JP2019102308A - 正極活物質 - Google Patents

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Abstract

【課題】新たな正極活物質を提供すること。【解決手段】空間群Fm−3mに帰属可能な結晶構造を示し、下記組成式(1)で表されることを特徴とする正極活物質。LixVyPzDaO2(1)(組成式(1)において、Dはドープ元素であり、x、y、z及びaは、1≦x≦1.5、0.5≦y<1、0<z≦0.5、0≦a≦0.2を満足する。)【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の正極活物質に関するものである。
リチウムイオン二次電池は小型で大容量であるため、携帯電話やノート型パソコンなどの種々の機器の電池として用いられている。リチウムイオン二次電池は、主な構成要素として、正極、負極及び電解液を備える。正極は、集電体と、該集電体の表面に形成され、正極活物質を含有する正極活物質層とを有する。
リチウムイオン二次電池の正極活物質としては、種々の材料が用いられることが知られており、また、優れた正極活物質となり得る材料が探求されている。例えば、特許文献1にて、リチウム、ニオブ、及び、鉄若しくはマンガンを含有する新たな複合酸化物が、リチウムイオン二次電池の正極活物質として使用可能なことが報告されている。
また、特許文献2にて、リチウム、マンガン及びチタンを含有する新たな複合金属酸化物が、リチウムイオン二次電池の正極活物質として使用可能なことが報告されている。特許文献3にて、リチウム、ニオブ及びバナジウムを含有する新たな複合金属酸化物が、リチウムイオン二次電池の正極活物質として使用可能なことが報告されている。さらに、非特許文献1にて、空間群R−3mに帰属可能なピークを示し、(1−x)LiVO・xLiTiO(0≦x≦0.6)で表される材料が、リチウムイオン二次電池の正極活物質として使用可能なことが報告されている。
国際公開第2014/156153号 特開2016−122549号公報 特開2016−103456号公報
Lianqi Zhang, et al., Journal of Power Sources, 174, 2007, 1007-1011
近年、産業界からは、容量に優れるリチウムイオン二次電池が求められており、それを実現するための、新たな正極活物質が求められている。
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものであり、新たな正極活物質を提供することを目的とする。
本発明者は、LiVOについての研究を行った。そして、本発明者の鋭意検討の結果、空間群R−3mに帰属可能な結晶構造を示すLiVOにLiPOを添加した混合物を、ボールミルを用いて長時間混合すると、メカノケミカル反応が進行して、新たな化合物が生成することを知見した。本発明は、本発明者のかかる知見に基づき、完成されたものである。
本発明の正極活物質は、空間群Fm−3mに帰属可能な結晶構造を示し、下記組成式(1)で表されることを特徴とする。
Li (1)
(組成式(1)において、Dはドープ元素であり、x、y、z及びaは、1≦x≦1.5、0.5≦y<1、0<z≦0.5、0≦a≦0.2を満足する。)
本発明により、新たな正極活物質を提供できる。
実施例2の正極活物質の製造において、反応の進行度を確認したX線回折チャートである。
以下に、本発明を実施するための形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「a〜b」は、下限a及び上限bをその範囲に含む。そして、これらの上限値及び下限値、ならびに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに、これらの数値範囲内から任意に選択した数値を、新たな上限や下限の数値とすることができる。
本発明の正極活物質は、空間群Fm−3mに帰属可能な結晶構造を示し、下記組成式(1)で表されることを特徴とする。
Li (1)
(組成式(1)において、Dはドープ元素であり、x、y、z及びaは、1≦x≦1.5、0.5≦y<1、0<z≦0.5、0≦a≦0.2を満足する。)
なお、本明細書において、「Fm−3m」及び「R−3m」における「−3」は、上線を付した3を表したものである。
本発明の正極活物質において、Vは充放電に伴う酸化還元反応に寄与すると考えられる。また、Pは、充放電時に結晶構造を維持する“柱”としての役割を担っていると考えられる。Pの存在に因り結晶構造が安定化するため、結晶内外へのリチウムイオンの移動が滑らかとなり、その結果として、本発明の正極活物質は充放電容量に優れると推定される。
組成式(1)のy及びzについて説明する。
yとしては、0.55≦y≦0.95の範囲が好ましく、0.6≦y≦0.9の範囲がより好ましく、0.7≦y≦0.9の範囲がさらに好ましい。zとしては、0.01≦z≦0.3の範囲が好ましく、0.05≦z≦0.2の範囲がより好ましく、0.05≦z≦0.15の範囲がさらに好ましい。容量の観点からは、yの値が大きい方が好ましく、また、容量維持率の観点からは、zの値が大きい方が好ましい。
組成式(1)のx並びにD及びaについて説明する。
xとしては、1<x≦1.4の範囲が好ましく、1<x≦1.3の範囲がより好ましく、1<x≦1.2の範囲がさらに好ましく、1.05≦x≦1.2の範囲が特に好ましい。
Dはドープ元素であり、Li、V、P、O以外の元素である。Dとしては、Tiなどの第4族元素、Nbなどの第5族元素、Moなどの第6族元素を例示できる。Dは、単独でもよいし、複数でもよい。Dは正極活物質内部で正極活物質の構造を安定化する効果を奏すると考えられる。そのため、P及びDの両者の存在に因り、本発明の正極活物質の結晶構造安定化がさらに増強されると考えられる。また、Dの存在に因り、本発明の正極活物質の抵抗低減が期待できる。aとしては、0≦a≦0.1の範囲が好ましく、0.01≦a≦0.1の範囲がより好ましく、0.05≦a≦0.1の範囲がさらに好ましい。
Li、V、P及びOの組成比に関して、Liが1価の陽イオン、Vが3価の陽イオン、Pが5価の陽イオンを形成し得ること、及び、Oが2価の陰イオンを形成し得ることを考慮すると、電荷のバランスの観点からは、x+3×y+5×z=4を満足するのが最も好ましいといえる。
製造上のバラツキなどを考慮すると、x+3×y+5×zの値としては、3.2<x+3×y+5×z<4.8の範囲内が好ましく、3.6≦x+3×y+5×z≦4.4の範囲内がより好ましく、3.8≦x+3×y+5×z≦4.2の範囲内がさらに好ましく、3.9≦x+3×y+5×z≦4.1の範囲内が特に好ましいといえる。
CuKα線を用いたX線回折装置で本発明の正極活物質を測定すると、空間群Fm−3mに帰属可能な結晶構造に由来する回折ピークが観測される。本発明の正極活物質としては、X線回折チャートにおいて、回折角2θ=42°〜45°の間に観察される回折ピークが最大強度ピークとして観測されるものが好ましい。
本発明の正極活物質の粉末の平均粒子径としては、0.1〜20μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、1〜5μmがさらに好ましい。なお、本明細書において、平均粒子径とは、一般的なレーザー回折散乱式粒度分布測定装置で試料を測定した際の50%累積径(D50)を意味する。
本発明の正極活物質の製造方法について説明する。
本発明の正極活物質は、あらかじめ、リチウムバナジウム酸化物を準備した上で、リチウムバナジウム酸化物とP源となる物質とを混合により反応させることで製造するのが好ましい。本発明の正極活物質がドープ元素Dを含有する場合には、P源となる物質と共にD源となる物質を添加すればよい。
リチウムバナジウム酸化物としては、空間群R−3mに帰属可能な結晶構造を示すLiVOが好ましい。R−3m構造のLiVOが母体となり、その母体に対してPの導入反応が進行することで、R−3m構造が崩壊しつつ、Fm−3m構造が生じて所望の化合物が製造されると考えられる。
P源としては、リン単体、リン酸、リン酸化物及びリン酸塩、並びにこれらの誘導体を例示できる。P源としては、リチウム源にもなり得る化合物を採用するのが好ましい。よって、P源としては、リン酸リチウム塩を採用するのが好ましい。Liの組成を補う目的で、反応系内にリチウム源を追加してもよい。リチウム源としては、金属リチウム、酸化リチウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、フッ化リチウムを例示できる。
リチウムバナジウム酸化物とP源となる物質とを混合により反応させる、いわゆるメカノケミカル反応を生じさせるためには、強い混合エネルギーを生じ得る混合機を用いる必要がある。
本発明の正極活物質の製造方法に用いる混合機としては、ボールミル、遊星型ボールミルを挙げることができる。また、本発明の正極活物質の製造方法に用いる混合機として、株式会社奈良機械製作所のハイブリダイゼーションシステム(NHS)及びミラーロ(MIRALO)、ホソカワミクロン株式会社のメカノフュージョン及びノビルタ、株式会社徳寿工作所のシータ・コンポーザを挙げることができる。
メカノケミカル反応の反応時間は、反応の進行を適宜確認しながら決定すればよい。
以下、本発明の正極活物質を具備するリチウムイオン二次電池用正極を「本発明の正極」といい、本発明の正極活物質を具備するリチウムイオン二次電池を「本発明のリチウムイオン二次電池」という。
本発明の正極は、本発明の正極活物質を含む正極活物質層、及び、集電体を具備する。正極活物質層は集電体上に形成される。正極活物質層における本発明の正極活物質の配合割合として、30〜100質量%、40〜90質量%、50〜80質量%、を例示できる。
集電体は、リチウムイオン二次電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子伝導体をいう。集電体の材料は、使用する活物質に適した電圧に耐え得る金属であれば特に制限はない。集電体の材料としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。
正極の電位をリチウム基準で4V以上とする場合には、正極用集電体としてアルミニウムを採用するのが好ましい。
具体的には、正極用集電体として、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるものを用いるのが好ましい。ここでアルミニウムは、純アルミニウムを指し、純度99.0%以上のアルミニウムを純アルミニウムと称する。純アルミニウムに種々の元素を添加して合金としたものをアルミニウム合金と称する。アルミニウム合金としては、Al−Cu系、Al−Mn系、Al−Fe系、Al−Si系、Al−Mg系、Al−Mg−Si系、Al−Zn−Mg系が挙げられる。
また、アルミニウム又はアルミニウム合金として、具体的には、例えばJIS A1085、A1N30等のA1000系合金(純アルミニウム系)、JIS A3003、A3004等のA3000系合金(Al−Mn系)、JIS A8079、A8021等のA8000系合金(Al−Fe系)が挙げられる。
集電体は箔、シート、フィルム、線状、棒状、メッシュなどの形態をとることができる。そのため、集電体として、例えば、銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を好適に用いることができる。集電体が箔、シート、フィルム形態の場合は、その厚みが1μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
正極活物質層には、本発明の正極活物質以外に公知の正極活物質が含まれていてもよい。また、正極活物質層には、結着剤及び導電助剤が含まれているのが好ましい。正極活物質層に含まれる結着剤及び導電助剤としては、後述するものを適宜適切に採用すればよい。
本発明のリチウムイオン二次電池は、具体的に、本発明の正極と、負極と、セパレータと、電解液とを具備する。
負極は、集電体と集電体上に形成された負極活物質層を具備する。負極活物質層には、公知の負極活物質が含まれており、さらに、結着剤及び導電助剤が含まれているのが好ましい。負極の集電体としては、本発明の正極で説明したものから適宜適切に選択すればよい。以下、正極活物質及び負極活物質の両者を総合して「活物質」という場合があり、また、正極活物質層及び負極活物質層の両者を総合して「活物質層」という場合がある。
結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンゴムなどの公知のものを採用すればよい。
活物質層中の結着剤の配合割合は、質量比で、活物質:結着剤=1:0.005〜1:0.5であるのが好ましい。結着剤が少なすぎると電極の成形性が低下し、また、結着剤が多すぎると電極のエネルギー密度が低くなるためである。
導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。そのため、導電助剤は、電極の導電性が不足する場合に任意に加えればよく、電極の導電性が十分に優れている場合には加えなくても良い。導電助剤としては化学的に不活性な電子高伝導体であれば良く、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber)、および各種金属粒子などが例示される。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、ファーネスブラック、チャンネルブラックなどが例示される。これらの導電助剤を単独又は二種以上組み合わせて活物質層に添加することができる。活物質層中の導電助剤の配合割合は、質量比で、活物質:導電助剤=1:0.01〜1:0.7であるのが好ましい。導電助剤が少なすぎると効率のよい導電パスを形成できず、また、導電助剤が多すぎると活物質層の成形性が悪くなるとともに電極のエネルギー密度が低くなるためである。
集電体の表面に活物質層を形成させるには、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いて、集電体の表面に活物質を塗布すればよい。具体的には、活物質、結着剤、溶剤、並びに必要に応じて導電助剤を混合してスラリーにしてから、当該スラリーを集電体の表面に塗布後、乾燥するとよい。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、メタノール、メチルイソブチルケトン、水を例示できる。電極密度を高めるべく、乾燥後のものを圧縮しても良い。また、活物質、結着剤、及び必要に応じて導電助剤を含む混合物を調製し、当該混合物を集電体に圧着させることで、集電体の表面に活物質層を形成させてもよい。
本発明の正極活物質と導電助剤とをあらかじめ混合した正極材料を用いて、上記スラリーや混合物を調製してもよい。
セパレータは、正極と負極とを隔離し、両極の接触による短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータとしては、公知のものを採用すればよく、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアラミド(Aromatic polyamide)、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等の合成樹脂、セルロース、アミロース等の多糖類、フィブロイン、ケラチン、リグニン、スベリン等の天然高分子、セラミックスなどの電気絶縁性材料を1種若しくは複数用いた多孔体、不織布、織布などを挙げることができる。また、セパレータは多層構造としてもよい。
電解液は、非水溶媒と非水溶媒に溶解した電解質とを含んでいる。
非水溶媒としては、環状カーボネート、環状エステル、鎖状カーボネート、鎖状エステル、エーテル類等が使用できる。環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートを例示でき、環状エステルとしては、ガンマブチロラクトン、2−メチル−ガンマブチロラクトン、アセチル−ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトンを例示できる。鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネートを例示でき、鎖状エステルとしては、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等を例示できる。エーテル類としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンを例示できる。非水溶媒としては、上記具体的な溶媒の化学構造のうち一部又は全部の水素がフッ素に置換した化合物を採用しても良い。
電解質としては、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO等のリチウム塩を例示できる。
電解液としては、フルオロエチレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの非水溶媒に、LiClO、LiPF、LiBF、LiCFSOなどのリチウム塩を0.5mol/Lから1.7mol/L程度の濃度で溶解させた溶液を例示できる。
本発明のリチウムイオン二次電池の具体的な製造方法について述べる。
例えば、正極と負極とでセパレータを挟持して電極体とする。電極体は、正極、セパレータ及び負極を重ねた積層型、又は、正極、セパレータ及び負極の積層体を捲いた捲回型のいずれの型にしても良い。正極の集電体および負極の集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までを、集電用リード等を用いて接続した後に、電極体に電解液を加えてリチウムイオン二次電池とするとよい。
本発明のリチウムイオン二次電池の形状は特に限定されるものでなく、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等、種々の形状を採用することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、車両に搭載してもよい。車両は、その動力源の全部あるいは一部にリチウムイオン二次電池による電気エネルギーを使用している車両であればよく、例えば、電気車両、ハイブリッド車両などであるとよい。車両にリチウムイオン二次電池を搭載する場合には、リチウムイオン二次電池を複数直列に接続して組電池とするとよい。リチウムイオン二次電池を搭載する機器としては、車両以外にも、パーソナルコンピュータ、携帯通信機器など、電池で駆動される各種の家電製品、オフィス機器、産業機器などが挙げられる。さらに、本発明のリチウムイオン二次電池は、風力発電、太陽光発電、水力発電その他電力系統の蓄電装置及び電力平滑化装置、船舶等の動力及び/又は補機類の電力供給源、航空機、宇宙船等の動力及び/又は補機類の電力供給源、電気を動力源に用いない車両の補助用電源、移動式の家庭用ロボットの電源、システムバックアップ用電源、無停電電源装置の電源、電動車両用充電ステーションなどにおいて充電に必要な電力を一時蓄える蓄電装置に用いてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、各種の具体例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの具体例によって限定されるものではない。
(実施例1)
LiCO及びVをモル比1:1となるように秤量し、これらの粉末を適量のエタノールと共に遊星型ボールミル(フリッチュ・ジャパン株式会社)に投入した。そして、ボールミルによる混合を約300rpmで5時間行い、混合物とした。混合物を乾燥後に成型した上で、アルゴンガス雰囲気下、950℃で12時間加熱して焼成することで、R−3m構造のLiVOを製造した。
LiVOとLiPOとをモル比90:10となるように秤量して、遊星型ボールミル(フリッチュ・ジャパン株式会社)に投入した。そして、ボールミルによる混合を600rpmで48時間行い、LiVOとLiPOを反応させて、実施例1の正極活物質を製造した。実施例1の正極活物質の理論上の組成は、Li1.090.820.09である。
なお、ボールミルによる混合時間が12時間、24時間、36時間及び48時間の時点での反応物を、Cu−Kα線を用いた粉末X線回折装置で分析した。そうすると、混合時間12時間の反応物では、LiVOに由来する空間群R−3mに帰属可能な結晶構造を示す回折ピークが観測されたものの、混合時間が24時間以降の反応物では、LiVOに由来する上記回折ピークの強度が著しく減少して、空間群Fm−3mに帰属可能な結晶構造を示す回折ピークが観測された。
実施例1の正極活物質と導電助剤としてのアセチレンブラックとを、質量比9:1となるように秤量して、ボールミルに投入した。そして、ボールミルによる混合を300rpmで6時間行い、実施例1の正極活物質及びアセチレンブラックを含む実施例1の正極材料とした。
実施例1の正極材料、アセチレンブラック、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンを及び、適量の溶剤を混合して、スラリーとした。集電体としてアルミニウム箔を準備し、これにスラリーを塗布して、乾燥することで、集電体表面に正極活物質層が形成された実施例1の正極を得た。
実施例1の正極の正極活物質層における、実施例1の正極活物質、導電助剤及び結着剤の質量比は、76.5:13.5:10であった。
リチウム箔を準備し、これを負極とした。セパレータとしてポリエチレン多孔質膜を準備した。また、エチレンカーボネート3体積部及びジメチルカーボネート7体積部を混合した溶媒にLiPF6を1mol/Lの濃度で溶解した電解液を準備した。セパレータを実施例1の正極と負極とで挟持し電極体とした。この電極体をコイン型電池ケースに収容し、さらに電解液を注入して、密閉型のコイン型電池を得た。これを実施例1のリチウムイオン二次電池とした。
(実施例2)
LiVOとLiPOとをモル比75:25となるように秤量して、遊星型ボールミルに投入した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2の正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池を製造した。実施例2の正極活物質の理論上の組成は、Li1.20.60.2である。
なお、ボールミルによる混合時間が12時間、24時間、36時間及び48時間の時点での反応物を、Cu−Kα線を用いた粉末X線回折装置で分析したところ、混合時間が長くなるに従い、LiVOに由来する空間群R−3mに帰属可能な結晶構造を示す回折ピークの強度が減少していく様子が観測された。そして、混合時間が48時間の反応物では、LiVOに由来する上記回折ピークがほとんど観測されず、空間群Fm−3mに帰属可能な結晶構造を示す回折ピークが明確に観測された。
これらのX線回折チャートを図1に示す。
図1のX線回折チャートから、18°付近に観測されるLiVOに由来する回折ピーク強度が、時間の経過とともに、減少することがわかる。そして、空間群Fm−3mに帰属可能な結晶構造に由来する、回折角2θ=42°〜45°の間に観察される回折ピークが最大強度のピークとなることもわかる。
(実施例3)
LiVOとLiPO及びLiNbOをモル比8:1:1となるように秤量して、遊星型ボールミルに投入した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例3の正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池を製造した。実施例3の正極活物質の理論上の組成は、Li1.1670.6670.083Nb0.083である。
なお、実施例3の正極活物質の製造においても、実施例2で観測されたのと同様に、混合時間が長くなるに従い、LiVOに由来する空間群R−3mに帰属可能な結晶構造を示す回折ピークの強度が減少していく様子が観測された。
(比較例1)
LiVOを比較例1の正極活物質とした以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1の正極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
(評価例1)
走査型電子顕微鏡(SEM)とエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を組み合わせたSEM−EDXにて、実施例1の正極活物質に対して、V、P及びOを対象とした分析を行ったところ、これらの元素が実施例1の正極活物質中に分散して存在することが確認できた。
(評価例2)
実施例1〜実施例3のリチウムイオン二次電池につき、25℃の条件下、正極活物質の質量に対する電流値を10mA/gに設定して、電圧が4.3Vとなるまで充電し、電圧が1.2Vとなるまで放電するとの充放電サイクルを10サイクル行った。
また、比較例1のリチウムイオン二次電池についても同様の試験を行った。ただし、比較例1のリチウムイオン二次電池については、電圧が4.0Vとなるまで充電し、電圧が1.5Vとなるまで放電するとの充放電サイクルを実施した。
容量維持率を以下の式で算出した。初回サイクルの放電容量と容量維持率の結果を、表1に示す。
容量維持率(%)=100×(10回目サイクルの放電容量)/(初回サイクルの放電容量)
本発明の正極活物質は好適に充放電に寄与できることが裏付けられた。実施例1及び実施例2の結果から、Vの比率が高い正極活物質の方が放電容量に優れ、他方、Pの比率が高い正極活物質の方が容量維持率に優れることがわかる。また、比較例1と比較すると、本発明の正極活物質は容量維持率に優れることがわかる。特に、実施例3の結果から、ドープ元素Dが存在する本発明の正極活物質は、著しく容量維持率に優れるといえる。
さらに、理論上の容量に対する実際の容量の割合で表されるリチウムイオン利用率について、検討する。
実施例1の正極活物質の理論上の容量は347mAh/gであることから、実施例1の正極活物質のリチウムイオン利用率は98%(339/347)である。他方、比較例1の正極活物質の理論上の容量は298mAh/gであることから、比較例1の正極活物質のリチウムイオン利用率は93%(277/298)である。
実施例1の正極活物質は、リチウムイオン利用率に関しても優れているといえる。

Claims (7)

  1. 空間群Fm−3mに帰属可能な結晶構造を示し、下記組成式(1)で表されることを特徴とする正極活物質。
    Li (1)
    (組成式(1)において、Dはドープ元素であり、x、y、z及びaは、1≦x≦1.5、0.5≦y<1、0<z≦0.5、0≦a≦0.2を満足する。)
  2. 3.2<x+3×y+5×z<4.8を満足する請求項1に記載の正極活物質。
  3. 前記組成式(1)において、x、y、z及びaは、1<x≦1.2、0.6≦y<1、0<z≦0.2、0≦a≦0.1を満足する請求項1又は2に記載の正極活物質。
  4. CuKα線を用いたX線回折測定において、回折角2θ=42°〜45°の間に観察される回折ピークが最大強度ピークである請求項1〜3のいずれか1項に記載の正極活物質。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の正極活物質を具備するリチウムイオン二次電池用正極。
  6. 請求項5に記載のリチウムイオン二次電池用正極を具備するリチウムイオン二次電池。
  7. 空間群R−3mに帰属可能な結晶構造を示すLiVOを準備する工程、
    前記LiVOとP源とを混合により反応させる工程、
    を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の正極活物質の製造方法。
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