JP2016218437A - エレクトロクロミック素子の駆動方法及びエレクトロクロミック素子 - Google Patents

エレクトロクロミック素子の駆動方法及びエレクトロクロミック素子 Download PDF

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Abstract

【課題】所定の発色レベルでの発色状態を保持することを可能とする。
【解決手段】エレクトロクロミック素子100を、表示基板10と、表示電極11と、エレクトロクロミック層12と、対向基板14と、対向電極13と、電解質15と、スペーサ16と、駆動手段17とを備えて構成する。駆動手段17により表示電極11と対向電極13との間に、所定電圧を印加して発色駆動を行った後、表示電極11及び対向電極13間における開放電圧を測定し、開放電圧が安定する所定期間経過後の開放電圧又は開放電圧の時間変化の絶対値が閾値以下となる開放電圧を近似式を用いて計算する。計算した計算電圧を表示電極11及び対向電極13に印加する。
【選択図】図2

Description

本発明は、エレクトロクロミック素子の駆動方法及びエレクトロクロミック素子に関する。
近年、紙に替わる情報媒体として、電子ペーパー等の開発が盛んに行われている。電子ペーパーに用いられる表示装置として、エレクトロクロミズム(electrochromism)現象を利用した表示装置(エレクトロクロミック素子)等が知られている。エレクトロクロミズム現象とは、エレクトロクロミック化合物に電圧を印加することにより、該化合物が酸化還元反応を生じ、発色或いは消色する可逆的な現象である。
エレクトロクロミック素子は、カラーフィルターや液晶を用いずに透過型や反射型を作れること、メモリ効果があること、低電圧で駆動できること等の理由から、次世代の表示装置として期待され、幅広い研究開発が行われている(例えば、特許文献1、2参照)。
高精彩な情報表示には、発色、消色の応答速度が重要であるが、特許文献1には、発消色物質の着色時の経時変化や長時間着色後での消色速度の遅延を抑制し、素子寿命を向上させるため、発色時の電圧値と消色時の電圧値を適宜制御して印加するエレクトロクロミック素子の駆動方法が開示されている。
また、エレクトロクロミック素子は、エレクトロクロミック化合物の構造によって様々な色を発色できるため、多色表示装置としても期待されている。特許文献2には、フルカラー化を容易とし、メモリ性、応答速度、発色効率、耐久性等を向上させるため、半導体ナノ多孔質層が表面に形成された一対の透明電極の間に、エレクトロクロミックを含む電解質層を挟持した構造単位を複数積層してなる多色表示装置が開示されている。
エレクトロクロミック素子では、発色から消色までの発色状態は、一定ではなく時間経過に伴って消色方向へ減少していくため、発色状態を一定に保持する駆動を行う必要があるが、この駆動に必要な条件は、素子の特性、保持したい発色レベル、使用環境等によって変化する。
しかしながら、上記従来技術では、エレクトロクロミック素子の特性等に対応して駆動条件を変化させて発色状態を一定に保つ技術については開示がない。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、所定の発色レベルでの発色状態を保持すること、消色を容易に行うことを目的とする。
上記の目的を達成するため、本願に係るエレクトロクロミック素子の駆動方法は、第1の電極と、該第1の電極に対して間隔をおいて対向する第2の電極と、該2つの電極の間に設けられる電解質と、少なくともエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含み、前記2つの電極のうち少なくとも一方の電極表面に形成されるエレクトロクロミック層とを備えるエレクトロクロミック素子を駆動させるエレクトロクロミック素子の駆動方法であって、前記第1の電極及び前記第2の電極との間に電圧を印加し、前記エレクトロクロミック層を発色させた後、前記第1の電極及び前記第2の電極間における開放電圧を測定し、前記発色のための電圧の印加からの経過時間をtとし、前記経過時間tで測定された前記開放電圧をVとし、定数をA及びBとしたとき、次式(1)
(1)V = A*Ln(t) + B
に基づいて、開放電圧が安定する所定期間経過後の開放電圧又は開放電圧の時間変化の絶対値が閾値以下となる開放電圧を計算し、前記第1の電極及び前記第2の電極との間に、前記式(1)に基づいて計算した計算電圧を印加することを特徴とする。
本発明によれば、所定の発色レベルでの発色状態を保持することができる。また、消色を容易に行うことが可能なエレクトロクロミック素子の駆動方法を提供することができる。
本発明に係る第1の実施形態のエレクトロクロミック素子の一構成例を模式的に示した断面図である。 第1の実施形態のエレクトロクロミック素子の駆動制御を示すフローチャートである。 第1の実施形態のエレクトロクロミック素子において、保持駆動として計算電圧の継続印加を行う場合の駆動制御を示すフローチャートである。 第1の実施形態のエレクトロクロミック素子において、保持駆動として計算電圧のパルス印加を行う場合の駆動制御を示すフローチャートである。 第1の実施形態のエレクトロクロミック素子において、保持駆動として計算電圧と開放電圧の差で計算電圧のパルス印加を行うか開放状態のままかを判定する場合の駆動制御を示すフローチャートである。 本発明に係る第2の実施形態のエレクトロクロミック素子の一構成例を模式的に示した断面図である。
(第1の実施形態)
<エレクトロクロミック素子の構成>
以下、本発明に係る第1の実施形態のエレクトロクロミック素子について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1の実施形態のエレクトロクロミック素子100の構成を模式的に示した断面図である。
図1に示すように、本実施形態のエレクトロクロミック素子100は、表示基板10と、表示基板10に形成された表示電極(第1の電極)11と、表示電極11に接して設けられたエレクトロクロミック層12と、表示基板10に対向して設けられた対向基板14と、対向基板14に形成された対向電極(第2の電極)13と、表示電極11及び対向電極13に挟持されてなる電解質15と、スペーサ16と、駆動手段17とを備えて構成される。
[表示基板10、対向基板14]
表示基板10と対向基板14は、スペーサ16を介して貼り合わされ、セル構造を呈している。表示基板10は、表示電極11とエレクトロクロミック層12とを支持し、対向基板14は、対向電極13を支持している。
表示基板10と表示電極11との組み合わせ、及び対向基板14と対向電極13との組み合わせのうち、少なくとも一方の組み合わせを透明とすることが望ましい。また、双方の組み合わせを透明とすることもできる。透明とすることで、エレクトロクロミック層12が発色する色の視認性をより高めることができる。
表示基板10及び対向基板14を構成する材料としては、例えば、ガラス、プラスチック等が挙げられる。表示基板10及び対向基板14として、プラスチックフィルムを用いた場合、軽量でフレキシブルなエレクトロクロミック素子100を作製することができる。
[表示電極11、対向電極13]
表示電極11は、対向電極13に対する電位を制御し、エレクトロクロミック層12を発色させるための電極である。対向電極13は、該対向電極13に対する表示電極11の電位を制御し、エレクトロクロミック層12を発色させるための電極である。
表示電極11及び対向電極13のうち透明電極を構成する材料としては、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、光の透過性を確保する必要があるため、透明且つ導電性に優れた透明導電性材料が用いられる。これにより、エレクトロクロミック層12が発色する色の視認性をより高めることができる。
透明導電性材料としては、スズをドープした酸化インジウム(以下「ITO」という)、フッ素をドープした酸化スズ(以下「FTO」という)、アンチモンをドープした酸化スズ(以下「ATO」という)等の無機材料を用いることができる。これらの中でも、特に、真空成膜により形成されたインジウム酸化物(以下、「In酸化物」という)、スズ酸化物(以下、「Sn酸化物」という)又は亜鉛酸化物(以下、「Zn酸化物」という)の何れか1つを含む無機材料であることが好ましい。
In酸化物、Sn酸化物及びZn酸化物は、スパッタ法により、容易に成膜が可能な材料であると共に、良好な透明性と電気伝導度が得られる材料である。また、特に好ましい材料としては、InSnO、GaZnO、SnO、In23、ZnOが挙げられる。
真空製膜を用いた場合、膜厚は20nm〜500nmが好ましく、50nm〜200nmがより好ましく、導電性と透明性とを両立することができる。
また、導電性材料として、透明性を有する銀Ag、金Au、銅Cu、カーボンナノチューブCNT、金属酸化物等のネットワーク電極、またはこれらの複合層も有用である。ネットワーク電極とは、カーボンナノチューブや他の高導電性の非透過性材料等を微細なネットワーク状に形成して透過率を持たせた電極である。
さらに、電極層をネットワーク電極と導電性酸化物との積層構成とすることも好ましい。表示電極11及び対向電極13を、このような積層構成にすることにより、エレクトロクロミック層12をムラなく発消色させることができる。
また、透明性を必要としない表示電極11又は対向電極13の材料としては、金属材料を含むことができる。例えば、白金Pt、銀Ag、銅Cu、金Au、クロムCr、ロジウムRh、又はこれらの合金、あるいはこれらの積層構成等が挙げられる。作製方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等が挙げられる。
[エレクトロクロミック層12]
エレクトロクロミック層12は、エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含んだ層である。エレクトロクロミック層12は、エレクトロクロミック化合物を担持する金属酸化物を含む構成とすることもできる。エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物は、酸化反応または還元反応により色の変化(発色)を起こすものである。金属酸化物は、エレクトロクロミック化合物を担持するとともに、発消色を高速で行うためのものである。
金属酸化物としては、例えば、酸化チタン等のナノ粒子が挙げられる。エレクトロクロミック化合物の単分子を吸着させることで、金属酸化物のナノ粒子の大きな表面積を利用して、効率良くエレクトロクロミック化合物に電子を注入することができる。したがって、エレクトロクロミック層12の発色時の色濃度を高くし、発色及び消色の切り替え速度を高速にすることができる。
エレクトロクロミック化合物としては、例えば、ポリマー系、色素系、金属錯体、金属酸化物等の公知のエレクトロクロミック化合物が用いられる。
ポリマー系、色素系のエレクトロクロミック化合物としては、具体的には、アゾベンゼン系、アントラキノン系、ジアリールエテン系、ジヒドロプレン系、スチリル系、スチリルスピロピラン系、スピロオキサジン系、スピロチオピラン系、チオインジゴ系、テトラチアフルバレン系、テレフタル酸系、トリフェニルメタン系、トリフェニルアミン系、ナフトピラン系、ビオロゲン系、ピラゾリン系、フェナジン系、フェニレンジアミン系、フェノキサジン系、フェノチアジン系、フタロシアニン系、フルオラン系、フルギド系、ベンゾピラン系、メタロセン系、等の低分子系有機エレクトロクロミック化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物が用いられる。
上記中、特に、好ましくは、下記一般式(a)で表されるジピリジン系化合物を含むことが好ましい。これらの材料は発消色電位が低いため、複数の表示電極を有するエレクトロクロミック素子100を構成した場合においても、還元電位により良好な発色の色値を
示す。
上記一般式(a)中、R1、R2は、それぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数1から4のアルキル基、又はアリール基を表し、R1又はR2の少なくとも一方は、COOH、PO(OH)2、Si(OCk2k+13から選ばれるひとつの基を有する。Xは1価のアニオンを表す。nは0、1又は2を表す。Aは、置換基を有してもよい炭素数1から20のアルキル基、アリール基、複素環基を表す。
[電解質15]
電解質15は、表示電極11と対向電極13との間でイオンとして電荷を移動させ、エレクトロクロミック層12の発色を起こすためのものである。この電解質15はポリマーに担持することも可能であり、ポリマーをパターニングすることで、容易に発消色領域(すなわち画素)を形成することが可能である。
電解質15としては、一般的に支持塩を溶媒に溶解させた電解液が用いられる。このため、イオン伝導度が高い。支持塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類の支持塩を用いることができる。
具体的には、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3COO、KCl、NaClO3、NaCl、NaBF4、NaSCN、KBF4、Mg(ClO42、Mg(BF42、過塩素酸テトラブチルアンモニウム等を用いることができる。
また、溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ―ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類等を用いることができる。
また、電解質15として、不揮発性材料であるイオン液体を用いることもできる。イオン液体としては、特に制限はなく、一般的に研究、報告されている物質ならばどのようなものでも構わない。イオン液体は、室温を含む幅広い温度領域で液体を示す分子構造がある。
イオン液体の分子構造は、カチオン成分とアニオン成分とからなる。カチオン成分としては、例えば、N,N−ジメチルイミダゾール塩、N,N−メチルエチルイミダゾール塩、N,N−メチルプロピルイミダゾール塩等のイミダゾール誘導体;N,N−ジメチルピリジニウム塩、N,N−メチルプロピルピリジニウム塩等のピリジニウム誘導体等の芳香族系の塩;トリメチルプロピルアンモニウム塩、トリメチルヘキシルアンモニウム塩、トリエチルヘキシルアンモニウム塩等のテトラアルキルアンモニウム等の脂肪族4級アンモニウム系化合物等が挙げられる。
また、アニオン成分としては、大気中の安定性の面でフッ素を含んだ化合物が好ましく、例えば、BF4 -、CF3SO3 -、PF4 -、(CF3SO22-、B(CN4-等が挙げられる。これらのカチオン成分とアニオン成分との組み合わせにより処方したイオン液体を用いることができる。
また、電解質15として、電解液やイオン液体等のイオン性物質を樹脂等で硬化させたものを用いることができる。このような電解質15は素子からの液洩れを防ぐことができるため安全性が高い。硬化樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂等の一般的な材料を挙げることができるが、電解質との相溶性が高い材料が好ましい。
このような構造としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のエチレングリコールの誘導体が好ましい。また、硬化樹脂としては、光硬化可能な樹脂を用いることが好ましい。熱重合や、溶剤を蒸発させることにより薄膜化する方法に比べて、低温かつ短時間で素子を製造できるためである。
特に好ましい組み合わせは、オキシエチレン鎖やオキシプロピレン鎖を含有するマトリックスポリマーとイオン液体との固溶体で構成されている電解質層である。電解質15として、この構成を用いることにより、硬度と高いイオン伝導度を両立し易い。
[駆動手段17]
駆動手段17は、導線18により表示電極11と対向電極13とにそれぞれ接続され、表示電極11と対向電極13との間に印加する電荷量を制御することによりエレクトロクロミック層12を酸化還元反応させて発消色させる機能を有する。つまり、駆動手段17は、対向電極13に対する表示電極11の電位を制御することで、表示電極11に設けられたエレクトロクロミック層12を発消色させることができる。
また、駆動手段17は、表示電極11と対向電極13との間に所定電圧を印加して発色駆動を行った後に、所定期間以上のエレクトロクロミック素子100の開放電圧を測定し、測定した開放電圧と時間とに基づいて、下記関係式(1)の定数A及びBを求める。時間に対して、定数A,Bの時間変化が安定した定数A,Bを関係式(1)の定数A,Bとして採用する。その定数A及びBを用いた関係式(1)に基づいて、開放電圧が安定する所定期間経過後の開放電圧又は開放電圧の時間変化の絶対値が閾値以下となる開放電圧を計算する。
(1)V = A*Ln(t) + B
上記関係式(1)中、tは発色のための電圧の印加(発色駆動)からの経過時間であり、Vは経過時間tで測定された開放電圧であり、A及びBは定数である。
駆動手段17は、発色駆動後に、表示電極11と対向電極13との間に計算した電圧を印加することで、発色状態の保持駆動を行う。開放電圧とは、出力端子を開放させたときの両端子間の電圧を表す。
駆動手段17は、例えば、CPU、ROM、メインメモリ等を含んで構成することができる。駆動手段17の各種機能は、ROM等に記録されたプログラムがメインメモリに読み出されて、CPUにより実行されることによって実現できる。ただし、駆動手段17の一部又は全部は、ハードウェアのみにより実現することもできる。また、駆動手段17は、物理的に複数の装置により構成することもできる。
<エレクトロクロミック素子100の駆動方法>
本実施形態に係るエレクトロクロミック素子100の駆動方法(駆動制御)を、図2のフローチャートに基づいて説明する。まず、発消処理の前の初期状態は消色状態とする(ステップS1)。次に、駆動手段17により、表示電極11と対向電極13との間に、所定電圧を印加して発色駆動を行い(ステップS2)、エレクトロクロミック素子100を発色させることで発色状態とする(ステップS3)。その後、エレクトロクロミック素子100の開放電圧を測定する(ステップS4)。測定しながら、定数A,Bの値を関係式(1)に基づいて次々計算し、定数A,Bの時間変化が安定した際の定数A,Bを採用して電圧計算に用いる関係式(1)とし、開放電圧が安定する所定期間経過後の開放電圧又は開放電圧の時間変化の絶対値が閾値以下となる開放電圧を計算する(ステップS5)。計算した電圧を駆動手段17により、表示電極11と対向電極13との間に印加する(ステップ6)。その後、所定電圧を印加して消色駆動を行い(ステップS7)、消色状態とする(ステップS8)。
駆動方法の変形例として、前出、図2の計算電圧の印加(ステップS6)を継続印加した場合の駆動方法(駆動制御)について、図3のフローチャートに基づいて説明する。図2と異なるのは、前述のように、計算電圧の印加が単に印加するだけか(図2のステップS6)、継続印加するか(図3のステップS6A)の違いである。発色保持の際、発色後何も印加しない場合に比べ、図2のステップS6のように計算電圧の印加を行う方が発色状態の保持性がよいが、1度印加したのみでは計算電圧を印加しない場合と同様、時間経過で消色していく。それに対して、図3のステップS6Aでは発色状態を保持させたい所望時間の間、計算電圧を継続印加する。それにより、電極間電圧が一定に保たれ発色が安定しやすい。
また、他の異なる変形例として、前出、図3の計算電圧の印加(ステップS6A)をパルス印加した場合の駆動方法(駆動制御)について、図4のフローチャートに基づいて説明する。図3と異なるのは、前述のように、発色を保持させたい期間の計算電圧の印加の際、計算電圧で継続印加(図3のステップS6A)するのではなく、パルスを用いて印加する(図4のステップS6B)ことである。継続印加でなく、図4のステップS6Bのようにパルス印加を行うことで保持駆動に置ける消費電力を低減や、duty比変更による保持駆動の調整が期待できる。duty比が1に近く大きな場合は、図3の継続印加と近くなりパルスを用いることで期待する効果は薄れる。サンプルにより程度は異なるが、duty比が低くなると図2に近づく、つまり開放期間が長いと発色が保持しなくなる。
計算電圧をパルス印加(図4のステップS6B)している前出の図4に対し、他の異なる変形例として、計算電圧の印加タイミングをエレクトロクロミック素子100の開放電圧変化を反映させて行う駆動方法(駆動制御)について、図5のフローチャートに基づいて説明する。図4と異なるのは、保持駆動に用いる電圧V1を計算(図5のステップS5C)した後、経時変化する開放電圧V2を測定し(図5のステップS6−1)、前述の計算電圧V1と前述の開放電圧V2を比較(|V1|−|V2|)(図5のステップS6−2)し、その値が閾値以上の場合、つまり計算電圧V1に対して開放電圧V2が小さく(消色方向)(|V1|≧|V2|)かつその差が大きな場合に計算電圧V1を印加(図5のステップS6−3)する。そうでない場合(|V1|<|V2|又は|V1|−|V2|が閾値未満)は、計算電圧を印加不要と判断して、ステップS6−3は行わない。
どちらの場合でも保持駆動としてステップS6−4へ進み、所望の発色保持時間t0と、ステップS3(発色状態)後の経過時間ts3を比較し、所望の時間経過まで(ts3<t0の間)は開放電圧V2の測定(ステップS6−1)に戻る。所望の時間経過後(ts3≧t0)は、消色駆動(ステップS7)へ移行する。これら(ステップS6−1〜S6−4)をまとめて、保持駆動(開放電圧変化を反映した計算電圧のパルス印加)(ステップS6C)とする。なお、図5の保持駆動(ステップS6C)はその中の判定を記載する必要があるため、保持駆動の終了判定(ステップS6−4)を記載しているが、ステップS6を終了し、ステップS7へ移行することを示すため、図4以前のフローにおける各ステップS6,S6A,S6Bに、同様の終了判定を含んでいてもよい。計算電圧の印加は所望の時間経過以内に収まるならどのような時間でもよいが、計算電圧印加前の開放状態となっている時間以下が望ましい。
なお、上記各駆動方法は一例であり、必ずしもこれらの駆動方法に限定されることはない。例えば、計算により開放電圧だけを求めたい場合は、図2のステップS6がなくてもよい。計算電圧の印加において、エレクトロクロミック素子100の安定性改善につながるなら、図3の継続印加と、図4のパルス印加を組み合わせてもよく、また図5の判定に基づいて印加することもできる。
ここで、保持駆動における開放電圧の有効性について説明する。酸化ないし還元させることでエレクトロクロミック素子を発色させた際、エレクトロクロミック素子の開放電圧は消色安定状態と異なる状態を取る。ここでは仮に消色安定となるエレクトロクロミック素子について記載する。エレクトロクロミック素子に外部から電圧、電流、プレス等の力が加わっておらず、またエレクトロクロミック素子を取り巻く環境、つまり光、温度、湿度、圧力(気圧、水圧)が一定の時、十分長い時間に対してエレクトロクロミック素子は消色状態で、開放電圧は一定の値となる。その値は、上記の環境による変動がある他、エレクトロクロミック素子の酸化還元状態、つまり光学特性状態に応じて変化する。
例えば、消色しているエレクトロクロミック素子に電圧や電流を加え酸化還元反応させることで発色状態を得る発色駆動が可能となり、逆反応させることで消色状態を得る消色駆動が可能となる。しかし、消色安定状態のサンプル(エレクトロクロミック層)において発色状態は不安定な状態であり、積極的に消色駆動を行わなくても時間経過に伴い消色状態へと向かう。このとき、エレクトロクロミック素子の開放電圧も、発色駆動により上記の消色安定状態から変化しており、その値から消色安定状態の値へ向かう。時間経過に伴う消色安定状態への変化、つまり発色駆動後から消色駆動開始まで発色状態は一定でなく時間経過に伴い消色方向へ減少していく。
発色状態を一定に保つために行う駆動が保持駆動である。保持駆動に必要な条件はエレクトロクロミック素子の特性、保持したい発色レベル、環境などで変化する。発色を増加させる力が強いと発色が濃くなり、発色が弱いと発色が薄くなるため発色状態を一定に保てず、保持駆動の条件を適切に決める必要がある。また、消色状態ほどではないにしろ発色状態が安定なエレクトロクロミック素子及びその濃度においては、時間経過に対する消色変動は少ないものの、消色状態が起こり難くなるため、発色状態を保持するための保持駆動というより、発色駆動、消色駆動の関係を保つための保持駆動が必要となる。
開放電圧を用いた保持駆動といっても、発色条件や発色レベルで初期値が変動する。例えば、印加時間変化により発色濃度を変化させる場合、(V,t1)での電圧印加と(V,t2)での電圧印加とでは(Vは印加する電圧、t1、t2は印加時間であり、t1>t2とする)、発色駆動の電圧印加終了時は電圧が同じだが終了後の開放電圧は異なっており、その時間変化速度も異なる。発色状態を一定に保持するには何らかの手段で開放電圧を保つことが有効で、保持駆動という方法をとる場合にその電圧を決める必要がある。
上記では消色安定の例で記載したが、ノーマリーカラードと言われるような通常状態で、発色しており、酸化ないし還元により消色や更なる発色、又は色相変化を起こすような物を除外してはいない。つまり安定状態から酸化ないし還元することで、所定の状態Aと、状態Aとは色が異なる状態Bとが変化する。状態Aと状態Bのいずれかが安定で、いずれかが透明であるということであるため、ノーマリーカラードであっても保持駆動の駆動条件を決めるのが望ましい。また、状態A,Bのいずれにも色がついていても(透明でなくとも)、同様である。
そこで、本実施形態に係るエレクトロクロミック素子100の駆動方法では、発色駆動の後、開放電圧が安定する所定期間経過後の開放電圧又は開放電圧の時間変化の絶対値が閾値以下となる開放電圧を発色後の開放電圧変化から近似式を用いて計算し、計算した電圧を印加することによって各発色レベルに応じた電圧を維持することができる。そのため、発色増大や発色減少、それに伴うエレクトロクロミック素子100の劣化を抑制することができる。さらに、発色駆動後にエレクトロクロミック素子100の開放電圧を測定し、その開放電圧を用いるので、エレクトロクロミック素子100の特性の変化に対応することができる。
なお、保持駆動の際に、開放電圧を所定期間、印加し続けるものであってもよい。これにより、保持駆動中での制御を必要とせず、エレクトロクロミック素子100の駆動方法を簡便なものとすることができる。
また、保持駆動の際に、開放電圧を所定期間、所定のパルス間隔を介してパルス状に印加するものであってもよい。これにより、発色濃度以外に対する保持駆動の影響を抑制することができる。また、複数のエレクトロクロミック素子100を動作させる場合に、順次に保持駆動動作を行うことができる。また、矩形波や三角波、サイン波などの交流をパルス状に印加することにより、突入時の影響を抑えることができる。
また、開放電圧をパルス状に印加する際に、パルス間隔を一定ではなく、保持駆動のための開放電圧の印加開始からの時間に応じて変化させてもよい。開放電圧の変動が大きなエレクトロクロミック素子100に対し、パルス間隔を変動させることで、開放電圧を保持させ易くすることができる。
また、第1の実施形態のエレクトロクロミック素子100は、近似式が決まるまでの時間において光学特性が所望の範囲に収まるようなメモリを持つ。そのため、電圧印加を行うことでエレクトロクロミック素子100内を活性な状態で維持させ、発色状態の固定化や反応を防ぐので、消色時の電圧上昇や時間増加を抑制することができる。また、消色駆動時の電圧の上昇を抑制することができるので、エレクトロクロミック素子100の劣化を抑制することができる。また、消色駆動時の時間の低減も可能となる。これは、所望の保持駆動時間において、発色が許容レベル範囲以内となるサンプル、つまり発色を保持する目的での保持駆動が必要でないサンプルの消色についても同様であり、消色電圧の上昇を抑えることができる。
(第2の実施形態)
<エレクトロクロミック素子の構成>
次に、第2の実施形態のエレクトロクロミック素子について、図面を参照しながら説明する。図6は、本実施形態のエレクトロクロミック素子200の構成を模式的に示した断面図である。第2の実施形態のエレクトロクロミック素子200は、複数の表示電極11,21,31及びエレクトロクロミック層12,22,32を設けたこと以外は、第1の実施形態のエレクトロクロミック素子100と同一の基本構成を備えている。そのため、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略することがある。
図6に示すように、第2の実施形態に係るエレクトロクロミック素子200は、対向電極13に対向する3つの表示電極11,21,31が互いに隔離して設けられている。各表示電極11,21,31に対応してエレクトロクロミック層12,22,32が設けられている。また、エレクトロクロミック層12と表示電極21との間に絶縁層19が設けられ、エレクトロクロミック層22と表示電極31との間に絶縁層29が設けられている。
表示電極11は、対向電極13に対する電位を制御し、エレクトロクロミック層12を発色させるための電極である。表示電極21は、対向電極13に対する電位を制御し、エレクトロクロミック層22を発色させるための電極である。表示電極31は、対向電極13に対する電位を制御し、エレクトロクロミック層32を発色させるための電極である。
駆動手段17は、各々の表示電極11,21,31と対向電極13との間に電圧を印加し、電圧を印加した表示電極11,21,31に対応するエレクトロクロミック層12,22,32を発消色させる。
エレクトロクロミック層12,22,32は、それぞれ異なる色を発色するように構成することができる。また、表示電極11に接して設けられたエレクトロクロミック層12、表示電極21に接して設けられたエレクトロクロミック層22、及び表示電極31に接して設けられたエレクトロクロミック層32を、独立して発消色させることができる。
つまり、エレクトロクロミック層12のみの発色、エレクトロクロミック層22のみの発色、エレクトロクロミック層32のみの発色が可能である。また、エレクトロクロミック層12とエレクトロクロミック層22の2層による発色、エレクトロクロミック層12とエレクトロクロミック層32の2層による発色、エレクトロクロミック層22とエレクトロクロミック層32の2層による発色が可能である。さらに、エレクトロクロミック層12とエレクトロクロミック層22とエレクトロクロミック層32の3層による発色が可能である。その結果、多色表示が可能である。
このように、複数の表示電極を設けることにより、多色表示に対応可能なエレクトロクロミック素子を実現できる。なお、本実施形態では、表示電極及びエレクトロクロミック層をそれぞれ3個ずつ設けているが、本願がこれに限定されることはなく、2個ずつ設けることや、それぞれ4個以上設けることもできる。
<エレクトロクロミック素子200の駆動方法>
本実施形態に係るエレクトロクロミック素子200の駆動方法(駆動制御)は、図2〜図5を用いた第1の実施形態のエレクトロクロミック素子100と同様の駆動方法(駆動制御)を用いることができる。このとき、各表示電極11,21,31と対向電極13との間に電圧を印加してエレクトロクロミック層12,22,32を発色駆動させ、開放電圧を各々測定しながら、各々のA,Bの値を関係式(1)に基づいて次々計算し、A,Bの時間変化が安定した際のA,Bを採用して電圧計算に用いる関係式(1)とし、開放電圧が安定する所定期間経過後の開放電圧又は開放電圧の時間変化の絶対値が閾値以下となる開放電圧を計算する。計算した各々の電圧を個別に印加して保持駆動を行う。このように、第2の実施形態でも保持駆動の際に、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。個別印加の都合上、12,22,32の何れかのエレクトロクロミック層のみであれば図3の継続印加が可能だが、各エレクトロクロミック層12,22,32に順次印加する場合は、パルス印加としたり、第1の実施形態のような図3の継続印加をエレクトロクロミック層12,22,32毎に切り替えたりするなどの工夫が必要となる。
なお、多色表示に対応可能なエレクトロクロミック素子の構成や駆動方法が、本実施形態のエレクトロクロミック素子200の構成や駆動方法に限定されることはない。例えば、表示電極11及び対向電極13間、表示電極21及び対向電極13間、表示電極31及び対向電極13間に、それぞれ異なる印加時間で電圧を印加することもできる。また、各表示電極11,21,31、エレクトロクロミック層12,22,32等が図6のように積層した構成に限定されることはなく、並列又は不規則に設けることもできる。その場合、上記のような図3の継続印加に対する制限や工夫は不要である。
(実施例)
以下、本発明のエレクトロクロミック素子及びその駆動方法の実施例を説明する。
実施例で用いるエレクトロクロミック素子を以下の手順で作製した。ガラス基板を準備し、その上面の領域に、酸化インジウムと酸化スズよりなる透明導電性薄膜をスパッタ法により成膜することによって表示電極11を形成した。この表示電極11が形成されたガラス基板上に、酸化チタンナノ粒子分散液として、SP210(商品名:昭和タイタニウム社製)をスピンコート法により塗布し、120℃で15分間アニール処理を行うことによって、酸化チタン粒子膜を形成した。
次に、ビオロゲン化合物の5wt%の2,2,3,3−テトラフロロプロパノール溶液と前述したSP210とを2.4/4の比率で混合した塗布液をスピンコート法により塗布し、120℃で10分間アニール処理を行うことによって、酸化チタン粒子とエレクトロクロミック化合物[4,4'-(1-phenyl-1H-pyrrole-2,5-diyl)bis(1-(4-(phosphonomethyl)benzyl)pyridinium)bromide]よりなるエレクトロクロミック層12を形成した。以上の工程により、表示電極11とエレクトロクロミック層12とが設けられた表示基板10を得た。
一方、別のガラス基板を準備し、その上面の領域に、表示基板10と同様に透明導電性薄膜をスパッタ法により成膜することによって対向電極13を形成した。対向電極13は、2本の矩形パターンを、L(ライン)/S(スペース)=11(mm)/1(mm)でストライプ形状に成膜して形成した。
この対向電極13が形成されたガラス基板上に、アリールアミン化合物を有する塗布液をスピンコート法により塗布し、得られた膜をUV照射装置により60秒硬化した。次いで、60℃で10分間アニール処理を行うことによりトリアリールアミン化合物を有するラジカル重合性化合物を重合した重合層を形成した。その後、対向電極13の形状でトリミングを実施し、対向電極13上にのみ上記重合層が形成された状態とした。以上の工程により、対向電極13が設けられた対向基板14を得た。
次に、PEG400(商品名:日本化薬社製)を含む電解質溶液を用意し、作製した対向基板14上に電解質溶液を滴下した。表示基板10と対向基板14との上面(表示電極11、対向電極13が形成された面)が内側に来るように対向して配置し、スペーサ16を介して電極取り出し部ができるようにずらして貼り合わせた。これにより、内部に電解質15が封入されたエレクトロクロミック素子100(図1)を作製した。
得られたエレクトロクロミック素子100を用い、本提案の駆動方法(駆動制御)を実施し、その評価を行った。
実施例1〜3は異なる発色状態に対し、関係式(1)を求め、得られた式へ、本エレクトロクロミック素子100の開放電圧が安定すると思われる時間で電圧計算を行い、その計算電圧を継続印加することで保持駆動を行った。所定時間経過後の光学特性が所望の範囲内に入っているかで判定を行った。
実施例4〜6は関係式(1)に用いる開放電圧の時間変化を用いることについて、実施例1〜3の各発色状態を取った後、保持駆動を行わず、経時での開放電圧の変化を測定した。その開放電圧の時間変化毎の電圧を用いて、改めて実施例1〜3の各発色状態を取った後にその電圧を印加することで保持駆動を行い、実施例1〜3と同様に判定を行う試験を行った。
実施例7〜9は関係式(1)に用いる開放電圧が安定する所定時間経過後の開放電圧を用いることについて、実施例4〜6と同様に測定した開放電圧を用いた試験を行った。
<実施例1>
まず、消色状態において駆動手段17により、エレクトロクロミック素子100の表示電極11と対向電極13との間に、発色条件として−1.8Vの電圧を1.0secの間印加して発色駆動を行い、透過率30%までサンプル(エレクトロクロミック層12)を発色させた。その後、エレクトロクロミック素子100の開放電圧を300sec間に渡り測定した。発色駆動終了後から、下記表1の関係式(近似式)算出範囲までの時間の開放電圧と時間に基づいて、開放電圧Vと時間tの関係式(1)の定数A及びBを求めた。その後、消色駆動を行った。
次に、再度同発色条件(−1.8V,1.0sec)で発色駆動を行った後、各関係式算出範囲で得られた各関係式(1)に、開放電圧が安定する時間としてt=200secを代入したときの開放電圧Vの値を、保持駆動に用いる開放電圧とした。関係式(1)を決めるための定数A,Bの変化は開放後より小さかったが、5.00secや10.00sec辺りでほぼ変化がなくなった。600sec間印加して保持駆動を行った。その際の発色状態の適否を判定した結果を、下記表1に表す。幾つかの、各定数A及びB、開放電圧Vを下記表1に表す。
なお、連続でモニタリングを行い、保持駆動における開放電圧の印加時間が300sec時と600sec時に、目標値の±10%(透過率27〜33%)に入っているかを判定した。すなわち、発色駆動においては、透過率27〜33%を達成でき、発色増大や現象が生じることなく安定した発色状態が得られているか否か、また、消色駆動時においては、保持駆動無しの場合と比較して消色し難くなることや、消色時に色が残ってしまうことなどが無かったか否かで判断した。下記表1に示すように、目標値の±10%を600sec時で満たしているもの(300sec、600sec共に満たしているもの)を◎(最適)とし、600sec時点では満たしていないが、300secでは満たしているものを○(適)とした。300sec時点でも目標値を満たしていないものを×(不適)とした。以降の実施例2、実施例3でも同様に判定した。
<実施例2>
実施例2では、エレクトロクロミック素子100の表示電極11と対向電極13との間に、発色条件として−1.8Vの電圧を3.0secの間印加して発色駆動を行い、透過率10%までエレクトロクロミック層12を発色させた。その後、実施例1と同様にエレクトロクロミック素子100の開放電圧を300sec間に渡り測定した。発色駆動終了後から、下記表2の関係式(近似式)算出範囲までの時間の開放電圧と時間に基づいて、開放電圧Vと時間tの関係式(1)の定数A及びBを求めた。関係式(1)を決めるための定数A,Bの変化は実施例1より大きく、10.00sec辺りで安定が見られた。その後、消色駆動を行った。
再度同発色条件(−1.8V,3.0sec)で発色駆動を行った後、各関係式算出範囲で得られた各関係式(1)に開放電圧が安定する時間としてt=200secを代入したときの開放電圧Vの値を、保持駆動に用いる開放電圧とした。各開放電圧Vを600sec間印加して保持駆動を行った。その際の消色状態の適否を判定した結果を、下記表2に示す。幾つかの、各定数A及びB、開放電圧Vも下記表2に表す。実施例2では、保持駆動において目標値の±10%(透過率9.0〜11.0%)に入っているかを300secと600secで判定した。
<実施例3>
実施例3では、エレクトロクロミック素子100の表示電極11と対向電極13との間に、発色条件として−2.0Vの電圧を3.0secの間印加して発色駆動を行い、透過率2%までエレクトロクロミック層12を発色させた。その後、実施例1と同様にエレクトロクロミック素子100の開放電圧を300sec間に渡り測定した。下記表3の関係式(近似式)算出範囲までの時間の開放電圧と時間に基づいて、開放電圧Vと時間tの関係式(1)の定数A及びBを求めた。関係式(1)を決めるための定数A,Bの変化は実施例2よりさらに大きかったが、10.00sec辺りでは安定し始めたと思われる。その後消色駆動を行った。
再度同発色条件(−2.0V,3.0sec)で発色駆動を行った後、各関係式算出範囲で得られた各関係式(1)に開放電圧が安定する時間としてt=200secを代入したときの開放電圧Vの値を、保持駆動に用いる開放電圧とした。各開放電圧Vを600sec間印加して保持駆動を行った。その際の消色状態の適否を判定した結果を、下記表3に示す。幾つかの、各定数A及びB、開放電圧Vも下記表3に表す。実施例3では、保持駆動において目標値の±10%(透過率1.8〜2.2%)に入っているかを300secと600secで判定した。
上記実施例1、2に係る表1、表2の結果のように電圧が同じで印加時間を変えた発色駆動でも、上記実施例2、3に係る表2、表3の結果のように印加時間が同じで電圧を変えた発色駆動でも、本発明のエレクトロクロミック素子100の駆動方法を適用することができる。したがって、実施例1〜3に係る表1〜表3の結果より、エレクトロクロミック層12の破壊が抑制できる範囲での任意の発色駆動及び発色濃度において、本発明のエレクトロクロミック素子100の駆動方法を実施することができる。
上記表1〜表3の結果より、本発色駆動後、所定期間以上、好ましくは10.00sec以上、開放電圧を測定し、定数A,Bの値を関係式(1)に基づいて次々計算し、定数A,Bの時間変化が安定した際の定数A,Bを採用して電圧計算に用いる関係式(1)とする。定数A,B採用後の関係式(1)に基づいて、開放電圧が安定する一定時間経過後の開放電圧又は開放電圧の時間変化が一定以下になる開放電圧を計算し、計算した電圧を、発色駆動後に所定期間、好ましくは300sec以上、より好ましくは600sec以上印加することで、透過率を目標値の±10%に保持することができ、良好な発色状態を保持できることがわかった。
<実施例4>
まず、消色状態において駆動手段17により、エレクトロクロミック素子100の表示電極11と対向電極13との間に、発色条件として−1.8Vの電圧を1.0secの間印加して発色駆動を行い、透過率30%までサンプル(エレクトロクロミック層12)を発色させた。その後、エレクトロクロミック素子100の開放電圧を300sec間に渡り、一定間隔(本実施例では10msec(0.01sec)間隔)で測定し、開放電圧の時間変化を計算した。その後、消色駆動を行った。なお、開放電圧の測定間隔が10msec(0.01sec)間隔)に限定されることはなく、測定時間が長くなることが予めわかっている場合には、測定間隔を100msec(0.1sec)、1,000msec(1.0sec)等とすることもできる。
次に、再度同発色条件(−1.8V,1.0sec)で発色駆動を行った後、開放電圧の時間変化が下記表4に記載の値にそれぞれ到達したときの開放電圧を600secの間印加して保持駆動を行った。その際の発色状態の適否を判定した結果を、下記表4に表す。なお、表4に記載の時間変化が1mV/secに達した時間は開放電圧の測定開始後6.47〜16.47sec間であり、6.47sec時の開放電圧が約−1.57Vであった。また、0.5mV/secに達した時間は14.80〜24.80sec間であり、14.80sec時の開放電圧は約−1.56Vであった。0.2mV/secに達した時間は39.08〜49.08sec間であり、39.08sec時の開放電圧は約−1.55Vであった。0.1mV/secに達した時間は85.06〜95.06sec間であり、85.06sec時の開放電圧は約−1.54Vであった。0.05mV/secに達した時間は139.21〜149.21sec間であり、139.21sec時の開放電圧は約−1.53Vであった。
なお、連続でモニタリングを行い、保持駆動における開放電圧の印加時間が300sec時と600sec時に、目標値の±10%(透過率27〜33%)に入っているかを判定した。すなわち、発色駆動においては、透過率27〜33%を達成でき、発色増大や現象が生じることなく安定した発色状態が得られているか否か、また、消色駆動時においては、保持駆動無しの場合と比較して消色し難くなることや、消色時に色が残ってしまうことなどが無かったか否かで判断した。下記表4に示すように、目標値の±10%を600sec時で満たしているもの(300sec、600sec共に満たしているもの)を◎(最適)とし、600sec時点では満たしていないが、300secでは満たしているものを○(適)とした。300sec時点でも目標値を満たしていないものを×(不適)とした。以降の実施例5、実施例6でも同様に判定した。
<実施例5>
実施例5では、エレクトロクロミック素子100の表示電極11と対向電極13との間に、発色条件として−1.8Vの電圧を3.0secの間印加して発色駆動を行い、透過率10%までエレクトロクロミック層12を発色させた。その後、実施例4と同様にエレクトロクロミック素子100の開放電圧を300sec間に渡り測定し、開放電圧の時間変化を計算した。その後、消色駆動を行った。
再度同発色条件(−1.8V,3.0sec)で発色駆動を行った後、開放電圧の時間変化が下記表5に記載の値にそれぞれ到達したときの開放電圧を600secの間印加して保持活動を行った際の判定結果を、下記表5に示す。実施例5では、保持駆動において目標値の±10%(透過率9.0〜11.0%)に入っているかを300secと600secで判定した。
<実施例6>
実施例6では、エレクトロクロミック素子100の表示電極11と対向電極13との間に、発色条件として−2.0Vの電圧を3.0secの間印加して発色駆動を行い、透過率2%までエレクトロクロミック層12を発色させた。その後、実施例1と同様にエレクトロクロミック素子100の開放電圧を300sec間に渡り測定し、開放電圧の時間変化を計算した。その後消色駆動を行った。
再度同発色条件(−2.0V,3.0sec)で発色駆動を行った後、開放電圧の時間変化が下記表6に記載の値にそれぞれ到達したときの開放電圧を600secの間印加して保持活動を行った際の判定結果を、下記表6に示す。実施例6では、保持駆動において目標値の±10%(透過率1.8〜2.2%)に入っているかを300secと600secで判定した。
上記実施例4、5に係る表4、表5の結果のように電圧が同じで印加時間を変えた発色駆動でも、上記実施例5、6に係る表5、表6の結果のように印加時間が同じで電圧を変えた発色駆動でも、本発明のエレクトロクロミック素子100の駆動方法を適用することができる。したがって、実施例4〜6に係る表4〜表6の結果より、エレクトロクロミック層12の破壊が抑制できる範囲での任意の発色駆動及び発色濃度において、本発明のエレクトロクロミック素子100の駆動方法を実施することができる。
上記実施例4〜6の表4〜表6結果より、発色駆動後の開放電圧の時間変量の絶対値が閾値以下、好ましくは0.2mV/sec、より好ましくは0.2mV/sec以下に到達したときの開放電圧を、発色駆動後に所定期間、好ましくは300sec以上、より好ましくは600sec以上印加することで、透過率を目標値の±10%に保持することができ、良好な発色状態を保持できることがわかった。
<実施例7>
まず、消色状態において駆動手段17により、エレクトロクロミック素子100の表示電極11と対向電極13との間に、発色条件として−1.8Vの電圧を1.0secの間印加して発色駆動を行い、透過率30%までサンプル(エレクトロクロミック層12)を発色させた。その後、エレクトロクロミック素子100の開放電圧を300sec間(1sec、10sec、100sec、200sec、300sec)に渡り測定した。その後、消色駆動を行った。
次に、再度同発色条件(−1.8V,1.0sec)で発色駆動を行った後、開放電圧の各測定電圧を600secの間印加して保持活動を行った。その際の発色状態の適否を判定した結果を、下記表7に表す。
なお、連続でモニタリングを行い、保持駆動における開放電圧の印加時間が300sec時と600sec時に、目標値の±10%(透過率27〜33%)に入っているかを判定した。すなわち、発色駆動においては、透過率27〜33%を達成でき、発色増大や現象が生じることなく安定した発色状態が得られているか否か、また、消色駆動時においては、保持駆動無しの場合と比較して消色し難くなることや、消色時に色が残ってしまうことなどが無かったか否かで判断した。下記表7に示すように、目標値の±10%を600sec時で満たしているもの(300sec、600sec共に満たしているもの)を◎(最適)とし、600sec時点では満たしていないが、300secでは満たしているものを○(適)とした。300sec時点でも目標値を満たしていないものを×(不適)とした。以降の実施例8、実施例9でも同様に判定した。
<実施例8>
実施例8では、エレクトロクロミック素子100の表示電極11と対向電極13との間に、発色条件として−1.8Vの電圧を3.0secの間印加して発色駆動を行い、透過率10%までエレクトロクロミック層12を発色させた。その後、実施例7と同様にエレクトロクロミック素子100の開放電圧を300sec間に渡り測定した。その後、消色駆動を行った。
再度同発色条件(−1.8V,3.0sec)で発色駆動を行った後、保持駆動において開放電圧の各測定電圧を600secの間印加した際の判定結果を、下記表8に示す。実施例8では、目標値の±10%を透過率9.0〜11.0%とした。
<実施例9>
実施例9では、エレクトロクロミック素子100の表示電極11と対向電極13との間に、発色条件として−2.0Vの電圧を3.0secの間印加して発色駆動を行い、透過率2%までエレクトロクロミック層12を発色させた。その後、実施例7と同様にエレクトロクロミック素子100の開放電圧を300sec間に渡り測定した。その後消色駆動を行った。
再度同発色条件(−2.0V,3.0sec)で発色駆動を行った後、保持駆動において開放電圧の各測定電圧を600secの間印加した際の判定結果を、下記表9に示す。実施例3では、目標値の±10%を透過率1.8〜2.2%とした。
上記実施例7、8に係る表7、表8の結果のように電圧が同じで印加時間を変えた発色駆動でも、上記実施例8、9に係る表8、表9の結果のように印加時間が同じで電圧を変えた発色駆動でも、本発明のエレクトロクロミック素子100の駆動方法を適用することができる。したがって、実施例7〜9に係る表7〜表9の結果より、エレクトロクロミック層12の破壊が抑制できる範囲での任意の発色駆動及び発色濃度において、本発明のエレクトロクロミック素子100の駆動方法を実施することができる。
上記表7〜表9の結果より、発色駆動から所定期間経過後、好ましくは100sec経過後、より好ましくは200sec経過後、さらに好ましくは300sec経過後に、エレクトロクロミック素子100の開放電圧を測定する。そして、発色駆動後に、測定した開放電圧を所定期間、好ましくは600sec以上印加することで、透過率を目標値の±10%に保持することができ、良好な発色状態を保持できることがわかった。
以上、関係式(1)を用いた計算電圧印加と算出について記載した。以下、計算電圧印加をパルスで行った場合と、開放電圧との差で印加タイミングを判定した場合について記載する。
<実施例10>
実施例10として、エレクトロクロミック素子100に開放電圧をパルス状に印加する駆動方法を説明する。この実施例10では、表示電極11と対向電極13との間に、発色条件として−1.8Vの電圧を1.0secの間印加して発色駆動を行った後、−1.53Vでの電圧印加と開放(OC)をduty比1.53%で繰り返した。その結果、継続印加した場合と同様に600sec後の透過率が目標値±30%(透過率27〜33%)を満たし、保持駆動中の消費電力は低下した。
<実施例11>
実施例11として、実施例10と異なる条件で試験を行った。発色は−1.8V,3.0sec印加して10%とした。発色駆動の後、−1.66Vでの電圧印加と開放(OC)をduty比5.00%で繰り返した。その結果、継続印加した場合と同様に300sec後の透過率が目標値±10%(透過率9.0〜11.0%)を満たし、保持駆動中の消費電力は低下した。
<実施例12>
実施例12として、エレクトロクロミック素子100に計算電圧を印加する駆動方法を説明する。この実施例10では、表示電極11と対向電極13との間に、発色条件として−1.8Vの電圧を1.0secの間印加して発色駆動を行った後、関係式(1)に基づいた計算電圧−1.53Vの絶対値と電極間の開放電圧の絶対値を比較し、計算電圧が大きく、かつその差が、0.03V以上となる場合に、−1.53V,1.0secの印加を実施した。その結果、3600sec後の透過率が目標値±10%(透過率27〜33%)を満たした。
<実施例13>
実施例13として、実施例12と異なる条件で試験を行った。発色は−1.8V,3.0sec印加して10%とした。発色駆動の後、−1.66Vの絶対値と電極間の開放電圧の絶対値を比較し、計算電圧が大きく、かつその差が、0.02V以上となる場合に、−1.66V,1.0secの印加を実施した。その結果、3600sec後の透過率が目標値±10%(透過率9〜11%)を満たした。
エレクトロクロミック素子100に発色を行った後、直ぐに消色駆動を行った場合と、保持駆動を行わずに300sec後に消色駆動を行った場合について、消色状態を判定した。直ぐに消色活動を行った場合、最大消色電圧が+0.5V未満でやや色が残る、+0.5V以上+1.5V未満で殆ど消える、+1.5V以上印加では消色するが、過剰消色となる、という結果が得られた。また、300sec後に実施の場合、+0.5V未満では多少薄くなる程度で、時間を倍などにしても消色しきらず、+2.0や+2.5Vの印加でもやや色が残り、消色し難いという結果が得られた。すなわち、消色駆動の時間の増加や消色電圧の上昇が必要であった。これに対して、本発明に係るエレクトロクロミック素子100の駆動方法では、消色時に+0.5V以上+1.5V未満で殆ど消えるという結果となった。
さらに、本発明に係るエレクトロクロミック素子100の駆動方法では、発色駆動から100sec経過後(判定○)、200sec又は300sec経過後(判定◎)の開放電圧で保持駆動を行った場合は、消色し易いという結果が得られた。すなわち、消色駆動の時間の低減、消色電圧の低減が可能となった。
<実施例14>
実施例14として、光学特性や電気特性が異なるサンプルを用意し同様に開放電圧から係数A,Bを計算し、安定したところでの係数A,Bを用いた近似式を使うことで保持駆動を行った。ここで、用意したサンプルは前述のエレクトロクロミック素子100より低い印加条件で高い発色を示す。具体的には、エレクトロクロミック素子100の場合、30%の発色は、−1.8V,1.0sec印加で得ることができるが、実施例14で用いるサンプルは、−1.3V,1.0secで30%の発色を得られる。また、エレクトロクロミック素子100と色味も異なるため、透過率30%としている代表波長や平均波長の計算は異なる。このサンプルを用いて、エレクトロクロミック素子100で行ったのと同様に、発色させた後、開放状態の電圧モニタと関係式(1)を用いて、定数A,Bを算出し、定数A,Bが安定した定数A,Bに対し、時間や傾きから印加電圧を決めた結果、−1.17Vと算出された。この電圧を継続印加したところ、300sec後の透過率が目標値±10%(透過率27〜33%)を満たした。
<実施例15>
実施例15として、実施例14と同条件で作製したサンプルを用い、−1.3V,1.0secの発色駆動の後、−1.17Vでの電圧印加と開放(OC)をduty比5.00%で繰り返した。その結果、継続印加した場合と同様に300sec後の透過率が目標値±10%(透過率27.0〜33.0%)を満たし、保持駆動中の消費電力は低下した。
<実施例16>
実施例16として、実施例14と同条件で作製したサンプルを用い、−1.3V,1.0secの発色駆動の後、−1.17Vの絶対値と電極間の開放電圧の絶対値を比較し、計算電圧が大きく、かつその差が、0.02V以上となる場合に、−1.17V,1.0secの印加を実施。その結果、3600sec後の透過率が目標値±10%(透過率27〜33%)を満たした。
また、発色させた後に何もしない場合と保持駆動を行った場合での消色の違いを見ようとしたがエレクトロクロミック素子100に比べメモリ性が低い本サンプルでは、開放状態で600sec経過により発色の殆どが時間経過による緩和しており、消色し易くなる効果の実験はできなかった。
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、上記各実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであり、本発明は上記各実施例の構成にのみ限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。また、前記構成部材の数、位置、形状等は各実施例に限定されることはなく、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
10 表示基板 11,21,31 表示電極
12,22,32 エレクトロクロミック層
13 対向電極 14 対向基板 15 電解質 17 駆動手段
100,200 エレクトロクロミック素子
特公平5−23409号公報 特開2003−270671号公報

Claims (5)

  1. 第1の電極と、該第1の電極に対して間隔をおいて対向する第2の電極と、該2つの電極の間に設けられる電解質と、少なくともエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含み、前記2つの電極のうち少なくとも一方の電極表面に形成されるエレクトロクロミック層とを備えるエレクトロクロミック素子を駆動させるエレクトロクロミック素子の駆動方法であって、
    前記第1の電極及び前記第2の電極との間に電圧を印加し、前記エレクトロクロミック層を発色させた後、前記第1の電極及び前記第2の電極間における開放電圧を測定し、前記発色のための電圧の印加からの経過時間をtとし、前記経過時間tで測定された前記開放電圧をVとし、定数をA及びBとしたとき、次式(1)
    (1)V = A*Ln(t) + B
    に基づいて、開放電圧が安定する所定期間経過後の開放電圧又は開放電圧の時間変化の絶対値が閾値以下となる開放電圧を計算し、前記第1の電極及び前記第2の電極との間に、前記式(1)に基づいて計算した計算電圧を印加することを特徴とするエレクトロクロミック素子の駆動方法。
  2. 前記計算電圧を、発色状態が得られた後、所定期間に渡って印加し続けることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素子の駆動方法。
  3. 前記計算電圧を、パルス状に印加することを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素子の駆動方法。
  4. 前記計算電圧と前記開放電圧の比較により、前記計算電圧での発色タイミングを決めることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子の駆動方法。
  5. 第1の電極と、該第1の電極に対して間隔をおいて対向する第2の電極と、該2つの電極の間に設けられる電解質と、少なくともエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含み、前記2つの電極のうち少なくとも一方の電極表面に形成されるエレクトロクロミック層とを備えるエレクトロクロミック素子を駆動させるエレクトロクロミック素子であって、
    前記第1の電極及び前記第2の電極との間に電圧を印加し、前記エレクトロクロミック層を発色させた後、前記第1の電極及び前記第2の電極間における開放電圧を測定し、前記発色のための電圧の印加からの経過時間をtとし、前記経過時間tで測定された前記開放電圧をVとし、定数をA及びBとしたとき、次式(1)
    (1)V = A*Ln(t) + B
    に基づいて、開放電圧が安定する所定期間経過後の開放電圧又は開放電圧の時間変化の絶対値が閾値以下となる開放電圧を計算し、前記第1の電極及び前記第2の電極との間に、前記式(1)に基づいて計算した計算電圧を印加する駆動手段を設けたことを特徴とするエレクトロクロミック素子。
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