JP2016219791A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、噴射により基材にコーティング液を塗布するのに用いる装置、及び基材にコーティングを施すための方法に関する。
基材は、特に、例えば、後にチップやMEMs(微小電気機械システム)が製造されるウェハであることができる。この目的のため、例えば、フォトリソグラフィ工程が利用されてもよい。この場合、コーティングは、基材に均一に塗布されたフォトレジスト(レジスト)である。フォトレジストの塗布の工程の一例は、フォトレジストを塗布しながら基材を回転させるスピンコートである。遠心力の影響のため、フォトレジストは基材の表面上に均一に拡散される。
しかし、本発明に係る装置及び方法は、フォトレジストをウェハに塗布することに限定されないが、原則として、可能な限り、層の厚みが均一で、表面が平坦である均質なコーティングを形成するように、噴射でコーティング液を基板に塗布するあらゆるコーティングに関連する。
コーティング工程の開始時には、コーティング液の噴射が基材に衝突する際に、気泡がコーティング内に入ってしまうという、気泡(またはガス雰囲気中のコーティングのためガス泡)による問題が発生し得る。コーティング液の粘性や更なる工程(例えば停止期間)のため、これらの気泡が塗布されたコーティングの表面に上昇して、取り除かれることが、常に確保できるわけではない。気泡がコーティング内に残っている場合、これらは、コーティングを不均一なものにしてしまう。更に、気泡がいくらか体積を占めるので、コーティングの表面が局所的に盛り上がってしまう危険性がある。
本発明の目的は、コーティング液の噴射が基材に衝突する際の気泡又はガス泡の発生を抑制することができる基材にコーティング施すための装置及び方法を提供することである。
この目的を達成するために、本発明は、コーティング液を噴射して基材に塗布するのに用いる計量装置と、所定量の溶媒を計量装置の前端に与えることができるように、計量装置の前端側に偏心して配置された溶媒ディスペンサと、を備える装置を提供する。本発明に係る方法においては、コーティング液が塗布される前に、溶媒が計量装置の前端に位置するコーティング液に接するように、所定量の溶媒が計量装置の前端に導かれる。引き続いて、待機期間の後、計量装置を用いてコーティング液が基材に塗布される。
本発明は、基材に衝突するコーティング液の噴射の先端領域の流れを、少し弱める潜在的な考えに基づく。1つには、このことにより、基材との衝突時に、コーティング液が気泡を形成するのを減じる傾向を有する。この場合、溶媒が潤滑剤の機能を果たす。一方、溶媒は、発生した気泡は、コーティングの表面に上昇し易くなって消滅するように、コーティング液を少し希釈するように導く。溶媒ディスペンサが、計量装置の前端側に偏心して配置されるので、通常のコーティング工程を乱すことはない。更に、あまり空間を取らないので、他の必要な部材のため、計量装置の周りに十分な空間を残すことができる。″計量装置の前端側に偏心して配置されること″は、溶媒ディスペンサが、計量装置または計量装置の一部であるノズルと一体的に形成されておらず、個別に配置されていることを意味する。
本発明の1つの実施形態では、溶媒ディスペンサが、計量装置の前端に向けられたスプレーノズルであり、溶媒を計量装置の前端にスプレーすることができる。このことにより、溶媒ディスペンサを、計量装置の前端から離して配置できる。
好ましくは、スプレーノズルにより、溶媒が、計量装置の前端で規定された平面に実質的に平行な方向にスプレーされる。その結果、溶媒は、計量装置内に位置するコーティング液に対して、接線方向に塗布され、溶媒は、コーティング液の上に液滴として残り、スプレー圧力の結果として、小さな液滴の形でコーティング液の中に入り込むことがない。
その他の実施形態では、溶媒ディスペンサが、溶媒の液滴を計量装置に供給できる投与アームとそして形成される。本実施形態では、溶媒の液滴が溶媒ディスペンサの前端で形成され、計量装置の前端に接触し、毛細管力により、引き続いて、計量装置の前端に位置するコーティング液に向かって移動する。
本発明の1つの実施形態では、計量装置及び溶媒ディスペンサの互いの距離を調整可能である。これにより、溶媒ディスペンサ及び計量装置を互いに近づけて、溶媒ディスペンサで形成された液滴を計量装置に接触させて、引き続いて、再び2つの部材を離して、溶媒ディスペンサがコーティング工程を乱すことがないようにすることができる。
好ましい実施形態では、コーティング液が、計量装置の前端に凹形のメニスカスを形成し、溶媒がメニスカスに入る。もし、このことが、コーティング液の表面張力の結果として自動的に生じない場合には、その前のコーティング工程の終了後に、コーティング液を少し計量装置に戻すように引くことによって、このタイプのメニスカスを作ることができる。メニスカスにより、計量装置に含まれるコーティング液の前端、つまりコーティング工程で基材に衝突するコーティング液の噴射の前端において、容易に、溶媒を均一に塗布することができる。
待機期間は、最適な態様で気泡が生じるのを防ぐように、コーティング液及び溶媒の性質の機能により設定できる、試験によれば、10から120秒の範囲の待機期間が適しており、約20から60秒の待機期間が好ましいことが判明した。
コーティング液は、フォトレジストであることができる。この場合、このタイプのフォトレジストを希釈及び/又は処理するのに通常用いられる全ての材料(例えばアセトン)が、溶媒として適している。
以下、発明は、添付の図面に示されている様々な実施形態を参照してより詳細に開示される。
図1は、コーティング液2を基材3に塗布するために用いる装置を概略的に示す。コーティング液2は、例えば、フォトレジスト(レジスト)とすることができる。
コーティング液2は、計量システム4を介して供給され、計量装置5よって、基材3に噴霧状に塗布される。塗布の間、計量装置及び基材の互いの距離は適切に調整される。
図示された装置を用いて、特に、一般的にスピンコートとして知られるコーティング方法が実行できる。
図1は、2つのコーティング工程の間の装置を示している。先のコーティング工程が終了した後、コーティング液2は、わずかに吸い取られる。そして、計量装置5内に位置するコーティング液の端面は、凹形メニスカス7を形成する。
コーティング装置は、溶媒ディスペンサ10が備えられる。供給システム12により提供される所定量の溶媒が、計量装置5の前端に与えられる。溶媒ディスペンサ10は、計量装置5の前端側に偏心して配置される。言い換えれば、計量装置5から基材3へのコーティング液2の経路の外側に配置される。
図1、2に示される第一実施形態において、溶媒ディスペンサ10は、スプレーノズルである。溶媒ディスペンサ10を用いて、溶媒を、溶媒ディスペンサ10側から、計量装置及び/又はメニスカス7面に噴霧することができる。溶媒が、毛細管力の影響によってメニスカス7に入るように計量装置に噴霧されるか、又は溶媒が、接線方向に、メニスカス7に直接噴霧されることができる。
非常に重要なことは、最適な量の溶媒14が溶媒ディスペンサ10によって塗布され、メニスカス7(図2参照)の領域に位置することである。言い換えれば、溶媒14が、計量装置5内に位置するコーティング液の液柱の端面上に位置する。
図3に第二実施形態を示す。第一実施形態から知られた部材について、同じ参照番号が用いられ、これにより、上記の説明が参照される。
第一実施形態と異なることは、第二実施形態では、溶媒ディスペンサ10が投与アームとして構成されることである。投与アームの前面端において、1滴の溶媒14が生成される。この液滴は、その後、計量装置5の前面端、又は計量装置5内に位置するコーティング液2の液柱の前端におけるメニスカス7に接触する。この目的のため、計量装置5及び溶媒ディスペンサ10の互いの距離は、例えば、放射状及び垂直の移動の組み合せを用いて、適切に調整される。
基材3がコーティング液2でコーティングされるとき、はじめに、溶媒14が、計量装置5内に位置するコーティング液2の液柱の端面に施される。このことは、スプレーによる(図2参照)、または液滴を計量装置5上まで機械的に搬送する(図3参照)ことにより実行できる。
コーティング工程の開始の所定の時間前に、溶媒が塗布され、コーティング液2が噴霧の形で基材3に塗布される前に、所望の待機期間が経過するようになっている。
コーティング液2の噴射の前端が基材3に衝突した瞬間を、図4に模式的に示す。図4は、コーティング液2の噴射の前端を囲む溶媒14も示す。溶媒を用いることにより、コーティング液2の噴射の前端が基材3に衝突したとき、気泡が形成されるのを防ぐことができることが知見された。このことは、溶媒によって異なる粘度によって可能である。溶媒は、潤滑剤としても機能可能である。
図5は、コーティングとして、基剤3に塗布されたコーティング液2を模式的に示す。コーティング内に気泡が入らず、コーティングは、平面を有するとともに、一定の層厚みを有することがわかる。
図6は、コーティング液2の噴射の前端が基材3に衝突したところであって、噴射の前端に溶媒がない場合を模式的に示す。
コーティング液2の噴射の前端が基材3に衝突したとき、側面に沿ってコーティング液2に囲まれる空気フィルムが形成される(図6a参照)。この空気が、中間のドーナツ形状態を経て、気泡20(図7参照)として、形成されたコーティング内に残る気泡を形成する(図6c)。このタイプの気泡は、コーティング内の不均一性を形成するだけでなく、コーティングの表面の局所的な膨らみ(領域22参照)を導く。
Claims (6)
- 基材(3)にコーティングを施すための装置であって、
コーティング液(2)を噴射して基材(3)に塗布するのに用いる計量装置(5)と、前記計量装置(5)の前端側に偏心して配置され、所定量の溶媒(14)を前記計量装置(5)の前記前端に与える溶媒ディスペンサ(10)と、を備え、
前記溶媒(14)は、前記基材(3)の上方で、前記計量装置(5)の前記前端によって規定される平面と実質的に平行な方向に、前記計量装置(5)の前記前端において前記コーティング液(2)の液柱の端面上に噴霧されることができることを特徴とする装置。 - 前記溶媒ディスペンサが、前記計量装置(5)の前記前端に向けられたスプレーノズル(10)であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 前記コーティング液(2)がフォトレジストであることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
- 請求項1から3の何れか1項に記載の装置を用いて基材にコーティングを施す方法であって、
− 前記コーティング液(2)が塗布される前に、前記溶媒(14)が、前記計量装置(5)の前記前端に位置する前記コーティング液(2)の液柱の端面に接するように、所定量の溶媒(14)は、前記基材(3)の上方で、前記計量装置(5)の前記前端によって規定される平面と実質的に平行な方向に、前記計量装置(5)の前記前端上に噴霧され、
− 引き続いて、待機期間の後、前記計量装置(5)を用いて、前記コーティング液(2)が前記基材(3)に塗布される、方法。 - 前記コーティング液(2)が、前記計量装置(5)の前記前端に凹形のメニスカスを形成し、前記溶媒(14)が前記メニスカス(7)に入ることを特徴とする請求項4に記載の方法。
- 前記待機期間が約10から120秒であることを特徴とする請求項4または5に記載の方法。
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