JP7191615B2 - 粒子含有組成物 - Google Patents
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Description
(セルロースI型結晶化度)
本実施形態に係る(A)化学修飾セルロース繊維は、セルロースI型結晶構造を有する。具体的には、たとえば、(A)化学修飾セルロース繊維のセルロースI型結晶化度は50%以上であることが好ましい。セルロースI型結晶化度が50%以上であることにより、セルロース結晶構造に由来する特性を発現することができる。具体的には、増粘性を向上させることができるため、粒子の分散安定性を高めることができる。セルロースI型結晶化度は、60%以上であることがより好ましく、65%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。セルロースI型結晶化度の上限は特に限定されないが、硫酸エステル化の際に反応効率を向上させる観点から、セルロースI型結晶化度は、98%以下であることが好ましく、95%以下であることがより好ましく、90%以下であることがより好ましく、85%以下であることがさらに好ましい。
セルロースI型結晶化度(%)=〔(I22.6-I18.5)/I22.6〕×100 …(2)
式(2)において、I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、I18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す。なお、セルロースI型とは天然セルロースの結晶形のことであり、セルロースI型結晶化度とは、セルロース繊維全体のうち結晶領域量の占める割合のことを意味する。
本実施形態に係る(A)化学修飾セルロース繊維は、たとえば後述のようにスルファミン酸を用いて、セルロース繊維を硫酸エステル化したものある。具体的には、(A)化学修飾セルロース繊維は、セルロースの有する一部の水酸基が下記の一般式(1)で表される置換基によって置換されている。言い換えれば、(A)化学修飾セルロース繊維は、たとえばセルロースが有する水酸基の酸素原子に水素原子に代わって-SO3 -Mが結合した構造を有している。すわなち、(A)化学修飾セルロース繊維には、硫酸基が導入されている。ただし、一般式(1)において、Mは1~3価の陽イオンを表す。
(A)化学修飾セルロース繊維1gあたりが有する一般式(1)の置換基の量(以下、「導入量」とも称する。)は、0.01mmol~3.0mmolであることが好ましい。導入量が3.0mmol/g以下であることにより、セルロース結晶構造を維持することができるため、粒子の分散安定性を向上させることができる。導入量は、2.8mmol/g以下であることがより好ましく、2.5mmol/g以下であることがさらに好ましい。また、セルロース繊維の表面を全体的に置換基で覆うと、セルロース繊維の水中での分散性が向上することにより増粘性が発現し、これにより粒子の分散安定性を向上させることができるため、導入量は、0.01mmol以上/gであることが好ましく、0.05mmol/g以上であることがより好ましく、0.1mmol/g以上であることがさらに好ましい。
本実施形態に係る(A)化学修飾セルロース繊維の平均重合度(すなわちグルコースユニットの繰り返し数の平均値)は、100以上である。平均重合度が100以上であることにより、増粘性が向上するため、粒子の分散安定性が高い粒子含有組成物を得ることができる。平均重合度は、好ましくは200以上であり、より好ましくは300以上であり、より好ましくは400以上である。なお、(A)化学修飾セルロース繊維の平均重合度が高いほど、(A)化学修飾セルロース繊維の平均繊維長が大きくなる傾向がある。
平均重合度=(1/Km)×[η] …(3)
ただし、式(3)において、Kmは係数であり、セルロース固有の値である(1/Km=156)。
本実施形態に係る(A)化学修飾セルロース繊維の平均繊維長は、粒子の分散安定性を向上させる観点から0.1μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることがさらに好ましい。また。上限は特に限定されないが、500μm以下であることが好ましく、300μm以下でもよく、200μm以下でもよい。
(A)化学修飾セルロース繊維の平均繊維幅は、粒子の分散安定性を向上させる観点から、3nm以上であることが好ましく、5nm以上であることがより好ましく、8nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることがさらに好ましい。また、平均繊維幅は、粒子の分散安定性を向上させる観点から、5μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましく、0.5μmであることがより好ましく、0.3μm以下であることがより好ましく、0.1μm以下であることがさらに好ましい。
本実施形態に係る(A)化学修飾セルロース繊維の製造方法は、特に限定されないが、たとえば、セルロース原料とスルファミン酸とを反応させて、セルロース繊維を硫酸エステル化する工程(化学修飾工程)を含む。
化学修飾工程で用いるセルロース原料の具体例としては、植物(たとえば木材、綿、竹、麻、ジュート、ケナフ、農地残廃物、布、パルプ、再生パルプ、古紙)、動物(たとえばホヤ類)、藻類、微生物(たとえば酢酸菌)、微生物産生物等を起源とするものが挙げられる。セルロース原料としては、植物由来のパルプが好ましい原材料として挙げられる。
嵩密度が高いセルロース原料を用いる場合は、化学修飾工程に先立って前処理を行うことにより、嵩密度を低下させてもよい。このような前処理を行うことにより、化学修飾工程において、より効率的に硫酸エステル化を行うことができる。
化学修飾工程においては、セルロース原料をスルファミン酸で処理することにより、当該セルロース原料に含まれるセルロース繊維を硫酸エステル化する。具体的には、たとえば、スルファミン酸を含む薬液にセルロース原料を浸漬してセルロース繊維とスルファミン酸とを反応させることにより、セルロース繊維を硫酸エステル化することができる。
たとえば、化学修飾工程の後、ろ過等により、化学修飾セルロース繊維を溶媒から分離し、得られた膨潤状態の化学修飾セルロース繊維を水に分散させる。そして、セルロース繊維の分散液に塩基性化合物を添加することにより、当該分散液を中和する。これにより、化学修飾セルロース繊維の有する-OSO3 -と塩基性化合物に由来する陽イオンとがイオン結合を形成する。
たとえば、硫酸エステル化試薬残渣、残留触媒、溶媒などの除去の目的、あるいは反応停止の目的で、化学修飾セルロース繊維を洗浄する工程を設けてもよい。洗浄工程においては、化学修飾セルロース繊維を、水を用いて洗浄することが好ましい。
セルロース原料は、セルロース繊維の繊維長が比較的小さい場合、化学修飾工程等を経ることにより、機械的な解繊処理を行わなくてもある程度解繊する。一方、セルロース原料は、セルロース繊維の繊維長が比較的大きい場合には、化学修飾工程等を経るだけではほとんど解繊しない。このような場合、たとえば、中和工程および洗浄工程を経たセルロース原料を脱水して水の量を調整した後、機械的な解繊処理(微細化処理工程)を行うことにより、解繊した化学修飾セルロース繊維を得ることができる。なお、本実施の形態に係る(A)化学修飾セルロース繊維は、微細化処理工程を経たものであってもよいし、経ていないものであってもよい。
微細化処理工程に用いる装置としては、たとえば、マイクロフルイタイザー、リファイナー、二軸混錬機(二軸押出機)、高圧ホモジナイザー、媒体撹拌ミル(具体的には、ロッキングミル、ボールミル、ビーズミル等)、石臼、グラインダー、振動ミル、サンドグラインダー等が挙げられる。
本実施の形態に係る(B)粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、分散安定性が高い粒子含有組成物を得る観点から、2500μm以下であることが好ましく、2000μm以下であることがより好ましく、1500μm以下であることがさらに好ましい。
メーカー:株式会社島津製作所
装置名:レーザ回折式粒度分布測定装置 SALD-2300
金属および金属化合物としては、たとえば、亜鉛末、アトマイズ青銅粉、アトマイズ鉄粉、アルミニウム粉、鋳物粉、インコニッケルパウダー、金属ベリリウム粉末、金粉、銀粉、タングステン粉末、鉱石還元鉄粉、酸化バナジウム、三酸化タングステン、錫粉、炭化タングステン、タンタル還元粉末、チタン粉末、鉄粉、電解銅粉、電解鉄粉、還元銅粉、ニッケルコートグラファイト、ニッケル球状粉末、ニオブ粉砕粉末、ニッケル粉、噴霧ステンレス鋼粉、噴霧銅粉、モリブデン、レニウム、アルミナ単結晶微粒、黄色酸化鉄、オキシイットリウム蛍光体、活性アルミナ、ガンマ酸化第二鉄、ガンマヘマタイト、硫化カドミウム、硫化亜鉛、酸化イットリウム、酸化イットリウム蛍光体、酸化カドミウム、酸化バナジウム、酸化マグネシウム、酸化ユーロピウム、バリウムフェライト磁性粉、ジルコン酸カルシウム、水酸化ニッケル、チタン酸バリウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、タンタルフレーク粉末、チタン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、鉛粉、二酸化テルル、バリウムフェライト磁粉、バリウムフェライト、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、マンガンジンクフェライト磁粉、硫化亜鉛蛍光体、硫化亜鉛カドミウム蛍光体、二硫化モリブデン等が挙げられる。
粘土鉱物類としては、たとえば、蛙目粘土、カオリナイト、カオリン、カルシウムベントナイト、クロマイトサンド、けい砂、けい砂シリカ、珪酸ジルコニウム、けい石粉、珪藻土、窒化アルミニウム、炭酸バリウム、サポナイト、ダイヤモンド、コレマナイト、酸化ガドリニウム、酸化ランタン、シャモット、焼成珪藻土、シラス、シラスバルーン、シリコンカーバイド、ジルコン砂、ジルコン、ジルコンフラワー、水酸化アルミニウム、ゼオライト、石英ガラス粉、セリウム研磨剤、セリサイト、ソジウムベントナイト、ソジウムモンモリトナイト、タルク、炭化ホウ素、窒化珪素、長石粉、陶石、ハロサイト、硼砂、マグネシア、木節粘土、蝋石、パーライト、セメント等が挙げられる。
水不溶性固体有機化合物としては、たとえば、活性炭、アセチレンブラック、N-アシルリジン、フスマ、抹茶、融点が40℃以上のワックス類等が挙げられる。
水不溶性固体農薬有効成分としては、たとえば、水に対する溶解度が1%以下で固体である、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調整剤、誘引剤、殺鼠剤、展着剤等があげられ、具体的には、社団法人日本植物防疫協会発行の農薬要覧(2008年版)に記載されている農薬有効成分のうち、水に対する溶解度が1%以下で固体である化合物等が挙げられる。上記殺虫剤としては、たとえば、水に対する溶解度が1%以下で固体である、有機リン系殺虫剤、カーバメート系殺虫剤、ピレスロイド系殺虫剤、ネライストキシン系殺虫剤、ネオニコチノイド系殺虫剤、昆虫成長制御剤、その他の合成殺虫剤、天然殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、くん蒸剤、生物由来の殺虫剤等が挙げられる。上記殺菌剤としては、たとえば、水に対する溶解度が1%以下で固体である、銅殺菌剤、無機殺菌剤、有機硫黄殺菌剤、有機リン系殺菌剤、メラニン生合成阻害剤、ベンゾイミダゾール系殺菌剤、ジカルボキシイミド系殺菌剤、酸アミド系殺菌剤、ステロール生合成阻害剤、メトキシアクリレート系殺菌剤、合成抗細菌剤、土壌殺菌剤、その他の合成殺菌剤、抗生物質殺菌剤、天然物殺菌剤、生物由来の殺菌剤等が挙げられる。上記除草剤としては、たとえば、水に対する溶解度が1%以下で固体である、フェノキシ酸系除草剤、カーバメート系除草剤、酸アミド系除草剤、尿素系除草剤、スルホニル尿素系除草剤、ピリミジルオキシ安息香酸系除草剤、トリアジン系除草剤、ダイアジン系除草剤、ダイアゾール系除草剤、ビピリジリウム系除草剤、ジニトリロアニリン系除草剤、芳香族カルボン酸系除草剤、脂肪酸系除草剤、有機リン系除草剤、アミノ酸系除草剤、その他の有機除草剤、無機除草剤、生物由来の除草剤等が挙げられる。
水不溶性固体生理活性物質としては、たとえば、第15改正日本薬局方に収載の化合物のうち、日本薬局方溶解試験の水に対する溶解性試験結果が、「やや溶けにくい」、「溶けにくい」、「極めて溶けにくい」、「ほとんど溶けない」に分類される固体化合物等が挙げられる。また、上記水不溶性固体生理活性物質は、「医薬部外品原料規格 2006年版」(薬事日報社刊行)に記載の化合物のうち、水に対する溶解度が1%未満の固体化合物も挙げられる。
充填剤、顔料としては、たとえば、亜鉛華、亜酸化銅、一酸化鉛、ウィスカー状炭酸カルシウム、ウォッチングレッド、マイカ、塩素法酸化チタン顔料、オイルファーネスブラック、黄鉛、黄色酸化鉄、オキシサルファイド蛍光体、カオリンクレー、滑石、石筆石、石鹸石、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、燐酸カルシウム、ガラスビーズ、球状アルミナ、群青、硅灰石、ワラストナイト、蛍光顔料、軽質炭酸カルシウム、合成ハイドロタルサイト、合成マイカ、黒鉛、黒色酸化鉄、極微細炭酸カルシウム、コバルト青、コバルト緑、コバルト紫、胡粉、紺青、サーマルブラック、酸化クロム、酸化チタン(アタナース)、酸化チタン(ルチル)、酸化テルビウム、酸化銅、ジスアゾイエロー、重質炭酸カルシウム、焼成クレー、シルクパウダー、消石灰、赤色酸化鉄、セリナイト、造粒カーボンブラック、炭化ケイ素ウイスカー、炭酸カルシウム、炭素繊維(粉状)、窒化ケイ素ウイスカー、窒化ホウ素、茶色酸化鉄、超微粒アルミナ、超微粒酸化亜鉛、超微粒子状酸化チタン、沈降性硫酸バリウム、鉄黒、天然黒鉛粉末、天然土状黒鉛、ドロマイト粉末、ナイロン粉体、表面処理硫酸バリウム、フッ化カーボン、ポリエチレンワックス、ベンガラ、ホワイトカーボン、モリブデンレッド等が挙げられる。
難燃剤としては、たとえば、水酸化アルミニウム、アンチモン系難燃剤、水酸化マグネシウム、芳香族系リン酸エステル難燃剤、脂肪族系リン酸エステル難燃剤、脂肪族含ハロゲンリン酸エステル難燃剤、芳香族含ハロゲンリン酸エステル難燃剤、反応型リン酸エステル難燃剤等が挙げられる。
本実施形態に係る粒子含有組成物を乾燥させることにより、粒子含有乾燥物を得ることができる。つまり、本実施形態に係る粒子含有乾燥物は、(A)化学修飾セルロース繊維と(B)粒子とを含む。より具体的には、本実施形態に係る粒子含有乾燥物は、(A)化学修飾セルロース繊維をバインダーとした(B)粒子の集積体である。粒子含有組成物の乾燥方法としては、特に限定されないが、噴霧乾燥、凍結乾燥、流動床乾燥、固定床乾燥、真空式、送風式等を挙げることができる。
本実施形態に係る粒子含有組成物を乾燥させることにより、粒子含有膜を得ることができる。つまり、本実施形態に係る粒子含有膜は、(A)化学修飾セルロース繊維と(B)粒子とを含む。
まず、実施例に用いる各(A)化学修飾セルロース繊維を下記の製造例1~3に従って調製する。
セパラブルフラスコにスルファミン酸52.8g、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)620gを投入し、30分間攪拌を行った。その後、室温下、セルロース原料として針葉樹クラフトパルプ(結晶化度85%)20.0gを投入した。ここで、硫酸エステル化試薬であるスルファミン酸の使用量は、セルロース分子中のアンヒドログルコース単位1モル当たり4.4モルとした。55℃で4時間反応させた後、室温まで冷却した。次に繊維を取り出し水で洗浄した後、中和剤として2N水酸化ナトリウム水溶液に投入してpHを7.6にし、脱水を行った後、固形分濃度が1.0%になるように水で希釈した。その後、微細化処理工程としてマイクロフルイタイザーによる処理(150MPa、1パス)を行うことで、化学修飾セルロース繊維A1(表中では「A1」と表記する)の水分散体を得た。
スルファミン酸の仕込量を26.4gとしたこと以外は、製造例1と同様の手順により、化学修飾セルロース繊維A2(表中では「A2」と表記する)の水分散体を得た。
微細化処理工程を行わないこと以外は、製造例2と同様の手順により、固形分濃度が1.0%の水分散体を得た。この水分散体150gをセパラブルフラスコに移し、臭化ナトリウム0.25g、2,2,6,6-テトラメチルピペリジノオキシラジカル(TEMPO)0.025gを加え攪拌した。pHが10-11となるよう0.5N水酸化ナトリウム水溶液を適量投入しながら、13%次亜塩素酸ナトリウム6.6gを滴下した。45分間酸化反応させ、pHに変化が見られなくなったことを確認した後、0.1N塩酸を加えてpH=7.0とした。脱水を行った後、固形分濃度が1.0%になるように水で希釈した。その後、微細化処理工程としてマイクロフルイタイザーによる処理(150MPa、1パス)を行うことで、化学修飾セルロース繊維A3(表中では「A3」と表記する)の水分散体を得た。
(1)(A)化学修飾セルロース繊維1gが有する硫酸基量、
(2)(A)化学修飾セルロース繊維1gが有するカルボキシ基量、
(3)平均重合度、
(4)平均繊維幅、および
(5)結晶化度を測定した。
測定結果を表1に示す。各測定の詳細については、以下に示す。
硫酸基量は電位差測定により算出した。詳細には、乾燥重量を精秤した硫酸エステル化セルロース繊維試料から固形分率0.5質量%に調製した硫酸エステル化セルロース繊維の水分散体を60ml調製し、0.1N塩酸水溶液によってpHを約1.5とした後、ろ過、水洗浄し、繊維を再び固形分率0.5質量%となるよう水に再分散させ、0.1N水酸化カリウム水溶液を滴下して電位差滴定を行った。0.1N水酸化カリウムの滴下量から硫酸基量を算出した。
カルボキシ基量は電位差測定により算出した。詳細は(1)硫酸基量の測定と同様の手法で行った。カルボキシ基量の算出は、TEMPO酸化を行った試料の0.1N水酸化カリウムの滴下量と、TEMPO酸化を行う前の試料(硫酸エステル化後)の0.1N水酸化カリウムの滴下量の差分で算出した。
(A)化学修飾セルロース繊維の平均重合度は粘度法により算出した。詳細には、JIS-P8215に準じて極限粘度数[η]を測定し、下記式(3)より平均重合度(DP)を求めた。ただし、式(3)において、Kmは係数であり、セルロース固有の値である(1/Km=156)。
DP=(1/Km)×[η] …(3)
(A)化学修飾セルロース繊維の平均繊維幅の測定は、電子顕微鏡(TEM)で行った。詳細には、親水化処理済みのカーボン膜被覆をグリット状にキャストした後、2%ウラニルアセテートでネガティブ染色したTEM像(倍率:1000~10000倍)で観察した繊維50本の繊維幅の各平均値を算出し、平均繊維幅とした。
(A)化学修飾セルロース繊維のX線回折強度をX線回折法にて測定し、その測定結果からSegal法を用いて下記式(2)により算出した。
セルロースI型結晶化度(%)=〔(I22.6-I18.5)/I22.6〕×100 …(2)
式(2)において、I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、I18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す。また、サンプルのX線回折強度の測定は、株式会社リガク製の「RINT2200」を用いて以下の条件にて実施した。
X線源:Cu/Kα-radiation
管電圧:40Kv
管電流:30mA
測定範囲:回折角2θ=5~35°
X線のスキャンスピード:10°/min
なお、上記のセルロース原料の結晶化度についても同様に測定した。
(実施例1~13、比較例1,2)
次に、製造例1~3により得られた(A)化学修飾セルロース繊維の水分散体等を用いて粒子含有組成物を調整した。具体的には、表2および表3に示す配合量の割合となるように、(A)化学修飾セルロース繊維の水分散体またはセルロースナノクリスタルの水分散体、(B)粒子、および(C)水を混合し、ホモミキサーを用いて7000rpmで10分間分散処理を行うことにより、実施例1~13および比較例1,2の粒子含有組成物を調製した。
セパラブルフラスコに64%硫酸100mL、針葉樹クラフトパルプ2gを投入し、50℃で1時間加熱した。十分に冷却した後、別の水1000mLの入ったセパラブルフラスコに反応液を少量ずつ投入した。遠心分離した後、1N水酸化ナトリウムで中和し、脱水した。粗大繊維を金属メッシュでろ過により取り除くことでセルロースナノクリスタルを得た。当該セルロースナノクリスタルのセルロースの平均重合度は90であり、平均繊維幅は40nmであった。当該平均重合度および当該平均繊維幅は、(A)化学修飾セルロース繊維と同様に測定した。
得られた各粒子含有組成物について、粘度および分散安定性を評価した。また、各粒子含有組成物を用いて作成した粒子含有膜について、水中での皮膜安定性を評価した。以下に評価方法および評価基準を示す。
得られた粒子含有組成物を25℃環境下に24時間静置した後、BH型粘度計を用いて回転数6.0rpm、25℃、3分の条件で粘度[mPa・s]測定した。
得られた粒子含有組成物を、直径3cm×30cm長の目盛付試験管に25mL投入し、25℃で7日間静置し、下式より分散安定性を測定した。ここでの分散相とは(A)化学修飾セルロース繊維と(B)粒子が分散している層のことを指す。
分散安定性(%)=分散相の体積(mL)/25×100
評価基準を以下に示す。
++:分散安定性が95%以上100%以下
+:分散安定性が90%以上95%未満
-:分散安定性が90%未満
表面をコロナ処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、粒子含有組成物15gを10cm×10cmの正方形となるように塗布した。それを50℃のオーブンで3時間乾燥させることにより、粒子含有膜を形成した。冷却した後、PETフィルムが水平となるよう水中に浸漬させた。3分間経過時に、粒子含有膜全体のうちの皮膜が崩壊している面積の割合の測定を行った。具体的には、透明方眼シート(マス目が印刷された透明のシート)を皮膜上に配置し、当該透明方眼シートを介して粒子含有膜を目視しながら、皮膜が崩壊している部分の面積を測定した。
++:皮膜崩壊面積が5%未満
+:皮膜崩壊面積が5%以上10%未満
-:皮膜崩壊面積が10%以上
Claims (7)
- 前記(A)化学修飾セルロース繊維の平均繊維幅は、3nm~5000nmである、請求項1に記載の粒子含有組成物。
- 前記(B)粒子の平均粒子径は2500μm以下である、請求項1または請求項2に記載の粒子含有組成物。
- 前記(B)粒子は、金属、金属化合物、粘土鉱物類、水不溶性固体有機化合物、水不溶性固体農薬有効成分および水不溶性固体生理活性物質、ならびに、顔料、難燃剤および充填剤からなる群から選択される1種類以上の粒子である、請求項1から3のいずれか1項に記載の粒子含有組成物。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の粒子含有組成物を乾燥させて得られる粒子含有乾燥物。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の粒子含有組成物を乾燥させて得られる粒子含有膜。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の粒子含有組成物の製造方法であって、
セルロース繊維をスルファミン酸で処理することにより、前記セルロース繊維を硫酸エステル化する化学修飾工程を含む粒子含有組成物の製造方法。
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