出ローラ対
40 排紙容器
50紫外線照射装置
P 用紙

Claims (6)

  1. 自己分散型の紫外線重合性化合物としてウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、
    前記紫外線重合性化合物に対して2質量%以上45質量%で含まれ、非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤と、
    前記紫外線重合性化合物に対して1質量%以上20質量%で含まれ、375nm以上450nm以下の波長領域の紫外線に吸収を持つ非水溶性の増感剤と、
    水と、
    を含む紫外線硬化型水性インク。
  2. 更に、非水溶性のアシルホスフィン紫外線重合開始剤を前記紫外線重合性化合物に対して2質量%以上50質量%含む請求項1に記載の紫外線硬化型水性インク。
  3. 更に、水溶性の紫外線重合性化合物を含む請求項1又は2に記載の紫外線硬化型水性インク。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線硬化型水性インクを収容したインクカートリッジ。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線硬化型水性インクを吐出する吐出装置と、
    吐出された前記紫外線硬化型水性インクに対して、375nm以上450nm以下の波長領域の紫外線を照射する紫外線照射装置と、
    を備える記録装置。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線硬化型水性インクを吐出する工程と、
    吐出された前記紫外線硬化型水性インクに対して、375nm以上450nm以下の波長領域の紫外線を照射する工程と、
    を有する記録方法。
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