JP2017007908A - シリコン材料及びその製造方法並びにシリコン材料を具備する二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
3CaSi2+6HCl→Si6H6+3CaCl2
3CaSi2+6HCl→Si6H6+3CaCl2
Si6H6→6Si+3H2↑
a)工程
アルゴン雰囲気下、0℃としたメタノール75gに、50gのCaSi2(Ca含有率32wt%)を加え、撹拌して、懸濁液とした。同条件下、当該懸濁液に、濃度35重量%のHCl水溶液85.5gを滴下し反応を開始した。HCl水溶液を滴下した後に、反応液から発泡が無くなったのを確認した後、さらに同条件下、合計で20時間攪拌した。反応液の溶媒に対するHClの濃度は19質量%であり、また、CaSi2とHClのモル比は1:2であった。その後、反応液を室温まで昇温し、濾過を行った。残渣を300mLの蒸留水で3回洗浄した後、300mLのエタノールで洗浄し、減圧乾燥して層状シリコン化合物を得た。これを実施例1の層状シリコン化合物とした。
実施例1の層状シリコン化合物を、O2を1体積%以下の量で含むアルゴン雰囲気下にて900℃で1時間加熱し、シリコン材料を得た。これを実施例1のシリコン材料とした。
a)工程にて、メタノール75gの代わりにエタノール0.9gを用い、CaSi2(Ca含有率32wt%)を1g、濃度35重量%のHCl水溶液を1.7g用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2の層状シリコン化合物、シリコン材料及びリチウムイオン二次電池を製造した。なお、a)工程の反応液の溶媒に対するHClの濃度は23質量%であり、また、CaSi2とHClのモル比は1:2であった。
a)工程にて、メタノール75gの代わりにエタノール9質量部と水1質量部の混合溶媒3gを用い、CaSi2(Ca含有率32wt%)を2g、濃度35重量%のHCl水溶液を3.4g用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例3の層状シリコン化合物、シリコン材料及びリチウムイオン二次電池を製造した。なお、a)工程の反応液の溶媒に対するHClの濃度は19質量%であり、また、CaSi2とHClのモル比は1:2であった。
a)工程にて、メタノール75gの代わりにエタノール2質量部と水1質量部の混合溶媒1.8gを用い、CaSi2(Ca含有率32wt%)を2g、濃度35重量%のHCl水溶液を3.4g用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例4の層状シリコン化合物、シリコン材料及びリチウムイオン二次電池を製造した。なお、a)工程の反応液の溶媒に対するHClの濃度は23質量%であり、また、CaSi2とHClのモル比は1:2であった。
a)工程にて、0℃としたメタノール75gの代わりに25℃としたエタノール21.8gを用い、CaSi2(Ca含有率32wt%)を1g、濃度35重量%のHCl水溶液を4.8g用い、合計撹拌時間を3時間とした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例5の層状シリコン化合物、シリコン材料及びリチウムイオン二次電池を製造した。なお、a)工程の反応液の溶媒に対するHClの濃度は6質量%であり、また、CaSi2とHClのモル比は1:6であった。
アルゴン雰囲気下、0℃とした濃度35重量%のHCl水溶液507gに、50gのCaSi2(Ca含有率32wt%)を加え、撹拌した。反応液から発泡が無くなったのを確認した後、さらに同条件下、合計で3時間攪拌した。その後、反応液を室温まで昇温し、濾過を行った。以後、実施例1と同様の方法で、比較例1の層状シリコン化合物、シリコン材料及びリチウムイオン二次電池を製造した。なお、CaSi2とHClのモル比は1:12であった。
a)工程にて、メタノール75gの代わりに水1.8gを用い、CaSi2(Ca含有率32wt%)を2g、濃度35重量%のHCl水溶液を3.4g用いた以外は、実施例1と同様の方法で、比較例2の層状シリコン化合物、シリコン材料及びリチウムイオン二次電池を製造した。なお、a)工程の反応液の溶媒に対するHClの濃度は23質量%であり、また、CaSi2とHClのモル比は1:2であった。
a)工程にて、エタノール21.8gの代わりに水20gを用い、濃度35重量%のHCl水溶液を2.5g用いた以外は、実施例5と同様の方法で、比較例3の層状シリコン化合物、シリコン材料及びリチウムイオン二次電池を製造した。なお、a)工程の反応液の溶媒に対するHClの濃度は4質量%であり、また、CaSi2とHClのモル比は1:3であった。
各シリコン材料につき、蛍光X線元素分析により酸のアニオン由来の元素である塩素の量を分析した。さらに、各シリコン材料につき、酸素・窒素・水素分析装置EMGA(株式会社堀場製作所)を用いて酸素量を分析した。各シリコン材料についての分析結果を表2に示す。
実施例1〜4、比較例1〜2の層状シリコン化合物を空気中に曝して観察した。また、実施例1〜4、比較例1〜2の層状シリコン化合物につき、粉末X線回折装置を用いて、回折パターンを測定した。各層状シリコン化合物の回折パターンにおけるシリコン層の間隔の回折を示す2θ=9〜13°のピークのθ、測定条件、及び、ブラッグの条件:2dsinθ=nλを用いて、シリコン層の間隔dを算出した。結果を表3に示す。また、実施例1の層状シリコン化合物の拡大した粉末X線回折チャートを図1に示し、比較例1の層状シリコン化合物の拡大した粉末X線回折チャートを図2に示す。
実施例1〜5のリチウムイオン二次電池及び比較例1〜3のリチウムイオン二次電池について、温度25℃、電流0.2mAで評価極の対極に対する電圧が0.01Vになるまで充電を行い、次いで温度25℃、電流0.2mAで評価極の対極に対する電圧が1Vになるまで放電を行った。この時の(放電容量/充電容量)×100を初期効率(%)として算出した。なお、評価例3では、評価極にLiを吸蔵させることを充電といい、評価極からLiを放出させることを放電という。
Claims (7)
- a)アルコール存在下でCaSi2と酸とを反応させ層状シリコン化合物を製造する工程、
b)前記層状シリコン化合物を300℃以上で加熱する工程、
を含むことを特徴とするシリコン材料の製造方法。 - 前記アルコールの炭化水素基の炭素数が1〜6である請求項1に記載のシリコン材料の製造方法。
- 前記アルコールがメタノールである請求項1又は2に記載のシリコン材料の製造方法。
- CaSi2と酸とのモル比が1:2〜1:6である請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコン材料の製造方法。
- a)工程の反応液における溶媒に対する酸の濃度が3〜30質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリコン材料の製造方法。
- 酸のアニオン由来の元素を0.001〜5質量%で含み、酸素を14質量%以下で含むことを特徴とするシリコン材料。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたシリコン材料、又は、請求項6に記載のシリコン材料を具備する二次電池。
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