JP2018044101A - 油性インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】保存安定性、塗工性に優れた油性インク組成物の提供。【解決手段】下記条件(A)〜(E)を満たす微細繊維状セルロースと有機溶媒と着色剤を含有することを特徴とする油性インク組成物。(A)数平均繊維径が2nm以上500nm以下(B)平均アスペクト比が10以上1000以下(C)セルロースI型結晶構造を有する(D)アニオン性官能基を有する(E)(D)記載のアニオン性官能基の一部、または全てに式(1)で表されるポリエーテルアミンが結合している【選択図】なし

Description

本発明は、油性インク組成物に関する。
インクには、流動性の調節、たれ防止、保存安定性の改善、顔料分散性の向上、皮膜形成および顔料固着の向上等を目的に、レオロジーコントロール剤が配合されている。現在、このレオロジーコントロール剤としては、合成系および天然系の高分子が使用されているが、最近、分散媒中で微粒子を分散安定化し、かつ高いチキソトロピック性を付与できる微細セルロースが注目されている。例えば特許文献1には、N−オキシル化合物の存在下、共酸化剤を用いて酸化された数平均繊維径が2〜150nmのセルロース繊維をレオロジーコントロール剤として添加した水性インク組成物が提案されている。
特開2013−181167号公報
特許文献1に記載のセルロース繊維は、親水性が高いため疎水性の溶剤に分散させることが困難であり、水性インク以外のレオロジーコントロール剤として使用することが困難であった。発明の課題は、親油化したセルロース繊維をレオロジーコントロール剤として添加することで、溶剤中で着色剤を長期間分散安定化し、塗工した際に液ダレしない油性インク組成物を提供することにある。
本発明者らは、微細繊維状セルロース、有機溶媒、および着色剤を含有することを特徴とする油性インク組成物により、上記課題を解決したものである。
すなわち本発明は、下記[1]ないし[5]を提供することを課題とする。
[1]下記条件(A)〜(E)を満たす微細繊維状セルロース、有機溶媒、および着色剤を含有することを特徴とする油性インク組成物。
(A)数平均繊維径が2nm以上500nm以下
(B)平均アスペクト比が10以上1000以下
(C)セルロースI型結晶構造を有する
(D)アニオン性官能基を有する
(E)(D)記載のアニオン性官能基の一部、または全てに下記式(1)で示すポリエーテルアミンが結合している
Figure 2018044101
〔上記式(1)中、R、R、Rは炭素数1以上20以下の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、炭素数1以上20以下のアリーレン基、または水素原子を示し、n1、n2、n3はそれぞれ0以上80以下を示し、(n1+n2+n3)は10以上240以下を示し、AOは炭素数2以上4以下のオキシアルキレン基を示し、xの平均値は0.5以上1以下、y、zの平均値は0以上1以下を示す。〕
[2]上記微細繊維状セルロースがさらに下記条件を満たすことを特徴とする[1]に記載の油性インク組成物。
(F)(D)記載のアニオン性官能基の一部、または全てに上記一般式(1)で示すポリエーテルアミンと下記一般式(2)で示すアミン化合物が結合している。
Figure 2018044101
〔上記式(2)中、R、R、Rは炭素数1以上20以下の直鎖あるいは分岐のアルキレン基、および/またはアリーレン基、および/または水素原子を示す。〕
[3]上記微細繊維状セルロースのアニオン性官能基がカルボキシル基であることを特徴とする[1]または[2]記載の油性インク組成物。
[4]上記着色剤と微細繊維状セルロースとの含有量の割合が、質量比で着色剤/微細繊維状セルロース=0.1〜1000の範囲である[1]ないし[3]のいずれか1項に記載の油性インク組成物。
[5]回転粘度計(30rpm)による25℃環境下での粘度が、100mPa・s以上である、[1]ないし[4]のいずれか一項に記載の油性インク組成物。
本発明の油性インク組成物は、低極性の溶媒中で着色剤の均一分散状態を長期間保持することができ、また塗工した際に液ダレしない。
本発明の油性インク組成物は所定の微細繊維状セルロース、有機溶媒、および着色剤を含有する

[微細繊維状セルロース]
上記微細繊維状セルロースは、以下の条件を満たすものである。
<平均繊維径>
上記微細繊維状セルロースの数平均繊維径は2nm以上500nm以下であるが、好ましくは2nm以上150nm以下であり、より好ましくは2nm以上100nm以下であり、特に好ましくは3nm以上80nm以下である。上記数平均繊維径が2nm未満であると、微細繊維状セルロースが溶解することにより、溶剤中で微細繊維状セルロースの3次元的ネットワークが形成されなくなり、有機溶剤を増粘化できないおそれがあり、上記数平均繊維径が500nmを超える場合も微細繊維状セルロースが有機溶剤中に沈降するおそれがある。また最大繊維径は、微細繊維状セルロースの分散性の点で、1000nm以下であることが好ましく、特に好ましくは500nm以下である。
上記微細繊維状セルロースの数平均繊維径および最大繊維径は、例えば、つぎのようにして測定することができる。すなわち、固形分率で0.05〜0.1重量%の微細セルロースの水分散体を調製し、その分散体を、親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストして、透過型電子顕微鏡(TEM)の観察用試料とする。なお、大きな繊維径の繊維を含む場合には、ガラス上へキャストした表面の走査型電子顕微鏡(SEM)像を観察してもよい。そして、構成する繊維の大きさに応じて5000倍、10000倍あるいは50000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。その際に、得られた画像内に縦横任意の画像幅の軸を想定し、その軸に対し、20本以上の繊維が交差するよう、試料および観察条件(倍率等)を調節する。そして、この条件を満たす観察画像を得た後、この画像に対し、1枚の画像当たり縦横2本ずつの無作為な軸を引き、軸に交錯する繊維の繊維径を目視で読み取っていく。このようにして、最低3枚の重複しない表面部分の画像を、電子顕微鏡で撮影し、各々2つの軸に交錯する繊維の繊維径の値を読み取る(したがって、最低20本×2×3=120本の繊維径の情報が得られる)。このようにして得られた繊維径のデータにより、最大繊維径および数平均繊維径を算出する。
<平均アスペクト比>
上記微細繊維状セルロースの平均アスペクト比は10以上1000以下であるが、好ましくは100以上、より好ましくは200以上である。平均アスペクト比が10未満であると表面電荷が少なくなり、有機溶剤を高粘度化できないという問題が生じる。
上記微細繊維状セルロースの平均アスペクト比は、例えば以下の方法で測定することが出来る、すなわち、先に述べた方法に従い、数平均繊維径、および繊維長を算出し、これらの値を用いて平均アスペクト比を下記式に従い算出した。
Figure 2018044101
<セルロースI型結晶構造>
上記セルロースナノファイバーは、I型結晶構造を有する天然由来のセルロース原料を微細化した繊維である。すなわち、天然セルロースの生合成の過程においては、ほぼ例外なくミクロフィブリルと呼ばれるナノファイバーがまず形成され、これらが多束化して高次な固体構造を構成する。上記セルロースナノファイバーを構成するセルロースがI型結晶構造を有することは、例えば、広角X線回折像測定により得られる回折プロファイルにおいて、2シータ=14〜17°付近と、2シータ=22〜23°付近の2つの位置に典型的なピークをもつことから同定することができる。
<アニオン性官能基>
上記セルロースナノファイバーはアニオン性官能基を有する。
本発明のアニオン性官能基としては特に制限されないが具体的には、カルボキシル基、リン酸基、硫酸基が挙げられるが、これらの内、セルロースへのアニオン性官能基の導入の容易さという理由からカルボキシル基が好ましい。
セルロースにカルボキシルを導入する方法としては、セルロースの水酸基にカルボキシル基を有する化合物、カルボキシル基を有する化合物の酸無水物およびそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種を反応させる方法、セルロースの水酸基を酸化する事によりカルボキル基に変換する方法が挙げられる。
上記カルボキシル基を有する化合物としては特に限定されないが、具体的にはハロゲン化酢酸が挙げられ、ハロゲン化酢酸としては、クロロ酢酸、ブロモ酢酸、ヨード酢酸等が挙げられる。
上記カルボキシル基を有する化合物の酸無水物としては特に限定されないが、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水イタコン酸等のジカルボン酸化合物の酸無水物が挙げられる。
上記カルボキシル基を有する化合物の誘導体としては特に限定されないが、カルボキシル基を有する化合物の酸無水物のイミド化物、カルボキシル基を有する化合物の酸無水物の誘導体が挙げられる。
カルボキシル基を有する化合物の酸無水物のイミド化物としては特に限定されないが、マレイミド、コハク酸イミド、フタル酸イミド等のジカルボン酸化合物のイミド化物が挙げられる。
カルボキシル基を有する化合物の酸無水物の誘導体としては特に限定されないが、ジメチルマレイン酸無水物、ジエチルマレイン酸無水物、ジフェニルマレイン酸無水物等の、カルボキシル基を有する化合物の酸無水物の少なくとも一部の水素原子が置換基(例えば、アルキル基、フェニル基等)で置換されたものが挙げられる。
上記セルロースの水酸基を酸化する方法としては特に制限されないが具体的には、N−オキシル化合物を酸化触媒とし、共酸化剤を作用させる方法が挙げられる。
本発明において、セルロースにカルボキシル基を導入する方法としては、繊維表面の水酸基の選択性に優れており、反応条件も穏やかであることから、セルロースの水酸基を酸化する方法が好ましい。以下、水酸基の酸化によりカルボキシル基が導入されたセルロースを酸化セルロースという。
また、一実施形態としてセルロースにリン酸基を導入する方法としては、以下の方法が挙げられる。すなわち、乾燥した、あるいは湿潤状態のセルロース繊維原料にリン酸またはリン酸誘導体の粉末や水溶液を混合する方法、セルロース繊維原料の分散液にリン酸またはリン酸誘導体の水溶液を添加する方法等が挙げられる。これら方法においては、通常、リン酸またはリン酸誘導体の粉末や水溶液を混合または添加した後に、脱水処理、加熱処理等を行う。ここで、リン酸またはリン酸誘導体としては、リン原子を含有するオキソ酸、ポリオキソ酸あるいはそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。これにより、セルロースを構成するグルコースユニットの水酸基にリン酸基を含む化合物またはその塩が脱水反応してリン酸エステルが形成され、リン酸基又はその塩が導入される。
本発明の微細繊維状セルロースのアニオン性官能基の含量は微細繊維状セルロースの分散性の点から0.5mmol/g以上2.5mmol/g以下の範囲が好ましく、より好ましくは1.5mmol/g以上2.0mmol/g以下の範囲である。
上記微細繊維状セルロースのアニオン性官能基量は、たとえばアニオン性官能基がカルボキシル基の場合は以下の方法で測定する。すなわち、乾燥重量を精秤したセルロース試料から0.5〜1重量%スラリーを60ml調製し、0.1Mの塩酸水溶液によってpHを約2.5とした後、0.05Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下して、電気伝導度測定を行う。測定はpHが約11になるまで続ける。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(V)から、下記の式(2)に従いカルボキシル基量を求めることができる。
Figure 2018044101
上記微細繊維状セルロースのアニオン性官能基量は、たとえばアニオン性官能基がカルボキシルメチル基の場合は以下の方法で測定する。すなわち、上記微細繊維状セルロースを0.6質量%スラリーに調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.4とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量からカルボキシル基量を測定し、下式を用いて算出することが出来る。
Figure 2018044101
<ポリエーテルアミン>
上記微細繊維状セルロースは、下記一般式(1)で示されるポリエーテルアミンが結合してなる。セルロース繊維はポリエーテルアミンにより表面修飾することで、有機溶媒中で着色剤を長期間分散安定化し、塗工した際に液ダレ防止効果を発現するものとなる。
Figure 2018044101
上記式(1)中、R、R、Rは炭素数1以上20以下の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、炭素数1以上20以下のアリーレン基、または水素原子を示し、n1、n2、n3はそれぞれ0以上80以下を示し、(n1+n2+n3)は10以上240以下を示し、AOは炭素数2以上4以下のオキシアルキレン基を示し、xの平均値は0.5以上1以下、y、zの平均値は0以上1以下を示す。そして、上記R、R、Rは炭素数1以上10以下のアルキル基が好ましく、炭素数1以上3以下のアルキル基がより好ましい。またAOは炭素数2のオキシアルキレン基が好ましく、n1、n2、n3はそれぞれ20以上80以下が好ましく、(n1+n2+n3)は20以上160以下であることが好ましく、20以上80以下であることがより好ましい。xの平均値は0.8以上1以下、y、zの平均値は0以上0.2以下であることが好ましい。
本発明で好適に使用できるポリエーテルアミンとしては例えば下記式(i):
Figure 2018044101
〔式中、Rは炭素数1以上20以下の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、炭素数1以上20以下のアリーレン基、または水素原子を示し、EO及びPOはランダム又はブロック状に存在し、aはEOの平均付加モル数を示す正の数、bはPOの平均付加モル数を示す正の数であり、a、bはそれぞれ0以上80以下が好ましく、a+bは10以上80以下であり、好ましくは20以上80以下である〕
があげられる。
市販品で好適に使用できるポリエーテルアミンとしては、例えば、HUNTSMAN社製のJeffamine M−2070、Jeffamine M−2005、Jeffamine M−1000、Jeffamine M−2095、Jeffamine M−3085、XTJ-436、BASF社製のPolyetheramine D 2000等があげられる。
また本発明で好適に使用できるポリエーテルアミンとしては例えば下記式(ii):
Figure 2018044101
〔式中、R、Rは炭素数1以上20以下の直鎖または分岐のアルキレン基、炭素数1以上20以下のアリーレン基、または水素原子を示し、EO及びPOはランダム又はブロック状に存在し、cおよびeはEOの平均付加モル数を示し、dおよびfはPOの平均付加モル数を示し、c、d、e、fはそれぞれ0以上80以下であり、c+dおよびe+fは10以上160以下であり、好ましくは20以上80以下である〕
下記式(iii)
Figure 2018044101
〔式中、R、R、Rは炭素数1以上20以下の直鎖あるいは分岐のアルキレン基、炭素数1以上20以下のアリーレン基、または水素原子を示し、EO及びPOはランダム又はブロック状に存在し、g、iおよびkはEOの平均付加モル数を示し、h、jおよびlはPOの平均付加モル数を示し、g、h、i、j、k、およびlはそれぞれ0以上80以下であり、g+h、i+j、およびk+lはそれぞれ10以上240以下であり、好ましくは20以上160以下であり、より好ましくは20以上80以下である〕
で表される化合物があげられる。
本発明の微細繊維状セルロースは、上記ポリエーテルアミンを1種のみ有していてもよく、2種以上有していてもよい。
<アミン化合物>
また微細繊維状セルロースのカルボキシル基の一部がポリエーテルアミンと結合してなる場合、残りのカルボキシル基に下記一般式(2)で示されるアミン化合物を結合してもよい。
Figure 2018044101
上記式(2)中、R、R、Rは炭素数1以上20以下の直鎖あるいは分岐のアルキレン基、および/またはアリーレン基、および/または水素原子を示す。
そして、上記R、R、Rは炭素数2〜18のアルキル基が好ましく、炭素数2〜8のアルキル基がより好ましい。
上記式(2)で示されるアミン化合物は特に限定するものではないが例えば、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、エタノールアミン、ベンジルアミンなどの第一級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジアリルアミン、ジオクタデシルアミン、メチルエチルアミン、ターシャリーブチルエチルアミン、ジエタノールアミン、ジベンジルアミンなどの第二級アミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ジメチルブチルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルオクタデシルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジエチルメチルアミン、ジオクタデシルメチルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ラウリルジエタノールアミン、トリベンジルアミンなどの三級アミン等があげられる。これらの内、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、エタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジアリルアミン、ジオクタデシルアミン、メチルエチルアミン、ターシャリーブチルエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ジメチルブチルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルオクタデシルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジエチルメチルアミン、ジオクタデシルメチルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ラウリルジエタノールアミン、が好ましく、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ジメチルブチルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルオクタデシルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジエチルメチルアミン、ジオクタデシルメチルアミンがより好ましい。
上記ポリエーテルアミンと上記アミンを併用する場合、微細繊維状セルロースの分散性と有機溶媒との相溶性の点から配合比率はモル比でポリエーテルアミン/脂肪族アミン=99/1〜25/75が好ましく、50/50〜25/75がより好ましい。
[有機溶剤]
本発明の油性インク組成物に使用できる有機溶剤としては、特に制限されないが具体的には、後述する微細繊維状セルロースの製造工程で使用する有機溶剤をそのまま使用することができる。
[着色剤]
本発明に好適に用いられる着色剤としては、例えば無機顔料、有機顔料等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、ベンガラ、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、アルミナホワイト、酸化鉄黄、ビリジアン、硫化亜鉛、カドミウムイエロー、朱、ガドミウムレッド、黄鉛、モリブデードオレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、ホワイトカーボン、クレー、タルク、群青、バライト粉、鉛白、紺青、マンガンバイオレット、アルミニウム粉、真鍮粉等があげられる。
上記有機顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、染料レーキニトロ顔料、ニトロソ顔料等があげられる。
また、酸性染料、反応染料、塩基性染料、分散性染料、直接染料、蛍光染料、C.I.ベーシックイエロー35、C.I.ベーシックイエロー40、C.I.アシッドオレンジ28、C.I.アシッドブルー92、エオシン、フロキシン、ウォーターイエロー#6−C、アシッドレッド、ウォーターブルー#105、ブリリアントブルーFCF、ニグロシンNB、ダイレクトブラック154、ダイレクトスカイブルー5B、バイオレットBBローダミン、メチルバイオレット、等の着色剤を用いることもできる。
さらに、樹脂や界面活性剤などで表面改質した加工顔料、分散トナー、アクリル系樹脂やベンゾグアナミン樹脂などを顔料や染料で着色して微粒子化した着色剤、等も用いることもできる。
本発明の油性インク組成物において、微細繊維状セルロースの含有量は着色剤の均一な分散性と保存安定性の点から、0.05質量%以上3.0質量%以下が好ましく、0.05質量%以上1質量%以下がより好ましい。
本発明の油性インク組成物において、着色剤の含有量は微粒子の均一な分散性と保存安定性の点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
本発明の油性インク組成物における、上記着色剤と微細繊維状セルロースとの含有量の割合は、均一分散性の点から、質量比で着色剤/微細繊維状セルロース=0.1〜1000の範囲が好ましく、特に好ましくは0.1〜250の範囲、最も好ましくは0.1〜20の範囲である。
[その他の添加剤]
本発明の塗料組成物には、必要に応じ、本発明の効果を妨げない範囲で、任意成分を含むことができる。
前記任意成分としては、ラメ剤、パール剤、防腐剤、香料、可塑剤、消泡剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、硬化剤、触媒、溶剤、界面活性剤、難燃剤、帯電防止剤、熱安定剤、顔料分散、皮張り防止、レベリング、乾燥促進、等の目的で添加される添加剤、等が挙げられる。
[微細繊維状セルロースの製造方法]
本発明の微細繊維状セルロースは、下記工程(1)〜(4)を有する製造方法によれば、より効率的に製造できるため好ましい。
工程(1):セルロースI型結晶構造を有するセルロース繊維を水に分散させた後、そのセルロース繊維の水酸基を、カルボキシル基を有する置換基に変換する工程
工程(2):上記セルロース繊維の分散媒である水を有機溶剤に置換する工程
工程(3):上記分散媒置換後のセルロース繊維にポリエーテルアミンを添加する工程
工程(4):上記ポリエーテルアミンが結合したセルロース繊維を上記有機溶媒中でナノ解繊する工程
<工程(1)>
工程(1)は、セルロースI型結晶構造を有するセルロースの水酸基を、酸化等によりカルボキシル基を有する置換基(カルボキシル基、カルボキシル塩基、カルボキシルアルキル基等)に変換させる工程である。
セルロースI型結晶構造を有するセルロースとしては、通常、天然セルロースが用いられる。ここで、天然セルロースとは、植物,動物,バクテリア産生ゲル等のセルロースの生合成系から単離した精製セルロースを意味する。より具体的には、針葉樹系パルプ、広葉樹系パルプ、コットンリンター,コットンリント等の綿系パルプ、麦わらパルプ,バガスパルプ等の非木材系パルプ、バクテリアセルロース(BC)、ホヤから単離されるセルロース、海草から単離されるセルロース等があげられる。なかでも、針葉樹系パルプ、広葉樹系パルプ、コットンリンター、コットンリント等の綿系パルプ、麦わらパルプ,バガスパルプ等の非木材系パルプが好ましい。上記天然セルロースは、叩解等の表面積を高める処理を施すと、反応効率を高めることができ、生産性を高めることができるため好ましい。
セルロースがI型結晶構造を有することは、例えば、広角X線回折像測定により得られる回折プロファイルにおいて、2シータ=14〜17°付近と、2シータ=22〜23°付近の2つの位置に典型的なピークをもつことから同定することができる。
上記セルロース繊維表面の水酸基がカルボキシル基を有する置換基に変換されたセルロースとしては、例えば、酸化セルロース、カルボキシメチルセルロース、多価カルボキシメチルセルロース、あるいは、その塩、等があげられる。なかでも、繊維表面の水酸基の選択性に優れており、反応条件も穏やかである、N−オキシル化合物を酸化剤として用いた酸化セルロースが好ましい。
上記の通り、本発明のカルボキシル基を有する微細繊維状セルロースの内、より好適に選択できるN−オキシル化合物を酸化剤として用いて酸化セルロースを得る方法について、以下に詳述する。
(酸化処理工程)
上記酸化セルロースは上記天然セルロースと、N−オキシル化合物と、共酸化剤の存在下で酸化処理をして、カルボキシ基を含有するセルロース繊維を得られる。
上記酸化反応におけるセルロースの分散媒体は水であり、反応水溶液中のセルロース濃度は、セルロースの充分な拡散が可能な濃度であれば任意である。通常は、反応水溶液の重量に対して約5%以下であるが、機械的撹拌力の強い装置を使用することにより反応濃度を上げることができる。
上記N−オキシル化合物としては、例えば、一般に酸化触媒として用いられるニトロキシラジカルを有する化合物があげられる。上記N−オキシル化合物は、水溶性の化合物が好ましく、なかでもピペリジンニトロキシオキシラジカルが好ましく、特に2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシラジカル、または4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシラジカルが好ましい。上記N−オキシル化合物の添加は、触媒量で充分であり、好ましくは0.1〜4mmol/l、さらに好ましくは0.2〜2mmol/lの範囲で反応水溶液に添加する。
上記共酸化剤とは、直接的にセルロースの水酸基を酸化する物質ではなく、酸化触媒として用いられるN−オキシル化合物を酸化する物質のことである。例えば、次亜ハロゲン酸またはその塩、亜ハロゲン酸またはその塩、過ハロゲン酸またはその塩、過酸化水素、過有機酸等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なかでも、次亜塩素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナトリウム等のアルカリ金属次亜ハロゲン酸塩が好ましい。そして、上記次亜塩素酸ナトリウムを使用する場合は、臭化ナトリウム等の臭化アルカリ金属の存在下で反応を進めることが、反応速度の点において好ましい。上記臭化アルカリ金属の添加量は、上記N−オキシル化合物に対して約1〜40倍モル量、好ましくは約10〜20倍モル量である。
上記反応水溶液のpHは約8〜11の範囲で維持されることが好ましい。水溶液の温度は約4〜40℃において任意であるが、反応は室温(25℃)で行うことが可能であり、特に温度の制御は必要としない。
目的とするカルボキシル基量等を得るために、酸化の程度を共酸化剤の添加量と反応時間により制御する。
(還元処理工程)
上記酸化処理後のセルロース繊維は、還元剤により還元させることが好ましい。これにより、アルデヒド基およびケトン基の一部ないし全部が還元され、水酸基に戻る。なお、カルボキシル基は還元されない。そして、上記還元による、上記酸化セルロースの、後述するセミカルバジド法によって算出されるカルボニル基(アルデヒド基とケトン基)の合計含量は、0.3mmol/g以下とすることが好ましく、特に好ましくは0.1mmol/g以下である。これにより、微細繊維状セルロースの分子量低下が抑制され、溶剤中での増粘効果を長期間維持することができる。なお、カルボニル基が0.5mmol/gを超えると、長期保存による凝集物の発生や、粘度が時間経過と共に著しく低下するといったおそれがある。なお、上記還元反応に使用する還元剤としては、一般的なものを使用することが可能であるが、好ましくは、LiBH、NaBHCN、NaBHがあげられる。なかでも、NaBHは、コスト及び利用可能性という観点から特に好ましい。
カルボキシル基を有する置換基に変換されたセルロースを還元剤の量は、基準として、0.1〜20重量%の範囲が好ましく、特に好ましくは3〜10重量%の範囲内である。反応条件は室温または室温より若干高い温度で、10分〜10時間、好ましくは30分〜2時間行なわれる。
セミカルバジド法による、カルボニル基(アルデヒド基とケトン基)の合計含量の測定は、例えば、つぎのようにして行われる。すなわち、まず、乾燥させた試料に、リン酸緩衝液によりpH=5に調整したセミカルバジド塩酸塩3g/l水溶液を正確に50ml加え、密栓し、二日間振とうする。ついで、この溶液10mlを正確に100mlビーカーに採取し、5N硫酸を25ml、0.05Nヨウ素酸カリウム水溶液5mlを加え、10分間撹拌する。その後、5%ヨウ化カリウム水溶液10mlを加えて、直ちに自動滴定装置を用いて、0.1Nチオ硫酸ナトリウム溶液にて滴定し、その滴定量等から、下記の式に従い、試料中のカルボニル基量を求めることができる。なお、セミカルバジドは、アルデヒド基やケトン基と反応してシッフ塩基(イミン)を形成するが、カルボキシル基とは反応しないことから、上記測定により、カルボニル基量のみを定量できると考えられる。
Figure 2018044101
<工程(2)>
工程(2)は、上記処理後のセルロース繊維を酸で洗浄することで、上記工程(1)で導入したカルボキシル基を酸型にし、適宜、ろ過と水洗とを繰り返して精製し、遠心分離機等により固液分離を行った後、有機溶剤によるセルロースの洗浄を、繰り返し行い、水から有機溶剤へと溶媒置換を行う工程である。
(酸)
上記酸は、セルロース繊維水分散液を酸性に維持できればよいため、酸の種類は特に限定されず、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、過酸化水素などの無機酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、アジピン酸、セバシン酸、セバシン酸ソーダ、ステアリン酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、フマール酸、グルコン酸などの有機酸のいずれであっても用いることができる。酸によるセルロース繊維の変質や損傷を回避でき、廃液処理の容易さなどの観点から、塩酸を用いることが好ましい。
(有機溶媒)
上記有機溶媒は、特に限定するものではない。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2−ブタノール、1−ペンタノール、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、2-メチル−1−プロパノールグリセリン等のアルコール類、酢酸、プロピオン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン、オレイン酸、リノレン酸、乳酸、安息香酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボン酸類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、流動パラフィン等の炭化水素類、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトアニリド等のアミド類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等のハロゲン類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酪酸メチル、アジピン酸ジ2-エチルヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジ2-エチルヘキシル、アゼライン酸ジ2-エチルヘキシル、4-シクロヘキセン-1, 2-ジカルボン酸ビス(2-エチルヘキシル)、リン酸トリクレジル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のエステル類、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のポリエーテル類、ポリジメチルシロキサン等のシリコーンオイル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、プロピオニトリル、エステル油、軽油、灯油、原油、サラダ油、大豆油、ヒマシ油、トリグリセライド、ポリイソプレン、フッ素変性油等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。また、有機溶剤の代わりに、反応性の官能基を含む有機性媒体でもよい。例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸n―へキシル、メタクリル酸n―へキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、ノナンジオールジアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、フェニルグリシジルエーテルアクリレート、ヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、フェニルグリシジルエーテルアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、クロロスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、ビニル安息香酸等があげられる。
<工程(3)>
工程(3)は、上記分散媒置換後の酸化セルロースに対し、上記式(1)に示されるポリエーテルアミンを添加する工程である。これにより、上記酸化セルロースのカルボキシル基に、上記式(1)に示されるポリエーテルアミンが結合し、セルロースの親油化が行われる。なお、上記反応は、上記有機溶媒中で行われる。
<工程(4)>
工程(4)は、上記親油化後のセルロース繊維を有機溶剤中でナノ解繊する工程である。上記ナノ解繊に使用する分散機としては、例えば、高速回転下でのホモミキサー、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、超音波分散処理、ビーター、ディスク型レファイナー、コニカル型レファイナー、ダブルディスク型レファイナー、グラインダー等の強力で叩解能力のある装置を使用することで、より微細化することが可能となり、より効率的かつ高度なダウンサイジングが可能となる。なお、上記分散機としては、例えば、スクリュー型ミキサー、パドルミキサー、ディスパー型ミキサー、タービン型ミキサー等を用いても差し支えない。
実施例について比較例等と併せて説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、例中、「%」とあるのは、特に限定のない限り質量基準を意味する。
まず、実施例および比較例に先立ち、実施例用のセルロース繊維A1〜A4および比較例用のセルロース繊維A’1,A’2を、以下の製造例1〜5に従って調製した。
〔製造例1:セルロース繊維A1(実施例用)の調製〕
針葉樹パルプ2gに、水150ml、臭化ナトリウム0.25g、TEMPO0.025gを加え、充分撹拌して分散させた後、13%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(共酸化剤)を、上記パルプ1.0gに対して次亜塩素酸ナトリウム量が5.2mmol/gとなるように加え、反応を開始した。反応の進行に伴いpHが低下するため、pHを10〜11に保持するように0.5N水酸化ナトリウム水溶液を滴下しながら、pHの変化が見られなくなるまで反応した(反応時間:120分)。反応終了後、0.1N塩酸を添加して中和した後、遠心分離機で固液分離し、純水を加えて固形分濃度4%に調整した。その後、24%NaOH水溶液にてスラリーのpHを10に調整した。スラリーの温度を30℃として水素化ホウ素ナトリウムをセルロース繊維に対して0.2mmol/g加え、2時間反応させることで還元処理した。反応後、0.1N塩酸を添加して中和した後、ろ過と水洗を繰り返して精製し、セルロース繊維A1を得た。
〔製造例2:セルロース繊維A2(実施例用)の調製〕
次亜塩素酸ナトリウム水溶液の添加量を、上記パルプ1.0gに対して12.0mmol/gとした以外は、セルロース繊維A1の調製法に準じて、セルロース繊維A2を得た。
〔製造例3:セルロース繊維A3(実施例用)の調製〕
針葉樹パルプ100gを、イソプロパノール(IPA)435gと水65gとNaOH9.9gの混合液中にいれ、30℃で1時間撹拌した。このスラリー系に50%モノクロル酢酸のIPA溶液23.0gを加え、70℃に昇温し1.5時間反応させた。得られた反応物を80%メタノールで洗浄し、その後メタノールで置換し乾燥させ、セルロース繊維A3を得た。
〔製造例4:セルロース繊維A4(実施例用)の調整〕
尿素 20g、リン酸二水素ナトリウム二水和物 12g、リン酸水素二ナトリウム 8gを20gの水に溶解させてリン酸化剤を調整し、家庭用ミキサーで粉砕した針葉樹パルプ(LBKP)20gをニーダーで攪拌しながらスプレー噴霧し、リン酸化剤含浸パルプを得た。次いで、リン酸化剤含浸パルプを140℃に加熱したダンパー付きの送風乾燥機内で60分間、加熱処理してリン酸化パルプを得た。得られたリン酸化パルプに水を加えて固形分濃度2%とし、攪拌、混合して均一に分散させた後、濾過、脱水の操作を2回繰り返した。次いで、得られた回収パルプに、水を加えて、固形分濃度2%とし、攪拌しながら、1N水酸化ナトリウム水溶液を少しずつ添加し、pH12〜13のパルプスラリーを得た。続いて、このパルプスラリーを濾過、脱水し、更に水を加えて濾過、脱水の操作を2回繰り返し、その後メタノールで置換し乾燥させ、セルロース繊維A4を得た。
〔製造例5:セルロース繊維A’1(比較例用)の調製〕
針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)50gを水4950gに分散させ、パルプ濃度2%の分散液を調製した。この分散液をセレンディピターMKCA6−3(増幸産業社製)で30回処理し、セルロース繊維A’1を得た。
〔製造例6:セルロース繊維A’2(比較例用)の調製〕
原料の針葉樹パルプに替えて再生セルロースを使用するとともに、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の添加量を、再生セルロース1.0gに対して27.0mmol/gとした以外は、セルロース繊維A1の調製法に準じて、セルロース繊維A’2を調製した。
上記セルロース繊維を用いて、下記評価方法に従い、各特性の評価を行った。
<結晶構造>
X線回折装置(リガク社製、RINT−Ultima3)を用いて、セルロース繊維の回折プロファイルを測定し、2シータ=14〜17°付近と、2シータ=22〜23°付近の2つの位置に典型的なピークが見られる場合は結晶構造(I型結晶構造)が「あり」と評価し、ピークが見られない場合は「なし」と評価した。
<カルボキシル基量の測定>
上記セルロース繊維0.25gを水に分散させたセルロース水分散体60mlを調製し、0.1Mの塩酸水溶液によってpHを約2.5とした後、0.05Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下して、電気伝導度測定を行った。測定はpHが11になるまで続けた。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において、消費された水酸化ナトリウム量(V)から、下記式に従いカルボキシル基量を求めた。
Figure 2018044101
<カルボキシメチル基量の測定>
上記セルロース繊維を0.6質量%スラリーに調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.4とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量からカルボキシル基量を測定し、下式を用いて算出することが出来る。
Figure 2018044101
<リン酸基量の測定>
上記セルロース繊維をイオン交換水で固形分濃度0.2質量%となるように希釈した後、イオン交換樹脂による処理、アルカリを用いた滴定によって測定した。イオン交換樹脂による処理では、0.2質量%微細セルロース繊維含有スラリーに体積で1/10の強酸性イオン交換樹脂(アンバージェット1024;オルガノ株式会社、コンディショング済)を加え、1時間振とう処理を行った。その後、目開き90μmのメッシュ上に注ぎ、樹脂とスラリーを分離した。アルカリを用いた滴定では、イオン交換後の微細セルロース繊維水分散体に、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えながら、水分散体が示す電気伝導度の値の変化を計測した。すなわち、電気伝導度の値が最も小さくなるまでに加えたアルカリ量[mmol]を、滴定対象スラリー中の固形分[g]で除して、リン酸基量[mmol/g]とした。
<カルボニル基量の測定>
上記セルロース繊維を約0.2g精秤し、これに、リン酸緩衝液によりpH=5に調整したセミカルバジド塩酸塩3g/l水溶液を正確に50ml加え、密栓し、二日間振とうした。つぎに、この溶液10mlを正確に100mlビーカーに採取し、5N硫酸25ml、0.05Nヨウ素酸カリウム水溶液5mlを加え、10分間撹拌した。その後、5%ヨウ化カリウム水溶液10mlを加え、直ちに自動滴定装置を用いて、0.1Nチオ硫酸ナトリウム溶液にて滴定し、その滴定量等から、下記式に従い、試料中のカルボニル基量(アルデヒド基とケトン基との合計含量)を求めた。
Figure 2018044101
Figure 2018044101
〔実施例1〕
上記セルロース繊維A1にメタノールを加えてろ過し、メタノール洗浄を繰り返して、上記セルロース繊維に含まれる水をメタノールに置換した。その後、メタノールと、上記セルロース繊維A1のカルボキシル基量と等量のポリエーテルアミン(HUNTSMAN社製、JEFFAMINE M−2070)とを加えて、セルロース繊維濃度を2%になるように希釈し、高圧ホモジナイザー(スギノマシン社製、スターバースト)を用いて圧力100MPaで1回処理し、ゲル状組成物を得た。上記ゲル状組成物にトルエンを加えて、ロータリーエバポレーター(東京理化機器社製)によりメタノールを留去することで、分散溶剤をトルエンに置換した。その後、さらにトルエン(分散溶剤と同溶剤)と着色剤として酸化チタン(石原産業社製、タイペーク CR−50)を加え、T.K.ホモミクサー(PRIMIX社製)を用いて8000rpm×10分間撹拌することにより、セルロース濃度を0.5%、着色剤濃度を10%に調整した油性インク組成物を得た。
上記ゲル状組成物、油性インク組成物を用いて、下記評価方法に従い、各特性の評価を行った。
<数平均繊維径、アスペクト比の測定>
上記ゲル状組成物のセルロース繊維の数平均繊維径、および繊維長を、透過型電子顕微鏡(TEM、日本電子社製JEM−1400)を用いて観察した。すなわち、各セルロース繊維を親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストした後、2%ウラニルアセテートでネガティブ染色したTEM像(倍率:10000倍)から、先に述べた方法に従い、数平均繊維径、および繊維長を算出した。さらに、これらの値を用いてアスペクト比を下記式に従い、算出した。
Figure 2018044101
<粘度の測定>
上記油性インク組成物をスクリュー瓶に75gはかりとり、一晩保存後、回転粘度計(回転数:30rpm、測定時間:180秒、BROOKFIELD社製)を用いて粘度[mPa・s]を測定した。着色剤が沈降している場合は「×」と評価した。
<粘度保持率の測定>
上記油性インク組成物をスクリュー瓶に75gはかりとり、40℃で一ヶ月保存後、回転粘度計(回転数:30rpm、測定時間:180秒、BROOKFIELD社製)を用いて粘度(保存後)を測定した。上記粘度[Pa・s]と上記粘度(保存後)[Pa・s]から、下記式を用いて、粘度保持率[%]を算出した。上記<粘度の測定>にて、着色剤が沈降している場合、粘度保持率の測定は行わないこととした。
Figure 2018044101
<分散度の測定>
油性インク組成物を試験管に移しとり、一日保存した後、試験管中の系全体に対して、着色剤が分散している層(分散層)の割合を試験管の目盛または定規等により長さを測定し、分散度[%]を算出した。セルロース繊維が凝集し、着色剤が沈降している場合は「×」と評価した。
Figure 2018044101
<分散安定性の測定>
油性インク組成物を試験管に移しとり、40℃で一ヶ月保存した後、試験管中の系全体に対して、着色剤が分散している層(分散層)の割合を試験管の目盛または定規等により長さを測定し、分散度(保存後)[%]を算出した。上記分散度[%]と上記分散度(保存後)[%]から、下記式を用いて、分散安定性[%]を算出した。上記<分散度の測定>にて、セルロース繊維が沈降している場合、分散安定性の測定は行わないこととした。
Figure 2018044101
〔実施例2、5〜12、比較例1〕
セルロース繊維種類と、分散溶剤であるトルエンと、修飾剤であるポリエーテルアミン(HUNTSMAN社製、JEFFAMINE M−2070)と、着色剤である酸化チタン(石原産業社製、タイペーク CR−50)と、油性インク組成物中のセルロース繊維濃度と着色剤濃度を、下記の表2のように変更した。それ以外は実施例1と同様の手法でゲル状組成物、および油性インク組成物を調製し、各特性の評価を行った。
〔実施例3〕
セルロース繊維A3に水を加え、固形分1%に希釈し、T.K.ホモミクサー(PRIMIX社製)を用いて8000rpm×10分間撹拌しながら、溶液のpHが2になるまで1N塩酸を加えた。その後、濾過を行い、水で十分洗浄し、さらにメタノールで繰り返して洗浄することで、メタノールに溶剤置換した酸型セルロース繊維A3を作製した。上記酸型セルロース繊維A3にメタノールと、上記セルロース繊維A3のカルボキシル基量と等量のポリエーテルアミン(HUNTSMAN社製、JEFFAMINE M−2070)とを加えて、2%に希釈し、高圧ホモジナイザー(スギノマシン社製、スターバースト)を用いて圧力100MPaで1回処理し、ゲル状組成物を得た。上記ゲル状組成物にトルエンを加えて、ロータリーエバポレーター(東京理化機器社製)によりメタノールを留去することで、分散溶剤をトルエンに置換した。その後、さらにトルエンと酸化チタン(石原産業社製、タイペーク CR−50)を加え、T.K.ホモミクサー(PRIMIX社製)を用いて8000rpm×10分間撹拌することにより、セルロース濃度を0.5%、着色剤濃度を10%に調整した油性インク組成物を得た。上記ゲル状組成物、および油性インク組成物を用いて、実施例1と同様の評価方法で、各特性の評価を行った。
〔実施例4〕
セルロース繊維A4に水を加え、固形分1%に希釈し、T.K.ホモミクサー(PRIMIX社製)を用いて8000rpm×10分間撹拌しながら、溶液のpHが2になるまで1N塩酸を加えた。その後、濾過を行い、水で十分洗浄し、さらにメタノールで繰り返して洗浄することで、メタノールに溶剤置換した酸型セルロース繊維A4を作製した。上記酸型セルロース繊維A4にメタノールと、上記セルロース繊維A4のリン酸基量と等量のポリエーテルアミン(HUNTSMAN社製、JEFFAMINE M−2070)とを加えて、2%に希釈し、高圧ホモジナイザー(スギノマシン社製、スターバースト)を用いて圧力100MPaで1回処理し、ゲル状組成物を得た。上記ゲル状組成物にトルエンを加えて、ロータリーエバポレーター(東京理化機器社製)によりメタノールを留去することで、分散溶剤をトルエンに置換した。その後、さらにトルエン(分散溶剤と同溶剤)と着色剤として酸化チタン(石原産業社製、タイペーク CR−50)を加え、T.K.ホモミクサー(PRIMIX社製)を用いて8000rpm×10分間撹拌することにより、セルロース濃度を0.5%、着色剤濃度を10%に調整した油性インク組成物を得た。
〔実施例13、14〕
セルロース繊維A1をセルロース繊維A2に、修飾剤であるポリエーテルアミン(HUNTSMAN社製、JEFFAMINE M−2070)を下記表2記載のポリエーテルアミン(HUNTSMAN社製、JEFFAMINE M−2070)/脂肪族アミンの混合溶液(モル比で50/50)に変更した以外は、実施例1と同様の手法でゲル状組成物、および油性インク組成物を調製し、各特性の評価を行った。
〔実施例15〕
セルロース繊維A1をセルロース繊維A2に、修飾剤であるポリエーテルアミン(HUNTSMAN社製、JEFFAMINE M−2070)を下記表2記載のポリエーテルアミン(HUNTSMAN社製、JEFFAMINE M−2070)/脂肪族アミンの混合溶液(モル比75/25)に変更した以外は、実施例1と同様の手法でゲル状組成物、および油性インク組成物を調製し、各特性の評価を行った。
〔実施例16〕
セルロース繊維A1をセルロース繊維A2に、修飾剤であるポリエーテルアミン(HUNTSMAN社製、JEFFAMINE M−2070)を下記表2記載のポリエーテルアミン(HUNTSMAN社製、JEFFAMINE M−2070)/脂肪族アミンの混合溶液(モル比25/75)に変更した以外は、実施例1と同様の手法でゲル状組成物、および油性インク組成物を調製し、各特性の評価を行った。
〔比較例2〕
セルロース繊維A3にメタノールを加え、ろ過し、メタノールで繰り返して洗浄することでセルロース繊維に含まれる水をメタノールに溶剤置換した。その後、さらにメタノールを加えて2%に希釈して、高圧ホモジナイザー(スギノマシン社製、スターバースト)を用いて圧力100MPaで1回処理し、ゲル状組成物を得た。上記ゲル状組成物にトルエンを加えて、ロータリーエバポレーター(東京理化機器社製)によりメタノールを留去することで、分散溶剤をトルエンに置換した。その後、さらにトルエンと酸化チタン(石原産業社製、タイペーク CR−50)を加え、T.K.ホモミクサー(PRIMIX社製)を用いて8000rpm×10分間撹拌することにより、セルロース濃度を0.5%、着色剤濃度を10%に調整した油性インク組成物を得た。上記ゲル状組成物、および油性インク組成物を用いて、実施例1と同様の評価方法で、各特性の評価を行った。
〔比較例3〕
セルロース繊維A′1にメタノールを加え、ろ過し、メタノールで繰り返して洗浄することでセルロース繊維に含まれる水をメタノールに溶剤置換し、ゲル状組成物を得た。上記ゲル状組成物にトルエンを加えて、ロータリーエバポレーター(東京理化機器社製)によりメタノールを留去することで、分散溶剤をトルエンに置換した。その後、さらにトルエンと酸化チタン(石原産業社製、タイペーク CR−50)を加え、T.K.ホモミクサー(PRIMIX社製)を用いて8000rpm×10分間撹拌することにより、セルロース濃度を0.5%、着色剤濃度を10%に調整した油性インク組成物を得た。上記ゲル状組成物、および油性インク組成物を用いて、実施例1と同様の評価方法で、各特性の評価を行った。
〔比較例4〕
セルロース繊維A′2に水を加えて希釈し、凍結乾燥を行った。凍結乾燥物にメタノールと、上記セルロース繊維A′2のカルボキシル基量と等量のポリエーテルアミン(JEFFAMINE M−2070、HUNTSMAN社製)とを加えて2%に希釈し、高圧ホモジナイザー(スギノマシン社製、スターバースト)を用いて圧力100MPaで1回処理し、ゲル状組成物を得た。上記ゲル状組成物にトルエンを加えて、ロータリーエバポレーター(東京理化機器社製)によりメタノールを留去することで、分散溶剤をトルエンに置換した。その後、さらにトルエンと酸化チタン(石原産業社製タイペーク CR−50)を加え、T.K.ホモミクサー(PRIMIX社製)を用いて8000rpm×10分間撹拌することにより、セルロース濃度を0.5%、着色剤濃度を10%に調整した油性インク組成物を得た。上記ゲル状組成物、および油性インク組成物を用いて、実施例1と同様の評価方法で、各特性の評価を行った。
〔比較例5〕
トルエンに酸化チタン(石原産業社製タイペーク CR−50)を加え、T.K.ホモミクサー(PRIMIX社製)を用いて8000rpm×10分間撹拌することにより、微粒子濃度を10%に調整した油性インク組成物を得た。上記油性インク組成物を用いて、実施例1と同様の評価方法で、各特性の評価を行った。
Figure 2018044101
※1 HUNTSMAN社製、JEFFAMINE M−2095
※2 HUNTSMAN社製、JEFFAMINE M−2005
※3 昭和キャボット社製、ショウブラック
※4 戸田工業社製、弁柄
※5 日本ピグメント社製、フタロシアニンブルー
※6 数平均繊維径が1nm以下であるため測定不可。
上記表2の結果より、実施例の油性インク組成物は粘度、粘度保持率、分散度、分散安定性の点で良好な結果が得られた。これに対して、比較例1、2の油性インク組成物では修飾剤の疎水性が足りないために、また比較例3の油性インク組成物では修飾剤が無いために、セルロース繊維が溶剤中で凝集し、粘度、分散度の向上には至らなかった。比較例4の油性インク組成物ではセルロース繊維は凝集することなく溶剤中に分散したが、セルロース繊維が結晶構造を有さないため、着色剤が沈降し、粘度、分散度の測定には至らなかった。

Claims (5)

  1. 下記条件(A)〜(E)を満たす微細繊維状セルロース、有機溶剤、および着色剤を含有することを特徴とする油性インク組成物。
    (A)数平均繊維径が2nm以上500nm以下
    (B)平均アスペクト比が10以上1000以下
    (C)セルロースI型結晶構造を有する
    (D)アニオン性官能基を有する
    (E)(D)記載のアニオン性官能基の一部、または全てに下記式(1)で示すポリエーテルアミンが結合している
    Figure 2018044101
    〔上記式(1)中、R、R、Rは炭素数1以上20以下の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、炭素数1以上20以下のアリーレン基、または水素原子を示し、n1、n2、n3はそれぞれ0以上80以下を示し、(n1+n2+n3)は10以上240以下を示し、AOは炭素数2以上4以下のオキシアルキレン基を示し、xの平均値は0.5以上1以下、y、zの平均値は0以上1以下を示す。〕
  2. 上記微細繊維状セルロースがさらに下記条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の油性インク組成物。
    (F)(D)記載のアニオン性官能基の一部、または全てに上記一般式(1)で示すポリエーテルアミンと下記一般式(2)で示すアミン化合物が結合している。
    Figure 2018044101
    〔上記式(1)中、R、R、Rは炭素数1以上20以下の直鎖あるいは分岐のアルキレン基、および/またはアリーレン基、および/または水素原子を示す。〕
  3. 上記微細繊維状セルロースのアニオン性官能基がカルボキシル基であることを特徴とする請求項1または2記載の油性インク組成物。
  4. 上記着色剤と微細繊維状セルロースとの含有量の割合が、質量比で着色剤/微細繊維状セルロース=0.1〜1000の範囲である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の油性インク組成物。
  5. 回転粘度計(30rpm)による25℃環境下での粘度が、100mPa・s以上である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の油性インク組成物。
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