JP3798060B2 - 光触媒粒子の担持方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚れ物質、臭い成分、有機物等を、分解、浄化、無害化、あるいは殺菌に使用される光触媒粒子の担持方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の光触媒粒子の担持方法としては、特開昭57−122950号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
以下、その光触媒粒子の担持方法について図20を参照しながら説明する。図に示すように、基材102の上に水ガラス103を塗布後、水ガラス103を生乾きの状態とする。さらに生乾きの水ガラス103の上に、光触媒粒子101を均一に分散付着させ、300℃30分間焼成し、光触媒粒子101は水ガラス103を介して基材102表面に接着され、光触媒粒子層を形成し基材102に光触媒粒子を担持している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の光触媒粒子の担持方法では、光触媒粒子が水ガラス中に埋没し光触媒粒子の表面が覆われるため、光触媒粒子に光、および汚れ物質、臭い成分、有機物等が到達しないので、光触媒としての活性を損なうという課題があり、光触媒粒子の表面を覆わずに担持することが要求されている。
【0005】
また、全ての光触媒粒子に水ガラスが接することは困難で、接着が不十分で担持強度や耐久性が低いという課題があり、全ての光触媒粒子を確実に接着させ担持強度や耐久性を高くすることが要求されている。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、光触媒粒子の担持方法において、光触媒粒子としての活性を損なうことがなく、また担持強度や耐久性を高めることのできる光触媒粒子の担持方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の光触媒粒子の担持方法は上記目的を達成するために、光触媒粒子と水溶性の塩を、水で分散したものを基材に塗布後乾燥して光触媒粒子層を形成し、この光触媒粒子層に樹脂バインダ混合溶液を塗布後乾燥した後、残留する塩を水洗除去する光触媒粒子の担持方法としたものである。
【0008】
この本発明によれば、光触媒粒子を露出させ、光触媒としての活性を損なうことがない光触媒粒子層を形成する光触媒粒子の担持方法が得られる。
【0009】
また他の手段は、光触媒粒子を水で分散したものを基材に塗布後乾燥して光触媒粒子層を形成し、この光触媒粒子層に水を塗布し光触媒粒子の細孔内に吸着水を吸着させ、次に光触媒粒子層に樹脂バインダ混合溶液を塗布後乾燥させ、光触媒粒子間、および光触媒粒子と基材の間を樹脂バインダで接着する光触媒粒子の担持方法としたものである。
【0010】
この本発明によれば、樹脂バインダ混合溶液の塗布後の乾燥時に光触媒粒子の細孔内の吸着水を蒸発し、樹脂バインダに空隙を生じさせて光触媒粒子を露出させ、光触媒としての活性を損なうことがない光触媒粒子層を形成する光触媒粒子の担持方法が得られる。
【0011】
また他の手段は、光触媒粒子を水溶性樹脂混合水で分散したものを基材に塗布後乾燥して光触媒粒子層を形成し、この光触媒粒子層に樹脂バインダ混合溶液を塗布後乾燥した後、水溶性樹脂を水洗除去する光触媒粒子の担持方法としたものである。
【0012】
この本発明によれば、光触媒粒子を露出させ、水溶性樹脂を水洗除去し光触媒粒子の露出性を持たせ、光触媒としての活性を損なうことがなく、また担持強度や耐久性の高い光触媒粒子層を形成する光触媒粒子の担持方法が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、光触媒粒子と水溶性の塩を、水で分散したものを基材に塗布後乾燥して光触媒粒子層を形成し、この光触媒粒子層に樹脂バインダ混合溶液を塗布後乾燥した後、残留する塩を水洗除去する光触媒粒子の担持方法としたものであり、光触媒粒子層を樹脂バインダで形成した後、光触媒粒子に付着する塩を除去するため、光触媒粒子と樹脂バインダ樹脂の間に空間を生じさせ、バインダが光触媒粒子全体を覆うことを防ぎ樹脂バインダによる触媒毒を最小限にして光触媒粒子を基材に担持することができる。
【0014】
【実施例】
参考例1)
図1〜図4に示すように、光触媒粒子である酸化チタン粒子1は、略Φ10〜30nmの1次粒子2が凝集した構成をしており、酸化チタン粒子1はアナターゼ化するため200〜800℃で焼成している。そして、前記酸化チタン粒子1を水3で分散し、これを基材6に塗布後20〜200℃で乾燥し、光触媒粒子層4を形成する。そして前記光触媒粒子層4に光触媒粒子層4を形成する酸化チタン粒子1に対しシリカ固形分で5〜50重量%、好ましくは5〜30重量%のバインダ混合溶液となるシリカゾル7を塗布浸漬し、その後20〜200℃で乾燥し、前記酸化チタン粒子1間および酸化チタン粒子1と基材6の接点部分にシリカゾル7を乾燥しシリカゾルをゲル化させバインダとなるシリカゲル5とし、さらに200〜500℃でシリカゲル5を焼結して強度を増し、光触媒粒子層4を形成するものである。
【0015】
上記構成により、最初の水3の乾燥で、酸化チタン粒子1だけで骨格を構成し、さらに乾燥時の水3の毛管凝縮で酸化チタン粒子1間を接近させるために、バルクとして細密に充填された光触媒粒子層4を形成し、さらに、この光触媒粒子層4にシリカゾル7を塗布し、この時、酸化チタン粒子1を分散させる必要がないのでシリカゾル7の塗布量は少量で対応でき、酸化チタン粒子1間で作られた空間にシリカゾル7を浸透させ、このシリカゾル7を乾燥させたシリカゲル5で酸化チタン粒子1間の接点部分、および酸化チタン粒子1と基材6の間の接点部分のみを接着させ、この酸化チタン粒子1で作られた空間を保持した状態で酸化チタン粒子1を基材6に担持し、この酸化チタン粒子1間の接点部分、および酸化チタン粒子1と基材6の間の接点部分を少量のシリカゲル5で接着でき、シリカゲル5が酸化チタン粒子1を覆うことによる触媒毒を最小限にして、密着性が良く充分な強度を持ち酸化チタン粒子1を基材6に担持するという作用を有する。
【0016】
なお、参考例では、光触媒粒子にアナターゼ化した酸化チタン粒子を用いたが、酸化チタン粒子にかえて含水酸化チタンやルチル化した酸化チタン粒子を用いてもよく、また、表面に、白金、ルテニウム、パラジウム等の触媒金属を担持した酸化チタン粒子を用いてもよく、光触媒の効果を持った粒子を用いれば何でもよく、その作用効果に差異は生じない。
【0017】
また、バインダをシリカゾルをゲル化させたシリカゲルとしたが、バインダは水ガラス、水酸化ケイソ、アルミナゾル、チタニアゾル、ジルコニアゾル、およびテトラアルコキシシランを加水分解させたゾルを用いてもよく、さらにバインダとして、エポキシ樹脂を用いたがエポキシ樹脂にかえてウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリシロキサン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂塗料であれば何を用いてもよい。
【0018】
また、基材に凹凸を持たせて光触媒粒子と基材の接点を増加させ、光触媒層と基材の密着性を向上させても良い。
【0019】
また、基材にプライマをあらかじめ塗布し、光触媒層と基材の密着性や、基材の耐腐食を向上させても良い。
【0020】
参考例2)
図5〜図7は、酸化チタン粒子1を酸化チタン粒子1に対しシリカ固形分で2.5〜25重量%、好ましくは2.5〜15重量%のシリカゾル7で分散し、これを基材6に塗布後乾燥して光触媒粒子層4を形成し、さらに前記光触媒粒子層4に光触媒粒子層4を形成する酸化チタン粒子1に対しシリカ固形分で2.5〜25重量%、好ましくは2.5〜15重量%のシリカゾル7を塗布後乾燥して、前記光触媒粒子1間、および光触媒粒子1と基材6の間をシリカゲル5で接着する酸化チタン粒子1の担持方法となる。
【0021】
上記構成により、最初にシリカゾル7を乾燥させ、シリカゾル7のシリカ量が少量なため乾燥時の水3の毛管凝縮で酸化チタン粒子1間を接近させるために、バルクとして細密に充填された光触媒粒子層4を形成し、またシリカゾル7を乾燥させたシリカゲル5で、酸化チタン粒子1の接点部分、および酸化チタン粒子1と基材6の間の接点部分の一部を接着させた光触媒粒子層4を形成し、さらにこの光触媒粒子層4にシリカゾル7を塗布し、これを乾燥させたシリカゲル5で光触媒粒子層4の担持強度を増強させるが、すでに光触媒粒子1の一部はシリカゲル5で接着しているため、この酸化チタン粒子1間にシリカゾル7を浸漬させても、膨潤によって光触媒粒子層4が再解離することがなく、この酸化チタン粒子1で作られた空間を保持した状態で酸化チタン粒子1を基材6に担持し、この酸化チタン粒子1間の接点部分、および酸化チタン粒子1と基材6の間の接点部分を少量のシリカゲル5で接着でき、シリカゲル5による触媒毒を最小限にして、密着性が良く充分な強度を持ち酸化チタン粒子1を基材6に担持するという作用を有する。
【0022】
参考例3)
図8および図9は、光触媒粒子層4に光触媒粒子層4を形成する酸化チタン粒子1に対しシリカ固形分で2.5〜25重量%、好ましくは2.5〜15重量%のシリカゾル7を塗布し乾燥することを複数回繰り返して、光触媒粒子1間、および光触媒粒子1と基材6の間をシリカゲル5で接着する酸化チタン粒子1の担持方法となる。
【0023】
上記構成により、シリカゾル7を乾燥させたシリカゲル5で、酸化チタン粒子1の接点部分、および酸化チタン粒子1と基材6の間の接点部分の一部を接着させた光触媒粒子層4を形成し、さらにこの光触媒粒子層4にシリカゾル7を塗布し、これを乾燥させたシリカゲル5で光触媒粒子層4の担持強度を増強させることを繰り返し、光触媒粒子1間にシリカゾル7を浸漬させ、これを乾燥しゲル化させても、一度の作業で塗布するシリカゾル7のシリカ量が少量なため、シリカゾル7がシリカゲル5にゲル化する時の体積収縮による光触媒粒子層4が再解離することがほとんどなく、この酸化チタン粒子1で作られた空間を保持した状態で酸化チタン粒子1を基材6に担持し、この酸化チタン粒子1間の接点部分、および酸化チタン粒子1と基材6の間の接点部分を少量のシリカゲル5で接着でき、シリカゲル5による触媒毒を最小限にして、密着性が良く充分な強度を持ち酸化チタン粒子1を基材6に担持するという作用を有する。
【0024】
参考例4)
図10および図11は、光触媒粒子1を分散剤含有水8で細かく分散し、これを基材6に塗布後乾燥して光触媒粒子層4を形成し、さらに前記光触媒粒子層4に光触媒粒子層4を形成する酸化チタン粒子1に対しシリカ固形分で5〜50重量%、好ましくは5〜20重量%のシリカゾル7を塗布後乾燥する酸化チタン粒子1の担持方法となる。
【0025】
上記構成により、分散剤含有水8で光触媒粒子1を少なくとも1μm以下の粒子径に分散し、最初の分散剤含有水8中の水分を乾燥して、酸化チタン粒子1で骨格を構成する時、乾燥時の水分の毛管凝縮で酸化チタン粒子1間が接近するために、バルクとしてより細密に充填された光触媒粒子層4を形成し、また粒子径が小さくなったことにともない酸化チタン粒子1間の接点部分、および酸化チタン粒子1と基材6の間の接点部分を増加させ、さらにこの光触媒粒子層4にシリカゾル7を塗布して酸化チタン粒子1間で作られた空間にシリカゾル7を浸透させ、このシリカゾル7を乾燥させたシリカゲル5で増加した酸化チタン粒子1間の接点部分、および酸化チタン粒子1と基材6の間の接点部分を接着させ、この酸化チタン粒子1で作られた空間を保持した状態で酸化チタン粒子1を基材6に担持し、この酸化チタン粒子1間の接点部分、および酸化チタン粒子1と基材6の間の接点部分を少量のシリカゲル5で接着でき、シリカゲル5による触媒毒を最小限にして、密着性が良く充分な強度を持ち、酸化チタン粒子1を基材6に担持するという作用を有する。
【0026】
なお、シリカゾルを塗布後乾燥した後、光触媒層に残留した分散剤を水洗除去してもよく、その作用効果に差異は生じない。
【0027】
(実施例
図12および図13は、光触媒粒子1と水溶性の塩11を、水で分散し、これを基材6に塗布後乾燥して光触媒粒子層4を形成し、さらに前記光触媒粒子層4に樹脂バインダ混合溶液であるエポキシ塗料10を光触媒粒子層4を形成する酸化チタン粒子1に対し樹脂固形分で5〜50重量%、好ましくは5〜20重量%塗布後乾燥した後、残留する塩11を水洗除去する光触媒粒子1の担持方法となる。
【0028】
上記構成により、最初の水3の乾燥で、酸化チタン粒子1で光触媒粒子層4を形成し、この酸化チタン粒子1には塩11が付着しており、さらにこの光触媒粒子層4にエポキシ塗料10を塗布して酸化チタン粒子1間で作られた空間にエポキシ塗料10を浸透させ、このエポキシ塗料10を乾燥させた樹脂バインダであるエポキシ樹脂12で酸化チタン粒子1間の接点部分、および酸化チタン粒子1と基材6の間の接点部分のみを接着させ、この酸化チタン粒子1で作られた空間を保持した状態で酸化チタン粒子1を基材6に担持し、その後、この光触媒粒子層4を水洗することにより酸化チタン粒子1に付着した塩11を除去し、酸化チタン粒子1とエポキシ樹脂12の間に隙間を生じさせ、エポキシ樹脂12による触媒毒を最小限にして、酸化チタン粒子1を基材6に担持するという作用を有する。
【0029】
なお、樹脂バインダにエポキシ樹脂を用いたがエポキシ樹脂にかえてウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリシロキサン樹脂、フッ素樹脂の樹脂塗料であれば何を用いてもよく、その作用効果に差異を生じない。
【0030】
(実施例
図14は、光触媒粒子1を水3で分散し、これを基材6に塗布後乾燥して光触媒粒子層4を形成し、さらに前記光触媒粒子層4に水3を塗布し光触媒粒子1の細孔内に吸着水13を吸着させ、次に光触媒粒子層4に樹脂バインダ混合溶液となるエポキシ塗料10を塗布後乾燥して、光触媒粒子1間、および光触媒粒子1と基材6の間をエポキシ塗料10で接着する光触媒粒子1の担持方法となる。
【0031】
上記構成により、エポキシ樹脂12を樹脂バインダとして、酸化チタン粒子1の接点部分、および酸化チタン粒子1と基材6の間の接点部分の一部を接着させた光触媒粒子層4を形成するが、エポキシ塗料10を乾燥させる時、光触媒粒子1内に吸着させた吸着水13も乾燥し、エポキシ樹脂12に細孔を形成し、また光触媒粒子1とエポキシ樹脂12の間に隙間を生じさせ、エポキシ樹脂12による触媒毒を最小限にして、酸化チタン粒子1を基材6に担持するという作用を有する。
【0032】
なお、樹脂バインダにエポキシ樹脂を用いたがエポキシ樹脂にかえてウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリシロキサン樹脂、フッ素樹脂の樹脂塗料であれば何を用いてもよく、その作用効果に差異を生じない。
【0033】
(実施例
図15および図16は、光触媒粒子1を酸化チタン粒子1に対し樹脂固形分で2.5〜25重量%、好ましくは2.5〜15重量%の水溶性樹脂混合水であるポリビニルアルコール混合水14で分散し、これを基材6に塗布後乾燥して光触媒粒子層4を形成し、さらに前記光触媒粒子層4に樹脂バインダ混合溶液であるエポキシ塗料10を光触媒粒子層4を形成する酸化チタン粒子1に対し樹脂固形分で5〜50重量%、好ましくは5〜20重量%塗布後乾燥した後、水溶性樹脂であるポリビニルアルコール15を水洗除去する光触媒粒子1の担持方法となる。
【0034】
上記構成により、最初にポリビニルアルコール混合水14の水分を乾燥させ、ポリビニルアルコール15で酸化チタン粒子1の接点部分、および酸化チタン粒子1と基材6の間の接点部分の一部を接着させた光触媒粒子層4を形成し、さらにこの光触媒粒子層4にエポキシ塗料10を塗布し、これを乾燥させたエポキシ樹脂12で光触媒粒子層4の担持強度を増強させるが、すでに光触媒粒子1の一部はポリピリビニルアルコール15で接着しているため、この酸化チタン粒子1間にエポキシ塗料10を浸漬させても、膨潤によって光触媒粒子層4が再解離することがなく、この酸化チタン粒子1で作られた空間を保持した状態で酸化チタン粒子1を基材6に担持し、この酸化チタン粒子1間の接点部分、および酸化チタン粒子1と基材6の間の接点部分を少量のエポキシ樹脂12で接着でき、エポキシ樹脂12による触媒毒を最小限にして、酸化チタン粒子1を基材6に担持するという作用を有する。
【0035】
なお、水溶性樹脂にポリビニルアルコールを用いたがポリビニルアルコールにかえて水分乾燥時に固化する水溶性樹脂であれば何を用いてもよく、その作用効果に差異を生じない。
【0036】
参考
図17〜図19は、光触媒粒子1と、水に不溶な高沸点有機化合物であるイソフタロニトリル16を前記イソフタロニトリル16を可溶な有機溶剤17で分散し、これを基材6に塗布後乾燥して光触媒粒子層4を形成し、さらに光触媒粒子層4に無機系バインダ混合溶液であるシリカゾル18を塗布後乾燥し、光触媒粒子1間、および光触媒粒子1と基材6の間を無機系バインダであるシリカゲル19で接着して光触媒粒子層4を形成する光触媒粒子1の担持方法となる。
【0037】
上記構成により、最初に光触媒粒子1とイソフタロニトリル16を有機溶剤17で分散し、これを基材6に塗布後、有機溶剤17を乾燥し、光触媒粒子1の細孔内にイソフタロニトリル16を保持させて光触媒粒子層4を形成し、さらにこの光触媒粒子層4にシリカゾル18を塗布後乾燥して、酸化チタン粒子1間で作られた空間にシリカゾル18浸透後、このシリカゾル18をゲル化させシリカゲル19とし、酸化チタン粒子1間の接点部分、および酸化チタン粒子1と基材6の間の接点部分を接着させ、また150〜400℃の温度でこの光触媒粒子層4を乾燥し、イソフタロニトリル16を蒸発させ、この酸化チタン粒子1の表面をより露出させた状態で酸化チタン粒子1を基材6に担持し、シリカゲル19による触媒毒を最小限にして、密着性が良く充分な強度を持ち、酸化チタン粒子1を基材6に担持するという作用を有する。
【0038】
なお、イソフタロニトリルの代わりに、アニリン、キニーネ、アセトフェノンなど沸点が150〜250℃の高沸点有機化合物を用いてもよく、その作用効果に差異は生じない。
【0039】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、光触媒粒子を露出させ、光触媒としての活性を損なうことが少ないという効果のある光触媒粒子の担持方法を提供できる。
【0040】
また、担持強度や耐久性の高い光触媒粒子層を形成することのできる光触媒粒子の担持方法を提供できる。
【0041】
また、光触媒粒子を塗布するという簡便な方法で光触媒粒子層を形成することができる光触媒粒子の担持方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1の光触媒粒子層の断面図
【図2】 同光触媒粒子の分散時の断面図
【図3】 同光触媒層の形成後の断面図
【図4】 同光触媒粒子層のバインダ混合溶液塗布後の断面図
【図5】 参考例2の光触媒粒子のバインダ混合溶液分散時の断面図
【図6】 同光触媒粒子層の形成後の断面図
【図7】 同バインダ混合溶液塗装時の断面図
【図8】 参考例3の光触媒粒子層の形成後の断面図
【図9】 同バインダ混合溶液塗装時の断面図
【図10】 参考例4の光触媒粒子層の塗装時の断面図
【図11】 同形成後の断面図
【図12】 発明の実施例の樹脂バインダ混合溶液塗布時の断面図
【図13】 同光触媒粒子層の断面図
【図14】 同発明の実施例の光触媒粒子層の断面図
【図15】 同発明の実施例の水溶性樹脂混合水塗布時の断面図
【図16】 同光触媒粒子層の断面図
【図17】 参考の触媒粒子の分散時の断面図
【図18】 同無機バインダ混合溶液塗布時の断面図
【図19】 同光触媒粒子層の断面図
【図20】 従来の光触媒粒子層の断面図
【符号の説明】
1 酸化チタン粒子
3 水
4 光触媒粒子層
5 バインダ
6 基材
7 バインダ混合溶液
8 分散剤含有水
10 樹脂バインダ混合溶液
11 塩
12 樹脂バインダ
13 吸着水
14 水溶性樹脂混合水
15 水溶性樹脂
16 高沸点有機化合物
17 有機溶剤
18 無機系バインダ混合溶液
19 無機系バインダ

Claims (3)

  1. 光触媒粒子と水溶性の塩を、水で分散したものを基材に塗布後乾燥して光触媒粒子層を形成し、この光触媒粒子層に樹脂バインダ混合溶液を塗布後乾燥した後、残留する塩を水洗除去する光触媒粒子の担持方法。
  2. 光触媒粒子を水で分散したものを基材に塗布後乾燥して光触媒粒子層を形成し、この光触媒粒子層に水を塗布し光触媒粒子の細孔内に吸着水を吸着させ、次に前記光触媒粒子層に樹脂バインダ混合溶液を塗布後乾燥させ、前記光触媒粒子間、および前記光触媒粒子と前記基材の間を樹脂バインダで接着する光触媒粒子の担持方法。
  3. 光触媒粒子を水溶性樹脂混合水で分散したものを基材に塗布後乾燥して光触媒粒子層を形成し、この光触媒粒子層に樹脂バインダ混合溶液を塗布後乾燥した後、水溶性樹脂を水洗除去する光触媒粒子の担持方法。
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