JP2001061948A - 空気浄化材料 - Google Patents

空気浄化材料

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JP2001061948A
JP2001061948A JP24129299A JP24129299A JP2001061948A JP 2001061948 A JP2001061948 A JP 2001061948A JP 24129299 A JP24129299 A JP 24129299A JP 24129299 A JP24129299 A JP 24129299A JP 2001061948 A JP2001061948 A JP 2001061948A
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light
air purification
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performance
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JP24129299A
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Jun Inagaki
純 稲垣
Hidenao Hirasawa
秀直 平沢
Takahiro Nakajima
隆弘 中島
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Panasonic Ecology Systems Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光を利用して空気浄化を行う空気浄化材料に
おいて、幅広い波長領域の光で活性化でき、しかも工業
的に簡易に製造でき、簡便な手段で材料の再生時期、交
換時期および再生したことを正確に使用者に知らせるこ
とができる空気浄化材料を提供することを目的とする。 【解決手段】 吸収波長領域の異なる2種類以上の光触
媒と吸着剤の混合組成とすることにより、特殊な光源を
必要とすることなく、幅広い波長領域で高分解性能を有
した空気浄化材料が得られる。また、空気浄化性能と空
気浄化材料表面の色に相関関係を持たせ、その色変化が
容易に認識できる構造の空気浄化材料とすることによ
り、色によってその時点での性能がわかる空気浄化材料
が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、幅広い波長の光源
または自然光を利用して汚れ物質、臭い成分、有機物等
を除去、無害化あるいは分解する機能を持つ空気浄化材
料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、酸化チタンに代表される光触媒を
利用した光触媒反応の応用研究が盛んに行われてきてい
る。酸化チタンに380nm以下の紫外線が吸収される
と表面に電子と正孔が発生する。この正孔と空気中の水
蒸気が反応してできた水酸化ラジカルは強い酸化作用を
持っているため、付近に存在する有機物を水と二酸化炭
素にまで分解することができる。この性質を利用して、
酸化チタンには悪臭や有害有機物質などを酸化分解する
空気浄化材料として種々の応用例があり、たとえば特公
平4-78326号公報には、酸化チタンなどの光触媒
を用いてトイレのし尿臭、ペットの臭い、たばこの臭
い、調理臭、体臭などを脱臭する事が記載されている。
【0003】しかしながら、屋内で使用される白色蛍光
燈にはほとんど紫外線が含まれていないことから、光触
媒を用いて空気浄化を行うためには紫外線を照射する特
殊な光源が必要とされてきた。また、ランプなどの光源
を不要とするためには、屋内では吸着剤を用いて空気浄
化を行い、間欠的に屋外に持ち出して太陽を光源とする
光触媒反応をおこして空気浄化材料を再生するという方
法も考案されている。しかしながら図4に示すように、
地上に降り注ぐ太陽光のうち紫外線の割合はわずか4〜
5%に過ぎず、光の利用効率の低さから酸化チタンでは
吸着剤を十分に再生できないという課題があった。
【0004】また、光の吸収波長を拡大するために、光
触媒の結晶内部にCrやVなどの不純物金属を含有させ
る方法も考案されており、たとえば特開平11−334
08号公報には、シリカ−チタニア複合酸化物の表面か
ら内部に、CrおよびVから選ばれる少なくとも1種の
金属のイオンをドーピングすることによって、紫外だけ
でなく可視光領域まで吸収波長が広がることが報告され
ている。しかし、この方法は、非常に高価なイオン照射
装置が必要であり、少量しか製造することができなかっ
た。
【0005】また、上記イオンドーピングの他にケミカ
ルドーピングなど、代表的な光触媒である酸化チタンの
結晶内部に異金属などの不純物をドーピングする手法が
考案されている。しかしながら、これらの方法は非常に
高価で手間のかかる作業が必要であり、価格や量産性の
面で課題があり、実用化が非常に難しい。
【0006】一方、空気浄化材料のデザインあるいは機
能的な面から、空気浄化材料を着色することが要求され
ている。一般的に光触媒として用いられている酸化チタ
ンは白色であり、吸着剤としてゼオライトなどを使用し
た場合、製造された空気浄化材料は白色になる。白色の
場合汚れが非常に目立ち、たとえば、タバコの煙を空気
浄化材料に通風させると短時間で茶褐色に変色する。こ
の場合、まだ脱臭性能など空気浄化性能があるにもかか
わらず、色の変化から判断すると性能が非常に低下した
ように使用者に印象を持たれてしまう。また、タバコの
煙には、光触媒では分解できない無機成分も多く含まれ
ており、この変色した空気浄化材料を太陽光などで再生
しても、完全な白色には戻らないため、たとえ、空気浄
化能力が回復していても、使用者に再生できていない印
象を与えてしまうという課題を有していた。この白色の
空気浄化材料に単純に塗料を混合すれば空気浄化材料の
着色は可能であるが、有機系の染料では光触媒による分
解を受けて損傷する恐れがあり、無機系の顔料を使用す
る場合でも、顔料が光を吸収するため光触媒に光が届か
なくなり、空気浄化性能を大幅に低下させるという課題
があった。
【0007】また、空気浄化材料は長期間使用すると空
気中のガスやほこりを付着して性能が経時的に低下して
いく。性能低下した空気浄化材料は再生処置を施すか交
換する必要があるが、従来は使用期間をあらかじめ設定
し、定期的に交換する方法が主流であった。しかしなが
らこの方法では、使用条件の差による性能低下度合いの
差が反映されておらず、簡便でしかも正確な再生時期ま
たは交換時期の通知手段が求められていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来の課題を解決するものであり、幅広い波長領域の光で
活性化でき、しかも工業的に簡易に製造でき、安価な空
気浄化材料を提供することを目的としている。
【0009】また、太陽光などの自然光に含まれる紫外
線と可視光線を無駄なく利用することにより、特殊な光
源を必要とすることなく室内空気の浄化が可能であり、
自然光を利用して素早く、そして非常に高い再生能力を
有した空気浄化材料を提供することを目的としている。
【0010】また、従来の白色だけでなく、光触媒の活
性を保持したまま空気浄化材料の色を制御することによ
り、空気浄化材料の経時的な性能変化と空気浄化材料の
色との間に相関関係を有した空気浄化材料を提供するこ
とを目的としている。
【0011】また、色変化を視覚的に確認することによ
り、その時点の性能を簡便に知ることができる手段をも
った空気浄化材料を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の空気浄化材料
は、吸収波長領域の異なる2種類以上の光触媒と吸着剤
を基材に担持させたものである。
【0013】そして、本発明によれば、光源となる光の
波長分布に応じて光触媒の混合比を変化させて、光の利
用効率と触媒活性のバランスを制御することにより、幅
広い波長領域で高分解性能を有した空気浄化材料が得ら
れる。
【0014】また他の手段は、紫外光で励起する光触媒
と可視光で励起する光触媒と吸着剤を基材に担持させた
ものである。
【0015】そして、本発明によれば、吸着剤の作用で
特殊な光源を必要とすることなく室内空気の浄化が可能
であり、太陽光の紫外領域、可視領域とも無駄なく利用
することで、短時間でしかも高再生能力を有した空気浄
化材料が得られる。
【0016】また他の手段は、空気浄化性能と表面の色
に相関関係を持たせる手段を有するものである。
【0017】そして、本発明によれば、空気浄化性能と
その表面の色の相関関係を調べておくことで、色によっ
てその時点での空気浄化材料の性能がわかる空気浄化材
料が得られる。
【0018】また他の手段は、色の変化を視覚的に確認
できる手段をもつものである。
【0019】そして、本発明によれば、空気浄化材料の
再生あるいは交換時期の色や、太陽光などに一定時間照
射して性能回復したときの色をあらかじめ測定してお
き、使用者がその色変化を容易に認識できる構造および
色調にしておくことにより、簡便な手段で性能低下、交
換時期、再生時期および性能回復を知ることができる空
気浄化材料が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明は、吸収波長の異なる2種
類以上の光触媒と吸着剤を基材に担持させた空気浄化材
料であり、幅広い波長範囲の光で活性化するという作用
を有する。それぞれの光触媒の複合作用により、広い波
長の光を吸収することができるようになるため、光の利
用効率を上げることが可能となる。ただし、光触媒のバ
ンドギャップが大きくなるほど指数関数的に電子と正孔
の安定性がよくなることが知られている。これは、短い
波長を吸収する触媒ほど光触媒活性が高いことを意味し
ており、光触媒同士の配合率としては、短い波長を吸収
する光触媒の量を50重量%以上、好ましくは90重量
%以上、より好ましくは99重量%以上にすることが望
ましい。
【0021】成分を混合させる手段としては、イオンド
ーピングやケミカルドーピングなどの複雑かつ高価な装
置を使わなくてもよく、2種類以上の光触媒と1種類ま
たは2種類以上の吸着剤を混ぜて、そこに結合剤や水分
などを混合してスラリーを作成し、セラミックの構造体
などの基材をスラリーにディッピングするなどの手法で
担持し、焼成、乾燥などを実施するだけで、空気浄化材
料を製造することができる。
【0022】なお、本発明における光触媒とは、酸化ス
ズ、酸化亜鉛、三酸化タングステン、酸化チタン、チタ
ン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化ビスマスなどの金属
酸化物、硫化亜鉛、硫化カドミウム、硫化モリブデンな
どの金属硫化物、炭化けい素を対象としている。各成分
のバンドギャップと吸収波長を図1に示す。このうち、
安全性、経済性、脱臭性能などの面から、紫外光で励起
する光触媒として酸化チタン、可視光で励起する光触媒
として酸化鉄を用いた組成がもっとも好ましい。
【0023】また、酸化チタンとしては、二酸化チタン
のほか、含水酸化チタン、水和酸化チタン、メタチタン
酸、オルトチタン酸、水酸化チタンなどが挙げられる。
光触媒活性を有していれば結晶型については特に制限は
なく、ルチル型とアナターゼ型酸化チタンの組み合せな
ど、結晶系の違う成分を複合してもなんら問題はない。
【0024】また、光触媒の表面に、白金、金、銀、
銅、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等の金属、酸化
ルテニウム、酸化ニッケルなどの金属酸化物を被覆して
用いることも何ら限定するものではない。
【0025】また、表面にCrやVなどの不純物金属を
含有させて光の吸収波長を拡大させた光触媒体を用いる
ことも何ら限定するものではない。
【0026】また、光触媒反応は触媒表面から発生した
活性物質と被分解物との接触により起こることから高表
面積であるほど活性が高く、光触媒の比表面積が10m
2/g以上のものが好ましく、200m2/g以上であれ
ばさらによい。
【0027】また、悪臭物質や有害有機物を吸着する吸
着剤としては、無機系の物質を選択することが好まし
い。活性炭・活性炭素繊維等の有機系の多孔質吸着剤や
表面化学処理を施した有機系繊維は、長期間使用した場
合光触媒によって損傷をうけ、その性能が低下する恐れ
があるからである。無機系の吸着剤を選択することによ
り、光触媒作用によって吸着剤が分解されることなく繰
り返し再利用することが可能となる。さらに、吸着剤の
色は黒色以外が好ましい。黒色である活性炭を光触媒と
混合した場合、活性炭が光を吸収してしまうため、光触
媒が十分機能しなくなる恐れがあり、光触媒による分解
作用を受け難い無機系の吸着剤を使用した場合でも、黒
色の物質では活性炭を使用した場合と同様の光触媒の性
能低下が起こる恐れがあるからである。したがって、好
ましい吸着剤としてはゼオライト、シリカゲル、アルミ
ナなど、黒色以外の無機系の多孔質物質が挙げられる。
【0028】これらの光触媒と吸着剤は、均一な分散状
態でも分布をもった状態でもよい。しかしながら、空気
浄化材料の表面に近い場所ほど光の強度は強いと考えら
れるので、光触媒の組成比が基材厚み方向の内部から表
面部に進むにしたがって増加するような濃度勾配をつけ
るとさらに短時間で再生できる。吸着剤は光照射の有無
に関係なく悪臭や有害有機物を吸着するので、被吸着物
質が吸着剤に到達できる程度の空隙があれば、吸着剤の
位置にかかわらず吸着性能に影響はないと考えられる。
【0029】また他の手段は、紫外光で励起する光触媒
と可視光で励起する光触媒と吸着剤を基材に担持させた
空気浄化材料であり、悪臭や有害有機物質などの除去に
は吸着剤を利用するため、従来のような特殊な光源を必
要としない。吸着剤の性能低下が著しくなった際には、
太陽光を照射することにより、光触媒が吸着剤を再生す
る。太陽光は図4のような波長分布を有しているが、混
合触媒の作用で可視光と紫外光を無駄なく利用すること
により、高分解性能を有するため、短時間で再生処理す
ることが可能となる。この際、性能・安全性・経済性な
どの理由から、紫外光で励起する光触媒として酸化チタ
ン、可視光で励起する触媒として酸化鉄を用いた組成が
望ましい。
【0030】生活空間の脱臭など通常の使用方法であれ
ば脱臭効果は長期間(数ヶ月〜1年程度)持続するた
め、使用者にはさほどの負担はかからず、再生処理は天
候のよい日を選んで行うことができる。
【0031】短時間で空気浄化材料の再生を行うために
は、太陽光が照射される面積が広いほど有利であり、再
生時の空気浄化材料の厚みが10mm以下となる構造が
望ましい。再生時には光の反射板を利用するなどの補助
的な光照射方法をとるとさらによい効果が得られる。ま
た、吸着剤からの吸着物質の脱離を促進するために、空
気浄化材料を劣化させない程度に温度を上昇させること
も再生時間の短縮に効果的である。
【0032】光触媒と吸着剤の混合比については、光触
媒が多すぎると空気浄化できる時間が短くなり、逆に少
なすぎると吸着剤の再生に必要な時間がかかりすぎると
いう性質があるため、最適な配合比が存在する。種々の
研究結果から、光触媒と吸着剤の全量に対する光触媒の
割合は15重量%未満であることが好ましく、さらに好
ましくは5〜15重量%であり、もっとも好ましくは8
〜13重量%である。
【0033】また他の手段は、空気浄化材料が分解除去
する対象ガス、有機成分あるいは使用環境に応じて、空
気浄化性能と表面の色に相関関係を持たせる手段を有す
る空気浄化材料であり、前記相関関係を調べておくこと
により、使用者が色変化により性能低下および回復を知
ることができる。色の制御に有色(たとえば、黄、赤、
青、緑、茶色その他これらの中間色の有色)の光触媒を
使用することにより、光触媒活性を保持したまま空気浄
化材料を着色することが可能となる。たとえば、赤色の
酸化鉄を単独で、または酸化チタンなどと混合して使用
することにより、空気浄化材料を赤色にすることができ
る。
【0034】また他の手段は、色変化を視覚的に確認で
きる手段をもった空気浄化材料であり、使用者が容易に
材料の再生時期あるいは交換時期を知ることができる。
色変化を確認する手段としては、空気浄化材料を保持す
る枠体に色を示すシールを貼りつける、枠体自身を着色
するなど、使用者が視覚的に確認できる方法であれば特
に制限するものではない。また、空気浄化材料の一部を
劣化しない状態に保ち、この部分との色の違いにより、
空気浄化材料自体の色変化を視覚的に確認できるように
してもよい。
【0035】たとえば、タバコの煙、においを対象にし
た空気浄化材料を例にして説明する。通常酸化チタンと
ある種のゼオライトで構成された空気浄化材料は白色で
ある。これにタバコの煙を通風すると黄色から茶褐色に
変色する。この色は、有機成分、光触媒では分解できな
い無機成分、分解しにくい高分子成分からなっている。
この空気浄化材料を太陽光に一定時間あて、吸着したに
おい成分を分解し、再生させる。ところが、この変色し
た色は、薄くはなるものの完全には白色には戻らない。
しかし、ガスの吸着性能である脱臭性能は、変色の原因
である無機成分にはあまり影響されないため、ほぼ新品
時の性能まで回復する。したがって、タバコが対象の場
合、白色では、色の変化が必ずしも、性能の状態と一致
せず使用者に不信感を与える可能性がある。
【0036】この空気浄化材料にたとえば酸化鉄を混合
して赤色にした場合、タバコの煙を通風した際の色変化
は赤色から暗茶色になる。この状態になると脱臭性能も
かなり低下し、再生する時期を示している。その後、太
陽光により再生すると暗茶色から赤色に戻り、脱臭性能
もほぼ新品時までに回復している。このように再生時期
および再生して性能が回復したことを使用者に不信感を
与えずに色の変化で知らせることができる。
【0037】また、使用、再生を何回か繰り返すこと
で、再生しても濃い暗茶色になる。これは、分解させず
に残留している無機成分によるものであり、初期の段階
では吸着性能にあまり影響を与えないが、残留量が多く
なると光を遮断するため、再生能力が低下するためであ
る。この状態の色になると、再生能力が低下しているた
め、交換時期を色で示すことができる。このように対象
環境を特定し、その時の色の変化により、空気浄化材料
で結果的に分解できる色変化、できない色変化から、使
用者に対して有効に判断できる有色にすることで、再生
時期、交換時期および空気浄化能力が回復したことを示
すことができる。
【0038】以下、本発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。
【0039】
【実施例】(実施例1)光触媒として13gのアナター
ゼ型酸化チタン、3gの酸化鉄、吸着剤として80gの
ゼオライト、結合剤として198gのコロイダルシリ
カ、溶媒として15gの水を攪拌混合し、ディップコー
ト用スラリーを調製した。コルゲート形状の繊維質基材
をスラリー中にディップし、150℃で15分以上乾燥
することによりフィルタAを製作した。
【0040】ここで酸化チタンは紫外光、酸化鉄は可視
光で励起する光触媒として機能する。それぞれの光触媒
の複合作用により、広い波長の光を吸収することができ
るようになるため、光の利用効率を上げることが可能と
なる。
【0041】また、比較例として、光触媒として13g
のアナターゼ型酸化チタン、吸着剤として80gのゼオ
ライト、結合剤として198gのコロイダルシリカ、溶
媒として15gの水を攪拌混合し、ディップコート用ス
ラリーを調製した。コルゲート形状の繊維質基材をスラ
リー中にディップし、150℃で15分以上乾燥するこ
とによりフィルタBを製作した。
【0042】フィルタの光吸収特性を比較するため、可
視・紫外領域の吸光光度測定を行った。測定は島津製作
所製UV−2400PCを使用して拡散反射法により行
い、20×5mmに切断したフィルタAおよびB表面の
光触媒の吸収波長を観察した。図2に示すように、光触
媒として酸化チタンだけを含むフィルタBでは約380
nm以下の領域に吸収を持つのに対し、酸化鉄を添加し
たフィルタAでは約560nmから光を吸収しており、
光の吸収波長が広がっている事がわかる。図1に示す通
り、バンドギャップから予想される酸化鉄の吸収波長は
539nmであり、この効果が酸化鉄の添加によるもの
であることは明らかである。したがって、酸化チタンだ
けでは、380nm以下の紫外光を照射された時に分解
性能を発揮するが、波長領域が違う光触媒を混合するこ
とで、560nmなど可視光領域でも分解活性を得るこ
とができ、例えば太陽光で再生を実施した場合、可視光
領域も無駄無く利用することができ、分解性能即ち再生
能力を高めることができるため、高性能でかつ短時間で
再生できる空気浄化材料を得ることができる。
【0043】(実施例2)光触媒として13gの酸化
鉄、吸着剤として80gのゼオライト、結合剤として1
98gのコロイダルシリカ、溶媒として15gの水を攪
拌混合し、ディップコート用スラリーを調製した。コル
ゲート形状の繊維質基材をスラリー中にディップし、1
50℃で15分以上乾燥することによりフィルタCを製
作した。
【0044】可視光照射による酸化鉄の光触媒作用を調
べるため、臭気の分解実験を行った。密閉可能な64L
のアクリル製ボックスの中にフィルタCをいれ、フィル
タから1cmの位置に4Wの蛍光燈を設置した。蛍光燈
には紫外線をカットするフィルタをかぶせて400nm
以下の光が0.1mW/cm2以下の強度になるように
処置し、可視光だけを照射した。ファンでボックス内の
空気を循環させながら、100ppmのアセトアルデヒ
ドを導入し、ガスの減少量および分解生成物であるCO
2の発生量を観察した。なお、アセトアルデヒドはたば
この煙に含まれる代表的な臭気成分である。アセトアル
デヒドの分析にはFID検出器を備えたガスクロマトグ
ラフィーを用い、CO2の分析にはメタナイザー付のガ
スクロマトグラフィー(FID)を使用した。
【0045】図3に示すように、光を照射した場合、ゼ
オライトの吸着作用によってアセトアルデヒド濃度が減
少するとともに、酸化鉄の光触媒作用によってアセトア
ルデヒドが酸化分解され、CO2の発生が認められた。
一方、光を照射しない場合、吸着作用によってアセトア
ルデヒド濃度は減少するがCO2の発生は認められなか
った。これは、アセトアルデヒドの分解が可視光照射に
より、光分解的に進行していることを示している。
【0046】(実施例3)紫外光照射による酸化チタン
の光触媒作用を調べるため、臭気の分解実験を行った。
密閉可能な64Lのアクリル製ボックスの中にフィルタ
Bをいれ、フィルタから1cmの位置に4Wの紫外線ラ
ンプを設置した。ここでフィルタに当たる紫外線の強度
は約2mW/cm2であった。以下実施例2と同様の手
順で臭気の分解性能を測定した。
【0047】光を照射した場合、ゼオライトの吸着作用
によってアセトアルデヒド濃度が減少するとともに、酸
化チタンの光触媒作用によってアセトアルデヒドが酸化
分解され、CO2の発生が認められた。一方、光を照射
しない場合、吸着作用によってアセトアルデヒド濃度は
減少するがCO2の発生は認められなかった。これは、
アセトアルデヒドの分解が紫外光照射により、光分解的
に進行していることを示している。
【0048】(実施例4)1m3のアクリルボックスの
中で、市販のたばこを5本たき臭気を発生させた。この
時の臭気濃度はアセトアルデヒドが約7ppm、酢酸が
約3ppm、アンモニアが約13ppmであった。フィ
ルタAおよびフィルタBをボックス内に設置し、風速1
m/sの速さで30分間送風して臭気を吸着させた。ま
た同様にたばこをたき、この作業を連続的に5回繰り返
し、臭気負荷前後のフィルタの色変化を観察した。フィ
ルタAは赤から暗茶色に変色し、フィルタBは白色から
黄みがかった茶色に変色した。なお、臭気負荷を加える
毎に、フィルタの脱臭性能は低下した。
【0049】臭気負荷後のフィルタを取り出し、晴天の
日に天日で6時間再生を行った。再生後のフィルタAが
臭気負荷前と見分けがつかない赤色に回復したのに対
し、フィルタBはやや黄味がかった白色にまでしか回復
しなかった。これらの色変化は視覚的に容易に認識でき
るほど顕著なものであった。
【0050】再生後のフィルタの臭気除去性能を同様の
方法で調べると、フィルタA、Bともほぼ新品に近い性
能まで回復していることがわかった。
【0051】これらの結果は、空気浄化材料の性能とそ
の表面の色変化に相関があることを示している。使用者
に色と性能の関係を知らせておくことにより、空気浄化
材料のその時点での空気浄化性能を簡易的に知ることが
できる。また、交換あるいは再生の時期を誤ることなく
使用できる空気清浄材料が得られる。
【0052】(実施例5)光触媒として20gの酸化チ
タン、0.2gの酸化鉄、吸着剤として180gのゼオ
ライト、結合剤として400gのコロイダルシリカ、溶
媒として100gの水を攪拌混合し、ディップコート用
スラリーを調製した。コルゲート形状の繊維質基材をス
ラリー中にディップし、150℃で15分以上乾燥する
ことによりフィルタDを製作した。
【0053】実施例4と同様のタバコ負荷試験を行い、
その後6時間の天日再生を行った。タバコ負荷によって
フィルタDの色は薄い赤色から暗赤褐色に変化し、再生
後はほぼ初期と同様の薄い赤色にまで回復した。再生後
のフィルタDの臭気除去性能を調べると、ほぼ新品に近
い性能まで回復していることが分かった。
【0054】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば、幅広い波長範囲の光で励起可能な光触媒組
成とすることにより、光の利用効率と触媒活性のバラン
スを制御することで、再生能力が高く、かつ簡易に工業
的に製造可能でしかも安価な空気浄化材料を提供でき
る。
【0055】また、紫外光で励起する光触媒と可視光で
励起する光触媒と吸着剤からなる組成にすることによ
り、特殊な光源を必要とすることなく室内空気の浄化が
可能であり、自然光を利用して素早く再生できる空気浄
化材料を提供できる。また、使用環境に応じた有色にす
ることで、空気浄化材料の性能と色変化との相関関係を
より正確に示すことができる空気浄化材料を提供でき
る。
【0056】また、色変化により空気浄化材料の経時的
な性能変化を使用者に知らせ、簡便に材料の再生時期、
交換時期および再生したことを正確に使用者に知らせる
ことができる空気浄化材料を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施例の光触媒のバンドギャッ
プエネルギーと波長図
【図2】同フィルタAおよびBの可視・紫外線吸収特性
【図3】同第2実施例可視光による酸化鉄触媒(フィル
タC)の臭気分解性能図
【図4】従来の酸化チタンの吸収と太陽光・白色蛍光燈
のスペクトル図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 隆弘 大阪府大阪市城東区今福西6丁目2番61号 松下精工株式会社内 Fターム(参考) 4C080 AA05 AA07 BB02 CC02 HH05 KK08 MM01 MM02 MM07 NN02 4D048 AA19 AA22 AB01 AB03 BA07X BA07Y BA15Y BA16Y BA21Y BA22Y BA27Y BA36X BA41X BA42Y BA45Y BA46Y BB08 CC40 CC41 CC46 CC50 EA01 EA04 4G066 AA22D AA61B BA41 CA02 CA52 DA03 GA18 GA40 4G069 AA03 BA04B BA48A BB04B BC66B CA07 CA10 CA17 DA06 EA03Y FA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸収波長領域の異なる2種類以上の光触
    媒と吸着剤を基材に担持させた空気浄化材料。
  2. 【請求項2】 紫外光で励起する光触媒と可視光で励起
    する光触媒と吸着剤を基材に担持させた空気浄化材料。
  3. 【請求項3】 空気浄化性能と表面の色に相関関係を持
    たせる手段を有する空気浄化材料。
  4. 【請求項4】 色変化を視覚的に確認できる手段を設け
    た請求項3記載の空気浄化材料。
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