JP2017007116A - 三次元造形用の光硬化性組成物 - Google Patents

三次元造形用の光硬化性組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】粘度の調整が容易であり、かつ、高温下でも機械的強度に優れる立体造形物を提供することが可能な三次元造形用の光硬化性組成物、該組成物を用いる光造形物の製造方法、及び該製造方法により得られる光造形物に関すること。
【解決手段】A)光硬化性樹脂前駆体、並びにB)数平均繊維径が0.5nm以上200nm以下であり、カルボキシ基含有量が0.1mmol/g以上である微細セルロース繊維及び/又はその改質物を含有する、三次元造形用の光硬化性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、三次元造形用の光硬化性組成物に関する。更に詳しくは、精密機器、電気・電子製品、自動車等の製品又はそれらの部品あるいは筐体を立体造形する際の材として好適な光硬化性組成物、該組成物を用いる光造形物の製造方法、及び該製造方法により得られる光造形物に関する。
近年、金型を用いることなく立体造形物を良好な寸法精度で製造し得ることから、立体的に光学造形する方法が種々検討されている。
例えば、特許文献1では、カチオン重合性有機化合物、ラジカル重合性有機化合物、活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤、及び活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤を含有する光学的立体造形用樹脂組成物中に、カチオン重合性有機化合物として、特定の芳香族トリエポキシ化合物を所定の割合で含有させると、当該光学的立体造形用樹脂組成物から得られる立体造形物は、熱変形温度が高くて耐熱性に優れ、引張強度や曲げ強度などの力学的強度が大きく且つ適度な伸度を有していて靭性に優れ、しかも透明性に優れ、黄変などの変色が小さくて色相に優れ、当該優れた透明性及び色相が高温に曝された後でも維持されていることが報告されている。
また、特許文献2では、その硬化物のガラス転移温度が低い単官能モノマーは、そのホモポリマーのガラス転移温度が高い単官能モノマーよりも、硬化反応中に粘度の増加速度が遅いため、そのホモポリマーのガラス転移温度が低い単官能モノマーを特定量含むインク組成物を硬化させることで、当該インク組成物の硬化収縮を緩和するための時間が確保でき、ゴム弾性と寸法安定性とを両立する硬化物が得られると開示されている。
特開2010−265408号公報 特開2015−78255号公報
しかしながら、立体的に光学造形する技術の適用用途が拡大し、さらなる改良が要求されている。即ち、造形する際の周囲の状況が多岐に亘ることから、個々の状況に応じた取扱い性(粘性)を有する硬化前の組成物が必要でありながら、一方で、当該組成物を硬化して得られる立体造形物はいずれにおいても強度がより強くなり、また、高温域においてもその強度を維持するような、三次元造形用の光硬化性組成物の開発が望まれている。
本発明は、粘度の調整が容易であり、かつ、高温下でも機械的強度に優れる立体造形物を提供することが可能な三次元造形用の光硬化性組成物、該組成物を用いる光造形物の製造方法、及び該製造方法により得られる光造形物に関する。
本発明は、下記〔1〕〜〔3〕に関する。
〔1〕 A)光硬化性樹脂前駆体、並びにB)数平均繊維径が0.5nm以上200nm以下であり、カルボキシ基含有量が0.1mmol/g以上である微細セルロース繊維及び/又はその改質物を含有する、三次元造形用の光硬化性組成物。
〔2〕 前記〔1〕記載の光硬化性組成物を光造形装置に用いることを特徴とする、光造形物の製造方法。
〔3〕 前記〔2〕に記載の製造方法により得られる光造形物。
本発明の光硬化性組成物は、粘度の調整が容易でありながら、当該組成物を硬化して得られる立体造形物は高温下でも機械的強度に優れるという優れた効果を奏するものである。
本発明の光硬化性組成物は、A)光硬化性樹脂前駆体、並びにB)数平均繊維径が0.5nm以上200nm以下であり、カルボキシ基含有量が0.1mmol/g以上である微細セルロース繊維及び/又はその改質物を含有することに特徴を有する。なお、本明細書において、かかる組成物を本発明の樹脂組成物と記載することもある。
一般に、硬化性樹脂組成物は樹脂前駆体の配合組成を変更すると、硬化前の組成物だけでなく、硬化後の造形物自体の物性も変動しやすいため、硬化前組成物と造形物のそれぞれに所望する物性を付与するために樹脂前駆体の種類や量を調整するのは容易ではない。一方、従来、組成物の増粘性や分散安定性を調整するために、高分子材料が用いられている。しかしながら、従来の高分子材料を配合した硬化性樹脂組成物は、硬化後の造形物の高温下での機械的強度が十分ではないものであった。そこで、本発明では、光硬化性樹脂前駆体を含有する系に、特定の微細セルロース繊維及び/又はその改質物を添加することで、硬化前組成物の粘性の調整が容易でありながら、硬化後の造形物が高温下での機械的強度を向上させることができることを見出した。その詳細な理由は不明であるが、従来のナノファイバーと呼ばれる繊維よりも更に微小な繊維径を有するセルロース繊維が分散することで、樹脂中での分散性が向上して粘性の調整が容易となり、また、当該微細セルロース繊維は熱に比較的強いことから、繊維同士が絡まり合い強度を発現するため高温領域での強度を向上させることが可能になると推定される。なお、本明細書において、「機械的強度」は後述の「貯蔵弾性率」により評価される特性のことを意味する。
〔光硬化性組成物〕
[光硬化性樹脂前駆体]
本発明における光硬化性樹脂前駆体は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線照射により、必要により光重合開始剤を用いて、重合反応が進行するものであれば特に限定はない。例えば、単量体(単官能単量体、多官能単量体)、反応性不飽和基を有するオリゴマー又は樹脂等を用いることができる。
単官能単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル系単量体、ビニルピロリドンなどのビニル系単量体、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートなどの橋架環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。多官能単量体には、2〜8程度の重合性基を有する多官能単量体が含まれ、2官能単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの橋架環式炭化水素基を有するジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。3〜8官能単量体としては、例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。本発明において、(メタ)アクリレートとは、メタクリル酸系化合物及びアクリル酸系化合物を含む。
反応性不飽和基を有するオリゴマー又は樹脂としては、ビスフェノールA−アルキレンオキサイド付加体の(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート(ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートなど)、ポリエステル(メタ)アクリレート(例えば、脂肪族ポリエステル型(メタ)アクリレート、芳香族ポリエステル型(メタ)アクリレートなど)、ウレタン(メタ)アクリレート(ポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル型ウレタン(メタ)アクリレートなど)、シリコーン(メタ)アクリレートなどが例示でき、なかでも、アクリル系樹脂、(メタ)クリル系樹脂、及びエポキシ系樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましい。これらのオリゴマー又は樹脂は、前記単量体と共に用いても良い。
これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、組み合わせる場合は、その組成は適宜調整することができる。
また、これらは、公知の方法に従って調製したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。本発明において、好適な市販品としては、例えば、OBJET FULLCURE720(ストラタシス社製、アクリル酸系樹脂)、SCR774、SCR11120、SCR780、SCR780C(いずれも、ディーメック社製、エポキシ系樹脂)を用いることができる。
[微細セルロース繊維又はその改質物]
本発明で用いられる微細セルロース繊維又はその改質物としては、公知の微細セルロース繊維、当該微細セルロース繊維に修飾基が導入された微細セルロース繊維改質物が挙げられる。なお、本明細書において、微細セルロース繊維に修飾基が導入されているとは、微細セルロース繊維表面のカルボキシ基に修飾基がイオン結合及び/又はアミド結合によって結合している状態のことを意味する。より詳しくは、微細セルロース繊維のカルボキシ基が脱プロトン化したところに、修飾基を有するアミンがイオン結合した状態、あるいは、アミド基の炭素原子が微細セルロース繊維のセルロース骨格に共有結合し、窒素原子に直接にあるいは連結基を介して修飾基が共有結合した状態を意味する。
<微細セルロース繊維>
(数平均繊維径)
本発明における微細セルロース繊維は、数平均繊維径が0.5nm以上200nm以下であるが、均一な繊維径を持つ微細セルロース繊維を造形物中に分散させる観点から、好ましくは0.8nm以上、より好ましくは1.0nm以上である。また、取扱い性及び造形物の強度発現の観点から、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下、更に好ましくは20nm以下、更に好ましくは10nm以下、より更に好ましくは5nm以下である。なお、本明細書において、セルロース繊維の数平均繊維径は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定することができ、具体的には後述の実施例に記載の方法により測定される。一般に、高等植物から調製されるセルロースナノファイバーの最小単位は6×6の分子鎖がほぼ正方形の形でパッキングされていることから、AFMによる画像で分析される高さを繊維の幅と見なすことができる。
(カルボキシ基含有量)
本発明における微細セルロース繊維は、カルボキシ基含有量が0.1mmol/g以上であるが、樹脂組成物での分散性及び修飾基導入の観点から、好ましくは0.4mmol/g以上、より好ましくは0.6mmol/g以上、更に好ましくは0.8mmol/g以上である。また、取扱い性及びコストの観点から、好ましくは3mmol/g以下、より好ましくは2mmol/g以下、更に好ましくは1.8mmol/g以下である。本発明で用いられる微細セルロース繊維に、カルボキシ基含有量がかかる範囲外である微細セルロース繊維が、意図せずに不純物として含まれることもあり得る。なお、「カルボキシ基含有量」とは、微細セルロース繊維を構成するセルロース中のカルボキシ基の総量を意味し、具体的には後述の実施例に記載の方法により測定される。
(平均アスペクト比)
また、本発明における微細セルロース繊維は、平均アスペクト比(繊維長/繊維径)が、造形物の強度発現の観点から、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、更に好ましくは30以上である。また、取扱い性の観点から、好ましくは1000以下、より好ましくは800以下、更に好ましくは600以下、更に好ましくは400以下である。平均アスペクト比が上記範囲にある微細セルロース繊維は、樹脂前駆体に配合した際に組成物中での分散性に優れ、機械的強度が高く、脆性破壊し難い組成物が得られる。なお、本明細書において、なお、本明細書において、平均アスペクト比は、分散液中のセルロース繊維濃度と分散液の水に対する比粘度との関係から、下記式(1)によりセルロース繊維のアスペクト比を逆算して求める。なお、下記式(1)は、The Theory of Polymer Dynamics,M.DOI and D.F.EDWARDS,CLARENDON PRESS・OXFORD,1986,P312に記載の剛直棒状分子の粘度式(8.138)と、Lb×ρ=M/Nの関係〔式中、Lは繊維長、bは繊維幅(セルロース繊維断面は正方形とする)、ρはセルロース繊維の濃度(kg/m)、Mは分子量、Nはアボガドロ数を表す〕から導き出されるものである。また、上記の粘度式(8.138)において、剛直棒状分子をセルロース繊維とする。下記式(1)中、ηSPは比粘度、πは円周率、lnは自然対数、Pはアスペクト比(L/b)、γ=0.8、ρは分散媒の密度(kg/m)、ρはセルロース結晶の密度(kg/m)、Cはセルロースの質量濃度(C=ρ/ρ)を表す。
Figure 2017007116
(結晶化度)
微細セルロース繊維の結晶化度は、造形物の強度発現の観点から、好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上、更に好ましくは40%以上、より更に好ましくは45%以上である。また、コストの観点から、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下、更に好ましくは85%以下、より更に好ましくは80%以下である。なお、本明細書において、セルロースの結晶化度は、X線回折法による回折強度値からSegal法により算出したセルロースI型結晶化度であり、下記計算式(A)により定義される。
セルロースI型結晶化度(%)=[(I22.6−I18.5)/I22.6]×100 (A)
〔式中、I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、I18.5は,アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す〕
なお、セルロースI型とは天然セルロースの結晶形のことであり、セルロースI型結晶化度とは、セルロース全体のうち結晶領域量の占める割合のことを意味する。
<微細セルロース繊維の改質物(微細セルロース繊維複合体)>
本発明で用いられる微細セルロース繊維の改質物は、上記の微細セルロース繊維表面に修飾基が結合しているものを示すが、これは、例えば、微細セルロース繊維表面に既に存在するカルボキシ基を選択して、修飾基を有するアミンをイオン結合及び/又はアミド結合させることにより得られる。なお、本明細書において、微細セルロース繊維の改質物のことを、微細セルロース繊維複合体と記載することもある。
(修飾基を有するアミン)
修飾基を有するアミンとしては、後述の修飾基を有するものであればよく、イオン結合の場合は、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウムカチオンのいずれでもよいが、反応性の観点から、第1級アミン又は第2級アミン又は第4級アンモニウムカチオンが好ましく、第1級アミン又は第4級アンモニウムカチオンがより好ましく、第1級アミンが更に好ましい。アミド結合の場合は、第1級アミン、第2級アミンのいずれでもよいが、反応性の観点から、第1級アミンが好ましい。
本発明における修飾基としては、造形物の強度を向上させる観点から、炭化水素基、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(EO/PO)共重合部等を用いることができる。これらは単独で又は2種以上が組み合わさって微細セルロース繊維に導入されてもよい。
炭化水素基としては、例えば、鎖式飽和炭化水素基、鎖式不飽和炭化水素基、環式飽和炭化水素基、及び芳香族炭化水素基が挙げられ、副反応を抑制する観点及び安定性の観点から、鎖式飽和炭化水素基、環式飽和炭化水素基、及び芳香族炭化水素基であることが好ましい。
鎖式飽和炭化水素基は、直鎖状又は分岐状であってもよい。鎖式飽和炭化水素基の炭素数は、造形物の強度を向上させる観点から、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上が更に好ましい。また、同様の観点から、30以下が好ましく、18以下がより好ましい。
鎖式飽和炭化水素基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert-ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、tert-ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、ドコシル基、オクタコサニル基等が挙げられ、造形物の強度を向上させる観点から、好ましくはプロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert-ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、tert-ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、ドコシル基、オクタコサニル基であり、より好ましくはプロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert-ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、tert-ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基である。これらは、単独で又は2種以上が任意の割合でそれぞれ導入されていてもよい。
鎖式不飽和炭化水素基は、直鎖状又は分岐状であってもよい。鎖式不飽和炭化水素基の炭素数は、取扱い性の観点から、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上が更に好ましい。また、入手容易性の観点から、30以下が好ましく、18以下がより好ましい。
鎖式不飽和炭化水素基の具体例としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブテン基、イソブテン基、イソプレン基、ペンテン基、ヘキセン基、ヘプテン基、オクテン基、ノネン基、デセン基、ドデセン基、トリデセン基、テトラデセン基、オクタデセン基が挙げられ、前駆体との親和性の観点から、好ましくはエチレン基、プロピレン基、ブテン基、イソブテン基、イソプレン基、ペンテン基、ヘキセン基、ヘプテン基、オクテン基、ノネン基、デセン基、ドデセン基であり、より好ましくはヘキセン基、ヘプテン基、オクテン基、ノネン基、デセン基、ドデセン基である。これらは、単独で又は2種以上が任意の割合でそれぞれ導入されていてもよい。
環式飽和炭化水素基の炭素数は、取扱い性の観点から、3以上が好ましく、4以上がより好ましく、5以上が更に好ましい。また、入手容易性の観点から、20以下が好ましく、16以下がより好ましい。
環式飽和炭化水素基の具体例としては、例えば、シクロプロパン基、シクロブチル基、シクロペンタン基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロオクタデシル基等が挙げられ、前駆体との親和性の観点から、好ましくはシクロプロパン基、シクロブチル基、シクロペンタン基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基であり、より好ましくはシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基である。これらは、単独で又は2種以上が任意の割合でそれぞれ導入されていてもよい。
芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基及びアラルキル基からなる群より選ばれる。アリール基及びアラルキル基としては、芳香族環そのものが置換されたものでも非置換のものであってもよい。
前記アリール基の総炭素数は6以上であればよく、前駆体との親和性の観点から、好ましくは24以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは14以下、更に好ましくは12以下、更に好ましくは10以下である。
前記アラルキル基の総炭素数は7以上であり、前駆体との親和性の観点から、好ましくは8以上であり、また、同様の観点から、好ましくは24以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは14以下、更に好ましくは13以下、更に好ましくは11以下である。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基、トリフェニル基、ターフェニル基、及びこれらの基が後述する置換基で置換された基が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上が任意の割合でそれぞれ導入されていてもよい。なかでも、前駆体との親和性の観点から、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、フェニルヘプチル基、フェニルオクチル基、及びこれらの基の芳香族基が後述する置換基で置換された基などが挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上が任意の割合でそれぞれ導入されていてもよい。なかでも、前駆体との親和性の観点から、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、フェニルヘプチル基が好ましく、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基がより好ましく、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルペンチル基が更に好ましい。
前記炭化水素基を有するアミンは、公知の方法に従って調製することができる。また、市販品を用いてもよく、鎖式飽和炭化水素基を有するアミンとしては、例えば、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert-ブチルアミン、イソブチルアミン、ペンチルアミン、tert-ペンチルアミン、イソペンチルアミン、ヘキシルアミン、イソヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、オクタデシルアミン、ドコシルアミン、オクタコサニルアミンを用いることができる。鎖式不飽和炭化水素基を有するアミンとしては、エチレンアミン、プロピレンアミン、ブテンアミン、イソブテンアミン、イソプレンアミン、ペンテンアミン、ヘキセンアミン、ヘプテンアミン、オクテンアミン、ノネンアミン、デセンアミン、ドデセンアミンを用いることができる。環式飽和炭化水素基を有するアミンとしては、シクロプロパンアミン、シクロブチルアミン、シクロペンタンアミン、シクロヘキシルアミン、シクロヘプチルアミン、シクロオクチルアミン、シクロノニルアミン、シクロデシルアミン、シクロドデシルアミンを用いることができる。芳香族炭化水素基を有するアミンとしては、例えば、アニリン、4−ビフェニリルアミン、ジフェニルアミン、2−アミノナフタレン、p−テルフェニルアミン、2−アミノアントラセン、2-アミノアントラキノン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、3−フェニルプロピルアミン、5−フェニルペンチルアミン、6−フェニルヘキシルアミン、7−フェニルヘプチルアミン、8−フェニルオクチルアミンを用いることができる。また、第4級アルキルアンモニウムカチオンとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライドを用いることが出来る。
微細セルロース繊維複合体における炭化水素基の平均結合量(mmol/g)は、鎖式飽和炭化水素基、鎖式不飽和炭化水素基、及び環式飽和炭化水素基については、前記微細セルロース繊維に対して、炭化水素基の結合量の制御が容易であることから、好ましくは0.001mmol/g以上、より好ましくは0.005mmol/g以上、更に好ましくは0.01mmol/g以上である。また、反応性の観点から、好ましくは3mmol/g以下、より好ましくは2mmol/g以下である。また、芳香族炭化水素基については、炭化水素基の平均結合量は、造形物の強度の観点から、好ましくは0.1mmol/g以上、より好ましくは0.2mmol/g以上、更に好ましくは0.5mmol/g以上である。また、反応性の観点から、好ましくは3mmol/g以下、より好ましくは2mmol/g以下、更に好ましくは1.5mmol/g以下である。ここで、鎖式飽和炭化水素基、鎖式不飽和炭化水素基、及び環式飽和炭化水素基から選ばれる炭化水素基と、芳香族炭化水素基とが同時に導入されている場合であっても、個々の平均結合量は前記範囲内であることが好ましい。
また、微細セルロース繊維複合体における炭化水素基の平均結合量(質量部)は、鎖式飽和炭化水素基、鎖式不飽和炭化水素基、及び環式飽和炭化水素基については、前記微細セルロース繊維100質量部に対して、炭化水素基の結合量の制御が容易であることから、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上である。また、反応性の観点から、好ましくは50質量部以下、より好ましくは45質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。また、芳香族炭化水素基については、炭化水素基の平均結合量は、造形物の強度の観点から、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。また、反応性の観点から、好ましくは40質量部以下、より好ましくは35質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。ここで、鎖式飽和炭化水素基、鎖式不飽和炭化水素基、及び環式飽和炭化水素基から選ばれる炭化水素基と、芳香族炭化水素基とが同時に導入されている場合であっても、個々の平均結合量は前記範囲内であることが好ましい。
また同様に、微細セルロース繊維複合体における炭化水素基の平均結合量(質量%)は、鎖式飽和炭化水素基、鎖式不飽和炭化水素基、及び環式飽和炭化水素基については、炭化水素基の結合量の制御が容易であることから、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。また、反応性の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。また、芳香族炭化水素基については、炭化水素基の平均結合量は、造形物の強度の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。また、反応性の観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。ここで、鎖式飽和炭化水素基、鎖式不飽和炭化水素基、及び環式飽和炭化水素基から選ばれる炭化水素基と、芳香族炭化水素基とが同時に導入されている場合であっても、個々の平均結合量は前記範囲内であることが好ましい。
また、炭化水素基の導入率は、鎖式飽和炭化水素基、鎖式不飽和炭化水素基、及び環式飽和炭化水素基については、得られる造形物の強度の観点から、好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは50%以上、更に好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上であり、反応性の観点から、好ましくは99%以下、より好ましくは97%以下、更に好ましくは95%以下、更に好ましくは90%以下である。また、芳香族炭化水素基については、炭化水素基の導入率は、機械的強度に優れる造形物を得る観点から、好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは50%以上、更に好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上であり、反応性の観点から、好ましくは99%以下、より好ましくは97%以下、更に好ましくは95%以下、更に好ましくは90%以下である。ここで、鎖式飽和炭化水素基、鎖式不飽和炭化水素基、及び環式飽和炭化水素基から選ばれる炭化水素基と、芳香族炭化水素基とが同時に導入されている場合には、導入率の合計が上限の100%を超えない範囲において、前記範囲内となることが好ましい。
EO/PO共重合部とは、エチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)がランダム又はブロック状に重合した構造を意味する。例えば、EO/PO共重合部を有するアミンが後述する式(i)で表される場合は、エチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)はランダム又はブロック状の連鎖構造となるが、該アミンが後述する式(ii)で表される構造を有するアミンである場合は、(EO)a(PO)b、(EO)c(PO)d、(EO)e(PO)fは、連鎖している必要はない。
EO/PO共重合部中のPOの含有率(モル%)は、造形物の強度の観点から、好ましくは1モル%以上、より好ましくは5モル%以上、更に好ましくは7モル%以上、更に好ましくは10モル%以上であり、同様の観点から、好ましくは100モル%以下、より好ましくは90モル%以下、更に好ましくは85モル%以下、更に好ましくは75モル%以下、更に好ましくは60モル%以下、更に好ましくは50モル%以下、更に好ましくは40モル%以下、更に好ましくは30モル%以下である。なお、POの含有率が100モル%とは、EO/PO共重合部がPOのみで構成されているものであり、本発明においてはPO重合部が導入されていても構わない。
EO/PO共重合部の分子量は、前駆体への分散性及び造形物の強度の観点から、好ましくは700以上、より好ましくは1,000以上、更に好ましくは1,500以上であり、造形物の強度の観点から、好ましくは10,000以下、より好ましくは7,000以下、更に好ましくは5,000以下、更に好ましくは4,000以下、更に好ましくは3,500以下、更に好ましくは2,500以下である。例えば、後述する式(ii)で表される構造を有するアミンである場合は、(EO)a(PO)b+(EO)c(PO)d+(EO)e(PO)fの合計の分子量を、EO/PO共重合部の分子量とする。EO/PO共重合部中のPOの含有率(モル%)、EO/PO共重合部の分子量は、アミンを製造する際の平均付加モル数から計算して求めることができる。
EO/PO共重合部とアミンとは、直接に又は連結基を介して結合しているものが好ましい。連結基としては炭化水素基が好ましく、炭素数が好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3のアルキレン基が用いられる。例えば、エチレン基、プロピレン基が好ましい。
かかるEO/PO共重合部を有するアミンとしては、例えば、下記式(i):
Figure 2017007116
〔式中、Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、−CHCH(CH)NH基、又は下記式(ii)で表される基を示し、EO及びPOはランダム又はブロック状に存在し、aはEOの平均付加モル数を示す正の数、bはPOの平均付加モル数を示す正の数である〕
で表される化合物が挙げられる。
式(ii):
Figure 2017007116
〔式中、nは0又は1であり、Rはフェニル基、水素原子、又は炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、EO及びPOはランダム又はブロック状に存在し、c及びeは、EOの平均付加モル数を示し、独立して0〜50の数であり、d及びfはPOの平均付加モル数を示し、独立して1〜50の数である〕
式(i)におけるaはEOの平均付加モル数を示し、造形物の強度の観点から、好ましくは11以上、より好ましくは15以上、更に好ましくは20以上、更に好ましくは25以上、更に好ましくは30以上であり、同様の観点から、好ましくは100以下、より好ましくは70以下、更に好ましくは60以下、更に好ましくは50以下、更に好ましくは40以下である。
式(i)におけるbはPOの平均付加モル数を示し、造形物の強度の観点から、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは3以上であり、同様の観点から、好ましくは50以下、より好ましくは40以下、更に好ましくは30以下、更に好ましくは25以下、更に好ましくは20以下、更に好ましくは15以下である。
また、EO/PO共重合部中のPOの含有率(モル%)は、アミンが前記式(i)で表される場合は、前記aとbより、共重合部におけるPOの含有率を計算することが可能であり、式:b×100/(a+b)より求めることができ、アミンが前記式(i)及び式(ii)で表される場合は、同様に、式:(b+d+f)×100/(a+b+c+d+e+f)より求めることができる。好ましい範囲は、前述のとおりである。
式(i)におけるRは水素原子、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、−CHCH(CH)NH基、又は前記式(ii)で表される基を示すが、造形物の強度の観点から、水素原子が好ましい。炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基としては、好ましくは、メチル基、エチル基、イソ又はノルマルのプロピル基である。
また、式(i)におけるRが式(ii)で表される基である場合、式(ii)におけるRの炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基としては、好ましくはメチル基、エチル基である。Rがメチル基又はエチル基である場合、nが1であることが好ましく、Rが水素原子である場合、nが0であることが好ましい。また、式(ii)におけるc及びeとしては、独立して、10〜30が好ましく、d及びfとしては、独立して、5〜25が好ましい。
かかる式(i)で表されるEO/PO共重合部を有するアミンは、公知の方法に従って調製することができる。例えば、プロピレングリコールアルキルエーテルにエチレンオキシド、プロピレンオキシドを所望量付加させた後、水酸基末端をアミノ化すればよい。必要により、アルキルエーテルを酸で開裂することで末端を水素原子とすることができる。これらの製造方法は、特開平3−181448号を参照することができる。
また、市販品も好適に用いられ、具体例としては、HUNTSMAN社製のJeffamine M−2070、Jeffamine M−2005、Jeffamine M−1000、Surfoamine B200、Surfoamine L100、Surfoamine L200、Surfoamine L207,Surfoamine L300、XTJ−501、XTJ−506、XTJ−507、XTJ―508;BASF社製のM3000、Jeffamine ED−900、Jeffamine ED−2003、Jeffamine D−2000、Jeffamine D−4000、XTJ−510、Jeffamine T−3000、JeffamineT−5000、XTJ−502、XTJ−509、XTJ−510等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせてもよい。
微細セルロース繊維複合体におけるEO/PO共重合部の平均結合量(mmol/g)は、造形物の強度の観点から、好ましくは0.01mmol/g以上、より好ましくは0.05mmol/g以上、更に好ましくは0.1mmol/g以上、更に好ましくは0.3mmol/g以上、更に好ましくは0.5mmol/g以上、更に好ましくは0.8mmol/g以上、更に好ましくは1mmol/g以上である。また、反応性の観点から、好ましくは3mmol/g以下、より好ましくは2mmol/g以下、更に好ましくは1.5mmol/g以下である。
微細セルロース繊維複合体におけるEO/PO共重合部の平均結合量(質量部)は、造形物の強度の観点から、前記微細セルロース繊維100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上である。また、反応性の観点から、好ましくは500質量部以下、より好ましくは400質量部以下、更に好ましくは300質量部以下である。
微細セルロース繊維複合体におけるEO/PO共重合部の平均結合量(質量%)は、造形物の強度の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。また、反応性の観点から、好ましくは99質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下である。
また、微細セルロース繊維複合体におけるEO/PO共重合部の導入率は、造形物の強度の観点から、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上、更に好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上、更に好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上であり、同様の観点から、好ましくは95%以下である。
なお、前記修飾基は置換基を有するものであってもよく、例えば、置換基を含めた炭化水素基全体の総炭素数が前記範囲内となるものが好ましい。置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基等のアルコキシ基の炭素数が1〜6のアルコキシ−カルボニル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;アセチル基、プロピオニル基等の炭素数1〜6のアシル基;アラルキル基;アラルキルオキシ基;炭素数1〜6のアルキルアミノ基;アルキル基の炭素数が1〜6のジアルキルアミノ基が挙げられる。なお、前記した炭化水素基そのものが置換基として結合していてもよい。
なお、本明細書において、修飾基の平均結合量は、アミン添加量、アミンの種類、反応温度、反応時間、溶媒などによって調整することができる。また、微細セルロース繊維複合体における修飾基の平均結合量(mmol/g、質量部、質量%)及び導入率(%)とは、微細セルロース繊維表面のカルボキシ基に修飾基が導入された量及び割合のことであり、微細セルロース繊維のカルボキシ基含有量を公知の方法(例えば、滴定、IR測定等)に従って測定することで算出することができる。
<微細セルロース繊維複合体の製造方法>
微細セルロース繊維複合体は、微細セルロース繊維に修飾基を導入できるのであれば、特に限定なく公知の方法に従って製造することができる。例えば、予め調製された微細セルロース繊維に修飾基を導入する反応を行ってもよいし、微細セルロース繊維を調製する際に修飾基を導入する反応を行ってもよい。なお、微細セルロース繊維は、公知の方法、例えば、特開2011−140632号公報に記載の方法により製造することができる。
修飾基の微細セルロース繊維への導入態様によって、以下の2態様が挙げられる。即ち、修飾基をイオン結合によって微細セルロース繊維に結合させる態様(態様A)、修飾基をアミド結合によって微細セルロース繊維に結合させる態様(態様B)が挙げられる。
〔態様A〕
工程(1):天然セルロース繊維をN−オキシル化合物存在下で酸化して、カルボキシ基含有セルロース繊維を得る工程
工程(2A):工程(1)で得られたカルボキシ基含有セルロース繊維と、修飾基を有するアミンとを混合する工程
〔態様B〕
工程(1):天然セルロース繊維をN−オキシル化合物存在下で酸化して、カルボキシ基含有セルロース繊維を得る工程
工程(2B):工程(1)で得られたカルボキシ基含有セルロース繊維と、修飾基を有するアミンとをアミド化反応させる工程
なお、前記好適な製造方法としては、工程(1)の後に後述する微細化工程を行い、カルボキシ基含有微細セルロース繊維とした後に工程(2A又は2B)を行う方法(第1の製造形態)、及び、工程(1)の後に工程(2A又は2B)を行い、その後に微細化工程を行う方法(第2の製造形態)が挙げられる。
以下、態様Aの第1の製造形態に基づいて、微細セルロース繊維複合体の製造方法を説明する。
〔工程(1)〕
工程(1)は、天然セルロース繊維をN−オキシル化合物存在下で酸化して、カルボキシ基含有セルロース繊維を得る工程である。
工程(1)では、まず、水中に天然セルロース繊維を分散させたスラリーを調製する。スラリーは、原料となる天然セルロース繊維(絶対乾燥基準:150℃にて30分間加熱乾燥させた後の天然セルロース繊維の質量)に対して約10〜1000倍量(質量基準)の水を加え、ミキサー等で処理することにより得られる。天然セルロース繊維としては、例えば、針葉樹系パルプ、広葉樹系パルプ等の木材パルプ;コットンリンター、コットンリントのような綿系パルプ;麦わらパルプ、バガスパルプ等の非木材系パルプ;バクテリアセルロース等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。天然セルロース繊維は、叩解等の表面積を高める処理が施されていてもよい。また、前記市販のパルプのセルロースI型結晶化度は、通常80%以上である。
(酸化処理工程)
次に、上記天然セルロース繊維を、N−オキシル化合物の存在下で酸化処理して、カルボキシ基含有セルロース繊維を得る(以下、単に「酸化処理」と称する場合がある)。
N−オキシル化合物としては、炭素数1又は2のアルキル基を有するピペリジンオキシル化合物、ピロリジンオキシル化合物、イミダゾリンオキシル化合物、及びアザアダマンタン化合物から選ばれる1種以上の複素環式のN−オキシル化合物が好ましい。これらの中では、反応性の観点から、炭素数1又は2のアルキル基を有するピペリジンオキシル化合物が好ましく、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−1−オキシル、4−アルコキシ−2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−1−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−1−オキシル、4−アミノ−2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン−1−オキシル等のジ−tert−アルキルニトロキシル化合物、4−アセトアミド−TEMPO、4−カルボキシ−TEMPO、4−ホスフォノキシ−TEMPO等が挙げられる。これらのピペリジンオキシル化合物の中では、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルが好ましく、2,2,6,6テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)がより好ましい。
N−オキシル化合物の量は、触媒量であればよく、天然セルロース繊維(絶対乾燥基準)に対して、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜9質量%、更に好ましくは0.1〜8質量%、より更に好ましくは0.5〜5質量%である。
天然セルロース繊維の酸化処理においては、酸化剤を使用することができる。酸化剤としては、溶媒をアルカリ性域に調整した場合の溶解度や反応速度等の観点から、酸素又は空気、過酸化物;ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸及びそれらのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩;ハロゲン酸化物、窒素酸化物等が挙げられる。これらの中でも、アルカリ金属次亜ハロゲン酸塩が好ましく、具体的には、次亜塩素酸ナトリウムや次亜臭素酸ナトリウムが例示される。酸化剤の使用量は、天然セルロース繊維のカルボキシ基置換度(酸化度)に応じて選択すればよく、また反応条件によって酸化反応収率が異なるため一概には決められないが、原料である天然セルロース繊維(絶対乾燥基準)に対し、好ましくは約1〜100質量%となる範囲である。
また、酸化反応をより一層効率よく行うため、助触媒として、臭化ナトリウム、臭化カリウム等の臭化物や、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等のヨウ化物等を用いることができる。助触媒の量は、その機能を発揮できる有効量であればよく、特に制限はない。
酸化処理における反応温度は、反応の選択性、副反応の抑制の観点から、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、更に好ましくは20℃以下であり、その下限は、好ましくは−5℃以上である。
また、反応系のpHは酸化剤の性質に合わせることが好ましく、例えば、酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムを用いる場合、反応系のpHはアルカリ側とすることが好ましく、pH7〜13が好ましく、pH10〜13がより好ましい。また、反応時間は1〜240分間が望ましい。
上記酸化処理を行うことにより、カルボキシ基含有量が0.1mmol/g以上の、カルボキシ基含有セルロース繊維が得られる。
(精製工程)
前記酸化反応で得られるカルボキシ基含有セルロース繊維は、触媒として用いるTEMPO等のN−オキシル化合物や副生塩を含む。そのまま次工程を行ってもよいが、精製を行って純度の高いカルボキシ基含有セルロース繊維を得ることもできる。精製方法としては、酸化反応における溶媒の種類、生成物の酸化の程度、精製の程度により最適な方法を採用することができる。例えば、良溶媒として水、貧溶媒としてメタノール、エタノール、アセトン等を用いた再沈殿、ヘキサン等の水と相分離する溶媒へのTEMPO等の抽出、及び塩のイオン交換、透析等による精製等が挙げられる。
(微細化工程)
第1の製造形態では、前記精製工程後、工程(1)で得られたカルボキシ基含有セルロース繊維を微細化する工程を行う。微細化工程では、前記精製工程を経たカルボキシ基含有セルロース繊維を溶媒中に分散させ、微細化処理を行うことが好ましい。この微細化工程を行うことにより、数平均繊維径が前記範囲にある微細セルロース繊維が得られる。
分散媒としての溶媒は、水の他、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の炭素数3〜6のケトン;直鎖又は分岐状の炭素数1〜6の飽和炭化水素又は不飽和炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;炭素数2〜5の低級アルキルエーテル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル等の極性溶媒等が例示される。これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、微細化処理の操作性の観点から、水、炭素数1〜6のアルコール、炭素数3〜6のケトン、炭素数2〜5の低級アルキルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、コハク酸メチルトリグリコールジエステル等の極性溶媒が好ましく、環境負荷低減の観点から、水がより好ましい。溶媒の使用量は、カルボキシ基含有セルロース繊維を分散できる有効量であればよく、特に制限はないが、カルボキシ基含有セルロース繊維に対して、好ましくは1〜500質量倍、より好ましくは2〜200質量倍使用することがより好ましい。
また、微細化処理で使用する装置としては公知の分散機が好適に使用される。例えば、離解機、叩解機、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、カッターミル、ボールミル、ジェットミル、短軸押出機、2軸押出機、超音波攪拌機、家庭用ジューサーミキサー等を用いることができる。また、微細化処理における反応物繊維の固形分濃度は50質量%以下が好ましい。
微細化工程後に得られるカルボキシ基含有微細セルロース繊維の形態としては、必要に応じ、固形分濃度を調整した懸濁液状(目視的に無色透明又は不透明な液)、あるいは乾燥処理した粉末状(但し、微細セルロース繊維が凝集した粉末状であり、セルロース粒子を意味するものではない)とすることもできる。なお、懸濁液状にする場合、分散媒として水のみを使用してもよく、水と他の有機溶媒(例えば、エタノール等のアルコール類)や界面活性剤、酸、塩基等との混合溶媒を使用してもよい。
このような天然セルロース繊維の酸化処理及び微細化処理により、セルロース構成単位のC6位の水酸基がアルデヒド基を経由してカルボキシ基へと選択的に酸化され、前記カルボキシ基含有量が0.1mmol/g以上のセルロースからなる、数平均繊維径が0.5nm以上200nm以下の微細化された、好ましくは10以上1000以下のアスペクト比、及び好ましくは30%以上の結晶化度を有するセルロース繊維を得ることができる。ここで、前記カルボキシ基含有微細セルロース繊維は、セルロースI型結晶構造を有している。これは、本発明で用いるカルボキシ基含有微細セルロース繊維が、I型結晶構造を有する天然由来のセルロース固体原料が表面酸化され微細化された繊維であることを意味する。なお、工程(1)において、天然セルロース繊維の酸化処理後に、さらに酸(例えば、塩酸)を反応させてカルボキシ基含有量を調整することができ、該反応は微細化処理前、微細化処理後のいずれに行ってもよい。
〔工程(2A)〕
第1の製造形態において、工程(2A)は、前記微細化工程を経て得られたカルボキシ基含有微細セルロース繊維と、修飾基を有するアミンとを混合して、微細セルロース繊維複合体を得る工程である。具体的には、前記カルボキシ基含有微細セルロース繊維と、修飾基を有するアミンとを溶媒中で混合する。
工程(2A)で用いられる、修飾基を有するアミンとしては、微細セルロース繊維複合体において前記した前述のものが挙げられる。
前記アミンの使用量は、微細セルロース繊維複合体における所望のアミン塩の結合量により決めることができるが、反応性の観点から、カルボキシ基含有微細セルロース繊維に含有されるカルボキシ基1molに対して、アミン基が、好ましくは0.01mol以上、より好ましくは0.1mol以上、更に好ましくは0.5mol以上、更に好ましくは0.7mol以上であり、製品純度の観点から、好ましくは50mol以下、より好ましくは20mol以下、更に好ましくは10mol以下となる量用いる。なお、前記範囲に含まれる量のアミンを一度に反応に供しても、分割して反応に供してもよい。アミンが、モノアミンの場合は、上記のアミン基とアミンとは同じである。
溶媒としては、用いるアミンが溶解する溶媒を選択することが好ましく、例えば、エタノール、イソプロパノール(IPA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン(THF)、コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、酢酸、水等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの極性溶媒の中でも、コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル、エタノール、DMF、水が好ましい。
混合時の温度は、アミンの反応性の観点から、好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上、更に好ましくは10℃以上である。また、複合体の着色の観点から、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、更に好ましくは30℃以下である。混合時間は、用いるアミン及び溶媒の種類に応じて適宜設定することができるが、アミンの反応性の観点から、好ましくは0.01時間以上、より好ましくは0.1時間以上、更に好ましくは1時間以上であり、好ましくは48時間以下、より好ましくは24時間以下である。
前記塩形成後、未反応のアミン等を除去するために、適宜後処理を行ってもよい。該後処理の方法としては、例えば、ろ過、遠心分離、透析等を用いることができる。
また、態様Bの製造方法については、工程(1)は態様Aと同様に行うことができるので、以下に第1の製造形態における工程(2B)について記載する。また、例えば、特開2013−151661号公報に記載の方法により製造することができる。
〔工程(2B)〕
第1の製造形態において、工程(2B)は、前記微細化工程を経て得られたカルボキシ基含有微細セルロース繊維と、修飾基を有するアミンとをアミド化反応させて、微細セルロース繊維複合体を得る工程である。前記混合方法としては、原料が反応する程度のものであれば特に問題なく、具体的には、前記原料を縮合剤の存在下で混合し、カルボキシ基含有微細セルロース繊維に含有されるカルボキシ基と、修飾基を有するアミンのアミノ基とを縮合反応させてアミド結合を形成する。
工程(2B)で用いられる、修飾基を有するアミンとしては、微細セルロース繊維複合体において前記した前述のものが挙げられる。
工程(2B)では、カルボキシ基含有微細セルロース繊維と、修飾基を有するアミンとを縮合剤の存在下でアミド化させる。
前記アミンの使用量は、反応性の観点から、カルボキシ基含有微細セルロース繊維に含有されるカルボキシ基1molに対して、アミンが、好ましくは0.1mol以上、より好ましくは0.5mol以上であり、製品純度の観点から、好ましくは50mol以下、より好ましくは20mol以下、更に好ましくは10mol以下となる量用いる。なお、前記範囲に含まれる量のアミンを一度に反応に供しても、分割して反応に供してもよい。
縮合剤としては、特には限定されないが、合成化学シリーズ ペプチド合成(丸善社)P116記載、又はTetrahedron,57,1551(2001)記載の縮合剤などが挙げられ、例えば、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド(以下、「DMT−MM」と称する場合がある。)等が挙げられる。
上記アミド化反応においては、前記微細化工程における溶媒が挙げられ、用いるアミンが溶解する溶媒を選択することが好ましい。
前記アミド化反応における反応時間及び反応温度は、用いるアミン及び溶媒の種類等に応じて適宜選択することができるが、反応率の観点から、好ましくは1〜24時間、より好ましくは10〜20時間である。また、反応温度は、反応性の観点から、好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上、更に好ましくは10℃以上である。また、複合体の着色の観点から、好ましくは200℃以下、より好ましくは80℃以下、更に好ましくは30℃以下である。
前記反応後、未反応のアミンや縮合剤等を除去するために、適宜後処理を行ってもよい。該後処理の方法としては、例えば、ろ過、遠心分離、透析等を用いることができる。
なお、態様A及び態様Bのいずれにおいても、第2の製造形態では、前記した各工程を、工程(1)、工程(2A)又は工程(2B)、微細化工程の順で行うこと以外は、第1の製造形態と同様の方法で行うことができる。
また、態様A及び態様Bを組み合せて得られる微細セルロース繊維複合体であってもよく、即ち、イオン結合を介して連結した修飾基とアミド結合を介して連結した修飾基を有する微細セルロース繊維複合体であってもよい。この場合、工程(2A)と工程(2B)のいずれを先に行ってもよい。
かくして、微細セルロース繊維に修飾基がイオン結合及び/又はアミド結合を介して連結した、微細セルロース繊維複合体を得ることができる。本発明においては、得られる造形物の強度の観点から、修飾基がアミド結合を介して連結した微細セルロース繊維複合体が好ましい。
得られた微細セルロース繊維複合体は、上記後処理を行った後の分散液の状態で使用することもできるし、あるいは乾燥処理等により該分散液から溶媒を除去して、乾燥した粉末状の微細セルロース繊維複合体を得て、これを使用することもできる。ここで「粉末状」とは、微細セルロース繊維複合体が凝集した粉末状であり、セルロース粒子を意味するものではない。
粉末状の微細セルロース繊維複合体としては、例えば、前記微細セルロース繊維複合体の分散液をそのまま乾燥させた乾燥物;該乾燥物を機械処理で粉末化したもの;前記微細セルロース繊維複合体の分散液を公知のスプレードライ法により粉末化したもの;前記微細セルロース繊維複合体の分散液を公知のフリーズドライ法により粉末化したもの等が挙げられる。前記スプレードライ法は、前記微細セルロース繊維複合体の分散液を大気中で噴霧し、乾燥させる方法である。
微細セルロース繊維複合体は、数平均繊維径が、得られる造形物の高温下での強度を向上する観点から、好ましくは0.5nm以上、より好ましくは0.8nm以上、更に好ましくは1nm以上である。また、得られる造形物の高温下での強度から、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下、更に好ましくは20nm以下、更に好ましくは10nm以下である。
なお、微細セルロース繊維複合体は、工程(2A)又は工程(2B)の反応により結晶性が低下することがないことから、前記微細セルロース繊維の結晶化度と同程度の結晶化度を有することが好ましい。
本発明の樹脂組成物に含有される微細セルロース繊維複合体としては、前記のように数平均繊維径が0.5nm以上200nm以下であり、カルボキシ基含有量が0.1mmol/g以上である微細セルロース繊維に、炭化水素基及び/又はEO/PO共重合部がイオン結合及び/又はアミド結合を介して連結したものであることから、数平均繊維径が0.5nm以上200nm以下のものが好ましい。
本発明の樹脂組成物における各成分の含有量は、下記のとおりである。
本発明の樹脂組成物中の光硬化性樹脂前駆体の含有量は、造形物の強度及び造形性の観点から、50質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、93質量%以上が更に好ましい。また、同様の観点から、99.9質量%以下が好ましく、99質量%以下がより好ましく、98質量%以下が更に好ましい。
本発明の樹脂組成物中の微細セルロース繊維又はその改質物の含有量は、光硬化性樹脂前駆体100質量部に対して、得られる造形物の耐熱性を向上させる観点から、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1.0質量部以上、更に好ましくは2.0質量部以上であり、取扱い性の観点から、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下、更に好ましくは7質量部以下である。なお、ここでの微細セルロース繊維の含有量とは、修飾基が導入されていない微細セルロース繊維の含有量のことである。
また、本発明の樹脂組成物が微細セルロース繊維の改質物を含有する場合、微細セルロース繊維の含有量(換算量)は、光硬化性樹脂前駆体100質量部に対して、得られる造形物の耐熱性を向上させる観点から、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1.0質量部以上であり、取扱い性の観点から、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下、更に好ましくは7質量部以下である。
本発明の樹脂組成物中の微細セルロース繊維又はその改質物の含有量は、得られる造形物の耐熱性を向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは2.0質量%以上であり、取扱い性の観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、更に好ましくは7質量%以下である。
また、本発明の樹脂組成物は、前記以外の他の成分として、光重合開始剤を用いることができる。
光重合開始剤としては、公知のものであればよく、例えばアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物、2,3−ジアルキルシオン類化合物類、ジスルフィド化合物、チウラム化合物類、フルオロアミン化合物等が挙げられる。尚、光重合開始剤の含有量は、使用する光重合開始剤の種類により適宜設定すればよい。
本発明の樹脂組成物は、前記以外の他の成分として、結晶核剤、充填剤(無機充填剤、有機充填剤)、加水分解抑制剤、難燃剤、酸化防止剤、炭化水素系ワックス類やアニオン型界面活性剤である滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、光安定剤、顔料、防カビ剤、抗菌剤、発泡剤、界面活性剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。また、本発明の効果を阻害しない範囲内で他の高分子材料や他の樹脂組成物を添加することも可能である。任意の添加剤の含有量としては、本発明の効果が損なわれない範囲で適宜含有されても良いが、例えば、樹脂組成物中10質量%程度以下が好ましく、5質量%程度以下がより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、光硬化性樹脂前駆体と微細セルロース繊維又はその改質物を含有するものであれば特に限定なく調製することができ、例えば、光硬化性樹脂前駆体と微細セルロース繊維又はその改質物、さらに必要により各種添加剤を含有する原料を、ヘンシェルミキサー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等で攪拌、あるいは密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等の公知の混練機を用いて溶融混練又は溶媒キャスト法により調製することができる。なお、必要により、溶媒(例えば、エタノール)を添加して攪拌し、その後溶媒を除去して調製してもよい。
本発明の樹脂組成物は、光硬化性の三次元造形物の製造に用いられる。光硬化性三次元造形物の調製方法としては、インクジェット紫外線硬化方式、光造形方式が知られている。インクジェット紫外線硬化方式では、液状の樹脂組成物を吐出後、光を照射し硬化させて造形する。一方、光造形方式では、プールした液状の樹脂組成物の表面に光を照射後、硬化させて造形する。よって、これらの方法に本発明の樹脂組成物を適用する場合には、それらに応じた粘性を有する樹脂組成物を用いることが好ましい。
具体的には、インクジェット紫外線硬化方式にて本発明の樹脂組成物を用いる場合は、本発明の樹脂組成物は、25℃における粘度が、インクカートリッジのノズルから吐出を向上させる観点から、500mPa・s以下が好ましく、300mPa・s以下がより好ましく、150mPa・s以下が更に好ましく、130mPa・s以下がより更に好ましい。また、下限は特に限定されないが、取扱い性の観点から、1mPa・s以上が好ましい。また、光造形方式にて本発明の樹脂組成物を用いる場合は、本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物中の硬化物を安定に維持させる観点から、25℃における粘度が、50mPa・s以上が好ましく、100mPa・s以上がより好ましく、200mPa・s以上が更に好ましく、取扱い性の観点から、20000mPa・s以下が好ましく、15000mPa・s以下がより好ましく、12000mPa・s以下がより更に好ましい。前記した粘度を有するために、本発明においては、例えば、微細セルロース繊維又はその改質物の含有量を増加すれば粘度を上昇することができ、含有量を低減すれば粘度を低下させることができる。また、用いる微細セルロース繊維のアスペクト比が大きいものであれば粘度を上昇することができ、アスペクト比が小さいものであれば粘度を低下させることができる。なお、本明細書において、粘度はB型粘度計を用いて測定した値のことである。
また、本発明の樹脂組成物は、造形物の強度を向上させる観点から、比重が、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.8以上、更に好ましくは1.0以上である。上限は特にないが、2.0以下であってもよい。なお、ここで、比重とは、同体積の4℃の水の質量との比を意味し、JIS Z 8804に記載の方法に則り測定することができる。
本発明の樹脂組成物は、取扱い性が良好で、かつ、得られる造形物が高温下で良好な強度を示すため、精密機器、電気・電子製品、自動車等の製品又はそれらの部品あるいは筐体を立体造形する際の材として好適に用いることができる。よって、本発明はまた、本発明の樹脂組成物(本発明の光硬化性組成物)を光造形装置に用いることを特徴とする、光造形物の製造方法を提供する。
〔光造形物の製造方法〕
本発明の光造形物の製造方法は、本発明の光硬化性組成物を光造形装置に用いるのであれば特に限定はない。光造形装置としては公知のものを用いることができ、その装置の仕様に応じて本発明の光硬化性組成物を適用し、当該技術分野に従って光を照射して本発明の光硬化性組成物を硬化させることで、光造形物を調製することができる。照射できる光としては、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波などを用いることができる。なお、光硬化性組成物の適用及び光照射による硬化は繰り返し行うことができる。
具体的には、例えば、インクジェット方式により本発明の光硬化性組成物を用いて部品又は筐体を製造する場合、前記光硬化性組成物をインクジェット装置のカートリッジに充填し、ノズルから所望の形状に吐出させて光を照射して硬化物の層を形成後、当該層の上に前記吐出及び光照射を繰り返して硬化物の層を積層することにより得られる。
かくして得られた本発明の光硬化性組成物の光造形物は、機械的強度に優れ、また、高温下で良好な強度を示すことから、本発明はまた、本発明の光硬化性組成物の光造形物を提供する。本発明の光造形物は、本発明の光硬化性組成物を光造形することから、前記した光硬化性組成物で挙げられた各種用途に好適に用いることができる。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明する。なお、この実施例は、単なる本発明の例示であり、何ら限定を意味するものではない。例中の部は、特記しない限り質量部である。なお、「常圧」とは101.3kPaを、「常温」とは25℃を示す。
〔微細セルロース繊維の数平均繊維径〕
微細セルロース繊維に水を加えて、その濃度が0.0001質量%の分散液を調製し、該分散液をマイカ(雲母)上に滴下して乾燥したものを観察試料として、原子間力顕微鏡(AFM、Nanoscope III Tapping mode AFM、Digital instrument社製、プローブはナノセンサーズ社製Point Probe (NCH)を使用)を用いて、該観察試料中のセルロース繊維の繊維高さを測定する。その際、該セルロース繊維が確認できる顕微鏡画像において、微細セルロース繊維を5本以上抽出し、それらの繊維高さから数平均繊維径を算出する。
〔微細セルロース繊維のアスペクト比〕
平均アスペクト比は、分散液中のセルロース繊維濃度と分散液の水に対する比粘度との関係から、下記式(1)によりセルロース繊維のアスペクト比を逆算して求める。なお、下記式(1)は、The Theory of Polymer Dynamics,M.DOI and D.F.EDWARDS,CLARENDON PRESS・OXFORD,1986,P312に記載の剛直棒状分子の粘度式(8.138)と、Lb×ρ=M/Nの関係〔式中、Lは繊維長、bは繊維幅(セルロース繊維断面は正方形とする)、ρはセルロース繊維の濃度(kg/m)、Mは分子量、Nはアボガドロ数を表す〕から導き出されるものである。また、上記の粘度式(8.138)において、剛直棒状分子をセルロース繊維とする。下記式(1)中、ηSPは比粘度、πは円周率、lnは自然対数、Pはアスペクト比(L/b)、γ=0.8、ρは分散媒の密度(kg/m)、ρはセルロース結晶の密度(kg/m)、Cはセルロースの質量濃度(C=ρ/ρ)を表す。
Figure 2017007116
〔微細セルロース繊維及び微細セルロース繊維複合体のカルボキシ基含有量〕
乾燥質量0.5gの微細セルロース繊維又は微細セルロース繊維複合体を100mLビーカーにとり、イオン交換水もしくはメタノール/水=2/1の混合溶媒を加えて全体で55mLとし、そこに0.01M塩化ナトリウム水溶液5mLを加えて分散液を調製し、微細セルロース繊維又は微細セルロース繊維複合体が十分に分散するまで該分散液を攪拌する。この分散液に0.1M塩酸を加えてpHを2.5〜3に調整し、自動滴定装置(東亜ディーケーケー社製、商品名「AUT−50」)を用い、0.05M水酸化ナトリウム水溶液を待ち時間60秒の条件で該分散液に滴下し、1分ごとの電導度及びpHの値を測定し、pH11程度になるまで測定を続け、電導度曲線を得る。この電導度曲線から、水酸化ナトリウム滴定量を求め、次式により、微細セルロース繊維又は微細セルロース繊維複合体のカルボキシ基含有量を算出する。
カルボキシ基含有量(mmol/g)=水酸化ナトリウム滴定量×水酸化ナトリウム水溶液濃度(0.05M)/セルロース繊維の質量(0.5g)
微細セルロース繊維の調製例1(天然セルロースにN−オキシル化合物を作用させて得られるカルボキシ基含有微細セルロース繊維(長繊維)の分散液)
針葉樹の漂白クラフトパルプ(フレッチャー チャレンジ カナダ社製、商品名「Machenzie」、CSF650ml)を天然セルロース繊維として用いた。TEMPOとしては、市販品(ALDRICH社製、Free radical、98質量%)を用いた。次亜塩素酸ナトリウムとしては、市販品(和光純薬工業社製)を用いた。臭化ナトリウムとしては、市販品(和光純薬工業社製)を用いた。
まず、針葉樹の漂白クラフトパルプ繊維100gを9900gのイオン交換水で十分に攪拌した後、該パルプ質量100gに対し、TEMPO1.25質量%、臭化ナトリウム12.5質量%、次亜塩素酸ナトリウム28.4質量%をこの順で添加した。pHスタッドを用い、0.5M水酸化ナトリウムを滴下してpHを10.5に保持した。反応を120分(20℃)行った後、水酸化ナトリウムの滴下を停止し、酸化パルプを得た。イオン交換水を用いて得られた酸化パルプを十分に洗浄し、次いで脱水処理を行った。その後、酸化パルプ3.9gとイオン交換水296.1gを高圧ホモジナイザー(スギノマシン社製、スターバーストラボ HJP−2 5005)を用いて245MPaで微細化処理を2回行い、カルボキシ基含有微細セルロース繊維分散液(固形分濃度1.3質量%)を得た。この微細セルロース繊維の平均繊維径は3.3nm、カルボキシ基含有量は1.6mmol/g、アスペクト比は300であった。
微細セルロース繊維の調製例2(カルボキシ基含有微細セルロース繊維(短繊維)の分散液)
ビーカーに微細セルロース繊維の調製例1で得られたカルボキシ基含有微細セルロース繊維分散液100g(固形分濃度1.3質量%)にさらに高圧ホモジナイザーを用いて245MPaで微細化処理を50回行い、カルボキシ基含有微細セルロース繊維分散液(固形分濃度1.3質量%)を得た。この微細セルロース繊維の平均繊維径は3.3nm、カルボキシ基含有量は1.6mmol/g、アスペクト比は50であった。
微細セルロース繊維の調製例3(酸型処理して得られるカルボキシ基含有微細セルロース繊維(長繊維)分散液)
ビーカーに微細セルロース繊維の調製例1で得られたカルボキシ基含有微細セルロース繊維分散液4088.75g(固形分濃度1.3質量%)及びイオン交換水4085gを加え0.5質量%の水溶液とし、メカニカルスターラーにて室温下(25℃)、30分攪拌した。続いて1M塩酸水溶液を245g仕込み室温下、1時間反応させた。反応終了後、アセトンで再沈し、ろ過、その後、アセトン/イオン交換水にて洗浄を行い、塩酸及び塩を除去した。最後にアセトンを加えろ過し、アセトンにカルボキシ基含有微細セルロース繊維が膨潤した状態のアセトン含有酸型セルロース繊維分散液(固形分濃度5.0質量%)を得た。反応終了後、ろ過し、その後、イオン交換水にて洗浄を行い、塩酸及び塩を除去した。アセトンで溶媒置換した後、ジメチルホルムアミド(DMF)で溶媒置換し、カルボキシ基含有微細セルロース繊維が膨潤した状態のDMF含有酸型セルロース繊維分散液(固形分濃度5.4質量%)を得た。この微細セルロース繊維の平均繊維径は3.3nm、カルボキシ基含有量は1.6mmol/g、アスペクト比は300であった。
微細セルロース繊維の調製例4(酸型処理して得られるカルボキシ基含有微細セルロース繊維(短繊維)分散液)
ビーカーに微細セルロース繊維の調製例2で得られたカルボキシ基含有微細セルロース繊維分散液4088.75g(固形分濃度1.3質量%)及びイオン交換水4085gを加え0.5質量%の水溶液とし、メカニカルスターラーにて室温下(25℃)、30分攪拌した。続いて1M塩酸水溶液を245g仕込み室温下、1時間反応させた。反応終了後、アセトンで再沈し、ろ過、その後、アセトン/イオン交換水にて洗浄を行い、塩酸及び塩を除去した。最後にアセトンを加えろ過し、アセトンにカルボキシ基含有微細セルロース繊維が膨潤した状態のアセトン含有酸型セルロース繊維分散液(固形分濃度5.0質量%)を得た。反応終了後、ろ過し、その後、イオン交換水にて洗浄を行い、塩酸及び塩を除去した。アセトンで溶媒置換した後、ジメチルホルムアミド(DMF)で溶媒置換し、カルボキシ基含有微細セルロース繊維が膨潤した状態のDMF含有酸型セルロース繊維分散液(固形分濃度6.4質量%)を得た。この微細セルロース繊維の平均繊維径は3.3nm、カルボキシ基含有量は1.6mmol/g、アスペクト比は50であった。
微細セルロース繊維複合体の製造例1(実施例1〜4、9、10、13、19)
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、微細セルロース繊維の調製例3で得られたカルボキシ基含有微細セルロース繊維分散液35g(固形分濃度5.4質量%)を仕込んだ。続いて、表1、2、又は4に示す種類のアミンを、微細セルロース繊維のカルボキシ基1molに対してアミン基1.0molに相当する量、縮合剤である4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド(DMT−MM)を微細セルロース繊維のカルボキシ基1molに対して2.2molに相当する量、N−メチルモルホリン(NMM)を微細セルロース繊維のカルボキシ基に対して1.2molに相当する量をそれぞれ仕込み、DMF300g中に溶解させ、反応液を室温(25℃)で14時間反応させた。反応終了後ろ過し、イオン交換水にて洗浄、DMT−MM塩を除去し、エタノールで洗浄及び溶媒置換することで、微細セルロース繊維にアミンがアミド結合を介して連結した微細セルロース繊維複合体を得た。
微細セルロース繊維複合体の製造例2(実施例5〜8、11、12)
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、微細セルロース繊維の調製例4で得られたカルボキシ基含有微細セルロース繊維分散液35g(固形分濃度6.4質量%)を仕込んだ。続いて、表1又は2に示す種類のアミンを、微細セルロース繊維のカルボキシ基1molに対してアミン基1.0molに相当する量、縮合剤であるDMT−MMを微細セルロース繊維のカルボキシ基1molに対して2.2molに相当する量、NMMを微細セルロース繊維のカルボキシ基に対して1.2molに相当する量をそれぞれ仕込み、DMF300g中に溶解させ、反応液を室温(25℃)で14時間反応させた。反応終了後ろ過し、イオン交換水にて洗浄、DMT−MM塩を除去し、エタノールで洗浄及び溶媒置換することで、微細セルロース繊維にアミンがアミド結合を介して連結した微細セルロース繊維複合体を得た。
微細セルロース繊維複合体の製造例3(実施例15〜17、20)
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、微細セルロース繊維の調製例3で得られたカルボキシ基含有微細セルロース繊維分散液35g(固形分濃度5.4質量%)を仕込んだ。続いて、表3又は4に示すアミンを、微細セルロース繊維のカルボキシ基1molに対してアミン基1.0molに相当する量を仕込み、イオン交換水300g中に溶解させ、反応液を室温(25℃)で14時間反応させた。反応終了後ろ過し、イオン交換水にて洗浄、エタノ―ルで洗浄及び溶媒置換することで、微細セルロース繊維にアミンがイオン結合を介して連結した微細セルロース繊維複合体を得た。
微細セルロース繊維複合体の製造例4(実施例14)
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、微細セルロース繊維の調製例3で得られたカルボキシ基含有微細セルロース繊維分散液35g(固形分濃度5.4質量%)を仕込んだ。続いて、アニリンを、微細セルロース繊維のカルボキシ基1molに対してアミン基1.5molに相当する量、縮合剤であるDMT−MMを微細セルロース繊維のカルボキシ基1molに対して2.5molに相当する量、NMMを微細セルロース繊維のカルボキシル基に対して1.4molに相当する量をそれぞれ仕込み、DMF300g中に溶解させ、反応液を室温(25℃)で14時間反応させた。反応終了後ろ過し、イオン交換水にて洗浄、DMT−MM塩を除去し、エタノールで洗浄及び溶媒置換することで、微細セルロース繊維に、フェニル基がアミド結合を介して連結した微細セルロース繊維複合体を得た。
<EOPO基修飾>
得られた微細セルロース繊維複合体分散液10g(固形分濃度5.0質量%)に対し、EO/PO共重合部を有するアミン(三井化学ファイン製、M―2070)を、微細セルロース繊維のカルボキシ基1molに対してアミン基0.06molに相当する量を仕込み、イオン交換水100g中に溶解させ、反応液を室温(25℃)で14時間反応させた。反応終了後ろ過し、イオン交換水にて洗浄、エタノールで洗浄及び溶媒置換することで、微細セルロース繊維にアミド結合を介しフェニル基が、イオン結合を介してEOPO共重合体が連結した微細セルロース繊維複合体を得た。
実施例1〜17
<アクリル樹脂組成物>
光硬化性樹脂前駆体として、OBJET FULLCURE720(ストラタシス社製、アクリル系樹脂組成物前駆体)50g(100質量部)、表1〜3に示す微細セルロース繊維複合体を表1〜3に示す量、エタノール20gをビーカーに添加し、超音波ホモジナイザー(US−300E、日本精機製作所社製)にて2分間攪拌、次いで、高圧ホモジナイザー(スギノマシン社製、スターバーストラボ HJP−2 5005)にて100MPaで2パス、150MPaで1パス微細処理させた。該均一混合物をガラスシャーレにそそぎ50℃で24時間真空乾燥を行うことで混合物中の溶媒成分を除去し、微細セルロース繊維複合体を0.1質量部含む樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物の比重及び粘度を表1〜3に示す。
なお、粘度は東機産業製の粘度計(ViscometerTV−35)及び温調ユニット(ViscomateVM−150III)を用い、測定温度25℃、測定時間1分、回転数1rpm、ローターT1の条件で分析を行った。また、比重はJIS Z 8804に記載の方法に則り、10mL容の比重瓶を用いて測定を行った。
<アクリル樹脂組成物の硬化>
得られた樹脂組成物をポリイミドフィルム上に厚さ約0.4mmになるようバーコーターを用いて均一に塗布した後、UV照射装置(フュージョンジャパン性Light Hammer10、光源はヘレウス社製Hバルブ)を用い、ランプ高さ67mm、ベルトスピード15.8、出力90%に設定し(放射光量約94mJ/cm)、窒素置換後にUV照射を行い樹脂を硬化させることで、微細セルロース繊維複合体を0.1質量部含むアクリル樹脂組成物の光造形物を得た。窒素置換は窒素置換装置にイナートボックスをセットし、1分置換することで行った。
実施例18
微細セルロース繊維複合体に代えて調製例3で得たDMF含有酸型セルロース繊維分散液を用い、配合量を表3のように変更したこと以外は実施例1と同様の方法で樹脂組成物及び該組成物の光造形物を製造した。
比較例1
微細セルロース繊維複合体を使用しなかった以外は実施例1と同様の方法で樹脂組成物及び該組成物の光造形物を製造した。
実施例19〜20(エポキシ樹脂)
使用する光硬化性樹脂前駆体をディーメック社製SCR774(エポキシ系樹脂組成物前駆体)に変更し、使用する微細セルロース繊維複合体の種類及び量を表4のように変更したこと以外は実施例1と同様の方法で樹脂組成物及び該組成物の光造形物を製造した。
比較例2
微細セルロース繊維複合体を使用しなかった以外は実施例19と同様の方法で樹脂組成物及び該組成物の光造形物を製造した。
なお、表1〜4における原料は以下の通りである。
〔光硬化性樹脂前駆体〕
OBJET FULLCURE720:アクリル系樹脂組成物前駆体、ストラタシス社製、インクジェット方式3Dプリンター用
SCR774:エポキシ系樹脂組成物前駆体、ディーメック社製、光造形方式3Dプリンター用
〔アミン〕
EOPOアミン:Jeffamine M−2070、HUNTSMAN社製、EO/PO(モル比)32/10
C18アミン:ステアリルアミン(オクタデシルアミン)、東京化成製
C12アミン:ドデシルアミン、和光純薬工業製
TBAH:水酸化テトラブチルアンモニウム(テトラブチルアンモニウムヒドロキシド)、和光純薬工業製
アニリン:和光純薬工業製
得られた光造形物(造形物)の特性を、下記の試験例1の方法に従って評価した。結果を表1〜4に示す。
試験例1(貯蔵弾性率)
動的粘弾性装置(SII社製、商品名「DMS6100」)を用いて、幅5mm、長さ20mmの短冊型サンプルを、窒素雰囲気下、周波数1Hzで、−50℃から250℃まで、1分間に2℃の割合で温度を上昇させて、引張モードで計測した。貯蔵弾性率数は100℃(アクリル樹脂)又は200℃(エポキシ樹脂)の値を用いた。貯蔵弾性率の値が大きいほど機械的強度に優れることを示し、アクリル樹脂組成物の場合は6MPa以上であることが、エポキシ樹脂組成物の場合は90MPa以上であることが好ましい。
Figure 2017007116
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Figure 2017007116
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表1〜4に示す結果から明らかなとおり、実施例で得られた樹脂組成物は比較例の組成物より取扱い性が良好な粘性を有するものであり、また、光硬化して得られた光造形物は比較例で得られた光造形物と比べて、Tg以上の高温(FullCure720で90℃以上、SCR774で180℃以上)で強度を発現していることがわかる。
<アクリル樹脂前駆体組成物>
微細セルロース繊維複合体の製造例2と同様にして得られるEOPOアミン(三井化学ファイン製、M―2070)がアミド結合を介して連結した微細セルロース繊維複合体を固形分含有量が0.5gになるようビーカーに入れ、光硬化性樹脂前駆体として、FullCure720(ストラタシス社製、アクリル系樹脂組成物)50g、エタノール20gを順次添加し、超音波ホモジナイザー(US−300E、日本精機製作所社製)にて2分間攪拌、高圧ホモジナイザー(スギノマシン社製、スターバーストラボ HJP−2 5005)にて100MPaで2パス、150MPaで1パス微細処理させる。該均一混合物をガラスシャーレにそそぎ50℃で24時間真空乾燥を行うことで混合物中の溶媒成分を除去し、微細セルロース繊維複合体を1質量部含む樹脂組成物を製造する。
<インクジェット型光造形装置を用いた光造形物の作成>
得られた樹脂組成物をフジフイルム社製インクカートリッジ(Dimatix DMP−2831)に充填し、カートリッジ温度を70℃に設定して、Dimatix標準パターンの波形パターンを入力して吐出する。その後、UV照射装置(フュージョンジャパン製Light Hammer10、光源はヘレウス社製Hバルブ)を用い、ランプ高さ67mm、ベルトスピード15.8、出力90%に設定し(放射光量約94mJ/cm)、窒素置換後にUV照射を行い樹脂を硬化させることで、微細セルロース繊維複合体を1質量部含むアクリル樹脂組成物からなる耐熱性の薄膜状光造形物を得ることが出来る。また、上記工程を所定の回数繰り返すことで、三次元的な厚みを持った耐熱性の光造形物を得ることが出来る。
本発明の三次元造形用の光硬化性組成物は、精密機器、電気・電子製品、自動車等の製品又はそれらの部品あるいは筐体を立体造形する際の材として好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. A)光硬化性樹脂前駆体、並びにB)数平均繊維径が0.5nm以上200nm以下であり、カルボキシ基含有量が0.1mmol/g以上である微細セルロース繊維及び/又はその改質物を含有する、三次元造形用の光硬化性組成物。
  2. 微細セルロース繊維が、天然セルロース繊維をN−オキシル化合物存在下で酸化して、カルボキシ含有セルロース繊維を得る工程を含む製造方法により得られたものである、請求項1記載の光硬化性組成物。
  3. 微細セルロース繊維の改質物が、微細セルロース繊維のカルボキシ基に炭化水素基又はエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(EO/PO)共重合部が導入されたものである、請求項1又は2記載の光硬化性組成物。
  4. 炭化水素基又はエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(EO/PO)共重合部の導入がアミド結合及び/又はイオン結合を介したものである、請求項3記載の光硬化性組成物。
  5. A)光硬化性樹脂前駆体が、アクリル系樹脂、(メタ)クリル系樹脂、及びエポキシ系樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種以上である、請求項1〜4いずれか記載の光硬化性組成物。
  6. B)微細セルロース繊維及び/又はその改質物の含有量が、A)光硬化性樹脂前駆体100質量部に対して、0.01質量部以上20質量部以下である、請求項1〜5いずれか記載の光硬化性組成物。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の光硬化性組成物を光造形装置に用いることを特徴とする、光造形物の製造方法。
  8. 請求項7に記載の製造方法により得られる光造形物。
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