JP2018167151A - 多孔質フィルタ、気体浄化装置および気体浄化方法。 - Google Patents

多孔質フィルタ、気体浄化装置および気体浄化方法。 Download PDF

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芳人 福山
卓哉 福村
Takuya Fukumura
卓哉 福村
修治 藤原
Shuji Fujiwara
修治 藤原
里美 後藤
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里美 後藤
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Abstract

【課題】多孔質フィルタについて、圧力損失を高めることなく、高い浄化性能を達成する。【解決手段】多孔質基材および当該多孔質基材の表面に設けられた光触媒層を備えた多孔質フィルタであって、当該多孔質フィルタは、照射光に対する反射率が80%以下であり、 セル数密度が100個/inch2以上であり、厚みが4mm〜15mmである。【選択図】図2

Description

本発明は、多孔質フィルタ、気体浄化装置および気体浄化方法に関する。
光触媒は、セルフクリーニング、空気および水の浄化ならびに多くの他の興味深い用途に展開することができ、注目されている。特に近年は、より一層の浄化効率の向上が求められている。
特許文献1は、ガス状の有害物質の無害化処理に用いられたとき、有害物質に対する分解性能にすぐれしかも圧力損失の少ない光触媒ロ材を開示している。金属製または無機物質製網状体の基材表面に被覆膜状物と微粒子状物との複合体の形態を有する光触媒を担持せしめている。この光触媒ロ材は、テトラアルコキシチタンを加水分解して得られたゾル溶液中にアナターゼ型酸化チタン微粒子を添加し、この原料液を金属製または無機物質製網状体に塗布し、乾燥させた後、300〜800℃の熱処理温度で熱処理することによって製造され、ゾル溶液中に添加されるアナターゼ型酸化チタン微粒子は、テトラアルコキシチタンを加水分解して得られたゾル溶液を400〜580℃の熱処理温度で熱処理して、結晶子径を30〜100nmに調整した微粒子状物が用いられる。
特開2004−160359号公報
特許文献1等の技術においては、光触媒はロ材、すなわち網状のフィルタに担持され、このフィルタを通過する気体などが、光触媒によって浄化される。そこで、気体の通過に伴う圧力損失を抑制しつつ、より浄化効率の高いフィルタが求められている。しかしながら、このようなフィルタを開発するための具体的な指針は未だ提示されていない。
本発明は、圧力損失を抑制しつつ、浄化効率の高い多孔質フィルタおよび気体浄化装置、さらには気体浄化方法を提供する。
本発明の多孔質フィルタは、多孔質基材および当該多孔質基材の表面に設けられた光触媒層を備えた多孔質フィルタであって、当該多孔質フィルタは、照射光に対する反射率が80%以下であり、セル数密度が100個/inch以上であり、厚みが4mm〜15mmである。
本発明の一態様として、例えば、前記光触媒層を構成する光触媒粒子が、前記多孔質基材の表面に担持される。
本発明の一態様として、例えば、前記セル数密度が300個/inch以下である。
本発明の一態様として、例えば、多孔質フィルタが気体浄化用フィルタである。
本発明の一態様として、例えば、光源と、多孔質フィルタとを備えた気体浄化装置がある。
本発明の一態様として、例えば、照射光を照射しつつ、多孔質フィルタに気体を流す工程を含む、気体浄化方法がある。
本発明によれば、多孔質フィルタについて、照射光に対する反射率、セルの数密度、厚みを調整することにより、圧力損失を高めることなく、高い浄化性能を達成し得る。
図1は、本発明の一実施形態の多孔質フィルタを含む気体浄化装置の模式図を示し、(a)は多孔質フィルタの斜視図、(b)は光源と多孔質フィルタとを有する気体浄化装置を示す。 図2は、実験結果を表すグラフを示し、(a)は多孔質フィルタの厚みに対する光取り込み率を示し、(b)は多孔質フィルタの反射率に対する光取り込み率を示し、(c)は多孔質フィルタのセル数密度に対する光取り込み率を示す。
図1は、本発明の一実施形態の多孔質フィルタおよびこの多孔質フィルタを含む気体浄化装置を模式的に示す模式図である。図1(a)は多孔質フィルタ2の斜視図を示し、縦および横方向に形成されたリブ(壁)2aが互いに垂直に交差し、リブ2aの間には正方形状のセル(穴)2bが形成され、多孔質のハニカム状を呈している。多孔質フィルタ2は多孔質基材と、多孔質基材の表面に形成された光触媒を含む光触媒層とを有する。尚、本明細書における「多孔質フィルタ」とは、面方向に垂直方向に貫通する複数の流路(セル2b)を有するフィルタであり、浄化対象物が流れる各流路の面方向における断面形状は特に限定されないが、四角形、六角形などの多角形、円形、楕円形等が挙げられる。
多孔質基材は、例えばハニカム状に成形されたセラミックス(SiC、アルミナ等の焼結体)の素材より構成されるが、その種類は特に限定されず、金属、樹脂などにより構成してもよい。光触媒層は、リブ2aの表面において、光触媒が層状に塗布されて形成されている。光触媒と多孔質基材の接合の状態例として、光触媒層を構成する光触媒粒子が、多孔質基材の表面に担持されている。光触媒層の形成方法なども特に限定はされない。
図1(b)は光源1と、多孔質フィルタ2とを有する気体浄化装置10を示す。気体浄化装置10は、浄化対象物の典型例である気体を浄化する。光源1は、例えば発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)、有機EL(electroluminescence)等により構成され、所定の波長を有する光を発光し、多孔質フィルタ2に照射する。この照射光Lにより、多孔質フィルタ2の表面の光触媒層が活性化され、多孔質フィルタ2は気体浄化用のフィルタとして効果を発揮する。ただし、光源の種類や、照射光の波長などは特に限定はされない。また、光源1と、多孔質フィルタ2の相対的な位置関係(光源1と多孔質フィルタ2の距離、光源1に対する多孔質フィルタ2の角度等)も特に限定はされない。
気体浄化装置10は、工場、オフィス、家庭、自動車等において、光触媒によって浄化される浄化対象物である排気ガスなどの気体が通過する所定の箇所に設けられる。特に多孔質フィルタ2は厚みTを有しており、厚みの方向は気体の流路であるセル2bが延びる方向である。気体はこの厚み方向に沿って流れ、セル2bの内部を通過する過程で浄化される。一方、光源1からの照射光は、厚み方向に沿って反射しながら進む。すなわち、図1(b)に示すように、光源1に対向する多孔質フィルタ2の表面においては、厚みT=T=0である。厚みTの位置においては、理論上光源1からの照射光の全てが多孔質フィルタ2に照射された後、光の一部が反射されるとともに、一部が吸収され、さらに他の一部が、厚みTの方向に進み、さらに反射、散乱されるとともに、多孔質フィルタ2に吸収される。吸収される照射光が多ければ多いほど、光触媒層が活性化され、気体の浄化性能が向上する。
光触媒層における光触媒の種類は特に限定はされない。また、必要に応じて光触媒の光触媒特性を向上させる助触媒を追加することもできる。特表2015−513306号公報は、光触媒および助触媒の例を開示しており、ここに参照として取り込まれる。
光触媒は、光、例えば紫外線、可視光等への曝露の結果として化学反応を活性化するまたは化学反応速度を変化させることができる任意の材料を含む。一部の実施形態において、光触媒材料は、紫外線または可視光を吸収する無機固体、例えば固体無機半導体、であることがある。一部の材料についての光触媒反応は、前記電磁線吸収によって光触媒の大部分において発生する電子・正孔対から該光触媒の表面で形成される(還元および酸化を行うことができる)反応性化学種に起因することがある。一部の実施形態において、前記光触媒は、標準水素電極と比較して、約1eVから約0eV、約0eVから約−1eV、または約−1eVから約−2eVのエネルギーでの伝導を有する。一部の光触媒は、標準水素電極と比較して、約3eVから約3.5eV、約2.5eVから約3eV、または約2eVから約3.5eV、または約3.5eVから約5.0eVのエネルギーでの価電子帯を有することがある。
一部の光触媒には、酸化物半導体、例えばTiO、ZnO、WO、SnOなど、およびそれらの修飾体が挙げられる。考えられる修飾としては、ドーピングおよび/または担持が挙げられる。他の材料、例えば、複合酸化物(SrTiO、BiVO)および一部の硫化物(CdS、ZnS)、窒化物(GaN)および一部のオキシ窒化物(例えば、ZnO:GaN)も光触媒特性を示し得る。当業者は、固相反応、燃焼、溶媒熱合成、火炎熱分解、プラズマ合成、化学蒸着、物理蒸着、ボールミリングおよび高エネルギー粉砕をはじめとする様々な方法によって、光触媒を合成することができる。
一部の実施形態において、前記光触媒は、酸化物半導体であり得る。一部の実施形態において、前記光触媒は、チタン(Ti)化合物、例えば、酸化、オキシ炭化、オキシ窒化、オキシハロゲン化またはハロゲン化チタンであり得、該チタン化合物には、+1、+2、+3、+4、+5もしくは+6酸化状態もしくは形式電荷、または約+1から約+6、約+2から約+4、約+1から約+2、もしくは約+4から約+6の平均酸化状態もしくは形式電荷を有するチタン化合物または酸化チタンが含まれる。
一部の実施形態において、前記光触媒は、タングステン(W)化合物、例えば、酸化、オキシ炭化、オキシ窒化、オキシハロゲン化またはハロゲン化タングステンであり得、該タングステン化合物には、+1、+2、+3、+4、+5、+6、+7もしくは+8酸化状態もしくは形式電荷、または約+1から約+8、約+4から約+8、約+6から約+8、もしくは約+1から約+4の平均酸化状態もしくは形式電荷を有するタングステン化合物または酸化タングステンが含まれる。
一部の実施形態において、前記それぞれのTiまたはW化合物は、それぞれの酸化物、オキシ炭化物、オキシ窒化物、オキシハロゲン化物、ハロゲン化物、塩、ドープまたは担持化合物であり得る。一部の実施形態において、前記それぞれのTiまたはW化合物は、TiO、WO、Ti(O,C,N):Sn、例えば、Ti:Snのモル比が約90:10から約80:20、約85:15から約90:10、または約87:13であるTi(O,C,N):Snであり得る。一部の実施形態において、前記それぞれのTiまたはW化合物は、ナノ粉末、ナノ粒子、およびまたはそれらを含む層であり得る。一部の実施形態において、前記光触媒には、ZnO、ZrO、SnO2、CeO、SrTiO、BaTiO、In、CuxO、Fe、ZnS、Bi、またはBiVOを挙げることができる。一部の実施形態において、前記光触媒は、TiOを含む。一部の実施形態において、前記光触媒は、アナターゼTiOを含む。一部の実施形態において、前記光触媒は、TiOを含まない。一部の実施形態において、前記光触媒は、TiOを含まない。
助触媒は、光触媒の光触媒特性を向上させる材料を含む。本書類を通して助触媒を一般にT−バインダーとも呼ぶことがある。一部の実施形態において、助触媒は、触媒性能を向上させることができる。例えば、助触媒は、触媒反応の速度を少なくとも約1.2、少なくとも約1.5、少なくとも約1.8、少なくとも約2、少なくとも約3、または少なくとも約5、増加させることができる。触媒反応速度の1つの定量方法としては、アセトアルデヒドなどの有機化合物の分解速度の判定を挙げることができる。例えば、アセトアルデヒドの濃度が、光触媒により1時間後にその元の値の80%に減少された、すなわち20%減少された場合、約2のその触媒反応速度の増加が、結果として、アセトアルデヒドの量を1時間後にその元の値の60%に減少させる、すなわち40%減少させる。触媒反応の速度を、所与の時点、例えば、光触媒反応を開始させた後約0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間または5時間の時点で、組成に起因するアセトアルデヒドなどの化合物の減少として測定することができる。
助触媒である一部の金属酸化物は、Oを還元することが可能であると考えられる。例えば、CeOは、電子移動によってOガスを還元することができると考えられる。そうする場合、Ce3+は、電子をOに移動し、結果としてCe4+に転化されると考えられる。光触媒組成物中の光触媒は、電子をCeO2に移動させ、かくしてCe4+をCe3+に転化させることができ、その後、そのCe3+はOを還元することができる。Ce3+は、CeOおよびOと、スーパーオキシドラジカルイオン(O ・−)とに関わる平衡プロセスの結果として存在することもある。かかる平衡プロセスにおけるOおよびスーパーオキシドラジカルイオンは、固体CeO表面に吸着されることもあり、または大気中に存在することもある。意図的に添加されることもあり、不純物として存在することもある、異なる酸化状態のセリウム化学種との酸化・還元反応の結果として、Ce3+が存在することもある。
本発明者らは、酸化タングステンと併用でのCeOは、これらの材料の相対バンド位置のため、有用であるだろうと考える。さらに、CeOの屈折率が酸化タングステンと実質的に同じ、約90%から約110%、であることは、注目に値する。別の実施形態では、約95%から約105%である。一部の実施形態では、前記光触媒組成物の高い透明度により、約50%、60%、65%および/または70%より高い透明度の組成物/層/要素を得ることができる。屈折率整合による低い散乱損失は、透明組成物に直接寄与する。
気体浄化装置10の浄化性能を向上させるためには、多孔質フィルタ2の厚みを増加させ、吸収される照射光を増やす手法が考えられる。しかしながら、多孔質フィルタ2の厚みを増加させると、気体が通過する際の圧力損失が増加し、気体を送出するためにより多くのエネルギーが必要となるため、多孔質フィルタ2の厚みを制限なく増加させることは好ましくない。そこで発明者は、多孔質フィルタ2による照射光の吸収量を増やすための要因について検討した結果、多孔質フィルタ2の厚みに加え、多孔質フィルタ2の照射光の反射率、セル2bの単位面積当たりの数であるセルの数密度(セル数密度、セルサイズとも言う)に着目するに至った。そして、これらのパラメータを適宜調整することにより、優れた性能を有する多孔質フィルタ2、気体浄化装置10を着想した。
多孔質フィルタ2の厚みに関わらず、吸収される照射光が多いほど、言い換えると照射光に反射率が小さいほど、光触媒がより活性化し、多孔質フィルタ2の性能は向上すると考えられる。また、セル数密度が大きいほど、通過する気体が光触媒層に接触する接触率が高くなり、多孔質フィルタ2の性能は向上すると考えられる。
(実施例)
着想について更に具体化するため、発明者は、照明設計ソフトウェアLightTools(登録商標)を用いて光線追跡シミュレーションを行い、光源からの照射光のうち、厚み30mmの多孔質フィルタのセル内に取り込む割合を示す光取り込み率を算出した。光源はLEDを用い、光源と多孔質フィルタとの距離は30mmとした上で、図1(b)に示すように、光源に対し多孔質フィルタを水平になるように配置した。また、光源からの照射光の拡がり角度は120°、照射稿のパワーIは1Wに設定した。この設定下で、照射光は、多孔質フィルタの上面(図1(b)の厚みTの位置)の中央に対し、2500000本の光線本数をもって照射するようにした。
下記表1のように、フィルタ上面から厚み方向に向かってそれぞれの位置にフィルタ面サイズの受光器を置き、フィルタ上面からの照射光だけを受光するようにセットし、セル内の光取り込み率を定義した。尚、多孔質フィルタの開口率(多孔質フィルタの全平面面積に対するセルの面積の占める割合)は64%に設定した。
Figure 2018167151
シミュレーションは、1)反射率を変えたサンプルでの比較、2)セル数密度を変えたサンプルでの比較、3)厚みを変えたサンプルでの比較を行った。以下、シミュレーションにおける計算方法について説明する。
1)サンプル毎に反射率を変えた検討では、多孔質フィルタを完全散乱でモデル化し、反射率が30%〜95%の時、100%で伝播させて近接スペキュラー割合47%をcos20乗でモデル化した。多孔質フィルタのセル数密度は334個/inchとした。多孔質フィルタの厚みを7mmとするため、多孔質フィルタの上面からの受光器の位置7mmの光取り込み率を評価値とした。
2)サンプル毎にセル数密度を変えた検討では、多孔質フィルタを完全散乱でモデル化し、反射率が36%の時、100%で伝播させて近接スペキュラー割合47%をcos20乗でモデル化した。多孔質フィルタのセル数密度は13〜334個/inchとした。多孔質フィルタの厚みを7mmとするため、多孔質フィルタの上面からの受光器の位置7mmの光取り込み率を評価値とした。
3)サンプル毎に厚みを変えた検討では、多孔質フィルタを完全散乱でモデル化し、反射率が36%の時、100%で伝播させて近接スペキュラー割合47%をcos20乗でモデル化した。多孔質フィルタのセル数密度は334個/inchとした。多孔質フィルタの上面からの受光器の位置3〜30mmのそれぞれの位置での光取り込み率を評価値とした。
以下、表2は、得られたサンプルのうちの実施例1〜12の結果、表3は比較例1〜6の結果を示す。
Figure 2018167151
Figure 2018167151
図2は、多孔質フィルタの種々のパラメータに対する光取り込み率(%)の挙動を示すグラフであり、表1の実施例、表2の比較例から代表的なものをプロットしたものである。光取り込み率は、図1(b)の厚みTの位置において得られる光源の照射光の光量に対する取り込んだ割合である。図2(a)は、多孔質フィルタの厚みに対する光取り込み率を示し(反射率:36%、セル数密度:334/inch)、図2(b)は、多孔質フィルタの反射率に対する光取り込み率を示し(セル数密度:334/inch、厚み:7mm)、図2(c)は、多孔質フィルタのセル数密度に対する光取り込み率を示す(反射率:36%、厚み:7mm)。
図2(a)から、点線で示す厚みが4mm〜15mmの範囲において、十分な光取り込み率(90%以上)が得られていることが理解される。多孔質フィルタの厚みを4mm〜15mmに設定することにより、厚みの増大に伴う圧力損失を抑制しつつ、実用に適した光取り込み率、すなわち浄化効率を得ることが可能となる。
図2(b)から、点線で示す照射光に対する反射率が80%以下の範囲において、十分な光取り込み率(90%以上)が得られていることが理解される。多孔質フィルタの反射率を80%以下に設定することにより、照射光を十分に取り込み、実用に適した光取り込み率、すなわち浄化効率を得ることが可能となる。
図2(c)から、点線で示すセルの数密度が100個/inch以上の範囲において、十分な光取り込み率(90%以上)が得られていることが理解される。多孔質フィルタのセルの数密度を100個/inch以上に設定することにより、セルを通過する気体の光触媒層に接触する割合を高め、実用に適した光取り込み率、すなわち浄化効率を得ることが可能となる。尚、加工の難易度を下げ、コストを下げるため、セルの数密度を300個/inch以下に設定してもよい。
上述した様に、多孔質フィルタは気体浄化用フィルタとして好ましく用いられる。そして、種々の光源と、多孔質フィルタとの組み合わせにより、気体浄化装置が提供される。また、照射光を照射しつつ、多孔質フィルタに気体を流す工程により、気体浄化方法が得られる。
尚、反射率を低くするため、光触媒層を厚く形成することにより、光触媒層を透過して多孔質基材で反射する光を減らすことが考えられるが、厚みを大きくするほど、光触媒層を均一にコーティングすることが難しくなると考えられる。上述の結果から、反射率を80%以下に抑えられる条件ならば、厚みを大きくする必要がない。
また、光触媒層の厚みを抑えることにより、圧力損失を抑えることができるが、多孔質フィルタを素通りする光が増える。ここで、上述の結果から、多孔質フィルタの厚みを4〜15mmに設定することにより、光触媒層の厚みが光の取り込み率に与える影響はほぼなくすことができる。
尚、多孔質フィルタを構成する多孔質基材は、ランダムな多孔質基材を除く概念を意味し、セルが所定の規則に従って配列された基材を対象としている。例えば実施形態の様にハニカム等の多角柱状のセルが形成された基材が挙げられる。セルは長さ方向(多孔質フィルタの厚み方向)においてテーパー状に形成されてもよく、セルの断面形状が、長さ方向に渡って全て同じ形状である必要はない。浄化効率を向上させるため、照射光は、多孔質フィルタの光入射面から厚み方向の最後の壁面(光入射面の裏側)まで届くことが好ましい。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
本発明によれば、多孔質フィルタの圧力損失を抑えつつ、高い浄化性能を確保することが可能であり、工場等、排気ガスについて高い浄化処理能力が要求される場所において、優れた浄化作用を期待することができる。
1 光源
2 多孔質フィルタ
10 気体浄化装置

Claims (6)

  1. 多孔質基材および当該多孔質基材の表面に設けられた光触媒層を備えた多孔質フィルタであって、当該多孔質フィルタは、
    照射光に対する反射率が80%以下であり、
    セル数密度が100個/inch以上であり、
    厚みが4mm〜15mmである、多孔質フィルタ。
  2. 前記光触媒層を構成する光触媒粒子が、前記多孔質基材の表面に担持された、請求項1に記載の多孔質フィルタ。
  3. 前記セル数密度が300個/inch以下である、請求項1に記載の多孔質フィルタ。
  4. 多孔質フィルタが気体浄化用フィルタである請求項1に記載の多孔質フィルタ。
  5. 光源と、請求項1から4のいずれか1項に記載の多孔質フィルタとを備えた気体浄化装置。
  6. 照射光を照射しつつ、請求項1から4のいずれか1項に記載の多孔質フィルタに気体を流す工程を含む、気体浄化方法。

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