JP2017003953A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】転写位置(転写ニップ)に対して感光体ドラム1(像担持体)の走行方向下流側の位置であって、クリーニング部2に対して感光体ドラム1の走行方向上流側の位置において、転写位置に搬送される記録媒体Pの幅方向両端部に対応する感光体ドラム1の表面の所定位置Xに光K1を照射して、感光体ドラム1における所定位置Xの表面電位を減ずるように構成している。
【選択図】図3
Description
また、このような画像形成装置において、像担持体に付着した未転写トナーをクリーニング部で良好に除去することを目的として、像担持体の表面電位を除電する除電光源を、クリーニング部の下流側であって帯電部の上流側の位置ではなくて、転写位置よりも下流側であってクリーニング部の上流側の位置に、像担持体に対向するように設置する技術が広く用いられている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
しかし、従来の技術は、像担持体(感光体ドラム)の表面に幅方向にわたって除電光を直接的に照射しているため、像担持体の光劣化が幅方向にわたって早められてしまう不具合があった。
図1〜図4にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1、図2にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、100は画像形成装置としてのプリンタ、6は感光体ドラム1上にトナー像(画像)を形成するプロセスカートリッジ(作像部)、7はパソコンなどの入力装置から入力された画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム1上に照射する露光部(書込み部)、8は感光体ドラム1の表面電位を除電する除電光源(除電手段)、9は感光体ドラム1上に担持されたトナー像を転写位置に搬送される記録媒体Pに転写する転写部材としての転写ローラ、12は転写紙等の記録媒体Pが収納された給紙部(給紙カセット)、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着装置、21は定着装置20に設置された定着ローラ、22は定着装置20に設置された加圧ローラ、45は感光体ドラム1と転写ローラ9とが当接する転写位置(転写ニップ)に向けて記録媒体Pを搬送するレジストローラ(タイミングローラ)、を示す。
帯電部4は、導電性芯金の外周に中抵抗の弾性層を被覆してなる帯電ローラであって、感光体ドラム1の当接している。帯電部4には不図示の電源部から所定の電圧(帯電バイアス)が印加されて、これにより対向する感光体ドラム1の表面を一様に帯電する。
現像ローラ51のスリーブは、図1の時計方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51上に担持された現像剤は、スリーブの回転にともない現像ローラ51上を移動する。ここで、現像部5内の現像剤は、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される(トナー容器から不図示のトナー補給口を介して適宜にトナーが補給される)。
その後、現像剤収容部内に補給されたトナーは、2つの現像搬送スクリュ53によって、現像剤とともに混合・撹拌されながら、仕切部材によって幅方向の両端部以外が隔絶された2つの現像剤収容部を循環する(図1、図2の紙面垂直方向の移動である。)。そして、現像剤中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51上に担持される。
なお、現像部5における現像ローラ51や現像搬送スクリュ53は、現像用駆動モータ(不図示である。)から駆動力を受けて、それぞれ回転駆動される。
撹拌部材2cは、回転軸部に撹拌部が設置されたものであって、不図示の駆動モータからの駆動力を受けて所定方向に回転する。
搬送スクリュ2bは、回転軸部にスクリュ部が螺旋状に巻装されたものであって、不図示の駆動モータからの駆動力を受けて所定方向に回転する。
詳しくは、リサイクルトナー経路は、クリーニング部2(プロセスカートリッジ6)の上方に配設されて搬送スクリュ2bが内設された搬送経路部29(水平搬送部)と、搬送経路部29と現像部5とを中継する落下経路部3と、からなる。そして、クリーニング部2の内部に回収された未転写トナーは、搬送経路部29の幅方向(図1、図2の紙面垂直方向である。)の一端側に形成された流入口から流入されて、搬送経路部29内で搬送スクリュ2bによって幅方向(回転軸方向)に搬送されて幅方向他端側の流出口から落下経路部3に向けて流出される。そして、落下経路部3に流入した未転写トナーは、落下経路部3を自重落下した後に、供給口から現像部5内に供給されて、現像部5内でリサイクルトナーとして用いられることになる。
まず、パソコン等の入力装置から画像形成装置1の露光部7に画像情報が送信されると、露光部7からその画像情報に基づいた露光光L(レーザ光)が、感光体ドラム1上に向けて発せられる。なお、本実施の形態1では、露光部7として、公知のLD光源(レーザダイオード)を用いたものを使用している。具体的に、露光部7は、画像情報に基いてLD光源から射出された露光光Lを、高速回転するポリゴンミラーに反射させて主走査方向(幅方向)に走査させて、感光体ドラム1の表面に静電潜像を形成するものである。
一方、感光体ドラム1は、矢印方向(反時計方向)に回転している。そして、まず、感光体ドラム1の表面は、帯電部4との対向部で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム1上には、帯電電位(−900V程度である。)が形成される。その後、帯電された感光体ドラム1表面は、それぞれの露光光Lの照射位置に達する。そして、露光光Lが照射された部分の電位が潜像電位(0〜−100V程度である。)となって、感光体ドラム1表面に静電潜像が形成される(露光工程である。)。すなわち、感光体ドラム1の表面において、露光光Lが照射された部分は画像部(静電潜像)として潜像電位(画像部電位)が形成されて、それ以外の部分は非画像部(地肌部)として帯電電位(非画像電位)が維持される。
その後、現像工程後の感光体ドラム1表面は、転写部材としての転写ローラ9との転写ニップ(転写位置)に達する。そして、転写ローラ9との転写ニップで、転写ローラ9に印可された転写バイアス(トナーの極性とは異なる極性のバイアスである。)によって、レジストローラ45により搬送された記録媒体P上に、感光体ドラム1上に形成されたトナー像が転写される(転写工程である。)。
そして、クリーニング工程後の感光体ドラム1は、除電光源8から射出される除電光K(光)による除電により表面電位が減ぜられて、表面電位がほぼ0Vにリセットされる。なお、本実施の形態1では、除電光源8として、公知のLED(LEDアレイ)を用いている。
こうして、感光体ドラム1における一連の作像プロセスが終了する。
まず、給紙部12に収納された記録媒体Pの最上方の1枚が、給紙ローラ41によって、搬送経路に向けて給送される。
その後、記録媒体Pは、レジストローラ45の位置に達する。そして、レジストローラ45の位置に達した記録媒体Pは、感光体ドラム1上に形成された画像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写ニップ(転写ローラ9)に向けて搬送される。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
先に図1及び図2を用いて説明したように、本実施の形態1における画像形成装置100には、露光部7や、転写部材としての転写ローラ9や、クリーニング部2や、除電光源8、などが設置されている。
露光部7は、帯電部4によって帯電された感光体ドラム1(像担持体)の表面を露光して潜像を形成するものである。
転写部材としての転写ローラ9は、感光体ドラム1(像担持体)に当接して形成される転写ニップ(転写位置)に搬送される記録媒体Pに、感光体ドラム1に担持されたトナー像を転写するものである。
クリーニング部2は、転写ニップ(転写位置)で記録媒体Pに転写されずに感光体ドラム1の表面に付着した未転写トナー(記録媒体Pから生じる紙粉等の付着物も含む。)を、クリーニングブレード2aによって感光体ドラム1から除去して、回収するものである。
除電光源8は、クリーニング部2に対して感光体ドラム1の回転方向下流側(走行方向下流側)の位置であって、帯電部4に対して感光体ドラム1の回転方向上流側(走行方向上流側)の位置において、感光体ドラム1の表面に除電光K(光)を照射して、感光体ドラム1の表面電位を減ずるものである除電光源8は、幅方向(図2の紙面垂直方向である。)に延在する射出面(除電光Kが射出される面である。)を有したLEDである。そして、除電光源8は、除電光Kによって、クリーニング工程後であって帯電工程前の感光体ドラム1の表面電位を除電する。
ここで、本実施の形態1では、除電光源8から射出された除電光K1の光路を変化させる光学素子として、3対のミラー46〜48が用いられている。第1ミラー46は、幅方向両端部にそれぞれ設置されていて、除電光源8から感光体ドラム1に向けて射出される除電光K(クリーニング工程後の感光体ドラム1の表面に向けて射出される除電光Kである。)を反射して、その反射光(反射除電光K1)を形成する。第2、第3ミラー47、48は、第1ミラー46によって反射された反射除電光K1(光)をさらに反射して感光体ドラム1における所定位置X(反射光照射範囲)に導く。
すなわち、除電光源8から射出された除電光Kは、画像が形成される可能性のある領域(有効画像領域M)にはクリーニング工程後に感光体ドラム1上に直接的に照射されて、画像が形成される可能性がなくて記録媒体Pのエッジ部Pa(幅方向のエッジ部)の近傍の領域(有効画像領域Mの外側の領域である。)にはクリーニング工程前に感光体ドラム1上に光学素子46〜48を介して照射されることになる。
一方、感光体ドラム1の有効画像領域Mについては、クリーニング工程前に除電されないことになるが、その領域は紙粉の付着が少なく、また未転写トナーの付着力は紙粉のものに比べて小さいため、そのままクリーニング部2(クリーニングブレード2a)によって良好に除去・回収されることになる。
また、感光体ドラム1の所定位置X(反射光照射範囲)については、クリーニング工程後に除電されないことになるが、その範囲は画像形成に寄与しない範囲であるとともに、クリーニング工程前に除電されていることとから、それにより帯電不良などの画像への不具合が生じることはない。
また、このように感光体ドラム1に付着した紙粉がクリーニング部2に効率的に除去・回収されることにより、紙粉がクリーニングブレード2aをすり抜けて帯電部4を汚染して帯電不良が生じる不具合や、紙粉がトナーとともにクリーニングブレード2aをすり抜けて黒スジ画像が生じる不具合、なども抑止することができる。
例えば、通紙される記録媒体PがA4縦サイズである場合には、幅方向中央位置から100mmより外側の領域が所定位置Xとなり、通紙される記録媒体PがA4横サイズである場合には、幅方向中央位置から140mmより外側の領域が所定位置Xとなるように、移動機構49によって光学素子46〜48が幅方向に移動される。
このように構成することで、通紙される記録媒体Pのサイズに関わらず、転写ニップで記録媒体Pから感光体ドラム1に付着した紙粉をクリーニング部2で良好かつ効率的に除去することができる。
なお、画像形成装置100が定型サイズの記録媒体Pしか通紙されないように構成されている場合や、サイズの異なる記録媒体Pが通紙される頻度が無視できるほど少ないと想定される場合などには、このような移動機構49を設けることなく、光学素子46〜49を固定して設置することができる。
そして、そのように構成した場合であっても、本実施の形態1のものとほぼ同様の効果を得ることができる。特に、このように光路の分岐部分に第1ミラー46の代わりにハーフミラーを用いた場合には、反射除電光K1の強さ(光量)を弱めることができるため、感光体ドラム1の幅方向両端部の光劣化を軽減したいようなときに有用になる。
なお、光学素子46〜48の構成は、本実施の形態1のものに限定されることなく、作像部のレイアウトに応じて、ミラーの数を増やして反射除電光K1の光路を形成することもできるし、ミラーの数を減らして反射除電光K1の光路を形成することもできる。
このように構成することで、反射除電光K1を形成するように機能する除電光源8と光学素子46〜48とをまとめてメンテナンスすることが可能になるため、メンテナンスの作業効率が向上することになる。
このような場合には、第1ミラー46には、除電光源8から射出されて光軸からずれた弱い光K(拡散光)が入射して、反射除電光K1として第2、第3ミラー47、48を経由してクリーニング工程前の感光体ドラム1に照射されることになる。そのため、感光体ドラム1の幅方向両端部の光劣化を軽減したいようなときに有用になる。
これに対して、図6に示すように、露光部7から感光体ドラム1に向けて射出される露光光Lを光学素子46〜48を介して感光体ドラム1における所定位置Xに反射露光光L1として照射するように構成することもできる。
そのような場合にも、感光体ドラム1における所定位置Xに照射される反射露光光L1が、本実施の形態1において感光体ドラム1における所定位置Xに照射される反射除電光K1と同じように作用するため、本実施の形態1のものと同様の効果を得ることができる。
このような制御をおこなうのは、クリーニングブレード2aの使用状態が進んでいくと、徐々にブレード面が摩耗していって、特に紙粉に対するクリーニング性が低下してしまうためである。
図6の例において、具体的な制御として、制御部50によってLD光源の出力(光の強さ)を調整可能に構成された露光部7において、新品のクリーニングブレード2aが設置された状態からの感光体ドラム1の走行距離が0〜20kmのときにLDパワーを0%として、走行距離が20〜60kmのときにLDパワーを0〜50%まで比例的に増加させて、走行距離が60kmを超えたときにLDパワーを50%で固定することができる。特に、露光部7は、LD光源の出力(光の強さ)を調整可能に構成されている場合が多いため、このような制御をおこないやすくなる。
これにより、感光体ドラム1の光劣化を早めることなく、転写位置で記録媒体Pから感光体ドラム1に付着した紙粉をクリーニング部2で良好かつ効率的に除去することができる。
そのような場合にも、本実施の形態1と同様の効果を得ることができる。ただし、光源の数が増えることになるため、既設の光源を用いて光学素子46〜48を設ける場合に比べて、装置が全体的に高コスト化してしまうことになる。
図7にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図7は、実施の形態2における画像形成装置の作像部の一部を拡大して示す構成図であって、前記実施の形態1における図2に相当する。本実施の形態2における画像形成装置は、除電光源8が記録媒体Pの搬送経路を介して感光体ドラム1(像担持体)に対向するように配設されている点が、前記実施の形態1のものとは相違する。
そして、この除電光源8は、前記実施の形態1のものとは異なり、転写ニップ(転写位置)から送出される記録媒体Pの搬送経路を介して感光体ドラム1に対向する位置に設置されている。すなわち、本実施の形態2において、除電光源8は、転写ニップを通過する記録媒体Pのオモテ面(転写面)に対向する側の比較的狭い空間において記録媒体Pの搬送経路を介することなく感光体ドラム1に直接的に対向するように配置されているのではなくて、転写ニップを通過する記録媒体Pのウラ面(非転写面)に対向する側の比較的広い空間において記録媒体Pの搬送経路を介して感光体ドラム1に対向するように配置されている。
なお、除電光源8は、搬送経路を通過する転写工程後の記録媒体Pに干渉しないように、記録媒体Pの搬送経路から充分に離れた位置に配設されている。
なお、本実施の形態2では、前記実施の形態1のものとは異なり、クリーニング工程後であって帯電工程前の除電工程はおこなわれない。すなわち、本実施の形態2では、図7に図示する位置にのみ除電光源8が設置されている。
特に、感光体ドラム1の表面において、記録媒体Pが通紙される通紙領域については、除電光源8から射出されて記録媒体Pを透過して光量が弱められた除電光Kが照射されるため(又は、除電光源8から射出された除電光Kのほとんどが記録媒体Pに遮られるため)、その通紙領域に直接的に除電光を照射する場合に比べて、感光体ドラム1の光劣化を軽減することができる。
これに対して、感光体ドラム1の表面において、記録媒体Pが通紙される通紙領域の領域外となる非通紙領域(特に、上述したように紙粉が付着しやすい記録媒体Pのエッジ部Paに対応する部分である。)については、除電光源8から射出された除電光Kが記録媒体Pを介することなく照射されるため、紙粉が付着した部分がクリーニング工程前に確実に除電されて、転写位置で記録媒体Pから感光体ドラム1に付着した紙粉が、クリーニング部2で良好かつ効率的に除去されることになる。
また、本実施の形態2では、転写ニップを通過する記録媒体Pのウラ面(非転写面)に対向する側の比較的広い空間において記録媒体Pの搬送経路を介して感光体ドラム1に対向するように、除電光源8を配置できるため、除電光源8の設置スペースを確保しやすく、除電光源8のレイアウトの自由度を高めることができる。
さらに、本実施の形態2では、複雑な除電光源8の制御をおこなったり、光学素子などの補助的な部品を設置したりすることなく、比較的容易な構成によって、感光体ドラム1の光劣化を軽減しつつ、転写位置で感光体ドラム1に付着した紙粉を、クリーニング部2で良好かつ効率的に除去することができる。
すなわち、転写ニップを通過した記録媒体Pの先端が、除電光源8の除電光Kの光路に差しかかるタイミング(又は、それよりも少し早いタイミング)で、オフ状態にあった除電光源8をオン状態にして、除電光源8から記録媒体Pを介しての感光体ドラム1への除電光Kの照射を開始する。そして、転写ニップを通過した記録媒体Pの後端が、除電光源8の除電光Kの光路を抜けるタイミング(又は、それよりも少し遅いタイミング)で、オン状態にあった除電光源8をオフ状態にして、除電光源8から記録媒体Pを介しての感光体ドラム1への除電光Kの照射を終了する。
このような制御をおこなうことで、紙粉の除去が必要なタイミングで除電工程がおこなわれることになり、感光体ドラム1の光劣化がさらに軽減されつつ、転写位置で感光体ドラム1に付着した紙粉を、クリーニング部2で良好かつ効率的に除去することができる。
すなわち、感光体ドラム1上で作像プロセスがおこなわれているときには、常時、除電光源8がオン状態になるように制御する。
このような制御をおこなうことで、複雑なオン・オフ制御をおこなうことなく、感光体ドラム1の表面電位が充分に除電されるとともに、感光体ドラム1の光劣化が軽減されつつ、転写位置で感光体ドラム1に付着した紙粉を、クリーニング部2で良好かつ効率的に除去することができる。
ただし、本実施の形態2における画像形成装置100は、上述したような特徴的な構成を有するがゆえ、特に、転写ニップ(転写位置)の下流側であってクリーニング部2の上流側の感光体ドラム1の表面に除電光を照射するための光路を確保しにくく、感光体ドラム(像担持体)の光劣化の程度が大きいという課題を有する画像形成装置に対して有用である。
これにより、感光体ドラム1の光劣化を早めることなく、転写位置で記録媒体Pから感光体ドラム1に付着した紙粉をクリーニング部2で良好かつ効率的に除去することができる。
図8にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図8は、実施の形態3における画像形成装置の作像部の一部を拡大して示す構成図であって、前記実施の形態2における図7に相当する。本実施の形態3における画像形成装置は、除電光源8A(第1の除電光源)に加えて第2の除電光源8Bが設置されている点が、前記実施の形態2のものとは相違する。
また、図8に示すように、本実施の形態3における画像形成装置100には、前記実施の形態2のものと同様に、除電光源8A(第1の除電光源)が、転写ニップ(転写位置)から送出される記録媒体Pの搬送経路を介して感光体ドラム1に対向する位置に設置されている。この除電光源8Aは、前記実施の形態2のものと同様に、感光体ドラム1の表面に光KA(除電光)を照射して、感光体ドラム1の表面電位を減じて、感光体ドラム1上に付着した紙粉に対する除去性を向上させるためのものである。
一方、第2の除電光源8Bから射出される除電光KBの強さ(光量)は、それほど強くなくて、第1の除電光源8Aから感光体ドラム1に向けて射出された除電光KAが記録媒体Pによって完全に遮られてしまったものと仮定した場合に、それに対応する感光体ドラム1の表面の電位がある程度減じられる程度(除電不良により残像などの異常画像が生じない程度である。)のものである。
また、このような構成は、上述したような除電不良を抑止するために、第1の除電光源8Aから射出される除電光KAの強さ(光量)を単に強くするのではなくて、その除電光KAの強さをある程度弱く設定して、感光体ドラム1における通紙領域に対応する部分の表面電位の除電を補完するように第2の除電装置8Bによる第2の除電工程をおこなうものであるため、感光体ドラム1の光劣化も促進されることなく、前記実施の形態2で説明した効果(感光体ドラム1の光劣化を早めることなく、転写位置で記録媒体Pから感光体ドラム1に付着した紙粉をクリーニング部2で良好かつ効率的に除去する効果である。)が維持されることになる。特に、第1の除電光源8Aから射出される除電光KAの強さ(光量)を強く設定してしまうと、記録媒体Pとして薄紙(坪量が60g/m2以下の用紙である。)が通紙されるような場合に、第1の除電光源8Aから射出されて記録媒体Pを透過して感光体ドラム1の表面に達する除電光KAの強さも大きくなって、感光体ドラム1の光劣化が促進されてしまうため、第1の除電光源8Aから射出される除電光KAの強さを上述したような必要最小限の値に設定することが有用である。
すなわち、感光体ドラム1の通紙領域に対応する部分の先端が、第2の除電光源8Bの除電光KBの光路に差しかかるタイミング(又は、それよりも少し早いタイミング)で、オフ状態にあった第2の除電光源8Bをオン状態にして、第2の除電光源8Bから感光体ドラム1への除電光KBの照射を開始する。そして、感光体ドラム1の通紙領域に対応する部分の後端が、第2の除電光源8Bの除電光KBの光路を抜けるタイミング(又は、それよりも少し遅いタイミング)で、オン状態にあった第2の除電光源8Bをオフ状態にして、第2の除電光源8Bから感光体ドラム1への除電光KBの照射を終了する。
このような制御をおこなうことで、除電が不充分になる可能性のある感光体ドラム1の通紙領域に対応する部分に対して必要なタイミングで除電工程がおこなわれることになり、感光体ドラム1の光劣化がさらに軽減されることになる。
すなわち、感光体ドラム1上で作像プロセスがおこなわれているときには、常時、第2の除電光源8Bがオン状態になるように制御する。
このような制御をおこなうことで、複雑なオン・オフ制御をおこなうことなく、上述した感光体ドラム1の除電不良を確実に防止することができる。
これにより、感光体ドラム1の光劣化を早めることなく、転写位置で記録媒体Pから感光体ドラム1に付着した紙粉をクリーニング部2で良好かつ効率的に除去することができる。
なお、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電部と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像部(現像装置)と、像担持体上をクリーニングするクリーニング部(クリーニング装置)とのうち、少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるユニットと定義する。
また、前記各実施の形態では、転写部材として感光体ドラム1に当接して転写位置を形成する転写ローラ9を用いたが、転写部材として感光体ドラム1に対向して転写位置を形成するコロナ放電方式の転写器(ワイヤ転写器)を用いることもできる。
そして、それらのような場合であっても、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
2 クリーニング部(クリーニング装置)、
2a クリーニングブレード、
4 帯電部(帯電装置)、
6 プロセスカートリッジ(作像部)、
7 露光部、
8 除電光源(LED)、
9 転写ローラ(転写部材)、
46 第1ミラー(光学素子)、
47 第2ミラー(光学素子)、
48 第3ミラー(光学素子)、
49 移動機構、
100 画像形成装置(画像形成装置本体)、
P 記録媒体(用紙)、 Pa エッジ部、
M 有効画像領域、 N 余白部、
S 非通紙領域、 X 所定位置(反射光照射範囲)、
K 除電光、 K1 反射除電光、
L 露光光、 L1 反射露光光。
Claims (14)
- 所定方向に走行して、その表面に形成された潜像が現像されてトナー像が担持される像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電する帯電部と、
前記帯電部によって帯電された前記像担持体の表面を露光して潜像を形成する露光部と、
前記像担持体に当接又は対向して形成される転写位置に搬送される記録媒体に、前記像担持体に担持されたトナー像を転写する転写部材と、
前記転写位置で記録媒体に転写されずに前記像担持体の表面に付着した未転写トナーを前記像担持体から除去して回収するクリーニング部と、
前記クリーニング部に対して前記像担持体の走行方向下流側の位置であって、前記帯電部に対して前記像担持体の走行方向上流側の位置において、前記像担持体の表面に光を照射して、前記像担持体の表面電位を減ずる除電光源と、
を備え、
前記転写位置に対して前記像担持体の走行方向下流側の位置であって、前記クリーニング部に対して前記像担持体の走行方向上流側の位置において、前記転写位置に搬送される記録媒体の幅方向両端部に対応する前記像担持体の表面の所定位置に光を照射して、前記像担持体における前記所定位置の表面電位を減ずるように構成されたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記除電光源又は前記露光部から前記像担持体に向けて射出される光を光学素子を介して前記像担持体における前記所定位置に照射させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記光学素子は、幅方向両端部に設置されて前記除電光源又は前記露光部から前記像担持体に向けて射出される光の全部又は一部を反射するミラー又はハーフミラーと、前記ミラー又は前記ハーフミラーによって反射された光をさらに反射して前記像担持体における前記所定位置に導く単数又は複数のミラーと、であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記光学素子は、前記転写位置に搬送される記録媒体の幅方向のサイズに応じて幅方向に移動されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記光学素子と、前記所定位置に光を照射するための前記除電光源又は前記露光部と、が1つのユニットとして、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されたことを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記所定位置は、少なくとも、前記転写位置に搬送される記録媒体の有効画像領域の外側である余白部とエッジ部とさらにその外側の非通紙領域の一部とを含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記クリーニング部は、前記像担持体に当接するクリーニングブレードを具備し、
前記像担持体における前記所定位置に照射される光の強さが、前記クリーニングブレードの使用状態が初期であるときに比べて経時に強くなるように制御することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。 - 所定方向に走行して、その表面に形成された潜像が現像されてトナー像が担持される像担持体と、
前記像担持体に当接又は対向して形成される転写位置に搬送される記録媒体に、前記像担持体に担持されたトナー像を転写する転写部材と、
前記転写位置で記録媒体に転写されずに前記像担持体の表面に付着した未転写トナーを前記像担持体から除去して回収するクリーニング部と、
前記転写位置に対して前記像担持体の走行方向下流側の位置であって、前記クリーニング部に対して前記像担持体の走行方向上流側の位置において、前記像担持体の表面に光を照射して、前記像担持体の表面電位を減ずる除電光源と、
を備え、
前記除電光源は、前記転写位置から送出される記録媒体の搬送経路を介して前記像担持体に対向する位置に設置されたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記除電光源は、前記搬送経路を通過する記録媒体を介して前記像担持体の表面に光が照射されるように、当該記録媒体が通過するタイミングに合わせてオン・オフ制御されることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記除電光源は、前記像担持体の表面を帯電する帯電部のオン・オフ制御のタイミングに合わせて、オン・オフ制御されることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記クリーニング部に対して前記像担持体の走行方向下流側の位置であって、前記像担持体の表面を帯電する帯電部に対して前記像担持体の走行方向上流側の位置において、少なくとも前記転写位置に搬送される記録媒体の通紙領域に対応する前記像担持体の表面に直接的に光を照射して、前記像担持体の表面電位を減ずる第2の除電光源を備えたことを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記第2の除電光源は、前記像担持体の表面に幅方向にわたって直接的に光を照射することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
- 前記第2の除電光源は、前記搬送経路を通過する記録媒体の範囲に対応する前記像担持体の表面に光が照射されるように、その表面が通過するタイミングに合わせてオン・オフ制御されることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の画像形成装置。
- 前記第2の除電光源は、前記帯電部のオン・オフ制御のタイミングに合わせて、オン・オフ制御されることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の画像形成装置。
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