JP6909428B2 - 潜像担持体の除電方法、及び画像形成装置 - Google Patents

潜像担持体の除電方法、及び画像形成装置 Download PDF

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本発明は、潜像担持体の除電方法、及びこれを用いる画像形成装置に関するものである。
従来から、潜像担持体と、これを一様帯電させる帯電手段と、潜像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段としての露光装置と、静電潜像に現像剤を供給して現像を行う現像手段と、現像されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、を備える画像形成装置が知られている。そして、このような画像形成装置において、転写手段によるトナー像の転写後、潜像担持体の表面移動を停止させるときに、潜像担持体の表面を除電する画像形成装置も知られている。
例えば、特許文献1には、次のような画像形成装置が記載されている。
被転写体(用紙)への転写後、一様帯電された潜像担持体(感光体ドラム)表面を、静電潜像を形成するための発光素子を用いた露光手段(LED光学ユニット)の露光により、0[V]近傍(−50〜−100[V])の除電電位まで除電して潜像担持体の無端移動を停止させる。
そして、この画像形成装置では、露光手段による主走査方向(以下、単に主走査方向という)の露光領域幅(LEDの発光可能な幅)を、画像形成が行える記録材の規格内で主走査方向の幅が最大のサイズ(レターサイズ)と同じにしている。
このように、露光手段で画像形成を行う記録材の最大幅以上の潜像担持体の領域の除電を行うことで、記録材の主走査方向両端に対応する潜像担持体上の領域(感光体ドラムの左右端)に発生するキャリアやトナーの付着を防止できる旨、記載されている。
近年、電子写真式の画像形成装置の分野では、企業等のオフィスでの利用に加え、ホームオフィスや一般ユーザーの家庭での利用が増えており、高画質化に加え、小型化の要請が、従来にも増して高まっている。
しかし、発光素子を用いた露光手段による露光幅を記録材の主走査方向の最大サイズよりも大きくしている従来の画像形成装置では、設置に要する空間が小型化し難い露光手段の主走査方向のサイズを小さくできず、画像形成装置の小型化が困難になるおそれがある。
一方、発光素子を用いた露光手段による露光幅を画像形成装置の最大印字パターン幅まで狭めて小型化すると、記録材の最大幅にも対応する現像幅の両端部を除電露光できず、この両端部近傍でトナーの地肌部現像やトナー落ち等の不具合が発生してしまう。
上述した課題を解決するために、本発明は、潜像担持体と、該潜像担持体を一様帯電させる帯電手段と、前記潜像担持体を露光して静電潜像を形成する発光素子を用いた露光手段と、前記潜像担持体に形成された静電潜像に現像剤を供給して現像を行う現像手段と、現像されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、を備え、前記転写手段によるトナー像の転写後、前記潜像担持体の表面移動を停止させるときに、前記潜像担持体の表面を除電する画像形成装置に用いられる潜像担持体の除電方法において、前記画像形成装置は、前記露光手段とは別に、発光素子を用いて前記潜像担持体を除電する除電手段を備え、前記潜像担持体の主走査方向における、前記露光手段による露光領域は該露光手段の露光により除電を行い、前記潜像担持体の現像領域内の主走査方向における、前記露光手段による露光領域外は前記除電手段で除電を行い、前記除電手段が除電する除電範囲は、前記露光領域の一部又は全部を含まないことを特徴とする。
本発明によれば、発光素子を用いた露光手段による露光幅を、画像形成装置の最大印字パターン幅まで狭めても、トナーの地肌部現像やトナー落ち等の不具合の発生を抑制できる潜像担持体の除電方法を提供できる。
―実施形態に係るプリンタの概略構成図。 プリンタに備えるK用のプロセスユニットの拡大説明図。 実施例1に係る、感光体の回りの除電露光に係る構成部材の感光体長手方向に直交する断面の配置説明図。 実施例1に係る、感光体の回りの除電露光に係る構成部材の感光体長手方向の配置説明図。 実施例1の変形例に係る、感光体の端部除電LEDの配置位置の例の説明図。 実施例2に係る、印刷動作後、長時間放置された後に調整・印刷動作を開始するときと、前回印刷動作時に感光体除電を行わず、次回、印刷動作を開始するときの、感光体の表面電位の説明図。 地肌ポテンシャルと感光体上の地肌部に現像される現像剤量の関係の例を示した図。 露光手段であるLEDHだけで、除電露光を行う場合の感光体除電シーケンスの例の説明図。 実施例2に係る、感光体回りの感光体の回りの除電露光に係る構成部材の配置の説明図。 実施例2に係る、LEDHと端部除電LEDそれぞれの除電露光範囲と、それぞれの間の距離と、感光体の回転速度との関係の説明図。 具体例1と具体例2の感光体除電シーケンスの説明図。 具体例3と具体例4の感光体除電シーケンスの説明図。 具体例5の感光体除電シーケンスの説明図。 実施例2で用いる感光体の電位特性の例についての説明図。
以下、本発明を適用した潜像像担持体の除電方法を用いる画像形成装置の一実施形態について、複数の実施例と変形例を挙げて説明する。
まず、本実施形態に係る画像形成装置であるA3対応のフルカラープリンタ(以下、プリンタ100という。)の基本的な構成、及びその動作について、図1、図2を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタ100の概略構成図、図2は、プリンタ100に備えるK用のプロセスユニット1の拡大説明図である。
ここで、図1の概略構成図、及び図2の拡大説明図では、いずれも本実施形態のプリンタ100の側面側からの断面を示しており、図中右側がプリンタ100の前面側、図中左側が後面側である。
プリンタ100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kを備えたタンデム、中間転写方式のカラープリンタである。
4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kは、それぞれ画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。
ここで、図1、図2には、接触一成分現像方式のプリンタ100の構成を例示しているが、非接触や二成分現像方式も本実施形態の特徴的な構成は適用可能である。
次に、プリンタ100の画像形成プロセスについて、Kトナー像を形成するためのプロセスユニット1Kを例に説明する。
図2に示すように、潜像担持体としてのドラム状の感光体2Kは良く知られているように導電性支持体、光導電性層及び絶縁層を基本構成として有しているものである。
まず、帯電ローラ(帯電装置)4Kの動作により、感光体2Kの表面電位が一様な電位に帯電される。その後、画像情報が入力されると、この画像情報に基づいた光がLEDヘッド(以下、LEDH70という。)から発振されて感光体2Kの表面に選択的に照射される。こうして露光された感光体2Kの表面電位が光減衰して、画像信号に対応した静電潜像が形成される。
一方、現像装置5Kの現像部7K内に設けられた現像剤担持体である現像ローラ11Kには一定のバイアス電圧が印加されており、静電潜像を担持した感光体2Kが現像ローラ11Kと接触すると、感光体2Kと現像ローラとの間に電位差が生じる。この電位差により、現像ローラ11Kに磁力で付着しているトナーは感光体2K表面の露光部分に付着し、感光体2K表面の静電潜像が可視化される。その後、感光体2K表面上のトナー像は中間転写ベルト16上に転写されることとなる。
感光体2K表面上の残存トナーは感光体クリーニング装置3Kに有したクリーニングブレードによって感光体2K表面からそぎ落とされる。その後、感光体2K表面をLEDH70により除電され、次の画像印刷動作か次の画像印刷動作のため待機する。
他色のプロセスユニット1Y,M,Cにおいても、上記プロセスユニット1Kと同様にして感光体2Y,M,C上に、それぞれY,M,Cトナー像が形成されて、後述する中間転写ベルト16上に搬送される記録材である用紙(シート)Sに転写される。
上記現像装置5Kは、図2に示すように、Kトナーを収容する縦長のホッパ部6Kと、現像部7Kとを有している。
ホッパ部6K内には、常に一定量のトナーが蓄えられるように、印字により減ったトナー量に応じてトナーカートリッジ13Kからトナーが供給される。
また、ホッパ部6Kには駆動手段によって回転駆動される上搬送スクリュー8K、これの鉛直方向下方で駆動手段によって回転駆動される下搬送スクリュー9K、これの鉛直方向で駆動手段によって回転駆動されるトナー供給ローラ10K等が配置されている。
ホッパ部6K内のKトナーは、上搬送スクリュー8Kや下搬送スクリュー9Kの回転駆動によって撹拌されながら、自重によってトナー供給ローラ10Kに向けて移動する。
トナー供給ローラ10Kは、金属製の芯金と、これの表面に被覆された発泡樹脂等からなるローラ部とを有しており、現像装置5K内のKトナーをローラ部の表面に付着させながら回転する。
現像装置5Kの現像部7K内には、感光体2Kやトナー供給ローラ10Kに当接しながら回転する現像ローラ11Kや、これの表面に先端を当接させる薄層化ブレード12Kなどが配置されている。
ホッパ部6K内のマイナス帯電したトナー供給ローラ10Kに付着したKトナーは、同じくマイナス帯電した現像ローラ11Kとトナー供給ローラ10Kとの当接部でマイナス電荷を注入されながら現像ローラ11Kの表面に供給される。
供給されたKトナーは、現像ローラ11Kの回転にともなって、ローラと薄層化ブレード12Kとの当接位置を通過する際に、ローラ表面上での層厚が規制される。
他色の現像装置5Y,M,Cにおいても、同様な動作が行われる。
そして、図1及び図2図中、感光体2Y,M,C,Kの鉛直方向上方には、LEDH70が配置されている。
各プロセスユニット1に対応して、それぞれ設けたLEDH70は、画像情報に基づいて所定の位置の発光素子(LED)を発光させる。これにより、プロセスユニット1Y,M,C,Kにおける感光体2Y,M,C,Kを露光し、感光体2Y,M,C,K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。
ここで、LEDH70は、例えばLED等の発光素子を感光体の長手方向に複数配列し、同様に感光体2の長手方向に複数配列されたレンズを介して光を照射し、感光体2表面に静電潜像を行う。
ここで、LEDH70の照射する光は静電潜像により画像を結像するため、解像度や指向性が高いものを使用している。この発光素子については、LEDだけでなく有機EL素子等の同様の解像度や指向性をもつものであれば良い。
そして、層厚規制後のKトナーは、現像ローラ11Kと感光体2Kとの当接部である現像領域(現像位置)において、感光体2K表面のK用の静電潜像に付着する。
このトナーの付着によりK用の静電潜像がKトナー像に現像される。
以上、図2を用いてK用のプロセスユニットについて説明したが、Y,M,C用のプロセスユニット1Y,M,Cにおいても、同様のプロセスにより、感光体2Y,M,C表面にY,M,Cトナー像が形成される。
プロセスユニット1Y,M,C,Kの鉛直方向下方には、無端状の中間転写ベルト16を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動させられる転写ユニット15が配置されている。
転写手段である転写ユニット15は、中間転写ベルト16の他に、駆動ローラ17、従動ローラ18、4つの一次転写ローラ19Y,M,C,K、ベルトクリーニング装置21などを備えている。
中間転写ベルト16は、そのループ内側に配置された駆動ローラ17、従動ローラ18、4つの一次転写ローラ19Y,M,C,Kによって張架されている。
そして、中間転写ベルト16は、駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ17の回転力により、同方向に無端移動させられる。
4つの一次転写ローラ19Y,M,C,Kは、このように無端移動させられる中間転写ベルト16を感光体2Y,M,C,Kとの間に挟み込んでいる。
この挟み込みにより、中間転写ベルト16のおもて面と、感光体2Y,M,C,Kとが当接するY,M,C,K用の一次転写ニップが形成されている。
一次転写ローラ19Y,M,C,Kには、転写バイアス電源によってそれぞれプラスの一次転写バイアスが印加されており、これにより、感光体2Y,M,C,Kの静電潜像と、一次転写ローラ19Y,M,C,Kとの間に転写電界が形成される。
ここで、一次転写ローラ19Y,M,C,Kに代えて、転写チャージャーや転写ブラシ等の転写電界を形成できるものも用いることができる。
Y用のプロセスユニット1Yの感光体2Y表面に形成されたYトナーは、感光体2Yの回転にともなって、Y用の一次転写ニップに進入すると、転写電界やニップ圧の作用により、感光体2Y上から中間転写ベルト16上に一次転写される。このようにしてYトナー像が一次転写された中間転写ベルト16は、その無端移動にともなってM,C,K用の一次転写ニップを通過するときに、感光体2M,C,K上のM,C,Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて一次転写される。
この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト16上には4色トナー像が形成される。
転写ユニット15の二次転写ローラ20は、中間転写ベルト16のループ外側に配置されて、ループ内側の駆動ローラ17との間に中間転写ベルト16を挟み込んでいる。
この挟み込みにより、中間転写ベルト16のおもて面と、二次転写ローラ20とが当接する二次転写ニップが形成されている。
二次転写ローラ20には、転写バイアス電源によってプラスの二次転写バイアスが印加される。
このバイアスの印加により、二次転写ローラ20と、アース接続されている駆動ローラ17との間には、二次転写電界が形成される。
転写ユニット15の鉛直方向下方には、用紙Sを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット30がプリンタの筐体に対してスライド着脱可能に配置されている。
この給紙カセット30は、紙束の一番上の用紙Sに給紙ローラ30aを当接させており、これを所定のタイミングで図中反時計回り方向に回転させることで、その用紙Sを給紙後搬送路31に向けて送り出す。
給紙後搬送路31の末端付近には、レジストローラ対32が配置されており、このレジストローラ対32は、給紙カセット30から送り出された用紙Sをローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ用紙Sを上述の二次転写ニップ内で中間転写ベルト16上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、用紙Sを二次転写ニップに向けて送り出す。
二次転写ニップで用紙Sに密着させられた中間転写ベルト16上の4色トナー像は、二次転写電界やニップ圧の影響を受けて用紙S上に一括二次転写され、用紙Sの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
このようにして表面にフルカラートナー像が形成された用紙Sは、二次転写ニップを通過すると、二次転写ローラ20や中間転写ベルト16から曲率分離する。そして、転写後搬送路33を経由して、後述する定着装置34に送り込まれる。
ここで、二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト16には、用紙Sに転写されなかった転写残トナーが付着している。
この転写残トナーは、中間転写ベルト16のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置21によってベルト表面からクリーニングされる。
定着装置34は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ34aと、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ34bとによって定着ニップを形成している。
定着装置34内に送り込まれた用紙Sは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ34aに密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナーが軟化させ、フルカラー画像を用紙Sに定着させる。
定着装置34内から排出された用紙Sは、定着後搬送路35を通過して排紙ローラ対36により機外へと排出され、筐体の上カバー50の上面であるスタック部にスタックされる。
ここで、消耗品であるいずれかのプロセスユニット1を交換するときには、感光体2の近傍に配置されているLEDH70が障害となるため、感光体2近傍から退避する必要がある。
上カバー50及び中カバー40は回転軸51を支点として本体筐体に対し回転可能に保持されており、消耗品交換のときに開閉される。
LEDH70はヘッドホルダ71に保持され、バネ部材によって感光体2に近づく方向に付勢されている。また、ヘッドホルダ71は連結部材76に保持されており、連結部材76の一端は中カバー40に対し、回動部77を介して回動可能に保持されている。
そして、連結部材76が中カバー40に保持されているため、LEDH70は中カバー40の開閉に連動して、感光体2に対して当接、退避することになる。
上述したような現像システムでは、現像装置5の立ち上げ時に放置されていた感光体2の表面電位は0[V]近傍である。そのため、マイナスに電荷されたトナーが現像されないように現像ローラにプラス電圧を印加して画像形成装置を動かし始める。
このとき、前回動作立ち下げ時に感光体2の表面電位がマイナス電位のままの状態だと、次回の動作立ち上げ時、現像ローラ11にプラス電圧が印加されると現像ローラ11、感光体2間での電位差が大きくなる。これにより、感光体2表面に逆荷電トナーや弱荷電トナーなどの意図しない不良トナーが付着してしまう。
これによりトナーが本来付着しないはずの地肌部へ現像してしまう地肌部汚れを発生させてしまい、この地肌部汚れトナーが多い場合はトナー落ちや機内へのトナー飛散の原因となってしまう。
以上、接触一成分現像方式の現像システムを例に挙げて説明を行ったが、非接触現像方式でも同様に不良トナーの付着による地肌部汚れは発生し、二成分現像方式では同様の問題に加えてキャリアの飛散も問題となる。
上述したような不具合を起こさないため、プリンタ100では、動作立ち下げ時には感光体2表面の電位を0[V]近傍に除電するべく、感光体2表面を現像ローラ11の幅分、LEDHで露光する除電を行っている。
しかし、感光体2の現像領域の両端部は、感光体2の保持部材や現像ローラ11の保持部材、感光体2とLEDH70のギャップ管理部材等、現像システムに必要な構造体が密集している。このため、感光体2の現像領域の端部までLEDH70を配置できず、感光体2の現像領域を漏れなく除電することは難しい。
LEDH70を感光体2端部まで配置した場合は、上記の保持部材等を感光体2の現像領域よりも外側に配置せねばならず、保持部材等が取り付けられているプロセスユニットも延長してしまい、それを内蔵するプリンタ100本体も大型化してしまう。
そこで、本実施形態のプリンタ100では、LEDH70とは異なる除電手段として、端部除電LED80を取り付けて除電を行うように構成している(図3参照)。
以下、本実施形態のプリンタ100に好適に用いることができる潜像担持体である感光体2の除電方法、及びその構成について、複数の実施例と変形例を挙げて説明する。
(実施例1)
まず、本実施形態のプリンタ100に用いることができる感光体2の除電方法、及びそれに係る構成の実施例1について、図を用いて説明する。
図3は、本実施例に係る、感光体2の回りの除電露光に係る構成部材の感光体長手方向(主走査方向)に直交する断面の配置説明図である。図4は、本実施例に係る、感光体2の回りの除電露光に係る構成部材の感光体長手方向の配置説明図であり、図4(a)が、感光体2上の現像ローラ11による現像幅、LEDH70による書込み幅、及び現像幅における書込み幅外(LEDH露光領域外)に着目した配置説明図。そして、図4(b)が、感光体2上の現像幅における書込み幅外を除電露光する端部除電LEDに着目した配置説明図である。
図3に示すように、感光体2の回りには、帯電ローラ4、LEDH70、現像ローラ11、中間転写ベルト16に一次転写されずに感光体2上に残った転写残トナーを除去する感光体クリーニング装置3等が配置されている。
加えて、本実施例の構成では、帯電ローラ4による一様帯電位置と、LEDH70による除電露光位置(潜像書込み位置)との間で、感光体2の現像領域の長手方向両端部近傍を除電露光する除電手段である端部除電LED80を感光体2から離して配置している。
そして、感光体2の長手方向に関しては、図4(a)に示すように、LEDH70による露光領域である書込み幅に対して、現像ローラ11が現像剤を担持する現像剤担持幅である現像幅が大きい場合、LEDH70の露光領域外の領域ができることとなる。
この領域を、本実施例で取り付けた端部除電LED80により除電露光を行い、LEDH70の露光領域外の地汚れやトナー落ち等の不具合の改善を行う。
上記端部除電LED80による除電露光は、LEDH70の露光領域外を漏れなく除電することが目的であり、印刷動作中のような静電潜像時の厳しい精度を必要としない。このため、端部除電LED80は、LEDH70よりも解像度が低く、LEDHより上部に設置されており、LEDH70の指向性の高い光を照射するのではなく、拡散光を照射することにより、非露光領域を含むその周囲に光を当てて除電露光を行っている。
このようにLEDH70よりも感光体2表面から離れた位置から周囲を露光することにより、感光体2や現像ローラ11、LEDH70の保持部材であるヘッドホルダ71の位置ズレにより変動する非露光領域の全てを除電することが可能となる。
そして、端部除電LED80がLEDH70の露光領域外を除電露光するタイミングはプリンタ100の印刷動作後又は、調整動作後に行う。
上述したように、本実施例の感光体2の除電方法は、次のようなプリンタ100に用いられるものである。
感光体2と、感光体2を一様帯電させる帯電ローラ4と、感光体2を露光して静電潜像を形成するLEDを用いたLEDH70と、感光体2に形成された静電潜像に現像剤を供給して現像を行う現像装置5と、を備えたプリンタ100である。また、現像されたトナー像を中間転写ベルト16に転写する一次転写ローラ19も備え、一次転写ローラ19によるトナー像の転写後、感光体2の表面移動を停止させるときに、感光体2表面を除電するプリンタ100である。
そして、プリンタ100は、LEDH70とは別に感光体2を除電する端部除電LED80を備え、感光体2の現像領域内の長手方向における、LEDH70による露光領域はLEDH70の露光により除電を行う。一方、感光体2の現像領域内の長手方向における、LEDH70による露光領域外は端部除電LED80で除電する。
このように構成することで、次のような効果を奏することができる。
現像装置5の動作立ち上げ時、放置された感光体2の表面電位は0[V]近傍であるため、「−」に帯電したトナーを用いる場合、トナーが現像されないように、現像装置5の現像ローラ11に現像電圧「+」を印加して動かし始める。
仮に、前回動作立ち下げにて、感光体2表面電位が「−」のままの状態だと、次回動作立ち上げ時の現像ローラ11に対する現像電圧「+」の印加により、現像領域での電位差が大きくなり、感光体2表面に意図しないトナーや不良トナーが付着してしまう。これによりトナーが本来付着しないはずの地肌部へ現像してしまい、トナー落ちや機内へのトナー飛散の原因となってしまう。
このような不具合の発生を抑制するために、発光素子を用いた露光手段による露光幅を記録材の主走査方向の最大サイズよりも大きくしている従来の画像形成装置では、設置に要する空間が小型化し難い露光手段の主走査方向のサイズを小さくできない。
このため、画像形成装置の小型化が困難になるおそれがあった。
ここで、設置の要する空間が小型化し難い理由は、上述したように、感光体2等の現像領域の両端部は、感光体2の保持部材や現像ローラ11の保持部材、感光体2とLEDH70のギャップ管理部材等、現像システムに必要な構造体が密集している。このため、感光体2の現像領域の端部までLEDH70を配置できないためである。
一方、本実施例の除電方法では、LEDH70による露光幅を、プリンタ100の最大印字パターン幅まで狭めても、LEDH70による除電露光と、LEDH70とは別に端部除電LED80による除電により、感光体2の現像幅の全域を除電することができる。
よって、LEDを用いたLEDH70による露光幅を、プリンタ100の最大印字パターン幅まで狭めても、トナーの地肌部現像やトナー落ち等の不具合の発生を抑制できる感光体2の除電方法を提供できる。
また、印字パターン幅<現像幅のLEDH70を感光体2の除電に用いても、感光体2の現像幅の両端部まで除電露光をすることが可能となり、LEDH70の延長を行わずにトナーの地肌部現像やトナー落ち等の不具合を解消することができる。
また、本実施例の感光体2の除電方法では、除電手段である端部除電LED80は、LEDなどの発光素子を用いて感光体2を除電露光する。
このように構成することで、除電手段の小型化が容易になるとともに、除電露光を行う非接触除電方式とすることで、経時での感光体2の摩耗も抑制することができる。
また、本実施例の感光体2の除電方法では、除電手段である端部除電LED80は、感光体2を露光する光量が、LEDH70とは異なるように構成することもできる。
このように構成することで、次のような効果を奏することができる。
LEDH70と端部除電LED80とで行う除電露光はLEDH70による露光領域外を漏れなく除電することが目的であり、静電潜像形成時のような厳しい精度を必要としない。
このため、感光体2を露光する光量をLEDH70と端部除電LED80とで異ならせることで、感光体2までの距離の設定自由度を除電手段で増すことが可能となり、プリンタ100の小型化に貢献できる。
また、本実施例の感光体2の除電方法では、端部除電LED80は、LEDH70と露光するときの解像度が異なるように構成することもできる。
このように構成することで、次のような効果を奏することができる。
LEDH70と端部除電LED80とで行う除電露光はLEDH70による露光領域外を漏れなく除電することが目的であり、静電潜像形成時のような厳しい精度を必要としない。
このため、感光体2を露光するときの解像度をLEDH70と端部除電LED80とで異ならせることで、感光体2までの距離の設定自由度に加え、端部除電LED80の解像度の設定自由度も増すことができ、プリンタ100の小型化、及び低コスト化に貢献できる。
また、本実施例の感光体2の除電方法では、感光体2と端部除電LED80の距離が、感光体2とLEDH70の距離よりも遠く構成することもできる。
このように構成することで、現像システムに係る構成部材が集中する感光体2回りから端部除電LED80を離間させて配置することができ、プリンタ100の小型化に、更に貢献できる。
また、本実施例の感光体2の除電方法では、端部除電LED80とLEDH70と除電する除電範囲が、感光体2の長手方向の現像領域以上の長さとしている。
このように構成することで、感光体2上の現像領域を漏れなく、確実に除電できる。
(変形例)
上述した本実施例では、図3に示すように、帯電ローラ4による帯電位置とLEDH70による除電露光位置の間に端部除電LED80を配置したが、本実施例の感光体2の除電方法に係る端部除電LED80の配置位置はこのような位置に限定されるものではない。
以下に、本変形例の感光体2の除電方法に係る、端部除電LED80の配置位置の複数の例を、図を用いて説明する。
図5は、本実施例の変形例に係る、感光体2の端部除電LED80の配置位置の例の説明図であり、図5(a)が、感光体2の表面移動方向、一次転写ニップ部と感光体クリーニング装置3の間の位置を除電露光するように端部除電LED80の配置した例の説明図である。そして、図5(b)が、感光体2の表面移動方向、LEDH70で除電露光する位置と感光体2に現像ローラ11が対向する現像位置との間の位置を除電露光するように端部除電LED80の配置した例の説明図である。
端部除電LED80の配置位置としては、例えば、端部除電LED80を含む感光体2の回りの構成部材の配置場所のレイアウトやコストが許すのであれば、図5(a)や図5(b)のようなプロセスユニット1の位置に配置しても良い。
すなわち、図5(a)に示すように、端部除電LED80を、感光体2の表面移動方向、一次転写ニップ部と感光体クリーニング装置3の間の位置を除電露光するように配置しても良い。
また、図5(b)に示すように、端部除電LED80を、感光体2の表面移動方向、LEDH70で除電露光する位置と感光体2に現像ローラ11が対向する現像位置との間の位置を除電露光するように配置しても良い。
(実施例2)
次に、本実施形態のプリンタ100に用いることができる感光体2の除電方法、及びその構成に係る実施例2について説明する。
ここで、本実施例の感光体2の除電方法は、上述した実施例1と、露光手段であるLEDH70と、除電手段である端部除電LED80を、それぞれ適切なタイミングで点灯させ、これらに応じて現像電圧、帯電電圧や、転写電圧の切り替えを行う点が異なる。
上記異なる点を除くと、本実施例の感光体2の除電方法、及びその構成は上述した実施例1と同様である。したがって、同一又は同様な構成、及びその効果については、適宜、省略して説明するとともに、特に、区別する必要が無い限り、同様な構成部材については、同一の符号を付して説明する。
まず、露光手段であるLEDH70により、潜像担持体である感光体2の除電露光を行う理由について、図を用いて説明する。
図6は、本実施例に係る、印刷動作後、長時間放置された後に調整・印刷動作を開始するときと、前回印刷動作時に感光体除電を行わず、次回、印刷動作を開始するときの、感光体2の表面電位の説明図である。そして、図6(a)が、印刷動作後、長時間放置された後に調整・印刷動作を開始する際の説明図、図6(b)が、帯電開始部が現像領域に到達する際の説明図である。また、図6(c)が、前回印刷動作時に感光体除電を行わず、次回、印刷動作を開始するときの感光体2の表面電位の説明図である。
プリンタや複合機等の電子写真方式の画像形成装置では、図6(a)に示すように、前回の(印刷・機械)動作終了から長時間放置された状態の感光体2の表面電位は、暗減衰により0[V]近傍となる。
このため、再度、動作が開始される場合、「−」荷電のトナーが現像されないようにするため、動作開始直後は、現像電圧「+」(例えば+250[V])を印加させる。
また、図6(a)に示すように帯電ローラ4に帯電電圧「−」(例えば、−1100[V])を印加開始した後、図6(b)に示すように感光体2の帯電開始部が現像領域に到達するタイミングで、現像ローラ11に印加する現像電圧を「−」に切り替える。そして、以降は機械動作が継続する間、現像電圧「−」印加を継続する。
一方、前回動作終了後、すぐ次の動作が開始される場合、仮に、前回動作時に感光体除電を行わず、動作終了時にて、図6(c)に示すように、感光体2の表面電位が「−」(例えば−500[V])のままの状態だとする。
この状態だと、次回動作開始時に、現像ローラ11への現像電圧「+」(例えば+250[V])の印加により、現像部(現像領域)で電位差、つまり地肌ポテンシャルの絶対値が大きくなってしまう(例えば−750[V])。
このように大きくなると、意図しないトナーの消費量増加やトナー落ち・機内トナー飛散の原因となってしまう。
このような不具合の発生を抑制するため、動作終了時に、感光体表面電位を0[V]近傍に除電するべく、感光体2の全幅(現像幅)を除電露光する感光体除電シーケンスを実施する。
ここで、地肌ポテンシャルについて説明するとともに、図を用いて現像量との関係についても説明しておく。
図7は、地肌ポテンシャルと感光体2上の地肌部に現像される(付着する)現像剤量の関係の例を示した図である。
地肌ポテンシャルとは、現像領域における感光体2等の潜像担持体の表面電位と現像電位の差(表面電位−現像電圧)で定義されるものである。
「−」荷電トナーは、地肌ポテンシャルが「+」であれば現像されるが、逆に地肌ポテンシャルが「−」側に大きくなっても、図7のように現像量が増加してしまうことが知られている。このため、トナーを極力現像したくない状況においては、本実施例では地肌ポテンシャルを−100〜−300[V]に設定している。
次に、露光手段であるLEDH70だけで、除電露光を行う場合の感光体除電シーケンスの例について、図を用いて説明する。
図8は、露光手段であるLEDH70だけで、除電露光を行う場合の感光体除電シーケンスの例の説明図であり、図8(a)が、帯電電圧出力である帯電HVP、及び(一次)転写電圧出力である(一次)転写HVPの設定自由度がある例の説明図である。また、図8(b)が、感光体2上の除電露光を開始する点(位置)が、LEDH70で除電露光する位置に到達したときに帯電電圧出力をOFF(オフ)にする例の説明図である。
ここで、図8(a)、図8(b)図中、Aで示すタイミングAは、感光体除電シーケンスの開始点であり、感光体2上のLEDH70で除電露光を開始する任意の点(以下、適宜、除電露光開始点という。)が転写領域にあるタイミングである。
また、図中、Bで示すタイミングBは、除電露光開始点がLEDH70による除電露光領域(露光領域)に到達するタイミングであり、Bで示すタイミングBは、除電露光開始点がLEDH70による除電露光領域に到達するタイミングである。
そして、図中、Cで示すタイミングCは、除電露光開始点が現像領域に到達するタイミングであり、Dで示すタイミングDは、除電露光開始点が除電露光されてから1周分+αの距離だけ表面移動したタイミングである。
また、図8(a)、図8(b)図中、T1(A〜B)で示す時間は、除電露光開始点が、転写領域からLEDH70による除電露光領域に移動する時間であり、T2で示す時間は、除電露光開始点が、帯電領域から除電露光領域に移動する時間である。また、T3(B〜C)で示す時間は、除電露光開始点が、除電露光領域から現像領域に移動する時間であり、T4(B〜D)で示す時間は、除電露光開始点が、感光体1周分(+α)だけ表面移動する時間である。
いずれかの感光体除電シーケンスを開始する前は、LEDH70をOFF、帯電HVPを通常出力(−)、現像電圧出力である現像HVPを通常出力(−)、転写HVPを通常出力(+)で感光体モータを駆動している調整動作もしくは印刷動作にある。
図8(a)に示す例では、感光体モータは、調整動作もしくは印刷動作にあると駆動状態にあり、タイミングDで停止する。
除電露光は、除電露光開始点が、LEDH70による除電露光領域に到達するタイミングBでON(オン)にして、タイミングDでOFFにする。
帯電HVPは、除電露光開始点が帯電領域に到達したで、又はタイミングDから、除電露光開始点が帯電領域から除電露光領域に到達するのに要する時間:T2の分だけさかのぼった位置に到達した時点で通常出力(−)からOFFに切り替える。
現像HVPは、除電露光開始点が、現像領域に到達するタイミングで、通常出力(−)とは逆の「+」の出力に切り替え、タイミングDでOFFにする。
(一次)転写HVPは、除電露光開始点が、転写領域に到達するタイミングAで、通常出力(+)から、OFFに切り替える。又は、「弱」出力に切り替えて、除電露光された後、1周分+αの距離だけ表面移動した感光体除電シーケンスの終了時点、つまりタイミングDでOFFにする。
この図8(a)に示す例は、上述したように帯電HVPと、(一次)転写HVPの設定に自由度がある。
図8(b)に示す例では、上述した図8(a)に示す例とは次のタイミングだけが異なる。
帯電HVPは、除電露光開始点が除電露光領域に到達するタイミングBで、通常出力(−)からOFFに切り替える。
(一次)転写HVPは、除電露光開始点が、転写領域に到達するタイミングAで、通常出力(+)から、「弱」出力に必ず切り替え、除電露光された後、1周分+αの距離だけ表面移動した感光体除電シーケンスの終了時点、つまりタイミングDでOFFにする。
上述した図8(a)、図8(b)に示す感光体除電シーケンスの例のいずれかを用いて、感光体2の現像幅全体を、LEDH70で除電露光することで、良好な感光体の除電が行える。
しかし、本来、印字パターン書き込み用の露光手段であるLEDH70の最大印字パターン幅は、現像幅よりも狭い(印字パターン幅<現像幅)ことが一般的であり、LEDH70のみでは、感光体2の現像幅の全体を除電露光することができない。
このため、上述した実施例1や本実施例の除電方法、及びその構成では、LEDH70の露光範囲外に、別の除電手段である端部除電LED80を配置することとしている。
ここで、感光体2回りの各現像システム(現像プロセス)に関わる構成部材の配置を、再度、より実施例1の説明で用いた図3及び図4を、より簡略化した図を用いて確認しておく。
図9は、本実施例に係る、感光体2回りの除電露光に係る構成部材の配置の説明図であり、図9(a)が、感光体長手方向に直交する断面の配置説明図、図9(b)が、感光体長手方向の配置説明図である。
本実施例では、感光体2の除電露光の手段として、図9(a)、図9(b)に示すように、印字パターン書き込み用の露光手段であるLEDH70と、LEDH70による露光範囲外を除電する端部除電LED80を用いている。
端部除電LED80は、感光体2の回転方向に対して、LEDH70の前後に取り付けるのが好ましい。本実施例では、図9(a)のように、LEDH70の上流側にLEDH保持部材であるヘッドホルダ71に対して取り付けられる(図1参照)。また、図9(b)のように、LEDH70の露光領域に対して両端部にて、除電露光領域が重なるように取り付けられる。
このように、図9(a)、図9(b)に示すように、感光体2の回転方向(表面移動方向)に対して、露光手段であるLEDH70と、感光体2長手方向の両端部近傍を除電する除電手段である端部除電LED80は異なる位置に配置されることが多い。
LEDH70と端部除電LED80の除電露光開始タイミングを適切に設定できないと、動作終了時の、LEDH70と端部除電LED80のそれぞれの除電露光開始タイミングによっては、感光体2の長手方向の除電開始領域のバラツキが大きくなる。
このように大きいと、LEDH70と端部除電LED80のいずれかで除電露光が行われていない感光体2表面部分が現像領域に停止して、トナーの地肌部現像やトナー落ち等の不具合の発生の抑制効果が潜像担持体の主走査方向で部分的に低下するおそれが高まる。
そこで、本実施例の感光体2の除電方法では、動作終了時の、LEDH70と端部除電LED80のそれぞれの除電露光開始タイミングを調整し、感光体2の長手方向の除電開始領域を揃え、トナーの地肌部現像、トナー落ち・機内トナー飛散をなくすこととした。
ここで、図を用いて感光体2の回転方向(表面移動方向)における、LEDH70と端部除電LED80それぞれの除電露光範囲と、それぞれの間の距離と、感光体2の回転速度(表面移動速度・線速)との関係について説明する。
図10は、本実施例に係る、LEDH70と端部除電LED80それぞれの除電露光範囲と、それぞれの間の距離と、感光体2の回転速度(表面移動)との関係の説明図である。
図10に示すように、端部除電LED80による除電露光範囲の、感光体2の表面移動方向の露光最上流点と、LEDH70による感光体2上の露光部との距離をLmax[mm]とする。
また、端部除電LED80による除電露光範囲の、感光体2の表面移動方向の露光最下流点と、LEDH70による感光体2上の露光部との距離をLmin[mm]とする。
また、感光体2の回転速度、つまり感光体2表面の線速をV[mm/s]、端部除電LED80による除電露光開始から、LEDH70による除電露光開始までの時間をT[s]とするとする。
そして、動作終了時の、LEDH70と端部除電LED80による、感光体2の長手方向の除電開始領域の除電露光範囲を揃えるためには、端部除電LED80の除電露光開始をLmin/V=Tの時間だけ、LEDH70の除電露光開始よりも早く開始すれば良い。
しかし、感光体2、端部除電LED80、及びLEDH70等の配置や感光体2の表面移動速度を、狙った値に設定・維持することは、プリンタ100の制作時に限らず、運用時でも困難である。
そこで、本実施例の感光体2の除電方法では、次の式1の関係を満たすように設定することとした。
Lmin ≦V・T ≦ Lmax ・・・ (式1)
このように構成することで、次のような効果を奏することができる。
上記(式1)を満たすようにLmax[mm]、Lmin[mm]、T[s]を設定することで、動作終了時の、LEDH70と端部除電LED80のそれぞれの除電露光開始タイミングを調整し、感光体2の長手方向の除電開始領域のバラツキを低減できる。
このように低減することで、LEDH70と端部除電LED80のいずれかで除電露光が行われていない感光体表面部分が現像部に停止して、トナーの地肌部現像やトナー落ち等の不具合の発生の抑制効果が感光体2の長手方向で部分的に低下することを低減できる。
よって、LEDを用いたLEDH70による露光幅を、プリンタ100の最大印字パターン幅まで狭めても、トナーの地肌部現像やトナー落ち等の不具合の発生を、より良く抑制できる感光体2の除電方法を提供できる。
次に、印字パターン書き込み用の露光手段であるLEDH70と、その露光範囲外を露光する端部除電LED80とで、感光体2を除電露光する場合の感光体除電シーケンスの例について、複数の具体例を挙げ、図を用いて説明する。
図11、図12、図13は、いずれも本実施例の感光体2の除電方法の、感光体除電シーケンスの例の説明図である。また、図11(a)が、具体例1の感光体除電シーケンスの説明図、図11(b)が、具体例2の感光体除電シーケンスの説明図、図12(a)が、具体例3の感光体除電シーケンスの説明図、図12(b)が、具体例4の感光体除電シーケンスの説明図である。そして、図13が、具体例5の感光体除電シーケンスの説明図である。
以下、の各具体例の説明では、図8を用いて説明した、露光手段であるLEDH70だけで、除電露光を行う場合の感光体除電シーケンスの各例と、同様な構成については、適宜、省略して説明する。
(具体例1)
まず、本実施例の感光体除電シーケンスの具体例1につい説明する。
図11(a)に示す本具体例では、図8(a)を用いて説明した例と同様に、LEDH70による除電露光は、LEDH70による除電露光開始点が、LEDH70による除電露光領域に到達するタイミングBでON(オン)にして、タイミングDでOFFにする。
一方、端部除電LED80による除電露光は、LEDH70による除電露光開始タイミングよりも、端部除電LED80の除電露光開始だけを、Lmin/V=Tの時間だけ早めて開始する。具体的には、端部除電LED80によるによる除電露光開始点が、端部除電LED80によるによる除電露光領域に到達するタイミングでON(オン)にする。そして、タイミングDでOFFにする。
帯電HVPは、LEDH70による除電露光開始点が帯電領域に到達した時点で、図11(a)に示すように通常出力(−)からOFFに切り替えることも、出力値を弱めた後、タイミングDでOFFすることもできる。
現像HVPは、図8(a)と同様に、LEDH70による除電露光開始点が、現像領域に到達するタイミングで、通常出力(−)とは逆の「+」の出力に切り替え、タイミングDでOFFにする。ここで、感光体がLEDH除電露光領域から現像領域に移動する時間:T3を用いて説明すると、現像HVPは、タイミングBのT3後に、「−」出力から「+」出力に切り替える必要がある。これは、トナーが現像されてしまうのを防ぐためである。
(一次)転写HVPは、LEDH70による除電露光開始点が、転写領域に到達するタイミングAで、通常出力(+)から、「弱」出力に切り替える。そして、除電露光された後、1周分+αの距離だけ表面移動した感光体除電シーケンスの終了時点、つまりタイミングDでOFFにする。
ここで、感光体モータ、(一次)転写HVPの制御タイミングは、図8(a)と同様である。
すなわち、感光体除電シーケンスの開始点であるタイミングAの、感光体2の任意の点が転写領域からLEDH70による除電露光領域に移動する時間T1後(タイミングB)、端部除電LED80の発光を開始させる。
端部除電LED80の露光点灯開始から、LEDH70の除電露光点灯開始までの時間をTとすると、端部除電LED80は、タイミングBの時間:T分だけ前に到達した時点露光開始させる。これは、感光体2の長手方向の除電開始位置を、端部と非端部で揃えるためである。
そして、タイミングBにおける、感光体2の表面位置が、1回転+αの時間:T4経過して移動した後(タイミングD)、機械停止させる。ここで、「+α」としては、本実施例では、感光体2の周長94[mm]に対して、5〜10[mm]を移動する時間に相当する時間を設定している。
(具体例2)
次に、本実施例の感光体除電シーケンスの具体例2について説明する。
本具体例の感光体除電シーケンスは、上述した具体例1と、端部除電LED80をOFF(オフ)、つまり端部除電LED80を発光停止(露光終了)させるタイミングだけ異なる。
図11(b)に示す本具体例では、上述したように、具体例1の光体除電シーケンスと端部除電LED80を発光停止(露光終了)させるタイミングだけを異ならせている。
具体的には、端部除電LED80の露光開始(除電露光開始)から、図11(b)に示すように感光体2が1回転+αの距離だけ移動したら発光停止(露光終了)することも、その時点からタイミングDまでの間で発光停止(露光終了)にすることもできる。
(具体例3)
次に、本実施例の感光体除電シーケンスの具体例3について説明する。
本具体例の感光体除電シーケンスは、上述した具体例1と、帯電HVPをOFF(オフ)、又は弱めるタイミングだけ異なる。
図12(a)に示す本具体例では、感光体2の任意の点が帯電領域からLEDH70の除電露光領域に移動する時間:T2の分だけ、タイミングDよりも早い位置に、LEDH70による除電露光開始点が到達した時点で、帯電HVPをOFFする。又は、この時点で弱めた後、タイミングDでOFFする。
ここで、具体例1や具体例2のように、帯電HVPは、タイミングBのT2分移動前、以降から出力値を弱める、もしくは出力をOFFすることが可能であり、タイミングDのT2前にOFFする必要がある。これは、感光体2を除電させる(帯電させない)ためである。すなわち、帯電HVPをOFFにするタイミングとしては、図11(a)で示すタイミングと図12(a)で示すタイミングの間に設定することができる。
(具体例4)
次に、本実施例の感光体除電シーケンスの具体例4について説明する。
本具体例の感光体除電シーケンスは、上述した具体例1と、(1次)転写をOFF(オフ)タイミングだけ異なる。
図12(b)に示す本具体例では、LEDH70による除電露光開始点が(一次)転写領域に到達したタイミングAで、通常出力(+)からOFF(オフ)に切り替える。
ここで、図12(b)に示す本具体例のように、(一次)転写HVPは、タイミングA以降からOFF(オフ)したり、具体例1、具体例2、具体例3のように出力値を弱める、もしくは出力をOFFしたりすることが可能である。これは、一次転写電圧を過度に「+」にすることで、感光体表面電位を「+」に帯電させてしまうのを防ぐためである。
(具体例5)
次に、本実施例の感光体除電シーケンスの具体例5について説明する。
本具体例の感光体除電シーケンスは、上述した具体例1と、帯電HVPを切り換えるタイミングだけ異なる。また、この帯電HVPを切り換えるタイミングは、上述した具体例2、具体例3、具体例4とも異なる。
図13に示す本具体例では、帯電HVPの切り替え(変更)タイミングをタイミングBに揃えることで、トリガ動作を減らしてソフトウェア動作処理の負荷低減が図っている。
次に、本実施例で用いる感光体2の電位特性の例について、図を用いて説明する。
図14は、本実施例で用いる感光体2の電位特性の例につての説明図であり、図14(a)が、感光体2の時間経過にともなう表面電位の変化の説明図、図14(b)が、感光体2の除電露光されるときの光量変化にともなう表面電位の変化の説明図である。
感光体2の表面電位については、次のようなことが従来から知られている。
図14(a)に示すように、帯電電圧の印加により、「−」側の電位を得る。その後、LEDH70や端部除電LED80等で光を当てなくても、わずかに、その表面電位は0に近づく、暗減衰が生じる。そして、LEDH70や端部除電LED80等で光を当てることで急速に、その表面電位が0[V]に近づく、光減衰が生じることである。
また、本実施例の感光体2の除電方法で用いるLEDH70や端部除電LED80による感光体露光量は、機械動作時の感光体2の最速状態において、図14(b)に示す光量Pのように、充分な光減衰となるよう設定される。
ここで、感光体2の最速状態とは、感光体2の表面移動速度が最速の状態で移動して、LEDH70や端部除電LED80による露光時間が最も短くなり、各露光エネルギーが最小となる状態のことである。
ここで、LEDH70の感光体露光領域は各スポット径が50〜100[μm]程度と微小であるのに対して、端部除電LED80は[mm]単位(本実施例では感光体の回転方向1〜2mm程度)と広範囲(本実施例では20倍)であるという相違点がある。
これらの領域を感光体2が通過する間、感光体2は各光源により、光量P等のエネルギーを受け、表面電位を落とす。
このときの通過距離がn(0≦n≦1)の時点(感光体が受けた光量はnP)であっても、感光体表面電位は0[V]近傍になることになる。
従って、端部除電LED80の領域において、感光体除電が完了したと見なせるポイントは、端部除電LED80による除電露光領域の最上流点と最下流点の間に位置することになる。
次に、本実施例の感光体2の除電方法における、端部除電LED80の経時劣化の考慮について説明する。
発光量は発光時間に応じて低下するため、端部除電LED80の経時使用にともない、端部除電露光の領域における感光体除電が完了したと見なせるポイントは、下流側にシフトする。
プリンタ100に、端部除電露光の発光時間に相当するものを計測するカウンタと、カウンタ値に応じて端部除電露光完了ポイントを補正する制御を備えることで、端部除電露光の発光経時劣化によるタイミングのずれを防ぐことができる。
具体的には、以下のように構成する。
端部除電LED80の使用履歴が比較的少ない状態での、端部除電LED80による露光開始から、LEDH70による露光開始までの時間をTa[s]とする。
また、端部除電LED80の使用履歴が比較的多い状態での、端部除電LED80による露光開始から、LEDH70による露光開始までの時間をTb[s]とする。
これらのように定義したとき、次の式2を満たすように構成する。
Lmin ≦ V・Tb ≦ V・Ta ≦ Lmax ・・・ (式2)
このように構成することで、次のような効果を奏することができる。
端部除電LED80の使用による経時劣化に対して、トナーの地肌部現像を防ぎ、トナー落ち、機内トナー飛散問題を回避することができる。
次に、プリンタ100が、印刷用紙を「厚紙」設定にした場合などで、機械動作速度が通常の半速等に低下するモードを有する場合にて説明する。
このように複数の回転速度(線速)で感光体2を駆動するプリンタ100で、機械動作停止間際に「機械動作速度が低速」かつ「端部除電露光を通常光量で点灯させる」場合、端部除電露光の領域において、感光体除電が完了したと見なせるポイントは、次のようになる。
すなわち、通常速度時よりも上流に位置することになる。
このようにプリンタ100を構成した場合においても、プリンタ100に、感光体2の回転速度に応じて端部除電露光完了ポイントを補正する制御を備えることで、タイミングのずれを防ぐことができる。
具体的には、以下のように構成する。
プリンタ100は、感光体2表面を複数の回転速度で駆動することができるものとする。
ここで、高速駆動時の感光体2表面の回転速度をVh[mm/s]とする。
また、高速駆動時の端部除電LED80による露光開始から、LEDH70による露光開始までの時間をTh[s]とする。
一方、低速駆動時の感光体2表面の回転速度をVl[mm/s]とする。
また、低速駆動時の端部除電LED80による露光開始から、LEDH70による露光開始までの時間をTl[s]とする。
これらのように定義したとき、次の式2を満たすように構成する。
Lmin ≦ Vh・Th ≦ Vl・Tl ≦ Lmax ・・・ (式3)
このように構成することで、次のような効果を奏することができる。
異なる感光体2の駆動速度(回転速度)のモードを有するプリンタ100において、それぞれの駆動速度のモードでトナーの地肌部現像を防ぎ、トナー落ち、機内トナー飛散問題を回避することができる。
そして、本実施形態の画像形成装置は、上述した各実施例、及び変形例の感光体2の除電方法を用いることで、上述した各実施例、及び変形例の感光体2の除電方法と同様な効果を奏することができるプリンタ100を提供できる。
以上、本実施形態について、図面を参照しながら説明してきたが、具体的な構成は、上述した本実施形態の感光体2の除電方法を備えたタンデム式のカラーであるプリンタ100の構成に限られるものではなく、要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等を行っても良い。
例えば、モノクロ対応のプリンタや、ファキシミリ、複写機、及びこれらのいずれかの機能を兼ね備えた複合機等の画像形成装置にも、適用可能である。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
感光体2などの潜像担持体と、該潜像担持体を一様帯電させる帯電ローラ4などの帯電手段と、前記像担持体を露光して静電潜像を形成するLEDなどの発光素子を用いたLEDH(LEDヘッド)70などの露光手段と、前記潜像担持体に形成された静電潜像に現像剤を供給して現像を行う現像装置5などの現像手段と、現像されたトナー像を中間転写ベルト16などの被転写体に転写する一次転写ローラ19などの転写手段と、を備え、前記転写手段によるトナー像の転写後、前記潜像担持体の表面移動を停止させるときに、前記潜像担持体の表面を除電するプリンタ100などの画像形成装置に用いられる潜像担持体の除電方法において、前記画像形成装置は、前記露光手段とは別に前記潜像担持体を除電する端部除電LED80などの除電手段を備え、前記潜像担持体の現像領域の内、前記露光手段による露光領域は該露光手段の露光により除電を行い、前記露光手段による露光領域外は前記除電手段で除電することを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。
現像手段の動作立ち上げ時、放置された潜像担持体の表面電位は0[V]近傍であるため、「−」に帯電したトナーを用いる場合、トナーが現像されないように、現像手段の現像剤担持体に現像電圧「+」を印加して動かし始める。
仮に、前回動作立ち下げにて、潜像担持体の表面電位が「−」のままの状態だと、次回動作立ち上げ時の現像剤担持体に対する現像電圧「+」の印加により、現像位置での電位差が大きくなり、潜像担持体の表面に意図しないトナーや不良トナーが付着してしまう。これによりトナーが本来付着しないはずの地肌部へ現像してしまい、トナー落ちや機内へのトナー飛散の原因となってしまう。
このような不具合の発生を抑制するために、発光素子を用いた露光手段による露光幅を記録材の主走査方向の最大サイズよりも大きくしている従来の画像形成装置では、設置に要する空間が小型化し難い露光手段の主走査方向のサイズを小さくできない。
このため、画像形成装置の小型化が困難になるおそれがあった。
一方、本態様の除電方法では、発光素子を用いた露光手段による露光幅を、画像形成装置の最大印字パターン幅まで狭めても、露光手段による除電露光と、露光手段とは別に備えた除電手段による除電により、潜像担持体の現像幅の全域を除電することができる。
よって、発光素子を用いた露光手段による露光幅を、画像形成装置の最大印字パターン幅まで狭めても、トナーの地肌部現像やトナー落ち等の不具合の発生を抑制できる潜像担持体の除電方法を提供できる。
また、印字パターン幅<現像幅の露光手段を潜像担持体の除電に用いても、潜像担持体の現像幅の両端部まで除電露光をすることが可能となり、露光手段の延長を行わずにトナーの地肌部現像やトナー落ち等の不具合を解消することができる。
(態様B)
(態様A)において、前記除電手段は、LEDなどの発光素子を用いて潜像担持体を除電露光することを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、除電手段の小型化が容易になるとともに、除電露光を行う非接触除電方式とすることで、経時での潜像担持体の摩耗も抑制することができる。
(態様C)
(態様B)において、前記除電手段は、前記潜像担持体を露光する光量が、前記露光手段とは異なることを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。
露光手段と除電手段とで行う除電露光は露光手段による露光領域外を漏れなく除電することが目的であり、静電潜像形成時のような厳しい精度を必要としない。
このため、潜像担持体を露光する光量を露光手段と除電手段とで異ならせることで、潜像担持体までの距離の設定自由度を除電手段で増すことが可能となり、画像形成装置の小型化に貢献できる。
(態様D)
(態様B)又は(態様C)において、前記除電手段は、前記露光手段と露光するときの解像度が異なることを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。
露光手段と除電手段とで行う除電露光は露光手段による露光領域外を漏れなく除電することが目的であり、静電潜像形成時のような厳しい精度を必要としない。
このため、潜像担持体を露光するときの解像度を露光手段と除電手段とで異ならせることで、潜像担持体までの距離の設定自由度に加え、除電手段の解像度の設定自由度も増すことができ、画像形成装置の小型化、及び低コスト化に貢献できる。
(態様E)
(態様A)乃至(態様D)のいずれかにおいて、前記潜像担持体と前記除電手段の距離が、前記潜像担持体と前記露光手段の距離よりも遠いことを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、現像システムに係る構成部材が集中する潜像担持体回りから除電手段を離間させて配置することができ、画像形成装置の小型化に、更に貢献できる。
(態様F)
(態様A)乃至(態様E)のいずれかにおいて、前記除電手段と前記露光手段と除電する除電範囲が、感光体2の長手方向などの前記潜像担持体の主走査方向の現像領域以上の長さであることを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、潜像担持体上の現像領域を漏れなく、確実に除電できる。
(態様G)
(態様A)乃至(態様F)のいずれかにおいて、前記除電手段は、発光素子を用いて潜像担持体を除電露光するものであり、
前記除電手段による露光最上流点と、前記露光手段による前記潜像担持体上の露光部との距離をLmax[mm]、
前記除電手段による露光最下流点と、前記露光手段による前記潜像担持体上の露光部との距離をLmin[mm]、
前記潜像担持体の表面の線速をV[mm/s]、
前記除電手段による露光開始から、前記露光手段による露光開始までの時間をT[s]とすると、
次の式1の関係を満たすことを特徴とする。
Lmin ≦V・T ≦ Lmax ・・・ (式1)
これによれば、本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。
潜像担持体の表面移動方向における露光手段と除電手段による除電開始位置は異なる場合が多く、動作終了時の、露光手段と除電手段のそれぞれの除電露光開始タイミングによっては、潜像担持体の主走査方向の除電開始領域のバラツキが大きくなる。
このように大きいと、露光手段と除電手段のいずれかで除電露光が行われていない潜像担持体の表面部分が現像領域に停止して、トナーの地肌部現像やトナー落ち等の不具合の発生の抑制効果が潜像担持体の主走査方向で部分的に低下するおそれが高まる。
一方、上記(式1)を満たすようにLmax[mm]、Lmin[mm]、T[s]を設定することで、動作終了時の、露光手段と除電手段のそれぞれの除電露光開始タイミングを調整し、潜像担持体の主走査方向の除電開始領域のバラツキを低減できる。
このように低減することで、露光手段と除電手段のいずれかで除電露光が行われていない潜像担持体の表面部分が現像領域に停止して、トナーの地肌部現像やトナー落ち等の不具合の発生の抑制効果が潜像担持体の主走査方向で部分的に低下することを低減できる。
よって、発光素子を用いた露光手段による露光幅を、画像形成装置の最大印字パターン幅まで狭めても、トナーの地肌部現像やトナー落ち等の不具合の発生を、より良く抑制できる潜像担持体の除電方法を提供できる。
(態様H)
(態様G)において、前記除電手段の使用履歴が比較的少ない状態での、前記除電手段による露光開始から、前記露光手段による露光開始までの時間をTa[s]、
前記除電手段の使用履歴が比較的多い状態での、前記除電手段による露光開始から、前記露光手段による露光開始までの時間をTb[s]とすると、
次の式2の関係を満たすことを特徴とする潜像担持体の除電方法。
Lmin ≦ V・Tb ≦ V・Ta ≦ Lmax ・・・ (式2)
これによれば、本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。
除電手段の使用による経時劣化に対して、トナーの地肌部現像を防ぎ、トナー落ち、機内トナー飛散問題を回避することができる。
(態様I)
(態様G)又は(態様H)において、前記画像形成装置は、前記潜像担持体の表面を複数の線速で駆動することができ、
高速駆動時の前記潜像担持体の表面の線速をVh[mm/s]、
前記高速駆動時の前記除電手段による露光開始から、前記露光手段による露光開始までの時間をTh[s]、
低速駆動時の前記潜像担持体の表面の線速をVl[mm/s]、
前記低速駆動時の前記除電手段による露光開始から、前記露光手段による露光開始までの時間をTl[s]とすると、
次の式3の関係を満たすことを特徴とする潜像担持体の除電方法。
Lmin ≦ Vh・Th ≦ Vl・Tl ≦ Lmax ・・・ (式3)
これによれば、本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。
異なる潜像担持体の駆動速度のモードを有する画像形成装置において、それぞれの駆動速度のモードでトナーの地肌部現像を防ぎ、トナー落ち、機内トナー飛散問題を回避することができる。
(態様J)
潜像担持体と、該潜像担持体を一様帯電させる帯電手段と、前記潜像担持体を露光して静電潜像を形成する発光素子を用いた露光手段と、前記潜像担持体に形成された静電潜像に現像剤を供給して現像を行う現像手段と、前記露光手段とは別に前記潜像担持体を除電する除電手段とを備えた画像形成装置において、前記潜像担持体を除電する除電方法として、(態様A)乃至(態様I)のいずれかの潜像担持体の除電方法を用いることを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、(態様A)乃至(態様I)のいずれかの潜像担持体の除電方法と、同様な効果を奏することができる画像形成装置を提供できる。
1 プロセスユニット
2 感光体
3 感光体クリーニング装置
4 帯電ローラ
5 現像装置
11 現像ローラ
15 転写ユニット
16 中間転写ベルト
19 一次転写ローラ
70 LEDH(LEDヘッド)
71 ヘッドホルダ
80 端部除電LED
100 プリンタ
S 用紙
特許第3457083号公報

Claims (9)

  1. 潜像担持体と、該潜像担持体を一様帯電させる帯電手段と、前記潜像担持体を露光して静電潜像を形成する発光素子を用いた露光手段と、前記潜像担持体に形成された静電潜像に現像剤を供給して現像を行う現像手段と、現像されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、を備え、
    前記転写手段によるトナー像の転写後、前記潜像担持体の表面移動を停止させるときに、前記潜像担持体の表面を除電する画像形成装置に用いられる潜像担持体の除電方法において、
    前記画像形成装置は、前記露光手段とは別に、発光素子を用いて前記潜像担持体を除電する除電手段を備え、
    前記潜像担持体の主走査方向における、前記露光手段による露光領域は該露光手段の露光により除電を行い、前記潜像担持体の現像領域内の主走査方向における、前記露光手段による露光領域外は前記除電手段で除電を行い、
    前記除電手段が除電する除電範囲は、前記露光領域の一部又は全部を含まないことを特徴とする潜像担持体の除電方法
  2. 項1に記載の潜像担持体の除電方法において、
    前記除電手段は、前記潜像担持体を露光する光量が、前記露光手段とは異なることを特徴とする潜像担持体の除電方法。
  3. 請求項1は2に記載の潜像担持体の除電方法において、
    前記除電手段は、前記露光手段と露光するときの解像度が異なることを特徴とする潜像担持体の除電方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一に記載の潜像担持体の除電方法において、
    前記潜像担持体と前記除電手段の距離が、前記潜像担持体と前記露光手段の距離よりも遠いことを特徴とする潜像担持体の除電方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一に記載の潜像担持体の除電方法において、
    前記潜像担持体の主走査方向における、前記現像手段による現像幅が前記露光手段による露光領域よりも大きく、
    前記除電手段と前記露光手段と除電する除電範囲は、前記潜像担持体の主走査方向の現像幅の全域を含むことを特徴とする潜像担持体の除電方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一に記載の潜像担持体の除電方法において、
    記除電手段による露光最上流点と、前記露光手段による前記潜像担持体上の露光部との距離をLmax[mm]、
    前記除電手段による露光最下流点と、前記露光手段による前記潜像担持体上の露光部との距離をLmin[mm]、
    前記潜像担持体の表面の線速をV[mm/s]、
    前記除電手段による露光開始から、前記露光手段による露光開始までの時間をT[s]とすると、
    次の式1の関係を満たすことを特徴とする潜像担持体の除電方法。
    Lmin ≦V・T ≦ Lmax ・・・ (式1)
  7. 請求項6に記載の潜像担持体の除電方法において、
    前記除電手段の使用履歴が比較的少ない状態での、前記除電手段による露光開始から、前記露光手段による露光開始までの時間をTa[s]、
    前記除電手段の使用履歴が比較的多い状態での、前記除電手段による露光開始から、前記露光手段による露光開始までの時間をTb[s]とすると、
    次の式2の関係を満たすことを特徴とする潜像担持体の除電方法。
    Lmin ≦ V・Tb ≦ V・Ta ≦ Lmax ・・・ (式2)
  8. 請求項6は7に記載の潜像担持体の除電方法において、
    前記画像形成装置は、前記潜像担持体の表面を複数の線速で駆動することができ、
    高速駆動時の前記潜像担持体の表面の線速をVh[mm/s]、
    前記高速駆動時の前記除電手段による露光開始から、前記露光手段による露光開始までの時間をTh[s]、
    低速駆動時の前記潜像担持体の表面の線速をVl[mm/s]、
    前記低速駆動時の前記除電手段による露光開始から、前記露光手段による露光開始までの時間をTl[s]とすると、
    次の式3の関係を満たすことを特徴とする潜像担持体の除電方法。
    Lmin ≦ Vh・Th ≦ Vl・Tl ≦ Lmax ・・・ (式3)
  9. 潜像担持体と、該潜像担持体を一様帯電させる帯電手段と、前記潜像担持体を露光して静電潜像を形成する発光素子を用いた露光手段と、前記潜像担持体に形成された静電潜像に現像剤を供給して現像を行う現像手段と、前記露光手段とは別に前記潜像担持体を除電する除電手段とを備えた画像形成装置において、
    前記潜像担持体を除電する除電方法として、請求項1乃至8のいずれか一に記載の潜像担持体の除電方法を用いることを特徴とする画像形成装置。
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