JP3352740B2 - 耐水性白色エチレン分解触媒、その製造方法およびエチレン分解装置 - Google Patents

耐水性白色エチレン分解触媒、その製造方法およびエチレン分解装置

Info

Publication number
JP3352740B2
JP3352740B2 JP35431492A JP35431492A JP3352740B2 JP 3352740 B2 JP3352740 B2 JP 3352740B2 JP 35431492 A JP35431492 A JP 35431492A JP 35431492 A JP35431492 A JP 35431492A JP 3352740 B2 JP3352740 B2 JP 3352740B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
ethylene
water
white
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP35431492A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06178935A (ja
Inventor
真 佐倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikki Universal Co Ltd
Original Assignee
Nikki Universal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikki Universal Co Ltd filed Critical Nikki Universal Co Ltd
Priority to JP35431492A priority Critical patent/JP3352740B2/ja
Publication of JPH06178935A publication Critical patent/JPH06178935A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3352740B2 publication Critical patent/JP3352740B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、青果物の呼吸作用の進
行に伴って発生するエチレンの分解触媒に関するもので
あり、さらに詳しくは酸化チタンを多孔質担体に担持し
た疎水性白色光触媒に関し、さらにはその触媒を使用す
るエチレン分解装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレンガスは青果物の呼吸作用の進行
に伴って発生し、このエチレンガスの作用により青果物
の完熟および老化が促進され、日持ちが悪くなる。した
がって、収穫後の青果物の鮮度を移送中もしくは貯蔵中
に保持するためには、これらから発生するエチレンガス
を効率よく除去することが好ましい。貯蔵中の青果物の
鮮度保持方法としては、エチレンガスを活性炭、ゼオラ
イト等の吸着剤で除去する方法と、酸化触媒によって分
解除去する方法が広く行われている。しかしながら、青
果物は一般に湿度が高く炭酸ガス濃度も高い状態で貯蔵
されているので、吸着剤による方法では共存する水分お
よび炭酸ガスの影響でエチレンガスの高い吸着除去が困
難である。さらに、吸着されたエチレンが脱着する恐れ
もあるので、吸着方法により十分なエチレン除去効率を
維持することは期待できない。またエチレンの除去性能
を維持するためには吸着剤をたびたび取り替えなければ
ならない不利がある。一方、エチレンガスの分解除去触
媒としては、例えば特開平2−312541号公報に
は、過マンガン酸カリウムを活性アルミナに担持した保
鮮剤が開示されているが、過マンガン酸カリウムはエチ
レン除去性能は優れているものの毒物であるためその処
理に問題がある。特開平1−252244号公報には、
酸化チタンを含んで構成されるパウダ−状光触媒に光を
照射して励起させエチレンを分解し、農産物の鮮度を保
持するための鮮度保持方法および装置が開示されてい
る。しかしながら、光触媒の形状がパウダ−状のものを
メッシュ状の袋体に収納して吊り下げたり、触媒ボック
スの内面に形設され表面積が増加するように曲げられた
リブの外面に接着剤で光触媒パウダ−を無数に接着した
りして使用しているため、光照射効率は十分とはいいが
たく高い活性が得られない。特開平1−139139号
公報には、無機繊維特にガラス繊維よりなる織布ないし
不織布からなる多孔体に光触媒微粒子を含浸担持させて
多孔体表面に被覆膜を形成し、処理空気を多孔体の多孔
質壁を通過させるように構成した空気の脱臭・殺菌装置
が開示されている。さらに特開平2−107339号公
報には、反応ガスおよび光が流通可能な三次元網状構造
体に光触媒活性成分として酸化チタンを担持した光触媒
によって、脂肪族化合物、硫黄化合物および窒素化合物
よりなる群のうちすくなくとも1種を含有する悪臭ガス
を除去する空気循環系の悪臭除去に好適な空気脱臭装置
が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来のいずれの方法にも一長一短があり必ずしも満足の
いくエチレンガスの効率的な分解除去ができる触媒はな
かった。そこで、本発明は高い湿度環境においても光に
より極めて高いエチレン分解能を有する耐水性白色エチ
レン分解触媒およびその触媒を用いる効率的なエチレン
ガス除去装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、エチレンガ
スをさらに効率よく除去するため鋭意研究を重ねた結
果、特定の粒子径を有する酸化チタン微粒子を反応ガス
および光が通過可能なハニカム構造または三次元網状構
造をもつ白色多孔質担体に担持させ特定温度で焼成する
ことによって疎水性を持ちエチレンガスを飛躍的に効率
よく除去できる白色エチレン分解触媒を見いだし、さら
にその白色エチレン分解触媒の厚みを特定し光源と反対
側の該触媒の背後に反射板を設けることによって一層効
率良くエチレンガスを除去できる装置を見いだした。本
発明はかかる知見に基づいて完成したものである。すな
わち、本発明の第1は、100〜500オングストロー
ムの結晶粒子径を有する酸化チタン微粒子を反応ガスお
よび光が通過可能なハニカム構造または三次元網状構造
をもつ白色多孔質担体にシリカ系バインダーまたはそれ
と同程度の光透過性をもつバインダーを用いて担持させ
500〜650℃の温度で焼成したことを特徴とする耐
水性白色エチレン分解触媒に関する。
【0005】本発明のエチレン分解触媒の一成分は多孔
質担体である。多孔質担体としては、反応ガスおよび光
が通過可能であって光を良く反射する白色担体であって
酸化チタンが担持できるものであれば良い。例えばコー
ジライト、アルミナ、シリカアルミナ、チタニアシリ
カ、ゼオライト、セピオライト等の白色無機質担体が適
している。担体の色を、光エネルギーの反射率の高い白
色にすることによって、エチレン分解能を高めることが
でき、清潔感を醸し出すこともできる。多孔質担体は、
反応ガスおよび光の通過が容易なハニカム構造体もしく
は三次元網状構造体が好ましい。該ハニカム構造が、例
えば特公昭59−15028号公報に提案されているよ
うなセラミック繊維の集合体(ハニクル担体)、すなわ
ち珪酸ゲルにより互いに結合されているシリカ繊維、ア
ルミナ繊維、アルミノシリケート繊維、ジルコニア繊維
などの無機繊維から選択されるセラミック繊維のシート
状集合体をハニカム状に積層して構成されるハニカム構
造体であれば圧力損失も少なく幾何学表面積も大きいの
でより好ましい。また該三次元網状構造体としては、例
えば特公昭57−35048号公報に開示されているよ
うなセラミック多孔体が光を良く透過し圧力損失も少な
く幾何学表面積も大きいので特に好ましいものである。
【0006】本発明のエチレン分解触媒のもう一つの成
分は光触媒成分であって、金属酸化物半導体系光触媒と
しては、酸化チタンが好適である。酸化チタンの結晶粒
子経は100〜500オングストローム、好ましくは1
50〜300オングストロームのものが特に光によるエ
チレン分解能が優れている。光触媒成分の担持量はバイ
ンダーとの合計で触媒構造体全容積に対して10〜20
0g/lであり、担体がハニカム構造体からなるものに
ついては20〜200g/l、好ましくは50〜150
g/l、セラミック繊維の集合体からなるものについて
は10〜100g/l、好ましくは20〜50g/l、
三次元網状構造体からなるものについては2〜50g/
l、さらに好ましくは2〜15g/lが、担体にバイン
ダ−により保持される。バインダーは、光の透過率のよ
いシリカ系バインダーが好ましく、触媒成分の重量の1
0〜30%の量で使用する。
【0007】本発明の第2は、前記耐水性白色エチレン
分解触媒の製造方法に関する。すなわち、結晶粒子径1
00〜500オングストローム、好ましくは結晶粒子径
150〜300オングストロームの酸化チタン微粒子
と、酸化チタンの重量の10〜30%のバインダーと水
とを混合しスラリー液を調整し、該スラリー液に多孔質
担体を浸漬し取り出し余剰のスラリーを除去した後、5
50〜600℃の温度で焼成することを特徴とする。
【0008】本発明の第3は、光によるエチレン分解装
置に関するものであって、光源と、前記耐水性白色エチ
レン分解触媒と、光源と反対方向の該触媒の背後に反射
板とを具備したものであり、これにより光照射効率を向
上させたものである。光源の背後に反射板を設置するこ
とにより光の照射効率を一層向上させ、また光の透過を
より容易にし、エチレンの分解効率を向上するため、該
触媒の厚さを調整する。該触媒の厚さは、薄すぎるとエ
チレンの分解性能が低下するのみならず、機械的強度も
低下し、僅かな衝撃によっても崩壊し、厚すぎても反応
に寄与しない部分が多くなり触媒として不経済となるの
で、5〜40mmとするのが好適である。
【0009】光源としては、酸化チタンを光科学的に励
起させるものであればよく、3.2eV以上のバンドギ
ャップを有し、波長が388nm以下の紫外線を放出
し、触媒成分に光エネルギーを供給するものであればよ
い。触媒の反対側に反射材を設けることによりさらに照
射効率を高めることができる。
【0010】以上述べたように、高い湿度環境にも耐
え、光を効率的に利用できる高いエチレン分解能を有す
る本発明の疎水性白色触媒を具備する光照射効率を改善
した本発明の光によるエチレン分解反応装置により、よ
り効率良くエチレンガスを分解除去できる。
【0011】
【実施例】以下の実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定される
ものではない。以下の実施例1〜3により担体の種類と
触媒層の厚さとの関係を明らかにする。 実施例1 イオン交換水4000gに60重量%の濃硝酸10gを
加えた溶液に、バインダ−として1000gの日産化学
工業社製20重量%のスノーテックス−0(SiO2
して200g含有)を加えて混合した。この溶液に10
00gの日本アエロジル社製酸化チタン粉末P−25を
ターボミキサーで混合しながら加え、SiO2を3.3重
量%、TiO2を16.7重量%含有するスラリー溶液6
000gを得た。200セルおよび400セルのコージ
ライトハニカム担体(縦50mm,横150mm,高さ
15mm)をそれぞれ前記スラリー溶液に浸漬し、取り
出し、余剰のスラリーを空気を吹き付けて除去した後、
150℃の温度で6時間乾燥した。同様の操作を再度繰
返し行い乾燥した担体を550℃の温度で1時間焼成
し、触媒の容積1リッター当り61gのTiO2を20
0セルのハニカム担体に担持した触媒Aおよび400セ
ルのハニカム担体に82g/lのTiO2を担持した触
媒Bを得た。 実施例2 アルミノシリケ−ト繊維のシ−ト状集合体によって構成
されるハニカム構造体を有するニチアス社製白色ハニク
ル担体(200セル、縦55mm、横140mm、厚さ
15mm)を実施例1のスラリ−溶液に浸漬し、取り出
して余剰のスラリーを空気を吹き付けて除去した後、1
50℃の温度で6時間乾燥し、さらに550℃の温度で
1時間焼成して、触媒の容積1リッターあたりTiO2
を56g担持した触媒Cを得た。 実施例3 三次元網状構造体を有するブリジストン社製白色フォー
ムセラミックス#09担体(100セル相当品、縦55
mm,横150mm,高さ15mm)を実施例1のスラ
リー溶液に浸漬し、取り出し、余剰のスラリーを遠心分
離除去した後、150℃の温度で6時間乾燥し、さらに
550℃の温度で1時間焼成して、触媒の容積1リッタ
ーあたりTiO2を14g担持した触媒Dを得た。
【0012】前記実施例1〜3で得られた触媒A〜Dを
用いて下記のエチレン分解能評価試験を行った。 エチレン分解能評価試験 波長が254nmの紫外線を放出する8Wの東芝社製紫
外線殺菌ランプを使用し、該ランプの照射効率を上げる
ため、アルミ板等の反射材をその背後に設置し、該ラン
プから5cmの距離を置いた位置に試料触媒を載架し、
その下方部に大気の循環用のファンを設置した16リッ
ターのガラスケースに、99.6%のエチレン1.6ml
を注入し、ガラスケース内のエチレン濃度を100pp
mに調整した。試料触媒を設置した後、試料触媒のエチ
レン吸着性能を見るため、最初の十分間はファンにより
大気を循環させるのみで該ランプを点燈しないで、エチ
レン濃度の変化を測定したが、エチレン濃度は変化せず
エチレンは試料触媒には吸着されていないことがわかっ
た。10分経過した後、該ランプを点灯し、点灯後90
分経過後のエチレン濃度を測定した。各試料触媒の厚さ
が15mmのものを最初試験し、その後10mm,5m
mと切断して厚さをかえて厚さの影響を調べた。その結
果を表1に示す。
【表1】 触媒の厚み 触媒A 触媒B 触媒C 触媒D 15mm 29ppm 23ppm 14ppm 11ppm 10mm 29ppm 22ppm 17ppm 14ppm 5mm 22ppm 22ppm 17ppm 22ppm 2mm 48ppm 45ppm 39ppm − 表1から明らかなように、本発明の触媒A〜Dはともに
触媒の厚みが5mm以上で良好なエチレン分解能を有す
ることが裏付けられた。触媒A〜Cは2mmの厚さでは
その性能が低下しているのがわかる。すなわち、担体が
ハニカム構造を有する場合は、その厚さは5mmあれば
十分であり、それ以上の厚さの部分の触媒成分は反応に
ほとんど寄与していないといえる。またハニクル担体に
担持した触媒Cおよびフォ−ムセラミックス担体に担持
した触媒Dは、ハニカム担体に担持した触媒AおよびB
と比較してTiO2の担持量が少ないにもかかわらず極
めて良好なエチレン分解能を示した。これは触媒Cおよ
び触媒Dにおいては光がより効率よく作用したためと考
えられる。三次元網状構造体を有する担体は、機械強度
が低く、2mmの厚さに切断すること自体、崩壊してし
まい困難であった。しかしながら少ないTiO2の担持
量にもかかわらず、5〜15mmの厚さで極めて良好な
エチレン分解能を示しており、触媒の厚さの増加にとも
ないエチレン分解能も向上している。このことは三次元
網状構造体がよりよく光を透過し光が有効に利用されて
いることに起因するものと考えられる。
【0013】以下の実施例4および比較例1〜2により
酸化チタンの結晶粒子径がエチレン分解能に及ぼす影響
を明らかにする。 実施例4 実施例1のスラリ−調整法において、酸化チタン粉末と
してチタニア結晶粒径が210オングストロームで45
2/gの表面積を有するチタニア粉末を使用してそれ
ぞれスラリー溶液を調整した。200セルのコージライ
トハニカム担体(縦55mm,横150mm,厚さ15
mm)を上記のスラリー溶液に浸漬し、取り出して空気
を吹き付け余剰のスラリーを除去した後、150℃の温
度で6時間乾燥(1回担持)し、さらに実施例1の焼成
温度550℃に代えて、下記の比較例1で使用する表面
積の大きなチタニアは高温では粒子径が変化し表面積が
減少するので粒子径が変化しない300℃の温度で1時
間焼成し、210オングストロームの結晶粒径のTiO
2を28g/l担持した触媒Eを得た。500℃以上の
温度になると本発明の結晶粒子径より小さい結晶粒子径
のものは、熱により結晶が成長し結晶粒子径が増大し比
表面積が減少してしまいエチレン分解能が低下してしま
うので、結晶粒子径がエチレン分解能に及ぼす影響の比
較ができない。そのため耐熱性を比較する必要のないこ
の実施例では温度を300℃で実験を行ったものであ
る。 比較例1 実施例4において、酸化チタン粉末としてチタニア結晶
粒径が60オングストロームで200m2/gの表面積
を有するチタニア粉末Xを用いたことを除いて同様にし
て60オングストロームの結晶粒径のTiO2を30g
/l担持した触媒aを得た。 比較例2 実施例4において、酸化チタン粉末としてチタニア結晶
粒径が1000オングストロームで10m2/gの表面
積を有するチタニア粉末Yを用いたことを除いて同様に
して1000オングストロームの結晶粒径の結晶粒径の
TiO2を25g/l担持した触媒bを得た。
【0014】得られた触媒E,aおよびbについて前述
のエチレン分解性能評価試験を行った。その結果を表2
に示す。
【表2】 比較例1 実施例4 比較例2 触媒a 触媒E 触媒b エチレン濃度 92ppm 50ppm 75ppm 表2から明らかなように、本発明のTiO2の結晶粒径
が210オングストロームの触媒Eが一番エチレン分解
能が良く、粒子が細かすぎても大まかすぎてもエチレン
分解能は低下することが裏付けられた。したがって、チ
タニアの結晶粒径が100〜500オングストローム、
好ましくは150〜300オングストロームのものが、
エチレン分解能が優れている。
【0015】実施例5および比較例3により、バインダ
ーの濃度および光の透過性の影響を明らかにする。 実施例5 実施例1のスラリー調整方法において、バインダーの濃
度を変える他は同様にしてスノーテックス−0(シリカ
ゾル)をTiOの重量に対してSiOとして5重量
%、10重量%および20重量%含有するスラリーA,
BおよびCを調整した。200セルのコージライトハニ
カム担体(縦55mm,横150mm,厚さ15mm)
を前記のスラリーA〜Cに浸漬し、以下実施例1と同様
にしてTiOを1回担持して触媒F〜Hを得た。 比較例3 バインダーとしてアルミナゾルを使用する他は同様にし
て、TiOの重量に対してAlとして5重量%
および10重量%含有するスラリーaおよびbを用いる
ことを除いて実施例5と同様にして触媒cおよびdを得
た。
【0016】実施例5で得られた触媒F〜H並びに比較
例3でえられた触媒cおよびdについて前述のエチレン
分解性能評価試験を同様に行った。その結果を表3に示
す。
【表3】 バインダー濃度 使用せず 5重量% 10重量% 20重量% アルミナゾルのとき 48ppm 75ppm 80ppm − シリカゾルのとき 48ppm 50ppm 51ppm 50ppm 表3から明らかなように、本発明のシリカ系バインダー
は光の透過性が良好でエチレン分解能をほとんど低下さ
せないのに対し、アルミナゾルをバインダーとして使用
した場合には焼成後、触媒は白色となるもののアルミナ
自身が光のエネルギーを吸収してしまい、また光の透過
を阻害するのでTiO2にエネルギーを十分供給でき
ず、エチレン分解能が極端に低下することが裏付けられ
た。なお、バインダーを使用しないと、触媒成分の付着
が充分でないため、耐久性が極めて劣り、実用的ではな
い。
【0017】つぎに、装置の構成について検討する。 実施例6 実施例1において、TiO2の担持回数が1回であるこ
とを除いて、他は同様にして200セルのコ−ジライト
ハニカム担体に26g/lのTiO2を担持した触媒I
を得た。 実施例7 三次元網状構造体を有するブリジストン社製円筒状白色
フォームセラミックス#09担体(100セル相当品、
外径85mm、内径55mm、長さ50mm、厚さ15
mm)を実施例3と同様にして14g/1のTiO2
担持した触媒Jを得た。 光の反射板の有効性評価試験1 前述のエチレン分解能試験において光源、触媒層、アル
ミ板よりなる反射板をその順序で並べた場合と、前記反
射板を使用しない場合について、それぞれ実施例6のコ
−ジライトハニカム担体に26g/lのTiO2を担持
した触媒Jと実施例2のハニクルハニカム担体に56g
/lのTiO2を担持した触媒Cおよび実施例3のフォ
−ムセラミック担体に14g/lのTiO2を担持した
触媒Dについて比較検討した。同様にエチレン分解能試
験を行い90分紫外線照射後のエチレン濃度を測定しそ
の結果を表4に示す。
【表4】 反射板無し 反射板有り 触媒J(ハニカム担体) 75ppm 56ppm 触媒C(ハニクル担体) 35ppm 14ppm 触媒D(ホ−ムセラミック担体) 32ppm 11ppm 表4より明らかなように、光源の背後に反射板を設置す
ることによって光のエネルギ−が有効に利用され格段の
エチレン分解能の向上を計ることができることが裏付け
られた。
【0018】光の反射板の有効性評価試験2 実施例7で得られた触媒Jを3個並べて筒を構成した。
該筒の内部の中心部に、波長が254nmの紫外線を放
出する8Wの東芝社製紫外線殺菌ランプを設置し、16
リッターのガラスケースに載架し、その下方部に大気の
循環用のファンを設置した。このガラスケ−スに99.
6%のエチレン1.6mlを注入し、ガラスケース内の
エチレン濃度を100ppmに調整した。最初の10分
間はファンにより大気を循環させるのみで該ランプを点
燈せず、10分経過した後、該ランプを点灯し、点灯後
60分経過後のエチレン濃度を測定した。さらに、該筒
の外周面にアルミ板からなる反射板を設置して同様の評
価試験を行った。その結果を表5に示す。
【表5】 反射板無し 反射板有り 触媒J(ホ−ムセラミック担体) 4ppm 2ppm 表4および5から明らかなように、触媒を光源の周りに
設置することによって、より光エネルギ−が有効に利用
されエチレン分解能が向上していることが裏付けられ、
光の透過性の良い三次元網状構造体を有するフォ−ムセ
ラミックス担体にはその背後に反射板を設けることによ
り、光エネルギ−の利用率を向上させることができエチ
レン分解能を増進させることができることが裏付けられ
た。
【0019】以下に担体の色が白色であることによる利
点を明らかにする。 比較例4 0.5mmの厚さのパイレックスガラスを50mm×1
50mmに切断し担体Xを作成した。イオン交換水10
0重量部に酸化チタン粉末(日本アエロジル社製P−2
5)20重量部を超音波で均一に混合分散しスラリ−を
調整した。該スラリ−を前記担体Xにスプレ−コ−トし
た後、150℃の温度で3時間乾燥し酸化チタンを2m
g/cm2担持した触媒eを調整した。 比較例5 担体Xにカ−ボン蒸着をほどこし板上に黒体を塗布し光
の反射をなくした担体Yを調整し、以下実施例8と同様
にして触媒fを得た。 実施例8 担体Xにシリカアルミナを担持し、白色担体Zを調整
し、以下実施例8と同様にして触媒Kを得た。得られた
触媒K並びに触媒eおよびfについて前述のエチレン分
解評価試験を行い、その結果を表6に示す。
【表6】 触媒e 触媒f 触媒K 70ppm 95ppm 48ppm 表6から明らかなように、本発明の白色担体に酸化チタ
ンを担持した白色触媒Kが優れたエチレン分解能を有す
ることが裏付けられた。
【0020】つぎに、焼成温度が耐水性におよぼす影響
について検討する。 実施例9 実施例1において、400セルのコ−ジライトハニカム
担体について同様に2回担持したものを焼成温度を15
0℃で6時間、焼成温度を500℃で1時間、焼成温度
を600℃で1時間、焼成温度を700℃で1時間、焼
成温度を900℃で1時間それぞれ行い、触媒L〜Pを
得た。得られた触媒L〜Pについて前述のエチレン分解
評価試験を湿度を変化させて行った。その結果を表7に
示す。
【表7】 湿 度 15% 60% 95% 対照 触媒L(焼成温度150℃) 33ppm 43ppm 47ppm 実施例 触媒M(焼成温度500℃) 25ppm 32ppm 30ppm 実施例 触媒N(焼成温度600℃) 24ppm 28ppm 28ppm 対照 触媒O(焼成温度700℃) 33ppm 40ppm 41ppm 対照 触媒P(焼成温度900℃) 64ppm 68ppm 59ppm 表7から明らかなように、焼成温度を500〜650
℃、好ましくは520〜600℃の温度で行った本発明
の触媒は優れた耐湿度特性を持つ、すなわち高い湿度環
境においても高いエチレン分解能を維持できることが裏
付けられた。
【0021】
【発明の効果】本発明のエチレンの分解触媒は、従来の
エチレンの分解触媒と比べて、エチレンの分解能が大幅
に高く、耐水性に富み湿度の高い苛酷な環境下でも優れ
たエチレン分解性能を発揮するという顕著な効果を奏す
る。したがって、湿度が高い状態で貯蔵されている青果
物から発生するエチレンを効率よく除去することがで
き、青果物の鮮度の保持期間を延ばすことに寄与するこ
とができる。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 100〜500オングストロームの結晶
    粒子径を有する酸化チタン微粒子を反応ガスおよび光が
    通過可能なハニカム構造または三次元網状構造をもつ白
    色多孔質担体にシリカ系バインダーまたはそれと同程度
    の光透過性をもつバインダーを用いて担持させ500〜
    650℃の温度で焼成したことを特徴とする耐水性白色
    エチレン分解触媒。
  2. 【請求項2】 白色多孔質担体がコージライト、アルミ
    ナ、シリカアルミナ、チタニアシリカ、ゼオライトもし
    くはセピオライトからなる白色無機質担体であることを
    特徴とする請求項1記載の耐水性白色エチレン分解触
    媒。
  3. 【請求項3】 ハニカム構造体がセラミック繊維のシ−
    ト状集合体により構成されていることを特徴とする請求
    項1または2記載の耐水性白色エチレン分解触媒。
  4. 【請求項4】 酸化チタン微粒子が150〜300オン
    グストロームの結晶粒子径を有する請求項1、2または
    3記載の耐水性白色エチレン分解触媒。
  5. 【請求項5】 バインダーがシリカ系バインダーである
    請求項1、2、3または4記載の耐水性白色エチレン分
    解触媒。
  6. 【請求項6】 バインダーが触媒成分の重量の10〜3
    0%の量である請求項1、2、3、4または5記載の耐
    水性白色エチレン分解触媒。
  7. 【請求項7】 粒径100〜500オングストロームの
    酸化チタン微粒子と、酸化チタンの重量の10〜30%
    のシリカ系バインダーまたはそれと同程度の光透過性を
    持つバインダーと水とを混合しスラリー液を調整し、該
    スラリー液に光が通過可能なハニカム構造または三次元
    網状構造をもつ白色多孔質担体を浸漬し、余剰のスラリ
    ーを除去した後、550〜600℃の温度で焼成するこ
    とを特徴とする耐水性白色エチレン分解触媒の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 光源、請求項1、2、3、4、5または
    6記載の厚さ5〜40mmの耐水性白色エチレン分解触
    媒および前記エチレン分解触媒からみて光源とは反対側
    に設けられた反射板よりなることを特徴とするエチレン
    分解装置。
JP35431492A 1992-12-15 1992-12-15 耐水性白色エチレン分解触媒、その製造方法およびエチレン分解装置 Expired - Fee Related JP3352740B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35431492A JP3352740B2 (ja) 1992-12-15 1992-12-15 耐水性白色エチレン分解触媒、その製造方法およびエチレン分解装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35431492A JP3352740B2 (ja) 1992-12-15 1992-12-15 耐水性白色エチレン分解触媒、その製造方法およびエチレン分解装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06178935A JPH06178935A (ja) 1994-06-28
JP3352740B2 true JP3352740B2 (ja) 2002-12-03

Family

ID=18436717

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35431492A Expired - Fee Related JP3352740B2 (ja) 1992-12-15 1992-12-15 耐水性白色エチレン分解触媒、その製造方法およびエチレン分解装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3352740B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3798060B2 (ja) * 1996-04-05 2006-07-19 松下エコシステムズ株式会社 光触媒粒子の担持方法
TWI481498B (zh) * 2013-12-27 2015-04-21 Plastics Industry Dev Ct 蔬果保鮮材料及其製造方法
JP6893779B2 (ja) * 2016-12-14 2021-06-23 エヌ・イーケムキャット株式会社 無機酸化物粒子担持構造担体の製造方法
JP2018167151A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 日東電工株式会社 多孔質フィルタ、気体浄化装置および気体浄化方法。

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06178935A (ja) 1994-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101994361B1 (ko) 오존분해용 촉매구조체, 이를 이용한 공기정화방법, 및 상기 오존분해용 촉매구조체를 포함한 공기정화장치 및 공기정화시스템
US8709341B2 (en) System for purifying air through germicidal irradiation and method of manufacture
US20090041632A1 (en) Air Purifier System and Method
EP1040870A2 (en) Noble metal based catalyst functioning at ordinary temperature and method for destroying noxious gaseous compounds using the same
JP3488496B2 (ja) 耐被毒脱臭光触媒
CN115279487A (zh) 用于制造光催化装置的方法、光催化装置、光催化组合物和气体去污染设备
JP3352740B2 (ja) 耐水性白色エチレン分解触媒、その製造方法およびエチレン分解装置
JP2001187343A (ja) 常温浄化触媒およびその使用方法
JP3554343B2 (ja) シート状エチレン分解触媒およびエチレン分解装置
JP4806108B2 (ja) 脱臭デバイス
JP3722866B2 (ja) 疎水性脱臭材およびその再生方法
JP3227373B2 (ja) 光触媒を用いた空気浄化塗料
JPH0975434A (ja) 光触媒を使用した脱臭剤
JP3499585B2 (ja) エチレン分解光触媒
JP2003024748A (ja) 光触媒性反応装置
JPH0716473A (ja) エチレン分解触媒
JP4780490B2 (ja) 活性炭フィルタ
JPH08173512A (ja) 脱臭素子
KR100333590B1 (ko) 광재생형 탈취제 및 탈취 방법
JP3502412B2 (ja) エチレン分解光触媒ランプおよびエチレン分解装置
JP2000051712A (ja) 光触媒体
RU2465046C1 (ru) Композитный адсорбционно-каталитический материал для фотокаталитического окисления
JP2000210372A (ja) 空気浄化膜及び消臭フィルタ
JPH08243383A (ja) 疎水性脱臭材およびその再生方法
JP2001170497A (ja) 空気浄化触媒

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090920

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090920

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100920

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100920

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110920

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees