JP2021031691A - Cu合金粉末 - Google Patents

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Abstract

【課題】急速溶融急冷凝固を伴うプロセスによって優れた特性を有する造形物が得られ得る、Cu合金粉末の提供。【解決手段】Cu合金粉末Pは、第一粉末P1と第二粉末P2との混合物である。この第一粉末P1の材質は、(1−1)Cr、Fe、Ni、Zr及びNbからなる群から選択された1種又は2種以上:0.20質量%以上10.0質量%以下並びに(1−2)不可避的不純物を含むCu合金である。第二粉末P2の材質は、(2−1)Cr、Fe、Ni、Zr及びNbからなる群から選択された1種又は2種以上:0.20質量%未満(0.00質量%である場合を含む)並びに(2−2)不可避的不純物を含む純Cu又はCu合金である。【選択図】なし

Description

本発明は、三次元積層造形法、溶射法、レーザーコーティング法、肉盛法等の、急速溶融急冷凝固を伴うプロセスに適した金属粉末に関する。詳細には、本発明は、その材質がCu合金である粉末に関する。
金属からなる造形物の製作に、3Dプリンターが使用されている。この3Dプリンターでは、積層造形法によって造形物が製作される。積層造形法では、敷き詰められた金属粉末に、レーザービーム又は電子ビームが照射される。照射により、粉末の金属粒子が溶融する。粒子はその後、凝固する。この溶融と凝固とにより、粒子同士が結合する。照射は、金属粉末の一部に、選択的になされる。粉末の、照射がなされなかった部分は、溶融しない。照射がなされた部分のみにおいて、結合層が形成される。
結合層の上に、さらに金属粉末が敷き詰められる。この金属粉末に、レーザービーム又は電子ビームが照射される。照射により、金属粒子が溶融する。金属はその後、凝固する。この溶融と凝固とにより、粉末中の粒子同士が結合され、新たな結合層が形成される。新たな結合層は、既存の結合層とも結合される。
照射による結合が繰り返されることにより、結合層の集合体が徐々に成長する。この成長により、三次元形状を有する造形物が得られる。積層造形法により、複雑な形状の造形物が、容易に得られる。積層造形法の一例が、特許第4661842号公報に開示されている。
高周波誘導加熱装置、モーター冷却用ヒートシンク等に使用される合金には、高伝導度が要求される。このような用途には、Cu合金が適している。
特願2014−544456公報には、主成分がCuであり、Zrを含むCu基合金が開示されている。このCu基合金におけるZrの含有率は、5at%から8at%である。
特願2005−090521公報には、主成分がCuであり、Zrを含むナノ結晶粉末が開示されている。この粉末の材質であるCu合金におけるZrの含有率は、0.05質量%から45質量%である。この粉末の粒子サイズは、2nmから1000nmである。
特許第4661842号公報 特願2014−544456公報 特願2005−090521公報
積層造形法では、金属材料が急速に溶融され、かつ急冷されて凝固する。このような急速溶融急冷凝固を伴うプロセスに用いられる粉末には、従来のCu合金は不向きである。従来のCu合金粉末からは、高密度な造形物は得られにくい。溶射法、レーザーコーティング法、肉盛法等の、他の急速溶融急冷凝固プロセスにも、従来のCu合金は不向きである。
本発明の目的は、急速溶融急冷凝固を伴うプロセスによって優れた特性を有する造形物が得られ得る、Cu合金粉末の提供にある。
本発明に係るCu合金粉末は、第一粉末P1と第二粉末P2との混合物である。この第一粉末P1の材質は、
(1−1)Cr、Fe、Ni、Zr及びNbからなる群から選択された1種又は2種以上:0.20質量%以上10.0質量%以下
並びに
(1−2)不可避的不純物
を含むCu合金である。第二粉末P2の材質は、
(2−1)Cr、Fe、Ni、Zr及びNbからなる群から選択された1種又は2種以上:0.20質量%未満(0.00質量%である場合を含む)
及び
(2−2)不可避的不純物
を含む純Cu又はCu合金である。第一粉末P1の平均粒子径D501に対する第二粉末P2の平均粒子径D502の比(D502/D501)は、1.05以上6.00以下である。第一粉末P1と第二粉末P2との体積混合比は、1.05以上9.00以下である。
好ましくは、比(D502/D501)は、1.05以上3.00以下である。
好ましくは、体積混合比は、1.05以上4.00以下である。
好ましくは、Cu合金粉末の球形度は、0.80以上0.95以下である。
本発明に係るCu合金粉末から、急速溶融急冷凝固を伴うプロセスにより、優れた特性を有する造形物が得られる。
本発明に係るCu合金粉末Pは、多数の粒子の集合である。この粉末Pは、第一粉末P1と第二粉末P2との混合物である。
Fe基合金、Ni基合金、Co基合金等のレーザー反射率と比較すると、純Cuのレーザー反射率は高い。急速溶融急冷凝固を伴うプロセスに純Cuの粉末が用いられると、高いレーザー反射率に起因して、多くの熱が大気へ放出される。従って、粉末が溶融するための十分な熱が、この粉末に与えられない。熱の不足は、粒子同士の結合の不良を招来する。熱の不足に起因して、この粉末から得られた造形物の内部に、未溶融の粒子が残存する。この造形物の相対密度は、低い。
エネルギー密度が高いレーザーが純Cu粉末に照射されれば、未溶融の粒子の残存は抑制される。しかし、エネルギー密度が高いレーザーの照射により、スパッタが多く発生する。このスパッタは、既に形成されている結合層に付着する。この結合層の上にさらに粉末が敷き詰められるとき、高密度な充填がスパッタによって阻害される。スパッタは、造形物の内部欠陥を招来する。
本発明に係るCu合金粉末Pにレーザーが照射されると、合金元素の含有率が大きい第一粉末P1が、まず溶融する。この第一粉末P1の溶融熱により、第二粉末P2も溶融する。このCu合金粉末Pの溶融には、エネルギー密度が高いレーザーは不要である。この粉末Pが用いられたプロセスでは、スパッタの発生が抑制される。合金元素の含有率が小さい第二粉末P2は、造形物の導電性に寄与しうる。このCu合金粉末Pから、高密度でありかつ導電性に優れる造形物が得られうる。
[第一粉末P1]
第一粉末P1の材質は、Cu合金である。このCu合金は、
(1−1)合金元素
及び
(1−2)不可避的不純物
を含む。好ましくは、残部はCuである。
合金元素(1−1)は、Cr(クロム)、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)、Zr(ジルコニウム)又はNb(ニオブ)である。第一粉末P1が、2種以上の合金元素(1−1)を含有してもよい。
それぞれの合金元素(1−1)の、平衡状態図上のCuへの固溶限は、小さい。しかし、粉末がアトマイズ法のような急冷凝固を伴う方法で得られると、合金元素(1−1)がCuに過飽和に固溶しうる。この過飽和固溶体では、レーザー反射率が抑制される。Cu合金粉末Pが急速溶融急冷凝固を伴うプロセスに供されると、第一粉末P1は容易に溶融する。
合金元素(1−1)の含有率は、0.20質量%以上10.0質量%以下である。この含有率が0.20質量%以上である第一粉末P1は、容易に溶融する。この観点から、0.30質量%以上がより好ましく、0.50質量%以上が特に好ましい。この含有率が10.0質量%以下である第一粉末P1は、造形物の導電性を大きくは阻害しない。この観点から、含有率は5.0質量%以下がより好ましく、3.0質量%以下が特に好ましい。
典型的な不可避的不純物(1−2)は、Si、P及びSである。
[第二粉末P2]
第二粉末P2の材質は、純Cu又はCu合金である。この金属は、
(2−1)合金元素
及び
(2−2)不可避的不純物
を含む。好ましくは、残部はCuである。
合金元素(2−1)は、第一粉末P1の合金元素(1−1)と同様、Cr(クロム)、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)、Zr(ジルコニウム)又はNb(ニオブ)である。第二粉末P2が、2種以上の合金元素(2−1)を含有してもよい。
合金元素(2−1)の含有率は、0.20質量%未満である。含有率が0.20質量%未満である第二粉末P2は、造形物の導電性に寄与しうる。この観点から、この含有率は0.15質量%以下がより好ましく、0.10質量%以下が特に好ましい。この含有率が、ゼロであってもよい。換言すれば、第二粉末P2において、合金元素(2−1)は、必須の成分ではない。第二粉末P2が合金元素(2−1)を含有する場合、この第二粉末P2の材質はCu合金である。第二粉末P2が合金元素(2−1)を含有しない場合(つまり含有率が0.00質量%である場合)、この第二粉末P2の材質は純Cu(Cuと不可避不純物とのみを含む金属)である。
典型的な不可避的不純物(2−2)は、Si、P及びSである。
[体積混合比(V1/V2)]
Cu合金粉末Pにおける、第一粉末P1の体積含有率V1と第二粉末P2の体積含有率V2との比(V1/V2)は、1.05以上9.00以下が好ましい。この比(V1/V2)が1.05以上である粉末Pから、密度の大きい造形物が得られうる。この観点から、体積混合比は1.50以上がより好ましく、2.00以上が特に好ましい。この比(V1/V2)が9.00以下である粉末Pから、導電性に優れた造形物が得られうる。この観点から、体積混合比は7.00以下がより好ましく、4.00以下が特に好ましい。
[平均粒子径]
第一粉末P1の平均粒子径D501に対する第二粉末P2の平均粒子径D502の比(D502/D501)は、1.05以上6.00以下が好ましい。比(D502/D501)が1.05以上であるCu合金粉末Pでは、レーザーの照射時に第一粉末P1が溶融しやすい。この観点から、比(D502/D501)は1.10以上がより好ましく、1.20以上が特に好ましい。比(D502/D501)が6.00以下であるCu合金粉末Pでは、レーザーの照射によって生じる第一粉末P1の溶解熱により、第二粉末P2が溶解しやすい。この観点から、比(D502/D501)は4.00以下がより好ましく、3.00以下が特に好ましい。
第一粉末P1の平均粒子径D501は、5μm以上40μm以下が好ましく、10μm以上20μm以下が特に好ましい。第二粉末P2の平均粒子径D502は、15μm以上50μm以下が好ましく、20μm以上30μm以下が特に好ましい。
平均粒子径の測定では、粉末の全体積が100%とされて、累積カーブが求められる。このカーブ上の、累積体積が50%である点の粒子径が、平均粒子径である。平均粒子径は、レーザー回折散乱法によって測定される。この測定に適した装置として、日機装社のレーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置「マイクロトラックMT3000」が挙げられる。この装置のセル内に、粉末が純水と共に流し込まれ、粒子の光散乱情報に基づいて、粒子径が検出される。
[球形度]
Cu合金粉末Pの球形度は、0.80以上0.95以下が好ましい。球形度が0.80以上である粉末Pは、流動性に優れる。この観点から、球形度は0.83以上がより好ましく、0.85以上が特に好ましい。球形度が0.95以下である粉末Pでは、レーザーの反射が抑制されうる。この観点から、球形度は0.93以下がより好ましく、0.90以下が特に好ましい。
球形度の測定では、粉末Pが樹脂に埋め込まれた試験片が準備される。この試験片が鏡面研磨に供され、研磨面が光学顕微鏡で観察される。顕微鏡の倍率は、100倍である。無作為に抽出された20個の粒子について画像解析がなされ、この粒子の球形度が測定される。20個の測定値の平均が、粉末Pの球形度である。粒子の球形度は、この粒子の輪郭内に画かれうる最長線分の長さに対する、この最長線分に対して垂直な方向における長さの比である。
[粉末の製造方法]
第一粉末P1及び第二粉末P2のそれぞれの製造方法として、水アトマイズ法、単ロール急冷法、双ロール急冷法、ガスアトマイズ法、ディスクアトマイズ法及び遠心アトマイズ法が例示される。好ましい製造方法は、単ロール冷却法、ガスアトマイズ法及びディスクアトマイズ法である。粉末に、メカニカルミリング等が施されてもよい。メカニカルミリング方法として、ボールミル法、ビーズミル法、遊星ボールミル法、アトライタ法及び振動ボールミル法が例示される。第一粉末P1及び第二粉末P2が既知の方法で混合されて、Cu合金粉末Pが得られる。
[造形]
本発明に係るCu合金粉末Pから、種々の造形物が製造されうる。この造形物の製造方法は、
(1)第一粉末P1及び第二粉末P2を製作する工程、
(2)上記第一粉末P1及び第二粉末P2を混合し、Cu合金粉末Pを得る工程、
及び
(3)このCu合金粉末Pを溶融及び凝固し、未熱処理の造形物を得る工程
を含む。Cu合金粉末Pを溶融及び凝固する工程として、急速溶融急冷凝固プロセスが挙げられる。このプロセスの具体例として、三次元積層造形法、溶射法、レーザーコーティング法及び肉盛法が挙げられる。特に、三次元積層造形法に、この金属粉末は適している。
この積層造形法には、3Dプリンターが使用されうる。この積層造形法では、敷き詰められたCu合金粉末Pに、レーザービーム又は電子ビームが照射される。照射により、粒子が急速に加熱され、急速に溶融する。粒子はその後、急速に凝固する。この溶融と凝固とにより、粒子同士が結合する。照射は、Cu合金粉末Pの一部に、選択的になされる。粉末Pの、照射がなされなかった部分は、溶融しない。照射がなされた部分のみにおいて、結合層が形成される。
結合層の上に、さらにCu合金粉末Pが敷き詰められる。この粉末Pに、レーザービーム又は電子ビームが照射される。照射により、粒子が急速に溶融する。粒子はその後、急速に凝固する。この溶融と凝固とにより、粉末中の粒子同士が結合され、新たな結合層が形成される。新たな結合層は、既存の結合層とも結合される。
照射による結合が繰り返されることにより、結合層の集合体が徐々に成長する。この成長により、三次元形状を有する造形物が得られる。この積層造形法により、複雑な形状の造形物が、容易に得られる。
[造形の条件]
積層造形法などの急速溶融急冷凝固プロセスで焼結をおこなう時のエネルギー密度E.D.は、100J/mm以上220J/mm以下が好ましい。エネルギー密度E.D.が100J/mm以上である場合、十分な熱がCu合金粉末Pに与えられる。従って、造形物内部における未溶融粉末の残存が抑制される。この造形物の相対密度は、大きい。この観点から、エネルギー密度E.D.は120J/mm以上がより好ましく、140J/mm以上が特に好ましい。エネルギー密度E.D.が220J/mm以下である場合、過剰な熱が粉末に与えられない。従って、溶融金属の突沸が抑制され、スパッタの発生も抑制される。この観点から、エネルギー密度E.D.は210J/mm以下がより好ましく、205J/mm以下が特に好ましい。
[相対密度]
急速溶融急冷凝固プロセスで得られた造形物(すなわち、後述される熱処理が施される前の造形物)の相対密度は、90%以上が好ましい。この未熱処理の造形物は、寸法精度及び導電性に優れる。この観点から、相対密度は93%以上がより好ましく、95%以上がさらに好ましい。
相対密度は、積層造形法等で作製した10mm角試験片の密度と、原料であるCu合金粉末Pのかさ密度との比に基づいて算出される。10mm角試験片の密度は、アルキメデス法によって測定される。Cu合金粉末Pのかさ密度は、乾式密度測定器によって測定される。
[熱処理]
好ましくは、造形物の製造方法は、
(4)上記工程(3)で得られた未熱処理造形物に熱処理を施して造形物を得る工程
をさらに含む。好ましい熱処理は、時効処理である。時効処理により、合金元素の単相又はCuと合金元素との化合物が、粒界に析出する。この析出により、結晶粒内におけるCuの純度が高められる。この結晶粒は、造形物の導電性に寄与しうる。
[熱処理の条件]
時効では、未処理造形物が、所定温度下に所定時間保持される。時効温度は、350℃以上1000℃以下が好ましい。温度が350℃以上である時効により、合金元素の単相又はCuと合金元素との化合物が十分に析出した組織が得られる。この観点から、時効温度は400℃以上がより好ましく、450℃以上が特に好ましい。温度が1000℃以下である時効では、合金元素の結晶粒内への固溶が抑制される。この観点から、時効温度は950℃以下がより好ましく、900℃以下が特に好ましい。
時効時間は、1時間以上10時間以下が好ましい。時間が1時間以上である時効により、合金元素の単相又はCuと合金元素との化合物が十分に析出した組織が得られる。この観点から、時効時間は1.3時間以上がより好ましく、1.5時間以上が特に好ましい。時間が10時間以下である時効では、エネルギーコストが抑制される。この観点から、時間は9.7時間以下がより好ましく、9.5時間以下が特に好ましい。
[造形物の電気伝導度]
熱処理後の造形物の電気伝導度は、30IACS%以上が好ましい。電気伝導度が30IACS%以上である造形物は、導電性に優れる。この観点から、電気伝導度は40IACS%以上がより好ましく、50IACS%以上が特に好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
真空中にて、アルミナ製坩堝で、原料を高周波誘導加熱で加熱し、溶解した。坩堝の底に形成されておりその直径が5mmであるノズルから、溶湯を落下させた。この溶湯に、アルゴンガスを噴霧し、多数の粒子を得た。これらの粒子に分級を施して直径が63μmを超える粒子を除去し、第一粉末P1を得た。この第一粉末P1の材質は、0.2質量%のCrを含有するCu合金である。第一粉末P1とは異なる原料から、第一粉末P1と同様の方法にて、第二粉末P2を得た。この第二粉末P2の材質は、0.10質量%のCrを含有するCu合金である。第一粉末P1と第二粉末P2とを混合し、実施例1の粉末Pを得た。この粉末Pにおける、体積混合比(V1/V2)は、3.00であった。
[実施例2−18及び比較例1−18]
仕様を下記の表1及び2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−18及び比較例1−18の粉末Pを得た。
[成形]
この粉末Pを原料として、3次元積層造形装置(EOS−M280)による積層造形法を実施し、未熱処理造形物を得た。積層造形法におけるエネルギー密度E.D.が、下記の表1及び2に示されている。造形物の形状は立方体であり、一辺の長さは10mmであった。
[熱処理]
未熱処理造形物に、熱処理(時効処理)を施した。時効温度及び時効時間が、下記の表1及び2に示されている。
[電気伝導度の測定]
試験片(3×2×60mm)を作製し、「JIS C 2525」に準拠した4端子法で、電気抵抗値(Ω)を測定した。測定には、アルバック理工社の装置「TER−2000RH型」を用いた。測定条件は、以下の通りである。
温度:25℃
電流:4A
電圧降下間距離:40mm
下記数式に基づき、電気抵抗率ρ(Ωm)を算出した。
ρ = R / I × S
この数式において、Rは試験片の電気抵抗値(Ω)であり、Iは電流(A)であり、Sは試験片の料断面積(m)である。電気伝導度(S/m)は、電気抵抗率ρの逆数から算出した。また、5.9×10(S/m)を100%IACSとして、各試験片の電気伝導度(%IACS)を算出した。この結果が、下記の表1及び2に示されている。
[格付け]
造形物の電気伝導度に関する下記の基準に基づき、各金末を格付けした。
評価1:電気伝導度が90%IACS以上である。
評価2:電気伝導度が70%IACS以上90%IACS未満である。
評価3:電気伝導度が50%IACS以上70%IACS未満である。
評価4:電気伝導度が40%IACS以上50%IACS未満である。
評価5:電気伝導度が40%IACS未満である。
この結果が、下記の表1及び2に示されている。
Figure 2021031691
Figure 2021031691
表1及び2の評価結果から、本発明の優位性は明かである。
本発明に係る粉末は、ノズルから粉末が噴射されるタイプの3Dプリンターにも適している。この粉末は、ノズルから粉末が噴射されるタイプのレーザーコーティング法にも適している。

Claims (4)

  1. 第一粉末P1と第二粉末P2との混合物であり、
    上記第一粉末P1の材質が、
    (1−1)Cr、Fe、Ni、Zr及びNbからなる群から選択された1種又は2種以上:0.20質量%以上10.0質量%以下
    並びに
    (1−2)不可避的不純物
    を含むCu合金であり、
    上記第二粉末P2の材質が、
    (2−1)Cr、Fe、Ni、Zr及びNbからなる群から選択された1種又は2種以上:0.20質量%未満(0.00質量%である場合を含む)
    並びに
    (2−2)不可避的不純物
    を含む純Cu又はCu合金であり、
    上記第一粉末P1の平均粒子径D501に対する上記第二粉末P2の平均粒子径D502の比(D502/D501)が、1.05以上6.00以下であり、
    上記第一粉末P1と上記第二粉末P2との体積混合比が1.05以上9.00以下である、Cu合金粉末。
  2. 上記比(D502/D501)が1.05以上3.00以下である請求項1に記載のCu合金粉末。
  3. 上記体積混合比が1.05以上4.00以下である請求項1又は2に記載のCu合金粉末。
  4. その球形度が0.80以上0.95以下である請求項1から3のいずれかに記載のCu合金粉末。
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