JP3697419B2 - 液膜形成方法及び固形膜形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬液吐出ノズルから被処理基板に薬液を滴下しつつ、該基板と該ノズルとを相対的に移動させて該基板上に該薬液からなる液膜を形成する液膜形成方法、及びこの液膜形成方法を用いた固形膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
リソグラフィープロセスや層間膜形成などに回転塗布法を用いる場合、基板に滴下した薬液の殆どを基板外に排出し、残りの数%で成膜するため、使用する薬液の無駄が多く、排出された薬液が多いことから環境にも悪影響を及ぼしていた。また、方形の基板や12インチ以上の大口径の円形基板では、基板の外周部で乱気流が生じその部分で膜厚が不均一になるという問題が生じていた。
【0003】
薬液を無駄にせず基板全面に均一に塗布する手法として特開平2−220428号公報には一列に配置した多数のノズルよりレジストを滴下し、その後方よりガスまたは薬液を成膜面に吹き付けることで均一な膜を得る手法が記載されている。また、特開平6−151295号公報では棒に多数の噴霧口を設け、それよりレジストを基板上に滴下し均一な膜を得ることを目的としている。更に特開平7−321001号公報にレジストを噴霧するための多数の噴出孔が形成されたスプレーヘッドを用い、基板と相対的に移動して塗布する手法が記載されている。これらいずれの塗布装置においても滴下あるいは噴霧ノズルを横一列に複数配置し、それを基板表面にそってスキャンさせて均一な膜を得ることを目的としている。これら複数のノズルを持つ装置を用いた塗布法の他に一本の薬液吐出ノズルを用い、被処理基板上を走査させることで液膜を形成する手法が有る。この手法ではノズルの操作法次第では基板1枚あたりの処理時間が長くなったり、薬液の使用量が膨大になったりするという問題が生じていた。
【0004】
これを解決する装置構成として、特開平9−92134号公報では被処理基板上で薬液吐出ノズルを往復移動させながら薬液を被処理基板上に滴下する手法が開示されている。この手法では被処理基板上で往復移動のそれぞれの終端で液供給を停止させ、始点で再供給することで塗布膜を形成している。しかし、終端、始点での供給←→停止に伴う液供給の乱れにより被処理基板上へ供給される薬液量が微妙に異なり、液膜及び液膜から形成される固形膜膜厚均一性が悪いという問題が生じていた。
【0005】
これに対して、特開2000−77307公報、特開2000−77326公報、特開2000−79366公報、特開2000−188251公報、特開2001−148338公報、特開2001−168021公報、特開2001−170546公報、特開2001−176781公報、特開2001−176786公報、特開2001−232250公報、特開2001−232269公報では薬液吐出ノズルの往復運動において、折り返し部分においても薬液の吐出を維持させることで、エッジ近傍(往復移動の折り返し近傍)での膜厚分布の劣化のない塗布膜を供給する手法について開示されている。しかしこれらの公報に記載されている塗布装置では薬液吐出ノズルと被処理基板との距離について何ら考慮されておらず、薬液吐出ノズルからの薬液吐出速度と薬液の表面張力や薬液吐出ノズルと被処理基板の距離によっては薬液が被処理基板に到達する前の液流が広がる過程において、液体の持つ表面張力により液滴になり、被処理基板に到達した液滴が弾けてミストやパーティクルの原因になるという問題が生じていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、薬液吐出ノズルから被処理基板に薬液を滴下させて液膜を形成した場合、液膜膜厚均一異性が悪いという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、薬液吐出ノズルから被処理基板に薬液を滴下させて形成された液膜及び、この液膜から形成される固形膜の膜厚均一性の改善を図り得る液膜形成方法及び固形膜形成方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下のように構成されている。
【0009】
(1)本発明の一例に係わる液膜形成方法は、被処理基板で一定量広がるように調整された薬液を、薬液吐出ノズルに設けられた吐出口から該基板に対して連続的に吐出しつつ、該ノズルと該基板とを相対的に移動させ、該基板上に供給された薬液を留めて液膜を形成する液膜形成方法において、
前記薬液吐出ノズルの吐出口と該被処理基板との距離hを、2mm以上、且つ該薬液の表面張力γ(N/m)と該吐出口から連続的に吐出される薬液の吐出速度q(m/sec)と、定数5×10-5(m・sec/N)とに対して与えられる5×10-5qγ(mm)未満の範囲内に設定して、前記薬液吐出ノズルと前記被処理基板との相対的な移動を行う。
【0010】
(2)本発明の一例に係わる液膜形成方法は、被処理基板で一定量広がるように調整された薬液を、薬液吐出ノズルに設けられた吐出口から該基板に対して連続的に吐出しつつ、該ノズルと該基板とを相対的に移動させ、該基板上に供給された薬液を留めて液膜を形成する液膜形成方法において、前記薬液の表面張力γ(N/m)を登録する工程と、前記薬液吐出ノズルの吐出口から連続的に吐出するときの吐出速度q(m/sec)と該薬液の表面張力γ(N/m)と、定数5×10-5(m・sec/N)とから、2mm以上5×10-5qγ(mm)未満となる該薬液吐出ノズルの吐出口と該被処理基板との距離hを算出する工程と、前記薬液吐出ノズルの吐出口と前記被処理基板との距離が、算出された距離hになるように調整する工程と、前記被処理基板に対して前記薬液吐出ノズルの吐出口から前記薬液を連続的に供給し、供給された薬液を該基板上に留めつつ、該ノズルと該基板とを相対的に移動させ、該被処理基板上に液膜を形成する工程とを含む。
【0011】
(3)本発明の一例に係わる液膜形成方法は、被処理基板で一定量広がるように調整された薬液を、薬液吐出ノズルに設けられた吐出口から該基板に対して連続的に吐出しつつ、該ノズルと該基板とを相対的に移動させ、該基板上に供給された薬液を留めて液膜を形成する液膜形成方法において、前記薬液吐出ノズルと前記被処理基板との相対的な移動は、前記薬液吐出ノズルが前記被処理基板の一端から該基板上を経て該基板の他端に抜ける列方向の直線的な移動と、該基板内または基板外での行方向の移動との繰り返しであり、第1の列を移動する該ノズルから該基板上に薬液を供給する際、薬液の滴下位置に対する薬液の供給量の所望値からのずれ量を求め、第1の列に隣接する第2の列を移動する該ノズルから該基板上に薬液を供給する際、第2の列上の任意の位置に於ける滴下量を、第1の列上の隣接する滴下位置において求められたずれ量を補うように制御する。
【0012】
(4)本発明の一例に係わる液膜形成方法は、被処理基板で一定量広がるように調整された薬液を、薬液吐出ノズルに設けられた吐出口から該基板に対して連続的に吐出しつつ、該ノズルと該基板とを相対的に移動させ、該基板上に供給された薬液を留めて液膜を形成する液膜形成方法において、前記薬液吐出ノズルと前記被処理基板との相対的な移動は、被処理基板の回転と、前記被処理基板の径方向への前記薬液吐出ノズルの移動とであり、該ノズルから該基板上に薬液を供給する際、薬液の滴下位置に対する薬液の供給量の所望値からのずれ量を求め、薬液吐出ノズルから前記被処理基板の第1の位置に供給する際、既に薬液が滴下され,第1の滴下位置に対して該基板の径方向に隣接する第2の位置でのずれ量を補うように第1の位置に供給される薬液の供給量を制御する。
【0013】
(5)本発明の一例に係わる液膜形成方法は、被処理基板で一定量広がるように調整された薬液を、薬液吐出ノズルに設けられた吐出口から該基板に対して連続的に吐出しつつ、該ノズルと該基板とを相対的に移動させ、該基板上に供給された薬液を留めて液膜を形成する液膜形成方法において、前記薬液吐出ノズルと前記被処理基板との相対的な移動は、該ノズルが該基板の一端から該基板上を経て該基板の他端に抜ける列方向の直線的な移動と、該基板内または基板外での行方向の移動との組み合わせであり、前記被処理基板の輪郭に沿って液膜が形成されるように、薬液吐出ノズルから吐出された薬液の該基板への供給を遮断する。
【0014】
(6)本発明の一例に係わる液膜形成方法は、円形の被処理基板で一定量広がるように調整された薬液を、薬液吐出ノズルに設けられた吐出口から該基板に対して連続的に吐出しつつ、該ノズルと該基板とを相対的に移動させ、該基板上に供給された薬液を留めて液膜を形成する液膜形成方法において、前記薬液吐出ノズルと前記被処理基板との相対的な移動は、該ノズルが該基板の一端から該基板上を経て該基板の他端に抜ける列方向の直線的な移動と、該基板のエッジ近傍における該基板内または基板外での行方向の移動との組み合わせであり、液膜形成開始位置から液膜形成終了位置にかけて、該ノズルが一方向の行方向に移動することによって、該基板の略全面に液膜を形成し、該ノズルが列方向に移動する際の薬液吐出速度が、前記液膜形成開始位置近傍では、該基板の中央位置の薬液吐出速度より小さく設定され、前記液膜形成終了位置近傍では該基板の中央位置の薬液吐出速度より大きくなるように制御する。
【0015】
(7)本発明の一例に係わる液膜形成方法は、円形の被処理基板で一定量広がるように調整された薬液を、薬液吐出ノズルに設けられた吐出口から該基板に対して連続的に吐出しつつ、該ノズルと該基板とを相対的に移動させ、該基板上に供給された薬液を留めて液膜を形成する液膜形成方法において、前記薬液吐出ノズルと前記被処理基板との相対的な移動は、該ノズルが該基板の一端から該基板上を経て該基板の他端に抜ける列方向の直線的な移動と、該基板のエッジ近傍における該基板内または基板外での行方向の移動との組み合わせであり、液膜形成開始位置から液膜形成終了位置にかけて、該ノズルが一方向の行方向に移動することによって、該基板の略全面に液膜を形成し、該ノズルが行方向に移動する際の行方向移動距離が、前記液膜形成開始位置近傍では該基板の中央位置の行方向移動距離より大きく、前記液膜形成終了位置近傍では該基板の中央位置の行方向移動距離より小さくなるように制御する。
【0016】
(8)本発明の一例に係わる液膜形成方法は、円形の被処理基板で一定量広がるように調整された薬液を、薬液吐出ノズルに設けられた吐出口から該基板に対して連続的に吐出しつつ、該ノズルと該基板とを相対的に移動させ、該基板上に供給された薬液を留めて液膜を形成する液膜形成方法において、前記薬液吐出ノズルと前記被処理基板との相対的な移動は、該ノズルが該基板の一端から該基板上を経て該基板の他端に抜ける列方向の直線的な移動と、該基板のエッジ近傍における該基板内または基板外での行方向の移動との組み合わせであり、液膜形成開始位置から液膜形成終了位置にかけて、該ノズルが一方向の行方向に移動することによって、該基板の略全面に液膜を形成し、該ノズルの行方向の移動を挟んだ、該ノズルの列方向の移動による該基板への薬液供給が一時中断してから、該ノズルの列方向の移動による該基板への薬液供給が再開されるまでの時間間隔を一定にすることを特徴とする。
【0017】
(9)本発明の一例に係わる固形膜形成方法は、前記(1)〜(8)の何れかに記載された液膜形成方法により、溶剤中に溶質が溶かされた溶液からなる前記薬液を前記被処理基板上に滴下して該基板上に液膜を形成する工程と、前記液膜の表面を前記薬液の流動性により平均化する工程と、前記液膜中の溶剤を除去して、前記溶質からなる固形膜を形成する工程とを含む。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を以下に図面を参照して説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる液膜形成装置の概略構成を示す図である。図1に示すように、図示されていない基板移動機構上に水平に被処理基板11が載置される。被処理基板11上方に薬液吐出ノズル12が配置されている。薬液吐出ノズル12は、図示されないノズル移動機構により、被処理基板11の移動方向と直交する方向に往復移動する。薬液吐出ノズル12には、薬液供給ポンプ13から供給された薬液14を被処理基板11に対して滴下する滴下口が設けられている。
【0020】
被処理基板11上に液膜を形成する場合、薬液吐出ノズル12の吐出口から被処理基板11上に薬液14を吐出させながら、薬液吐出ノズル12を列方向に往復移動させて、被処理基板11上に線状に薬液を滴下する。そして、薬液吐出ノズル12が被処理基板11上外または基板内の膜形成所望領域外に位置するときに、被処理基板11を薬液吐出ノズル12の列方向と直交する行方向に移動させる。なお、図1中の符号15は薬液の滴下位置の軌跡である。
【0021】
被処理基板11上に線状に供給された薬液は、薬液自身の持つ流動性により広がり、隣接する線状の薬液が互いに接続して一つの液膜16になる。
【0022】
液膜形成開始位置から液膜形成終了位置にかけて、該ノズルが一方向の行方向に移動することによって、薬液の供給がほぼ基板11全体に対し行われ、被処理基板11の略全面に液膜を形成する。そして、図1のユニットもしくは図示されない手段において溶剤雰囲気中への放置などによる液膜の平坦化を施した後、被処理基板11は図示されない乾燥手段に移動する。乾燥手段では減圧あるいは加熱機構により液膜中の溶剤を除去し、被処理基板11上に固形膜を形成する。
【0023】
本実施形態では、薬液吐出ノズル12の吐出口と被処理基板11との距離を最適化し、その状態で薬液吐出ノズルから薬液を被処理基板上に供給することで、欠陥の少ない良好な膜厚分布と提供する手順に関して説明する。
【0024】
図2は、薬液吐出ノズルの吐出口と被処理基板との距離を求めるのに用いられた観察系を示す概念を示す図である。
図2に示すように、薬液吐出ノズル12の吐出口から吐出された薬液を挟む様にレーザ光源21と観察用ビデオカメラ22が配置されている。即ちレーザ光源21から照射されたレーザ光線の光軸にそって、薬液14、観察用ビデオカメラ22が配置されている。吐出口から吐出された薬液14が液滴状態になったかどうかは、薬液14に照射されたレーザ光が散乱するか否かで容易に判断可能であり、散乱が確認された領域を液滴形成領域とみなした。
【0025】
この観察光学系を用いて、溶剤に乳酸エチルを用いた固形分2%のレジスト溶液について、薬液吐出速度と液滴状態になる吐出口からの距離Hpとの関係を求める実験を行った。なお、レジスト溶液の表面張力は溶剤とほぼ同じ30×10-3N/mであった。
【0026】
図3に薬液吐出速度と液滴状態になる吐出口からの距離Hpとの関係を示す。図3に示すように、実験に用いたレジスト溶液の場合、薬液吐出速度と距離Hpには比例関係があることが判った。図3には純水について同様の測定を行った結果も併せて示している。水の場合も、薬液吐出速度と距離Hpとの間には、比例関係が得られている。これら溶液のほかに、表面張力の異なる溶剤としてメタノール(表面張力=22.6×10-3N/m)、ヘキサン(表面張力=18.4×10-3N/m)など種々の溶液について実験をしたが、いずれも比例関係が得られた。これらの比例関係を纏めると、薬液吐出ノズルからの薬液吐出速度q(m/sec)と距離Hp(mm)の関係は、更に溶液の表面張力γ(N/m)を用いて(1)式のように表せされる。
【0027】
Hp≧5×10-5qγ (1)
なお、定数5×10-5のディメンジョンはm・sec/Nである。
【0028】
(1)式から表面張力γ(N/m)の薬液を薬液吐出速度q(m/sec)で被処理基板上に供給する場合、薬液吐出ノズルの吐出口と被処理基板との距離hを
h<5×10-5qγ≦Hp (2)
として定めればよい。
【0029】
本実施形態では、平均厚さ15μmの液膜を得るために薬液吐出ノズルの被処理基板上の等速移動速度を1m/sec、被処理基板上の液線のピッチを0.4mmとし、固形分2%のレジスト溶液(表面張力=30×10-3N/m)を直径40μmの吐出口から吐出速度4.77m/sで吐出した。この場合の距離hの上限hmaxを(2)式から
【数1】
と決定した。
【0030】
薬液吐出ノズルの吐出口と被処理基板の距離の下限は、吐出口から吐出された薬液の広がりがほぼ安定した領域Dを得られる距離として定めた。図4に安定した領域Dの定義域を示す。薬液吐出ノズル12の吐出口41から吐出された薬液14は、吐出直後に急速に広がった後、緩やかに広がりながら被処理基板11上に到達する。この広がり程度は、図5に示す吐出口41の径,形状(テーパー角),及び長さ、並びに薬液の粘度により異なる。上述した塗布法では、数10-3Pa・s程度の希薄溶液が用いられる。また、薬液吐出ノズル12の吐出口41の形状が、(吐出口の長さ)/(吐出口の直径)≧2であって、吐出口のテーパー角が70°〜110°であるものが用いられた。また、吐出口41の直径は20〜100μm程度のものが用いられた。
【0031】
なお、h=5×10-5qγにおける吐出された薬液の広がり幅DWに対して0.8DW以上の広がり幅を得られる領域として安定領域Dを定義し、薬液の粘度を1〜8×10-3Pa・sの範囲で、薬液吐出ノズルの吐出口形状が(吐出口の長さ)/(吐出口の直径)を2〜5の範囲で、吐出口のテーパー角を70°〜110°の範囲で、吐出口の直径を20〜100μmの範囲で変化させたノズルを複数試作し、図2に示す観測系を用いて、吐出速度を変化させて領域Dに到達する吐出口からの距離を測定した。液広がりは吐出速度、及び、吐出口のテーパー角に特に左右されたが、吐出口からの距離を1〜2mmの間に設定すると、どの条件でも安定領域Dに達することが判った。条件によってはh=1mmで安定領域Dに達したが、この状態での吐出した場合には被処理基板に到達した薬液が跳ね返りノズルの被処理基板に対向する面を汚染することが確認された。距離hを変化させて汚染の程度を確認したところ、距離hが2mm以上であれば解消できることが判った。これらの検討から薬液吐出ノズルと被処理基板の距離の下限を2mmとすれば良い。なお、2mm以下で薬液を被処理基板上に供給した場合には、被処理基板上での流動による薬液の広がりを十分に得られない、或いはノズルの汚染が生じるため、液膜厚の均一性が±10%以上となり、実用に不適切な液膜しか得ることができなかった。
【0032】
以上の検討から薬液吐出ノズルの吐出口と被処理基板の距離hは、
2[mm]≦h<5×10-5qγ (4)
の範囲に定めると良いことが明らかになった。
【0033】
図1の装置を用いて距離hを0.5mmから10mmの範囲で調整して8インチウエハに対してレジスト溶液を塗布して液膜を形成し、更に溶液中の溶剤を乾燥除去して固形膜を形成した。ここでの溶剤の除去は、液膜を形成した被処理基板を、液膜に含まれる溶剤と同じ乳酸エチルの雰囲気に晒して液膜のレベリングを行った後に行った。液膜のレベリングが行われた被処理基板を減圧チャンバに移して、減圧チャンバ内を減圧して乳酸エチルの飽和蒸気圧近傍の圧力で保持した状態で溶剤の除去を行った。更に常圧に戻した後に減圧チャンバから被処理基板を搬出し、ホットプレート上で被処理基板を140℃に加熱して膜中に微量存在する溶剤を更に除去した。なお、ホットプレートを用いるのではなく、ベーカーにより直接加熱しても良い。また、被処理基板を回転し、それにより生じる気流を用いて乾燥を行っても良い。
【0034】
薬液吐出ノズルの吐出口からの吐出速度を4.77m/sec、その2倍の9.54m/secとに設定して、液膜の形成を行った。なお、吐出速度は4.77m/secの場合には薬液ノズルの移動速度を1m/secにし、吐出速度が9.54m/secの場合には薬液吐出ノズルの移動速度を2m/secにすることで、両者で同じ液膜厚が得られる様にした。また、吐出速度4.77m/sの時の上限距離Hpは7.16mmであり、吐出速度9.54m/sの場合の上限距離Hpは14.3mmであった。
【0035】
形成された固形膜について、薬液吐出ノズルの吐出口−被処理基板間距離hに対するウエハー面内の膜厚分布(レンジ%)の関係を図6に示す。また、吐出口−被処理基板間距離hに対するウエハー1枚当たりのパーティクル数の関係を図7に示す。
【0036】
図6からレジスト溶液の場合には膜厚均一性は吐出口−被処理基板間距離hを3mm以上とすることで安定した値を得ることができた。なお、層間膜などを形成する場合、低誘電体材料を含む薬液の塗布の場合、膜厚均一性のレンジが5%程度でも良いことから2mm以上であれば良い。
【0037】
図7のパーティクルの結果は、それぞれの吐出速度に対して(4)式を満たす範囲で良好な結果が得られ、それ以外の領域では欠陥数が増大するという結果を得た。h≦2mmの場合に欠陥が多いのはノズルと被処理基板の距離が近いため、被処理基板上で弾いた薬液がノズルに付着し、付着した薬液が被処理基板上に落ちることで生じたものや、ノズルにあたった際にミストになって散ったものが基板上に付着したものである。上限距離Hp以上でパーティクルが増大したのは、先に述べた様に吐出した薬液の一部が微小な液滴になって被処理基板上に到達したため、ミスト状になりパーティクルの原因になったと考えられる。この様に、薬液吐出ノズルの吐出口と被処理基板との距離hは(4)式の条件を満たす範囲に定めるのが良い。
【0038】
上述の薬液吐出ノズルの吐出口と被処理基板間の距離hは塗布装置において自動的に設定することが可能である。その場合、塗布装置に塗布する薬液の表面張力γ(N/m)を登録できる様にしておく。装置側では登録されている表面張力γと、そのときの薬液吐出速度q(m/sec)に応じて(4)式により適切な距離hを算出すれば良い。被処理基板に対して薬液を供給する前に、先に得られた適切な距離hになるように薬液吐出ノズルの吐出口と被処理基板間の距離を調整する。距離の調整は被処理基板を上下方法に移動させても、薬液吐出ノズル駆動系を移動させても、また、双方を移動させても良い。
【0039】
吐出速度q(m/sec)はオペレーターが直接入力しても良いが、塗布装置内で自動計算することが好ましい。図8は、薬液吐出ノズルと被処理基板との相対的な移動が薬液吐出ノズルが被処理基板の一端から基板上を経て基板の他端に抜ける列方向の直線的な移動と、基板外での行方向の移動との組み合わせで構成される場合に、薬液の吐出速度qを算出する方法の説明に用いる図である。図8に示すように、薬液82の吐出速度q(m/sec)を、液膜83の所望の平均液膜厚をdf、該ノズルの行方向の移動ピッチをp(=単位液膜の幅)、薬液吐出ノズルの吐出孔81の半径をr、該薬液吐出ノズルが該被処理基板の一端から該基板上を経て該基板の他端に抜ける列方向の直線的な移動の速度をv(m/s)とすると、塗布領域の液量と、吐出された液量が等しいという関係から
【数2】
という関係が成立する。これを薬液82の吐出速度qについて整理することで
q=df×p×v/πr2 (6)
という関係が得られる。なお、平均液膜厚は固形膜の所望平均膜厚、溶液中の固形分濃度、固形膜の比重、液膜の比重を用い一般的な化学の教科書に記載されている手段により容易に求めることができる。
【0040】
薬液吐出ノズルと被処理基板との相対的な移動が、薬液吐出ノズルが基板の中心から外周、もしくは外周から中心に向けて螺旋状に移動する場合においても、所望の平均液膜厚df、該ノズルの最外周における該基板1回転あたりの径方向移動ピッチp、薬液吐出ノズルの吐出孔半径r、最外周における該薬液吐出ノズルの該被処理基板に対する相対的な線速度vとすると、
【数3】
という関係が成立する。これをqについて整理することで
q=df×p×v/πr2 (8)
という関係を得ることができる。
【0041】
なお、距離hは(4)式で得られる範囲であればどの領域でも良いが、装置において簡便に求めるなら上限と下限の中間値として定めても良い。また、薬液吐出ノズルと被処理基板の間に遮蔽板など薬液遮断機能が介在し、かつその介在位置が薬液吐出ノズルの吐出口から2mm以上はなれている場合には、介在位置を下限としてhを設定することが必要である。
【0042】
また、ノズルの列方向の移動と行方向の移動との組み合わせで、被処理基板上に薬液を供給する場合、円形の基板に限らず、矩形の基板に本実施形態に示した方法を適用することができる。
【0043】
(第2の実施形態)
本実施形態は図1に示す塗布装置を用いた塗布方法において、直線状にノズルを移動させながら被処理基板上に吐出供給し形成された液線についての供給量補正に関して説明する。
【0044】
液膜は第1の実施形態と同じ条件で作成し、更に溶剤を乾燥除去して固形膜を形成した。液膜中の溶剤の乾燥は、第1の実施形態と同様に行った。
【0045】
従来の薬液吐出ノズルの移動速度及び吐出速度の制御は時間軸に沿ってPIDなどの制御で行っていた。この制御は薬液吐出ノズルの移動速度及び吐出速度が設定された値になるようにフィードバックするものの、滴下する薬液で一本の直線を描く際、薬液吐出ノズルの進行方向前方に対してフィードバックしていた。しかしこのような制御方法のみでは本当の均一な膜を得ることができない。望ましくは隣接する線の間で補正を行う制御を行うことが好ましい。
【0046】
例えば従来の場合、吐出速度及び移動速度のずれに対して、PID制御を行った場合、図9に示すように、薬液の滴下位置に対する基板上に形成される液膜の膜厚は変化する。なお、図9に於ける液膜厚は、基板上に滴下された薬液の広がりを考慮して、滴下位置に対する供給量から換算して得られたものである。
【0047】
隣接する領域において、滴下位置に対する薬液の供給量を比較すると、ほぼ同じ軌跡で供給量が変化している。その結果、図11の波線で示すように、最終的に形成された固形膜には、薬液吐出ノズルの移動方向に沿って膜厚分布が生じるという問題があった。
【0048】
これに対して本実施形態では、列方向に滴下する薬液で1本の線を描いた際、供給量のずれ量を記憶し、滴下位置に対する供給量のずれを求めておく。この時の滴下位置に対する液膜厚(供給量に相当)を図10において実線で示す。なお、図10に於ける液膜厚は、基板上に滴下された薬液の広がりを考慮して、滴下位置に対する供給量から換算して得られたものである。なお、供給量のずれ量は、たとえば薬液吐出ノズルからの吐出速度のずれ、薬液吐出ノズルの移動速度のずれなどによって生じる。
【0049】
そして、供給量のずれ量が求められた軌跡(第1の列)に隣接する領域(第2の列)の任意の位置に於ける滴下量を、隣接する滴下位置において求められた供給量のずれ量を補う様に制御する。薬液の供給量の制御は、薬液吐出速度、及び薬液吐出ノズルの移動速度の少なくとも一方を制御することによって行う。隣接する滴下領域において、液膜厚の変動を図10で波線に示す。
【0050】
その結果、隣接する線では液膜厚の変動の方向が互いに逆になるため相殺して均一な液膜厚を得ることができる。その結果、液膜中の溶剤を除去した後に得られる固形膜の膜厚は図11で実線に示すように、滴下位置に依らずに平坦になる。
【0051】
なお、吐出速度のずれ量の計測は、例えば吐出圧力の変化をモニタすることで行うことが可能である。また、薬液吐出ノズルの移動速度のずれ量は、レーザ干渉計でノズルの位置情報を得て、時間に対する微分値として求めることが可能である。
【0052】
なお、被処理基板を回転しつつ、前記被処理基板の径方向へ前記薬液吐出ノズルを移動させて、被処理基板上に螺旋上に薬液を滴下して液膜を形成する場合にももちろん適用できる。その場合は薬液吐出ノズルから薬液の吐出速度のずれ、薬液吐出ノズルの移動速度のずれ、基板の回転速度のずれを計測して供給量のずれを求める。そして、薬液吐出ノズルから前記被処理基板の第1の位置に供給する際、既に薬液が滴下され,第1の滴下位置に対して該基板の径方向に隣接する第2の位置でのずれ量を補うように第1の位置に供給される薬液の供給量を制御する。薬液供給量の制御は、薬液吐出ノズルから薬液の吐出速度、薬液吐出ノズルの移動速度、及び基板の回転速度の少なくとも一つを制御することによって行う。
【0053】
また、乾燥をベーカーにより直接加熱して行っても良い。また、被処理基板を回転し、それにより生じる気流を用いて乾燥を行っても良い
また、ノズルの列方向の移動と行方向の移動との組み合わせで、被処理基板上に薬液を供給する場合、円形の基板に限らず、矩形の基板に本実施形態に示した方法を適用することができる。
【0054】
(第3の実施形態)
図12は、本発明の第3の実施形態に係わる液膜形成装置の概略構成を示す図である。図12(a)は装置の側面図、図12(b)は装置の平面図である。
【0055】
図12に示すように、被処理基板120は基板駆動系121上に水平に配置される。被処理基板120上方には薬液吐出ノズル122と、ノズル122を往復移動させるノズル駆動系123とが設けられている。薬液吐出ノズル122は、薬液を吐出しながらノズル駆動系123により被処理基板120及び被処理基板120と薬液吐出ノズル122との間の空間に配置された遮蔽板124a,bの上方を紙面左右に往復移動(この方向を行方向とする)するように制御されている。被処理基板120上を薬液吐出ノズル122が一方向に移動する毎に、被処理基板120は基板駆動系121により紙面前方または後方に予め決められた列方向移動ピッチだけ移動するように制御されている。図13に示すように、このような動作を繰り返すことで、被処理基板120上に滴下された薬液の滴下位置の軌跡は、符号130に示す線となる。滴下位置の軌跡130は線状であるが、線状に供給された薬液はそれの持つ流動性により基板上到達位置を基準に広がり、隣接する液線と接続し、やがて一つの液膜になるように予め薬液の粘度、列方向移動ピッチが定められている。
【0056】
被処理基板120と薬液吐出ノズル122の間の空間に配置された遮断板124a,bは、遮断機構駆動系126及びアーム125a,bにより被処理基板120の外縁に沿って移動して、薬液吐出ノズル122の吐出口から吐出された薬液127を遮断して、被処理基板120上に到達させないようにしている。
【0057】
円形基板の塗布に対応した従来の方式では遮断板124の行方向位置、即ち塗布開始側遮断位置Lsと塗布終了側遮断位置Leは、従来の手法では被処理基板原点を0とし、被処理基板の半径rとエッジカット幅(被処理基板エッジと液膜エッジ形成位置との距離)dと薬液吐出ノズルからの薬液の液線との距離Xを用いて
|Ls|=|Le|=((r−d)2−x2)0.5 (9)
として定めていた。
【0058】
図14に、この時の実際に遮断された薬液の基板上到達位置を模式的に示す。薬液吐出ノズル122は矢印の方向にそれぞれv(m/sec)で進んでいる。一方ノズル122からの薬液127の吐出速度がq(m/sec)であるとする。また、遮蔽板から被処理基板までの距離(被処理基板を基準とした薬液が遮断された高さ)をz(m)とする。通常、このような塗布装置で希薄薬液の塗布を行う場合、吐出速度q=5〜15m/sec程度で、距離z=0.001〜0.005m程度である。薬液吐出ノズル122の吐出口と被処理基板120との距離zが薬液吐出速度とくらべて非常に小さいため、この滴下距離における速度変化はほぼ0と考えることができる。この条件下での被処理基板への薬液到達位置と遮断位置との誤差ΔL1及びΔL2は、
|ΔL1|=|ΔL2|=vz/q (10)
として表せる。薬液吐出ノズルの移動速度v=1m/sec、薬液吐出速度q=5m/s、z=0.003mの場合には
|ΔL1|=|ΔL2|=0.6mm (11)
となる。従って概ね、生じる隣接して描かれた薬液のエッジの差が、矩形基板の場合には1.2mm程度となる。円形基板に対して塗布を行う場合、図15に示すように、更にエッジが乱れた塗布膜プロファイルになっていた。
【0059】
これに対して、本実施形態では液線進行方向を+としたときに(9)式で定まる位置位置よりそれぞれ−vz/qだけシフトさせた位置に供給開始側の遮断位置と供給終了側の遮断位置が来るように微調整した。これにより、図16に示す様な基板輪郭に沿った液膜形成を可能にする。
【0060】
基板上に供給された薬液は、流動性によって広がり液膜になった段階で、液膜のエッジを被処理基板に沿ったエッジプロファイルにすることが可能になる。
【0061】
液膜のエッジを被処理基板に沿ったエッジプロファイルで作製した膜は被処理基板上の液膜に対して基板中心に回転させて、液膜のレベリングを行うこともできる。また、乾燥工程で基板を回転させて乾燥させることで、被処理基板上の液膜からバランス良く溶剤を基板外周部で揮発でき、揮発により生じる膜厚分布を非常に小さくすることが可能となる。
【0062】
以上の効果は、エッジ部分を基板に沿って形成したことによる効果であって、基板を回すことで液膜にかかる遠心力を図17(a)に示す様に液膜エッジに均等に分散できるために得られたものである。従来のようなジグザグのエッジの場合、図17(b)に示す様に液膜が突出した部分に遠心力が集中するため、この部分から基板外に向けて液が流動してしまうという問題が生じていた。
【0063】
なお、液膜からの溶剤の除去は、液膜を形成した被処理基板を液膜に含まれる溶剤と同じ乳酸エチルの雰囲気に晒して液膜のレベリングを行った後、この被処理基板を減圧チャンバーに移して、減圧にし、乳酸エチルの飽和蒸気圧近傍の圧力で保持した状態で溶剤の除去を行い、更に常圧に戻した後に減圧チャンバーから被処理基板を搬出し、ホットプレート上で被処理基板を140℃に加熱して膜中に微量存在する溶剤を更に除去して行ってもよいし、減圧下に晒すことなく直接加熱して除去しても良い。
【0064】
本実施形態は円形基板に対する補正であるが、露光用マスクや液晶基板のような矩形基板に対する塗布においても同様の補正を行うことで基板エッジに沿ったエッジを持つ液膜の形成が可能となる。矩形基板に対しても、薬液吐出ノズルの進行方向を+としたときに遮断板による遮断位置を矩形基板のエッジに一定間隔だけ空けて形成された液膜エッジ形成位置よりそれぞれ−vz/qだけシフトさせた位置に供給開始側の遮断位置と供給終了側の遮断位置とを合わせると良い。
【0065】
また、図12に示した遮断板以外にも、薬液を被処理基板に到達することなく遮断機構として以下のようなものがある。
(i)ガスを吹き付けて液の軌道を変更し、対向する位置に設けた回収部で薬液を回収するもの。
(ii)滴下された薬液を吸引することで軌道を変え、液回収部に液を回収するもの。
【0066】
図12に示すガス遮断機構床となる機構を有する液膜形成装置の一例を図18に示す。図18に示すように、本装置は、滴下された薬液に対してガスを照射するガス照射部184a,184b、及び吸引により薬液を回収する薬液吸引部185a,bを具備し、前述した(i)と(ii)の遮断機構を併せ持つ方式が採用されている。なお、遮断板124a,bは、ガス照射部184a,184b、薬液吸引部185a,bにより遮断することができなかった薬液が被処理基板上に滴下するのを防止するために設けられている。
【0067】
駆動法は上述の図12の場合と同じ制御をしているが、距離zの扱いは、ガスを吹き付けて遮断するガス照射部184a,bから被処理基板120までの距離になる。
【0068】
また、ノズルの列方向の移動と行方向の移動との組み合わせで、被処理基板上に薬液を供給する場合、円形の基板に限らず、矩形の基板に本実施形態に示した方法を適用することができる。
【0069】
(第4の実施形態)
図19,20は本発明の第4の実施形態に係わる課題の説明図であり、図1に示す様に薬液吐出ノズルが円形被処理基板の輪郭に沿って折り返しながら塗布膜を形成する場合に生じる課題の説明図である。
【0070】
薬液吐出ノズルからの基板上に線状に滴下された薬液を液線とする。そして、隣接する液線同士がくっついて液膜が形成された時、1本の液膜により形成された部分を単位液膜とする。
【0071】
図19は、図1の塗布装置を用いて液膜を作成するときの塗布開始・終了部で、第2列の塗布時における第1列で塗布した液線の広がり状態と、最終的に得られる液膜における単位液膜の境界を模式的に表したものである。また、図20は、基板中心近傍で、第2列の塗布時における第1列で塗布された液線の広がり状態と、最終的に得られる液膜における単位液膜の境界を模式的に表したものである。
【0072】
塗布開始及び終了部では列方向のノズル移動距離が短く、第1列の塗布が終了し基板上への薬液供給が一時中断してから、第2列の塗布が開始して基板上への薬液供給が再開するまでの時間(列方向塗布時間間隔)が、被処理基板直径と略同じ基板中心部を塗布する場合と比べて短い。この時間差が第2列の薬液線の塗布時における第1列の薬液線の広がりに差を与える。
【0073】
図19(a)に示すように、塗布開始及び終了近傍では、第2列の塗布時における第1列の液線192の広がりが不充分である。そのため、図19(b)に示すように、単位液膜193,194の境界B1は第1列の滴下位置P11と第2列の滴下位置P12との中心線C1より、少しだけ第2列の滴下位置P12側に決定される。図19(b)において、中心線C1と位置P12との間隔をSL1としている。
【0074】
しかし、中心近傍では、図20(a)に示すように、列方向塗布時間間隔が大きいため、第2列の塗布時に第1列の液線202はかなり広がっている。よって、図20(b)に示すように、単位液膜203,204の境界B2は塗布開始及び終了近傍の場合と比べて、より第2列の滴下位置P12側に決定される。図19(b)において、中心線C2と位置P22との間隔をSL2(SL2>SL1)としている。
【0075】
このような単位液膜の境界線位置の違いは膜厚均一性が悪くなる原因になる。塗布開始部及び終了部では単位液膜の境界が中心のそれより開始点側にシフトするため、最終的に得られる固形分値量が開始点側に見かけ上移動することになるため、塗布開始側では固形膜が厚くなり、終了側では薄くなるという問題が生じていた。図21において、三角印でプロットしたのは、従来の塗布で観察される基板中央の膜厚に対する相対膜厚である。
【0076】
図21の三角印でプロットした相対膜厚に基づき、対応する列に相対膜厚の逆数に比例した薬液供給量を与えることで、行方向の膜厚均一性の向上を図ることができる。薬液供給量の調整は、薬液吐出ノズルからの吐出速度を、従来の吐出速度に対して従来の塗布法で得られた相対膜厚の逆数を係数として掛けた値に設定することで行う。図21の丸印に本実施形態の方法で得られた相対膜厚の結果を示す。被処理基板の行方向全体で均一な膜厚を得ることができた。
【0077】
本実施形態では、塗布開始近傍での被処理基板への薬液供給量を中心部よりも少なくし、且つ、塗布終了近傍での被処理基板への薬液供給量を中心部よりも多くすることを特徴とするものである。よって、本実施例の効果を次の制御により達成することもできる。
【0078】
(1)薬液吐出ノズルからの薬液吐出速度を相対膜厚の逆数に比例して変化させる。なお、薬液吐出ノズルの列方向移動速度、行方向移動ピッチ、など他の条件は従来と同じ値にする。
【0079】
図21に示すように、液膜形成開始側では固形膜が厚くなり、液膜形成終了側では薄くなる。従って、該ノズルが列方向に移動する際の薬液吐出速度が、液膜形成開始位置近傍では、該基板の中央位置の薬液吐出速度より小さく設定され、前記液膜形成終了位置近傍では該基板の中央位置の薬液吐出速度より大きくなる。
【0080】
(2)薬液吐出ノズルの行方向移動ピッチを行方向相対膜厚に比例して変化させる。なお、薬液吐出ノズルの列方向移動速度、薬液吐出速度、など他の条件は従来と同じ値にする。
【0081】
図21に示すように、液膜形成開始側では固形膜が厚くなり、液膜形成終了側では薄くなる。従って、ノズルが行方向に移動する際の行方向移動距離が、液膜形成開始位置近傍では該基板の中央位置の行方向移動距離より大きく、液膜形成終了位置近傍では前記基板の中央位置の行方向移動距離より小さくなる
(3)基板への薬液が供給されていない状態での、薬液吐出ノズルの移動を制御することで時間調整を行う。望ましくは、薬液吐出ノズルが行方向を移動する際の、加減速度を調整する。またはノズルの列方向移動時の加減速を調整する。または、行方向及び列方向移動時における加減速度を制御しても良い。時間間隔を短くするには加減速度を早くすれば良い。時間間隔を長くするには加減速度を遅くすれば良い。なお、この加減速度の調整とは、ノズルの移動を一時的に停止させることも含む。
【0082】
本実施形態では従来の手法で塗布した膜の膜厚分布を基準にして塗布条件を設定したが、これに限るものではない。ノズルから薬液を吐出して、一本の塗布線を被処理基板上に供給し、その線の行方向への広がりかたをCCDカメラや、ビデオなどで観察して、液線の広がる速度を求める。もう一方で、塗布装置で描画する際に生じる列方向塗布時間間隔を、測定もしくは仕様から机上計算で求める。先の広がり量と列方向塗布時間間隔を求める。この場合は手法(3)により容易に条件を決定でいる。また、(1)の手法で調整する場合には各列を塗布する際の薬液吐出速度を求めればよい。(2)の手法で調整する場合には行方向の移動ピッチを定めると良い。
【0083】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。例えば、上述した各実施形態に示した液膜形成方法は、リソグラフィー工程で用いられる反射防止剤、レジスト剤の塗布をはじめ、低誘電体材、強誘電体材の塗布など半導体プロセスは勿論、メッキなど装飾プロセスとしてあらゆる成膜工程に適用可能である。
【0084】
更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、薬液吐出ノズルから被処理基板に薬液を滴下させて形成された液膜及び、この液膜から形成される固形膜の膜厚均一性の改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる液膜形成装置の概略構成を示す図。
【図2】薬液吐出ノズルの吐出口と被処理基板との距離を求めるのに用いられた観察系を示す概念を示す図。
【図3】薬液の吐出速度と液滴状態になる吐出口からの距離Hpとの関係を示す図。
【図4】吐出口から吐出された薬液の広がりが安定する領域Dの定義を説明する図。
【図5】薬液吐出ノズルの吐出口を断面を拡大して示す図。
【図6】薬液吐出ノズルの吐出口−被処理基板間距離hに対するウエハー面内の膜厚分布(レンジ%)の関係を示す図。
【図7】吐出口−被処理基板間距離hに対するウエハー1枚当たりのパーティクル数の関係を示す図。
【図8】薬液吐出ノズルと被処理基板との相対的な移動が薬液吐出ノズルが被処理基板の一端から基板上を経て基板の他端に抜ける列方向の直線的な移動と、基板外での行方向の移動との組み合わせで構成される場合に、薬液の吐出速度qを算出する方法の説明に用いる図。
【図9】従来のPID制御で液膜を形成した場合の、滴下位置に対する液膜厚(供給量)を示す図。
【図10】第2の実施形態に係わる制御方法で液膜を形成した場合の、滴下位置に対する液膜厚(供給量)を示す図。
【図11】従来及び本実施形態に係わる制御方法で形成された液膜中の溶剤を除去して得られた固形膜の滴下位置に対する膜を示す図。
【図12】第3の実施形態に係わる液膜形成装置の概略構成を示す図。
【図13】薬液吐出ノズルの軌跡に対するシャッターの設置関係を示す図。
【図14】シャッターで生じる塗布領域の誤差を示す図。
【図15】従来のシャッター位置により形成された液膜のエッジプロファイルを示す図。
【図16】本実施形態に係わるシャッター位置により形成された液膜のエッジプロファイルを示す図。
【図17】基板回転時に液膜エッジに加わる力の説明に用いる図。
【図18】第3の実施形態に係わる液膜形成装置の概略構成を示す図。
【図19】第4の実施形態に係わる、図1の塗布装置を用いて液膜を作成するときの塗布開始・終了部で、第2列の塗布時における第1列で塗布した液線の広がり状態と、最終的に得られる液膜における単位液膜の境界を模式的に表した図。
【図20】第4の実施形態に係わる、図1の塗布装置を用いて液膜を作成するときの基板中心近傍で、第2列の塗布時における第1列で塗布された液線の広がり状態と、最終的に得られる液膜における単位塗布膜の境界を模式的に表した図。
【図21】従来と第4の実施形態で形成した行方向の相対膜厚を示す図。
【符号の説明】
11…被処理基板
12…薬液吐出ノズル
13…薬液供給ポンプ
14…薬液
15…滴下位置の軌跡
16…液膜
Claims (21)
- 被処理基板で一定量広がるように調整された薬液を、薬液吐出ノズルに設けられた吐出口から該基板に対して連続的に吐出しつつ、該ノズルと該基板とを相対的に移動させ、該基板上に供給された薬液を留めて液膜を形成する液膜形成方法において、
前記薬液吐出ノズルの吐出口と該被処理基板との距離hを、2mm以上、且つ該薬液の表面張力γ(N/m)と該吐出口から連続的に吐出される薬液の吐出速度q(m/sec)と、定数5×10-5(m・sec/N)とに対して与えられる5×10-5qγ(mm)未満の範囲内に設定して、前記薬液吐出ノズルと前記被処理基板との相対的な移動を行うことを特徴とする液膜形成方法。 - 前記薬液吐出ノズルと該被処理基板との相対的な移動は、該ノズルが該基板の一端から該基板上を経て該基板の他端に抜ける列方向の直線的な移動と、該基板内または基板外での行方向の移動との組み合わせであることを特徴とする請求項1記載の液膜形成方法。
- 前記薬液吐出ノズルと前記被処理基板との相対的な移動は、該ノズルが前記被処理基板の略中心から外周部に向かう、または外周部から略中心にむかう螺旋状の移動であることを特徴とする請求項1記載の液膜形成方法。
- 被処理基板で一定量広がるように調整された薬液を、薬液吐出ノズルに設けられた吐出口から該基板に対して連続的に吐出しつつ、該ノズルと該基板とを相対的に移動させ、該基板上に供給された薬液を留めて液膜を形成する液膜形成方法において、
前記薬液の表面張力γ(N/m)を登録する工程と、
前記薬液吐出ノズルの吐出口から連続的に吐出するときの吐出速度q(m/sec)と該薬液の表面張力γ(N/m)と、定数5×10-5(m・sec/N)とから、2mm以上5×10-5qγ(mm)未満となる該薬液吐出ノズルの吐出口と該被処理基板との距離hを算出する工程と、
前記薬液吐出ノズルの吐出口と前記被処理基板との距離が、算出された距離hになるように調整する工程と、
前記被処理基板に対して前記薬液吐出ノズルの吐出口から前記薬液を連続的に供給し、供給された薬液を該基板上に留めつつ、該ノズルと該基板とを相対的に移動させ、該被処理基板上に液膜を形成する工程とを含むことを特徴とする液膜形成方法。 - 前記薬液吐出ノズルと前記被処理基板との相対的な移動は、該ノズルが該基板の一端から該基板上を経て該基板の他端に抜ける列方向の直線的な移動と、該基板内または基板外での行方向の移動で構成されるものであって、
所望の平均液膜厚をdf、該ノズルの行方向の移動ピッチをp、該ノズルの吐出孔の半径r、該ノズルの列方向の移動速度をvとした時、
該ノズルの吐出口から連続的に吐出される薬液の吐出速度qが、
q=(df×p×v)/(πr2)
として定められることを特徴とする請求項4記載の液膜形成方法。 - 該薬液吐出ノズルと前記被処理基板との相対的な移動は、該ノズルが前記被処理基板の略中心から外周部に向かう、または外周部から略中心に向かう螺旋状の移動であって、
所望の平均液膜厚をdf、該ノズルの最外周における該基板1回転あたりの径方向移動ピッチをp、該ノズルの吐出孔の半径をr、最外周における該薬液吐出ノズルの該被処理基板に対する相対的な線速度をvとした時、
該薬液吐出ノズルの吐出口から連続的に吐出される薬液の吐出速度qが、
q=(df×p×v)/(πr2)
として定められることを特徴とする請求項4記載の液膜形成方法。 - 前記薬液吐出ノズルの吐出口と該被処理基板との距離hを、略(2+5×10-5qγ)/2[mm]となるように定めることを特徴とする請求項4記載の液膜形成方法。
- 被処理基板で一定量広がるように調整された薬液を、薬液吐出ノズルに設けられた吐出口から該基板に対して連続的に吐出しつつ、該ノズルと該基板とを相対的に移動させ、該基板上に供給された薬液を留めて液膜を形成する液膜形成方法において、
前記薬液吐出ノズルと前記被処理基板との相対的な移動は、前記薬液吐出ノズルが前記被処理基板の一端から該基板上を経て該基板の他端に抜ける列方向の直線的な移動と、該基板内または基板外での行方向の移動との繰り返しであり、
第1の列を移動する該ノズルから該基板上に薬液を供給する際、薬液の滴下位置に対する薬液の供給量の所望値からのずれ量を求め、
第1の列に隣接する第2の列を移動する該ノズルから該基板上に薬液を供給する際、第2の列上の任意の位置に於ける滴下量を、第1の列上の隣接する滴下位置において求められたずれ量を補うように制御することを特徴とする液膜形成方法。 - 第2の列を移動する前記薬液吐出ノズルから前記被処理基板に供給される薬液の供給量の制御は、該ノズルの移動速度、及び該ノズルからの薬液の吐出速度の少なくとも一方を制御して行うことを特徴とする請求項8に記載の液膜形成方法。
- 被処理基板で一定量広がるように調整された薬液を、薬液吐出ノズルに設けられた吐出口から該基板に対して連続的に吐出しつつ、該ノズルと該基板とを相対的に移動させ、該基板上に供給された薬液を留めて液膜を形成する液膜形成方法において、
前記薬液吐出ノズルと前記被処理基板との相対的な移動は、被処理基板の回転と、前記被処理基板の径方向への前記薬液吐出ノズルの移動とであり、
該ノズルから該基板上に薬液を供給する際、薬液の滴下位置に対する薬液の供給量の所望値からのずれ量を求め、
薬液吐出ノズルから前記被処理基板の第1の位置に供給する際、既に薬液が滴下され,第1の滴下位置に対して該基板の径方向に隣接する第2の位置でのずれ量を補うように第1の位置に供給される薬液の供給量を制御することを特徴とする液膜形成方法。 - 第1の位置に供給される薬液の供給量の制御は、前記薬液吐出ノズルの移動速度、該ノズルからの薬液の薬液吐出速度、及び該基板の回転数の少なくとも一つを制御して行うことを特徴とする請求項9に記載の液膜形成方法。
- 被処理基板で一定量広がるように調整された薬液を、薬液吐出ノズルに設けられた吐出口から該基板に対して連続的に吐出しつつ、該ノズルと該基板とを相対的に移動させ、該基板上に供給された薬液を留めて液膜を形成する液膜形成方法において、
前記薬液吐出ノズルと前記被処理基板との相対的な移動は、該ノズルが該基板の一端から該基板上を経て該基板の他端に抜ける列方向の直線的な移動と、該基板内または基板外での行方向の移動との組み合わせであり、
前記被処理基板の輪郭に沿った液膜が形成されるように、薬液吐出ノズルから吐出された薬液の該基板への供給を遮断することを特徴とする液膜形成方法。 - 前記被処理基板のエッジに沿って、一定幅dだけあけて設定された液膜エッジ形成位置上の薬液供給の始点位置と終点位置に対して、薬液吐出ノズルの進行方向後方に予め決められたシフト量sだけシフトさせた位置で薬液を遮断することを特徴とする請求項12記載の液膜形成方法。
- 前記薬液吐出ノズルの移動方向を正方向とした時、前記シフト量sは、
−vz/q
(vは薬液吐出ノズルの移動速度、qは薬液吐出ノズルの吐出口からの吐出速度、zは被処理基板を基準とした薬液が遮断された高さ)
であることを特徴とする請求項13記載の液膜形成方法。 - 円形の被処理基板で一定量広がるように調整された薬液を、薬液吐出ノズルに設けられた吐出口から該基板に対して連続的に吐出しつつ、該ノズルと該基板とを相対的に移動させ、該基板上に供給された薬液を留めて液膜を形成する液膜形成方法において、
前記薬液吐出ノズルと前記被処理基板との相対的な移動は、該ノズルが該基板の一端から該基板上を経て該基板の他端に抜ける列方向の直線的な移動と、該基板のエッジ近傍における該基板内または基板外での行方向の移動との組み合わせであり、
液膜形成開始位置から液膜形成終了位置にかけて、該ノズルが一方向の行方向に移動することによって、該基板の略全面に液膜を形成し、
該ノズルが列方向に移動する際の薬液吐出速度が、前記液膜形成開始位置近傍では、該基板の中央位置の薬液吐出速度より小さく設定され、前記液膜形成終了位置近傍では該基板の中央位置の薬液吐出速度より大きくなるように制御することを特徴とする液膜形成方法。 - 円形の被処理基板で一定量広がるように調整された薬液を、薬液吐出ノズルに設けられた吐出口から該基板に対して連続的に吐出しつつ、該ノズルと該基板とを相対的に移動させ、該基板上に供給された薬液を留めて液膜を形成する液膜形成方法において、
前記薬液吐出ノズルと前記被処理基板との相対的な移動は、該ノズルが該基板の一端から該基板上を経て該基板の他端に抜ける列方向の直線的な移動と、該基板のエッジ近傍における該基板内または基板外での行方向の移動との組み合わせであり、
液膜形成開始位置から液膜形成終了位置にかけて、該ノズルが一方向の行方向に移動することによって、該基板の略全面に液膜を形成し、
該ノズルが行方向に移動する際の行方向移動距離が、前記液膜形成開始位置近傍では該基板の中央位置の行方向移動距離より大きく、前記液膜形成終了位置近傍では前記基板の中央位置の行方向移動距離より小さくなるように制御することを特徴とする液膜形成方法。 - 円形の被処理基板で一定量広がるように調整された薬液を、薬液吐出ノズルに設けられた吐出口から該基板に対して連続的に吐出しつつ、該ノズルと該基板とを相対的に移動させ、該基板上に供給された薬液を留めて液膜を形成する液膜形成方法において、
前記薬液吐出ノズルと前記被処理基板との相対的な移動は、該ノズルが該基板の一端から該基板上を経て該基板の他端に抜ける列方向の直線的な移動と、該基板のエッジ近傍における該基板内または基板外での行方向の移動との組み合わせであり、
液膜形成開始位置から液膜形成終了位置にかけて、該ノズルが一方向の行方向に移動することによって、該基板の略全面に液膜を形成し、
該ノズルの行方向の移動を挟んだ、該ノズルの列方向の移動による該基板への薬液供給が一時中断してから、該ノズルの列方向の移動による該基板への薬液供給が再開されるまでの時間間隔を一定にすることを特徴とする液膜形成方法。 - 前記被処理基板へ薬液が供給されていない状態において、前記薬液吐出ノズルの列方向及び行方向の少なくとも一方の移動の加減速度を制御して、前記時間間隔を一定にすることを特徴とする請求項17に記載の液膜形成方法。
- 前記請求項1,4,8,11,12,15,16及び17の何れかに記載された液膜形成方法により、溶剤中に溶質が溶かされた溶液からなる前記薬液を前記被処理基板上に滴下して該基板上に液膜を形成する工程と、
前記液膜の表面を前記薬液の流動性により平均化する工程と、
前記液膜中の溶剤を除去して、前記溶質からなる固形膜を形成する工程とを含むことを特徴とする固形膜形成方法。 - 前記液膜中の溶剤を除去する工程は、前記被処理基板を回転しつつ行うことを特徴とする請求項19記載の固形膜形成方法。
- 前記液膜中の溶剤を除去する工程は、被処理基板を減圧下に晒す、または液膜を加熱して行うことを特徴とする請求項19記載の固形膜形成方法。
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