JP2016204700A - 銅粉末 - Google Patents
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Abstract
【課題】焼結体密度が低い銅粉に、特定の割合で添加することにより、焼結体密度を向上することができる銅粉末を提供する。【解決手段】TMA(熱機械分析)装置を用いた室温から1000℃までの熱収縮挙動測定により、300℃以下の加熱温度で熱収縮挙動を開始する銅粉末(A)であって、300℃以下の加熱温度では熱収縮挙動を開始しない銅粉(B)に添加して混合銅粉を調製したときに、銅粉末(A)の最大収縮率C1(%)が、銅粉(B)の最大収縮率C2(%)よりも大きく、かつ混合銅粉の最大収縮率Cm(%)が、下記の式(1)を満たすことを特徴とする銅粉末などにより提供する。C1−(C1−C2)×0.5≦Cm≦C1+1 ・・・(1)【選択図】図1
Description
本発明は、銅粉末に関し、より詳しくは、焼結体密度が低い銅粉に、特定の割合で添加することにより、焼結体密度を向上することができる銅粉末に関する。
積層セラミックスコンデンサ(以後、MLCCという)やチップ抵抗器などの電子部品には、外部電極を付与したり、それを基盤に接合させたり、絶縁基板上に導電回路を形成するために導電ペーストが用いられている。導電ペーストの導電材料としては、銀、ニッケル、銅などの金属粉末が使用されている。銅粉末は、廉価であり抵抗値も低く、銀のようにマイグレーションが発生しにくいという長所があるため、銅ペーストが多用されている。
例えば、MLCCの外部電極として、金属粉末をフィラーとした導電性ペーストを使用する場合、高温で焼成した誘電体であるセラミックスに、外部電極として金属粉末を焼き付けている。形成したセラミックス素体を導電ペーストにディップ後熱処理を行うことで、加熱中にビヒクル分が蒸発または分解除去されるとともに、金属粉末が焼結して導電膜が形成され電極となる。
これらの銅ペーストに使用される銅粉としては、電解法やアトマイズ法により得られたものが一般的である。これらの方法で合成される銅粉末は、結晶性が高いため、電極や導電回路を形成するために焼成を行った際に、焼結が十分に進まず、部分的に不連続な導電膜が形成され、良好な導電性が得られないなどの問題が生じる。こうした状況では、導電膜内で発生したジュール熱のため、電子部品の信頼性が損なわれたり、発生した熱により酸化が促進され、更に導電膜の導電性が損なわれる場合がある。
銅ペーストによる導電膜の導電性を高めるために、電解法で製造され、表面に銀が被覆されたデンドライト状銅粉を用いることが考えられる(特許文献1参照)。この方法で銀を被覆することにより、導電膜の導電性が低下する原因となる酸化が抑えられるだけでなく、銅よりも導電性の高い銀が被覆されているため、導電膜の導電性を高めるには効果的である。しかしながら、銀は銅よりも高価な金属であり、コストの面で問題がある。
このほかに、特許文献2に開示されているように、銅粉表面に高級脂肪族アミンの有機酸塩による酸化防止膜を形成させる等、有機被膜により酸化を抑える方法がある。しかし、この方法では、有機被膜の劣化などにより酸化を抑制する効果が必ずしも十分に発揮できないことがあった。また、特許文献2においても、ペーストの構成成分である合成樹脂との親和性を考慮して、表面をさらに被覆する必要があり、適用が制限されることもあった。上述した導電膜の導電性を高める方法は、銅粉の酸化を防止することを目的としており、銅粉の焼結性に起因する導電膜の均一性については考慮されていなかった。
ところで、導電ペーストの導電材料として、銀粉末が使用されており、焼成収縮が小さく且つ焼成後の抵抗値の低い導電性ペーストとするために、2種類の銀粉を用いることが提案されている(特許文献3参照)。
この特許文献3では、焼結性の劣るアトマイズ粉末を導電性粉末全体に対して特定の割合で含むことで、配線および層間接続導体を形成するに際して、焼結前後で大きさや形状が殆ど変化しないアトマイズ粉末によって焼成収縮が抑制される。しかし、銀粉末は銅粉末と比べ高価であり、マイグレーションが発生しやすいという短所がある
この特許文献3では、焼結性の劣るアトマイズ粉末を導電性粉末全体に対して特定の割合で含むことで、配線および層間接続導体を形成するに際して、焼結前後で大きさや形状が殆ど変化しないアトマイズ粉末によって焼成収縮が抑制される。しかし、銀粉末は銅粉末と比べ高価であり、マイグレーションが発生しやすいという短所がある
このような状況下、銀粉末よりも安価で、マイグレーションが発生しにくく、電極や導電回路を形成するために焼成を行った際に、焼結が十分に進み、連続な導電膜が形成され、良好な導電性が得られる導電ペーストに適した銅粉末が必要とされている。
本発明の目的は、従来技術の問題点に鑑み、焼結時の銅粉の焼結性に着目して、電解法やアトマイズ法で製造される銅粉の焼結性を改善し、導電膜の特性を向上させることができる銅粉末を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、電解法やアトマイズ法で製造された銅粉に対して、300℃までの加熱温度にて熱収縮の挙動を示す銅粉末を混合し、混合銅粉を調製して、これら粉末の最大収縮率(%)の関係を調べたところ、銅粉末の最大収縮率が、銅粉の最大収縮率よりも大きく、混合銅粉の最大収縮率が特定の数式を満たすときに、焼結性が改善され、導電膜の特性が向上することを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、TMA(熱機械分析)装置を用いた室温から1000℃までの熱収縮挙動測定により、300℃以下の加熱温度で熱収縮挙動を開始する銅粉末(A)であって、
300℃以下の加熱温度では熱収縮挙動を開始しない銅粉(B)に添加して混合銅粉を調製したときに、銅粉末(A)の最大収縮率C1(%)が、銅粉(B)の最大収縮率C2(%)よりも大きく、かつ混合銅粉の最大収縮率Cm(%)が、下記の式(1)を満たすことを特徴とする銅粉末が提供される。
C1−(C1−C2)×0.5≦Cm≦C1+1 ・・・(1)
300℃以下の加熱温度では熱収縮挙動を開始しない銅粉(B)に添加して混合銅粉を調製したときに、銅粉末(A)の最大収縮率C1(%)が、銅粉(B)の最大収縮率C2(%)よりも大きく、かつ混合銅粉の最大収縮率Cm(%)が、下記の式(1)を満たすことを特徴とする銅粉末が提供される。
C1−(C1−C2)×0.5≦Cm≦C1+1 ・・・(1)
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記混合銅粉の最大収縮率Cmは、式(2)を満たすことを特徴とする銅粉末が提供される。
C1−(C1−C2)×0.3≦Cm≦C1+1 ・・・(2)
C1−(C1−C2)×0.3≦Cm≦C1+1 ・・・(2)
また、本発明の第3の発明によれば、第1または2の発明において、前記銅粉末(A)は、ポリオール中で銅化合物を還元させる湿式法で製造された銅粉末であることを特徴とする銅粉末が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、前記銅粉末(A)は、平均粒径が0.025μm〜5μmであることを特徴とする銅粉末が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、前記混合銅粉中の銅粉末(A)の含有量は、5質量%〜80質量%であることを特徴とする銅粉末が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、前記銅粉(B)は、電解法やアトマイズ法で製造された銅粉であることを特徴とする銅粉末が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、前記銅粉末(B)は、平均粒径が0.5μm〜10μmであることを特徴とする銅粉末が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明において、前記銅粉末(A)の平均粒径は、前記銅粉(B)の平均粒径の0.05倍〜0.5倍であることを特徴とする銅粉末が提供される。
さらに、本発明の第9の発明によれば、第1〜8のいずれかの発明の銅粉末を用いた混合銅粉に、溶剤と樹脂を配合してなる銅ペーストが提供される。
本発明の銅粉末は、電解法やアトマイズ法で製造される一般的な銅粉に添加、混合すると、得られる混合銅粉の焼結性が改善される。この混合銅粉を用いて銅ペーストを調製すると、導電膜を形成したとき導電性が向上するので、電子部品の外部電極や導電回路の製造に有用である。
以下、本発明の銅粉末の具体的な実施形態について、詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
なお、本発明では混同を避けるために、本発明の添加剤として用いられるものを「銅粉末(A)」、焼結性を改善する対象となる電解法やアトマイズ法で製造されたものを「銅粉(B)」、両者を混合させたものを「混合銅粉」といい、これらを総称して単に粉体ともいう。
1.銅粉末(A)
本発明の銅粉末(A)は、銅ペーストの導電材料として一般的に用いられる電解法やアトマイズ法で製造された銅粉(B)の焼結性を改善する目的で、添加剤として用いられるものである。焼結性は、温度に対する熱収縮挙動を評価した時に、最大収縮率で表され、最大収縮率が高いほど、銅ペーストに用いて導電膜とした時に、緻密で均一な膜となり、導電性が高くなる。
本発明の銅粉末(A)は、銅ペーストの導電材料として一般的に用いられる電解法やアトマイズ法で製造された銅粉(B)の焼結性を改善する目的で、添加剤として用いられるものである。焼結性は、温度に対する熱収縮挙動を評価した時に、最大収縮率で表され、最大収縮率が高いほど、銅ペーストに用いて導電膜とした時に、緻密で均一な膜となり、導電性が高くなる。
本発明の銅粉末は、ペーストの導電材料として一般的な電解法やアトマイズ法で製造された銅粉よりも結晶性が低く、焼結性が高いことから、湿式法で製造された銅粉末が好ましく、後述するポリオール中で銅化合物を還元させて得られた銅粉末であることがより好ましい。
このポリオール中で得られた銅粉末は、特開昭59−173206号公報や特許3399970号公報にて耐酸化性が高いことが知られており、これを銅粉の添加剤として用いた場合に焼結性を高める効果に繋がっていると推測される。
このポリオール中で得られた銅粉末は、特開昭59−173206号公報や特許3399970号公報にて耐酸化性が高いことが知られており、これを銅粉の添加剤として用いた場合に焼結性を高める効果に繋がっていると推測される。
また、本発明の銅粉末の平均粒径は、0.025μm〜5μmが好ましい。この平均粒径は、銅ペーストの用途や用いられる領域の微細さ等を考慮して決められるものである。なお、平均粒径(D50)は、例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定することができる。
銅粉末の熱収縮挙動は、TMA(熱機械分析)装置を用いて測定される。TMAでは、銅粉末を成形したペレットを、加熱しながらその寸法変化を測定することで測定される。
ペレットは、例えば円柱状に成形される金型に粉末を充填し、所定の荷重を加えて圧縮した圧粉体として成形される。荷重は特に限定されないが、成形されるペレットの大きさに応じて0.5kN〜10kNとするのが好ましい。より好ましいのは、1kN〜5kNである。
TMA装置を用いた粉末の熱収縮挙動の測定は、不活性雰囲気か還元雰囲気で行うのが好ましく、より好ましいのは還元雰囲気である。不活性雰囲気とするためには、不活性ガスを連続的にTMA装置内に流し込むのが好ましく、不活性ガスには、窒素ガスやアルゴンガスを用いることができる。還元雰囲気とするためには、不活性ガスに水素を5容量%以下混合させたガスを用いて、連続的にTMA装置内に流し込む。TMA装置内に流し込むガスの流量は特に限定されないが、10ml/分〜500ml/分とするのが好ましい。より好ましくは、50ml/分〜300ml/分とする。TMA装置を用いた粉末の熱収縮挙動の測定では、室温から融点を超えない温度範囲とし、銅粉末の場合には室温から1,000℃とすることができる。加熱速度は特に限定されることはないが、5℃/分〜20℃/分とするのが好ましい。
TMA装置を用いた粉末の熱収縮挙動の測定は、不活性雰囲気か還元雰囲気で行うのが好ましく、より好ましいのは還元雰囲気である。不活性雰囲気とするためには、不活性ガスを連続的にTMA装置内に流し込むのが好ましく、不活性ガスには、窒素ガスやアルゴンガスを用いることができる。還元雰囲気とするためには、不活性ガスに水素を5容量%以下混合させたガスを用いて、連続的にTMA装置内に流し込む。TMA装置内に流し込むガスの流量は特に限定されないが、10ml/分〜500ml/分とするのが好ましい。より好ましくは、50ml/分〜300ml/分とする。TMA装置を用いた粉末の熱収縮挙動の測定では、室温から融点を超えない温度範囲とし、銅粉末の場合には室温から1,000℃とすることができる。加熱速度は特に限定されることはないが、5℃/分〜20℃/分とするのが好ましい。
このTMA装置を用いて測定された本発明の銅粉末の熱収縮挙動の結果を図1に示す。このグラフにおいて、本発明の銅粉末は、250〜280℃、すなわち300℃以下の加熱温度で熱収縮挙動を開始している。
2.銅粉
本発明において、銅粉は、電解法やアトマイズ法で製造された金属粉であり、前記銅粉末とともに混合銅粉の材料として使用される。
本発明において、銅粉は、電解法やアトマイズ法で製造された金属粉であり、前記銅粉末とともに混合銅粉の材料として使用される。
銅粉の熱収縮挙動は、前記のTMA(熱機械分析)装置を用いて同様に測定される。図1のグラフにおいて、銅粉は、300℃以下の加熱温度では熱収縮挙動を示さず、むしろ熱膨張する挙動を示すことが多く、熱収縮は400℃以上になってから開始している。
電解法やアトマイズ法で製造された銅粉の平均粒径は、0.5μm〜10μmである。この平均粒径は、銅ペーストの用途や用いられる領域の微細さ等を考慮して決められるものである。銅粉の平均粒径は、1μm〜8μmが好ましく、1μm〜5μmがより好ましい。銅粉は、比較的粒径が揃った粒度分布の狭いものである必要はなく、粒度分布の広い銅粉であっても、粒度分布が複数のピークをもった銅粉でもかまわないが、その平均粒径をもって本発明の銅粒子の平均粒径を上記数値範囲内とする。
3.混合銅粉
前記のとおり、この銅粉に対して本発明の銅粉末を添加剤として用いて混合銅粉とする。銅粉末の平均粒径は、前記のとおり0.025μm〜5μmが好ましく、0.1μm〜5μmがより好ましい。本発明の銅粉末の平均粒径を銅粉に対する比率で示すと、銅粉の平均粒径の0.05倍〜0.5倍が好ましく、より好ましくは0.06倍〜0.4倍、さらに好ましくは0.07倍〜0.3倍である。
前記のとおり、この銅粉に対して本発明の銅粉末を添加剤として用いて混合銅粉とする。銅粉末の平均粒径は、前記のとおり0.025μm〜5μmが好ましく、0.1μm〜5μmがより好ましい。本発明の銅粉末の平均粒径を銅粉に対する比率で示すと、銅粉の平均粒径の0.05倍〜0.5倍が好ましく、より好ましくは0.06倍〜0.4倍、さらに好ましくは0.07倍〜0.3倍である。
本発明の銅粉末は、3次元的に配置された銅粉の隙間に入り込んで焼結性を改善するので、銅粉の平均粒径よりも小さくする。銅粉末の平均粒径が銅粉の平均粒径の0.05倍未満では、特に添加量が少ない場合に、銅粉の隙間に入り込んだ銅粉末の存在比率が少なすぎて、焼結性の改善が見られない場合がある。本発明の銅粉末の平均粒径が銅粉の平均粒径の0.5倍を超えると、銅粉の隙間に入り込むことはなくなり、焼結性の改善が見られない場合がある。
混合銅粉の熱収縮挙動も上述したTMA装置を用いた方法で測定される。本発明の銅粉末の最大収縮率(%)をC1、例えば電解法やアトマイズ法で製造された銅粉の最大収縮率(%)をC2として、両者を混合させた混合銅粉の最大収縮率(%)をCmとした時に、本発明の銅粉末を添加剤として用いれば、混合銅粉の熱収縮挙動は本発明の銅粉末の熱収縮挙動に近づき、焼結性が改善されて、混合銅粉の最大収縮率Cmは式(1)を満たすようになる。
また、混合銅粉の最大収縮率Cmが式(2)を満たすようになるとより好ましい。これらの数式は、銅粉に本発明の銅粉末を添加、混合させることで、混合銅粉の最大収縮率Cmが、銅粉の最大収縮率C2よりも本発明の最大収縮率C1に近づき、焼結性が改善されることを意味する。ここで、最大収縮率とは、室温から1,000℃まで加熱させた時に、室温の状態を基準として収縮率(%)が最大となった値を示している。
また、混合銅粉の最大収縮率Cmが式(2)を満たすようになるとより好ましい。これらの数式は、銅粉に本発明の銅粉末を添加、混合させることで、混合銅粉の最大収縮率Cmが、銅粉の最大収縮率C2よりも本発明の最大収縮率C1に近づき、焼結性が改善されることを意味する。ここで、最大収縮率とは、室温から1,000℃まで加熱させた時に、室温の状態を基準として収縮率(%)が最大となった値を示している。
C1−(C1−C2)×0.5≦Cm≦C1+1 ・・・(1)
C1−(C1−C2)×0.3≦Cm≦C1+1 ・・・(2)
C1−(C1−C2)×0.3≦Cm≦C1+1 ・・・(2)
本発明の銅粉末の最大収縮率C1は、銅粉の最大収縮率C2よりも高い値を示す。これは、銅粉が製造コストを抑えるために、上述した結晶性の高い電解法やアトマイズで製造されており、また、本発明の銅粉末を添加、混合させることで焼結性を高めることを目的としているためであり、本発明の銅粉末の最大収縮率C1は、銅粉の最大収縮率C2よりも高くなる。
上記式(1)及び式(2)の上限は、基本的には銅粉末の最大収縮率C1となるが、測定誤差などの影響で混合銅粉の最大収縮率CmがC1以上となる。本発明では、このような測定誤差を考慮して、C1+1を上限とした。
さらに本発明の銅粉末は、熱収縮挙動において、300℃以下にて収縮する挙動を示す。一方、電解法やアトマイズで製造される一般的な銅粉は、熱収縮挙動において、300℃では熱収縮を開始せず、むしろ膨張する挙動を示すことが多く、通常400℃以上の加熱温度で熱収縮を開始する。これらの熱収縮挙動についても、詳しくは後述する製造方法にて説明する。
混合銅粉における本発明の銅粉末の比率は、全体の質量を100%として5質量%〜80質量%、より好ましくは5質量%〜50質量、さらに好ましくは5質量%〜30質量%である。本発明の銅粉末の比率が5質量%未満では、混合銅粉の焼結性を高める効果が乏しく、混合銅粉を用いた銅ペーストにより得られた導電膜の導電性の向上は見込めない。一方、本発明の銅粉末の比率を高めて、80質量%を超えたとしても、さらなる混合銅粉の焼結性向上効果がほとんどないばかりでなく、本発明の目的である添加剤として使用する範囲を逸脱して、安価な電解法やアトマイズで製造される一般的な銅粉の比率が低くなり、コスト面で不利となる。
TMA測定における初期の圧粉体密度と室温から1,000℃まで加熱させた後の焼結体密度において、銅粉のみを用いた(焼結体密度)/(圧粉体密度)の値よりも、本発明の銅粉末を全体質量100%当たり5質量%〜80質量%添加した混合銅粉の(焼結体密度)/(圧粉体密度)の値は高くなる。本発明の銅粉末をこの範囲で添加、混合させた混合銅粉は、上記説明した通り最大収縮量が本発明の銅粉末の最大収縮量に近づくために焼結体密度がより高くなるためである。この焼結体密度が向上することが、混合銅粉を銅ペーストに用いて導電膜を形成した時に、導電性を高めることとなる。本発明では、焼結体密度/圧粉体密度が1.15以上であることが好ましい。
4.銅粉末の製造方法
以下に本発明の銅粉末を製造する方法、すなわちポリオール中で還元された銅粉末の製造方法について詳しく説明する。
以下に本発明の銅粉末を製造する方法、すなわちポリオール中で還元された銅粉末の製造方法について詳しく説明する。
本発明の銅粉末は、特定量の銅化合物をポリオール中に懸濁させ、160〜320℃に加熱して銅粉末を得る第1の工程と、得られた銅粉末を純水で洗浄後、アルコールを供給して脱水洗浄する第2の工程を経て製造される。このような工程で製造された銅粉末は酸素濃度が低く、耐酸化性が高く、さらに耐酸化性の経時劣化が小さい。
(1)第1の工程
本発明では、まず下記の銅化合物をポリオールと混合し、160〜320℃に加熱して銅化合物を還元し銅粉末を得る。
本発明において、銅粉末の原料として銅化合物を使用する。銅化合物としては、加熱されたポリオール中で、銅化合物は還元され、最終的に銅粉末として堆積されるものであれば特に限定されない。例えば、酸化銅(酸化第一銅および酸化第二銅)、水酸化銅、炭酸銅、シュウ酸銅、硫酸銅などが挙げられる。好ましいのは酸化銅、水酸化銅である。また銅化合物は、水和物(含水物)でも構わない。
本発明では、まず下記の銅化合物をポリオールと混合し、160〜320℃に加熱して銅化合物を還元し銅粉末を得る。
本発明において、銅粉末の原料として銅化合物を使用する。銅化合物としては、加熱されたポリオール中で、銅化合物は還元され、最終的に銅粉末として堆積されるものであれば特に限定されない。例えば、酸化銅(酸化第一銅および酸化第二銅)、水酸化銅、炭酸銅、シュウ酸銅、硫酸銅などが挙げられる。好ましいのは酸化銅、水酸化銅である。また銅化合物は、水和物(含水物)でも構わない。
ポリオールは、銅化合物の還元機能を有する多価アルコールである。2〜6個のOH基を有するものが好ましく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ポリエチレングリコール、フェニルジグリコールなどが挙げられる。中でもトリエチレングリコールやテトラエチレングリコールが好ましい。これらは複数種を混合しても構わないし、本発明の目的を損なわなければ、水や他の溶剤を添加しても差し支えない。
銅化合物は、ポリオールと混合し、160℃以上320℃以下に加熱し、熱せられたポリオール中で懸濁される。この範囲内の温度で撹拌することで、銅化合物の還元反応が促進され、銅粉末が形成される。好ましい加熱温度は、180℃以上310℃以下であり、より好ましくは、190℃以上300℃以下で、かつポリオールの沸点以下である。加熱温度が160℃未満の場合、還元反応が十分に進まず得られる銅粉末の酸素濃度が大幅に上昇するとともに、生産性も悪化する。一方、320℃を超えるとポリオールの分解揮発による減少が著しくなり、十分に還元できなくなる恐れがある。そのため、加熱温度を選択したポリオールの沸点より高く設定した場合は、上限の加熱温度を沸点よりも低くすることが望ましい。
(2)第2の工程
第1の工程で得られた銅粉末は、次の第2の工程で、純水洗浄後、アルコールを供給して脱水洗浄する。従来、銅粉末の洗浄は、純水のみを用いて行われていた。しかし、純水洗浄のみの場合、乾燥後の銅粉末の酸素濃度が高く、また、耐酸化性が低い銅粉が得られてしまうことがあった。
第1の工程で得られた銅粉末は、次の第2の工程で、純水洗浄後、アルコールを供給して脱水洗浄する。従来、銅粉末の洗浄は、純水のみを用いて行われていた。しかし、純水洗浄のみの場合、乾燥後の銅粉末の酸素濃度が高く、また、耐酸化性が低い銅粉が得られてしまうことがあった。
そこで、本発明では、還元工程で得られた銅粉末の表面状態や共雑物を詳細に観察した結果、銅化合物またはその含水物とポリオールとを160℃以上に加熱して生起する反応で、銅が析出し、銅粉末の表面や凝集物の内部に溶媒であるポリオールなどが、共雑物として懸濁していることが明らかとなった。そのため、反応後に銅粉末を分離し、始めは純水洗浄により溶媒や不純物を洗い流し、その後、一価アルコールを追加して銅粉末の表面に付着した水分を素早く蒸発させるようにする。なお、洗浄の順を変えて、一価アルコールで洗浄後に純水洗浄を行う場合は、水分を素早く蒸発させた後に再び水分で洗浄するので水分の蒸発が遅く酸素濃度が上がり、所期の効果が得られない。
純水は、導電率が1.0μS/cm以下のものを洗浄に用いるのが好ましく、また導電率が0.1μS/cm未満である超純水を洗浄に用いるのがより好ましい。洗浄温度は特に限定されないが、5〜50℃が好ましく、10〜40℃がより好ましい。純水による洗浄温度が50℃を超えると銅粉末が酸化してしまう恐れがあり、5℃未満では洗浄速度が遅く生産性が低下してしまう恐れがある。
一価アルコールとしては、1個のOH基を有する含酸素有機化合物であり、炭素数や分岐、二重結合の有無などによって制限されるものではない。すなわち、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノールなどが挙げられる。ただ、炭素数が1〜5の低級アルコールは、炭素数が6以上の高級アルコールと比べ揮発しやすいので、炭素数が1〜5の低級アルコールを用いることにより、銅粉末の乾燥速度が上昇し、乾燥後の酸素濃度の増加および耐酸化性の悪化を抑えることができ好ましい。本発明の目的を損なわない範囲内で、その他の溶剤を使用したり、混合しても構わない。
洗浄方法、用いる装置、手段や条件は、銅粉末からポリオールやその他の不純物が洗い落とせれば特に限定されない。一般的には、還元後、作製した銅粉末を沈降させ上澄みを回収した後、残留物に純水を供給し撹拌洗浄する。その後、再び銅粉末を沈降させ上澄みを回収し、残留物に一価アルコールを供給し撹拌脱水洗浄する。または、純水で撹拌洗浄後、銅粉末を沈降させ上澄みを回収してから遠心分離機にて脱水し、その後、遠心分離機で脱水しながら一価アルコールを添加することで銅粉末の水分を早く乾燥させることができる。
以上説明したように、ポリオール中で銅化合物を還元して得られた銅粉末を純水洗浄してからアルコールを供給して脱水洗浄した銅粉末は、酸素濃度が低く、耐酸化性が高く、さらに耐酸化性の経時劣化が低い特性を有している。このような特性を有している銅粉末は、還元雰囲気下で室温から加熱させた熱収縮挙動において、300℃に加熱させた時に収縮する挙動を示す。
このような挙動を示す理由については不明な点が多いが、銅粉末表面の酸化被膜の状態によるものと推測され、これが耐酸化性等の特性に現れていると考えられる。またこの銅粉末が有する特性と、湿式法で製造されたことによる焼結性の高さから、焼結性の低い銅粉に添加、混合させることで、焼結性を改善させることができる。
一方、ポリオール中で銅化合物を還元して得られた銅粉末でも、例えば純水で洗浄したのみの場合には、耐酸化性が低下することもあり、還元雰囲気下で室温から加熱させた熱収縮挙動において、300℃に加熱させた時に十分に収縮する挙動を示さないこともある。このような銅粉末では、焼結性の低い銅粉に添加、混合させても、焼結性が改善できないこともある。
一方、ポリオール中で銅化合物を還元して得られた銅粉末でも、例えば純水で洗浄したのみの場合には、耐酸化性が低下することもあり、還元雰囲気下で室温から加熱させた熱収縮挙動において、300℃に加熱させた時に十分に収縮する挙動を示さないこともある。このような銅粉末では、焼結性の低い銅粉に添加、混合させても、焼結性が改善できないこともある。
また、上記では、ポリオール中で銅化合物を還元し、純水洗浄後にアルコールを供給して脱水洗浄した銅粉末にて説明したが、もちろん本発明の銅粉末の製造方法は、これに限定されることはなく、上記説明した通り、焼結性が高く、300℃で収縮し、銅粉に添加、混合させた時に焼結性を改善する特性を有していれば、いずれの製造方法でもかまわない。
5.銅ペースト
本発明の銅粉末は、銅粉と組み合わせ、溶剤や樹脂等からなるビヒクルと混合、混練させて銅ペーストとすることができる。銅粉末以外に銅ペーストに混合される成分としては、用途に応じて、エポキシ化合物やセルロース、アクリル化合物などの有機樹脂、分散剤、硬化剤や硬化促進剤などの添加剤、有機溶剤、Ag、Au、AlやNiなどの金属粉、シリカ、アルミナなど金属酸化物粉などを適宜選択することができる。
本発明の銅粉末は、銅粉と組み合わせ、溶剤や樹脂等からなるビヒクルと混合、混練させて銅ペーストとすることができる。銅粉末以外に銅ペーストに混合される成分としては、用途に応じて、エポキシ化合物やセルロース、アクリル化合物などの有機樹脂、分散剤、硬化剤や硬化促進剤などの添加剤、有機溶剤、Ag、Au、AlやNiなどの金属粉、シリカ、アルミナなど金属酸化物粉などを適宜選択することができる。
例えば、MLCCの外部電極として、金属粉末をフィラーとした導電性ペーストを使用する場合、高温で焼成した誘電体であるセラミックスに、外部電極として金属粉末を焼き付けている。形成したセラミックス素体を導電ペーストにディップ後に熱処理を行うことで、加熱中にビヒクル分が蒸発または分解除去されるとともに、金属粉末が焼結して導電膜が形成され電極となる。
これらの銅ペーストには銅粉として、電解法やアトマイズ法により得られたものが一般に使用されている。ところが、これらの方法で合成される銅粉は、結晶性が高いため、電極や導電回路を形成するために焼成を行った際に、焼結が十分に進まず、部分的に不連続な導電膜が形成され、良好な導電性が得られないなどの問題が生じていた。こうした状況では、導電膜内で発生したジュール熱のため、電子部品の信頼性が損なわれたり、発生した熱により酸化が促進され、更に導電膜の導電性が損なわれたりする場合がある。
これらの銅ペーストには銅粉として、電解法やアトマイズ法により得られたものが一般に使用されている。ところが、これらの方法で合成される銅粉は、結晶性が高いため、電極や導電回路を形成するために焼成を行った際に、焼結が十分に進まず、部分的に不連続な導電膜が形成され、良好な導電性が得られないなどの問題が生じていた。こうした状況では、導電膜内で発生したジュール熱のため、電子部品の信頼性が損なわれたり、発生した熱により酸化が促進され、更に導電膜の導電性が損なわれたりする場合がある。
これに対して、本発明の銅粉末は、焼結体密度が低い銅粉に、特定の割合で添加することにより、焼結体密度を向上できるために、これを配合した銅ペーストは、MLCCやチップ抵抗器の外部電極や電磁波シールド、スルーホールやビア埋め用のプリント基板、太陽電池やタッチパネルに代表される配線材料など電子素子の製造に好ましく使用できる。
以下に、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、銅粉として、アトマイズ粉(日本アトマイズ加工株式会社製、平均粒径:2.5μm、300℃における収縮率:−0.5%(膨張)、かつ1,000℃までの最大収縮率:11.3%のものを使用し、比較用の銅粉末として、湿式銅粉(三井金属工業株式会社製、品名:1100Y、平均粒径:1.0μm)を用いた。
また、粉末の平均粒径や熱収縮挙動などの物性は、下記の要領で測定・評価した。
(1)平均粒径
銅粉末、銅粉の平均粒径は、レーザー回折・散乱法粒度分布測定器(日機装株式会社製、HRA9320 X−100)を用いて測定した。
(1)平均粒径
銅粉末、銅粉の平均粒径は、レーザー回折・散乱法粒度分布測定器(日機装株式会社製、HRA9320 X−100)を用いて測定した。
(2)熱収縮挙動(焼結性)
測定対象の粉体を0.3g秤量して直径5mmの金型内に充填させ、プレス機で1.96kNの荷重をかけてペレットに成形した。このペレットを、熱機械分析(TMA)装置(BRUKER axs社製、TMA4000SA)を用いて、加熱時の熱収縮挙動を測定した。測定条件は、ペレットにかける荷重を98mNとし、窒素に2容量%の水素を添加した混合ガスを200ml/分で連続的に流した還元雰囲気中で、室温から1,000℃まで10℃/分の加熱速度とした。
得られた熱収縮挙動から、室温のペレットに対して、300℃における収縮率と、1,000℃まで加熱中の最大収縮率を得た。
以上の測定結果から、混合銅粉の特性として、最大収縮率Cmが式(1)及び式(2)を満たす場合を焼結性が優(◎)、式(1)のみを満たす場合を良(○)とし、式(1)を満たさない場合を不可(×)とした。
C1−(C1−C2)×0.5≦Cm≦C1+1 ・・・(1)
C1−(C1−C2)×0.3≦Cm≦C1+1 ・・・(2)
測定対象の粉体を0.3g秤量して直径5mmの金型内に充填させ、プレス機で1.96kNの荷重をかけてペレットに成形した。このペレットを、熱機械分析(TMA)装置(BRUKER axs社製、TMA4000SA)を用いて、加熱時の熱収縮挙動を測定した。測定条件は、ペレットにかける荷重を98mNとし、窒素に2容量%の水素を添加した混合ガスを200ml/分で連続的に流した還元雰囲気中で、室温から1,000℃まで10℃/分の加熱速度とした。
得られた熱収縮挙動から、室温のペレットに対して、300℃における収縮率と、1,000℃まで加熱中の最大収縮率を得た。
以上の測定結果から、混合銅粉の特性として、最大収縮率Cmが式(1)及び式(2)を満たす場合を焼結性が優(◎)、式(1)のみを満たす場合を良(○)とし、式(1)を満たさない場合を不可(×)とした。
C1−(C1−C2)×0.5≦Cm≦C1+1 ・・・(1)
C1−(C1−C2)×0.3≦Cm≦C1+1 ・・・(2)
(3)圧粉体密度および焼結体密度
上記作製したTMA測定前のペレットの寸法及び質量から求めた密度を圧粉体密度とし、1,000℃まで加熱させたTMA測定後のペレットの寸法及び質量から求めた密度を焼結体密度とした。
得られた結果について、混合銅粉の焼結体密度/圧粉体密度の値が、銅粉の焼結体密度/圧粉体密度の値よりも高い場合を良(○)とした。
上記作製したTMA測定前のペレットの寸法及び質量から求めた密度を圧粉体密度とし、1,000℃まで加熱させたTMA測定後のペレットの寸法及び質量から求めた密度を焼結体密度とした。
得られた結果について、混合銅粉の焼結体密度/圧粉体密度の値が、銅粉の焼結体密度/圧粉体密度の値よりも高い場合を良(○)とした。
(4)コストメリット
銅粉と銅粉末のコストから混合銅粉のコストを試算し、銅粉のコストより著しく上昇する場合を不可(×)、それ以外を良(○)とした。
(5)総合評価
混合銅粉の特性、およびコストメリットの両項目において、一項目でも不可(×)の項目があれば総合評価は不可(×)とし、すべての項目で優(◎)または良(○)の場合のみ総合評価を良(○)とした。
銅粉と銅粉末のコストから混合銅粉のコストを試算し、銅粉のコストより著しく上昇する場合を不可(×)、それ以外を良(○)とした。
(5)総合評価
混合銅粉の特性、およびコストメリットの両項目において、一項目でも不可(×)の項目があれば総合評価は不可(×)とし、すべての項目で優(◎)または良(○)の場合のみ総合評価を良(○)とした。
(実施例1〜5)
<銅粉末の製造>
含水率が5質量%の酸化第二銅(含水率5質量%、住友金属鉱山株式会社製)と、ポリオール(溶媒)のトリエチレングリコール(関東化学株式会社製、沸点:287℃)を質量比で23:77の割合で混合した原料を溶媒中に供給し、260℃まで加熱して、この温度を維持しながら1時間撹拌した。
その後、還元後の銅粉末を沈降させ上澄みを回収した後、残留品に洗浄剤として純水:(導電率1.0μS/cm)を供給し、25℃で撹拌洗浄(純水洗浄)し、再び銅粉末を沈降させ上澄みを回収後に、遠心分離機(2300rpm)で遠心脱水しながら、エタノール(関東化学株式会社製)を純水とエタノールの質量比で20:80となるまで供給し、脱水洗浄(アルコール洗浄)して銅粉末を得た。得られた銅粉末の平均粒径は0.38μmであった。また300℃における収縮率を測定すると2.1%で、1,000℃までの最大収縮率を測定すると14.7%を示した。
<銅粉末の製造>
含水率が5質量%の酸化第二銅(含水率5質量%、住友金属鉱山株式会社製)と、ポリオール(溶媒)のトリエチレングリコール(関東化学株式会社製、沸点:287℃)を質量比で23:77の割合で混合した原料を溶媒中に供給し、260℃まで加熱して、この温度を維持しながら1時間撹拌した。
その後、還元後の銅粉末を沈降させ上澄みを回収した後、残留品に洗浄剤として純水:(導電率1.0μS/cm)を供給し、25℃で撹拌洗浄(純水洗浄)し、再び銅粉末を沈降させ上澄みを回収後に、遠心分離機(2300rpm)で遠心脱水しながら、エタノール(関東化学株式会社製)を純水とエタノールの質量比で20:80となるまで供給し、脱水洗浄(アルコール洗浄)して銅粉末を得た。得られた銅粉末の平均粒径は0.38μmであった。また300℃における収縮率を測定すると2.1%で、1,000℃までの最大収縮率を測定すると14.7%を示した。
<混合銅粉の特性>
上記得られた銅粉末とアトマイズ粉(銅粉末の平均粒径はアトマイズ粉の0.15倍)を質量比でそれぞれ、5:95(実施例1)、25:75(実施例2)、50:50(実施例3)、75:25(実施例4)、80:20(実施例5)の割合で添加、混合させ、混合銅粉とした。得られた混合銅粉の最大収縮量、圧粉体密度、焼結体密度を測定した。
上記得られた銅粉末とアトマイズ粉(銅粉末の平均粒径はアトマイズ粉の0.15倍)を質量比でそれぞれ、5:95(実施例1)、25:75(実施例2)、50:50(実施例3)、75:25(実施例4)、80:20(実施例5)の割合で添加、混合させ、混合銅粉とした。得られた混合銅粉の最大収縮量、圧粉体密度、焼結体密度を測定した。
(比較例1、2、従来例、参考例)
実施例において、上記得られた銅粉末とアトマイズ粉の混合割合を変えて、質量比でそれぞれ、3:97(比較例1)、85:15(比較例2)の割合で添加、混合させ、混合銅粉とした。なお、銅粉末とアトマイズ粉の混合割合が0:100、すなわちアトマイズ粉の場合が(従来例)であり、100:0すなわち銅粉末のみの場合が(参考例)である。得られた混合銅粉の最大収縮量、圧粉体密度、焼結体密度を測定した。
実施例において、上記得られた銅粉末とアトマイズ粉の混合割合を変えて、質量比でそれぞれ、3:97(比較例1)、85:15(比較例2)の割合で添加、混合させ、混合銅粉とした。なお、銅粉末とアトマイズ粉の混合割合が0:100、すなわちアトマイズ粉の場合が(従来例)であり、100:0すなわち銅粉末のみの場合が(参考例)である。得られた混合銅粉の最大収縮量、圧粉体密度、焼結体密度を測定した。
「評価」
実施例1〜5および比較例2の混合銅粉の最大収縮量Cmは、図1のように13.1%〜14.3%の収縮を示し、式(1)または式(2)を満たすもので、焼結性は良かった。また実施例1〜5および比較例2の混合銅粉の焼結体密度/圧粉体密度の値は、従来例の別の銅粉のみの焼結体密度/圧粉体密度の値よりも高いことも示し、焼結体密度の判定では良(○)と判断した。
しかしながら、銅粉末の添加、混合比率が混合銅粉全体の85質量%と高い比較例2は混合銅粉の特性は良好ながら、銅粉であるアトマイズ粉よりも製造コストが高い銅粉末の比率が高く、コストメリットがないため、総合評価としては不可(×)となった。
また銅粉末の添加、混合比率が混合銅粉全体の3質量%と低い比較例1は、混合銅粉の最大収縮量Cmが12.3%の収縮と式(1)を満足しない値を示し、総合評価で不可(×)であった。
これらに対して、実施例1〜5については、混合銅粉の特性は良好で、コストメリットもあり、総合評価としては良(○)であった。以上の結果を表1にまとめて示す。
実施例1〜5および比較例2の混合銅粉の最大収縮量Cmは、図1のように13.1%〜14.3%の収縮を示し、式(1)または式(2)を満たすもので、焼結性は良かった。また実施例1〜5および比較例2の混合銅粉の焼結体密度/圧粉体密度の値は、従来例の別の銅粉のみの焼結体密度/圧粉体密度の値よりも高いことも示し、焼結体密度の判定では良(○)と判断した。
しかしながら、銅粉末の添加、混合比率が混合銅粉全体の85質量%と高い比較例2は混合銅粉の特性は良好ながら、銅粉であるアトマイズ粉よりも製造コストが高い銅粉末の比率が高く、コストメリットがないため、総合評価としては不可(×)となった。
また銅粉末の添加、混合比率が混合銅粉全体の3質量%と低い比較例1は、混合銅粉の最大収縮量Cmが12.3%の収縮と式(1)を満足しない値を示し、総合評価で不可(×)であった。
これらに対して、実施例1〜5については、混合銅粉の特性は良好で、コストメリットもあり、総合評価としては良(○)であった。以上の結果を表1にまとめて示す。
(実施例6)
<銅粉末の製造>
上記銅粉末の製造条件で、含水率が5質量%の酸化第二銅とトリエチレングリコールの質量比を5:95の割合とした以外は実施例1と同じ条件として銅粉末を得た。
得られた銅粉末の平均粒径は0.21μmであった。また300℃における収縮率を測定すると2.8%の収縮を示し、1,000℃までの最大収縮率を測定すると14.9%の収縮を示した。
<混合銅粉の特性>
上記得られた銅粉末とアトマイズ粉(銅粉末の平均粒径はアトマイズ粉の0.084倍)を質量比で25:75の割合で添加、混合させ、混合銅粉とした。
得られた混合銅粉の最大収縮量Cmを測定した結果、14.3%の収縮を示し、式(1)及び(2)を満足した。またコストメリットもあることから総合評価も良(○)であった。これらの結果を表2に示す。
<銅粉末の製造>
上記銅粉末の製造条件で、含水率が5質量%の酸化第二銅とトリエチレングリコールの質量比を5:95の割合とした以外は実施例1と同じ条件として銅粉末を得た。
得られた銅粉末の平均粒径は0.21μmであった。また300℃における収縮率を測定すると2.8%の収縮を示し、1,000℃までの最大収縮率を測定すると14.9%の収縮を示した。
<混合銅粉の特性>
上記得られた銅粉末とアトマイズ粉(銅粉末の平均粒径はアトマイズ粉の0.084倍)を質量比で25:75の割合で添加、混合させ、混合銅粉とした。
得られた混合銅粉の最大収縮量Cmを測定した結果、14.3%の収縮を示し、式(1)及び(2)を満足した。またコストメリットもあることから総合評価も良(○)であった。これらの結果を表2に示す。
(実施例7)
<銅粉末の製造>
上記銅粉末の製造条件で、加熱する温度を225℃とした以外は実施例1と同じ条件として銅粉末を得た。得られた銅粉末の平均粒径は0.97μmであった。また300℃における収縮率を測定すると2.9%の収縮を示し、1,000℃までの最大収縮率を測定すると14.6%の収縮を示した。
<混合銅粉の特性>
上記得られた銅粉末とアトマイズ粉(銅粉末の平均粒径はアトマイズ粉の0.39倍)を質量比で25:75の割合で添加、混合させ、混合銅粉とした。
得られた混合銅粉の最大収縮量Cmを測定した結果、13.5%の収縮を示し、式(1)を満足した。またコストメリットもあることから総合評価も良(○)であった。これらの結果を表2に示す。
<銅粉末の製造>
上記銅粉末の製造条件で、加熱する温度を225℃とした以外は実施例1と同じ条件として銅粉末を得た。得られた銅粉末の平均粒径は0.97μmであった。また300℃における収縮率を測定すると2.9%の収縮を示し、1,000℃までの最大収縮率を測定すると14.6%の収縮を示した。
<混合銅粉の特性>
上記得られた銅粉末とアトマイズ粉(銅粉末の平均粒径はアトマイズ粉の0.39倍)を質量比で25:75の割合で添加、混合させ、混合銅粉とした。
得られた混合銅粉の最大収縮量Cmを測定した結果、13.5%の収縮を示し、式(1)を満足した。またコストメリットもあることから総合評価も良(○)であった。これらの結果を表2に示す。
(比較例3)
<銅粉末の製造>
上記銅粉末の製造条件で、加熱する温度を200℃とした以外は実施例1と同じ条件として銅粉末を得た。
得られた銅粉末の平均粒径は1.63μmであった。また300℃における収縮率を測定すると2.9%の収縮を示し、1,000℃までの最大収縮率を測定すると14.2%の収縮を示した。
<混合銅粉の特性>
上記により得られた銅粉末と別の銅粉としてアトマイズ粉(銅粉末の平均粒径はアトマイズ粉の0.65倍)を質量比で25:75の割合で添加、混合させ、混合銅粉とした。
得られた混合銅粉の最大収縮量Cmを測定した結果、12.5%の収縮を示し、式(1)式を満足しなかった。従って総合評価は不可(×)と判断された。これらの結果を表2に示す。
<銅粉末の製造>
上記銅粉末の製造条件で、加熱する温度を200℃とした以外は実施例1と同じ条件として銅粉末を得た。
得られた銅粉末の平均粒径は1.63μmであった。また300℃における収縮率を測定すると2.9%の収縮を示し、1,000℃までの最大収縮率を測定すると14.2%の収縮を示した。
<混合銅粉の特性>
上記により得られた銅粉末と別の銅粉としてアトマイズ粉(銅粉末の平均粒径はアトマイズ粉の0.65倍)を質量比で25:75の割合で添加、混合させ、混合銅粉とした。
得られた混合銅粉の最大収縮量Cmを測定した結果、12.5%の収縮を示し、式(1)式を満足しなかった。従って総合評価は不可(×)と判断された。これらの結果を表2に示す。
(比較例4)
<銅粉末の製造>
上記銅粉末の製造条件で、遠心脱水中に供給する洗浄液にエタノールを混合させず、純水のみとして脱水洗浄した以外は実施例1と同じ条件として銅粉末を得た。得られた銅粉末の平均粒径は0.40μmであった。また300℃における収縮率を測定すると0.9%の収縮を示し、1,000℃までの最大収縮率を測定すると14.1%の収縮を示した。
<混合銅粉の特性>
上記得られた銅粉末と銅粉としてアトマイズ粉(銅粉末の平均粒径はアトマイズ粉の0.16倍)を質量比で25:75の割合で添加、混合して、混合銅粉とした。
得られた混合銅粉の最大収縮量Cmを測定した結果、12.5%の収縮を示し、式(1)を満足しなかった。従って総合評価は不可(×)と判断された。これらの結果を表2に示す。
<銅粉末の製造>
上記銅粉末の製造条件で、遠心脱水中に供給する洗浄液にエタノールを混合させず、純水のみとして脱水洗浄した以外は実施例1と同じ条件として銅粉末を得た。得られた銅粉末の平均粒径は0.40μmであった。また300℃における収縮率を測定すると0.9%の収縮を示し、1,000℃までの最大収縮率を測定すると14.1%の収縮を示した。
<混合銅粉の特性>
上記得られた銅粉末と銅粉としてアトマイズ粉(銅粉末の平均粒径はアトマイズ粉の0.16倍)を質量比で25:75の割合で添加、混合して、混合銅粉とした。
得られた混合銅粉の最大収縮量Cmを測定した結果、12.5%の収縮を示し、式(1)を満足しなかった。従って総合評価は不可(×)と判断された。これらの結果を表2に示す。
(比較例5)
<銅粉末>
三井金属工業株式会社製の湿式銅粉(品名:1100Y、平均粒径:1.0μm)を用いた。300℃における収縮率を測定すると−0.3%(膨張)を示し、1,000℃までの最大収縮率を測定すると13.8%の収縮を示した。
<混合銅粉の特性>
上記で得られた銅粉末と銅粉としてアトマイズ粉(銅粉末の平均粒径はアトマイズ粉の0.40倍)を質量比で25:75の割合で添加、混合させ、混合銅粉とした。
得られた混合銅粉の最大収縮量Cmを測定した結果、11.9%の収縮を示し、式(1)式を満足しなかった。従って総合評価は不可(×)と判断された。これらの結果を表2に示す。
<銅粉末>
三井金属工業株式会社製の湿式銅粉(品名:1100Y、平均粒径:1.0μm)を用いた。300℃における収縮率を測定すると−0.3%(膨張)を示し、1,000℃までの最大収縮率を測定すると13.8%の収縮を示した。
<混合銅粉の特性>
上記で得られた銅粉末と銅粉としてアトマイズ粉(銅粉末の平均粒径はアトマイズ粉の0.40倍)を質量比で25:75の割合で添加、混合させ、混合銅粉とした。
得られた混合銅粉の最大収縮量Cmを測定した結果、11.9%の収縮を示し、式(1)式を満足しなかった。従って総合評価は不可(×)と判断された。これらの結果を表2に示す。
本発明の銅粉末は、銅粉に添加、混合させて用いると、銅粉の焼結性が改善され、この混合銅粉を用いて調製した銅ペーストは、導電膜を形成したとき導電性が向上する。そのため、MLCCやチップ抵抗器の外部電極や電磁波シールド、スルーホールやビア埋め用のプリント基板、太陽電池やタッチパネルに代表される配線材料など電子部品の外部電極や導電回路の製造に有効に利用できる。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、TMA(熱機械分析)装置を用いた室温から1000℃までの熱収縮挙動測定により、300℃以下の加熱温度で熱収縮挙動を開始する平均粒径が0.025μm〜5μmの銅粉末(A)であって、
該銅粉末(A)は、平均粒径が0.5μm〜10μm、かつ300℃以下の加熱温度では熱収縮挙動を開始しない銅粉(B)に添加して、銅粉末(A)の含有量が5質量%〜80質量%の混合銅粉を調製するのに用いられ、銅粉末(A)の最大収縮率C1(%)が、銅粉(B)の最大収縮率C2(%)よりも大きく、かつ混合銅粉の最大収縮率Cm(%)が、下記の式(1)を満たすことを特徴とする銅粉末が提供される。
C1−(C1−C2)×0.5≦Cm≦C1+1 ・・・(1)
該銅粉末(A)は、平均粒径が0.5μm〜10μm、かつ300℃以下の加熱温度では熱収縮挙動を開始しない銅粉(B)に添加して、銅粉末(A)の含有量が5質量%〜80質量%の混合銅粉を調製するのに用いられ、銅粉末(A)の最大収縮率C1(%)が、銅粉(B)の最大収縮率C2(%)よりも大きく、かつ混合銅粉の最大収縮率Cm(%)が、下記の式(1)を満たすことを特徴とする銅粉末が提供される。
C1−(C1−C2)×0.5≦Cm≦C1+1 ・・・(1)
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記混合銅粉中の銅粉末(A)の含有量は、5質量%〜50質量%であることを特徴とする銅粉末が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、前記銅粉末(A)の平均粒径は、前記銅粉(B)の平均粒径の0.05倍〜0.5倍であることを特徴とする銅粉末が提供される。
また、本発明の第1〜4のいずれかの発明の銅粉末(A)と、銅粉(B)を含むことを特徴とする混合銅粉が提供される。
さらに、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明の銅粉末を含む混合銅粉に、溶剤と樹脂を配合してなる銅ペーストが提供される。
さらに、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明の銅粉末を含む混合銅粉に、溶剤と樹脂を配合してなる銅ペーストが提供される。
なお、本発明では混同を避けるために、本発明の添加剤として用いられるものを「銅粉末(A)」、焼結性を改善する対象となる電解法やアトマイズ法で製造されたものを「銅粉(B)」ということがあり、両者を混合させたものを「混合銅粉」、これらを総称して単に粉体ともいう。
2.銅粉(B)
本発明において、銅粉(B)は、電解法やアトマイズ法で製造された金属粉であり、前記銅粉末(A)とともに混合銅粉の材料として使用される。
本発明において、銅粉(B)は、電解法やアトマイズ法で製造された金属粉であり、前記銅粉末(A)とともに混合銅粉の材料として使用される。
3.混合銅粉
前記のとおり、この銅粉(B)に対して本発明の銅粉末(A)を添加剤として用いて混合銅粉とする。銅粉末(A)の平均粒径は、前記のとおり0.025μm〜5μmが好ましく、0.1μm〜5μmがより好ましい。本発明の銅粉末(A)の平均粒径を銅粉に対する比率で示すと、銅粉(B)の平均粒径の0.05倍〜0.5倍が好ましく、より好ましくは0.06倍〜0.4倍、さらに好ましくは0.07倍〜0.3倍である。
前記のとおり、この銅粉(B)に対して本発明の銅粉末(A)を添加剤として用いて混合銅粉とする。銅粉末(A)の平均粒径は、前記のとおり0.025μm〜5μmが好ましく、0.1μm〜5μmがより好ましい。本発明の銅粉末(A)の平均粒径を銅粉に対する比率で示すと、銅粉(B)の平均粒径の0.05倍〜0.5倍が好ましく、より好ましくは0.06倍〜0.4倍、さらに好ましくは0.07倍〜0.3倍である。
Claims (9)
- TMA(熱機械分析)装置を用いた室温から1000℃までの熱収縮挙動測定により、300℃以下の加熱温度で熱収縮挙動を開始する銅粉末(A)であって、
300℃以下の加熱温度では熱収縮挙動を開始しない銅粉(B)に添加して混合銅粉を調製したときに、銅粉末(A)の最大収縮率C1(%)が、銅粉(B)の最大収縮率C2(%)よりも大きく、かつ混合銅粉の最大収縮率Cm(%)が、下記の式(1)を満たすことを特徴とする銅粉末。
C1−(C1−C2)×0.5≦Cm≦C1+1 ・・・(1) - 前記混合銅粉の最大収縮率Cmは、式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の銅粉末。
C1−(C1−C2)×0.3≦Cm≦C1+1 ・・・(2) - 前記銅粉末(A)は、ポリオール中で銅化合物を還元させる湿式法で製造された銅粉末であることを特徴とする請求項1または2に記載の銅粉末。
- 前記銅粉末(A)は、平均粒径が0.025μm〜5μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅粉末。
- 前記混合銅粉中の銅粉末(A)の含有量は、5質量%〜80質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の銅粉末。
- 前記銅粉(B)は、電解法やアトマイズ法で製造された銅粉であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の銅粉末。
- 前記銅粉末(B)は、平均粒径が0.5μm〜10μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の銅粉末。
- 前記銅粉末(A)の平均粒径は、前記銅粉(B)の平均粒径の0.05倍〜0.5倍であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の銅粉末。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の銅粉末を用いた混合銅粉に、溶剤と樹脂を配合してなる銅ペースト。
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