JP5258429B2 - インク組成物、及び、それを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
一方、インクジェット方式は、安価な装置で、且つ、必要とされる画像部のみにインクを吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安い。さらに、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
このため、低出力の放射線に対しても高感度で硬化し、高画質の画像を形成することができ、且つ、保存安定性、吐出安定性が良好な、水系活性放射線硬化型インクジェット記録用として好適に用いられるインク組成物が切望されている。
即ち、本発明の構成は以下に示すとおりである。
[1] (A)下記一般式(I−C)で示される増感色素と、(B)重合開始剤と、(C)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物と、(D)水と、を含有し、該(C)重合性化合物がインク組成物中で、エマルジョン状態で存在することを特徴とするインク組成物。
[2] 前記(B)重合開始剤として、α−アミノケトン類及びアシルフォスフィンオキシド類からなる群より選択される1種以上の化合物を含む[1]に記載のインク組成物。
[3] さらに、(E)着色剤として顔料を含有する[1]または[2]に記載のインク組成物。
[4] 前記(C)重合性化合物のエマルジョン粒径が50nm〜500nmである[1]〜[3]のいずれか1つに記載のインク組成物。
[5] インクジェット記録用である[1]〜[4]のいずれか1つに記載のインク組成物。
[6] (a)被記録媒体上に [5]に記載のインク組成物を吐出する工程、及び(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、インク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明に用いられる一般式(I)で表される増感色素は、三重項励起エネルギーが高く、併用する重合開始剤、特に、本発明の好ましい態様において用いられるα−アミノケトン類やアシルフォスフィンオキシド類等の重合開始剤に対して効率良く三重項エネルギー移動を起こし、高感度で開始種を発生しうるために、水性媒体中にエマルジョン状態で存在する重合性化合物を、高感度で硬化しうるものと考えられる。また、このような機構で増感する増感色素として一般的に使用されるチオキサントン系化合物よりも結晶性が低く析出しにくいため、インク組成物の溶液としての安定性に優れ、且つ、これを含有するインク組成物をインクジェット記録用として用いた場合、優れた吐出安定性が得られるものと考えられる。
このように、本発明においては、高感度化と、溶液安定性、吐出安定性を並立しうるものと考えられる。
まず、本発明の水性インク組成物の特徴、及び、水性の活性エネルギー線硬化型インク組成物の主たる応用例である、水性インクジェット方式による画像記録の作用・効果について説明する。
本発明に使用可能な活性放射線としては、以下に詳述するように、紫外線・電子線等が挙げられるが、以降、特に好適な紫外線を使用した例を用いて説明する場合がある。しかしこれは、本発明に適用しうる活性エネルギー線が紫外線に限定されることを意味するものではない。
本発明のインク組成物は、(A)一般式(I)で示される増感色素(以下、特定増感色素と称する)と、(B)重合開始剤と、(C)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物と、(D)水と、を含有し、該(C)重合性化合物がインク組成物中で、エマルジョン状態で存在することを特徴とする。
本発明のインク組成物は、活性放射線によって分解されてラジカルを発生し、重合性化合物の重合を開始させる重合開始剤を含む。
重合開始剤としては、一般に光重合開始剤として知られている任意の化合物、例えば、(i)芳香族ケトン類、(ii)芳香族オニウム塩化合物、(iii)有機過酸化物、(iv)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(v)ケトオキシムエステル化合物、(vi)ボレート化合物、(vii)アジニウム化合物、(viii)メタロセン化合物、(ix)活性エステル化合物、(x)炭素ハロゲン結合を有する化合物等を適宜選択して用いることができるが、硬化感度の観点から、α−アミノケトン類及びアシルフォスフィンオキシド類からなる群より選択される1種以上の重合開始剤を含むことが好ましく、α−アミノケトン類と、アシルフォスフィンオキシド類とを、共に含むことがとくに好ましい。
R1DとR2Dはそれぞれ独立して炭素数1〜8のアルキル基である。R1DとR2Dは互いに結合して炭素数2〜9のアルキレン基を構成してもよい。R3DとR4Dはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ置換された炭素数2〜4のアルキル基、又は、炭素数3〜5のアルケニル基を表す。ここで、R3DとR4Dとは互いに結合して炭素数3〜7のアルキレン基を形成してもよく、そのアルキレン基は、アルキレン鎖中に、−O−あるいは−N(R12)−を含むものであってもよく、ここでR12は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
R7EとR8Eはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ置換された炭素数2〜4のアルキル基、又は、炭素数3〜5のアルケニル基を表す。ここで、R7EとR8Eとは互いに結合して炭素数3〜7のアルキレン基を形成してもよく、そのアルキレン基は、アルキレン鎖中に、−O−あるいは−N(R12)−を含むものであってもよい。ここで、R12は前記したものと同義である。
(B)重合開始剤を水相中に存在させる場合には、重合開始剤として、分子内にカルボキシル基(その塩を含む)、スルホ基(その塩を含む)、エチレンオキシ基などの親水性の置換基を有する、水溶性の化合物を選択して用いればよい。
感度の観点から、(B)重合開始剤は(C)重合性化合物と同一の相に存在することが好ましい。
他の重合開始剤としては、例えば、カンファーキノン、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、アセトフェノン、アセトフェノン誘導体、例えば、α−ヒドロキシシクロアルキルフェニルケトン類又は2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパノン、ジアルコキシアセトフェノン類、α−ヒドロキシ−又は4−アロイル−1,3−ジオキソラン類、ベンゾインアルキルエーテル類及びベンジルケタール類、例えば、ベンジルジメチルケタール、グリオキサル酸フェニル及びその誘導体、二量体グリオキサル酸フェニル、ペルエステル類、例えば、ベンゾフェノンテトラカルボン酸ペルエステル類(例えば、EP 1126,541に記載されるような)、ハロメチルトリアジン類、例えば、2−〔2−(4−メトキシ−フェニル)−ビニル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−(4−メトキシ−フェニル)−4,6−ビス−トリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−4,6−ビス−トリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−メチル−4,6−ビス−トリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、ヘキサアリールビスイミダゾール/共同開始剤系、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾールと組合せたオルト−クロロヘキサフェニル−ビスイミダゾール;フェロセニウム化合物又はチタノセン類(titanocenes)、例えば、ジシクロペンタジエニル−ビス(2,6−ジフルオロ−3−ピロロ−フェニル)チタン;例えば、GB 2,339,571に記載されるようなo−アシルオキシムエステル化合物との混合物を使用することもできる。共同開始剤として、ホウ酸化合物を使用することもできる。
本発明のインク組成物は、重合開始剤の活性光線照射による分解を促進させるために増感色素を含有するが、その増感色素として、下記一般式(I)で表される化合物を必須成分として含有する。
一般に、増感色素は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感色素は、重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用を生じ、これにより重合開始剤の化学変化、即ち、分解、ラジカル、酸或いは塩基等の活性種の生成を促進させ、ここで発生した活性種が後述する重合性化合物の重合、硬化反応を生起、促進させるものである。
〔一般式(I)で示される増感色素〕
本発明のインク組成物は、下記一般式(I)で表される化合物に属する1種以上の特定増感色素を含有し、(A)下記一般式(I−C)で示される増感色素を必須に含有することを要する。
Xとしては、O又はSであることが好ましく、Sであることがより好ましい。ここで、nが0の場合、R7及びR8と結合した炭素原子(CR7R8)は存在せず、ヘテロ原子を含むXと、R5及びR6と結合した炭素原子と、が直接結合して、Xを含む5員のヘテロ環を構成することになる。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8が1価の置換基を表す場合の、1価の置換基としては、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホリル基、アシル基、カルボキシル基又はスルホ基などが挙げられ、なかでも、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子である。
同様に、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基のような炭素数1〜4個のものが好ましく挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
これらが環を形成する場合の環構造としては、5〜6員環の脂肪族環、芳香族環などが挙げられ、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士がさらに組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。さらにこれらの環構造は、前記一般式(I)において、R1乃至R8が1価の置換基を表す場合に例示した置換基をさらに有していてもよい。形成された環構造が複素環である場合のヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。
R1C、R2C、R3C、及び、R4Cは、それぞれ隣接する2つが互いに縮合して5〜6員環の脂肪族環、芳香族環を形成していてもよく、これらの環は、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士がさらに組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。さらにこれらの環構造は、前記一般式(I)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8が1価の置換基を表す場合に例示した各置換基をさらに有していてもよい。環構造が複素環の場合、ヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。R5CまたはR6Cと、R7CまたはR8Cは互いに連結して脂肪族環を形成してもよいが、芳香族環を形成することはない。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができ、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
R1C、R2C、R3C、R4C、R5C、R6C、R7C、及びR8Cのいずれかがアルコキシカルボニル基である場合、そのアルコキシカルボニル基としては炭素数2〜10個の脂肪族アルコキシカルボニル基が好ましく、炭素数が2〜5個のアルコキシカルボニル基がより好ましい。
なお、この特定増感色素は、可視光領域における吸収が殆どないため、効果を発現しうる量を添加してもインク組成物の色相に影響を与える懸念がないという利点をも有するものである。含有量について、前記(B)重合開始剤との関連において述べれば、重合開始剤(特定重合開始剤と他の重合開始剤との総量):特定増感色素の質量比で200:1〜1:200、好ましくは、50:1〜1:50、より好ましくは、20:1〜1:5の量で含まれることが好適である。
(A)特定増感色素を水相中に存在させる場合には、該増感色素の分子内に、カルボキシル基(その塩を含む)、スルホ基(その塩を含む)、エチレンオキシ基などの親水性の置換基を導入して水溶性としたものを用いればよい。
本発明においては、(A)特定増感色素は(C)重合性化合物と同一の相に存在することが、感度の観点から好ましい。
このとき、(A)特定増感色素は(C)重合性化合物に可溶であることが好ましい。ここで、可溶であるとは、(A)特定増感色素が室温(25℃)で、(C)重合性化合物に1質量%以上溶解することを意味し、3質量%以上溶解することが好ましい。(A)特定増感色素の析出を防止する観点からは、(A)特定増感色素の使用量は(C)重合性化合物に対する溶解量の上限未満であることが好ましく、具体的には、70質量%以下であることがより好ましい。
本発明においては、前記した特定増感色素に加え、公知の増感色素を本発明の効果を損なわない限りにおいて併用することができる。その他の増感色素は、特定増感色素に対して、特定増感色素:他の増感色素の質量比で1:5〜100:1、好ましくは、1:1〜100:1、より好ましくは、2:1〜100:1の量で添加することが可能である。
併用しうる公知の増感色素の例としては、ベンゾフェノン、チオキサントン、特にまたイソプロピルチオキサントン、アントラキノン及び3−アシルクマリン誘導体、ターフェニル、スチリルケトン及び3−(アロイルメチレン)チアゾリン、ショウノウキノン、エオシン、ローダミン及びエリスロシンなどが挙げられる。
(1)チオキサントン
チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、2,4−ジ−エチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−メトキシカルボニルチオキサントン、2−エトキシカルボニルチオキサントン、3−(2−メトキシエトキシカルボニル)チオキサントン、4−ブトキシカルボニルチオキサントン、3−ブトキシカルボニル−7−メチルチオキサントン、1−シアノ−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−エトキシチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−アミノチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−フェニルスルフリルチオキサントン、3,4−ジ−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシカルボニル〕チオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−(1−メチル−1−モルホリノエチル)チオキサントン、2−メチル−6−ジメトキシメチルチオキサントン、2−メチル−6−(1,1−ジメトキシベンジル)チオキサントン、2−モルホリノメチルチオキサントン、2−メチル−6−モルホリノメチルチオキサントン、n−アリルチオキサントン−3,4−ジカルボキシミド、n−オクチルチオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、N−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)チオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、1−フェノキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メトキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メチルチオキサントン、チオキサントン−2−ポリエチレングリコールエステル、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロリド;
ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−(4−メチルチオフェニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチル−2−ベンゾイルベンゾアート、4−(2−ヒドロキシエチルチオ)ベンゾフェノン、4−(4−トリルチオ)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N,N−トリメチルベンゼンメタンアミニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロリド一水和物、4−(13−アクリロイル−1,4,7,10,13−ペンタオキサトリデシル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−〔2−(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ〕エチルベンゼンメタンアミニウムクロリド;
3−ベンゾイルクマリン、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジ(プロポキシ)クマリン、3−ベンゾイル−6,8−ジクロロクマリン、3−ベンゾイル−6−クロロクマリン、3,3’−カルボニルビス〔5,7−ジ(プロポキシ)クマリン〕、3,3’−カルボニルビス(7−メトキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−イソブチロイルクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジメトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジエトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジブトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジ(メトキシエトキシ)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジ(アリルオキシ)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−イソブチロイル−7−ジメチルアミノクマリン、5,7−ジメトキシ−3−(1−ナフトイル)クマリン、5,7−ジメトキシ−3−(1−ナフトイル)クマリン、3−ベンゾイルベンゾ〔f〕クマリン、7−ジエチルアミノ−3−チエノイルクマリン、3−(4−シアノベンゾイル)−5,7−ジメトキシクマリン;
3−メチル−2−ベンゾイルメチレン−β−ナフトチアゾリン、3−メチル−2−ベンゾイルメチレンベンゾチアゾリン、3−エチル−2−プロピオニルメチレン−β−ナフトチアゾリン;
9,10−ジメトキシ−アントラセン、9,10−ジエトキシ−アントラセン、9,10−ジメトキシ−2−エチル−アントラセン、
アセトフェノン、3−メトキシアセトフェノン、4−フェニルアセトフェノン、ベンジル、2−アセチルナフタレン、2−ナフトアルデヒド、9,10−ナフトラキノン、9−フルオレノン、ジベンゾスベロン、キサントン、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン、α−(パラ−ジメチルアミノベンジリデン)ケトン、例えば、2−(4−ジメチルアミノベンジリデン)インダン−1−オン又は3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−インダン−5−イルプロペノン、3−フェニルチオフタルイミド、N−メチル−3,5−ジ(エチルチオ)フタルイミド。
本発明のインク組成物には、(C)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物(以下、適宜、「重合性化合物」と称する)を含有する。
エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物は、インク組成物中にエマルジョン状態で存在していることが本発明の特徴の1つであるが、このような重合性化合物としては、アクリロイル、メタクリロイル基を有する化合物等、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも一つ以上を有する化合物が用いられる。
水を主成分とする溶媒中でエマルジョン状態を形成するには、常温(25℃)常圧で固体であるか、或いは、親油性、疎水性の物性を有し、水に溶解しない重合性化合物を選択することを要する。
本発明において、水に溶解しないとは、室温(25℃)での水に対する溶解性が5質量%未満であることを指し、本発明においては、溶解性が2質量%未満のものを用いることが好ましく、より好ましくは溶解性が1質量%未満の化合物である。
本発明におけるエマルジョンの粒度分布測定法としては、光学顕微鏡法、共焦点レーザー顕微鏡法、電子顕微鏡法、原子間力顕微鏡法、静的光散乱法、レーザー回折法、動的光散乱法、遠心沈降法、電気パルス計測法、クロマトグラフィー法、超音波減衰法等が知られており、それぞれの原理に対応した装置が市販されている。
本発明のインク組成物において(C)重合性化合物として好適に用いられるアクリレート類は、単官能であっても。多官能であってもよく、例えば、以下に示す化合物を挙げることができる。
(単官能アルキルアクリレート類の例)
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート。
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート。
2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,6−ジブロモ−4−ブチルフェニルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノール3EO付加アクリレート。
2−メトキシエチルアクリレート、1,3−ブチレングリコールメチルエーテルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400アクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、クレジルポリエチレングリコールアクリレート、p−ノニルフェノキシエチルアクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、グリシジルアクリレート。
β−カルボキシエチルアクリレート、こはく酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート。
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、モルホリノエチルアクリレート、トリメチルシロキシエチルアクリレート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性−2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート。
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200ジアクリレート、ポリエチレングリコール#300ジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジアクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO(プロピレンオキサイド)変性ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールビス(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル)エーテル、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノベンゾエート、ビスフェノールAジアクリレート、EO(エチレンオキサイド)変性ビスフェノールAジアクリレート、PO変性ビスフェノールAジアクリレート、水素化ビスフェノールAジアクリレート、EO変性水素化ビスフェノールAジアクリレート、PO変性水素化ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールFジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、PO変性ビスフェノールFジアクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート。
グリセリンPO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε−カプロラクトン変性トリアクリレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレートトリプロピオネート。
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルテトラアクリレート、トリス(アクリロイルオキシ)ホスフェート。
本発明のインク組成物において(C)重合性化合物として好適に用いられるメタクリレート類は、単官能であっても。多官能であってもよく、例えば、以下に示す化合物を挙げることができる。
(単官能アルキルメタクリレート類の例)
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート。
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート。
2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1H−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、2,6−ジブロモ−4−ブチルフェニルメタクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチルメタクリレート、2,4,6−トリブロモフェノール3EO付加メタクリレート。
2−メトキシエチルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、メトキシトリプロピレングリコールメタクリレート、メトキシポリプロピレングリコールメタクリレート、エトキシジエチレングリコールメタクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、クレジルポリエチレングリコールメタクリレート、p−ノニルフェノキシエチルメタクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、グリシジルメタクリレート。
β−カルボキシエチルメタクリレート、こはく酸モノメタクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート。
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート、トリメチルシロキシエチルメタクリレート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性−2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート。
1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール#200ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#300ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#400ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#600ジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジメタクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールビス(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)エーテル、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールジメタクリレートモノベンゾエート、ビスフェノールAジメタクリレート、EO変性ビスフェノールAジメタクリレート、PO変性ビスフェノールAジメタクリレート、水素化ビスフェノールAジメタクリレート、EO変性水素化ビスフェノールAジメタクリレート、PO変性水素化ビスフェノールAジメタクリレート、ビスフェノールFジメタクリレート、EO変性ビスフェノールFジメタクリレート、PO変性ビスフェノールFジメタクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジメタクリレート、トリシクロデカンジメチロールジメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジメタクリレート。
グリセリンPO変性トリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリメタクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε−カプロラクトン変性トリメタクリレート、1,3,5−トリメタクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレートトリプロピオネート。
ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、オリゴエステルテトラメタクリレート、トリス(メタクリロイルオキシ)ホスフェート。
<アリレート類の化合物例>
アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、イソシアヌル酸トリアリレート。
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、メタクリロイルモルホリン。
スチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−t−ブトキシカルボニルスチレン、p−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン。
酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバル酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、アジピン酸ジビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等。
本発明のインク組成物は、主たる溶媒として水を含有する。
水としては、不純物を含まないイオン交換水、蒸留水などを用いることが好ましい。
本発明のインク組成物における水の含有量は、10〜97質量%であることが好ましく、また、インクジェット記録用のインク組成物の場合には、30〜95質量%であることが好ましく、50〜95質量%であることがより好ましい。
本発明の水性インク組成物は、主たる溶剤として水を含有するが、目的に応じて、溶媒中に、さらに、水溶性有機溶媒を併用することが好ましい。
本発明で用いることのできる水溶性有機溶媒としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。好ましい水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類が挙げられる。さらに、多価アルコールと多価アルコールエーテルを併用することが、特に好ましい。
本発明のインク組成物を、平版印刷版の画像部形成などの用途に適用する場合には、特に着色画像を形成することは必須ではなく、このようなインクとしての用途においては、特に着色剤は必要ないが、インク組成物により形成された画像部の視認性を向上するため、或いは、インク組成物を用いて着色画像を形成しようとするときは、着色剤を含有することができる。
本発明において(E)着色剤として用いうる顔料としては、従来公知の有色有機あるいは有色無機顔料を用いることができる。
例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。
極性基としては、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、燐酸基、硼酸基、水酸基が挙げられるが、好ましくはスルホン酸基、カルボン酸基であり、更に好ましくは、スルホン酸基である。
前述したように本発明のインク組成物には着色剤として油溶性染料を含んでいてもよい。
本発明で使用することのできる油溶性染料について説明する。
本発明で使用することのできる油溶性染料とは、水に実質的に不溶な染料を意味する。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解できる染料の質量)が1g以下であり、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下であるものを指す。従って、油溶性染料とは、所謂水に不溶性の顔料や油溶性色素を意味し、これらの中でも油溶性色素が好ましい。
これらの中で特に好ましいものは、Nubian Black PC−0850、Oil Black HBB、Oil Yellow 129、Oil Yellow 105、Oil Pink 312、Oil Red 5B、Oil Scarlet 308、Vali Fast Blue 2606、Oil Blue BOS(オリエント化学(株)製)、Aizen Spilon Blue GNH(保土ヶ谷化学(株)製)、NeopenYellow 075、Neopen Mazenta SE1378、Neopen Blue 808、Neopen Blue FF4012、Neopen Cyan FF4238(BASF社製)等である。
また、着色剤として油溶性染料を使用する場合には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、他の水溶性染料、分散染料、顔料等の着色剤を併用することもできる。
本発明のインク組成物に用いることができる水溶性染料について説明する。
色材として染料を用いた場合は、上記顔料を用いた場合とは異なり、活性エネルギー線照射による退色が全く無い状態で使用することは困難であり、多少は退色を伴う。この理由から、インクの色材として染料を適用する場合には、金属イオンで錯体を形成している、いわゆるアゾ含金染料を用いることが、退色が少ないので好ましい。
本発明のインク組成物には、必須成分である(A)成分〜(D)成分、さらに(E)着色剤に加えて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、公知の添加剤を併用することができる。以下、インク組成物に使用しうる添加剤について説明する。
本発明のインク組成物には、界面活性剤を添加することができる。好ましく使用される界面活性剤としては、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
本発明のインク組成物には、ラテックスを添加することができる。本発明に用いうるラテックスとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、シリコン−アクリル共重合体およびアクリル変性フッ素授脂等のラテックスが挙げられる。ラテックスは、乳化剤を用いてポリマー粒子を分散させたものであっても、また乳化剤を用いないで分散させた所謂ソープフリーラテックスであってもよい。乳化剤としては界面活性剤が多く用いられるが、スルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な基を有するポリマー(例えば、可溶化基がグラフト結合しているポリマー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部分を持つ単量体とから得られるポリマー)を用いることも好ましい。
本発明のインク組成物には、水性ポリマーを添加することができる。
水性ポリマーの好ましい例としては、天然高分子が挙げられ、その具体例としては、にかわ、ゼラチン、ガゼイン、若しくはアルブミンなどのたんぱく質類、アラビアゴム、若しくはトラガントゴムなどの天然ゴム類、サボニンなどのグルコシド類、アルギン酸及びアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、若しくはアルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、若しくはエチルヒドロキシルセルロースなどのセルロース誘導体が挙げられる。
本発明のインク組成物は、前記(C)重合性化合物がインク組成物中にエマルジョン状態で存在することを特徴とするが、このようなインク組成物を調製するためには、まず、非水性相を調製し、それを常法により水性媒体中に分散させてエマルジョンを調製すればよい。
ここで、非水性相には、少なくとも重合性化合物を含有し、これと相溶して均一な相を形成する重合開始剤、特定増感色素などをさらに含有することが好ましい。
また、水性媒体(水相)中には、分散安定性向上のため、水溶性ポリマー、界面活性剤などを含有することが好ましい。
予め調製された非水性相形成用の組成物を水性溶媒に分散させ、重合性化合物をエマルジョン状態とするが、エマルジョンの形成は、公知の方法や装置を用いて行うことができ、超音波分散法、高圧乳化法などを適用することができ、用いる装置としては、超音波分散装置、マイクロミキサー、マイクロリアクターなどを適宜使用することができる。
また、エマルジョンの粒径の調製は、乳化時の攪拌条件(剪断力・温度・圧力)、分散装置の使用条件、非水性相と水性媒体相の比率などを適宜調整することで行うことができる。
これらのなかでも、保存安定性に優れ、水を主成分として比較的低粘度である本発明のインク組成物は、インクジェット記録用途に使用した場合、その効果が著しいといえる。
即ち、本発明の水性インク組成物をインクジェット方式に用いるためには、その粘度が水性溶媒により適正な範囲に維持されると共に、表面張力も最適化される。さらに、吐出安定性の観点からは、本発明の好ましい態様においては、エマルジョン状態で存在する重合性化合物と重合開始剤や増感色素が同じ相中に共存するため、良好な吐出性が達成され、このような化合物が水溶性溶媒に溶解している場合と異なり、硬化に関与する成分の溶媒中での析出による吐出性低下の懸念がないという利点をも有する。
本発明でいうインク粘度(mPa・s)は、JIS Z 8809に規定されている粘度計校正用標準液で検定されたものであれば特に制限はなく、公知の方法に従って50℃で測定した粘度値であり、粘度測定装置としては、回転式、振動式や細管式の粘度計を用いることができ、例えば、Saybolt粘度計、Redwood粘度計等で測定でき、例えば、トキメック社製、円錐平板型E型粘度計、東機産業社製のE Type Viscometer(回転粘度計)、東京計器社製のB型粘度計BL、山一電機社製のFVM−80A、Nametore工業社製のViscoliner、山一電気社製のVISCO MATE MODEL VM−1A、同DD−1等を挙げることができる。
ここで、インク組成物の表面張力(mN/m)は、50℃で測定した表面張力で値であり、一般的な界面化学、コロイド化学の参考書等において述べられているが、例えば、新実験化学講座第18巻(界面とコロイド)、日本化学会編、丸善株式会社発行:P.68〜117を参照することができ、具体的には、輪環法(デュヌーイ法)、白金プレート法(ウィルヘルミー法)を用いて求めることができるが、本発明においては、白金プレート法により測定した表面張力値(N/m)で表し、例えば、協和界面科学製の表面張力計CBVP−Zを使用して測定できる。
本発明に用いられる記録媒体は、アルミニウム、鉄、銅の如き金属、塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチック、ガラスの如きセラミックス、木材、紙、印刷紙、繊維などである。
そのような記録媒体の基材もまたインク非吸収性であることが好ましい。ここで「インク非吸収性」とは、紙等の繊維状のものでインクを吸収させたり、フィルム上にインク吸収層として、インクを吸収して膨潤する樹脂を用いたり、フィラーや樹脂粒子を用いて層内に空隙を設けたりしたインク吸収層を持たないことを言う。具体的には、一般的に軟包装材料として用いられるものが好ましい。軟包装材料の材質としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−p−フェニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロンが好ましい。又、これらの共重合体やブレンド物、更には架橋したものを用いることもできる。中でも延伸したポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ナイロンが透明性、寸法安定性、剛性、環境負荷、コストの面で好ましい。フィルムの厚みは2〜100μm、好ましくは6〜45μm、更に好ましくは10〜30μmである。
次に、本発明のインクジェット記録方法、及び当該方法に適用しうるインクジェット記録装置について説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明の前記インク組成物をインクジェット記録用として被記録媒体(支持体、被記録材料等)上に吐出し、被記録媒体上に吐出されたインク組成物に活性放射線を照射し、インクを硬化して画像を形成する方法である。
本発明のインクジェット記録方法は、上記(a)及び(b)工程を含むことにより、被記録媒体上において硬化したインク組成物により画像が形成される。
<インクジェット記録装置>
本発明の記録方法に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成しうる公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。即ち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェット記録方法の(a)工程における被記録媒体へのインクの吐出を実施することができる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、1〜100pl、好ましくは、8〜30plのマルチサイズドットを例えば、320×320〜4000×4000dpi、好ましくは、400×400〜1600×1600dpi、より好ましくは、720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
被記録媒体上に吐出されたインク組成物は、活性放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれる重合開始剤が活性放射線の照射により分解して、ラジカル、酸、塩基などの開始種を発生し、その開始種の機能により、特定の単官能(メタ)アクリル酸誘導体や所望により併用される他の重合性化合物の重合反応が、生起、促進されてインク組成物が硬化するためである。このとき、インク組成物において重合開始剤とともに増感色素が存在すると、系中の増感色素が活性放射線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させる。
また、本発明では、重合開始系は、低出力の活性放射線であっても充分な感度を有するものである。従って、活性放射線の出力は、2,000mJ/cm2以下であることが好ましく、より好ましくは、10〜2,000mJ/cm2であり、さらに好ましくは、20〜1,000mJ/cm2であり、特に好ましくは、50〜800mJ/cm2である。
また、活性放射線は、露光面照度が、例えば、10〜2,000mW/cm2、好ましくは、20〜1,000mW/cm2で照射されることが適当である。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性放射線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性放射線源は、UV−LEDであり、特に好ましくは、350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
また、LEDの被記録媒体上での最高照度は10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、特に好ましくは50〜800mW/cm2である。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インクの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク着弾後、一定時間(例えば、0.01〜0.5秒、好ましくは、0.01〜0.3秒、より好ましくは、0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインクが硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えられ、その結果として臭気を低減することができる。
更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。WO99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明の記録方法に適用することができる。
このようにして、本発明インク組成物は、活性放射線の照射により高感度で硬化し、疎水性画像を被記録媒体表面上に形成する。
本発明のインク組成物は、活性放射線により高感度で硬化し、支持体との密着性や膜質に優れた疎水性領域を形成することができる。このため、着色画像の形成やマーキングなどに加え、例えば、平版印刷版の画像部の形成にも使用することができ、この用途に適用することで、高画質で耐刷性にも優れた平版印刷版を得ることも可能である。
本発明のインク組成物は、前記理由により、インクジェット記録用として優れているが、一般的に使用されるインク組成物としても有用であることはいうまでもない。
乾燥方法に関しては、特に制限はなく、公知の乾燥手段を適宜選択して用いることができ、例えば、温度湿度を制御した温風を吹き付ける方法、ヒートプレート上を搬送する方法、内部にヒーターを有する加熱ロール間を通過させる方法等を挙げることができる。このような乾燥工程を行うことで、溶媒の除去や硬化が促進され、画像形成を迅速に行うことができる。
〔イエローインク組成物の調製〕
〈顔料分散液1の調製〉
以下の化合物を混合した後、0.3mm径のジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ社製 システムゼータミニ)を用いて分散した。次いで、イオン交換水で、顔料濃度が5質量%になるまで希釈した後、限外ろ過で不純物を除いた。次いで、イオン交換処理を行い、遠心分離で粒径を揃えて、顔料分散液1を調製した。
(顔料分散液1組成)
・ C.I.ピグメントイエロー128 166g
・ 高分子分散剤(スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/n−ブチル
アクリレート/スチレンスルホン酸=64/16/15/5) 32g
・ ジエチレングリコール 180g
・ イオン交換水 1000g
ポリエステルジアクリレート(2官能 酸価10以下) 100g、イルガキュアー907(チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製) 2.0g、及び、例示化合物I−14 1.0gを、200gの酢酸エチルに溶解した後、水を500mlとドデシル硫酸ナトリウムを5g加えて、超音波分散を行った。次いで、得られた重合性化合物分散液に対し、エバポレーターを用いて酢酸エチルを蒸発除去した後、遠心分離と限外ろ過で精製及び粒径分布を調整して、重合性化合物分散液1を調製した。この重合性化合物分散液中のエマルジョンの存在は、この分散液を光学顕微鏡観察することにより確認した。エマルジョンの粒径を、動的光散乱式粒径測定装置である日機装(株)社製ナノトラックUPA-EX150にて測定したところ、0.14μmであった。
上記調製した顔料分散液1を固形分量で30g相当、上記調製した重合性化合物分散液1を330g、エチレングリコールを100g、更に粘度調整剤としてグリセリン、表面張力調整剤としてドデシル硫酸ナトリウム、pH調整剤としてアンモニアを適宜添加し、残りを水で1リットルに仕上げて、重合性化合物がエマルジョン状態で存在しているイエローインク組成物を調製した。
であった。
得られたインク組成物をポリ塩化ビニル製のシート上に印刷し、そして鉄ドープ処理した紫外線ランプ(パワー120W/cm2)の光線下で、所望の積算露光量(表2に記載)になるように搬送速度を変更して通過させることにより照射を行って、インクを硬化させ、印刷物を得た。インク組成物および印刷物の評価結果を表2に示す。
硬化における露光エネルギーを光量積算計(EIT社製UV PowerMAP)により測定した。その結果、シート上での紫外線の積算露光量は約330mJ/cm2であり、高感度で硬化していることが確認された。なお、硬化性は印刷物の表面べとつきの有無で判断し、印刷直後に普通紙(富士ゼロックス社製コピー用紙C2)を押し付け、着色液の移りが起きる場合は硬化性不良、移りが起きない場合は良好とした。
得られたインク組成物を室温で4週間保存後、ピエゾ型インクジェットノズルを有するインクジェット記録装置を用いて被記録媒体への記録を行い、常温で48時間連続印字したときの、ドット抜けおよびインクの飛び散りの有無を目視にて観察し、下記基準により評価した。結果を下記表2に示す。
○:ドット抜けまたはインクの飛び散りが発生しないか、発生が3回以下
△:ドット抜けまたはインクの飛び散りが4〜10回発生
×:ドット抜けまたはインクの飛び散りが11回以上発生
実施例1で用いた光重合性化合物分散液の組成を下記表1の組成に変更し、顔料分散液およびインク組成物の調整は実施例1と同様にしてそれぞれのインク組成物を得た。
実施例1と同様に行ったインク組成物および印刷物の評価結果を表1に併記する。
Claims (6)
- (A)下記一般式(I−C)で示される増感色素と、(B)重合開始剤と、(C)エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物と、(D)水と、を含有し、該(C)重合性化合物がインク組成物中で、エマルジョン状態で存在することを特徴とするインク組成物。
(一般式(I−C)中、R 1C 、R 2C 、R 3C 、R 4C 、R 5C 、R 6C 、R 7C 及びR 8C はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシル基またはスルホ基を表す。R 1C 、R 2C 、R 3C 、及び、R 4C は、それぞれ隣接する2つが互いに縮合して5〜6員環の脂肪族環または芳香族環を形成していてもよく、これらの環は、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士がさらに組み合わさって2核環を形成していてもよい。R 5C またはR 6C と、R 7C またはR 8C とは互いに連結して脂肪族環を形成してもよいが、芳香族環を形成することはない。) - 前記(B)重合開始剤として、α−アミノケトン類及びアシルフォスフィンオキシド類からなる群より選択される1種以上の化合物を含む請求項1に記載のインク組成物。
- さらに、(E)着色剤として顔料を含有する請求項1または請求項2に記載のインク組成物。
- 前記(C)重合性化合物のエマルジョン粒径が50nm〜500nmである請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のインク組成物。
- インクジェット記録用である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のインク組成物。
- (a)被記録媒体上に、請求項5に記載のインク組成物を吐出する工程、及び(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、インク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
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