JP2016535147A - ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物、及びその成形品とその成形品の製造方法 - Google Patents

ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物、及びその成形品とその成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明では、ポリフェニレンサルファイド樹脂、及び異形断面ガラス繊維を含むポリフェニレンサルファイド樹脂組成物が提供されており、かつ、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の塩素含有量は1000ppm以下である。得られるポリフェニレンサルファイド樹脂組成物は、優れた流動性、靭性及び剛性を有する。本発明では、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物により得られる成形品及びその製造方法が更に提供されている。特に携帯型パソコン、携帯電話、携帯型電子機器の筐体構成製品の製造に適している。【選択図】図1

Description

本発明はポリマー材料分野に関するものであり、具体的には、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物、及びその成形品とその成形品の製造方法に関するものである。
ポリフェニレンサルファイド樹脂は、優れた流動性、耐高温性、耐腐食性、難燃性、バランスの取れた物理的機械的性能や極めて良好な寸法安定性及び優れた電気性能などの特徴を有しており、電気、電子部品部材または自動車部品部材などの分野に広範に用いられている。
ポリフェニレンサルファイドの分子主鎖が、大量のベンゼン環の繰返し単位により構成され、その他のエンジニアリングプラスチックと比べ、ポリフェニレンサルファイドは容易に結晶化する熱可塑性樹脂であるため、ポリフェニレンサルファイド樹脂は剛性が良好であるが、靭性が劣る。
特許文献1(公告番号CN101553537B)では、ポリフェニレンサルファイド樹脂中に扁平形状断面のガラス繊維を加えることにより、その剛性及び流動性を更に改善しているが、ポリフェニレンサルファイド樹脂は容易に結晶化するため、通常、ガラス繊維などの無機フィラーを加えた後、その組成物の靭性は更に理想的ではなくなり、その製品の耐変形能力が劣り、外力を受けて変形を生じた場合には容易に断裂を発生する。
特許文献2(公告番号CN1314762C)では、水素化SBSまたはEPDM−g−Stとエチレン−メタクリル酸グリシジルとのブレンド物を加えることにより、ガラス繊維補強ポリフェニレンサルファイド樹脂の靭性を高めることが公開されており、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の靭性は高まっているが、その剛性は低下している。特許文献3(公開番号CN101130633A)では、PA6を採用してガラス繊維補強ポリフェニレンサルファイド樹脂の靭性を高めることが公開されており、10%PA6の靭性増強効果が最も良好であり、ノッチ衝撃強さを13kJ/mに到達させることができるが、その剛性は低下している。
また、一方において、現在の電子工業の発展の1つの傾向は、製品の薄肉化であり、材料が高い流動性を有することが所望される。他方、環境に対する影響を減少する観点から考慮し、材料に対してハロゲン含有量を低減するとの要求が不断に高まっている。ポリフェニレンサルファイド樹脂は、p−ジクロロベンゼンとアルカリ金属硫化物またはアルカリ金属水硫化物との重合反応により得られるため、そのポリマーの分子末端に塩素が残留している。ポリマー中の塩素含有量は、通常、ポリマーの分子量により決定されるが、分子量とポリマーの粘度とが関係している。つまり、流動性が高く、粘度が低いと、分子量が低く、総分子末端数が多くなり、塩素含有量が高くなる。かつ、分子量の低下は、ポリマーの機械的性能に対して不利である。現在、ポリフェニレンサルファイド樹脂は、通常、無機フィラーと複合して樹脂組成物を形成することにより使用されており、それは一定程度、樹脂組成物の塩素含有量を減少させたが、樹脂組成物が有することが必須の流動性、機械的強度を考慮した場合、添加する無機フィラーの量を過度に多くすることができないため、限りある無機フィラーの添加のみに頼って複合していては、市場で必要とされる低い塩素含有量水準を得ることができない。そのため、現有技術においては、流動性が高く、かつ、塩素含有量が比較的低く、剛性及び靭性がいずれも良好なポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を提供することができない。
ポリフェニレンサルファイド樹脂成形品の例として、特許文献1(公告番号CN101553537B)では、光学素子に用いられるポリフェニレンサルファイド樹脂成形品が公開されており、その成形品の最も薄い部分の厚みは0.3〜1.4mmである。特許文献4(公告番号CN101679745B)では、耐電圧性部品部材に用いられるポリフェニレンサルファイド樹脂組成物により構成される成形品が公開されている。特許文献5(公開番号CN1644366A)では、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物と金属または無機固体とを嵌入成形して得られる嵌入式成形品が公開されている。自動車部品または電気・電子、OA機器部品などの分野に用いられるが、上記成形品の成形金型は温度がいずれも130℃よりも高く、高い金型温度が、成形品が高い結晶度を有することを容易に招き、成形品の靭性が不足することになる。
現有技術における問題を解決するため、本発明では、優れた流動性を有し、かつ、塩素含有量が低く、同時に、高い靭性及び剛性を有するポリフェニレンサルファイド樹脂組成物が提供されている。
本発明の目的は、以下の措置により達成することができる。
ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物であって、前記ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物は(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂、及び(B)異形断面ガラス繊維を含み、前記ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の塩素含有量は1000ppm以下である。
本発明におけるポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の塩素含有量の下限は特に限定されないが、10ppm以上とすることができ、好適には100ppm以上、より好適には300ppm以上である。
ポリフェニレンサルファイド樹脂は、剛性が良好であるが靭性が劣る熱可塑性樹脂に属しており、本発明では、研究により、再結晶化温度を下げると靭性を高めることができ、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の再結晶化温度が220℃未満であると、より良好な靭性を得ることができることを発見した。本発明において、好適には、前記ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の再結晶化温度は220℃未満である。
より良好な靭性を得ることを考慮した場合、前記ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物は、より好適には再結晶化温度が215℃未満 である。より良好な剛性を得ることを考慮した場合、前記ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の再結晶化温度は、好適には150℃以上、より好適には180℃以上である。
本発明のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物においては、靭性及び剛性を同時に配慮するため、100重量部の(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂に対して、(B)異形断面ガラス繊維は、好適には50〜200重量部である。剛性及び流動性の両方面から考慮すると、100重量部の(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂に対して、(B)異形断面ガラス繊維は、より好適には60〜180重量部、更に好適には80〜150重量部である。
靭性を更に高めることを考慮した場合、前記ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物は、(C)ガラス転移温度が100℃以上である非晶性樹脂を更に含有する。
靭性及び流動性の両方面から考慮すると、100重量部の(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂に対して、(C)ガラス転移温度が100℃以上である非晶性樹脂は、好適には1.5〜35重量部である。より大きな限度で靭性を高め、かつ、流動性を保証するため、(C)ガラス転移温度が100℃以上である非晶性樹脂は、100重量部の(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂に対して、より好適には2〜25重量部、更に好適には4〜15重量部である。
前記非晶性樹脂のガラス転移温度の上限は特に限定されないが、それは400℃以下とすることができ、好適には300℃以下である。
(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂
本発明において使用される(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂は、ポリフェニレンサルファイドポリマーまたは複数種のポリフェニレンサルファイドポリマーの混合物とすることができる。優れた流動性、靭性及び剛性のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を得ることから考慮すると、好適には複数種のポリフェニレンサルファイドポリマーの混合物である。
ポリフェニレンサルファイドポリマーは、以下の構造式(I)で示される繰返し単位を有するポリマーであり、
Figure 2016535147
耐熱性の観点から考慮して、上記(I)で示される繰返し単位は、ポリフェニレンサルファイドポリマーの70モル%以上を占め、より好適には90モル%以上である。ポリフェニレンサルファイドポリマーにおいて、(I)で示される繰返し単位を除く繰返し単位は、下記構造の繰返し単位(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、または(VIII)の1種または複数種から選択される。
Figure 2016535147
ポリフェニレンサルファイドポリマー中に上記繰返し単位(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、または(VIII)の1種または複数種を有する場合は、ポリフェニレンサルファイドポリマーの融点が比較的低く、成形の観点から考慮すると、より有利である。
本発明において使用されるポリフェニレンサルファイドポリマーは、優れた流動性を得ることから考慮した場合、高い溶融指数を有することがより好適である。例えば、好適には200g/10分以上、より好適には500g/10分以上であり、上限に関しては、優れた靭性を得ることから考慮した場合、好適には5000g/10分以下である。
本発明の上記(I)〜(VIII)の構造を有する(A)ポリフェニレンサルファイドポリマーは、日本特公昭45−3368号公報に記載されている比較的高い流動性を得る方法または日本特公昭52−12240号公報などに記載されている比較的低い流動性を得る方法を選択して調製することができる。前者と後者との違いは、重合体系内における重合助剤のアルカリ金属カルボン酸塩の有無にある。前者は、重合体系内にアルカリ金属カルボン酸塩を添加せず、流動性が比較的高いが、後者は、重合体系内にアルカリ金属カルボン酸塩を添加し、流動性が比較的低いため、樹脂の靭性に対して有利である。そのため、2種の方法により調製されるポリフェニレンサルファイドポリマーを組み合わせて使用すると、ポリフェニレンサルファイド樹脂の流動性と靭性とのバランスを図ることができる。
また、上記で調製されたポリフェニレンサルファイドポリマーに末端封止処理を施すと、塩素含有量が更に低いポリフェニレンサルファイドポリマーを得ることができる。例えば、塩基性条件下において、2−メルカプトベンゾイミダゾールを用いて末端封止処理すると、塩素含有量が更に低い末端封止のポリフェニレンサルファイドポリマーを得ることができる。
(B)異形断面ガラス繊維
本発明中に記載の(B)異形断面ガラス繊維とは、単一本のガラス繊維の断面が非円形のガラス繊維を指しており、断面の非円形は「扁平率」を用いて表示することができ、ここにおいては、図1を参照して、単一本の異形断面ガラス繊維の断面図を例として「扁平率」について説明する。図1に示されている通り、異形ガラス繊維断面に外接する最小面積の長方形の長辺をa、短辺をbと仮定した場合、「扁平率」は、この長辺aと短辺bとの長さ比(a/b)を使用して表示され、異なる数値の扁平率は、異なる種類の(B)異形断面ガラス繊維を表す。扁平率が1.1以上の(B)異形断面ガラス繊維を採用した場合、樹脂組成物はより良好な流動性及び靭性を得ることができる。
ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物が優れた流動性及び靭性を有することができることを考慮した場合、前記(B)異形断面ガラス繊維は、その扁平率が、好適には1.5以上である。異形断面ガラス繊維の取得の容易性を考慮した場合、扁平率は、好適には10以下、より好適には扁平率が2〜8、更に好適には2〜4である。前記(B)異形断面ガラス繊維は、その断面の面積が、好適には100〜500μm/本、より好適には110〜300μm/本である。
(C)ガラス転移温度が100℃以上である非晶性樹脂
材料が外力の緩慢な作用下で断裂に至った際に発生する変形量が、曲げモーメントと称され、材料の耐衝撃能力を保証すると同時に曲げモーメントを高めると、その靭性を更に高めることができる。ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の靭性を更に高めるため、本発明のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物中に、ガラス転移温度が100℃以上である非晶性樹脂(C)を加えた。
ガラス転移温度が100℃以上である非晶性樹脂(C)は、シクロアルケニルポリマー、ポリカーボネート、ポリフェニルエーテル、非晶性ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドまたは上記複数類のコポリマーのうちの1種または複数種から選択することができる。そのうち、耐熱性及び相容性を考慮した場合、より好適には、ガラス転移温度が140℃以上である非晶性樹脂(C)を加え、ガラス転移温度が140℃以上である非晶性樹脂(C)は、ポリカーボネート、ポリフェニルエーテル、非晶性ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドまたは上記複数種のコポリマーのうちの1種または複数種から選択することができ、また、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンの製造過程においては、おそらくその分子末端に塩素原子が導入されるため、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンに対しては、末端封止処理を採用して各々の塩素含有量を1000ppm未満とさせることができる。
優れた流動性を得ることから考慮した場合、本発明のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の溶融粘度は、好適には、315℃下における剪断速度が1000s−1のキャピラリーレオメーター溶融粘度が、180Pa・s未満、より好適には160Pa・s以下である。優れた靭性を得ることを考慮した場合、そのキャピラリーレオメーター溶融粘度は、好適には80Pa・s以上、より好適には100Pa・s以上である。
環境に対する影響の低減及び流動性の両方面から考慮した場合、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の塩素含有量は、1000ppm以下である。塩素含有量の測定は、欧州標準EN14582:2007を参照した。
本発明のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物は、(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂が有する優れた剛性を有すると同時に、優れた靭性を有する。(C)ガラス転移温度が100℃以上である非晶性樹脂のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物におけるその性能に対する影響を考慮した場合、好適には、(C)ガラス転移温度が100℃以上である非晶性樹脂が、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物中で「島」状物を形成して分散し、前記「島」状物とは、形状が不規則な非晶性樹脂を指しており、それは分散相としてポリフェニレンサルファイド樹脂組成物中に分散していることが好ましい。それら「島」状物の平均面積は、1μm/個未満である。より好適には、(C)ガラス転移温度が100℃以上である非晶性樹脂が、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物中で「島」状物を形成して分散し、それら「島」状物の平均面積は、0.5μm/個未満である。更に好適には、(C)ガラス転移温度が100℃以上である非晶性樹脂が、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物中で「島」状物を形成して分散し、それら「島」状物の平均面積は、0.3μm/個未満である。(C)ガラス転移温度が100℃以上である非晶性樹脂が形成する「島」状物の平均面積が1μm/個よりも大きいと、靭性を高める効果が顕著ではない恐れがある。
本発明に記載の「島」状物の平均面積は、以下の方法により得られる。つまり、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を顕微鏡で観測し、元素分析法を利用して非晶性樹脂が形成する「島」状物を確定し、任意に100個の「島」状物の面積を計測し、それを大から小に配列し、a1、a2、a3……、a100として計数し、a11〜a90の80個の「島」状物の面積を算術平均し、得られた数値をこれら「島」状物の平均面積とする。また、この80個の「島」状物の平均面積の相互のずれが非常に大きい場合は、100個の「島」状物の面積を再度計測し、それを大から小に配列し、b1、b2、b3……、b100として計数し、b11〜b90の80個の「島」状物の面積を、a11〜a90の80個の「島」状物の面積と共に算術平均し、得られた数値をこれら「島」状物の平均面積とする。例えば、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を射出成形して標準試料ストリップ(試料ストリップ成形金型は、幅10mm×厚み4mm)とし、試料ストリップの断面を薄片となるように切削し、JEM−2100F電界放出型高分解能透過電子顕微鏡下で観測し、拡大倍率は1万〜2万倍とし、電子エネルギ損失分光法(EELS)を利用して非晶性樹脂がポリフェニレンサルファイド樹脂組成物中で形成する「島」状物を確定し、それら「島」状物の平均面積は、Leica Qwin画像分析ソフトウェアにより面積計算することができ、得られた面積を用いてそれら「島」状物の個数で除算すると、それら「島」状物の平均面積を得ることができる。本発明における具体的な計算方法は、任意に100個の「島」状物の面積を計測し、それを大から小に配列し、a1、a2、a3……、a100として計数し、a11〜a90の80個の「島」状物の面積を算術平均し、得られた数値をこれら「島」状物の平均面積とするものである。
また、本発明の効果を損なわない範囲内において、本発明のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物中に、エラストマーを更に含有することができ、エラストマーを添加することにより、非晶性樹脂(C)と協同してポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の靭性を更に改善することができる。
エラストマーとしては、オレフィン系エラストマー、変性オレフィン系エラストマー、またはスチレン系エラストマーなどのうちの1種または複数種を列挙することができる。
(1)オレフィン系エラストマー
オレフィン系エラストマーには、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブチレン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、またはイソブチレンなどの単独のα−オレフィンまたは複数種の重合により得られるポリマーまたはコポリマー、α−オレフィンとアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、またはメタクリル酸ブチルなどのα,β−不飽和酸及びそのアルキルエステルとのコポリマーなどがある。優れた靭性から考慮した場合、好適には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/1−ブチレンコポリマー、エチレン/アクリル酸メチルコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、エチレン/アクリル酸ブチルコポリマー、エチレン/メタクリル酸メチルコポリマー、エチレン/メタクリル酸エチルコポリマー、エチレン/メタクリル酸ブチルコポリマー、プロピレン/無水マレイン酸コポリマー、またはイソブチレン/無水マレイン酸コポリマーなどである。
(2)変性オレフィン系エラストマー
変性オレフィン系エラストマーは、上記のオレフィン系エラストマー中に、エポキシ基、酸無水物基、またはイオン結合ポリマーなどの官能基を有するモノマー成分(官能基を含む成分)を導入することにより得ることができる。当該官能基の成分としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ[2,2,1]5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸、またはエンドビシクロ[2,2,1]5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物などの酸無水物基を含有するモノマー、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、またはシトラコン酸グリシジルなどのエポキシ基を含有するモノマー、またはカルボン酸金属錯体などのイオン結合ポリマーを含有するモノマーを列挙することができる。
それらの官能基を含有するモノマー成分を導入する方法に対しては特に限定はないが、上記オレフィン系エラストマーとして使用される成分と同様なオレフィン系(コ)ポリマーと共重合する方法、または遊離基開始剤を使用してオレフィン系(コ)ポリマーにグラフト導入するなどの方法を採用することができる。変性オレフィン系(コ)ポリマーを構成する全モノマーに対して、官能基を含有する成分の導入量は、0.001〜40モル%であり、好適には0.01〜35モル%である。
オレフィン系ポリマー中にエポキシ基、酸無水物基、またはイオン結合ポリマーなどの官能基を有するモノマー成分を導入することにより得られる特に有用なオレフィン系(コ)ポリマーとしては、エチレン/プロピレン−g−メタクリル酸グリシジルコポリマー(「g」はグラフトを示し、以下同様)、エチレン/1−ブチレン−g−メタクリル酸グリシジルコポリマー、エチレン/アクリル酸グリシジルコポリマー、エチレン/メタクリル酸グリシジルコポリマー、エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジルコポリマー、エチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジルコポリマー、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸コポリマー、エチレン/1−ブチレン−g−無水マレイン酸コポリマー、エチレン/アクリル酸メチル−g−無水マレイン酸コポリマー、エチレン/アクリル酸エチル−g−無水マレイン酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸メチル−g−無水マレイン酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸エチル−g−無水マレイン酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸コポリマーの亜鉛錯体、エチレン/メタクリル酸コポリマーのマグネシウム錯体、またはエチレン/メタクリル酸コポリマーのナトリウム錯体などを列挙することができる。
相容性から考慮した場合、好適には、エチレン/メタクリル酸グリシジルコポリマー、エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジルコポリマー、エチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジルコポリマー、エチレン/1−ブチレン−g−無水マレイン酸コポリマー、またはエチレン/アクリル酸エチル−g−無水マレイン酸コポリマーである。
より好適には、エチレン/メタクリル酸グリシジルコポリマー、エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジルコポリマー、またはエチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジルコポリマーである。
(3)スチレン系エラストマー
スチレン系エラストマーとしては、スチレン/ブタジエンコポリマー、スチレン/エチレン/ブタジエンコポリマー、スチレン/エチレン/プロピレンコポリマー、またはスチレン/イソプレンコポリマーなどを列挙することができ、相容性から考慮した場合、好適には、スチレン/ブタジエンコポリマーである。
流動性及び靭性の両方面から考慮した場合、エラストマーの総重量部は、好適には、100重量部の(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂に対して、0.5〜20重量部、より好適には0.8〜10重量部、更に好適には1〜6重量部であり、また、本発明の効果に影響を及ぼさない範囲内において、上記エラストマーは複数種を組み合わせて使用することができる。
また、本発明の効果を損なわない範囲内において、本発明のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物は、シラン化合物、またはチタン酸エステル系化合物などの相容化剤のうちの1種または複数種を更に含有することができる。
シラン化合物としては、γ−エポキシプロポキシプロピルトリメトキシシラン、γ−エポキシプロポキシプロピルトリエトキシシラン、またはβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基を含有するアルコキシシラン化合物や、γ−スルフヒドリルプロピルトリメトキシシラン、γ−スルフヒドリルプロピルメチルジメトキシシランなどのスルフヒドリル基を含有するアルコキシシラン化合物や、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、またはγ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基を含有するアルコキシシラン化合物や、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルエチルジエトキシシラン、またはγ−イソシアネートプロピルトリクロロシランなどのイソシアネート基を含有するアルコキシシラン化合物や、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどアミノ基を含有するアルコキシシラン化合物と、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、またはγ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシランなどのヒドロキシ基を含有するアルコキシシラン化合物などのうちの1種または複数種を列挙することができる。
チタン酸エステル系化合物としては、イソプロピルジオレイン(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリオレイルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネートの複合物、ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート、またはテトライソプロピルジ(ジオクチルホスフェート)チタネートなどのうちの1種または複数種を列挙することができる。
相容性を流動性及び靭性に結合して考慮した場合、シラン化合物及び/またはチタン酸エステル系化合物の総重量部は、好適には、100重量部のポリフェニレンサルファイド樹脂(A)に対し、0.01〜3重量部、より好適には0.05〜2重量部、更に好適には0.1〜2重量部であり、このような相容化剤を添加することにより、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の優れた流動性を保証するとともに、その靭性を高めることもできる。相容化剤の重量部が0.01よりも少ないと、相容化作用を発揮することができず、3よりも大きいと、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の流動性低下及び射出成形時のガス増加の恐れがある。また、本発明の効果に影響を及ぼさない範囲内において、複数種の上記シラン化合物またはチタン酸エステル系化合物を組み合わせて使用することができる。
また、本発明の効果を損なわない範囲内において、本発明のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物中に酸化防止剤を含有し、樹脂組成物の耐熱性及び熱安定性を更に向上させることができる。酸化防止剤には、フェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤を列挙することができる。
(1)フェノール系酸化防止剤
フェノール類酸化防止剤として、好適には、ヒンダードフェノール系化合物を使用する。トリエチレングリコールビス(3−t−ブチル−(5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)、テトラ(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、ペンタエリスリトールテトラ(3−(3’,5’−ジ−t−ブチル)−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリ(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリケトン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)、n−ステアリル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニル)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、または1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどを列挙することができる。そのうち、好適には、エステル型高分子ヒンダードフェノール型であり、具体的には、テトラ(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、ペンタエリスリトールテトラ(3−(3’,5’−ジ−t−ブチル)−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、または3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニル)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンなどのうちの1種または複数種が好適に使用される。
(2)リン系酸化防止剤
リン系酸化防止剤として、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ジフェニレンホスファイト、ジステアロイルペンタエリスリトール−ジホスファイト、トリフェニルホスファイト、または3,5−ジブチル−4−ヒドロキシベンジルホスフェートジエチルエステルなどのうちの1種または複数種を列挙することができる。
酸化防止剤の総重量部は、100重量部のポリフェニレンサルファイド樹脂(A)に対して0.01〜3重量部であり、好適には0.05〜2重量部、より好適には0.1〜1重量部である。
また、本発明の効果を損なわない範囲内において、本発明のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物中に、その他の成分を更に含有することができ、例えば、フィラー(二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、ガラスビーズ、中空ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、珪灰石、二酸化アルミニウム、黒鉛、金属粉末、炭素粉末、カーボンナノチューブ、チタン酸カリウム髭結晶、ホウ酸アルミニウム髭結晶、酸化亜鉛石膏髭結晶、炭化ケイ素繊維、セラミック繊維、石綿繊維、石膏繊維、金属繊維ポリアクリロニトリル系またはアスファルト系炭素繊維、または雲母などであり、そのうち、耐腐食性、潤滑性、耐久性から考慮した場合、好適には、炭酸カルシウム、黒鉛、ガラスビーズ、中空ガラスビーズまたは二酸化ケイ素であり、特に好適には炭酸カルシウムである)、離型剤(モンタン酸及びその金属塩、そのエステル、その半エステル、ステアリルアルコール、ステアリン酸アミド、アミド系、ビウレアまたはポリエチレンワックスなどであり、そのうち、成形時のガス発生を低減することから考慮した場合、好適にはアミド系である)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、または着色用カーボンブラックマスターバッチなど)、染料(アニリンブラックなど)、結晶種剤(タルク粉末、二酸化チタン、カオリン、粘土、またはポリエーテルエーテルケトンなど)、可塑剤(オクチル−p−ヒドロキシベンゾエート、またはN−ブチルベンゼンスルホンアミドなど)、帯電防止剤(アルキル硫酸塩型陰イオン系帯電防止剤、クオタニウム型陽イオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアラートなど非イオン系帯電防止剤、またはベタイン系両性帯電防止剤など)、難燃剤(例えば、赤リン、リン酸エステル、メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭化ポリスチレン、臭化ポリフェニルエーテル、臭化ポリカーボネート、臭化エポキシ樹脂またはそれら臭素系難燃剤と三酸化二アンチモンとの組合せなど)のうちの1種または複数種である。
本発明により、塩素含有量が低く、優れた流動性のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を得ることができ、当該組成物は、良好な靭性及び剛性を兼ね備えた薄肉製品に特に適している。
そのため、本発明では、上記ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物により製造される成形品が更に提供される。
上記成形品の厚みは1.5mm以下である。前記厚みの成形品とは、その正投影面積において前記厚み部分(1.5mm)の投影面積が占める比率が50%以上である成形品を指している。
上記成形品の結晶度は、50%未満である。前記成形品の結晶度とは、成形品の表面・裏面のゲート近傍位置の結晶度の算術平均値を指している。
本発明のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物により製造された成形品は、厚み方向において良好な剛性及び靭性を示し、成形性が優れており、機械的強度も優れているため、特に、携帯型パソコン、携帯電話、携帯型電子機器の筐体構成製品に適している。
ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物について述べると、高い結晶度により高い剛性を得ることができるため、結晶度から考慮した場合、通常、射出成形時の金型温度は130〜160℃であり、この種の金型温度下において、成形品の結晶度は50%以上にも達し、剛性が高まるが靭性は低下し、この種の状況下に置いては、低い金型温度を採用して射出を実施する必要があるが、低い金型温度下においては、容易に結晶度の低下、剛性の低下を発生する危険性がある。本発明では、研究を通して、本発明のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を採用して、(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂のガラス転移温度以下の成形金型温度下で射出成形を実施し、成形の簡便性から考慮した場合、好適には5〜95℃で、結晶度が20%以上かつ50%未満であり、剛性及び靭性がいずれも良好なポリフェニレンサルファイド樹脂組成物により得られる成形品を取得できることを発見した。
そのため、本発明では、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物により得られる成形品の製造方法が更に提供されており、金型内インサート射出成形または金型内転写成形技術を採用し、裁断されたプラスチックフィルムを先ず金型内に配置し、その後、射出成形機により上記ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を射出成形する。成形金型の温度は(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂のガラス転移温度よりも低い。成形の簡便性から考慮した場合、成形金型の温度は、好適には5〜95℃である。
本発明のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物は、優れた流動性を有し、かつ、塩素含有量が低く、環境への影響が小さく、良好な靭性及び剛性を兼ね備えた薄肉製品を射出成形する際、優位性は明らかであり、特に、軽量薄型で、頑丈な携帯型パソコン、携帯電話、携帯型電子機器の筐体構成製品の射出成形に適している。
図1は異形断面ガラス繊維の断面図の提示例である。
以下においては、具体的な実施例により本発明について更に説明する。以下の実施例は本発明の技術案を前提として実施されるものであり、詳細な実施形態及び具体的な操作過程が示されているが、本発明の保護範囲は下記の実施例に限定されるものではない。
1.原料の説明
以下で説明する実施例及び比較例に用いられるポリフェニレンサルファイドポリマー、異形断面ガラス繊維、非晶性樹脂及びその他の必須ではない添加剤は、下記(1)〜(11)に示されている材料から選択される。
(1)ポリフェニレンサルファイドポリマー(以下においては、PPSと称する)
a.PPS−1の製造
撹拌器及び底部バルブ付きの20L高圧釜中に、質量百分率47%の硫化水素ナトリウム水溶液2383g(20.0モル)、質量百分率96%の水酸化ナトリウム水溶液836g(20.1モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)3960g(40.0モル)、酢酸ナトリウム313g(3.81モル)及び脱イオン水3000gを加え、常圧下で窒素ガスを導入するとともに、3時間以内に225℃まで緩慢に加熱し、水4200g及びNMP80gを留出した後、反応器を160℃まで冷却した。
その後、p−ジクロロベンゼン3031g(20.6モル)、NMP1515g(15.3モル)を加え、窒素ガス下で反応容器を密封し、400rpmの撹拌下において、0.8℃/分で200℃から225℃まで昇温し、30分間保持した。その後、0.3℃/分で274℃まで昇温し、40分間保持した。その後、282℃まで昇温した。高圧釜の底部バルブを開放し、窒素ガスで加圧して容器内の混合物を撹拌器付きの容器中にフラッシュ蒸留し、250℃で少しの間撹拌し、大部分のNMPを除去し、PPS及び塩類を含む固体物質を回収した。
撹拌器付きの高圧釜中に得られた固体物質及び脱イオン水15000gを加え、70℃下で30分間洗浄し、濾過し、脱イオン水で洗浄して、濾過ケークを得た。
得られた濾過ケーク及び脱イオン水12000gを撹拌器付きの高圧釜中に加え、窒素ガスで高圧釜内部の空気を置換し、その後、192℃まで昇温し、30分間保持し、その後、高圧釜を冷却し、釜内物を取り出した。それを濾過し、先ず質量濃度33%の酢酸水溶液で洗浄し、濾過し、その後、更に脱イオン水で洗浄して濾過ケークを得た。80℃下で濾過ケークを1時間熱風乾燥し、その後、120℃下で24時間真空乾燥して、乾燥したPPS−1を得た。
得られたPPS−1の溶融指数は760g/10分であり、塩素含有量は1400ppmであった。塩素含有量の測定は欧州標準EN14582:2007を参照した。
b.PPS−2の製造
撹拌器及び底部バルブ付きの20L高圧釜中に、質量百分率が47%の硫化水素ナトリウム水溶液2383g(20.0モル)、質量百分率が96%の水酸化ナトリウム水溶液831g(19.9モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)3960g(40.0モル)及び脱イオン水3000gを加え、常圧下で窒素ガスを導入するとともに、3時間以内に225℃まで緩慢に加熱し、水4200g及びNMP80gを留出した後、反応器を160℃まで冷却した。
その後、p−ジクロロベンゼン4410g(30モル)、NMP1515g(15.3モル)を加え、窒素ガス下で反応容器を密封し、400rpmの撹拌下において、0.8℃/分で200℃から225℃まで昇温し、30分間保持した。その後、0.3℃/分で274℃まで昇温し、30分間保持した。その後、282℃まで昇温した。高圧釜の底部バルブを開放し、窒素ガスで加圧して容器内の混合物を撹拌器付きの容器中にフラッシュ蒸留し、250℃で少しの間撹拌し、大部分のNMPを除去し、PPS及び塩類を含有する固体物質を回収した。
撹拌器付きの高圧釜中に得られた固体物質及び脱イオン水16000gを加え、70℃下で30分洗浄し、濾過し、脱イオン水で洗浄して、濾過ケークを得た。
得られた濾過ケーク及び脱イオン水12000gを撹拌器付きの高圧釜中に加え、窒素ガスで高圧釜内部の空気を置換し、その後、192℃まで昇温し、30分間保持し、その後、高圧釜を冷却し、釜内物を取り出した。それを濾過し、先ず質量濃度50%の酢酸水溶液で洗浄し、濾過し、その後、更に脱イオン水で洗浄して濾過ケークを得た。80℃下で濾過ケークを1時間熱風乾燥し、その後、120℃下で24時間真空乾燥して、乾燥したPPS−2を得た。
得られたPPS−2の溶融指数は4500g/10分であり、塩素含有量は2200ppmであった。塩素含有量の測定は欧州標準EN14582:2007を参照した。
c.PPS−3の製造
撹拌器及び底部バルブ付きの20L高圧釜中に、質量百分率が47%の硫化水素ナトリウム水溶液2383g(20.0モル)、質量百分率が96%の水酸化ナトリウム水溶液836g(20.1モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)3960g(40.0モル)、酢酸ナトリウム205g(2.5モル)及び脱イオン水3000gを加え、常圧下で窒素ガスを導入するとともに、3時間以内に225℃まで緩慢に加熱し、水4200g及びNMP80gを留出した後、反応器を160℃まで冷却した。
その後、p−ジクロロベンゼン3028g(20.6モル)、NMP1515g(15.3モル)を加え、窒素ガス下で反応容器を密封し、400rpmの撹拌下において、0.8℃/分で200℃から225℃まで昇温し、30分間保持した。その後、0.3℃/分で274℃まで昇温し、35分間保持した。その後、282℃まで昇温した。高圧釜の底部バルブを開放し、窒素ガスで加圧して容器内の混合物を撹拌器付きの容器中にフラッシュ蒸留し、250℃で少しの間撹拌し、大部分のNMPを除去し、PPS及び塩類を含有する固体物質を回収した。
撹拌器付きの高圧釜中に得られた固体物質及び脱イオン水15000gを加え、70℃下で30分洗浄し、濾過し、脱イオン水で洗浄して、濾過ケークを得た。
得られた濾過ケーク及び脱イオン水12000gを撹拌器付きの高圧釜中に加え、窒素ガスで高圧釜内部の空気を置換し、その後、192℃まで昇温し、30分間保持し、その後、高圧釜を冷却し、釜内物を取り出した。それを濾過し、先ず質量濃度33%の酢酸水溶液で洗浄し、濾過し、その後、更に脱イオン水で洗浄して濾過ケークを得た。80℃下で濾過ケークを1時間熱風乾燥し、その後、120℃下で24時間真空乾燥して、乾燥したPPS−3を得た。
得られたPPS−3の溶融指数は850g/10分であり、塩素含有量は1800ppmであった。塩素含有量の測定は欧州標準EN14582:2007を参照した。
d.PPS−4の製造
撹拌器及び底部バルブ付きの20L高圧釜に、質量百分率が47%の硫化水素ナトリウム水溶液2383g(20.0モル)、質量百分率が96%の水酸化ナトリウム水溶液836g(20.1モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)3960g(40.0モル)、酢酸ナトリウム328g(4.0モル)及び脱イオン水3000gを加え、常圧下で窒素ガスを導入するとともに、3時間以内に225℃まで緩慢に加熱し、水4200g及びNMP80gを留出した後、反応器を160℃まで冷却した。
その後、p−ジクロロベンゼン3028g(20.6モル)、NMP1515g(15.3モル)を加え、窒素ガス下で反応容器を密封し、400rpmの撹拌下において、0.8℃/分で200℃から227℃まで昇温し、その後、0.6℃/分の速度で270℃まで昇温し、100分間保持した。その後、1.3℃/分の速度で250℃まで冷却し、同時に高圧釜中に脱イオン水720g(40モル)を圧入した。その後、0.4℃/分の速度で200℃まで冷却した後、室温付近まで急速に冷却した。内容物を取り出し、10LのNMPで希釈した後、篩を用いて溶剤及び固体物質を濾出させ、脱イオン水20Lを用いて得られた粒子を数回洗浄するとともに、濾出させた。その後、それを100℃まで加熱された10LのNMP内に投入し、1時間連続して撹拌し、濾出させ、脱イオン水を用いて数回洗浄した。その後、50%の酢酸水溶液を用いて洗浄し、濾過し、その後、更に脱イオン水で洗浄してPPS−4粒子を得た。80℃下で1時間熱風乾燥し、その後、120℃下で24時間真空乾燥して、乾燥したPPS−4を得た。
得られたPPS−4の溶融指数は600g/10分であり、塩素含有量は960ppmであった。塩素含有量の測定は欧州標準EN14582:2007を参照した。
e.PPS−5の製造
撹拌器及び底部バルブ付きの20L高圧釜中に、質量百分率47%の硫化水素ナトリウム水溶液2383g(20.0モル)、質量百分率96%の水酸化ナトリウム水溶液831g(19.9モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)3960g(40.0モル)及び脱イオン水3000gを加え、常圧下で窒素ガスを導入するとともに、3時間以内に225℃まで緩慢に加熱し、水4200g及びNMP80gを留出した後、反応器を160℃まで冷却した。
その後、p−ジクロロベンゼン4116g(28モル)、NMP1515g(15.3モル)を加え、窒素ガス下で反応容器を密封し、400rpmの撹拌下において、0.8℃/分で200℃から225℃まで昇温し、30分間保持した。その後、0.3℃/分で274℃まで昇温し、30分間保持した。その後、282℃まで昇温した。高圧釜の底部バルブを開放し、窒素ガスで加圧して容器内の混合物を撹拌器付きの容器中にフラッシュ蒸留し、250℃で少しの間撹拌し、大部分のNMPを除去し、PPS及び塩類を含有する固体物質を回収した。
撹拌器付きの高圧釜中に得られた固体物質及び脱イオン水16000gを加え、70℃下で30分間洗浄し、濾過し、脱イオン水で洗浄して、濾過ケークを得た。
得られた濾過ケーク及び脱イオン水12000gを撹拌器付きの高圧釜中に加え、窒素ガスで高圧釜内の空気を置換し、その後、192℃まで昇温し、30分間保持し、その後、高圧釜を冷却し、釜内物を取り出した。それを濾過し、先ず質量濃度50%の酢酸水溶液で洗浄し、濾過し、その後、更に脱イオン水で洗浄して濾過ケークを得た。80℃下で濾過ケークを1時間熱風乾燥し、その後、120℃下で24時間真空乾燥して、乾燥したPPS−5を得た。
得られたPPS−5の溶融指数は4000g/10分であり、塩素含有量は1900ppmであった。塩素含有量の測定は欧州標準EN14582:2007を参照した。
f.PPS−6の製造
上記の乾燥したPPS−5;1600g及び2−メルカプトベンゾイミダゾール;0.65mol、NaOH;0.65mol、NMP;5Lを取り出して20L高圧釜中に入れ、窒素ガス雰囲気下で当該体系を密封し、撹拌しながら260℃まで昇温した後、1時間反応させた。反応完了後にNMPを減圧蒸留するとともに回収し、その後、水を反応物中に加え、200℃下で4時間保持し、引き続き洗浄し、濾過し、乾燥して末端封止のPPS−6を得た。
得られたPPS−6の溶融指数は5000g/10分であり、塩素含有量は80ppmであった。塩素含有量の測定は欧州標準EN14582:2007を参照した。
(2)異形断面ガラス繊維は、日東紡Nittobo製造の扁平率が4または2の異形断面ガラス繊維であり、比較例としての円形断面ガラス繊維は、日本電気硝子社により製造され、その単一繊維径は10.5μmであった。
(3)ガラス転移温度が100℃以上である非晶性樹脂
ポリカーボネート(Tg=145℃)、Idemitsu A1900
ポリフェニルエーテルpowder(Tg=211℃)、Aldrich
非晶性ポリアリレート(Tg=195℃),Unitika U−100
ポリスルホン(Tg=190℃)、Solvay P−1700
ポリエーテルスルホン4800P(Tg=220℃)、Sumitomo Chemical
ポリエーテルイミド(Tg=215℃)、Sabic Ultem 1010
ポリアミドイミド(Tg=250〜300℃)、Toray TI−5000
ポリイミド(Tg=265℃),Mitsui Chemicals E−2021
ポリスルホン及びポリエーテルスルホンには末端封止処理を採用し、各々の塩素含有量を500ppmとさせた。
(4)ポリスチレンMw350000(Tg=95℃)、Aldrichを、ガラス転移温度が100℃以下の非晶性樹脂とした。
(5)シラン化合物(β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−エポキシプロポキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)、Shin−Etsu Chemical
(6)チタン酸エステル系化合物(トリイソステアリン酸チタン酸イソプロピル)、南京優普化工
(7)エラストマー
ポリプロピレン−g−無水マレイン酸、ポリ(イソブチレン−alt−無水マレイン酸)及びポリ(エチレン−co−プロピレン)、Aldrich
ポリ(エチレン−co−メタクリル酸グリシジル)、Sumitomo Chemical
(8)添加剤
炭酸カルシウム、Calfine 金平工場
(9)酸化防止剤
ペンタエリスリトールテトラ(3−(3’,5’−ジ−t−ブチル)−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、国薬化学
(10)離型剤
酸化ポリエチレンワックス(1160H)、Mitsui Chemicals
高融点アミド(WH−255)、共栄社化学
(11)顔料
カーボンブラックマスターバッチ(難燃クラス)、普瑞徳化工
2.各種測定試験
溶融指数測定試験及び計算
ISO1133−2005標準を参考とし、東洋精機製のMelt Indexer F−B01を使用して、315℃、2.16Kgの負荷下で、10秒以内に毛細管から流出した物質の重量グラム数を計量するとともに、それを10分以内に毛細管から流出した物質の重量グラム数に換算して、溶融指数として記録した。
キャピラリーレオメーター溶融粘度測定試験
安田精機製のキャピラリーレオメーター140−SAS−2002を使用し、乾燥したポリフェニレンサルファイド樹脂組成物粒子をそれの中に装入し、315℃、剪断速度1000s−1下において流動性測定試験を実施して、溶融粘度値を測定した。
再結晶化温度及び結晶度測定試験
押し出して造粒するとともに、乾燥させたポリフェニレンサルファイド樹脂組成物粒子をカッターにより2〜3mgの試料となるように切り出し、成形品に対しては、そのゲート近傍2cmの箇所からカッターにより表面に沿って小片(厚み0.5mm)を切り出して、下表面切片とした後、ゲートの一方の側の反対面においてカッターにより表面に沿って小片(厚み0.5mm)を切り出すとともに、その表面のプラスチックフィルムをカッターで削ぎ落として、上表面切片とした。上記のカッターで切り出された試料または成形品の上・下表面切片について、下記の手順に従い再結晶化温度及び結晶度を測定し、粒子上から切り出した試料の再結晶化温度及び結晶度を、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の再結晶化温度及び結晶度とし、上・下表面切片の再結晶化温度及び結晶度の算術平均値を、成形品の再結晶化温度及び結晶度とした。
それをTA−Q100示差走査熱量測定装置(DSC)のサンプルプレート中に配置し、プログラム中に切り出した重量(mg)を入力し、その後、窒素ガス雰囲気下において20℃/minの昇温速度で室温から340℃まで昇温し、3min恒温として、熱履歴を消去し、これをcycle 1とした。更に20℃/minの降温速度で340℃から室温まで降温し、これをcycle 2とした。その後、更に20℃/minの昇温速度で室温から340℃まで昇温し、3min恒温とし、これをcycle 3とした。更に20℃/minの降温速度で340℃から室温まで降温し、これをcycle 4とした。DSCに付帯する積分ソフトウェアを用いてcycle 4過程の結晶ピークを積分し、再結晶化温度及び結晶ピーク面積Sを得た。また、DSC測定試験用のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物粒子または成形品中のポリフェニレンサルファイド樹脂の重量含有量をw(%)として記録し、公式(1)に基づいて結晶度を算出した。
Figure 2016535147
ガラス転移温度については、Polymer Handbook、第4版、J.Brandrupら著、Wiley−Interscience出版、1999を参考とした。
形態観測
ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物において、(C)非晶性樹脂はその中に分散している。
ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を射出成形して標準成形品(試料成形金型は、幅10mm×厚み4mm)とし、標準成形品の断面を薄片となるように切削し、JEM−2100F電界放出型高分解能透過電子顕微鏡下で観測し、拡大倍率は1万〜2万倍とし、電子エネルギ損失分光法(EELS)を利用して非晶性樹脂がポリフェニレンサルファイド樹脂組成物中で形成する「島」状物を確定し、それら「島」状物の平均面積は、Leica Qwin画像分析ソフトウェアにより面積計算することができ、得られた面積を用いてそれら「島」状物の個数で除算すると、それら「島」状物の平均面積を得ることができる。本発明における具体的な計算方法は、任意に100個の「島」状物の面積を計測し、それを大から小に配列し、a1、a2、a3……、a100として計数し、a11〜a90の80個の「島」状物の面積を算術平均し、得られた数値をこれら「島」状物の平均面積とするものである。
剛性及び靭性の性能測定試験
曲げ弾性率及び曲げモーメントは、射出成形された標準成形品を用いてISO178標準に基づき測定し、曲げ速度2mm/minで、各組5本の平均値を取った。
Charpyノッチ付き衝撃強さは、射出成形された標準成形品を用いてISO179標準に基づき測定し、各組5本の平均値を取った。
曲げ弾性率は、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の剛性を反映しており、弾性率が大きいと、剛性が大きく、逆の場合は、剛性が小さい。
Charpyノッチ付き衝撃強さは、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物が瞬時の衝撃を受けた際の靭性を反映しており、強度が大きいほど、材料の耐衝撃能力が高いことを示しており、曲げモーメントは、外力が材料上に緩慢に作用して断裂に至る際の変形量であり、それは材料の展延性をより多く反映している。材料のCharpyノッチ付き衝撃強さを保証すると同時に、材料の曲げモーメントを高めることは、材料の靭性を高める手段である。
実施例1〜27:
原料は、表1−1、表1−1(続き)、表2−1、表2−1(続き)に示されている通りであり、日本製鋼所社製のTEX30α型2軸押出機(L/D=45.5)を採用して造粒した。押出機は、13の加熱ゾーンを有し、2組の計量機器付き材料供給装置を有し、かつ、真空排気設備付きである。ガラス繊維を除き、その他の原料を高速混合機中で混合した後、押出機の主フィード口から供給し、ガラス繊維を押出機の側方フィード口から供給し、押出機の温度は200℃〜330℃に設定され、溶融、押出、冷却、切断して粒子状のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を得た。この粒子状物を130℃のオーブン中で3時間乾燥させた後、ISO標準試料ストリップ(試料ストリップの金型寸法は、幅10mm×厚み4mm)に射出成形し、上記測定試験方法に基づき性能測定試験を実施した。表1−2、表1−2(続き)、表2−2、表2−2(続き)中に各実施例の物性測定結果が記載されている。
実施例21は実施例13に比べ、(C)ガラス転移温度が100℃以上である非晶性樹脂のポリエーテルイミドが添加されていないため、非晶性樹脂がポリフェニレンサルファイド樹脂組成物中で形成する「島」状物は観察されなかった。ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物のCharpyノッチ付き衝撃強さは11kJ/mで、実施例13の13kJ/mよりも低く、曲げモーメントは2.3mmで、実施例13の3.2mmよりも低かった。
実施例22は実施例15に比べ、(B)異形断面ガラス繊維の重量含有量が増加しており、100重量部の(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂に対して、225重量部である。ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物のキャピラリーレオメーター溶融粘度は169Pa・sで、流動性が低下しており、その曲げ弾性率28GPa及びCharpyノッチ付き衝撃強さ19kJ/mは、実施例15の曲げ弾性率17GPa及びCharpyノッチ付き衝撃強さ13kJ/mよりも大きかったが、その曲げモーメントは2.0mmで、実施例15の3.2mmよりも低かった。
実施例23は実施例16に比べ、100重量部の(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂に対して、(C)非晶性樹脂のポリアミドイミドの重量部が低下しており、0.5重量部である。ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物のCharpyノッチ付き衝撃強さは11kJ/mで、実施例16の14kJ/mよりも低く、曲げモーメントは2.4mmで、実施例16の3.3mmよりも低かった。
実施例24は実施例13に比べ、ポリエーテルイミドをポリスチレン(非晶性樹脂、ガラス転移温度95℃)に替えているため、ポリスチレンがポリフェニレンサルファイド樹脂組成物中で形成する「島」状物は観察されず、ポリスチレンが押出過程においてデグラデーションしたものと推測される。ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物のキャピラリーレオメーター溶融粘度は185Pa・sで、実施例13の120Pa・sよりも高く、その流動性が低下していることを示しており、その曲げ弾性率は14GPaで、実施例13の16GPaよりも低く、剛性が低下していることを示しており、そのCharpyノッチ付き衝撃強さは10kJ/mで、実施例13の13kJ/mよりも低く、曲げモーメントは2.7mmで、実施例13の3.2mmよりも低く、その靭性が低下していることを示している。
実施例25は実施例13に比べ、相容化剤のシラン化合物が添加されておらず、観察された「島」状物の平均面積は1.5μmであり、そのCharpyノッチ付き衝撃強さは11kJ/mで、実施例13の13kJ/mよりも低く、曲げモーメントは2.9mmで、実施例13の3.2mmよりも低く、その靭性が実施例13の靭性よりも小さいことを示している。
実施例27は実施例13に比べ、少量の相容化剤のシラン化合物が添加されており、観察された「島」状物の平均面積は0.9μmであり、そのCharpyノッチ付き衝撃強さは11kJ/mで、実施例13の13kJ/mよりも低く、曲げモーメントは3.0mmで、実施例13の3.2mmよりも低く、その靭性が実施例13の靭性よりも小さいことを示している。
実施例26は実施例13に比べ、エラストマーが添加されておらず、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物のCharpyノッチ付き衝撃強さは12kJ/mで、実施例13の13kJ/mよりもやや低く、曲げモーメントは2.8mmで、実施例13の3.2mmよりも低く、その靭性が実施例13の靭性よりも小さいことを示している。
比較例1(ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の塩素含有量が1000ppm超):
比較例1は実施例1〜27の調製方法と同一であり、原料は表1−1(続き)中に示されている通りであり、物性の測定結果は表1−2(続き)中に記載されている通りである。ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の塩素含有量は1000ppm以上であり、その流動性は比較的高く、キャピラリーレオメーター溶融粘度は91Pa・sであるが、その弾性率及びCharpyノッチ付き衝撃強さは共に高くなく、それぞれ9GPa及び9kJ/mであり、剛性及び靭性が共に高くないことを示している。
比較例2及び3(円形断面のガラス繊維を使用):
実施例1〜27の調製方法と同一であり、原料は表2−1(続き)中に示されている通りであり、物性の測定結果は表2−2(続き)中に記載されている通りである。
比較例2は実施例21の比較例として、円形断面ガラス繊維を採用してポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を製造した。ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物のCharpyノッチ付き衝撃強さは非常に低く、7kJ/mで、実施例21の11kJ/mよりも低く、曲げモーメントも非常に低く、1.5mmで、実施例21の2.3mmよりも低く、靭性が比較的劣っていることを示している。
比較例3は実施例17の比較例として、円形断面ガラス繊維を採用してポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を製造した。ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物のキャピラリーレオメーター溶融粘度は増大しており、155Pa・sであり、流動性が低下していることを示しており、そのCharpyノッチ付き衝撃強さは非常に低く、9kJ/mで、実施例17の13kJ/mよりも低く、曲げモーメントは2.3mmで、実施例17の3.1mmよりも低く、靭性が比較的劣っていることを示している。
実施例28〜33:
実施例28〜33では、金型内インサート射出成形技術を採用して表面にプラスチックフィルムを有する成形品を製造した。先ず裁断されたPETフィルム(長さ380mm×幅250mm)を金型内に配置し、成形金型の温度は表3−1に示されている通りとし、その後、射出成形機により実施例13で得られた粒状ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を、金型内に配置されたPETフィルム上に射出して、表面がPETフィルムの成形品(長さ380mm×幅250mm×厚み1.3mm)を得た。
得られた成形品上において、湯口ラインから開始して幅方向に沿って矩形の試料ストリップ(長さ100mm×幅13mm×厚み1.3mm)を切り出した。その後、その結晶度、曲げモーメント及び曲げ弾性率を測定し、その結果は表3−1に示されている通りであり、実施例28〜33については、成形金型温度が90℃から10℃まで低下することに伴い、結晶度は48%から22%に低下し、曲げモーメントは8.5mmから11.2mmに増加し、曲げ弾性率は不変に保持された。
Figure 2016535147
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本明細書で言及されるすべての特許文献、非特許文献は、いずれも引用により本明細書に組み込まれる。本明細書で言及される「複数種」には1種よりも多いすべての場合が含まれ、つまり、「1種または複数種」には、1種、2種、3種……などが含まれる。本明細書において、ある数値範囲についてそれぞれ上限及び下限が記載されている場合、または上限と下限とを組み合わせる方式である数値範囲が記載されている場合、そのうち記載されている各上限及び各下限を任意に組み合わせて新たな数値範囲とすることができ、それは組み合わせてなる数値範囲を直接明確に記載する記載方式と同一と見なされるべきである。本発明の主旨を逸脱することなく、当業者であれば本発明に対して変更及び改良を施すことができるが、これらも本発明の範囲内に含まれる。
a:異形断面ガラス繊維に外接する最小面積の長方形の長辺である。
b:は異形断面ガラス繊維に外接する最小面積の長方形の短辺である。

Claims (18)

  1. (A)ポリフェニレンサルファイド樹脂、及び(B)異形断面ガラス繊維を含み、塩素含有量が1000ppm以下であることを特徴とするポリフェニレンサルファイド樹脂組成物。
  2. ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の再結晶化温度は、220℃未満であることを特徴とする請求項1に記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物。
  3. ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の再結晶化温度は、215℃未満であることを特徴とする請求項2に記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物。
  4. 100重量部の(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂に対して、(B)異形断面ガラス繊維は50〜200重量部であることを特徴とする請求項1に記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物。
  5. 更に、(C)ガラス転移温度が100℃以上である非晶性樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物。
  6. 100重量部の(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂に対して、(C)ガラス転移温度が100℃以上である非晶性樹脂は、1.5〜35重量部であることを特徴とする請求項5に記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物。
  7. (C)ガラス転移温度が100℃以上である非晶性樹脂は、ポリカーボネート、ポリフェニルエーテル、非晶性ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドまたは上記複数種のコポリマーのうちから選択される1種または複数種であることを特徴とする請求項5に記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物。
  8. (C)ガラス転移温度が100℃以上である非晶性樹脂は、ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物中に「島」状物を形成して分散し、それら「島」状物の平均面積は1μm/個未満であることを特徴とする請求項5に記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物。
  9. (B)異形断面ガラス繊維の扁平率は、1.5以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物。
  10. 315℃下における剪断速度が1000s−1のキャピラリーレオメーターの溶融粘度は、180Pa・s未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物。
  11. エラストマーを更に含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物。
  12. 前記エラストマーは、オレフィン系エラストマー、変性オレフィン系エラストマー、またはスチレン系エラストマーのうちの1種または複数種であることを特徴とする請求項11に記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物により製造される成形品。
  14. 成型品の厚みが、1.5mm以下であることを特徴とする請求項13に記載の成形品。
  15. 成型品の結晶度が、50%未満であることを特徴とする請求項13または14に記載の成形品。
  16. 請求項13〜15のいずれか1項に記載の成形品により製造される携帯型パソコン、携帯電話、携帯型電子機器の筐体構成製品。
  17. 請求項13〜15のいずれか1項に記載の成形品の製造方法であって、金型内インサート射出成形または金型内転写成形技術を採用し、裁断されたプラスチックフィルムを先ず金型内に配置し、その後、射出成形機により請求項1〜12のいずれか1項に記載のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を射出成形し、成形金型の温度は前記(A)ポリフェニレンサルファイド樹脂のガラス転移温度以下であることを特徴とする成形品の製造方法。
  18. 成形金型の温度は、5〜95℃であることを特徴とする請求項17に記載の成形品の製造方法。
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