JPH07171403A - 耐被毒脱臭光触媒 - Google Patents

耐被毒脱臭光触媒

Info

Publication number
JPH07171403A
JPH07171403A JP5322735A JP32273593A JPH07171403A JP H07171403 A JPH07171403 A JP H07171403A JP 5322735 A JP5322735 A JP 5322735A JP 32273593 A JP32273593 A JP 32273593A JP H07171403 A JPH07171403 A JP H07171403A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
photocatalyst
deodorizing
zeolite
poisoning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5322735A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3488496B2 (ja
Inventor
Makoto Sakura
真 佐倉
修二 ▲奥▼平
Shuji Okudaira
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikki Universal Co Ltd
Original Assignee
Nikki Universal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikki Universal Co Ltd filed Critical Nikki Universal Co Ltd
Priority to JP32273593A priority Critical patent/JP3488496B2/ja
Publication of JPH07171403A publication Critical patent/JPH07171403A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3488496B2 publication Critical patent/JP3488496B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 担体、シリカライトからなる吸着層、および
さらにその上に担持された光によって励起される光触媒
層よりなる耐被毒脱臭光触媒において、シリカライトの
アルカリ金属の含有量をその酸化物として0.5重量%
以下とする。脱臭処理は通常運転中は吸着により行い、
定期的もしくは不定期的に光を照射して吸着した悪臭物
質を光分解することにより達成される。この触媒を悪臭
物質の脱臭処理に使用した後に200℃以上の温度で焼
成して再生する。 【効果】 この触媒は従来の触媒に比べて処理ガス中の
水分の影響を受けにくく活性が高く、しかも硫黄化合物
に対する耐被毒性が格段に増大している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷蔵庫内やトイレ内で
発生する悪臭物質、あるいは水処理に際して発生する悪
臭物質を吸着分解除去するための高い湿度環境にも耐
え、硫黄化合物等の触媒毒によって触媒活性が低下しに
くい高い脱臭処理能力を有する耐水性脱臭光触媒ならび
に脱臭処理に使用した後の耐被毒脱臭光触媒の再生方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】我々は日常生活において、種々の悪臭物
質が発生する環境に置かれている。例えば、冷蔵庫、ト
イレ、一般家庭のディスポーザー、工場の廃水処理施設
等からは様々な悪臭物質が生じる。そのような悪臭物質
として、アンモニア、アミン類、インド−ル、スカト−
ルなどの窒素化合物、アルコール類、アルデヒド類、例
えば酢酸のような有機酸類や硫化水素、メルカプタン、
ジメチルスルファイドのような硫黄化合物類等種々の物
質を挙げることができる。なかで硫黄化合物類は、脱臭
処理に伴い二酸化硫黄や三酸化硫黄およびそれらから副
生する硫黄酸化物を生じ、これらの硫黄酸化物が触媒に
付着し触媒の脱臭能を低下させる。
【0003】これらの悪臭物質を除去する方法は従来数
多く知られているが、基本的には、悪臭物質を吸着除去
するか、酸化分解するものであって、さらにこれらを組
み合わせ通常運転時には、悪臭物質を吸着除去し、定期
的もしくは人為的にこの吸着した悪臭物質を脱着し、脱
着した悪臭物質を酸化分解することによって、効率よく
悪臭物質の脱臭処理を行う技術も開発されている。
【0004】このような悪臭物質を除去する脱臭剤とし
ては従来から活性炭、ゼオライト、シリカゲル、アルミ
ナ等からなる吸着剤が代表的なものとして知られている
が、吸湿しやすくそれに伴い脱臭能が低下する傾向があ
る。ところが、脱臭処理を行う環境は湿度が高いため、
処理ガス中の水分に影響されない脱臭剤が要望されてい
る。
【0005】また、加熱することにより悪臭物質を酸化
分解処理することも広く行われており、さらに触媒を用
いることによってさらに処理温度を低下させ効率よく脱
臭処理する技術も普及しているが、大型装置において悪
臭物質が希薄な大量の処理ガスを処理するためには、触
媒を用いるとしても触媒反応に必要な温度に加熱するた
めに多くの経費を必要とする。
【0006】運転経費を節減するために紫外線を照射す
ることによって二酸化チタン等の光触媒を励起するのみ
で悪臭物質を分解することができる光触媒を用いる脱臭
方法が提案されている。さらにこれらを組み合わせ通常
運転時には、悪臭物質を吸着除去し、定期的もしくは不
定期的に光を照射し吸着した悪臭物質を光触媒を用いて
より効率よく脱臭処理を行う省エネ型の脱臭技術も開発
されている。例えば、以下に挙げるような種々の手段が
提案されている。
【0007】特開昭62−252875号公報には、紫
外線ランプと光触媒半導体との組み合わせによる脱臭装
置を冷蔵庫に設置することによって、長期間にわたって
脱臭および殺菌効果が発揮されることが開示されている
が、光触媒半導体の構造および材質についての具体的な
記載はなされていない。
【0008】特開平1−189321号公報には、臭気
成分を吸着する吸着剤の表面に形成された光によって励
起する光触媒層、または吸着剤中に練り込まれた光触
媒、若しくは吸着剤となりうる光触媒と、当該光触媒を
励起する光源とを備えた冷蔵庫用脱臭装置が記載されて
いる。また、同公報は、光触媒を有する吸着剤の形状と
して、ハニカム状、スポンジ状、網状、繊維状、板状、
粒状があること、光触媒として二酸化チタンを用いるこ
と、励起用光源として紫外線ランプを用いること、この
ような脱臭装置により長期にわたる脱臭効果が保持され
ることを教示している。
【0009】特開平1−189322号公報には、臭気
成分を吸着する吸着剤の表面に光触媒を付加した、また
は吸着剤に光触媒を練り込んだ部材と、この光触媒を励
起させる励起源とを設けた脱臭装置が開示されており、
吸着剤に臭気成分を集めておき効率よく脱臭できかつ吸
着剤の再生効果が大きいことが記載されている。さら
に、同公報は、吸着剤の形状としてハニカム状、材質と
してゼオライト、活性炭、多孔質セラミックおよびシリ
カゲル、光触媒の材質として二酸化チタン、三酸化タン
グステン、酸化亜鉛を教示している。
【0010】特開平1−218635号公報には、冷凍
サイクルに用いられる吸着剤と光触媒とを含む脱臭剤
(場合により、さらにIIA・IIIA・IVA・VA
・VIII・IB・IIB・IIIB・IVB族の少な
くとも1種の元素を含有)が開示されており、吸着剤の
例として、活性炭、アルミナ、シリカ、光触媒の例とし
て、二酸化チタン、酸化第二スズ、酸化亜鉛が示されて
いる。このような触媒を用いることによって、脱臭効果
の長期間にわたる維持と脱臭効率の向上が達成されるこ
とが同公報には記載されている。
【0011】特開平2−164420号公報には、吸着
剤の表面に光触媒層を有する脱臭剤、光触媒励起用紫外
線ランプ等を有する冷蔵庫用脱臭装置が記載されている
が、当該脱臭剤の構造および材質についての具体的な開
示はなされていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、種々
の脱臭光触媒が本出願前に提案されており、ゼオライト
等の悪臭物質を吸着吸蔵できる担体に二酸化チタン等の
光触媒を担持させた脱臭光触媒を用いる脱臭処理技術も
本出願前に知られている。
【0013】しかしながら、湿度が高く触媒毒の存在す
る過酷な使用環境に耐えうる光触媒は開発されておら
ず、これら悪条件に耐え高い脱臭能を持った光触媒が待
望されていた。
【0014】すなわち、処理ガス中の脱臭成分が窒素化
合物、アルコ−ル類、アルデヒド類および有機酸類等か
らのみなり、硫黄化合物を含まない場合には、従来の光
触媒を用いて脱臭を行っても光触媒の活性劣化は少ない
が、処理ガス中に硫化水素、メチルメルカプタン、ジメ
チルサルファイド、ジメチルジサルファイド等の硫黄化
合物からなる悪臭物質が含まれるときには、二酸化硫黄
や三酸化硫黄が脱臭処理によって生じ、これら硫黄酸化
物が光触媒に化学的物理的吸着するため、光触媒の脱臭
能が低下する。また、担体として石英、金属等の吸着性
を持たない物質を用いる場合には、窒素化合物、アルコ
−ル類、アルデヒド類および有機酸類等の脱臭処理に関
しては二酸化チタン光触媒の性能劣化は見られないもの
の、処理ガス中に硫黄化合物が含まれる場合には、脱臭
処理によって生ずる二酸化硫黄や三酸化硫黄が、触媒層
に付着し急激に光触媒の活性を劣化させる。光触媒の被
毒による活性の低下を少しでも軽減させるためには、多
量の活性成分(二酸化チタン)が必要となる。したがっ
て、担体への二酸化チタンの担持量もたくさん必要とな
るが、担体への大量担持は剥離しやすく困難であるとい
う欠点があった。
【0015】また、従来使用されているゼオライトは、
この触媒被毒を防止するために有効であるが、処理ガス
中の水分に大きく影響されるという欠点があった。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高い湿度
環境にも耐え、硫黄化合物等の触媒毒によって触媒活性
が低下しにくい高い脱臭処理能力を有する耐水性脱臭光
触媒を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、シリカ/アル
ミナの比が少なくとも100以上であるゼオライトが優
れた耐水性を有しておりまた触媒毒も優先的に吸着除去
し光触媒への付着を防止でき脱臭能を長時間維持できる
ことを見いだした。ところが、市販のシリカ/アルミナ
の比の高いゼオライトを担体にコ−ティングして吸着層
を形成しその上に光によって励起される光触媒を担持さ
せた触媒であっても、脱臭成分を吸着吸蔵することは十
分できるが光触媒励起光源(紫外線ランプ)を点灯し吸
着層から脱着した脱臭成分を酸化分解しようとすると、
その酸化分解能は担体に直接光触媒を担持した触媒に較
べて著しく低かった。さらに脱臭能を向上させるため鋭
意検討した結果、光触媒を構成する二酸化チタンは吸着
層に担持するとき、吸着層を構成するゼオライトがアル
カリ成分を含有すると触媒の製造過程で該アルカリ成分
が吸着層から溶けだし二酸化チタンの表面に露出し触媒
活性を大幅に低下させることを見いだした。すなわち、
ゼオライトからアルカリ金属を除去することにより二酸
化チタンは、有効に作用し脱臭能は飛躍的に改善される
ことを見いだし、担体上に形成されたアルカリ金属の含
有量がその酸化物として0.5重量%以下であるゼオラ
イトからなる吸着層、およびさらにその上に担持された
光によって励起される光触媒層からなる触媒を作製する
ことにより、二酸化硫黄や三酸化硫黄が選択的に吸着層
に吸着吸蔵され、画期的な耐被毒性を付与することがで
き、担持した光触媒を有効に作用させることができるた
め光触媒の担持量を減らすことができることを見いだし
た。また、このようにして製造した光触媒を悪臭物質の
吸着分解処理に使用した後で200℃、好ましくは35
0℃以上の温度で加熱処理することにより脱臭能の再生
が可能であることをも見いだした。
【0017】本発明はこれらの知見に基づいてなされた
もので、担体、その上に形成されたアルカリ金属の含有
量がその酸化物として0.5重量%以下であるゼオライ
トからなる吸着層、およびさらにその上に担持された光
によって励起される光触媒層よりなることを特徴とする
耐被毒脱臭光触媒を提供する。
【0018】また、本発明は、担体、その上に形成され
たアルカリ金属の含有量がその酸化物として0.5重量
%以下であるゼオライト層、およびさらにその上に担持
された光によって励起される光触媒層よりなる耐被毒脱
臭光触媒を悪臭物質の脱臭処理に使用した後、この触媒
を200℃以上の温度で焼成することを特徴とする前記
耐被毒脱臭光触媒の再生方法を提供する。
【0019】本発明に係る耐被毒脱臭光触媒の担体材料
としては、特に制限はないが、通常多孔質担体を使用
し、反応ガスおよび光が流通可能であって光をよく反射
する白色担体であることが好ましい。黒色担体では光エ
ネルギーを効率よく利用できず好ましくない。例えば、
コージライト、アルミナ、シリカアルミナ、チタニアシ
リカ、ゼオライト、セピオライト、ゼオライト−セピオ
ライト混合物等の無機質白色担体が適している。担体
は、ハニカム状、スポンジ状、マット状、織布状、板
状、円筒状あるいは粒状等の形状をとることができる
が、特に反応ガスおよび光の流通が容易なハニカム構造
体もしくは三次元網状構造体が好ましい。ハニカムのセ
ル形状は任意であり、三角、四角、五角、六角などの多
角形状やコルゲート状などの形状をとることができる。
例えば、特公昭59−15028号公報に提案されてい
るようなセラミック繊維の集合体(ハニクル担体)、す
なわち、珪酸ゲルにより互いに結合されているシリカ繊
維、アルミナ繊維、アルミノシリケート繊維、ジルコニ
ア繊維などの無機質繊維から選択されるセラミック繊維
のシート状集合体をハニカム状に積層して構成されるハ
ニカム構造体が、圧力損失も少なく幾何学的表面積も大
きいので特に好ましい。
【0020】本発明の耐被毒脱臭光触媒のもう一つの成
分は、悪臭物質ならびに触媒毒の吸着層を構成する疎水
性(耐水性)に優れたゼオライトである。本発明で使用
できるゼオライトは、チャバザイト、モルデナイト、エ
リオナイト、フォジャサイトおよびクリノプテロライト
などの天然のゼオライトおよびゼオライトA、ゼオライ
トX、ゼオライトY、ゼオライトLおよびZSM−5な
どの合成ゼオライトのシリカ/アルミナの比を高めたも
のである。
【0021】本発明において好ましいゼオライトは、シ
リカ/アルミナの比が少なくとも100以上である変成
結晶性アルミノ珪酸塩、ならびにアルミナを殆ど含まな
い結晶性シリカ、即ちシリカライトであり、シリカライ
トが最も好ましい。シリカライトはアルミナを殆ど含ま
ないためにイオン交換能が非常に小さく、疎水性であり
高い耐水性を有している。代表的なシリカライトは以下
の組成式、 R2O:0〜1.5M2O:<0.05Al23:40〜
70SiO2 (式中、Rはテトラエチルアンモニウムイオンを表し、
Mはアルカリ金属陽イオンを表す。)により示される。
このようにシリカライトはアルミナを含まないが、実際
には製造時に原料中に含まれる不純物としてのアルミナ
が最終生成物であるシリカライトに残留する可能性があ
るが、このような少量のアルミナはシリカライトの性質
に影響を与えない。本発明において使用することのでき
る好ましいシリカライトは、シリカ/アルミナの比が1
00以上、好ましくは250以上、さらに好ましくは少
なくとも400以上のものである。シリカライトの製造
方法および性質に関する詳細は、特開昭54−7279
5号公報、特公昭56−40084号公報、および19
78年発行のNature、第271巻、第5645
号、第512〜516頁の「シリカライト、新規な疎水
性結晶性シリカモレキュラーシーブ」に記載されてい
る。
【0022】さらに、本発明において好ましいゼオライ
トは、光触媒を構成する二酸化チタンの触媒活性に影響
を及ぼすアルカリ金属の含有量をその酸化物として0.
5重量%以下、より好ましくは0.3%以下に低減させ
たゼオライトである。すなわち、ゼオライトに含有され
るカリウムやナトリウム等のアルカリ金属の含有量をそ
の酸化物として0.5重量%以下とした点に本発明の高
い脱臭能を有する脱臭光触媒の重要な特徴点が存する。
【0023】なお、前述の担体自体を、上記吸着層に用
いるゼオライトで構成することもできる。
【0024】本発明の耐被毒脱臭光触媒のさらに別の成
分は、光によって励起される光触媒層である。この光触
媒層の材料としては二酸化チタン(TiO2)、三酸化
タングステン(WO3)、酸化亜鉛(ZnO)等を挙げ
ることができるが、特に好ましいのは二酸化チタンであ
る。光触媒層として用いる酸化物の結晶粒子径は100
〜500オングストローム、好ましくは150〜300
オングストロームのものが光による悪臭物質分解能に優
れている。触媒成分の担持量はバインダーとの合計で触
媒構造体全容積に対して10〜200g/l、好ましく
は50〜150g/l、担体がハニカム構造体からなる
ものについては20〜200g/l、好ましくは50〜
150g/l、担体がセラミック繊維の集合体からなる
ものについては10〜100g/l、好ましくは20〜
50g/l、三次元網状構造体からなるものについては
2〜50g/l、好ましくは2〜15g/lが、バイン
ダーにより担体に保持される。バインダーは、光の透過
率のよいシリカ系バインダーを触媒成分の重量の10〜
30%の量で使用するのが好ましいが、これを使用しな
くても担体に保持することができる。
【0025】光源としては、二酸化チタン等の光触媒を
光化学的に励起させることができるものであればよく、
3.2eV以上のバンドキャップを有し、波長が388
nm以下の紫外線を放出し、触媒成分に光エネルギーを
供給する紫外線ランプであればよい。
【0026】本発明の耐被毒脱臭触媒であっても繰り返
し脱臭処理を行うことによって僅かずつではあるが、触
媒毒、ミスト、副生物等の付着によって触媒活性の劣化
を起こす。この触媒活性が低下した触媒を200℃以上
の温度で、好ましくは350℃以上の温度で焼成するこ
とで、低下した触媒活性を新触媒のものとほぼ同等まで
に回復することができ、劣化触媒の再生処理が可能であ
ることが判明した。
【0027】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。
【0028】1.吸着層形成用スラリー溶液の調製 (1)スラリ−溶液A 2.5Kgの日産化学工業社製20重量%のスノーテッ
クスOUP(SiO2として20重量%含有)を12.
5Kgのイオン交換水に加えてバインダー溶液を調製
し、このバインダー溶液に、UOP社製PURASIV
−420(K2Oを0.9重量%含有)を洗浄処理して
2Oの含有量を0.01重量%とした脱カリウムシリ
カライト5.0Kgをプロペラ撹拌機で撹拌しながら投
入して、固形分が27.5重量%のスラリー溶液A(S
iO2:2.5重量%、脱カリウムシリカライト:25
重量%、シリカ/アルミナの比:250)20Kgを作
成した。
【0029】(2)スラリー溶液B シリカライトとしてカリウムを洗浄除去処理してないU
OP社製PURASIV−420(K2Oを0.9重量
%含有)を用いた以外は、(1)と同様にしてスラリー
溶液Bを作成した。
【0030】(3)スラリ−溶液C シリカライトに換えてナトリウムの含有量が6重量%と
高くシリカ/アルミナの比が2と低い13X型ゼオライ
ト(UOP社製PURASIVE−628)を用いた以
外は、(1) と同様にしてスラリー溶液Cを作成した。
【0031】2.触媒層形成用スラリー溶液の調製 イオン交換水30.0Kgに60重量%の濃硝酸60g
を加えた溶液に、バインダーとして5.0Kgの日産化
学工業社製のスノーテックスOUP(SiO2として2
0重量%含有)を加えて混合した。この溶液に5.0K
gの日本アエロジル社製二酸化チタン粉末P−25をプ
ロペラ撹拌機で混合しながら加へ、SiO2を2.5重
量%、TiO2を12.5重量%含有する触媒層形成用
スラリー溶液40Kgを作成した。
【0032】3.触媒の調製実施例1 セラミック繊維の集合体であるニチアス社製ハニクル担
体(200セル、寸法60mmX150mmX10m
m)を上述の吸着層成形用スラリー溶液Aに浸漬し取り
出し、余剰のスラリーを空気を吹き付けて除去した後、
150℃の温度で2時間乾燥した。乾燥した触媒を38
0℃の温度でさらに1時間焼成し、触媒1リッター当り
80gの脱カリウムシリカライトからなる吸着層をコ−
ティングした担体Aを作成した。
【0033】この脱カリウムシリカライトからなる吸着
層を形成した担体Aに、触媒層形成用スラリーに浸漬し
取り出し、余剰のスラリーを空気を吹き付けて除去した
後、150℃の温度で2時間乾燥した。乾燥した触媒を
さらに380℃の温度で1時間焼成し、触媒1リッター
当り30gのTiO2(単位面積(cm2)当たり2.0
mgに相当)を担持した脱カリウムシリカライトからな
る吸着層を有する触媒Aを作成した。
【0034】比較例1 実施例1で用いたと同じニチアス社製ハニクル担体(2
00セル、寸法60mmX150mmX10mm)を、
上述の触媒層形成用スラリー溶液に浸漬し取り出し、余
剰のスラリーを空気を吹き付けて除去した後、150℃
の温度で2時間乾燥した。乾燥した触媒をさらに380
℃の温度で1時間焼成し、触媒1リッター当り35gT
iO2(単位面積(cm2)当たり2.3mgに相当)を
担持した吸着層を形成してない触媒Wを作成した。
【0035】比較例2 実施例1で用いたと同じニチアス社製ハニクル担体(2
00セル、寸法60mmX150mmX10mm)を、
上述の吸着層成形用スラリー溶液Bに浸漬し取り出した
以外は実施例1と同様にして触媒1リッター当り82g
のカリウムを洗浄除去処理してないシリカライトからな
る吸着層をコ−ティングした担体Bを作成した。
【0036】この担体Bを以下実施例1と同様に処理し
て、触媒1リッター当り32gのTiO2(単位面積
(cm2)当たり2.1mgに相当)を担持した脱カリ
ウム処理していないシリカライトからなる吸着層を有す
る触媒Xを作成した。
【0037】比較例3 実施例1で用いたと同じニチアス社製ハニクル担体(2
00セル、寸法60mmX150mmX10mm)を、
上述の吸着層成形用スラリー溶液Cに浸漬し取り出した
以外は実施例1と同様にして触媒1リッター当り82g
のカリウムを洗浄除去処理してないゼオライトX13か
らなる吸着層をコ−ティングした担体Cを作成した。
【0038】この担体Cを以下実施例1と同様に処理し
て、触媒1リッター当り31gのTiO2(単位面積
(cm2)当たり2.1mgに相当)を担持した脱カリ
ウム処理していないゼオライトX13からなる吸着層を
有する触媒Yを作成した。
【0039】比較例4 アルミニウム板(235mmX150mm)に上述の触
媒層形成用スラリーをエアースプレー法により均一に塗
布した後150℃の温度で2時間乾燥した。乾燥した触
媒を380℃の温度でさらに1時間焼成し、1cm2
り2.1mgを担持した触媒を75mmの円筒形に成形
し触媒Zを作成した。
【0040】4.性能評価 (1)アセトアルデヒド吸着分解性能評価試験 波長が254nmの紫外線を放出する12W管出力のプ
リンス社製紫外線殺菌ランプ(QGULR−11−20
0N)を使用し、該ランプの照射効率を上げるため、ア
ルミニウム板等の反射板をその背後に設置し、該ランプ
から4cmの距離を置いた位置に試料触媒を載架し、そ
の下方部に大気の循環用のファンを設置した16リッタ
ーのガラスケースにアセトアルデヒド溶液20μlを注
入し、ガラスケース内のアセトアルデヒド濃度を500
ppmに調製した。乾燥した状態の試料触媒と、水を張
ったデシケーター内に1日放置し十分吸湿させた状態の
試料触媒について各々同様の性能試験を行った。まず、
アセトアルデヒドの吸着性能を見るため最初の30分間
はファンにより大気を循環させるのみで該ランプを点灯
しないで、アセトアルデヒドの吸着を測定した結果、3
0分で完全に吸着平衡に達しそれ以上の吸着が起こらな
いことが確認された。
【0041】30分経過した後、該ランプを点灯し、点
灯後のアセトアルデヒドの濃度の経時変化を測定した。
その結果を表−1に示す。
【0042】このテストを数回繰り返したが、アルデヒ
ドを該ランプを点灯し光触媒で完全に分解処理するのに
必要な処理時間はほぼ一定であり触媒活性の低下は認め
られなかった。
【0043】 表−1 吸着(30分) UV照射(30分後) UV照射(60分後) ブランク 501 491 485 触媒A 乾燥品 26 4.3 * 吸湿品 37 6.0 * 触媒W 乾燥品 256 4.1 * 吸湿品 415 9.9 * 触媒X 乾燥品 25 15.9 4.5 吸湿品 36 16.7 4.8 触媒Y 乾燥品 26 18.4 5.5 吸湿品 395 37.5 9.3 注: *は測定不能を表す。
【0044】表−1から明らかなように、吸着層を有さ
ない触媒Wは、吸着層を形成した触媒A、触媒Xおよび
触媒Yと比較してアセトアルデヒドの吸着性能が劣り、
特に触媒が吸湿した時の吸着性能は著しく劣る。また、
吸着層を有する触媒Yも乾燥品では触媒Aおよび触媒X
とほぼ同様のアセトアルデヒドの吸着性能を示すが、吸
湿させたものは、吸着性能が急激に劣化することがわか
る。すなわち、シリカ/アルミナの比が小さいゼオライ
トは、吸湿によって吸着性能が急激に低下するのに対
し、シリカ/アルミナの比の高いシリカライトは吸湿し
ても吸着性能が殆ど変わらないことが証明された。
【0045】また、本発明の触媒Aは、吸着層を有さな
い触媒Wと比較して吸着性能が画期的に改善され、触媒
が吸湿しても吸着性能は殆ど変わらないことが、表−1
から明らかであり、脱アルカリ処理をしていないシリカ
ライトからなる吸着層を形成した触媒Xは、アセトアル
デヒドの吸着性能は、脱カリウムシリカライトからなる
吸着層を形成した本発明の触媒Aと殆ど変わらないが、
光触媒の担持量がほぼ同じなのにもかかわらずアセトア
ルデヒドの分解能ははるかに劣ることが証明された。す
なわち、このことは、ゼオライト中のアルカリ金属成分
が、触媒活性に影響していることを明らかに示すもので
ある。
【0046】すなわち、アルカリ金属成分の含有量の少
ないシリカ/アルミナの比の高いシリカライトからなる
吸着層を有する本発明の触媒Aが、乾燥品であれ吸湿品
であれ吸着性能、触媒活性に於いてともに優れているこ
とは、表−1より明らかに証明される。
【0047】(2)ジメチルサルファイド吸着分解性能
評価試験 波長が254nmの紫外線を放出する12W管出力のプ
リンス社製紫外線殺菌ランプ(QGULR−11−20
0N)を使用し、該ランプの照射効率を上げるため、ア
ルミニウム板等の反射板をその背後に設置し、該ランプ
から4cmの距離を置いた位置に試料触媒を載架し、触
媒Zについては触媒の中心にランプをセットして、その
下方部に大気の循環用のファンを設置した16リッター
のガラスケースにジメチルサルファイド溶液25μlを
注入し、ガラスケース内のジメチルサルファイド濃度を
500ppmに調製した。乾燥した状態の試料触媒と、
水を張ったデシケーター内に1日放置し十分吸湿させた
状態の試料触媒について各々同様の性能試験を行った。
まず、ジメチルサルファイドの吸着性能を見るため最初
の30分間はファンにより大気を循環させるのみで該ラ
ンプを点灯しないで、ジメチルサルファイドの吸着を測
定したが、30分で完全に吸着平衡に達してそれ以上の
吸着が起こらないことが確認された。
【0048】30分経過した後、該ランプを点灯し、点
灯後のジメチルジサルファイドの濃度の経時変化を測定
した。ジメチルジサルファイドを該ランプを点灯し光触
媒で完全に分解処理した後、各々の試料触媒についてこ
の評価試験を数回繰り返し同様にジメチルジサルファイ
ドの濃度の経時変化を測定した。その結果を表−2に示
す。
【0049】 表−2 吸着(30分) UV照射(30分後) (60分後) (90分後) ブランク 427 406 400 398 触媒A 乾燥品 1回 10 5 0.1 * 2回 11 8 3.0 0.3 3回 12 10 4.8 1.2 4回 13 12 7.0 2.4 吸湿品 1回 14 6 0.3 * 触媒W 乾燥品 1回 331 112 3 * 2回 350 204 88 8 3回 356 255 149 58 4回 337 232 127 37 吸湿品 1回 402 150 10 1.0 触媒X 乾燥品 1回 10 7 5.1 2.3 2回 11 9 6.5 3.0 3回 12 14 8.2 4.5 4回 13 16 11.2 6.5 吸湿品 1回 14 9 6.2 3.1 触媒Y 乾燥品 1回 101 7 5.3 2.6 吸湿品 2回 380 93 23.7 4.2 触媒Z 乾燥品 1回 422 54 3.0 * 2回 433 330 252 220 注: *は測定不能を表す。
【0050】表−2から明らかなように、吸着層を有さ
ない触媒Wは、吸着層を形成した触媒A、触媒Xおよび
触媒Yと比較してジメチルジサルファイドの吸着性能が
劣り、特に触媒が吸湿した時の吸着性能は著しく低下す
る。また、吸着層を有する触媒Yも乾燥品では触媒Aお
よび触媒Xと比較して劣るもののある程度のジメチルジ
サルファイドの吸着性能を示すが、吸湿させたものは、
吸着性能が急激に劣化することがわかる。すなわち、ジ
メチルジサルファイドの様な硫黄化合物についてもシリ
カ/アルミナの比が小さいゼオライトは、吸湿によって
吸着性能が急激に低下するのに対し、シリカ/アルミナ
の比の高いシリカライトは吸湿しても吸着性能が殆ど変
わらないことが証明された。
【0051】また、同じく表−2より、評価試験を繰り
返し行うことにより反応生成物として二酸化硫黄や三酸
化硫黄が生じ光触媒に影響をあたえていることが認めら
れる。特に吸着層を有さない触媒Wや触媒Zに於いて触
媒被毒による触媒活性の低下が顕著である。アルミニウ
ム板に光触媒を担持した触媒Zは、吸着性能は全く無
く、1回目の初期光反応性能は触媒W程度有るものの繰
り返し2回目の光反応性能は愕然と低下しており、触媒
被毒による触媒活性の低下が激しいことが証明された。
【0052】さらに、脱カリウムシリカライトからなる
吸着層を形成した本発明の触媒Aが、脱アルカリ処理を
していないシリカライトからなる吸着層を形成した触媒
Xやナトリウムを大量に含むゼオライトからなる吸着層
を形成した触媒Yよりもジメチルジサルファイドについ
ても遥かに優れた触媒活性を有しており、二酸化硫黄や
三酸化硫黄により被毒され難く繰り返し評価試験を行っ
ても触媒活性の低下が少ないことが証明された。
【0053】(3)メチルメルカプタン吸着分解性能評
価試験 ジメチルサルファイド吸着分解性能評価試験に於いて、
ジメチルサルファイドに換えて100%メチルメルカプ
タンガス8.0mlを注入し、ガラスケース内のメチル
メルカプタン濃度を500ppmに調製する以外は同様
にして、メチルメルカプタンの濃度の経時変化を測定
し、その結果を表−3に示す。メチルメルカプタンも該
ランプを点灯しないでファンによる循環のみによって3
0分で完全に吸着平衡に達したことが確認された。
【0054】 表−3 吸着(30分) UV照射(30分後) (60分後) (90分後) ブランク 480 462 450 440 触媒A 乾燥品 1回 102 85 0.5 * 2回 112 80 0.1 * 3回 110 75 * * 4回 115 70 * * 7回 118 92 4.3 0.2 吸湿品 1回 120 95 1.0 * 触媒W 乾燥品 1回 450 130 4 * 2回 451 120 2 * 3回 454 112 1.4 * 4回 458 100 1.0 * 7回 463 160 10.2 1.5 吸湿品 1回 462 170 12 1.2 触媒X 乾燥品 1回 105 95 39 8 2回 100 92 36 4 3回 105 90 30 2.3 4回 110 88 26 0.9 7回 113 103 45 13 吸湿品 1回 124 105 45 11 触媒Y 乾燥品 1回 110 102 45 10 吸湿品 1回 420 250 85 23 注: *は測定不能を表す。
【0055】本発明の触媒Aが、メチルメルカプタンに
ついても乾燥品であれ吸湿品であれ吸着性能、触媒活性
に於いてともに優れていることは、表−3より明らかで
ある。
【0056】すなわち、アルカリ金属成分の含有量の少
ないシリカ/アルミナの比の高いシリカライトからなる
吸着層を有する本発明の触媒Aが、乾燥品であれ吸湿品
であれ吸着性能、触媒性能がともに優れており、硫黄化
合物からなる悪臭物質を含む処理ガスの脱臭処理によっ
て生じる硫黄酸化物による触媒被毒によっても触媒活性
の低下が少ないことが証明された。
【0057】また、表−3よりメチルメルカプタンの分
解性能は繰り返し評価試験を行うことによって、試料触
媒によって性能序列はあるものの4回目までは段々と分
解性能が向上していく傾向が見受けられる。この原因
は、生成した二酸化硫黄が三酸化硫黄に酸化され、空気
中の水分で硫酸に変わり、試料触媒の触媒活性の被毒劣
化速度以上に酸によるメチルメルカプタンの分解速度が
促進されていることに起因するものであるが、7回目で
は分解性能が低下している。このことは、試料触媒の触
媒活性の被毒劣化速度が酸によるメチルメルカプタンの
分解速度より大きくなっていることを示すものである。
【0058】試料触媒の触媒活性があたかも向上してい
るかに見えるが実際には触媒活性は低下していることを
確かめるために、4回繰り返し評価試験を行った試料触
媒について、前述のアセトアルデヒド吸着分解性能評価
試験を行いアセトアルデヒド吸着分解性能の評価を試み
た。その結果を表−4に示す。
【0059】 表−4 吸着 UV照射 (30分) (30分後) (60分後) (90分後) (120分後) ブランク 501 491 485 480 476 触媒A 新触媒 26 4.3 * 4回使用品 28 10 3.2 * * 触媒W 新触媒 256 4.1 * 4回使用品 306 80 13 4.5 1.0 触媒X 新触媒 25 15 4.5 4回使用品 27 20 14 7.0 1.5 注: *は測定不能を表す。
【0060】表−4から明らかなように、4回繰り返し
メチルメルカプタン吸着分解性能評価試験を行った試料
触媒は新触媒と比較して触媒活性が劣化しているが、本
発明の触媒Aは、触媒Wおよび触媒Xと比較しても触媒
劣化が少なく優れた耐被毒性を有することが証明され
た。
【0061】5.使用済み触媒の再生法実施例2 ジメチルサルファイド吸着分解性能評価試験に於て4回
評価試験を行い触媒活性が低下した触媒A、触媒W、お
よび触媒Xを、350℃の温度で1時間焼成した。
【0062】焼成により再生処理した各触媒について、
上述のジメチルサルファイド吸着分解性能評価試験およ
びメチルメルカプタン吸着分解性能評価試験を行った。
その結果をジメチルサルファイドについては表−5に、
メチルメルカプタンについては表−6に示す。
【0063】 表−5 吸着(30分) UV照射(30分後) (60分後) (90分後) ブランク 427 406 400 398 触媒A 乾燥品 1回 10 5 0.1 * 4回 13 12 7.0 2.4 350℃再焼成 10 5 0.1 * 触媒W 乾燥品 1回 331 112 3 * 4回 337 232 127 37 350℃再焼成 306 76 2 * 触媒X 乾燥品 1回 10 7 5.1 2.3 4回 13 16 11.2 6.5 350℃再焼成 10 7.1 5.0 2.2 注: *は測定不能を表す。
【0064】 表−6 吸着(30分) UV照射(30分後) (60分後) (90分後) ブランク 480 462 450 440 触媒A 乾燥品 1回 102 85 0.5 * 4回 115 70 * * 350℃再焼成 105 86 0.5 触媒W 乾燥品 1回 450 130 4 * 4回 458 100 1.0 * 350℃再焼成 450 132 4.1 触媒X 乾燥品 1回 105 95 39 8 4回 110 88 26 0.9 350℃再焼成 106 94 40 8 注: *は測定不能を表す。
【0065】表−5および表−6から明らかなように繰
り返し評価試験をして触媒活性が低下した触媒も再生処
理によって新触媒と同等まで触媒活性が回復しているこ
とがわかる。すなわち、脱臭処理に使用して触媒活性が
低下した触媒でも焼成することで触媒が再生されること
が証明された。
【0066】表−3から明らかなように、メチルメルカ
プタンの評価試験においては上述したように段々と分解
性能が向上していく傾向が見受けられる。表−6から明
らかなように再生処理した触媒は、メチルメルカプタン
については新触媒と同程度の触媒活性には回復するもの
の、再生前の触媒の触媒活性よりは劣るかのように見受
けられる。上述したようにアセトアルデヒド吸着分解性
能評価試験を行ってみると4回評価試験を行った触媒の
触媒活性は実際には低下していた。そこで再生処理した
触媒について同様にアセトアルデヒド吸着分解性能評価
試験を行いその結果を表−7に示す。
【0067】 表−7 吸着 UV照射 (30分) (30分後) (60分後) (90分後) (120分後) ブランク 501 491 485 480 476 触媒A 新触媒 26 4.3 * 4回使用品 28 10 3.2 * * 350℃再焼成 27 4.5 触媒W 新触媒 256 4.1 * 4回使用品 306 80 13 4.5 1.0 350℃再焼成 260 4.0 * 触媒X 新触媒 25 15 4.5 4回使用品 27 20 14 7.0 1.5 350℃再焼成 25 16 4.4 注: *は測定不能を表す。
【0068】表−7から明らかなように、4回繰り返し
メチルメルカプタン吸着分解性能評価試験を行った試料
触媒の触媒活性は新触媒と比較して劣化しており、再生
処理によってアセトアルデヒド吸着分解性能が回復して
いることがわかる。すなわち、再生処理することによっ
てメチルメルカプタン、アセトアルデヒド双方の吸着分
解性能が回復し、触媒再生が可能であることが証明され
た。
【0069】
【発明の効果】本発明の耐被毒性脱臭触媒は、通常運転
時には悪臭物質を吸着除去し、定期的もしくは不定期的
にこの吸着した悪臭物質を光を照射して分解することが
できる極めて運転経費を節減できる省エネ型の脱臭光触
媒である。
【0070】本発明の耐被毒性脱臭触媒は、アルカリ金
属の含有量をその酸化物として0.5重量%以下とした
ゼオライトを用いているので、触媒としての活性が向上
するのみならず硫黄化合物に対する耐被毒性が従来の触
媒に比べて格段に増大する。
【0071】さらに、該ゼオライトとしてシリカ/アル
ミナの比を少なくとも100以上のゼオライト、好まし
くはシリカライトを用いているので高い耐水性を有して
おり処理ガス中の水分によって影響されず脱臭能力が低
下しない。
【0072】また、当該触媒を何回か悪臭物質の脱臭処
理に使用し触媒活性が低下した後に、200℃以上の温
度でで焼成することによって再生が可能であり、しかも
新しい触媒と同等まで触媒活性が回復するという著しく
優れた効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 29/06 ZAB A 35/02 J

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担体、その上に形成されたアルカリ金属
    の含有量がその酸化物として0.5重量%以下であるゼ
    オライトからなる吸着層、およびさらにその上に担持さ
    れた光によって励起される光触媒層よりなることを特徴
    とする耐被毒脱臭光触媒。
  2. 【請求項2】 前記担体がハニカム構造をもつものであ
    ることを特徴とする請求項1記載の耐被毒脱臭光触媒。
  3. 【請求項3】 前記担体がセラミック繊維のシート状集
    合体からなるハニカム構造であることを特徴とする請求
    項1または2記載の耐被毒脱臭光触媒。
  4. 【請求項4】 前記アルカリ金属がカリウムまたはナト
    リウムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐被
    毒脱臭光触媒。
  5. 【請求項5】 前記ゼオライトがシリカ/アルミナの比
    が少なくとも100以上であるゼオライトA、ゼオライ
    トX、ゼオライトY、ゼオライトL、ZSM−5および
    シリカライトよりなる群から選ばれることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐被毒脱臭光触
    媒。
  6. 【請求項6】 前記ゼオライトがシリカ/アルミナの比
    が少なくとも250以上のシリカライトであることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐被毒脱
    臭光触媒。
  7. 【請求項7】 前記光触媒層が二酸化チタンからなるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐
    被毒脱臭光触媒。
  8. 【請求項8】 前記二酸化チタンが100〜500オン
    グストロームの結晶粒子径を有することを特徴とする請
    求項1〜7のいずれか1項に記載の耐被毒脱臭光触媒。
  9. 【請求項9】 前記二酸化チタンが150〜300オン
    グストロームの結晶粒子径を有することを特徴とする請
    求項8に記載の耐被毒脱臭光触媒。
  10. 【請求項10】 担体、その上に形成されたアルカリ金
    属の含有量がその酸化物として0.5重量%以下である
    ゼオライトからなる吸着層、およびさらにその上に担持
    された光によって励起される光触媒層よりなる耐被毒脱
    臭光触媒を悪臭物質の脱臭処理に使用した後、この触媒
    を200℃以上の温度で焼成することを特徴とする前記
    耐被毒脱臭光触媒の再生方法。
JP32273593A 1993-12-21 1993-12-21 耐被毒脱臭光触媒 Expired - Fee Related JP3488496B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32273593A JP3488496B2 (ja) 1993-12-21 1993-12-21 耐被毒脱臭光触媒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32273593A JP3488496B2 (ja) 1993-12-21 1993-12-21 耐被毒脱臭光触媒

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07171403A true JPH07171403A (ja) 1995-07-11
JP3488496B2 JP3488496B2 (ja) 2004-01-19

Family

ID=18147046

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32273593A Expired - Fee Related JP3488496B2 (ja) 1993-12-21 1993-12-21 耐被毒脱臭光触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3488496B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0975745A (ja) * 1995-09-14 1997-03-25 Agency Of Ind Science & Technol 新規な光反応用触媒及びそれを使用する光触媒反応方法
JPH09220519A (ja) * 1996-02-16 1997-08-26 Mitsubishi Paper Mills Ltd 酸化チタン含有積層シートの製造方法
JPH09230810A (ja) * 1995-12-22 1997-09-05 Toto Ltd 屋外表示板、及びその清浄化方法
JPH09313887A (ja) * 1996-05-28 1997-12-09 Agency Of Ind Science & Technol 光触媒シート
EP0823280A4 (en) * 1996-02-28 1999-08-18 Hoya Corp GLASS MATERIAL FOR CARRYING A PHOTOCATALYST, FILTER DEVICE USING THE SAME, AND METHOD FOR EMITTING LIGHT
JP2000110064A (ja) * 1998-07-31 2000-04-18 Toray Ind Inc 機能性を有する繊維構造物
KR100326897B1 (ko) * 1999-08-05 2002-03-06 채문식 이산화티탄이 결합된 티타노실리칼라이트 광촉매 및 그 제조방법
KR20030084177A (ko) * 2002-04-25 2003-11-01 한국화학연구원 이산화티탄이 나노구조로 함유된 제올라이트 광촉매와 그제조방법 및 이를 이용한 암모니아성 질소의 제거방법
JP2006255251A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Matsushita Electric Ind Co Ltd 脱臭体および脱臭体を用いた脱臭装置
JP2006297350A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Showa Denko Kk 光触媒膜及びその製造方法
JP2006297351A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Showa Denko Kk 光触媒膜及びその製造方法
WO2014199740A1 (ja) * 2013-06-14 2014-12-18 住友化学株式会社 ハニカム構造体及びハニカムフィルタ

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5164542B2 (ja) 2007-12-04 2013-03-21 ニチハ株式会社 建材の塗装方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0975745A (ja) * 1995-09-14 1997-03-25 Agency Of Ind Science & Technol 新規な光反応用触媒及びそれを使用する光触媒反応方法
JPH09230810A (ja) * 1995-12-22 1997-09-05 Toto Ltd 屋外表示板、及びその清浄化方法
JPH09220519A (ja) * 1996-02-16 1997-08-26 Mitsubishi Paper Mills Ltd 酸化チタン含有積層シートの製造方法
EP0823280A4 (en) * 1996-02-28 1999-08-18 Hoya Corp GLASS MATERIAL FOR CARRYING A PHOTOCATALYST, FILTER DEVICE USING THE SAME, AND METHOD FOR EMITTING LIGHT
JPH09313887A (ja) * 1996-05-28 1997-12-09 Agency Of Ind Science & Technol 光触媒シート
JP2000110064A (ja) * 1998-07-31 2000-04-18 Toray Ind Inc 機能性を有する繊維構造物
KR100326897B1 (ko) * 1999-08-05 2002-03-06 채문식 이산화티탄이 결합된 티타노실리칼라이트 광촉매 및 그 제조방법
KR20030084177A (ko) * 2002-04-25 2003-11-01 한국화학연구원 이산화티탄이 나노구조로 함유된 제올라이트 광촉매와 그제조방법 및 이를 이용한 암모니아성 질소의 제거방법
JP2006255251A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Matsushita Electric Ind Co Ltd 脱臭体および脱臭体を用いた脱臭装置
JP2006297350A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Showa Denko Kk 光触媒膜及びその製造方法
JP2006297351A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Showa Denko Kk 光触媒膜及びその製造方法
WO2014199740A1 (ja) * 2013-06-14 2014-12-18 住友化学株式会社 ハニカム構造体及びハニカムフィルタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP3488496B2 (ja) 2004-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3488496B2 (ja) 耐被毒脱臭光触媒
JP3078850B2 (ja) ゼオライト含有吸着組成物およびこの吸着組成物を含む吸着分解組成物
JP4431700B2 (ja) 一酸化炭素除去用触媒及び該触媒を用いた一酸化炭素除去方法
US6103208A (en) Adsorbent for ethylene, method for adsorbing and removing ethylene and method for purifying an exhaust gas
JPH06102155B2 (ja) 脱臭剤・脱臭剤の製造方法・脱臭方法・脱臭装置およびこの脱臭装置を備えた冷凍サイクル装置
JP3722866B2 (ja) 疎水性脱臭材およびその再生方法
JP3227373B2 (ja) 光触媒を用いた空気浄化塗料
JPH0975434A (ja) 光触媒を使用した脱臭剤
JPH0956799A (ja) 自己再生型吸着剤
JP3517257B2 (ja) エチレン分解触媒
JPH08173512A (ja) 脱臭素子
KR100333590B1 (ko) 광재생형 탈취제 및 탈취 방법
JPH08243383A (ja) 疎水性脱臭材およびその再生方法
JP3554343B2 (ja) シート状エチレン分解触媒およびエチレン分解装置
JP3352740B2 (ja) 耐水性白色エチレン分解触媒、その製造方法およびエチレン分解装置
JP2002263449A (ja) 活性炭フィルタ
JP3618186B2 (ja) 改良脱臭剤の製法
JPH06327977A (ja) オゾン分解用触媒
JPH0924272A (ja) 自己再生型吸着剤
JP3884503B2 (ja) 有害物質除去剤およびそれを用いた有害物質除去方法
JP4182210B2 (ja) ケイ酸塩でコーティングされた酸化チタン複合体の製造方法
JP2001061948A (ja) 空気浄化材料
JPH1033646A (ja) トイレ用脱臭触媒
JPH10272365A (ja) 脱臭触媒および脱臭用素子
JPH09154927A (ja) 脱臭体

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091031

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091031

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101031

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101031

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121031

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121031

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131031

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees