JP2019117781A - 正極活物質 - Google Patents
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Abstract
【課題】新たな正極活物質を提供すること。【解決手段】 空間群C2/mに帰属可能な結晶構造を示し、下記組成式(1)で表されることを特徴とする正極活物質。LixNiyMozMeaO2(1)組成式(1)において、Meは、Ni及びMo以外の第2族元素〜第15族元素から選択される少なくとも1種の元素である。x、y、z及びaは、1.1≦x<1.2、0.4≦y≦0.7、0.1≦z≦0.4、0≦a≦0.1、x+y+z+a=2を満足する。【選択図】図1
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池の正極活物質に関するものである。
リチウムイオン二次電池は小型で大容量であるため、携帯電話やノート型パソコンなどの種々の機器の電池として用いられている。リチウムイオン二次電池は、主な構成要素として、正極、負極及び電解液を備える。正極は、集電体と、該集電体の表面に形成され、正極活物質を含有する正極活物質層とを有する。
リチウムイオン二次電池の正極活物質としては、種々の材料が用いられることが知られており、また、優れた正極活物質となり得る材料が探求されている。Moを含有する正極活物質についても研究されており、特許文献1には、Li2MoO4に対して、硝酸マグネシウム、硝酸亜鉛又は酸化ガリウムなどを加えて混合物とし、還元条件下、700℃で当該混合物を加熱することで反応させて、正極活物質を合成したことが記載されている。
特許文献2には、空間群R−3m構造と、菱面体晶系のLi4MoO5に帰属する結晶構造とを示し、組成式Li1.05Ni0.53Mn0.30Co0.14Mo0.03O2で表される正極活物質が記載されている(実施例2)。なお、「R−3m」において、「−3」は上線を付した3を表したものである。
特許文献3には、Li2MoO3を合成した上で、Li2MoO3から一部のLiを離脱させたものを正極活物質とする電池が記載されている。
上述の特許文献1〜特許文献3を先行技術として記述する特許文献4には、正極活物質として、組成式LixMyMozO(式中、MはMn、Ru、Sn、Mg、Al、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu及びZnよりなる群から選択される1種又は2種以上であり、xは0.60〜0.75の範囲であり、yは0.15〜0.25の範囲であり、zは0.075〜0.20の範囲である。)で表される複合酸化物が記載されている。そして、同文献には、上記組成式で表される複合酸化物の具体例として、Li4/6Ni1/6Mo1/6Oが記載されており、当該複合酸化物の結晶構造は空間群C2/mに帰属される旨が記載されている(0030段落、実施例1及び図1)。
近年、産業界からは、高性能なリチウムイオン二次電池が求められており、それを実現するための、新たな正極活物質が求められている。
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものであり、新たな正極活物質を提供することを目的とする。
本発明者は、特許文献4に記載の複合酸化物のうち、Ni及びMoを含有する複合酸化物についての研究を行ったところ、改良の余地があることに気が付いた。そして、本発明者の鋭意検討の結果、特許文献4に記載された組成比の範囲外に、好適な組成比があることを知見した。本発明は、本発明者のかかる知見に基づき、完成されたものである。
本発明の正極活物質は、空間群C2/mに帰属可能な結晶構造を示し、下記組成式(1)で表されることを特徴とする。
LixNiyMozMeaO2 (1)
組成式(1)において、Meは、Ni及びMo以外の第2族元素〜第15族元素から選択される少なくとも1種の元素である。x、y、z及びaは、1.1≦x<1.2、0.4≦y≦0.7、0.1≦z≦0.4、0≦a≦0.1、x+y+z+a=2を満足する。
LixNiyMozMeaO2 (1)
組成式(1)において、Meは、Ni及びMo以外の第2族元素〜第15族元素から選択される少なくとも1種の元素である。x、y、z及びaは、1.1≦x<1.2、0.4≦y≦0.7、0.1≦z≦0.4、0≦a≦0.1、x+y+z+a=2を満足する。
本発明により、新たな正極活物質を提供できる。
以下に、本発明を実施するための形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「a〜b」は、下限a及び上限bをその範囲に含む。そして、これらの上限値及び下限値、ならびに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに、これらの数値範囲内から任意に選択した数値を、新たな上限や下限の数値とすることができる。
本発明の正極活物質は、空間群C2/mに帰属可能な結晶構造を示し、下記組成式(1)で表されることを特徴とする。
LixNiyMozMeaO2 (1)
組成式(1)において、Meは、Ni及びMo以外の第2族元素〜第15族元素から選択される少なくとも1種の元素である。x、y、z及びaは、1.1≦x<1.2、0.4≦y≦0.7、0.1≦z≦0.4、0≦a≦0.1、x+y+z+a=2を満足する。
LixNiyMozMeaO2 (1)
組成式(1)において、Meは、Ni及びMo以外の第2族元素〜第15族元素から選択される少なくとも1種の元素である。x、y、z及びaは、1.1≦x<1.2、0.4≦y≦0.7、0.1≦z≦0.4、0≦a≦0.1、x+y+z+a=2を満足する。
組成式(1)においては、NiがNi2+として存在し、MoがMo5+又はMo6+として存在するのが、電荷の中性の観点から安定といえる。ここで、本発明の正極活物質の酸化反応は、各金属イオンの酸化電位からみて、低電位側でMo5+がMo6+に酸化し、その後、高電位側でNi2+がNi3+及びNi4+に酸化するとの順序で進行すると考えられる。そして、本発明の正極活物質を具備するリチウムイオン二次電池を安定的に動作させるためには、放電抵抗の低い高電位側を中心として、充放電をするのが好ましいといえる。そうすると、本発明の正極活物質を具備するリチウムイオン二次電池の通常の充放電時における酸化還元反応としては、Ni2+がNi3+及びNi4+となる酸化反応、並びに、Ni3+及びNi4+がNi2+となる還元反応が主体となるといえる。
組成式(1)においては、特に、Liの組成比を表わすxの値と、Niの組成比を表わすyの値が重要である。Liはリチウムイオン二次電池の電荷担体となる元素であり、また、Niは正極活物質の酸化還元反応の主体となる元素であることがその理由である。
xの値が小さすぎる正極活物質は、相対的にLiの組成比が小さく、電荷担体が不足することを意味するので、容量が小さい。
他方、xの値が大きすぎる正極活物質は、相対的にLiの組成比が大きく、相対的にNiの組成比が小さいため、酸化還元反応の主体が不足し、容量が小さい。ここで、相対的にLiの組成比が大きく、相対的にNiの組成比が小さい正極活物質から電子を引き出すべく正極活物質を高電位状態に曝すと、正極活物質中の酸素が反応に直接関与して、酸素ガスが発生することが想定されるため、結晶構造が崩壊するといえる。
他方、xの値が大きすぎる正極活物質は、相対的にLiの組成比が大きく、相対的にNiの組成比が小さいため、酸化還元反応の主体が不足し、容量が小さい。ここで、相対的にLiの組成比が大きく、相対的にNiの組成比が小さい正極活物質から電子を引き出すべく正極活物質を高電位状態に曝すと、正極活物質中の酸素が反応に直接関与して、酸素ガスが発生することが想定されるため、結晶構造が崩壊するといえる。
本発明の正極活物質において、1.1≦x<1.2及び0.4≦y≦0.7との範囲は、充電時にNi2+がNi4+に2電子酸化すると想定した場合に、Liが過不足なく電荷担体として機能し得る範囲であって、通常の充放電時に本発明の正極活物質の結晶構造が崩壊しないと考えられる範囲である。
Meは、Ni及びMo以外の第2族元素〜第15族元素から選択される少なくとも1種の元素である。そして、Meは、空間群C2/mの結晶構造におけるカチオンサイトに存在し得る元素である。
Meとしては、V、Nb及びTaから選択される第5族元素、Cr及びWから選択される第6族元素、Mn、Tc及びReから選択される第7族元素、Fe、Ru及びOsから選択される第8族元素、Co、Rh及びIrから選択される第9族元素、Cu、Ag及びAuから選択される第11族元素、並びに、P、As、Sb及びBiから選択される第15族元素が好ましく、V、Nb、W、Mn、Fe、Co、Cu及びPから選択される元素がより好ましい。
本発明の正極活物質に若干量のMeが添加されることで、Ni2+→Ni4+となる反応が円滑に進行することや、Mo5+→Mo6+となる反応の割合を減少させること、酸素が反応に直接関与して酸素ガスが発生する事態を抑制することなどが期待される。
Meの組成を表わすaの範囲としては、0≦a≦0.05、0<a≦0.01を例示できる。
Meの組成を表わすaの範囲としては、0≦a≦0.05、0<a≦0.01を例示できる。
本発明の正極活物質において、Niのみが充放電反応に寄与し、かかる充放電反応がNi2+→Ni4+及びNi4+→Ni2+との2電子を授受する反応である場合には、xとyの関係は、理想的にはx=2×yとなる。ただし、Niの一部が1電子を授受する酸化還元反応のみを示す可能性、及び、Niの一部が酸化還元反応に寄与しない可能性、並びに、MoやMeも充放電反応に寄与する可能性があるため、xとyとzとaの関係は、1.5×y≦x≦2×y+z+aを満足するのが好ましく、1.8×y≦x≦2×y+z+aを満足するのがより好ましく、2×y≦x≦2×y+z+aを満足するのがさらに好ましいといえる。
後述する評価例3の結果から、以下のとおり、x、y及びzの好適な範囲を挙げることができる。
xとしては、1.12≦x≦1.19の範囲内が好ましく、1.15≦x≦1.19の範囲内がより好ましく、1.18≦x≦1.19の範囲内がさらに好ましい。
yとしては、0.43≦y≦0.6の範囲内が好ましく、0.44≦y≦0.57の範囲内がより好ましく、0.47≦y≦0.56の範囲内がさらに好ましい。
zとしては、0.2≦z≦0.39の範囲内が好ましく、0.3≦z≦0.38の範囲内がより好ましく、0.31≦z≦0.34の範囲内がさらに好ましい。
yとしては、0.43≦y≦0.6の範囲内が好ましく、0.44≦y≦0.57の範囲内がより好ましく、0.47≦y≦0.56の範囲内がさらに好ましい。
zとしては、0.2≦z≦0.39の範囲内が好ましく、0.3≦z≦0.38の範囲内がより好ましく、0.31≦z≦0.34の範囲内がさらに好ましい。
本発明の正極活物質の製造方法について説明する。
本発明の正極活物質を製造するには、一般的な正極活物質を製造する際に採用される、固相法や共沈法を応用して合成すればよい。固相法の場合には、リチウム源、ニッケル源、モリブデン源、必要に応じてMe源を、所望の比率で混合し、焼成することで、本発明の正極活物質を製造できる。共沈法の場合には、ニッケル塩、モリブデン塩、必要に応じてMe塩を所望の比率で混合した水溶液から、水酸化物を沈殿させて沈殿物とし、次いで、沈殿物と、リチウム源と、必要に応じてMe源とを混合して焼成することで、本発明の正極活物質を製造できる。固相法及び共沈法の焼成温度としては、900〜1200℃が好ましく、900〜1100℃がより好ましく、950〜1050℃がさらに好ましい。焼成は、ヘリウムやアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下や大気下で行うのが好ましい。
本発明の正極活物質を製造するには、一般的な正極活物質を製造する際に採用される、固相法や共沈法を応用して合成すればよい。固相法の場合には、リチウム源、ニッケル源、モリブデン源、必要に応じてMe源を、所望の比率で混合し、焼成することで、本発明の正極活物質を製造できる。共沈法の場合には、ニッケル塩、モリブデン塩、必要に応じてMe塩を所望の比率で混合した水溶液から、水酸化物を沈殿させて沈殿物とし、次いで、沈殿物と、リチウム源と、必要に応じてMe源とを混合して焼成することで、本発明の正極活物質を製造できる。固相法及び共沈法の焼成温度としては、900〜1200℃が好ましく、900〜1100℃がより好ましく、950〜1050℃がさらに好ましい。焼成は、ヘリウムやアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下や大気下で行うのが好ましい。
リチウム源としては、酸化リチウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウムを例示できる。ニッケル源又はニッケル塩としては、炭酸ニッケル、塩基性炭酸ニッケル、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、塩化ニッケルを例示できる。モリブデン源又はモリブデン塩としては、酸化モリブデン、モリブデン酸塩、硫化モリブデン、塩化モリブデンを例示できる。Me源又はMe塩としては、酸化Me、水酸化Me、硫酸Me、硝酸Me、塩化Me、Me単体、リン酸塩を例示できる。
合成後の本発明の正極活物質は、適切な粒度分布の粉末に調製する粉砕工程に供されるのが好ましい。本発明の正極活物質の粉末の平均粒子径としては、0.5〜50μmが好ましく、1〜30μmがより好ましく、3〜10μmがさらに好ましい。なお、本明細書において、平均粒子径とは、一般的なレーザー回折散乱式粒度分布測定装置で試料を測定した際の50%累積径(D50)を意味する。
粉砕工程で用いられる粉砕機としては、ピンミル、ハンマーミル、ボールミル、ディスクミル、ローラーミル、ジョークラッシャー、ジェットミルを例示できる。例えば、ボールミルを用いた場合には、回転速度100〜500rpmで0.1〜30時間の範囲内、好ましくは0.2〜10時間程度、粉砕すればよい。
また、粉砕工程において、本発明の正極活物質と共に炭素粒子を存在させて、粉砕してもよい。炭素粒子は導電助剤としての役割を担っている。炭素粒子が粉砕工程にて正極活物質と共に撹拌されることで、正極活物質と炭素が均一に混合した導電性に優れる正極材料が製造される。以下、本発明の正極活物質と炭素を含む正極材料を、本発明の正極材料ということがある。本発明の正極材料においては、正極活物質と炭素が一体化している複合粒子も観察される場合がある。
本発明の正極材料における、正極活物質と炭素との質量比としては、30:1〜1.5:1が好ましく、20:1〜2:1がより好ましく、10:1〜2:1がさらに好ましい。
粉砕工程で用いられる炭素粒子としては、カーボンブラック、黒鉛及び気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber)が例示される。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、ファーネスブラック、チャンネルブラックなどが例示される。
本発明の正極活物質は、空間群C2/mに帰属可能な結晶構造を示すものである。本発明の正極活物質には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の空間群に帰属可能な結晶構造が存在してもよい。
以下、本発明の正極活物質を具備するリチウムイオン二次電池用正極を「本発明の正極」といい、本発明の正極活物質を具備するリチウムイオン二次電池を「本発明のリチウムイオン二次電池」という。
本発明の正極は、本発明の正極活物質を含む正極活物質層、及び、集電体を具備する。正極活物質層は集電体上に形成される。正極活物質層における本発明の正極活物質の配合割合として、30〜100質量%、40〜90質量%、50〜80質量%を例示できる。
集電体は、リチウムイオン二次電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子伝導体をいう。集電体の材料は、使用する活物質に適した電圧に耐え得る金属であれば特に制限はない。集電体の材料としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。
正極の電位をリチウム基準で4V以上とする場合には、正極用集電体としてアルミニウムを採用するのが好ましい。
具体的には、正極用集電体として、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるものを用いるのが好ましい。ここでアルミニウムは、純アルミニウムを指し、純度99.0%以上のアルミニウムを純アルミニウムと称する。純アルミニウムに種々の元素を添加して合金としたものをアルミニウム合金と称する。アルミニウム合金としては、Al−Cu系、Al−Mn系、Al−Fe系、Al−Si系、Al−Mg系、Al−Mg−Si系、Al−Zn−Mg系が挙げられる。
また、アルミニウム又はアルミニウム合金として、具体的には、例えばJIS A1085、A1N30等のA1000系合金(純アルミニウム系)、JIS A3003、A3004等のA3000系合金(Al−Mn系)、JIS A8079、A8021等のA8000系合金(Al−Fe系)が挙げられる。
集電体は箔、シート、フィルム、線状、棒状、メッシュなどの形態をとることができる。そのため、集電体として、例えば、銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を好適に用いることができる。集電体が箔、シート、フィルム形態の場合は、その厚みが1μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
正極活物質層には、本発明の正極活物質以外に公知の正極活物質が含まれていてもよい。また、正極活物質層には、結着剤及び導電助剤が含まれているのが好ましい。正極活物質層に含まれる結着剤及び導電助剤としては、後述の負極で説明するものを適宜適切に採用すればよい。
本発明のリチウムイオン二次電池は、具体的に、本発明の正極及び負極、並びに、電解液及びセパレータ、又は、固体電解質を具備する。
負極は、集電体と集電体上に形成された負極活物質層を具備する。負極の集電体としては、本発明の正極で説明したものから適宜適切に選択すればよい。負極活物質層には、公知の負極活物質が含まれる。また、負極活物質層には、結着剤及び導電助剤が含まれているのが好ましい。以下、正極活物質及び負極活物質の両者を総合して「活物質」という場合があり、また、正極活物質層及び負極活物質層の両者を総合して「活物質層」という場合がある。
結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンゴムなどの公知のものを採用すればよい。
活物質層中の結着剤の配合割合は、質量比で、活物質:結着剤=1:0.005〜1:0.5であるのが好ましい。結着剤が少なすぎると電極の成形性が低下し、また、結着剤が多すぎると電極のエネルギー密度が低くなるためである。
導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。そのため、導電助剤は、電極の導電性が不足する場合に任意に加えればよく、電極の導電性が十分に優れている場合には加えなくても良い。導電助剤としては化学的に不活性な電子高伝導体であれば良く、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber)、および各種金属粒子などが例示される。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、ファーネスブラック、チャンネルブラックなどが例示される。これらの導電助剤を単独又は二種以上組み合わせて活物質層に添加することができる。活物質層中の導電助剤の配合割合は、質量比で、活物質:導電助剤=1:0.01〜1:0.7であるのが好ましい。導電助剤が少なすぎると効率のよい導電パスを形成できず、また、導電助剤が多すぎると活物質層の成形性が悪くなるとともに電極のエネルギー密度が低くなるためである。
集電体の表面に活物質層を形成させるには、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いて、集電体の表面に活物質を塗布すればよい。具体的には、活物質、結着剤、溶剤、並びに必要に応じて導電助剤を混合してスラリーにしてから、当該スラリーを集電体の表面に塗布後、乾燥するとよい。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、メタノール、メチルイソブチルケトン、水を例示できる。電極密度を高めるべく、乾燥後のものを圧縮しても良い。また、活物質、結着剤、及び必要に応じて導電助剤を含む混合物を調製し、当該混合物を集電体に圧着させることで、集電体の表面に活物質層を形成させてもよい。
セパレータは、正極と負極とを隔離し、両極の接触による短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータとしては、公知のものを採用すればよく、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアラミド(Aromatic polyamide)、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等の合成樹脂、セルロース、アミロース等の多糖類、フィブロイン、ケラチン、リグニン、スベリン等の天然高分子、セラミックスなどの電気絶縁性材料を1種若しくは複数用いた多孔体、不織布、織布などを挙げることができる。また、セパレータは多層構造としてもよい。
電解液は、非水溶媒と非水溶媒に溶解した電解質とを含んでいる。
非水溶媒としては、環状カーボネート、環状エステル、鎖状カーボネート、鎖状エステル、エーテル類等が使用できる。環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートを例示でき、環状エステルとしては、ガンマブチロラクトン、2−メチル−ガンマブチロラクトン、アセチル−ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトンを例示できる。鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネートを例示でき、鎖状エステルとしては、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等を例示できる。エーテル類としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンを例示できる。非水溶媒としては、上記具体的な溶媒の化学構造のうち一部又は全部の水素がフッ素に置換した化合物を採用しても良い。
電解質としては、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2等のリチウム塩を例示できる。
電解液としては、フルオロエチレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの非水溶媒に、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3などのリチウム塩を0.5mol/Lから1.7mol/L程度の濃度で溶解させた溶液を例示できる。
固体電解質としては、リチウムイオン二次電池の固体電解質として使用可能なものを適宜採用すればよい。
本発明のリチウムイオン二次電池の具体的な製造方法について述べる。
例えば、正極と負極とでセパレータを挟持して電極体とする。電極体は、正極、セパレータ及び負極を重ねた積層型、又は、正極、セパレータ及び負極の積層体を捲いた捲回型のいずれの型にしても良い。正極の集電体および負極の集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までを、集電用リード等を用いて接続した後に、電極体に電解液を加えてリチウムイオン二次電池とするとよい。
例えば、正極と負極とでセパレータを挟持して電極体とする。電極体は、正極、セパレータ及び負極を重ねた積層型、又は、正極、セパレータ及び負極の積層体を捲いた捲回型のいずれの型にしても良い。正極の集電体および負極の集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までを、集電用リード等を用いて接続した後に、電極体に電解液を加えてリチウムイオン二次電池とするとよい。
本発明のリチウムイオン二次電池の形状は特に限定されるものでなく、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等、種々の形状を採用することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、車両に搭載してもよい。車両は、その動力源の全部あるいは一部にリチウムイオン二次電池による電気エネルギーを使用している車両であればよく、例えば、電気車両、ハイブリッド車両などであるとよい。車両にリチウムイオン二次電池を搭載する場合には、リチウムイオン二次電池を複数直列に接続して組電池とするとよい。リチウムイオン二次電池を搭載する機器としては、車両以外にも、パーソナルコンピュータ、携帯通信機器など、電池で駆動される各種の家電製品、オフィス機器、産業機器などが挙げられる。さらに、本発明のリチウムイオン二次電池は、風力発電、太陽光発電、水力発電その他電力系統の蓄電装置及び電力平滑化装置、船舶等の動力及び/又は補機類の電力供給源、航空機、宇宙船等の動力及び/又は補機類の電力供給源、電気を動力源に用いない車両の補助用電源、移動式の家庭用ロボットの電源、システムバックアップ用電源、無停電電源装置の電源、電動車両用充電ステーションなどにおいて充電に必要な電力を一時蓄える蓄電装置に用いてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、各種の具体例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの具体例によって限定されるものではない。
(実施例1)
炭酸リチウム、塩基性炭酸ニッケル及び三酸化モリブデンを、Li、Ni、Moのモル比が1.11:0.63:0.26となるように秤量して、φ5mmのジルコニアボールと供にポリプロピレン製容器に投入した。これをポットミル装置に搭載後、24時間120rpmの条件でボールミルによる混合を行い、混合物とした。混合物を成形した上で、大気下、1000℃で2時間加熱することで、焼成物を製造した。焼成物を解砕して、実施例1の正極活物質とした。実施例1の正極活物質の理論上の組成は、Li1.11Ni0.63Mo0.26O2である。
炭酸リチウム、塩基性炭酸ニッケル及び三酸化モリブデンを、Li、Ni、Moのモル比が1.11:0.63:0.26となるように秤量して、φ5mmのジルコニアボールと供にポリプロピレン製容器に投入した。これをポットミル装置に搭載後、24時間120rpmの条件でボールミルによる混合を行い、混合物とした。混合物を成形した上で、大気下、1000℃で2時間加熱することで、焼成物を製造した。焼成物を解砕して、実施例1の正極活物質とした。実施例1の正極活物質の理論上の組成は、Li1.11Ni0.63Mo0.26O2である。
実施例1の正極活物質5質量部、導電助剤としてアセチレンブラック4質量部、結着剤としてポリテトラフルオロエチレン1質量部を秤量して、メノウ乳鉢で混合し、粘土状に加工して正極合材を得た。集電体としてメッシュ状のアルミニウムを準備し、これに正極合材を圧着することで実験例1の正極を得た。作業は全てアルゴンガス置換された水分濃度1ppm以下のグローブボックス内で行った。
リチウム箔を準備し、これを負極とした。セパレータとしてガラスフィルター(ヘキストセラニーズ社)及び単層ポリプロピレンであるcelgard2400(ポリポア株式会社)を準備した。また、エチレンカーボネート3容量部及びジエチルカーボネート7容量部を混合した溶媒にLiPF6を1mol/Lで溶解した電解液を準備した。負極、ガラスフィルター、celgard2400、実施例1の正極の順に、2種のセパレータを、負極と実施例1の正極で挟持し電極体とした。この電極体をコイン型電池ケースCR2032(宝泉株式会社)に収容し、さらに電解液を注入して、密閉型のコイン型電池を得た。これを実施例1のリチウムイオン二次電池とした。
(実施例2)
炭酸リチウム、塩基性炭酸ニッケル及び三酸化モリブデンを、Li、Ni、Moのモル比が1.167:0.540:0.293となるように秤量して、ボールミルに投入した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2の正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池を製造した。実施例2の正極活物質の理論上の組成は、Li1.167Ni0.54Mo0.293O2である。
炭酸リチウム、塩基性炭酸ニッケル及び三酸化モリブデンを、Li、Ni、Moのモル比が1.167:0.540:0.293となるように秤量して、ボールミルに投入した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2の正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池を製造した。実施例2の正極活物質の理論上の組成は、Li1.167Ni0.54Mo0.293O2である。
(評価例1)
Cu−Kα線を用いた粉末X線回折装置にて、実施例1及び実施例2の正極活物質の分析を行ったところ、いずれも、空間群C2/mに帰属可能な回折パターンが確認された。
Cu−Kα線を用いた粉末X線回折装置にて、実施例1及び実施例2の正極活物質の分析を行ったところ、いずれも、空間群C2/mに帰属可能な回折パターンが確認された。
(評価例2)
実施例1及び実施例2のリチウムイオン二次電池につき、25℃、13.5mA/gの一定電流下、4.8Vまで充電を行い、その後、1.3Vまで放電を行った。
実施例1のリチウムイオン二次電池の充電容量は252mAh/gであり、放電容量は186mAh/gであった。また、実施例2のリチウムイオン二次電池の充電容量は268mAh/gであり、放電容量は156mAh/gであった。
いずれのリチウムイオン二次電池の充電容量も250mAh/gを超えていたため、実施例1及び実施例2の正極活物質は高容量といえる。
実施例1及び実施例2のリチウムイオン二次電池につき、25℃、13.5mA/gの一定電流下、4.8Vまで充電を行い、その後、1.3Vまで放電を行った。
実施例1のリチウムイオン二次電池の充電容量は252mAh/gであり、放電容量は186mAh/gであった。また、実施例2のリチウムイオン二次電池の充電容量は268mAh/gであり、放電容量は156mAh/gであった。
いずれのリチウムイオン二次電池の充電容量も250mAh/gを超えていたため、実施例1及び実施例2の正極活物質は高容量といえる。
(評価例3)
組成式(2):LixNiyMozO2で表される化合物について、Li−Ni−Mo三成分相図を用いて、組成上、高容量となり得るx、y及びzの範囲を算出した。そうすると、x、y及びzが、1≦x≦1.5、0.2≦y≦0.7、0.1≦z≦0.5、x+y+z=2を満足する範囲内で、組成式(2)の化合物が高容量を示すと考えられた。
組成式(2):LixNiyMozO2で表される化合物について、Li−Ni−Mo三成分相図を用いて、組成上、高容量となり得るx、y及びzの範囲を算出した。そうすると、x、y及びzが、1≦x≦1.5、0.2≦y≦0.7、0.1≦z≦0.5、x+y+z=2を満足する範囲内で、組成式(2)の化合物が高容量を示すと考えられた。
上記の範囲内の化合物について、64原子での計算モデルに使用可能な5組成を選定した。選定された5組成の化合物について、表1に示す。表1において、No.2〜No.4の化合物が、本発明の正極活物質に該当する。
密度汎関数理論及びモンテカルロ法(DFT−MC)を用いて、No.1〜No.5の各組成の化合物について、構造を作成した。そして、第一原理計算にて、各化合物について、リチウムイオンの離脱とNi及びMoの酸化に伴う充電状態における、電位(vs Li/Li+)及び単位質量あたりの容量並びに結晶構造についての解析を行った。なお、計算ソフトとしては、VASP(5.3.5)を使用した。
上記解析において、電位4.5Vまで充電させた場合の充電容量と、酸素ガスの発生が想定される直前の電位まで充電させた場合の充電容量を、それぞれ算出した。なお、酸素ガスの発生が想定される電位とは、リチウムイオンの離脱により隣接する状態となった酸素同士が、酸素−酸素結合を形成するとみなせる距離まで接近した時点の電位を意味する。
結果を図1及び表2に示す。図1の各化合物の棒グラフにおいて、左側の棒が電位4.5Vまで充電させた場合の充電容量であり、右側の棒が酸素ガスの発生が想定される直前の電位まで充電させた場合の充電容量である。
本発明の正極活物質であるNo.2〜No.4の組成の化合物は、酸素ガスの発生が想定される直前の電位まで充電させた場合の充電容量が、250mAh/gを遥かに超えており、充電容量に優れているといえる。特に、No.3の組成の化合物の充電容量は著しく高い。
本発明の正極活物質の範囲内ではないNo.1及びNo.5の組成の化合物は、酸素ガスの発生が想定される直前の電位まで充電させた場合の充電容量が、250mAh/gに達していないことがわかる。特に、No.5の組成の化合物は、電位4.5Vまで充電させた場合の充電容量と、酸素ガスの発生が想定される直前の電位まで充電させた場合の充電容量が同程度であるため、構造上、最も不安定であるといえる。
本発明の正極活物質の範囲内ではないNo.1及びNo.5の組成の化合物は、酸素ガスの発生が想定される直前の電位まで充電させた場合の充電容量が、250mAh/gに達していないことがわかる。特に、No.5の組成の化合物は、電位4.5Vまで充電させた場合の充電容量と、酸素ガスの発生が想定される直前の電位まで充電させた場合の充電容量が同程度であるため、構造上、最も不安定であるといえる。
理論的な計算結果から、本発明の正極活物質の有用性が裏付けられたといえる。また、表2の結果から、実施例1及び実施例2のリチウムイオン二次電池を、酸素ガスの発生が想定される直前の電位まで充電させた場合には、さらに高い充電容量を示すことが予測される。
(実施例3)
炭酸リチウム、塩基性炭酸ニッケル及び三酸化モリブデンを、Li、Ni、Moのモル比が1.14:0.57:0.29となるように秤量して、無水エタノール及びφ5mmのジルコニアボールと供にポリプロピレン製容器に投入した。これをボールミル装置に搭載後、24時間85rpmの条件でボールミルによる混合を行い、混合物とした。混合物を成形し、100℃で24時間乾燥した上で、大気下、1000℃で2時間加熱することで、焼成物を製造した。焼成物を解砕して、実施例3の正極活物質とした。実施例3の正極活物質の理論上の組成は、Li1.14Ni0.57Mo0.29O2である。
炭酸リチウム、塩基性炭酸ニッケル及び三酸化モリブデンを、Li、Ni、Moのモル比が1.14:0.57:0.29となるように秤量して、無水エタノール及びφ5mmのジルコニアボールと供にポリプロピレン製容器に投入した。これをボールミル装置に搭載後、24時間85rpmの条件でボールミルによる混合を行い、混合物とした。混合物を成形し、100℃で24時間乾燥した上で、大気下、1000℃で2時間加熱することで、焼成物を製造した。焼成物を解砕して、実施例3の正極活物質とした。実施例3の正極活物質の理論上の組成は、Li1.14Ni0.57Mo0.29O2である。
5質量部の実施例3の正極活物質と2質量部のアセチレンブラックを、φ5mmのジルコニアボールと供にジルコニア製容器に投入した。これをボールミル装置に搭載後、0.5時間300rpmの条件でボールミルによる混合粉砕を行い、実施例3の正極材料とした。
実施例3の正極材料、追加の導電助剤としてアセチレンブラック、及び、結着剤としてポリテトラフルオロエチレンを混合し、粘土状に加工して正極合材を得た。集電体としてメッシュ状のアルミニウムを準備し、これに正極合材を圧着することで実験例3の正極を得た。実施例3の正極において、実施例3の正極活物質、実施例3の正極材料の炭素を包含する導電助剤、及び、結着剤の質量比は、5:3:2であった。
以下、実施例1と同様の方法で、実施例3のリチウムイオン二次電池を製造した。
以下、実施例1と同様の方法で、実施例3のリチウムイオン二次電池を製造した。
(評価例4)
Cu−Kα線を用いた粉末X線回折装置にて、実施例3の正極活物質の分析を行ったところ、空間群C2/mに帰属可能な回折パターンが確認された。実施例3の正極活物質の粉末X線回折チャートを図2に示す。
Cu−Kα線を用いた粉末X線回折装置にて、実施例3の正極活物質の分析を行ったところ、空間群C2/mに帰属可能な回折パターンが確認された。実施例3の正極活物質の粉末X線回折チャートを図2に示す。
(評価例5)
走査型電子顕微鏡(SEM)とエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を組み合わせたSEM−EDXにて、実施例3の正極活物質に対して、Ni及びMoを対象とした分析を行った。その結果、Ni及びMoが実施例3の正極活物質中に均一に分散して存在することが確認できた。
走査型電子顕微鏡(SEM)とエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を組み合わせたSEM−EDXにて、実施例3の正極活物質に対して、Ni及びMoを対象とした分析を行った。その結果、Ni及びMoが実施例3の正極活物質中に均一に分散して存在することが確認できた。
(評価例6)
実施例3のリチウムイオン二次電池につき、25℃、6.5mA/gの一定電流下、4.8Vまで充電を行い、その後、1.5Vまで放電を行った。
実施例3のリチウムイオン二次電池の充電容量は286mAh/gであった。実施例3のリチウムイオン二次電池の充放電曲線を図3に示す。図3の横軸は容量(mAh/g)であり、縦軸は電圧(V)である。
充電容量が250mAh/gを超えていたため、実施例3の正極活物質は高容量といえる。
実施例3のリチウムイオン二次電池につき、25℃、6.5mA/gの一定電流下、4.8Vまで充電を行い、その後、1.5Vまで放電を行った。
実施例3のリチウムイオン二次電池の充電容量は286mAh/gであった。実施例3のリチウムイオン二次電池の充放電曲線を図3に示す。図3の横軸は容量(mAh/g)であり、縦軸は電圧(V)である。
充電容量が250mAh/gを超えていたため、実施例3の正極活物質は高容量といえる。
Claims (3)
- 空間群C2/mに帰属可能な結晶構造を示し、下記組成式(1)で表されることを特徴とする正極活物質。
LixNiyMozMeaO2 (1)
組成式(1)において、Meは、Ni及びMo以外の第2族元素〜第15族元素から選択される少なくとも1種の元素である。x、y、z及びaは、1.1≦x<1.2、0.4≦y≦0.7、0.1≦z≦0.4、0≦a≦0.1、x+y+z+a=2を満足する。 - 請求項1に記載の正極活物質を具備するリチウムイオン二次電池用正極。
- 請求項1に記載の正極活物質を具備するリチウムイオン二次電池。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017252659 | 2017-12-27 | ||
JP2017252659 | 2017-12-27 |
Publications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114144911A (zh) * | 2020-01-31 | 2022-03-04 | 株式会社Lg新能源 | 包含在二次电池用正极材料中的不可逆添加剂、包含其的正极材料以及包含该正极材料的二次电池 |
-
2018
- 2018-05-08 JP JP2018090166A patent/JP2019117781A/ja active Pending
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CN114144911A (zh) * | 2020-01-31 | 2022-03-04 | 株式会社Lg新能源 | 包含在二次电池用正极材料中的不可逆添加剂、包含其的正极材料以及包含该正极材料的二次电池 |
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