JP4431700B2 - 一酸化炭素除去用触媒及び該触媒を用いた一酸化炭素除去方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機物燃焼ガス中の一酸化炭素除去用触媒、及び該触媒を用いた一酸化炭素を含有する有機物燃焼ガスからの一酸化炭素除去方法に関する。
一酸化炭素は、一般に有機物が不完全燃焼を起こすことにより発生するガスである。毒性が非常に強く、生活環境の空気中に存在する場合には、人体に深刻な影響を及ぼすので、常温触媒または吸着剤等による効果的な除去技術の開発が強く求められている。日常的な一酸化炭素の発生源としては、喫煙および自動車等の排気ガスがある。また、火災、ガス漏れ、ボイラーや暖房器具のトラブルによる不完全燃焼の際には高濃度かつ大量の一酸化炭素が空気中に放散される。
非常時の高濃度一酸化炭素除去技術としては防毒マスクがある。防毒マスク用の一酸化炭素吸収缶の必要性能はJISに定められており(JIS T 8152 防毒マスク)、一酸化炭素を1%の濃度で含む空気を30L/minで流通し、出口での一酸化炭素濃度を所定時間(隔離式防毒マスクでは180分以上、直結式あるいはマウスピース型では30分)の間、50ppm以下に保持する必要がある。
これらの条件を満たす触媒としては、ホプカライト(銅-マンガン系複合酸化物)が知られており、吸湿剤と共に一酸化炭素吸収缶の中に充填されて使用されている。ホプカライトは常温で一酸化炭素を二酸化炭素に酸化できる触媒であるが、1%付近の高濃度領域に比べ0.2〜0.3%付近の濃度領域では性能が大きく低下し、湿気により著しく活性が失われるため、開封直後にしか使用できないという欠点がある。
一方、受動喫煙の防止を定めた「健康増進法」が平成15年5月に施行されたこと等を契機として、喫煙により発生する比較的低濃度の一酸化炭素が、近年大きな問題となっている。例えば、室内空気における一酸化炭素の濃度環境基準として、職場としての事務所においては、事務所衛生基準規則(労働安全衛生法)により、50ppm以下と定められている。また、空調機のある事務所においては、供給空気の清浄度の基準として、一酸化炭素濃度については10ppm以下と定められている。特に、職場における喫煙対策に関しては、「職場における喫煙対策のためのガイドライン」(労働省平成8年2月)の中で、事務所衛生基準規則に準じて、空気環境の測定を行い、一酸化炭素の濃度が10ppmの基準値以下となるよう必要な措置を講ずることとされている。
喫煙により発する有害ガス成分のうち、最も量の多いのが一酸化炭素であるが、既存の空気清浄機では、一酸化炭素を除去することが全くできない。これは、従来技術において、低濃度から高濃度の広い濃度範囲にわたり、一酸化炭素を効果的に除去できる触媒および吸着剤が存在しなかったためである。
前述したように、金属酸化物のみから構成されるホプカライトは、高濃度の一酸化炭素を処理する場合にのみ有効である。一方、白金、パラジウムなどの貴金属触媒は、200℃以上の加熱条件下において、一酸化炭素を連続的に酸化除去することが出来るが、常温付近で高濃度の一酸化炭素に接触させる場合には、貴金属表面への一酸化炭素の強吸着による自己被毒のため、直ちに失活してしまう。
これに対し、本発明者らは、金ナノ粒子を酸化物表面に担持した触媒(以後、簡単のために「金ナノ粒子触媒」と呼ぶ)が、実空気中で一酸化炭素を10〜10000ppmの広い濃度範囲で酸化除去できることを報告した(非特許文献1)。同時に、金ナノ粒子触媒の活性は、初期においては非常に高いが、空気中で次第に劣化することも明らかになった。
桜井、坪田、春田、第91回触媒討論会要旨集A、1P12(2003)、2003年3月発行
本発明者らは、引き続き研究を行った結果、アルカリ多孔質体を金ナノ粒子触媒と混合して用いることにより、触媒寿命が大幅に改善できることを見出している。本発明者らは、この知見に基づく特願2002-355792を出願中である。
しかしながら、喫煙中のタバコから発生するガスを金触媒に接触させた場合、金ナノ粒子触媒の活性は、上記の空気中での劣化よりもはるかに早く劣化する。そのため、アルカリ多孔質体を金ナノ粒子触媒と混合する方法は、もちろんタバコ燃焼ガスに対しても有効ではあるが、空気清浄機として長期間用いるためには、さらなる触媒の長寿命化が要求される。
この理由として、タバコ燃焼ガスの中には一酸化炭素の他にも、数千種以上に及ぶ化学成分が含まれ、硫化水素等の硫黄系化合物、シアン化水素等の酸性化合物、クロロベンゼン等の塩素系化合物など、微量でも金触媒の被毒物質として作用することが知られる化合物も多数含まれることが大きな原因として考えられた。
これらの被毒物質は、種類によりタバコ燃焼ガス中に含まれる濃度が異なり、さらに物質ごとに同じ量でも触媒に対する被毒の効果が異なるため、どの物質が実質的に最も寿命を短くしている原因となっているかを解明することは容易ではない。
本発明者らは、タバコ燃焼ガスを予めフィルターで処理して被毒物質を除去したガスを金ナノ粒子触媒に接触させることで、触媒の一酸化炭素除去性能を長期に亘り維持させること(長寿命化)を意図してフィルターの探索を行った。特願2002-355792におけるアルカリ多孔質体として最も効果的であった、酸性ガス吸着用アルカリ添着活性炭は、フィルターとしても効果は認められるが、その効果は必ずしも充分でなかった。フィルター通過後、あるいは触媒通過後のガス組成の分析を行い、触媒寿命との相関性を調べたところ、タバコ燃焼ガスに特有の成分との相関は見出すことができなかったが、意外にも二酸化炭素が良く除去できている場合に触媒寿命が長くなることを見出した。
二酸化炭素は、有機物の燃焼ガス一般に必ず含まれ、通常空気中であっても300〜500ppm程度存在し、また金ナノ粒子触媒による一酸化炭素除去反応の生成物でもあるので、除去しようとする一酸化炭素の濃度が高い場合にはそれに応じて多く生成する。
これまでに、二酸化炭素のみの効果によって金触媒の一酸化炭素除去の寿命が短くなるという明確な報告はなされていない。そこで、純窒素と純酸素の混合による合成空気に、純一酸化炭素を加えたモデルガスを用い検証したところ、モデルガスに対し更に二酸化炭素と水の両方を加えた場合に、触媒の寿命が著しく短くなることが確認された。
従って、本発明は、被処理ガスから二酸化炭素と水の両方を除去することにより、金ナノ粒子触媒の失活を効果的に抑制して長期に渡り一酸化炭素を効率的に除去する方法を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために、鋭意研究を行った結果、有機物燃焼ガス(一酸化炭素を含む気体)を、一旦、二酸化炭素と水分除去剤で処理した後、金ナノ粒子触媒と接触させた場合に、触媒の寿命を大幅に延長できることを見出した。また、一旦、金ナノ粒子触媒と二酸化炭素と水分除去剤とを混合し、これに有機物燃焼ガスを接触させた場合も、触媒寿命を顕著に延長できることを見出した。さらに、フィルターとしてはゼオライトが最も有効に用いられることを見出した。
本発明者は、かかる知見に基づきさらに研究を行った結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の一酸化炭素除去方法を提供する。
有機物燃焼ガスを、二酸化炭素及び水除去剤と接触させた後、処理後の気体を、平均粒子径が25nm以下の金粒子が金属酸化物に担持された金ナノ粒子触媒と接触させることを特徴とする、有機物燃焼ガスからの一酸化炭素除去方法。
有機物燃焼ガスを、平均粒子径が25nm以下の金粒子が金属酸化物に担持された金ナノ粒子触媒と、二酸化炭素及び水除去剤との混合物に接触させることを特徴とする、有機物燃焼ガスからの一酸化炭素除去方法。
.二酸化炭素及び水除去剤が、細孔径0.4nm以上のゼオライトである項1又は2
記載の一酸化炭素除去方法。
.金ナノ粒子触媒の温度が、室温〜100℃の範囲である項1〜のいずれかに記載
の一酸化炭素除去方法。
.さらに金ナノ粒子触媒に光照射する項に記載の一酸化炭素除去方法。
.平均粒子径が25nm以下の金粒子が金属酸化物に担持された金ナノ粒子触媒と、二酸化炭素及び水除去剤とを含有する有機物燃焼ガス中の一酸化炭素除去用触媒。
.二酸化炭素及び水除去剤が、細孔径0.4nm以上のゼオライトである項に記載の
有機物燃焼ガス中の一酸化炭素除去用触媒。
.項6又は7に記載の有機物燃焼ガス中の一酸化炭素除去用触媒を含有するフィルター。
.顆粒状、ハニカム状、ビーズ状、又は繊維状のいずれかの形態を有する項に記載のフィルター。
10.項に記載のフィルターを備えた空気清浄機。
11.項に記載のフィルターを備えた一酸化炭素用防毒マスク。
以下、本発明について詳述する。
I.有機物燃焼ガス中の一酸化炭素除去用触媒
本発明の有機物燃焼ガス中の一酸化炭素除去用触媒は、二酸化炭素及び水除去剤と、平均粒子径が25nm以下の金粒子が金属酸化物に担持された金ナノ粒子触媒とを含有するものであり、二酸化炭素及び水除去剤と該金ナノ粒子触媒とが一酸化炭素除去に際し併用される形態を有していれば、両者が混合されているか否かにかかわらず、本発明の一酸化炭素除去用触媒に含まれる。
二酸化炭素及び水除去剤
本発明で用いられる二酸化炭素及び水除去剤は、二酸化炭素及び水の除去能力を有するものであれば特に限定はなく、二酸化炭素及び水の両方を除去できる性能を有する化合物(或いは組成物)、及び、二酸化炭素を除去できる性能を有する化合物(或いは組成物)と水を除去できる性能を有する化合物(或いは組成物)とを併用する場合のいずれの意味にも用いられる。二酸化炭素及び水の除去は、冷却方式、物理的吸着剤方式、化学的除去方式などの何れであっても良い。
冷却方式では、カラム中に充填物を詰めて、-80℃程度に冷却したものを、二酸化炭素及び水除去剤として使用する。ここに被処理ガスを通すことで、ガス中の二酸化炭素と水を低温下で凝縮させて除去するものである。充填物としては、例えば、ガラスビーズ、ガラスウール、石英砂等が挙げられるが、限定無く何でも使える。凝縮物でカラムを閉塞させないようにして使用すればよい。充填物を下記の物理吸着剤とした場合は、より除去効率を高めることができる。
物理的吸着剤方式を採用する場合、表面積の大きな多孔質構造中への二酸化炭素及び水の物理吸着現象を利用する。二酸化炭素の吸着量の大きな吸着剤では、一般に水の吸着量も大きい。吸着剤の外見上の形態(マクロ構造)は問わず、粉末状、繊維状、スポンジ状、ハニカム状などいずれの形態でも良い。具体的には、ゼオライト、ピラードクレイ、モレキュラーシービングカーボン、活性炭、カーボンブラック、シリカ、メソポーラスシリカ、アルミナ、酸化鉄、酸化チタン等、又はこれらの混合物が例示される。これらは、特に冷却の必要は無く、室温で使用することができる。この中で、ミクロポア構造を有する無機吸着剤であるゼオライトが、広い濃度範囲の二酸化炭素及び水に対して大きな吸着容量を示し、かつ吸着速度が速いので、最も好ましい吸着剤である。
ゼオライトは、その結晶構造と交換性イオンにより細孔径が異なり、吸着可能な分子のサイズもそれぞれ違ってくる。例えば、A型ゼオライトにおいては、交換イオンの種類を変えてK-A(Kイオン交換A型ゼオライト), Na-A, Ca-Aとすることにより、細孔径を0.3nm, 0.4nm, 0.5nmと変化させることができる。各々通称モレキュラーシーブ3A, 4A, 5Aと呼ばれる。
ここで、Na-A、Ca-A等は水と二酸化炭素の両方が吸着可能であるため、単独で本発明の吸着剤として用いることができる。これに対し、K-Aは水を吸着除去できるが、二酸化炭素は吸着できない。そのため、K-Aは他の二酸化炭素除去剤と組み合わせて用いる必要がある。この場合、二酸化炭素除去剤としては、前述のNa-A, Ca-A, 後述のNa-Xゼオライトや後述の化学的除去剤等、本特許に記載された何れの除去剤を用いても良い。
本発明において、金触媒の前処理フィルターを一段で済ますためには0.4nm以上の細孔径を有するゼオライトが有効に用いられる。例えば、上述したNa-A、Ca-Aが好適である。また、細孔径は0.4nm以上であれば特に限定はなく、1.0nmの細孔径を持つNa-X (Naイオン交換X型ゼオライト;通称モレキュラーシーブ13X)等を用いても良い。Na-Xを用いた場合には、ニコチン等の比較的分子径の大きな極性有機分子の吸着除去も同時に可能であり、Na-A、Ca-Aを用いた場合に比べて、よりプレフィルターとしての効果が高い。
ゼオライトとしては、上述の”モレキュラーシーブ“として市販されているものだけに限定されない。ゼオライトの骨格構造として、上述のA型、X型以外にも、Y型、L型、ZSM-5、モルデナイト、オフレタイト、フェリエライト、クリノプチロライト等、0.4nm以上の細孔径を持つものであれば何でも良い。また、交換イオン種に関しても、通常のイオン交換法により調製可能なイオン種を持つゼオライトであれば特に限定されない。
化学的除去方式においては、弱酸性物質である二酸化炭素を塩基性物質と反応させて除去する。このための塩基性物質としては固体、液体の如何を問わず、吸収容量の大きなものであれば何でも良い。固体状の二酸化炭素吸収剤としては、ソーダ石灰が例示できる(JIS K8603により、20〜30%以上の二酸化炭素吸収量が規定されている)。また、液体での吸収剤としては、例えば、ジエタノールアミン溶液、炭酸カリウム水溶液などが吸収容量の大きなものとして例示される。固体又は液体のいずれかの方法により二酸化炭素を除去した後、水蒸気濃度が通常空気以上に含まれる場合には、別途除湿剤による水除去が必要となる。除湿剤としては、例えば、シリカゲル、塩化カルシウム、五酸化二リン等が例示される。
また、物理的二酸化炭素吸着剤や化学的二酸化炭素吸収剤の多くは、二酸化炭素と水の吸着能力を持ち、水が共存することで、二酸化炭素の吸着能力が低下する。このような場合、両者を混合して用いても良いが、水除去剤(除湿剤)を通した後で二酸化炭素除去剤に通ずる二段の前処理フィルターとすることで、二酸化炭素除去剤の寿命を長くすることができる。この場合の除湿剤として、K-A型ゼオライトやシリカゲル、塩化カルシウム、五酸化二リン等が例示される。
上述の二段構成の前処理フィルターの具体例としては、K-A型ゼオライト(一段目)+Na-X型ゼオライト(二段目)、塩化カルシウム(一段目)+ソーダ石灰(二段目)等が例示できる。
また、別の目的で二段構成の前処理フィルターとすることもできる。例えば、有機物燃焼ガスを対象とした場合、被処理ガス中には各種の有機ガス成分が含まれるので、これらを活性炭で除去した後で二酸化炭素除去剤に通ずる二段の前処理フィルターとすることで、二酸化炭素除去剤の寿命を長くすることができる。この場合、活性炭は疎水性であるため、水除去の役目は主に二段目の二酸化炭素除去剤が同時に負うことになる。このような二段構成の前処理フィルターの具体例としては、活性炭(一段目)+Na-X型ゼオライト(二段目)、活性炭(一段目)+Ca-A型ゼオライト(二段目)、活性炭(一段目)+ソーダ石灰(二段目)等が例示できる。
これらの二酸化炭素及び水除去剤により、一酸化炭素を含有する有機物燃焼ガスから二酸化炭素及び水が効果的に除去される。
金ナノ粒子触媒
本発明で用いる金ナノ粒子触媒とは、金粒子が金属酸化物担体に担持された構造を持つ触媒である。具体的には、ナノサイズの金粒子が金属酸化物担体の表面に均一に担持された構造を持つ触媒である。金粒子の平均粒子径としては、金原子のサイズ以上から25nm程度以下であればよく、好ましくは1〜10nm程度である。金粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡法による測定値である。
金粒子を担持する金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化銅、酸化ランタン、酸化チタン、酸化コバルト、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化ニッケル、酸化クロム、酸化スカンジウム、酸化カドミウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化マンガン、酸化バナジウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、及び酸化ケイ素からなる群から選ばれる単一金属の金属酸化物;亜鉛、鉄、銅、ランタン、チタン、コバルト、ジルコニウム、マグネシウム、ベリリウム、ニッケル、クロム、スカンジウム、カドミウム、インジウム、スズ、マンガン、バナジウム、セリウム、アルミニウム、及びケイ素からなる群から選ばれる2種以上の金属の複合酸化物等を用いることができる。上記した単一金属の金属酸化物及び複合酸化物は、必要に応じて混合して用いることも可能である。
金ナノ粒子触媒における金の含有量は、金ナノ粒子触媒の全量に対して、0.1〜30重量%程度であればよく、金の使用量当たりの触媒活性の点から、0.1〜10重量%程度とするのが好ましい。
金ナノ粒子触媒の形態としては、その使用目的に応じて適宜選択可能であるが、例えば、粉末状、顆粒状、ペレット状、ハニカム状等が挙げられる。そのうち、二酸化炭素及び水除去剤と混合して使用する場合は、均一な混合のしやすさの点から粉末状のものが好ましい。形状が粉末の場合その平均粒径は、0.05〜1mm程度、好ましくは0.05〜0.2mm程度である。
金ナノ粒子触媒の比表面積は、BET法による測定値として、通常1〜800m2/g程度、好ましくは5〜300m2/g程度である。
金属酸化物上に金をナノサイズの粒子として担持する方法としては、以下の公知の方法を採用することができる。
・共沈法(特開昭60-238148号公報等)
・析出沈殿法(特開平3-97623号公報等)
・コロイド混合法(Tsubota S. et al., Catal. Lett., 56 (1998) 131)
・気相グラフティング法(特開平9-122478号公報)
・液相グラフティング法(Okumura M. et al., Chem. Lett., (2000) 396)
出発材料として、次の様な化合物が挙げられる。金の前駆体としては、例えば、金の水溶性化合物(例えば、塩化金酸)、アセチルアセトナト錯体(例えば、金アセチルアセトナト錯体等)等の加熱により気化する化合物が挙げられる。
金属酸化物の原料としては、例えば、各種金属の硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物等が挙げられる。具体的には、硝酸セリウム、硝酸ジルコニウム等の硝酸塩、硫酸チタン等の硫酸塩、塩化セリウム、三塩化チタン、四塩化チタン等の塩化物等が挙げられる。
上記に挙げた公知の方法により、沈澱を析出させた後、沈殿物を水洗し乾燥する。金を最終的に金属の状態にするためには、沈殿物を酸素雰囲気中または還元性ガス中で熱処理すればよい。酸素雰囲気下とは、空気下、あるいは酸素を窒素、ヘリウム、アルゴン等で希釈した混合気体下をいう。還元性ガスとしては、例えば、窒素ガスで希釈した1〜10vol%程度の水素ガス、一酸化炭素ガス等を用いることができる。熱処理温度は、公知の還元条件の範囲から適宜選択すればよく、通常室温〜600℃程度が好ましい。安定かつ微細な金粒子を得るためには、200〜400℃程度がより好ましい。熱処理時間は、例えば、1〜12時間程度が好ましい。
この金ナノ粒子触媒は、一酸化炭素を効率的に二酸化炭素に酸化し得る。
II.一酸化炭素除去方法
本発明の一酸化炭素除去方法は、有機物燃焼ガスを、一酸化炭素除去用触媒、即ち上記の金ナノ粒子触媒と二酸化炭素及び水除去剤で処理することにより行われる。この際、有機物燃焼ガスを両者の混合物と接触させても良いし、また、有機物燃焼ガスを二酸化炭素及び水除去剤で処理した後に金ナノ粒子触媒に接触させてもよい。
予め有機物燃焼ガスに含まれる二酸化炭素と水が高濃度である場合は後者のように、二酸化炭素及び水除去剤をプレフィルターとして用いる方法が有効であるし、更に一酸化炭素濃度が高濃度である場合は、反応により生成する二酸化炭素によって触媒が影響を受けるために、二酸化炭素及び水除去剤を触媒に混合することが有効である。
金ナノ粒子触媒と二酸化炭素及び水除去剤を混合して用いる場合、例えば、粉末状の金ナノ粒子触媒と粉末状の二酸化炭素及び水除去剤とを、公知の方法により混合して製造することができる。例えば、乳鉢、ミキサー等を用いて撹拌、混合すればよい。
本発明の有機物燃焼ガス中の一酸化炭素除去用触媒において、金ナノ粒子触媒と二酸化炭素及び水除去剤の含有比率は任意で良く、明確な一酸化炭素除去効果を得るためには、金ナノ粒子触媒と等量以上の二酸化炭素及び水除去剤を用いることが好ましい。具体的には、金ナノ粒子触媒と二酸化炭素及び水除去剤との重量比が、1:1〜1:100程度であればよい。
本発明の有機物燃焼ガスからの一酸化炭素除去方法では、一酸化炭素、二酸化炭素及び水分を含む有機物燃焼スから、二酸化炭素と水分を効果的に除去することにより、一酸化炭素を二酸化炭素に酸化する金ナノ粒子触媒の失活を抑えて、触媒の長寿命化を図るものである。二酸化炭素は空気中に含まれる分だけでなく、反応により生成する二酸化炭素も対象となる。また、有機物燃焼ガスの場合は、これに加えて種々のガス成分が含まれる。被燃焼有機物としては、特に限定されず、例えば、タバコ、木材、プラスチック、燃料等何でも良い。
具体的に有機物燃焼ガスの成分を列挙すると以下のようになる。
(A)必須ガス成分:一酸化炭素、水蒸気、酸素、窒素等不活性ガス
(B)準必須ガス成分:二酸化炭素(必ずしも有機物燃焼ガスに含まれていなくても一酸化
炭素の触媒酸化反応に伴い生成するものでよい)
(C)追加ガス成分:有機物燃焼の際に生ずるその他ガス成分(メタン、イソプレン、アン
モニア、アセトアルデヒド、窒素酸化物、シアン化水素等)
即ち、本発明の方法は、典型的には、(A)の組成を有するガスから、金ナノ粒子触媒を
用いて一酸化炭素の除去を行う際に用いられ、これにより金ナノ粒子触媒の長寿命化が可能となる。その効果は(B),(C)成分が加わっている場合にも発揮される。
有機物燃焼ガス中の一酸化炭素濃度は、ガス中の酸素濃度(空気の場合には、約20%)に対して化学反応当量(酸素20%に対して40%)以下であれば良い。気体中の二酸化炭素及び水蒸気の濃度は特に限定されない。水蒸気に関しては使用温度において凝縮しない範囲の水蒸気量であれば良い。
触媒反応の温度条件は、触媒の種類、ガス中の一酸化炭素濃度などに応じて適宜選択することが出来るが、金ナノ粒子触媒で安定に一酸化炭素除去反応を行える温度範囲は-70〜350℃程度であって、二酸化炭素及び水蒸気成分の触媒表面への蓄積が問題となりうるのは150℃以下であるから、本発明は-70〜150℃の温度範囲において有効である。
金ナノ粒子触媒は、室温(例えば、10〜30℃程度、以下同じ)で動作させることができる。この場合、加熱の必要がないので、一酸化炭素除去装置等として用いた場合、エネルギー消費を少なくすることができる。これに対し、金ナノ粒子触媒を加熱して用いる場合は、加熱分のエネルギーを要するが、金ナノ粒子触媒表面への二酸化炭素と水の吸着が起こりにくくなるので、二酸化炭素及び水除去剤の効果と合わせて格段に触媒寿命を長くできる。金ナノ粒子触媒の好適な温度範囲は、室温〜100℃程度、好ましくは室温〜80℃程度である。
二酸化炭素及び水除去剤を金ナノ粒子触媒と混合して用いる場合は、当然、二酸化炭素及び水除去剤の作動温度は触媒温度と同じになる。二酸化炭素及び水除去剤で処理後のガスを触媒に接触させる場合は、二酸化炭素及び水除去剤と金ナノ粒子触媒の温度を別々に設定できる。例えば、室温下の二酸化炭素及び水除去剤(例えば、ゼオライト)でガスを前処理した後で、50〜100℃に加熱した金ナノ粒子触媒を通すことで、両処理を室温で行う場合に比べて高い効果が得られる。
二酸化炭素及び水除去剤が飽和して除去能力を失った時、触媒と混合されていない場合には、二酸化炭素及び水除去剤のみを交換あるいは再生することで、触媒の効力が持続できる。再生方法としては、不活性ガスの流通、(被処理ガスに比べて清浄な)空気の流通、減圧、加熱、洗浄及び乾燥などの手法を用いることができるが、特に効果が高いのは加熱再生であり、50〜700℃程度に加熱することで再生できるが、二酸化炭素と水のみを加熱除去する目的では50〜250℃の加熱でその目的は達せられる。
二酸化炭素及び水除去剤通過後の二酸化炭素及び水濃度は完全にゼロになるわけではないので、金ナノ粒子触媒は(二酸化炭素及び水除去剤を未使用の場合に比べて長時間かかり)活性を失ってゆく。除去能力を失った金ナノ粒子触媒は加熱処理により再生できる。タバコ燃焼ガスで直接処理して失活した金ナノ粒子触媒は、二酸化炭素及び水の他にもニコチンをはじめとする各種被毒物質が吸着しており、加熱再生によりもとの活性に戻すためには350℃程度の加熱温度が必要であるが、プレフィルターとしてNa-X型ゼオライト等を用い、ニコチン等の比較的分子径の大きな極性有機分子のほとんどが吸着除去されて触媒に到達する場合には、触媒失活時の吸着物がほぼ二酸化炭素及び水のみとなって、加熱再生の温度も50〜250℃程度に低温化できる。
本発明の触媒を用いた有機物燃焼ガスからの一酸化炭素除去方法は、上記の温度範囲で、金ナノ粒子触媒を「熱」触媒(光触媒でないという意味)として用い実施されるが、下記のように光照射条件下で実施してもよい。
本発明で用いる金ナノ粒子触媒は光照射することによって、非照射時に比べて一酸化炭素の酸化反応を促進することができる。また、金ナノ粒子触媒が、空気中に存在する汚染物質により活性低下した場合、光照射することにより触媒の再生を行なうこともできる。つまり、金ナノ粒子触媒が一酸化炭素ガスに触れる間には酸化反応促進効果が期待でき、そうでない間にも光照射による触媒再生効果が発揮される。そのため、金ナノ粒子触媒に対して光照射した場合は、一酸化炭素が触媒表面に間欠的に或いは連続的に接触するいずれのケースでも、光照射しない場合より長期間に渡り高い一酸化炭素除去効果を維持できる。
照射する光の波長は、主に一酸化炭素酸化反応の促進効果を期待するか、触媒の再生効果を期待するかにより適宜設定すればよい。通常、1〜1000nm程度、より好ましくは200〜700nm程度の波長域の光を用いることにより、金ナノ粒子触媒の反応促進と再生の両効果を得ることができる。
光照射する場合にも、前記した組成の金属酸化物を含む何れの金ナノ粒子触媒を用いることができる。特に、上記の光反応促進効果を得る場合には、金ナノ粒子触媒の金属酸化物成分の金属として、チタニア、アルミナ、シリカ、ジルコニア、酸化亜鉛、セリア、酸化マンガン、マグネシアなどが好ましく、チタニア、アルミナ、シリカなどがより好ましい。
III.用途
本発明の有機物燃焼ガス中の一酸化炭素除去用触媒は、広くフィルター(例えば、空気浄化フィルター)として用いられる。本発明の有機物燃焼ガス中の一酸化炭素除去用触媒を空気浄化フィルターとして用いた場合、その用途に応じて、顆粒状、ハニカム状、ビー
ズ状、又は繊維状のいずれの形態にしてもよい。これらの形態のフィルターは、公知の方法を用いて製造できる。
さらに、上記の空気浄化フィルターは、空気清浄機の部材として用いることもできる。空気清浄機は、例えば、粒子除去フィルター、上記の空気浄化フィルター、必要であれば光照射に必要な光源を備えていればよい。光源としては、上記の一酸化炭素の酸化反応を促進しうる光波長を有するものであれば良く、例えば、自然光、高圧水銀灯、低圧水銀灯、ブラックライト、エキシマレーザ、重水素ランプ、キセノンランプ等を採用することができる。
また、上記の空気浄化フィルターは、一酸化炭素用防毒マスク等として用いることもできる。
本発明の有機物燃焼ガス中の一酸化炭素除去用触媒をフィルターとして用いた場合は、上述したように、被処理ガスが、二酸化炭素及び水除去剤と金ナノ粒子触媒の混合物と接触するように配置させても良いし、また、被処理ガスが、二酸化炭素及び水除去剤に接触した後、処理ガスが金ナノ粒子触媒に接触するように配置させても良い。
金ナノ粒子触媒は、有機物燃焼ガス中の二酸化炭素及び水蒸気を含む各種被毒物質との接触により一酸化炭素除去性能が低下するが、本発明の有機物燃焼ガスからの一酸化炭素除去方法によれば、二酸化炭素及び水の影響を排除し、金ナノ粒子触媒の活性を長期にわたり高い水準に維持することが出来る。
従って、本発明による有機物燃焼ガスからの一酸化炭素除去方法は、一酸化炭素の除去を必要とする広い分野で極めて有用である。より具体的には、例えば、室内、自動車車内などにおける空調装置(空気清浄機、空調機器、分煙機など)用の空気浄化機構;暖房装置、ボイラー等の不完全燃焼ガス浄化用フィルター、防毒マスクの一酸化炭素除去フィルター機構;化学工場などで用いられる原料ガスからの一酸化炭素除去フィルター機構;燃料電池用の燃料改質工程による水素製造プロセスにおける一酸化炭素除去フィルター機構などとして、極めて有用である。
触媒寿命評価装置の概要を示す模式図である。 参考例1の反応における一酸化炭素濃度と二酸化炭素濃度の時間変化を示すグラフである。 比較例1の反応における一酸化炭素濃度と二酸化炭素濃度の時間変化を示すグラフである。 タバコ燃焼ガスを用いた触媒寿命評価装置の概要を示す模式図である。 参考例2、比較例12,13の反応における一酸化炭素濃度の時間変化を示すグラフである。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例及び比較例において、以下の(1)の方法で調製した金ナノ粒子酸化チタン触媒を共通に使用し、(2)に示す方法で触媒寿命を評価した。
(1)金ナノ粒子触媒(金/酸化チタン触媒)の調製
塩化金酸[HAuCl4 ・4H2 O]473ミリモルを750mLの蒸留水に溶解させ、70℃に加熱しNaOH水溶液を滴下してpHを7に調節した。ここに、酸化チタン粉末3.0gを加え、70℃で1時間撹拌した。この後、室温に冷却し沈降物を蒸留水で充分に洗浄した後、乾燥し、空気中400℃で4時間焼成することにより、金/酸化チタン触媒[Au/TiO2,金担持量3wt%]を得た。得られた金ナノ粒子触媒は使用する直前までスクリュー瓶に密栓保存した。
(2)触媒寿命テスト方法
図1に示す装置にて触媒寿命テストを行った。テドラバック中のサンプルガスは、カラムに吸着剤を充填したフィルターカラム1,2(1種類の吸着剤のみを用いる場合はフィルターカラム1のみ)を通過したのちに、触媒反応管に導かれる。触媒反応管出口は、吸引ポンプの吸入口と接続しテドラバック中のガスが吸引されるようにした。用いた吸引ポンプ(GLサイエンスSP208)は、圧力損失に応じて吸引力を自動的に調節するので、フィルター中の吸着剤や触媒粉末の充填状態に左右されず、流量を一定に保持できる。触媒反応管の出口には、一酸化炭素ガスセンサと、二酸化炭素濃度計を接続し、濃度測定を行った。触媒としては、(1)で調製した金/酸化チタン15mgまたは67mgを石英砂500mgと混合したものを内径6mmの石英反応管に充填して用いた。
測定手順として、最初はガスが吸着剤フィルターを通過し、触媒反応管を通過しない(バイパスする)ようコックを設定し、吸引ポンプを作動して、ガスを200mL/minで流通した。
吸着剤フィルターを通過したガスの一酸化炭素濃度が安定するのを待って、触媒反応管のコックを切り換えて、試験ガスが触媒を通過するようにし、反応開始時刻とした。
一酸化炭素濃度が低く、触媒量が充分にある条件では、一定の転化率を数時間から数日間保持した後に転化率が低下し始めて最終的にゼロに至る。しかし、本反応条件下では、一酸化炭素濃度とそれに伴う被毒物質の濃度が高く、触媒量も少ないため、反応開始直後の転化率は100%に近い場合でも、数分後には低下を始めた。転化率がゼロになる時間をもって触媒寿命と定義し、一定時間経過後も転化率がゼロに達しない場合には、活性低下カーブを延長して触媒寿命を予測した。
[試験例1]
参考例1及び比較例1の様にして、触媒寿命テストを行った。
参考例1
以下の手順により一酸化炭素以外に被毒物質として、二酸化炭素及び水のみを含む空気を調製し、触媒反応テストを行って効果を確認した。
吸引ポンプ(GLサイエンス製、SP208)を用いて、室内空気10L(25.5℃,湿度70%)をテドラバック中に捕集した。ここにガスタイトシリンジを用いて純一酸化炭素及び純二酸化炭素を注入し、一酸化炭素濃度約1000ppm、二酸化炭素濃度約7200ppmとなるようにした。
図1のフィルターカラムに二酸化炭素および水除去剤として試薬ビン中に保管していたNa-X型ゼオライト(キシダ化学(株)製、モレキュラーシーブ13X、1/16ペレット)を50mL充填し、触媒反応管にはスクリュー瓶中に保管していた金/酸化チタン触媒粉末15mgを石英砂で希釈し、全量500mgとして充填した。本試験例では、加速試験条件にて少量の触媒を用いているために、反応管内に隙間が生じ、ガスが素通りすることがないよう希釈剤として石英砂を用いている。二酸化炭素及び水除去剤と触媒のいずれに対しても、加熱前処理は行わずに上述の手順に従って触媒寿命テストを行った。反応結果を、図2と表1に示す。
Figure 0004431700
反応開始前1025ppmであった一酸化炭素濃度は反応開始直後、約230ppm程度まで低下するが、その後はゆるやかに上昇してゆく。表1の中の時間tにおける一酸化炭素転化率(Ct)の数字は以下のように計算した。
Ct(%) = ([CO]t0 - [CO]t) / [CO]t0 × 100
ここで、[CO]t0は時間ゼロでの、[CO]tは反応時間tでの一酸化炭素濃度である。
二酸化炭素濃度は反応テスト中、1130ppm以下であり、テストガス濃度の7200ppmに比べてはるかに低い。これは触媒反応により生成した二酸化炭素以外のテストガス中に元々含まれる二酸化炭素がNa-X型ゼオライトによりほとんど吸着除去されていることを示している。
触媒寿命(Ta)は一酸化炭素濃度が反応開始前の濃度に戻るまでの時間(一酸化炭素転化率がゼロになるまでの時間)と定義した。本参考例においては25分間の測定後も一酸化炭素転化率はゼロになっていないが、図1において反応時間10分以降は一酸化炭素濃度上昇が直線的になっており、この線を延長して初期CO濃度[CO]t0に達する時間から触媒寿命(105分)を予測した。
また、ここで求められた加速条件での触媒寿命(Ta)を以下の方法で、空気清浄機として通常想定される触媒反応条件での寿命(換算寿命Tn)に換算した。
Tn (days) = Ta (min) × (Fa / Fn)/ (60 × 24)
Fa (mL-CO/h/g-catal.) = 0.8 × [CO]t0 (ppm)
Fn (mL-CO/h/g-catal.) = 15
ここで、Faは加速試験での金/酸化チタン触媒重量あたりの一酸化炭素流量、[CO]t0は加速試験での初期一酸化炭素濃度、Fnは通常運転(非加速条件)で想定している反応条件における金/酸化チタン触媒重量あたりの一酸化炭素流量で、使用触媒量と総ガス流量、初期一酸化炭素濃度(50ppmを想定) から計算している。
比較例1
参考例1と同じ条件で調製したテストガスを用い、プレフィルターを使用せずに触媒寿命テストを行った。より具体的には、図1の装置において、フィルターカラムの3方コックを切り換えて、ガスがフィルターをバイパスするようにし、触媒反応管にはスクリュー瓶中に保管していた金/酸化チタン触媒粉末15mgを石英砂で希釈し、全量500mgとして充
填した。触媒の加熱前処理は行わずに上述の手順に従って触媒寿命テストを行った。
反応結果を図3と表1に示す。反応開始後の一酸化炭素転化率は参考例1に比べて低く、30分で反応開始前の一酸化炭素濃度に戻った(Ta=30min)。二酸化炭素、水を吸収するプレフィルターがないために、タバコ燃焼ガスに含まれる二酸化炭素はそのまま触媒に達し、触媒出口での二酸化炭素濃度は常に7000ppm以上の高いレベルになっている。本比較
例では二酸化炭素、水による触媒の劣化が起こっていると考えられ、参考例1では両者の除去により触媒寿命が延びたと考えられる。
[試験例2]
次に、有機物燃焼ガスの一例として、タバコ燃焼ガスを調製し、触媒寿命テストを行った。
タバコ燃焼ガスの調製
タバコ燃焼ガス調製装置として、内容積12Lのアクリル製デシケータ内に、灰皿と空気攪拌用のファンを設置した。デシケータには開閉コックを2つ取り付け、1つはタバコ燃焼ガス取り出し口として、吸引ポンプ(ジーエルサイエンス製SP208)で吸引できるようにした。他方のコックは定量ポンプで吸引中にデシケータ内に空気を入れて常圧に保つための空気流入口とした。タバコ燃焼ガス取り出し口と、定量ポンプの間には粒子状物質除去のための石英ろ紙フィルター(ワットマン石英繊維ろ紙、タイプQMA)を2段で設置した。フィルター通過後のガス配管はポンプの吸入口に接続し、排出口にはガス捕集用の袋として容量10Lのテドラバックを接続した。
タバコ燃焼ガス調製手順は以下のように行った。タバコ(商品名;マイルドセブン、日本たばこ産業(株)製)1本に着火し、灰皿内に置き、デシケーターの蓋を閉めて約8分間でタバコ1本が燃焼し終わるまで放置した。自然に火が消えた後、コック2箇所を開いて吸引ポンプを500mL/minの条件で10分間作動し、容量10Lのテドラバック中にタバコ燃焼ガス5Lを捕集した。次にペーパーフィルターとサンプリングポンプの接続を外してサンプリングポンプの吸入口を大気開放として再び500mL/minの条件で10分間作動し、テドラバック中に室内空気5Lを追加した。このようにして10Lのテドラバックに、10Lのタバコ燃焼ガスを調製した。この方法で調製したタバコ燃焼ガスの平均的な一酸化炭素濃度は1100〜1300ppm、二酸化炭素濃度は6000〜7000ppmであった。
上記の方法により作成したタバコ燃焼ガスについて、実施例及び比較例2〜11の条件で一酸化炭素除去テストを行った。その結果を表2に示す。
Figure 0004431700
実施例1
参考例1と同様に図1のフィルターカラムにNa-X型ゼオライトを100mL充填し、触媒反
応管には金/酸化チタン粉末15mgを石英砂で希釈し、全量500mgとして充填した。またテ
ドラバックには上述の方法で調製したタバコ燃焼ガスをセットした。ゼオライトと触媒のいずれに対しても、加熱前処理は行わずに上述の手順に従って触媒寿命テストを行った。
実施例2
フィルターカラムへのNa-X型ゼオライトの充填量を50mLとし、実施例と同様に触媒寿命テストを行った。
実施例3
フィルターカラムにCa-A型ゼオライトを100mL充填し、実施例と同様に触媒寿命テス
トを行った。
実施例4
フィルターカラムの1段目に活性炭(日本エンバイロケミカル製G2x)を50mL充填し、2段目にNa-X型ゼオライトを50mL充填し、実施例と同様に触媒寿命テストを行った。
実施例5
フィルターカラムの1段目に活性炭(日本エンバイロケミカル製G2x)を50mL充填し、2段目にCa-A型ゼオライトを50mL充填し、実施例と同様に触媒寿命テストを行った。
実施例6
フィルターカラムの1段目に活性炭(日本エンバイロケミカル製G2x)を50mL充填し、2段目にソーダ石灰(キシダ化学(株)製、ソーダ石灰、粒状、1号)を50mL充填し、実施例と同様に触媒寿命テストを行った。
比較例2
フィルターカラムに活性炭(日本エンバイロケミカル製G2x)を100mL充填し、実施例
と同様に触媒寿命テストを行った。
比較例3
フィルターカラムに活性炭(日本エンバイロケミカル製G2x)を50mL充填し、実施例
と同様に触媒寿命テストを行った。
比較例4
フィルターカラムに硫黄系中性ガス成分除去用活性炭(日本エンバイロケミカル製GS2x)を100mL充填し、実施例と同様に触媒寿命テストを行った。
比較例5
フィルターカラムにアンモニア共存下酸性ガス成分除去用活性炭(日本エンバイロケミカル製GH2x)を100mL充填し、実施例と同様に触媒寿命テストを行った。
比較例6
フィルターカラムに酸性および塩基性ガス成分同時除去用活性炭(日本エンバイロケミカル製GM2x)を100mL充填し、実施例と同様に触媒寿命テストを行った。
比較例7
フィルターカラムにアルデヒドガス成分除去用活性炭(日本エンバイロケミカル製GAAx
)を100mL充填し、実施例と同様に触媒寿命テストを行った。
比較例8
フィルターカラムに酸性ガス成分除去用活性炭(日本エンバイロケミカル製GS1x)を100mL充填し、実施例と同様に触媒寿命テストを行った。
比較例9
フィルターカラムに塩基性ガス成分除去用活性炭(日本エンバイロケミカル製GTsx)を100mL充填し、実施例と同様に触媒寿命テストを行った。
比較例10
フィルターカラムにK-A型ゼオライト(キシダ化学(株)製、モレキュラーシーブ3A、1/16ペレット)を100mL充填し、実施例と同様に触媒寿命テストを行った。
比較例11
フィルターカラムをバイパスしてサンプルガスが直接触媒に接触する条件で、実施例と同様に触媒寿命テストを行った。
以上、実施例と比較例2〜11の結果をまとめた表2から次のことが明らかとなった。
比較例11のフィルターなしの条件では、比較例1の一酸化炭素+二酸化炭素+空気のテストガスを用いた場合に比べても、触媒寿命が著しく短い(比較例1ではTa=30minに対し、比較例11ではTa=2.6min)。これは、二酸化炭素や水による被毒効果の他に、タバコ燃焼ガスに含まれる多数の被毒成分の効果であると考えられる。
これらの各種被毒成分を除去する目的で、フィルターとして活性炭および添着活性炭を使用した(比較例2〜9)。いずれもフィルターなしの場合に比べ寿命は延びてはいるが、Taが100分を超える結果は得られなかった。
比較例2〜9において、タバコ燃焼ガス中の特定の被毒物質を重点的に除去することを意図して、異なる使用目的で市販されている各種の活性炭および添着活性炭を使用したが、触媒寿命の延長結果は観測されなかった。
むしろ、出口の二酸化炭素濃度とTaに相関関係が確認された。具体的には、二酸化炭素吸着力がわずかで、反応開始時刻(0分)には既に6000ppm以上の二酸化炭素濃度が測定された場合(比較例6〜9)では、触媒寿命は比較的短く(Ta=4〜24min)、反応開始5分後においても二酸化炭素吸着力が残っている場合(比較例2,4,5では、5分後の二酸化炭素濃度は2000ppm以下)には触媒寿命は相対的に長くなった(Ta=40〜75min)。
フィルター材料に、強力な二酸化炭素及び水除去剤であるゼオライトあるいはソーダ石灰を含む場合(実施例)には、触媒寿命が明らかに長くなった(Ta>150min)。反
応中には1200ppmを超える二酸化炭素濃度は観測されず、触媒反応により生じた二酸化炭
素のみが出てきていると考えられた。触媒活性測定終了時に触媒反応管をバイパスするようコックを切り換えて、フィルターのみ通過後の二酸化炭素濃度を測定すると、二酸化炭素濃度は表2の反応開始時0分での二酸化炭素濃度と同等あるいはそれ以下であることが
確認された。
ゼオライトでも、細孔径が0.4nmよりも小さい場合は有効ではなかった。比較例10に示したように、K-A型ゼオライトでは細孔径が0.3nmしかなく、水は吸着できても二酸化炭素は吸着できないことが分かる。
細孔径が0.4nm以上のゼオライトを単独で用いた場合(実施例)を比較すると、
細孔径が0.5nmのCa-A型ゼオライト(実施例)よりも細孔径が1.0nmのNa-X型ゼオライト(実施例)で大きな効果が得られた。これはCa-A型ゼオライトでは不可能なニコチン等の比較的分子サイズの大きな被毒物質の除去がNa-X型ゼオライトでは可能なためと考えられた。
実施例4,5に示したように、1段目を活性炭、2段目をCa-A型またはNa-X型ゼオライトとすることにより、各々50mLの吸着剤を用いた場合に得られる触媒寿命の足し算よりも更に長い寿命が得られた。これは有機被毒物質等を活性炭で除去してからゼオライトで処理することによって、ゼオライトへの負担が軽減できるためと考えられた。
[試験例3]
次に、防毒マスクへの応用を想定した参考例と比較例について示す。
参考例2
「JIS T 8152防毒マスク」の規定に従い、テストガスは一酸化炭素10,000ppmを含む室
内空気とした。吸引ポンプ(GLサイエンス製、SP208)を用いて、室内空気10Lをテドラバック中に捕集した。ここにガスタイトシリンジを用いて純一酸化炭素を注入し、一酸化炭
素濃度約10,000ppmとなるようにし、図1の装置にセットした。
防毒マスクにおいては、触媒を二酸化炭素および水除去剤と共に加熱前処理し、封入した状態で出荷し、使用の際に開封する使い方が想定されるので、本実施例に関しては以下の手順で加熱前処理した触媒を用いた。
スクリュー瓶中に保管していた金/酸化チタン粉末67mgを12〜30 meshの粒度に粉砕した500mgのNa-X型ゼオライトと混合し、触媒反応管に充填した。図1とは別の装置で、酸素20%、ヘリウム80%の組成の混合ガス(ガスボンベより供給)を100mL/minで流通しつつ、10分間で200℃まで昇温し、その後200℃に10分間保持した。反応管出口のガスを質量分析計でモニターすると、二酸化炭素と水の脱離が確認された。室温まで冷却後、反応管を外し、図1の装置にセットした。
図1のフィルターカラムと触媒反応管の両者をテストガスが通過しない(バイパスする)ようコックを設定し、吸引ポンプを作動して、テストガスを200mL/minで流通した。出口の一酸化炭素ガスセンサで測定した一酸化炭素濃度が安定するのを待って、触媒反応管のコックを切り換えて、テストガスが触媒を通過するようにし、反応開始時刻とした。
反応結果を図5に示す。最初10,000ppmあった一酸化炭素濃度は反応開始後2分以内に50ppm以下に達し、53分まで50ppm以下の出口濃度を保持した。
本テスト条件としては、サンプルガス流量200mL/minに対して触媒の金/酸化チタンを67mg、Na-X型ゼオライトを500mg使用している。JIS T 8152の試験方法ではテストガスを30L/minの条件で通ずることとなっているので、本参考例の150倍の流量である。触媒量に対するテストガス流量の比が同じ時に同じ反応結果が得られるものとすると、本参考例条件は「サンプルガス流量30L /min, 金/酸化チタン触媒使用量10g, Na-X型ゼオライト 使用量75g」の条件でのJIS T 8152に準ずるテストを1/150の小スケールで実施していることに相当する。直結式あるいはマウスピース型の防毒マスクでは50ppm以下の出口濃度を30分
以上保持する必要があるが、本参考例での50ppm以下保持時間は53分であり、この条件を
満たしている。
比較例12
Na-X型ゼオライトを用いず、金/酸化チタン触媒のみでのテストを以下の手順で行った。スクリュー瓶中に保管した金/酸化チタン粉末67mgを石英砂500mgと混合し、触媒反
応管に充填した。参考例2と同様に触媒の加熱前処理を行い、反応管を図1の装置にセットした後に、参考例2と同じ条件で触媒寿命テストを行った。反応結果を図5に示す。反応開始3分後に一酸化炭素濃度は50ppmまで低下するが、直ちに一酸化炭素濃度は上昇に転ずるため、必要な50ppm以下保持時間を確保することができない。
比較例13
Na-X型ゼオライト等のゼオライトには一酸化炭素の吸着能力も有することが知られているため、金/酸化チタン触媒を用いずNa-X型ゼオライトのみでのテストを以下の手順で行った。12〜30 meshの粒度に粉砕した500mgのNa-X型ゼオライトを触媒反応管に充填した。参考例2と同様に加熱前処理を行い、反応管を図1の装置にセットした後に、参考例2と同じ条件でテストを行った。反応結果を図5に示す。テスト開始後1分以内にわずかな一酸化炭素の吸着による濃度減少が見られるのみである。本条件下、Na-X型ゼオライトのみでは参考例2に比べ殆ど一酸化炭素の除去能力は認められない。

Claims (11)

  1. 有機物燃焼ガスを、二酸化炭素及び水除去剤と接触させた後、処理後の気体を、平均粒子径が25nm以下の金粒子が金属酸化物に担持された金ナノ粒子触媒と接触させることを特徴とする、有機物燃焼ガスからの一酸化炭素除去方法。
  2. 有機物燃焼ガスを、平均粒子径が25nm以下の金粒子が金属酸化物に担持された金ナノ粒子触媒と、二酸化炭素及び水除去剤との混合物に接触させることを特徴とする、有機物燃焼ガスからの一酸化炭素除去方法。
  3. 二酸化炭素及び水除去剤が、細孔径0.4nm以上のゼオライトである請求項1又は2に記
    載の一酸化炭素除去方法。
  4. 金ナノ粒子触媒の温度が、室温〜100℃の範囲である請求項1〜のいずれかに記載の
    一酸化炭素除去方法。
  5. さらに金ナノ粒子触媒に光照射する請求項に記載の一酸化炭素除去方法。
  6. 平均粒子径が25nm以下の金粒子が金属酸化物に担持された金ナノ粒子触媒と、二酸化炭素及び水除去剤とを含有する有機物燃焼ガス中の一酸化炭素除去用触媒。
  7. 二酸化炭素及び水除去剤が、細孔径0.4nm以上のゼオライトである請求項に記載の
    機物燃焼ガス中の一酸化炭素除去用触媒。
  8. 請求項6又は7に記載の有機物燃焼ガス中の一酸化炭素除去用触媒を含有するフィルター。
  9. 顆粒状、ハニカム状、ビーズ状、又は繊維状のいずれかの形態を有する請求項に記載のフィルター。
  10. 請求項に記載のフィルターを備えた空気清浄機。
  11. 請求項に記載のフィルターを備えた一酸化炭素用防毒マスク。
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