JP2020181806A - 電解液及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明はかかる事情に鑑みて為されたものであり、電池特性に優れるリチウムイオン二次電池を提供するために、好適な電解液を提供することを目的とする。
前記(FSO2)2NLiに対する前記1,2−ジアルコキシエタンのモル比が2.1以下であることを特徴とする。
前記(FSO2)2NLiに対する前記1,2−ジアルコキシエタンのモル比が2.1以下であることを特徴とする。
1,2−ジアルコキシエタンは1種類でもよいし、複数種類を併用してもよい。
そして、1分子の(FSO2)2NLiに対して概ね2分子の1,2−ジアルコキシエタンが配位可能であると考えられるところ、本発明の電解液には、錯体形成に関与しない1,2−ジアルコキシエタンは、ほぼ存在しないと考えられる。
(FSO2)2NLiに対する1,2−ジアルコキシエタンのモル比が2.0未満の場合には、第2溶媒のうち酸素を含有するものが、電解液中で(FSO2)2NLiのリチウムイオンに配位する場合や、(FSO2)2Nアニオンが部分的に会合する場合があると推定される。
一般式(A) CnHaFbOCmHcFd
一般式(A)において、nは1以上の整数であり、aは0以上の整数であり、bは1以上の整数であり、2n+1=a+bを満足する。mは1以上の整数であり、cは0以上の整数であり、dは0以上の整数である。2m+1=c+dを満足する。
一般式(B) CnHaFbOCmHcFd
一般式(B)において、nは3以上の整数であり、aは0以上の整数であり、bは1以上の整数であり、2n−1=a+bを満足する。mは3以上の整数であり、cは0以上の整数であり、dは0以上の整数である。2m−1=c+dを満足する。
一般式(C) CnHaFbOCmHcFd
一般式(C)において、nは1以上の整数であり、aは0以上の整数であり、bは0以上の整数であり、2n+1=a+bを満足する。mは3以上の整数であり、cは0以上の整数であり、dは0以上の整数である。2m−1=c+dを満足する。ただし、b+d≧1を満足する。
6員環の環状エーテルは、ラジカルを発生し難いため、充放電時の負極での還元分解に対する耐性が高いと考えられる。その理由は以下のとおりである。
しかし、ラジカルが生じた炭素は、それまでのsp3混成軌道から、sp2混成軌道へと変換する。sp2混成軌道における3つの結合は、同一の平面上に存在するのが理想的である。
かかる熱エネルギー的に不安定な立体構造が、6員環の環状エーテルをラジカル化するためのエネルギー障壁となっていると考えられる。
6員環の炭素に結合し得る置換基のうち、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アルコキシ基及びフッ素置換アルコキシ基の炭素数としては、1〜6、1〜4、1〜2を例示できる。
エーテルの酸素に隣接する炭素に置換基が結合した場合には、当該炭素はO−CH(置換基)−CH2との構造になる。ここで、酸素とアルキル鎖で挟まれたCH基においては、隣接する酸素と隣接するアルキル鎖及び置換基が及ぼす隣接基相互作用に因り、ラジカルが安定化されるため、ラジカルが生じ易いと考えられている。よって、エーテルの酸素に隣接する炭素に置換基が結合した6員環の環状エーテルは、比較的ラジカルが発生しやすいと推定される。
一般式(D) CnHaFb
一般式(D)において、nは5以上の整数であり、aは0以上の整数であり、bは1以上の整数であり、2n=a+bを満足する。
一般式(D)においては、5員環又は6員環のものが好ましい。また、一般式(D)においては、5員環又は6員環の骨格にCH3、CF3、CF3CF2などの置換基が1種類又は複数種類結合したものでもよい。
なお、第2溶媒の量が過小であれば、本発明の電解液が高粘度となり、本発明の電解液をセパレータや電極に浸透させることが困難になる場合がある。しかも、第2溶媒の量が過小であれば、一定体積の本発明の電解液において高価な(FSO2)2NLiの量が相対的に増加するため、コスト面で不利になる場合がある。
本発明のリチウムイオン二次電池は、具体的には、本発明の電解液と、正極と、負極と、セパレータを備える。
集電体としては、正極で説明したものを適宜適切に採用すればよい。
3CaSi2+6HCl → Si6H6+3CaCl2
Si6H6 → 6Si+3H2↑
なお、本明細書における平均粒子径とは、一般的なレーザー回折式粒度分布測定装置で試料を測定した場合におけるD50を意味する。
例えば、正極と負極とでセパレータを挟持して電極体とする。電極体は、正極、セパレータ及び負極を重ねた積層型、又は、正極、セパレータ及び負極の積層体を捲いた捲回型のいずれの型にしても良い。正極の集電体および負極の集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までを、集電用リード等を用いて接続した後に、電極体に本発明の電解液を加えてリチウムイオン二次電池とするとよい。
1,2−ジメトキシエタンに(FSO2)2NLiを溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が2mol/Lである参考例1の電解液を製造した。
フルオロエチレンカーボネート及びジエチルカーボネートを体積比1:9で混合して混合溶媒とした。混合溶媒にLiPF6を混合して、LiPF6の濃度が2mol/Lである参考例2の電解液を製造した。
参考例2の電解液を用いた以外は、参考例1と同様の方法で、参考例2のリチウムイオン二次電池を製造した。
1,2−ジメトキシエタンにLiPF6を溶解して、LiPF6の濃度が1mol/Lである参考例3の電解液を製造しようとした。しかし、LiPF6が1,2−ジメトキシエタンに十分に溶解しなかったため、参考例3の電解液は製造できなかった。
各リチウムイオン二次電池に対して、0.2mAで0.01Vまで充電し、0.2mAで1.0Vまで放電を行うとの初回充放電を行った。さらに、各リチウムイオン二次電池に対して、0.5mAで0.01Vまで充電し、0.5mAで1.0Vまで放電を行うとの充放電サイクルを20回繰り返した。
なお、本評価例では、Si含有負極活物質がリチウムを吸蔵する印加を充電といい、Si含有負極活物質がリチウムを放出する印加を放電という。
初期効率(%)=100×(初回放電容量)/(初回充電容量)
容量維持率(%)=100×(20サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)
なお、以下の表において、DMEとは1,2−ジメトキシエタンの略称であり、FECとはフルオロエチレンカーボネートの略称であり、DECとはジエチルカーボネートの略称である。
CH3O(CH2CH2O)2CH3に(FSO2)2NLiを溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が3mol/Lである参考例4の電解液を製造しようとした。しかし、溶液がゲル化しため、以後の検討を中止した。
CH3O(CH2CH2O)4CH3に(FSO2)2NLiを溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が3mol/Lである参考例5の電解液を製造した。
1,2−ジメトキシエタンに(FSO2)2NLiを溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が3mol/Lである参考例6の電解液を製造した。
参考例5及び参考例6の電解液につき、以下の条件で、イオン伝導度及び粘度を測定した。結果を表2に示す。
<イオン伝導度>
白金極を備えたセルに電解液を封入し、25℃、10kHzでの抵抗を測定した。抵抗の測定結果から、イオン伝導度を算出した。測定機器はSolartron 147055BEC(ソーラトロン社)を使用した。
<粘度>
B型粘度計(Brookfield社、DV2T)にて、コーン型スピンドルを用い、スピンドル回転速度20rpm、25℃の条件で測定した。
1,2−ジメトキシエタンと第2溶媒であるCHF2CF2CH2OCF2CHF2とビニレンカーボネートを体積比40:60:1で混合して混合溶媒とした。混合溶媒に(FSO2)2NLiを溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が1.6mol/Lである実施例1の電解液を製造した。
実施例1の電解液において、(FSO2)2NLiに対する1,2−ジメトキシエタンのモル比は2.00である。
窒素ガス雰囲気下、混合水溶液を80℃で2時間撹拌することで、結着剤溶液を製造した。なお、結着剤溶液において、水の含有量は85質量%であった。
1,2−ジメトキシエタンと第2溶媒であるCHF2CF2CH2OCF2CHF2とビニレンカーボネートを体積比40:60:1で混合して混合溶媒とした。混合溶媒に(FSO2)2NLiを溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が2mol/Lである実施例2の電解液を製造した。
実施例2の電解液において、(FSO2)2NLiに対する1,2−ジメトキシエタンのモル比は1.54である。
1,2−ジメトキシエタンと第2溶媒であるCHF2CF2CH2OCF2CHF2とビニレンカーボネートを体積比40:60:1で混合して混合溶媒とした。混合溶媒に(FSO2)2NLiを溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が2.4mol/Lである実施例3の電解液を製造した。
実施例3の電解液において、(FSO2)2NLiに対する1,2−ジメトキシエタンのモル比は1.22である。
1,2−ジメトキシエタンと第2溶媒であるCHF2CF2CH2OCF2CHF2と第2溶媒である4−メチルテトラヒドロピランとビニレンカーボネートを体積比30:50:20:1で混合して混合溶媒とした。混合溶媒に(FSO2)2NLiを溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が2mol/Lである実施例4の電解液を製造した。
実施例4の電解液において、(FSO2)2NLiに対する1,2−ジメトキシエタンのモル比は1.16である。なお、実施例4の電解液において、(FSO2)2NLiに対する1,2−ジメトキシエタン及び4−メチルテトラヒドロピランの合計量のモル比は1.84である。
1,2−ジメトキシエタンと第2溶媒であるCHF2CF2CH2OCF2CHF2と第2溶媒である4−メチルテトラヒドロピランとビニレンカーボネートを体積比25:50:25:1で混合して混合溶媒とした。混合溶媒に(FSO2)2NLiを溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が2mol/Lである実施例5の電解液を製造した。
実施例5の電解液において、(FSO2)2NLiに対する1,2−ジメトキシエタンのモル比は0.96である。なお、実施例5の電解液において、(FSO2)2NLiに対する1,2−ジメトキシエタン及び4−メチルテトラヒドロピランの合計量のモル比は1.82である。
1,2−ジメトキシエタンと第2溶媒であるCHF2CF2CH2OCF2CHF2と第2溶媒である4−メチルテトラヒドロピランとビニレンカーボネートを体積比20:50:30:1で混合して混合溶媒とした。混合溶媒に(FSO2)2NLiを溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が2mol/Lである実施例6の電解液を製造した。
実施例6の電解液において、(FSO2)2NLiに対する1,2−ジメトキシエタンのモル比は0.77である。なお、実施例6の電解液において、(FSO2)2NLiに対する1,2−ジメトキシエタン及び4−メチルテトラヒドロピランの合計量のモル比は1.80である。
1,2−ジメトキシエタンと第2溶媒であるCHF2CF2CH2OCF2CHF2とビニレンカーボネートを体積比50:50:1で混合して混合溶媒とした。混合溶媒に(FSO2)2NLiを溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が1.8mol/Lである比較例1の電解液を製造した。
比較例1の電解液において、(FSO2)2NLiに対する1,2−ジメトキシエタンのモル比は2.20である。
エチレンカーボネートとフルオロエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートを体積比20:5:40:35で混合して混合溶媒とした。混合溶媒にLiPF6を溶解して、LiPF6の濃度が1.2mol/Lである比較例2の電解液を製造した。
実施例1〜実施例6、比較例1〜比較例2の電解液につき、以下の条件で、イオン伝導度を測定した。結果を表3に示す。
<イオン伝導度>
白金極を備えたセルに電解液を封入し、25℃、10kHzでの抵抗を測定した。抵抗の測定結果から、イオン伝導度を算出した。測定機器はSolartron 147055BEC(ソーラトロン社)を使用した。
実施例1〜実施例4、比較例1〜比較例2のリチウムイオン二次電池に対して、25℃の条件下で充放電を繰り返した。充放電の条件は、以下のとおりとした。充放電サイクル毎の放電容量の推移をグラフにして図1に示す。なお、図1のグラフの縦軸は、正極活物質の質量を基準とした場合の放電容量である。
<充放電の条件>
充放電サイクル1回目、50回目、100回目、150回目及び200回目:1Cの電流で4.28Vまで充電し、1Cの電流で3Vまで放電する。
上記以外の充放電サイクル:1Cの電流で4.15Vまで充電し、1Cの電流で3Vまで放電する。
実施例1−N〜実施例2−N、実施例4−N〜実施例6−N、比較例1−Nのリチウムイオン二次電池に対して、25℃の条件下、0.2mAで0.01Vまで充電し、0.2mAで1.0Vまで放電を行うとの充放電を行った。さらに、各リチウムイオン二次電池に対して、25℃の条件下、0.5mAで0.01Vまで充電し、0.5mAで1.0Vまで放電を行うとの充放電を50回繰り返した。
充放電サイクル毎の放電容量の推移をグラフにして図2に示す。なお、図2のグラフの縦軸は、負極活物質の質量を基準とした場合の放電容量である。
(FSO2)2NLiと1,2−ジメトキシエタンと第2溶媒であるフッ素置換エーテルを、モル比1:1.7:1.2で混合して、(FSO2)2NLiを溶解して母液とした。母液に対して1質量%に該当する量のビニレンカーボネートを添加して、実施例7の電解液を製造した。
実施例7の電解液において、(FSO2)2NLiの濃度は2.28mol/Lであり、1,2−ジメトキシエタンとフッ素置換エーテルとの体積比は48:52である。
窒素ガス雰囲気下、混合水溶液を80℃で2時間撹拌することで、結着剤溶液を製造した。なお、結着剤溶液において、水の含有量は85質量%であった。
比較例2の電解液を用いたこと以外は実施例7と同様の方法で、比較例3のリチウムイオン二次電池を製造した。
実施例7及び比較例3のリチウムイオン二次電池に対して、25℃の条件下、1Cで充放電を行った。
図3に、正極活物質1gあたりの容量を横軸とし、正極電位(vs Li/Li+)を縦軸とした正極の充放電曲線を示し、図4に、正極活物質1gあたりの容量を横軸とし、負極電位(vs Li/Li+)を縦軸とした負極の充放電曲線を示す。
また、図5に、正極活物質1gあたりの容量を横軸とし、正極電位(vs Li/Li+)を左側の縦軸とし、負極電位(vs Li/Li+)を右側の縦軸とした、リチウムイオン二次電池の充電曲線を示す。
そして、図5から、実施例7の電解液を用いたリチウムイオン二次電池の充電においては、負極の電位が比較的高い段階で、特定の電圧(例えば電圧4V)に到達できることがわかる。
(FSO2)2NLiと1,2−ジメトキシエタンと第2溶媒であるCHF2CF2CH2OCF2CHF2を、モル比1:1.5:1.2で混合して、(FSO2)2NLiを溶解して、実施例8の電解液を製造した。
実施例8の電解液において、(FSO2)2NLiの濃度は2.44mol/Lであり、1,2−ジメトキシエタンとCHF2CF2CH2OCF2CHF2との体積比は46:54である。
(FSO2)2NLiと1,2−ジメトキシエタンと第2溶媒であるCHF2CF2CH2OCF2CHF2を、モル比1:2:1.2で混合して、(FSO2)2NLiを溶解して、実施例9の電解液を製造した。
実施例9の電解液において、(FSO2)2NLiの濃度は2.15mol/Lであり、1,2−ジメトキシエタンとCHF2CF2CH2OCF2CHF2との体積比は53:47である。
(FSO2)2NLiと1,2−ジメトキシエタンと第2溶媒であるCHF2CF2CH2OCF2CHF2を、モル比1:3:1.2で混合して、(FSO2)2NLiを溶解して、比較例4の電解液を製造した。
比較例4の電解液において、(FSO2)2NLiの濃度は1.76mol/Lであり、1,2−ジメトキシエタンとCHF2CF2CH2OCF2CHF2との体積比は63:37である。
実施例8−N、実施例9−N及び比較例4−Nのリチウムイオン二次電池に対して、0.05Cで0.01Vまで充電し、2.0Vまで放電する初回充放電を行った。初回充放電における放電容量を初期放電容量とした。
初回充放電後の各リチウムイオン二次電池に対して、電圧0.01−1.0Vの間で複数回の充放電試験を行った。具体的には、0.1C充電、0.05C放電、0.5C充電、0.05C放電、1.0C充電、0.05C放電、0.05C充電、0.1C放電、0.05C充電、0.5C放電、0.05C充電及び1.0C放電をこの順序で行った。充放電試験後の各リチウムイオン二次電池に対して、0.05Cで0.01Vまで充電し、2.0Vまで放電する試験後充放電を行った。試験後充放電における放電容量を試験後放電容量とした。
(初期放電容量)−(試験後放電容量)の値を算出して、放電容量の減少値とした。
以上の結果を表4に示す。
(FSO2)2NLiと1,2−ジメトキシエタンと第2溶媒であるCHF2CF2CH2OCF2CHF2を、モル比1:2.1:0.4で混合して、(FSO2)2NLiを溶解して、実施例10の電解液を製造した。
実施例10の電解液において、(FSO2)2NLiの濃度は2.8mol/Lであり、1,2−ジメトキシエタンとCHF2CF2CH2OCF2CHF2との体積比は79:21である。
(FSO2)2NLiと1,2−ジメトキシエタンと第2溶媒であるCHF2CF2CH2OCF2CHF2のモル比を1:2.1:0.8に変更したこと以外は、実施例10と同様の方法で、実施例11の電解液を製造した。
実施例11の電解液において、(FSO2)2NLiの濃度は2.4mol/Lであり、1,2−ジメトキシエタンとCHF2CF2CH2OCF2CHF2との体積比は65:35である。
(FSO2)2NLiと1,2−ジメトキシエタンと第2溶媒であるCHF2CF2CH2OCF2CHF2のモル比を1:2.1:1.2に変更したこと以外は、実施例10と同様の方法で、実施例12の電解液を製造した。
実施例12の電解液において、(FSO2)2NLiの濃度は2.1mol/Lであり、1,2−ジメトキシエタンとCHF2CF2CH2OCF2CHF2との体積比は55:45である。
(FSO2)2NLiと1,2−ジメトキシエタンと第2溶媒であるCHF2CF2CH2OCF2CHF2のモル比を1:2.1:1.6に変更したこと以外は、実施例10と同様の方法で、実施例13の電解液を製造した。
実施例13の電解液において、(FSO2)2NLiの濃度は1.9mol/Lであり、1,2−ジメトキシエタンとCHF2CF2CH2OCF2CHF2との体積比は48:52である。
(FSO2)2NLiと1,2−ジメトキシエタンと第2溶媒であるCHF2CF2CH2OCF2CHF2のモル比を1:2.1:2.0に変更したこと以外は、実施例10と同様の方法で、実施例14の電解液を製造した。
実施例14の電解液において、(FSO2)2NLiの濃度は1.7mol/Lであり、1,2−ジメトキシエタンとCHF2CF2CH2OCF2CHF2との体積比は42:58である。
第2溶媒を採用しなかったこと以外は、実施例10と同様の方法で、比較例5の電解液を製造した。
実施例10〜実施例14及び比較例5の電解液につき、B型粘度計(Brookfield社、DV2T)にて、コーン型スピンドルを用い、室温条件での粘度を測定した。結果を表5に示す。また、(FSO2)2NLiに対する第2溶媒のモル比と粘度との関係を示すグラフを図6に示す。
Claims (9)
- (FSO2)2NLi、1,2−ジアルコキシエタン及び前記1,2−ジアルコキシエタン以外であって酸素数が2以下の非プロトン性溶媒を含有し、
前記(FSO2)2NLiに対する前記1,2−ジアルコキシエタンのモル比が2.1以下であることを特徴とする電解液。 - 前記1,2−ジアルコキシエタンと前記非プロトン性溶媒との体積比が、10:90〜90:10の範囲内である請求項1に記載の電解液。
- 前記非プロトン性溶媒として、下記一般式(A)で表されるフッ素置換エーテルを含有する請求項1又は2に記載の電解液。
一般式(A) CnHaFbOCmHcFd
一般式(A)において、nは1以上の整数であり、aは0以上の整数であり、bは1以上の整数であり、2n+1=a+bを満足する。
mは1以上の整数であり、cは0以上の整数であり、dは0以上の整数である。2m+1=c+dを満足する。 - 前記非プロトン性溶媒として、アルキル基で置換されていてもよい6員環の環状エーテルを含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解液。
- 前記非プロトン性溶媒として、フッ素置換炭化水素を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解液。
- (FSO2)2NLiの濃度が1〜5mol/Lの範囲内である請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解液。
- 正極、負極、及び、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電解液を備えるリチウムイオン二次電池。
- 前記負極がSi含有負極活物質を備える請求項7に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記負極が黒鉛を備える請求項7又は8に記載のリチウムイオン二次電池。
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