JP6459798B2 - 炭素含有シリコン材料及びその製造方法並びに炭素含有シリコン材料を具備する二次電池 - Google Patents

炭素含有シリコン材料及びその製造方法並びに炭素含有シリコン材料を具備する二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、炭素含有シリコン材料及びその製造方法並びに炭素含有シリコン材料を具備する二次電池に関する。
シリコンは半導体、太陽電池、二次電池などの構成要素として用いられることが知られており、それゆえに、シリコンに関する研究が活発に行われている。
例えば、特許文献1には、CaSiを濃塩酸で処理し、層状ポリシランを製造したこと、及び、当該層状ポリシランが二次電池の活物質として機能し得ることが記載されている。
また、特許文献2には、CaSiと酸とを反応させてCaを除去した層状ポリシランを主成分とする層状シリコン化合物を合成したこと、当該層状シリコン化合物を300℃以上で加熱して水素を離脱させたシリコン材料を製造したこと、及び、当該シリコン材料を活物質として具備するリチウムイオン二次電池が記載されている。
特開2011−90806号公報 国際公開第2014/080608号
さて、産業界からは、より優れた性能の二次電池が熱望されている。そして、二次電池に活物質として具備されるシリコン材料についての研究が盛んに行われている。
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものであり、二次電池の活物質となり得る新たなシリコン材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、試行錯誤を繰り返したところ、思いがけず、炭素を好適に含有するシリコン材料を製造することに成功した。しかも、当該シリコン材料が二次電池の活物質として好適に機能することを確認して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の炭素含有シリコン材料の製造方法は、a)アルコール存在下でCaSiと酸とを反応させ炭素含有層状シリコン化合物を製造する工程、b)前記炭素含有層状シリコン化合物を400℃以上で加熱する工程、を含むことを特徴とする。
本発明の炭素含有シリコン材料は、上記製造方法で製造されたことを特徴とする。
本発明の炭素含有シリコン材料は、二次電池の活物質として好適に機能できる。
実施例1の炭素含有層状シリコン化合物の拡大した粉末X線回折チャートである。 比較例1の層状シリコン化合物の拡大した粉末X線回折チャートである。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の炭素含有シリコン材料の製造方法は、a)アルコール存在下でCaSiと酸とを反応させ炭素含有層状シリコン化合物を製造する工程、b)前記炭素含有層状シリコン化合物を400℃以上で加熱する工程、を含むことを特徴とする。
まず、a)工程について説明する。a)工程は、アルコール存在下でCaSiと酸とを反応させ炭素含有層状シリコン化合物を製造する工程である。
アルコールとしては、分子内に1つの水酸基を有する1価アルコールでもよいし、複数の水酸基を有する多価アルコールでもよい。また、アルコールは1種類を用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。アルコールは、常温(25℃)で液体状態のものが好ましく、また、a)工程で使用する酸と混和できるものが好ましい。複数種類のアルコールを混合アルコールとして用いる場合も、混合アルコールは常温で液体状態のものが好ましい。
a)工程のアルコールには、飽和アルコール及び/又は不飽和アルコールが含まれる。ここで、不飽和アルコールを原料とした炭素含有層状シリコン化合物は、b)工程において、導電性に優れた炭素−炭素不飽和結合を有する炭素含有シリコン材料を合成されやすいと推定される。そのため、a)工程のアルコールには不飽和アルコールが含有されるのが好ましい。
飽和アルコールの炭化水素基の炭素数としては、1〜6の範囲内が好ましく、1〜4の範囲内がより好ましく、1〜2の範囲内がさらに好ましい。
飽和アルコールの具体例として、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノールなどの1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールなどの2価アルコール、グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオールなどの3価アルコールを挙げることができる。
a)工程で得られる炭素含有層状シリコン化合物の安定性の観点から、飽和アルコールとしてはメタノールが最も好ましい。
不飽和アルコールは、分子内に不飽和結合及び水酸基を有する化合物である。ここでの不飽和結合とは、炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合を意味する。化学構造に芳香族を含むアルコールも不飽和アルコールに包含される。
不飽和アルコールの具体例として、アリルアルコール、3−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール、メタリルアルコール、プロパルギルアルコールなどの不飽和鎖状アルコール、ベンジルアルコール、2−フェニルエタノール、3−フェニル−1−プロパノール、メチルベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、シンナミルアルコール、2−ナフチルメタノールなどの芳香族アルコール、フェノール、1,2−ベンゼンジオール、1,3−ベンゼンジオール、1,4−ベンゼンジオールなどのフェノール類を挙げることができる。なお、例えば、フェノール類は常温で固体であるため、他の常温で液体のアルコールと混合して、溶液状態の混合アルコールとして用いるのが好ましい。
CaSiは、一般にCa層とSi層が積層した構造からなる。CaSiは、公知の製造方法で合成してもよく、市販されているものを採用してもよい。a)工程に用いるCaSiは、あらかじめ粉砕しておくことが好ましい。
a)工程において、アルコールとCaSiとの質量比は0.5:1〜30:1の範囲内が好ましく、0.5:1〜15:1の範囲内がより好ましく、1:1〜5:1の範囲内がさらに好ましい。アルコールの量が少なすぎると、a)工程における撹拌が不十分となる恐れがあり、また、逆に、アルコールの量が多すぎると酸の濃度が希釈されすぎるため、a)工程の反応が十分に進行しない恐れがある。
酸としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、硝酸、リン酸、蟻酸、酢酸、メタンスルホン酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、ヘキサフルオロヒ素酸、フルオロアンチモン酸、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロゲルマン酸、ヘキサフルオロスズ(IV)酸、トリフルオロ酢酸、ヘキサフルオロチタン酸、ヘキサフルオロジルコニウム酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フルオロスルホン酸が例示される。これらの酸を単独又は併用して使用すれば良い。
酸としては無機酸が好ましく、特に好ましい無機酸としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸を例示できる。
酸は水溶液として用いられるのが、反応液の撹拌状態、並びに、作業の簡便性及び安全性の観点から好ましい。
a)工程に用いる酸は、CaSiに対して2当量以上のプロトンを供給できる量で用いればよい。CaSiと酸の使用量をモル比で示すと、1:2以上が好ましく、1:2〜1:6の範囲内がより好ましく、1:2〜1:4の範囲内がさらに好ましい。酸の使用量が少なすぎると反応が十分に進行しない恐れがある。また、酸の使用量が多すぎると、酸のアニオンに由来する成分が炭素含有層状シリコン化合物に多く含まれる恐れがある。
a)工程における反応条件は、真空などの減圧条件又は不活性ガス雰囲気下とすることが好ましく、反応時間と反応温度は特に限定されないが、通常、反応温度は−10℃〜50℃の範囲内である。a)工程の反応時間は適宜設定すれば良く、例えば、1〜30時間、3〜20時間、10〜20時間を例示できる。
反応制御の観点から、a)工程は、CaSiをアルコール中又はアルコールと水との混合溶媒中で懸濁させた懸濁液に、酸の水溶液を滴下して反応液とする方法で行われるのが好ましい。アルコールと水との混合溶媒における、アルコールと水との質量比は、10:1〜1:1、9:1〜3:1などを例示できる。
a)工程の反応液における溶媒に対する酸の濃度は3〜30質量%が好ましく、5〜25質量%がより好ましく、10〜25質量%がさらに好ましく、15〜25質量%が最も好ましい。
さて、a)工程において、アルコールとしてベンジルアルコール、酸として塩酸を用いた場合の反応式を示すと、以下のとおりとなると推定される。
3CaSi+6HCl→Si+3CaCl
Si+nCCHOH→Si6−n(OCH(0<n≦6)+nH
上段の反応は、層状のCaSiのCaが2Hで置換されつつ、Si−H結合を形成すると考えることもできる。a)工程において、酸は水溶液として用いられるのが好ましいことは、前述した。ここで、中間体のSiは水と反応し得るため、下段の反応において、通常は、炭素含有層状シリコン化合物がSi6−n(OCH(0<n≦6)なる化合物のみで得られることはほとんどなく、水由来の水酸基若しくは酸素や酸のアニオン由来の元素を含有する。炭素含有層状シリコン化合物は、原料のCaSiにおけるSi層の基本骨格が維持されているため、層状をなす。
a)工程で得られる炭素含有層状シリコン化合物を単離するために、適宜、濾過工程、洗浄工程、乾燥工程を実施してもよい。炭素含有層状シリコン化合物の中には、空気中で発熱するものもあるため、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下でこれらの工程を実施するのが好ましい。
次に、b)工程について説明する。b)工程は、炭素含有層状シリコン化合物を400℃以上で加熱する工程である。
化学的な観点から述べると、b)工程は、加熱により、炭素含有層状シリコン化合物からSi−Hの水素及び/又はアルコールに由来する炭化水素基の水素などを離脱させて、炭素含有シリコン材料を合成する工程である。
b)工程は、通常の大気下よりも酸素含有量の少ない非酸化性雰囲気下で行われるのが好ましい。非酸化性雰囲気としては、真空を含む減圧雰囲気、不活性ガス雰囲気を例示できる。
一般に有機化合物は400℃付近から炭化するため、加熱温度は400℃以上が必要となる。加熱温度の範囲としては、400℃〜1200℃の範囲内が好ましく、500℃〜1100℃の範囲内がより好ましく、600℃〜1000℃の範囲内がさらに好ましい。加熱温度が低すぎると水素の離脱が十分でない場合があり、他方、加熱温度が高すぎるとエネルギーの無駄になる。加熱時間は加熱温度に応じて適宜設定すれば良く、また、反応系外に抜けていく水素などの量を測定しながら加熱時間を決定するのも好ましい。加熱温度及び加熱時間を適宜選択することにより、製造される炭素含有シリコン材料に含まれるアモルファスシリコン及びシリコン結晶子の割合、並びに、シリコン結晶子の大きさを調製することもでき、さらには、製造される炭素含有シリコン材料に含まれる、アモルファスシリコン及びシリコン結晶子を含むナノ水準の厚みの層の形状や大きさを調製することもできる。
シリコン結晶子のサイズとしては、ナノサイズのものが好ましい。具体的には、シリコン結晶子サイズは、0.5nm〜300nmの範囲内が好ましく、1nm〜100nmの範囲内がより好ましく、1nm〜50nmの範囲内がさらに好ましく、1nm〜10nmの範囲内が特に好ましい。なお、シリコン結晶子サイズは、炭素含有シリコン材料に対してX線回折測定(XRD測定)を行い、得られたXRDチャートのSi(111)面の回折ピークの半値幅を用いたシェラーの式から算出される。
b)工程により、複数枚の板状シリコン体が厚さ方向に積層されてなる構造を有する炭素含有シリコン材料を得ることができる。この構造は、走査型電子顕微鏡などによる観察で確認できる。本発明の炭素含有シリコン材料をリチウムイオン二次電池の活物質として使用することを考慮すると、リチウムイオンの効率的な挿入及び脱離反応のためには、板状シリコン体は厚さが10nm〜100nmの範囲内のものが好ましく、20nm〜50nmの範囲内のものがより好ましい。また、板状シリコン体の長軸方向の長さは、0.1μm〜50μmの範囲内のものが好ましい。また、板状シリコン体は、(長軸方向の長さ)/(厚さ)が2〜1000の範囲内であるのが好ましい。
本発明の炭素含有シリコン材料は、粉砕や分級を経て、一定の粒度分布の粒子としてもよい。本発明の炭素含有シリコン材料の好ましい粒度分布としては、一般的なレーザー回折式粒度分布測定装置で測定した場合に、D50が1〜30μmの範囲内を例示できる。
本発明の炭素含有シリコン材料は、炭素を1質量%以上で含むものが好ましく、2質量%以上で含むものがより好ましく、3質量%以上で含むものがさらに好ましい。本発明の炭素含有シリコン材料における炭素含有量の上限を例示すると、20質量%、15質量%、10質量%を挙げることができる。
本発明の炭素含有シリコン材料は、a)工程で用いた酸のアニオン由来の元素を5質量%以下で含むものが好ましく、3質量%以下で含むものがより好ましく、0.1〜1質量%で含むものがさらに好ましく、含まないものが特に好ましい。本発明の炭素含有シリコン材料に含まれる、a)工程で用いた酸のアニオン由来の元素の含有量の下限として、0.001質量%、0.01質量%、0.1質量%を挙げることができる。
本発明の炭素含有シリコン材料は、酸素を20質量%以下で含むものが好ましく、17質量%以下で含むものがより好ましく、15質量%以下で含むものがさらに好ましい。酸素の含有量の下限値として、5質量%、10質量%を例示できる。
本発明の炭素含有シリコン材料は、リチウムイオン二次電池などの二次電池の負極活物質として使用することができる。その際には、本発明の炭素含有シリコン材料をさらに炭素で被覆して用いてもよい。
以下、本発明の炭素含有シリコン材料を負極活物質として具備する二次電池について、その代表としてリチウムイオン二次電池を例にして、説明する。本発明の炭素含有シリコン材料を負極活物質として具備するリチウムイオン二次電池を、以下、本発明のリチウムイオン二次電池という。具体的には、本発明のリチウムイオン二次電池は、正極、本発明の炭素含有シリコン材料を負極活物質として具備する負極、電解液及び必要に応じてセパレータを具備する。
正極は、集電体と、集電体の表面に結着させた正極活物質層を有する。
集電体は、リチウムイオン二次電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子伝導体をいう。集電体としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。
集電体は箔、シート、フィルム、線状、棒状、メッシュなどの形態をとることができる。そのため、集電体として、例えば、銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を好適に用いることができる。集電体が箔、シート、フィルム形態の場合は、その厚みが1μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
正極活物質層は正極活物質、並びに必要に応じて導電助剤及び/又は結着剤を含む。
正極活物質としては、層状化合物のLiNiCoMn(0.2≦a≦2、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはLi、Fe、Cr、Cu、Zn、Ca、Mg、S、Si、Na、K、Al、Zr、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、Laから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦3)、LiMnOを挙げることができる。また、正極活物質として、LiMn等のスピネル、及びスピネルと層状化合物の混合物で構成される固溶体、LiMPO、LiMVO又はLiMSiO(式中のMはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種から選択される)などで表されるポリアニオン系化合物を挙げることができる。さらに、正極活物質として、LiFePOFなどのLiMPOF(Mは遷移金属)で表されるタボライト系化合物、LiFeBOなどのLiMBO(Mは遷移金属)で表されるボレート系化合物を挙げることができる。正極活物質として用いられるいずれの金属酸化物も上記の組成式を基本組成とすればよく、基本組成に含まれる金属元素を他の金属元素で置換したものも使用可能である。また、正極活物質として、充放電に寄与するリチウムイオンを含まない正極活物質材料、たとえば、硫黄単体、硫黄と炭素を複合化した化合物、TiSなどの金属硫化物、V、MnOなどの酸化物、ポリアニリン及びアントラキノン並びにこれら芳香族を化学構造に含む化合物、共役二酢酸系有機物などの共役系材料、その他公知の材料を用いることもできる。さらに、ニトロキシド、ニトロニルニトロキシド、ガルビノキシル、フェノキシルなどの安定なラジカルを有する化合物を正極活物質として採用してもよい。リチウムを含まない正極活物質材料を用いる場合には、正極及び/又は負極に、公知の方法により、予めイオンを添加させておく必要がある。ここで、当該イオンを添加するためには、金属または当該イオンを含む化合物を用いればよい。
導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。そのため、導電助剤は、電極の導電性が不足する場合に任意に加えればよく、電極の導電性が十分に優れている場合には加えなくても良い。導電助剤としては化学的に不活性な電子高伝導体であれば良く、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)、および各種金属粒子などが例示される。これらの導電助剤を単独または二種以上組み合わせて活物質層に添加することができる。
活物質層中の導電助剤の配合割合は、質量比で、活物質:導電助剤=1:0.005〜1:0.5であるのが好ましく、1:0.01〜1:0.2であるのがより好ましく、1:0.03〜1:0.1であるのがさらに好ましい。導電助剤が少なすぎると効率のよい導電パスを形成できず、また、導電助剤が多すぎると活物質層の成形性が悪くなるとともに電極のエネルギー密度が低くなるためである。
結着剤は、活物質や導電助剤を集電体の表面に繋ぎ止め、電極中の導電ネットワークを維持する役割を果たすものである。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸等のアクリル系樹脂、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロースを例示することができる。これらの結着剤を単独で又は複数で採用すれば良い。
活物質層中の結着剤の配合割合は、質量比で、活物質:結着剤=1:0.001〜1:0.3であるのが好ましく、1:0.005〜1:0.2であるのがより好ましく、1:0.01〜1:0.15であるのがさらに好ましい。結着剤が少なすぎると電極の成形性が低下し、また、結着剤が多すぎると電極のエネルギー密度が低くなるためである。
負極は、集電体と、集電体の表面に結着させた負極活物質層を有する。集電体については、正極で説明したものを適宜適切に採用すれば良い。負極活物質層は負極活物質、並びに必要に応じて導電助剤及び/又は結着剤を含む。
負極活物質としては、本発明の炭素含有シリコン材料を含むものであればよく、本発明の炭素含有シリコン材料のみを採用してもよいし、本発明の炭素含有シリコン材料と公知の負極活物質を併用してもよい。
負極に用いる導電助剤及び結着剤については、正極で説明したものを同様の配合割合で適宜適切に採用すれば良い。
集電体の表面に活物質層を形成させるには、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いて、集電体の表面に活物質を塗布すればよい。具体的には、活物質、溶剤、並びに必要に応じて結着剤及び/又は導電助剤を混合し、スラリーを調製する。上記溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、メタノール、メチルイソブチルケトン、水を例示できる。該スラリーを集電体の表面に塗布後、乾燥する。電極密度を高めるべく、乾燥後のものを圧縮しても良い。
電解液は、非水溶媒と非水溶媒に溶解した電解質とを含んでいる。
非水溶媒としては、環状エステル類、鎖状エステル類、エーテル類等が使用できる。環状エステル類としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−ガンマブチロラクトン、アセチル−ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトンを例示できる。鎖状エステル類としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等を例示できる。エーテル類としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンを例示できる。非水溶媒としては、上記具体的な溶媒の化学構造のうち一部又は全部の水素がフッ素に置換した化合物を採用しても良い。
電解質としては、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO等のリチウム塩を例示できる。
電解液としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネートなどの非水溶媒に、LiClO、LiPF、LiBF、LiCFSOなどのリチウム塩を0.5mol/Lから1.7mol/L程度の濃度で溶解させた溶液を例示できる。
セパレータは、正極と負極とを隔離し、両極の接触による短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアラミド(Aromatic polyamide)、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等の合成樹脂、セルロース、アミロース等の多糖類、フィブロイン、ケラチン、リグニン、スベリン等の天然高分子、セラミックスなどの電気絶縁性材料を1種若しくは複数用いた多孔体、不織布、織布などを挙げることができる。また、セパレータは多層構造としてもよい。
次に、正極、負極及び電解液を用いた本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。
正極および負極に必要に応じてセパレータを挟装させ電極体とする。電極体は、正極、セパレータ及び負極を重ねた積層型、又は、正極、セパレータ及び負極を捲いた捲回型のいずれの型にしても良い。正極の集電体および負極の集電体から、外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後に、電極体に電解液を加えてリチウムイオン二次電池とするとよい。また、本発明のリチウムイオン二次電池は、電極に含まれる活物質の種類に適した電圧範囲で充放電を実行されればよい。
本発明のリチウムイオン二次電池の形状は特に限定されるものでなく、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等、種々の形状を採用することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、車両に搭載してもよい。車両は、その動力源の全部あるいは一部にリチウムイオン二次電池による電気エネルギーを使用している車両であればよく、たとえば、電気車両、ハイブリッド車両などであるとよい。車両にリチウムイオン二次電池を搭載する場合には、リチウムイオン二次電池を複数直列に接続して組電池とするとよい。リチウムイオン二次電池を搭載する機器としては、車両以外にも、パーソナルコンピュータ、携帯通信機器など、電池で駆動される各種の家電製品、オフィス機器、産業機器などが挙げられる。さらに、本発明のリチウムイオン二次電池は、風力発電、太陽光発電、水力発電その他電力系統の蓄電装置及び電力平滑化装置、船舶等の動力及び/又は補機類の電力供給源、航空機、宇宙船等の動力及び/又は補機類の電力供給源、電気を動力源に用いない車両の補助用電源、移動式の家庭用ロボットの電源、システムバックアップ用電源、無停電電源装置の電源、電動車両用充電ステーションなどにおいて充電に必要な電力を一時蓄える蓄電装置に用いてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、実施例および比較例などを示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
a)工程
アルゴン雰囲気下、0℃としたメタノール75gに、50gのCaSi(Ca含有率32wt%)を加え、撹拌して、懸濁液とした。同条件下、当該懸濁液に、濃度35重量%のHCl水溶液85.5gを滴下し反応を開始した。HCl水溶液を滴下した後に、反応液から発泡が無くなったのを確認した後、さらに同条件下、合計で20時間攪拌した。反応液の溶媒に対するHClの濃度は19質量%であり、また、CaSiとHClのモル比は1:2であった。その後、反応液を室温まで昇温し、濾過を行った。残渣を300mLの蒸留水で3回洗浄した後、300mLのエタノールで洗浄し、減圧乾燥して炭素含有層状シリコン化合物を得た。これを実施例1の炭素含有層状シリコン化合物とした。
b)工程
実施例1の炭素含有層状シリコン化合物を、Oを1体積%以下の量で含むアルゴン雰囲気下にて900℃で1時間加熱し、炭素含有シリコン材料を得た。これを実施例1の炭素含有シリコン材料とした。
実施例1のリチウムイオン二次電池を以下のとおり製造した。
負極活物質として実施例1の炭素含有シリコン材料45質量部、負極活物質として天然黒鉛40質量部、導電助剤としてアセチレンブラック5質量部、結着剤としてポリアミドイミド10質量部、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドンを混合し、スラリーを調製した。上記スラリーを、集電体としての厚さ約20μmの電解銅箔の表面にドクターブレードを用いて塗布し、乾燥して、銅箔上に負極活物質層を形成した。その後、ロールプレス機により、集電体と負極活物質層を強固に密着接合させた。これを200℃で2時間減圧乾燥し、負極活物質層の厚さが23μmの負極を得た。
上記の手順で作製した負極を評価極として用い、リチウムイオン二次電池(ハーフセル)を作製した。対極は厚さ500μmの金属リチウム箔とした。
対極をφ14mm、評価極をφ11mmに裁断し、セパレータ(ヘキストセラニーズ社製ガラスフィルター及びCelgard社製「Celgard2400」)を両極の間に介装して電極体とした。この電極体を電池ケース(CR2032型コイン電池用部材、宝泉株式会社製)に収容した。電池ケースに、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比1:1で混合した混合溶媒にLiPFを1Mの濃度で溶解した非水電解液を注入し、電池ケースを密閉して、実施例1のリチウムイオン二次電池を得た。
(実施例2)
a)工程にて、メタノール75gの代わりにエタノール0.9gを用い、CaSi(Ca含有率32wt%)を1g、濃度35重量%のHCl水溶液を1.7g用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2の炭素含有層状シリコン化合物、炭素含有シリコン材料及びリチウムイオン二次電池を製造した。なお、a)工程の反応液の溶媒に対するHClの濃度は23質量%であり、また、CaSiとHClのモル比は1:2であった。
(実施例3)
a)工程にて、メタノール75gの代わりにベンジルアルコール3gを用い、CaSi(Ca含有率32wt%)を2g、濃度35重量%のHCl水溶液を3.4g用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例3の炭素含有層状シリコン化合物、炭素含有シリコン材料及びリチウムイオン二次電池を製造した。なお、a)工程の反応液の溶媒に対するHClの濃度は19質量%であり、また、CaSiとHClのモル比は1:2であった。
(実施例4)
a)工程にて、メタノール75gの代わりにベンジルアルコール1質量部とメタノール1質量部の混合アルコール4gを用い、CaSi(Ca含有率32wt%)を2g、濃度35重量%のHCl水溶液を3.4g用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例4の炭素含有層状シリコン化合物、炭素含有シリコン材料及びリチウムイオン二次電池を製造した。なお、a)工程の反応液の溶媒に対するHClの濃度は16質量%であり、また、CaSiとHClのモル比は1:2であった。
(比較例1)
アルゴン雰囲気下、0℃とした濃度35重量%のHCl水溶液507gに、50gのCaSi(Ca含有率32wt%)を加え、撹拌した。反応液から発泡が無くなったのを確認した後、さらに同条件下、合計で3時間攪拌した。その後、反応液を室温まで昇温し、濾過を行った。以後、実施例1と同様の方法で、比較例1の層状シリコン化合物、シリコン材料及びリチウムイオン二次電池を製造した。なお、CaSiとHClのモル比は1:12であった。
(比較例2)
a)工程にて、メタノール75gの代わりに水1.8gを用い、CaSi(Ca含有率32wt%)を2g、濃度35重量%のHCl水溶液を3.4g用いた以外は、実施例1と同様の方法で、比較例2の層状シリコン化合物、シリコン材料及びリチウムイオン二次電池を製造した。なお、a)工程の反応液の溶媒に対するHClの濃度は23質量%であり、また、CaSiとHClのモル比は1:2であった。
(評価例1)
各炭素含有シリコン材料につき、CHN元素分析装置による元素分析により、炭素含有量を分析した。さらに、各炭素含有シリコン材料につき、蛍光X線元素分析により酸のアニオン由来の元素である塩素含有量を分析し、酸素・窒素・水素分析装置EMGA(株式会社堀場製作所)を用いて酸素含有量を分析した。分析結果を表1に示す。
Figure 0006459798
表1の結果から、実施例1〜4の炭素含有シリコン材料は、炭素を好適に含有していることが裏付けられた。特に、a)工程を不飽和アルコール存在下で実施した、実施例3及び実施例4の炭素含有シリコン材料の炭素量が多いことがわかる。なお、比較例1及び比較例2のシリコン材料において炭素が検出されたのは、原料に不純物として若干の炭素が含まれていたため、又は、層状シリコン化合物の洗浄工程などで炭素源が混入したためと推察される。
また、従来のシリコン材料の製造方法で得られた比較例1のシリコン材料と比較して、実施例1〜4の炭素含有シリコン材料は、酸のアニオン由来の元素である塩素含有量が著しく減少したことがわかる。
(評価例2)
実施例1〜4の炭素含有層状シリコン化合物、比較例1〜2の層状シリコン化合物を空気中に曝して観察した。また、実施例1〜2の炭素含有層状シリコン化合物、比較例1〜2の層状シリコン化合物につき、粉末X線回折装置を用いて、回折パターンを測定した。各回折パターンにおけるシリコン層の間隔の回折を示す2θ=9〜13°のピークのθ、測定条件、及び、ブラッグの条件:2dsinθ=nλを用いて、シリコン層の間隔dを算出した。結果を表2に示す。また、実施例1の炭素含有層状シリコン化合物の拡大した粉末X線回折チャートを図1に示し、比較例1の層状シリコン化合物の拡大した粉末X線回折チャートを図2に示す。
Figure 0006459798
表2の結果から、炭素含有層状シリコン化合物におけるシリコン層の間隔dが大きくなると、空気中の酸素などがシリコン層の間隔に挿入しやすくなり、酸化反応などが生じやすくなると推察される。
実施例1と実施例2の結果の差は、実施例1の炭素含有層状シリコン化合物においてはSi−Hとメタノールが反応したSi−OCHが生成し、実施例2の炭素含有層状シリコン化合物においてはSi−Hとエタノールが反応したSi−OCHCHが生成していると推測され、OCHとOCHCHの嵩高さの差がシリコン層の間隔に反映したものと考えられる。
実施例3と実施例4の結果の差については、以下のように考察する。両実施例の炭素含有層状シリコン化合物においてSi−Hとベンジルアルコールが反応したSi−OCHが生成していると考えられる。さらに、実施例4ではアルコールとしてメタノールも存在するため、分子の嵩高さによりベンジルアルコールが接近できないSi−Hに対してメタノールが反応し、Si−OCHが生成していると推定される。そうすると、空気中で酸化反応に寄与できるSi−Hの数は実施例4の炭素含有層状シリコン化合物の方が少ないため、実施例4の炭素含有層状シリコン化合物は空気中で特段の発熱を生じなかったと考えられる。
空気中の炭素含有層状シリコン化合物の安定性を考慮すると、a)工程で用いるアルコールにはメタノールが含まれるのが好ましいといえる。
(評価例3)
実施例1〜4のリチウムイオン二次電池及び比較例1〜2のリチウムイオン二次電池について、温度25℃、電流0.2mAで評価極の対極に対する電圧が0.01Vになるまで充電を行い、次いで温度25℃、電流0.2mAで評価極の対極に対する電圧が1Vになるまで放電を行う充放電サイクルを合計50サイクル行った。
各リチウムイオン二次電池につき、容量維持率を以下の式で算出した。
容量維持率(%)=100×(50サイクル目の充電容量)/(初回充電容量)
なお、評価例3では、評価極にLiを吸蔵させることを充電といい、評価極からLiを放出させることを放電という。以上の結果を表3に示す。
Figure 0006459798
実施例1〜4のリチウムイオン二次電池は、優れた容量維持率を示したことがわかる。特に、a)工程を不飽和アルコール存在下で実施した実施例3〜4の炭素含有シリコン材料を具備する実施例3〜4のリチウムイオン二次電池の容量維持率は著しく優れていた。本発明の炭素含有シリコン材料が活物質として好適に機能することが裏付けられた。

Claims (3)

  1. a)アルコール存在下でCaSiと酸とを反応させ炭素含有層状シリコン化合物を製造する工程、
    b)前記炭素含有層状シリコン化合物を400℃以上で加熱する工程、
    を含むことを特徴とする炭素含有シリコン材料の製造方法。
  2. 前記アルコールが不飽和アルコールである請求項1に記載の炭素含有シリコン材料の製造方法。
  3. 前記アルコールが、飽和アルコールと不飽和アルコールとの混合アルコールである請求項1に記載の炭素含有シリコン材料の製造方法。
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