JP2016209811A - 光触媒複合体材料およびその製造方法 - Google Patents

光触媒複合体材料およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価でかつ高い光触媒活性を持つ可視光応答型の光触媒材料を提供すること。
【解決手段】 本発明の光触媒複合体材料は、可視光応答型光触媒と、前記可視光応答型光触媒の表面に担持されると共に、可視光を吸収する有色の土成分または有色になるよう加工された沸石成分を含有し、前記可視光応答型光触媒が、バンドギャップが1.4eV以上3.1eV以下であり、かつ、伝導帯のボトムのエネルギー準位から換算した酸化還元電位が0V以上+0.7V以下(vs.SHE,pH=0)の金属酸化物半導体であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光が照射されることを利用して、有害な物質を酸化分解して無害化する光触媒複合体材料およびその製造方法に関する。
光触媒複合体材料は、光が照射されることで、バンド間吸収により光を吸収しその光エネルギーを利用して、電子とホールを生成し、特にそのホールおよびホールと大気中成分と反応してできる化合物により、有害な物質を酸化分解して、より無害にするもので、例えば酸化チタンが知られている。
酸化チタンは紫外光が照射されている状況下で、光触媒特性を示し、有害な有機物質を酸化分解し、二酸化炭素にまで分解することができる。しかし、屋内など、紫外光が少ない場所では、その活性が抑えられ、うまく機能しないという課題がある。
そこで、室内により豊富に存在する可視光線を吸収する可視光応答型光触媒に関する研究がさかんになってきた。酸化チタンに窒素をドープした材料は、窒素をドープすることで可視光に吸収を持つようになる(非特許文献1)が、合成時に有害なアンモニアなどを用いる必要があるため、環境にやさしい方法ではなく、望ましい材料ではない。
一方、酸化タングステンはそのバンドギャップが約2.8eVと可視光を吸収し、光触媒特性を示す材料である。しかし、耐久性に問題があり、光触媒として利用するとすぐに活性が低下し、失活してしまう。そのため、酸化タングステンのみで可視光光触媒材料として、実用上、利用することができないという課題がある。
それゆえ、酸化タングステンと各種金属などを複合化させることで、その光触媒特性の耐久性の向上が図られてきている。
酸化タングステンをプラチナに担持することで、酸化タングステンの光触媒活性を上昇させるという報告もなされている(非特許文献2)。しかし、プラチナの採掘可能な量は、鉄との比較では4桁から5桁少なく、非常に微量である。また、プラチナの単位重量当たりの価格は、鉄との比較では4桁から5桁高価であるため、汎用的に利用することはなかなか難しい。それゆえ、高価な金属を使わない材料の開発が期待されてきている。
さらには、銅イオンと酸化チタン、酸化タングステンを組み合わせた光触媒が報告されている(特許文献1)。この光触媒は、可視光により光触媒特性を示す。しかし、この表面修飾された銅イオンは水溶性であり、コーティング剤として利用した場合、溶媒に水やアルコールなどを用いると酸化チタン、酸化タングステン光触媒から遊離や偏析するおそれが発生する。そこで、水などの溶媒により溶けにくい助触媒が必要とされている。また、遊離した銅イオンは抗菌性などが高すぎ、用途が限られ、また、金属アレルギー源にもなりえる。
また、FeをWOに担持した光触媒材料も報告されている(非特許文献3)。しかし、FeをWOに担持すると、却って可視光光触媒活性が低下し、WO単独より可視光照射下の有機物分解活性が低下する。このことから、酸化鉄をWOに担持させることは、酸化タングステン光触媒に対しては適当ではないといいえる。
一方、比表面積を増大させて、酸化タングステンの光触媒活性を向上させることを目的として、酸化タングステンに酸化チタン並びに/若しくは比表面積の大きなNa型ゼオライト、H型ゼオライト及び/又はNH型ゼオライトと混合した例も報告されている(特許文献2)。しかし、酸化チタンや3種のゼオライトは白色であり、それらを混ぜることで触媒中の有色成分の比率が減少し、光触媒材料の色が薄くなる。その結果として光触媒自身が十分に可視光線を吸収できず、光触媒活性が不十分となるという課題がある。
一方、銅カチオン交換型ゼオライトは窒素酸化物除去触媒として利用され、その活性はNa型ゼオライトよりも非常に高活性であることが知られている(非特許文献4)。このことは、換言するとゼオライトがカチオンの特性によってその特性、特に触媒活性が異なってくることを示している。しかし、銅カチオン交換型ゼオライトによる窒素酸化物除去は350℃以上の高温でしか機能せず、光触媒反応が実施されるような室温では、このゼオライトを単独で用いても有害物質を除去することはできないという課題がある。
以上示したように、従来の可視光応答型光触媒は、活性が非常に高く、安価で、コーティングの際の安定性、より環境にやさしいという4つの条件が整った材料はなく、様々な課題が山積していた。
特開2013−013886号公報 特開2007−098294号公報
R.Asahi,T.Morikawa,T.Ohwaki,K.Aoki,and Y.Taga,Science,Vol.293(2001)269―271. Ryu Abe,Hitoshi Takami,Naoya Murakami,Bunsho Ohtani,Journal of American Chemical Society,Vol.130(2008)7780―7781. Takeo Arai,Masatoshi Yanagida, Yoshinari Konishi, Yasukazu IWASAKI, Hideki Sugihara, Kazuhiro Sayama, Catalysis Communications, Vol.9(2008)1254―1258. Qui Sun,Aimin Zhu,Xuefeng Yang, Jinhai Niu, Yong Xu, Chemical Communications,(2003)1418―1419.
本発明は安価でかつ、高い光触媒活性を持つ可視光応答型の光触媒材料を提供することを目的とする。
本特許の発明者らは、上記の課題を解決するために有色の土壌成分などの優れた環境調和性に着目し、これを酸化タングステンなどの可視光応答型光触媒と複合化させるなど、鋭意研究開発を行った。その結果、高活性、安価かつ安定な可視光応答型光触媒複合材料の発明に至ったのである。
これらの土壌成分は園芸や住宅の内壁に使われるように環境調和性に秀で、吸湿、放湿の調湿効果に代表されるように気体の吸着・脱離効果に優れており、さらに茶色を帯びるなど有色であるため、可視光を十分に吸収できる。
一方、価電子帯のボトムの位置が0〜+0.7Vに相当する可視光応答型光触媒は光照射により、ホールと電子を生成し、生成したホールは有機物質を酸化分解する。この可視光応答型光触媒単独で用いた場合、電子は酸素を還元して、過酸化水素を生成するが、過酸化水素の反応性は低濃度では著しく低いため、過酸化水素が蓄積し、その結果、電子が消費しづらくなり、電子とホールの再結合が起きやすくなり、活性が著しく低下してしまう。しかし、前述の有色の土壌成分および沸石成分と接合すると、土壌および沸石成分特有の優れた吸着脱離能により、光触媒表面に生成した過酸化水素も土壌並びに沸石成分の表面および界面へとあふれ出し、光触媒表面への過度の過酸化水素の蓄積を防ぎ、光触媒活性を維持できる。また、土壌および沸石成分は光触媒と比較して非常に吸着能に優れるため、表面に一部あふれ出した過酸化水素もその表面で濃縮され、濃縮された有機ガスとの反応性が増す。さらに、有色の土壌および沸石成分を用いることで、可視光を大幅に吸収することができ、その光吸収による局所的な熱的効果は高められ、その結果、濃縮された過酸化水素と有機物の反応性が飛躍的に増すことになり、土壌および沸石成分に吸着した有機物をも酸化分解されていくことになる。その結果、非常に高効率に有機物を分解することできるようになる。また、沸石中にカチオン交換またはドープした鉄および銅は混合原子価であり、複数の価数をとることができるため、過酸化水素と電子のやり取りができ、過酸化水素がより分解しやすくラジカルも作りやすく、さらに反応性が高くなり、有機物を分解することを促進する手助けをする。
また、これらの土壌成分はプラチナなどの貴金属とは異なり、地球上に豊富に存在し、価格も非常に廉価であるという特長も持つ。その結果、本発明は、安価でかつ、高い光触媒活性を持つ可視光応答型の光触媒材料を提供するという前記の課題を解決することができる。
そして、本発明は、以下の構成を有する。
本発明の光触媒複合体材料は、可視光応答型光触媒と、可視光応答型光触媒の表面に担持した可視光を吸収する有色の土成分または有色になるよう加工された沸石成分を含有し、可視光応答型光触媒が、バンドギャップが1.4eV以上3.1eV以下であり、かつ、伝導帯のボトムのエネルギー準位から換算した酸化還元電位が0V以上+0.7V以下(vs.SHE,pH=0)の金属酸化物半導体であることを特徴とする。ここで、『SHE』は標準水素電極のことで、Standard hydrogen electrodeの略である。本発明の光触媒複合体材料には、添加物として、シリカ、アルミナ、セメント、酸化チタン等を適宜添加しても良い。酸化チタンを加えることで、紫外光に対する光触媒特性を高めることができる。
本発明の光触媒複合体材料において、好ましくは、金属酸化物半導体が、酸化タングステン、リン酸銀(AgPO)、ビスマス酸塩、チタン酸化物のいずれか1つまたは2つ以上からなるとよい。
本発明の光触媒複合体材料において、好ましくは、チタン酸化物は、FeTiO、ドープ型酸化チタン(FeとTaの両方をドープした酸化チタン若しくはTi3+及び/又はTi4+を格子間位置(interstitial site)にドープした酸化チタン)のいずれか1つまたは2つ以上からなるとよい。
また、ビスマス酸塩は、好ましくは、ビスマス酸ナトリウム(NaBiO)、ビスマス酸カルシウム、ビスマス酸ストロンチウムのいずれか1つまたは2つ以上からなるとよい。ビスマス酸カルシウムは、例えばCaBiであるが、他の化学式で表記される物でも良い。
本発明の光触媒複合体材料において、好ましくは、土壌成分がバーミキュライト、パーライト、ピートモス、ミックスピートモス、ココソイル、珪藻土、サポナイト又は赤土のいずれか1つまたは2つ以上を含むとよい。
本発明の光触媒複合体材料において、好ましくは、沸石成分が銅カチオン交換型ゼオライト、銅カチオンドープ型ゼオライト、鉄カチオン交換型ゼオライトまたは鉄カチオンドープ型ゼオライトの群から選択されるいずれか1種または2種以上からなるとよい。
本発明の光触媒複合体材料において、好ましくは、銅または鉄カチオンが沸石成分に対して、質量比で0.01%以上100%以下であるとよい。
本発明の光触媒複合体材料において、好ましくは、土壌または沸石成分の光触媒に対する質量比が、0.01%以上500%以下であるとよい。
本発明の光触媒複合体材料の製造方法は、例えば図2に示すように、可視光を吸収する有色の土壌成分、有色の金属交換沸石成分、または有色の金属ドープ沸石成分のいずれか1つまたは2つ以上を含む可視光吸収成分を準備する工程(S100)と、バンドギャップが1.4eV以上3.1eV以下であり、かつ、伝導帯のボトムのエネルギー準位から換算した酸化還元電位が0V以上+0.7V以下(vs.SHE,pH=0)の金属酸化物半導体からなる光触媒を準備する工程(S102)と、前記可視光吸収成分と前記光触媒の比が0.01質量%以上500質量%以下となるようにして、混合溶液を調製する工程(S104)と、前記混合溶液を加熱して、光触媒複合体材料を作製する工程(S106)とを有することを特徴とする。
本発明の光触媒複合体材料の製造方法において、好ましくは、前記混合溶液を調製する工程は、前記光触媒を溶媒中に分散させて、混合してから、攪拌する工程を含むとよい。
本発明の光触媒複合体材料によれば、水溶液に懸濁させても材料の遊離を生じさせず、安定、安全に使用でき、可視光照射下で長寿命な光触媒活性を示し、廉価で高活性な光触媒複合体材料を提供できる。また、本発明の光触媒複合体材料を用いて、様々な有害な有機物質、非金属無機ガスを効率よく酸化又は還元して分解できる。
また、本発明の光触媒複合体材料の製造方法によれば、水溶液に懸濁させても材料の遊離を生じさせず、安定、安全に使用でき、可視光照射下で長寿命な光触媒活性を示し、低価格な光触媒複合体材料を効率よく製造できる。
本発明の一実施の形態による可視光応答型光触媒による有機物質の分解メカニズムを説明する構造模式図である。 本発明の一実施の形態による光触媒複合体材料の製造方法を説明する流れ図である。 可視光応答型光触媒の担体であるバーミキュライト、赤玉土、鉄カチオン型モデルナイト及びNaカチオン型モデルナイトの可視長帯域の光吸収特性の測定図である。 本発明の実施例1と比較例1に示した試料の中間体アセトンの生成量の時間変化を示すグラフである。
(光触媒複合体材料)
可視光応答型光触媒は、金属酸化物半導体であり、伝導帯のボトムと価電子帯のトップの差であるバンドギャップが1.4eV以上3.1eV以下である。これにより、可視光及び紫外光下で光触媒活性を示すことができる。なお、バンドギャップが3.1eV超では、400nm以上の波長をもつ光が吸収できなくなり、すなわち、400nm以上の波長の可視光線を吸収できないこととなる。逆に、バンドギャップが1.4eV未満では、安定な光触媒活性を生じさせることができなくなる。標準水素生成電位と標準酸素生成電位の差は1.23Vであり、過電圧も考慮に入れると、有色の土成分担持前の光触媒のバンドギャップが1.4eV以上必要となるためである。
金属酸化物半導体の伝導帯のボトムのエネルギー準位は、酸化還元電位で換算することができ、換算した酸化還元電位は0V以上+0.7V以下(vs.SHE,pH=0)となる。可視光応答型光触媒である金属酸化物の伝導帯のボトムのエネルギー準位から換算した酸化還元電位を0V(vs.SHE,pH=0)より大きくすることにより、電子は酸素の1電子還元反応で消費されないが、土壌または沸石成分担持により過酸化水素が担持成分または担持成分と光触媒界面へあふれだし、その部分での過酸化水素濃度、有機物濃度を濃縮することができる。その結果、過酸化水素及び有機物質の反応性が増し、その両者が徐々に分解されることになり、結果として、光触媒活性を低下させる過酸化水素の蓄積を防ぎ、光触媒活性を向上させることができる。また、沸石にカチオン交換またはドープした鉄および銅は過酸化水素などを不安定化させ、ラジカルを生じやすくし、有機物の分解の手助けをする。
伝導帯のボトムのエネルギー準位から換算した酸化還元電位が0V(vs.SHE,pH=0)より小さくなると、酸素の1電子還元反応や水からの水素生成反応が起き、助触媒を担持しないでも可視光応答型光触媒から生じた電子が素早く消費されてしまう可能性がある。
逆に、伝導帯のボトムのエネルギー準位から換算した酸化還元電位が+0.7V(vs.SHE,pH=0)より大きくなると、2電子酸素還元反応も起こりづらくなり、電子の消費が起こりづらい。2電子酸素還元反応が起こるように、伝導帯のボトムのエネルギー準位から換算した酸化還元電位が+0.7V(vs.SHE,pH=0)より小さくなる必要がある。
金属酸化物半導体としては、酸化タングステン、リン酸銀(AgPO)、ビスマス酸塩、チタン酸化物のいずれか1つまたは2つ以上からなる材料を挙げることができる。また、チタン酸化物としては、FeTiO、FeとTaの両方をドープした酸化チタン若しくはTi3+及び/又はTi4+を格子間位置にドープした酸化チタンを挙げることができる。また、ビスマス酸塩は、ビスマス酸ナトリウム(NaBiO3)、CaBi2O4をはじめとするビスマス酸カルシウム、ビスマス酸ストロンチウムを挙げることができる。
これらの金属の酸化物は、試薬メーカーなどで販売される試薬をそのまま利用してもよいし、加工して用いてもよい。これらの金属の酸化物を加工して用いる場合としては、例えば、これらの可視光応答型光触媒の金属酸化物に、窒素やクロムイオン等の非金属イオン又は金属イオンを添加して、イオンドープ型にして、金属酸化物として利用してもよい。
上記の金属酸化物半導体は、バンドギャップが1.4eV以上3.1eV以下、伝導帯のボトムのエネルギー準位から換算した酸化還元電位が0V以上+0.7V以下(vs.SHE,pH=0)の条件を満たす半導体であるので、可視光応答型光触媒として用いることができる。
また、金属酸化物半導体は、結晶性がよいことが望ましい。これにより、光を有効に利用できる。また、比表面積は0.1m−1以上であることがよく、好ましくは1m−1以上であり、より好ましくは10m−1以上である。これにより、光をより有効に利用できる。
金属酸化物半導体としては、酸素欠損型酸化チタンを用いることもできるが、他の金属酸化物半導体を酸素欠損型にして用いてもよい。例えば、酸素欠損型のWO系としては、マグネリ相に相当するW1949やW2058などを挙げることができる。
金属酸化物半導体は、金属アルコキシドや金属塩を原料として、ゾルーゲル法、共沈法、錯体重合法、スパッタリング法、化学蒸着法、又は水熱合成法のいずれかの方法によって調製することができる。これにより、金属酸化物半導体の光触媒材活性をより高く、粒径を小さくでき、ナノ材料の作製もできる。
更にまた、金属酸化物半導体に熱処理を行い、還元又は酸化したものを、可視光応答型光触媒として利用してもよい。
例えば、上記いずれかの方法で調整した原料を焼成して利用することもできる。このときの焼成温度は、原料物質が分解して酸化物に転換され、酸化物からなる焼結体が得られる温度であればよく、具体的には100℃以上1200℃以下の温度範囲がよく、より好ましくは300℃以上900℃以下である。
可視光応答型光触媒が表面に担持された有色の土壌成分、または有色のカチオン交換型またはドープ型沸石成分は可視光を吸収することができる。それにより、可視光応答型光触媒が十分に吸収しきれなかった光をも吸収でき、照射された光を有効に利用することができる。すなわち、光触媒反応で生成した過酸化水素と有機物成分を土壌成分由来の吸着脱離特性により土壌成分内または土壌成分と光触媒の界面で濃縮し、光吸収による光熱効果により、過酸化水素及び有機物質の除去に寄与することができる。その結果、光触媒全体の光吸収能力が向上し、全体の光触媒活性も向上する。有色の土壌成分としては赤土、バーミキュライトが、有色の沸石成分としては、銅カチオン交換型ゼオライト、銅カチオンドープ型ゼオライト、鉄カチオン交換型ゼオライトまたは鉄カチオンドープ型ゼオライトを用いることができる。
これらの土壌成分は市販のまま用いてもよいが、粉砕して粒子の大きさを細かくしてから用いた方がより望ましい。また、赤土が水分などを多く含む場合は、70℃以上で、望ましくは150℃以上で、より望ましくは300℃以上で焼成し、水分などを取り除くほうが望ましい。
沸石成分は、沸石に銅や鉄をドープしたり、また、沸石のカチオンを鉄や銅でカチオン交換したりすることで有色化することができる。また、ドープまたはカチオン交換後、300℃以上で焼成して用いることもできる。さらには、土成分の可視光吸収能力をさらに高めて活性を向上させるために、土成分に銅や鉄をドープやカチオン交換することができる。
さらには、これらの材料を単独で利用するだけでなく、電子の消費速度を上昇させる第2の助触媒として、Pt、Pdといった貴金属、塩化銅、塩化鉄など塩化金属化合物やアルカリ水酸化物、アルカリ酸化物、アルカリ炭酸塩の1種以上と組み合わせて利用することができる。
土または沸石成分の可視光応答型光触媒に対する質量比は、0.01質量%以上500質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上から100質量%以下がより好ましい。
質量比が0.01質量%より小さい場合には、土または沸石成分の担持量が少なすぎ、可視光応答型光触媒が生成した電子を消費した際に生じた過酸化水素を始めとする活性酸素をうまく消費できにくくなり、光触媒活性を十分に発揮できなくなる。
逆に、質量比が500%より大きい場合には、土または沸石成分が光触媒表面を覆い尽くし、光触媒本体まで光が届きづらくなり、光触媒活性の低下をもたらす。
銅カチオン交換型成分、銅カチオンドープ型成分、鉄カチオン交換型成分、または鉄カチオンドープ型成分の沸石に対する質量比は、0.01質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
上記の銅または鉄カチオン量の沸石に対する質量比が0.01質量%より小さい場合には、銅または鉄カチオン量が少なすぎ、沸石自体の色が薄くなりすぎ、光の吸収が少なくなるので、沸石担持効果が得られづらい。
逆に、この質量比が100%より大きい場合には、沸石成分の可視光吸収が多くなりすぎ、光触媒本体まで光が届きづらくなり、光触媒活性の低下をもたらす。
(光触媒複合体材料の光触媒機構)
図1は、本発明の一実施の形態による可視光応答型光触媒による有機物質の分解メカニズムを説明する構造模式図である。
可視光が可視光応答型光触媒の粒子に照射されると、可視光応答型光触媒のバンドギャップ以上の光が照射されることとなるので、可視光応答型光触媒の価電子帯の電子が伝導帯に励起して、伝導帯に励起電子eを形成するとともに、価電子帯にホールhを形成する。
ホールhは酸化力を持っており、有機物質を酸化することができる。一方、励起電子eは酸素の還元反応によって消費される。そのため、離別した励起電子eとホールhが粒子表面付近に移動すると、励起電子が反応物(酸素や水)を還元し、過酸化水素を生成し、ホールhが別の反応物(有機物)を酸化し、二酸化炭素にまで分解する光触媒反応を行う。
反応の主体となる離別した励起電子eとホールhは、光触媒反応をしないと、再結合反応する。励起電子eの酸素還元反応がうまく進行しないと、励起電子eの消費が進まず、励起電子eとホールhの再結合が増え、光触媒活性が大きく低下する。または失活してしまう。その結果、再結合反応に対する光触媒反応の発生確率が相対的に低くなり、光触媒反応の発生効率が低くなる。
また、可視光応答型光触媒を単独で用いた場合には、空気中の水と酸素を反応させて、過酸化水素を生成する反応を生じさせ、生成した過酸化水素(H)が粒子表面の一部または全部を覆う場合を生じさせる。表面がHで覆われているので、還元反応及び酸化反応を行うことができない。
これにより、光触媒反応の発生効率をより低減させる。
しかし、可視光応答型光触媒11を担体12(土成分や沸石成分)に担持すると、図1(分解メカニズム)に示すように励起電子によって生成した過酸化水素が担体表面や担体と光触媒との界面へ拡散し濃縮され、また、有機物質13も吸着能に優れる担体上に濃縮される。この濃縮により過酸化水素と有機物質13の反応性が高まり、そこに可視光による局所的な熱が加えられることで、劇的に過酸化水素と有機物質が反応し分解されることになり、光触媒表面を覆う可能性のある過酸化水素の量を削減できる。その結果、光触媒表面での電子消費を阻害していた過酸化水素が減り、高い光触媒活性を示すことができるようになる。また、沸石成分中の鉄や銅カチオンは過酸化水素などが不安定化させ、ラジカルが生成しやすくし、有機物分解の手助けをする。
本発明の実施形態である光触媒複合体材料を光触媒として使用する際には、光触媒複合体材料を室温で用いてもよいが、過酸化水素をより速く消費するために、20〜500℃までの範囲のいずれかの温度に加温することもできる。これにより、可視光応答型光触媒反応を効率的に行うことができ、有害有機物質をより速やかに浄化できる。
(光触媒複合体材料の製造方法)
次に、本発明の実施形態である光触媒複合体材料の製造方法について説明する。図2は、本発明の一実施の形態による光触媒複合体材料の製造方法を説明する流れ図である。
本発明の製造方法では、まず、可視光吸収成分を準備する(S100)。可視光吸収成分とは、有色の土壌成分、有色の沸石又はそれらの混合体からなる担体をいう。有色の土壌成分としては、赤玉土で代表される赤土、バーミキュライト、サポナイト、パーライト、ピートモス、ミックスピートモス、ココソイル、珪藻土を利用することができる。また、有色の沸石成分としては、1価、2価の銅や2価、3価の鉄をドープまたはカチオン交換した沸石を利用することができる。
次に、光触媒を準備する(S102)。光触媒は、バンドギャップが1.4eV以上3.1eV以下であり、かつ、伝導帯のボトムのエネルギー準位から換算した酸化還元電位が0V以上+0.7V以下(vs.SHE,pH=0)の金属酸化物半導体からなるものをいう。金属酸化物半導体としては、酸化タングステン、リン酸銀(AgPO)、ビスマス酸塩、チタン酸化物のいずれか1つまたは2つ以上からなる材料を用いることができる。また、前記チタン酸化物としては、FeTiO、ドープ型酸化チタン(FeとTaの両方をドープした酸化チタン若しくはTi3+及び/又はTi4+を格子間位置にドープした酸化チタン)を用いることが可能である。また、ビスマス酸塩は、ビスマス酸ナトリウム(NaBiO)、CaBiをはじめとするビスマス酸カルシウム、ビスマス酸ストロンチウムを用いることができる。
次の工程では、混合溶液を調製する(S104)。混合溶液の成分は、担体と可視光応答型光触媒の比が0.01質量%以上500質量%以下となるように調製したものである。この調整では、担体と可視光応答型光触媒を溶媒中に分散して、混合してから、攪拌して、混合溶液を調製するとよい。
また、乳鉢などで十分に分散できる場合は、溶媒を用いずに混合撹拌して本発明の光触媒複合材料を作製することもできる。
混合の際には、乳鉢の代わりにビーズミルやボールミルを利用して、材料を分散させることもできる。また、磁気撹拌子とスターラ―を用いて分散させることもできる。なお、担体を水溶液に分散させず、固体のまま、金属酸化物と混ぜ合わせてもよい。
次の工程では、混合溶液を加熱して、光触媒複合体材料を作製する(S106)。加熱して、乾燥させて、溶媒を除去することで、金属酸化物を有色の土または沸石担体に担持できる。
混合溶液は、例えば、乾燥機等を用いて、乾燥させることが好ましい。これにより、残存した溶媒が気化して、溶媒とともに溶媒中の不純物等を取り除くことができる。好ましくは、混合溶液を40℃以上100℃未満の温度で加熱して、乾燥を早めても良い。
なお、混合溶液の加熱を120℃以上1000℃以下の高温で行えば、光触媒材料を焼成処理できる。これにより、光触媒材料中の不純物を取り除くことができるとともに、結晶性を向上させることができる。1000℃は、通常の耐熱性を有する電気炉の使用上限温度であり、電気炉の使用規格に応じて600℃や1200℃等の各種の値を用いることができる。
以上の工程により、有色の土または沸石の表面に金属酸化物光触媒を担持でき、本発明の実施形態にかかる光触媒複合体材料を作製できる。
なお、基板上に膜として形成すれば、安定、安全に使用でき、可視光照射下で長寿命な光触媒活性を示し、低価格な光触媒複合体材料を膜状の配置した基板を、光触媒処理面形状に合わせて容易に配置できる。
また、本発明の実施形態である光触媒複合体材料の光触媒特性に基づく分解反応、酸化反応、または還元反応により除去できる有害物質としては、環境ホルモン、農薬、殺虫剤、カビ、細菌、ウィルス、藻類、環境汚染物質、フロンガス、炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、一酸化炭素、アミン、油、芳香族化合物、有機ハロゲン化合物、窒素化合物、硫黄化合物、有機リン化合物、タンパク質などを挙げることができる。さらに身の回りの汚れの原因となる石鹸や油、手垢、茶渋、台所のシンクのぬめりなども、この可視光応答型光触媒の光触媒反応により分解することができる。
本発明の実施形態である光触媒複合体材料は、金属酸化物半導体が、酸化タングステン、リン酸銀(AgPO)、ビスマス酸塩、チタン酸化物(FeTiO、ドープ型酸化チタン(FeとTaの両方をドープした酸化チタン、若しくはTi3+、Ti4+を格子間位置にドープした酸化チタン))のいずれか1つ以上である構成なので、これらの材料を主触媒として、水溶液に懸濁させても材料の遊離を生じさせず、安定、安全に使用でき、可視光照射下で長寿命な光触媒活性を示し、低価格な光触媒複合体材料を提供できる。また、ビスマス酸塩は、ビスマス酸ナトリウム(NaBiO)、CaBiをはじめとするビスマス酸カルシウム、ビスマス酸ストロンチウムを挙げることができる。
本発明の実施形態である光触媒複合体材料及びその製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で、種々変更して実施することができる。表1は、実施例1−6と比較例1−4における光触媒名称と約1日経過後のCO生成量を載せたものである。
(実施例1)
10wt%バーミキュライト−WOを以下に示す方法を用いて作製した。
まず、バーミキュライト(南アフリカ産)を乳鉢で粉砕後、純水中でよく撹拌し、懸濁液(スラリー)を作った。次に、その懸濁液と酸化タングステンWO(和光純薬社製)を十分な時間撹拌し、粉末を得た。粉末の混合比は重量比でバーミキュライト:WO=10:100であった。
次に、それを70℃で4〜5時間乾燥させて、粉末試料(実施例1試料)を得た。
まず、この粉末試料(実施例1試料)の担体であるバーミキュライトの光吸収特性を測定した(図3)。400nm以上の可視光線を吸収していることが見られる。酸化タングステンの吸収端は約470nmであり、バーミキュライトはそれより長波長の可視光・赤外光を熱エネルギーとして、反応に有効に使用できることを示唆している。
次に、この粉末試料(実施例1試料)の光触媒活性評価を、2−プロパノール(IPA)ガスの分解試験により実施した。
粉末試料(実施例1試料)0.4gを500mLの反応容器内部に、約8cmになるように置き、その後、純空気で反応容器内を置換した。
次に、反応容器内の2−プロパノールガスの濃度が約600〜900ppmになるようにガスを注入した。光源には300WのXeランプを用い、反応容器の上部面に設けた窓部を通して、カットオフフィルター、水フィルターを用いて、400nm〜530nmの可視光線を約1mWcm−2で反応容器の粉末試料(実施例1試料)に室温で照射した。
2−プロパノールガスは、光触媒酸化反応により酸化分解され、反応中間体であるアセトンを経由して、最終的には二酸化炭素が生成した。実施例1の試料を利用した実験では、反応初期はアセトンが選択的に生成した。図4に実施例1に示した試料の中間体アセトンの生成量の時間変化を示す。反応初期では時間にほぼ比例して、アセトンが生成することが見られ、120分後のアセトン量は約180ppmであった。また、さらに光照射するとアセトンが分解して二酸化炭素が生成し、約1日間の光照射後の二酸化炭素の量は約710ppmとなった。このことは光触媒反応により有機物である2−プロパノールが最終的には無機物である二酸化炭素にまで分解されたことを意味する。
(実施例2)
1wt%バーミキュライト−WOは実施例1と同様の方法を用いて作製された。その作製した試料を実施例1と同様の方法で光触媒活性を評価した。
2−プロパノールガスは、光触媒酸化反応により酸化分解され、最終的には二酸化炭素が生成した。約1日間の光照射後の二酸化炭素の量は約1500ppmとなった。
(実施例3)
赤土の1つである赤玉土を利用した光触媒複合体10wt%赤玉土−WOを以下に示す方法で作製した。
まず、300℃で熱風乾燥処理した赤玉土を乳鉢で粉砕後、純水を5cc入れ、懸濁させた。その後、酸化タングステンWO(和光純薬社製)を添加し、十分な時間撹拌し、粉末を得た。粉末の混合比は重量比で赤玉土:WO=10:100であった。
図3に担体赤玉土の吸収スペクトルを示す。赤玉土は400nm以上の可視光・赤外光を吸収し、照射される光エネルギーを有効に分解反応に利用できることを示している。そして、その作製した試料を実施例1と同様の方法で光触媒活性を評価した。
2−プロパノールガスは、光触媒酸化反応により酸化分解され、最終的には二酸化炭素が生成した。約1日間の光照射後の二酸化炭素の量は約920ppmとなった。
(実施例4)
10wt%Cu(II)カチオン交換型モルデナイト−WOを以下に示す方法を利用して作製した。まず、Cu(NOを純水に溶かし、約0.012mol/LのCu(NO水溶液を作製した。この水溶液250mLに3gのNa型モルデナイトを入れ撹拌した。その後、純水で十分に洗浄後70〜80℃で乾燥させ、Cu(II)カチオン型モルデナイトを得た。なお、Cuカチオンとモルデナイトの仕込み比は重量比で6.3:100であった。
その後、Cu(II)カチオン型モルデナイトを純水中で撹拌し、懸濁させ、懸濁液を作製した。この懸濁液にWOを添加し、乳鉢で十分撹拌、担持し、試料を得た。粉末の混合比は重量比でCu(II)カチオン型モルデナイト:WO=10:100であった。
そして、その作製した試料を実施例1と同様の方法で光触媒活性を評価した。
2−プロパノールガスは、光触媒酸化反応により酸化分解され、最終的には二酸化炭素が生成した。約1日間の光照射後の二酸化炭素の量は約790ppmとなった。
(実施例5)
10wt%Fe(III)カチオン交換型モルデナイト−WOを以下に示す方法を利用して作製した。まず、0.405gのFeClを250mLの純水に溶かし、FeCl水溶液を作製した。これに3gのNa型モルデナイトを入れ、十分な時間撹拌した。その後、純水で十分に洗浄後70〜80℃で乾燥させ、Fe(III)カチオン型モルデナイトを得た。なお、Feカチオンとモルデナイトの仕込み比は重量比で4.6:100であった。
その後、Fe(III)カチオン型モルデナイトを純水中で撹拌し、懸濁させ、懸濁液を作製した。この懸濁液にWOを添加し、乳鉢で十分撹拌、担持し、粉末試料を得た。
粉末の混合比は重量比でFe(III)カチオン型モルデナイト:WO=10:100であった。そして、その作製した試料を実施例1と同様の方法で光触媒活性を評価した。2−プロパノールガスは、光触媒酸化反応により酸化分解され、最終的には二酸化炭素が生成した。約1日間の光照射後の二酸化炭素の量は約1600ppmとなった。
(実施例6)
100wt%Fe(III)カチオン交換型モルデナイト−WOは実施例5と同様の方法で作製された。そして、その作製した試料を実施例1と同様の方法で光触媒活性を評価した。2−プロパノールガスは、光触媒酸化反応により酸化分解され、最終的には二酸化炭素が生成した。約1日間の光照射後の二酸化炭素の量は約600ppmとなった。
(比較例1)
次に、酸化タングステン(和光純薬社製)を比較例1試料として単独で用いた。酸化タングステン(比較例1試料)の光触媒活性評価を実施例1で示した方法と同じ方法で行った。さらに、約1日間の光照射後の二酸化炭素の量は約0ppmとなった。つまり、光触媒反応が遅く実施例1〜6に比べて光触媒活性が顕著に劣っていることを示している。
酸化タングステンの単独(比較例1)の場合は光触媒活性の低下を招いた。
酸化タングステン(比較例1)の光触媒反応では、ホールによってIPAなどの有機物を酸化し、電子は、最初は酸素の2電子還元反応によって酸素を過酸化水素にまで還元することで消費された。また、酸化タングステンは過酸化水素を分解または消費する能力に劣るため、酸化タングステン表面に過酸化水素が蓄積してしまった。その結果、過酸化水素の消費速度が極端に遅いため、光触媒反応で生成した電子が有効に消費されづらくなり、ホールと電子の再結合が非常に起こりやすくなる。また、実施例1では擬0次反応で光触媒反応が進行しアセトンの生成濃度が時間に比例して増加するが、逆に比較例1では、40分以降のアセトンの生成速度が顕著に低下し、40分以降光触媒活性が低下してしまった(図4)。
一方、優れた吸着特性を持ち、可視光にも吸収を持つバーミキュライトを始めとする前記酸化物を利用すると、光触媒の還元反応で生じた過酸化水素と有機物がバーミキュライトを始めとする担体上または担体と光触媒との界面で濃縮される。そして、バーミキュライトを始めとする担体は可視光を吸収し、熱エネルギーとして利用できるため、過酸化水素と有機物の分解反応を促進することができる。また、混合原子価をとりやすい鉄カチオンを含むゼオライトを始めとする前記沸石を用いると、過酸化酸素の反応性がさらに増し、より過酸化水素が分解されやすくかつラジカルも発生しやすくなり、有機物の分解反応も促進されることになる。その結果、有色の土または沸石成分を担持させた可視光応答型光触媒の電子の消費が進み、表1の実施例1で示すように高い光触媒活性を示した。
(比較例2)
次に、1wt%Na型モルデナイト−WOを以下に示す方法を利用して比較例として作製した。Na型モルデナイトを純水中で撹拌し、懸濁させ、懸濁液を作製した。この懸濁液にWOを添加し、乳鉢で十分撹拌、担持し、試料を得た。粉末の混合比は重量比でNa型モルデナイト:WO=1:100であった。そして、その作製した試料を実施例1と同様の方法で光触媒活性を評価した。
2−プロパノールガスは、光触媒酸化反応により酸化分解され、最終的には二酸化炭素が生成した。約1日間の光照射後の二酸化炭素の量は約25ppmとなった。
(比較例3)
次に、100wt%Na型モルデナイト−WOを以下に示す方法を利用して比較例として比較例2と同様の方法で作製した。粉末の混合比は重量比でNa型モルデナイト:WO=100:100であった。そして、その作製した試料を実施例1と同様の方法で光触媒活性を評価した。2−プロパノールガスは、光触媒酸化反応により酸化分解され、最終的には二酸化炭素が生成した。約1日間の光照射後の二酸化炭素の量は約81ppmとなった。
このようにNa型モルデナイトを用いると、WO単独よりも活性が高くなる。しかし、Naモルデナイトは図3に示すように、可視光域に吸収を持たないため、照射された光エネルギーを熱に変えることができなく、有機物と過酸化水素の分解反応が促進されづらい。その結果、比較例2、3のようにNa型モルデナイトWOは実施例1−6のバーミキュライトを始めとする担体に担持されたWOよりも活性が低くなった。
(比較例4)
鉄カチオン型モルデナイトは実施例5と同じ方法で作製した。
そして、その作製した試料を実施例1と同様の方法で光触媒活性を評価した。
その結果、一部の2−プロパノールは分解して、二酸化炭素を生成するが、その二酸化炭素は約7.4ppmと非常に低く、活性は実施例1を始めとする前記光触媒担持有色土または沸石複合体の活性(実施例1から6)よりも大幅に低く、鉄カチオン型モルデナイトを単独で用いても、有機物を分解する能力が不足していることが分かった。
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、光触媒の技術分野における通常の知識を有するものにとって自明事項の範囲内で、各種の組成物の取捨選択を含むものである。例えば、上記の実施例ではゼオライトとしてモルデナイトを用いる場合を示しているが、ゼオライトとしては200種類程度の細区分が存在しており、モルデナイトと同程度の範囲の他の細区分に含まれるものを用いても良い。例えば、ゼオライトの骨格構造は、国際ゼオライト学会(International Zeolite Association)によりデータベース化されており、アルファベット大文字3個からなる構造コードが与えられている(http://www.iza-structure.org/databases/)。この構造コードは骨格の幾何構造のみを指定するものであり、組成や格子定数が異なっても幾何構造が等しければ同じ構造コードに含まれる。代表的な構造コードとしては、LTA、FER(フェリエライト)、MWW、MFI、MOR(モルデナイト)、LTL、FAU、BEAがある。
本発明の光触媒複合体材料は、これを基板の一面に塗布して、光触媒複合体材料膜とすることで、安定、安全に使用でき、可視光照射下で長寿命な光触媒活性を示す。そこで、光触媒複合体材料を膜状の配置した基板を、光触媒処理面形状に合わせて容易に配置することで、有機物や非金属の無機物を効率よく酸化または還元することができ、例えば室内に存在するシックハウス症候群等を引き起こす有害な有機物質も分解することができる。
11 可視光応答型光触媒
12 担体
13 有機物質


Claims (10)

  1. 可視光応答型光触媒と、
    前記可視光応答型光触媒の表面に担持されると共に、可視光を吸収する有色の土成分または有色になるよう加工された沸石成分を含有し、
    前記可視光応答型光触媒が、バンドギャップが1.4eV以上3.1eV以下であり、かつ、伝導帯のボトムのエネルギー準位から換算した酸化還元電位が0V以上+0.7V以下(vs.SHE,pH=0)の金属酸化物半導体であることを特徴とする光触媒複合体材料。
  2. 前記金属酸化物半導体が、酸化タングステン、リン酸銀(AgPO)、ビスマス酸塩またはチタン酸化物のいずれか1つまたは2つ以上からなることを特徴とする請求項1に記載の光触媒複合体材料。
  3. 前記チタン酸化物は、FeTiO、FeとTaの両方をドープした酸化チタン若しくはTi3+及び/又はTi4+を格子間位置にドープした酸化チタンのいずれか1つまたは2つ以上からなることを特徴とする請求項2に記載の光触媒複合体材料。
  4. 前記ビスマス酸塩は、ビスマス酸ナトリウム(NaBiO)、ビスマス酸カルシウム、ビスマス酸ストロンチウムのいずれか1つまたは2つ以上からなることを特徴とする請求項2に記載の光触媒複合体材料。
  5. 前記土壌成分がバーミキュライト、パーライト、ピートモス、ミックスピートモス、ココソイル、サポナイト、珪藻土又は赤土のいずれか1つまたは2つ以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の光触媒複合体材料。
  6. 前記沸石成分が銅カチオン交換型ゼオライト、銅カチオンドープ型ゼオライト、鉄カチオン交換型ゼオライト、または鉄カチオンドープ型ゼオライトの群から選択されるいずれか1種または2種以上からなることを特徴とする請求項1に記載の光触媒複合体材料。
  7. 前記銅カチオン成分または鉄カチオン成分が、前記沸石成分に対して、質量比で0.01%以上100%以下であることを特徴とする請求項6に記載の光触媒複合体材料。
  8. 前記土壌または沸石成分の前記可視光応答型光触媒に対する質量比が、0.01質量%以上500質量%以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光触媒複合体材料。
  9. 可視光を吸収する有色の土壌成分、有色の金属交換沸石成分、または有色の金属ドープ沸石成分のいずれか1つまたは2つ以上を含む可視光吸収成分を準備する工程と、
    バンドギャップが1.4eV以上3.1eV以下であり、かつ、伝導帯のボトムのエネルギー準位から換算した酸化還元電位が0V以上+0.7V以下(vs.SHE,pH=0)の金属酸化物半導体からなる光触媒を準備する工程と、
    前記可視光吸収成分と前記光触媒の比が0.01質量%以上500質量%以下となるようにして、混合溶液を調製する工程と、
    前記混合溶液を加熱して、光触媒複合体材料を作製する工程とを有することを特徴とする光触媒複合体材料の製造方法。
  10. 前記混合溶液を調製する工程は、前記光触媒を溶媒中に分散させて、混合してから、攪拌する工程を含むことを特徴とする請求項9に記載の光触媒複合体材料の製造方法。

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