JP2018089562A - 成膜方法及び塗布システム - Google Patents
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Abstract
【課題】基材に機能膜を形成する場合において、液の濡れ広がり不足による不良箇所の発生を防ぐ。【解決手段】基材3の所定位置に機能材を含む機能膜を形成する方法には、前記機能材及び溶剤を含む第一液6を前記所定位置に塗布する機能材塗布工程と、溶剤を含み第一液6よりも濡れ広がり性の高い第二液7を塗布する溶剤塗布工程と、基材7上の溶剤を除去する乾燥工程とが含まれる。基材7に第二液7を塗布してから、第二液7が乾燥する前に、この第二液7上に第一液6を前記所定位置に塗布する。【選択図】 図2
Description
本発明は、基材に機能膜を形成する成膜方法及びそのための塗布システムに関する。
液晶パネルや半導体基板の製造過程において、基板やウエハ等の基材に各種機能膜が形成されており、そのための手段として、従来、フォトリソグラフィ技術が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。例えばウエハに機能膜を形成する場合、スピンコート装置等により機能材を含む液(以下、機能液という。)をウエハに塗布し、乾燥させ、レジスト液を塗布し、乾燥させる。その後、マスクを用いた露光、現像、エッチング、レジストの剥離、及び、焼成を行うことにより、ウエハ上の所定位置に機能膜が形成される。
フォトリソグラフィ技術の場合、前記のとおり多くの工程が必要であり、また、機能液やレジスト液の無駄が多くなる(つまり、液の使用効率が低い)という課題がある。そこで、本発明の発明者によって、インクジェット方式で基材に機能膜を形成する技術の開発が進められている。インクジェット方式の場合、基材への機能液の塗布、乾燥、及び、焼成により機能膜を形成することができ、フォトリソグラフィ技術と比較して工程が少なく、生産性を高めることが可能となる。また、インクジェット方式の場合、必要な位置に狙って機能液を吐出すればよく、これにより、液の使用効率が高いという利点もある。
インクジェット方式により塗布を行うための装置(インクジェット装置)は、多数のノズルを有するヘッドを備えており、このヘッドと基材とを相対的に移動させ、ノズルから機能液を吐出させる。各ノズルから1回の吐出動作によって吐出される液量は数ピコリットル〜数十ピコリットル程度であることから、例えば、基材上に広がった薄膜を形成するためには、微小間隔で開口する多数のノズルを備えたヘッドを用い、前記相対的な移動の間に微小な時間間隔でノズルから機能液を吐出する制御が行われる。図7(A)は、各ノズルから落下途中にある機能液91を平面的に見た場合のイメージ図である。機能液91が基材に着弾すると、図7(B)に示すように、機能液91が基材上で濡れ広がり、濡れ広がった機能液91同士が繋がることで、面状に広がる塗膜92が形成される。
しかし、側面図である図8(A)に示すように、基材99には凸部98が形成されているものがあり、この場合、機能液91が基材99に着弾し(図8(B)参照)、濡れ広がっても(図8(C)参照)、一部(図8(C)の矢印Rで指す部分)において濡れ広がった機能液91同士が繋がらず、つまり、濡れ広がり不足により、連続した塗膜92が形成されないことがある。なお、これを回避するためにノズルから1回で吐出する機能液91の量を増やせば良いが、塗膜92を薄くすることが要求されることがあり、この場合、採用することはできない。
また、他の例として、側面図である図9(A)に示すように、ノズルから吐出される機能液91(液滴)よりも体積が大きな孔からなる凹部95に、機能膜を形成する(つまり、塗膜を充填する)場合、機能液91が凹部95に着弾しても、図9(B)に示すように、濡れ広がり不足により隅部96に空気が残留することがあり、この場合、図9(C)に示すように乾燥後、塗膜92に欠損97が生じる。
図8(C)に示すように塗膜92が不連続となったり、図9(C)に示すように塗膜92に欠損97が生じたりすると、完成品の品質が保証されないおそれがある。
また、他の例として、側面図である図9(A)に示すように、ノズルから吐出される機能液91(液滴)よりも体積が大きな孔からなる凹部95に、機能膜を形成する(つまり、塗膜を充填する)場合、機能液91が凹部95に着弾しても、図9(B)に示すように、濡れ広がり不足により隅部96に空気が残留することがあり、この場合、図9(C)に示すように乾燥後、塗膜92に欠損97が生じる。
図8(C)に示すように塗膜92が不連続となったり、図9(C)に示すように塗膜92に欠損97が生じたりすると、完成品の品質が保証されないおそれがある。
なお、例えば吐出する機能液91に含まれる溶剤の含有量を増加させて機能液91の粘度を低く設定することで、基材99に着弾させた際の機能液91の濡れ広がり性を高め、前記のような不具合の発生を抑えることが考えられる。しかし、インクジェット装置の場合、吐出する液(機能液91)の粘度が低くなると、液の一部が、予定していた位置以外の不要な位置にも飛び散ったりすることから、塗布精度が低下してしまう。
以上のように、インクジェット方式は、工数低減及び液の使用効率向上の点で優れているが、液の濡れ広がりが不足して不良箇所(図8(C)の前記矢印Rで指す部分、図9(C)の欠損97)が生じるという課題がある。このような不良箇所は、前記のとおり基材99に凸部98(凹部95)等の段差が形成されている場合の他に、例えば基材の表面の途中で材質が変化している等、濡れ性(濡れ広がり性)が途中で変化するような場合において、その変化の境界で発生しやすい。
なお、前記のような課題は、インクジェット方式に限らず、ディスペンサ方式の場合も同様であり、液を滴下して塗布を行う方式において問題となる。
なお、前記のような課題は、インクジェット方式に限らず、ディスペンサ方式の場合も同様であり、液を滴下して塗布を行う方式において問題となる。
そこで、本発明は、基材に機能膜を形成する場合において、液の濡れ広がり不足による不良箇所の発生を防ぐことを目的とする。
本発明の成膜方法(1)は、基材の所定位置に機能材を含む機能膜を形成する方法であって、前記機能材及び溶剤を含む第一液を前記所定位置に塗布する機能材塗布工程と、溶剤を含み前記第一液よりも濡れ広がり性の高い第二液を塗布する溶剤塗布工程と、前記基材上の溶剤を除去する乾燥工程と、を含み、前記基材に前記第二液を塗布してから、当該第二液が乾燥する前に、当該第二液上に前記第一液を前記所定位置に塗布する。
この成膜方法(1)によれば、基材に対して先に塗布する第二液は濡れ広がり性が高いことから、第二液の濡れ広がり不足による不良箇所の発生を抑制することができ、そして、この第二液に、機能材及び溶剤を含む第一液を落とすと、第一液と第二液とが混ざり、この混合液において機能材は分散され、これを乾燥させる(溶剤を除去する)ことで基材の所定位置(つまり、第一液を塗布した位置)に、濡れ広がり不足による不良箇所の無い機能膜を形成することが可能となる。
なお、機能材を含む第一液を、例えばインクジェット方式やディスペンサ方式等のように液を滴下する方式によって塗布することで、基材の所定位置に機能膜を形成することができる。
また、溶剤を含む第二液については、スリットコータ方式やスプレー方式等、インクジェット方式やディスペンサ方式以外の他の方式で塗布を行ってもよいが、インクジェット方式やディスペンサ方式であってもよい。これは、例えば粘度が低いことで濡れ広がり性の高い第二液をインクジェット方式やディスペンサ方式等で塗布した結果、その塗布精度が低くても(つまり、予定していた位置以外にも塗布されていても)この第二液に含まれる溶剤は乾燥工程において基材から除去されるためである。
なお、機能材を含む第一液を、例えばインクジェット方式やディスペンサ方式等のように液を滴下する方式によって塗布することで、基材の所定位置に機能膜を形成することができる。
また、溶剤を含む第二液については、スリットコータ方式やスプレー方式等、インクジェット方式やディスペンサ方式以外の他の方式で塗布を行ってもよいが、インクジェット方式やディスペンサ方式であってもよい。これは、例えば粘度が低いことで濡れ広がり性の高い第二液をインクジェット方式やディスペンサ方式等で塗布した結果、その塗布精度が低くても(つまり、予定していた位置以外にも塗布されていても)この第二液に含まれる溶剤は乾燥工程において基材から除去されるためである。
また、本発明の成膜方法(2)は、基材の所定位置に機能材を含む機能膜を形成する方法であって、前記機能材及び溶剤を含む第一液を前記所定位置に塗布する機能材塗布工程と、溶剤を含み前記第一液よりも濡れ広がり性の高い第二液を塗布する溶剤塗布工程と、前記基材上の溶剤を除去する乾燥工程と、を含み、前記基材に前記第一液を前記所定位置に塗布してから、当該第一液が乾燥する前に、当該第一液上に前記第二液を塗布する。
この成膜方法(2)のように、基材に対して先に塗布した機能材及び溶剤を含む第一液上に、溶剤を含む第二液を塗布すると、第一液と第二液とが混ざり、この混合液において機能材は分散される。仮に、先に塗布した第一液に濡れ広がり不足による不良箇所が発生していても、第二液は濡れ広がり性が高いことから、第一液と第二液とが混ざることで前記不良箇所が解消される。そして、機能材が分散した混合液を乾燥させる(溶剤を除去する)ことで、基材の所定位置(つまり、第一液を塗布した位置)に、濡れ広がり不足による不良箇所の無い機能膜を形成することが可能となる。
なお、機能材を含む第一液を、例えばインクジェット方式やディスペンサ方式等のように液を滴下する方式によって塗布することで、基材の所定位置に機能膜を形成することができる。
また、溶剤を含む第二液については、スリットコータ方式やスプレー方式等、インクジェット方式やディスペンサ方式以外の他の方式で塗布を行ってもよいが、インクジェット方式やディスペンサ方式であってもよい。これは、例えば粘度が低いことで濡れ広がり性の高い第二液をインクジェット方式やディスペンサ方式で塗布した結果、その塗布精度が低くても(つまり、予定していた位置以外にも塗布されていても)この第二液に含まれる溶剤は乾燥工程において基材から除去されるためである。
なお、機能材を含む第一液を、例えばインクジェット方式やディスペンサ方式等のように液を滴下する方式によって塗布することで、基材の所定位置に機能膜を形成することができる。
また、溶剤を含む第二液については、スリットコータ方式やスプレー方式等、インクジェット方式やディスペンサ方式以外の他の方式で塗布を行ってもよいが、インクジェット方式やディスペンサ方式であってもよい。これは、例えば粘度が低いことで濡れ広がり性の高い第二液をインクジェット方式やディスペンサ方式で塗布した結果、その塗布精度が低くても(つまり、予定していた位置以外にも塗布されていても)この第二液に含まれる溶剤は乾燥工程において基材から除去されるためである。
特に、前記基材が、液の濡れ広がりを阻害する段差を有している場合、例えば段差を構成する凹部の一部(例えば隅部)に液の充填不良(気体の残留)が生じ易い。しかし、このような場合であっても、第一液と第二液とを別のタイミングで分けて塗布することで、第一液をインクジェット方式やディスペンサ方式等によって精度よく塗布することが可能であると共に、濡れ広がり性の高い第二液との混合によって、不良箇所を解消することが可能となる。また、別の場合として、段差を構成する凸部によってその両側に塗布された液が繋がらず、凸部上に不良箇所が発生し易い場合であっても、第一液と第二液とを別のタイミングで分けて塗布することで、第一液をインクジェット方式やディスペンサ方式等によって精度よく塗布することが可能であると共に、濡れ広がり性の高い第二液との混合によって、不良箇所を解消することが可能となる。
また、前記基材は、液の濡れ性が異なる領域として、例えば、基材の表面の途中で材質が変化していることにより、親液性が異なる被塗布領域を有している場合、親液性が異なる境界に不良箇所が生じることがあるが、第一液と第二液とを別のタイミングで塗布することで、前記の場合と同様に不良箇所を解消することが可能となる。
また、前記基材は、液の濡れ性が異なる領域として、例えば、基材の表面の途中で材質が変化していることにより、親液性が異なる被塗布領域を有している場合、親液性が異なる境界に不良箇所が生じることがあるが、第一液と第二液とを別のタイミングで塗布することで、前記の場合と同様に不良箇所を解消することが可能となる。
また、本発明は、基材の所定位置に機能材を含む機能膜を形成するための塗布システムであって、前記機能材及び溶剤を含む第一液を前記所定位置に塗布する機能材塗布機構と、溶剤を含み前記第一液よりも濡れ広がり性の高い第二液を塗布する溶剤塗布機構と、を備え、前記溶剤塗布機構が前記基材に前記第二液を塗布してから、当該第二液が乾燥する前に、前記機能材塗布機構が当該第二液上に前記第一液を前記所定位置に塗布する。
この塗布システムによれば、前記成膜方法(1)を行うことが可能となり、基材の所定位置(つまり、第一液を塗布した位置)に、濡れ広がり不足による不良箇所の無い機能膜を形成することが可能となる。
この塗布システムによれば、前記成膜方法(1)を行うことが可能となり、基材の所定位置(つまり、第一液を塗布した位置)に、濡れ広がり不足による不良箇所の無い機能膜を形成することが可能となる。
また、本発明は、基材の所定位置に機能材を含む機能膜を形成するための塗布システムであって、前記機能材及び溶剤を含む第一液を前記所定位置に塗布する機能材塗布機構と、溶剤を含み前記第一液よりも濡れ広がり性の高い第二液を塗布する溶剤塗布機構と、を備え、前記機能材塗布機構が前記基材に前記第一液を前記所定位置に塗布してから、当該第一液が乾燥する前に、前記溶剤塗布機構が当該第一液上に前記第二液を塗布する。
この塗布システムによれば、前記成膜方法(2)を行うことが可能となり、基材の所定位置(つまり、第一液を塗布した位置)に、濡れ広がり不足による不良箇所の無い機能膜を形成することが可能となる。
この塗布システムによれば、前記成膜方法(2)を行うことが可能となり、基材の所定位置(つまり、第一液を塗布した位置)に、濡れ広がり不足による不良箇所の無い機能膜を形成することが可能となる。
本発明によれば、基材に機能膜を形成する場合において、液の濡れ広がり不足による不良箇所の発生を防ぐことが可能となる。
〔塗布システム及び成膜方法の概要〕
本発明の成膜方法は、(例えば、図3(E)に示すように)基材3の所定位置に機能膜9を形成する方法であり、図1(A)のフロー図に示す成膜方法(1)と、図1(B)のフロー図に示す成膜方法(2)とがある。成膜方法(1)及び成膜方法(2)には、いずれにおいても、機能材塗布工程、溶剤塗布工程、及び、乾燥工程が含まれる。本実施形態では、成膜方法(1)(2)は図2に示す塗布システムにより行われ、基材3上の複数に区画された領域4にのみ機能膜9が形成される。本実施形態で説明する基材3は、枚葉状の板部材であるが、連続帯状のシート部材であってもよい。
本発明の成膜方法は、(例えば、図3(E)に示すように)基材3の所定位置に機能膜9を形成する方法であり、図1(A)のフロー図に示す成膜方法(1)と、図1(B)のフロー図に示す成膜方法(2)とがある。成膜方法(1)及び成膜方法(2)には、いずれにおいても、機能材塗布工程、溶剤塗布工程、及び、乾燥工程が含まれる。本実施形態では、成膜方法(1)(2)は図2に示す塗布システムにより行われ、基材3上の複数に区画された領域4にのみ機能膜9が形成される。本実施形態で説明する基材3は、枚葉状の板部材であるが、連続帯状のシート部材であってもよい。
機能材塗布工程、溶剤塗布工程、及び乾燥工程の詳細については後に説明するが、機能材塗布工程は、図2に示すインクジェット装置10が有する機能材塗布機構11によって行われる。本実施形態では、溶剤塗布工程は、機能材塗布工程と同じ図2に示すインクジェット装置10によって行われる。つまり、インクジェット装置10は、溶剤塗布工程を行うための溶剤塗布機構12も有している。乾燥工程は、図2に示す乾燥装置40によって行われる。機能材塗布機構11、溶剤塗布機構12、及び乾燥装置40によって、塗布システムが構成される。なお、溶剤塗布工程は、インクジェット方式以外の塗布方式で行われてもよく、例えば図示しないがスリットコータ装置による塗布方式であってもよい。スリットコータ装置は、基材3の幅方向に沿って長いスリットが開口するヘッドを備えており、このスリットの開口から液を吐出することで塗布を行う装置である。なお、インクジェット装置10の代わりにディスペンサ装置を用いてもよいが、インクジェットは、多数ノズルであるため、基材3上の適切な場所に着弾させることができる。したがって、凹凸形状が複雑な基材3に薄膜を形成するには、インクジェット方式の方が好ましい。
〔インクジェット装置10及び乾燥装置40について〕
インクジェット装置10は、床面に設置されるベースフレーム13、このベースフレーム13上に設けられ基材3が載置されるステージ14、及びガントリ15を備えている。ステージ14は、例えば吸引によって基材3を保持することができる。ステージ14には、図外の搬送ロボットによって基材3が搬入され、塗布を終えた基材3は図外の搬送装置によって乾燥装置40へ搬送される。ガントリ15は、基材3の奥行き方向(図2においてX方向)に沿って移動可能に構成されている。ガントリ15は、第一インクジェットヘッド17(以下、第一ヘッド17という)と、第二インクジェットヘッド18(以下、第二ヘッド18という)とを搭載している。第一ヘッド17及び第二ヘッド18それぞれは、基材3の幅方向(図2においてY方向)に並んで配置した複数の単位ヘッドによって構成されている。第一ヘッド17と第二ヘッド18とはX方向について異なる位置に配置されている。
インクジェット装置10は、床面に設置されるベースフレーム13、このベースフレーム13上に設けられ基材3が載置されるステージ14、及びガントリ15を備えている。ステージ14は、例えば吸引によって基材3を保持することができる。ステージ14には、図外の搬送ロボットによって基材3が搬入され、塗布を終えた基材3は図外の搬送装置によって乾燥装置40へ搬送される。ガントリ15は、基材3の奥行き方向(図2においてX方向)に沿って移動可能に構成されている。ガントリ15は、第一インクジェットヘッド17(以下、第一ヘッド17という)と、第二インクジェットヘッド18(以下、第二ヘッド18という)とを搭載している。第一ヘッド17及び第二ヘッド18それぞれは、基材3の幅方向(図2においてY方向)に並んで配置した複数の単位ヘッドによって構成されている。第一ヘッド17と第二ヘッド18とはX方向について異なる位置に配置されている。
インクジェット装置10は、後に説明する第一液6を溜める第一タンク21と、後に説明する第二液7を溜める第二タンク22とを更に備えている。第一タンク21は第一ヘッド17と配管を通じて繋がっており、これにより、第一供給路23が構成されている。第二タンク22は第二ヘッド18と配管を通じて繋がっており、これにより、第二供給路24が構成されている。第一供給路23と第二供給路24とはそれぞれ独立した液供給路であり、液供給路において第一液6と第二液7とが混ざることはない。
第一ヘッド17は、第一液6を吐出するノズルを基材3側に多数備えている。第二ヘッド18は、第二液7を吐出するノズルを基材3側に多数備えている。第一ヘッドが有する多数のノズルはY方向に整列して設けられており、第二ヘッドが有する多数のノズルはY方向に整列して設けられている。各ノズルから圧電素子の動作によって液がインクジェット方式で基材3へと吐出される。吐出した液は基材3に着弾する。
第一ヘッド17及び第二ヘッド18それぞれにおいて、各ノズルから1回の吐出動作によって基材3へ供給される液量は数ピコリットル〜数十ピコリットル程度である。このため、多数のノズルから吐出した液(液滴)によって基材3上に薄膜を形成するためには、第一ヘッド17及び第二ヘッド18それぞれにおいてノズルは微小間隔で形成されており、また、X方向にガントリ15が移動する間に第一ヘッド17又は第二ヘッド18の各ノズルから微小な時間間隔で液を吐出する制御が行われる。これにより、基材3に着弾した液が濡れ広がり、濡れ広がった液同士が繋がることで塗膜が形成される。ガントリ15を移動させながら第一ヘッド17及び第二ヘッド18のいずれか一方から液を吐出させる動作が、第一液又は第二液の塗布動作となる。
乾燥装置40は、溶剤塗布工程及び機能材塗布工程を終えた基材3を乾燥させる、つまり、基材3上の液を乾燥させる。乾燥装置40は例えばホットプレートを有する構成とすることができるが、その他の構成であてもよい。
インクジェット装置10におけるガントリ15の移動及びノズルからの液の吐出のタイミング、基材3の搬送、並びに、乾燥装置40の動作等は、塗布システムが備えている制御装置16によって制御される。
インクジェット装置10におけるガントリ15の移動及びノズルからの液の吐出のタイミング、基材3の搬送、並びに、乾燥装置40の動作等は、塗布システムが備えている制御装置16によって制御される。
以上より、前記機能材塗布機構11は、第一タンク21を含む第一供給路23、及び、第一ヘッド17を有しており、第一液6をインクジェット方式で基材3に塗布するように構成されている。前記溶剤塗布機構12は、第二タンク22を含む第二供給路24、及び、第二ヘッド18を有しており、第二液7をインクジェット方式で基材3に塗布するように構成されている。
〔第一液6、第二液7、及び基材3ついて〕
第一液6は、機能材及び溶剤を含む。溶剤よりも機能材の含有率が低く、所定の粘度に設定されている。溶剤が溶媒成分となり、機能材が溶質成分となる。機能材は様々なものであるが、具体例として、導電性を有する機能材や、絶縁性を有する機能材がある。導電性を有する機能材の場合、各成膜方法によれば、基材3の所定位置に導電膜(電極)が形成される。また、溶剤は1種類のみであってもよいが複数種類の溶剤によるものである。第二液7は、溶剤を含む。溶剤は1種類のみであってもよく、複数種類の溶剤によるものであってもよい。例えば、第二液7の溶剤は、第一液6の溶剤に含まれる主溶剤のみとすることができる。つまり、第一液6の溶剤と第二液7の溶剤とは異なるものであってもよい。第二液7は、第一液6に含まれる機能材を拡散(分散)させる性質を有しており、第一液6よりも粘度が低く基材3との関係で濡れ広がり性が高い。また、本実施形態では、第二液7に機能材は含まれないが、濡れ広がり性を阻害しない範囲であれば(第一液6よりも)少量の機能材が第二液7に含まれていてもよい。なお、本実施形態のインクジェット装置10では、各ノズルから吐出する液(第一液6及び第二液7)の推奨粘度が低粘度に設定されている。この推奨粘度の下限値を下回ると、ノズルから主滴(液の大部分)を所定位置に落とすことはできるが、液の一部(残部)がその周囲に飛び散ってしまい塗布精度を低下させる。本実施形態の第一液6の粘度はこの推奨粘度の範囲に設定されているが、第二液7はこの推奨粘度よりも低い値に設定されている。
第一液6は、機能材及び溶剤を含む。溶剤よりも機能材の含有率が低く、所定の粘度に設定されている。溶剤が溶媒成分となり、機能材が溶質成分となる。機能材は様々なものであるが、具体例として、導電性を有する機能材や、絶縁性を有する機能材がある。導電性を有する機能材の場合、各成膜方法によれば、基材3の所定位置に導電膜(電極)が形成される。また、溶剤は1種類のみであってもよいが複数種類の溶剤によるものである。第二液7は、溶剤を含む。溶剤は1種類のみであってもよく、複数種類の溶剤によるものであってもよい。例えば、第二液7の溶剤は、第一液6の溶剤に含まれる主溶剤のみとすることができる。つまり、第一液6の溶剤と第二液7の溶剤とは異なるものであってもよい。第二液7は、第一液6に含まれる機能材を拡散(分散)させる性質を有しており、第一液6よりも粘度が低く基材3との関係で濡れ広がり性が高い。また、本実施形態では、第二液7に機能材は含まれないが、濡れ広がり性を阻害しない範囲であれば(第一液6よりも)少量の機能材が第二液7に含まれていてもよい。なお、本実施形態のインクジェット装置10では、各ノズルから吐出する液(第一液6及び第二液7)の推奨粘度が低粘度に設定されている。この推奨粘度の下限値を下回ると、ノズルから主滴(液の大部分)を所定位置に落とすことはできるが、液の一部(残部)がその周囲に飛び散ってしまい塗布精度を低下させる。本実施形態の第一液6の粘度はこの推奨粘度の範囲に設定されているが、第二液7はこの推奨粘度よりも低い値に設定されている。
図3〜図6は、図2に示す基材3の一部をX方向から見た場合の断面図であり、領域4(領域4の一部)を模式的に示している。図3及び図4に示すように、基材3は表面(被塗布面)側に凸部5を有しており、表面が凹凸形状となっている。図3及び図4に示す凸部5は(紙面方向に連続しており)線状である。基材3の表面が凹凸形状となっていることで、基材3は濡れ性が異なる領域を有する。また、別の基材3として、図5及び図6に示すように、基材3は、表面(被塗布面)側に孔からなる凹部55を有している。凹部55は、インクジェット装置10のノズルから吐出される液滴(第一液6又は第二液7)よりも体積が大きな孔により構成されている。図3〜図6それぞれに示すように、基材3の表面が凹凸形状となっていることで、基材3は濡れ性が異なる領域を有する。各基材3は、液の濡れ性が異なる領域として、液の濡れ広がりを阻害する段差(凸部5、凹部55)を有している。
〔第一の成膜方法について〕
以上の構成を備えている塗布システムによって行われる成膜方法について説明する。
ガントリ15(図2参照)を移動させながら第二ヘッド18から第二液7を吐出させる塗布動作を行うことで、図3(A)に示すように、基材3に第二液7を塗布する(溶剤塗布工程)。第二液7は粘度が低く濡れ広がり性が高いため、平面的に広がっており途中で不連続部が生じていない第二液7による膜(液膜)が形成される。次に、この第二液7による膜が乾燥する前に、第一ヘッド17から第一液6を吐出させる塗布動作を行うことで、図3(B)に示すように、第二液7による膜の上に第一液6を塗布する(機能材塗布工程)。ここで、図2に示すように、第二ヘッド18の方が第一ヘッド17よりもガントリ15の進行方向(つまり、塗布方向)先頭側に配置されていることから、ガントリ15がX方向に沿って一方向に1回移動する間に、溶剤塗布工程と機能材塗布工程とを行うことができる。図3(C)は第二液7上に第一液6が着弾した直後を示している。図3(D)に示すように、第二液7上に第一液6が着弾するとこれらは混ざって混合液8となり、この混合液8において第一液6に含まれていた機能材は分散され、混合液8による膜(液膜)が形成される。そして、乾燥工程に進み、乾燥装置40によって混合液8を乾燥させる。すると、混合液8の溶剤が蒸発し、図3(E)に示すように、基材3の所定位置に機能材を含む機能膜(固形膜)9が形成される。機能膜9は凸部5を覆う膜となる。
以上の構成を備えている塗布システムによって行われる成膜方法について説明する。
ガントリ15(図2参照)を移動させながら第二ヘッド18から第二液7を吐出させる塗布動作を行うことで、図3(A)に示すように、基材3に第二液7を塗布する(溶剤塗布工程)。第二液7は粘度が低く濡れ広がり性が高いため、平面的に広がっており途中で不連続部が生じていない第二液7による膜(液膜)が形成される。次に、この第二液7による膜が乾燥する前に、第一ヘッド17から第一液6を吐出させる塗布動作を行うことで、図3(B)に示すように、第二液7による膜の上に第一液6を塗布する(機能材塗布工程)。ここで、図2に示すように、第二ヘッド18の方が第一ヘッド17よりもガントリ15の進行方向(つまり、塗布方向)先頭側に配置されていることから、ガントリ15がX方向に沿って一方向に1回移動する間に、溶剤塗布工程と機能材塗布工程とを行うことができる。図3(C)は第二液7上に第一液6が着弾した直後を示している。図3(D)に示すように、第二液7上に第一液6が着弾するとこれらは混ざって混合液8となり、この混合液8において第一液6に含まれていた機能材は分散され、混合液8による膜(液膜)が形成される。そして、乾燥工程に進み、乾燥装置40によって混合液8を乾燥させる。すると、混合液8の溶剤が蒸発し、図3(E)に示すように、基材3の所定位置に機能材を含む機能膜(固形膜)9が形成される。機能膜9は凸部5を覆う膜となる。
このように、第一の成膜方法は、溶剤塗布工程と、機能材塗布工程と、乾燥工程とを含み、図1(A)に示す成膜方法(1)のように、この順で各工程が行われる。溶剤塗布工程では、溶剤を含み第一液6よりも粘度が低く濡れ広がり性の高い第二液7が塗布される(図3(A)参照)。本実施形態では、第二液7はインクジェット方式で塗布されるが、スリットコータによる他の方式で塗布されてもよい。機能材塗布工程では、機能材及び溶剤を含む第一液6がインクジェット方式で基材3の所定位置に塗布される(図3(B)(C)(D)参照)。そして、乾燥工程では、基材3上の混合液8の溶剤が除去される(図3(E)参照)。以上より、第一の成膜方法では、基材3に第二液7を塗布してから、この第二液7が乾燥する前に、第二液7上に第一液6をインクジェット方式で基材3の所定位置に塗布することで行われる。
この第一の成膜方法によれば、基材3に対して先に塗布する第二液7は粘度が低く濡れ広がり性が高いことから、第二液7の濡れ広がり不足による不良箇所の発生を抑制することができ(図3(A)参照)、そして、この第二液7に、機能材及び溶剤を含む第一液6をインクジェット方式により落とすと(図3(B)(C)参照)、第一液6と第二液7とが混ざり、この混合液8において機能材は分散され(図3(D)参照)、これを乾燥させる(溶剤を除去する)ことで基材3の所定位置(つまり、第一液6を塗布した位置)に機能膜9が形成される(図3(E)参照)。図3(A)に示す溶剤塗布工程において、第二液7の濡れ広がり不足による不良箇所が発生していないことから、最終的に形成される機能膜9には、濡れ広がり不足による不良箇所が無い。
また、この第一の成膜方法では、機能材を含む第一液6をインクジェット方式で塗布していることから、基材3の所定位置に機能膜9を形成することができる。つまり、図2に示すように、基材3において区画され相互がX方向及びY方向で離れている独立した複数の領域4にのみ機能膜9を形成することができる。
また、この第一の成膜方法では、機能材を含む第一液6をインクジェット方式で塗布していることから、基材3の所定位置に機能膜9を形成することができる。つまり、図2に示すように、基材3において区画され相互がX方向及びY方向で離れている独立した複数の領域4にのみ機能膜9を形成することができる。
この第一の成膜方法では、溶剤を含む第二液7の塗布をインクジェット方式としている。このように、粘度が低いことで濡れ広がり性の高い第二液7をインクジェット方式で塗布した結果、その塗布精度が低くても(つまり、予定していた位置以外にも塗布されていても)この第二液7に含まれる溶剤は乾燥工程において基材3から除去されるため、形成される機能膜9に影響を与えない。
〔第二の成膜方法について〕
図4により第二の成膜方法を説明する。ガントリ15(図2参照)を移動させながら第一ヘッド17から第一液6を吐出させる塗布動作を行うことで、図4(A)に示すように、基材3に第一液6を塗布する(機能材塗布工程)。図4(A)は第一液6が基材3に着弾した直後を示している。第一液6は基材3に着弾すると濡れ広がり、隣りに着弾した第一液6と結びつき、膜状となる。しかし、第一液6は、第二液7と比較して粘度が高く濡れ広がり性が低いことから、図4(B)に示すように、第一液6の濡れ広がり不足によって、一部(矢印Rで指す部分)において濡れ広がった第一液6同士が繋がらず、膜(液膜)が不連続となっている。次に、この第一液6(第一液6による膜)が乾燥する前に、第二ヘッド18から第二液7を吐出させる塗布動作を行うことで、図4(C)に示すように、第一液6の上に第二液7を塗布する(溶剤塗布工程)。図4(C)は、第二液7の塗布直後の状態を示している。第二液7は粘度が低く濡れ広がり性が高いため、平面的に広がっており途中で不連続部が生じていない第二液7による膜(液膜)が形成される。特に、第二液7による膜は、第一液6の濡れ広がり不足による不良箇所(矢印Rで指す部分)上にも形成される。ここで、第一ヘッド17と第二ヘッド18との位置関係について、図2に示す形態とは反対に、第一ヘッド17の方が第二ヘッド18よりもガントリ15の進行方向(つまり、塗布方向)先頭側に配置されるとした場合、ガントリ15がX方向に沿って一方向に1回移動する間に、機能材塗布工程と溶剤塗布工程とを行うことができる。図4(D)に示すように、第一液6上に第二液7が塗布されるとこれらは混ざって混合液8となり、この混合液8において第一液6に含まれていた機能材は分散され、混合液8による膜(液膜)が形成される。特に、第一液6に含まれていた機能材の流動性は、第二液7と混合されることで向上し、前記のとおり、第一液6の濡れ広がり不足による不良箇所(図4(B)の矢印Rで指す部分)についても機能材が拡散される。そして、基材3を乾燥工程に進ませ、乾燥装置40によって混合液8を乾燥させる。すると、混合液8の溶剤が蒸発し、図4(E)に示すように、基材3の所定位置に機能材を含む機能膜(固形膜)9が形成される。機能膜9は凸部5を覆う膜となり、また、第一液6の濡れ広がり不足による不良箇所(図4(B)の矢印Rで指す部分)を覆う膜である。
図4により第二の成膜方法を説明する。ガントリ15(図2参照)を移動させながら第一ヘッド17から第一液6を吐出させる塗布動作を行うことで、図4(A)に示すように、基材3に第一液6を塗布する(機能材塗布工程)。図4(A)は第一液6が基材3に着弾した直後を示している。第一液6は基材3に着弾すると濡れ広がり、隣りに着弾した第一液6と結びつき、膜状となる。しかし、第一液6は、第二液7と比較して粘度が高く濡れ広がり性が低いことから、図4(B)に示すように、第一液6の濡れ広がり不足によって、一部(矢印Rで指す部分)において濡れ広がった第一液6同士が繋がらず、膜(液膜)が不連続となっている。次に、この第一液6(第一液6による膜)が乾燥する前に、第二ヘッド18から第二液7を吐出させる塗布動作を行うことで、図4(C)に示すように、第一液6の上に第二液7を塗布する(溶剤塗布工程)。図4(C)は、第二液7の塗布直後の状態を示している。第二液7は粘度が低く濡れ広がり性が高いため、平面的に広がっており途中で不連続部が生じていない第二液7による膜(液膜)が形成される。特に、第二液7による膜は、第一液6の濡れ広がり不足による不良箇所(矢印Rで指す部分)上にも形成される。ここで、第一ヘッド17と第二ヘッド18との位置関係について、図2に示す形態とは反対に、第一ヘッド17の方が第二ヘッド18よりもガントリ15の進行方向(つまり、塗布方向)先頭側に配置されるとした場合、ガントリ15がX方向に沿って一方向に1回移動する間に、機能材塗布工程と溶剤塗布工程とを行うことができる。図4(D)に示すように、第一液6上に第二液7が塗布されるとこれらは混ざって混合液8となり、この混合液8において第一液6に含まれていた機能材は分散され、混合液8による膜(液膜)が形成される。特に、第一液6に含まれていた機能材の流動性は、第二液7と混合されることで向上し、前記のとおり、第一液6の濡れ広がり不足による不良箇所(図4(B)の矢印Rで指す部分)についても機能材が拡散される。そして、基材3を乾燥工程に進ませ、乾燥装置40によって混合液8を乾燥させる。すると、混合液8の溶剤が蒸発し、図4(E)に示すように、基材3の所定位置に機能材を含む機能膜(固形膜)9が形成される。機能膜9は凸部5を覆う膜となり、また、第一液6の濡れ広がり不足による不良箇所(図4(B)の矢印Rで指す部分)を覆う膜である。
このように、第二の成膜方法は、機能材塗布工程と、溶剤塗布工程と、乾燥工程とを含み、図1(B)に示す成膜方法(2)のように、この順で各工程が行われる。機能材塗布工程では、機能材及び溶剤を含む第一液6がインクジェット方式で基材3の所定位置に塗布される(図4(A)(B)参照)。溶剤塗布工程では、溶剤を含み第一液6よりも粘度が低く濡れ広がり性の高い第二液7が塗布される(図4(C)(D)参照)。本実施形態では、第二液7はインクジェット方式で塗布されるが、スリットコータによる他の方式で塗布されてもよい。乾燥工程では、基材3上の混合液8の溶剤が除去される(図4(E)参照)。以上より、第二の成膜方法では、基材3に第一液6をインクジェット方式で基材3の所定位置に塗布してから、この第一液6が乾燥する前に、第一液6上に第二液7を塗布することで行われる。
この第二の成膜方法のように、基材3に対して先に塗布した機能材及び溶剤を含む第一液6上に、溶剤を含む第二液7を塗布すると(図4(C)参照)、第一液6と第二液7とが混ざり、この混合液8において機能材は分散される。図4(B)により説明したように、先に塗布した第一液6に濡れ広がり不足による不良箇所(矢印Rで指す部分)が発生していても、第二液7は粘度が低く濡れ広がり性が高いことから、第一液6と第二液7とが混ざることで前記不良箇所が解消される(図4(D)参照)。そして、機能材が分散した混合液8を乾燥させる(溶剤を除去する)ことで、基材3の所定位置(つまり、第一液6を塗布した位置)に、機能膜が形成される(図4(E)参照)。図4(C)に示す溶剤塗布工程において、第二液7の濡れ広がり不足による不良箇所が発生していないことから、最終的に形成される機能膜9には、濡れ広がり不足による不良箇所が無い。
また、この第二の成膜方法では、機能材を含む第一液6をインクジェット方式で塗布していることから、基材3の所定位置に機能膜9を形成することができる。つまり、図2に示すように、基材3において区画され相互がX方向及びY方向で離れている独立した複数の領域4にのみ機能膜9を形成することができる。
また、この第二の成膜方法では、機能材を含む第一液6をインクジェット方式で塗布していることから、基材3の所定位置に機能膜9を形成することができる。つまり、図2に示すように、基材3において区画され相互がX方向及びY方向で離れている独立した複数の領域4にのみ機能膜9を形成することができる。
この第二の成膜方法では、溶剤を含む第二液7の塗布をインクジェット方式としている。例えば粘度が低いことで濡れ広がり性の高い第二液7をインクジェット方式で塗布した結果、その塗布精度が低くても(つまり、予定していた位置以外にも塗布されていても)この第二液7に含まれる溶剤は乾燥工程において基材3から除去されるため、形成される機能膜9に影響はほとんどない。
〔第三の成膜方法について〕
図5により第三の成膜方法を説明する。第三の成膜方法では、基材3が有する孔からなる凹部55に機能膜を形成する(つまり、塗膜を充填する)方法である。ガントリ15(図2参照)を移動させながら第二ヘッド18から第二液7を吐出させる塗布動作を行うことで、図5(A)に示すように、基材3の凹部55に第二液7を塗布する(溶剤塗布工程)。第二液7は粘度が低く濡れ広がり性が高いため、凹部55の全域に広がることができ、凹部55の一部(特に隅部56)に空気を残留させることなく、第二液7による膜(液膜)が凹部55に形成される。次に、この第二液7による膜が乾燥する前に、第一ヘッド17から第一液6を吐出させる塗布動作を行うことで、第二液7による膜の上に第一液6を塗布する(機能材塗布工程)。ここで、図2に示すように、第二ヘッド18の方が第一ヘッド17よりもガントリ15の進行方向(つまり、塗布方向)先頭側に配置されていることから、ガントリ15がX方向に沿って一方向に1回移動する間に、溶剤塗布工程と機能材塗布工程とを行うことができる。図5(B)は第二液7上に第一液6が着弾した後の状態を示している。第二液7上に第一液6が着弾するとこれらは混ざって混合液8となり、この混合液8において第一液6に含まれていた機能材は分散され、凹部55において混合液8による膜(液膜)が形成される。そして、乾燥工程に進み、混合液8を乾燥させる。乾燥工程は、乾燥装置40(図2参照)により行ってもよいが、インクジェット装置10のステージ14上で行ってもよい。すると、混合液8の溶剤が蒸発し、図5(C)に示すように、基材3の所定位置(凹部55)に機能材を含む機能膜(固形膜)9aが形成される。
図5により第三の成膜方法を説明する。第三の成膜方法では、基材3が有する孔からなる凹部55に機能膜を形成する(つまり、塗膜を充填する)方法である。ガントリ15(図2参照)を移動させながら第二ヘッド18から第二液7を吐出させる塗布動作を行うことで、図5(A)に示すように、基材3の凹部55に第二液7を塗布する(溶剤塗布工程)。第二液7は粘度が低く濡れ広がり性が高いため、凹部55の全域に広がることができ、凹部55の一部(特に隅部56)に空気を残留させることなく、第二液7による膜(液膜)が凹部55に形成される。次に、この第二液7による膜が乾燥する前に、第一ヘッド17から第一液6を吐出させる塗布動作を行うことで、第二液7による膜の上に第一液6を塗布する(機能材塗布工程)。ここで、図2に示すように、第二ヘッド18の方が第一ヘッド17よりもガントリ15の進行方向(つまり、塗布方向)先頭側に配置されていることから、ガントリ15がX方向に沿って一方向に1回移動する間に、溶剤塗布工程と機能材塗布工程とを行うことができる。図5(B)は第二液7上に第一液6が着弾した後の状態を示している。第二液7上に第一液6が着弾するとこれらは混ざって混合液8となり、この混合液8において第一液6に含まれていた機能材は分散され、凹部55において混合液8による膜(液膜)が形成される。そして、乾燥工程に進み、混合液8を乾燥させる。乾燥工程は、乾燥装置40(図2参照)により行ってもよいが、インクジェット装置10のステージ14上で行ってもよい。すると、混合液8の溶剤が蒸発し、図5(C)に示すように、基材3の所定位置(凹部55)に機能材を含む機能膜(固形膜)9aが形成される。
更に、図5に示す成膜方法では、再度、インクジェット装置10により、凹部55に対して第一ヘッド17から第一液6の塗布を行う(機能材塗布工程:図5(D)(E)参照)。その後、第一液6を乾燥させ(乾燥工程)、第一液6の溶剤を蒸発させる。これにより、基材3の所定位置(凹部55)に機能材を含む機能膜(固形膜)9bが形成される(図5(F)参照)。なお、図5では機能材塗布工程を2回としたが、1回であってもよく、3回以上であってもよい。
このように、第三の成膜方法は、溶剤塗布工程と、機能材塗布工程と、乾燥工程とを含み、図1(A)に示す成膜方法(1)のように、この順で各工程が行われる。溶剤塗布工程では、溶剤を含み第一液6よりも粘度が低く濡れ広がり性の高い第二液7が塗布される(図5(A)参照)。本実施形態では、第二液7はインクジェット方式で塗布されるが、他の方式で塗布されてもよい。機能材塗布工程では、機能材及び溶剤を含む第一液6がインクジェット方式で基材3の所定位置に塗布される(図5(A)参照)。乾燥工程では、基材3上の混合液8の溶剤が除去される(図5(B)(C)参照)。以上より、第三の成膜方法では、基材3に第二液7を塗布してから、この第二液7が乾燥する前に、第二液7上に第一液6をインクジェット方式で基材3の所定位置に塗布することで行われる。
この第三の成膜方法によれば、基材3に対して先に塗布する第二液7は粘度が低く濡れ広がり性が高いことから、凹部55において、第二液7の濡れ広がり不足による不良箇所の発生を抑制することができ(図5(A)参照)、そして、凹部55内の第二液7に、機能材及び溶剤を含む第一液6をインクジェット方式により落とすと、第一液6と第二液7とが混ざり(図5(B)参照)、この混合液8において機能材は分散され、これを乾燥させる(溶剤を除去する)ことで基材3の所定位置(つまり、第一液6を塗布した凹部55)に機能膜9aが形成される(図5(C)参照)。図5(A)に示す溶剤塗布工程において、凹部55に第二液7の濡れ広がり不足による不良箇所が発生していないことから、最終的に形成される機能膜9には、濡れ広がり不足による不良箇所が無い。
また、この第三の成膜方法では、第一液6及び第二液7をインクジェット方式で塗布することで、基材3の所定位置(凹部55)に機能膜9を形成することができる。
また、この第三の成膜方法では、第一液6及び第二液7をインクジェット方式で塗布することで、基材3の所定位置(凹部55)に機能膜9を形成することができる。
この第三の成膜方法では、溶剤を含む第二液7の塗布をインクジェット方式としている。このように、粘度が低いことで濡れ広がり性の高い第二液7をインクジェット方式で塗布した結果、その塗布精度が低くても(つまり、予定していた凹部55以外にも塗布されていても)この第二液7に含まれる溶剤は乾燥工程において基材3から除去されるため、形成される機能膜9に影響を与えない。
〔第四の成膜方法について〕
図6により第四の成膜方法を説明する。第四の成膜方法は、基材3が有する孔からなる凹部55に機能膜を形成する(つまり、塗膜を充填する)方法である。ガントリ15(図2参照)を移動させながら第一ヘッド17から第一液6を吐出させる塗布動作を行うことで、図6(A)に示すように、基材3に第一液6を塗布する(機能材塗布工程)。第一液6は基材3の凹部55に着弾すると濡れ広がり、隣りに着弾した第一液6と結びつき、凹部55において膜状となる。しかし、第一液6は、第二液7と比較して粘度が高く濡れ広がり性が低いことから、図6(B)に示すように、第一液6の濡れ広がり不足によって、凹部55の隅部56に空気が残留している。次に、この第一液6(第一液6による膜)が乾燥する前に、第二ヘッド18から第二液7を吐出させる塗布動作を行うことで、凹部55の第一液6の上に第二液7を塗布する(溶剤塗布工程)。第二液7は粘度が低く濡れ広がり性が高いため、図6(C)に示すように、第一液6と第二液7とが混合すると、隅部56においても混合液8が行き渡り空気の残留が解消される。第一液6に含まれていた機能材の流動性は、第二液7と混合されることで向上し、第一液6の濡れ広がり不足による不良箇所(隅部56における空気の残留部)についても機能材を含む第一液6が流れ、その機能材が拡散される。ここで、第一ヘッド17と第二ヘッド18との位置関係について、図2に示す形態とは反対に、第一ヘッド17の方が第二ヘッド18よりもガントリ15の進行方向(つまり、塗布方向)先頭側に配置されるとした場合、ガントリ15がX方向に沿って一方向に1回移動する間に、機能材塗布工程と溶剤塗布工程とを行うことができる。図6(C)に示すように、第一液6上に第二液7が塗布されるとこれらは混ざって混合液8となり、この混合液8において第一液6に含まれていた機能材は分散され、混合液8による膜(液膜)が形成される。そして、基材3を乾燥工程に進ませ、乾燥装置40によって混合液8を乾燥させる。すると、混合液8の溶剤が蒸発し、図6(D)に示すように、基材3の所定位置(凹部55)に機能材を含む機能膜(固形膜)9aが形成される。
図6により第四の成膜方法を説明する。第四の成膜方法は、基材3が有する孔からなる凹部55に機能膜を形成する(つまり、塗膜を充填する)方法である。ガントリ15(図2参照)を移動させながら第一ヘッド17から第一液6を吐出させる塗布動作を行うことで、図6(A)に示すように、基材3に第一液6を塗布する(機能材塗布工程)。第一液6は基材3の凹部55に着弾すると濡れ広がり、隣りに着弾した第一液6と結びつき、凹部55において膜状となる。しかし、第一液6は、第二液7と比較して粘度が高く濡れ広がり性が低いことから、図6(B)に示すように、第一液6の濡れ広がり不足によって、凹部55の隅部56に空気が残留している。次に、この第一液6(第一液6による膜)が乾燥する前に、第二ヘッド18から第二液7を吐出させる塗布動作を行うことで、凹部55の第一液6の上に第二液7を塗布する(溶剤塗布工程)。第二液7は粘度が低く濡れ広がり性が高いため、図6(C)に示すように、第一液6と第二液7とが混合すると、隅部56においても混合液8が行き渡り空気の残留が解消される。第一液6に含まれていた機能材の流動性は、第二液7と混合されることで向上し、第一液6の濡れ広がり不足による不良箇所(隅部56における空気の残留部)についても機能材を含む第一液6が流れ、その機能材が拡散される。ここで、第一ヘッド17と第二ヘッド18との位置関係について、図2に示す形態とは反対に、第一ヘッド17の方が第二ヘッド18よりもガントリ15の進行方向(つまり、塗布方向)先頭側に配置されるとした場合、ガントリ15がX方向に沿って一方向に1回移動する間に、機能材塗布工程と溶剤塗布工程とを行うことができる。図6(C)に示すように、第一液6上に第二液7が塗布されるとこれらは混ざって混合液8となり、この混合液8において第一液6に含まれていた機能材は分散され、混合液8による膜(液膜)が形成される。そして、基材3を乾燥工程に進ませ、乾燥装置40によって混合液8を乾燥させる。すると、混合液8の溶剤が蒸発し、図6(D)に示すように、基材3の所定位置(凹部55)に機能材を含む機能膜(固形膜)9aが形成される。
更に、図6に示す成膜方法では、再度、インクジェット装置10により、凹部55に対して第一ヘッド17から第一液6の塗布を行う(機能材塗布工程:図6(E)(F)参照)。その後、第一液6を乾燥させ(乾燥工程)、第一液6の溶剤が蒸発させる。これにより、基材3の所定位置(凹部55)に機能材を含む機能膜(固形膜)9bが形成される(図6(G)参照)。なお、図6では機能材塗布工程を2回としたが、1回であってもよく、3回以上であってもよい。
このように、第四の成膜方法は、機能材塗布工程と、溶剤塗布工程と、乾燥工程とを含み、図1(B)に示す成膜方法(2)のように、この順で各工程が行われる。機能材塗布工程では、機能材及び溶剤を含む第一液6がインクジェット方式で基材3の所定位置に塗布される(図6(A)参照)。溶剤塗布工程では、溶剤を含み第一液6よりも粘度が低く濡れ広がり性の高い第二液7が塗布される(図6(B)参照)。本実施形態では、第二液7はインクジェット方式で塗布されるが、スリットコータによる他の方式で塗布されてもよい。乾燥工程では、基材3上の混合液8の溶剤が除去される(図4(C)(D)参照)。以上より、第四の成膜方法では、基材3に第一液6をインクジェット方式で基材3の所定位置(凹部55)に塗布してから、この第一液6が乾燥する前に、第一液6上に第二液7を塗布することで行われる。
この第四の成膜方法のように、基材3に対して先に塗布した機能材及び溶剤を含む第一液6上に、溶剤を含む第二液7を塗布すると(図6(B)参照)、第一液6と第二液7とが混ざり、この混合液8において機能材は分散される(図6(C)参照)。図6(B)により説明したように、先に塗布した第一液6に濡れ広がり不足による不良箇所(隅部56における空気の残留)が発生していても、第二液7は粘度が低く濡れ広がり性が高いことから、第一液6と第二液7とが混ざることで前記不良箇所が解消される(図6(C)参照)。そして、機能材が分散した混合液8を乾燥させる(溶剤を除去する)ことで、基材3の所定位置(つまり、第一液6を塗布した凹部55)に機能膜9aが形成される(図6(D)参照)。凹部55に第二液7の濡れ広がり不足による不良箇所が発生していないことから、最終的に形成される機能膜9aには、濡れ広がり不足による不良箇所が無い。
また、この第四の成膜方法では、第一液6及び第二液7をインクジェット方式で塗布することで、基材3の所定位置(凹部55)に機能膜9を形成することができる。
また、この第四の成膜方法では、第一液6及び第二液7をインクジェット方式で塗布することで、基材3の所定位置(凹部55)に機能膜9を形成することができる。
この第四の成膜方法では、溶剤を含む第二液7の塗布をインクジェット方式としている。このように、粘度が低いことで濡れ広がり性の高い第二液7をインクジェット方式で塗布した結果、その塗布精度が低くても(つまり、予定していた凹部55以外にも塗布されていても)この第二液7に含まれる溶剤は乾燥工程において基材3から除去されるため、形成される機能膜9に影響を与えない。
〔第一〜第四の成膜方法について〕
以上のように、図3及び図4に示す第一及び第二の成膜方法では、基材3の表面の段差を構成する凸部5によって、その両側に塗布された液が繋がらず、凸部5上に不良箇所が発生し易いが(図4(B)参照)、第一液6と第二液7とを別のタイミングで塗布することで、第一液6をインクジェット方式によって精度よく塗布することが可能であると共に、濡れ広がり性の高い第二液7との混合によって、前記不良箇所を解消することが可能となる。
図5及び図6に示す第三及び第四の成膜方法では、基材3の表面の段差を構成する凹部55の一部(例えば隅部56)に液の充填不良(空気の残留)が生じ易いが、第一液6と第二液7とを別のタイミングで分けて塗布することで、第一液6をインクジェット方式によって精度よく塗布することが可能であると共に、濡れ広がり性の高い第二液7との混合によって、前記不良箇所を解消することが可能となる。
また、液の濡れ性が異なる領域を有している基材3として、その表面に、親液性が異なる被塗布領域を有している場合がある。具体的に説明すると、例えば、基材3の表面の途中で材質が変化していたり、表面処理が場所によって異なっていることにより、親液性が異なる被塗布領域を有している場合がある。この場合、親液性が異なる境界に不良箇所が生じることがあるが、前記各成膜方法によれば、第一液6と第二液7とを別のタイミングで分けて塗布することで、前記の各形態と同様に不良箇所を解消することが可能となる。
つまり、前記各成膜方法において、機能材を含む第一液6とは別に、溶剤による第二液7を塗布することで、濡れ性が高まり、前記不良箇所を解消することが可能となる。
以上のように、図3及び図4に示す第一及び第二の成膜方法では、基材3の表面の段差を構成する凸部5によって、その両側に塗布された液が繋がらず、凸部5上に不良箇所が発生し易いが(図4(B)参照)、第一液6と第二液7とを別のタイミングで塗布することで、第一液6をインクジェット方式によって精度よく塗布することが可能であると共に、濡れ広がり性の高い第二液7との混合によって、前記不良箇所を解消することが可能となる。
図5及び図6に示す第三及び第四の成膜方法では、基材3の表面の段差を構成する凹部55の一部(例えば隅部56)に液の充填不良(空気の残留)が生じ易いが、第一液6と第二液7とを別のタイミングで分けて塗布することで、第一液6をインクジェット方式によって精度よく塗布することが可能であると共に、濡れ広がり性の高い第二液7との混合によって、前記不良箇所を解消することが可能となる。
また、液の濡れ性が異なる領域を有している基材3として、その表面に、親液性が異なる被塗布領域を有している場合がある。具体的に説明すると、例えば、基材3の表面の途中で材質が変化していたり、表面処理が場所によって異なっていることにより、親液性が異なる被塗布領域を有している場合がある。この場合、親液性が異なる境界に不良箇所が生じることがあるが、前記各成膜方法によれば、第一液6と第二液7とを別のタイミングで分けて塗布することで、前記の各形態と同様に不良箇所を解消することが可能となる。
つまり、前記各成膜方法において、機能材を含む第一液6とは別に、溶剤による第二液7を塗布することで、濡れ性が高まり、前記不良箇所を解消することが可能となる。
第一液6に含まれる溶剤と第二液7を構成している溶剤とが異なる場合、図3に示す第一の成膜方法よりも図4に示す第二の成膜方法を採用するのが好ましい。これは、第二液7の粘度よりも第一液6の粘度の方が高いことから、第一液6の基材3に対する付着力(表面張力)は強く、第一液6上に第二液7が塗布されても、第一液6はその位置に留まろうとし、インクジェット方式によって精度良く塗布された第一液6の機能材により、乾燥工程を経て、その塗布範囲で精度良く成膜されるためである。
図4に示す第二の成膜方法の場合、第二液7の塗布範囲は、図4(C)に示すように、第一液6による膜(液膜)の範囲内とすべきであり、これは、第一液6による膜の範囲を越えて第二液7を塗布すると、機能材が所望の範囲外にまで拡散するおそれがあるためである。したがって、第二の成膜方法では、第二液7を精度良く所定位置に塗布するためにインクジェット方式を採用するのが好ましい。これに対して、図3に示す第一の成膜方法では、第二液7をインクジェット方式以外の例えばスリットコータ装置による方式を採用することができ、第二液7の塗布容易性の観点では、図3に示す第一の成膜方法が好ましい。
図4に示す第二の成膜方法の場合、第二液7の塗布範囲は、図4(C)に示すように、第一液6による膜(液膜)の範囲内とすべきであり、これは、第一液6による膜の範囲を越えて第二液7を塗布すると、機能材が所望の範囲外にまで拡散するおそれがあるためである。したがって、第二の成膜方法では、第二液7を精度良く所定位置に塗布するためにインクジェット方式を採用するのが好ましい。これに対して、図3に示す第一の成膜方法では、第二液7をインクジェット方式以外の例えばスリットコータ装置による方式を採用することができ、第二液7の塗布容易性の観点では、図3に示す第一の成膜方法が好ましい。
以上のとおり開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。つまり、本発明の塗布システム及び成膜方法は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。例えば、乾燥装置40は、熱風循環を行う装置であってもよい。また、各工程において、インクジェット装置10の代わりにディスペンサ装置を用いてもよい。
3:基材 6:第一液 7:第二液
9:機能膜 9a:機能膜 10:インクジェット装置
11:機能材塗布機構 12:溶剤塗布機構
9:機能膜 9a:機能膜 10:インクジェット装置
11:機能材塗布機構 12:溶剤塗布機構
Claims (5)
- 基材の所定位置に機能材を含む機能膜を形成する方法であって、
前記機能材及び溶剤を含む第一液を前記所定位置に塗布する機能材塗布工程と、
溶剤を含み前記第一液よりも濡れ広がり性の高い第二液を塗布する溶剤塗布工程と、
前記基材上の溶剤を除去する乾燥工程と、
を含み、
前記基材に前記第二液を塗布してから、当該第二液が乾燥する前に、当該第二液上に前記第一液を前記所定位置に塗布する、成膜方法。 - 基材の所定位置に機能材を含む機能膜を形成する方法であって、
前記機能材及び溶剤を含む第一液を前記所定位置に塗布する機能材塗布工程と、
溶剤を含み前記第一液よりも濡れ広がり性の高い第二液を塗布する溶剤塗布工程と、
前記基材上の溶剤を除去する乾燥工程と、
を含み、
前記基材に前記第一液を前記所定位置に塗布してから、当該第一液が乾燥する前に、当該第一液上に前記第二液を塗布する、成膜方法。 - 前記基材は、液の濡れ広がりを阻害する段差を有している、請求項1又は2に記載の成膜方法。
- 基材の所定位置に機能材を含む機能膜を形成するための塗布システムであって、
前記機能材及び溶剤を含む第一液を前記所定位置に塗布する機能材塗布機構と、
溶剤を含み前記第一液よりも濡れ広がり性の高い第二液を塗布する溶剤塗布機構と、
を備え、
前記溶剤塗布機構が前記基材に前記第二液を塗布してから、当該第二液が乾燥する前に、前記機能材塗布機構が当該第二液上に前記第一液を前記所定位置に塗布する、塗布システム。 - 基材の所定位置に機能材を含む機能膜を形成するための塗布システムであって、
前記機能材及び溶剤を含む第一液を前記所定位置に塗布する機能材塗布機構と、
溶剤を含み前記第一液よりも濡れ広がり性の高い第二液を塗布する溶剤塗布機構と、
を備え、
前記機能材塗布機構が前記基材に前記第一液を前記所定位置に塗布してから、当該第一液が乾燥する前に、前記溶剤塗布機構が当該第一液上に前記第二液を塗布する、塗布システム。
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JP2016234196A JP2018089562A (ja) | 2016-12-01 | 2016-12-01 | 成膜方法及び塗布システム |
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